JP6037518B2 - 環境保全型ロール状フィルタおよびその製造方法 - Google Patents

環境保全型ロール状フィルタおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、斜面の土壌流亡を抑制する環境保全技術に関する。
従来、治山や緑化のために土嚢や護岸資材を設置する技術が知られる(例えば、特許文献1〜5を参照)。
しかしながら、上記従来の技術では、土壌への設置に大がかりな土木作業を要したり、設置対象とする土壌までの運搬コストが高いなど、その実用性に課題があった。
また、略円柱形状のロール資材をつなげて対象土壌に設置するような技術では、略円柱形状のロールでは起伏に富んだ地形(例えば、降雨や流水によって地面が削られて形成される溝(Gully Erosion)など)への対応が困難であるという問題がある。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、従来の技術に比べて設置負担が少なく、複雑な地形への適応性の高い環境保全技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、斜面の治山緑化に用いられる環境保全型ロール状フィルタを作成する方法であって、ネット上にシート状フィルタを重ね、前記シート状フィルタ上に三角形状に所定の中詰め材を敷き、前記中詰め材を敷いた前記シート状フィルタおよび前記ネットを、前記シート状フィルタ上に敷かれた前記中詰め材の前記三角形状の輪郭のいずれかの底辺から延びる法線方向におけるいずれか一方の方向側へ向けて巻き、前記中詰め材を敷いた前記シート状フィルタおよび前記ネットを前記中詰め材の前記三角形状の輪郭の頂角まで巻いた状態で固定する環境保全型ロール状フィルタ作成方法に関する。
また、本発明の一態様は、ネットと、前記ネットに重ねられたシート状フィルタとを、前記シート状フィルタが前記ネットよりも内側となるようにロール状に巻いて構成される巻回体と、前記巻回体における、前記シート状フィルタと該シート状フィルタの内周側に隣接する前記ネットとの間に充填される所定の中詰め材と、を備え、前記中詰め材が充填された前記巻回体は、巻回す際の巻回軸の延びる方向において、中央よりも両端の直径が小さい環境保全型ロール状フィルタに関する。
以上に詳述したように、本発明によれば、従来の技術に比べて設置負担が少なく、複雑な地形への適応性の高い環境保全技術を提供することができる。
本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の概略構成および斜面への設置状況を示す概略斜視図である。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の中央部の断面を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の使用時の状態を上方から見た概略説明図である。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1を斜面に設置した状態でのx−y平面での断面を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の作成方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の作成方法を説明する図である。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の作成方法を説明する図である。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の作成方法を説明する図である。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の作成方法を説明する図である。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の作成方法を説明する図である。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の作成方法を説明する図である。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の作成方法を説明する図である。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の作成方法を説明する図である。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の作成方法を説明する図である。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の実際の使用状態を示す図である。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の作成方法の他の例を説明する図である。 本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の作成方法の他の例を説明する図である。 本発明の他の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’の中央部のx−y平面での断面を示す概略断面図である。 本発明の他の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’の作成方法を示すフローチャートである。 本発明の他の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’の作成方法の他の例を説明する図である。 本発明の他の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’の作成方法の他の例を説明する図である。 