本発明の一実施例のコインセレクタ100は、図1〜図10に示すように、コインセレクタ100を構成する各種部品が取り付けられた本体102と、本体102に対しピボット運動可能に支持された開閉体104と、本体102と開閉体104の間に形成されたコイン通路106と、コインCがコイン通路106を転動する過程でコインCの真偽を判別し、偽コインと判別されたコインCをコイン通路106から排除するコイン選別部108と、コイン通路106内のコインCを強制的に排除するリジェクト装置110と、コイン選別部108で真正コインとして判別されたコインCの受け入れを規制するコイン受入規制装置112と、コイン受入規制装置112により受け入れを規制されたコインCをコイン通路106から落下させるコイン落下装置114と、コイン受入規制装置112により受け入れを規制されずにコイン通路106の下流に移動したコインCを検知するコイン検知装置116と、本体102の前面側に取り付けられたカバー部材118と、コインCをコイン通路106内に受け入れる入口122と、コイン通路106からコインCを遊技機に向けて排出する出口124と、コイン通路106において出口124の近傍に配置された糸吊り防止装置120と、不正用器具によるコイン検知装置116に対する不正を防止する不正防止装置126と、を含んで構成されている。
(本体)
本体102は、略矩形の第1ガイド壁132、第1ガイド壁132の左右両端部に形成されると共に第1ガイド壁132の表面および裏面に対し直角な方向にそれぞれ突出する左側壁134および右側壁136を有している。本体102の幅は3.5インチであり、所謂デフェクトスタンダードサイズと呼ばれる寸法である。左側壁134および右側壁136には外向きに突出する4つの取り付け用突起142が形成されており、これらの突起142を遊技機の取り付け溝(図示せず)に掛け止めすることによりコインセレクタ100を遊技機に取り付けられることができる。
左側壁134および右側壁136は、水平方向に延在する上端面および下端面をそれぞれ有し、水平面に対し垂立している(図3(A)および(B)参照)。第1ガイド壁132の下端は第1ガイド壁132の上端に対し本体102の裏面側に後退し、第1ガイド壁132は前倒しに傾斜している。換言すれば、第1ガイド壁132は、左側壁134および右側壁136の上端面および下端面に直角な垂直面に対し、所定の傾斜角を有している。
本体102の表面側において、第1ガイド壁132、左側壁134および右側壁136により凹溝138が形成されている(図6参照)。この凹溝138内において、第1ガイド壁132の表面がコインCの一面を案内する第1コイン案内面140として機能する。第1ガイド壁132には、その上部において前面側に突出する突部145が形成されている(図6参照)。突部145の下端面145aは、第1ガイド壁132の上端から右斜め下方に湾曲し、さらに右斜め下方に直線的に延在して右側壁136に達している。突部145の突出する高さは、コインCの厚みより僅かに大きい寸法に設定されている。突部145は、その下端面145aと後述するガイドレール256との間隔が選別対象のコインC(すなわち、真正コイン)の直径より僅かに大きくなるよう形成される。
左側壁134の前端134cには、第1ガイド壁132に対応して傾斜した底面143aを有する略矩形の凹部143が形成されている(図3(A)参照)。右側壁136の下方には、コインCが排出される縦長矩形の出口124が形成されている。出口124の長手方向は第1ガイド壁132に対応して傾斜している。
第1ガイド壁132は、その右下方に配置された斜め右下がりの円弧状に形成された上端面149aを有する突部149を有している(図7参照)。突部149の上端面149aは、ガイドレール144として機能する。ガイドレール144は、後述の可動ガイドレール402に連なるよう配置され、コイン通路106を移動するコインCを出口124に案内する機能を有している。本実施例では、ガイドレール144が第1ガイド壁132と一体で形成されているが、別体で形成されたガイドレール144を第1ガイド壁132に取り付けてもよい。
本体102の背面側において、第1ガイド壁132は、ほぼ円錐台の一部を切り欠いたものを上下対称に接続した外形状を有し、本体102の裏面側に突出するカバー部146を有している(図4および図8参照)。カバー部146の内部には、後述する羽根車302の回転に伴って形成される回転領域(以下、羽根車回転領域という)に対応する空間が形成されている。カバー部146は、本体102の裏面側において羽根車302を覆い、羽根車302を保護する機能を有している。本実施例では、カバー部146が第1ガイド壁132と一体で形成されている。
本体102には、開閉体104を回動自在に支持する一対の支軸152、154が設けられている。支軸152、154は、凹溝138内において、第1ガイド壁132に対し平行で、かつ、本体102の右上部から左下がりで傾斜する軸線L1上に配置される(図6参照)。
(開閉体)
開閉体104は、第1ガイド壁132と平行に配置される第2ガイド壁202および第3ガイド壁203と、第2ガイド壁202の周縁部から前面側に突出する開閉体枠204とを有している。第3ガイド壁203は、図9に示すように、平面視略三角形の板状に形成され、第2ガイド壁202から分離して配置されている。第2ガイド壁202および第3ガイド壁203の第1ガイド壁132に相対する面は、コインCの一面を案内する第2コイン案内面206として機能する。第2ガイド壁202の中央には、コイン通路106に沿った弧状のコイン落下開口208が形成されている。コイン落下開口208は、コイン通路106を転動するコインCが小径の偽コインである場合にそのコインCを落下させるためのものである。
図9に示すように、第2ガイド壁202の裏面(すなわち、第1ガイド壁132と相対する面)においてコイン落下開口208の下方には、斜め右下がり(図9では斜め左下がり)の弧状の上端面253を有する第1ガイドプレート252が取り付けられている。第1ガイドプレート252は、コインCの厚みより僅かに大きい厚みを有している。第1ガイドプレート252の上端面253は、入口122から投入されたコインCの外周面を右下方へ案内するガイドレール256として機能する。
開閉体枠204は、上側枠部212、左側枠部213、下側枠部214および右側枠部215により構成されている。開閉体104は、右側枠部215の上部において右側方に延在する上側揺動レバー216と、右側枠部215の下部において右側方に延在してから下方に折れ曲がった下側揺動レバー218を有している(図1および図7参照)。上側揺動レバー216および下側揺動レバー218の先端部には軸挿入孔220、222が形成されており、本体102の支軸152、154が軸挿入孔220、222に挿入されることにより開閉体104が本体102に対して軸線L1(図2参照)を中心にピボット運動可能に支持される。そのため、開閉体104は、第1ガイド壁132と第2ガイド壁202および第3ガイド壁203とが相対する閉止位置と、第2ガイド壁202および第3ガイド壁203が第1ガイド壁132に対して離れる開放位置とに変位できる。
上側揺動レバー216の上部には上方に突出する円柱状の掛止突起224が形成され、本体102の右上部には上方に突出する円柱状の掛止突起156が形成されている。掛止突起224にはバネ226の一端が掛け止めされ、掛止突起156にはバネ226の他端が掛け止めされている。これにより、開閉体104には支軸152、154を中心軸とするモーメントが生じ、開閉体104が第1ガイド壁132に向かう付勢力を受ける。換言すれば、開閉体104には、第1ガイド壁132に近づくように弾性的な回動力が常時作用する。
バネ226により付勢された開閉体104は、その裏面に取り付けられた後述の第2ガイドプレート260と本体102の突部145とが当接することにより閉止位置で停止される。この状態において、第1コイン案内面140および第2コイン案内面206の間にコインCの厚みより僅かに大きい空間が形成される。
左側枠部213には、左外方に突出する突部219が形成されている。左側壁134の凹部143は突部219に対応して配置されており、開閉体104の回動時に突部219は凹部143内に進入可能である。これにより、突部219の左側壁134への接触が防止される。換言すれば、凹部143が突部219の逃げ溝として機能する。この突部219に第1ガイドプレート252の左端部(図9では右端部)を延在させることにより、ガイドレール256が本体102の左側壁134に近接して配置され、入口122から投入されたコインCがガイドレール256上を円滑に移動することができる。
