以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、航空機の動翼を駆動するための動翼駆動機構において電動アクチュエータが設けられた形態を例にとって説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態で例示した形態に限らず、広く適用することができる。具体的には、本発明は、スクリュー機構を有し、電動モータが出力する回転方向の駆動力を直線方向の駆動力に変換して出力する電動アクチュエータに関して、広く適用することができる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電動アクチュエータ1が、航空機の翼101及び動翼102に対して取り付けられた状態を例示する模式図である。図1においては、航空機の主要部の図示は省略されている。図1では、翼101の一部、動翼102、及び動翼103が、模式的に図示されている。本実施形態では、翼101は、航空機の主翼として構成されている。動翼102は、スポイラーとして構成されている。本実施形態では、動翼102が、電動アクチュエータ1によって駆動される機器として構成されている。動翼103は、フラップとして構成されている。尚、図1では、翼101の後端側の部分を航空機の左右方向から見た状態が模式的に図示されている。また、図1では、翼101及び動翼(102、103)の輪郭のみが模式的に図示されている。
[動翼駆動機構]
電動アクチュエータ1の説明にあたり、まず、電動アクチュエータ1が適用される例である航空機用の動翼駆動機構100について説明する。図1に示す動翼駆動機構100は、航空機の翼101に設置される。動翼駆動機構100は、航空機の動翼102を駆動するために用いられる。そして、動翼駆動機構100は、電動アクチュエータ1、回転軸104、及び揺動軸105、を含んで構成されている。
回転軸104は、翼101に設置される。そして、回転軸104には、電動アクチュエータ1のハウジング11の端部が回転自在に連結される。これにより、電動アクチュエータ1は、翼101に対して、回転軸104を中心として、揺動自在に支持されている。
揺動軸105は、動翼102に設置される。そして、動翼102には、電動アクチュエータ1の出力部12の端部が回転自在に連結される。尚、動翼102は、支点軸106に対して、回転自在に支持されている。支点軸106は、翼101に設置されている。これにより、動翼102は、翼101に対して、支点軸106を中心として、揺動自在に支持されている。
電動アクチュエータ1においては、出力部12が、ハウジング11に対して突出して相対変位可能に設けられている。即ち、出力部12は、ハウジング11から突出することでハウジング11から伸張する動作が可能に構成されている。更に、出力部12は、ハウジング11に対して収縮する動作も可能に構成されている。
図2は、動翼102が、動翼駆動機構100の電動アクチュエータ1によって、図1に示す状態から駆動された状態を示す模式図である。図1は、出力部12がハウジング11に対して最も収縮した位置に退避した状態を示している。一方、図2は、出力部12がハウジング11から突出して伸張した状態を示している。図1及び図2に示すように、電動アクチュエータ1が作動することで、動翼102が駆動される。動翼102は、翼101に対して、支点軸106を中心として、揺動するように駆動される。
尚、図1に示す舵面駆動機構100において、リアクションリンクが更に設けられていてもよい。リアクションリンクは、電動アクチュエータ1からの出力が動翼102に出力された際に、この出力による動翼102からの反力を支持する部材として設けられる。リアクションリンクは、一方の端部が回転軸104に連結され、他方の端部が支点軸106に連結される。リアクションリンクが設けられることにより、可動側の動翼102が受ける負荷が固定側の翼101に対して直接に影響することが、抑制される。
[電動アクチュエータの構成]
図3は、電動アクチュエータ1を模式的に示す図であって、電動アクチュエータ1の一部断面を含む図である。前述のように、電動アクチュエータ1は、動翼102を駆動するアクチュエータとして構成されている。そして、図3に示すように、電動アクチュエータ1は、ハウジング11、出力部12、電動モータ13、ギヤ機構14、スクリュー機構15、支持部16、リンク機構17、解除機構18、トーションスプリング19、ワンウェイクラッチ20、位置検出機構21、等を備えて構成されている。
ハウジング11は、内部空間を有する構造体として設けられている。そして、ハウジング11は、その内部空間において、ギヤ機構14、スクリュー機構15、支持部16、等を収納している。また、ハウジング11の端部には、連結部11aが設けられている。連結部11aは、回転軸104に対して、軸受を介して、或いは筒状の摺動部材であるブッシュを介して、回転自在に連結される。これにより、ハウジング11は、翼101に対して、回転軸104を介して、回転自在に設置されている。
出力部12は、電動アクチュエータ1によって生成された駆動力を外部に対して出力する部分として設けられている。出力部12は、スクリュー機構15における後述の第1スクリュー22の端部に対して固定されている。そして、出力部12は、ハウジング11に対して、第1スクリュー22とともに突出可能に設けられている。これにより、出力部12は、ハウジング11に対して相対変位可能に設けられている。また、出力部12の先端部分には、連結部12aが設けられている。連結部12aは、揺動軸105に対して、軸受を介して、或いは筒状の摺動部材であるブッシュを介して、回転自在に連結される。
電動モータ13は、正逆回転動作が可能な電動モータとして構成されている。そして、電動モータ13は、例えば、動翼102の動作を制御するためのコントローラ(以下、「動翼制御用コントローラ」とも称する)からの指令に基づいて、フィードバック制御が行われる。尚、図面では、動翼制御用コントローラの図示は省略されている。
電動モータ13は、ハウジング11に取り付けられている。電動モータ13は、ギヤ機構14及びスクリュー機構15を介して、出力部12をハウジング11に対して駆動する駆動源として設けられている。電動モータ13の運転に伴って出力部12が駆動されることで、動翼102が駆動される。即ち、電動モータ13が作動することで、電動アクチュエータ1が作動する。そして、電動アクチュエータ1が作動することで、動翼102が駆動される。
ギヤ機構14は、電動モータ13からの駆動力をスクリュー機構15に伝達する機構として設けられている。そして、ギヤ機構14は、電動モータ13の回転駆動力を一旦増速又は減速してスクリュー機構15に伝達する。本実施形態では、電動モータ13の回転駆動力が、ギヤ機構14において一旦増速され、次いで、スクリュー機構15に伝達される形態が、例示されている。
本実施形態にて例示されたギヤ機構14は、平歯車14a及び平歯車14bを備えて構成されている。平歯車14aの回転軸と平歯車14bの回転軸とは、平行に延びるように配置されている。そして、平歯車14a及び平歯車14bは、互いに噛み合うように配置されている。
平歯車14aは、電動モータ13の出力軸13aの端部に固定され、出力軸13aとともに回転するように設けられている。即ち、出力軸13aは、平歯車14aの回転軸としても構成されている。尚、出力軸13aは、ハウジング11に対して、軸受を介して、回転自在に支持されている。
平歯車14bは、ハウジング11内において、平歯車14aに対して噛み合うとともに、スクリュー機構15における第2スクリュー23に対しても噛み合うように設置されている。即ち、電動モータ13から平歯車14aに入力された回転駆動力は、平歯車14bに入力される。そして、平歯車14bに入力された回転駆動力は、第2スクリュー23に入力される。尚、平歯車14bの回転軸の両端部のそれぞれは、ハウジング11に対して、軸受を介して回転自在に支持されている。また、平歯車14bは、平歯車14aよりも小径の歯車として設けられている。このため、電動モータ13からの回転駆動力は、ギヤ機構14において一旦増速されて伝達される。
[スクリュー機構]
スクリュー機構15は、電動モータ13が出力する回転方向の駆動力を直線方向の駆動力に変換して出力する機構として設けられている。図4は、図3の一部を拡大して示す図である。図3及び図4に示すように、スクリュー機構15は、第1スクリュー22、第2スクリュー23、複数のボール24、等を備えて構成されている。
スクリュー機構15は、第1スクリュー22及び第2スクリュー23の一方に電動モータ13からの駆動力が入力されるように構成される。更に、スクリュー機構15は、第1スクリュー22及び第2スクリュー23の他方が、出力部12に連結されるように構成される。本実施形態では、第2スクリュー23に電動モータ13からの駆動力が入力され、第1スクリュー22が出力部12に連結された形態が、例示されている。
第1スクリュー22は、ハウジング11に一部が収納されたネジ軸部材として設けられている。この第1スクリュー22は、内部に空間領域が形成された筒状の部材として設けられている。第1スクリュー22の内側の空間領域には、後述する位置検出機構21が配置されている。また、第1スクリュー22の外周には、螺旋状のネジ溝が設けられている。
また、第1スクリュー22の一方の端部は、ハウジング11から外部に露出するように配置されている。そして、ハウジング11から露出した第1スクリュー22の端部には、出力部12が固定されている。尚、出力部12には、連結部12aが設けられる端部とは反対側の端部において、ネジ軸部12bが設けられている。そして、第1スクリュー22の端部には、ネジ軸部12bが挿入される挿入孔が形成されている。ネジ軸部12bの外周には、オネジ部分が設けられている。一方、第1スクリュー22の端部の挿入孔の内周には、ネジ軸部12bのオネジ部分に螺合するメネジ部分が設けられている。第1スクリュー22に設けられたメネジ部分とネジ軸部12bに設けられたオネジ部分とが螺合することで、第1スクリュー22に出力部12が取り付けられる。更に、ネジ軸部12bには、固定ナット25が、ネジ軸部12bのオネジ部分に螺合した状態で、取り付けられている。第1スクリュー22に出力部12が螺合した状態で、固定ナット25が第1スクリュー22に向かって締め付けられることで、出力部12が第1スクリュー22に固定される。