本発明の他の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’の作成方法の他の例を説明する図である。 本発明の他の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’の作成方法の他の例を説明する図である。 本発明の他の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’の作成方法の他の例を説明する図である。 本発明の他の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’の作成方法の他の例を説明する図である。 本発明の他の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’の作成方法の他の例を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の概略構成および斜面への設置状況を示す概略斜視図である。図2は、本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の中央部のx−y平面での断面を示す概略断面図である。図3は、本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の使用時の状態を上方から見た概略説明図である。図4は、本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1を斜面に設置した状態でのx−y平面での断面を示す概略断面図である。
本実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1は、例えば図2に示すように、ネット101と、シート状フィルタ102と、中詰め材103と、芯材104などを備える断面構造を有している。図2に示す概略断面図は、図3におけるA−A断面を概略的に示している。
巻回体1wにおける、シート状フィルタ102とシート状フィルタ102の内周側(巻回軸Mに近い側)に隣接するネット101との間には、所定の中詰め材103が充填された状態となっている。
本実施の形態では、ネット101としては、例えば、「六角金網(例えば、亜鉛メッキ製)」や「端部が開放されている菱形金網」や「ナイロンフィラメント製網(漁網などに利用されている。)」や「チェーンネット」や「椰子等の天然繊維からなるネット(例えば、線径約5mm、2cmメッシュ等)」などを利用することができる。もちろん、これに限られるものではなく、治山緑化資材として屋外環境に耐えることができ、ある程度の伸縮性を有するものであれば、他の素材からなるネットを採用することも可能である。
なお、例えば端部が開放されている菱形金網のようなネットを使用する場合、ネット全体としての伸縮性にある程度の異方性(第1の方向では伸縮しやすいが、第1の方向とは異なる第2の方向では第1の方向におけるそれよりも伸縮しにくい。)を有するため、環境保全型ロール状フィルタ全体としての全長を変化させることなく、ロール体の径方向においては柔軟に任意の形状に成型し易いという効果を奏する。なお、端部が開放されている例えば線径1mm程度の菱形金網を採用する場合、巻回方向と平行な各マス目の対角線の距離が、例えば20〜30mm程度である菱形金網を採用することができる(図7を参照)。
また、ネットとして、ナイロンフィラメント製の漁網を使用する場合、ナイロンフィラメント製の漁網も上記菱形金網と同様に、ネット全体としての伸縮性にある程度の異方性を有するため、環境保全型ロール状フィルタ全体としての全長を変化させることなく、ロール体の径方向においては柔軟に任意の形状に成型し易いという効果を奏することができる。
また、本実施の形態では、シート状フィルタ102として、例えば、不織布を利用することができる。ここでは、一例として、シート状フィルタ102として多機能フィルター株式会社製の「多機能フィルタ」を利用するものとするが、これに限られるものではなく、中詰め材103を保持可能な強度と透水性と耐候性を備えている他のシート状フィルタを採用することも可能である。ここでの「多機能フィルタ」とは、例えば、植物の毛細根に似た極細の撥水性繊維をランダムに配した不織布マットであり、97〜98%の空隙率をもった不織布構造体(ウエブ)である。
ここで、所定の中詰め材103としては、例えば、ヤシネット等の「易化材(作業性を向上させるための材料)」と、比較的比重の小さい多孔質材や砕石などと、を混ぜたものを利用することができる。ここで、多孔質材等と共に混ぜる材料としては、ヤシネットに限られるものではないが、それが多孔質材等の間に介在することにより、多孔質材等同士の摩擦を軽減し、中詰め材103全体としての流動性を高めることのできる材料を採用することが好ましい。
また、上記の「比較的比重の小さい多孔質材」としては、「ウッドチップ」、「スコリア(scoria)」、「軽石」などの孔隙性を有する材料を採用することができる。ここで、スコリアとは、火山噴出物の一種であり、塊状で多孔質のものをいう。環境保全型ロール状フィルタ1が設置される土壌までの資材の運搬の負担を軽減するため、この多孔質材は、施工場所付近の土壌から調達することが望ましい。特に、火山性の崩壊地に環境保全型ロール状フィルタ1を設置する場合、火山性の崩壊地ではスコリアや他の軽石等の調達は容易であるため、中詰め材103の一部に多孔質材を採用することによる施工コスト削減効果は大きい。また、ウッドチップを採用する場合、自然界で比較的分解し易い(堆肥化し易い)形状であることが好ましく、このような形状のウッドチップは例えばハンマー型チッパ等で製造することができる。
もちろん、中詰め材としては、上述の砕石等をはじめとする非多孔質材を採用することもでき、また、環境保全に配慮した人工素材などのように自然由来でない素材を採用することも可能である。
