JP6034646B2 - 時価計算プログラム、時価計算コンピュータ、時価計算装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施形態1に係る時価計算装置100の構成図である。時価計算装置100は、製品を製造するために用いた仕掛品の時価を計算する装置であり、CPU(Central Processing Unit)110、記憶部120を備える。また時価計算装置100は、適当なネットワークを介して販売価格マスタ200および原価マスタ300と接続されている。
製品時価取得部121は、販売価格マスタ200より、製品Aの販売単価と販売費用を取得する。販売単価から販売費用を差し引いたものが、その時点における製品A原価の時価であるとみなすことができる。図3に示す例では、販売単価=600、販売費用=50.0、製品A原価の時価=550とした。
製造費用取得部122は、検査工程における費用を原価マスタ300から取得する。図2で説明したとおり、検査工程の費用は1500であり、これを検査工程にかけられた仕掛品Aの個数で除算すると、その単価は15となる。したがって仕掛品時価算出部123は、検査工程における仕掛品Aの時価を、「550−15=535」と計算することができる。按分率、按分時価、按分費用については次の工程で説明する。
組立工程においては、複数の仕掛品X〜Zが用いられているので、仕掛品時価算出部123は、前工程において計算した仕掛品Aの時価を、各仕掛品の原価に応じて按分する。仕掛品X〜Zの原価合計は、250+150+160=560である。例えば仕掛品Xの按分率は、250/560=0.45となる。他の仕掛品についても同様に按分率を求めることができる。前工程において計算した仕掛品Aの時価に、各仕掛品の按分率を乗算することにより、各仕掛品の按分後の時価を求めることができる。ただし、単位個数が2.0である仕掛品Zについては、按分後の時価をさらに単位個数で除算する必要があることに留意されたい。
製造費用取得部122は、組立工程における費用を原価マスタ300から取得する。図2で説明したとおり、組立工程の費用は1800であり、これを組立工程にかけられた仕掛品Aの個数で除算すると、その単価は18となる。
仕掛品時価算出部123は、ステップ2で求めた組立費用の単価に、各仕掛品の按分率を乗算することにより、各仕掛品に係る按分後の組立費用を求めることができる。ただし、単位個数が2.0である仕掛品Zについては、按分後の組立費用をさらに単位個数で除算する必要があることに留意されたい。
仕掛品時価算出部123は、各仕掛品の按分後の時価から按分後の組立費用を差し引くことにより、各仕掛品X〜Zの時価を求めることができる。図3に示す例では、製品Aの原価よりも販売単価の方が低いため、各仕掛品X〜Zの按分時価は原価よりも低くなっている。これは各仕掛品X〜Zの評価損として処理することができる。
以上のように、本実施形態1に係る時価計算装置100は、製品の販売単価を始点として製造工程を遡ることにより、当該製品を製造するために用いた各仕掛品の時価を計算することができる。
実施形態1では、単一の製品について各仕掛品の時価を算出する例を説明した。実際の製品は、共通の仕掛品を用いて異なる製品が製造されることがあり、この場合はいずれの製品から遡って仕掛品時価を計算するかによって、同じ仕掛品の時価評価額が異なることがあり得る。
仕掛品時価算出部123は、各販売製品について算出した仕掛品時価のうち、最も価格が低いものを採用する。例えば仕掛品Aについては、販売製品Aから遡って求めた時価が535、販売製品Bから遡って求めた時価が565であるので、仕掛品Aの時価として535を採用する。
仕掛品時価算出部123は、各販売製品について算出した仕掛品時価を、各仕掛品の個数に応じて加重平均することにより、最終的な時価額を求める。例えば仕掛品Aについては、販売製品Aから遡って求めた時価が535かつ生産個数が100であり、販売製品Bから遡って求めた時価が565かつ生産個数が100であるので、加重平均単価は(535×100+565×100)/200=550となる。
以上のように、本実施形態2に係る時価計算装置100は、同一の仕掛品から複数種類の最終製品を製造する場合であっても、使用する原価算出基準にしたがって適切な仕掛品時価を算出することができる。
実施形態1〜2において、販売製品の販売単価から製造工程を遡ろうとしたとき、対応する期間の仕掛品原価に関する情報が存在しない場合がある。これは、仕掛品または販売製品が製造されてから実際に販売されるまでにタイムラグがある場合に生じる。例えば月毎に販売実績を収集している場合は、仕掛品または販売製品が製造された月と製品が実際に販売された月が異なる場合に、上記のような状況が生じる。
