JP6033324B2 - 繊維強化プラスチック用の積層シート切断方法および装置、並びに繊維強化プラスチック - Google Patents

繊維強化プラスチック用の積層シート切断方法および装置、並びに繊維強化プラスチック Download PDF

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Description

本開示は、強化繊維を含む積層シートの切断方法および装置、並びに繊維強化プラスチックに関する。
強化繊維および樹脂を含む複合材料である繊維強化プラスチックは、高強度で且つ軽量であることから、近年、風車翼、航空機の主翼、自動車、船舶、鉄道車両等の部材への適用が急速に進みつつある。一般に、繊維強化プラスチックは、部材に要求される強度および剛性を有する積層構造となるように、強化繊維を含む積層シート(中間基材)が複数積み重ねられた構成となっている。繊維強化プラスチックを構成する積層シートは、一方向に引き揃えられた繊維または織られた繊維からなる薄いシート状部材が複数積層されて一体化されており、例えば、積層シートとしては、強化繊維基材に樹脂が含浸された半硬化状態のプリプレグ材、樹脂が含浸された強化繊維の束をシート状に成形したダイレクトロービングシート、樹脂が含浸されていないドライクロス等が用いられる。
このような繊維強化プラスチックには、部材の板厚が不連続に変化する板厚変化部で剥離が発生しやすいという欠点がある。これは、板厚変化部において応力集中が生じるためと考えられ、板厚の変化量が大きい程剥離が発生しやすいことが知られている。このため、従来は、繊維強化プラスチックの板厚変化部における剥離を抑制する目的で、繊維強化プラスチックの製造時に薄い積層シートを階段状に積層したり、機械加工によって端部にテーパを設けた積層シートを積み重ねたりしていた(例えば特許文献1および2)。なお、特許文献3には、積層シートの切断時に積層シートの端部を階段状にすることが開示されている。
米国特許公開第2011/0143081号明細書 米国特許公開第2011/0143082号明細書 米国特許公開第2008/0145615号明細書
しかしながら、薄い積層シートを階段状に積層して繊維強化プラスチックを製造する場合、部材の厚さに対応して多くの枚数の積層シートを積層する必要があり、積層作業に時間と手間がかかってしまうという問題があった。また、機械加工によって積層シートにテーパを設ける場合、例えば数mm以下の厚さの積層シートに機械加工によってテーパを形成することは極めて困難である。さらに、積層後の繊維強化プラスチックにテーパを形成する場合、繊維強化プラスチックに剥離などの損傷が入らないように入念に据え付け加工する必要があるので加工工程が長くなり、さらに品質管理が必要になるという問題もある。
一方、特許文献3に開示されるように、積層シート自体に段差を設ける構成とすれば板厚変化量を小さくできる。しかし、特許文献3には、薄い積層シートの端部を段差状に切断するための具体的な手法は何ら開示されていない。
本発明の少なくとも一実施形態の目的は、繊維強化プラスチックの製造作業の負荷を軽減でき、且つ、剥離し難い繊維強化プラスチックの材料として好適に用いられる積層シートを提供し得る繊維強化プラスチック用の積層シート切断方法および装置、並びに繊維強化プラスチックを提供することである。
本発明の少なくとも一実施形態に係る繊維強化プラスチック用の積層シート切断方法は、複数枚が集合して繊維強化プラスチックを形成する積層シートの切断方法であって、前記積層シートの長手方向における複数の位置において、前記積層シートの厚み方向に沿った少なくとも一つのカッタを前記積層シートに押し当てるカッタ押し当てステップと、前記カッタ押し当てステップの後、前記少なくとも一つのカッタを前記厚み方向に前記積層シートの内部に押し込んで前記積層シートを切断する切断ステップとを備え、前記切断ステップでは、前記複数の位置のそれぞれにおいて、前記少なくとも一つのカッタの前記積層シートの内部への押し込み量を互いに異ならせて、前記積層シートの端部が階段状に切断されるようにしたことを特徴とする。
上記積層シート切断方法では、積層シートの長手方向における複数の位置において、積層シートにカッタを押し込んで積層シートを切断する。このとき、積層シートの厚み方向にカッタを押し込むようにしている。そのため、積層シートをテーパ状に切断する場合に比べて、積層シート面に対して垂直方向にカッタを押し込めばよいので切断作業が容易となる。また、複数の位置のそれぞれにおいてカッタの押し込み量を異ならせることによって積層シートの端部が階段状に切断されるようにしているので、階段状の端部を有する積層シートを簡単に得ることができる。こうして得られた積層シートを複数重ねて繊維強化プラスチックを製造すれば、剥離し難い繊維強化プラスチックとすることができる。
幾つかの実施形態では、前記カッタ押し当てステップの前に、前記積層シートに対して切断用治具を前記厚み方向に関して位置決めする治具位置決めステップをさらに備え、前記切断ステップでは、前記切断用治具によって前記少なくとも一つのカッタの前記厚み方向における移動量を規制して、前記複数の位置のそれぞれにおける前記少なくとも一つのカッタの前記押し込み量を互いに異ならせてもよい。
このように、積層シートの厚み方向におけるカッタの移動量を規制する切断用治具を用いて、積層シートに対して切断用治具を厚み方向に位置決めするようにしたので、積層シート端部の各段差を所望の高さに形成することができる。
