JP6036477B2 - スパークプラグ用絶縁碍子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、スパークプラグ用絶縁碍子の製造方法に関する。
スパークプラグを構成する絶縁碍子は、表面に印刷された文字、数字、マーク等からなる印刷模様と、絶縁碍子の表面を覆う釉薬層とを有している。印刷模様は、絶縁碍子の表面にインクを塗布して形成されており、印刷模様を含む絶縁碍子の表面は、ガラス質の釉薬層によって覆われている。釉薬層は、絶縁碍子における絶縁性、強度の向上、外観の見栄え向上及び印刷の保護といった役割を果たしている。
絶縁碍子への印刷模様の印刷は、例えば、特許文献1に示されたスパークプラグ用絶縁碍子の印刷装置及び印刷方法を用いて行われる。
特許文献1に示された印刷装置は、絶縁碍子の外周側面に印刷模様を形成するための転写面を有する転写ローラーと、印刷模様の鏡像となる形状の凹部からなる印刷用凹版を外周に備えた刻印ローラーとを有している。転写ローラーの転写面には、刻印ローラーによって印刷模様のインク膜が形成され、このインク膜を転写ローラーから絶縁碍子の表面へと転写することで絶縁碍子に印刷模様が印刷される。
印刷模様が印刷された絶縁碍子の表面には、粉末状の釉薬ガラスを含む釉薬スラリーが塗布される。釉薬スラリーが塗布された絶縁碍子を焼成することにより、絶縁碍子の表面を覆う釉薬層が形成される。
特開2004−058611号公報
しかしながら、特許文献1のスパークプラグ用絶縁碍子の印刷装置及び印刷方法には以下の課題がある。
特許文献1においては、印刷模様や絶縁碍子の形状変更があった場合、刻印ローラーの組み替え、各ローラーの位置、接触圧等の各種調整を行う必要があり、段取りに多くの工数が必要となる。また、新たに印刷模様が追加された場合には、刻印ローラーを新たに製作する必要があり、種別及び費用の増大につながる。
上述の課題を改善する印刷方法としては、例えば、インクジェット印刷機を用いた方法がある。インクジェット印刷機は、種々の印刷模様に対応可能であり、コンピュータ等の制御機器によって容易に印刷模様を変更することができる。また、インクジェット印刷機は、印刷部位に対して微小なインク滴を吐出することで、インクの使用量を低減し、インクの歩留まりを向上することができるという利点がある。一方で、インクジェット印刷機に用いられるインクは粘度が低いため、セラミック等の多孔質体からなるスパークプラグ用絶縁碍子においては、インクが気孔に染み込みやすく、インクのにじみやインク本来の発色が得られない場合がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、印刷の段取りを容易に行え、インクの歩留まりを向上することのできるスパークプラグ用絶縁碍子の製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、粉末状の釉薬ガラスと、粘度調整を行うバインダーと、上記釉薬ガラス及び上記バインダーと混ぜ合わされた液状の釉薬溶剤と、を含む釉薬スラリーを絶縁碍子の表面に塗布する釉薬塗布工程と、
上記絶縁碍子における上記釉薬スラリーを塗布した部位に、インクジェット印刷機を用いてインクを吐出して印刷模様を印刷する印刷工程と、
上記釉薬塗布工程と上記印刷工程とを通過した上記絶縁碍子を加熱することにより、上記釉薬ガラスよりなる釉薬層を、上記絶縁碍子の表面に形成する焼成工程とを有することを特徴とするスパークプラグ用絶縁碍子の製造方法にある(請求項1)。
上記スパークプラグ用絶縁碍子の製造方法は、上記釉薬塗布工程、上記印刷工程及び上記焼成工程を有しており、上記絶縁碍子の表面に上記釉薬スラリーを塗布した後、該釉薬スラリー上に上記印刷模様を印刷することができる。これにより、従来では困難と考えられていた、上記絶縁碍子へのインクジェット印刷機による上記印刷模様の印刷をすることが可能となる。