上側揺動レバー216および下側揺動レバー218の間には、本体102のカバー部146と同様に、ほぼ円錐台の一部を切り欠いたものを上下対称に接続した外形状を有するカバー部230が形成されている。カバー部230の内部には、羽根車回転領域に対応する空間が形成されている。カバー部230には、円錐台部を補強するためのリブ231、232、233が形成されている。入口122側のリブ231には、図3(A)に示すように、第2ガイド壁202の表面に直角な直線L2に対して対称な一対の切り欠き234、236が形成されている。これにより、リブ231は、上部分238、中間部分240、下部分242を有する略E字形に形成される。第3ガイド壁203は、リブ231の中間部分240の先端に支持されている(図2参照)。カバー部230の右側端部244のリブ233(図7参照)にもリブ231と同様の切り欠き(図示せず)が形成されている。リブ231の下部分242には、コイン通路106の上流側に向けて下るように傾斜した斜面242aが形成されている。偽コインとしてコイン通路106から落下させたコインCは、斜面242aによって羽根車302側に落下することが抑制される。
開閉体104の表面には、後述のコイン落下開口208の下端から下側枠部214に延びる複数の案内突条286が形成されている(図1参照)。案内突条286は、開閉体104の表面から斜め下方に向かうにつれて高くなり、下側枠部214に形成された弧状端面288の高さと同じになるよう傾斜している。これにより、コイン落下開口208から落下したコインCは、案内突条286を滑落して弧状端面288から本体102の斜め前方へ向かう傾斜姿勢で下方に落下する。
(コイン通路)
コイン通路106は、第1ガイド壁132の第1コイン案内面140と、第2ガイド壁202の第2コイン案内面206および後述のカバー部材118の第4コイン案内面494と、ガイドレール256、144およびガイドレール256、144の間に配置された可動ガイドレール402(後述)と、本体102の突部145の下端面145aにより画定され、入口122から出口124へ向けてコインCを転動させる機能を有する。コイン通路106は、入口122からほぼ垂直に下降してから右方向へ湾曲する第1コイン通路部162(図1および図6参照)と、第1コイン通路部162に連なり、かつ、下向きの軸線L3に沿って延在する第2コイン通路部164(図6参照)と、第2コイン通路部164に連なり、かつ、右方向へ湾曲しながら斜め右下がりに延在する第3コイン通路部166(図6参照)と、を有している。第3コイン通路部166は、本体102の正面側から見て、後述の羽根車302の回転軸線RLに対し僅かに右方向にシフトした位置から第2コイン通路部164の軸線L3よりも下方に向かって延在し、出口124に通じている。そのため、軸線L3に沿って第2コイン通路部164を転動するコインCは、その中心が回転軸線RLの近傍を通過した直後に第3コイン通路部166に導入され、軸線L3に対し右斜め下方に移動方向が変更された後、出口124から排出される。
コイン通路106において、第1ガイド壁132の第1コイン案内面140には、ガイドレール256に沿って複数の突条147が形成されている(図6参照)。これらの突条147は、入口122から垂直に下降してから湾曲した後、右斜め下方に向けて延在している。突条147は、コイン通路106を転動するコインCの移動抵抗を低減する機能を有している。
(コイン選別部)
コイン選別部108は、第1コイン通路部162において直径によりコインCの真偽を判別し、小径の偽コインをコイン通路106から排除する機能を有する。コイン選別部108は、第2ガイド壁202の裏面に取り付けられた第2ガイドプレート260と、第1コイン通路部162を転動するコインCをコイン落下開口208へ向けて逸らす逸らせ装置262とにより構成される。
まず、図9を参照しながら第2ガイドプレート260について説明する。第2ガイドプレート260は、コイン落下開口208の上方に配置され、斜め右下がり(図9では斜め左下がり)の下端面264と、第2コイン案内面206と同一の平面内に位置する第3コイン案内面266と、を有している。第2ガイドプレート260は、その下端面264が第1ガイド壁132の突部145の下端面145aに対し下方に位置するよう配置される。第3コイン案内面266は、開閉体104が閉止位置に位置する状態で第1コイン案内面140に対しコインCの厚みより僅かに大きい間隔を置いて配置される。下端面264は、ガイドレール256(換言すれば、第1ガイドプレート252の上端面254)に対し平行となるよう相似に湾曲した湾曲面264aと、後述の可動ガイドレール402に対し平行な平面264bと、を有している。下端面264とガイドレール256との間隔は、選別対象のコインC(すなわち、真正コイン)の直径に対応した寸法に設定され、例えば、真正コインの直径よりも僅かに大きい値に設定される。
次に、主に図4を参照しながら逸らせ装置262について説明する。逸らせ装置262は、逸らせ体268および付勢手段270を含んでいる。逸らせ体268は、本体102の背面の上端部に配置された支軸272に回動自在に支持され、第1ガイド壁132に形成された弧状開口172を通ってコイン通路106(換言すれば、第1コイン通路部162)に進退可能に取り付けられている。逸らせ体268は、板状であって、第1コイン通路部162に合わせて湾曲している。逸らせ体268の第1ガイド壁132の裏面側には、付勢手段270としての錘体274が取り付けられている。そのため、逸らせ体268には、支軸272を支点として、図4の紙面裏面側に向かう方向に所定のモーメントが作用する。これにより、通常、逸らせ体268は所定のモーメントでコイン通路106に突出する。付勢手段270は、逸らせ体268に付勢力を与えればよいので、錘体274に代えてスプリングを用いることができる。しかし、錘体274を用いた場合、個々のバラツキが小さく品質が安定するので好ましい。
逸らせ体268は、コイン通路106を転動するコインCの上端側面を第2ガイド壁202側に押すことができるように、コイン通路106内において第2ガイドプレート260に近接して配置されている。また、逸らせ体268の先端はコイン通路106に対し傾斜しているので、逸らせ体268がコイン通路106内に位置する場合、入口122から投入されたコインCは横方向に案内され、コイン通路106から押し出される力を受ける。コイン通路106に導入されたコインCが真正コインである場合、ガイドレール256に沿って転動するコインCは、その上端部側面を第2ガイドプレート260の第3コイン案内面266によって案内されるので、逸らせ体268に押されてもそのままコイン通路106を移動する。他方、コインCが小径の偽コインである場合、その上端部側面は第2ガイドプレート260の第3コイン案内面266に案内されないので、逸らせ体268に押されると第2ガイド壁202側に倒されてコイン落下開口208から落下する。
(リジェクト装置)
リジェクト装置110は、コイン通路106においてジャムしたコインCをコイン通路106から排除する機能を有する。リジェクト装置110は、本体102の背面において第1ガイド壁132の左上方(図4では右上方)に配置され、かつ、ピボット軸である支軸272が軸挿入孔(図示せず)に挿入されることにより回動自在に取り付けられた被動レバー280と、被動レバー280の左下方(図4では右下方)において本体102の前面側に延在し、第1ガイド壁132の左端に形成された矩形状の開口174を通って第2ガイド壁202の裏面に先端が達する押動レバー282とからなる。
上述した通り、開閉体104には第1ガイド壁132に近づくように弾性的な回動力が常時作用ため、押動レバー282の先端が第2ガイド壁202(換言すれば、第1ガイドプレート252)に押されて図3(A)において時計方向へ回動される。換言すれば、押動レバー282には、バネ226の付勢力が開閉体104を介して作用し、押動レバー282の先端が第2ガイド壁202の裏面に係止された状態が保持される。コインCがコイン通路106においてジャムして転動しなくなった場合、遊技機の返却レバー(図示せず)が操作される。その場合、被動レバー280の傾斜面280aが押し下げられ、図3(A)において被動レバー280が反時計方向へ回動される。これにより、押動レバー282が第2ガイド壁202を押動し、開閉体104が回動されてリジェクト位置に移動する。この状態では、第1ガイドプレート252が第1ガイド壁132からコインCの厚み以上離れ、コイン通路106において転動出来なくなったコインCはガイドレール256から落下する。そして、落下したコインCは、凹溝138内のリジェクト通路182(図7参照)を介して所定の返却口(図示せず)へ返却される。
(コイン受入規制装置)