隙間に中詰め材103が充填された巻回体1wは、巻回す際の巻回軸Mの延びる方向(芯材104の延びる方向。図2に示す断面上では、図2におけるz軸方向と平行)において、中央よりも両端の直径(ロール外径)が小さい(図1および図3を参照)。
芯材104は、巻回体1wの巻回軸M方向において巻回体1wの両端からその両端がはみ出る紐状もしくは棒状の部材である(図3を参照)。本実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1は、例えば、巻回体1wの両端からはみ出ている芯材104を利用して、設置場所である地面に固定される。ここでの芯材104は、例えば、ステンレス製とすることができるが、これに限られるものではなく、必要とする期間だけ固定材として十分な耐久性を維持することのできる素材であれば芯材として採用できることは言うまでもない。
なお、必ずしも芯材104を設ける必要は無く、ネット101、シート状フィルタ102および中詰め材103を積層して巻くことで巻回体を構成し、当該巻回体の外周面を構成するネット101等を直接地面に対して固定するようにしてもよい。
また、ここでのネット101と、シート状フィルタ102と、中詰め材103と、芯材104は、これらの内の少なくともいずれかに生分解性の材料を採用することにより、設置対象となる斜面の保護と緑化を図りつつ、最終的には生分解させることができる。
次に、図3および図4を参照しつつ、本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の形状および環境保全型ロール状フィルタ1を斜面に設置した状態での位置関係等について説明する。
環境保全型ロール状フィルタ1は、治山緑化の対象となる地面に設置される際に、巻回体1wを湾曲させ(図1を参照)、湾曲させた巻回体1wの曲率が大きい側の面が斜面の上側を向くように配置される。
本実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1は、治山緑化の対象となる地面に設置されている状態において、巻回体1wの巻回方向(図4を参照)におけるネット101の巻き終わりの端部E(図4を参照)が、巻回体1wを湾曲させたときの曲率が大きい側に位置するようになっている(図1を参照)。
環境保全型ロール状フィルタ1を地面に固定する際には、例えば、図1〜図3に示す構成例の場合、巻回体1wの両端から突き出している芯材104を、アンカー工事等によって地面に固定する。芯材104の地面への固定方法としては、芯材104を地面の穴に引き込んでコンクリートで固めたり、地面に打ち込まれて固定された杭に対して芯材104を固定したりといった、公知の種々の固定方法を採用することができる。図1に示す図では、一例として地面に打ち込んだ杭に芯材104を固定している様子を例示している。
環境保全型ロール状フィルタ1を湾曲させて地面に固定する際には、図3に示すように、弦長Lgが弧長La×0.8となるような湾曲状態とした上で地面に固定する。このように湾曲させた環境保全型ロール状フィルタ1を地面に固定することにより、環境保全型ロール状フィルタ1が斜面におけるポケットの役割を果たす。
このような状態で、上述のように湾曲させた環境保全型ロール状フィルタ1によって形成されるポケットに雨等によって流された土砂が溜まると、巻回体1w表面の図4に示すd1〜s2〜d3の範囲に土砂が接する。結果として、環境保全型ロール状フィルタ1のd1〜s2の範囲の上方等に溜まる土砂自体の荷重が、「巻回体1wを下方へ向けて押し付ける力」として巻回体1w表面に加わることとなる。このように、当該ポケットに溜まる土砂の一部が、環境保全型ロール状フィルタ1自体の地面への固定に寄与する。
さらに、巻回体1wの巻き終わりの終端部Eが、巻回体1wを湾曲させたときの曲率が大きい側に位置するように利用されることで、上記湾曲させて設置される環境保全型ロール状フィルタ1によるポケットに溜まる土砂そのものが当該終端位置Eを巻回体1wに向かって押し付けるため、巻回体1wのほころびを防止することができるという効果も奏する。
さらに、ネット101、シート状フィルタ102および中詰め材103を積層したものを巻くことでロール状とすることにより、巻回体1wの内部には、「ネット101」、「シート状フィルタ102」、「中詰め材103」という同じ積層順序が繰り返される層構造が形成される。これにより、例えば、土砂崩れ等のなんらかの外力によって環境保全型ロール状フィルタ1の最外層のネット101やシート状フィルタ102が破れてしまった場合でも、その内側にも同様な層構造が存在するため、破れた箇所から巻回体1w内の中詰め材が大量に漏れ出してしまうといったことがない。
続いて、本実施の形態による環境保全型ロール状フィルタを作成する方法について説明する。図5は、本発明の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1の作成方法を示すフローチャートである。
まず、ネット101を敷き(図6および図7を参照)、このネット101上にシート状フィルタ102を重ねる(ACT101)(図8を参照)。ここでは、ネット101として、図7に示すような開放端の菱形金網を使用する場合を例示している。もちろん、ネット101上にシート状フィルタ102を積層して固定したシートを予め用意すれば、ネット101上にシート状フィルタ102を重ねる工程は省略することも可能である。
次に、シート状フィルタ102上に三角形状に所定の中詰め材103を敷く(ACT102)(図9を参照)。この工程における中詰め材103の敷き方としては、例えば型枠などを利用して例えば二等辺三角形の輪郭を有するように形づくることができる。