すなわち、上記釉薬塗布工程において、上記絶縁碍子に上記釉薬スラリーを塗布することで、上記絶縁碍子の表面は、上記釉薬スラリーによって覆われる。上記釉薬塗布工程を経た上記絶縁碍子は、上記印刷工程において、上記絶縁碍子における上記釉薬スラリーが塗布された部位の表面に対して、インクジェット印刷機によってインク滴を吐出し上記印刷模様を印刷する。つまり、上記釉薬スラリーの表面に対して印刷模様を印刷することにより、上記絶縁碍子の表面性状に影響されることなく、上記印刷模様を印刷することができる。
上記釉薬塗布工程及び上記印刷工程を経た上記絶縁碍子は、上記焼成工程において焼成される。つまり、該焼成工程においては、上記釉薬スラリーと上記インクとが、同時に焼成される。上記釉薬スラリーに含まれる上記釉薬ガラスは、融点以上まで加熱されることで溶融してガラス質からなる上記釉薬層を形成する。このとき、上記インクは、溶融した釉薬ガラスに溶け込み、上記釉薬層の内部に浸透する。このように、上記インクが上記釉薬層に溶け込み、該釉薬層と上記印刷模様とが一体に形成されることで、印刷模様に上記釉薬層と同等の強度を付与すると共に上記印刷模様と周囲の上記釉薬層との間で凹凸のない滑らかな表面形状を得ることができる。
このように、上記スパークプラグ用絶縁碍子の製造方法においては、従来、絶縁碍子に対する印刷模様の印刷には不向きと考えられていたインクジェット印刷機による印刷が可能となる。これにより、上記インクジェット印刷機の利点を享受しながら、従来と同等の印刷品質を確保することができる。
以上のごとく、上記スパークプラグ用絶縁碍子の製造方法によれば、印刷の段取りを容易に行え、インクの歩留まりを向上することができる。
実施例1における、スパークプラグ用絶縁碍子の製造方法のブロック図。 実施例1における、釉薬スラリーを塗布した絶縁碍子を示す説明図。 実施例1における、釉薬塗布工程を示す説明図。 実施例1における、印刷模様を印刷した絶縁碍子を示す説明図。 実施例1における、印刷工程を示す部分断面図。 図5における、VI−VI矢視断面図。 実施例1における、釉薬層と印刷模様とが形成されたスパークプラグ用絶縁碍子を示す説明図。 実施例1における、スパークプラグ用絶縁碍子の断面写真(図7における、VIII−VIII矢視断面相当)。
上記スパークプラグ用絶縁碍子の製造方法における印刷模様とは、例えば、文字、数字、記号、図形やデザインのための模様等を含むものであり、種々の形状によって形成することができる。
また、上記釉薬塗布工程と上記印刷工程との間には、上記絶縁碍子に塗布された釉薬スラリーに含まれる釉薬溶剤を乾燥させる乾燥工程を備えていてもよい(請求項2)。この場合には、上記釉薬スラリーに含まれる上記釉薬溶剤を確実に乾燥させることができる。これにより、上記印刷模様のにじみをより確実に抑制し、上記印刷模様の印刷品質をより向上することができる。
また、上記印刷工程に用いられる上記インクは、複合酸化物系顔料インクであってもよい(請求項3)。この複合酸化物系顔料インクは、耐熱性に優れている。そのため、高温にさらされる上記焼成工程を経ても、上記印刷模様を確実に形成し、印刷品質を安定させることができる。
また、上記釉薬スラリーに含まれる釉薬ガラスの粒径D1と、上記インクに含まれるインク粒子の粒径D2とは、0.025≦D2/D1≦0.1の関係を有していてもよい(請求項4)。この場合には、上記釉薬スラリーの表面に付着した上記インクに含まれる上記インク粒子が、上記釉薬スラリーにおける上記釉薬ガラスの間に入り込みやすい。したがって、上記焼成工程よりも前の段階で上記インクの少なくとも一部が上記釉薬スラリーへ浸透し始める。これにより、上記焼成工程において、上記絶縁碍子を焼成した際に、上記釉薬層内に上記インクを確実に浸透させることができる。
(実施例1)
上記スパークプラグ用絶縁碍子の製造方法にかかる実施例について、図1〜図8を参照して説明する。
図1に示すごとくスパークプラグ用絶縁碍子1の製造方法は、釉薬塗布工程100と、印刷工程300と、焼成工程400とを有している。
図2及び図3に示すごとく、釉薬塗布工程100(図1)においては、釉薬ガラス61を含む釉薬スラリー6を絶縁碍子5の表面に塗布する。
図4〜図6に示すごとく、印刷工程300(図1)においては、絶縁碍子5における釉薬スラリー6を塗布した部位に対して、インクジェット印刷機3を用いてインク7を吐出して印刷模様75を印刷する。