コイン受入規制装置112は、遊技機がコイン受入拒否状態にある場合にコイン通路106においてコインCの移動を規制する機能を有する。換言すれば、コイン通路106において転動するコインCを停止させる機能を有する。コイン受入規制装置112は、コイン通路106の側方においてコイン通路106(換言すれば、第2コイン通路部164)の軸線L3に対し直交する回転軸線RLの回りを回転可能な羽根車302と、羽根車302の回転を停止する第1の回転停止装置304と、第2の回転停止装置600と、を含んでいる。
まず、図6、図8、図11および図12を参照しながら、羽根車302について説明する。羽根車302の回転軸線RLは、第1コイン案内面140に対し本体102の前面側に所定間隔Dを置いて配置されている(図8参照)。羽根車302は、回転軸線RLに沿って延在する円柱状の外周面を有する羽根支持体306と、その外周面に形成された3枚の羽根321、322、323と、を含んでいる(図11参照)。羽根支持体306の中心部には、回転軸線RLに沿って軸孔310が形成され、羽根支持体306の断面形状は円環状である。軸孔310には回転軸線RLに沿って延在する支軸312が挿入され、羽根支持体306は支軸312に対し回動可能に支持されている。図6に示すように、支軸312の上端部および下端部は、本体102において第1ガイド壁132から正面側に突出する軸支持部192、194に形成された軸孔(図示せず)に嵌合されて固定される。
図8および図11に示すように、羽根321、322、323は、羽根支持体306の外周面308において、その周方向を3分割するよう配置されている。換言すれば、外周面308上において、羽根321、322、323が等角度(すなわち、120度)の間隔で配置される。羽根321、322、323は、回転軸線RLに沿う方向の視線において弧状に湾曲している。そして、コイン通路106に突出した直後において羽根321、322、323の突出する部位は第2コイン通路部164の軸線L3に対して鋭角をなし、羽根321、322、323がコイン通路106から退出する直前において羽根321、322、323のコイン通路106に突出する部位は第2コイン通路部164の軸線に対してほぼ平行をなすよう形成される。すなわち、図12(A)に示すように、羽根321がコイン通路106に突出した直後において、羽根321のコイン通路106に突出する部位の接線TL1と軸線L3とが鋭角θをなす。また、図12(B)に示すように、羽根321のコイン通路106から退出する直前の部位の接線TL2と軸線L3とがほぼ平行となる。羽根322、323についても羽根321と同様である。
図11に示すように、羽根321、322、323は、先端から回転軸線RL側に向かって先すぼまり状のV字形切り欠き326が形成されている。切り欠き326はコインCの中心を通り、かつ、第2コイン通路部164の軸線L3に平行な直径線CLの両側のコインCの周面に相対するよう形成されている(図11(B)参照)。これにより、羽根321、322、323には、コインCの上端部および下端部に対応する位置に、先細りの先端部321a、321b、322a、322b、323a、323bがそれぞれ形成される。
上記構成において、羽根321、322、323を湾曲させることにより、角度θが大きくなり(換言すれば、より直角に近い角度となり)、コイン通路106において先行するコインCと後続のコインCとの間に羽根321、322、323が進入し易くなる。しかも、直径線CLの上方および下方において先行するコインCと後続のコインCとの間には隙間SPが形成されるので、その隙間SPに羽根321、322、323の先端部321a、321b、322a、322b、323a、323bが入り込むことができる。したがって、先行するコインCおよび後続のコインCが接触した状態であっても、羽根321、322、323を介してコインCを1枚ずつ分離することができる。
また、羽根321、322、323がコイン通路106に突出した直後に突出した部位にコインCが接触(または、衝突)すると、突出した部位の接線TL1に垂直な分力VFが羽根321、322、323に作用する(図12(A)参照)。これにより、羽根車302には図12(A)において時計方向の回転力が作用し、羽根車302を確実に回転させることができる。換言すれば、羽根321、322、323はコインCによって押動され、コインCがコイン通路106の下流へ移動することにより、羽根車302が図12(A)の時計方向FRに回転する。他方、接線TL1に平行な分力HFは、羽根321、322、323の延在方向に向かうため、羽根321、322、323の剛性によってコインCに抗力が作用する。しかしながら、コイン通路106に突出する羽根321、322、323にコインCが接触(または、衝突)した直後に羽根車302が回転を開始し、羽根車302の回転に伴って羽根321、322、323のコイン通路106に突出する部位と軸線L3とのなす角度が大きくなるので、コインCに対する抗力は次第に減少する。そして、図12(B)に示すように、羽根321、322、323がコイン通路106から退出する直前において羽根321、322、323のコイン通路106に突出する部位が軸線L3に対してほぼ平行になるので、この時点で羽根321、322、323がコインCに及ぼす抗力は無くなる。したがって、羽根車302がコインCの移動速度に及ぼす影響を小さくすることができる。
さらに、羽根321、322、323の先端部321a、321b、322a、322b、323a、323bは、一方の先端部321b、322b、323bが他方の先端部321a、322a、323aよりも長さDだけ短くなるように形成されている。羽根車302のコインCを放出する側である第3コイン通路部166は略S字状に形成されている。先端部321a、322a、323aは第3コイン通路部166の壁部周囲で第3コイン通路部166から離脱するように、先端部321b、322b、323bは第3コイン通路部166の案内面上で離脱するように羽根車302が配置されている。そのため、羽根車302から放出されたコインCがコインCの直後に位置する先端部321bまたは322bまたは323bで挟み込まれるやすくなる。例えば、コインCが羽根車302から離脱するときに後続のコインがコインCよりも速い速度で羽根車302に到達した場合、後続のコインによって押動されて羽根車302の回転速度が上がり、コインCが完全に羽根車302から離脱する前に、羽根321、322、323がコインCに追いつき、先端部321b、322b、323bと第4ガイド壁485とでコインCを挟み込みやすくなる。したがって、先端部321b、322b、323bが短く形成されることで、先端部321a、322a、323aに比較して、先端部321b、322b、323bが第3コイン通路部166から離脱するのが早くなる。すなわち、コインCが羽根車302から離脱するタイミングが早くなる。さらに、先端部321b、322b、323bと第4ガイド壁485とが交わる点が先端部321a、322a、323aと第4ガイド壁485とが交わる点よりも羽根支持体306に近づくため、先端部321b、322b、323bと第4ガイド壁485とでコインCを挟み込む現象が生じることが軽減される。
羽根321、322、323の曲率、V字形切り欠き326の角度α(図11(A)参照)、および第1コイン案内面140と回転軸線RLとの間隔D(図8参照)は、選別対象のコインC(換言すれば、真正コイン)の直径および厚みに対応して最適化される。これは、図20(A)に示すように、コイン通路106において前後する羽根321および羽根322の間に1枚のコインCが挟まれた状態を生起させる必要があるからである。これにより、先行するコインCおよび後続のコインCが接触状態であっても、羽根322を介して、先行するコインCおよび後続のコインCをより確実に分離でき、しかも噛み込みの発生を防止できる。
さらに、羽根321、322、323は、羽根321、322、323の上部において、羽根支持体306の外周面308から羽根の先端部321a、322a、323aに向けて略台形状の切り欠き327が形成されている。切り欠き327は第2の回転停止装置600に相対する位置で、かつ、第2の回転停止装置600が接触しないサイズで形成されている。
なお、本実施例では、羽根車302が3枚の羽根321、322、323を有しているが、羽根の枚数は少なくとも3枚であればよく、必要に応じて適宜変更可能である。