図10は、ネット101上に、シート状フィルタ102および中詰め材103を積層した状態を示す部分断面図である。目の粗いシート状フィルタ102を利用する場合、もしくは中詰め材103にシート状フィルタ102の目に比して細かい粒が含まれる場合、中詰め材103の一部はシート状フィルタ102の空隙に入り込んだ状態となる。
中詰め材103を敷いたシート状フィルタ102およびネット101を、シート状フィルタ102上に敷かれた中詰め材103の三角形状の輪郭のいずれかの底辺(ここでは「基準底辺」と称する。)から該基準底辺から延びる法線方向にある頂角へ向けて(図11〜図14に示す巻回方向)巻く(ACT103)(図11〜図14を参照)。このとき、中詰め材103にウッドチップ等を混ぜていることにより、中詰め材103に含まれる多孔質材同士が過剰にこすれ合うことがなく、小さい力でスムーズに巻き込み作業を行なうことができる。
具体的には、中詰め材103を敷いたシート状フィルタ102およびネット101を、シート状フィルタ102上に敷かれた中詰め材103の三角形状の輪郭のいずれかの基準底辺から該基準底辺から延びる法線方向にある頂角へ向けて巻く際には、基準底辺に沿って紐状の芯材をその両端がネット101からはみ出るように配置し、中詰め材103を敷いたシート状フィルタ102およびネット101を、芯材104とともに巻く。もちろん、芯材104は、ネット101やシート状フィルタ102に予め固定しておくこともでき、この場合には芯材104をネット101やシート状フィルタ102に対して配置する工程を省略することができる。
最後に、中詰め材103を敷いたシート状フィルタ102およびネット101を、少なくとも頂角(図9を参照)まで巻いた状態で固定する(ACT104)(図14を参照)。図14に示す例では、ネット101の端部まで巻ききって、針金で固定している。また、ここでは一例としてネット101として開放端の菱形金網を利用しているため、ネット101を巻ききって端部を固定する際には、ネット101自体の端部を巻回体に括り付けることにより当該端部の固定作業を行なうこともできる。
図15の設置例の写真に示すように、例えば斜面上に形成されたGully等の溝やくぼみ部分に本発明による環境保全型ロール状フィルタを設置する際には、もっとも径が大きい中央部が、もっとも深い部位に位置するように配置し、且つ環境保全型ロール状フィルタの両端の固定位置を結ぶ線が傾斜方向に略直交するように設置することが好ましい。
(変形例)
上述の例では、中詰め材103をシート状フィルタ102上に敷く際の輪郭が、二等辺三角形である場合を例示したが、上記例はあくまで一例であり、中詰め材103が敷かれている「体積」が、巻回体1wの巻回方向と直交する巻回軸方向における中央部分が両端付近よりもおおむね大きくなるようになっていればよい。したがって、概略的な輪郭(外接する概略的な輪郭)がおおむね三角形にみえるような階段状の輪郭で中詰め材を敷くこともできることは言うまでもない(図16を参照)。
また、巻回体のロール外径が中央部よりも両端部の方を小さくするための他の環境保全型ロール状フィルタとしては、中詰め材103が敷かれている「体積」を、巻回体1wの巻回方向と直交する巻回軸方向における中央部分が両端付近よりもおおむね大きくなるようにする態様だけに限るものではない。例えば、ネット101およびシート状フィルタ102の双方、もしくはネット101およびシート状フィルタ102の内のいずれか一方を、例えば図17に示すような輪郭とすることにより、結果的に巻回体のロール外径が中央部よりも両端部の方が小さくなるような形状に形づくることができる。
図17に示す例では、一例として、ネット101’およびシート状フィルタ102’双方の巻回方向手前側端部を台形に形成し、当該台形の上底側から巻回体を巻き始める構成となっている。このとき、台形部分の上底の幅は、巻回体の全幅(一例として150cm)の3分の1に設定されている。また、台形に形成する際の角度は、図17に示すように、ネット101として採用している菱形金網の交差角度(図7を参照)である85度の半分の角度(42.5度)に設定されている。図17では、ネット101’はシート状フィルタ102’の下方に重なっているため、図示していない。このように、台形の上底側から巻回体を巻き始める構成とすることにより、例えばヤシネット等のように「平織り」等の、端部において「ほころび」が生じ易いネットを採用する場合でも、ネットの型崩れを最小限に抑えつつ、巻回体として巻くことができ、作業性の向上に寄与することができる。
もちろん、図17に示す構成例は、あくまで一例であり、例えば、敷き詰める中詰め材103を敷き詰めるパターンの変更に応じて、ネット101およびシート状フィルタ102の輪郭を変更することで、巻回体の巻回軸方向におけるロール外形の分布を任意に調整することができることは言うまでもない
(他の実施の形態)
図18は、本発明の他の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’の中央部のx−y平面での断面を示す概略断面図である。本発明の他の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’は、ネットをロール状に巻回している点では上述した実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1とその基本構造は類似するが、シート状フィルタを使用しない点で上述の実施の形態の構成とは異なる。
環境保全型ロール状フィルタ1’は、図18に示すように、例えば、ネット101と、中詰め材103と、芯材104などを備える断面構造を有している。図18に示す概略断面図は、環境保全型ロール状フィルタ1’の巻回軸と直交する平面での断面を概略的に示している。
巻回体1w’における、巻回軸と直交する径方向において隣接する(積層されている)ネット101の間には、所定の中詰め材103がスペーサとして介在した状態となっている。
