JP6028194B2 - 鉄筋と圧着金具の圧着方法、及び圧着構造 - Google Patents
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例えば、特許文献1では、一対の鉄筋の一端部同士を、互いに付き合わせてスリーブ内に挿入した上、当該スリーブを外周面上から押圧して鉄筋にスリーブを圧着せしめる機械式継手が提供されている。
即ち、スリーブを鉄筋に圧着させる際、全体が一様な押圧力で圧着されていた場合に比して、圧着強度に変化をつけた方が、圧着強度を高められることが分かった。
図1は、本実施形態に係る鉄筋と圧着金具の圧着方法により、鉄筋を圧着金具とを圧着させた圧着構造を示している。
一対の鉄筋1、2は、端部を互いに対して向かい合わせした状態で、略円筒状のスリーブ3の貫挿孔3a内に挿入されている。さらに、貫挿孔3a内の鉄筋1、2の外周面には、スリーブ3の貫挿孔3aの内周面が圧着され、これによって一対の鉄筋1、2が連結されている。
このような圧着構造によれば、スリーブ3が鉄筋1、2に対して全体的に圧着された上で、圧着強度が相対的に高い部分と、相対的に低い部分が形成されており、圧着強度が一様に形成されている場合よりも、高い引張り強度をもたせることができる。
また、鉄筋1、2は、外周面上に、一定のピッチで互いに平行な凸状の節が形成された異形鉄筋である。
次に、図3に示される圧着工具4を用いて、スリーブ3の貫挿孔3aの内周面を、鉄筋1、2の外周面に圧着させる。
ここで、圧着工具4は、鉄筋1、2が挿入されたスリーブ3を上下から挟み込む略コの字形状の圧着部41を備え、内部には、圧着部41により挟み込んだスリーブ3に押圧力を加えるための油圧式圧着機構を備えている。
固定ダイス41aには、下面側に開口した断面半円形状の凹部411が形成され、この凹部411がスリーブ4の押圧面を構成する。
また、可動ダイス41bには、上面側に開口した断面半円形状の凹部412が形成され、この凹部412がスリーブ4の押圧面を構成する。この可動ダイス4は、油圧式圧着機構を構成するピストンの先端に嵌着されており、ピストンの動きにしたがって上下する。これにより、固定ダイス41aと可動ダイス41bの間隔を広げたり狭めたりすることができる。
この状態においてスリーブ3は、全体が同一の径に縮径されており、全体において同一の圧着強度で鉄筋1、2に圧着されている。
この状態からさらに、スリーブ3の外周面を、軸心方向に沿って一定の間隔ごとに、圧着工具4を用いて押圧し、鉄筋1、2に再圧着させる。
図5に示されるように、スリーブ3の再圧着された部分はさらに縮径され、再圧着されなかった部分に比して小径となり、小径部31を構成する。一方、再圧着されなかった部分は、再圧着された部分に比して大径となり、大径部32を構成する。
このように圧着強度が相対的に高い部分と、相対的に低い部分が交互に形成されることで、圧着強度が一様に形成された場合よりも、高い引張り強度をもたせることができる。
第一の実施形態では、第一圧着工程を経たスリーブ3を、一定間隔ごとにさらに縮径させて小径部31を形成したが、本実施形態では第二圧着工程において、第一圧着工程を経たスリーブ3を、鉄筋1、2に局所的に再圧着させる。
それから、図6に示されるように、固定ダイス51aと可動ダイス51bを備えた圧着工具を用い、局所的にスリーブ3を鉄筋1、2に再圧着させる。
ここで、固定ダイス51aと可動ダイス51bは、本実施形態で用いられる圧着工具のダイスの形状を模式的に示しており、固定ダイス51aと可動ダイス51b以外の圧着工具の構造は、圧着工具4と同様である。
可動ダイス51bには、上面側に開口した断面半円形状の凹部512が形成され、この凹部512がスリーブ4の押圧面を構成する。また、凹部512の中央には、上方に突出した突起部512aが設けられている。この可動ダイス51bは、油圧式圧着機構を構成するピストンの先端に嵌着されており、ピストンの動きにしたがって上下する。これにより、圧着工具4と同様、固定ダイス51aと可動ダイス51bの間隔を広げたり狭めたりすることができる。
凹部33は、第一圧着工程と第二圧着工程の二回の圧着工程により、他の部分よりも強固に鉄筋1、2に圧着されている。その結果、圧着強度が相対的に高い部分が局所的に形成された状態となる。
このように圧着強度が相対的に高い部分が局所的に形成されることで、圧着強度が一様に形成された場合よりも、高い引張り強度をもたせることができる。
本例は、図8に示される、鉄筋1、2、スリーブ6、7、及びスリーブ6、7を連結する連結ボルト8によって形成される圧着構造に対して、本実施形態に係る鉄筋と圧着金具の圧着方法を適用したものである。
また、このスリーブ6、7は夫々、一端側が鉄筋1、2を挿入するための貫挿部61、71を構成し、他端側が連結ボルト8を取り付けるための螺合部62、72を構成している。
この螺合部62、72の貫挿孔6a、7aの内周面には、連結ボルト8の外周面上に形成されている雄ネジに螺合する雌ネジが螺刻されている。
この連結ボルト8の径は、スリーブ6、7の螺合部62、72の貫挿孔6a、7aの径に対応しており、連結ボルト8は、スリーブ6、7の螺合部62、72の貫挿孔6a、7aに螺入させることができる。
