JP6026587B1 - 靴の補正方法 - Google Patents

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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】オーダー靴において所望の大きさよりも大きく製造された革靴や、ユーザーの足サイズよりも大きい既製品の革靴や、靴の製造後にユーザーの足サイズよりも大きなサイズとなってしまった革靴に対して、ユーザーの足に適合するように足囲や甲回りを小さく補正をすることを手間と時間を少なくして行なうことができる靴の補正方法を提供する。【解決手段】底部と底部から上方に形成され革により形成されたアッパーとを有し、製造に際してアッパーが吊り込みの工程により形成された靴に対して、靴のアッパーを水に浸してアッパーの外側と内側の面に水を付着させ(S11)、靴の内側に足型を挿入し(S12)、アッパーの外側の領域における一部の領域である部分領域に熱風を吹き付け、熱風を吹き付ける部分領域を順次移動させながらアッパー全体を乾燥させて縮み加工してアッパーを靴型に密着させる(S13)ことにより、靴を補正する。【選択図】図5

Description

本発明は、靴のサイズを補正する方法に関するものである。
従来より、いわゆる吊り込みの製靴工程を経て靴を製造することが行われている。ここで、吊り込みとは、甲革を中底を仮止めした靴型にかぶせた後に甲革周辺を引っ張って靴型に密着させて釘や接着剤により中底に固定させる工程である。例えば、セメント式製法においては、甲革の周辺領域を中底に吊り込んだ後に、甲革周辺領域と表底とを接着剤により接着する。
また、出願人は、先行技術文献として、特許文献1に示す靴胛被の製造方法及び靴の製造方法及び特許文献2に示す靴胛被の製造方法及び製造装置を知得している。
特許文献1の靴胛被の製造方法及び靴の製造方法においては、胛被体の内側をT字管により蒸気で蒸らした後に、胛被体を靴型に吊り込み、その後、ヒータードーム内を通過させ、その後、外底を取り付けることにより靴を製造している。ここで、胛被体を蒸らすのは、胛被体のつま先部分やかかと部分にしわが発生しないようにするためであり、また、胛被体を加熱するのは、熱可塑性保持部材を軟化させるためである。
また、特許文献2に示す靴胛被の製造方法では、袋縫いされた胛被体を靴型に吊り込み、その後、靴型を加熱して胛被体の内側を加熱した後に、水を噴霧している。ここで、胛被体を加熱するのは、熱可塑性保持部材を軟化させるためであり、水を噴霧するのは、胛被体のつま先部分を軟化させるためである。
また、特許文献3には、外反母趾や内反小趾用の製靴型の製造方法が開示されている。また、特許文献4〜6に示す足サイズ測定具が知られている。
特開平8−38214号公報 特開平8−38215号公報 特許第5289366号公報 特許第3479019号公報 特許第4087747号公報 特許第5073316号公報
しかし、オーダー靴の製造に際して、採寸のミス等により、特に、足囲や甲回りについて所望の大きさの靴よりも大きい革靴を製造してしまった場合には、表底(本底)を外して甲革を再度吊り込みする必要があり、手間と時間が掛かるという問題があった。
また、オーダー靴ではなく、既製品の靴の場合に、ユーザーの足サイズよりも大きな革靴(特に、足囲や甲回りが大きい靴)をユーザーの足に適合したサイズの靴とすることが要望されていた。すなわち、既製品の革靴の場合には、当該革靴が足長、足囲及び甲回りの全てにおいて適合させるのが困難であり、足長が適合していても、足囲や甲回りが適合していない場合がある。
また、オーダー靴や既製品の靴にかかわらず、吊り込みを行って製造された革靴が当初は適切なサイズであったものがサイズが大きくなってしまう場合がある。例えば、ユーザーが靴を使用していくうちに、甲革が伸びてしまい、靴の足囲や甲回りのサイズが大きくなってしまう場合や、ユーザーの足が、ユーザーの病気や体重減等により小さくなってしまい、靴の足囲や甲回りのサイズが大きくなる場合がある。このように靴のサイズが大きくなってしまった場合に、靴のサイズを小さく補正する方法が要望されていた。
