JP6034606B2 - 都市ガス製造ネットワーク運転訓練システム - Google Patents

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Description

本発明は、都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムに関する。
ガス会社は、液化天然ガス(「LNG」ともいう。)を原料として製造した都市ガスを、一般家庭や工場、商業施設などの都市ガス需要者に供給している。都市ガス需要者は、複数の県にわたって広域に所在する。そのため、ガス会社は、広域に所在する都市ガス需要者に対して都市ガスを安定供給するために、ガスを製造するためのガス製造工場を複数箇所に分散させて建設し、それらのガス製造工場を基幹ガス導管(特定導管)で接続してネットワーク化している。このような都市ガス製造ネットワークを構築することにより、ガス会社は、例えば、ある一つのガス製造工場がガス製造プロセスを非常停止した場合でも、他のガス製造工場が、製造量を増加させるようにガス製造プロセスを変更すれば、都市ガス需要者に供給する都市ガスが不足することを防ぐことができる。
都市ガスは、液化天然ガスを気化させた天然ガスに、液化石油ガス(「LPG」ともいう。)を添加して熱量調整することにより、製造される。ガス製造工場には、様々なガス製造設備が設置されている。各ガス製造工場のオペレータは、工場内のガス製造設備を操作・制御して、工場から出力するガスの製造量を管理している。
各ガス製造工場のオペレータは、日頃より、地震等自然災害に起因する停電等によりガス製造プロセスが停止したり、ガス製造設備が損傷し、ガス製造機能が喪失した場合に備え、ガス製造設備の運転訓練を行う必要がある。都市ガス製造ネットワークから出力されるガスが不足することにより、都市ガス需要者に不便をきたし、社会的混乱が生じることを防ぐためである。ところが、各ガス製造工場では、ガス製造設備を一日中稼働させている。そのため、オペレータは、実機を用いて運転訓練を行うことができない。
そこで、オペレータは、運転訓練シミュレータを用いて、ガス製造設備の通常時の運転訓練や、ガス製造工場での異常事態に対する対応訓練を行っている。よって、運転訓練シミュレータでは、現実に近い条件で訓練することが求められる。
例えば、特許文献1に記載されるプラント模擬システム(「運転訓練システム」ともいう。)は、例えばプラント模擬装置(「運転訓練シミュレータ」ともいう。)を2台有する。そして、各々のプラント模擬装置間でプラント間のプロセスデータ(例えば、流量、成分、温度など)を通信してプラント間の干渉を模擬し、あるいはプラント模擬装置のシミュレータパラメータ(例えば、シミュレーション時刻、設定倍速の倍率、シミュレータ動作信号など)を通信し、連携してシミュレーションを行う。
各プラント模擬装置は、模擬制御盤の運転操作に対してプラント挙動を模擬し、その結果を制御盤および表示装置に表示するプラント模擬装置において、それぞれ異なったプラント動特性を模擬しプロセス信号を出力するプラント動特性模擬手段と、前記プラント動特性模擬手段と対応しそれぞれ異なった制御ロジックを模擬しインターロック・制御信号を出力するプラントロジック模擬手段と、前記プラント動特性模擬手段によってそれぞれ模擬されるプラント情報および各模擬プラントの初期データを格納する模擬プラント設定ファイルと、オペレータからの切換要求により前記模擬プラント設定ファイルを読み込み模擬プラントの前記プラント動特性模擬手段および前記プラントロジック模擬手段を切り替える模擬プラント切換手段と、前記プラント動特性模擬手段から入力したプロセス信号と前記プラントロジック模擬手段から入力したインターロック・制御信号とを書き込むプロセスデータファイルと、前記プロセスデータファイルの信号を前記制御盤及び表示装置に表示するプロセス表示手段とを備えている。
特許第4261426号
しかしながら、上記特許文献1に記載されるプラント模擬システム(運転訓練システム)は、各プラント模擬装置(運転訓練シミュレータ)が単にプロセスデータやシミュレータパラメータを通信して情報を共有しているだけである。そのため、特許文献1に記載される運転訓練システムを都市ガス製造ネットワークに適用したとしても、各運転訓練シミュレータのシミュレーション結果が都市ガス製造ネットワークシステムから出力される都市ガスの製造量にどのように影響するのか分からず、運転訓練としては不十分である。
つまり、ガス製造工場間で連携運転の訓練を行う最大の目的は、事故や災害などが発生した場合でも、広域に所在する都市ガス需要者に都市ガスを安定供給し、社会的混乱を避けることにある。具体的には、都市ガスの製造量が不足すると(送出ガスのガス圧やガス流量が低すぎると)、一般家庭や工場、商業施設等まで都市ガスが送られず、不便をきたす。従って、ガス製造工場間で連携運転の訓練を行う場合には、各運転訓練シミュレータのシミュレーション結果が都市ガスの製造量にどのような影響を与えるかまでシミュレーションしなければ、オペレータの運転が適切であるか否かまで判断することができない。換言すれば、現実に近い条件で連携運転訓練しているということはできない。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、連携運転訓練時に各ガス製造工場のオペレータの操作が都市ガスの製造量に与える影響までシミュレーションして、現実に近い条件で連携運転を訓練できる都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムを提供することを目的とする。
本発明に係る都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムは、次のような構成を有している。
(1)複数のガス製造工場が基幹ガス導管で接続され、前記複数のガス製造工場で製造されたガスを前記基幹ガス導管に集め、都市ガスとして出力する都市ガス製造ネットワークに適用され、複数台の運転訓練シミュレータを備えており、各ガス製造工場のオペレータが、前記都市ガスが目標値で出力されるように、前記運転訓練シミュレータを操作して前記各ガス製造工場が製造する前記ガスの製造量を調整することにより、連携運転訓練を行う都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムにおいて、前記運転訓練シミュレータは、ガス製造工場に各々設置され、設置先のガス製造工場で使用されるガス製造設備の運転訓練を行うものであって、前記ガス製造設備の操作・制御を模擬すると共に、情報を表示するシミュレーション制御・表示装置と、前記シミュレーション制御・表示装置の操作に応じて運転シミュレーションを行う運転シミュレーション装置を有すること、前記複数台の運転訓練シミュレータを通信可能に接続する通信手段を有すること、前記通信手段に接続され、前記複数台の運転訓練シミュレータの運転シミュレーションの結果を受信して、前記基幹ガス導管のガス流量又はガス圧の少なくとも一方を模擬した共通送ガス導管状態を計算する共通送ガス導管シミュレータを有すること、前記複数台の運転訓練シミュレータの全て又は一部が、前記連携運転訓練中に、前記共通送ガス導管状態を前記共通送ガス導管シミュレータから受信して、前記シミュレーション制御・表示装置に表示することを特徴とする。
(2)(1)に記載する都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムにおいて、前記連携運転訓練の結果を蓄積して記憶するデータベースを有し、前記複数台の運転訓練シミュレータが、前記通信手段を介して前記データベースにアクセス可能であることを特徴とする。
(3)(1)又は(2)に記載する都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムにおいて、前記ガス製造工場は、液化天然ガスを気化させて天然ガスを製造する天然ガス製造工場であること、前記都市ガス製造ネットワークが、複数の天然ガス製造工場が前記基幹ガス導管へ供給した前記天然ガスに、液化石油ガスを添加して熱量調整を行う熱調工場を含むこと、前記熱調工場に熱調用運転訓練シミュレータが設置されていること、前記熱調用運転訓練シミュレータが、前記熱調工場で使用される熱量調整設備の運転訓練を行うものであって、前記熱量調整設備の操作・制御を模擬すると共に、情報を表示する熱調用シミュレーション制御・表示装置と、前記熱調用シミュレーション制御・表示装置の操作に応じて運転シミュレーションを行う熱調用運転シミュレーション装置を有し、前記通信手段に通信可能に接続されており、前記連携運転訓練中に、前記共通送ガス導管状態を前記共通送ガス導管シミュレータから受信して、前記熱調用シミュレーション制御・表示装置に表示することを特徴とする。
(4)(1)又は(2)に記載する都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムにおいて、前記ガス製造工場が、液化天然ガスを気化させて天然ガスを製造し、前記天然ガスに液化石油ガスを添加して熱量調整を行うことにより都市ガスを製造する都市ガス製造工場であることを特徴とする。
