JP6030345B2 - 放射線測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は放射線測定装置に関し、特に、測定対象物の放射能を測定する放射線測定装置に関する。
放射能測定装置は放射線測定装置の一種であり、食品モニタ、土壌モニタ、海水モニタ等として利用される。放射能測定装置は、測定対象物(サンプル)からの放射線(例えばγ線)を測定し、サンプルについて放射能を演算する装置である。
放射能測定装置のような放射線測定装置においては、外部からの放射線(空気中の放射性物質からの放射線、宇宙線等)を遮蔽又は低減した状態において、サンプルからの放射線を測定する必要がある。このためサンプルを収容する測定室の周囲が遮蔽部材によって包み込まれる。例えば、測定部が、測定室を有する本体とその上部開口を覆う蓋とにより構成される場合、測定室を包み込むように、本体の内部に鉛などの遮蔽部材が設けられ、同様に、蓋の内部にも遮蔽部材が設けられる。バックグランドノイズを低減して、放射能測定精度を高めるためには、重厚な遮蔽構造を採用する必要がある。
なお、特許文献1には、バイアル内の放射性薬剤の放射能を測定する装置が開示されている。遮蔽容器内部にバイアルが収納された状態でバイアル内の放射性薬剤からの放射線が検出されている。
特開2008−224442号公報
放射線測定装置を本体と蓋とで構成し、本体に対して蓋を開閉運動(特に水平旋回運動)させる場合、本体と蓋との間での手等の挟み込みを防止することが望まれる。特に、蓋の開閉運動(特に閉運動)が片手だけで行えるならば、もう一方の手が空くことになるから、その手が不用意に測定室内に入っていたり、たまたま本体上面に載せられていたりすることも考えられる。操作者の安全のためにはそのような状態での蓋の操作を制限することが望まれる。
本発明の目的は、安全性の高い放射線測定装置を提供することにある。あるいは、本発明の目的は、本体上で蓋が開閉運動する場合において手の挟み込みを回避できるようにすることにある。あるいは、本発明の目的は、開閉蓋の操作性を向上することにある。あるいは、外部放射線の遮蔽性を向上して測定精度を高めることにある。
(1)本発明に係る放射線測定装置は、測定対象であるサンプルを収容する測定室を有する本体と、前記本体を覆う蓋と、前記本体に対して前記蓋を動かす機構であって、使用者の両手によって操作される第1操作子及び第2操作子を有する開閉機構と、を含む。
上記構成によれば、本体に対して蓋が開閉可能に設けられ、その蓋には第1操作子及び第2操作子が設けられているので、蓋を運動させたい場合には第1操作子及び第2操作子を両手で操作することになる。よって、操作していない手が本体と蓋との間に挟まれてしまう等の問題を未然に回避することができ、安全性を高めることが可能である。蓋の開運動及び閉運動の全体にわたって両手操作を要求するようにしてもよいが、少なくとも、安全性が問題となる状態(開運動及び閉運動の一部)において両手操作を強要するように構成するのが望ましい。逆に言えば、そのような状態では片手で蓋を操作しても蓋が運動しないように規制するのが望ましい。例えば、本体の開口縁を一方の手で握っているような状態において、他方の手で蓋を閉動作させても、一方の手の安全を確保できる限界位置を超えて蓋が閉運動しないように構成するのが望ましい。あるいは、閉状態及び開状態から蓋の運動を開始させる場合には両手を要するように構成するのが望ましい。望ましくは、第1操作子と第2操作子は、互いに離れた位置に設定される。蓋の上面における旋回軸位置とその反対側位置に2つの操作子を設けるようにしてもよい。その場合、第1操作子への垂直方向の操作を要求すると共に第2操作子への水平方向の操作を要求すれば2つの操作の独立性を担保して誤動作等を防止できる。開いた状態にある蓋に何らの部材が誤って衝突して閉運動力が生じても上記構成によれば蓋の動きが制限されるから、そのような場合でも安全性を高められる。
上記構成において、サンプルは、食品、土壌、海水等であり、測定室内に収容可能な固体、液体、気体である。測定室内面の汚染を防止するためにサンプルを密閉容器内に封入した上でそれを測定室に配置するのが望ましい。一般に本体及び蓋の内部には測定室に進入する外来放射線を遮蔽するための遮蔽部材が設けられる。但し、放射線測定装置それ自体を遮蔽部材によって構成された部屋の内部に配置することも可能である。蓋の内部に鉛などの遮蔽部材を配置する場合、蓋の運動時に大きな慣性力が生じるので、安全性の観点から、上記構成を採用する必要性が高くなる。第1操作子及び第2操作子はそれぞれ手で握られる部材であるのが望ましいが、それらを操作ボタン、レバー等によって構成することも可能である。蓋が水平方向にスライド運動する場合に上記構成を適用するのが望ましいが、他の開閉運動を行う場合にも上記構成を適用可能である。放射線測定装置とは別に演算装置(制御装置)が設けられてもよいし、放射線測定装置が演算装置を備えていてもよい。検出信号から、サンプルについての単位重量当たりの放射能を演算する場合には、サンプルの重量が別途入力される。放射能以外の測定値(例えばカウント値、線量、線量率)が演算されてもよい。
望ましくは、前記本体は、前記サンプルからの放射線を検出する検出器と、前記測定室及び前記検出器を取り囲む本体側遮蔽部材と、を含み、前記蓋は、前記測定室の上側を覆う蓋側遮蔽部材を含み、前記開閉機構は前記本体に対して前記蓋を水平方向に旋回運動させる機構である。この構成によれば、本体及び蓋の両方に遮蔽部材が設けられる。外来放射線を遮蔽するためには鉛などの重金属によって遮蔽部材が構成され、その厚みは例えば数cmとなる。蓋の重量はかなり大きなものとなり、蓋が不用意に開閉運動しないように、少なくとも手その他の物の挟み込みが防止されるように、安全機構を設けるのが望ましい。上記の第1操作子及び第2操作子の少なくとも一方はそのような安全機構を解除するものであり、両手での蓋の操作を強要すれば、両手の安全を確保できる。また、そのような構成では自然に使用者の正面に放射線測定装置が位置することになるから、放射線測定装置の目視確認状態を自然に構築でき、手以外の物の挟み込みがないことも確認しながら蓋の閉操作を行える。
