本発明は、一般的に物体の構造的特性の評価に関し、そしてより明確には、その上にエネルギー適用した後の、物体のインテグリティを反映する構造的特性の評価に関する。
物体が衝突力にあてられるときに、応力波が物体を通して伝播される。この応力波は、物体の内部構造に変形を引き起こす。物体は、その動作を変形するように、一部、衝突吸収装置として、衝突(衝撃,percussion)に関連する機械的エネルギーの部分を消失する。機械的エネルギーを消失する物体の能力は、一般に物体の“緩衝能力”(damping capacity)として参照され、物体を構成する材料の種類及び構造的インテグリティを含む各種要因に依存する。
物体の緩衝能力を測定できる計器がある。そのような計器の例は、2000年9月19日に発行された“System and Method for Quantitave Measurements of Energy Damping Capacity”という題名の米国特許6,120,446号(‘466特許)、に記述される。‘466特許に開示された計器は、損失係数17として参照され、物体の緩衝能力の定量的測定の指標を提供する。弾性波のエネルギーは、比較的に高損失係数で比較的に速く材料内に減衰することもあるが、弾性波のエネルギーは、比較的に低損失係数で比較的に遅く材料内に減衰することもある。
物体の緩衝能力は、多種の応用において重要なパラメータである。例えば、歯科医術の分野において、健康な歯が衝突力にさらされたとき、衝突(衝撃,percussion)に関連する機械的エネルギーは、歯周の靭帯によって大部分が消失される。衝突力に関連する機械的エネルギーを消失する能力を減少させ、全体的に歯の安定性を減少させる歯周の靭帯構造における変化は、歯の損失係数を計測することによって検出されることができる。
発明の要約
本発明は、物体の構造的特性を計測するためのシステム及び方法に関する。物体は、エネルギー適用プロセスに当てられてもよく、そして、システムは、エネルギー適用プロセス後の物体の構造的特性の定量的測定の目標を提供するために適応される。本システム及び方法は、より再生可能な測定を生成することができ、そして物体に存在し得る任意の異常を検出することがよりよくできる。
本発明は、更に、エネルギー適用ツールを用いた構造的特性の測定のためのシステムと方法に関し、システムの測定あるいは性能に干渉することなく、システムから伝播される、測定を受ける物体の汚染、あるいは、測定を受けた前の物体からの相互汚染を消去、あるいは、最小化することを助ける破棄可能なフィーチャを含む。システムは、エネルギー適用ツールを拭いたり、高圧蒸気滅菌を行う必要なく、同時に、エネルギー適用ツールの全体を廃棄することなく、そのような測定を受ける物体といくらか接触する、測定の非破壊的方法を提供する。廃棄可能なフィーチャは、望まれるなら、装置の感度、再現可能性、あるいは、一般的な動作に、実質的な程度の干渉をすることなく、測定を受ける物体に接触することのできる、システムの一部を包む膜を含む事が出来る。膜そのものは、物体と接触してもしなくても良く、物体と通常は接触しない、打診棒の一部のようなエネルギー適用ツールの残り部分を含む、システムの残り部分を保護するのみとすることが出来る。廃棄可能なフィーチャは、任意の衝突ツールなどの、任意の既存のエネルギー適用ツールに使用されることができ、システムは、テストされるべき物体に接触するスリーブフィーチャあるいは、再現可能性を助けるフィーチャを含んでも、含まなくても良い。
システムは、例えば、再現可能な測定に対してそのような測定を受ける物体上に直接的に再現可能に配置することができる衝撃(衝突、percussion)器具のような装置を含んでもよく、使用前にエネルギー適用ツールを拭いたり、高圧蒸気滅菌をすることなく、システムあるいは物体から伝播される、測定を受ける物体、あるいは、エネルギー適用ツールの汚染あるいは相互汚染、あるいは、測定を受けた前の物体からの相互汚染を消去する、あるいは、最小化することを助ける廃棄可能なフィーチャを含む事が出来る。
本明細書に定義される構造的特性は、振動緩衝能力、音響緩衝能力、例えば、物体を構成する骨又は材料内の固有欠陥を含む欠陥、亀裂、微亀裂、欠損、微欠損、例えば、固定部及び/あるいは土台への物体のセメントシールの損失、例えば、物体と、固定部及び/あるいは土台との間のセメント破損、例えば、物体と、固定部及び/あるいは土台との間の接着層破損、例えば、物体からの、及び/あるいは、物体と、固定部及び/あるいは土台のと間の微漏出、損傷、腐食、一般の構造的インテグリティ又は一般の構造的安定性を含んでもよい。歯、自然歯、人工の歯科インプラント構造、歯構造、整形外科的構造又は整形外科インプラントのような解剖学的物体に対して、そのような特性は、物体の健全性、又は、物体が据え付けられ又は取り付けられ得る下の土台の健全性を示し得る。物体及び/又は下の土台の健全性は、また、密度又は骨密度、又は亀裂、欠損、微欠損、微亀裂、セメントシールの損失、セメント破損、接着層破損、微漏出、損傷、腐食、又はそれらの組み合わせといった任意の固有又はその他の欠陥の骨結合のレベルに相互に関連し得る。一般の物体に対して、例えば、ハニカム又は層状のハニカムを含む重合体複合物の構造又は飛行機、自動車、船、橋、ビルの金属複合物の構造、限定するものではないが、発電施設を含む工業構造、アーチ構造、又は他の類似物理的構造、そのような測定はまた、欠陥又は亀裂、ひび割れ欠損又は微亀裂などのような任意の構造的インテグリティ又は構造的安定性に相互に関連し得る
更に、衝撃力に関連した機械的エネルギーを発散する能力を減退させ、したがって、全体の歯構造の安定性を減退させる歯の構造における変化は、理想的な非損失サンプルと比較した、エネルギーリターンデータの評価によって検知することができる。
ある例示的実施形態においては、装置は、開放端を有する筐体を有するハンドピースと、開放端の移動のために、筐体内部に搭載された、例えば、打診棒あるいは衝撃棒などのエネルギー適用ツールと、を含む事が出来る。筐体は、縦軸(長手軸)を有し、エネルギー適用ツールは、静止(resting)構成と作動構成とをとり得る長さを有する。
一実施形態では、エネルギー適用ツールが、筐体の縦軸(長手軸)に沿って軸上に動くとき、静止構成は引き込み形態であり、作動構成は伸張形態であることができ、引き込み形態は、筐体の開放端から引き込まれ、あるいは、筐体の開放端と実質的に同一の範囲である。例えば、打診棒などのエネルギー適用ツールの移動は、動作中、引き込み位置と伸張位置との間で、筐体内部で軸方向に打診棒を駆動するために、筐体内部に搭載されたドライブ機構によって行なわれても良い。伸張位置では、打診棒の自由端は、筐体の開放端から伸張あるいは突出することができる。
他の実施形態においては、静止構成は、筐体の縦軸(長手軸)に実質的に平行な形態とし、作動構成は、例えば、筐体内に搭載される打診棒あるいは衝撃棒などのエネルギー適用ツールが、例えば、縦軸の支点の周りに前後に揺れるなどして、筐体の縦軸と鋭角を形成するときの形態とすることができる。したがって、エネルギー適用ツールは、筐体の縦軸と実質的に平行な位置から、支点において、筐体の縦軸と鋭角をなす位置へ振動する。エネルギー適用ツールは、測定中、水平あるいは他の位置に保持されることができ、ツールの主な部分に実質的に垂直な先端部部分を有することができ、静止あるいは衝撃のいずれにおいても、一定の長さを維持する。例えば、打診棒などのエネルギー適用ツールの動きは、先端部が上下順番に振動する間、打診棒を、筐体の縦軸と実質的に平行な位置から、支点において、軸と鋭角をなす位置への動きとその反対の動きを駆動する、筐体内に搭載されるドライブ機構によってなされることができる。この実施形態を用いると、測定は、例えば、患者の歯の臼歯領域など、比較的届きにくい位置において行うことが出来る。
ドライブ機構は、電磁機構であってもよく、そして電磁コイルを有してもよい。1つの実施形態において、ドライブ機構は、エネルギー適用ツールの後側に固定される永久磁石を含んでもよく、例えば、打診棒と電磁コイルは、この永久磁石の軸方向後方に置かれてもよい。ハンドピース筐体の後部及び任意の電気的供給線と共に、電磁コイルは、構造的ユニットを形成する。この構造的ユニットは、完全に操作可能であり、そして、例えば、適した遊離可能な接続によって残りの装置に接続されてもよい。この遊離可能な接続は、例えば、スクリュー式接続又はプラグ式接続である。この遊離可能な接続は、手入れ、修理及び他の処理を容易なものとする。
打診棒のようなエネルギー適用ツールは、筐体の前部に置かれ、そして打診棒に対する取り付け機構は、摩擦なしのベアリングを含んでもよい。これらのベアリングは、1つ又は複数の軸上の開口部を含んでもよく、このように筐体によって形成された隣のチャンバーと打診棒は、空気交換のために互いに連通する。
1つの実施形態において、打診棒は、その長さ全体に渡って実質的に一定の断面構造を有してもよく、そして上述のように、自由端から離れた端に永久磁石の集合が取り付けられている。ドライブ機構の電磁コイルは、上述のように、打診棒の他端の後ろに置かれてもよく、そうすることでハンドピースの外径を比較的小さくすることができる。本実施形態において、ハンドピース筐体の外径は、打診棒の横断面、筐体内の打診棒の取り付け機構、そして筐体の壁の厚さのみによって実質的に画定されてもよい。
本発明の一例示的実施形態においては、例えば、衝撃棒あるいは打診棒のようなエネルギー適用ツールは、棒の大部分と実質的に平行か、打診棒の大部分と実質的に垂直な、それ(前部)に取り付けられる着脱可能な先端部を有する前部と、ドライブ機構と隣接した後部と、を有することが出来る。先端部部分は、患者の歯あるいは他の治療面などのテスト面に接触することができ、磁気によって、打診棒の前部に接続されることが出来る。一形態では、前部の端は、その上に配置された磁石を有することが出来る。他の形態では、前部の端は、磁力によって、先端部上に保持するために、磁気素子を含む事が出来る。一実施形態では、磁石あるいは磁気素子は、エネルギー適用ツールの前部上に存在することが出来る。他の実施形態では、磁石あるいは磁気素子は、着脱可能な先端部上に存在することが出来る。
本発明の一実施形態では、装置は、エネルギー適用ツールの先端部の周りに一体成形される事が出来る膜を含むことが出来、それは、先端部全体、及びエネルギー適用ツールアセンブリの残り部分を包み込むハンドピース筐体を実質的に覆う。先端部は、着脱可能でも、あるいは、着脱可能でなくてもよく、破棄可能であってもなくてもよい。膜は、打診棒のようなエネルギー適用ツールの動作に最小の影響しか与えないように選択されてもよい。一形態では、破棄可能フィーチャは、ドライブ機構に面する1つの開放端を有する、あるいは、それを有しない膜を含むことが出来る。先端部による、打診棒の前部への接続は、着脱可能であれば、磁石によって形成されることが出来、先端部は、テスト面と接触しないので、再利用しても良い。更なる形態においては、膜は、先端部全体を覆うことが出来、打診棒アセンブリを包む前部筐体の両側に折りたたみあるいは溝(flutes)を含み、膜を破らずに、打診棒を伸張し、引き込むことができるようにするだろう。
本発明の他の実施形態においては、廃棄可能なフィーチャは、別個の先端部と膜を含むことが出来る。膜は、1つの開放端を有し、打診棒アセンブリなどのエネルギー適用ツールアセンブリを包むハンドピース筐体の前部と実質的に同様な形状とサイズの中空内部を含むことが出来、打診棒の前端に接続されている着脱可能な先端部に閉鎖端が面しつつ、打診棒アセンブリを包むハンドピース筐体の前端の周りに硬くフィッティングされる、あるいは、固定されることができる。膜は、着脱可能な先端部を覆っていないため、着脱可能な先端部は、測定をされる物体に曝される。そのため、着脱可能な先端部は、廃棄可能であるようにする。廃棄可能なアセンブリは、製造工程において組み立てられ、ユニットとして販売され、あるいは、歯科医院で組み立てられ、別個に販売されることが出来る。一実施形態では、磁石あるいは磁気素子は、打診棒などの適用ツールの前端に存在することができる。他の実施形態では、磁石あるいは磁気素子は、着脱可能な先端部上に存在することが出来る。一形態では、着脱可能な先端部は、打診棒を包むハンドピース筐体の前端を覆う膜を介して、同様に膜によって覆われる打診棒アセンブリの前端における磁石あるいは磁気素子によって、磁気的に、打診棒アセンブリの前端に接続されることが出来る。他の形態では、着脱可能な先端部は、打診棒アセンブリの前端を覆う膜を介して、着脱可能な先端部上の磁石あるいは磁気素子によって、磁気的に、打診棒の前端に接続されることが出来る。したがって、着脱可能な先端部は、暴露されることから、廃棄が可能であるようにする。
本発明の更なる実施形態においては、例えば衝撃棒あるいは打診棒などのエネルギー適用ツールは、患者の歯あるいは任意の他の治療面などのテスト面に接触する前部と、ドライブ機構と隣接する後部と、を有することができる。ハンドピース筐体に包まれる前部は、膜などの廃棄可能なフィーチャ内に完全に覆われ、テスト面に接触しないようにすることが出来る。一実施形態では、打診棒の前部は、打診棒の大部分と垂直であることができる先端部を含むことが出来、膜は、打診棒アセンブリを包むハンドピース筐体の前部の両面上に、折りたたみ、あるいは、溝を含むことが出来る。折りたたみ、あるいは、溝により、膜を破らずに、ハンドピースの筐体の縦軸と実質的に平行な位置から、支点におけるハンドピースの筐体の縦軸と鋭角をなす位置に、打診棒を振動させることができる。他の実施形態においては、膜が打診棒の大部分と実質的に垂直な打診棒の先端部を覆うのみであるなら、エネルギー適用ツールが、ハンドピースの筐体の縦軸に実質的に平行な位置から、支点において、ハンドピースの筐体の縦軸と鋭角をなす位置まで動くとき、折りたたみ、あるいは、溝は、必要ではないだろう。一実施形態では、スリーブがない場合、廃棄可能な膜は、襟部分で保持されることが出来る。スリーブがある場合、襟部分とスリーブは、一体化されることが出来、廃棄可能な膜は、結合されたスリーブと襟部分で保持されることが出来、スリーブの部分は、廃棄可能な膜で覆われるか、廃棄可能であることができる。一形態では、膜は、スリーブによって、一体的に、あるいは、取除き可能に保持されることが出来、スリーブ全体と膜の両方は、廃棄可能とすることが出来る。他の形態では、膜は、スリーブによって、一体的に、あるいは、取除き可能に保持されることが出来、膜のみを廃棄可能とすることができる。
一形態では、スリーブは、筐体の大部分を覆うことが出来、物体と接触するスリーブの前部は、残り部分と切り離すことができ、その分離可能な部分は、廃棄可能であることができる。他の形態では、筐体の大部分を覆うスリーブ全体は、廃棄可能とすることができる。
ハンドピース自体は、外部電力供給に繋げられてもよく、又は、筐体内に含まれる例えば、電池、コンデンサ、変換器、ソーラセル、外部ソース且つ/又は他の適当なソースのような電気的ソースによって駆動されてもよい。
1つの実施形態において、ドライブ機構と打診棒のようなエネルギー適用ツール間の通信は、絶縁された導電性ワイヤのリード又は線を通じてもよい。このリード又は線は、打診棒の周りを同心螺旋状に巻かれてもよく、ばねのような弾性を有する。これはまた、線をやりとりするのに必要最小限の空間を可能にし得る。加えて、螺旋状に巻かれたワイヤによって形成された螺旋状のばねは、ワイヤ接続のルーピング又はねじれの回避又は防止の助けになり得る。
他の実施形態では、ドライブ機構との間の通信は、任意の適切な無線接続によって無線で伝送することが出来る。螺旋状のばねは、もしあるなら、ねじられた2つの個々ワイヤ又は同軸線を有するワイヤを撚って構成されてもよい。ばねが積載された状態において、ばねは、その予応力が摩擦力に一致する程度まで圧縮されてもよく、そして、エネルギー適用ツールの前方向への動きの間、例えば、打診棒の引込位置から伸長位置への動きの間、あるいは、筐体の縦軸と実質的に平行な位置から支点において軸と鋭角をなす位置までの動きの間、この摩擦力に対抗する。ばねの予応力経路は、ゆえに、打診棒のストロークよりもかなり大きく、そのようにばね力は、打診棒のストローク全体に実質的に一定である。前方向への動きの間、打診棒のための取り付け機構のベアリングの任意の望ましくない摩擦力は、また、このばねによって実質的に打ち消されるようにしてもよい。
1つの形態において、ドライブ機構は、打診棒のようなエネルギー適用ツールとの結合のため、例えば、ハンドピース筐体内に配置された圧電力センサの測定装置を含んでもよい。測定装置は、操作中の物体との衝突(impact)、又は打診棒によって引き起こされる試料上の任意の振動に基づいて、打診棒の減速度を測定するために適応される。圧電力センサは、物体の特性における変化を検出してもよく、そして、その内部特性を客観的に定量化してもよい。圧電力センサによって転送されたデータは、さらに以下に述べられるシステムプログラムによって処理されてもよい。
他の形態において、ドライブ機構は、エネルギー適用の以前、間、そして以降に、打診棒のようなエネルギー適用ツールの変異を感知且つ/又は測定するために適応された線形可変差動変圧器を含んでもよい。線形可変差動変圧器は、非接触線形変異センサであってもよい。センサは、誘導技術を用いてもよく、そして故に、任意の金属対象を感知することが可能である。また、結果から重力の影響が除去され得るように、非接触変異測定は、衝突(衝撃,percussion)を与える直前の速度と加速度をコンピュータに特定させるようにしてもよい。
筐体の開放端に、スリーブを配置することができる。一実施形態では、スリーブは、少なくとも筐体の自由端の長さで取り付け、及び/あるいは囲むことができ、打診棒が軸方向に移動するなら、伸張形態において、打診棒の端と実質的に同一の範囲の長さに渡って、筐体から差し出る。したがって、スリーブの長さは、望ましい長さに伸長された打診棒の差出の長さに依存することができる。スリーブの自由端は、測定を受ける物体に対して配置されることができる。スリーブによる接触は、ハンドピースを物体上に安定化させるのを助ける。他の実施形態においては、スリーブは、打診棒が、動作中、実質平行な状態から、支点において、筐体の縦軸と鋭角をなす状態まで移動するとき、実質的に垂直な、筐体の端に取り付けられることができる。スリーブは、実質的に円筒形状であることができる。更なる実施形態においては、打診棒が、動作中、実質的に平行な状態から筐体の縦軸と鋭角をなす状態まで動くとき、打診棒が自由に動けるように、スリーブは、実質的に半円筒形状の、筐体の延長とすることができる。このシステムを使うことによって、測定を、例えば、患者の歯の臼歯領域など、比較的とどきにくい位置で行うことができる。
一実施形態では、筐体は、スリーブに囲まれた端に向かって先細りになるようにしてもよく、こうすることで、スリーブが取り付けられたとき、装置が、実質的に均一な寸法を有するようにすることができる。他の実施形態では、筐体は、実質的に均一な寸法を有することができ、スリーブは、自身が囲む端の寸法を、ある大きさまで拡張することができる。更なる実施形態においては、スリーブ自身は、自由端に向かって逆先細りとし、物体と接触する平坦領域を広くするようにすることができる。
測定の間、装置は、スリーブの端で、物体に接触することが出来る。接触圧力は、オペレータにより可変することが出来る。圧力は、所定の範囲で整合性良く印加され、その範囲が過大でないことが望ましい。力センサなどのセンサは、この圧力印加を検知するために、ハンドピース内に含まれることができ、視覚信号あるいはデジタル読み取り値を伴うことができる。このセンサは、測定の間、物体に対する適切なアラインメントを得ることを保証するためにも用いることが出来る。