以上のように、本実施形態3に係る時価計算装置100は、当該期間における製造実績がない場合においても、原価マスタ300が格納している過去の製造原価履歴を用いて、妥当な仕掛品時価を算出することができる。
Claims (12)
- 製品を製造するために用いた仕掛品の時価を計算する処理をコンピュータに実行させる時価計算プログラムであって、前記コンピュータに、
前記製品の時価を販売価格マスタから読み出す製品時価取得ステップ、
前記製品の時価を始点として前記製品の製造工程を遡ることにより、前記製造工程において使用した前記仕掛品の時価を算出する仕掛品時価算出ステップ、
を実行させ、
前記時価計算プログラムはさらに、前記コンピュータに、
前記製品の製造工程において生じた製造費用を原価マスタから読み出す製造費用取得ステップを実行させ、
前記仕掛品時価算出ステップでは、前記コンピュータに、
前記製品の時価から前記製造費用を差し引くことにより、前記製品の時価を始点として前記製品の製造工程を遡って前記製造工程において使用した前記仕掛品の時価を算出させ、
前記仕掛品時価算出ステップでは、前記コンピュータに、
前記製造工程において複数の前記仕掛品を用いる場合は、使用する前記仕掛品の原価に応じて前記製造費用を按分した費用を、各前記仕掛品の時価から差し引くことにより、前記製造費用を加味した各前記仕掛品の時価を算出させる
ことを特徴とする時価計算プログラム。 - 製品を製造するために用いた仕掛品の時価を計算する処理をコンピュータに実行させる時価計算プログラムであって、前記コンピュータに、
前記製品の時価を販売価格マスタから読み出す製品時価取得ステップ、
前記製品の時価を始点として前記製品の製造工程を遡ることにより、前記製造工程において使用した前記仕掛品の時価を算出する仕掛品時価算出ステップ、
を実行させ、
前記時価計算プログラムはさらに、前記コンピュータに、
前記製品の製造工程において生じた製造費用を原価マスタから読み出す製造費用取得ステップを実行させ、
前記仕掛品時価算出ステップでは、前記コンピュータに、
前記製品の時価から前記製造費用を差し引くことにより、前記製品の時価を始点として前記製品の製造工程を遡って前記製造工程において使用した前記仕掛品の時価を算出させ、
前記製造費用取得ステップでは、前記コンピュータに、
前記製品の時価に対応する期間における前記製造費用が前記原価マスタ内に格納されていない場合は、前記原価マスタが格納している前記製造費用のうち前記製品の時価に対応する期間から遡って最新のものを読み出させ、
前記仕掛品時価算出ステップでは、前記コンピュータに、
前記製造費用取得ステップにおいて前記原価マスタから読み出した前記最新の製造費用を用いて、前記仕掛品の時価を算出させる
ことを特徴とする時価計算プログラム。 - 製品を製造するために用いた仕掛品の時価を計算する処理をコンピュータに実行させる時価計算プログラムであって、前記コンピュータに、
前記製品の時価を販売価格マスタから読み出す製品時価取得ステップ、
前記製品の時価を始点として前記製品の製造工程を遡ることにより、前記製造工程において使用した前記仕掛品の時価を算出する仕掛品時価算出ステップ、
を実行させ、
前記時価計算プログラムは、前記コンピュータに、
前記仕掛品が複数品目の前記製品の製造工程において共通に使用されている場合は、各前記製品について前記製品時価取得ステップと前記仕掛品時価算出ステップを実行させ、得られた前記仕掛品の時価のうち最も低いものを、前記仕掛品の時価として採用させる
ことを特徴とする時価計算プログラム。 - 製品を製造するために用いた仕掛品の時価を計算する処理をコンピュータに実行させる時価計算プログラムであって、前記コンピュータに、
前記製品の時価を販売価格マスタから読み出す製品時価取得ステップ、
前記製品の時価を始点として前記製品の製造工程を遡ることにより、前記製造工程において使用した前記仕掛品の時価を算出する仕掛品時価算出ステップ、
を実行させ、
前記時価計算プログラムは、前記コンピュータに、
前記仕掛品が複数品目の前記製品の製造工程において共通に使用されている場合は、各前記製品について前記製品時価取得ステップと前記仕掛品時価算出ステップを実行させ、得られた各前記仕掛品の時価を加重平均したものを、前記仕掛品の時価として採用させる
ことを特徴とする時価計算プログラム。 - 前記製造費用取得ステップでは、前記コンピュータに、
前記製品の時価に対応する期間における前記製造費用が前記原価マスタ内に格納されていない場合は、前記原価マスタが格納している前記製造費用のうち前記製品の時価に対応する期間から遡って最新のものを読み出させ、