上記構成の都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムは、複数のガス製造工場が基幹ガス導管で接続され、複数のガス製造工場で製造されたガスを基幹ガス導管に集め、都市ガスとして出力する都市ガス製造ネットワークに適用され、複数台の運転訓練シミュレータを備えており、各ガス製造工場のオペレータが、都市ガスが目標値で出力されるように、運転訓練シミュレータを操作して各ガス製造工場が製造するガスの製造量を調整することにより、連携運転訓練を行う都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムにおいて、運転訓練シミュレータは、ガス製造工場に各々設置され、設置先のガス製造工場で使用されるガス製造設備の運転訓練を行う。運転訓練シミュレータは、ガス製造設備の操作・制御を模擬すると共に、情報を表示するシミュレーション制御・表示装置と、シミュレーション制御・表示装置の操作に応じて運転シミュレーションを行う運転シミュレーション装置を有し、オペレータがシミュレーション制御・表示装置を操作すると、その操作に応じてガス製造設備の運転シミュレーションを行って、シミュレーション結果を運転シミュレーション制御・表示装置に表示する。すなわち、各ガス製造工場のオペレータは、実際のガス製造設備が稼働中であっても、ガス製造工場内に設置された運転訓練シミュレータを用いてガス製造設備の運転訓練を行うことが可能である。
都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムは、複数台の運転訓練シミュレータを通信可能に接続する通信手段を有するため、オペレータは、他のガス製造工場にいるオペレータが行った運転訓練のシミュレーション結果をシミュレーション制御・表示装置上で確認し、共有できるようになっている。
都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムは、通信手段に接続され、複数台の運転訓練シミュレータの運転シミュレーションの結果を受信して、基幹ガス導管のガス流量又はガス圧の少なくとも一方を模擬した共通送ガス導管状態を計算する共通送ガス導管シミュレータを有し、複数台の運転訓練シミュレータの全て又は一部が、連携運転訓練中に、共通送ガス導管状態を共通送ガス導管シミュレータから受信して、シミュレーション制御・表示装置に表示する。そのため、オペレータは、実際にトラブルが発生した場合と同様に各々のガス製造工場に配備された状態で、連携運転訓練を行う。その連携運転訓練では、各運転訓練シミュレータの連携運転訓練状況が共通送ガス導管状態を介して同期する。共通送ガス導管状態には、ガス製造工場のオペレータが行った運転訓練のシミュレーション結果が全て反映されている。そのため、オペレータは、共通送ガス導管状態に含まれる基幹ガス導管のガス流量又はガス圧の少なくとも一方から、都市ガス製造ネットワークから出力される都市ガスの製造量をリアルタイムに把握し、都市ガスの製造量を短時間で目標値に近づけて不足しないように他のオペレータと連携してガス製造設備の運転訓練を行うことが可能である。
このように、上記構成の都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムは、連携運転訓練時に各ガス製造工場のオペレータの操作が都市ガスの製造量に与える影響までシミュレーションして、現実に近い条件で連携運転を訓練できる。
また、上記構成の都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムによれば、連携運転訓練の結果を蓄積して記憶するデータベースを有し、各運転訓練シミュレータが、通信手段を介してデータベースにアクセス可能であるので、オペレータは、空いた時間に、過去の連携運転訓練のシミュレーション結果を工場内の運転訓練シミュレータ上で確認して、学習することができる。
また、上記構成の都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムによれば、ガス製造工場は、液化天然ガスを気化させて天然ガスを製造する天然ガス製造工場であり、都市ガス製造ネットワークが、複数の天然ガス製造工場が基幹ガス導管へ供給した天然ガスに、液化石油ガスを添加して熱量調整を行う熱調工場を含んでいる。つまり、この都市ガス製造ネットワークは、基幹ガス導管を流れる天然ガスの製造と、天然ガスの熱量調整を、異なる場所で行う。熱調工場には、熱調用運転訓練シミュレータが設置されている。この熱調用運転訓練シミュレータは、熱調工場で使用される熱量調整設備の運転訓練を行うものであって、熱量調整設備の操作・制御を模擬すると共に、情報を表示する熱調用シミュレーション制御・表示装置と、熱調用シミュレーション制御・表示装置の操作に応じて運転シミュレーションを行う熱調用運転シミュレーション装置を有し、熱調工場のオペレータが熱調用シミュレーション制御・表示装置を操作すると、その操作に応じて熱量調整のシミュレーションが行われ、シミュレーション結果が熱調用シミュレーション制御・表示装置に表示される。
熱調用運転シミュレータは、通信手段に通信可能に接続されており、連携運転訓練中に、共通送ガス導管状態を共通送ガス導管シミュレータから受信して、熱調用シミュレーション制御・表示装置に表示する。そのため、熱調工場のオペレータは、連携運転訓練時に、実際にトラブルが発生した場合と同様に熱調工場に配備された状態で、連携運転訓練状況が天然ガス製造工場に設置された運転訓練シミュレータの連携運転訓練状況と同期し、天然ガス製造工場のオペレータの操作を反映した天然ガス製造量をリアルタイムに把握して熱量調整を行う訓練をすることが可能である。
よって、上記構成の都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムは、連携運転訓練時に、基幹ガス導管を流れるガスを直接製造しない熱調工場のオペレータも、基幹ガス導管を流れるガスを直接製造する天然ガス製造工場のオペレータと同様に現実に近い条件で天然ガスの製造量を把握し、熱量調整の運転訓練を行うことができる。
また、上記構成の都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムは、ガス製造工場が、液化天然ガスを気化させて天然ガスを製造し、天然ガスに液化石油ガスを添加して熱量調整を行うことにより都市ガスを製造する都市ガス製造工場であるので、オペレータは、他の都市ガス製造工場にいるオペレータの操作を反映した都市ガス製造量をリアルタイムに把握し、他のオペレータと連携して、都市ガスが不足しないように、都市ガスの製造に使用されるガス製造設備の運転訓練を行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムの概略構成を示す図である。 都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムの動作を説明する図である。 都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムが適用される都市ガス製造ネットワークの一例を示す図である。 天然ガス製造工場の天然ガス製造設備を用いて天然ガスを製造するプロセスの概略フローを示す図である。 熱調工場の熱量調整設備を用いて熱量調整を行うプロセスの概略フローを示す図である。 第1実施例に対するM1点流量の一例を示す図である。 第1実施例に対するM2点流量の一例を示す図である。 第1実施例に対するM3点流量に対応する共通送ガス導管状態の一例を示す図である。 第1実施例に対するM3点ガス圧に対応する共通送ガス導管状態の一例を示す図である。 第2実施例に対するM1点流量の一例を示す図である。 第2実施例に対するM2点流量の一例を示す図である。 第2実施例に対するM3点流量に対応する共通送ガス導管状態の一例を示す図である。 第2実施例に対するM3点ガス圧に対応する共通送ガス導管状態の一例を示す図である。 第3実施例に対するM1点流量の一例を示す図である。 第3実施例に対するM2点流量の一例を示す図である。 第2実施例に対するM3点流量に対応する共通送ガス導管状態の一例を示す図である。 第2実施例に対するM3点ガス圧に対応する共通送ガス導管状態の一例を示す図である。 都市ガス製造ネットワークシステムが適用される都市ガス製造ネットワークの変形例を示す図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(都市ガス製造ネットワークの一例)
図3は、都市ガス製造ネットワークNの一例を示す図である。
都市ガス製造ネットワークNは、複数のガス製造工場(本実施形態では第1及び第2天然ガス製造工場A,B)と熱調工場Cが基幹ガス導管Eで接続され、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bで製造された天然ガスを基幹ガス導管Eに集め、熱調工場Cで熱量調整した後、都市ガスとして出力するものである。第1及び第2天然ガス製造工場A,Bと熱調工場Cは、複数の県にわたって広域に所在する都市ガス需要者に対して都市ガスを安定供給するために、分散して建設されている。都市ガス需要者には、電力会社等の大口供給先や、ガス供給所を介して都市ガスを供給される一般家庭や工場、商業施設などが含まれる。
導管D1は、第1天然ガス製造工場Aと熱調工場Cを接続し、第1天然ガス製造工場Aが製造した第1天然ガスを熱調工場Cへ輸送する。
導管D2は、第2天然ガス製造工場Bと熱調工場Cを接続し、第2天然ガス製造工場Bが製造した第2天然ガスを熱調工場Cへ輸送する。