望ましくは、前記開閉機構は前記蓋の閉運動を規制する安全機構を含み、前記第1操作子は前記安全機構による規制を解除するための部材であり、前記第2操作子は前記蓋に対して運動力を及ぼすための部材であり、前記第1操作子及び前記第2操作子の同時操作により前記蓋を閉運動させ得る。この構成によれば、第1操作子の操作により安全機構による規制が解除され、その規制解除状態を維持しつつ第2操作子の操作により蓋を閉運動させることができる。片手で両操作子を同時に操作できないように2つの操作子を十分に離して設置するのが望ましく、また2つの操作子の操作方向や操作種類を異ならせるように構成するのが望ましい。
望ましくは、前記開閉機構は前記蓋の閉状態をロックする閉状態ロック機構を含み、前記第1操作子は前記閉状態ロック機構によるロックを解除するための部材であり、前記第1操作子及び前記第2操作子の同時操作により前記閉状態のロックを解除した上で前記蓋の開運動を開始させ得る。この構成によれば、第1操作子の操作によって閉状態ロック機構によるロックが解除され、その状態を維持しつつ第2操作子の操作によって蓋の開運動を開始させることができる。
望ましくは、前記開閉機構は前記蓋の開状態をロックする開状態ロック機構を含み、前記第1操作子は前記開状態ロック機構によるロックを解除するための部材であり、前記第1操作子及び前記第2操作子の同時操作により前記開状態のロックを解除した上で前記蓋の閉運動を開始させ得る。この構成によれば、第1操作子の操作によって開状態ロック機構によるロックが解除され、その状態を維持しつつ第2操作子の操作によって蓋の閉運動を開始させることができる。
上記において説明した安全機構、閉状態のロック機構及び開状態ロック機構が事実上、単一の機構によって実現されてもよい。例えば、後述する実施形態のように、2つのカム部材の噛み合いにより、閉状態ロック、戻り規制(閉運動規制)、開状態ロックが実現されてもよい。そのような構成によれば、それぞれの機構を独立したものとして構成する場合に比べて、装置構成を簡略化できる。
望ましくは、前記第1操作子は、前記蓋の上面よりも上方に突出した部材であって前記蓋の旋回軸位置に設けられ、前記第2操作子は、前記蓋の上面よりも上方に突出した部材であって前記蓋の中心を間において前記旋回軸位置に対する反対側の位置に設けられる。第1操作子の押し込み操作を求めるようにしてもよいが、その場合、他部材の接触等によって誤動作が生じやすくなるから、第1操作子の引き上げ操作を求めるように構成するのが望ましいが、もちろん、より複雑な操作を求めるようにしてもよい。望ましくは、前記第1操作子と前記第2操作子は互いに異なる形態を有する。この構成によれば、各操作子を視認しただけで両者を区別できるから操作性を向上できる。なお、時計回り旋回及び反時計回り旋回の一方を採用してもよいが、利き腕に対応するために、また、周囲構造物との干渉回避上、閉状態角度からの両方向への旋回を許容するのが望ましい。
(2)本発明に係る放射線測定装置は、測定対象であるサンプルを収容する測定室と、前記サンプルからの放射線を検出する検出器と、前記測定室及び前記検出器を取り囲む本体側遮蔽部材と、を有する本体と、前記本体を覆う部材であって蓋側遮蔽部材を有する蓋と、前記本体に対して前記蓋を水平方向に旋回運動させる機構であって、使用者の両手によって操作される第1操作子及び第2操作子を有する開閉機構と、を含み、前記開閉機構は、前記本体及び前記蓋の内の一方に連結された第1カム部材と、前記第1カム部材と組み合う部材あって、前記本体及び前記蓋の内の他方に連結された第2カム部材と、を含み、前記第1カム部材と前記第2カム部材の係合により前記蓋の運動が規制され、前記第1操作子は前記係合を解除する第1操作力が与えられる部材であり、前記第2操作子は前記蓋を旋回させる第2操作力が与えられる部材である。
望ましくは、前記開閉機構は前記第1カム部材と前記第2カム部材との係合のための付勢力を生じさせる弾性部材を含み、前記第1操作力により前記第1カム部材が前記第2カム部材から離れる。望ましくは、前記第1操作力が及ぶ方向と前記第2操作力が及ぶ方向が直交関係にある。望ましくは、前記第1カム部材は第1の階段状斜面を有し、前記第2カム部材は第2の階段状斜面を有し、前記第1の階段状斜面と前記第2の階段状斜面とが接合した状態で前記蓋の閉運動が規制され、前記第1の階段状斜面と前記第2の階段状斜面とを離すことにより前記蓋の閉運動の規制が解除される。2つの単純な斜面が接合した場合、両者間に逆向きの水平衝突力が生じると、両者間でスリップが生じて、両斜面を上方又は下方へ離す運動力が生じてしまう。これに対して、2つの階段状の斜面の接合によれば、両者間に逆向きの水平衝突力が生じても、垂直面同士が当たり合っているのに等しいので、上下方向への運動力は生じない。もちろん、一部において単純な斜面を利用するようにしてもよい。例えば、開運動については安全性が問題とならない全範囲又は一部範囲にわたって片手だけで操作できるように構成してもよい。この構成によれば緊急時において片手で開運動を実現して危険を回避することが可能となる。
望ましくは、前記第1カム部材は、時計回り方向を向いた第1の階段状斜面と、反時計回り方向を向いた第1の階段状斜面と、を有し、前記第2カム部材は、反時計回り方向を向いた第2の階段状斜面と、時計回り方向を向いた第2の階段状斜面と、を有し、前記時計回り方向を向いた第1の階段状斜面と前記反時計回り方向を向いた第2の階段状斜面とが接合した状態で前記蓋の時計回り方向の閉運動が規制され、前記反時計回り方向を向いた第1の階段状斜面と前記時計回り方向を向いた第2の階段状斜面とが接合した状態で前記蓋の反時計回り方向の閉運動が規制され、前記第1カム部材と前記第2カム部材とを離すことにより前記蓋の時計回り方向及び反時計回り方向の閉運動の規制が解除される。この構成によれば、蓋を時計回り方向及び反時計回り方向のいずれに旋回させても上記の作用効果を得られる。