幾つかの実施形態では、前記カッタ押し当てステップでは、前記積層シートの幅方向に対して前記少なくとも一つのカッタの刃面が斜めになるように前記少なくとも一つのカッタを前記積層シートに押し当て、前記切断ステップでは、前記少なくとも一つのカッタにより、前記幅方向に対して斜めに前記積層シートを切断してもよい。
このように、積層シートを幅方向に対して斜めに切断することにより、積層シートの長手方向に対する該積層シートの断面積変化量を小さくすることができる。したがって、積層シートの応力変化量を低減できるので、この積層シートを複数重ねて繊維強化プラスチックを製造した際に、より一層剥離し難い繊維強化プラスチックとすることができる。なお、積層シートの断面積とは、積層シートの幅方向における断面積をいう。
幾つかの実施形態では、切断ステップでは、V字状の切断線に沿って前記積層シートを切断してもよい。
これにより、積層シートが幅方向の中心線に対して左右対称に切断されるので、幅方向における強度および剛性の偏りが少ないシート構造とすることができる。
幾つかの実施形態では、前記幅方向に対して前記積層シートの切断線がなす角度は、0度より大きく且つ60度以下であってもよい。
このように、幅方向に対して積層シートの切断線がなす角度を0度以上とすることで、積層シートが斜めに切断され、積層シートの長手方向に対する該積層シートの断面積変化を滑らかにすることができる。そのため、より一層積層シートの剥離を生じにくくすることができる。
また、幅方向に対して積層シートの切断線がなす角度を60度以下とすることで、例えば繊維ロール側の斜めに切断された部位を廃却する場合であっても、廃却量を抑えることができる。さらに、積層シートを斜めに切断する場合には、積層シートを幅方向に平行(すなわち積層シートの長手方向に直角)に切断する場合に比べて、カッタの長さを長くする必要があるが、幅方向に対して積層シートの切断線がなす角度を60度以下とすることで、カッタが長尺になりすぎるのを防止できる。よって、成形コストを抑えることができる。
幾つかの実施形態では、前記複数の位置のうち隣接する2つの位置における前記押し込み量の差は、0.1mm以上5mm以下であってもよい。
隣接する2つの位置における押し込み量の差、すなわち切断後における積層シートの段差の高さが0.1mm未満の場合、段差を多数設ける必要があり作業効率が低下する。一方、段差の高さが5mmを超える場合、積層シートの長手方向に対する該積層シートの断面積変化量が大きくなり、この積層シートを複数重ねて繊維強化プラスチックを製造した時に、剥離の問題を解消することは困難となる。したがって、押し込み量の差を0.1mm以上5mm以下とすることで、繊維強化プラスチックの製造に際して作業が容易となるため生産性が向上し、且つ、製造された繊維強化プラスチックを剥離し難い繊維強化プラスチックとすることができる。
本発明の少なくとも一実施形態に係る繊維強化プラスチック用の積層シートの切断装置は、複数枚が集合して繊維強化プラスチックを形成する積層シートの切断装置であって、前記積層シートを切断するための少なくとも一つのカッタと、前記積層シートの長手方向における複数の位置に前記少なくとも一つのカッタを位置決め可能に構成された位置決め部と、前記積層シートの厚み方向における前記少なくとも一つのカッタの移動量を規制するための移動量規制部とを備え、前記移動量規制部は、前記積層シートの端部が階段状に切断されるように、前記複数の位置のそれぞれにおける前記移動量を互いに異ならせるように構成されたことを特徴とする。
上記積層シートの切断装置によれば、位置決め部によって積層シートの長手方向における複数の位置にカッタを位置決めするようにしたので、積層シートの長手方向における段差位置を適切に設定することができる。また、移動量規制部によってカッタの移動量を規制し、積層シートの端部が階段状に切断されるようにしたので、積層シートを複数重ねて繊維強化プラスチックを製造した際に、剥離し難い繊維強化プラスチックとすることができる。
幾つかの実施形態では、前記積層シートが載置される基準面を有するベース部をさらに備え、前記移動量規制部は、前記基準面に対する前記少なくとも一つのカッタの移動量を規制するように構成されてもよい。
このように、移動量規制部は、積層シートが載置される基準面に対してカッタの移動量を規制するようにしたので、カッタと積層シートとの相対位置を精度良く調整することができる。よって、積層シートの厚み方向における段差位置を適切に設定することができる。
幾つかの実施形態では、前記移動量規制部は、前記積層シートの幅方向における前記基準面の両側において前記ベース部に立設され、階段状の上面を有する一対の側壁部と、前記少なくとも一つのカッタに取り付けられて、前記階段状の上面に当接する階段状の当接面を有するカッタホルダとを含んでいてもよい。
上記実施形態では、積層シートの両側に配置される一対の側壁部の上面を階段状に形成し、この階段状の上面にカッタホルダの当接面を当接させることによってカッタの移動量を規制するようにしている。このような構成とすることにより、設定された押し込み量だけカッタを確実に押し込むことができる。
幾つかの実施形態では、前記位置決め部は、前記側壁部および前記カッタホルダの一方に設けられた凸部と、前記側壁部および前記カッタホルダの他方に設けられた凹部との係合部であり、前記係合部は、前記積層シートの長手方向の複数の位置に設けられてもよい。