さらに、連結ボルト8の軸心方向の長さは、螺合部62、72の長さの約2倍であり、一端側をスリーブ6の螺合部62に螺入させると共に、他端側をスリーブ7の螺合部72に螺入させることでき、これにより、鉄筋1、2が挿入されたスリーブ6、7同士を連結することができる。
まず、スリーブ6の貫挿部61の貫挿孔6aに、開口部から鉄筋1の端部を挿入すると共に、スリーブ7の貫挿部71の貫挿孔7aに、開口部から鉄筋2の端部を挿入する。
次に、既述した圧着工具4を用いて、スリーブ6、7の貫挿部61、71を押圧し、貫挿部61、71における貫挿孔6a、7aの内周面を夫々、鉄筋1、2の外周面に圧着させる。
さらに、スリーブ6の螺合部62の貫挿孔6aに連結ボルト8の一端を螺入させると共に、スリーブ7の螺合部72の貫挿孔7aに連結ボルト8の他端を螺入させる。
この状態からさらに、スリーブ6、7の貫挿部61、71の外周面を、軸心方向に沿って一定の間隔ごとに、圧着工具4を用いて押圧し、鉄筋1、2に再圧着させる。
図10に示されるように、再圧着された部分はさらに縮径され、再圧着されなかった部分に比して小径となり、小径部611、711を構成する。一方、再圧着されなかった部分は、再圧着された部分に比して大径となり、大径部612、712を構成する。
本例は、図11に示される、鉄筋1、及び鉄筋1に圧着される圧着金具9によって形成される圧着構造に対して、本実施形態に係る鉄筋と圧着金具の圧着方法を適用したものである。
なお、圧着金具9は、圧着下鉄筋1ごとコンクリート内に埋設されて、鉄筋1をコンクリート内に定着させる金具である。
貫挿孔9aの径は、鉄筋1の径よりも僅かに大きく、鉄筋1を挿入することができる。
まず、圧着金具9の貫挿孔9aに、開口部から鉄筋1の端部を挿入する。
次に、既述した圧着工具4を用いて、圧着金具9の本体部91の外周面を径方向内側に押圧する。
圧着工具4による押圧よって、圧着金具9の本体部91が縮径されると、図11に示されるように、圧着金具9の貫挿孔9aの内周面が鉄筋1の外周面に圧着した状態となる。
この状態からさらに、圧着金具9の本体部91の外周面を、軸心方向に沿って一定の間隔ごとに、圧着工具4を用いて押圧し、鉄筋1に再圧着させる。
図12に示されるように、再圧着された部分はさらに縮径され、再圧着されなかった部分に比して小径となり、小径部911を構成する。一方、再圧着されなかった部分は、再圧着された部分に比して大径となり、大径部912を構成する。
鉄筋1、2が挿入されるスリーブ3の貫挿孔3aの開口部近傍に偏った位置に小径部31を形成することで、貫挿孔3a内に挿入された鉄筋1、2の動きがより強く規制され、引張強度を高めることができる。
なお、この圧着方法又は圧着構造は、鉄筋1、2、スリーブ6、7、及び連結ボルト8による圧着構造や、鉄筋1と圧着金具9による圧着構造においても、同様に応用できる。
2 鉄筋
3 スリーブ
3a 貫挿孔
31 小径部
32 大径部
33 凹部
4 圧着工具
41 圧着部
41a 固定ダイス
411 凹部
41b 可動ダイス
412 凹部
51a 固定ダイス
511 凹部
511a 突起部
51b 可動ダイス
512 凹部
512a 突起部
6 スリーブ
6a 貫挿孔
61 貫挿部
611 小径部
612 大径部
62 螺合部
7 スリーブ
7a 貫挿孔
71 貫挿部
711 小径部
712 大径部
72 螺合部
8 連結ボルト
9 圧着金具
9a 貫挿孔
91 本体部
911 小径部
912 大径部
92 定着部
Claims (2)
- 鉄筋に、当該鉄筋を挿入するための貫挿孔が形成された略筒状の圧着金具を、圧着させる方法であって、
上記貫挿孔内に鉄筋が挿入された圧着金具の外周面全体を径方向内側に押圧して、上記鉄筋に上記圧着金具の貫挿孔の内周面全体を圧着させる第一の圧着工程と、
上記内周面全体が鉄筋に圧着された圧着金具の外周面を、部分的に再度、径方向内側に押圧して、上記鉄筋に上記圧着金具の貫挿孔の内周面を、部分的により強固に圧着させる第二の圧着工程と、を有する、
ことを特徴とする鉄筋と圧着金具の圧着方法。 - 上記第二の圧着工程は、上記内周面全体が鉄筋に圧着された圧着金具の外周面を、軸心方向に一定の間隔ごとに径方向内側に押圧して、上記鉄筋に上記圧着金具の貫挿孔の内周面を、軸心方向に一定の間隔ごとにより強固に再圧着させる、
請求項1記載の鉄筋と圧着金具の圧着方法。
Priority Applications (1)
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JP2012093488A JP6028194B2 (ja) | 2012-04-17 | 2012-04-17 | 鉄筋と圧着金具の圧着方法、及び圧着構造 |
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JP2012093488A JP6028194B2 (ja) | 2012-04-17 | 2012-04-17 | 鉄筋と圧着金具の圧着方法、及び圧着構造 |
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Family Applications (1)
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2012
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