本実施の形態では、ネット101としては、例えば、「六角金網(例えば、亜鉛メッキ製)」や「端部が開放されている菱形金網」や「ナイロンフィラメント製網(漁網などに利用されている。)」や「チェーンネット」や「椰子等の天然繊維からなるネット(例えば、線径約5mm、2cmメッシュ等)」などを利用することができる。もちろん、これに限られるものではなく、治山緑化資材として屋外環境に耐えることができ、ある程度の伸縮性を有するものであれば、他の素材からなるネットを採用することも可能である。
なお、例えば端部が開放されている菱形金網のようなネットを使用する場合、ネット全体としての伸縮性にある程度の異方性(第1の方向では伸縮しやすいが、第1の方向とは異なる第2の方向では第1の方向におけるそれよりも伸縮しにくい。)を有するため、環境保全型ロール状フィルタ全体としての全長を変化させることなく、ロール体の径方向においては柔軟に任意の形状に成型し易いという効果を奏する。なお、端部が開放されている例えば線径1mm程度の菱形金網を採用する場合、巻回方向と平行な各マス目の対角線の距離が、例えば20〜30mm程度である菱形金網を採用することができる(図7を参照)。
また、ネットとして、ナイロンフィラメント製の漁網を使用する場合、ナイロンフィラメント製の漁網も上記菱形金網と同様に、ネット全体としての伸縮性にある程度の異方性を有するため、環境保全型ロール状フィルタ全体としての全長を変化させることなく、ロール体の径方向においては柔軟に任意の形状に成型し易いという効果を奏することができる。
ここで、所定の中詰め材103としては、例えば、ヤシネット等の「易化材(作業性を向上させるための材料)」と、比較的比重の小さい多孔質材や砕石などと、を混ぜたものを利用することができる。ここで、多孔質材等と共に混ぜる材料としては、ヤシネットに限られるものではないが、それが多孔質材等の間に介在することにより、多孔質材等同士の摩擦を軽減し、中詰め材103全体としての流動性を高めることのできる材料を採用することが好ましい。
また、上記の「比較的比重の小さい多孔質材」としては、「ウッドチップ」、「スコリア(scoria)」、「軽石」などの孔隙性を有する材料を採用することができる。ここで、スコリアとは、火山噴出物の一種であり、塊状で多孔質のものをいう。環境保全型ロール状フィルタ1が設置される土壌までの資材の運搬の負担を軽減するため、この多孔質材は、施工場所付近の土壌から調達することが望ましい。特に、火山性の崩壊地に環境保全型ロール状フィルタ1’を設置する場合、火山性の崩壊地ではスコリアや他の軽石等の調達は容易であるため、中詰め材103の一部に多孔質材を採用することによる施工コスト削減効果は大きい。また、ウッドチップを採用する場合、自然界で比較的分解し易い(堆肥化し易い)形状であることが好ましく、このような形状のウッドチップは例えばハンマー型チッパ等で製造することができる。
もちろん、中詰め材としては、上述の砕石等をはじめとする非多孔質材を採用することもでき、また、環境保全に配慮した人工素材などのように自然由来でない素材を採用することも可能である。
隙間に中詰め材103が配置された巻回体1w’は、巻回す際の巻回軸Mの延びる方向(芯材104の延びる方向。図18に示す断面上では、図18におけるz軸方向と平行)において、中央よりも両端の直径(ロール外径)が小さい(図1および図3を参照)。
芯材104は、巻回体1w’の巻回軸M方向において巻回体1w’の両端からその両端がはみ出る紐状もしくは棒状の部材である(例えば後述の図25を参照)。本実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’は、例えば、巻回体1w’の両端からはみ出ている芯材104を利用して、設置場所である地面に固定される。ここでの芯材104は、例えば、ステンレス製とすることができるが、これに限られるものではなく、必要とする期間だけ固定材として十分な耐久性を維持することのできる素材であれば芯材として採用できることは言うまでもない。
なお、必ずしも芯材104を設ける必要は無く、ネット101および中詰め材103を積層して巻くことで巻回体を構成し、当該巻回体の外周面を構成するネット101等を直接地面に対して固定するようにしてもよい。
また、ここでのネット101と、中詰め材103と、芯材104は、これらの内の少なくともいずれかに生分解性の材料を採用することにより、設置対象となる斜面の保護と緑化を図りつつ、最終的には生分解させることができる。
なお、地面への設置方法や、地面への固定方向等については、上述の環境保全型ロール状フィルタ1について記載したものと同様な方法を採用可能である。
さらに、ネット101および中詰め材103を積層したものを巻くことでロール状とすることにより、巻回体1w’の内部には、「ネット101」、「中詰め材103」という同じ積層順序が繰り返される層構造が形成される。これにより、例えば、土砂崩れ等のなんらかの外力によって環境保全型ロール状フィルタ1’の最外層もしくは外層寄りのネット101が破れてしまった場合でも、その内側にも同様な層構造が存在するため、破れた箇所から巻回体1w’内の中詰め材103が大量に漏れ出してしまうといったことがない。
続いて、他の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’を作成する方法について説明する。図19は、本発明の他の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’の作成方法を示すフローチャートである。
まず、ネット101を敷く(ACT101’)(図20を参照)。ここでは、ネット101として、図7に示したような開放端の菱形金網を使用する場合を例示している。