図7及び図8に示すごとく、焼成工程400(図1)においては、釉薬塗布工程100と印刷工程300とを通過した絶縁碍子5を加熱することにより、釉薬ガラス61よりなる釉薬層60を絶縁碍子5の表面に形成する。
以下、さらに詳細に説明する。
図1に示すごとく、本例のスパークプラグ用絶縁碍子1の製造方法は,順次配された釉薬塗布工程100、乾燥工程200、印刷工程300及び焼成工程400の4つの工程を有しており、絶縁碍子5の表面に釉薬層60と印刷模様75とを形成するものである(図7)。
図2、図4及び図7に示すごとく、絶縁碍子5は,多孔質体であるアルミナセラミックスからなり、略円筒状をなしている。絶縁碍子5は、その軸方向一端側における外周面に凹凸部51が形成されており、凹凸部51の他端側には、滑らかな円筒状の外周面を有し、印刷模様75が印刷される印刷部52を有している。印刷部52の他端側には、印刷部52の外径よりも大きい外径を有する大径部53が形成されており、大径部53の他端側には、大径部53よりも小さい外径を有する小径部54が形成されている。小径部54の他端側には、他端側に向かって徐々に縮径する略円錘状をなすテーパ部55が形成されている。
図2及び図3に示すごとく、釉薬塗布工程100においては、絶縁碍子5の外周面における、凹凸部51及び印刷部52に釉薬スラリー6を塗布する。
図6に示すごとく、釉薬スラリー6は、粉末状の釉薬ガラス61と、釉薬スラリー6の粘度調整を行うバインダー62と、釉薬ガラス61及びバインダー62と混ぜ合わされた液状の釉薬溶剤63とからなり、所定の粘度を有するペースト状をなしている。釉薬ガラス61の粒子表面には、釉薬溶剤63に混ぜ込まれた釉薬ガラス61が固まることなく釉薬溶剤63内に拡散するように、分散剤611からなる層が形成されている。また、バインダー62は、釉薬スラリー6の釉薬溶剤63が揮発した際に、釉薬ガラス61同士又は釉薬ガラス61と絶縁碍子5とをつなぐ接着剤の役割を果たす。
図3に示すごとく、絶縁碍子5への釉薬スラリー6の塗布は、浸漬によって行われる。
浸漬は、釉薬槽2に貯留された釉薬スラリー6に絶縁碍子5を浸すことで、絶縁碍子5の表面に釉薬スラリー6を塗布する。尚、本例においては、絶縁碍子5への釉薬スラリー6の塗布を浸漬によって行うが、これに限るものではなく、例えば、ディスペンサーやスプレー等の種々の方法で塗布することもできる。
乾燥工程200においては、絶縁碍子5に塗布された釉薬スラリー6に含まれる釉薬溶剤63を揮発乾燥させる。
本例において、絶縁碍子5の乾燥は、常温よりも高温に設定された乾燥炉(図示略)内に絶縁碍子5を配して行う。乾燥炉内の温度は、釉薬溶剤63の種類に応じて適宜設定される。尚、本例においては、絶縁碍子5の乾燥に乾燥炉を用いたがこれに限るものではなく、例えば、常温で所定の乾燥時間保存したり、送風機等を用いて釉薬溶剤63を揮発乾燥させてもよい。
図5及び図6に示すごとく、印刷工程300においては、絶縁碍子5の印刷部52に印刷模様75を印刷する。
印刷模様75の印刷に用いられるインクジェット印刷機3は、インク7を吐出するヘッド部31と、ヘッド部31にインク7を所定量供給するインク供給機構(図示略)とを有している。
ヘッド部31は、複数のインク吐出口311を備えており、インク吐出口311から微小なインク滴70を吐出して、印刷模様75を印刷可能に構成されている。ヘッド部31に形成されたインク吐出口311の数は、適宜変更することができる。
図6に示すごとく、インク7は、微小な粉末状のインク粒子71と、所定の粘度に設定されたインク溶剤とを混合してなる。本例において、インク粒子71は複合酸化物系顔料からなる。複合酸化物系顔料とは、二以上の金属酸化物の固溶体からなる無機顔料を指すものであり、例えば、Co、Fe、Cr、Cu等を含有する複合酸化物系顔料を用いることができる。
図6に示すごとく、インク溶剤に混ぜ込まれたインク粒子71がインク溶剤内で拡散するように、インク粒子71の表面には、分散剤からなる層が形成されている。尚、インク7の粘度は、微小なインク滴70を形成するのに適した粘度に適宜設定される。