本発明によれば、安全性の高い放射線測定装置を提供できる。あるいは、本体上で蓋が開閉運動する場合において手の挟み込みを未然に回避できる。あるいは、開閉蓋の操作性を向上できる。あるいは、外部放射線の遮蔽性を向上して測定感度を高められる。
本発明に係る放射線測定システムの全体構成を示すブロック図である。 図1に示した測定装置(放射線測定装置)の斜視図である。 測定装置において蓋を開いた状態を示す斜視図である。 測定装置の分解斜視図である。 測定装置の断面図である。 両手による時計回り方向への蓋の開操作を示す図である。 両手による反時計回り方向への蓋の開操作を示す図である。 旋回軸機構を示す図である。 旋回軸機構が有する2つのカム部材の両者を離してかつカム面が見えるように開いて表した図である。 蓋が閉じた状態かつロック状態を示す図である。 蓋が閉じた状態かつロック解除状態を示す図である。 蓋が開いた状態かつロック状態を示す図である。 蓋の開動作における2つのカム部材の作用を示す図である。 蓋の閉動作における2つのカム部材の作用を示す図である。 閉動作及び開動作で必要な操作内容を説明するための図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る放射線測定システムの全体構成が示されている。この放射線測定システムは、測定対象としてのサンプルからの放射線を検出してサンプルの放射能を測定するシステムである。サンプルは、例えば、食品、土壌、海水等である。特に、本実施形態に係るシステムは低バックグラウンドで高感度の放射能測定を実現可能なものである。
図1において、放射線測定システムは、大別して、測定装置(放射線測定装置)10及び演算装置(制御装置)12により構成されている。測定装置10はサンプルからの放射線を検出するものであり、演算装置12はパーソナルコンピュータあるいは専用の情報処理装置として構成される。
測定装置10は、本実施形態において、本体14とその上部を覆う蓋16とにより構成されている。本体14の内部にはサンプルを収容する測定室18が設けられている。測定室18は空洞部であり、その周囲にはプラスチックシンチレータ20が設けられている。プラスチックシンチレータ20は測定室18における側周囲面及び下面に隣接して設けられ、サンプルから出た放射線を光に変換するものである。プラスチックシンチレータ20の下方にはそれに密着して光電子増倍管(PMT)22が設けられている。光電子増倍管22は光を電気信号に変換するものである。
本実施形態においては、放射線検出器としてシンチレータが利用されているが、半導体検出器等の他の検出器を利用することも可能である。また、本実施形態においては、1つの光電子増倍管が利用されているが、2つあるいはそれ以上の光電子増倍管を利用して同時計数処理等を適用するようにしてもよい。
サンプルの放射能の測定にあたっては、空気中に存在する放射性物質からの放射線、構造物や大地からの放射線、宇宙線等の外来放射線を効果的に遮蔽又は低減することが求められる。特に低バックグランド状態において高感度で放射能を測定する場合にはそのような放射線の遮蔽を十分に行う必要がある。本実施形態においては、本体14内において、測定室18、プラスチックシンチレータ20及び光電子増倍管22の側周囲及び下側の全体を包み込むように遮蔽部材が設けられている。また、蓋16内には測定室18の上側の全体を完全に覆う程度の大きさをもった遮蔽部材が設けられている。これによりサンプル等の周囲全部が一定の厚みを持った遮蔽部材によって取り囲まれることになり、低バックグランド状態での高感度測定を実現することが可能である。遮蔽部材は例えば鉛である。
演算装置12は信号処理部24を有している。信号処理部24は、波高弁別器、波形整形器、カウンタ等の公知の回路を有している。演算部26はマイコン等により構成され、演算部26によって、信号処理部24で得られたカウント値に基づき放射能が演算される。入力部28はキーボード等により構成され、入力部28を利用してユーザーによりサンプル重量が入力される。演算部26はそのような情報に基づき単位重量当たりの放射能を演算する。表示部30はその演算結果が表示される。放射能ではなく、線量、線量率等が演算されるようにしてもよい。またカウント値それ自体が表示部30に表示されるようにしてもよい。ちなみに、測定室18にサンプルを収容していない状態においてバックグラウンド測定値を求めておき、サンプル測定値からバックグランド測定値を減算するようにしてもよい。図1には示されていないが、演算部26が他の装置との間で通信を行うように構成することも可能である。また演算部26において測定値と基準値とを比較し、放射性汚染の有無を判定するようにしてもよい。
図2には図1に示した測定装置10が斜視図として示されている。上述したように、測定装置10は本体14と蓋16とにより構成され、図2は測定装置10において蓋16が閉じている状態を示している。本体14は上部14Aと下部14Bとからなる。すなわち本体14は分割型構成を有している。本体14はそれ全体として円筒形又は砲弾形のような形態を有し、上方から下方にかけてその水平断面サイズが広がっている。上部14Aの下端には斜面をなす肩部が構成されている。下部14Bの下面側には例えば5本の脚部32が設けられている。そこに複数のキャスタ等を設けるようにしてもよい。