直径線CLより下方側でコインCと相対する羽根支持体306の一部の直径が前後する2枚の羽根の間に挟まれたコインCの姿勢を保持するように設定され、直径線CLより上方側の羽根支持体306の直径が下方側の羽根支持体306の直径よりも小さくなるように設定されている。換言すると羽根支持体306は、直径線CLより下方側でコインCと相対する部分の羽根支持体306の直径が大きな大径部308と、直径線CLより上方側の羽根支持体306の直径が大径部308より小さな小径部307と、を有している。羽根支持体306は大径部308の一端と小径部307の一端とが回転軸線RLの延在方向に連続的に接続されている。このように、羽根支持体306に小径部307と大径部308を設けられたことで、羽根車302の慣性質量が大きくなるのを抑制することができ、羽根車302を回転しやすくすることができる。
羽根支持体306の大径部308の直径は第1ガイド壁132と大径部308との間の隙間がコインCの厚みより僅かに大きくなるように設定される。大径部308は羽根車302の回転位置にかかわらず突出しており、第2コイン通路部164において必要以上の隙間が形成されないように構成されている。このように、羽根支持体306の大径部308の直径が設定されることによって、コイン落下装置114で排除されたコインCが羽根車302の根本部に嵌まり込む現象が阻害されるため、羽根車302の根本部に嵌まり込んだコインCが排除不可能なることが軽減される。
コインCの直径線CLの上方側でコインCと相対する小径部307の一部に外周面から外方に突出する円盤状の突起板314が形成されている。円盤状の突起板314の直径は羽根支持体の大径部308の直径と略同じに設定されている。このように、円盤状の突起板314が設けられたことにより、コイン通路106と、前後する羽根321と、羽根322とによって形成される前記空間において、前記空間を転動するコインCの直径線CLの上方側が支持される。すなわちコインCは、直径線CLの下方側が羽根支持体306の大径部308で、上方側が円盤状の突起板314で支持されているため、コインCが転動する姿勢の安定性が高められる。
また、直径が異なるコインを同時に使用する、すなわち直径が大きいコインと小さいコインを同時に使用する場合において、羽根支持体306の小径部307と、大径部308と、円盤状の突起板314とが直径が大きいコインに合わせて設定されることで、直径が大きいコインは大径部308と円盤状の突起板314とで支持され、直径が小さいコインはコインの略全体を大径部308で支持される。さらに、第1ガイド壁132と大径部308との間の隙間がコインCの厚みより僅かに大きくなるように設定されているため、直径が小さいコインが排除された時、直径が小さいコインが横倒し状態で羽根車302の根本部に嵌まり込むことが阻害され、コインの排除不可能になることが軽減される。
本実施の形態の羽根支持体306は、直径が大きい大径部308と、大径部308より直径が小さい小径部307とが回転軸RL方向に接続され、小径部307の一部に円盤状の突起板314が設けられた構造を説明したが、この構造に限定されない。たとえば、羽根支持体306全体の直径が大径部308と同じ直径に設定してもかまわない。たとえば、小径部307と略同じ直径で基部を構成し、前記基部の周囲に大径部308や、円盤状の突起板314に相当する部材を必要に応じて構成してもかまわない。また、大径部308を複数個の円盤状の突起板314で構成してもかまわない。さらに、慣性質量軽減のために、羽根支持体306の強度が許す範囲で肉抜きなどの軽量化を行ってもかまわない。
次に、図8、図10および図13を参照しながら、第1の回転停止装置304について説明する。第1の回転停止装置304は、コインCによる羽根車302の回転を停止する機能を有する。図10および図13に示すように、第1の回転停止装置304は、羽根車302の羽根321、322、323の回転経路に出没可能なストッパ332である。ストッパ332は、支軸334に対し回動自在な揺動レバー336と、揺動レバー336の先端に設けられた係止体338とを有している。揺動レバー336の基端は、支軸334に回動自在に支持された円筒状の回動部342の外周面に接続されている。回動部342の底部偏心位置には略円柱状の被動部344が形成されている。係止体338は、ほぼ三角柱の外形状を有し、図8に示すように、揺動レバー336の起立姿勢の状態においてコイン通路106の上流側に対して垂立する係止面346を有している。揺動レバー336、係止体338、回動部342および被動部344は一体で形成され、それらの全体が支軸334の回りを回動可能である。なお、必要に応じて、揺動レバー336、係止体338、回動部342および被動部344の一部または全部を個別に作製して組み立てることも可能である。しかし、寸法精度およびコストの観点から一体で形成されることが好ましい。
図8および図10に示すように、ストッパ332は、本体102の背面側において羽根車302の羽根321、322、323の回転経路の下方に配置されている。ストッパ332の係止体338は、本体102のカバー部146の底部146aに形成された開口148から出没可能である。すなわち、図13(A)に示すように、揺動レバー336が起立姿勢となることにより係止体338が開口148を介してカバー部146内に突出する突出位置P2と、図13(B)に示すように、揺動レバー336が時計方向に回転して揺動レバー336が起立姿勢から傾斜姿勢となることにより係止体338がカバー部146内から退出する退出位置P1と、に変位可能である。係止体338が突出位置P2に位置する場合、カバー部146内において時計方向に回転する羽根車302の羽根321、322、323が係止体338の係止面346と接触または衝突する。これにより、羽根車302の回転が停止される。他方、係止体338が退出位置P1に位置する場合、羽根車302の回転が継続される。換言すれば、係止体338が羽根車302の羽根321、322、323の回転経路に突出することにより羽根車302の回転が停止され、係止体338が羽根車302の羽根321、322、323の回転経路から退出することにより羽根車302が回転可能となる。
被動部344は、第1ガイド壁132の裏面に対し平行にスライドするスライド部材352の係止溝353に係止されている(図13参照)。スライド部材352は、カバー部146の底部146aに平行な方向に延び、一端(図10では右端)が第1ガイド壁132側に折れ曲がってL字形に形成された本体部分354と、本体部分354の下側面に対し直角な方向に延びる被動部分356と、被動部分356の左側面および右側面のそれぞれに対し直角な方向に延びる被案内部分358とを有している(図10、図13参照)。本体部分354は、その他端側(図13では左端側)において下方に突出し、その突出部分に係止溝353が形成されている。被案内部分358は、第1ガイド壁132の裏面から突出して設けられた案内部176に案内される。案内部176は、第1ガイド壁132に対し平行な案内面176aと、第1ガイド壁132の裏面に対し直角であってカバー部146の底部146aに平行な方向に延在する突部176bと、を有している。被案内部分358の底面(図示せず)が案内面176aと接触し、かつ、被案内部分358の下側面358bが突部176bと接触するように、案内部176が配置される。スライド部材352の被動部分356において、第1ガイド壁132の裏面と相対する底面(図示せず)に案内部176の突部176bが挿入される凹溝356aが形成されている。
第1ガイド壁132の裏面において案内部176の下方には、スライド部材352をスライド移動させる駆動装置360が取り付けられている。本実施例において、駆動装置360はアーマチャ362を有するソレノイド364である。アーマチャ362は、スライド部材352の被動部分356に形成された段差付きの貫通孔356bに挿入され、アーマチャ362の先端部362aが貫通孔356bの段差に掛け止めされている。アーマチャ362は、スライド部材352の被動部分356およびソレノイド364の間に配置されたバネ366により、アーマチャ362が突出する方向に、換言すれば、スライド部材352の被動部分356がソレノイド364から遠ざかる方向に付勢されている。バネ366の付勢力は、スライド部材352の被動部分356、本体部分354、ストッパ332の被動部344および回動部342を介して揺動レバー336に伝達され、揺動レバー336を図13の反時計方向に回転させる。換言すれば、ストッパ332には、係止体338を羽根車302の羽根321、322、323の回転経路に突出させる弾性的な回動力が常時作用する。この回動力により突出したストッパ332は、係止体338が開口148の右側端(図13(A)では左側端)に係止されることにより、突出位置P2において停止される。