次に、ネット101上の三角形状の輪郭を有する領域内に中詰め材103を配置する(ACT102’)(図21を参照)。この工程における中詰め材103の配置方法としては、例えば型枠などを利用して例えば二等辺三角形の輪郭を有するように形づくることができる。なお、ここでのネット101上の三角形状の輪郭を有する領域内への中詰め材103の配置は、当該領域内に中詰め材103を必ずしも「敷き詰める」必要はなく、ある程度の間隔(例えば10cm程度)を置いて配置してもよい。すなわち、ネット101を後述のようにロール状に巻いた際に、積層されるネット101間に適度な隙間を保持するためのスペーサとして機能すればよい。なお、ここでの「三角形状の領域内」とは、必ずしも配置される全ての中詰め材103が厳密にこの領域内に配置されることを必要とするものではなく、全体として概ね三角形状の領域内に配置されていればよい。したがって、中詰め材103の一部やわずかな個数が三角形状の領域から逸脱した位置に配置されていたとしても、中詰め材103の大部分が概ね三角形状の領域内に配置されていれば本実施の形態の概念に含まれる。
図22は、ネット101上に、中詰め材103を配置した状態を示す部分断面図である。
中詰め材103を配置したネット101を、中詰め材103が配置されている三角形状の輪郭の領域のいずれかの底辺(ここでは「基準底辺」と称する。)から該基準底辺から延びる法線方向にある頂角へ向けて(図23〜図25に示す巻回方向)巻く(ACT103’)(図23〜図25を参照)。このとき、中詰め材103にウッドチップ等を混ぜていることにより、中詰め材103に含まれる多孔質材同士が過剰にこすれ合うことがなく、小さい力でスムーズに巻き込み作業を行なうことができる。
具体的には、中詰め材103を配置したネット101を、中詰め材103が配置されている三角形状の輪郭の領域のいずれかの基準底辺から該基準底辺から延びる法線方向にある頂角へ向けて巻く際には、基準底辺に沿って紐状の芯材104をその両端がネット101からはみ出るように配置し、中詰め材103が配置されたネット101を、芯材104とともに巻く。もちろん、芯材104は、ネット101に予め固定しておくこともでき、この場合には芯材104をネット101に対して配置する工程を省略することができる。
最後に、中詰め材103を配置したネット101を、少なくとも三角形状の輪郭の領域の頂角(図21を参照)まで巻いた状態で固定する(ACT104’)(図26を参照)。図26に示す例では、ネット101の端部まで巻ききって、針金で固定している。また、ここでは一例としてネット101として開放端の菱形金網を利用しているため、ネット101を巻ききって端部を固定する際には、ネット101自体の端部を巻回体に括り付けることにより当該端部の固定作業を行なうこともできる。
図15の設置例の写真を示して上述したように、例えば斜面上に形成されたGully等の溝やくぼみ部分に環境保全型ロール状フィルタ1’を設置する際には、もっとも径が大きい中央部が、もっとも深い部位に位置するように配置し、且つ環境保全型ロール状フィルタの両端の固定位置を結ぶ線が傾斜方向に略直交するように設置することが好ましい。
上述の他の実施の形態では、中詰め材103をネット101に配置する領域の輪郭が、二等辺三角形である場合を例示したが、上記例はあくまで一例であり、中詰め材103が敷かれている「体積」が、巻回体1w’の巻回方向と直交する巻回軸方向における中央部分が両端付近よりもおおむね大きくなるようになっていればよい。したがって、概略的な輪郭(外接する概略的な輪郭)がおおむね三角形にみえるような階段状の輪郭の領域内に中詰め材を配置することもできることは言うまでもない(上述の図16を参照)。
また、巻回体のロール外径が中央部よりも両端部の方を小さくするための他の環境保全型ロール状フィルタとしては、中詰め材103が敷かれている「体積」を、巻回体1w’の巻回方向と直交する巻回軸方向における中央部分が両端付近よりもおおむね大きくなるようにする態様だけに限るものではない。例えば、ネット101を、例えば上述の図17に示したような輪郭とすることにより、結果的に巻回体のロール外径が中央部よりも両端部の方が小さくなるような形状に形づくることもできる。
上述の図17に示したような例では、一例として、ネット101’の巻回方向手前側端部を台形に形成し、当該台形の上底側から巻回体を巻き始める構成となっている。このとき、台形部分の上底の幅は、巻回体の全幅(一例として150cm)の3分の1に設定されている。また、台形に形成する際の角度は、図17で示したように、ネット101として採用している菱形金網の交差角度(上述の図7を参照)である85度の半分の角度(42.5度)に設定されている。なお、図17では、シート状フィルタ102’が図示されているが、他の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’ではシート状フィルタ102’は使用せず、図17におけるシート状フィルタ102’と同様な輪郭を有するネット101’と中詰め材103を使用する。このように、台形の上底側から巻回体を巻き始める構成とすることにより、例えばヤシネット等のように「平織り」等の、端部において「ほころび」が生じ易いネットを採用する場合でも、ネットの型崩れを最小限に抑えつつ、巻回体として巻くことができ、作業性の向上に寄与することができる。
もちろん、図17に示した構成例は、あくまで一例であり、例えば、敷き詰める中詰め材103を敷き詰めるパターンの変更に応じて、ネット101の輪郭を変更することで、巻回体の巻回軸方向におけるロール外形の分布を任意に調整することができることは言うまでもない
上述のような他の実施の形態による環境保全型ロール状フィルタ1’によれば、環境保全型ロール状フィルタ1’を地面に設置後に、比較的空隙の多い環境保全型ロール状フィルタ1’を土砂や泥水が通過することにより、環境保全型ロール状フィルタ1’内に徐々に土砂、木、枯草等が留まってゆき、これら堆積する土砂等が結果として環境保全型ロール状フィルタ1’におけるフィルタとしての機能に寄与する。