蓋16は円盤状の形態を有し、その上面は凸球面状に丸みをもって湾曲している。蓋16と本体14とに跨がって旋回軸機構36が設けられている。その旋回軸機構36はユーザーにおける一方の手によって握られるノブ38を有している。そのノブ38は後に説明するように昇降運動する部材である。蓋16においてその中心点を介して旋回軸機構36の反対側の位置にハンドル34が設けられている。このハンドル34はユーザーの他方の手によって握られるものであり、そのハンドル34を握ってそれに水平方向の力を及ぼすことにより、旋回軸機構36が有する回転軸を中心として蓋16を時計回り方向又は反時計回り方向に旋回運動させることが可能である。ちなみに、図2に示す蓋16の位置を0度として、本実施形態においては時計回り方向及び反時計方向の両方向に最大で例えば110度あるいは135度、蓋を回転させることが可能である。いずれにしても、後に説明するように測定室の上部開口の全部が露出するまで蓋16の旋回を行えるように構成するのが望ましい。
旋回軸機構36は、本実施形態において、閉状態ロック機構、開状態ロック機構及び戻り運動規制機構等の各機能を備えている。これについては後に詳述する。本実施形態の測定装置10は、蓋16の操作にあたって、両手による操作が要求されており、これにより安全性が高められている。
ちなみに、測定装置10の重量は例えば70〜80Kgであり、その高さは例えば50cmである。最大外径は例えば34cmである。測定装置10はフロア面上に設置されるのが望ましいが、例えばテーブル上に設置されてもよい。本実施形態においては、測定装置10が複数の部分に分割できるように構成されており、特に本体14が分割型構成を有しているので、その搬送にあたっては個々のパーツの重量を一定限度に抑えてその搬送作業を容易に行うことが可能である。
図3には、蓋16が開いている状態が示されている。その状態では、測定室の上部開口が完全に露出している。符号18Aは測定室の開口縁を表している。符号40は測定室の上部に設けられた内蓋を表している。それは必要に応じて設けられるものである。
上述したように蓋16には旋回軸機構36が設けられ、それが有する回転軸を重心として蓋16が時計回り方向及び反時計回り方向に旋回する。図3に示す状態は最大の旋回角度となった状態であり、すなわち開状態であって、その状態がロックされる。符号42は、蓋16側に設けられているプランジャの下端を受け入れる凹部を表している。すなわち、図2に示したハンドルは軸体の上端部に取付けられ、その軸体がプランジャを構成している。その下端が凹部42に嵌まり込むと、一定のクリック感あるいはラッチ状態が得られて、そのような状態をもって角度0度を認識することができる。その状態においてロック機構が動作する。本実施形態においては時計回り方向及び反時計回り方向の両方向に蓋16を運動させることが可能であるが、もちろん一方方向にだけ蓋16の回転を許容するように構成することも可能である。いずれにしても、本実施形態においては後に詳述するように両手による操作によって蓋16を旋回させることが可能である。
図4には測定装置の分解斜視図が示されている。蓋16はケースを有し、その内部には外来γ線を遮蔽する遮蔽部材44が設けられている。遮蔽部材44は例えば数cmの厚みをもった円盤状の部材である。その一部が切り欠き44Aとなっており、その形態は例えば半円形状である。そこに旋回軸機構36が配置されている。
本体14内に設けられるケース46は二重構造を有しており、すなわち内ケースと外ケースとからなるものであって、それらの間にプラスチックシンチレータが収納されている。ケース46の内部は中空つまり井戸状であり、その部分が測定室18である。ケース46の下部には光電子増倍管22が配置されている。その周囲には1又は複数の基板が配置されている。それは例えばプリアンプなどを構成するものである。
本体14において、上部14Aはケースを有し、その内部には遮蔽部材50が設けられている。遮蔽部材50は例えば数cmの厚みをもった円筒状の部材である。本体14における下部14Bはケースを有し、その内部には遮蔽部材52が設けられている。遮蔽部材52も一定の厚みをもった円筒状の部材である。図4において、遮蔽部材52の下部に設けられている円盤状の遮蔽部材については示されていない。上記の各ケースはアルミニウムや樹脂で構成される。
図5には、測定装置の断面図が示されている。この断面図は説明図であり、細部については図示省略されている。本体14の内部には測定室18が設けられ、その測定室18の周囲にはプラスチックシンチレータ20が設けられている。プラスチックシンチレータ20の全体がケースによって取り囲まれており、そのケースは内ケース46Bと外ケース46Aとからなる。ケースは遮光部材として機能し、シンチレータへの外来光の進入が防止されている。ただしシンチレータにおける底面は光出力のために露出しており、それが光電子増倍管22の受光面に向けられている。より具体的には、受光面とシンチレータとの間には薄いライトガイド(導光部材)が設けられている。
上部14A内には、測定室18、プラスチックシンチレータ20等を包み込むように円筒状の遮蔽部材50が設けられ、下部14Bにおいては光電子増倍管22の周囲を包み込むように円筒状の遮蔽部材52が設けられている。光電子増倍管22の下側には円盤状の遮蔽部材54が設けられている。
一方、蓋16においては、上述したように一部に切り欠きをもった円盤状の遮蔽部材44が設けられている。符号56は測定室18の開口縁を覆うリング状の遮蔽部材である。すなわち本体14と蓋16との間における隙間から外来放射線が侵入しないようにこのような形態をもった遮蔽部材56が設けられている。
図5に示されるように、蓋16内にはかなりの重量物である遮蔽部材44が設けられており、蓋16の旋回にあたっては大きな慣性力が生じ得る。したがって、そのような慣性力を前提として安全性を高める配慮が必要となる。
図6には蓋16を時計回り方向に旋回させる操作例が示されている。図示されるように右手Rによってノブが握られ、左手Lによってハンドルが握られ、右手Rによってノブを若干上方に引き上げながら左手Lによって符号58で示すように時計回り方向に操作力を及ぼすと、蓋16が開運動をする。すなわち両手を使ってロック状態を解消しつつ蓋16を旋回させることが可能である。この場合において片手だけでの操作は許容されていない。