前記仕掛品時価算出ステップでは、前記コンピュータに、
前記製造費用取得ステップにおいて前記原価マスタから読み出した前記最新の製造費用を用いて、前記仕掛品の時価を算出させる
ことを特徴とする請求項1記載の時価計算プログラム。 - 前記時価計算プログラムは、前記コンピュータに、
前記仕掛品が複数品目の前記製品の製造工程において共通に使用されている場合は、各前記製品について前記製品時価取得ステップと前記仕掛品時価算出ステップを実行させ、得られた前記仕掛品の時価のうち最も低いものを、前記仕掛品の時価として採用させる
ことを特徴とする請求項1または2記載の時価計算プログラム。 - 前記時価計算プログラムは、前記コンピュータに、
前記仕掛品が複数品目の前記製品の製造工程において共通に使用されている場合は、各前記製品について前記製品時価取得ステップと前記仕掛品時価算出ステップを実行させ、得られた各前記仕掛品の時価を加重平均したものを、前記仕掛品の時価として採用させる
ことを特徴とする請求項1または2記載の時価計算プログラム。 - 請求項1から7のいずれか1項記載の時価計算プログラムを格納する記憶部を備えたことを特徴とする時価計算コンピュータ。
- 製品を製造するために用いた仕掛品の時価を計算する時価計算装置であって、
前記製品の時価を販売価格マスタから読み出す製品時価取得部と、
前記製品の時価を始点として前記製品の製造工程を遡ることにより、前記製造工程において使用した前記仕掛品の時価を算出する仕掛品時価算出部と、
を備え、
前記時価計算装置はさらに、
前記製品の製造工程において生じた製造費用を原価マスタから読み出す製造費用取得部を備え、
前記仕掛品時価算出部は、
前記製品の時価から前記製造費用を差し引くことにより、前記製品の時価を始点として前記製品の製造工程を遡って前記製造工程において使用した前記仕掛品の時価を算出し、
前記仕掛品時価算出部は、
前記製造工程において複数の前記仕掛品を用いる場合は、使用する前記仕掛品の原価に応じて前記製造費用を按分した費用を、各前記仕掛品の時価から差し引くことにより、前記製造費用を加味した各前記仕掛品の時価を算出する
ことを特徴とする時価計算装置。 - 製品を製造するために用いた仕掛品の時価を計算する時価計算装置であって、
前記製品の時価を販売価格マスタから読み出す製品時価取得部と、
前記製品の時価を始点として前記製品の製造工程を遡ることにより、前記製造工程において使用した前記仕掛品の時価を算出する仕掛品時価算出部と、
を備え、
前記時価計算装置はさらに、
前記製品の製造工程において生じた製造費用を原価マスタから読み出す製造費用取得部を備え、
前記仕掛品時価算出部は、
前記製品の時価から前記製造費用を差し引くことにより、前記製品の時価を始点として前記製品の製造工程を遡って前記製造工程において使用した前記仕掛品の時価を算出し、
前記製造費用取得部は、
前記製品の時価に対応する期間における前記製造費用が前記原価マスタ内に格納されていない場合は、前記原価マスタが格納している前記製造費用のうち前記製品の時価に対応する期間から遡って最新のものを読み出し、
前記仕掛品時価算出部は、
前記製造費用取得部が前記原価マスタから読み出した前記最新の製造費用を用いて、前記仕掛品の時価を算出する
ことを特徴とする時価計算装置。 - 製品を製造するために用いた仕掛品の時価を計算する時価計算装置であって、
前記製品の時価を販売価格マスタから読み出す製品時価取得部と、
前記製品の時価を始点として前記製品の製造工程を遡ることにより、前記製造工程において使用した前記仕掛品の時価を算出する仕掛品時価算出部と、
を備え、
前記時価計算装置は、
前記仕掛品が複数品目の前記製品の製造工程において共通に使用されている場合は、各前記製品について前記製品時価取得部の処理と前記仕掛品時価算出部の処理を実行し、得られた前記仕掛品の時価のうち最も低いものを、前記仕掛品の時価として採用する
ことを特徴とする時価計算装置。 - 製品を製造するために用いた仕掛品の時価を計算する時価計算装置であって、
前記製品の時価を販売価格マスタから読み出す製品時価取得部と、
前記製品の時価を始点として前記製品の製造工程を遡ることにより、前記製造工程において使用した前記仕掛品の時価を算出する仕掛品時価算出部と、
を備え、
前記時価計算装置は、
前記仕掛品が複数品目の前記製品の製造工程において共通に使用されている場合は、各前記製品について前記製品時価取得部の処理と前記仕掛品時価算出部の処理を実行し、得られた各前記仕掛品の時価を加重平均したものを、前記仕掛品の時価として採用する
ことを特徴とする時価計算装置。
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