第2スクリュー23は、ハウジング11に収納されている。そして、第2スクリュー23は、ハウジング11の内側において、後述する支持部16に対して回転自在に支持されている。また、第2スクリュー23は、第1スクリュー22が内側に設置される筒状の部分を有して構成されている。第2スクリュー23は、筒状の部分の外周側において、支持部16に対して回転自在に支持されている。また、第2スクリュー23における筒状の部分の内周には、螺旋状のネジ溝が設けられている。尚、第2スクリュー23において、筒状の部分の内側の領域は、第2スクリュー23の軸方向に延びる貫通孔として構成されている。
また、第2スクリュー23には、筒状に延びる部分の一方の端部において、ギヤ部23aが設けられている。ギヤ部23aの外周には、外歯歯車が形成されている。第2スクリュー23は、ギヤ部23aの外歯歯車において、ギヤ機構14の平歯車14bに噛み合うように設置されている。平歯車14bからの回転駆動力は、ギヤ部23aに入力される。これにより、第2スクリュー23は、回転駆動される。尚、ギヤ部23aの外歯歯車は、平歯車14bよりも大径の歯車として設けられている。このため、平歯車14bからの回転駆動力は、第2スクリュー23に対して、減速されて伝達される。
第2スクリュー23は、当該第2スクリュー23の筒状の部分の内側に配置される第1スクリュー22に対して、第1スクリュー22の軸心を中心として相対回転可能に取り付けられている。そして、第2スクリュー23は、第1スクリュー22に対して相対回転することで、第1スクリュー22に対して軸方向に相対変位可能に設けられている。即ち、第1スクリュー22も、第2スクリュー23に対して相対回転することで、第2スクリュー23に対して軸方向に相対変位可能に設けられている。
また、第2スクリュー23の内周のネジ溝と第1スクリュー22の外周のネジ溝との間においては、複数のボール24が循環して転動するように構成されている。即ち、スクリュー機構15は、ボールスクリュー機構の構成を備えている。
第1スクリュー22の軸心の位置と、第2スクリュー23の軸心の位置とは、一致している。そして、平歯車14bによって駆動された第2スクリュー23が軸心を中心として回転することで、複数のボール24が第1スクリュー22のネジ溝と第2スクリュー23のネジ溝との間で転動する。これにより、第1スクリュー22が、第1スクリュー22の軸方向に変位することになる。
尚、第2スクリュー23が回転すると、第1スクリュー22は、ハウジング11及び第2スクリュー23に対して、第1スクリュー22の軸方向に変位する。第1スクリュー22がハウジング11に対して軸方向に変位することで、第1スクリュー22とともに、出力部12も、ハウジング11に対して変位する。一方、第1スクリュー22に対して軸方向に相対変位する第2スクリュー23は、ハウジング11に対しては、第2スクリュー23の軸方向において変位しない。
上記のように、第2スクリュー23は、第1スクリュー22に対して相対回転することで、第1スクリュー23に対してその軸方向に、相対変位可能に構成されている。尚、本実施形態では、電動モータ13からの駆動力を入力された第2スクリュー23が回転し、第1スクリュー22が、ハウジング11、支持部16、及び第2スクリュー23に対して、軸方向に変位する形態を例示しているが、この逆の関係の構成が実施されてもよい。即ち、電動モータからの駆動力が入力された第1スクリューが回転し、第2スクリューが、ハウジング、支持部、及び第1スクリューに対して、軸方向に変位する形態が実施されてもよい。この場合、電動モータからの駆動力は上記のように第1スクリューに入力され、第2スクリューが出力部に連結される形態となる。
尚、第1スクリュー22に固定された出力部12と、ハウジング11との間には、図示が省略された回り止め機構が設置されている。この回り止め機構は、第1スクリュー22の軸心を中心とした第1スクリュー22及び出力部12の回転方向の変位を規制する機構として設けられている。この回り止め機構は、例えば、複数のリンク部材が連結された機構として設けられ、一方の端部が出力部12に取り付けられ、他方の端部がハウジング11に取付けられている。このように回り止め機構が設けられていることで、第2スクリュー23が回転した際に、第1スクリュー22が直線方向に沿って移動することになる。
[支持部]
支持部16は、第1スクリュー22及び第2スクリュー23の一方を回転自在に支持する構造体として設けられている。本実施形態では、支持部16は、第2スクリュー23を回転自在に支持するように構成されている。支持部16は、筒状構造部16a、軸受部(16b、16c)、スペーサ16d、摺動部材16e、等を備えて構成されている。
筒状構造部16aは、筒状に形成され、例えば、円筒状の部分として設けられている。筒状構造部16aの内側には、第2スクリュー23が配置されている。第2スクリュー23は、筒状構造部16aの内側に対して、軸受部(16b、16c)を介して、回転自在に設置されている。
また、筒状構造部16aは、ハウジング11の内側に配置されている。筒状構造部16aの外周には、複数の摺動部材16eが取り付けられている。筒状構造部16aは、複数の摺動部材16eを介して、ハウジング11の内周に対して、第1スクリュー22の軸方向と平行な方向に沿って、摺動可能に配置されている。
軸受部(16b、16c)は、筒状構造部16aの内周に対して第2スクリュー23の外周を回転自在に支持する機構として設けられている。本実施形態では、軸受部(16b、16c)は、一対で設けられている。
軸受部16bの外輪は、筒状構造部16aの一端側の内周に嵌め込まれている。そして、軸受部16bは、筒状構造部16aの一端側に対して、第2スクリュー23の外周を回転自在に支持している。軸受部16cの外輪は、筒状構造部16aの他端側の内周に嵌め込まれている。そして、軸受部16cは、筒状構造部16aの他端側に対して、第2スクリュー23の外周を回転自在に支持している。本実施形態では、玉軸受として設けられた軸受部(16b、16c)を例示している。
スペーサ16dは、円筒状の部材として設けられ、軸受部16bと軸受部16cとの間に配置されている。そして、スペーサ16dは、第2スクリュー23における筒状の部分の外周に装着されている。スペーサ16dの一端側の端部は、軸受部16bの内輪に対して当接している。一方、スペーサ16dの他端側の端部は、軸受部16cの内輪に対して当接している。これにより、軸受部16bと軸受部16cとの間の距離が、軸受部(16b、16c)の内輪側において、所定の距離に規定されている。
尚、軸受部16bにおけるスペーサ16d側と反対側の端部は、第2スクリュー23において段状に形成された部分に当接し、第2スクリュー23に対して位置決めされている。また、軸受部16cにおけるスペーサ16d側と反対側の端部は、第2スクリュー23の外周に嵌め込まれたストッパリング26によって、第2スクリュー23に対して位置決めされている。
上記構成により、第2スクリュー23の軸方向における軸受部(16b、16c)の位置が、固定されている。また、筒状構造部16aの内周側には、軸受部16bの外輪と軸受部16cの外輪との間で、両外輪によって挟まれる段状の部分が設けられている。このため、第2スクリュー23に対して固定された軸受部(16b、16c)が、筒状構造部16aに対しても固定されている。
[リンク機構]
図5は、リンク機構17及び解除機構18を示す模式図である。尚、図5では、リンク機構17と、解除機構18の一部とについては、外形が図示されている。また、図5では、解除機構18におけるハウジング11と一体に設けられる部分については、模式的な断面が図示されている。
図3乃至図5に示すリンク機構17は、複数のリンク部材(17a、17b)を備えている。本実施形態では、直列に連結された2つのリンク部材(17a、17b)を有するリンク機構17が例示されている。各リンク部材(17a、17b)は、例えば、長手方向を有し、直線状に延びる板状の部材として設けられている。そして、リンク部材17aとリンク部材17bとは、一方の端部同士が互いに回転自在に連結されている。
上記のように、リンク機構17は、リンク部材17aとリンク部材17bとが直列に連結されて構成されている。そして、リンク機構17は、その一方の端部が、支持部16に対して回転可能に連結されている。更に、リンク機構17は、その他方の端部が、ハウジング11に対して回転可能に連結されている。即ち、リンク機構17は、支持部16に連結される端部とは反対側の端部が、ハウジング11に対して回転可能に連結されている。このように、リンク機構17は、支持部16とハウジング11とを連結するように設けられている。
尚、より具体的には、リンク機構17の一方の端部は、リンク部材17aにおけるリンク部材17bに連結される端部とは反対側の端部として構成されている。そして、リンク部材17aにおけるリンク部材17b側と反対側の端部は、支持部16における突出部16fに対して、回転軸を介して回転自在に連結されている。
上記の突出部16fは、支持部16における筒状構造部16aの外周から外側に向かって突出した部分として設けられている。そして、突出部16fは、ハウジング11の外周壁部に設けられたスリット孔11bを貫通するように、配置されている。更に、スリット孔11bを貫通する突出部16fは、ハウジング11の内側から外側に向かって突出するように、配置されている。リンク部材17aの端部は、スリット孔11bからハウジング11の外部に露出した突出部16fの先端部分に対して、回転自在に連結されている。
また、上記のスリット孔11bは、ハウジング11の外周壁部において、貫通形成されたスリット状の孔として設けられている。そして、スリット孔11bは、ハウジング11の外周壁部において、第1スクリュー22及び第2スクリュー23の軸方向(以下、「スクリュー機構15の軸方向」とも称する)と平行な方向に沿って開口するように、設けられている。
また、リンク機構17の他方の端部は、リンク部材17bにおけるリンク部材17aに連結される端部とは反対側の端部として構成されている。そして、リンク部材17bにおけるリンク部材17a側と反対側の端部は、ハウジング11におけるリンク連結部11cに対して、回転軸を介して回転自在に連結されている。