そこで、オーダー靴において所望の大きさよりも大きく製造された革靴や、ユーザーの足サイズよりも大きい既製品の革靴や、靴の製造後にユーザーの足サイズよりも大きなサイズとなってしまった革靴に対して、ユーザーの足に適合するように足囲や甲回りを小さく補正をすることを手間と時間を少なくして行なうことができる靴の補正方法と、該補正方法により補正された靴を提供することを目的とするものである。
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、底部と底部から上方に形成され革により形成されたアッパーとを有し、製造に際してアッパーが吊り込みの工程により形成された靴を補正する靴の補正方法であって、容器に入れられた液体の中に靴を上下逆の状態で靴の底部が液体に接触しないように入れることにより、アッパーの外側の面と内側の面とに液体を付着させる液体付着工程と、靴の内側に靴型を挿入する靴型挿入工程と、アッパーを加熱してアッパーに付着した液体を蒸発させることによりアッパーを縮み加工してアッパーを靴型に密着させる加熱工程と、を有することを特徴とする。
第1の構成の靴の補正方法によれば、アッパーが靴型の大きさにまで縮められるので、オーダー靴において所望の大きさよりも大きく製造された革靴や、ユーザーの足サイズよりも大きい既製品の革靴や、靴の製造後にユーザーの足サイズよりも大きなサイズとなってしまった革靴に対して、ユーザーの足に適合するように足囲や甲回りを小さく補正をすることができる。特に、補正対象となる靴が、靴の製造に際して吊り込みの工程の際にアッパーを引っ張って形成した場合には、アッパーは引っ張られることにより延ばして形成されているので、液体を付着させて加熱することによりアッパーの縮み量を大きくすることができ、十分小さく補正することができる。また、アッパーに液体を付着させた後に靴型を挿入し、アッパーを加熱することにより縮み加工を行なうので、手間と時間を少なくして補正を行なうことができる。また、底部が液体に接触するのを防止することができ、底部における中底が紙材により構成される場合でも中底に液体が付着することによる中底の劣化を防止することができる。
また、第2には、底部と底部から上方に形成され革により形成されたアッパーとを有し、製造に際してアッパーが吊り込みの工程により形成された靴を補正する靴の補正方法であって、アッパーの少なくとも外側の面に液体を付着させる液体付着工程と、靴の内側に靴型を挿入する靴型挿入工程と、アッパーを加熱してアッパーに付着した液体を蒸発させることによりアッパーを縮み加工してアッパーを靴型に密着させる加熱工程と、加熱工程の後に行なう部分加熱工程で、アッパーにおける足囲に沿った領域と甲回りに沿った領域の縮み加工が完了していない場合に、足囲に沿った領域の外側の面と甲回りに沿った領域の外側の面とに液体を塗布した後に、足囲に沿った領域の外側の面と甲回りに沿った領域の外側の面に熱風を吹き付けて縮み加工を行なう部分加熱工程と、を有することを特徴とする。
第2の構成の靴の補正方法によれば、アッパーが靴型の大きさにまで縮められるので、オーダー靴において所望の大きさよりも大きく製造された革靴や、ユーザーの足サイズよりも大きい既製品の革靴や、靴の製造後にユーザーの足サイズよりも大きなサイズとなってしまった革靴に対して、ユーザーの足に適合するように足囲や甲回りを小さく補正をすることができる。特に、補正対象となる靴が、靴の製造に際して吊り込みの工程の際にアッパーを引っ張って形成した場合には、アッパーは引っ張られることにより延ばして形成されているので、液体を付着させて加熱することによりアッパーの縮み量を大きくすることができ、十分小さく補正することができる。また、足囲や甲回りの領域について靴型に合わせて確実に縮めることができ、足囲と甲回りの領域を靴型の大きさに合わせて精度よく補正することができる。
また、第3には、上記第2の構成において、液体付着工程において、アッパーの内側の面に液体を付着させることを特徴とする。よって、アッパーの外側の面のみならず内側の面を十分に縮み加工することができる。また、第には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、加熱工程において、アッパーの外側の領域における一部の領域である部分領域に熱風を吹き付け、熱風を吹き付ける部分領域を順次移動させていくことを特徴とする。よって、部分領域における靴型への密着の度合いを確認しながら縮み加工を行なうことができる。