このように、側壁部およびカッタホルダの一方に設けられた凸部と、他方に設けられた凹部とを係合させるようにしたので、積層シートの長手方向におけるカッタの位置決めを正確且つ容易に行うことができる。またカッタ(カッタホルダ)を側壁部から容易に着脱できるので作業効率の向上が図れる。
幾つかの実施形態では、前記積層シートの幅方向における前記基準面の両側において前記ベース部に立設され、階段状の上面を有する一対の側壁部と、前記ベース部および前記側壁部により構成される下側ケーシングに対して回動軸を介して回動自在に取り付けられ、前記カッタに取り付けられるカッタホルダの挿入用開口を有する上側ケーシングとをさらに備え、前記移動量規制部は、前記カッタホルダの前記挿入用開口に対する挿入深さを規制するフランジ部を含んでいてもよい。
上記実施形態によれば、下側ケーシングと上側ケーシングとは回動軸を介して回動自在に取り付けられている。さらに、カッタホルダは、挿入用開口に対してフランジ部で当接することで、カッタと上側ケーシングとが位置決めされるようになっている。そのため、下側ケーシングと上側ケーシングとを合わせることによって、ベース部に載置される積層シートと、カッタホルダに取り付けられたカッタとを精度よく位置合わせすることができる。よって、積層シートの階段状の段差を高精度で形成することができる。
本発明の少なくとも一実施形態に係る繊維強化プラスチックは、階段状の端部を有する少なくとも一つの層からなる強化繊維プラスチックであって、前記強化繊維プラスチックの各層は、前記強化繊維プラスチックを形成する積層シートの長手方向における複数の位置において、前記積層シートの厚み方向に沿った少なくとも一つのカッタを前記積層シートに押し当て、前記少なくとも一つのカッタを前記厚み方向に前記積層シートの内部に押し込んで前記積層シートを切断することで形成され、前記積層シートの切断時に、前記複数の位置のそれぞれにおいて、前記少なくとも一つのカッタの前記積層シートの内部への押し込み量を互いに異ならせて、前記積層シートの端部を前記階段状に切断するようにしたことを特徴とする。
上記繊維強化プラスチックは、積層シートの長手方向における複数の位置において、厚み方向のカッタの押し込み量が互いに異なるようにしてカッタを押し込むことによって端部が階段状に切断された少なくとも一つの積層シートを用いている。そのため、繊維強化プラスチックの端部における断面積変化を小さくでき、よって端部における応力集中を小さくできるので、積層シートを複数積み重ねた場合においても剥離し難い繊維強化プラスチックとすることができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、積層シートの長手方向における複数の位置において、積層シートの厚み方向にカッタを押し込むようにしている。そのため、積層シートをテーパ状に切断する場合に比べて、積層シート面に対して垂直方向にカッタを押し込めばよいので切断作業が容易となる。また、複数の位置のそれぞれにおいてカッタの押し込み量を異ならせることによって積層シートの端部が階段状に切断されるようにしているので、階段状の端部を有する積層シートを簡単に得ることができる。こうして得られた積層シートを複数重ねて繊維強化プラスチックを製造すれば、剥離し難い繊維強化プラスチックとすることができる。
一実施形態に係る積層シート切断方法の手順を示す図である。 他の一実施形態に係る積層シート切断方法の手順を示す図である。 図1の積層シートを複数枚積み重ねて製造した繊維強化プラスチックの構成例を示す斜視図である。 (A)は幅方向の段差部を有する積層シートの斜視図で、(B)は斜め方向の段差部を有する積層シートの斜視図で、(C)は段差部を有しない積層シートの斜視図である。 一実施形態に係る積層シート切断装置の具体的な構成例を示す側面図である。 図5の積層シート切断装置のA方向矢視図である。 超音波カッタの一例を示す側面図である。 他の一実施形態に係る積層シート切断装置の具体的な構成例を示す斜視図である。 (A)は他の一実施形態に係る積層シート切断装置の具体的な構成例を示す斜視図で、(B)は側断面図である。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。ただし、実施形態として以下に記載され、あるいは、実施形態として図面で示された構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は一実施形態に係る積層シート切断方法の手順を示す図である。図2は他の一実施形態に係る積層シート切断方法の手順を示す図である。図3は図1の積層シートを複数枚積み重ねて製造した繊維強化プラスチックの構成例を示す斜視図である。
一実施形態において、積層シート1は、少なくとも強化繊維を含むシート状部材が複数積層されて形成されている。例えば、積層シート1としては、強化繊維基材に樹脂が含浸された半硬化状態のプリプレグ材、樹脂が含浸された強化繊維の束をシート状に成形したダイレクトロービングシート、樹脂が含浸されていないドライクロス等が用いられる。積層シート1は、長尺に形成されており、例えば巻芯に対してロール状に巻回された状態となっている。その場合、繊維強化プラスチックを製造する際には、ロール体から積層シートを引き出し、繊維強化プラスチックの製造に必要な長さとなるように、積層シートの端部を切断する。
以下、一実施形態に係る積層シート切断方法の手順について説明する。
最初に、図1(A)に示すように、カッタ押し当てステップにおいて、積層シート1の長手方向における複数の位置P、P、Pにおいて、少なくとも一つのカッタ12の刃先を積層シート1に押し当てる。このとき、カッタ12は積層シート1の厚み方向に沿うように配置される。複数の位置は、積層シート切断後の端部側から順に位置P、P、Pとする。ここでは複数の位置が3箇所である場合を例示しているが、位置の数は限定されない。
