JP5913706B1 - 放射能測定管理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
以上のように移送前の一連の作業を正確、かつ、効率的に実施するには、誰もが容易に操作する事できる操作性を有し、また、一連の作業を自動で正確に、かつ、効率的に実行する事を可能とする装置が必要と考えた。
中間貯蔵施設への移送は、出来る限り短期間で完了する事を目標としている。しかし、放射性廃棄物の再測定に要する時間は、目標達成の障害となるおそれがある。
旧タグの情報と再測定により得られた情報を正確に紐付けし、新タグの情報として管理する必要がある。また、中間貯蔵施設へ移送するに当たり、旧タグの情報に不足が有れば情報を追加、編集する必要がある。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
(第1の実施形態)
放射性廃棄物の中間貯蔵施設への移送にあたり、個々に容器に収納、管理されている放射性廃棄物の放射能濃度(Bq/kg)などの再測定を実施し、放射性廃棄物の格納容器に新タグを付与する。それと共に新たな管理ID下に旧タグの情報と再測定情報を紐付けしたデータを、新タグの情報としてデータベース化し管理する。本発明は、これら一連の作業を誰もが容易に実施可能であり、かつ決まった手順で操作するだけで正確かつ効率的に実行する放射能測定管理装置の発明である。この第1の実施形態では、放射性廃棄物の格納容器に付与する新タグが一次元バーコードである例について説明する。
放射能測定管理装置1は、操作・表示装置2と、管理コード読取機25と、データ記録装置3と、印字装置24と、測定データを受信する無線装置28a,29aの組み合わせと、無線装置28b,29bの組み合わせと、無線装置28c,29cの組み合わせと、を含んで構成される。操作・表示装置2は、例えばパーソナルコンピュータであり、ディスプレイ21と、濃度算出部22と、換算表23とを含んで構成される。操作・表示装置2には、無線装置28a〜28cと、印字装置24と、データ記録装置3とが接続される。
換算表23は、格納容器の種類と日時と換算係数との対応を示すテーブルであり、不図示の記憶部に格納される。この換算表23と測定した日時と格納容器の種類とに基づいて、濃度算出部22が換算係数を選択可能である。
データ記録装置3は、例えばファイルサーバであり、新管理情報データベース31を格納する。新管理情報データベース31には、放射性廃棄物の放射能濃度測定の一連の作業において取得した各情報が、旧タグ101の情報(管理情報)に紐付けられて格納される。この新管理情報データベース31には、旧タグ101の情報の放射能濃度(Bq/kg)情報や、現在実施されている中間貯蔵施設へ移送するための再測定作業による放射能濃度(Bq/kg)測定値が格納される。ここで放射能濃度は、放射性廃棄物表面の線量率(μSv/h)を測定し、その測定結果に換算表23の係数を乗じる事で求められる放射能量(Bq)と放射性廃棄物の質量(kg)から求められる。なお、図面では新管理情報データベース31のことを「新管理情報DB」と省略して記載している。
無線装置28a,29aの組み合わせは、線量測定器41と線量計5に接続される。線量計5は、シンチレータ5−1〜5−4を含んで構成される。シンチレータ5−1〜5−4によって線量測定器41がそれぞれ測定した線量率または/および放射能量の情報は、無線装置28a,29aを介して遠隔地から操作・表示装置2に送信される。これにより、作業者は放射性廃棄物に近づくことなく線量率または/および放射能量の情報を測定することができ、作業者の被ばくを低減することができる。
図2(a)は、中間貯蔵施設への移送前のフレキシブルコンテナ10を示している。
フレキシブルコンテナ10には、二次元バーコードが印刷された旧タグ101が貼り付けられている。この旧タグ101には、回収日、回収場所、質量(kg)、放射能量(Bq)、放射能濃度(Bq/kg)などがコード化されて格納されている。作業者は、このフレキシブルコンテナ10に中間貯蔵施設への移送前作業を実施することにより、中間貯蔵施設へ移送可能となる。なお、この旧タグ101は、二次元バーコードに限られず、一次元バーコードのタグや手書きの管理情報など、幾つかのケースがある。