1つの実例の実施形態において、スリーブは、その端の部分から差出ているタブを含み、そのようにしてスリーブの自由端が測定を受ける物体の表面の少なくともある部分と接触状態にあるとき、タブは、物体の上部に残ってもよい。タブとスリーブは共に、物体に関連するハンドピースの繰り返し可能な配置において補助し、故に、タブなしよりも結果がより再現可能である。加えて、タブは、常に物体の上部上の同一位置に実質的に繰り返して配置されるように適応されてもよい。1つの実施形態において、タブは、スリーブの縦軸と実質的に平行であってもよい。
他の実例の実施形態において、スリーブは、タブと、例えば、物体の表面に面するタブの面の表面に実質的に垂直なリッジ、突出又は、他のフィーチャのようなフィーチャを含むことができる。例えば、歯に対して、リッジ又は突出は、隣接歯又は他の垂直表面の間にネストしてもよく、そうすることで、物体の表面を横切る実質的に横又は縦方向のタブの動きを防止するのを助け、且つ/又は再現性において更に助けとなる。タブは、物体の上部の長さ又は幅に依存して十分な長さ又は幅であってもよく、そのようにしてリッジ又は突出は、操作中に適切に配置されてもよい。再度、タブとフィーチャはまた、タブなしよりも結果を再現するのを助ける。
1つの形態において、例えば、物体が歯であれば、隣接歯間に適合し得るように、フィーチャは、短くてそして十分に小さい厚さであってもよい。他の形態において、例えば、物体が歯であれば、フィーチャは、短くてそして隣接歯の上部間に適合するように形成されてもよい。また、他の形態において、例えば、物体が歯であれば、フィーチャは、タブが歯の上部に静止している間、歯の後又は前表面を支え、後又は前表面の大部分をカバーするための寸法であってもよい。
タブ且つ/又はタブ及びフィーチャは、歯又は上述の機械的又は工業的構造、複合物及び類似物のような物体上の器具の再現可能な配置の補助を果たすだけではなく、タブ且つ/又はタブ及びフィーチャはまた、エネルギー適用又はたたく方向と並行する方向以外の方向に、歯又は上述の機械的又は工業的構造、複合物及び類似物のような物体が移動することを避ける助けを果たす。これは、物体且つ/又は土台の任意の不要な外乱を最小限にするのを助け、テスト中のこれらの他の外乱から起こり得る問題を固定し、故に検出の感度且つ/又は精度にさらに寄与する。
それから差出るタブを有さないスリーブの端は、平坦又は実質的に平坦であってもよく、そして物体の上部と接触するタブの部分は、また、平坦又は実質的に平坦であってもよい。タブは、スリーブの端から実質的に平行方向に伸長してもよい。1つの形態において、タブは、スリーブの端から差出る以前の距離に対してスリーブと一体であってもよく、スリーブから差出る後のスリーブの横断面の外形を実質的に保つ。他の形態において、タブは、スリーブの上部又は底部から一様に差出てもよく、しかし、スリーブから差出る後のスリーブの横断面とは実質的に異なる横断面の外形を有する。
1つの実例の実施形態において、タブは、物体の表面の外形を実質的にミラーする接触表面を有してもよく、直接物体上に装置を再現可能に配置するのを補助するために、使用中に物体と接触する。
1つの実施形態において、タブの差出ている部分は、長方形の横断面を有してもよい。他の実施形態において、タブの差出ている部分は、わずかなアーチ形の上部を有してもよい。また他の実施形態において、タブの差出ている部分は、物体と接触することになる表面の外形と一致してもよい。
任意の実施形態において、支えている物体上に任意のつかみを防止するために、タブのコナーは、なめらか又は丸くされ又は実質的になめらか又は丸くされる。
一般に、本装置は、例えば、物体上に打診棒のようなものを打つといった、エネルギー適用を通じて振動が生成される、任意の測定の実施において有用である。接触しない従来装置に対して、たたく動作中に、装置は、物体との接触が保たれることが利点である。
スリーブとタブは、且つ/又はスリーブ、タブとフィーチャは、振動減衰、音響減衰、又は振動減衰特性を有する任意の材料から作られてもよく、そして、スリーブは、スリーブからハンドピースの筐体へと伝わる任意の振動が実質的に減衰され得るような長さを有してもよい。1つの実施形態において、スリーブとスリーブに隣接する筐体の端は、同一の材料から作られてもよい。他の実施形態において、スリーブとスリーブが取り付けられる筐体の端は、類似の振動減衰特性を有する材料から作られてもよい。また他の実施形態において、スリーブとスリーブが取り付けられる筐体の端は、異なる振動減衰特性を有する材料から作られてもよい。また他の実施形態において、スリーブは、その表面又は複数の表面上に振動減衰性コーティングを有する任意の材料から作られてもよい。更なる他の実施形態において、スリーブ、タブ且つ/又はフィーチャは、類似の熱膨張特性を有する異なる材料から作られてもよい。
加えて、スリーブとタブ且つ/又はスリーブ、タブとフィーチャは、再生性、コンポスト性又は生分解性の材料から作られてもよい。これらは、それらの実施形態において特別に有用であり、1回の使用後に処分されることになる。
一例示的実施形態においては、装置は、開放端を有する筐体と、開放端における動きのために筐体内に搭載される、例えば、打診棒あるいは衝撃棒のようなエネルギー適用ツールを有するハンドピースと、を含むことが出来る。筐体は、縦軸(長手軸)を有し、エネルギー適用ツールは、静止構成と作動構成とをとり得る長さを有し、スリーブが物体上に載置されるときに、適切な力が印加されるようにモニタするための筐体内に配置されたセンサを有する。スリーブは、開放端の少なくとも一部で物体に対し載置するように適用され、或る間隔を持たせて筐体の開放端に配置されることが出来る。力センサのようなセンサは、測定されている物体上にスリーブが載置されているときに、オペレータによって、適切な力が印加されることをモニタするために適用され、筐体内部に配置されることが出来る。センサは、上記したように、測定中、物体に対して適切なアラインメントが得られることを保証するためにも用いることができる。センサの更なる詳細が以下に記述される。スリーブは、上記したように、タブ、あるいは、それに取り付けられたフィーチャを有するタブを有することが出来、また、有しなくても良い。
一例示的実施形態においては、例えば、衝撃棒あるいは打診棒などのエネルギー適用ツールは、前部に取り付けられた着脱可能な先端部と、ドライブ機構に隣接した後部と、を有することができる。着脱可能な先端部は、本発明の廃棄可能なフィーチャとすることができる。着脱可能な先端部は、患者の歯あるいは他の治療面などのテスト面と接触することができ、磁気によって、打診棒の前部と接続することができる。一形態では、前部の端は、磁力で先端部を保持するために、その上に配置された磁石あるいは磁気素子を有することができる。他の形態では、着脱可能な先端部は、打診棒の前部を取り付けるために、その上に磁石あるいは磁気素子を有することができる。廃棄可能なフィーチャは、測定あるいはシステムの性能に干渉することなく使うことが出来る。システムは、再取り付け可能性を助けるためのフィーチャを含むことが出来、また、含まなくても良い。
一実施形態では、スリーブとタブ、及び/あるいは、スリーブとタブと再取り付け可能性を助けるフィーチャとは、ハンドピースの筐体に着脱可能に接続することが出来、廃棄可能なフィーチャは、スリーブとタブ、及び/あるいは、スリーブとタブとフィーチャ、及び、着脱可能な先端部を含むことが出来る。他の実施形態では、廃棄可能なフィーチャは、スリーブとタブ、及び/あるいは、スリーブとタブとフィーチャ、及び、着脱可能な先端部の周りに一体的に形成され、先端部全体を実質的に覆うことが出来る膜、を含むことが出来る。膜は、打診棒の動作に最小の影響しか与えないように選択され、先端部は、廃棄可能であっても廃棄可能でなくてもよい。一形態では、膜は、着脱可能な先端部全体を覆うことが出来、打診棒の前端への接続は、膜を介して、磁気的に形成することができる。他の形態では、膜は、一端あるいは両端に、開口部を有することができ、打診棒への接続は、磁力を介して、直接なされることができる。
他の実施形態では、スリーブとタブ、及び/あるいは、スリーブとタブとフィーチャは、ハンドピースの筐体に着脱可能に接続されることが出来、廃棄可能なフィーチャは、スリーブとタブの前部の部分、及び/あるいは、スリーブとタブとフィーチャの前部の部分、及び、別個の先端部と膜を含むことが出来る。廃棄可能なフィーチャは、製造工程の間に組み立てられ、ユニットとして販売されることができ、あるいは、歯科医院で組み立てられ、個別に、あるいは、一緒に販売されることができる。膜は、スリーブが硬く挿入され、あるいは、固定されるように、スリーブの後ろ部分と実質的に同様の形状とサイズで、1あるいは2個の開放端を有する中空の内部を有することができ、先端部は、磁気素子によって、打診棒の前端に接続されることができる。一形態では、磁石あるいは磁気素子は、打診棒の前端にあっても良い。他の形態では、磁石あるいは磁気素子は、着脱可能な先端部上にあっても良い。
一例示的実施形態においては、スリーブ、タップ、及び/あるいは、フィーチャは、再利用可能であっても良い。この構成に用いられる材料は、ふき取り、及び/あるいは、高圧蒸気滅菌を行うことが出来るものとすることができる。
他の例示的実施形態においては、上記した膜、あるいは、上記した打診棒の先端部と膜と同様に、スリーブ、タップ、及び/あるいは、フィーチャは、廃棄可能とすることが出来る。
更に例示的な実施形態においては、着脱可能な先端部と廃棄可能な膜は、測定中の物体に接触するように適用されていない、本発明の利点が実現される、任意の市販の衝撃ハンドピースに用いるように適用されても良い。
更に他の例示的実施形態においては、スリーブ、着脱可能な先端部と廃棄可能な膜は、測定中の物体と接触するのに適用されていない、本発明の利点が実現される、任意の市販の衝撃ハンドピースに用いられるように適用されても良い。
上述のような構造的特性の評価は、幾つかの器具を用いて幾つかの方法でなされ得る。例えば、適当な器具は、2000年9月19日に発行された“System and Method for Quantitative Measurements of Energy Damping Capacity”題名の米国特許6,120,466号(‘466特許)に述べられたものであり、この特許を参照することによって本明細書に組み入れられたものとする。他の器具と方法は、米国特許6,997,887号と7,008,385号に開示されたものを含んでもよく、それらの全ての内容は、それらの全体を参照することによって本明細書に組み入れられたものとする。これらの測定は、ある時間間隔の間に、タッピング又はエネルギー適用の結果として物体から反射されるエネルギーを測定する器具を使用することを含んでもよく、時間間隔の間に物体から反射されたエネルギーに基づいて時間エネルギープロファイルを作成し、且つ/又は物体の緩衝能力を測定するために時間エネルギープロファイルを評価することを含んでもよい。更に、米国特許4,482,324号と4,689,011号に開示された装置もまた用いられてもよく、それらの全体を参照することによって本明細書に組み入れられたものとする。これらの全ての器具と装置は、反復的に再位置付けを可能とするために本スリーブ構成で修正されてもよい。
上述のいずれの実施形態におけるスリーブは、着脱可能であってもよい。本発明の1つの実施形態によれば、スリーブは使い捨てであってもよい。本発明の他の実施形態によれば、スリーブは再利用可能であってもよい。1つの形態において、使い捨てスリーブは、無菌化可能で、そして複数回の使用後に使い捨てするようにしてもよい。他の形態において、スリーブは、1回使用のためであってもよく、無菌化可能又は非無菌化可能ないずれかの材料から作られてもよい。
スリーブは、任意の適切な取り付けモードによって筐体に取り付けられてもよい。これらは、限定しないが、スレッド取り付け(threaded attachment)、摩擦適合(friction fit)、バヨネット構造(mating bayonet formations)、溝形構造(tongue and groove type formations)、スナップ適合(snap fit)、インターネスティングピンとピンホール構造(internesting pin and pinhole formations)、ラッチ(latches)そして他の相互接続構造を含む。1つの実例の実施形態において、スリーブと筐体は、よりよい適合のためにカスタムメードのスレッドシステムであってもよい。
本発明の他の実施形態によれば、スリーブは、測定される物体との接触に対して適応されない他の市販のハンドピースに適合されてもよく、そのようにして、本発明の利点はまた、実現され得る。
前述したように、本発明のシステム及び方法は、非破壊的である。再取り付け可能性を助けるための、廃棄可能なパーツ及び/あるいはフィーチャを含むことも出来るし、含まないことも出来るシステムに、これを適用可能である。本発明は更に、測定とシステムの動作の感度を犠牲にすることなく、衝撃、たとえ測定される物体への小さな衝撃さえも最小化する、構造的特性の測定のためのシステムと方法に関する。一実施形態では、システムは、測定のよりよい感度を示し、あるいは、維持しつつ、測定の間、物体への衝撃の力を最小化するように、軽量、及び/あるいは、遅い速度で動作可能なエネルギー適用ツールを含む。一形態では、例えば、打診棒などのエネルギー適用ツールは、ハンドピースの重量を最小化するために、軽量な材料で作られる事が出来る。他の実施形態では、例えば、打診棒などのエネルギー適用ツールは、ハンドピースのサイズも最小化できるように、より短く、及び/あるいは、より小さな直径で、作られることが出来る。更なる実施形態においては、システムは、エネルギー適用ツールの加速度を少なくすることが出来るドライブ機構を含むことが出来る。例えば、ドライブ機構は、測定の感度を維持しつつ、動作中、エネルギー適用ツールが軽い、及び/あるいは、長さあるいは直径が小さいか否かに関わらず、エネルギー適用ツールの加速度と、物体への衝撃力とを小さくする、小型のドライブコイルを含むことが出来る。これらの実施形態は、より軽量なハンドピース筐体を含む、前述した実施形態の1以上と組み合わせることができる。測定を実行する速度は、また、測定中、物体への衝撃を最小化するために、衝撃の初期速度を増加させない方が、望ましいだろう。本発明は、接触時の初期速度を同じに維持しつつ、エネルギー適用ツールの動作距離を、例えば、約4mmから約2mmに減少することができるドライブ機構を有する、構造的特性を測定するための更に他のシステムと方法に関し、したがって、システムの動作を犠牲にすることなく、より速い測定が可能になる。システムは、再取り付け可能性を助け、及び/あるいは前述したフィーチャによる衝撃を弱めるための、廃棄可能なパーツ及び/あるいはフィーチャを有することも出来るし、有しなくても良い。
軽量のエネルギー適用ツール、短いあるいは小さい直径のエネルギー適用ツールあるいは、エネルギー適用ツールの加速度を減少するための、より小さいドライブコイルを含むことが出来るドライブ機構を有する、あるいは、有しない上記した任意のシステムにおいては、スリーブの一部が物体と接触している間、測定を行うなら、オペレータが物体に印加する力は、また、重要であり、モニタされる必要があるだろう。なぜなら、例えば、オペレータが与える不十分あるいは余分な力は、測定を複雑化し得るし、より不正確な結果さえ生成するからである。一実施形態では、上記した本発明の実施形態の任意のものにおいて、ハンドピースは、測定中の物体に印加される力を測定するための張力ゲージを含むことが出来る。張力ゲージは、もしあるなら、ハンドピースとスリーブとの間のカンチレバーに取り付けられ、あるいは、搭載させることができ、スリーブを物体上に押すことは、また、張力ゲージによって測定されるカンチレバーを変形させ、したがって、力測定を提供することができる。
他の実施形態によれば、上述した本発明の実施形態の任意のものにおいて、ハンドピースは、上述した力を直接測定する圧電素子を含むことが出来る。
ある実施形態では、単一の、あるいは、個別のカンチレバーに搭載された複数の張力ゲージを用いることが出来る。カンチレバーは、例えば、マウント装置上などの、ハンドピースあるいはスリーブの残り部分からはなれたコンポーネント上に存在することも出来る。
一形態においては、力測定は、光のような、視覚出力に接続されることが出来る。一実施形態では、複数の光システムが含まれうる。例えば、緑の光は、力の量が適正であることを示し、赤の光は、力が大きすぎることを示すことができる。他の実施形態においては、一つの光システムが含まれることが出来る。例えば、光がない場合は、力の量が適正であることを示す信号を与え、赤の光が、大きすぎる力の信号を与えることができる。更なる実施形態においては、赤の光をフラッシュ点灯することが、大きすぎる力を示すことができる。
他の形態においては、力測定は、音声出力に接続されることが出来る。一実施形態では、音声出力は、大きすぎる力を示すために、ビープ音を含むことが出来る。他の実施形態では、音声出力は、大きすぎる力を示すために、赤の光のフラッシュ点灯と共にビープ音を含むことが出来る。更なる実施形態においては、力測定は、大きすぎる力を警告するために、音声警告システムと接続することが出来る。更に他の実施形態では、力測定は、大きすぎる力を警告するために、音声警告システムと、フラッシュ点灯する赤い光とに接続されることが出来る。
上述したように、ハンドピースは、コンピュータ化されたハードウェアと計測ソフトウェアを含むシステムの一部であってもよい。この計測ソフトウェアは、物体の構造的特性を特定するために、起動して入力し、そしてハンドピースの行動及び応答を追跡するようにプログラムされている。ハードウェアは、ハンドピースを制御し、そして任意の収集したデータ、例えば打診棒のようなエネルギー適用ツールと物体との衝突(衝撃,percussion)による減速度を解析するためのコンピュータを含んでもよい。1つの実施形態において、ハンドピースとハードウェアは、有線接続を通じて通信してもよい。他の1つの実施形態において、ハンドピースとハードウェアは、無線接続を通じて通信してもよい。
1つの実施形態において、ハンドピースのエネルギー適用プロセスは、スイッチ機構によるような機械機構を通じて誘引されてもよい。1つの形態において、オペレータが簡単に起動できるように、フィンガースイッチ(finger switch)は、ハンドピース上の便利な箇所に配置されてもよい。他の形態において、スイッチ機構は、スリーブを通じて物体に圧力を加えることによって誘引されてもよい。他の実施形態において、ハンドピースのエネルギー適用プロセスは、音声コントロール又はフットコントロールを通じて誘引されてもよい。
起動に際して、打診棒は、ある速度で物体に向かって伸長し、そして物体との衝突(衝撃,percussion)する際の打診棒の減速度が、例えばハンドピース内に取り付けられた圧電力センサといった測定装置によって測定され、そして、解析のためにシステムの残りの部分に転送されてもよい。1つの形態において、打診棒は、実質的に同一の速度で秒ごとに一定の回数で物体をたたく様にプログラムされ、そして、減速度情報は、システムによる解析のため、記録又は収集される。
スリーブ且つ/又は筐体のある部分は、抗菌性コーティングで覆われてもよく、こうすることで、微生物の成長を減少、防止、妨害又は最小限化することが可能になる。故に、高温オートクレーブプロセス又は侵食性の強い化学物質(harsh chemical)の使用を最小限にし、そしてそのようなツール又は器具の基板として有用な材料の種類と数を増やすことになり得る。