上記と同様に図7には、蓋16を反時計回り方向に動かして蓋16を開状態にする操作が示されている。図示されるように、右手Rによってハンドルが握られ、左手Lによってノブが握られている。ノブを若干上方に引き上げてロック状態を解消させながら符号60で示すようにハンドルを右手Rで反時計回り方向に旋回させることにより蓋16を開状態にすることが可能である。この場合においても両手での操作が必要とされている。
図6及び図7には開動作が示されていたが、閉動作の場合においても両手での操作が要求される。閉動作時においては手等の挟み込みが生じ易いから、特にそのような場合において両手での操作を行わせる必要性が高い。
図8には、旋回軸機構36が示されている。蓋16において水平面上の中心をを介して、ハンドル34の反対側に旋回軸機構36が設けられている。ちなみに、ハンドル34はグリップ34A及び軸体34Bを有している。グリップ34Aは軸体34Bの上端部に連結されたボール状の部材であり、軸体34Bの下端がプランジャとして機能する。
旋回軸機構36は、本実施形態において、ノブ38を有し、そのノブ38は中間体を介して昇降カム部材64に連結されている。一方、ノブ38及び昇降カム部材64は、それら併せて昇降体66を構成し、その昇降体66は本体に取付けられている。すなわち蓋16が旋回運動を行っても昇降体66は回転を行わない。ただし、本体に対して昇降体66は昇降自在に設けられており、ノブ38を握ってそれを上方に引き上げることにより昇降体66を上方へシフトさせることができる。図8においては図示されていないものの、旋回軸機構36はバネである弾性部材を有しており、その弾性部材によって昇降体66に対して常に下方への付勢力が及んでいる。したがって、ノブ38を持ち上げる場合においてはそのような付勢力に打ち勝つように昇降体66を引き上げることになる。
昇降体66はその中心線に沿った回転軸を有しており、それには2つのピン70が設けられている。本体に固定された回転軸自身は昇降運動しないものであり、2つのピン70の高さも不変である。一方、昇降カム部材64には2つのスリット(ピン溝)が形成されており、2つのスリットに対して2つのピンが差し込まれている。昇降体66の中心に設けられた回転軸が上下方向に運動せず、すなわち2つのピン70の高さが固定されている。これに対し、2つのスリットは昇降体66と共に上下に運動することになる。したがって、2つのピンと2つのスリットの係合により昇降体66の上下方向の運動幅が規定されている。
回転カム部材68は蓋16に固定されているものである。昇降カム部材64と回転カム部材68との噛み合い関係により、以下に詳述するように、閉状態ロック、戻り規制、開状態ロック等が実現されている。
図9には昇降カム部材64と回転カム部材68とが示されている。図9は2つのカム部材64,68を上下方向に離しつつそれらのカム面が見えるように両者を開いた状態を示すものである。
まず昇降カム部材64について説明する。当該部材は上述したように本体に取付けられており、昇降運動だけが許容されているものである。昇降カム部材64は円盤状のベース72を有し、その下面側がカム面である。ロック溝74Aは矩形形状の溝であり、それは閉状態ロックを実現する際に機能する。ロック溝74Aの反対側にもロック溝74Bが形成されている。それも閉状態のロックを実現するものである。カム面上の円周方向において、ロック溝74Aの一方側には三角形ブロック76Aが設けられ、ロック溝74Aの他方側には三角形ブロック76Bが設けられている。それらの三角形ブロック74A,74Bは下向きの階段状の斜面を有しており、それらの斜面は互いに逆向きである。より具体的には、ロック溝74Aに近い部位が最も下方に付き出ており、そこから離れるのにしたがって下方への突き出し量が小さくなっており、そのような斜面に階段構造が設けられている。
ロック溝74の一方側及び他方側にも上記同様に三角形ブロック76C及び76Dが設けられている。三角形ブロック76Bと76Cとの間には隙間78Aが形成され、三角形ブロック76Aと76Dとの間には隙間78Bが形成されている。昇降カム部材64の中央部分には上下方向の貫通口が形成されている。
次に回転カム部材68について説明する。回転カム部材68は蓋と一体化されるものである。ベース80の上面がカム面を構成し、そこには山形ブロック82Aが設けられている。山形ブロック82Aはその円周方向における中央部分が頂部となっており、そこから左右に斜面が構成され、それぞれの斜面は階段構造を有している。山形ブロック82Aの反対側にも同様の形態をもった山形ブロック82Bが設けられている。蓋の閉状態において、山形ブロック82Aは図9に示されるようにロック溝74Aに嵌まり込み、山形ブロック82Bはロック溝74Bに嵌まり込む。これによって閉状態ロックが実現されている。
山形ブロック82Aの一方側には隙間86Aを介して凸部84Aが形成されており、これと同様に、山形ブロック82Bの他方側にも隙間86Bを介して凸部84Bが設けられている。それらの凸部84A,84Bはストッパとして機能するものであり、カム面から上方へ突出した部材である。山形ブロック82Bと凸部84Aとの間は隙間88Aであり、山形ブロック82Bと凸部84Bとの間は隙間88Bである。
図9においては、蓋が閉じられている状態における係合関係が示されており、扉を開き動作する場合には、昇降カム部材64に対して回転カム部材68が蓋とともに回転運動する。その場合において、ロックを解除するために、昇降カム部材64が回転カム部材68に対して上方に引き上げられる。閉状態においてロックが実行され、また開状態(最大開状態)においてもロックがなされる。それぞれのロック状態において昇降カム部材64を所定量引き上げればロック状態を解除することが可能である。また、後に説明するように、2つのカム部材の間において所定向きをもった階段状の斜面が形成されており、2つのカム部材において互いに傾斜角度を同じくする2つの階段状斜面が嵌まり合い、そのような構成により蓋の戻り旋回運動が規制されている。つまり昇降カム部材64を上方に引き上げた状態を維持しない限り、2つの階段状斜面が当たり合って、蓋が閉運動しないように構成されている。これにより手の挟み込み等を防止して安全性を高めることが可能である。