フレキシブルコンテナ10には、旧タグ101と共に、一次元バーコードが印刷された新タグ102が貼り付けられている。この新タグ102には、新管理情報データベース31(図1参照)の情報を識別する識別情報が格納されている。
なお、放射性廃棄物の格納容器は、フレキシブルコンテナ10に限定されず、V5容器、土のう袋、ドラム缶、ポリビンなどの任意のものであってもよい。
新たなフレキシブルコンテナ10を処理する度に、この中間貯蔵施設への移送前作業が実施される。
先ず作業者は新管理IDを設定し(ステップS10)、管理コード読取機25により収納容器の旧タグ101の既管理情報を読込ませ(ステップS11)、旧タグ101の既管理情報に追加すべき情報があれば編集する(ステップS12)。
放射能測定管理装置1は、収納容器の放射能濃度を再測定(ステップS13)した後、再測定データを旧タグ101の既管理情報に紐付け(ステップS14)、不図示の統合管理システムと新管理情報データベース31へデータを登録し(ステップS15)、印字装置24により新管理IDバーコードを印刷する(ステップS16)。
現在、これら一連の作業は手作業により行われているが、第1の実施形態の放射能測定管理装置1によれば、決まった手順で操作するだけで、これら一連の作業を正確かつ効率的に実行することが可能となる。
操作画面7aは、ディスプレイ21に表示される。この操作画面7aの最上部には、ログ表示ボタン711と、設定ボタン712と、線量率表示ボタン713と、放射能量表示ボタン714とが表示されている。この操作画面7aは、線量率表示に係るものであることを示すため、線量率表示ボタン713が点灯し、放射能量表示ボタン714が消灯している。
ログ表示ボタン711をタップすると、後記する図6に示すログ表示画面80が表示される。ログ表示画面80は、既管理情報と再測定した情報とを紐付けした管理情報を表示する画面である。
設定ボタン712をタップすると、後記する図7に示す設定画面81が表示される。この設定画面81は、計算や判定に必要な数値を設定する画面である。
線量率表示ボタン713は、線量率表示に係る操作画面7aにおいて点灯する。放射能量表示ボタン714は、線量率表示に係る操作画面7aにおいて消灯し、この放射能量表示ボタン714をタップすると、後記する図5に示す放射能量表示に係る操作画面7bに切り替わる。
操作ガイダンス70の下側には、ID番号設定ボタン72と、ID番号テキストボックス721とが表示される。作業者がID番号設定ボタン72をタップすると、このID番号設定ボタン72が点灯して現在の作業内容を示し、ID番号テキストボックス721は文字入力可能となるので、移送前の一連の作業を誰もが容易に行う事できる。
このとき作業者は、ID番号テキストボックス721に対して新たなID番号を入力する。作業者が入力した新たなID番号は、新タグ識別情報として用いられる。
このコード情報テキストボックス731にて、作業者はテキストの追加・編集・削除が可能である。作業者が読取り編集完了ボタン732をタップすることにより、コード情報テキストボックス731は、追加・編集・削除が不可となる。
放射能濃度テキストボックス771の左側の円形のウイジェットは、この判定結果を色彩で示す。例えば緑色に点灯したときにはOK判定であり、赤色に点灯したときにはNG判定などである。換算係数テキストボックス772には、現在の日時における換算係数が表示される。この換算係数は、操作・表示装置2内にデータベース化された換算表23から、測定対象の格納容器の種別および測定日時に基づいて選択される。
本実施形態によれば、現在、手作業や手計算により行われている測定作業を自動化する事で、誰もが正確な測定データ、判定結果を得る事ができ、かつ、正確で効率的に作業を実施できる。
このディスプレイ21は、操作画面7aにおいて放射性廃棄物の放射能濃度の測定を指示するための複数のボタンを操作順序に並べて表示し、各操作ボタンおよび当該ボタンの指示により測定した放射性廃棄物の各情報を対応づけて表示している。更に操作画面7aにおいて、各ボタンに係る処理が実行されているときに、そのボタンを点灯し、その他のボタンを消灯している。これにより作業者は、再測定作業の進捗状況を容易に把握する事ができる。