更に、器具は、構造に使われる機械的生体適合性材料、又は生物模倣適合性材料のような材料の選択、且つ/又は例えばインプラントのような解剖学的構造のための材料の選択における補助において有用であり得る。正常の健康な歯に対して、咀嚼によって生成される震動のエネルギーは、健康な骨質歯に接合する歯周の靭帯によって減衰される。しかし、自然歯が損傷又は病害によってインプラントで入れ替えられた場合、靭帯が一般に失われ、そして、インプラントは、震動の力を直接的に骨内に伝え得る。インプラントの橋脚歯の製造に使われる複合物、金、酸化ジルコニウム等のような複数の材料は、多数の研究において有効であること示した。これらの研究は、合成樹脂、金又は酸化ジルコニウム製の橋脚歯の使用によるインプラント復元の、橋脚歯の建造後における残存性を示すが、これらの橋脚歯の材料の積載に対する動的な応答を測定するような研究はない。本発明の器具は、そのような目的に使用されてもよく、そして、移植前に適合性又は同等性を推測し、又はインプラントに隣接する自然歯を保護する適切な材料を選択するのに有用であり得る。故に、材料の選択は、インプラントと自然歯が衝突に反応している間の不均衡を最小限し得る。
更に、器具は、構造に使われる機械的に又は化学的に恒久性又は同等性の材料のような材料の選択、且つ/又は例えば飛行機、自動車、船、橋、ビルの金属複合物の構造、限定するものではないが、発電施設を含む工業的構造、アーチ構造、又は他の類似物理的構造のための材料、又はそのような構造の建造において適切に補助する減衰材料の選択の助けに有用であり得る。本発明の器具は、そのような目的に使用されてもよく、そして、建造後における亀裂、欠損、微亀裂、セメントシールの損失、セメント破損、接着層破損又は欠陥箇所の検出に加え、建造前に材料の適合性を予測するのに有用であり得る。
更に、本発明は、物体の構造を構成する材料固有の欠陥及び上述したように傷又は磨耗又は繰り返し負荷による亀裂又は欠損等との間の区別にも有用である。骨又はインプラントの材料構造、すなわち、物理的構造の欠陥は、例えば、骨内の傷、インプラントの取り付け時又はポリマー、重合体複合物又は合金、又は金属複合物又は合金の製造時における類似欠陥を含み得る。
タブ又はタブ且つ/又はフィーチャによる器具の安定はまた、テスト結果を混乱させ得る任意のぎくしゃく行動を最小限化し得る。例えば、骨構造又は物理的又は工業的構造内の任意の固有の欠陥は、テスタのぎくしゃく行動によってマスクされてもよい。このタイプの欠陥検出は、重要である。なぜならば、欠陥の箇所と伸長は、インプラント又は物理的又は工業的構造の安定性上に劇的に影響を与え得る。一般に、例えば、インプラントに冠状体(cresta)又はアピカル(apical)欠陥のような傷が検出される時、冠状体(cresta)とアピカル(apical)欠陥のいずれもが存在していれば、インプラントの安定性に影響を与え得る。過去において、高価な集中的放射プロセス以外にこのタイプの情報を集める他の方法はなかった。本発明において、このタイプの情報が集められ、そして障害のない方法で実施され得る。
一般に、本発明は、歯科衛生又は物理的構造の構造的インテグリティにおけるリスク査定の精度の新しい形、そして新しい方法での診断を行う機会を更に示す。本発明は、試料への運動エネルギー、試料によって特定された負荷又は変位レート、衝突(衝撃,percussion)によって測定される減速度、及び亀裂、欠損、微亀裂、微欠損、セメントシールの損失、セメント破損、接着層破損、微漏出、損傷、腐食、一般の構造インテグリティ、一般の構造安定性又は欠格箇所のより正確な予測に対する動的な機械的応答の解析の管理に対して提供する。
更に、LC(loss coefficient:損失係数)とERG(energy return graph:エネルギー帰還グラフ)のような構造的インテグリティの複数指標が、クリティカル方向における衝撃(衝突,impact)負荷と同様に可能になり得る。上述のように構造的特性をテストするために、本システムは、頬側(buccal)の負荷及び舌(lingual)の方向のような他の負荷方向が可能になるような便利及び簡易な方法を提供する。
頬側の負荷は、重要である。これは、例えば、歯が衝突することで生ずる典型的なより危険なタイプの負荷である。一般に、垂直負荷は、歯に比較的に低い応力を引き起こす。しかし、作業且つ/又は非作業動きは、あごの横の動きと歯と復元物との咬合表面の傾斜形状の結果として側面負荷を引き起こす。この側面負荷は、外部と内部表面とふち下において非常に高い応力の集中を引き起こし得る。故に、本発明のシステムを使用すれば、そのようなテストは簡単に実施され得る。要するに、人工の歯科インプラント構造、歯の構造、整形外科的構造、又は整形外科インプラントの構造的安定性、インテグリティ、亀裂等の検出のためだけに適応されるものではなく、実際の建造における使用、そして移植後に受ける応力下でのテストを通じて入れ替えプロセスのためにも適応されてもよい。
自然負荷は、典型的に拍動性(例えば、反対として正弦性)である。筋肉、心循環系、ランニング、ジャンピング、かみ合わせ/歯ぎしり等全ては、例えば拍動性負荷といった負荷を生じ得る。衝撃(衝突,impact)負荷は拍動性であり、そして故に生理的である。衝撃(衝突,impact)負荷は、粘着性特性を測定し、そして構造内の損傷を抽出するために使用され得る。
上述のように、本発明は、適用の容易さと速さを提供し、そして、微小漏えい、全体の再発虫歯、ゆるいポスト/ビルドアップ、ポストスペース内の虫歯、歯が修復不可能な状態である、全体的な虫歯、歯髄がほぼ漏出した状態、エナメル質と象牙質の亀裂、内部欠損、又は任意の生体工学ミスマッチ、構造内に変化を作り出す任意の欠陥等を非破壊方法で検出及び査定するために採用されてもよい。上述のように、これは、工業的又は物理的構造においても当てはまる。
加えて、上述のように、本発明は、欠陥、亀裂、微亀裂、欠損、微欠損、漏えい、損傷、セメントシールの損失、微漏えい、腐食、セメント破損の構造的インテグリティ、接着層破損、一般的又は一般の構造的安定性の抽出の箇所の正確さにも寄与する。
本発明は、次に示される実施形態の後述の詳細な記述及び図面によって更に例示されるであろう。
図1は、本発明のシステムの実施形態の透視図を説明する。
図1aは、本発明のタブの実施形態を示す。
図1bは、本発明のタブの実施形態を示す。
図2aは、本発明のスリーブとタブの実施形態の側面透視図を説明する。
図2bは、本発明のスリーブとタブの実施形態の端透視図を説明する。
図2cは、本発明のスリーブとタブの実施形態の透視断面図を説明する。
図2dは、本発明のスリーブとタブの実施形態の端断面図を説明する。
図2eは、本発明の図2aのスリーブとタブの実施形態の側面断面図を説明する。
図3は、本発明のスリーブの実施形態の透視側面図を示す。
図3aは、図3のスリーブの実施形態の側面図を示す。
図3bは、本発明のスリーブの他の実施形態の側面図を示す。
図3cは、スリーブの端から見た図3bのスリーブの断面図を示す。
図3dは、ハンドピースに取り付けられたスリーブの端から見た図3aのスリーブの断面図を示す。
図4aは、本発明のハンドピースのスリーブの実施形態を説明する。
図4bは、本発明のハンドピースのスリーブの実施形態を説明する。
図5は、本発明のハンドピースの実施形態の縦方向の断面図を説明する。
図6は、本発明の図5の線III−IIIに沿って取られた断面図を説明する。
図7aは、物体に置かれた時の図2a〜dのいずれかのスリーブとタブの実施形態の側面図を説明する。
図7bは、それぞれ操作中の本発明のスリーブとタブの実施形態の上面図と正面図の実施形態を説明する。
図7cは、それぞれ操作中の本発明のスリーブとタブの実施形態の上面図と正面図の実施形態を説明する。
図8は、本発明のスリーブとタブの他の実施形態を説明する。
図8aは、操作中の図8のスリーブとタブ実施形態を説明する。
図8bは、操作中の図8のスリーブとタブ実施形態を説明する。
図9は、本発明の実施形態におけるソフトウェアプログラムのフローチャートを説明する。
図10は、本発明のシステムと方法を用いる4スレッドチタンインプラントの骨密度の生体外(vitro)研究におけるグラフを示す。
図10aは、本発明のシステムと方法を用いる4スレッドチタンインプラントの骨密度の生体外(vitro)研究におけるグラフを示す。
図11は、本発明のシステムと方法を用いる4スレッドチタンインプラントの骨密度の生体外(vitro)研究におけるグラフを示す。
図11aは、本発明のシステムと方法を用いる4スレッドチタンインプラントの骨密度の生体外(vitro)研究におけるグラフを示す。
図12は、本発明の器具の打診棒による衝突(衝撃,percussion)中に加えられる力を示す。
図13は、本発明の器具の打診棒による衝突(衝撃,percussion)に基づく物体の動的な応答を示す。
図14は、理想状態の損失係数とエネルギー還元グラフの計算において使われる式を示す。
図15は、理想状態の損失係数とエネルギー還元グラフの計算において使われる式を示す。
図16は、本発明の器具を示す。
図16aは、本発明の打診棒による衝突(衝撃,percussion)後に生成される損失係数とエネルギー還元グラフ及びそれが如何にして理想適合との比較が行われるかを示す。
図16bは、多数の測定後の正常と異常構造のグラフ及びそれが如何にして理想適合とのと比較が行われるかを示す。
図17aは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
図17bは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
図17cは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
図17dは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
図17eは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
図17fは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
図17gは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
図17hは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
図18は、図17a〜hにおける歯とは異なる歯上での繰り返し手順を示す。
図18aは、図17a〜hにおける歯とは異なる歯上での繰り返し手順を示す。
図18bは、図17a〜hにおける歯とは異なる歯上での繰り返し手順を示す。
図18cは、図17a〜hにおける歯とは異なる歯上での繰り返し手順を示す。
図18dは、図17a〜hにおける歯とは異なる歯上での繰り返し手順を示す。
図18eは、図17a〜hにおける歯とは異なる歯上での繰り返し手順を示す。
図18fは、図17a〜hにおける歯とは異なる歯上での繰り返し手順を示す。
図19は、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる3つの歯を描く。
図19aは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる3つの歯を描く。
図19bは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる3つの歯を描く。
図19cは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる3つの歯を描く。
図20は、歯と本発明のシステムを使用した時の歯科治療(dental work)前と後のその時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
図20aは、歯と本発明のシステムを使用した時の歯科治療(dental work)前と後のその時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
図20bは、歯と本発明のシステムを使用した時の歯科治療(dental work)前と後のその時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
図20cは、歯と本発明のシステムを使用した時の歯科治療(dental work)前と後のその時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
図20dは、歯と本発明のシステムを使用した時の歯科治療(dental work)前と後のその時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
図20eは、歯と本発明のシステムを使用した時の歯科治療(dental work)前と後のその時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
図20fは、歯と本発明のシステムを使用した時の歯科治療(dental work)前と後のその時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
図21は、同一歯のエックス線検査と本発明のシステムを使用した時の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
図21aは、同一歯のエックス線検査と本発明のシステムを使用した時の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
図21bは、同一歯のエックス線検査と本発明のシステムを使用した時の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
図22は、同一歯の映像と本発明のシステムを使用した時の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
図22aは、同一歯の映像と本発明のシステムを使用した時の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
図23は、ガラス棒を用いて歯をシミュレートする有限要素解析からのデータと有限要素モデルにおける衝突(衝撃,percussion)によって作られる曲線を示す。
図24は、それぞれ欠陥のない合成層プレートとサンプルの中心において層間に欠陥を持つ合成層サンプルを示す。
図24bは、それぞれ欠陥のない合成層プレートとサンプルの中心において層間に欠陥を持つ合成層サンプルを示す。
図24aは、それぞれ図24、24bの複合物に対し、有限要素解析を用いた際の衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示す。
図24cは、それぞれ図24、24bの複合物に対し、有限要素解析を用いた際の衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示す。
図25は、図24、24bの複合物の繰り返し測定を示す。
図25aは、図24、24bの複合物の繰り返し測定を示す。
図26は、本発明のシステムの実施形態の写真を示す。
図26aは、本発明のシステムの測定装置を示す。
図26bは、本発明のシステムの測定装置を示す。
図27は、本発明のシステムと方法によって生成される時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
図28は、本発明のシステムと方法によって生成される時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
図29は、本発明のシステムと器具の実施形態の概略図を示す。
図30は、着脱可能な先端部と膜を有する、本発明のエネルギー適用ツールの実施形態の前端の断面図を示す。
図30aは、図30の実施形態の保持磁石を有する先端部の背面図と前面図を示す。
図30bは、図30の実施形態の保持磁石を有する先端部の背面図と前面図を示す。
図31は、着脱可能な先端部、膜、及び、スリーブの取り付け位置が示された、本発明のエネルギー適用ツールの他の実施形態の前端の断面図を示す。
図32は、着脱可能な先端部、膜、及び、タブを有するスリーブの取り付け位置が示された、本発明のエネルギー適用ツールの更なる実施形態の前端の断面図を示す。
図33は、折りたたまれた膜と着脱可能な先端部を有するエネルギー適用ツールの更に他の実施形態の断面図を示す。
図34は、図32の前端を含む本発明のハンドピースの断面図を示す。
図34aは、図34のハンドピースの分解立体図を示す。
図34bは、図34の前端の分解立体図を示す。
図34blは、図34の前端の分解立体図を示す。
図34cは、カバーがない場合の図34の上面図を示す。
図35aは、さまざまな図における図34のハンドピースを示す。
図35bは、さまざまな図における図34のハンドピースを示す。
図35cは、さまざまな図における図34のハンドピースを示す。
図36aは、図34の詳細な分解立体図を示す。
図36bは、図34の詳細な分解立体図を示す。
図36cは、図34の詳細な分解立体図を示す。
図36dは、図34の詳細な分解立体図を示す。
図37は、廃棄可能な膜がある、あるいは、ない垂直先端部を有する本発明のハンドピースの他の実施形態を示す。
図37aは、廃棄可能な膜がある、あるいは、ない垂直先端部を有する本発明のハンドピースの他の実施形態を示す。
図37bは、廃棄可能な膜がある、あるいは、ない垂直先端部を有する本発明のハンドピースの他の実施形態を示す。
図38は、張力ゲージマウントの上面図を示す。
図38aは、屈曲の方向を示す張力ゲージマウントの側面プロファイル図を示す。
以下に示される詳細な説明は、本発明の形態に一致して提供される現行の例示されるシステム、装置及び方法の説明として意図されており、本発明が、用意され又は利用され得るただ1つの形態を表すようには意図されていない。むしろ、本発明の趣旨および範囲内に包含されるように意図された様々な実施形態によって、同一かまたは同等な機能及び構成要素が達成され得ることを理解されたい。
他に定義されない限り、本明細書に使われる全ての専門及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解すると同様の意味を有する。しかし、本明細書に述べられるものと同一か又は同等の任意の方法、装置と材料は、本発明の実践又はテストに用いられることができ、模範的方法、装置と材料は、これにより述べられる。
本明細書に言及される全ての出版物は、記述及び開示の目的のために参照することによって本明細書に取り込められ、例えば、現行の述べられる発明に関連して用いられてもよい出版物に述べられた設計と方法論である。以前、次にそして本文の全体に渡ってリストされ又は議論される出版物は、本出願の出願日前のそれらの開示に対して単に提供される。本明細書において、発明者が以前の発明の長所によるそのような開示を先立つように権利を与えない承認として解釈されるものはない。
本発明は、実用的な任意のサイズと形の物体をテストするために使用されてもよく、それらの構造的特性上の情報を得てもよい。そのような構造的特性は、物体又は物体が固定され得る土台の物理的特性だけでなく、それらの位置、本処置前の歯科治療で使用する材料の適合性又は安定性、本処置前に修復可能か否か、修復処置が成功かどうか、任意の処置を受けた歯構造が何時再構築されたか、歯科治療前と後の歯構造のゆるみ、そしてそれらの組み合わせとしての情報も含む。