上記のリンク連結部11cは、ハウジング11の外周から外側に向かって突出した部分として設けられている。そして、リンク部材17bの端部が、リンク連結部11cに対して、回転自在に連結されている。また、リンク連結部11c及びスリット孔11bは、ハウジング11の外周壁部において、スクリュー機構15の軸方向と平行な方向に沿って配置されている。
図3及び図5では、連結された複数のリンク部材(17a、17b)が、直線状に延びた状態が図示されている。リンク機構17は、連結された複数のリンク部材(17a、17b)が直線状に延びた状態において、ハウジング11に対する支持部16の相対変位を規制可能に構成されている。
直線状に延びた状態の複数のリンク部材(17a、17b)は、スクリュー機構15の軸方向と平行な方向に沿って延びている。そして、第2スクリュー23を支持する支持部16も、ハウジング11に対して、スクリュー機構15の軸方向と平行な方向に沿って相対移動可能に設置されている。更に、直線状に延びた状態のリンク部材(17a、17b)は、ハウジング11と支持部16とを連結している。
上記により、連結されたリンク部材(17a、17b)が直線状に延びた状態では、スクリュー機構15の軸方向と平行な方向における支持部16のハウジング11に対する移動が規制される。即ち、直線状に延びたリンク部材(17a、17b)の座屈方向に平行な方向におけるハウジング11に対する支持部16の相対変位が規制される。尚、リンク部材(17a、17b)は連結されているので、直線状に延びたリンク部材(17a、17b)の座屈方向と反対方向に対して平行な方向におけるハウジング11に対する支持部16の相対変位も規制される。
尚、連結されたリンク部材(17a、17b)が直線状に延びた状態は、必ずしも、連結されたリンク部材(17a、17b)が厳密に一直線に沿って延びた状態でなくてもよい。連結されたリンク部材(17a、17b)が直線状に延びた状態には、リンク機構17が、連結されたリンク部材(17a、17b)の連結位置においてハウジング11側に僅かに屈曲した状態も含まれる。即ち、リンク機構17は、リンク部材(17a、17b)の連結位置においてハウジング11側に僅かに屈曲したような直線状の状態であっても、ハウジング11に対する支持部16の相対変位を規制する。この場合、リンク機構17における複数のリンク部材(17a、17b)が連結されている部分である連結部分17cが、ハウジング11側に当接した状態となる。このため、連結されたリンク部材(17a、17b)の変形が規制される。これにより、直線状に延びたリンク部材(17a、17b)の座屈方向に平行な方向におけるハウジング11に対する支持部16の相対変位が規制される。尚、リンク部材(17a、17b)は連結されているので、直線状に延びたリンク部材(17a、17b)の座屈方向と反対方向に対して平行な方向におけるハウジング11に対する支持部16の相対変位も規制される。
一方、リンク機構17は、後述する解除機構18が作動することで、連結された複数のリンク部材(17a、17b)の連結位置において屈曲した状態となる。このとき、リンク機構17における連結部分17cは、ハウジング11から遠ざかる方向に向かって変位する。これにより、支持部16のハウジング11に対する相対変位が許容される。即ち、リンク機構17は、解除機構18が作動することで、連結されたリンク部材(17a、17b)の連結位置において屈曲した状態となり、支持部16のハウジング11に対する相対変位を許容するように構成されている。
[解除機構]
解除機構18は、リンク機構17によるハウジング11に対する支持部16の相対変位の規制を解除可能な機構として設けられている。解除機構18は、前述の動翼制御用コントローラからの指令に基づいて、作動する。動翼制御用コントローラは、スクリュー機構15において固着状態(ジャム状態)が発生したことが検知された場合に、解除機構18を作動させる。尚、スクリュー機構15における固着状態は、第1スクリュー22と第2スクリュー23とボール24との間におけるこじり或いは焼き付き等の原因によって、発生する。
また、スクリュー機構15において固着状態が発生したことを検知する方法は、種々の手段によって実施することができる。例えば、電動モータ13のトルク電流を検出する電流センサからの信号を動翼制御用コントローラが受信し、電流センサで検出された電流値に基づいて、動翼制御用コントローラにて、スクリュー機構15での固着状態の発生が検知されてもよい。この場合、例えば、動翼制御用コントローラは、電流センサで検出された電流値が所定の値よりも大きい場合に、スクリュー機構15において固着状態が発生していると判定するように構成されていてもよい。
或いは、後述する位置検出機構21からの信号に基づいて、動翼制御用コントローラにて、スクリュー機構15での固着状態の発生が検知されてもよい。後述するように、位置検出機構21では、第1スクリュー22のハウジング11に対する位置が検出される。そして、例えば、動翼制御用コントローラは、出力部12をハウジング11に対して変位させる指令を出力しているにも関わらず、第1スクリュー22がハウジング11に対して所定変位量以下しか変位しない場合に、スクリュー機構15において固着状態が発生していると判定するように構成されていてもよい。
図18に示すように、解除機構18は、プランジャ27、ソレノイド28、ガイド部29、等を備えて構成されている。プランジャ27及びソレノイド28は、ハウジング11に設置されている。ガイド部29は、ハウジング11の一部として又はハウジング11に固定された部材として構成されている。
プランジャ27には、プランジャ先端部27a及びプランジャ本体部27bが設けられている。プランジャ先端部27aは、プランジャ本体部27bから突出した部分として設けられている。そして、プランジャ先端部27aは、リンク機構17における複数のリンク部材(17a、17b)が連結されている部分である連結部分17cに対して当接可能な部分として設けられている。また、プランジャ先端部27aは、ガイド部29に貫通形成されたガイド孔29aの内側に配置されている。そして、プランジャ先端部27aは、ガイド孔29aによって変位方向を案内される。
プランジャ本体部27bは、ソレノイド28の内側に配置されている。プランジャ本体部27bは、ソレノイド28によって駆動される。そして、プランジャ本体部27bは、ソレノイド28によって駆動されることでソレノイド28に対して相対変位する可動鉄心として設けられている。
上記の構成により、プランジャ27は、ソレノイド28によって、ハウジング11から外側に向かって突出するように、駆動される。そして、プランジャ27は、解除機構18において、連結部分17cに向かってハウジング11側から突出するように変位可能に支持されている。プランジャ27は、本実施形態における突出部として構成されている。
ソレノイド28は、前述の動翼制御用コントローラからの指令に基づいて通電されるコイル部として設けられている。ソレノイド28が通電されて励磁されることで、解除機構18が作動することになる。そして、ソレノイド28は、励磁されることで、プランジャ27をリンク機構17の連結部分17cに向かって突出させるように駆動する。そして、プランジャ27は、ソレノイド28によって駆動されて連結部分17cに向かって突出することで、連結部分17cに当接した状態で、更に、連結部分17cを付勢する。これにより、プランジャ27は、リンク機構17を屈曲させるように、連結部分17cを付勢する。ソレノイド28は、本実施形態における突出駆動部として構成されている。
図6は、解除機構18が作動した状態を示す模式図であって、図5に対応させて示す図である。図6に示すように、プランジャ27は、ソレノイド28によって駆動されることで、連結部分17cに向かって突出する。そして、プランジャ27が連結部分17cを付勢することで、リンク機構17が屈曲することになる。
尚、リンク部材(17a、17b)が直線状に延びた状態のリンク機構17は、リンク部材(17a、17b)が直線状に延びる方向においては、大きな力を支持している。一方、リンク部材(17a、17b)が直線状に延びる方向に対して直交する方向においてリンク機構17が支持可能な力は、小さい。そして、プランジャ27は、連結部分17cに対して、リンク部材(17a、17b)が直線状に延びる方向に略直交する方向から当接する。このため、プランジャ27が連結部分17cを付勢することで、リンク機構17が容易に屈曲することになる。
また、図6に示すように、解除機構18が作動してリンク機構17が連結位置において屈曲すると、リンク機構17は、更に屈曲し易くなる。即ち、図6に示す状態になると、リンク機構17は、支持部16から外力が作用することで、容易に、更に屈曲することになる。
また、本実施形態では、プランジャ27は、ソレノイド28が励磁されることでソレノイド28から連結部分17cに向かって突出するように構成されている。そして、解除機構18には、プランジャ27を連結部分17cから離間させる方向に付勢する離間用のバネ(図示省略)も設けられている。
ソレノイド28が消磁された状態においては、上記の離間用のバネのバネ力が作用しているため、リンク機構17を連結位置において屈曲させるようにプランジャ27が連結部分17cを付勢する動作は、行われない。一方、ソレノイド28が励磁されると、プランジャ27が、上記の離間用のバネのバネ力に抗して、連結部分17cに向かって突出する。そして、プランジャ27が、リンク機構17を屈曲させるように、連結部分17cを付勢する。
尚、本実施形態では、ソレノイド28が励磁されることでプランジャ27が連結部分17cを付勢する構成を例示したが、この通りでなくてもよい。ソレノイド28が消磁されることでソレノイド28から連結部分17cに向かってプランジャ27が突出する変形例が実施されてもよい。
上記の変形例の場合、解除機構18には、プランジャ27を連結部分17cに向かって突出させる方向に付勢する突出用のバネ(図示省略)が設けられることになる。そして、ソレノイド28が励磁された状態においては、プランジャ27が、上記の突出用のバネのバネ力に抗して、連結部分17cから離間する方向に変位している。このため、リンク機構17を屈曲させるようにプランジャ27が連結部分17cを付勢する動作は、行われない。一方、ソレノイド28が消磁されると、プランジャ27が、上記の突出用のバネのバネ力によって、連結部分17cに向かって突出する。そして、プランジャ27が、リンク機構17を屈曲させるように、連結部分17cを付勢する。