導管D3は、熱調工場Cに接続され、熱調工場Cが熱量調整した都市ガスをガス供給所や大口供給先などへ輸送する。
以下の説明では、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bの構外との境界となる出口(図中M1点及びM2点)から熱調工場Cの構外との境界となる出口(図中M3点)までの領域(図中点線で囲んだ領域)の導管D1,D2,D3を、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bで製造された天然ガスが流れる基幹ガス導管Eという。
第1天然ガス製造工場Aには第1運転訓練シミュレータ10Aが設置されている。また、第2天然ガス製造工場Bには第2運転訓練シミュレータ10Bが設置されている。更に、熱調工場Cには熱調用運転訓練シミュレータ10Cと共通送ガス導管シミュレータ30が設置されている。尚、共通送ガス導管シミュレータ30は、第1又は第2天然ガス製造工場A,Bや運転訓練センター施設など、熱調工場C以外の場所に設置しても良い。
(第1及び第2天然ガス製造工場におけるガス製造設備の一例)
第1及び第2天然ガス製造工場A,Bでは、例えば図4に示すガス製造設備を用いて天然ガスを製造する。図4は、天然ガス製造工場の天然ガス製造設備を用いて天然ガスを製造するプロセスの概略フローを示す図である。
天然ガス製造工場内には、LNGタンク2、戻りガスブロワ3、BOG圧縮機4、プライマリーポンプ5、セカンダリーポンプ6、LNG気化器7、流量センサ8等の天然ガス製造設備が設置されている。これらの天然ガス製造設備は、都市ガス需要者の需要に応じて確実に必要なガス量を製造するとともに、万一のトラブルによる事故や災害を未然に防止するために、天然ガス製造工場に設置された中央監視装置9により集中監視、制御されている。本実施形態では、各種天然ガス製造設備と中央監視装置9を、ガス製造設備の一例とする。
LNGタンカー1により輸送されてきたLNGは、LNGタンカー1のカーゴポンプ(図示せず)により地上のLNGタンク2へ移送され、貯蔵される。LNGタンク2の内部には、外部からの自然入熱によりボイルオフガス(以下「BOG」という。)が発生する。BOG圧縮機4は、LNGタンク2からBOGを抜き出し、タンク圧力を一定にしている。BOG圧縮機4が抜き出したBOGは、天然ガスとして供給される。戻りガスブロワ3は、低温ガスをLNGタンカー1へ返送し、LNGタンカー1からLNGタンク2へLNGを受け入れているときに、LNGタンカー1のガス圧を一定に保つようにしている。
LNGタンク2には、LNGを払い出すためのプライマリーポンプ5が設置されている。LNGタンク2から払い出されたLNGは、セカンダリーポンプ6で昇圧され、LNG気化器7へ送られる。LNG気化器7では、LNGが海水との熱交換により気化し、天然ガスとなる。製造された天然ガスは、流量センサ8へ送り出される。流量センサ8は、天然ガス製造工場の出口M又は出口Mより上流側の導管D上に設けられ、天然ガス製造工場が製造した天然ガスの流量を測定する。中央監視装置9は、流量センサ8の流量測定値を受信し、天然ガスの製造量を常時監視している。
(熱調工場における熱量調整設備の一例)
熱調工場Cでは、例えば、図5に示す熱量調整設備を用いて熱量調整を行う。図5は、熱調工場の熱量調整設備を用いて熱量調整を行うプロセスの概略フローを示す図である。
熱調工場C内には、加温器21,22やミキサー23,24、流量センサ25、圧力センサ26、LPGタンク28,29等の設備が設置されている。これらの設備は、規定熱量に調整するための天然ガスの流量に応じてLPGを添加したり、万一のトラブルによる事故や災害を未然に防止するために、熱調工場Cに設置された中央監視装置27により集中監視、制御されている。本実施形態では、上記各設備21〜26,28,29と中央監視装置27を、熱量調整設備の一例とする。
加温器21,22は、第1及び第2天然ガスを受け入れて加温する。加温された天然ガスは、ミキサー23,24へ送られる。ミキサー23,24では、LPGタンク28,29に溜められているLPGが天然ガスに添加され、熱量を一定にしている。換言すれば、LPGの添加量は、第1及び第2天然ガスの受入量に応じて変えられる。このようにして熱量調整された都市ガスは、流量センサ25と圧力センサ26へ送り出される。流量センサ25は、熱調工場の出口M3上又は出口M3より上流側の導管D3上に設けられ、熱調工場Cが熱量調整した都市ガスの流量(都市ガス製造ネットワークNで製造された都市ガスの流量(製造量))を測定する。また、圧力センサ26も、熱調工場の出口M3上又は出口M3より上流側の導管D3上に設けられ、熱調工場Cが熱量調整した都市ガスのガス圧を測定する。中央監視装置27は、流量センサ25の流量測定値と圧力センサ26の圧力測定値を受信し、熱調工場C(都市ガス製造ネットワークN)が出力する都市ガスの製造量と供給圧力を常時監視している。
(都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムの概略構成)
図1は、本発明の実施形態に係る都市ガス製造ネットワーク運転訓練システム(以下「運転訓練システム」という。)Sの概略構成を示す図である。
運転訓練システムSは、図3に示す都市ガス製造ネットワークNに適用される。運転訓練システムSは、第1運転訓練シミュレータ10Aと、第2運転訓練シミュレータ10Bと、熱調用運転訓練シミュレータ10Cと、共通送ガス導管シミュレータ30が、インターネットや専用回線等の通信手段16を介して通信可能に接続され、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bと熱調工場Cのオペレータが、勤務先の工場に居ながら連携運転訓練を行えるように構成されている。
第1運転訓練シミュレータ10Aは、設置先の第1天然ガス製造工場Aで使用されるガス製造設備(天然ガス製造設備、中央監視装置9等の実機)の操作・制御を模擬し、プロセスやプラントの動きを忠実に再現することにより、運転訓練を行うようにしたものである。第1運転訓練シミュレータ10Aは、入出力インターフェース11Aと、シミュレーション制御・表示装置12Aと、運転シミュレーション装置13A等を備える。
入出力インターフェース11Aは、通信手段16に接続され、信号の送受信を制御するものである。
シミュレーション制御・表示装置12Aは、設置先の第1天然ガス製造工場Aで使用されるガス製造設備(実機)の操作、監視、制御を模擬するものである。また、シミュレーション制御・表示装置12Aは、オペレータの操作に連動して写真の表示や音響の発生を行ったり、シミュレーション結果を表示するなど、情報を出力表示するものである。
運転シミュレーション装置13Aは、シミュレーション制御・表示装置12Aの運転制御を全て反映させて、第1天然ガス製造工場A内のガス製造設備(実機)と同一の制御や実プラントと同じ挙動を第1運転訓練シミュレータ10A上で再現し、プロセスやプラントの動きを模擬して運転シミュレーションを行うものである。
運転シミュレーション装置13Aは、共通送ガス導管状態(後述)をシミュレーション制御・表示装置12Aに表示させるための共通送ガス導管状態表示機能15Aを有する。
第2運転訓練シミュレータ10Bは、設置先の第2天然ガス製造工場Bで使用されるガス製造設備(天然ガス製造設備、中央監視装置9などの実機)の操作・制御を模擬し、プロセスやプラントの動きを忠実に再現することにより、運転訓練を行うようにしたものである。第2運転訓練シミュレータ10Bは、入出力インターフェース11Bと、シミュレーション制御・表示装置12Bと、運転シミュレーション装置13B等を備える。
入出力インターフェース11Bは、通信手段16に接続され、信号の送受信を制御するものである。
シミュレーション制御・表示装置12Bは、設置先の第2天然ガス製造工場B内のガス製造設備(実機)の操作、監視、制御を模擬するものである。また、シミュレーション制御・表示装置12Bは、オペレータの操作に連動して写真の表示や音響の発生を行ったり、シミュレーション結果を表示するなど、情報を出力表示するものである。
運転シミュレーション装置13Bは、シミュレーション制御・表示装置12Bの運転制御を全て反映させて、第2天然ガス製造工場B内のガス製造設備(実機)と同一の制御や実プラントと同じ挙動を第2運転訓練シミュレータ10B上で再現し、プロセスやプラントの動きを模擬して運転シミュレーションを行うものである。
運転シミュレーション装置13Bは、共通送ガス導管状態(後述)をシミュレーション制御・表示装置12Bに表示させるための共通送ガス導管状態表示機能15Bを有する。
熱調用運転訓練シミュレータ10Cは、熱調工場C内の熱量調整設備(実機)の操作・制御を模擬し、プロセスやプラントの動きを忠実に再現することにより、運転訓練を行うようにしたものである。熱調用運転訓練シミュレータ10Cは、熱調用入出力インターフェース11Cと、熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cと、熱調用運転シミュレーション装置13C等を備える。
熱調用入出力インターフェース11Cは、通信手段16に接続され、信号の送受信を制御するものである。
熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cは、設置先の熱調工場C内のガス製造設備(実機)の操作、監視、制御を模擬するものである。また、熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cは、熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cの操作に連動して写真の表示や音響の発生を行ったり、熱調用運転シミュレーション装置13Cが行った運転シミュレーションの結果を表示するなど、情報を出力表示するものである。
熱調用運転シミュレーション装置13Cは、熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cの運転制御を全て反映させて、熱調工場C内のガス製造設備(実機)と同一の制御や実プラントと同じ挙動を熱調用運転訓練シミュレータ10C上で再現し、プロセスやプラントの動きを模擬して運転シミュレーションを行うものである。
熱調用運転シミュレーション装置13Cは、共通送ガス導管状態(後述)を熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cに表示させるための共通送ガス導管状態表示機能15Cを有する。
共通送ガス導管シミュレータ30は、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cが行う連携運転訓練の条件(以下「連携運転訓練条件」ともいう。)を任意に設定・変更し、連携運転訓練を管理するものである。連携運転訓練条件には、環境条件(海水温度など)や、境界条件(第1及び第2天然ガスの製造量や、都市ガスの製造量など)、トラブルの内容(発生場所、発生時刻、発生規模などを含む)などが含まれる。尚、共通送ガス導管シミュレータ30は、連携運転訓練条件を保存しておけば、同一の連携運転訓練条件でオペレータに連携運転訓練を繰り返し行わせることが可能である。
共通送ガス導管シミュレータ30は、通信手段16に接続され、第1運転訓練シミュレータ10Aの運転シミュレーションの結果と、第2運転訓練シミュレータ10Bの運転シミュレーションの結果を受信して、基幹ガス導管Eのガス流量とガス圧を模擬した共通送ガス導管状態を計算するものである。共通送ガス導管シミュレータ30は、共通送ガス導管状態を計算するための共通送ガス導管状態計算手段31を備える。
また、共通送ガス導管シミュレータ30は、データベース32とデータ送信手段33を備える。データベース32は、連携運転訓練の結果を蓄積して記憶するものである。連携運転訓練の結果には、連携運転訓練を行う場合のトラブルの内容を含む連携運転訓練条件や、第1運転訓練シミュレータ10Aの第1運転シミュレーション結果や、第2運転訓練シミュレータ10Bの第2運転シミュレーション結果や、熱調用運転訓練シミュレータ10Cの熱調運転訓練シミュレーション結果や、第1及び第2運転シミュレーション結果を用いて計算された共通送ガス導管状態などが、含まれる。データベース32には、通信手段16を介して、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cの何れからでもアクセスできるようになっている。データ送信手段33は、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cのいずれかから連携運転訓練の結果を照会する要求があった場合に、要求にあったデータをデータベースから検索して送信するものである。
(運転訓練システムの動作説明)
続いて、上記構成を有する運転訓練システムSの動作について説明する。図2は、運転訓練システムSの動作を説明する図である。
連携運転訓練を行う場合には、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bと熱調工場Cのオペレータは、各工場A,B,Cに設置されるシミュレータ10A,10B,10Cをそれぞれ通信手段16に接続し、待機する。また、共通送ガス導管シミュレータ30の管理者は、共通送ガス導管シミュレータ30を通信手段16に接続すると共に、連携運転訓練条件を設定(又は変更)する。設定された連携運転訓練条件は、共通送ガス導管シミュレータ30から通信手段16を介して各シミュレータ10A,10B,10Cへ送信される。第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cは、連携運転訓練条件を受信することで、トラブル発生場所や時刻、規模などの連携運転訓練に必要な前提条件が整えられる。
第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cは、例えば、連携運転訓練条件に含まれるトラブル発生時刻になると、運転シミュレーション装置13A,13B,13Cが実プラントと同じ挙動を忠実に再現し、シミュレーション制御・表示装置12A,12B,12Cに表示する。そこで、各工場A,B,Cのオペレータは、都市ガス供給ネットワークNから出力する都市ガスの供給量を不足させないように、シミュレーション制御・表示装置12A,12B,12Cを操作する。
例えば、運転シミュレーション装置13Aは、オペレータがシミュレーション制御・表示装置12Aを操作した内容に応じて、第1天然ガス製造工場A内のガス製造設備(天然ガス製造設備や中央監視装置9)の制御を模擬し、第1天然ガス製造工場Aが製造する第1天然ガスの流量を計算する。この運転状況と第1天然ガスの流量は、「第1運転シミュレーション結果」としてシミュレーション制御・表示装置12Aに表示される。また、「第1運転シミュレーション結果」は、通信手段16を介して第2運転訓練シミュレータ10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cと共通送ガス導管シミュレータ30へ送信される。
尚、第2運転訓練シミュレータ10Bも同様にして運転訓練を行い、第2運転シミュレーション結果を第1運転訓練シミュレータ10Aと熱調用運転訓練シミュレータ10Cと共通送ガス導管シミュレータ30へ送信する。
熱調用運転訓練シミュレータ10Cは、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bから受信した第1及び第2運転シミュレーション結果に基づいて、第1及び第2天然ガスの受け入れ量を計算して熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cに表示する。オペレータは、熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cに表示された受け入れ量等に基づいて熱量を設定値に調整するように熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cを操作する。熱調用運転訓練シミュレータ10Cは、オペレータの操作に応じて都市ガスの供給量やガス圧を計算し、熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cに表示する。この操作状況や都市ガスの供給量・ガス圧は、「第3運転シミュレーション結果」として、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bや共通送ガス導管シミュレータ30へ送られる。
共通送ガス導管シミュレータ30は、第1及び第2運転シミュレーション結果を受信して、基幹ガス導管Eを流れる天然ガスや都市ガスのガス流量とガス圧を計算する。具体的には、共通送ガス導管シミュレータ30は、導管D1上のM1点の第1天然ガス流量と、導管D2上のM2点の第2天然ガス流量と、導管D3上のM3点の都市ガス流量・ガス圧を、圧損や遅れ時間などを考慮して計算する。共通送ガス導管シミュレータ30は、それらを「共通送ガス導管状態」として、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cへリアルタイムに送信する。
第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cは、共通送ガス導管状態をシミュレーション制御・表示装置12A,12B,12Cにそれぞれ表示する。換言すれば、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cは、互いに離れた工場A,B,Cに設置されていても、共通送ガス導管状態を介して、連携運転訓練の進行状況について同期(連携)がとられ、同一条件下で連携運転訓練を行える状態となる。
各工場A,B,Cのオペレータは、シミュレーション制御・表示装置12A,12Bや熱調用シミュレーション制御表示装置12Cに表示される共通送ガス導管状態により、基幹ガス導管E内のガス流量とガス圧に関する情報を共有する。そして、各工場A,B,Cのオペレータは、都市ガス製造ネットワークNから可能な限り目標値に近い流量で都市ガスをとぎれなく供給するという共通の目的に向かって、シミュレーション制御・表示装置12A,12Bや熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cを操作する。