本明細書に定義される構造的特性は、振動緩衝能力、音響緩衝能力、固有欠陥を含む欠陥、例えば、物体を構成する骨又は材料内の亀裂、微亀裂、欠損、微欠損、セメントシールの損失、セメント破損、接着層破損、微漏出、損傷、腐食、一般の構造的インテグリティ又は一般の構造的安定性を含んでもよい。歯、自然歯、人口の歯科インプラント構造、歯構造、整形外科的構造又は整形外科インプラントのような解剖学的物体に対して、そのような特性は、物体の健全性、又は、物体が据え付けられ又は取り付けられ得る下の土台の健全性を示し得る。物体及び/又は下の土台の健全性はまた、密度又は骨密度、又は亀裂、欠損、微欠損、微亀裂、セメントシールの損失、セメント破損、接着層破損、微漏出、損傷、腐食、又はそれらの組み合わせといった任意の固有又はその他の欠陥の骨結合のレベルに相互に関連し得る。一般の物体に対して、例えば、ハニカム又は重ねたハニカムを含む重合体複合物の構造又は飛行機、自動車、船、橋、ビルの金属複合物の構造、限定するものではないが、発電施設を含む工業構造、アーチ構造、又は他の類似物理構造、そのような測定はまた、欠陥又は亀裂、ひび割れ欠損又は微亀裂などのような任意の構造的インテグリティ又は構造的安定性に相互に関連し得る。
例えば、自然又は修復された歯、歯科インプラント構造、整形外科インプラント構造の減衰特性の測定、そして、限定しないがテスト飛行機構造、合成構造、工学材料、又は医科インプラントの安全性を含む、減衰特性の測定が用いられる様々な他の応用、そしてアクセスすることが困難である位置又は液体接触媒体が使用できない位置において特に有利であり。スクリューのゆるみ、骨と同様に歯の亀裂及び骨の空所、デボンドされた修復、そして集積回路材料における損傷のような構造的インテグリティ。しかし、上述のリストは網羅的なものであるつもりはない。
本発明は、上述の物体の構造的特性の有効かつ再現可能な測定を提供する。
物体は、物体からの生きた任意のデータを収集そして解析可能なコンピュータ化されたシステムの一部を形成するハンドピースを介して提供されるエネルギー適用プロセスを受けさせてもよい。上述のように、振動緩衝能力、音響緩衝能力、機械的と解剖学的物体とそれらがその上に固定され得る任意の土台の両方の構造的インテグリティ又は構造的安定性を含む多くの異なる構造的特性は、本発明のシステムと方法を用いて決定されてもよい。自然又は修復された歯、人口の歯科インプラント構造、歯の構造、又は整形外科インプラントのような解剖学的物体に対して、本明細書に定義される構造的特性の例は、振動緩衝能力、音響緩衝能力、又は構造的安定性を含んでもよく、そして物体の健全性を示してもよい。物体の健全性は、骨密度又は骨結合のレベル、上述の欠陥又は亀裂のような構造的インテグリティにも相互に関連し得る。一般の物体に対して、そのような測定は、上述したように、欠陥又は亀裂のようなそれらの構造的インテグリティにも相互に関連し得る。飛行機、自動車、船、橋、ビル又は他の類似の物理的構造のような物理的構造又はそのような構造の建造において適切に補助する減衰材料に対して、本明細書に定義される構造的特性の例は、振動緩衝能力、音響緩衝能力、又は構造的安定性を含んでもよく、そして物体の構造的インテグリティの健全性を示してもよい。
上述のように、本発明の器具は、そのような目的に使用されてもよく、そして、建造後のセメントシールの損失、セメント破損、接着層破損、微漏えい、腐食等を検出するのに加え、建造前に材料の適合性を予測するのに有用であろう。更に、本発明は、物体の構造を構成する材料内の固有の欠陥及び上述したように傷又は磨耗又は繰り返し負荷による亀裂又は欠損等との間の区別にも有用である。骨又はインプラントの材料構造、すなわち、物理的構造の固有の欠陥は、例えば、骨内の損、インプラント建造又はポリマー、重合体複合物又は合金、あらゆる種類のセラミック、又は金属複合物又は合金内の類似欠陥を含みえる。
1つの実施形態において、ハンドピース104は、図1、35a〜cに例示されたように、例えば、衝撃(衝突,impact)器具の形状であってもよい。ハンドピース104は、開放端132aと閉端132bを持つ円柱型筐体132を有してもよい。開放端132aは、ここに例示されるように漸減されるが、他の構成も熟慮される。エネルギー適用ツール120、例えば、打診棒120はまた、上述のように、軸方向の移動に対して筐体132内部に取り付けられてもよい。ハンドピースはまた、操作中に引込位置128と伸長位置129との間を筐体132内の軸方向に打診棒120を駆動するために筐体132内に取り付けられるドライブ機構160を含む。示されたように、伸長位置129において、打診棒120の自由端は、筐体132の開放端132aから伸長又は突出する。図5に示されたように、ドライブ機構160は、後述する電磁コイル156を含んでもよい。1つの形態において、打診棒120は、その全体長にわたって実質的に不変の断面構造を有してもよく、そして自由端から離れた端に取り付けられた永久磁気アンサンブル157を有する。ドライブ機構160の磁気コイル156は、打診棒120の他端の後ろに配置させられてもよく、そうすることで、ハンドピース104の外径を比較的小さくすることができる。
図6に示されたように、エネルギー適用ツール120、例えば打診棒120のための取り付け機構は、ベアリング1003と1004によって形成されてもよく、そうすることで、ほとんど摩擦がない方法で打診棒120の支持又はサポートが可能となる。1つの例において、筐体132は、約150mmの長さと約15mmの厚さとなる。磁気又は推進コイル156は、筐体132内の永久磁石157の隣に配置させられてもよく、そして永久磁石157の軸方向後ろに配置される。磁気コイル156と永久磁石157は、打診棒120の前後方向の動きのためのドライブを形成する。ドライブコイル156は、筐体132の必須の構成要素であってもよく、そして供給ホース又は線1000に接続されてもよい。
2つのベアリング1003と1004は、実質的に無摩擦であってもよく、そして、図6に示されたように、軸方向の開口1400によって分離される複数の放射状に内向きに伸長するリッジを含んでもよい。ベアリング1003の軸方向の開口1400は、チャンバー1600からベアリング1003によって分離されるチャンバー1500間の空気の移動を許し、チャンバーは、筐体132の内壁表面と打診棒120との間に形成される。これらのチャンバー1500と1600間の空気移動が、打診棒120の移動を補うようにしてもよい。
再度図1を参照し、スリーブ108は、端132aに対向して配置され、そして端132aを越えて伸長する。スリーブ108は、筐体の端132aを包み込み、そして操作中において物体112の表面上に容易に配置できるように、その端116は平らにされている。図2aに示されたように、スリーブ108は、その端116の部分から突出するタブ110を有し、そうすることで、スリーブ108の開放端116が測定を受ける物体112の表面と接触する時、図6、26aと26bに示されたように、タブ110は、物体112の上部に載せられることが可能となる。タブ110とスリーブ108の両方が、物体112に対するハンドピース104の繰り返し可能な配置を補助するようにしてもよく、そして、よりよい再現性のために、タブ110は、毎回物体112の上部から実質的同一の距離で置かれてもよい。これは、図2b、2cと2d、図7a〜d、又は図26aとbにて、よりよく見ることができる。但し、物体112は、図2b〜dにおいては示されていない。上述のように、物体は、解剖学的構造又は物理的又は工業的構造を含んでもよいが、ここに言及される図においては、解剖学的物体が示されている。
図1、2a、2b、2c、と26bに示されたように、そこから突出するタブ110を有さないスリーブ108の端116は、平ら又は実質的に平らで、そして、図2a、2b、2c、と26bに示されたように、物体112の上部と接触するタブ110の部分も平ら又は実質的に平らである。図2a、2b、2c、と29bに示されたように、タブ110は、スリーブ108の端から実質的に平行方向に伸長してもよい。1つの形態において、図2bに示されたように、タブ110は、スリーブ108の端から突出前の距離に対してスリーブ108と一体であってもよく、スリーブ108の端116から突出前と後のスリーブ108の断面的外形を実質的に保っている。本実施形態において、図2bに示されたように、タブ110の突出部分は、アーチ型の上部部分を有してもよい。他の形態において、図2aと2cに示されたように、タブ110は、スリーブ108の上部から突出してもよく、スリーブ108の端から突出する前と後にスリーブの断面的外形を保たない。本実施形態において、図2cと26bに示されたように、タブ110の突出部分は、長方形の断面を有してもよい。任意の実施形態において、図1aに示されたように、それらを載せる物体112上をひっかけないようにするために、タブ110のコナーは、なめらか又は丸くされ又は実質的になめらか又は丸くされる。他の実施形態において、図1bに示されたように、タブ110は、なめらかであってもよいが、コナーが、必ずしも丸くされる必要はない。更なる他の実施形態において、断面の図2dに示されたように、タブ110の断面は、スリーブ108の断面の周囲の外側へと伸長しない。
図3と3aは、本発明のスリーブ108の実施形態の透視側面と側面図を示す。本実施形態において、スリーブ108は、筐体132aの開放端への取り付けのためのスレッド部分116aを有し、自由端116に向けて漸減される。図3dは、ハンドピース104に取り付けられるスリーブの端から見た図3aのスリーブの断面図を示す。
他の実施形態において、図3bに示されたように、スリーブ108は、実質的に非先細りであってもよい。本実施形態において、図3cに示されたように、スリーブ108の端の断面は、実質的にラウンド状である。
これらの実施形態において、スリーブ108は、スレッド116aによってハンドピース104に取り付けられてもよい。スレッド部分116aは、確実な取り付けを可能にするための寸法を有してもよい。
図4a〜bにおいて、ハンドピース104のスリーブ108の他の実施形態がしめされる。図4aと4bにおいて、ハンドピース104の位置合わせを更に補助するために、ポリマースリーブ108は、物体112にほぼ垂直に接触する平らな先端部116を特徴とする。図4bにおいて、外径は、スリーブ108の内径よりも少なくとも数倍大きい。用いる形又は形状がハンドピース104をほぼ垂直に位置合わせするのを補助し、スリーブ108を介して、高感度の測定を行うハンドピース104の筐体132内部に伝わり得る、測定過程で引き起こされる物体112からの振動を減衰するものであれば、スリーブ108は他の形と構成であってもよい。
図7aは、操作中に物体112に置かれた時の図1a〜bと図2a〜dのいずれの実施形態におけるスリーブ108とタブ110の側面図を示している。図7bとcに示されたように、タブ110が歯112の上部に載っている間、スリーブ108は、歯のような物体112に接触している。物体112と接触するタブ110の表面は、歯112の上部により適切に配置するよう型どられていてもよく、又は平らであってもよい。図7bと2cは、それぞれ、操作中の図1aと1bのスリーブとタブの実施形態の上面図と正面図の実施形態を示している。
他の実施形態において、図8に示されたように、スリーブ108は、例えば、物体112の表面に接する面においてタブ110の表面に実質的に垂直なリッジ、突出又は他の類似するフィーチャのようなフィーチャ111を含んでもよい。例えば、歯については、リッジ又は突出は、隣接する歯の間にはまり込むようにしてもよく、そうすることで、図8aに示されたように、物体112の表面を横切る実質的に横方向へのタブ110の動きを防止するのを助ける。また、図8bに示されたように、テストされる歯の内部表面のような垂直表面上に載せるのを助ける。タブ110とフィーチャ111を有するスリーブ108は、物体112上に打診棒120のようなエネルギー適用ツールの配置を再現するのを更に助け得る。図8aの実施形態に対して、リッジ又は突出111が隣接する歯の間に適切に静止させるために、タブ110は、スリーブから十分な長さで伸長してもよい。図8bの実施形態に対して、リッジ又は突出111がテストされる歯内部表面上に適切に静止させるために、タブ110は、十分な幅であってもよい。
1つの形態において、例えば、物体112が歯であれば、隣接歯112間に適合し得るように、フィーチャ111は、短くそして十分に小さい厚さであってもよい。他の形態において、例えば、物体112が歯であれば、フィーチャ111は、短くそして隣接歯112の上部間に適合するように形成されてもよい。また、他の形態において、例えば、物112が歯であれば、フィーチャ111は、後表面を支え、後表面の大部分をカバーするための寸法であってもよい。
他の物体112に対して、フィーチャ111は、物体112に対して適切な寸法に従って形成されてもよい。
ハンドピース104の操作を容易にするために、スリーブ108は、振動を減衰させる特性を有する任意の材料から作られてもよく、そして、スリーブ108を介してハンドピース104の筐体132へと伝わる任意の振動が減衰され得るような長さを有してもよい。1つの実施形態において、スリーブ108且つ/又はタブ110、そしてスリーブ108が取り付けられる筐体132bの端は、同一の材料から作られてもよい。他の実施形態において、スリーブ108且つ/又はタブ110、そしてスリーブ108が取り付けられる筐体132bの端は、類似の振動減衰特性を有する材料から作られてもよい。また他の実施形態において、スリーブ108且つ/又はタブ110、そしてスリーブ108が取り付けられる筐体132bの端は、異なる材料から作られてもよい。例えば、筐体132は、金属又は複合物から作られてもよく、一方で、スリーブ108且つ/又はタブ110は、ポリマー又は複合物から作られてもよい。更なる実施形態において、スリーブ108且つ/又はタブ110、そしてスリーブ108が取り付けられる筐体132bの端は、異なる振動減衰特性又は制振特性を有する材料から作られてもよい。上述のいずれの実施形態において、フィーチャ111はまた、突出、リッジ又は他の類似のフィーチャ又は類似機能を有するフィーチャであろうと、それが存在していれば、スリーブ108と同一の材料から作られてもよい。
一般に、ハンドピース筐体132上又は内部に確実に適合し、使用中に破壊し得ないように十分な剛性を有するスリーブ108が望まれる。複数使用が考慮される場合には、スリーブ108は、後述するように廃棄可能なカバーが用いられるにも関わらず、望まれれば、オートクレーブのような滅菌処理に複数回耐え得るように構成してもよい。他の実施形態において、スリーブ108は、後述するように、もし使用されるなら、廃棄可能なカバーと共に処分されてもよく、そうすることで、スリーブ108を形成し得るあらゆる材料で構成することが可能となる。適切な材料の例は、限定しないが、例えば、モールド、熱形成又は鋳造が可能なポリマーを含んでもよい。適切なポリマーは、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリルポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリオキシメチレン又はデルリン(Delrin)(DuPont社から入手可能)のようなアセタールポリマー、天然又は合成ゴム、ポリアミド、又はULTEM(登録商標)といったポリエーテルイミドのような他の高温ポリマー、ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレーの混合物であるXenoy(登録商標)樹脂のようなポリメリックアロイ、ポリカーボネートとイソフタル酸塩テレフタル酸塩レゾルシノ樹脂(全てGEプラスチックから入手可能)との共重合体であるLexan(登録商標)プラスチック、芳香族ヒドロキシカルボン酸(ヒドロキシベンゾアート(剛性モノマー)、ベフェニウムヒドロキシナフトエート(軟性モノマー)、芳香族ヒドロキシ・アミンと芳香族ジアミン、(米国特許6,242,063号、6,74,242号、6,643,552号と6,797,198号に例示され、これらの内容は、参照によって本明細書に取り込められるものとする)、ターミナル無水物グループを有するポリエステルイミド無水物又はラテラル無水物(米国特許6,730,377号に例示され、これらの内容は、参照によって本明細書に取り込められるものとする)を構成するグループから選択された少なくとも1つの化合物又はそれらの組み合わせを成分として含む芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドのような液晶ポリマーを含む。これらの材料の幾つかは、再利用可能又は再利用可能になるように作ることできる。コンポスト性又は生分解性材料をまた、用いてもよく、ポリ乳酸樹脂(L−乳酸とD−乳酸を含む)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリヒドロキシ吉草酸塩/ヒドロキシブチレート樹脂(PHBV)(3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシペンタン酸(3−ヒドロキ吉草酸)のコポリマー)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)コポリマー、ポリエステ/ウレタン樹脂のような任意の生分解性又は生体コンポスト性ポリエステを含んでもよい。幾つかの非コンポスト性又は非生分解性材料はまた、特定の添加物の追加によってコンポスト性又は生分解性を有するようにできる。例えば、英国BorehamwoodのSymphony Environmentalによって供給されるD2W(登録商標)及びカナダのBristish Columbia、VancouverのEPI Environmental Products Incによって製造されるTDPA(登録商標)のような任意のオキソ生分解性添加物である。
更に、ビグメント、酸素粒子、シリカ、グラスファイバ、又はこれらの混合物で満たされるポリマーであるエンジニアリング・プリプレグ又は複合物のような任意のポリマー複合物をまた、用いてもよい。例えば、ポリカーボネートとABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)の混ぜ合わせたものを、筐体132とスリーブ108のために用いてもよい。更なる例として、カーボン繊維且つ/又はガラス繊維強化プラスチックをまた、用いてもよい。
合成ゴムは、例えば、ゴム状材料であってもよく、そして、限定しないが、Karaton社から入手可能な様々な共重合体又はブロック共重合体(Karaton(登録商標))、スチレンブタジエンゴム又はスチレンイソプレンエンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)ゴム、二トリル(アクリロニトリルブタジエン)ゴム、その類似物のようなポリマーを含んでもよい。
幾つかの実施形態において、スリーブ108且つ/又は筐体132はまた、上述のポリマー又は複合物のような適切な材料で更にコーティング且つ/又は処理された金属且つ/又はセラミック材料から作られてもよい。例えば、実質的に振動を減衰/吸収/反射するような金属且つ/又はセラミック材料を用いることができる。震動且つ/又は他の機械的エネルギーがスリーブ108且つ/又は筐体132の金属且つ/又はセラミック製のコンポーネント内部に伝わらないような、粘弾性且つ/又は他のコーティングをまた、採用してもよい。