ガイド部29は、前述のように、ハウジング11の一部として又はハウジング11に固定された部材として設けられている。そして、ガイド部29には、プランジャ先端部27aの変位方向を案内するガイド孔29aが設けられている。ガイド孔29aは、ガイド部29において、貫通孔として設けられている。そして、ガイド孔29aは、リンク機構17の連結部分17cに向かって開口している。更に、ガイド孔29aは、ガイド部29において、直線状に延びた状態のリンク部材(17a、17b)に対して直交する方向に沿って延びる孔として設けられている。
[トーションスプリング、ワンウェイクラッチ、位置検出機構]
図3に示すトーションスプリング19は、コイルバネとして設けられ、本実施形態におけるバネ部材を構成している。トーションスプリング19は、本実施形態では、リンク機構17及びハウジング11に対して設置されている。より具体的には、トーションスプリング19は、リンク部材17bとハウジング11のリンク連結部11cとが連結される位置に設置されている。
尚、図3では、トーションスプリング19及びワンウエィクラッチ20と、それらの電動アクチュエータ1における取付位置との関係が、模式的に分解斜視図で図示されている。具体的には、図3では、トーションスプリング19及びワンウエィクラッチ20と、それらの電動アクチュエータ1における取付位置との対応関係が、一点鎖線で図示されている。
トーションスプリング19におけるコイル状に巻かれた巻線の一方の端部は、リンク部材17bの端部に対して取り付けられて固定されている。一方、トーションスプリング19におけるコイル状に巻かれた巻線の他方の端部は、リンク連結部11cに対して取り付けられ固定されている。
上記の構造により、トーションスプリング19は、直線状に延びたリンク機構17の連結部分17cをハウジング11側のガイド部29に向かって押し付けるように、リンク部材17bにトルクを付与する。即ち、トーションスプリング19は、リンク機構17によってハウジング11に対する支持部16の相対変位が規制された状態で、連結部分17cをハウジング11側に向かって押し付けるように、リンク部材17bにトルクを付与する。
更に、上記の構造により、トーションスプリング19は、解除機構18がリンク機構17によるハウジング11に対する支持部16の相対変位の規制を解除し、リンク機構17が屈曲した状態となった際にも、リンク部材17bにトルクを付与する。このとき、トーションスプリング19は、連結部分17cをハウジング側に向かって付勢する方向のトルクを、リンク部材17bに付与する。即ち、解除機構18による解除動作後は、トーションスプリング19は、リンク部材17aとリンク部材17bとがハウジング11側で成す屈曲角度を大きくする向きに付勢する方向のトルクを、リンク部材17bに付与する。
更に、解除機構18による解除動作後は、トーションスプリング19は、リンク機構17の屈曲状態に応じた大きさのトルクをリンク部材17aに付与する。即ち、解除機構18による解除動作後は、トーションスプリング19は、連結部分17cがハウジング11から離間するように変位した変位量に応じた大きさのトルクをリンク部材17aに付与する。
ワンウェイクラッチ20は、一方の方向のみに回転力を伝達するクラッチ機構として設けられている。ワンウェイクラッチ20は、本実施形態では、リンク機構17及びハウジング11に対して設置されている。より具体的には、ワンウェイクラッチ20は、リンク部材17bとハウジング11のリンク連結部11cとが連結される位置に設置されている。ワンウェイクラッチ20としては、カム式、スプラグ式、等の種々の形態のワンウェイクラッチを用いることができる。そして、ワンウェイクラッチ20は、例えば、内輪側がリンク部材17bに係合して取り付けられ、外輪側がリンク連結部11cに係合して取り付けられる。
ワンウェイクラッチ20は、リンク部材17aとリンク部材17bとがハウジング11側で成す屈曲角度が大きくなる方向におけるリンク部材17bの回転動作のみを規制するように設置されている。即ち、ワンウェイクラッチ20は、リンク部材(17a、17b)が直線状に延びようとする方向におけるリンク部材17bの回転動作のみを規制するように設置されている。このように、ワンウェイクラッチ20は、解除機構18による解除動作後の状態において、リンク機構17の連結部分17cがハウジング11に接近するようにリンク部材17bが回転する動作を規制する。そして、ワンウェイクラッチ20は、連結部分17cがハウジング11から離間するようにリンク部材17bが回転する動作を規制しないように設けられている。
上記により、解除機構18による解除動作後の状態においては、リンク機構17がより大きく屈曲する方向に変形する変形動作は、ワンウェイクラッチ20によって許容される。即ち、連結部分17cがハウジング11から離間するようにリンク機構17が屈曲する方向に変形する変形動作は、ワンウェイクラッチ20によって許容される。一方、リンク機構17がより伸張する方向に変形する変形動作は、ワンウェイクラッチ20によって許容されないことになる。
また、解除機構18による解除動作後は、トーションスプリング19によって、連結部分17cがハウジング11から離間した変位量に応じた大きさのトルクがリンク部材17bに付与される。これにより、解除機構18による解除動作後に、リンク機構17が急激に屈曲してしまうことが抑制される。そして、ワンウェイクラッチ20によって、連結部分17cがハウジング11に接近する変位は規制される。これにより、解除機構18による解除動作後は、連結されたリンク部材(17a、17b)が直線状に延びた状態に戻ってしまうことが、ワンウェイクラッチ20によって阻止される。
図3及び図4に示す位置検出機構21は、ケース21a及びこのケース21aに対して変位するプローブ21bを備えて構成されている。そして、位置検出機構21は、ケース21aに対するプローブ21bの相対位置を検出する機構として設けられている。位置検出機構21は、ケース21aの主要部とプローブ21bとが、第1スクリュー22の内側に配置されている。
ケース21aは、ハウジング11に設置され、内部に1次側及び2次側のコイル(図示省略)が設けられている。プローブ21bは、第1スクリュー22に対して取り付けられて、第1スクリュー22とともに変位するように設けられている。また、プローブ21bには、ケース21aのコイルの内側でケース21aに対して相対変位する可動鉄心が設けられている。上記の構成より、位置検出機構21は、ハウジング11に対する第1スクリュー22の位置を検出するように構成されている。出力部12は、第1スクリュー22に固定されている。このため、位置検出機構21によって、ハウジング11に対する出力部12の位置も検出されることになる。
尚、位置検出機構21においては、1次側のコイルが励磁された状態で可動鉄心がケース21aに対して変位することで、2次側のコイルで発生した誘起電圧に基づく信号が位置検出信号として出力される。そして、この出力された位置検出信号は、動翼制御用コントローラに送信される。位置検出信号を受信した動翼制御用コントローラは、その位置検出信号に基づいて、電動モータ13を制御し、動翼102の動作を制御する。
[電動アクチュエータの作動]
電動アクチュエータ1の作動について説明する。スクリュー機構15における固着状態が発生していない通常の状態においては、動翼制御用コントローラからの指令に基づいて、電動モータ13の運転による電動アクチュエータ1の作動が行われる。
上記の場合、電動アクチュエータ1は、解除機構18が作動していない状態である。このため、図3に示すように、リンク機構17は、リンク部材(17a、17b)が直線状に延びた状態である。これにより、スクリュー機構15の軸方向と平行な方向における支持部16のハウジング11に対する相対変位が規制されている。そして、第2スクリュー23は支持部16に保持されているため、スクリュー機構15の軸方向と平行な方向における第2スクリュー23のハウジング11に対する相対変位も規制されている。
上記の状態において、電動モータ13の運転が行われると、電動モータ13の回転駆動力がギヤ機構14を介して第2スクリュー23に伝達される。これにより、支持部16に保持された第2スクリュー23が、第1スクリュー22の軸心を中心として、回転する。第2スクリュー23が回転することで、前述のように、第1スクリュー22が、出力部12とともに、ハウジング11及び第2スクリュー23に対して、第1スクリュー22の軸方向に変位する。これにより、動翼102が、翼101に対して、駆動される。
図7は、電動アクチュエータ1の作動を説明するための図である。図3においては、第1スクリュー22及び出力部12がハウジング11に対して最も収縮した位置に退避した状態が、図示されている。一方、図7においては、第1スクリュー22及び出力部12が、図3に示す位置よりも、ハウジング11から突出した状態が、図示されている。
電動アクチュエータ1の状態が図3に示す状態である場合においては、図1に示すように、動翼102は、翼101に対して起立していない状態となっている。即ち、動翼102の表面は、翼101の表面が配置されている面に沿って配置されている。そして、動翼102の後端部は、動翼103の表面の近傍に位置している。尚、動翼102の後端部は、動翼102における電動アクチュエータ1に連結される側の端部とは反対側の端部である。図1に示す動翼102の位置は、航空機の揚力を減少させないための位置である。
図2に示す動翼102の位置は、航空機の揚力を減少させるための位置である。例えば、航空機の着陸時に、航空機の揚力を減少させて地面との摩擦力に必要な垂直抗力を大きくするために、動翼102が図2に示す位置まで揺動するように駆動される。或いは、航空機が巡航高度から降下する際に速度を上昇させずに高度を低下させるために、動翼102が図2に示す位置まで揺動するように駆動される。この場合、動翼制御用コントローラからの指令に基づいて、電動モータ13の運転が行われ、図7に示すように、第1スクリュー22及び出力部12がハウジング11から突出するように、駆動される。これにより、動翼102が揺動し、図2に示すように、動翼102は、翼101に対して起立した状態となる。
一方、航空機の揚力を減少させることが不要な状態となると、動翼制御用コントローラからの指令に基づいて、電動モータ13の運転が行われ、第1スクリュー22及び出力部12がハウジング11に対して最も収縮した位置に退避するように、駆動される。これにより、動翼102が揺動し、図1に示すように、動翼102は、翼101に対して起立していない状態となる。
