JP6038313B2 - レーザ加工部品の製造方法及びレーザ加工方法 - Google Patents
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Description
本発明は、レーザ加工部品の製造方法及びレーザ加工方法に関する。
近年、製造工程の高効率化や製造部品の高品質化、高精度化の要請の高まりから、レーザ加工の利用が進んできている。例えば、発電用タービン部品やプリント配線基板の層間接続用の孔加工等に利用されている。しかしながら、レーザで加工を行う場合には、加工時に生じるスパッタやドロス等が、表面に付着するといった課題があった。
そこで近年、発電用タービン部品の孔加工時の表面への付着を抑制する目的で、対象物の表面にマスキング剤を塗布してレーザ孔加工を行う方法が開示されている。
例えば、特許文献1では、金属粉末とシリカのペーストから成るマスキング剤を金属表面に塗布して、レーザにより孔加工を行った後、マスキング剤を除去する方法が開示されている。本手法はマスキング剤で表面を保護して、清浄な加工部の表面を得るものである。
また特許文献2では、レーザ加工中に生成した分解物を、照射部分の近傍で吸引除去しながら、加工を行う方法が開示されている。本手法は、スパッタ、ドロスといった分解物が表面に付着する前に、吸引することで、清浄な加工部の表面を得るものである。
上記の従来の方法、例えば、特許文献1の方法ではマスキング剤がセラミックコーティングであるため、除去するのにブラスト等の処理が必要となる。
また特許文献2の方法では、装置が大掛かりになったり、その装置との干渉が問題になる可能性がある。またレーザ孔加工時にはレーザと同軸でガスを吹き付けることがあるが、その場合には、吸引効果が弱まり、清浄な加工部表面が得られない可能性がある。
そこで本発明は、簡単なレーザ加工により、清浄な加工部表面を得ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、部品の表面に保護層を形成する保護工程と、前記保護層にレーザを照射して前記部品を加工する加工工程とを備えたレーザ加工部品の製造方法において、前記保護層がPを含む酸化物ガラスであり、前記加工工程後に前記保護層を液体で溶かす除去工程を備えることを特徴とする。
また、部品の表面に保護層を形成する保護工程と、前記保護層にレーザを照射して前記部品を加工する加工工程とを備えたレーザ加工方法において、前記保護層がPを含む酸化物ガラスであり、前記加工工程後に前記保護層を液体で溶かす除去工程を備えることを特徴とする。
本発明によれば、簡単なレーザ加工により、清浄な加工部表面を得ることができる。
本発明では、レーザを用いて部品の表面加工をする際、部品の表面にPを含む酸化物ガラスの保護層を設け、その上からレーザ加工する。レーザ加工後、液体洗浄することで保護層を除去するものである。液体は水や、水を主溶媒とする水溶液である。
水に溶けることを特徴とする酸化物は、P(リン)を含みP2O5やP2O4が挙げられる。これらの酸化物にはPb(鉛)とBi(ビスマス)を実質的に含まない。RoHS指令(2006年7月1日施行)ではこれらの物質は禁止物質に指定されており、実質的に含まないとは、RoHS指令における禁止物質を指定値以上の範囲で含有しないことをいう。Pを含む酸化物にV、Fe、Li、Na、K、Ba、Ca、Bを入れることで、水溶性、ガラス転移温度を調整することができる。
酸化物の水溶性を向上させるために、Vやアルカリ金属(Li、K、Na等)、アルカリ土類金属(Ba、Ca等)を入れるとよい。ただし、酸化物にVが含まれている場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属を過度に添加すると、逆に耐水性を向上しすぎるため、アルカリ金属は10mol%以下、アルカリ土類金属は5mol%以下であるとよい。