1つの実施形態において、スリーブ108、且つ/又は筐体132、又はそれのコンポーネント/部分に対して、チタン及び、ニッケルチタンなどのチタン合金を用いてもよい。
他の実施形態において、圧電セラミックのような圧電材料が用いられてもよい。圧電材料は、機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換するのに一般に用いられる。
発明の1つの特定の実施形態において、試料112と接触するポリマースリーブ108の先端部116からヘッド128を引っ込めた静止位置における打診棒120のヘッド128までの距離が、一般に、例えば、約3.5ミリメターから約5.5ミリメターまでの範囲、そしてさらなる例としては、約3.75ミリメターから約4.5ミリメターまでの範囲となるように、ハンドピース104のポリマースリーブ108は突出する。1つの実例の実施形態において、試料112と接触するポリマースリーブ108の先端部116からヘッド128を引っ込めた静止位置における打診棒120のヘッド128までの距離は、大よそ4ミリメターであってもよい。打診棒120のこれらの測定値は、単なる例示であり、限定するものではない。1つの実施形態におけるポリマースリーブ108長さは、打診棒120の長さと、打診棒120が作動時に前方への進行が摩擦と重力によって著しく低下することなく進行可能な総距離と、に依存する。
上述のように、スリーブ108は、着脱可能であってもよく、任意のスレッド取り付け、摩擦適合、バヨネット構造、溝形構造、スナップ適合、インターネスティングピンとピンホール構造、ラッチそして他の相互接続構造で筐体132に取り付けられてもよい。1つの実例の実施形態において、スリーブと筐体は、よりよい適合のためにカスタムメードのスレッドシステムであってもよい。
1つの実例の実施形態において、図3に示されたように、ポリマースリーブ108の他端部136は、同様のスレッドを有するハンドピース筐体132と接合するようなスレッド116aであってもよい。ポリマースリーブ108の試料端116を含む平面は、ハンドピース筐体の軸にほぼ垂直である。また、ポリマースリーブ108の試料端116の表面面積は、十分に大きくてもよい。これとタブ110は、ハンドピース104のほぼ垂直配置と位置安定において助けとなる。1つの実施形態において、先端部116の試料端の外径は、一般に、例えば、約6ミリメターから約14ミリメターまでの範囲内であり、そして、更なる例示として、約8ミリメターから約11ミリメターまでの範囲内である。1つの実例の実施形態において、外径は、約9.5ミリメターである。先端部116の試料端の内径は、一般に、例えば、約3ミリメターから約6ミリメターまでの範囲内であり、そして、更なる例示として、約4ミリメターから約5ミリメターまでの範囲内である。1つの実例の実施形態において、内径は、約4.7ミリメターである。
スリーブはまた、スリーブがスレッドするところからスリーブ108の試料端116に向かって減少するように変化する内径を有してもよい。図1は、ポリマースリーブ108が3つの離散的な内径を有する実施形態を示す。他の実施形態は、3つ以上又は以下の内径を有する。この内の1つの実施形態は、ポリマースリーブがスレッドするところからポリマースリーブ108の試料端116に向かって連続的に減少する内径を有する。減少する内径は、打診棒120が、一貫した位置を一貫した傾斜角で試料112を打つようにガイドし得る。タブ110を持つスリーブ108は、物体112上への配置をより正確により精密なものとし得る。例えば、測定過程に影響を与え得る任意の応力波を減衰するような緩衝能力とそのような長さを有するポリメトリックスリーブ108は、操作中にポリマースリーブ108の先端部116を物体112に直接的に置くことが可能となる。物体112にハンドピース104のポリマースリーブ108の先端部116を直接的に配置することによって、物体112とハンドピース104のスリーブ108の先端部116との間の間隔を保つ上で利点を有し、スリーブの先端部116と、もし存在するならば、タブ110とフィーチャ111とによって更に固定される物体112の表面の位置は実質的に矛盾なく同じである。これにより、よりよいデータの再現性とより高い精度をもたらす。この可能性は、距離と配置の推測を除去し、そして、例えば、測定中の患者の頭又はオペレータの手が非常にわずかに震えることによって生じる誤差を除去する。
本発明の1つの実施形態において、ハンドピース104のタブ110を有するスリーブ108の先端部116は、試料112上に直接的に配置され、オペレータの評価と、もし存在するならば、試料112のわずかな移動とは関係なく、一貫性の再現と非常に精密な測定を可能とする。
他の実施形態において、また、ハンドピース104のタブ110とフィーチャ111を有するスリーブ108の先端部116は、試料112上に直接的に配置され、オペレータの評価と、もし存在するならば、試料112のわずかな移動とは関係なく、一貫性の再現と非常に精密な測定を可能とする。
更に、スリーブ108の先端部116とタブ110、又はタブ110とフィーチャ111を物体112上に直接的に載せることはまた、測定がなされる間に、オペレータがハンドピース104を安定して持つことを容易とし、スリーブ108の先端部116と物体112との間の距離を一定に保つことを容易にする。図1に示されたように、平ら状の先端部116を有するスリーブ108は、物体112と接触するように先端部116が配置されるときに、ハンドピース104が物体112の表面にほぼ垂直に配置することを更に助ける。先端部116、タブ120、及び物体112、又は先端部116、タブ120、及びフィーチャ111間の接触による自己位置合わせは、測定及び後続測定のいずれにおいても、打診棒120が物体112を打つ角度が一定に保たれることから、より正確そしてより精密な測定をもたらす。
更に、ハンドピース104のスリーブ108において、震動を減衰させる特性を有するポリマー又は他の材料を使用することはまた、ハンドピース104の筐体132へと応力波が伝播することを防ぐことによってよりクリーンな信号を得ることができる。1つの実例の実施形態において、スリーブ108としてPTFEを使用してもよい。他の実施形態において、ポリオキシメチレンを、スリーブ108のために使用してもよい。PTFEとポリオキシメチレンは、オートクレーブ可能であり、そして物体112からの応力波を減衰するために十分な高緩衝能力を有する。スリーブ108材料は、一般的には、例えば約0.03から約0.2の範囲内、そして、更なる例示として、約0.06から約0.1の範囲内の損失係数として表される緩衝能力を有してもよい。1つの実例の実施形態において、損失係数は、大よそ0.08であってもよい。PTFEはまた、測定過程において、打診棒120が前後に動く時にスリーブ108と打診棒120間の摩擦を減らす固形潤滑剤となる利点を有する。
物体112に対してそれ自体で自己位置合わせを行う平ら状の先端部116及びスリーブ108のタブ120を有することから、オペレータは、ハンドピース104をグラウンドにほぼ水平にそして測定中の物体112の表面にほぼ垂直に保つのを助けられる。テスト中にオペレータがハンドピース104をほぼ水平に保つのを更に助けるために、ハンドピース104は、ハンドピース104の筐体132に取り付けられるレベル表示器140を有してもよい。本発明の1つの実施形態において、レベル表示器140は、透明ケースに閉じ込められる液に挟まれる気泡144を含んでもよい。ハンドピース104がほぼ水平位置にあることを保障するために、ユーザは単に、透明ケースの中間にある2つのマーク148と152の間の中央に気泡144がくるように保てばよい。
再び図1に戻り、ハンドピースは、圧電力センサ160aを含むドライブ機構160と、例えば、高速データ収集ボードによってもたらされる高速データ収集性能を有するコンピュータ164といったシステムハードウェア164とを含むシステムの一部であってもよい。1つの実施形態において、コンピュータ164に収容されるデータ収集カードの16ビットアナログ/デジタル変換チャネルを使用してもよい。他の実施形態において、純粋なディジタルチャネルを使用してもよい。図1aにおいて、図1と1aに示されたように、エネルギー適用の前、間及び後における、打診棒120のようなエネルギー適用ツールの変位を感知し、そして測定するために、ドライブ機構160は、線形可変差動変圧器160bを含んでもよい。線形可変差動変圧器160bは、非接触線形センサであってもよい。センサは、誘導技術を用いてもよく、そうすることで任意の金属の対象物を感知することが可能となる。
1つの実施形態において、ハンドピース104のエネルギー適用プロセスは、スイッチ機構140によるような機械機構を通じて誘引されてもよく、例えば、図1に示されたように、オペレータが簡単に起動できるように、ハンドピース上の便利な箇所に置かれたフィンガースイッチであってもよい。
他の実施形態において、ハンドピース104のエネルギー適用プロセスは、フットコントロールを通じて誘引されてもよい。
更なる実施形態において、ハンドピース104のエネルギー適用プロセスは、例えば音声コントロールを通じて誘引されてもよい。音声コントロールは、電気的制御装置に連結されてもよい。電気的制御装置は、マイクロプロセッサと電気機械式スイッチ又は固体素子スイッチのようなスイッチを含んでもよい。玩具、携帯電話、自動車と他の家電製品のような電子装置に用いられる技術に類似する電子音声コントロールの回路技術は、エネルギー適用プロセスを起動するために使用されてもよい。また更なる実施形態において、ハンドピース104のエネルギー適用プロセスは、遠隔無線制御を通じて誘引されてもよい。遠隔無線制御は、マイクロプロセッサと電気機械式スイッチ又は固体素子スイッチのようなスイッチを含んでもよいスイッチ機構140に連結されてもよい。スイッチは、赤外線放射を通じて又は無線ラジオ信号を通じて又は電磁スペクトルの可視部分からの光を通じて起動されてもよい。
1つの実例の実施形態において、物体112のテストを開始するために、ハンドピース104のスリーブ108の先端部116が試料112に対して配置され、そしてハンドピース104内部の打診棒120は、図1に示されたように、ハンドピース104上に配置されているフィンガースイッチ124を押すことで起動される。
フィンガースイッチ124又はハンドピース上のフットコントロール、音声又は無線制御の他のスイッチを起動すると、可動打診棒120がスリーブ108内の開口部を通じて推進コイルによって駆動され、物体112に、例えば、4秒に16回衝突する。打診棒120が移動すると、打診棒120上に位置する磁石157は、測定コイル158に対し変位される。打診棒120の加速は、圧電力センサ160aによって計測されてもよく、又は打診棒120の変位は、線形可変差動変圧器160bによって感知され、そして計測されてもよい。図1に示されたように、操作中に、打診棒によるタッピングのようなエネルギーの適用後に、圧電力センサ160aによって測定がされる時に、そのような衝突(衝撃,percussion)から得られる衝突波に対応する信号は、収集されそしてコンピュータ164に送られる。1つの実施形態において、圧電力センサ160aは、各々の衝突(衝撃,percussion)から得られる衝突波に対応する信号を生成するために使用されてもよい。1つの形態において、コンピュータ164内に収容されるデータ収集カード上の16ビットアナログ/デジタル変換チャネルが使用されてもよい。そのような実施形態において、コンピュータ164は、少なくとも大よそ800kHzのサンプリングレートで動作するが、他の実施形態において、コンピュータ116は、少なくとも大よそ600kHzのサンプリングレートで動作してもよく、更なる例として、少なくとも大よそ500kHzのサンプリングレートが用いられてもよい。圧電力センサ160aによって生成される信号は、任意の器具のインターフェースを介してコンピュータ162内に収容されるデータ収集カードに提供されてもよい。1つの形態において、信号は、同軸ケーブル168を介して圧電力センサ160aからコンピュータ164の高速データ収集カードに転送されてもよい。他の形態において、器具のインターフェースは、シグナルコンディショナと独立電源供給を含んでもよい。また他の形態において、器具のインターフェースの改良された実施形態は、コンピュータ164内部に組み込まれてもよい。
コンピュータ164に記憶されるソフトウェアは、物体112又は物体が取り作られる周辺部又は土台の例えば緩衝能力又は上に列挙した他の特性といった構造的特性を定量的に特定するために、例えば、16回の衝突(衝撃,percussion)の内の10回分を収集して解析する。典型的に、例えば与えられた物体に対する損失係数のサンプリングのために6から10回の衝突は十分に足りる。例えば、1つの実施形態において、打診棒120は、物体112に4秒間に約16回衝突する。他の実施形態において、より速い又はより遅い衝突(衝撃,percussion)繰り返しレートが用いられる。1つの実例の実施形態において、打診棒120は、フィンガースイッチ(図示されない)、あるいは、無線制御によって電子的に起動される1又は複数の推進コイル156によって駆動されるが、上述のように、他の実施形態において、推進コイル156は、遠隔的に起動されるようにしてもよい。
打診棒120が物体112に衝突した時に、打診棒120の運動エネルギーの一部は、応力波として物体112を介して伝播する機械的エネルギーに変換される。物体112の損失係数と構造によって規定されるように、残りの運動エネルギーのほとんどが、熱に変換(消費)される。伝播される機械的エネルギーの部分は、打診棒120に反射され、筐体106内部に取り付けられた圧電力センサ160aによって検出されることができる。圧電力センサ160aは、打診棒120と物体112との間の衝突(衝撃,percussion)から得られる反射された機械的エネルギーに対応する信号を生成する。
例示された実施形態において、コンピュータ164は、圧電力センサ160aから受信した信号を解析できる器具を仮想的に実現するソフトウェアを含んでもよい。圧電力センサ160aからのデータを収集するために、非常に多様な異なるタイプのデータ収集ソフトウェアが用いられることができる。1つの実施形態において、National Instruments(Austin, Tex.)から入手可能のLabVIEWプログラミング環境を用いて開発された、カスタマイズされたデータ収集ソフトウェアが使用されてもよいが、他の実施形態において、他のプログラミング環境が使用されてもよい。
圧電力センサ160aから信号が受信された後、データ処理ソフトウェアは、例えばしばしば損失係数17として表現される物体112の緩衝能力といった、要望される特性を定量的に測定することを可能とする。上述のように、一連の衝突(衝撃,percussion)に対して、緩衝能力の計算が複数回実行されてもよい。例えば、打診棒120が物体112に16回衝突する、1つの実施形態において、物体112の緩衝能力が16回の衝突(衝撃,percussion)の内の10回に対して計算されてもよい。そのような実施形態において、緩衝能力測定の標準偏差が計算されることができ、故にユーザに測定精度の指標を提供することができる。特に、ハンドピース104が物体112に対して適切に配置されていなければ、又は他のエラーの原因が測定プロセスに存していれば、このエラーは、一連の緩衝能力測定の標準偏差が上昇する形からおそらくそのエラー自体を明らかにすることになる。事前に議論された任意の物体の任意の構造的特性の任意のテスト又は測定の実施において、上述のタブ且つ/又はフィーチャを有するスリーブのようなシステムの任意の部分の様々の実施形態が使用されてもよい。
上述のように、本発明は、合成構造及び他の工学材料における微亀裂、破損、微破損と層間はく離のような内部損傷の検出においても応用を有する。特に材料の引張強さに近い応力下にある時に、複合物は一般に、非補強の金属より損傷が大きくなりやすい。本発明は、合成材料及び構造における非破壊テストを介して損傷を検出するのに有用である。
図9は、ソフトウェア処理の1つの実例の実施形態のフローチャート300を示す。プログラムがロードされそして実行された後(304)、次のステップ308は、キャリブレーションが必要か否かを決定する。普通のテスト構成が実施されれば、ファイルに記憶された以前決定されたキャリブレーション値をロードする(ステップ312)。キャリブレーションファイルは、メモリに記憶された多くの以前のキャリブレーションファイルの中から選択されることができる。新しいテスト構成が使用されれば、キャリブレーション処理316が完成され、そしてステップ320において新しいキャリブレーション値が実施される前に新しいキャリブレーション値が新しいファイルに記憶される。次のステップ324において、プログラムは、圧電力センサから信号を受け取り(ステップ324)、信号をエネルギーデータに変換し(ステップ328)、コンピュータモニター上にグラフィックとテキスト形式でエネルギーデータを表示し(ステップ332)、n、例えば損失係数η、を計算し(ステップ336)、且つ/又は損失係数測定の標準偏差と正規化された理想適合誤差を計算し、そしてオペレータの裁量によりエネルギーデータを破棄するか又はファイルに保存する(ステップ340)。
次に、オペレータは、その一連の測定に対してより多くの測定を実行する(ステップ357)、新しい一連の測定を開始する(ステップ358)、又はプログラムを終了する(ステップ359)、の3つのオプションの中から選択する。プログラムの1つの実施形態において、グラフィカルユーザインターフェースは、ユーザが選択することができる上述の3つのオプションを表示する。このインターフェースは、そのボックスから延びる3つのパス357、358と359を有するフローチャート内に輪郭で描かれたボックス356によって反映されている。
一連の測定に対してより多くの測定が要求される場合は(パス357)、プログラムは、プログラムが圧電力センサからの信号を受け取ったステップ324にループバックする。一連の測定に対してより多くの測定が要求されず、しかし代わりに新しい一連の測定が要求された場合は、プログラムは、プログラムが圧電力センサからの信号を受け取ったステップ324にループバックする前に、オペレータの裁量によりエネルギーデータを破棄するか又はファイルに保存する(ステップ352)。一連の測定に対してより多くの測定が要求されず、且つ新しい一連の測定が要求されない場合は(パス359)、プログラムは、プログラムを終了する前に(366)、オペレータの裁量によりエネルギーデータを破棄するか又はファイルに保存する(ステップ360)。
また、自然歯に対する衝突(衝撃,percussion)に関連する機械的エネルギーは、例えば、歯周の靭帯によって大部分が消失される。より具体的には、歯が衝突力にさらされた時、応力波は、歯を介して、歯を下の骨に接続する役割を持つ歯周の靭帯内部に伝えられる。それは変形することから、歯周の靭帯は、緩衝装置として働き、衝突(衝撃,percussion)に関連するエネルギーの多くを消失する。この減衰プロセスは、結果として周辺骨へ伝えられる衝突波を都合良く減少させる。それに対して、歯科インプラント人工補綴は、使用されている材料の特性のために機械的エネルギーの量を著しく消失するメカニズムを通常有さない。そのため、機械的エネルギーは、比較的小さい減衰でインプラント構造からその下の骨へ伝わる傾向にある。機械的振る舞いにおけるこの違いは、習慣的に歯ぎしり且つ/又は歯をくいしばる人に対して特に重要になり得る。なぜならば、そのような振る舞いは、歯に比較的大きな衝突力を加えるからである。物理的構造に対して、構造内部に減衰材料が組み込まれているか否かにかかわらず、構造に対する衝突(衝撃,percussion)に関連する機械的エネルギーは、亀裂、微亀裂、破損、欠損又は任意の構造的不安定性がない時よりも、亀裂、微亀裂、破損、微破損、層間はく離、欠損又は任意の構造的不安定性がある時に、異なる応答を生成し得る。