また、本例において、インク粒子71の粒径D2と釉薬ガラス61の粒径D1とは、0.025≦D2/D1≦0.03の関係を有している。
印刷模様75を印刷する際、絶縁碍子5は、その軸方向が水平となるように、テーパ部55及び小径部54の一部を碍子回転機構(図示略)のチャックによって把持されている。
焼成工程400においては、釉薬塗布工程100と印刷工程300とを経た絶縁碍子5を加熱することにより、釉薬ガラス61よりなる釉薬層60を絶縁碍子5の表面に形成する。
絶縁碍子5の加熱は、焼成炉(図示略)において行われる。焼成炉は、絶縁碍子5に塗布された釉薬スラリー6における釉薬ガラス61の融点以上の温度まで加熱可能に構成されている。
次に、本例における絶縁碍子5への釉薬層60及び印刷模様75の形成手順について説明する。
まず、図2及び図3に示すごとく、釉薬塗布工程100において絶縁碍子5の表面に釉薬スラリー6を塗布する。
絶縁碍子5における凹凸部51から印刷部52までの範囲を、釉薬槽2内に貯留された釉薬スラリー6に浸す。これにより、絶縁碍子5における凹凸部51から印刷部52までの範囲に釉薬スラリー6が塗布される。
次いで、乾燥工程200へと移行する。
釉薬スラリー6が塗布された絶縁碍子5を、乾燥炉において乾燥させる。乾燥炉内において加熱された釉薬スラリー6は、釉薬溶剤63が揮発乾燥し、釉薬ガラス61は、バインダー62によって絶縁碍子5の表面に固着する。
次いで、印刷工程300へと移行する。
図4〜図6に示すごとく、碍子回転機構によって絶縁碍子5を回転させると共に、絶縁碍子5に対して、インクジェット印刷機3によってインク滴70を吐出し印刷模様75を印刷する。このとき、インク7に含まれるインク粒子71の一部は、釉薬スラリー6内へと浸透する。
次いで、焼成工程400へと移行する。
図7及び図8に示すごとく、釉薬スラリー6が塗布され、印刷模様75が印刷された絶縁碍子5は、焼成炉において焼成される。図8は、焼成工程400を経て釉薬層60が形成されたスパークプラグ用絶縁碍子1における、印刷模様75が形成された部位の断面の顕微鏡写真である。釉薬ガラス61は、焼成炉において融点以上の温度に加熱され溶融すると共に、周囲の釉薬ガラス61と結合する。そして、絶縁碍子5が焼成炉から取り出され、冷却凝固することで凹凸部51及び印刷部52の表面を覆う釉薬層60を形成する。このとき、インク7は釉薬ガラス61に溶け込み、釉薬層60の内側に浸透する。これにより、釉薬層60と印刷模様75が形成されたスパークプラグ用絶縁碍子1が得られる。
次に、本例の作用効果について説明する。
本例のスパークプラグ用絶縁碍子1の製造方法は、釉薬塗布工程100、印刷工程300及び焼成工程400を有しており、絶縁碍子5の表面に釉薬スラリー6を塗布した後、釉薬スラリー6上に印刷模様75を印刷することができる。これにより、従来では困難と考えられていた、絶縁碍子5へのインクジェット印刷機3による印刷模様75の印刷をすることが可能となる。
すなわち、釉薬塗布工程100において、絶縁碍子5に釉薬スラリー6を塗布することで、絶縁碍子5の表面は、釉薬スラリー6によって覆われる。印刷工程300においては、釉薬塗布工程100を経た絶縁碍子5に対して、絶縁碍子5における釉薬スラリー6が塗布された部位の表面に対して、インクジェット印刷機3によってインク滴70を吐出し印刷模様75を印刷する。つまり、釉薬スラリー6の表面に対して印刷模様75を印刷することにより、絶縁碍子5の表面性状に影響されることなく、印刷模様75を印刷することができる。
釉薬塗布工程100及び印刷工程300を経た絶縁碍子5は、焼成工程400において焼成される。焼成工程400においては、釉薬スラリー6とインク7とは、同時に焼成される。釉薬スラリー6に含まれる釉薬ガラス61は、融点以上まで加熱されることで溶融してガラス質からなる釉薬層60を形成する。このとき、図8に示すごとく、インク7は、溶融した釉薬ガラス61に溶け込み、釉薬層60の内部に浸透する。このように、インク7が釉薬層60に溶け込み、釉薬層60と印刷模様75とが一体に形成されることで、印刷模様75に釉薬層60と同等の強度を付与すると共に印刷模様75と周囲の釉薬層60との間で凹凸のない滑らかな表面形状を得ることができる。