一方、耐水性が向上すると吸湿しにくくなるため、作業性が向上する。Fe、Bは耐水性を向上させる効果を有するので、作業性の観点から適宜加えるとよい。またFeを加えることで、レーザ吸収性が向上する。レーザ吸収率が低い対象物を加工する場合には、加工効率が向上するため有効である。
またVを含む酸化物はレーザ吸収性に優れるため、レーザの吸収率が低いCu(銅)やAl(アルミニウム)等を加工する場合に、表面に塗布することでレーザ吸収率を増加させ、加工効率を改善することができる。またこれらの酸化物は容易に水に溶けるため、レーザ加工後、加工時に生成したスパッタやドロス等とともに洗い流すことができる。Vを含まない酸化物であっても、10μm程度の波長のレーザを吸収することができるため、レーザの波長を適宜選択することで、良好な加工品質を得ることができる。
酸化物の有効な組成範囲(酸化物換算)は、Pを主成分とする場合はP2O5が40〜70mol%、Na2Oが25〜50mol%であることが好ましい。B2O3が5〜10mol%含まれるとガラス転移点が低くなり、保護層を形成し易くなり更に好ましい。PだけでなくVを含み、Vを主成分とする場合はP2O5が5〜50mol%、V2O5が50〜95mol%であり、P2O5+V2O5≧68mol%であることが好ましい。P2O5+V2O5≧90mol%であると水溶性が更に良くなる。
また上述した酸化物に対し、金属やセラミック粒子を混合することで、酸化物の耐熱性向上させることができる。粉末粒子は加工後に前記酸化物とともに除去されるため金属でもセラミックスでも構わないが、付着し残存する可能性を考慮すると、加工対象物と同組成である方が好ましい。例えば、Ni基超合金を加工する場合には、上記の酸化物に同組成の金属粒子を混ぜることで、酸化物に耐熱性を付与することができる。またCuの加工場合には上記酸化物にCu粒子を混合することで、酸化物に耐熱性を付与することができる。
上述した酸化物は溶媒及びバインダを用いて、ペースト化して用いることが可能である。ペーストを試料表面に塗り、乾燥させることで、試料表面に接着した酸化物ガラス層を形成することが可能である。また溶射やコールドスプレー等によっても、表面に酸化物ガラス層を形成することが可能である。どの方法で酸化物ガラス層を形成しても、水溶性やレーザ吸収性には影響しない。
本実施例では、表1に示す組成の酸化物ガラスを作製し、水溶性(洗浄性)とガラス転移温度を評価した。上記酸化物の作製は、V2O5、P2O5、Na2O、Fe2O3、Li2O、K2O、BaO、CaO、B2O3の試薬を使用し、合計200gになるように、所定量に配合、混合し白金ルツボに入れ、電気炉にて5〜10℃/分の昇温速度で900〜950℃まで加熱し、溶融した。この温度で均一にするために撹拌しながら1〜2時間保持した。その後、ルツボを取り出し、予め150℃程度に加熱しておいたステンレス板上に流し込んだ。ステンレス板上に流し込んだ酸化物は、平均粒子径(D50)が20μm未満になるまで粉砕した。この酸化物を5℃/分の昇温速度で550℃まで示差熱分析(DTA)することによって、転移点(Tg)、屈伏点(Mg)、軟化点(Ts)及び結晶化温度(Tcry)を測定した。なお、標準サンプルとしてアルミナ(Al2O3)粉末を用いた。
図1に酸化物ガラスの代表的なDTA曲線を示す。図1に示すように、Tgは第一吸熱ピークの開始温度、Mgはそのピーク温度、Tsは第二吸熱ピーク温度、Tcryは結晶化による顕著な発熱ピークの開始温度とした。本実施例の酸化物ガラスのTgは277℃であった。
水に2h浸漬することによって、酸化物ガラスの洗浄性を評価した。評価サンプルは、酸化物をジェットミルで平均粒径(D50)が2μm以下になるまで粉砕し、その酸化物粉末に樹脂バインダ4%を溶解した溶剤を入れ、混合することによって、印刷用ペーストを作製した。ここで、樹脂バインダにはエチルセルロース、溶剤にはブチルカルビトールアセテートを用いた。このペーストをセラミックで形成された遮熱コーティング層付きのNi基合金に塗布し、150℃で乾燥させ、500℃-700℃程度10分間保持して焼成した。