上述のように、材料が弾性機械的エネルギーを消失させる相対的な大きさは、損失係数を用いて特徴付けられることができる。損失係数値は、自然歯と同様に樹脂マトリックス複合物、金合成、金の積層材料に融着したポーセレン、二けい酸リチウム、ジルコニア、全てのセラミック製の復元物又は口腔での使用に適した任意の他の材料でできている上部構造物のようなインプラントが支持する多種の上部構造物を含む上述の任意の物体に対して決定され得る。インプラントが支持する構造物は、一般的には、それらに対応する自然歯よりも少ない機械的エネルギーを消失する。しかしながら、インプラントが機械的エネルギーを消失する能力は、インプラント周辺の骨結合のレベルに依存し、インプラントと周辺骨との間の貧弱な骨結合は、非常に高いレベルのエネルギー消失を引き起こさせる。このように、エネルギー消失は、例えば骨のリモデリングによってインプラントを実施した後最初は増えるが、骨結合の進行に従って一般的には減少する。結局は、インプラントの消失(緩衝)能力は、骨結合進行が完了するに従って一定になる。上述のように、正常の健康な歯に対して、咀嚼によって生成された震動エネルギーは、健康な骨質歯と接合する歯周の靭帯によって減衰される。自然歯が損傷又は病害された場合、おそらくそして確実であり得るが、靭帯は一般的に損失されるので、靭帯なしでそれがインプラントで入れ替えられる。ほとんどの場合において、統合が成功したインプラントには靭帯がない。この状況において、インプラントは、骨内部に直接的に震動力を伝え得る。この消失を補うために、インプラントの橋脚歯を製造するために幾つかの複合物、金、酸化ジルコニウム等のような複数の材料の使用は、多数の研究において有効であること示している。本発明の器具は、例えばインプラントといった解剖学的構造のための建造又は製造且つ/又は材料の選択を補助するようなものであってもよい。橋脚歯の材料の負荷に対する動的応答の測定は、そのような目的に使用してもよくそして移植前又は修復前にインプラントに対する修復性材料の適合性を推測するのに有用である。
頬側の負荷は遭遇する応力の中でより危険なタイプのものであるため、テスト結果と移植された時の実際の応答とを互いに関係つける能力は、本発明の他の形態である。一般に、咬合性の噛みしめは、比較的に低い応力を引き起こし、作業且つ/又は非作業動きは、側面負荷を引き起こし、そして内部表面とセメント質−エナメル境下において最も高い応力の集中を生成する非常に大きな応力を引き起こし得る。故に、本発明のシステムを用いる定量的震動診断は、インプラント、あるいは、自然歯のための最良の材料選択又は構造設計において助けとなり得る。
損失係数の決定は、米国特許6,120,466号に記載されている内容に従って実施されてもよく、これらの内容は、その全体の参照によって本明細書に取り込められるものとする。図14と15は、損失係数を計算するために用いられる式を示し、そして図16aは、損質係数の測定の例を示す。
ある時間間隔の間に、タッピング又はエネルギー適用の結果として物体から反射されるエネルギーを測定するような他の測定は、米国特許6,997,887号と7,008,385号に開示されるように、時間間隔の間に物体から反射されるエネルギーに基づいて時間エネルギープロファイルを作成し、且つ/又は物体の緩衝能力を測定するために時間エネルギープロファイルを評価することを含んでもよい。米国特許6,997,887号と7,008,385号の全ての内容は、それらの全体を参照することによって本明細書に組み入れられたものとする。
例えば、図1でも説明されたように、コンピュータ164は、更にメモリレジスタを含んでもよく、そのようにして、例えば離散時間周期の幾つかのポイントにおける物体112から反射されるエネルギーの量といった、時間に対する衝撃(衝突,impact)応答が記録される。そのような実施形態において、物体112から反射されるエネルギーは、コンピュータ164に取り付けられたディスプレイ上に時間の関数としてプロットすることができる。この構成は、試料112から反射されるエネルギーの時間エネルギープロファイルをユーザが見て解析することを可能にする。
時間エネルギープロファイルの生成に加えて、他の解析も、圧電力センサ160aから戻される信号に対して実施することが可能である。例えば、衝突(衝撃,percussion)に関連する仕事の量は、試料の変位に関連して打診棒120に加えられる力を積分することによって評価することが可能となる。物体112との衝突(衝撃,percussion)の間に打診棒112に加えられる力は、圧電力センサ160aを用いて測定することができる。衝突(衝撃,percussion)後、仕事の量は、物体112に存在する欠陥の量に部分的に依存する。特に、物体112内の欠陥は、打診棒120が物体112に衝突することで、その運動エネルギーを消失させる。それにより、打診棒120に戻され得る弾性エネルギーの量を減らす。
1つの実施形態において、打診棒120に戻される弾性エネルギーの量と衝突(衝撃,percussion)に関連する全仕事量との比較は、物体112内に存在する構造的欠陥の量と性質を特定するために使用され得る。他の実施形態において、ガウシアン分布のピーク又は他の数学的に得られるピークは、エネルギー、応力又はフォースデータのような測定された衝撃(衝突,imapct)応答に適合されてもよい。残分又は平均誤差は、測定されたデータがどれほどぴったりと欠陥のない物体112を表すものであるかを決定するために用いられてもよい。
図16bは、例えば歯上に生成された時間エネルギーのプロファイルといった時間に対する衝撃(衝突,imapct)応答の形の例を示す。正常の歯に対して、示されているように、滑らかなベル形カーブが生成される。異常の歯に対して、示されているように、例えば非対称のプロファイル又は複数ピークを有するプロファイルの様々な形を有するカーブが生成される。示されたプロファイルが歯に関連したものであるが、解剖学的又は工業的又は物理的なものであっても、上述の任意の物体に対してプロファイルが生成されてもよい。
本発明の装置とシステムはまた、米国特許5,476,009号と5,614,674号に開示されたような、他のダンピングファクターの測定に用いられてもよいし、米国特許5,836,891号と5,402,781号に開示されたような、生物組織の別々の部分の密度における損失を非観血的に決定する際に用いてもよいし、米国特許5,652,386号に開示されたような構造の形式上のダンピングファクターに用いられてもよいし、米国特許4,231,259号に開示されたような物体の特定の緩衝能力を測定することによる初期欠陥の検出のために用いられてもよいし、米国特許4,519,245号に開示されたような非破壊テストで用いられてもよいし、米国特許5,915,292号に開示されたような震動を起こしそしてフーリエ変換による解析のために使用される器具に用いられてもよいし、米国特許6,918,736号に開示されたようなゴム内の歯又は体内のインプラントの安定性を検出するために用いられてもよいし、米国特許5,518,008号に開示されたような歯又は歯科インプラントの可動性を特定するために用いられてもよいし、又は物体内に震動を生成するための衝撃(衝突,impact)器具を用いた他の任意の測定に使用されてもよい。これら米国特許の内容は、その全体の参照によって本明細書に取り込められるものとする。
エネルギー適用ツール120、例えば、打診棒120は、図37あるいは37aに示されるように、ハンドピース104の縦軸に実質的に垂直とすることができる先端部108aを有することができる。打診棒120は、ハンドピース104の筐体132の縦軸に対し実質的に直角で配置される、支点軸18上に重心を支点止めして置かれる長尺の振動レバーとすることが出来、先端部108aは、縦軸あるいは振動レバー120と実質的に直角である。この実施形態のハンドピース104は、水平に関し、ハンドピース120の姿勢あるいは傾きとは独立に機能するようにすることで、望ましくないなら、重力の影響を受けないようにする。更に、先端部108aの角度配置の結果として、測定を、例えば、患者の歯の臼歯領域などの、比較的とどきにくい場所においても行うことができる。
先端部108aは、テストされるべき物体112に対して当接する円形の面を有することができる。圧電力センサ160aは、先端部108aの部分、あるいは、それに比較的近いところに配置することで、テストされる物体112に比較的近くになるようにすることができる。打診棒120の最も大きな動きは、その位置において発生するので、こうすることで、より小さな検出器160aが用いられる事が出来るという有利な点を有する。
よく一体化されたインプラントは、図16bの上の曲線に示されたように、滑らか、対称、ベル形の時間−弾性エネルギーのプロファイルで低レベルのエネルギー消失を示す。本文脈に使われたように、“弾性エネルギー”(elastic energy)は、衝撃(衝突,percussion)器具100の打診棒120に加えられた弾性エネルギーを参照する。弾性エネルギーEeは、Ee=kF2によって与えられる。ここで、定数kは、打診棒120の有効弾性係数とは逆に変化し、そして力Fは、打診棒120の質量と、衝突(衝撃,impact)から作られる応力波の結果としての打診棒120の最大減速度の両方に比例する。
よく一体化されたインプラントとは対照的に、貧弱な骨結合、骨損失、内部欠陥、又は損傷した構造を患うインプラントは、一般的に不均一性の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。例えば、図27は、正常なインプラントに対する“正常な”時間に対する衝撃(衝突,imapact)応答のプロファイル200と同様に、良く一体化されていないインプラント構造に対する“異常な”時間に対する衝撃(衝突,imapact)応答のプロファイル210を説明する。これらのことは、正常なインプラントと異常なインプラントに対して図16bにも示されている。説明したように、健康な歯における時間に対する衝撃(衝突,imapct)応答のプロファイル200は、滑らか、対称、ベル形を有するのに対して、異常なインプラント構造における時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイル210は、滑らかでも対称でもなく、又は第二極大212を有し得る。異常なインプラント構造における時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルの形は、ネジのゆるみ、損傷した内部構造、骨/インプラント接続部における骨損失、又は貧弱な骨結合のような欠陥が存在することを示す。第二極大に加えて、構造的欠陥を示す時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルの形状における他の異常は、散乱したデータ、非対称と不規則な形を含む。
この原理の追加の例は、図28に提供され、よく一体化されたインプラントに対する“正常な” 時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイル300と同様に、良く一体化されていないインプラントに対する“異常な”時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイル310を説明する。これらのインプラント構造は、いずれも、例えば、機能異常(parafunctional)がひどい高齢患者の口内に配置されたものである。以前に説明したように、第二極大312は、ネジのゆるみ、損傷した内部構造、骨/インプラント接続部における骨損失、又は貧弱な骨結合のような欠陥がインプラントの箇所に存在することを示す。
前述の例は、歯科構造における時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルの解析がその構造のインテグリティ及び安定性に関する情報を提供することができることを説明する。これらの解析技術は、臨床医に対して、観血的処置を要求せずに自然及び人工的な歯科構造の安定性についての情報を提供する、正確で、速く、そして簡易なツールを提供する。タブ且つ/又はフィーチャは、これらの測定の再現性に寄与し、標準偏差をより小さくする。
複合物の構造に対して、上述の本発明の器具は、歯科医術以外の分野においても使用されてもよい。例えば、そのような器具は、層状のハニカム複合物又は他の構造のような複合物の構造の局所的な緩衝能力を査定するために使用されてもよい。特に、複合物の構造のテストにそのような器具を使用することは、構造を損傷させることなく、これらの構造の緩衝能力を評価することを可能にする。本明細書に開示される器具はまた、緩衝能力を評価するための従来の装置と比較して、軽く、ポータブルであり、利用しやすく、迅速でありそして安価である。
緩衝能力は、材料が震動を吸収し分離する能力を評価するため、緩衝能力は、航空宇宙、船、橋、アーチ構造、土木工学及び自動車工学分野等において、防音のために使用される材料に関して特に関心がある。継続使用後の従来材料と同様に、開発中の新しい材料の緩衝能力をテストすることがしばしば求められる。
1つの例として、層状のハニカム構造は、一般に比較的高い緩衝能力を有し、そのため、これらの分野において防音材としてしばしば使用される。一般的な層状のハニカム構造は、比較的薄く、高強度及び剛度を有する2つの表層を有する。表層は、比較的厚いが、軽く、表層に対し垂直方向に高強度を有するハニカムコア構造を囲む。例えば、ハニカムコア構造は、E.l. du Pont de Nemours and Company(Wilmington, Del.)から入手可能なNomex(登録商標)のハニカムコアを含んでもよい。表層とコアは、一般的に機械的に又は接着剤(例えば、フェノール樹脂又は他の構造的又は反応性の接着剤など)で接着され、構造に複合物の特性を与える。複合物の構造において、コアがせん断応力を帯びている間、表層は、曲げ応力を帯びる。長期間に渡って音響震動にさらされた時、ハニカムコアそのものと同様に、層間の結合における劣化は、層状のハニカムコア構造の防音能力を減少させ得る。
ここで、図29を参照し、複合物の構造の緩衝能力を評価するために構成された装置の実例の実施形態が説明される。装置は、衝撃(衝突,impact)器具100を安定させるために構成された固定されたブラケット150内部に取り付けられた本発明のシステム100の実施形態を含む。システム100は、テストされる物体又は試料112に実質的に垂直に器具100を配置するのを助けるためにレベル152を備えていてもよい。実例の実施形態において、試料112は、手で調整可能なバイスドライブ156を有するアングルバイス154内に獲りつけられる。そのため、テストの間、試料112を圧縮状態に保つことが可能になる。改正された実施形態において。システム100によって検出される可能性がある振動性ノイズの外部ソースを減少させるために、アングルバイス154は、ゴムグリップを備えていてもよい。
まだ図29を参照し、システム100は、器具のインターフェース168を通じてコンピュータ164に接続される。そのような実施形態において、コンピュータ164は、時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルのようなシステム100によって生成されたデータをグラフィカルに表現可能なディスプレイ180を含んでもよい。
図29に説明されたテスト装置は、多種の材料の緩衝能力を評価するために用いられてもよい。例えば、1つの応用において、この装置は、層状のハニカム複合体の試料の緩衝能力を評価するために用いられてもよい。そのような応用において、テストされる試料112は、アングルバイス154内に取り付けられ、バイスドライブ156を用いてほぼ2765gcmのトルクで固定されるが、他の実施形態において、試料112は、異なるトルクを負荷されてもよい。
1つの実例の実施形態において、本発明の器具は、正常の機能異常活動、繰り返し負荷を与える活動そして限定するものではないがただの異常のイベントような損害を与え得る衝突(衝撃,percussion)から口を守るための最高の生物模倣型の材料を選択するために助ける。加えて、それはまた、インプラントが支持するどのタイプの復元物(例えば、CAD/CAM複合樹脂及びCAD/CAM複合樹脂とセラミック製のアンレーとクラウンからなる酸化ジルコニウム製の橋脚歯(zirconia abutment))が、生理学的に関連のあるダイナミックな負荷に対してより生物模倣的に応答するかを評価するために用いられることができ、損失係数の測定が用いられてもよい。インプラント/橋脚歯/復元物が、選択された材料で作られた後、本発明の器具は、復元物それぞれの頬側表面の冠状第三に垂直に配置されてもよい。図26に示されたように、プローブを水平に保つように、歯がある角度に保たれてもよい。選択された物体又は試料112に対する測定は、インプラント、復元物などに対して用いられる最適な材料を推測するために用いられてもよい。例えば、酸化ジルコニウム製のインプラント橋脚歯に接着された複合樹脂製のアンレー(onlay)は、擬態された骨対応構造における歯と比較した場合に、負荷に対して最良の生物模倣的な動的な応答を示す。
1つの他の実例の実施形態において、本発明の器具はまた、歯科治療又は歯科インプラント移植直後の歯の構造のゆるみをテストするために用いられてもよい。歯の構造がただゆるいだけで、上述の欠陥又は亀裂がない時に、図19b、dとf、又は図20、20a〜bに示されたように、歯科治療及び、続く、歯の歯列矯正移動の前に、単にゆるい場合は、比較的平坦な時間に対する衝撃(衝突,percussion)応答のプロファイルを有し得る。歯科治療が落ち着いて、新しい構造の周りの骨が治り、そして歯列矯正するために必要な時間の後に、図20c〜eに示された正常のベル形プロファイルとなる。もう1つの他の実例の実施形態において、歯列矯正の後に、歯科矯正医が歯の安定性を測定するために、本発明は用いられてもよい。
更に、図21bと22aに示されたように、異常又は複数ピークを持つ低く又は平坦なプロファイルは、極端な可動性と構造的破損に対応したものである。これは、歯が修復可能ではなかったことを示す。
上述の任意の測定において、本発明のスリーブ108は、測定対象の物体との接触に対して適応されない他の市販のハンドピースに組み合わせてもよく、そのようにして、本発明の利点はまた、実現され得る。スリーブ108の入手可能なハンドピースへの適切な取り付け方法は、ハンドピースを変形するのに用いることが出来る。
示されたように、幾つかの実施形態において、スリーブ108且つ/又は筐体のある部分は、微生物の成長を減少、防止、妨害又は最小限化することが可能なコーティングを含んでもよい。そうすることで、高温のオートクレーブ処理又は侵食性の強い化学物質の使用を最小限にとどめ、そしてそのようなツール又は器具を作るための基材として有用な材料の種類と数を増やすことが可能となる。
コーティングは、少なくともスリーブ108の耐用年数のような期間に対して実質的に永久的な結合が可能な、化学的な抗菌性材料又は合成物を含んでもよく、又はスリーブ108の露出した表面上へのコーティング薬の助けによりそれらの抗菌性を維持するようにしてもよい。1つの例において、共有結合又は結合によって化学物質が、スリーブ108の表面上に堆積されてもよい。