このように第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cと共通送ガス導管シミュレータ30は、遠く離れた工場A,B,Cに設置されていても、第1及び第2運転シミュレーション結果と熱調運転シミュレーション結果と共通送ガス導管状態を相互に送受信することにより、情報の共有と訓練状況の同期(連携)を図り、運転訓練を行うことが可能である。連携運転訓練は、共通送ガス導管状態がトラブル発生直前の平常状態(目標値)に安定したら、終了する。
連携運連訓練が終了すると、共通送ガス導管シミュレータ30は、その連携運転訓練の結果を、データベース32に記憶する。これにより、連携運転訓練の結果が、データベース32に蓄積されていく。第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cは、通信手段16を介してデータベース32にアクセスできる。よって、オペレータは、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cから共通送ガス導管シミュレータ30のデータベース32にアクセスして、他のオペレータの操作を参考に学習することが可能である。
(効果)
以上説明したように、本実施形態の運転訓練システムSは、複数のガス製造工場(第1天然ガス製造工場A、第2天然ガス製造工場B)が基幹ガス導管Eで接続され、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bで製造された天然ガスを基幹ガス導管Eに集め、都市ガスとして出力する都市ガス製造ネットワークNに適用され、複数台の運転訓練シミュレータ10A,10Bを備えており、各ガス製造工場のオペレータが、都市ガスが目標値で出力されるように、運転訓練シミュレータ10A,10Bを操作して各天然ガス製造工場A,Bが製造する天然ガスの製造量を調整することにより、連携運転訓練を行う運転訓練システムSにおいて、各運転訓練シミュレータ10A,10Bは、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bに各々設置され、設置先のガス製造工場A,Bで使用される天然ガス製造設備の運転訓練を行う。第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bは、天然ガス製造設備の操作・制御を模擬すると共に、情報を表示するシミュレーション制御・表示装置12A,12Bと、シミュレーション制御・表示装置12A,12Bの操作に応じて運転シミュレーションを行う運転シミュレーション装置13A,13Bを有し、オペレータがシミュレーション制御・表示装置12A,12Bを操作すると、その操作に応じて天然ガス製造設備の運転シミュレーションを行って、シミュレーション結果を運転シミュレーション制御・表示装置12A,12Bに表示する。すなわち、第1及び第2ガス製造工場A,Bのオペレータは、実際の天然ガス製造設備が稼働中であっても、第1及び第2天然ガス製造工場A,B内に設置された第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bを用いて天然ガス製造設備の運転訓練を行うことが可能である。
運転訓練システムSは、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bを通信可能に接続する通信手段16を有するため、オペレータは、他のガス製造工場にいるオペレータが行った運転訓練のシミュレーション結果をシミュレーション制御・表示装置12A,12B上で確認し、共有できるようになっている。
運転訓練システムSは、通信手段16に接続され、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bの運転シミュレーションの結果を受信して、基幹ガス導管Eのガス流量又はガス圧の少なくとも一方を模擬した共通送ガス導管状態を計算する共通送ガス導管シミュレータ30を有し、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bの全て又は一部が、連携運転訓練中に、共通送ガス導管状態を共通送ガス導管シミュレータ30から受信して、シミュレーション制御・表示装置12A,12Bに表示する。そのため、オペレータは、実際にトラブルが発生した場合と同様に各々の工場A,Bに配備された状態で、連携運転訓練を行う。その連携運転訓練では、各運転訓練シミュレータ10A,10Bの連携運転訓練状況が共通送ガス導管状態を介して同期する。共通送ガス導管状態には、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bのオペレータが行った運転訓練のシミュレーション結果が全て反映されている。そのため、オペレータは、共通送ガス導管状態に含まれる基幹ガス導管Eのガス流量又はガス圧の少なくとも一方から、都市ガス製造ネットワークNから出力される都市ガスの製造量をリアルタイムに把握し、都市ガスの製造量を短時間で目標値に近づけて不足しないように他のオペレータと連携して天然ガス製造設備の運転訓練を行うことが可能である。
このように、上記運転訓練システムSは、連携運転訓練時に各天然ガス製造工場A,Bのオペレータの操作が都市ガスの製造量に与える影響までシミュレーションして、現実に近い条件で連携運転を訓練できる。
また、上記運転訓練システムSによれば、連携運転訓練の結果を蓄積して記憶するデータベース32を有し、各運転訓練シミュレータ10A,10Bが、通信手段16を介してデータベース32にアクセス可能であるので、オペレータは、空いた時間に、過去の連携運転訓練のシミュレーション結果を工場A,B内の運転訓練シミュレータ10A,10B上で確認して、学習することができる。
また、上記運転訓練システムSによれば、ガス製造工場は、液化天然ガスを気化させて天然ガスを製造する天然ガス製造工場であり、都市ガス製造ネットワークNが、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bが基幹ガス導管Eへ供給した天然ガスに、液化石油ガスを添加して熱量調整を行う熱調工場Cを含んでいる。つまり、この都市ガス製造ネットワークNは、基幹ガス導管Eを流れる天然ガスの製造と、天然ガスの熱量調整を、異なる場所で行う。熱調工場Cには、熱調用運転訓練シミュレータ10Cが設置されている。この熱調用運転訓練シミュレータ10Cは、熱調工場Cで使用される熱量調整設備の運転訓練を行うものであって、熱量調整設備の操作・制御を模擬すると共に、情報を表示する熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cと、熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cの操作に応じて運転シミュレーションを行う熱調用運転シミュレーション装置13Cを有し、熱調工場Cのオペレータが熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cを操作すると、その操作に応じて熱量調整のシミュレーションが行われ、シミュレーション結果が熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cに表示される。
熱調用運転シミュレータ10Cは、通信手段16に通信可能に接続されており、連携運転訓練中に、共通送ガス導管状態を共通送ガス導管シミュレータ30から受信して、熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cに表示する。そのため、熱調工場Cのオペレータは、連携運転訓練時に、実際にトラブルが発生した場合と同様に熱調工場Cに配備された状態で、連携運転訓練状況が第1及び第2天然ガス製造工場A,Bに設置された第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bの連携運転訓練状況と同期し、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bのオペレータの操作を反映した天然ガス製造量をリアルタイムに把握して熱量調整を行う訓練をすることが可能である。
よって、上記運転訓練システムSは、連携運転訓練時に、基幹ガス導管Eを流れるガスを直接製造しない熱調工場Cのオペレータも、基幹ガス導管Eを流れるガスを直接製造する第1及び第2天然ガス製造工場A,Bのオペレータと同様に現実に近い条件で天然ガスの製造量を把握し、熱量調整の運転訓練を行うことができる。
以下の実施例では、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bの出口M1,M2から熱調工場Cの出口M3までの距離(基幹ガス導管Eの長さ)がそれぞれ3kmである都市ガス製造ネットワークNについて運転訓練を行った事例について説明する。そして、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bの出口M1,M2の流量(第1天然ガス製造工場A,Bが製造した第1及び第2天然ガスの流量)F1,F2が「100」の場合には、流量変化が熱調工場Cの出口M3に到達する時間が10分であると仮定し、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bの出口M1,M2の流量(第1天然ガス製造工場A,Bが製造した第1及び第2天然ガスの流量)F1,F2が「50」の場合には、流量変化が熱調工場Cの出口M3に到達する時間が20分であると仮定する。