酸化物ガラスをよく溶かし除去ができた場合には「◎」、溶かすことができた場合には「○」、あまり溶けなかった場合には「△」、溶かすことができなかった場合には「×」と評価した。酸化物No.1〜38の実施例では、水溶性に優れ、容易に試験片から除去することができた。
実施例1で作製した酸化物ガラスペーストを使用してセラミックス遮熱コーティング付きのNi基合金の孔加工を実施した。酸化物ガラス組成はV2O5が70mol%、P2O5が30mol%(実施例のNo.4)とした。酸化物ガラスペーストをセラミックス遮熱コーティングに塗布し、150℃に加熱したホットプレート上で10分間乾燥させた。乾燥後、レーザで孔加工を実施した。使用したレーザはファイバレーザである。孔径はφ0.8mmとφ1.4mmとし、孔角度は90°と45°とした。ガスにはArガスを用い、ガス圧は0.5MPaとした。図2にレーザ孔加工の工程図を示す。1はNi基合金、2は下地層、3は遮熱コーティング(セラミック層)、4は酸化物ガラス層、5はレーザ、6は加工残渣(スパッタ)、7は孔加工部を示す。
加工後の表面にはNi基合金金属成分と推測されるスパッタが付着していた。加工後の試験片を水に浸漬して、酸化物ガラスとともに、スパッタを除去した。水洗浄後の試験片には酸化物ガラスは肉眼では確認できず、ほぼ除去された。酸化物ガラス層が無い場合と比較すると、外観上、スパッタやドロスの付着はなく、表面清浄に優れた孔加工部品が得られた。
高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置を用いて、レーザ加工部近傍を分析した結果、Vが検出された。V成分はセラミック層、Ni基合金中に含まれていないため、酸化物ガラスの残渣と考えられる。セラミック層は溶射により、Ni基合金につけているため、表面に細かな凹凸があり、その凹凸に酸化物ガラスが侵入したと考えられる。またセラミックス遮熱コーティングの表面にわずかにV成分が残っても遮熱性能には変化しないことを確認した。
本実施例ではレーザにファイバレーザを用いたが孔加工できればこれに限定しない。ガス種、ガス圧に関しても適宜変更可能であり、以下の実施例でも同様である。
上記と同様の試験を比較例でも実施した。酸化物ガラス組成はV2O5が40mol%、TeO2が40mol%、Ag2Oが20mol%(比較例のNo.4)とした。加工後の表面にはスパッタやドロスが付着していた。この試験片を水に2h浸漬させたが、酸化物ガラスは水溶せず、スパッタ、ドロス、酸化物ガラスは遮熱コーティングに付着したままであった。
実施例2では酸化物ガラスペーストを用いて酸化物ガラス層を形成したが、本実施例では酸化物ガラス粉末をコールドスプレーにより、遮熱コーティング上に吹き付けて酸化物ガラス層を形成した点が異なる。用いた粉末の粒径は10-30μmである。その他の実験条件は実施例2と同様である。
加工後の表面にはNi基合金金属成分と推測されるスパッタが付着していた。加工後の試験片を水に浸漬して、酸化物ガラスとともに、スパッタを除去した。水洗浄後の試験片には酸化物ガラスは肉眼では確認できず、ほぼ除去された。酸化物ガラス層が無い場合と比較すると、外観上、スパッタやドロスの付着はなく、表面清浄に優れた孔加工部品が得られた。
高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置を用いて、レーザ加工部近傍を分析した結果、Vが検出された。V成分はセラミック層、Ni基合金中に含まれていないため、酸化物ガラスの残渣と考えられる。
本実施例のようにコールドスプレー法を用いると、発電プラントのような大型装置にも効率良く酸化物ガラス層を形成することができるので、加工時間を短縮することができる。
実施例1で作製した酸化物ガラスペーストにNi合金粉末を加えてセラミックス遮熱コーティング付きのNi基合金の孔加工を実施した。Ni基合金粉末の粒径は30-60μmであり、ペースト中の含有率を30体積%とした。その他の実験条件は実施例2と同様である。