次に、スクリュー機構15における固着状態が発生した場合の電動アクチュエータ1の作動について説明する。例えば、ハウジング11に対して第1スクリュー22が突出又は収縮する動作の途中において、スクリュー機構15における固着状態が発生すると、第2スクリュー23に対して第1スクリュー22が軸方向に変位する動作が、不能となる。この場合、動翼制御用コントローラにおいて、前述のように、スクリュー機構15の固着状態の発生が検知される。
尚、上記のように、ハウジング11に対して第1スクリュー22が突出又は収縮する動作の途中において、スクリュー機構15における固着状態が発生した場合には、動翼102は、翼101に対して、ある程度起立した状態となっている。そして、第2スクリュー23に対する第1スクリュー22の軸方向の変位動作が不能なため、電動アクチュエータ1の通常の作動によっては、第1スクリュー22及び出力部12をハウジング11に対して最も収縮させた位置に退避させることができない。
しかし、上記のように、スクリュー機構15の固着状態の発生が検知されると、動翼制御用コントローラからの指令に基づいて、解除機構18が作動する。即ち、ソレノイド28が励磁され、プランジャ27がリンク機構17の連結部分17cに向かって突出する。これにより、図6に示すように、リンク機構17が連結位置において屈曲する。尚、スクリュー機構15の固着状態の発生が検知されると、電動モータ13の運転も停止される。
解除機構18が作動してリンク機構17が屈曲した状態で、動翼102に外力が作用すると、その外力が、出力部12に作用する。出力部12に作用した外力は、第1スクリュー22に伝達される。そして、第1スクリュー22は第2スクリュー23に固着しているため、第1スクリュー22に伝達された外力は、第1スクリュー22、第2スクリュー23、及び支持部16を介して、リンク機構17に伝達される。
上記の状態において、ワンウェイクラッチ20は、リンク機構17の連結部分17cがハウジング11に接近するようにリンク部材17bが回転する動作を規制している。このため、出力部12をハウジング11に対して突出させる方向に付勢する外力が出力部12に作用する場合は、ワンウェイクラッチ20による上記の動作規制によって、スクリュー機構15の軸方向における出力部12のハウジング11に対する位置は、ほとんど変化しない。即ち、スクリュー機構15の軸方向における、出力部12、スクリュー機構15、及び支持部16のハウジング11に対する位置は、ほとんど変化しない。そして、リンク機構17の屈曲角度も、ほとんど変化しない。
一方、ワンウェイクラッチ20は、連結部分17cがハウジング11から離間するようにリンク部材17bが回転する動作を許容する。このため、出力部12をハウジング11に対して収縮させる方向に付勢する外力が出力部12に作用する場合は、出力部12は、ハウジング11に対して収縮する方向に向かって移動する。そして、出力部12とともに、スクリュー機構15及び支持部16も、ハウジング11内で、連結部11a側に向かって移動する。このとき、第1スクリュー22及び第2スクリュー23は、固着しているため、第1スクリュー22、第2スクリュー23、及び支持部16は、ハウジング11内において、一体の状態で、スクリュー機構15の軸方向に移動する。
出力部12、スクリュー機構15、及び支持部16が、ハウジング11に対して上記のように移動すると、連結部分17cがハウジング11から離間するように、リンク機構17が屈曲する。即ち、リンク機構17がより大きく屈曲する。また、リンク機構17がこのように屈曲する際、トーションスプリング19によって、連結部分17cがハウジング11から離間した変位量に応じた大きさのトルクが、リンク部材17aに付与されている。このため、出力部12、スクリュー機構15、及び支持部16が、ハウジング11の連結部11a側に向かって急激に移動してしまうことが抑制される。
図8は、電動アクチュエータ1の作動を説明するための図であって、リンク機構17が屈曲した状態を示す図である。図8においては、出力部12がハウジング11に対して最も収縮した位置に退避した状態が、図示されている。
航空機の飛行動作中或いは着陸動作中であって、動翼102が翼101に対して少しでも起立した状態においては、動翼102には、動翼102の後端部を動翼103に接近させる方向の外力が作用する。このため、上記の状態では、出力部12をハウジング11に対して収縮させる方向に付勢する外力が出力部12に作用する。これにより、上記の状態では、図8に示すように、出力部12がハウジング11に対して最も収縮した位置に退避した状態となるまで、出力部12、スクリュー機構15、及び支持部16が、ハウジング11の連結部11a側に向かって移動することになる。そして、動翼102は、翼101に対して起立していない状態となる。
[効果]
以上説明したように、本実施形態によると、解除機構18が作動していない状態では、直線状に延びたリンク機構17によって、ハウジング11に対する支持部16の相対変位が規制されている。そして、電動モータ13からの駆動力が、第1及び第2スクリュー(22、23)を有するスクリュー機構15に入力される。このスクリュー機構15において、電動モータ13が出力する回転方向の駆動力が、直線方向の駆動力に変換される。スクリュー機構15により変換された駆動力は、出力部12から出力される。これにより、電動アクチュエータ1は、ハウジング11に対して出力部12を直線方向に沿って伸縮するように変位させ、動翼102を駆動する。
一方、スクリュー機構15において固着状態が発生した場合、即ち、第1スクリュー22及び第2スクリュー23の間において固着状態が発生した場合は、解除機構18が作動される。解除機構18が作動すると、リンク機構17が屈曲した状態となる。そして、スクリュー機構15を支持する支持部16のハウジング11に対する相対変位が許容される。これにより、スクリュー機構15は、支持部16とともに、ハウジング11に対して、リンク機構17における一方の端部と他方の端部との間の距離が小さくなる方向に向かって、変位可能となる。このため、出力部12に外力が作用すると、出力部12は、支持部16及び固着したスクリュー機構15とともに、ハウジング11に対して収縮する方向に向かって、変位可能となる。よって、電動アクチュエータ1によると、スクリュー機構15において固着状態が発生した場合であっても出力部12をハウジング11に対して収縮させた位置に退避させることが可能となる。更に、上記のように出力部12を退避させるための構造が、支持部16、リンク機構17、及び解除機構18を備えて構成された小型で簡素な構造によって実現される。このため、電動アクチュエータ1の構造の簡素化及び小型化が図られることになる。
従って、本実施形態によると、スクリュー機構15において固着状態が発生した場合であっても出力部12をハウジング11に対して収縮させた位置に退避させることが可能であるとともに、構造の簡素化及び小型化を図ることができる電動アクチュエータ1を提供することができる。
また、本実施形態によると、ソレノイド(突出駆動部)28によって駆動されたプランジャ(突出部)27が、リンク機構17の連結部分17cに向かって突出し、連結部分17cを付勢する。これにより、リンク機構17が屈曲する。よって、解除機構18が、プランジャ(突出部)27及びソレノイド(突出駆動部)28を備えて構成された小型で簡素な構造によって実現される。
また、本実施形態によると、支持部16が、筒状構造部16a及び軸受部(16b、16c)を備えて構成された小型で簡素な構造によって実現される。また、本実施形態によると、第2スクリュー23の外周が、筒状構造部16aの内周に対して軸受部(16b、16c)を介して支持される。このため、第2スクリュー23を安定して支持することができる。
また、本実施形態によると、トーションスプリング(バネ部材)19によって、リンク機構17の連結部分17cがハウジング11側に向かって押し付けられるように、リンク部材17bにトルクが付与される。このため、トーションスプリング(バネ部材)19が設けられた簡素な構造によって、ハウジング11に対する支持部16の相対変位がリンク機構17によって規制された状態を容易に維持することができる。
また、本実施形態によると、リンク部材17bにトルクを付与するバネ部材がコイルバネとして構成された簡素なトーションスプリング19で実現される。また、トーションスプリング19は、解除機構18による解除動作後、連結部分17cのハウジング11からの変位量に応じた大きさのトルクをリンク部材17bに付与する。このため、出力部12に外力が作用した際に、出力部12がハウジング11に対して急激に収縮してしまうことを抑制できる。これにより、スクリュー機構15がハウジング11内で急激に移動して機械的衝撃力が発生してしまうことを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図9は、本発明の第2実施形態に係る電動アクチュエータのリンク機構17及び解除機構30を示す模式図である。第2実施形態に係る電動アクチュエータは、第1実施形態の電動アクチュエータ1と同様に構成される。但し、第2実施形態に係る電動アクチュエータは、解除機構30の構成において、第1実施形態の電動アクチュエータ1とは異なっている。
以下、第2実施形態に係る電動アクチュエータについては、第1実施形態と異なる構成について説明する。そして、第2実施形態において、第1実施形態と同様に構成される要素については、第1実施形態と同一の符号を図面において付すことで、或いは、第1実施形態と同一の符号を引用することで、説明を省略する。
第2実施形態に係る電動アクチュエータは、第1実施形態と同様に、動翼駆動機構100に対して適用され、動翼102を駆動するアクチュエータとして構成されている。そして、第2実施形態に係る電動アクチュエータは、ハウジング11、出力部12、電動モータ13、ギヤ機構14、スクリュー機構15、支持部16、リンク機構17、解除機構30、トーションスプリング19、ワンウェイクラッチ20、位置検出機構21、等を備えて構成されている。
解除機構30は、リンク機構17によるハウジング11に対する支持部16の相対変位の規制を解除可能な機構として設けられている。解除機構30は、手動操作によって駆動され、作動する。作業者(図示省略)が、スクリュー機構15において固着状態が発生したことを把握した場合に、解除機構30を手動操作によって作動させる。