なお、カッタ押し当てステップの前に、積層シート1に対して切断用治具14を厚み方向に関して位置決めする治具位置決めステップを行ってもよい。切断用治具14は、カッタ12の厚み方向における移動量を規制して、複数の位置P、P、Pのそれぞれにおけるカッタ12の移動量を規制する。具体的には、切断用治具14は積層シート1の幅方向における両側面に配置される一対の平板状部材を含む。一対の平板状部材には、積層シート1のカッタ押し当て面側に、段差状に形成された複数のカッタ受け面14aを有している。すなわち、カッタ受け面14aは、隣接するカッタ受け面14aに対して厚み方向に異なる位置に設けられている。治具位置決めステップでは、カッタ受け面14aが、積層シート1の幅方向における両側において同一の高さとなるように、一対の切断用治具14が位置決めされる。
次に、図1(B)に示すように、切断ステップにおいて、積層シート1の厚み方向にカッタ12を積層シート1の内部に押し込んで、積層シート1を切断する。このとき、積層シート1の複数の位置P、P、Pのそれぞれにおいて、積層シート1の内部へのカッタ12の押し込み量L、L、Lを互いに異ならせる。
切断用治具14を用いる場合、積層シート1の位置Pでは、積層シート1が載置されているベース部15までカッタ12が押し込まれる。このとき、積層シート1が最下部まで完全に切断されるように、カッタ12の刃先が挿入されるような溝16をベース部15に設けてもよい。さらに、カッタ12の刃先の損傷を防止する目的で、ベース部15の溝16にストッパ17を設けてもよい。これにより、カッタ12の刃先がベース部15より下方に到達した位置で、カッタ12の両端部(切断に用いられない部位)がストッパ17に当接するので、刃先がベース部15に接触して損傷するのを防げる。
このように、積層シート1の位置Pでは、カッタ12の押し込み量Lは、積層シート1の厚さと一致するかまたはその厚さより大きい。そのため、位置Pでは、カッタ12を厚み方向に押し込み量Lだけ押し込むことによって積層シート1は完全に切断される。
位置Pに隣接する位置Pでは、カッタ12の押し込み量Lは積層シート1の厚さより小さい。すなわち、切断用治具14のカッタ受け面14aがベース部15の積層シート載置面(基準面)より上方に位置する。同様に、位置Pに隣接する位置Pでは、カッタ12の押し込み量Lは位置Pの押し込み量Lより小さい。すなわち、位置Pにおけるカッタ受け面14aは位置Pにおけるカッタ受け面14aより上方に位置する。カッタ12を所定の押し込み量Lだけ押し込んだ後は、図1(B)の矢印方向にカッタ12を移動させて、切断した積層シート2の切れ端を取り除いてもよい。通常、積層シート2は厚み方向の拘束力が弱いものが多いので、その場合は厚み方向の切り込みのみで積層シート2の切れ端を分離できる。
このようにして、図1(C)に示すように、完全に切断された位置Pから積層シート1の長手方向に沿って、階段状の段差部4が形成される。
一つのカッタ12を用いる場合には、積層シート1の複数の位置P、P、Pにおいて順にカッタ12を積層シート1の内部に押し込む。その場合、切断後に最端部となる位置P側から位置P、Pの順に切断してもよいし、反対に位置Pから位置P、Pの順に切断してもよい。
複数のカッタ12を用いる場合には、積層シート1の複数の位置P、P、Pにおいて、複数のカッタ12で積層シート1に同時に切り込みを入れる。このとき、切断用治具14は、複数のカッタ12の先端が段差状となるように複数のカッタ12が互いに固定されていてもよい。その場合、切断用治具14は階段状のカッタ受け面14aを有していなくてもよく、例えば積層シート1が載置されるベース部(不図示)を基準にして階段状の段差が形成される。
幾つかの実施形態では、複数の位置P、P、Pのうち隣接する2つの位置における押し込み量の差は、0.1mm以上5mm以下であってもよい。
隣接する2つの位置における押し込み量の差、すなわち切断後における積層シート1の段差部4の高さが0.1mm未満の場合、段差部4を多数設ける必要があり作業効率が低下する。一方、段差部4の高さが5mmを超える場合、積層シート1の長手方向に対する該積層シート1の断面積変化量が大きくなり、この積層シート1を複数重ねて繊維強化プラスチックを製造した時に、剥離の問題を解消することは困難となる。したがって、押し込み量の差(段差部4の高さ)を0.1mm以上5mm以下とすることで、繊維強化プラスチックの製造に際して作業が容易となるため生産性が向上し、且つ、製造された繊維強化プラスチックを剥離し難い繊維強化プラスチックとすることができる。
また、他の実施形態では、図2に示すように、カッタ押し当てステップにて、積層シート1の幅方向に対してカッタ12’の刃面が斜めになるようにしてカッタ12’を押し込むようにしてもよい。
図2(A)に示すように、カッタ押し当てステップの前に、切断用治具14を積層シート1の幅方向における両側面に配置する。カッタ押し当てステップでは、積層シート1の長手方向における複数の位置P、P、Pにおいて、少なくとも一つのカッタ12’を積層シート1に押し当てる。具体的には、カッタ12’はV字形状の刃先を有している。そのため、図1(B)に示す切断ステップにおいては、カッタ12’を押し込んだ時に積層シート1はV字状の段差部4’が残されるように切断される。そして、図1と同様に、積層シート1の複数の位置P、P、Pのそれぞれにおいて、カッタ12’の積層シート1の内部への押し込み量Lを互いに異ならせて切断する。これにより、図2(C)に示すように積層シート1には、V字状の段差部4’が階段状に形成される。