このように、施工当初から環境保全型ロール状フィルタ1’にシート状フィルタのようなフィルタ材を備えない構成とすることにより、環境保全型ロール状フィルタ1’作成時の工程を簡略化することができるだけでなく、環境保全型ロール状フィルタ1’全体としての重量を、シート状フィルタを備える構成に比べて大幅に軽量化することができ、施工性の向上に寄与することができる。
また、上述の各実施の形態では、環境保全型ロール状フィルタの巻回軸と直交する平面方向における外径が、巻回軸方向において中央部分よりも両端側の方が小さくなるような絞られた形状を例示したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上述の各実施の形態と同様な層構成を有し、環境保全型ロール状フィルタの巻回軸と直交する平面方向における外径が、巻回軸方向において中央部分と両端部分がほぼ同じである円柱形状とすることもできる。
また、上述の各実施の形態では、所定の中詰め材103として、ヤシネット、比較的比重の小さい多孔質材(例えば、「ウッドチップ」、「スコリア(scoria)」、「軽石」などの孔隙性を有する材料)、砕石等をはじめとする非多孔質材、環境保全に配慮した人工素材などのように自然由来でない素材などを採用可能であることを述べた。上述の各実施の形態では、上記中詰め材103がそれぞれ独立した塊の集合である場合を例示したが、これに限られるものではなく、環境保全型ロール状フィルタに利用される中詰め材103全体の一部または全部が、シート状もしくは個別の塊が連結されたネット状に形成されているものであってもよい。具体的には、例えば所望の輪郭に形成され且つ土砂が流入しやすいサイズの孔が高密度に形成された一定の厚みを有した軟質ウレタンフォーム材等のシートを中詰め材103としてネット101上に敷くこともできる。もちろん、軟質ウレタンフォーム材のシートのように予めシート状に形成されている材料に限らず、例えばウッドチップや上記多孔質材等の複数の塊を接着剤等によってシート状に連結したものを中詰め材103としてネット101上に敷いてもよい。ウレタンフォームやウッドチップが劣化しやすく、また生分解する物性であることで経年的に消失していく状況において,その都度土砂などと置き換わることで,積層構造を維持することもできる。言うに及ばず,その他にも積層構造を形成させるために,例えばスプリングや板バネを個別に配置し積層維持とすることもでき、同じくその空隙部に土砂などを流入させることができる。これらは、土砂流入が突発的、徐々に進むなどによって仕様を選択することができる。
上述のように複数の孔を有するシート状に形成される中詰め材103を採用することにより、このような中詰め材103を用いた環境保全型ロール状フィルタは、無数の空隙を表面および内部に有する構造となる。このような環境保全型ロール状フィルタを設置することにより、土砂や流木,倒木の材片等が当該空隙に充填されることで、環境保全型ロール状フィルタ内部が高密度となり、結果として流入した土砂などが環境保全型ロール状フィルタにおけるフィルタ及びその形態保持の役割を果たすことができる。
さらに、施工時に初めから環境保全型ロール状フィルタに必要十分なフィルタ機能をもたせる構成ではなく、設置後に環境保全型ロール状フィルタの積層構造内部へ浸入する土砂などをフィルタとして利用する構成とすることで、施工時の環境保全型ロール状フィルタに多量のフィルタ材を備える必要がなく、結果として施工時の環境保全型ロール状フィルタの重量を大幅に低減することができる。また、中詰め材103として、軟質ウレタンフォーム材等のような弾性材料を採用することにより、環境保全型ロール状フィルタ全体としての弾性変形を容易にし、環境保全型ロール状フィルタを地面に設置し,土砂などが積層構造内を充填するにあたり,環境保全型ロール状フィルタは地形に対し柔軟に変容することができる。このように環境保全型ロール状フィルタが施工位置の微地形に応変することで、施工性の向上およびフィルタ機能の向上に寄与することができる。
なお、上述の各実施の形態では、本発明による環境保全型ロール状フィルタによる土壌流亡の抑制・防止についての効果等を例示したが、これに限るものではなく、環境保全型ロール状フィルタ自身によって斜面に形成されるポケットに溜まる泥水等は環境保全型ロール状フィルタによって濾過されるため、ひいては水質の改善にも寄与することができる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
101 ネット、102 シート状フィルタ、103 中詰め材、104 芯材。
特開2000−291010号公報
特開2003−221818号公報
特開2001−098556号公報
特開2000−240060号公報
特開2001−254333号公報

Claims (21)

  1. 斜面の治山緑化に用いられる環境保全型ロール状フィルタを作成する方法であって、
    ネット上にシート状フィルタを重ね、
    前記シート状フィルタ上に三角形状に所定の中詰め材を敷き、
    前記中詰め材を敷いた前記シート状フィルタおよび前記ネットを、前記シート状フィルタ上に敷かれた前記中詰め材の前記三角形状の輪郭のいずれかの底辺から延びる法線方向におけるいずれか一方の方向側へ向けて巻き、
    前記中詰め材を敷いた前記シート状フィルタおよび前記ネットを前記中詰め材の前記三角形状の輪郭の頂角まで巻いた状態で固定する環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  2. 前記中詰め材を敷いた前記シート状フィルタおよび前記ネットを、前記シート状フィルタ上に敷かれた前記中詰め材の前記三角形状の輪郭のいずれかの底辺から延びる法線方向におけるいずれか一方の方向側へ向けて巻く際に、前記いずれかの底辺に沿って紐状の芯材をその両端が前記ネットからはみ出るように配置し、