図9に示すように、解除機構30は、カム部材31、回転駆動部32、を備えて構成されている。解除機構30は、ハウジング11に設置されている。尚、図9においては、解除機構30のハウジング11に対する設置形態については、模式的に図示されている。
カム部材31は、回転駆動部32の回転軸32aに取り付けられている。そして、カム部材31は、回転軸32aに対して、回転軸32aとともに回転可能に、支持されている。また、カム部材31は、本体部31a及び偏心部31bを備えて構成されている。本体部31a及び偏心部31bは、一体に設けられている。
本体部31aは、例えば、円柱状の部分として設けられている。本体部31aは、回転駆動部32の回転軸32aに固定されて支持されている。そして、本体部31aは、円柱状の部分の中心軸を中心として、回転軸32aとともに回転可能に、回転軸32aに対して支持されている。
偏心部31bは、本体部31aから本体部31aの径方向に突出した部分として設けられている。そして、偏心部31bは、本体部31aの外周方向における一部において、本体部31aから突出した部分として設けられている。これにより、偏心部31bは、カム部材31の外周部分における一部分であってカム部材31の回転中心位置から外周位置までの距離寸法が上記外周部分における他の部分よりも大きくなるように形成された部分として設けられている。尚、本体部31aの回転中心位置が、カム部材31の回転中心位置となる。そして、カム部材31の回転中心位置は、回転軸32aの回転中心軸線上に位置している。
また、偏心部31bの外周における本体部31aの回転中心位置からの距離寸法は、本体部31aの回転中心位置に対する角度位置の変化に応じて徐々に変化するように構成されている。具体的には、上記の距離寸法は、一定の度合で徐々に増加した後、途中から増加の度合が低下しながら増加し、最も距離寸法が大きくなる位置まで増加する。そして、上記の距離寸法は、最も距離寸法が大きい位置を超えると、徐々に減少する。尚、上記の距離寸法は、最も距離寸法が大きい位置を超えると、減少の度合が大きくなりながら減少し、途中から一定の度合で徐々に減少する。
回転駆動部32は、カム部材31を回転駆動する機構として設けられている。回転駆動部32は、回転軸32a、回転板32b、ハンドル32c、等を備えて構成されている。
回転軸32aは、ハウジング11に対して回転自在に支持されている。そして、回転軸32aは、その先端部にカム部材31が固定されている。このように、回転軸32aによって、カム部材31が、ハウジング11に対して回転自在に支持されている。また、回転軸32aの中心軸線と直線状に延びたリンク機構17との両方に平行な面から見た状態において、回転軸32aの中心軸線と直線状に延びたリンク機構17が延びる方向とが直交して重なって見えるように、回転軸32aの位置が設定されている。
回転板32bは、回転軸32aに対して、回転軸32aにおけるカム部材31が取り付けられている端部とは反対側の端部において、固定されている。回転板32bは、例えば、長方形状の表裏面を有する板状の部材として設けられている。そして、回転板32bは、板状に広がる面方向が、回転軸32aの中心軸線に対して垂直に広がるように、回転軸32aに対して固定されている。また、回転板32bは、その長手方向における一方の端部側において、回転軸32aに固定されている。
ハンドル32cは、作業者によって手動操作が行われる際に、作業者が把持して操作するための部分として設けられている。ハンドル32cは、例えば、作業者が把持しやすいように、細長い円柱状の部分として設けられている。ハンドル32cは、回転板32bに対して固定されている。ハンドル32cは、回転板32bの長手方向における回転軸32aに取り付けられている端部側と反対の端部側において、回転板32bに対して固定されている。
また、ハンドル32cは、回転板32bに対して、回転軸32aとは反対側から突出するように取り付けられている。即ち、ハンドル32cは、回転板32bに対して、回転板32bの表裏面における回転軸32aが突出する側と反対側の面から突出するように、取り付けられている。また、円柱状のハンドル32cの長手方向が、回転軸32aの中心軸線方向と平行に設定されるように、ハンドル32cが回転板32bに取り付けられている。尚、ハンドル32c及び回転板32bは、作業者がそれらを回転軸32aを中心として回転させる操作が可能なように、ハウジング11の外部に露出した状態で、ハウジング11に設置されている。
作業者がハンドル32cを操作し、ハンドル32c及び回転板32bが回転軸32aを中心として回転すると、解除機構30が作動する。そして、カム部材31は、直線状の状態のリンク機構17の連結部分17cの近傍に配置されている。更に、カム部材31は、その回転中心位置を中心として回転軸32aとともに回転することで、偏心部31bが連結部分17cに当接してその連結部分17cを付勢可能な位置に、配置されている。これにより、解除機構30は、作業者の操作によって回転駆動部32が作動してカム部材31が回転することで、リンク機構17を屈曲させるように、連結部分17cを偏心部31bが付勢するように構成されている。
第2実施形態の電動アクチュエータは、第1実施形態の電動アクチュエータ1に対し、解除機構30の構成において異なっているが、その他の要素については同様に構成されている。このため、解除機構30が作動していない状態、及び、解除機構30が作動した後の状態においては、第2実施形態の電動アクチュエータは、第1実施形態の電動アクチュエータ1と同様に作動する。
以上説明した第2実施形態によると、第1実施形態と同様に、スクリュー機構15において固着状態が発生した場合であっても出力部12をハウジング11に対して収縮させた位置に退避させることが可能であるとともに、構造の簡素化及び小型化を図ることができる電動アクチュエータを提供することができる。
更に、第2実施形態によると、回転駆動部32によって駆動されたカム部材31が回転し、カム部材31の偏心部31bが、リンク機構17の連結部分17cを付勢する。これにより、リンク機構17が屈曲する。よって、解除機構30が、カム部材31及び回転駆動部32を備えて構成された小型で簡素な構造によって実現される。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図10は、本発明の第3実施形態に係る電動アクチュエータのリンク機構17及び解除機構40を示す模式図である。第3実施形態に係る電動アクチュエータは、第1実施形態の電動アクチュエータ1と同様に構成される。但し、第3実施形態に係る電動アクチュエータは、解除機構40の構成において、第1実施形態の電動アクチュエータ1とは異なっている。
以下、第3実施形態に係る電動アクチュエータについては、第1実施形態と異なる構成について説明する。そして、第3実施形態において、第1実施形態と同様に構成される要素については、第1実施形態と同一の符号を図面において付すことで、或いは、第1実施形態と同一の符号を引用することで、説明を省略する。
第3実施形態に係る電動アクチュエータは、第1実施形態と同様に、動翼駆動機構100に対して適用され、動翼102を駆動するアクチュエータとして構成されている。そして、第3実施形態に係る電動アクチュエータは、ハウジング11、出力部12、電動モータ13、ギヤ機構14、スクリュー機構15、支持部16、リンク機構17、解除機構40、トーションスプリング19、ワンウェイクラッチ20、位置検出機構21、等を備えて構成されている。
解除機構40は、リンク機構17によるハウジング11に対する支持部16の相対変位の規制を解除可能な機構として設けられている。解除機構40は、手動操作によって、作動する。作業者(図示省略)が、スクリュー機構15において固着状態が発生したことを把握した場合に、解除機構40を手動操作によって作動させる。
図10に示すように、解除機構40は、ピン部材41、操作部42、を備えて構成されている。解除機構40は、リンク機構17に設置されている。尚、図10においては、解除機構40のリンク機構17に対する設置形態については、模式的に図示されている。
ピン部材41は、円柱状の部材として設けられ、リンク機構17に取り付けられる。そして、ピン部材41は、複数のリンク部材(17a、17b)のそれぞれに設けられた貫通孔43を貫通するとともに、複数のリンク部材(17a、17b)を連結する部材として設けられている。
リンク部材17aには、突出部16fに連結される端部とは反対側の端部において、貫通孔43が設けられている。リンク部材17bには、リンク連結部11cに連結される端部とは反対側の端部において、貫通孔43が設けられている。そして、リンク部材17aの貫通孔43とリンク部材17bの貫通孔43とが重ねられた状態で、ピン部材41が、両リンク部材(17a、17b)の貫通孔43に対して、それらを貫通するように、挿通されている。これにより、リンク部材17aとリンク部材17bとが、ピン部材41によって連結されている。また、リンク機構17は、複数のリンク部材(17a、17b)が直線状に延びた状態で、ピン部材41によってリンク部材17a及びリンク部材17bが連結されている。
操作部42は、ピン部材41を操作可能な要素として設けられ、ピン部材41に取り付けられている。そして、操作部42は、作業者によって手動操作が行われる際に、作業者が把持して操作するための部分として設けられている。本実施形態では、操作部42は、リング状の部材として設けられている。操作部42は、リング状の部分の円周方向における一部においてピン部材41に係合した状態で、ピン部材41に取り付けられている。また、操作部42は、作業者による操作が容易に行われるように、ピン部材41に対して揺動可能に取り付けられている。
尚、本実施形態では、ピン部材41とは別部材として設けられたリング状の操作部42が、ピン部材41に揺動可能に取り付けられる形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。操作部がピン部材41に固定された形態が実施されてもよい。また、操作部がピン部材41に一体に設けられた形態が実施されてもよい。また、リング状以外の形状の操作部が設けられた形態が実施されてもよい。