他の実施形態において、コーティングは、使用中に、分解され、浸出し、又は口のような有用なフィールドに抗菌性物質を運ぶような非永久的な方法で堆積された、化学的な抗菌性材料又は合成物を含んでもよい。
更なる他の実施形態において、コーティングは、湿った環境において又は水分に接する際薬を浸出させ且つ/又は放出し得る抗菌性薬のソースを含んでもよい。これらのソースは、スリーブの製造のために使用された基板材料内部に取り込まれてもよく、又はスリーブ108の露出した表面上にコーティングされたコーティングに含まれてもよい。ソースの取り込みは、ポリマー基板に対して特に適する。
化学的な抗菌性材料又は複合物は、限定しないが、抗生物質、抗かび性物質、一般の抗菌性薬、金属イオンを精製する金属、又は抗菌性効果を生成可能な任意の他の材料を含む様々な物質を含んでもよい。化学的な抗菌性材料又は複合物はまた、例えば患者への不利な効果又は不快を最小化するように選択されてもよい。
抗菌性合成物は、限定しないが、抗生物質、第四級アンモニウムカチオン、金属イオンのソース、トリクロサン、クロルヘキシジン且つ/又はそれらの任意の他の適切な合成物又はそれらを混ぜたものを含んでもよい。
更なる他の実施形態において、抗菌性活性は、様々な金属、特に人間への影響が少ない遷移金属の抗菌性特性を利用することによって成し遂げ得る。例はそれらの抗菌性効果と人間への生物学的影響がほとんどないことで注目されている、自由銀イオンのソースを含んでもよい。金属イオンの抗菌性活性は、様々な方法によって作られてもよく、これらの方法は、例えば、製造中に金属イオンのソースと歯科器具の材料を混合すること、プラズマ堆積のような方法で表面をコーティングすること、親和性又は結合部位を形成するために、エッチング又はコロナ放電のような方法で歯科器具の表面を破壊して金属イオンのソースをゆるく複合させること、そして電気めっき、光還元及び沈殿のような手段で表面に金属を堆積することを含んでもよい。スリーブ108の表面は、使用中に抗菌性効果を生み出す自由金属イオンをゆっくりと放出し得る。
幾つかの実施形態において、金属イオンのソースは、イオン交換樹脂であってもよい。イオン交換樹脂は、材料の表面上の結合部位内にイオンを運ぶ物質である。イオン交換樹脂は、与えられた親和性を有するような特定のイオン種をしみ込ませたものであってもよい。イオン交換樹脂は、より高い親和性を有するような異なるイオン種を含む環境内に置かれてもよく、しみ込ませたイオンは環境内に浸出し、環境内に元々存在するイオン種によって置き換えられる。
1つの実施形態において、スリーブは、例えば銀のような金属イオンのソースを含むイオン交換樹脂を含んでもよい。金属イオンのソースを含むイオン交換樹脂は、例えば銀を含むジルコニウムリン酸ベースのセラミックイオン交換樹脂であるAlphasan(登録商標)(Milliken Chemical)を含んでもよい。イオン交換樹脂は、スリーブ108上にコーティングされてもよく、又はスリーブ108の材料内に合体されてもよい。
更なる他の実施形態において、スリーブ108は、固有の抗菌性活性を有する天然植物、天然材料コーティング又はそれらの混ぜ合わせから作られてもよい。そのような材料は、幾つかの新しいキシン質結合ペプチドによって抗菌性活性を有すると思われる、竹のような材料を含む。
本発明は、また、打診棒のようなエネルギー適用ツールを用いた、上記した、構造的特性を測定するシステムと方法を提供し、測定あるいはシステムの性能に干渉することなく、システムから伝播される、測定を受ける物体の汚染、あるいは、測定を受けた前の物体からの相互汚染を消去、あるいは、最小化することを助ける廃棄可能なフィーチャを含む。システムは、再取り付け可能性を助けるフィーチャを含んでもよいし、含まなくてもよい。
本発明の一実施形態においては、廃棄可能なフィーチャは、打診棒120のような、エネルギー適用ツール120の着脱及び廃棄可能な先端部108aを含むことが出来る。先端部108aは、磁石801あるいは磁気素子801によって、打診棒の残り部分に接続されても良い。一形態では、磁石あるいは磁気素子801は、先端部108a上に存在することが出来、また、廃棄可能である。他の形態では、先端部108aは、前端120aに存在する磁石あるいは磁気素子によって、打診棒の残り部分に接続されても良い。
本発明の他の実施形態においては、廃棄可能なフィーチャは、廃棄可能な膜800と廃棄及び着脱可能な先端部108aを含むことが出来、廃棄可能な膜800は、先端部108aを覆わない。したがって、膜は、測定中、上述したように、エネルギー適用ツール120の伸張あるいは、支点の周りのエネルギー適用ツール120の振動の間も完全に維持される。
一形態では、着脱可能な先端部108aが、例えば、スリーブ108及び/あるいはタブ110などの、再取り付け可能性を助ける任意のフィーチャなしで、図30に示されている。先端部108aは、また、廃棄可能な膜800の端から伸び、しかし、小さな襟部80bで、押圧フィッティングして、それに保持される。例えば、打診棒120などのエネルギー適用ツール120の実施形態の前端120aの断面図が示されている。先端部108aは、打診棒120の前部120aに、磁気的に取り付けられる。先端部108aは、図30aに示されるように、物体接触面120cを有する。一実施形態では、先端部108aは、ここでは特に示さない、磁石あるいは磁気素子801を含む。他の実施形態では、打診棒120の前部120aは、図36dに示されるように、磁石あるいは磁気素子801を含んでいる。膜800は、保持襟部80bによって保持され、前部120aを覆うが、図30、30a、30b及び36cに示されるように、先端部108aは、暴露されたままとする。図30a及び30bは、保持磁石801あるいは磁気素子801を有する、図30の先端部108aの背面図と前面図をそれぞれ示す。ここに示されるように、膜は、先端部108aを覆わず、先端部108aと膜800は、両方とも、廃棄可能である。他の実施形態においては、膜800は、図33に示されるように、折りたたみ800bを有する膜800など、先端部108aを覆うこともでき、あるいは、先端部108aは、打診棒120の残り部分に垂直であることができ、したがって、先端部108aは、再利用可能とすることが出来る。
スリーブは、図30の実施形態には無く、したがって、打診棒120を包むハンドピース104の筐体132は、測定を受ける物体112と接触せず、したがって、再取り付け可能性を助けることを提供しない。先端部108aの前端120cは、歯112のような、テスト面と直接接触する。
他の形態では、例えば、スリーブ108のような、再取り付け可能性を助けるフィーチャを有する着脱可能な先端部108aが図31に示されている。図31は、ハンドピース104の外側部分に沿ったスリーブ取り付け位置109bと共に、着脱可能な先端108a、膜800及びスリーブ108を有する本発明のエネルギー適用ツール120の前端120aの断面図を示す。図36cに示されるように、先端部108aは、廃棄可能な膜800の端から伸びるが、小さな襟部80bあるいは80b−1で、押圧フィッティングして、それに保持する。保持襟部80bは、膜800をスリーブ108に固定するために用いることが出来、保持襟部80b−1は、図36cに示されるように、先端部108aを膜800に固定するために用いられることが出来る。図31は、また、スリーブ108をハンドピース104上に取り付けるための、前部104aの中間部分に向かう、例えば、くぼみ、チャネル、陥凹あるいは、同様なものなどのフィーチャ109aを示す。このフィーチャは、そのような取り付けを行うために、特には示さない、ハンドピースのリッジ、バンプあるいは同様なものと噛み合うことが出来る。また、例えば、図31及び32に示されるように、ガイドクリップ109bなどの、スリーブ108を筐体132に更に固定するための他のフィーチャがあってもよい。一形態に従うと、スリーブ108の一部が暴露されるようにも出来る。暴露された部分108bは、タブ110がない場合を除いて、図36に示されるように、スリーブ108の残り部分から取り外すことができ、暴露された部分108bのみが廃棄可能となる。他の形態に従うと、スリーブ108の全体は、図34b1及び2に示されるように、タブ110がない場合を除いて、暴露されるようにしてもよく、スリーブ108の全体は、廃棄可能である。
更なる形態においては、図32に示されるような、例えば、スリーブ108とタブ110のような、再取り付け可能性を助けるフィーチャを有する着脱可能な先端部108aが、図31あるいは32に示される。図32は、ハンドピース104の外側の部分に沿ったスリーブ取り付け位置108cと共に、着脱可能な先端部108a、膜800及び、タブ110を有するスリーブ108を有する、本発明のエネルギー適用ツール120の前端120aの断面図を示す。先端部108aは、廃棄可能な膜800の端から伸びるが、小さな襟部80bで押圧フィッティングして、それに保持する。図31は、また、スリーブ108をハンドピース104上に取り付けるための、前部104aの中間部分に向かう、例えば、くぼみ、チャネル、陥凹あるいは、同様なものなどのフィーチャ109aを示す。このフィーチャは、そのような取り付けを行うために、特には示さない、ハンドピースのリッジ、バンプあるいは同様なものと噛み合うことが出来る。一形態に従うと、スリーブ108の一部108bが暴露(露出)されるようにも出来る。暴露された部分108bは、図36に示されるように、スリーブ108の残り部分から取り外し可能とすることで、暴露された部分108bのみを廃棄可能とすることができる。他の形態に従うと、スリーブの全体が、図34b1及び2に示されるように、暴露されるようにしてもよく、スリーブ108全体は廃棄可能である。エネルギー適用ツールアセンブリは、図31及び32に示されるように、ハンドピース筐体132内部にフィットする、筐体109内に箱詰めあるいは収容されることができる。
更に他の形態では、上記したように、スリーブ108、タブ110及びフィーチャ111は、また、再取り付け可能性を助けるために存在し、また、廃棄可能とすることができる。
本発明の更に他の実施形態においては、廃棄可能なフィーチャは、エネルギー適用ツール120の前部120aの先端部108aを覆う、あるいは、包む、廃棄可能な膜800を含むことが出来る。
一実施形態においては、エネルギー適用ツール120は、図33に示されるように、先端部108aを囲む、廃棄可能な膜800を有する。膜800は、先端部108aの周りの筐体104の両側において、折りたたまれ、あるいは、溝付けられることが可能であり、エネルギー適用ツールが伸張された位置にあるとき、折りたたみ800bあるいは溝800bは、先端部108aを汚染から守り、破れ、あるいは、引き裂きなしに、膜800を守るために、開かれた状態になる。一形態においては、適用ツール120は、特には示されていないが、膜800を保持するための襟部80bの配置のための、先端部108aに向かって、わずかに細くなった部分を有する前部120aを有することが出来る。他の形態においては、適用ツール120は、分離点の周りに膜800を保持するための襟部80bの配置のための、着脱可能な先端部108aを有する前部120aを有することが出来る。
他の実施形態においては、エネルギー適用ツール120が、図37及び37aに示されている。廃棄可能なフィーチャは、図37bに示されるように、先端部108aの周りに、廃棄可能な膜800を含むことが出来る。
図37、37a及び37bを参照すると、先端部108aは、エネルギー適用ツール120が打診棒120であるとき、一定の速度で、テスト物体112に衝突することが出来る。打診棒120は、ハンドピース104の筐体132の縦軸に対し直角に配置された支点軸18上に重心が来るよう、回動可能に置かれる、長尺の振動レバーとすることができ、先端部108aは、筐体の縦軸あるいは振動レバーの残り部分120と実質的に直角をなす。打診棒120は、したがって、筐体132の縦軸に対して実質的に平行な方向から鋭角の方向になど、支点軸18上で前後に揺れ、先端部108aの上下の振動動作を生成する。膜800は、図37bに示されるように、襟部80bによって保持され、先端部108aは、テスト物体に暴露されない。この実施形態のハンドピース104は、筐体104の縦軸と平行な水平位置とは異なる位置に保持されることが出来、したがって、水平に関し、ハンドピース120の姿勢あるいは傾きとは独立に機能することが可能であり、望まれないなら、重力の影響がないようにできる。更に、先端部108aの角度方向の配置のために、測定は、前述したように、例えば、患者の歯の臼歯領域のような比較的とどきにくい場所で行うことができる。先端部108aは、テストされるべき物体112に衝突することができる、円形の表面を有することができる。圧電力センサ160aは、先端部108aの部分、あるいは、比較的近くに配置されることで、テストされるべき物体112に比較的近くするようにする。これは、前述したように、打診棒120の最も大きな動きがその場所で発生し、より小さな検出器160aを用いることが出来る、という利点を有する。一形態では、ハンドピースは、図37、37a及び37bに示されるように、スリーブ108を有しないことも出来る。他の形態では、ハンドピースは、図37、37a、37bには特に示されていないが、スリーブ108を有することが出来る。更に他の形態では、ハンドピースは、図37、37a及び37bには特に示されていないが、スリーブ108と、タブ110、及び/あるいはフィーチャ111を有することができる。
図34は、物体接触面120cが暴露されている、図32のエネルギー適用ツール120の前端を有する、本発明のハンドピース104の断面図を示す。一形態では、スリーブ108は、図34、34a、b、bl、c及びdと、35aに示されるように、スリーブ108の残りの部分から分離可能な前端108bも有することができる。この分離可能部分108bは、分離されたとき、スリーブ108の廃棄できる唯一の部分とすることができる。他の実施形態においては、スリーブ108全体が廃棄可能であってもよい。スリーブ全体が廃棄可能であるなら、膜800は、スリーブ108以外のハンドピース、あるいは、更なる保護のため、スリーブ108を含むハンドピースを覆うことができる。
上記実施形態の任意のものの廃棄可能な膜800は、多くの方法で、スリーブ108に取り付けることができる。一実施形態においては、廃棄可能な膜は、超音波ボンディングによって、スリーブ108に保持されることができる。他の実施形態においては、廃棄可能な膜は、ヒートシーリングによって、スリーブ108に保持されることができる。更なる実施形態においては、廃棄可能な膜は、成形によって、スリーブ108に保持されることが出来る。
図34a、34bl、b2、34c、36c及び36dは、図34のハンドピース104のさまざまなパーツの分解立体図を示す。図34aは、図34のハンドピース104の全体の分解立体図を示す。ハンドピースは、図34aに示されるように、上部カバー132aと下部カバー132bを含む。光、例えば、カバー132aの下の状態LED90は、ハンドピース104のONとOFFを示すためにあっても良く、光を表面に伝達するために、図34aに示されるように、前端104aに向かって上部カバー132a上に対応するLED光導管90aが配置されている。ハンドピース104は、スイッチ124も含むことが出来、スイッチ124は、ロッカースイッチあるいは押しボタンとすることが出来る。スイッチは、有線あるいは無線を介して接続されるフットスイッチによって起動されても良く、あるいは、スイッチは、遠隔あるいは無線で起動されても良い。スイッチ124の動作部分は、PCBA130(印刷回路ボード)上に配置されても良い。筐体132は、オペレータのつかむ部分を提供することができる筐体132の全体を覆う外部カバー132dと共に、打診棒120から離れた筐体の端を閉じるキャップ132cを含むことも出来る。一形態においては、ハンドピースは、図1に示されるように、外部電源に繋がれ、あるいは、例えば、図34aに示されるようなバッテリ131、キャパシタ、トランスデューサ、ソーラセル、外部電源及び/あるいは任意の他の適切な電源などの、筐体内部に含まれる電源によって電力を与えられても良い。
図34b、34bl及び36cは、図34aの前端の分解立体図を示す。図34bは、スリーブ108bの分離可能な前部と、廃棄可能な膜800には覆われていない後部108と、を示す。図34b1及び36cは、分離可能な前部108bが暴露され、スリーブ108の残りの部分を覆う膜800を有するスリーブ108の残りの部分を示す。図34cは、上部カバー132aを有しない、図34の上面図を示し、スリーブ108、タブ110、先端部108a、及び、測定を受ける物体の面に接触することができるスリーブ108の前端108bを有する打診棒120の前端の拡大図を含み、図34aにも示されるすべてのパーツを示している。
一実施形態においては、上記したように、ハンドピース104は、図34aに示されるように、バッテリ131によって電力供給されることができる。他の実施形態においては、ハンドピース104は、図1に示されるように、電源に接続されることが出来る。
スリーブ108は、図34bに示されるように、スリーブグリップ104eとエンドキャップ104fを含むことが出来る。
図35a、b及びcは、さまざま図で、図34のハンドピースを示し、完全に組み立てられたところの、異なる角度からのハンドピース104のすべての外部コンポーネントを示している。
図36a、b、c及びdは、図34の詳細図を示す。図36a及びbは、エネルギー適用ツール120の筐体あるいは筐体132のない、打診棒120上にフィッティングされたスリーブ108を、上面図と側面図とで示す。
図36dは、図34aよりも詳しく、完全なハンドピースの分解立体図を示す。前に図1及び5に示されたように、打診棒120のようなエネルギー適用ツール120は、筐体132内に入れられる、図36a及び36dに示されるように、前部120eと後部120fとを有する自身の筐体内に箱詰め、あるいは、収容されることが出来る。磁石あるいは磁気素子80aは、先端部108aが、打診棒120の残り部分と接触し続けることを保証する。センサ160aは、圧電チップ、ピン160c及び、チップに予負荷をかける調整可能なホルダを含むことが出来る。チップは、打診棒120によって打たれたとき、電圧を生成し、ピン160cは、チップと、センサ160aの残り部分との間に電気接触を提供する。
打診棒120のコンポーネントは、例えば、ねじ160eによるなど、さまざまな方法で、所定の場所に保持されることが出来る。再度図36a、36b及び36dを参照すると、後部筐体120fは、ピン160cからの信号を運ぶことができる打診棒を囲むコイル160fを含む、打診棒120の主要コンポーネントを収容する。ペアセットのねじ160gは、例えば、ストローク数など、打診棒120のストロークを調整あるいは限定するために、後部筐体120fの端に向かって配置されることが出来る。上記したように、電磁コイル156は、電源が入れられると、打診棒を駆動するために用いられることが出来る。打診棒の戻りあるいは引き込みを補助するために、推進磁石などの装置156aを用いることが出来る。鉄心などの装置156bは、打診棒120の推進と戻りの両方を補助することができる。