上記構成において、遊技機が受入許可状態の時、ソレノイド364が励磁され、アーマチャ362はバネ366の付勢力に抗してソレノイド364側に移動する。そのため、揺動レバー339が図13(B)の傾斜姿勢となる時計方向に回動され、ストッパ332の係止体338は退出位置P1の位置に保持される。この状態で遊技機が受入許可状態から受入拒否状態に移行した時、ソレノイド364が励磁状態から消磁状態に変化する。これにより、バネ366の付勢力によって揺動レバー339が図13(B)の反時計方向に回動されて起立姿勢となり、ストッパ332の係止体338は図13(B)の退出位置P1から図13(A)の突出位置P2に変位する。
係止体338が退出位置P1から突出位置P2に変位する過程で、コインCの移動により押動されて回転する羽根321、322、323のいずれか1枚が係止体338に接触(または、衝突)すると、係止体338には羽根321、322、323の進行方向に向かう力が作用する。係止体338は回動可能に支持された揺動レバー336の先端に設けられているので、羽根321、322、323の進行方向と係止体338が突出する際の揺動レバー336の回転方向とが同じ向きになる。そのため、係止体338と回転する羽根321、322、323とが接触(または、衝突)することにより、係止体338を突出させる方向に揺動レバー336が回転する。換言すれば、係止体338と回転する羽根321、322、323との接触(または、衝突)により、係止体338の羽根321、322、323の回転経路への突出が促進される。したがって、係止体338が退出位置P1から突出位置P2へ変位する時間が短縮され、ストッパ332としての応答速度が速くなる。これにより、呑み込みの発生をより確実に防止できる。また、バネ366の付勢力を弱めても十分な応答速度が得られるので、ソレノイド364の駆動力を低減でき、低コスト化・小型化・省電力化が可能となる。
次に、図4、図6、図10、図14および図18を参照しながら、第2の回転停止装置600について説明する。第2の回転停止装置600は、コインCによる羽根車302の回転を停止する機能を有している。図10および図14に示すように、回転体506には切り欠き507のそれぞれに対応した縁部526、528が形成され、縁部526、528は回転体506の外周縁506aから回転軸線RLに向けて延在している。さらに、縁部526は回転体506の外周縁506aから回転軸線RLの反対方向に延在するように形成されて係止部610を構成している。第2の回転停止装置600は、係止部610の回転経路に出没可能に支軸608を軸に回動可能に形成されたストッパ602と、ストッパ602に対してほぼ直交するように支軸608を起点として形成された揺動部材606と、を有している。ストッパ602および揺動部材606は支軸608に固定されているため、ストッパ602の回動動作に連動して、揺動部材606も支軸608を軸に回動される。一方、係止部610は、本実施の形態では回転体506の切り欠き507の縁部526が回転体506の外周方向に突出するように形成されている。第2の回転停止装置600は、ストッパ602の端部604が、係止部610の端部(換言すると、切り欠き507の縁部526の突出部)とが接触することで羽根車302の回転を停止される。
図4(B)、図6、図14(A)に示すように、揺動部材606は逸らせ体268と本体102の背面側で接続されている。逸らせ体はコイン通路106に突出した状態で保持されるように付勢されている。コインCが導入されない待機状態では、逸らせ体268はコイン通路106に突出しているため、揺動部材606は逸らせ体268から押圧力を受けず、第1ガイド壁132に接近した状態で保持される。ストッパ602は揺動部材606に連動して回転体506に相対する位置に移動する。換言すると、ストッパ602は、係止部610の端部と接触する位置に移動し、保持されるため、羽根車302は回転を停止される。すなわち、コインCが導入されない待機状態では、ストッパ602は羽根車302の回転が停止される位置に常時保持されることとなる。
一方、コイン通路106にコインC導入された場合は、逸らせ体268はコインCによって付勢力に逆らって押され、本体102の背面側で第1ガイド壁132から突出するため、揺動部材606は逸らせ体268の押圧力を受け、第1ガイド壁132から離れる方向へ回動される。ストッパ602は揺動部材606の回動に連動して、回転体506から離れるように羽根321、322、323側に回動される。換言すると、ストッパ602は、係止部610と接触しない位置に移動し、羽根車302の停止保持状態が解除され、羽根車302が回転できる状態となる。
なお、本実施の形態では係止部610を回転体506の切り欠き507の縁部526と一体に設けたが、ストッパ602の端部604と接触する面を有する突出部を回転体506の外周表面に構成してもかまわない。
(コイン落下装置)
コイン落下装置114は、第2コイン通路部164の軸線L3に平行な支軸404に回動自在に支持されることによって姿勢変更可能な可動ガイドレール402と、可動ガイドレール402を所定の姿勢に保持する姿勢保持機構406と、を含んでいる。可動ガイドレール402は、ガイドレール256およびガイドレール144の間に配置され、コイン通路106の第2コイン通路部164を形成している。
まず、図6、図13および図15を参照しながら、可動ガイドレール402について説明する。可動ガイドレール402は、軸線L3に平行な方向に延在してコインCの外周面を案内する案内面408を有するガイドレール本体部412と、本体102の背面側においてガイドレール本体部412の左端部(図13では右端部)から突出する錘部414と、を含んでいる。
ガイドレール本体部412は、第1ガイド壁132のほぼ中央に形成された横長矩形の開口180内に配置される(図6参照)。ガイドレール本体部412は、支軸404を中心に対し回動し、案内面408が第2コイン通路部164内に突出する第1姿勢S1と、案内面408が第2コイン通路部164から退出する第2姿勢S2と、に姿勢変更可能である。すなわち、ガイドレール本体部412が図15の時計方向R1に回転した場合、案内面408が第1ガイド壁132の第1コイン案内面140に対しほぼ直角に突出し、案内面408が本体102のカバー部146の底部146aに当接して回転が停止される。この状態において、第2コイン通路部164に導入されたコインCが案内面408上を転動可能な第1姿勢S1となる。ガイドレール本体部412が図15の半時計方向R2に回転した場合、案内面408が第1コイン案内面140に平行となり、錘部414が第1ガイド壁132の裏面に当接して回転が停止される。この状態において、ガイドレール本体部412が開口180内に収納され、第2コイン通路部164に導入されたコインCが自重により下方に落下する第2姿勢S2となる。
錘部414は、図15に示すように、支軸404を挟んでガイドレール本体部412の反対側において案内面408に対し斜め下方に向けて突出し、その自重によってガイドレール本体部412を図15の時計方向R1に回転させる作用を有する。換言すれば、錘部414は、ガイドレール本体部412を第2姿勢S2から第1姿勢S1に姿勢変更させる機能を有している。
次に、図13および図16を参照しながら、姿勢保持機構406について説明する。姿勢保持機構406は、ストッパ332を構成する揺動レバー336の左側面(図13(A)では右側面)に設けられた係止体416と、ガイドレール本体部412の右端部(図13(A)では左端部)にレバー418を介して支持された保持体420と、により構成される。係止体416は、左側方(図13(A)では右側方)に傾斜する斜面416aを有するほぼ三角錐形状をなし、揺動レバー336と一体で形成されている。保持体420は湾曲した小判形の上面および底面を有する柱形であって、底面はガイドレール本体部412から外方に延びるレバー418に接続されている。レバー418および係止体416は、ガイドレール本体部412と一体で形成されている。
係止体416は、揺動レバー336が起立姿勢から傾斜姿勢となることにより、図13(A)および(B)に示すように時計方向に回転し、ガイドレール本体部412が第1姿勢S1の状態で保持体420を係止する。これにより、ガイドレール本体部412の第1姿勢S1が保持される。また、ガイドレール本体部412が第2姿勢S2である場合にも、揺動レバー336が起立姿勢から傾斜姿勢となることにより、図16(A)および(B)に示すように、係止体416の斜面416aが保持体420の上面を押動するため、レバー418を介してガイドレール本体部412を矢印R1の方向に回転させる。これにより、ガイドレール本体部412が第2姿勢S2から第1姿勢S1に変更された後、その第1姿勢S1が保持される。