加工後の表面にはNi基合金金属成分と推測されるスパッタが付着していた。加工後の試験片を水に浸漬して、酸化物ガラスとともに、スパッタを除去した。水洗浄後の試験片には酸化物ガラスは肉眼では確認できず、ほぼ除去された。酸化物ガラス層が無い場合と比較すると、外観上、スパッタやドロスの付着はなく、表面清浄に優れた孔加工部品が得られた。
高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置を用いて、レーザ加工部近傍を分析した結果、Vが検出された。V成分はセラミック層、Ni基合金中に含まれていないため、酸化物ガラスの残渣と考えられる。
実施例1で作製した酸化物ガラスペーストを使用して、図3に示すようにプリント配線基板用のガラス含有エポキシ樹脂に銅箔を張り合わせた板に対して、孔加工を行った。8はガラスエポキシ、9は銅箔を示す。
銅箔の厚さは18μmである。酸化物ガラス組成はV2O5が70mol%、P2O5が30mol%とした。酸化物ガラスペーストを銅張板にスクリーン印刷により塗布し、150℃に加熱したホットプレート上で10分間乾燥させた。乾燥後、レーザに孔加工を実施した。使用したレーザはCO2レーザである。酸化物ガラス層の上からCO2レーザを照射して孔加工を実施した。孔径はφ0.1mmとし、孔角度は90°とした。酸化物ガラス層はCO2レーザをよく吸収するため、銅箔に対しても孔加工が可能であった。加工後の表面にはCuと推測される加工残渣が付着していた。加工後の試験片を水に浸漬して、酸化物ガラスとともに、加工残渣を除去した。水洗浄後の試験片には、酸化物ガラスは肉眼では確認できず、ほぼ除去されていた。高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置を用いて、レーザ加工部近傍を分析した結果、Vは検出されなかった。銅箔の表面は非常に滑らかであるため、酸化物ガラスは水洗により完全に除去されたと考えられる。
酸化物ガラス層が無い場合と比較すると、外観上、スパッタやドロスの付着はなく、表面清浄に優れた孔加工部品が得られた。
本実施例では、酸化物ガラスをスクリーン印刷により、塗布したが、ディスペンサー法により、孔加工部にだけ塗布することでも同様の効果が得られる。
上記と同様の試験を比較例でも実施した。酸化物ガラス組成はV2O5が40mol%、TeO2が40mol%、Ag2Oが20mol%(比較例のNo.4)とした。加工後の表面にはスパッタやドロスが付着していた。この試験片を水に2h浸漬させたが、酸化物ガラスは水溶せず、スパッタ、ドロス、酸化物ガラスは銅箔に付着したままであり、効果はなかった。
実施例1で作製した酸化物ガラスペーストを使用して316ステンレス鋼に対して、図4に示すように切断を行った。10は316ステンレス鋼、11は切断部品を示す。
酸化物ガラス組成はV2O5が70mol%、P2O5が30mol%とした。酸化物ガラスペーストを316ステンレス鋼に塗布し、150℃に加熱したホットプレート上で10分間乾燥させた。乾燥後、レーザで316ステンレス鋼を切断した。使用したレーザはファイバレーザである。板厚は6mmであり、切断用ガスにはArガスを用いた。ガスは0.5MPaとした。加工後の表面にはスパッタが付着していた。加工後の試験片を水に浸漬して、酸化物ガラスとともに、スパッタを除去した。水洗浄後の試験片には酸化物ガラスは肉眼では確認できず、除去された。酸化物ガラス層が無い場合と比較すると、外観上、スパッタやドロスの付着はなく、表面清浄に優れた切断加工部品が得られた。
実施例1で作製した酸化物ガラスペーストを使用して316ステンレス鋼に対して、図5に示すように溶接を行った。酸化物ガラス組成はV2O5が70mol%、P2O5が30mol%とした。酸化物ガラスペーストを316ステンレス鋼に塗布し、150℃に加熱したホットプレート上で10分間乾燥させた。乾燥後、316ステンレス鋼を突き合わせてレーザ溶接を実施した。使用したレーザはファイバレーザである。板厚は6mmであり、シールドガスにはArガスを用いた。ガス流量は30L/minとした。加工後の表面にはスパッタが付着していた。加工後の試験片を水に浸漬して、酸化物ガラスとともに、スパッタを除去した。水洗浄後の試験片には酸化物ガラスは肉眼では確認できず、除去された。酸化物ガラス層が無い場合と比較すると、外観上、スパッタやドロスの付着はなく、表面清浄に優れた溶接加工部品が得られた。