図10には、蓋の閉状態が示されており、この場合において、昇降体66は重力及び弾性体の作用により最下端まで下ろされており、回転カム部材68と昇降カム部材64とがかみ合ってロック状態が形成されている。具体的には、回転カム部材68に形成された山形ブロック82Aがそれに対応するロック溝の中に入り込んでおり、他の山形ブロックにおいても同様の状態が生じており、これによって蓋の旋回運動が禁止されている。すなわち閉ロック状態となっている。
図11にはロック解除状態が示されている。すなわち、図示されるように昇降体66がノブ38の引き上げに伴い上方にスライド運動しており、山形ブロック82Aに対してロック溝74Aが上方に引き上げられ、もう一方側で同様の状態となって、ロック状態が解除されている。すなわち、その状態においては上側のカム部材に対して下側のカム部材を回転運動させることが可能であり、それは蓋の旋回が可能なことを意味する。ちなみに、上述したように2つのスリットと2つのピン70との当たり関係により、昇降体66の上方への運動範囲が規定されている。図11に示すように、ノブ38を上方に引き上げるために片手が必要であり、ノブ38が回転軸上にあるので、その片手によって蓋に対して旋回力を与えることはできず、もう一方の手によって回転軸から離れた位置においてハンドルに対して作用力を与えることにより、蓋を旋回させることが可能である。すなわち両手による操作によってのみ蓋の旋回運動を開始させることが可能である。
図12には、蓋の開状態が示されている。すなわち蓋が反時計回り方向に回転し、旋回端に達して開ロック状態が生じている。回転カム部材68に形成された凸部84A及び山形ブロック82Aは隙間あるいは階段状斜面に入り込んでおり、図示される側とは反対側においても同様の噛み合いが生じ、これによって2つのカム部材の作用により蓋の閉じ方向への運動が規制されている。そのようなロック状態を解除するためにはノブを上方に引き上げ山形ブロック82A等が隙間から離脱できるように又はそれらが斜面に衝突しないようにする必要がある。
次に、図13及び図14を用いて2つのカム部材64,68の作用を説明する。図13及び図14においては2つのカム部材64,68が展開図として示されている。それらは説明図であってカム部材の形態は模式的に描かれている。いずれにしても、本実施形態における各カム部材の形態は一例であって、同様の機能を実現できる限りにおいて各種の形態を採用可能である。
図13(A)には閉ロック状態が示されている。すなわち蓋が閉じられた状態にあり、それがロックされている。ここで、それぞれのカム部材64,68の構成を再度説明しておく。昇降カム部材64において、符号100は360度の範囲に相当しており、説明の都合上、それ以上の部分が破線によって示されている。昇降カム部材64のカム面上には、図13において左側から右側にかけて、三角形ブロック76D、隙間78B、三角形ブロック76A、ロック溝74A、三角形ブロック76B、隙間78A、三角形ブロック76C、ロック溝74Bが設けられている。ここで、三角形ブロック76D,76Bは一方方向へ傾斜した階段状斜面を有するものであり、三角形ブロック76A,76Cは他方方向へ傾斜した階段状斜面を有するものである。
一方、回転カム部材68において、符号102は360度の範囲を表しており、そこには山形ブロック82A及び82Bが180度のピッチをもって設けられている。2つの山形ブロック82A,82Bの内で、一方の山形ブロック82Aの一方側及び他方側には山形ブロック82Aに近接して凸部84A,84Bが形成されている。
(A)に示す状態では、2つのロック溝74A,74Bの中に2つの山形ブロック82A,82Bが嵌まり込んでおり、すなわち開ロック状態が成立している。その状態においては2つのカム部材64,68を相対的に回転運動させることはできない。
(B)に示すように、昇降カム部材64を上方に引き上げると、2つのロック溝74A,74Bから2つの山形ブロック82A,82Bが離脱し、回転方向への規制が解除される。
例えば、図13に示す例では、回転カム部材68が紙面左方向に運動しており、山形ブロック82A,82Bの頂点が三角形ブロック76A,76Cの頂点を超えると、(C)で示すような状態となる。すなわち(C)において2つの山形ブロック82A,82Bは下り斜面に相当する2つの階段状斜面に当たっており、このような状態においては昇降カム部材64を解放しても旋回を規制する力は格別働かない。もちろん、使用者によって昇降カム部材64を引き上げた状態のままとし蓋を旋回させるようにしてもよいが、この状態においては一時的に昇降カム部材64を解放することが可能である。そのまま蓋の旋回を継続すると、(D)で示す状態となる。
(D)において、この例で、山形ブロック82A,82Bが三角形ブロック76D,76Bに突き当たっており、また凸部84Bが三角形ブロック76Aの頂点を超えてその斜面に突き当たっている。これ以上蓋を旋回させることは他の機構の制限上許容されておらず、その時点をもって最大の開旋回状態が成立し、しかも凸部84Bの動きが三角形ブロック76Aによって押さえ込まれているために回転カム部材68の戻り運動が規制されている。すなわち開ロック状態が成立している。なお、この際、凸部84Aは三角形ブロック76Dを越えている。それもストッパ作用を生じるように構成してもよい。
ちなみに、(C)に示す状態から(D)に示す状態への移行にあたって昇降カム部材64を若干上方へ引き上げる操作を要求するようにしてもよいし、そのような上方への引き上げを格別行わせないまま斜面の当たり関係を利用して自然に(D)に示す状態が成立するようにしてもよい。いずれにしても、開状態において確実にロック状態となり、不用意に蓋が戻り運動しないように構成するのが望ましい。