ガイドレール本体部412が保持体420により第1姿勢S1に保持されることで、第2コイン通路部164に導入されたコインCは案内面408上を転動し、第3コイン通路部166へ向かう。このとき、揺動レバー336は傾斜姿勢にあり、ストッパ332の係止体338は退出位置P1にあるため、羽根車302は停止されることなく回転可能である。したがって、第2コイン通路部164を転動したコインCは羽根車302に移動を規制されることなく、第3コイン通路部166を通って出口124から排出される。他方、ガイドレール本体部412が保持体420により第1姿勢S1に保持されない場合、揺動レバー336は起立姿勢にあり、ストッパ332の係止体338は突出位置P2にあるため、羽根車302の回転が停止される。したがって、第2コイン通路部164に導入されたコインCは、羽根車302の羽根321、322、323のうち係止体338に係止されたものに下流への移動を阻止される。そして、移動を阻止されたコインCは、コインCの自重によりガイドレール本体部412が第1姿勢S1から第2姿勢S2となり、第2コイン通路部164から下方に落下する。換言すれば、コイン落下装置114は、ストッパ332の退出位置P1から突出位置P2への変位(すなわち、羽根車302の回転停止)に連動してコインCを落下させる機能を有している。しかも、姿勢保持機構406において、係止体416はストッパ332と一体で形成され、保持体およびレバー418は可動ガイドレール402のガイドレール本体部412と一体で形成されるので、ストッパ332と連動するコイン落下装置114を低コストで実現できる。
(コイン導入検知装置)
コイン導入検知装置620は、第2コイン通路部164に配置された逸らせ体268のコインCによる作動を検出することで、コイン通路106へのコインCの導入の有無を検知する。コイン検知装置622は、透過型光電センサ、反射型光電センサ、および接触センサ等を使用することができる。本実施例では、コイン導入検知センサ620は第2の回転停止装置600の上方に取り付けられている。第2の回転停止装置600のストッパ602の作動を検出可能となっている。すなわち、ストッパ602は導入されたコインCによって作動する逸らせ体268と連動するため、コインCの導入の有無を検知することができる。
(コイン検知装置)
コイン検知装置116は、コイン通路106の第3コイン通路部166に配置され、コイン落下装置114によって排除されることなく第2コイン通路部164を通過して第3コイン通路部166に導入されたコインCを検知する。コイン検知装置116は、透過型光電センサ、反射型光電センサ、磁気センサおよび接触センサ等を使用することができ、複数配置することが好ましい。検知信号の出力順等を判別することにより、外部からの不正用器具の挿入による不正を判別できるからである。また、異なる方式のセンサを用いた場合、不正を行うには異なるセンサに対応して誤検知を生じるよう行わねばならないため、不正を一層困難にする利点がある。
本実施例では、コイン検知装置116は、第3コイン通路部166において互いに近接して配置された透過型光電式の2つのコインセンサ452、454を含んでいる。コインセンサ452、454は、第3コイン通路部166を挟んで配置された投光部および受光部をそれぞれ有し、コインCの検知に伴って所定出力レベルの電気的な第1コイン検知信号CS1および第2コイン検知信号CS2を出力する。コインセンサ452、454は、センサ保持部456を介して本体102に取り付けられている。第3コイン通路部166において上流側に配置されたコインセンサ452は、第2コイン通路部164から第3コイン通路部166へ移動途中のコインCを検出可能とするため、第2コイン通路部164の近傍に配置される。
(糸吊り防止装置)
糸吊り防止装置120は、コインCに天蚕糸等を括り付けて一旦真正コインと判定されたコインCを当該天蚕糸によって引き戻し、再び真正コインとして判定させる不正を防止する機能を有する。図7に示すように、本実施例では、糸吊り防止装置120は第3コイン通路部166の右上方に配置されている。糸吊り防止装置120は、図17(A)に示すように、第1ガイド壁132の裏面に垂直な矩形状の突出壁462(図4参照)に取り付けられた横向きの支軸464と、支軸464に回動自在に支持された引き戻し防止体466と、を含んでいる。引き戻し防止体466は平面視略矩形の本体部468を有し、本体部468の一角に形成された軸挿入孔469に支軸464が挿入されている。本体部468には、その一側面468aに対し直角に突出する係止突起470が形成されており、側面468aおよび係止突起470によりへの字型の係止凹部472が構成されている。引き戻し防止体466の出口124側の一面には、係止凹部472から本体部468の側面468bに向けて延在する凹溝474が形成されている。
第1ガイド壁132(換言すれば、第1コイン案内面140)は垂直方向に対して傾斜しているため、図17(A)に示すように、引き戻し防止体466は自己モーメントによって支軸464に対し対角に位置する円弧状の隅部468cを下方に向けた傾斜姿勢となり、係止突起470が第1ガイド壁132に形成された矩形の開口178を介して第3コイン通路部166内に突出する。換言すれば、引き戻し防止体466が第3コイン通路部166を横断する。この傾斜姿勢で第2コイン通路部164から第3コイン通路部166に導入されたコインCは図7において右斜め下方に移動するため、引き戻し防止体466の側面468bがコインCによって押動される。この押動力により引き戻し防止体466は支軸464を中心に図17(A)の半時計方向に回転し、図17(B)に示すように、引き戻し防止体466が第3コイン通路部166から退出する。これにより、第3コイン通路部166においてコインCは出口124に向けて移動可能となる。他方、コインCが引き上げられた場合、図17(C)に示すように、コインCが引き戻し防止体466の係止凹部472に接触し、引き戻し防止体466を時計方向に回転させる押動力が係止凹部472に作用する。しかしながら、引き戻し防止体466の側面468bが第1ガイド壁132の開口178の内壁面に係止されるため、引き戻し防止体466の時計方向への回転が阻止される。さらに、コインCの先端が凹溝474内に進入するため、凹溝474によってコインCの厚み方向の移動が規制される。したがって、一度引き戻し防止体466を通過したコインCを引き戻すことは不可能である。
また、糸吊り防止装置120は、出口124から不正用器具の挿入を防止する機能も有している。すなわち、出口124から不正用器具を挿入した場合、上記コインCの場合と同様に、引き戻し防止体466が不正用器具のコイン通路106の上流側への移動を阻止する。これにより、不正用器具のコイン検知装置116に対するアクセスを防止できる。
(カバー部材)
カバー部材118は、ほぼ円錐台の一部を切り欠いたものを上下対称に接続した外形状を有する羽根車カバー部482と、上面視コの字形に形成された落下コイン案内部484と、本体102の第1ガイド壁132に相対する第4ガイド壁485と、を有している(図2参照)。羽根車カバー部482は、その左端部486において開閉体104のカバー部230の右側端部244と相対するよう配置され、開閉体104のカバー部230と共に羽根車302を本体102の前面側において保護する機能を有している。
落下コイン案内部484は、本体102の左側壁134に平行な左側壁487と、羽根車302の回転軸線RLに平行であって左斜め下方に傾斜した右側壁488と、左側壁487および右側壁488のそれぞれの前端に接続された上端が右斜め下方に傾斜する前壁490と、によって構成される。落下コイン案内部484の左側壁487、右側壁488および前壁490と、本体102の第1ガイド壁132によって下方に窄んだ筒状体492が形成される。上述した通り、コイン落下開口208から落下するコインCは開閉体104の案内突条286により本体102の斜め前方に向けて滑落する。滑落したコインCは落下コイン案内部484の前壁490に接触または衝突することにより、本体102の前面側への移動が規制される。これにより、コインCは飛散することなく確実に所定の場所へ案内される。
第4ガイド壁485は、羽根車カバー部482の左側方において第1ガイド壁132に対し平行に配置されている。第4ガイド壁485の裏面は、第1ガイド壁132の表面からコインCの厚みより僅かに大きい間隔を置いて配置される。これにより、第4ガイド壁485の裏面は、第3コイン通路部166を形成する第4コイン案内面494として機能する(図10参照)。
カバー部材118において、左側壁487には掛止突起496が形成され、第4ガイド壁485には本体102の右側壁136に平行に延びる支持板497を介して掛止突起498が形成されている。掛止突起496は本体102の左側壁134に形成された矩形の掛止孔139aに掛け止めされ(図3(A)参照)、掛止突起496は本体102の右側壁136に形成された矩形の掛止孔139bに掛け止めされる(図3(B)参照)。これにより、カバー部材118が本体102に固定される。