(第1実施例)
図6は、第1実施例に対するM1点流量の一例を示す図である。図7は、第1実施例に対するM2点流量一例を示す図である。図8は、第1実施例に対するM3点流量に対応する共通送ガス導管状態の一例を示す図である。図9は、第1実施例に対するM3点ガス圧に対応する共通送ガス導管状態の一例を示す図である。尚、図6〜図9の横軸に示す時間は、トラブル発生時(運転訓練開始時)を基準時(時間「0分」)として、基準時からの経過時間を示している。また、図6〜図9の縦軸に示す流量及びガス圧は、概念的に大小を認識させるための仮の数値であるため、単位を省略している。
トラブル発生前の平常状態では、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bは、流量F1,F2がそれぞれ「100」となるように、第1及び第2天然ガスを製造している。
図6に示すように、トラブルの発生により、M1点流量(第1天然ガス製造工場Aが製造する第1天然ガスの流量(製造量))F1は、「100」から「50」に半減する。この変動は、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bのシミュレーション制御・表示装置12A,12B,と熱調用運転訓練シミュレータ10Cの熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cにそれぞれ表示される。
図6に示すように、第1天然ガス製造工場Aのオペレータは、第1天然ガスの流量F1の減少を抑えるように、シミュレーション制御・表示装置12Aを操作する。運転シミュレーション装置13Aは、シミュレーション制御・表示装置12Aの操作に応じて第1天然ガス製造工場A内の中央監視装置9やガス製造設備の運転制御を模擬し、第1天然ガスの流量F1をシミュレーションする。この第1シミュレーション結果を、第1運転訓練シミュレータ10Aは第2運転訓練シミュレータ10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cと共通送ガス導管シミュレータ30へ送信する。
図7に示すように、第2天然ガス製造工場Bのオペレータは、シミュレーション制御・表示装置12Bの表示や、第1天然ガス製造工場Aのオペレータとの電話連絡により、第1天然ガス製造量の減少の程度を把握したら、第1天然ガスの流量減少を補うように、シミュレーション制御・表示装置12Bを操作する。具体的には、オペレータは、都市ガスの不足を防ぐために、M2点流量(第2天然ガスの流量(製造量))F2を「100」から「200」に増加させるように、シミュレーション制御・表示装置12Bを操作する。そして更に、オペレータは、第2天然ガスの流量F2がトラブル発生から10分後に倍増し、トラブル発生から20分後には熱調工場Cの出口M3点の流量F3が定常状態になることを想定して、トラブル発生から20分後に、流量F2を「200」から「150」に変更するように、シミュレーション制御・表示装置12Bを操作する。この第2運転シミュレーション結果を、第2運転訓練シミュレータ10Bは第1運転訓練シミュレータ10Aと熱調用運転訓練シミュレータ10Cと共通送ガス導管シミュレータ30へ送信する。
共通送ガス導管シミュレータ30は、第1及び第2運転シミュレーション結果を受信し、図8及び図9に示すように、共通送ガス導管状態を計算する。
上記仮定より、流量F1、F2が「100」の場合、第1及び第2天然ガスの流量変化は熱調工場Cの出口M3に10分後に到達する。そのため、共通送ガス導管シミュレータ30は、図8に示すように、熱調工場Cの出口M3の流量(都市ガス製造ネットワークNで製造された都市ガスの流量(製造量))F3が、トラブル発生から10分経過後に、「200」から「150」に減少することを計算する。そして、共通送ガス導管シミュレータ30は、流量F3がトラブル発生から20分経過後(流量減少から10分経過後)に「150」から「250」に増加し、トラブル発生から30分経過後に、トラブル発生直前の流量「200」に戻って安定することを計算する。一方、共通送ガス導管シミュレータ30は、図9に示すように、熱調工場Cの出口M3のガス圧(都市ガス製造ネットワークNから出力される都市ガスのガス圧)P3が、トラブル発生から10分経過後に、「100」から「25」に急降下することを計算する。そして、共通送ガス導管シミュレータ30は、熱調工場Cの出口M3のガス圧P3が、トラブル発生から20分経過後(流量激減から10分経過後)に、「25」から「125」に急上昇し、トラブル発生から35分経過後に、トラブル発生直前のガス圧「100」に戻って安定することを計算する。
このようにして計算された共通送ガス導管状態は、共通送ガス導管シミュレータ30から第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cへ通信手段16を介して送信される。第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cは、受信した共通送ガス導管状態をシミュレーション制御・表示装置12A,12B,12Cに表示する。
また、流量F3とガス圧F3がトラブル発生直前の値に復帰した時点で、共通送ガス導管シミュレータ30は、連携運転訓練が終了したことを、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cへ通知する。
上記連携運転訓練では、流量F3が平常状態に戻るのに、トラブル発生から30分もかかった。また、ガス圧が平常状態に戻るのに、35分もかかった。そして、ガス圧は、一時、「100」から「25」に急降下して、4分の1程度になってしまった。このように、ガス圧が急降下すると、都市ガスが一般家庭や工場、商業施設などに行き渡らず、不便をきたす虞がある。更に、ガス圧の変化幅XP1は、「25」から「125」と広範囲になり、ガス圧が長時間不安定になっている。よって、第2天然ガス製造工場Bのオペレータは、共通送ガス導管状態の結果を見て、今回の連携運転訓練における自分の判断・操作が都市ガスの流量F3とガス圧P3を定常状態に復帰させるのを遅らせ、都市ガスの不足を招く可能性があることを、客観的に評価することができる。つまり、第2天然ガス製造工場Bのオペレータは、共通送ガス導管状態を見て、もっと迅速に状況判断して操作を行う必要があることを認識して運転操作技術を改善する機会が与えられる。
ところで、熱調工場Cのオペレータは、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bから受け入れる第1及び第2天然ガスの流量に応じて、LPGの添加量を変化させる必要がある。そのため、熱調工場Cのオペレータは、連携運転訓練時に、第1及び第2運転シミュレーション結果(出口M1点、M2点の流量)を第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bから熱調用運転訓練シミュレータ10Cにリアルタイムに受信して把握し、天然ガスの受入量の変化に応じてLPGの添加量を変化させて都市ガスの熱量を一定にするように、熱調用シミュレーション制御・表示装置12Cを操作し、熱量調整設備の運転訓練を行う。
(第2実施例)
図10は、第2実施例に対するM1点流量の一例を示す図である。図11は、第2実施例に対するM2点流量の一例を示す図である。図12は、第2実施例に対するM3点流量に対応する共通送ガス導管状態の一例を示す図である。図13は、第2実施例に対するM3点ガス圧に対応する共通送ガス導管状態の一例を示す図である。尚、図10〜図13の横軸に示す時間は、トラブル発生時(運転訓練開始時)を基準時(時間「0分」)として、基準時からの経過時間を示している。また、図10〜図13の縦軸に示す流量及びガス圧は、概念的に大小を認識させるための仮の数値であるため、単位を省略している。
本実施例は、上記第1実施例と同じ条件の下、第2天然ガス製造工場Bのオペレータが、上記失敗を受けてシミュレーション制御・表示装置12Bの操作を工夫し、第2天然ガスの流量F2を短時間で増加させた事例である。
トラブル発生前の平常状態では、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bは、流量F1,F2がそれぞれ「100」となるように、第1及び第2天然ガスを製造している。
第1天然ガス製造工場Aのオペレータは、第1天然ガスの流量F1が減少すると、流量F1の流量の減少を抑えるように、シミュレーション制御・表示装置12Aを操作する。その結果、図10に示すように、出口M1点の流量F1は、「100」から「50」に低下し、その後、「50」に安定したとする。この第1運転シミュレーション結果は、第2運転訓練シミュレータ10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cと共通送ガス導管シミュレータ30へ送信される。
図11に示すように、第2天然ガス製造工場Bのオペレータは、第1天然ガスの流量F1が「100」から「50」に減少したことを知ると、シミュレーション制御・表示装置12Bを上記第1実施例より手早く操作し、トラブル発生から5分後に出口M2点の流量(第2天然ガスの流量)を「100」から「200」に増加させた。そして、第2天然ガス製造工場Bのオペレータは、トラブル発生から10分後には熱調工場Cの出口M3点の流量F3が定常状態になることを想定して、トラブル発生から10分後に流量F2を「200」から「150」に変更するように、シミュレーション制御・表示装置12Bを操作する。この第2運転シミュレーション結果は、第1運転訓練シミュレータ10Aと熱調用運転訓練シミュレータ10Cと共通送ガス導管シミュレータ30へ送信される。