また、第には、底部と底部から上方に形成され革により形成されたアッパーとを有し、製造に際してアッパーが吊り込みの工程により形成された靴を補正する靴の補正方法であって、容器に入れられた液体の中に靴を上下逆の状態で靴の底部が液体に接触しないように入れることにより、アッパーの外側の面と内側の面とに液体を付着させる液体付着工程と、靴の内側に靴型を挿入する靴型挿入工程と、アッパーの外側の領域における一部の領域である部分領域に熱風を吹き付け、熱風を吹き付ける部分領域を順次移動させていく加熱工程であって、熱風を吹き付けてアッパーに付着した液体を蒸発させることによりアッパーを縮み加工してアッパーを靴型に密着させる加熱工程と、を有することを特徴とする。
の構成の靴の補正方法によれば、アッパーが靴型の大きさにまで縮められるので、オーダー靴において所望の大きさよりも大きく製造された革靴や、ユーザーの足サイズよりも大きい既製品の革靴や、靴の製造後にユーザーの足サイズよりも大きなサイズとなってしまった革靴に対して、ユーザーの足に適合するように足囲や甲回りを小さく補正をすることができる。特に、補正対象となる靴が、靴の製造に際して吊り込みの工程の際にアッパーを引っ張って形成した場合には、アッパーは引っ張られることにより延ばして形成されているので、液体を付着させて加熱することによりアッパーの縮み量を大きくすることができ、十分小さく補正することができる。また、アッパーに液体を付着させた後に靴型を挿入し、アッパーを加熱することにより縮み加工を行なうので、手間と時間を少なくして補正を行なうことができる。また、液体付着工程において、アッパーの内側の面に液体を付着させるので、アッパーの外側の面のみならず内側の面を十分に縮み加工することができる。また、加熱工程において、アッパーの外側の領域における一部の領域である部分領域に熱風を吹き付け、熱風を吹き付ける部分領域を順次移動させていくので、部分領域における靴型への密着の度合いを確認しながら縮み加工を行なうことができる。また、底部が液体に接触するのを防止することができ、底部における中底が紙材により構成される場合でも中底に液体が付着することによる中底の劣化を防止することができる。
また、第6には、底部と底部から上方に形成され革により形成されたアッパーとを有し、製造に際してアッパーが吊り込みの工程により形成された靴を補正する靴の補正方法であって、アッパーの外側の面と内側の面とに液体を付着させる液体付着工程と、靴の内側に靴型を挿入する靴型挿入工程と、アッパーの外側の領域における一部の領域である部分領域に熱風を吹き付け、熱風を吹き付ける部分領域を順次移動させていく加熱工程であって、熱風を吹き付けてアッパーに付着した液体を蒸発させることによりアッパーを縮み加工してアッパーを靴型に密着させる加熱工程と、加熱工程の後に行なう部分加熱工程で、アッパーにおける足囲に沿った領域と甲回りに沿った領域の縮み加工が完了していない場合に、足囲に沿った領域の外側の面と甲回りに沿った領域の外側の面とに液体を塗布した後に、足囲に沿った領域の外側の面と甲回りに沿った領域の外側の面に熱風を吹き付けて縮み加工を行なう部分加熱工程と、を有することを特徴とする。
第6の構成の靴の補正方法によれば、アッパーが靴型の大きさにまで縮められるので、オーダー靴において所望の大きさよりも大きく製造された革靴や、ユーザーの足サイズよりも大きい既製品の革靴や、靴の製造後にユーザーの足サイズよりも大きなサイズとなってしまった革靴に対して、ユーザーの足に適合するように足囲や甲回りを小さく補正をすることができる。特に、補正対象となる靴が、靴の製造に際して吊り込みの工程の際にアッパーを引っ張って形成した場合には、アッパーは引っ張られることにより延ばして形成されているので、液体を付着させて加熱することによりアッパーの縮み量を大きくすることができ、十分小さく補正することができる。また、アッパーに液体を付着させた後に靴型を挿入し、アッパーを加熱することにより縮み加工を行なうので、手間と時間を少なくして補正を行なうことができる。また、液体付着工程において、アッパーの内側の面とに液体を付着させるので、アッパーの外側の面のみならず内側の面を十分に縮み加工することができる。また、加熱工程において、アッパーの外側の領域における一部の領域である部分領域に熱風を吹き付け、熱風を吹き付ける部分領域を順次移動させていくので、部分領域における靴型への密着の度合いを確認しながら縮み加工を行なうことができる。また、足囲や甲回りの領域について靴型に合わせて確実に縮めることができ、足囲と甲回りの領域を靴型の大きさに合わせて精度よく補正することができる。