(背面カバー部材)
背面カバー部材150は、本体102の背面側において、コイン検知装置116と、コイン落下装置114と、駆動装置360と、回転体506の回転位置を検知する検知器524とを覆うように設けられている。本実施例では、背面カバー部材150は略L字形状をしている。背面カバー部材150の頭頂部は、羽根車カバー部482の頭頂部とほぼ同じ高さとなるように構成されている(図4参照)。本体102の背面側に露出した部材が背面カバー部材150によって覆われているため、偽コインを落下させないようにコイン落下装置114のストッパ332などをワイヤーで固定するなど、本体102の背面側からの不正行為を軽減できる。また、コイン検知装置116などのセンサ類への不正も軽減できる。さらに、背面カバー部材150によって背面側に露出した部材の周囲の貫通孔も覆われているため、クモ、ゴキブリなどの小型の生物による前記貫通孔からコインセレクタ100への進入が抑制される。
背面カバー部材150は本実施例の形状に限らず、コイン検知装置116など本体102の背面側で露出している部材や、本体102の背面に設けた孔部などを覆う形状であれば構わない。たとえば、本体102全体を覆う形状でもかまわない。たとえば、背面カバー部材150を複数個に分割し、本体102の背面側で露出している部材それぞれに対して配置してもかまわない。
背面カバー部材150は本体102の背面側からビスで固定されている。これにより、背面カバー部材150の取り外しには工具が必要となるため、容易に背面カバー部材150を取り外すことができなくなり、コインセレクタ100への不正が抑制される。背面カバー部材150の固定方法は、ビス止めに限らず、接着剤やリベットなどによる固定、本体102の背面に設けた貫通孔と背面カバー部材150に設けた係止部材による係止、などの固定方法でもかまわないが、背面カバー部材150の取り外し困難な固定方法が望ましい。
(不正防止装置)
不正防止装置126は、羽根車302と、コインCが下流へ移動する方向の羽根車302の回転は許容するが逆方向の羽根車302の回転を阻止するワンウェイクラッチ502と、羽根車302の回転を検出する回転検出装置504と、を含んでいる。
まず、図22を参照しながら、不正防止装置126としての羽根車302の作用について説明する。羽根車302は、入口122から挿入された不正用器具ITがコイン検知装置116に到達するのを防止する機能を有している。特に、コイン通路106に沿った平面形状を有する板状の不正用器具ITが使用された場合に有効である。
上述した通り、羽根車302は、コイン通路106において前後する羽根321と羽根322、羽根322と羽根323、および羽根323と羽根321の間に1枚のコインCが挟まれるように、羽根321、322、323が配置される。不正用器具ITを入口122から挿入すると、不正用器具ITの先端の先端がコイン通路106内に突出する羽根321、322、323のいずれか1枚を押動して羽根車302が回転する。例えば、図22(A)に示すように、羽根321がコイン通路106内に突出する場合、不正用器具ITの先端により羽根321が押動されて羽根車302が回転する(図22(B)参照)。不正用器具ITをさらに押し進めると、図22(C)に示すように、羽根車302の回転に伴って羽根321がコイン通路106から退出する前に後続の羽根322がコイン通路106内に突出する。そのため、不正用器具ITはコイン通路106の第1コイン案内面140と羽根322とに挟まれて、それ以上押し進めることができない。したがって、不正用器具ITの先端をコイン検知装置116に到達させることはほぼ不可能である。
次に、主に図18(A)を参照しながら、ワンウェイクラッチ502について説明する。ワンウェイクラッチ502は、回転軸線RLの回りを羽根車302と一体で回転する回転体506に形成された3つの傾斜溝508と、傾斜溝508内に少なくとも一部を挿入可能に配置された球体510と、球体510の上下方向(換言すれば、回転軸線RLに平行な方向)の移動を許容するが他方向の移動を規制する球体移動規制体512と、により構成される。回転体506は、外周縁506aに切り欠き507が形成された所定の半径を有する円板であって、回転軸線RLに対し3回転対称(換言すれば、120度の回転対称)である。回転体506は、羽根支持体306の上端から回転軸線RLに沿って上方に延在する円柱状の支持体514を介して設けられている。
傾斜溝508は、回転体506の外周縁506aに沿って円弧状に湾曲し、切り欠き507に対して回転軸線RL側に配置され、球体510の直径より僅かに小さい幅を有している。傾斜溝508は、最大深さとなる円弧状の内端面508aと、羽根車302の回転方向FRとは逆の回転方向BRに向けて深さが浅くなる傾斜底面508bとを有している。支軸312の上端において回転軸線RLに沿った方向から見て、傾斜溝508の内端面508aは、回転軸線RLと羽根321、322、323の先端とを結ぶ直線より回転方向FR側に位置し、切り欠き507のほぼ中央と回転軸線RLとを結ぶ直線L4において傾斜溝508の傾斜底面508bが回転体506の上面506bと一致する。
球体移動規制体512は、軸支持部192の右側方に配置され(図6参照)、回転体506の上面506bに対し所定の間隔を置いて平行に配置された平板部512aを有している。平板部512aには傾斜溝508に対応する位置に球体510の直径より僅かに大径の貫通孔516が形成され、球体510が貫通孔516内に配置される。これにより、球体510の貫通孔516の周方向への移動は規制されるが、球体510の貫通孔516の軸方向への移動(換言すれば、上下動)は許容される。
上記構成により、コイン通路106におけるコインCの下流への移動によって羽根車302が回転方向FRに回転した場合、自重により傾斜溝508に落下した球体510は、傾斜溝508内において傾斜底面508b上を転動し、回転体506の上面506bに達して上面506b上を転動する。そのため、羽根車302の回転方向FRへ回転は、規制されることなく継続される。他方、羽根車302が回転方向FRと相反する回転方向BRに回転された場合、自重により傾斜溝508に落下した球体510は、傾斜溝508の内端面508aに当接する。そのため、羽根車302の回転方向BRへの回転が停止される。すなわち、コインCが下流へ移動する方向の羽根車302の回転は許容され、逆方向の羽根車302の回転が阻止される。上記の通り、傾斜溝508の内端面508aは、回転軸線RLと羽根321、322、323の先端とを結ぶ直線より回転方向FR側に位置する。そのため、羽根車302の羽根321、322、323のいずれか1枚が第2コイン通路部164から退出する直前の状態(図12(B)の状態)で羽根車302の逆方向の回転が停止される。
なお、ワンウェイクラッチ502として、上記と同様の機能を有する他の構成のものを使用することができる。しかし、上記構成とすることにより低コストで実現できる利点がある。
ワンウェイクラッチ502は、糸吊り防止装置120と同様に、コインCに天蚕糸等を括り付けて一旦真正コインと判定されたコインCを当該天蚕糸によって引き戻し、再び真正コインとして判定させる不正を防止する機能を有する。すなわち、コイン検知装置116が配置された第3コイン通路部166に到達したコインCを引き戻そうとしても、図12(A)に示すように、羽根車302の羽根321、322、323のいずれか1枚が第2コイン通路部164に突出した状態で羽根車302の逆方向の回転が阻止されるため、コインCを引き戻すことはほぼ不可能である。
次に、図18(B)を参照しながら、回転検出装置504について説明する。回転検出装置504は、上記した3つの切り欠き507が形成された回転体506と、回転体506の回転位置を検知する検知器524と、を含んでいる。回転体506の切り欠き507は、回転体506の外周縁506aに沿って湾曲した台形状であり、羽根車302の羽根321、322、323に対応して形成されている。回転体506には切り欠き507のそれぞれに対応した縁部526、528が形成され、縁部526、528は回転体506の外周縁506aから回転軸線RLに向けて延在している。回転体506において、切り欠き507を除く円環状部分が検知器524を作用させる作用領域532であり、切り欠き507が非作用領域534である。換言すれば、作用領域532は、検知器524により検知される被検知部533である。被検知部533は、縁部526、528により画定される。