なお、再測定情報は、線量率表示と放射能量表示を切り替えて表示する事ができる。以下の図5にて、放射能量表示に切り替えたときの例を説明する。
操作画面7bは、ディスプレイ21に表示される。操作画面7bの最上部には、操作画面7aと同様に、ログ表示ボタン711と、設定ボタン712と、線量率表示ボタン713と、放射能量表示ボタン714とが表示されている。この操作画面7bは、放射能量表示に係るものであることを示すため、放射能量表示ボタン714が点灯し、線量率表示ボタン713が消灯している。
ログ表示画面80は、既管理情報と再測定した情報とを紐付けした管理情報を表示する画面である。ログ表示画面80の1行目には既管理情報が示され、2,3行目には再測定した情報が示されている。このようにして、既管理情報と再測定した情報とを一覧表示することができる。
設定画面81には、計算係数テキストボックス811と、第1基準値テキストボックス812および第2基準値テキストボックス813が表示される。
作業者は、計算係数テキストボックス811に、再測定における平均放射能量(Bq)の計算係数を入力する。
作業者は、第1基準値テキストボックス812および第2基準値テキストボックス813は、再測定におけるOK/NG判定を行うための基準値を入力する。
作業者は、入力した設定値を設定するときには設定ボタン82をタップし、この設定値を取り消すときには取消ボタン83をタップする。
第2の実施形態では放射性廃棄物の格納容器に付与する新たなタグが、RFID(Radio Frequency IDentifier)である例について説明する。
図8は、第2の実施形態における放射性廃棄物の放射能測定管理装置1a,1bの構成図である。図1に示した第1の実施形態の放射能測定管理装置1と同一の要素には同一の符号を付与している。
第2の実施形態の放射能測定管理装置1a,1bは、図1に示した放射能測定管理装置1とは異なり、複数の操作・表示装置2を含んで構成される。例えば放射能測定管理装置1aは再測定の作業場所近傍に位置し、放射能測定管理装置1bは、管理室に位置する。これら放射能測定管理装置1a,1bの各ディスプレイ21には、同一の画面がミラー表示される。管理室にて作業者の画面を監視するので、作業者のミスをすぐさま把握して指摘することができる。
放射能測定管理装置1aは、RFID装置26を備えている。このRFID装置26は、フレキシブルコンテナ10に貼り付けられたRFIDを遠隔から読み書きすることができる。
図9(a)は、中間貯蔵施設への移送前のフレキシブルコンテナ10を示している。このフレキシブルコンテナ10は、図2(a)で示したものと同様である。
フレキシブルコンテナ10には、旧タグ101と共に、一次元バーコードが印刷されたRFIDタグ103が貼り付けられている。このRFIDタグ103には、新管理情報データベース31(図8参照)の情報を識別する識別情報が格納されている。このようにすることで、中間貯蔵施設へ移送後であっても、フレキシブルコンテナ10に貼り付けた管理情報を書き換えることができる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路などのハードウェアで実現してもよい。
2 操作・表示装置
21 ディスプレイ (表示手段の一例)
22 濃度算出部 (濃度算出手段の一例)
23 換算表
24 印字装置
25 管理コード読取機
26 RFID装置
28a〜28c,29a〜29c 無線装置
3 データ記録装置
31 新管理情報データベース
41 線量測定器
42 質量測定器
43 和算機
5 線量計
5−1〜5−4 シンチレータ
6 質量計
7a、7b 操作画面
70 操作ガイダンス
711 ログ表示ボタン
712 設定ボタン
713 線量率表示ボタン
714 放射能量表示ボタン
72 ID番号設定ボタン
721 ID番号テキストボックス
73 既管理データ読取り・編集ボタン
731 コード情報テキストボックス
732 読取り編集完了ボタン
74 質量測定ボタン
741 質量テキストボックス
75a 第1線量率測定ボタン (線量測定ボタンの一例)
751a〜754a,761a〜764a 線量率テキストボックス