なお、図2には一例として、V字状の刃先を有するカッタ12を用いた場合を例示したが、カッタ12の形状はこれに限定されるものではない。
幾つかの実施形態では、図4(B)に示すように、幅方向に対して積層シート1Bの切断線がなす角度θ、すなわち積層シート1Bの幅方向に対するカッタ12’(図2参照)の刃先の角度は、0度より大きく且つ60度以下であってもよい。
このように、積層シート1Bの幅方向に対して積層シート1Bの切断線がなす角度θを0度以上とすることで、積層シート1Bが斜めに切断され、積層シート1Bの長手方向に対する該積層シート1Bの断面積変化を滑らかにすることができる。そのため、より一層積層シート1Bの剥離を生じにくくすることができる。
また、幅方向に対して積層シート1Bの切断線がなす角度θを60度以下とすることで、例えば繊維ロール側の斜めに切断された部位を廃却する場合であっても、廃却量を抑えることができる。さらに、積層シート1Bを斜めに切断する場合には、積層シート1Bを幅方向に平行(すなわち積層シートの長手方向に直角)に切断する場合に比べて、カッタ12’の長さを長くする必要があるが、幅方向に対して積層シート1Bの切断線がなす角度を60度以下とすることで、カッタ12’が長尺になりすぎるのを防止できる。よって、成形コストを抑えることができる。
上述のように形成された階段状の段差部4を有する積層シート1は、例えば図3に示すように、複数枚が集合して繊維強化プラスチック100を形成する。一実施形態では、段差部4を有する積層シート1が、さらに段差状になるようにして他の積層シート1と積み重ねられて繊維強化プラスチック100を形成する。積層シート1が積み重ねられる枚数は特に限定されない。繊維強化プラスチック100は、例えば風車翼、航空機の主翼、自動車、船舶、鉄道車両等の部材の材料として用いられる。
ここで、図4を参照して、積層シート1の端部形状とその応力との関係について説明する。図4(A)は幅方向の段差部を有する積層シート1Aの斜視図で、(B)は斜め方向の段差部を有する積層シート1Bの斜視図で、(C)は段差部を有しない積層シート1Cの斜視図である。
比較例として図4(C)に示す例は、端部2が段差を有していない積層シート1Cである。これに対して、図4(A)および図4(B)は、本発明の実施形態に係る積層シート1A、1Bであり、いずれも階段状の段差部4A、4Bを有している。このうち積層シート1Aは、幅方向に平行に形成された段差部4Aを有しており、積層シート1Bは幅方向に対して斜めに形成された段差部4Bを有している。
各積層シートの斜視図の下方には、長手方向の各位置における応力分布のグラフを示している。図4(C)に示す積層シート1Cは、端面2に応力が集中していることがわかる。これに対して、図4(A)の積層シート1Aは、階段状に形成された各端面4Aに応力が集中するものの、階段状に形成されているため複数の段差部4Aに分散されて各位置の応力はそれ程大きくならない。すなわち、積層シート1Aのように不連続な板厚の変化量を小さくすると、板厚変化部に生じる応力が低下する。そのため、図4(C)に示す積層シート1Cに比べて、繊維強化プラスチックを製造したときに、剥離し難い繊維強化プラスチックとすることができる。また、図4(B)に示す積層シート1Bは、幅方向に対して斜めに形成された段差部4Bを階段状に複数有しているので、長手方向に対する断面8における断面積が連続的に変化する。このように、断面積が連続的に変化するので、図4(A)の積層シート1Aよりも板厚変化部の発生応力を更に小さくすることができる。したがって、繊維強化プラスチックを製造したときに、より一層剥離し難い繊維強化プラスチックとすることができる。
次に、図5〜図9を参照して、本実施形態に係る積層シート切断装置の具体的な構成例について説明する。図5は一実施形態に係る積層シート切断装置の具体的な構成例を示す側面図である。図6は図5の積層シート切断装置のA方向矢視図である。図7は超音波カッタの一例を示す側面図である。図8は他の一実施形態に係る積層シート切断装置の具体的な構成例を示す斜視図である。図9(A)は他の一実施形態に係る積層シート切断装置の具体的な構成例を示す斜視図で、(B)は側断面図である。
図5および図6に示すように、一実施形態では、積層シート切断装置20は、積層シート1の少なくとも一部を収容するケーシング21と、積層シート1を切断する超音波カッタ30と、超音波カッタ30を保持するカッタホルダ25とを有する。
ケーシング21は、積層シート1が載置されるベース部22と、ベース部22に立設される一対の側壁部23を含む。
ベース部22は、積層シート1が載置される平坦な基準面を有する。
一対の側壁部23は、積層シート1の幅方向における基準面の両側においてベース部22に立設され、階段状の上面23aを有する。隣接する2つの上面23aの高さの差は、積層シート1の段差部4の高さに対応している。また、一対の側壁部23は、長手方向に複数のスリット24を有する。隣接するスリット24の間隔は、積層シート1の段差部4の幅Wに対応している。なお、段差部4の幅Wとは、隣接する段差部4、4の間の長手方向における距離である。複数の段差部4を有する場合、段差部間の各幅Wは同一であっても異なっていてもよい。