続いて蓋の閉じ運動時の動作を図14を用いて説明する。(E)には、昇降カム部材64を若干上方に引き上げた上で蓋の戻り回転を開始させた状態が示されており、ストッパとして機能していた凸部84Bが三角形ブロック76Aを乗り越えている。(E)に示すように、2つの山形ブロック82A,82Bの前進側の階段状斜面が2つの三角形ブロック76A,76Cの階段状斜面に突き当たると、垂直面同士の当たりと同様の関係が生じ、回転カム部材68の運動すなわち蓋の閉じ運動が規制される。例えば閉じ状態を0度とした場合、それに対して75度の位置まで近づいた時にこのような状態が成立するようになっており、すなわちそのような角度範囲において再び両手での操作を強要することにより、仮に測定室内に片方の手が差し込まれているような場合においても、本体と蓋との間において手を挟み込んでしまうことを効果的に防止可能である。
すなわち、(F)に示すように、蓋を閉じ運動させたい場合には、ハンドルを握っている手とは別の手でノブを操作して昇降カム部材64を上方に引き上げて2つの山形ブロック82A,82Bの頂点を2つの三角形ブロック76A,76Cの頂点を超える位置までもっていく必要がある。その状態が(G)に示されている。つまり、閉運動時において、手の挟み込みが生じそうな角度範囲においては両手での操作が要求されているのである。両手で蓋を操作する場合、自然に視線は蓋の上面を観察することになるから、他の異物の挟み込み等を防止できるという利点も得られる。
最終的に(H)に示すように2つのロック溝74A,74B内に2つの山形ブロック82A,82Bが嵌まり込み、その状態がロックされることになる。その際においてはノブが開放される。
図15には、以上のような動作内容が操作の観点から整理されている。(A)には開動作が示されており、(B)には閉動作が示されている。各セル中に記載されている数字は同じ角度条件での前後関係を表しており、数字の小さいものから大きいものへ順番に状態が移行することを表している。
符号104で示すように、開動作において蓋が原点位置にある場合に、まず片手により昇降ノブの引き上げ動作が行われ、これによりロック解除となる。その上で引き上げ状態を維持しつつもう一方の手によってグリップを操作して蓋が開き方向に操作される。符号106で示すように、旋回途中においては、本実施形態においては昇降ノブを解放可能であり、その場合においても旋回運動すなわち開き運動は格別規制されない。ただし、蓋の戻り運動は規制される。これによって途中からの蓋の戻り操作が阻止される結果、不用意な挟み込みといった問題が防止されている。符号108で示すように最大の旋回角度となった場合、まず所定の機構により蓋の旋回が強制的に止められた上で、昇降ノブを解放することにより、その開状態をロックすることができる。ちなみに符号106で示す状態から符号108で示す状態への移行にあたっては、昇降ノブの引き上げ操作を行わせるようにしてもよいし、そのような操作を行わせることなく自然に閉状態のロックが形成されるようにしてもよい。これについては上述した通りである。
一方、閉動作においては、符号110で示すように、片手により昇降ノブが上方に引き上げられ、これによりロックが解除され、もう一方の手でグリップすなわちハンドルが操作されて蓋に対して閉じ方向への操作力が与えられる。すると、符号112で示す旋回途中においては、昇降ノブを常時引き上げておく必要があり、すなわち手等の挟み込みを防止するために両手での操作が強要されている。仮に昇降ノブを解放した場合、閉じ運動そのものが規制されることになる。そして符号114で示すように、原点位置に到達した場合、まずグリップすなわちハンドルの操作によって蓋が0度に位置決められ、次に昇降のノブを解放させることにより閉ロック状態とすることができる。
以上のように、本実施形態においては、蓋の開閉にあたって、特に蓋の閉じ動作において、挟み込みが問題となる角度範囲に到達した場合には両手での操作が必要となっているので、一方の手での操作を行いながら他方の手が挟まれてしまうといった問題を確実に防止することができ、また両手での操作を必要としているので装置に対して使用者は自然に正対することになるから装置を十分視認確認した上で蓋の開閉を行えるという利点が得られる。
上述した実施形態においては2つのカム部材の当たり関係によってロック状態や戻り規制が実現されていたが、もちろん他の機構を用いてそのような状態を形成するようにしてもよい。駆動源を使って蓋の開閉を行わせることも可能であり、その場合においても両手でのスイッチやボタンの操作を求めることにより、上記同様に挟み込みを効果的に防止することが可能となる。
上記実施形態においては、ノブの上方への操作とハンドルへの水平方向への操作とが利用されており、すなわち2つの操作力が直交関係を持つように設定されていたため、片手において2つの操作を同時に実現するといったことが効果的に防止されている。またノブを上方に引き上げることになっており、ノブを押し下げる構成ではないため、不必要に何らかの物が乗っかってノブを押さえてしまうといった問題も未然に防止できる。また上記実施形態においては、ハンドルとノブの形状が完全に異なっており、具体的にはハンドルがボール状のグリップを有しており、ノブが平たいつまみ状の部材として構成されているため、2つの操作子の操作にあたってそれぞれを誤認する恐れも軽減できる。特に、グリップがボール状を有しているので、角度によらずに握り感を維持できるという利点が得られる。
10 測定装置(放射線測定装置)、12 演算装置(制御装置)、14 本体、16 蓋、18 測定室、20 プラスチックシンチレータ、22 光電子増倍管、34 ハンドル、36 旋回軸機構、64 昇降カム部材、68 回転カム部材。

Claims (12)

  1. 測定対象であるサンプルを収容する測定室を有する本体と、
    前記本体を覆う蓋と、
    前記本体に対して前記蓋を動かす機構であって、使用者の両手によって操作される第1操作子及び第2操作子を有する開閉機構と、
    を含み、