縁部526は、羽根321、322、323の羽根支持体306の外周面308における角度間隔をほぼ二等分する位置に配置される。換言すれば、羽根321、322、323が第2コイン通路部164内に突出し、コインCが前後する羽根321、322、323に挟まれた状態で被検知部533が検知器524により検知されるよう縁部526が配置される。これにより、コインCを投入する前の初期状態において羽根車302の静止位置(換言すれば、羽根321、322、323の静止位置)に拘わらず、第2コイン通路部164におけるコインCの移動が確実に検知される。縁部528は、羽根321、322、323の回転方向FR側の表面(換言すれば、コインCを押動する面)に対応して配置される。換言すれば、回転軸線RLを通り第1コイン案内面140に直角な面を羽根321、322、323が横切った時点で検知器524による被検知部533の検知が終了する。これにより、検知器524の検知期間中に第3コイン通路部166を移動するコインCがコイン検知装置116により検知される。
検知器524は、回転体506の被検知部533を検知する機能を有する。検知器524としては、透過型光電センサ、反射型光電センサ、磁気センサおよび接触センサ等を使用することができる。本実施例では、回転体506を挟んで配置された投光部および受光部を有する透過型の光電センサ536である。光電センサ536は、本体102の背面側において第1ガイド壁132に形成されたセンサ保持部525を介して取り付けられている。コインセンサ452、454と同じタイプの光電センサ536を使用することにより部品の共用が可能となり、コストを低減できる利点がある。光電センサ536は、回転体506の被検知部533を検知した場合、所定レベルの電気的な回転検出信号RSを出力する。光電センサ536は、コイン通路106の外部に配置されるため、コイン通路106に不正用器具を挿入しても光電センサ536に対して不正にアクセスすることはほぼ不可能である。
上記構成により、回転検出装置504は、羽根車302の回転位置に対応した回転検出信号RSを出力する。羽根車302はコイン通路106を転動するコインCにより回転されるため、羽根車302の回転が検出されていないにも拘わらずコイン検知装置116によりコインCが検知された場合、コイン検知装置116に対する不正が行われたと判別できる。さらに、1枚のコインCが第2コイン通路部164を通過する度に回転検出信号RSが出力され、回転検出装置504の光電センサ536によるコインCの検知とコイン検知装置116のコインセンサ452、454によるコインCの検知とが一対一で対応するので、コイン検知装置116に対する不正をより確実に判別できる。
なお、上記作用領域532を非作用領域とし、上記非作用領域534を作用領域としてもよい。この場合、非作用領域に対応して信号を出力する所謂負論理の光電センサ536を用いることにより、上記と同じ回転検出信号RSが出力される。
(コインセレクタの動作)
まず、図19および図20を参照しながら、遊技機が受入許可状態にある場合について説明する。遊技機が受入許可状態の時、ソレノイド364が励磁され、スライド部材352を介してストッパ332の揺動レバー336が傾斜姿勢となる。これにより、ストッパ332の係止体338が退出位置P1に位置すると共に、可動ガイドレール402がコイン通路106内に突出する第1姿勢S1に保持される。この状態において、コインCが入口122から投入されると、コイン通路106を転動するコインCは、図19(A)に示すように、羽根車302の羽根321に接触(または衝突)する。これにより、羽根321にはコインCの押動力が作用し、羽根車302は図19(A)の時計方向に回転を開始する。コイン通路106におけるコインCの下流への移動に伴い、羽根車302の回転が継続されて図19(B)に示す状態となる。そして、羽根302はストッパ332上を通過し、図19(C)に示す状態となる。このとき、入口122から次のコインCが投入され、コイン通路106を転動して先行するコインCと後続のコインCとが連続した状態でコイン通路106を移動する。
先行するコインCによる羽根321に対する押動が継続されることにより、羽根車302の回転も継続し、図20(A)に示す状態となる。この時、羽根322の先端部322a、322bが先行するコインCと後続のコインCとの間に形成される隙間SP(図11(B)参照)に挿入され、先行するコインCと後続のコインCとが羽根322により分離される。この時、先行するコインCが羽根321を押動すると共に、後続のコインCが羽根322を押動する。これにより、羽根車302の回転が継続されて、図20(B)に示す状態となる。この時点で、羽根321はコイン通路106から退出し、先行するコインCによる羽根321への押動が終了する。そのため、先行するコインCは重力加速度により速度を上げながら右斜め下方に移動し、図20(C)に示すように、出口124から排出される。他方、後続のコインCによる羽根322の押動により羽根車302の回転は継続される。以上の動作が繰り返されることにより、入口122に投入されたコインCが出口124から順次排出される。
次に、図21を参照しながら、遊技機が受入許可状態から受入拒否状態に移行した場合について説明する。遊技機が受入許可状態の時、図19(A)の場合と同様に、入口122からコインCが投入されると、コインCはコイン通路106を転動し、コインCにより羽根321が押動されて羽根車302が回転を開始し、図21(A)の状態となる。その直後に遊技機が受入拒否状態になると、ソレノイド364が消磁され、スライド部材352を介してストッパ332の揺動レバー336が起立姿勢となる。これにより、ストッパ332の係止体338が退出位置P1から突出位置P2に変位すると共に、姿勢保持機構406による可動ガイドレール402の第1姿勢S1における保持状態が解除される。コイン通路106におけるコインCの下流への移動に伴い、羽根車302の回転が継続され、羽根321が図19(B)に示す位置に移動すると、開口148から突出するストッパ332の係止面346に羽根321が係止され、羽根車302の回転が停止される。これにより、コインCの下流への移動が羽根321により阻止されると共に、コインCの自重により可動ガイドレール402が第1姿勢S1から第2姿勢S2に姿勢変更され、図21(C)に示すように、コインCがコイン通路106から落下する。さらに、後続のコインCも同様にしてコイン通路106から順次落下する。
次に、図23から図24を参照しながら、回転検出装置504およびコイン検知装置116の出力波形について説明する。まず、正常時における出力波形について説明する。図23は、コイン通路106の回転軸線RLよりも上流側において羽根321、322、323の先端部321a、321b、322a、322b、323a、323bがコイン通路106内に僅かに突出した状態で羽根車302が静止状態にある場合の信号波形を示す。この場合、入口122に投入されたコインCにより羽根車302が回転され、図19(C)から図20(A)の状態になるまでの間に、回転検出信号RSとしてパルスP1−1が時間T1の間出力され、時間T2経過後、再度図19(C)から図20(A)の状態になるまでの間に、パルスP1−2が出力される。なお、本実施例では、回転検出信号RSのパルス出力時間T1とパスル非出力時間T3の関係がT1≦T3となるように、回転体506の切り欠き507が設けられている。そして、図20(B)から図20(C)の状態に至る過程で、すなわち回転検出信号RSが検出されない時間T2の範囲で、第1コイン検知信号CS1および第2コイン検知信号CS2として、P2−1、P3−1が出力される。換言すれば、回転検出信号RSのパルスP1−1と第1コイン検知信号CS1および第2コイン検知信号CS2のパルスP2−1、P3−1とが対応して連続的に出力される。後続のコインCについても同様に、回転検出信号RSのパルスP1−2と第1コイン検知信号CS1および第2コイン検知信号CS2のパルスP2−2、P3−2が対応して出力される。しかも、期間T2において回転検出信号RS、第1コイン検知信号CS1および第2コイン検知信号CS2が同時に出力されるので、この期間T2において回転検出信号RS、第1コイン検知信号CS1および第2コイン検知信号CS2の論理積から正常な状態でコインCが排出されたと容易に判別できる。
次に、不正や故障等による異常時における出力波形について説明する。図24に示すように、回転検出信号RSが出力されていないにも拘わらず、第1コイン検知信号CS1および第2コイン検知信号CS2が出力されている。この場合、回転検出装置504の光電センサ536の故障や不正行為などによる異常と判別できる。したがって、異常の発生を音や光などで報知することにより、不正行為を防止できる。