このように、スパークプラグ用絶縁碍子1の製造方法においては、従来、絶縁碍子5への印刷模様75の印刷には不向きと考えられていたインクジェット印刷機3による印刷が可能となる。これにより、印刷可能な印刷模様75の自由度が高く、印刷の段取りが容易であると共にインク7の歩留まりが良いというインクジェット印刷機3の利点を享受しながら、従来と同等の印刷品質を確保することができる。
また、釉薬塗布工程100と印刷工程300との間には、絶縁碍子5に塗布された釉薬スラリー6に含まれる溶剤を乾燥させる乾燥工程200を備えている。そのため、釉薬スラリー6に含まれる溶剤を確実に乾燥させることができる。これにより、印刷模様75のにじみをより確実に抑制し、印刷模様75の印刷品質をより向上することができる。
また、印刷工程300に用いられるインク7は、複合酸化物系顔料インク7である。複合酸化物系顔料インクは、耐熱性に優れている。そのため、高温にさらされる焼成工程400を経ても、印刷模様75を確実に形成し、印刷品質を安定させることができる。
また、釉薬スラリー6に含まれる釉薬ガラス61の粒径D1と、インク7に含まれるインク粒子71の粒径D2とは、0.025≦D2/D1≦0.1の関係を満たしている。そのため、釉薬スラリー6の表面に付着したインク7に含まれるインク粒子71が、釉薬スラリー6における釉薬ガラス61の間に入り込みやすい。したがって、焼成工程400よりも前の段階でインク7の少なくとも一部が釉薬スラリー6へ浸透し始め、焼成工程400において、絶縁碍子5を焼成した際に、釉薬層60内にインク7を確実に浸透させることができる。
以上のごとく、本例のスパークプラグ用絶縁碍子1の製造方法によれば、印刷の段取りを容易に行え、インク7の歩留まりを向上することができる。
1 スパークプラグ用絶縁碍子
100 釉薬塗布工程
200 乾燥工程
300 印刷工程
3 インクジェット印刷機
400 焼成工程
5 絶縁碍子
6 釉薬スラリー
60 釉薬層
61 釉薬ガラス
7 インク
71 インク粒子
75 印刷模様

Claims (4)

  1. 粉末状の釉薬ガラス(61)と、粘度調整を行うバインダー(62)と、上記釉薬ガラス(61)及び上記バインダー(62)と混ぜ合わされた液状の釉薬溶剤(63)と、を含む釉薬スラリー(6)を絶縁碍子(5)の表面に塗布する釉薬塗布工程(100)と、
    上記絶縁碍子(5)における上記釉薬スラリー(6)を塗布した部位に、インクジェット印刷機(3)を用いてインク(7)を吐出して印刷模様(75)を印刷する印刷工程(300)と、
    上記釉薬塗布工程(100)と上記印刷工程(300)とを通過した上記絶縁碍子(5)を加熱することにより、上記釉薬ガラス(61)よりなる釉薬層(60)を、上記絶縁碍子(5)の表面に形成する焼成工程(400)とを有することを特徴とするスパークプラグ用絶縁碍子(1)の製造方法。
  2. 請求項1のスパークプラグ用絶縁碍子(1)の製造方法において、上記釉薬塗布工程(100)と上記印刷工程(300)との間には、上記絶縁碍子(5)に塗布された釉薬スラリー(6)に含まれる釉薬溶剤(63)を乾燥させる乾燥工程(200)を備えていることを特徴とするスパークプラグ用絶縁碍子(1)の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のスパークプラグ用絶縁碍子(1)の製造方法において、上記印刷工程(300)に用いられる上記インク(7)は、複合酸化物系顔料インクであることを特徴とするスパークプラグ用絶縁碍子(1)の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のスパークプラグ用絶縁碍子(1)の製造方法において、上記釉薬スラリー(6)に含まれる釉薬ガラス(61)の粒径D1と、上記インク(7)に含まれるインク粒子(71)の粒径D2とは、0.025≦D2/D1≦0.1の関係を有していることを特徴とするスパークプラグ用絶縁碍子(1)の製造方法。
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