以上より、セラミックや金属上に、表1に示されるような洗浄性に優れるガラスで保護層を形成することにより、レーザ加工時にスパッタ等の残渣が発生しても、ガラスごと洗浄できる。これにより、マスキング剤等を利用する従来技術に比べてレーザ加工が簡単であり、清浄な表面の部材が得られる。レーザ加工は上記の孔加工、切断、溶接に限られず、基材を貫通しない加工であってもよい。
1 Ni基合金
2 下地層
3 遮熱コーティング
4 酸化物ガラス層
5 レーザ
6 加工残渣
7 孔加工部
8 ガラスエポキシ
9 銅箔
10 316ステンレス鋼
11 切断部品
12 溶接部
2 下地層
3 遮熱コーティング
4 酸化物ガラス層
5 レーザ
6 加工残渣
7 孔加工部
8 ガラスエポキシ
9 銅箔
10 316ステンレス鋼
11 切断部品
12 溶接部
Claims (15)
- 部品の表面に保護層を形成する保護工程と、前記保護層にレーザを照射して前記部品を加工する加工工程とを備えたレーザ加工部品の製造方法において、前記保護層がPを含む酸化物ガラスであり、前記加工工程後に前記保護層を液体で溶かす除去工程を備えることを特徴とするレーザ加工部品の製造方法。
- 請求項1において、前記酸化物ガラスは更にVを含むことを特徴とするレーザ加工部品の製造方法。
- 請求項1において、前記酸化物ガラスは更にVを含み、酸化物換算でP2O5が5〜50mol%、V2O5が50〜95mol%であり、P2O5+V2O5≧68mol%であることを特徴とするレーザ加工部品の製造方法。
- 請求項1において、前記酸化物ガラスは更にNaを含み、酸化物換算でP2O5が40〜70mol%、Na2Oが25〜50mol%であることを特徴とするレーザ加工部品の製造方法。
- 請求項1において、前記酸化物ガラスは更にFe、Li、Na、K、Ba、Ca、Bのいずれかを含むことを特徴とするレーザ加工部品の製造方法。
- 請求項1において、前記保護工程は前記酸化物ガラスの粉末を前記部品に吹き付けて前記保護層を形成することを特徴とするレーザ加工部品の製造方法。
- 請求項1において、前記保護工程は前記酸化物ガラスを含むペーストを前記部品に塗布し、乾燥させて、前記保護層を形成することを特徴とするレーザ加工部品の製造方法。
- 請求項1において、前記液体は水であることを特徴とするレーザ加工部品の製造方法。
- 部品の表面に保護層を形成する保護工程と、前記保護層にレーザを照射して前記部品を加工する加工工程とを備えたレーザ加工方法において、前記保護層がPを含む酸化物ガラスであり、前記加工工程後に前記保護層を液体で溶かす除去工程を備えることを特徴とするレーザ加工方法。
- 請求項9において、前記酸化物ガラスは更にVを含むことを特徴とするレーザ加工方法。
- 請求項9において、前記酸化物ガラスは更にVを含み、酸化物換算でP2O5が5〜50mol%、V2O5が50〜95mol%であり、P2O5+V2O5≧68mol%であることを特徴とするレーザ加工方法。
- 請求項9において、前記酸化物ガラスは更にNaを含み、酸化物換算でP2O5が40〜70mol%、Na2Oが25〜50mol%であることを特徴とするレーザ加工方法。
- 請求項9において、前記保護工程は前記酸化物ガラスの粉末を前記部品に吹き付けて前記保護層を形成することを特徴とするレーザ加工方法。
- 請求項9において、前記保護工程は前記酸化物ガラスを含むペーストを前記部品に塗布し、乾燥させて、前記保護層を形成することを特徴とするレーザ加工方法。
- 請求項9において、前記液体は水であることを特徴とするレーザ加工方法。
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