作業者が操作部42を操作することで、解除機構40が作動することになる。具体的には、作業者は、解除機構40を作動させる際、リンク機構17に設置されたピン部材41をリンク機構17から引き抜くように、操作部42の引っ張り操作を行う。そして、ピン部材41が複数のリンク部材(17a、17b)の貫通孔43から抜き出されるように、操作部42の操作が行われることで、複数のリンク部材(17a、17b)の連結が切り離された状態となる。
操作部42が操作されて、複数のリンク部材(17a、17b)の連結が切り離された状態となると、リンク部材17aが、リンク部材17bに対して、スクリュー機構15の軸方向と平行な方向に沿って、相対変位可能となる。このため、支持部16のハウジング11に対する相対変位が許容されることになる。このように、リンク機構17は、解除機構40が作動することで、支持部16のハウジング11に対する相対変位を許容するように、複数のリンク部材(17a、17b)の連結が切り離された状態となる。
尚、第3実施形態に係る電動アクチュエータにおいては、第1のワンウェイクラッチ20及び第2のワンウェイクラッチ20が設けられ、ワンウェイクラッチ20が2つ設置されている。第1のワンウェイクラッチ20は、リンク部材17bとハウジング11のリンク連結部11cとが連結される位置に設置されている。そして、第2のワンウェイクラッチ20は、リンク部材17aと支持部16の突出部16fとが連結される位置に設置されている。
第1のワンウェイクラッチ20は、リンク部材17bにおけるリンク連結部11cに連結されている端部とは反対側の端部がハウジング11から離間する方向におけるリンク部材17bの回転動作のみを規制するように設置されている。一方、第2のワンウェイクラッチ20は、リンク部材17aにおける突出部16fに連結されている端部とは反対側の端部がハウジング11から離間する方向におけるリンク部材17aの回転動作のみを規制するように設置されている。
複数のリンク部材(17a、17b)の連結が切り離された後の状態においては、各リンク部材(17a、17b)は、ハウジング11に対して片持ち状態で支持されている。しかし、上記のように第1及び第2のワンウェイクラッチ20が設けられていることにより、ハウジング11の周囲でハウジング11に対して各リンク部材(17a、17b)が自由に回転してしまうことが防止される。これにより、電動アクチュエータの周辺の機器に対して各リンク部材(17a、17b)が衝突してしまうことが防止される。
第3実施形態の電動アクチュエータは、第1実施形態の電動アクチュエータ1に対し、解除機構40の構成と第1及び第2ワンウェイクラッチ20の構成とにおいて異なっているが、その他の要素については略同様に構成されている。このため、解除機構40が作動していない状態、及び、解除機構40が作動した後の状態においては、第3実施形態の電動アクチュエータは、リンク機構17の動作を除き、第1実施形態の電動アクチュエータと同様に作動する。
以上説明した第3実施形態によると、第1実施形態と同様に、スクリュー機構15において固着状態が発生した場合であっても出力部12をハウジング11に対して収縮させた位置に退避させることが可能であるとともに、構造の簡素化及び小型化を図ることができる電動アクチュエータを提供することができる。
更に、第3実施形態によると、操作部42が操作されることで、複数のリンク部材(17a、17b)の貫通孔43からピン部材41が抜き出される。これにより、複数のリンク部材(17a、17b)の連結が切り離される。よって、解除機構40が、ピン部材41及び操作部42を備えて構成された小型で簡素な構造によって実現される。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図11は、本発明の第4実施形態に係る電動アクチュエータのリンク機構17及び解除機構50を示す模式図である。第4実施形態に係る電動アクチュエータは、第1実施形態の電動アクチュエータ1と同様に構成される。但し、第4実施形態に係る電動アクチュエータは、解除機構50の構成において、第1実施形態の電動アクチュエータ1とは異なっている。
以下、第4実施形態に係る電動アクチュエータについては、第1実施形態と異なる構成について説明する。そして、第4実施形態において、第1実施形態と同様に構成される要素については、第1実施形態と同一の符号を図面において付すことで、或いは、第1実施形態と同一の符号を引用することで、説明を省略する。
第4実施形態に係る電動アクチュエータは、第1実施形態と同様に、動翼駆動機構100に対して適用され、動翼102を駆動するアクチュエータとして構成されている。そして、第4実施形態に係る電動アクチュエータは、ハウジング11、出力部12、電動モータ13、ギヤ機構14、スクリュー機構15、支持部16、リンク機構17、解除機構50、トーションスプリング19、ワンウェイクラッチ20、位置検出機構21、等を備えて構成されている。
解除機構50は、リンク機構17によるハウジング11に対する支持部16の相対変位の規制を解除可能な機構として設けられている。解除機構50は、例えば、ソレノイド及びプランジャを有するソレノイド機構(図示省略)によって駆動され、作動する。スクリュー機構15において固着状態が発生したことが第1実施形態と同様の方法によって検知された場合に、上記のソレノイド機構が励磁又は消磁され、解除機構50が作動する。
尚、解除機構50は、作業者による手動操作によって駆動され、作動するように構成されてもいてもよい。或いは、解除機構50は、上記のソレノイド機構以外の機構による駆動によって作動するように構成されていてもよい。例えば、解除機構50は、小型の電動モータ、ラック、ピニオン、リンク要素、等を有する機構による駆動によって作動するように構成されていてもよい。
図11に示すように、解除機構50は、てこ機構51、突出部52、を備えて構成されている。解除機構50は、ハウジング11に設置されている。尚、図11においては、解除機構50のハウジング11に対する設置形態については、模式的に図示されている。
てこ機構51は、てこ本体部51a及び支点軸51bを備えて構成されている。てこ本体部51aは、棒状の部材として設けられている。支点軸51bは、てこ本体部51aを支持する軸部材として設けられている。そして、てこ本体部51aは、支点軸51bを中心として揺動可能に設けられている。即ち、てこ本体部51aは、支点軸51bを介してハウジング11に対して揺動可能に支持されている。また、てこ本体部51aは、長手方向における中途位置において、支点軸51bに対して回転自在に取り付けられている。
突出部52は、てこ本体部51aにおける一方の端部に設けられている。本実施形態では、突出部52は、てこ本体部51aと一体に設けられている。そして、突出部52には、てこ本体部51aの長手方向に対して略垂直な方向に向かって或いは斜めの方向に向かって凸状に突出した凸部52aが設けられている。
また、突出部52は、リンク機構17の連結部分17cの近傍に配置されている。そして、突出部52は、解除機構50において、連結部分17cに向かってハウジング11側から突出するように変位可能に支持されている。更に、突出部52は、連結部分17cに向かって突出するように変位したときは、凸部52aにおいて連結部分17cを付勢するように構成されている。
また、てこ本体部51aにおける突出部52側と反対側の端部は、力点側部分51cとして構成されている。この力点側部分51cは、前述のソレノイド機構のプランジャに連結されている。そして、スクリュー機構15において固着状態が発生したことが検知された場合に、前述のソレノイド機構が励磁又は消磁されることによって、力点側部分51cが図中矢印A方向に沿って駆動される。尚、突出部52は、てこ本体部51aにおいて、支点軸51bを介して力点側部分51cと反対側に設けられている。即ち、突出部52は、てこ本体部51aにおいて、作用点側に設けられている。
上記により、てこ本体部51aは、ソレノイド機構によって駆動されることで、支点軸51bを中心として揺動し、図中矢印B方向に向かって突出部52を変位させるようにこの突出部52を駆動する。このように、てこ機構51は、突出部52を連結部分17cに向かって突出させるように駆動するよう構成されている。即ち、てこ機構51は、本実施形態における突出駆動部を構成している。尚、てこ機構51に加えてソレノイド機構を含んだ構成が、突出駆動部として構成されてもよい。
上記のようにてこ機構51が揺動することで、解除機構50が作動する。そして、解除機構50の作動時には、突出部52は、てこ機構51によって駆動されて連結部分17cに向かって突出することで、連結部分17cに当接した状態で、更に、連結部分17cを付勢する。これにより、突出部52は、リンク機構17を屈曲させるように、連結部分17cを付勢する。
第4実施形態の電動アクチュエータは、第1実施形態の電動アクチュエータ1に対し、解除機構50の構成において異なっているが、その他の要素については同様に構成されている。このため、解除機構50が作動していない状態、及び、解除機構50が作動した後の状態においては、第4実施形態の電動アクチュエータは、第1実施形態の電動アクチュエータ1と同様に作動する。
以上説明した第4実施形態によると、第1実施形態と同様に、スクリュー機構15において固着状態が発生した場合であっても出力部12をハウジング11に対して収縮させた位置に退避させることが可能であるとともに、構造の簡素化及び小型化を図ることができる電動アクチュエータを提供することができる。
更に、第4実施形態によると、てこ機構(突出駆動部)51によって駆動された突出部52が、リンク機構17の連結部分17cに向かって突出し、連結部分17cを付勢する。これにより、リンク機構17が屈曲する。よって、解除機構50が、てこ機構(突出駆動部)51及び突出部52を備えて構成された小型で簡素な構造によって実現される。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図12は、本発明の第5実施形態に係る電動アクチュエータのリンク機構17及び解除機構60を示す模式図である。第5実施形態に係る電動アクチュエータは、第1実施形態の電動アクチュエータ1と同様に構成される。但し、第5実施形態に係る電動アクチュエータは、解除機構60の構成において、第1実施形態の電動アクチュエータ1とは異なっている。