    前記中詰め材を敷いた前記シート状フィルタおよび前記ネットを、前記芯材とともに巻く、
    ことを特徴とする請求項1に記載の環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  3. 前記中詰め材を敷いた前記シート状フィルタおよび前記ネットを、前記シート状フィルタ上に敷かれた前記中詰め材の前記三角形状の輪郭のいずれかの底辺から該底辺から延びる法線方向にある頂角へ向けて巻くことを特徴とする請求項1または2に記載の環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  4. 前記ネットは、端部が開放されている菱形金網であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  5. 前記ネットは、ナイロンフィラメント製網であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  6. 前記ネットは、椰子繊維からなるネットであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  7. 前記シート状フィルタは、不織布であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  8. 前記所定の中詰め材は、多孔質材を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  9. 前記多孔質材は、スコリアおよび軽石の内の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項8に記載の環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  10. ネットと、前記ネットに重ねられたシート状フィルタとを、前記シート状フィルタが前記ネットよりも内側となるようにロール状に巻いて構成される巻回体と、
    前記巻回体における、前記シート状フィルタと該シート状フィルタの内周側に隣接する前記ネットとの間に充填される所定の中詰め材と、を備え、
    前記中詰め材が充填された前記巻回体は、巻回す際の巻回軸の延びる方向において、中央よりも両端の直径が小さい環境保全型ロール状フィルタ。
  11. 環境保全型ロール状フィルタを作成する方法であって、
    ネット上の三角形状の領域内に所定の中詰め材を配置し、
    前記中詰め材を配置した前記ネットを、前記ネット上の前記中詰め材が配置された前記三角形状の領域の輪郭のいずれかの底辺から延びる法線方向におけるいずれか一方の方向側へ向けて巻き、
    前記中詰め材を配置した前記ネットを前記中詰め材の前記三角形状の領域の輪郭の頂角まで巻いた状態で固定する環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  12. 前記中詰め材を配置した前記ネットを、前記ネット上の前記中詰め材が配置された前記三角形状の領域の輪郭のいずれかの底辺から延びる法線方向におけるいずれか一方の方向側へ向けて巻く際に、紐状の芯材をその両端が前記ネットからはみ出るように配置し、
    前記中詰め材を配置した前記ネットを、前記芯材とともに巻く、
    ことを特徴とする請求項11に記載の環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  13. 前記中詰め材を配置した前記ネットを、前記ネット上の前記中詰め材が配置された前記三角形状の領域の輪郭のいずれかの底辺から該底辺から延びる法線方向にある頂角へ向けて巻くことを特徴とする請求項11または12に記載の環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  14. 前記ネットは、端部が開放されている菱形金網であることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  15. 前記ネットは、ナイロンフィラメント製網であることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  16. 前記ネットは、椰子繊維からなるネットであることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  17. 前記所定の中詰め材は、多孔質材を含むことを特徴とする請求項11乃至16のいずれかに記載の環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  18. 前記多孔質材は、スコリアおよび軽石の内の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項17に記載の環境保全型ロール状フィルタ作成方法。
  19. ネットをロール状に巻いて構成される巻回体と、
    前記巻回体における、前記ネット間に充填される所定の中詰め材と、を備え、
    前記中詰め材が充填された前記巻回体は、巻回す際の巻回軸の延びる方向において、中央よりも両端の直径が小さい環境保全型ロール状フィルタ。
  20. 前記巻回体の前記巻回軸方向において前記巻回体の両端からその両端がはみ出る紐状の芯材をさらに備えることを特徴とする請求項10または19に記載の環境保全型ロール状フィルタ。
  21. 前記巻回体は、前記環境保全型ロール状フィルタの使用時に前記巻回体を湾曲させて設置されるものであり、
    前記巻回体の巻回方向における前記ネットの巻き終わりの端部が、前記巻回体を湾曲させたときの曲率が大きい側に位置することを特徴とする請求項10、19または20に記載の環境保全型ロール状フィルタ。
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