超音波カッタ30は、図7に示すように、超音波発生部31と、カッタ32とを含む。超音波カッタ30では、超音波発生部31で超音波を発生させるとカッタ32が超音波により振動し、これにより切断し難い部材であっても切断可能となる。なお、ここでは超音波カッタ30を例示しているが、超音波発生部を有しない通常のカッタであってもよい。
カッタホルダ25は、超音波カッタ30をカッタ32の幅方向に挟み込む一対の支持板26と、一対の支持板26の端部に設けられた一対の当接面27と、積層シート1の長手方向においてカッタ32を挟み込むように設けられた一対の板部材28、28とを含む。
支持板26には、例えば超音波カッタ30の超音波発生部31がボルト締結によって固定される。当接面27は、支持板26の下方端部に階段状に形成され、側壁部23の階段状の上面23aに当接するようになっている。
カッタホルダ25の板部材(凸部)28が、側壁部23のスリット(凹部)24に係合することによって、積層シート1の長手方向におけるカッタホルダ25の位置決めがなされる。スリット24は長手方向に複数設けられているので、板部材28を係合するスリット24の位置を選択することによって、長手方向における積層シート1の所望の位置に段差部4を形成することができる。なお、ここでは、カッタホルダ25に板部材28である凸部を設け、側壁部23にスリット24である凹部を設けた構成を例示したが、逆の構成として、カッタホルダ25に凹部を設け、側壁部23に凸部を設けた構成としてもよい。
このように、ケーシング21の側壁部23およびカッタホルダ25の板部材28の一方に設けられた凸部と、他方に設けられた凹部とを係合させるようにしたので、積層シートの長手方向におけるカッタ32の位置決めを正確且つ容易に行うことができる。またカッタ(カッタホルダ)32を側壁部23から容易に着脱できるので作業効率の向上が図れる。
そして、超音波カッタ30を支持したカッタホルダ25が下方に移動することにより、カッタホルダ25の当接面27が側壁部23の上面23aに当接する。これにより、カッタホルダ25に支持された超音波カッタ30は、積層シート1の厚み方向における移動量が規制される。このとき、側壁部23の上面23aは階段状に形成されているので、積層シート1の長手方向にカッタホルダ25を移動させて下方に移動させることによって、カッタ32が各位置P、P、P、…における所定の押し込み量L、L、L、…だけ積層シート1の内部に押し込まれる。そのため、積層シート1は長手方向に階段状に切断される。なお、側壁部23の上面23aおよびカッタホルダ25の当接面27は、ベース部22の基準面に対するカッタ32の移動量を規制するように構成されていてもよい。
このように、積層シート1の両側に配置される一対の側壁部23の上面23aを階段状に形成し、この階段状の上面23aにカッタホルダ25の当接面27を当接させる。これによりカッタ32の移動量が規制され、設定された押し込み量だけカッタ32を確実に押し込むことができる。なお、積層シート1の最端部となる位置Pでは、積層シート1を完全に切断するために、スリット24を基準面より下方まで延在させてもよい。
図8に示すように、他の一実施形態では、積層シート切断装置40は、積層シート1の少なくとも一部を収容するケーシング42と、カッタ48とを有する。
カッタ48は、例えば図7に示す超音波カッタが30が用いられる。
ケーシング42は、積層シート1が載置される平坦な基準面を有するベース部43と、ベース部43から積層シート1の幅方向の両側に立設する一対の側壁部44とを含む。一対の側壁部44には、積層シート1の長手方向における複数の位置P、Pに、それぞれ、一対のスリット45が設けられている。積層シート1の厚み方向に対するスリット45の長さは、複数の位置P、Pにおいて異なっている。
上記構成を有する積層シート切断装置40において、積層シート1の少なくとも一部をケーシング42内に収容し、位置P、Pにおいてカッタ48を積層シート1の表面に押し当てる。さらに、積層シート1に押し当てたカッタ48を積層シート1の内部に押し込むことにより、カッタ48はスリット45の長さL、Lだけ積層シート1の内部に押し込まれる。この動作を複数の位置P、Pにおいて順に行うことにより、積層シート1の端部が階段状に切断される。なお、切断後の積層シート1の最端部となる位置Pは同図では省略している。
このように、積層シート1の長手方向における複数の位置P、Pにおいて、ケーシング42の側壁部44に長さの異なるスリット45を形成し、カッタ48をスリット45に沿わせて押し込むことによって、階段状の端部を有する積層シート1を形成することができる。
図9(A)、(B)に示すように、他の一実施形態では、積層シート切断装置50は、超音波カッタ60と、積層シート1の少なくとも一部を収容する下側ケーシング52と、下側ケーシング52に対して回動軸59を介して回動自在に取り付けられた上側ケーシング56とを有する。
超音波カッタ60は、カッタホルダ61と、カッタホルダ61に取り付けられたカッタ62とを含む。なお、カッタホルダ61は超音波発生部であってもよく、その場合、図7に示す超音波カッタ30を用いることができる。また、カッタホルダ61には、積層シート1の厚み方向におけるカッタ62の移動量を規制する目的で、フランジ部63が設けられている。このフランジ部63は、リング状に形成されてカッタホルダ61の周面に対して摺動自在に装着され、フランジ部63のカッタホルダ61に対する長さ方向位置を変更可能に構成してもよい。これにより、積層シート1の厚み方向におけるカッタ62の移動量を自在に設定可能となる。