75b 第1放射能量測定ボタン (線量測定ボタンの一例)
751b〜754b,761b〜764b 放射能量テキストボックス
76a 第2線量率測定ボタン (線量測定ボタンの一例)
76b 第2放射能量測定ボタン (線量測定ボタンの一例)
77 放射能濃度計算ボタン
771 放射能濃度テキストボックス
772 換算係数テキストボックス
781 平均線量率テキストボックス
782 最大線量率テキストボックス
783 平均放射能量テキストボックス
791 新タグ情報書出ボタン
792 測定完了・リセットボタン
80 ログ表示画面
81 設定画面
10 フレキシブルコンテナ
101 旧タグ
102 新タグ
103 RFIDタグ
Claims (12)
- 放射性廃棄物の放射能濃度の測定を指示するための複数のボタンを操作順序に並べて表示すると共に、各前記ボタンおよび当該ボタンの指示により測定した前記放射性廃棄物の各情報を対応づけて表示する表示手段と、
前記放射性廃棄物を測定した各前記情報から放射能濃度を算出する濃度算出手段と、
測定対象の格納容器の種別および測定日時と換算係数との対応を示す換算表を記憶する記憶手段と、
を備え、
質量計と線量計とに接続されており、
前記濃度算出手段は、測定対象の格納容器の種別および測定日時に基づいて前記換算表から換算係数を選択して、前記線量計により測定された線量率に対して当該換算係数を乗じた放射能量と、前記質量計による前記放射性廃棄物の測定質量により放射能濃度を算出する、
ことを特徴とする放射能測定管理装置。 - 前記複数のボタンは、
前記質量計による前記放射性廃棄物の測定を指示する質量測定ボタンと、
前記線量計による前記放射性廃棄物の測定を指示する線量測定ボタンと、
を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の放射能測定管理装置。 - 前記表示手段は、各前記線量計による前記放射性廃棄物の測定結果として、線量率表示
と放射能量表示とを切り替えて表示可能である、
ことを特徴とする請求項2に記載の放射能測定管理装置。 - 前記線量率表示にて、各前記線量計で測定した線量率の測定値、平均値、最大値および
放射能濃度を表示する、
ことを特徴とする請求項3に記載の放射能測定管理装置。 - 前記表示手段は、測定日時に基づいて前記換算表から選択された換算係数を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の放射能測定管理装置。 - 前記放射能量表示にて、各前記線量計で測定した放射能量の測定値、平均値および放射能濃度を表示する、
ことを特徴とする請求項3に記載の放射能測定管理装置。 - 前記濃度算出手段は、
各前記線量計により測定された放射能量の平均値と、前記質量計による前記放射性廃棄物の測定質量により前記放射能濃度を算出する、
ことを特徴とする請求項6に記載の放射能測定管理装置。 - 前記質量計または/および前記線量計に無線通信路を介して接続される、
ことを特徴とする請求項2に記載の放射能測定管理装置。 - 前記表示手段は、各前記ボタンによる指示内容のガイダンスを表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の放射能測定管理装置。 - 前記放射性廃棄物の放射能濃度の測定に係る一連の作業において取得した各情報を出力する出力手段、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の放射能測定管理装置。 - 前記放射性廃棄物の格納容器に貼付された管理情報を読み取る読取手段と、
前記放射性廃棄物の放射能濃度測定の一連の作業において取得した各情報を、前記管理情報に紐付けてデータベースに記録する記録手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の放射能測定管理装置。 - 前記表示手段を複数備えており、
各前記表示手段には、測定した前記放射性廃棄物の各情報がミラー表示される、
ことを特徴とする請求項1に記載の放射能測定管理装置。
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