    前記本体は、前記サンプルからの放射線を検出する検出器と、前記測定室及び前記検出器を取り囲む本体側遮蔽部材と、を含み、
    前記蓋は、前記測定室の上側を覆う蓋側遮蔽部材を含み、
    前記開閉機構は前記本体に対して前記蓋を水平方向にスライド運動させる機構である、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  2. 請求項1記載の装置において
    記開閉機構は前記本体に対して前記蓋を水平方向に旋回運動させる機構である、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  3. 請求項記載の装置において、
    前記開閉機構は前記蓋の閉運動を規制する安全機構を含み、
    前記第1操作子は前記安全機構による規制を解除するための部材であり、
    前記第2操作子は前記蓋に対して運動力を及ぼすための部材であり、
    前記第1操作子及び前記第2操作子の同時操作により前記蓋を閉運動させ得る、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置において、
    前記開閉機構は前記蓋の閉状態をロックする閉状態ロック機構を含み、
    前記第1操作子は前記閉状態ロック機構によるロックを解除するための部材であり、
    前記第1操作子及び前記第2操作子の同時操作により前記閉状態のロックを解除した上で前記蓋の開運動を開始させ得る、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置において、
    前記開閉機構は前記蓋の開状態をロックする開状態ロック機構を含み、
    前記第1操作子は前記開状態ロック機構によるロックを解除するための部材であり、
    前記第1操作子及び前記第2操作子の同時操作により前記開状態のロックを解除した上で前記蓋の閉運動を開始させ得る、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置において、
    前記第1操作子は、前記蓋の上面よりも上方に突出した部材であって前記蓋の旋回軸位置に設けられ、
    前記第2操作子は、前記蓋の上面よりも上方に突出した部材であって前記蓋の中心を間において前記旋回軸位置に対する反対側の位置に設けられた、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置において、
    前記第1操作子と前記第2操作子は互いに異なる形態を有する、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  8. 測定対象であるサンプルを収容する測定室と、前記サンプルからの放射線を検出する検出器と、前記測定室及び前記検出器を取り囲む本体側遮蔽部材と、を有する本体と、
    前記本体を覆う部材であって蓋側遮蔽部材を有する蓋と、
    前記本体に対して前記蓋を水平方向に旋回運動させる機構であって、使用者の両手によって操作される第1操作子及び第2操作子を有する開閉機構と、
    を含み、
    前記開閉機構は、
    前記本体及び前記蓋の内の一方に連結された第1カム部材と、
    前記第1カム部材と組み合う部材あって、前記本体及び前記蓋の内の他方に連結された第2カム部材と、
    を含み、
    前記第1カム部材と前記第2カム部材の係合により前記蓋の閉運動が規制され、
    前記第1操作子は前記係合を解除する第1操作力が与えられる部材であり、
    前記第2操作子は前記蓋を旋回させる第2操作力が与えられる部材である、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  9. 請求項8記載の装置において、
    前記開閉機構は前記第1カム部材と前記第2カム部材との係合のための付勢力を生じさせる弾性部材を含み、
    前記第1操作力により前記第1カム部材が前記第2カム部材から離れる、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  10. 請求項9記載の装置において、
    前記第1操作力が及ぶ方向と前記第2操作力が及ぶ方向が直交関係にある、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  11. 請求項8記載の装置において、
    前記第1カム部材は第1の階段状斜面を有し、
    前記第2カム部材は第2の階段状斜面を有し、
    前記第1の階段状斜面と前記第2の階段状斜面とが接合した状態で前記蓋の閉運動が規制され、
    前記第1の階段状斜面と前記第2の階段状斜面とを離すことにより前記蓋の閉運動の規制が解除される、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  12. 請求項8記載の装置において、
    前記第1カム部材は、時計回り方向を向いた第1の階段状斜面と、反時計回り方向を向いた第1の階段状斜面と、を有し、
    前記第2カム部材は、反時計回り方向を向いた第2の階段状斜面と、時計回り方向を向いた第2の階段状斜面と、を有し、
    前記時計回り方向を向いた第1の階段状斜面と前記反時計回り方向を向いた第2の階段状斜面とが接合した状態で前記蓋の時計回り方向の閉運動が規制され、
    前記反時計回り方向を向いた第1の階段状斜面と前記時計回り方向を向いた第2の階段状斜面とが接合した状態で前記蓋の反時計回り方向の閉運動が規制され、
    前記第1カム部材と前記第2カム部材とを離すことにより前記蓋の時計回り方向及び反時計回り方向の閉運動の規制が解除される、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
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