下側ケーシング52は、積層シート1が載置される平坦な基準面を有するベース部53と、ベース部53から積層シート1の幅方向の両側に立設する一対の側壁部54とを含む。一対の側壁部54には、積層シート1の長手方向における複数の位置P、Pに、それぞれ、一対のスリット55が設けられている。スリット55は、いずれも基準面よりも下方まで延在している。
上側ケーシング56は、側壁部54に当接する当接面を有する蓋部57と、蓋部57に設けられ、カッタホルダ61が挿入される挿入用開口57aとを含む。また、積層シート1と基準面との相対位置を適切に固定する目的で、上側ケーシング56は、下側ケーシング52に収容された積層シート1を上方から押さえ込む押さえ部58を有していてもよい。
上記構成を有する積層シート切断装置50において、上側ケーシング56を開放した状態で積層シート1の一部を下側ケーシング52内に収容した後、上側ケーシング56を回動させて閉じる。このとき、押さえ部58により積層シート1は上方から基準面に押さえ込まれる。次いで、上側ケーシング56の挿入用開口57aから超音波カッタ60を挿入し、積層シート1にカッタ62を押し込む。そして、超音波カッタ60は、カッタホルダ61に設けられたフランジ部63と挿入用開口57aの周縁とが当接するまで押し込まれ、当接した時点で停止する。これにより、カッタ62の押し込み量が決定する。積層シート1の長手方向における複数の位置P、Pにて上記と同様の動作を行う。その際には、複数の位置P、Pにおいて、フランジ部63のカッタホルダ61に対する長さ方向位置を異ならせることによって、各位置におけるカッタ62の押し込み量(移動量)9が規制され、階段状の端部が形成される。
上記構成によれば、下側ケーシング52と上側ケーシング56とは回動軸59を介して回動自在に取り付けられている。さらに、カッタホルダ61は、挿入用開口57aに対してフランジ部63で当接することで、カッタ62と上側ケーシング56とが位置決めされるようになっている。そのため、下側ケーシング52と上側ケーシング56とを合わせることによって、ベース部53に載置される積層シート1と、カッタホルダ61に取り付けられたカッタ62とを精度よく位置合わせすることができる。よって、積層シート1の階段状の段差を高精度で形成することができる。
以上説明したように、上述の実施形態によれば、積層シート1の長手方向における複数の位置において、積層シート1にカッタ12を押し込んで積層シート1を切断する。このとき、積層シート1の厚み方向にカッタ12を押し込むようにしている。そのため、積層シート1をテーパ状に切断する場合に比べて、積層シート面に対して垂直方向にカッタを押し込めばよいので切断作業が容易となる。また、複数の位置のそれぞれにおいてカッタの押し込み量を異ならせることによって積層シート1の端部が階段状に切断されるようにしているので、上記積層シート切断方法で切断した積層シート1を複数重ねて繊維強化プラスチックを製造した際に、剥離し難い繊維強化プラスチックとすることができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはいうまでもない。
1,1A〜1C 積層シート
2 端面
4,4’,4A〜4C 段差部
10,10’,20,40,50 積層シート切断装置
12,12’,32,48,62 カッタ
14 切断用治具
14a カッタ受け面
15,22,43,53 ベース部
16 溝
17 ストッパ
20 切断装置
21,42 ケーシング
23,44,54 側壁部
23a 上面
24,45,55 スリット
25 カッタホルダ
26 支持板
27 当接面
28 板部材
30,60 超音波カッタ
31 超音波発生部
52 下側ケーシング
56 上側ケーシング
57 ケーシング本体
57a 挿入用開口
58 押さえ部
59 回動軸
63 フランジ部
100 繊維強化プラスチック

Claims (12)

  1. 複数枚が集合して繊維強化プラスチックを形成する積層シートの切断方法であって、
    前記積層シートの長手方向における複数の位置において、前記積層シートの厚み方向に沿った少なくとも一つのカッタを前記積層シートに押し当てるカッタ押し当てステップと、
    前記カッタ押し当てステップの後、前記少なくとも一つのカッタを前記厚み方向に前記積層シートの内部に押し込んで前記積層シートを切断する切断ステップとを備え、
    前記切断ステップでは、前記複数の位置のそれぞれにおいて、前記少なくとも一つのカッタの前記積層シートの内部への押し込み量を互いに異ならせて、前記複数の位置のうち1以上の位置において前記カッタの前記押し込み量を前記積層シートの厚さより小さく設定することで、前記積層シートの端部が前記積層シートの側面視において階段状に切断されるようにしたことを特徴とする繊維強化プラスチック用の積層シート切断方法。
  2. 前記カッタ押し当てステップの前に、前記積層シートに対して切断用治具を前記厚み方向に関して位置決めする治具位置決めステップをさらに備え、
    前記切断ステップでは、前記切断用治具によって前記少なくとも一つのカッタの前記厚み方向における移動量を規制して、前記複数の位置のそれぞれにおける前記少なくとも一つのカッタの前記押し込み量を互いに異ならせることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチック用の積層シート切断方法。
  3. 前記カッタ押し当てステップでは、前記積層シートの幅方向に対して前記少なくとも一つのカッタの刃面が斜めになるように前記少なくとも一つのカッタを前記積層シートに押し当て、