共通送ガス導管シミュレータ30は、上記流量F1,F2を含む第1及び第2運転シミュレーション結果を受信し、図12及び図13に示すように、共通送ガス導管状態を計算する。
上記仮定より、第1及び第2天然ガスの流量変化は、流量F、F2が「100」の場合、第1及び第2天然ガスの流量変化が熱調工場Cの出口M3に10分後に到達する。そのため、共通送ガス導管シミュレータ30は、図12に示すように、熱調工場Cの出口M3の流量(都市ガス製造ネットワークNで製造された都市ガスのガス圧)F3が、トラブル発生から10分経過後に、「200」から「150」に減少することを計算する。そして、共通送ガス導管シミュレータ30は、流量F3がトラブル発生から15分経過後(流量激減から5分経過後)に、「150」から「250」に増加し、トラブル発生から20分経過後にトラブル発生直前の流量「200」に戻って安定することを計算する。一方、共通送ガス導管シミュレータ30は、図13に示すように、熱調工場Cの出口M3のガス圧(都市ガス製造ネットワークNから出力される都市ガスのガス圧)P3が、トラブル発生から10分経過後に、「100」から「50」に降下することを計算する。そして、共通送ガス導管シミュレータ30は、熱調工場Cの出口M3のガス圧P3が、トラブル発生から20分経過後(流量激減から10分経過後)に、「50」から「110」に上昇し、トラブル発生から25分経過後に、トラブル発生直前のガス圧「100」に安定することを計算する。
このようにして計算された共通送ガス導管状態は、共通送ガス導管シミュレータ30から第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cへ通信手段16を介して送信される。第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cは、受信した共通送ガス導管状態をシミュレーション制御・表示装置12A,12B,12Cに表示する。
また、流量F3とガス圧F3がトラブル発生直前の値に復帰した時点で、共通送ガス導管シミュレータ30は、連携運転訓練が終了したことを第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cへ通知する。
上記連携運転訓練では、流量F3が平常状態に戻るのに、トラブル発生から20分かかった。これは、第1実施例と比べると、流量F3が平常状態に戻る時間を10分も短縮できた。また、ガス圧が平常状態に戻るのに、25分かかった。これは、第1実施例と比べると、ガス圧F3が平常状態に戻る時間を10分も短縮できた。そして、ガス圧は、一時、「100」から「50」に降下して、2分の1程度になった。これは、第1実施例と比べると、ガス圧の降下を2分の1に抑えることができた。ガス圧の降下幅を抑えることにより、都市ガスが一般家庭や工場、商業施設などに行き渡らなくなることを防ぎ、社会的混乱を防ぐことができる。更に、ガス圧の変化幅XP2は、「50」から「110」であり、第1実施例と比べると、ガス圧の変化幅XP2を第1実施例の変化幅XP1に対して5分の3程度に抑えることができた。ガス圧の変動幅を小さくすることにより、ガス圧の変動によって都市ガスの供給支障を招く可能性を低くできる。
よって、第2天然ガス製造工場Bのオペレータは、連携運転訓練を重ねることにより、第2天然ガスの流量F2を短時間で変化させる技術を身に付けられていることを、共通送ガス導管状態を見て実感することができる。
また、熱調工場Cのオペレータは、第2実施例においては、第1及び第2天然ガスの製造量が短時間で安定することに伴い、LPGの添加量を短時間で判断して添加する訓練を行うことができる。
(第3実施例)
図14は、第3実施例に対するM1点流量の一例を示す図である。図15は、第3実施例に対するM2点流量の一例を示す図である。図16は、第3実施例に対するM3点流量に対応する共通送ガス導管状態の一例を示す図である。図17は、第3実施例に対するM3点ガス圧に対応する共通送ガス導管状態の一例を示す図である。尚、図14〜図17の横軸に示す時間は、トラブル発生時(運転訓練開始時)を基準時(時間「0分」)として、基準時からの経過時間を示している。また、図14〜図17の縦軸に示す流量及びガス圧は、概念的に大小を認識させるための仮の数値であるため、単位を省略している。
ガス会社が顧客に提供する都市ガスは、顧客のガス消費量によって変動する。例えば、冬場は暖房器具の使用や湯の使用量の増加などに伴い、ガス消費量が夏場より多くなる傾向がある。本実施例は、平常状態における都市ガス製造量が第1及び第2実施例の半分とした事例である。つまり、本事例では、トラブル発生前の平常状態では、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bは、出口M1、M2点の流量F1,F2がそれぞれ「50」となるように、第1及び第2天然ガスを製造している。
図14に示すように、トラブルの発生により、出口M1点の流量(第1天然ガス製造工場Aが製造する第1天然ガスの流量(製造量))F1は、「50」から「25」に半減する。この変動は、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cのシミュレーション制御・表示装置12A,12B,12Cにそれぞれ表示される。
図14に示すように、第1天然ガス製造工場Aのオペレータは、第1天然ガスの流量F1の減少を抑えるように、シミュレーション制御・表示装置12Aを操作する。運転シミュレーション装置13Aは、シミュレーション制御・表示装置12Aの応じて第1天然ガス製造工場A内の中央監視装置9やガス製造設備の運転制御を模擬し、第1天然ガスの流量F1をシミュレーションする。この第1シミュレーション結果を、第1運転訓練シミュレータ10Aは第2運転訓練シミュレータ10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cと共通送ガス導管シミュレータ30へ送信する。
図15に示すように、第2天然ガス製造工場Bのオペレータは、シミュレーション制御・表示装置12Bの表示や、第1天然ガス製造工場Aのオペレータとの電話連絡により、第1天然ガス製造量の減少の程度を把握したら、第1天然ガスの流量減少を補うように、シミュレーション制御・表示装置12Bを操作する。具体的には、オペレータは、都市ガスの不足を防ぐために、出口M2点の流量(第2天然ガスの流量(製造量))F2を「50」から「100」に増加させるように、シミュレーション制御・表示装置12Bを操作する。そして更に、オペレータは、第2天然ガスの流量F2がトラブル発生から5分後に倍増し、トラブル発生から10分後には熱調工場Cの出口M3点の流量F3が定常状態になることを想定して、流量F2を「100」から「75」に変更するように、シミュレーション制御・表示装置12Bを操作する。この第2シミュレーション結果を、第2運転訓練シミュレータ10Bは第1運転訓練シミュレータ10Aと熱調用運転訓練シミュレータ10Cと共通送ガス導管シミュレータ30へ送信する。
共通送ガス導管シミュレータ30は、上記流量F1,F2を含む第1及び第2運転シミュレーション結果を受信し、図16及び図17に示すように、共通送ガス導管状態を計算する。
上述した仮定より、流量F1、F2が「50」の場合、第1及び第2天然ガスの流量変化は熱調工場Cの出口M3に20分後に到達する。そのため、共通送ガス導管シミュレータ30は、図16に示すように、熱調工場Cの出口M3の流量(都市ガス製造ネットワークNで製造される都市ガスの流量(製造量))F3が、トラブル発生から20分経過後に、「100」から「75」に減少することを計算する。そして、共通送ガス導管シミュレータ30は、流量F3がトラブル発生から25分経過後(流量減少から5分経過後)に「75」から「125」に増加し、トラブル発生から30分経過後にトラブル発生直前の流量「100」に戻って安定することを計算する。一方、共通送ガス導管シミュレータ30は、図17に示すように、熱調工場Cの出口M3のガス圧P3が、トラブル発生から20分経過後に低下し始め、トラブル発生から25分経過後に「50」から「45」に低下することを計算する。そして、共通送ガス導管シミュレータ30は、熱調工場Cの出口M3のガス圧P3が、トラブル発生から30分経過後に、「45」から「55」に増加し、トラブル発生から33分後にトラブル発生直前のガス圧「50」に戻って安定することを計算する。
この共通送ガス導管状態は、共通送ガス導管シミュレータ30から第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cへ通信手段16を介して送信される。第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cは、受信した共通送ガス導管状態をシミュレーション制御・表示装置12A,12B,12Cに表示する。
また、流量F3とガス圧F3がトラブル発生直前の値に復帰した時点で、共通送ガス導管シミュレータ30は、連携運転訓練が終了したことを第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cへ通知する。