以下、第5実施形態に係る電動アクチュエータについては、第1実施形態と異なる構成について説明する。そして、第5実施形態において、第1実施形態と同様に構成される要素については、第1実施形態と同一の符号を図面において付すことで、或いは、第1実施形態と同一の符号を引用することで、説明を省略する。
第5実施形態に係る電動アクチュエータは、第1実施形態と同様に、動翼駆動機構100に対して適用され、動翼102を駆動するアクチュエータとして構成されている。そして、第5実施形態に係る電動アクチュエータは、ハウジング11、出力部12、電動モータ13、ギヤ機構14、スクリュー機構15、支持部16、リンク機構17、解除機構60、トーションスプリング19、ワンウェイクラッチ20、位置検出機構21、等を備えて構成されている。
解除機構60は、リンク機構17によるハウジング11に対する支持部16の相対変位の規制を解除可能な機構として設けられている。解除機構60は、手動操作によって駆動され、作動する。作業者(図示省略)が、スクリュー機構15において固着状態が発生したことを把握した場合に、解除機構60を手動操作によって作動させる。
図12に示すように、解除機構60は、突出部61、突出駆動部62、を備えて構成されている。解除機構60は、ハウジング11に設置されている。尚、図12においては、解除機構60のハウジング11に対する設置形態については、模式的に図示されている。
突出部61は、突出駆動部62のネジ軸部62aの先端部から突出した状態で、ネジ軸部62aに固定されている。そして、突出部61は、ネジ軸部62aに対して、ネジ軸部62aとともに回転可能に、支持されている。また、突出部61は、ネジ軸部62aに固定される側と反対側である先端側の端部が、球面の一部を成すように形成されている。
また、突出部61は、リンク機構17の連結部分17cの近傍に配置されている。そして、突出部61の先端側の端部は、連結部分17cに対してハウジング11側から当接可能に配置されている。また、突出部62は、解除機構50において、連結部分17cに向かってハウジング11側から突出するように変位可能に支持されている。そして、突出部62は、連結部分17cに向かって突出するように変位したときは、その先端側の端部において連結部分17cを付勢するように構成されている。
突出駆動部62は、突出部61をリンク機構17の連結部分17cに向かって突出させるように駆動する機構として設けられている。突出駆動部62は、ネジ軸部62a、回転板62b、ハンドル62c、等を備えて構成されている。
ネジ軸部62aは、オネジ部分が外周に設けられた軸部材として設けられている。そして、ネジ軸部62aのオネジ部分は、ハウジング11に設けられたメネジ孔(図示省略)に対して、或いはハウジング11に取り付けられた部材(図示省略)に設けられたメネジ孔(図示省略)に対して、螺合するように設けられている。上記のメネジ孔は、貫通孔として設けられている。そして、ネジ軸部62aは、上記のメネジ孔を貫通可能な状態で、そのメネジ孔に螺合している。
ネジ軸部62aは、上記のメネジ孔に螺合した状態で、直線状に延びたリンク機構17に対して直交する方向に沿って延びるように、設置されている。また、ネジ軸部62aの先端側の端部には、前述のように、突出部61が固定されている。そして、突出部61は、上記のメネジ孔から外部に露出した状態で配置されている。更に、突出部61は、リンク機構17の連結部分17cに対向する位置に配置されている。上記の構成により、ネジ軸部62aは、上記のメネジ孔に螺合した状態で回転することで、ハウジング11に対して相対変位し、連結部分17cに向かって突出可能に設けられている。
回転板62bは、ネジ軸部62aに対して、ネジ軸部62aにおける突出部61が取り付けられている端部とは反対側の端部において、固定されている。回転板62bは、例えば、長方形状の表裏面を有する板状の部材として設けられている。そして、回転板62bは、板状に広がる面方向が、ネジ軸部62aの中心軸線に対して垂直に広がるように、ネジ軸部62aに対して固定されている。また、回転板62bは、その長手方向における一方の端部側において、ネジ軸部62aに固定されている。
ハンドル62cは、作業者によって手動操作が行われる際に、作業者が把持して操作するための部分として設けられている。ハンドル62cは、例えば、作業者が把持しやすいように、細長い円柱状の部分として設けられている。ハンドル62cは、回転板62bに対して固定されている。ハンドル62cは、回転板62bの長手方向におけるネジ軸部62aに取り付けられている端部側と反対の端部側において、回転板62bに対して固定されている。
また、ハンドル62cは、回転板62bに対して、ネジ軸部62aとは反対側から突出するように取り付けられている。即ち、ハンドル62cは、回転板62bに対して、回転板62bの表裏面におけるネジ軸部62aが突出する側と反対側の面から突出するように、取り付けられている。また、円柱状のハンドル62cの長手方向が、ネジ軸部62aの中心軸線方向と平行に設定されるように、ハンドル62cが回転板62bに取り付けられている。尚、ハンドル62c及び回転板62bは、作業者がそれらをネジ軸部62aを中心として回転させる操作が可能なように、ハウジング11の外部に露出した状態で、ハウジング11に設置されている。
作業者がハンドル62cを操作し、ハンドル62c及び回転板62bがネジ軸部62aを中心として回転すると、解除機構60が作動する。ハンドル62cの所定方向の回転操作が行われることで、前述のメネジ孔に螺合した状態のネジ軸部62aが、そのメネジ孔に螺合する位置を変えながら、ハウジング11に対して相対変位する。そして、ネジ軸部62aがリンク機構17の連結部分17cに向かって突出する。突出部61は、上記のように突出駆動部62によって駆動されて連結部分17cに向かって突出することで、連結部分17cに当接した状態で、更に、連結部分17cを付勢する。これにより、突出部61は、リンク機構17を屈曲させるように、連結部分17cを付勢する。
第5実施形態の電動アクチュエータは、第1実施形態の電動アクチュエータ1に対し、解除機構60の構成において異なっているが、その他の要素については同様に構成されている。このため、解除機構60が作動していない状態、及び、解除機構60が作動した後の状態においては、第5実施形態の電動アクチュエータは、第1実施形態の電動アクチュエータ1と同様に作動する。
以上説明した第5実施形態によると、第1実施形態と同様に、スクリュー機構15において固着状態が発生した場合であっても出力部12をハウジング11に対して収縮させた位置に退避させることが可能であるとともに、構造の簡素化及び小型化を図ることができる電動アクチュエータを提供することができる。
更に、第5実施形態によると、突出駆動部62によって駆動された突出部61が、リンク機構17の連結部分17cに向かって突出し、連結部分17cを付勢する。これにより、リンク機構17が屈曲する。よって、解除機構60が、突出部61及び突出駆動部62を備えて構成された小型で簡素な構造によって実現される。
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)前述の実施形態では、航空機の動翼を駆動するための動翼駆動機構における電動アクチュエータとして構成された形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。本発明は、スクリュー機構を有し、電動モータが出力する回転方向の駆動力を直線方向の駆動力に変換して出力する電動アクチュエータとして広く適用することができるものである。
(2)前述の実施形態では、支持部に回転自在に支持された第2スクリューが回転し、第1スクリューが第2スクリュー及び支持部に対して軸方向に変位する形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。支持部に回転自在に支持された第1スクリューが回転し、第2スクリューが第1スクリュー及び支持部に対して軸方向に変位する変形例が実施されてもよい。この変形例の場合、電動モータからの駆動力は、第1スクリューに入力され、第2スクリューが出力部に連結される形態となる。
(3)前述の実施形態では、リンク機構におけるリンク部材の数が2つの形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。リンク部材を3つ以上有するリンク機構の変形例が実施されてもよい。この変形例の場合、解除機構の数が、リンク機構における連結部分の数に対応して設定されてもよい。
(4)前述の実施形態では、第1及び第2スクリューを有するスクリュー機構が、ボールスクリュー機構の構成を備えた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。即ち、第1及び第2スクリューを有するスクリュー機構が、ボールスクリュー機構以外の構成を備えた形態として実施されてもよい。例えば、第1スクリュー及び第2スクリューが螺合する構成のスクリュー機構が実施されてもよい。或いは、第1及び第2スクリューを有するスクリュー機構が、ローラスクリュー機構の構成を備えた形態として実施されてもよい。ローラスクリュー機構の場合、第1スクリューと第2スクリューとの間に、外周に螺旋溝が設けられた複数のスクリュー状のローラ軸が回転自在に設置されることになる。第1スクリュー又は第2スクリューの回転に伴って、各ローラ軸は、第1スクリューと第2スクリューとに対して、螺旋溝で噛み合って各軸心を中心として回転することになる。
(5)前述の実施形態では、電動モータとスクリュー機構との間に、複数の平歯車を有するとともに電動モータの回転駆動力をスクリュー機構に伝達するギヤ機構が設けられている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。電動モータとスクリュー機構との間において、平歯車以外の歯車を有するギヤ機構が設けられた形態が実施されてもよい。また、電動モータの出力軸の端部にピニオンが設けられ、このピニオンを介して、電動モータの回転駆動力がスクリュー機構に伝達される形態が実施されてもよい。
(6)解除機構については、前述の第1乃至第5実施形態で例示した形態に限らず、種々変更されて実施されてもよい。即ち、解除機構は、リンク機構を屈曲させることが可能な機構、或いは、リンク機構における複数のリンク部材の連結を切り離すことが可能な機構として構成されていればよい。