    前記切断ステップでは、前記少なくとも一つのカッタにより、前記幅方向に対して斜めに前記積層シートを切断することを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維強化プラスチック用の積層シート切断方法。
  4. 切断ステップでは、V字状の切断線に沿って前記積層シートを切断することを特徴とする請求項3に記載の繊維強化プラスチック用の積層シート切断方法。
  5. 前記幅方向に対して前記積層シートの切断線がなす角度は、0度より大きく且つ60度以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載の繊維強化プラスチック用の積層シート切断方法。
  6. 前記複数の位置のうち隣接する2つの位置における前記押し込み量の差は、0.1mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の繊維強化プラスチック用の積層シート切断方法。
  7. 前記積層シートは、プリプレグ材、ダイレクトロービングシート又はドライクロスの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の繊維強化プラスチック用の積層シート切断方法。
  8. 複数枚が集合して繊維強化プラスチックを形成する積層シートの切断装置であって、
    前記積層シートを切断するための少なくとも一つのカッタと、
    前記積層シートの長手方向における複数の位置に前記少なくとも一つのカッタを位置決め可能に構成された位置決め部と、
    前記積層シートの厚み方向における前記少なくとも一つのカッタの移動量を規制するための移動量規制部とを備え、
    前記移動量規制部は、前記積層シートの端部が前記積層シートの側面視において階段状に切断されるように、前記複数の位置のそれぞれにおける前記移動量を互いに異ならせて、前記複数の位置のうち1以上の位置において、前記厚み方向における前記カッタの前記移動量が前記積層シートの厚さより小さく設定されるように構成されたことを特徴とする繊維強化プラスチック用の積層シート切断装置。
  9. 前記積層シートが載置される基準面を有するベース部をさらに備え、
    前記移動量規制部は、前記基準面に対する前記少なくとも一つのカッタの移動量を規制するように構成されたことを特徴とする請求項に記載の繊維強化プラスチック用の積層シート切断装置。
  10. 複数枚が集合して繊維強化プラスチックを形成する積層シートの切断装置であって、
    前記積層シートを切断するための少なくとも一つのカッタと、
    前記積層シートの長手方向における複数の位置に前記少なくとも一つのカッタを位置決め可能に構成された位置決め部と、
    前記積層シートの厚み方向における前記少なくとも一つのカッタの移動量を規制するための移動量規制部と、
    前記積層シートが載置される基準面を有するベース部と、を備え、
    前記移動量規制部は、前記積層シートの端部が階段状に切断されるように、前記複数の位置のそれぞれにおける前記移動量を互いに異ならせるように構成され、
    前記移動量規制部は、前記基準面に対する前記少なくとも一つのカッタの移動量を規制するように構成され、
    前記移動量規制部は、
    前記積層シートの幅方向における前記基準面の両側において前記ベース部に立設され、階段状の上面を有する一対の側壁部と、
    前記少なくとも一つのカッタに取り付けられて、前記階段状の上面に当接する階段状の当接面を有するカッタホルダとを含むことを特徴とする繊維強化プラスチック用の積層シート切断装置。
  11. 前記位置決め部は、前記側壁部および前記カッタホルダの一方に設けられた凸部と、前記側壁部および前記カッタホルダの他方に設けられた凹部との係合部であり、
    前記係合部は、前記積層シートの長手方向の複数の位置に設けられることを特徴とする請求項10に記載の繊維強化プラスチック用の積層シート切断装置。
  12. 複数枚が集合して繊維強化プラスチックを形成する積層シートの切断装置であって、
    前記積層シートを切断するための少なくとも一つのカッタと、
    前記積層シートの長手方向における複数の位置に前記少なくとも一つのカッタを位置決め可能に構成された位置決め部と、
    前記積層シートの厚み方向における前記少なくとも一つのカッタの移動量を規制するための移動量規制部と、
    前記積層シートが載置される基準面を有するベース部と、を備え、
    前記移動量規制部は、前記積層シートの端部が階段状に切断されるように、前記複数の位置のそれぞれにおける前記移動量を互いに異ならせるように構成され、
    前記移動量規制部は、前記基準面に対する前記少なくとも一つのカッタの移動量を規制するように構成され、
    前記積層シートの幅方向における前記基準面の両側において前記ベース部に立設され、階段状の上面を有する一対の側壁部と、
    前記ベース部および前記側壁部により構成される下側ケーシングに対して回動軸を介して回動自在に取り付けられ、前記カッタに取り付けられるカッタホルダの挿入用開口を有する上側ケーシングとをさらに備え、
    前記移動量規制部は、前記カッタホルダの前記挿入用開口に対する挿入深さを規制するフランジ部を含むことを特徴とする繊維強化プラスチック用の積層シート切断装置。
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