上記連携運転訓練では、流量F3及びガス圧P3が平常状態に戻るのに、トラブル発生から30分かかった。しかし、トラブル発生時の第1及び第2天然ガスの流量F1,F2が第1実施例の半分と少ないため、第1実施例と同じ時間をかけて都市ガスの流量F3とガス圧P3を復帰させていても、流量とガス圧の変動幅XF3、XP3が、第1実施例の変動幅XF1(図8参照)、XP3(図9参照)より小さい。よって、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bのオペレータは、第1実施例と第3実施例の連携運転訓練から、平常状態における都市ガスの製造量が多いときほど、第1及び第2天然ガスの製造量を迅速に変化させる必要があることを、共通送ガス導管状態を見て学ぶことができる。そして、熱調工場Cのオペレータは、都市ガスの製造量が多いときほど、天然ガスの受入量の変動が大きいため、天然ガスの受入量をリアルタイムに的確に把握してLPGの添加量を迅速に判断し、適時に添加する必要があることを、共通送ガス導管状態を見て学ぶことができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
(1)上記実施形態では、第1及び第2天然ガス製造工場A,Bと熱調工場Cと基幹ガス導管E(導管D1,D2,D3)により都市ガス製造ネットワークNを構築した。これに対して、図18に示すように、液化天然ガスを気化させて天然ガスを製造し、天然ガスに液化石油ガスを添加して熱量調整を行うことにより都市ガスを製造する複数の都市ガス製造工場(ここでは第1及び第2都市ガス製造工場TA,TB)を、基幹ガス導管Eで接続することにより、都市ガス製造ネットワークN1を構築しても良い。この場合にも、第1及び第2都市ガス製造工場TA,TBに第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bをそれぞれ設置し、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bを共通送ガス導管シミュレータ30と共に通信手段16に接続することにより、運転訓練システムS1を構成することが可能である。この運転訓練システムS1によれば、共通送ガス導管シミュレータ30が、第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bから受信した運転訓練シミュレーション結果(第1及び第2都市ガス製造工場TA,TBが製造した都市ガスの流量(導管D11上のM11点流量、導管D21上の出口M21点流量))に基づいて共通送ガス導管状態(導管D31上のM31点流量とガス圧(都市ガス製造ネットワークN1で製造された都市ガスの流量(製造量)とガス圧)の少なくとも一方)を計算し、各都市ガス製造工場TA,TBのオペレータが、共通送ガス導管シミュレータ30から運転訓練シミュレータ10A,10Bへ共通送ガス導管状態を受信してシミュレーション制御・表示装置12A,12Bに表示させて確認し、都市ガス製造ネットワークN1から可能な限り目標値に近い値で都市ガスをとぎれなく出力するように連携運転訓練を行う。
このような都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムSによれば、オペレータは、他の都市ガス製造工場にいるオペレータの操作を反映した都市ガス製造量をリアルタイムに把握し、他のオペレータと連携して、都市ガスが不足しないように、都市ガスの製造に使用されるガス製造設備の運転訓練を行うことができる。
(2)上記実施形態では、第1及び第2天然ガス製造工場と熱調工場Cを備える都市ガス製造ネットワークNに都市ガス製造ネットワークシステムSを適用した。これに対して、4つ以上のガス製造工場(熱調工場は1個でも2個以上で構成しても良く、また、都市ガス製造工場のみで構成しても良い)を備える都市ガス製造ネットワークに、本実施形態の都市ガス製造ネットワークシステムSを適用しても良いことは、言うまでもない。
(3)第1及び第2運転訓練シミュレータ10A,10Bと熱調用運転訓練シミュレータ10Cは、上記実施形態及び実施例1〜3に示すように連携運転訓練に用いられる他、各工場A,B,Cのオペレータが個別に運転訓練するのに用いても良い。この場合、各工場A,B,Cのオペレータは、個別の運転訓練を行うときには、各シミュレータ10A〜10Cを通信手段16に接続せずに、各シミュレータ10A〜10Cに記憶されているパラメータを用いて訓練を行い、連携運転訓練を行うときには、各シミュレータ10A〜10Cを通信手段16に接続し、共通送ガス導管シミュレータ30から連携運転訓練条件を受信して訓練を行うと良い。
10A 第1運転訓練シミュレータ
10B 第2運転訓練シミュレータ
10C 熱調用運転訓練シミュレータ
12A,12B シミュレーション制御・表示装置
12C 熱調用シミュレーション制御・表示装置
13A,13B 運転シミュレーション装置
13C 熱調用運転シミュレーション装置
16 通信手段
30 共通送ガス導管シミュレータ
31 共通送ガス導管状態計算手段
32 データベース
A 第1天然ガス製造工場(ガス製造工場の一例)
B 第2天然ガス製造工場(ガス製造工場の一例)
C 熱調工場
E 基幹ガス導管
N,N1 都市ガス製造ネットワーク
S 都市ガス製造ネットワーク運転訓練システム
TA,TB 都市ガス製造工場

Claims (4)

  1. 複数のガス製造工場が基幹ガス導管で接続され、前記複数のガス製造工場で製造されたガスを前記基幹ガス導管に集め、都市ガスとして出力する都市ガス製造ネットワークに適用され、複数台の運転訓練シミュレータを備えており、各ガス製造工場のオペレータが、前記都市ガスが目標値で出力されるように、前記運転訓練シミュレータを操作して前記各ガス製造工場が製造する前記ガスの製造量を調整することにより、連携運転訓練を行う都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムにおいて、
    前記運転訓練シミュレータは、
    ガス製造工場に各々設置され、設置先のガス製造工場で使用されるガス製造設備の運転訓練を行うものであって、
    前記ガス製造設備の操作・制御を模擬すると共に、情報を表示するシミュレーション制御・表示装置と、
    前記シミュレーション制御・表示装置の操作に応じて運転シミュレーションを行う運転シミュレーション装置を有すること、
    前記複数台の運転訓練シミュレータを通信可能に接続する通信手段を有すること、
    前記通信手段に接続され、前記複数台の運転訓練シミュレータの運転シミュレーションの結果を受信して、前記基幹ガス導管のガス流量又はガス圧の少なくとも一方を模擬した共通送ガス導管状態を計算する共通送ガス導管シミュレータを有すること、
    前記複数台の運転訓練シミュレータの全て又は一部が、前記連携運転訓練中に、前記共通送ガス導管状態を前記共通送ガス導管シミュレータから受信して、前記シミュレーション制御・表示装置に表示すること
    を特徴とする都市ガス製造ネットワーク運転訓練システム。
  2. 請求項1に記載する都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムにおいて、
    前記連携運転訓練の結果を蓄積して記憶するデータベースを有し、
    前記複数台の運転訓練シミュレータが、前記通信手段を介して前記データベースにアクセス可能である
    ことを特徴とする都市ガス製造ネットワーク運転訓練システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムにおいて、
    前記ガス製造工場は、液化天然ガスを気化させて天然ガスを製造する天然ガス製造工場であること、
    前記都市ガス製造ネットワークが、複数の天然ガス製造工場が前記基幹ガス導管へ供給した前記天然ガスに、液化石油ガスを添加して熱量調整を行う熱調工場を含むこと、
    前記熱調工場に熱調用運転訓練シミュレータが設置されていること、
    前記熱調用運転訓練シミュレータが、
    前記熱調工場で使用される熱量調整設備の運転訓練を行うものであって、
    前記熱量調整設備の操作・制御を模擬すると共に、情報を表示する熱調用シミュレーション制御・表示装置と、
    前記熱調用シミュレーション制御・表示装置の操作に応じて運転シミュレーションを行う熱調用運転シミュレーション装置を有し、
    前記通信手段に通信可能に接続されており、
    前記連携運転訓練中に、前記共通送ガス導管状態を前記共通送ガス導管シミュレータから受信して、前記熱調用シミュレーション制御・表示装置に表示すること
    を特徴とする都市ガス製造ネットワーク運転訓練システム。
  4. 請求項1又は請求項2に記載する都市ガス製造ネットワーク運転訓練システムにおいて、
    前記ガス製造工場が、液化天然ガスを気化させて天然ガスを製造し、前記天然ガスに液化石油ガスを添加して熱量調整を行うことにより都市ガスを製造する都市ガス製造工場である
    ことを特徴とする都市ガス製造ネットワーク運転訓練システム。
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