上記したように、本発明のシステムと方法は、非破壊的である。これは、再取り付け可能性を助けるための廃棄可能なパーツ及び/あるいはフィーチャを有することも、有しないこともできるシステムに適用可能である。本発明は更に、測定の感度あるいはシステムの性能を犠牲にすることなく、衝撃、たとえ測定を受ける物体へのわずかな衝撃さえも最小化する構造的特性を測定するシステムと方法に関する。本発明の一実施形態においては、システムは、測定のよりよい感度を示し、あるいは、維持しつつ、測定の間の、物体112への衝撃の力を最小化するように、軽量な、及び/あるいは、遅い速度で動くことができる、エネルギー適用ツール120を含む。一実施形態においては、例えば、打診棒120などのエネルギー適用ツール120は、ハンドピース104の重量を最小化するために、より軽い材料で作られることができる。より軽量な打診棒120は、また、測定中、物体112への衝撃力を減少することができる。打診棒120を包む筐体120e及びfも、より軽量な材料で作ることが出来るが、これは、ハンドピース104の全重量を最小化するのを助けるのみで、ハンドピース104の動作には何の影響もない。他の実施形態においては、例えば、打診棒120などのエネルギー適用ツール120は、測定中の物体112への衝撃力と共に、ハンドピース104のサイズを最小化するように、より短く、及び/あるいは、より小さな直径で作られることができる。これは、より軽量な材料で作られる、打診棒120を包む筐体120e及びfと組み合わせてもよいし、組み合わせなくても良い。更なる実施形態においては、システムは、エネルギー適用ツール120の加速度を軽減することができるドライブ機構160を含むことが出来る。例えば、ドライブ機構160は、軽量、及び/あるいは、長さや直径がより小さい、あるいは、打診棒120を包む筐体120e2及びfがより軽量な材料で作られているか否かに関わらず、測定の感度を維持しつつ、動作中、エネルギー適用ツール120の加速度と、物体112へ衝撃力を軽減する、より小さいドライブコイル160aを含むことが出来る。これらの実施形態は、更なる利点のため、上記実施形態の任意のものと組み合わせられることも可能である。
測定を行う速度は、また、測定中、物体112への衝撃を最小化するために、衝撃の初期速度を増加しないことが望ましい。本発明は、衝突時において、同じ初期速度を維持しつつ、エネルギー適用ツール120の移動距離を、例えば、約4mmから約2mmに減少できるドライブ機構160を有する構造的特性の測定のための、更に他のシステム及び方法に関し、したがって、より高速な測定を、システムの動作を犠牲にすること無く、可能とする。システムは、再取り付け可能性を助け、及び/あるいは、前述のフィーチャで、衝撃を軽減し、あるいは、エネルギー適用ツール120で、物体112への衝撃力を減少する他の実施形態を含む、廃棄可能なパーツ、及び/あるいは、フィーチャを有してもよいし、有しなくても良い。この実施形態は、軽量、及び/あるいは、長さあるいは直径がより小さいか、あるいは、打診棒120を包む筐体120fがより軽量な材料で作られているか否かに関わらず、更なる利点のための上記実施形態の任意のものと組み合わせることもできる。
上記したように、測定中、ハンドピース104は、スリーブ108の端で、物体112に接触することが出来る。接触圧力は、オペレータにより変わっても良い。圧力は、ある範囲で整合的に印加され、その範囲は過大でないことが望ましい。力センサが、この圧力印加を検知するために、ハンドピース104に含まれても良く、視覚信号、音声、あるいは、デジタル読み取り値を伴うことが出来る。このセンサは、測定中に、物体に対する適切なアラインメントが得られることを保証するためにも用いられても良い。センサは、張力ゲージあるいは圧電素子を含むことが出来る。
ある実施形態では、単一あるいは別個のカンチレバーに搭載された複数の張力ゲージが用いられても良い。カンチレバーは、例えば、マウント装置上など、例えば、ハンドピース104の残りの部分あるいはスリーブ108から離れたコンポーネント上にあっても良い。例えば、図38の上面図に示される、マウント装置900などのマウント装置は、スリーブとハンドピースとの間に、張力ゲージあるいは他の力測定素子を搭載するのに利用されてもよい。マウント装置900は、一般に、先端部108a(不図示)などの先端部が、スリーブ108(不図示)などのスリーブ内に入るときに通る主胴体906内に、中央チャネル901を含んでも良い。マウント装置900は、張力ゲージの利用のために、カンチレバーアーム902が、図38aのマウント装置900の側面図に示されるように、カンチレバーアーム902の面と垂直な(方向A)力の印加によって、主胴体906の主平面Bから遠ざかる(方向Aのような)変形あるいは屈曲をすることが出来るように、接続点904のような、主胴体906との接続点において、一般に、支点固定あるいは曲がることが出来る、カンチレバーアーム902のような、少なくとも1つのカンチレバーアームを含むことが出来る。ゲージ910のような、張力ゲージは、一般に、接続点904において、あるいは、その近くにおいて、カンチレバーアーム902の変形あるいは屈曲を測定することができるように、カンチレバーアーム902上に搭載されることが出来る。
ある実施形態においては、図38に示されるように、マウント装置900は、別個のコンポーネントとすることができ、更に、主胴体906に貫通穴903などの固定フィーチャを含むことが出来る。貫通穴903は、一般に、固定ボルト(不図示)あるいは、他の固定具を、ハンドピース、スリーブあるいはその両方などに通すことにより、利用することが出来る。他の実施形態においては、マウント装置900は、ハンドピース、スリーブあるいは両方の一体化部分とすることができる。
マウント装置900は、図38に示されるように、複数のカンチレバーアーム902と張力ゲージ910を含むことが出来る。例えば、3つの別個のカンチレバーアーム902は、更なる例に拠れば、図示されているように、主胴体906の周りに120度だけ離れて、などのようにして主胴体906に取り付けられることができる。一般に、複数のカンチレバーアーム902と張力ゲージ910は、例えば、変形の測定を正規化し、その後、測定された力を正規化するために用いられることができる。
一形態では、力測定は、光などの視覚出力に接続されても良い。光は、1つでも複数でも、測定を行うオペレータが見やすいように、ハンドピース104の都合の良い位置に配置されることが出来る。一実施形態では、複数の光システムが含まれることが出来る。例えば、緑の光は、力の適正な量を示し、赤の光は、大きすぎる力を示すことが出来る。他の実施形態においては、1つの光システムが含まれることができる。例えば、力の適正な量の信号には光は無く、赤の光は、大きすぎる力の信号を与えることができる。更なる実施形態においては、フラッシュ点灯する赤の光が大きすぎる力を示すことができる。
他の形態では、力測定は、音響出力に接続されることが出来る。音響機構は、ハンドピース104上、あるいは、ハンドピース104が一部をなすシステムの残りの部分のいずれかに配置することが出来る。一実施形態においては、音響出力は、大きすぎる力を示すために、ビープ音を含むことが出来る。他の実施形態においては、音響出力は、大きすぎる力を示すために、フラッシュ点灯する赤い光と共に、ビープ音を含むことが出来る。更なる実施形態においては、力測定は、大きすぎる力を警告する音声警告システムに接続されることが出来る。更に他の実施形態においては、力測定は、大きすぎる力を警告するために、音声警告システムとフラッシュ点灯する赤い光に接続されることが出来る。
例
[例1:骨密度の生体外研究]
本研究のために用いたインプラントは、4スレッドチタンインプラント形状は:
1と2.Nobel Biocare(TiO2コーティング、13mm長):Branemark Mark IV(最大直径4mm);選択したテーパード(tapered)を入れ替え(最大直径4.3mm);
3と4.Dentsply(13mm長、5.5mm最大直径);Frialit−2(stepped design);XIVE(designed for immediate loading)
からなる。
手順:
2.5x2.5x4cmの気泡(foam)ブロックが製造された。インプラントは、製造者によって“外科的に”に配置された。穴が、模倣された骨ブロック内に手動的に空けられ、そしてインプラントは、トルクレンチで配置された。テストされる橋脚歯は、一貫した取り付け変位で万力内に置かれたインプラントとブロックに取り付けられた。各々の試料に対して3回の測定(30回の衝突)が実施された。
テスト結果は、1と2に対して図10と10a、そして3と4に対して図11と11a、に示された。これらのサンプルは、それら自体の材料におけるわずかな差異を調整することで類似のグラフを作るだろう。しかし、物体は、同じ様に用意されたにもかかわらず、オペレータが異なったり又は同一のオペレータでも、例えば、物体を取り付けるために異なるサイズの穴が空けられたといった技法においてわずかな変化があったために、グラフは、差異を示した。これらの差異は、器具によって拾い上げられ、グラフにおける差異として示された。これは、周辺環境における差異が本発明の器具によって明らかにされたことを示す。
[例2:頬側の衝撃(衝突,impact)負荷の重要性の評価]
上述のように、頬側の衝撃(衝突,impact)負荷は、一般的により危険なタイプの負荷である。一般的に、咬合性負荷は、比較的に低い応力を引き起こす。作業且つ/又は非作業動きは、側面の負荷を引き起こし、そして外部表面と内部表面とふち下において高い応力の集中を生成する非常に大きな応力を引き起こし得る。このように、本発明の実施形態は次のテストの実施のために用いられた。
手順:
本発明のシステムを用いて、図12に示されたような負荷で、測定が実施された。1〜15ニュートンの最大力の器具が一般に使用された。最大負荷は物体又は試料に応じて選択された。打診棒は、自由に動くことができる状態にあった。運動エネルギーは、制御されていた。衝突速度は、60mm/秒であった。
図26bに示されたように、本発明の器具は、物体上に配置された。図13に示された計算を用いて、打診棒は、8グラムの質量を有する。入力エネルギーUは、0.5mv2、つまり、打診棒の運動エネルギーであった。最大力(F)は、消失エネルギー(D)を決定するために用いられた。減速度、aが測定され、そして帰還エネルギー、ER=U−Dが計算された。本発明の器具による物体の衝突(衝撃,percussion)後に動的な応答が測定され、そして図16に示された。損失係数及びエネルギー帰還に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフは、図14と15に示された式を用いて作られた。図16bに示されたように、結果のグラフは、どれが正常でどれが異常であるかを示した。正常の構造に対して、なめらかでほぼベル形状グラフが得られた。上述のように、任意の欠陥又は亀裂を有する異常の構造に対して、不規則なグラフが生成された。
[例3:有限要素解析]
この解析方法は、本発明のシステム及び方法を用いた実際テストを模倣するために数値モデルの使用を含んだ。
本実験において、層状の構造が使用された。1つは、薄く切られた複合物の層に欠陥を有さない構造(図24)であり、もう1つは、薄く切られた複合物の層に欠陥を有する構造(図24b)である。
図23は、物体に対する打診棒の残留時間を測定した。ガラス棒又はシリンダーは、図23に示された測定のための歯構造を模倣するために用いられた。図23のグラフは、時間に対する打診棒とグラス棒の相対的な位置を示した。打診棒がグラス棒の表面をたたいた時、それらそれぞれの位置は、始点において一致した。時間の進行に従って、打診棒は、グラス棒の表面から徐々に離れて、そして250μ秒後においてそれらは分離した。これは、表面上の打診棒の残留時間が250μ秒であることを示した。
この残留時間を用いて、図24と24bの複合物プレートの解析が実施された。結果は、それぞれ図24aと24cに示されている。図24cのグラフは、複合物の層の欠陥、複合物の構造内の層間はく離を確認した。繰り返し測定が実施され、そして結果は、図25と25bに示されている。このように、解析は、本発明のシステム及び方法を模倣するために使用されてもよい。
[例4:インプラント、復元物等におけるより生物模倣的に互換性のある材料を決定するために損失係数を評価する]
抽出された人間の歯のLCを評価し、そしてインプラントが支持するどのタイプの復元物(例えば、CAD/CAM複合樹脂及びCAD/CAM複合樹脂とセラミック製のアンレーとクラウンからなる酸化ジルコニウム製の橋脚歯(zirconia abutment))が、生理学的に関連のあるダイナミックな負荷に対してより生物模倣的に応答するかを評価するために、図27bに示されたように、幾つかの材料の損失係数(LC)を測定するために本発明の器具が使用された。より適切な材料は、図16bの上側のグラフに類似するベル形を生成したが、あまり適切でない材料は、図16bの下側のグラフに類似して不規則なグラフを生成し、又は自然歯におけるLC値よりも低い値を示した。そのため、試行錯誤することなく、事前に復元物の材料の選択を容易にすることができる。この試行錯誤は、再治療が必要となった場合に、時間を費やしそして高価でありながら、患者を不快にさせ、より損傷を受け得る潜在的危険に患者をさらすこととなる。
[例5:亀裂、欠陥などを測定するための本発明の器具の感度と正確さ]
患者の口内の実際の人間の歯が、この研究に用いられた。図17と17a〜hの情報は、同一の歯に基づいて生成された。図17と17aは、病理を示さない患者の歯のレントゲン写真を示した。図17bは、また病理を示さない、年代物の合金の復元物の画像を示している。このように、レントゲン写真と目視検査は、いずれも、歯が正常である、つまり欠陥又は亀裂がないことを示した。これらの通常のテスト方法に基づいて、対称又はベル形の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイル又はグラフが期待できる(又は、図13、14と15内の式に基づいて計算された、図17c内のうすい影のカーブに類似する)。
しかしながら、同じ日に、図1と16に示された本発明の器具を用い、図27dに示されたタブを有するスリーブを用いて、時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフが作られた。図17cは、図17と17aと同一の歯を示し、ある異常性を示す異常な時間に対するエネルギー帰還の衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示した。異常のグラフは、非対称又は非ベル形のカーブを有し、図17cにおいて矢印によって示されたように、古い充填材の構造内部の異なる箇所において歯が亀裂を持つことを示した。複数の測定が実施され、そしてこれらの全ては、測定の再現性と同様に、同一の不規則な形状を示した。このように、本発明の器具は、任意の異常を検出することができた。図17f内の矢印によって示された異常な二次ピークはまた、亀裂を示す。
図17dは、年代物の合金の充填物を除去している間の図17の歯と同一の歯の画像を示し、充填物の下で微漏出及び総虫歯に発展した合金の充填物内部の著しい亀裂を示している。破損した合金の充填物は、漏れそして古い充填物の下で虫歯を発展させた。これは、本発明の器具によって検出された異常性を確認したものであった。
図17eと17fは、合金除去前の同一の前処理時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示した。図17e〜fに示されたように、再検査は、亀裂測定が再現可能であることを示した。
図17gは、古い合金及び虫歯が除去され、そして新しいよく封印された複合物の復元物が装着された後、図17eと同じ日に取られた、時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示した。その歯の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフはまた、正常であった。
図17hは、年代物の合金の復元物がその日のより早い段階で置き換えられた後の、図17gにおいて正常にテストされた新しい複合物の復元物を示す。この例のドラマは、図17fと17gのエネルギー帰還プロファイルは同じ日の同一の歯に対するもので、差異は、古い充填物と虫歯が除去され、そして写真17hの新しく接着された複合物の復元物が装着されたことである。
この実験は、他の歯で繰り返された。結果は、図18、18a〜fに示された。図18は、レントゲン写真上に病理が示されない歯を示した。図18aは、図18のレントゲン写真に示された歯の異常な時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示した。図18bは、図18と18aにおいて評価された歯の写真であり、目視検査では著しい病理がないことを示している。しかし、充填物を除去すると、深い虫歯が存在し、そして古い充填物の下に微漏出があった。図18cと18dと繰り返される同様グラフは、古い合金の除去前にその欠陥を示している。図18eは、最終的な復元物が完成した後の同一の歯における正常のERGを示す。図18fは、正常にテストされた新しい復元物をつけた図18bに示された同一の歯を示した。これはまた、本発明の器具の正確さを示した。
加えて、上述のように、本発明のシステムはまた、歯科治療直後の歯の構造のゆるみを検出するために使用されてもよい。図19〜19gは、異なる3つの上部の前歯に対する前処理のレントゲン写真と時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示す。
図19、19a、c、eとgは、比較的重要でない従来の歯科治療を示し、つまり、白いスポットで表される充填物と大きな白いスポットは、金冠に取り付けられたポーセレンであった。本発明の器具の実施形態で作られたグラフは、図19b、dとf、と図20に示されたように正常である。つまり、対称だが低い。歯は、ゆるくそして安定ではなかった。なぜならば、患者は、最近歯列矯正を終了したばかりだったからである。もちろん、構造的には問題はないのだが。
図20、20aと20bはまた、治療前にゆるんでいた歯の時間に対するエネルギー帰還の衝撃(衝突,impact)応答のカーブを示した。図20c、20d、20eは、同一歯に対する復元物における時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフであった。図20fは、修復され、そして構造的に正常の歯の最終的な写真を示した。グラフは、治療後に歯が骨により定着したため、ここではより高くなる。骨は、歯列矯正後に再造形可能となり、歯は、構造的に強固であった。そのため、歯科治療が落ち着いて、そして歯の構造がよりしっかりと取り付けられるために必要な時間の後に、正常のベル形のプロファイルがより高いプロファイルの結果となり、より大きな歯安定性(通常の骨の成長による歯が移動が少ない)を示している。
一方、図21bと22aに示されたように、異常又は複数のピークを持つ低く又は平坦なプロファイルが作られたとき、極端な可動性と構造的破損は、歯が修復可能ではなかった事実を示す。図21と21aは、図21bに用いられた歯のエックス線写真であり、複数の充填物を示しており、そして図22は、この古いクラウンの下の深い虫歯を示す。その深さは根の構造まで達し、広範な末期の虫歯によりこの歯は抜歯される必要があった。図22aは、本発明のシステムを用いて作られた同一の歯の時間エネルギーのプロファイルを示し、形状と高さにおいて非常な異常を示している。
上述の記述及び説明による発明の開示と共に、これらは本発明の代表的であって、そして限定として考慮されるべきではないと理解されるべきである。従って、本発明は、上述の記載によって限定されるべきではなく、しかし任意の同等物を含む。