また、第には、上記第4から第6までのいずれかの構成において、加熱工程において、熱風をアッパー全体に万遍なく吹き付ける第1加熱工程で、アッパーにおける少なくとも一部の領域が靴型に密着していない状態とする第1加熱工程と、第1加熱工程の後にアッパーに熱風を吹き付けて、第1加熱工程で靴型に密着していない領域を順次靴型に密着させる第2加熱工程とを有することを特徴とする。これにより、アッパーの縮み具合に偏りが生じるのを防止し、アッパー全体について縮み具合を均一化させることができる。
また、第には、上記第4から第6までのいずれかの構成において、加熱工程において、熱風をアッパー全体に万遍なく吹き付ける第1加熱工程で、各部分領域において、部分領域の少なくとも一部の領域が靴型に密着していない状態とする第1加熱工程と、第1加熱工程の後に、第1加熱工程で加熱した部分領域にさらに熱風を吹き付けることにより、各部分領域について順次、部分領域における全ての領域を靴型に密着させていく第2加熱工程とを有することを特徴とする。これにより、アッパーの縮み具合に偏りが生じるのを防止し、アッパー全体について縮み具合を均一化させることができる。
また、第9には、上記第1又は第5の構成において、加熱工程の後に、靴型を靴に挿入した状態で常温にて乾燥させる常温乾燥工程を有することを特徴とする。また、第10には、上記第2又は第3又は第6の構成において、部分加熱工程の後に、靴型を靴に挿入した状態で常温にて乾燥させる常温乾燥工程を有することを特徴とする。
また、第11には、上記第1から第10までのいずれかの構成において、靴のアッパーが、表革と、表革の内側に設けられた裏革とを有し、表革が裏革よりも厚く形成されていることを特徴とする。よって、表革には熱風が直接当たるものの、裏革には熱風は当たらないが、表革の厚みは裏革の厚みよりも厚くなっているので、裏革も十分縮めることができる。
また、第12には、上記第1から第11までのいずれかの構成において、靴のアッパーが、表革と、表革の内側に設けられた裏革とを有し、表革が牛革により形成され、裏革が、液体付着後の加熱による収縮率が牛革よりも高い革により形成されていることを特徴とする。
よって、表革には熱風が直接当たるものの、裏革には熱風は当たらないが、表革が牛革により形成され、裏革が液体付着後の加熱による収縮率が牛革よりも高い革により形成されているので、裏革は表革よりも収縮の度合いが大きく、裏革も十分縮めることができる。
また、第13には、上記第12の構成において、裏革が、豚革により形成されていることを特徴とする。
また、第14には、上記第1から第13までのいずれかの構成において、補正する靴の製造に際して、吊り込みの工程においてアッパーを引っ張ることにより延ばして形成されたものであることを特徴とする。よって、液体を付着させて加熱することによりアッパーの縮み量を大きくすることができ、十分小さく補正することができる。
また、第15には、上記第1から第14までのいずれかの構成において、補正の対象となる靴が、セメント式製法と、マッケイ式製法と、グッドイヤー・ウエルト式製法と、カリフォルニア式製法と、ステッチダウン式製法と、バルカナイズ式製法と、インジェクション式製法とにおけるいずれかにより製造されていることを特徴とする。
また、第16には、上記第1から第15までのいずれかの構成において、上記液体が、水、有機溶媒、水・有機溶媒混合液のいずれかであることを特徴とする。
また、第17には、上記第1から第16までのいずれかの構成において、靴型挿入工程における靴型が、製造する靴の使用者の足における足長と足囲と甲回りを測定する測定工程と、測定工程において得られた足囲の測定値と甲回りの測定値とを用いて貼付け部材の厚みを算出する算出工程と、算出工程において算出された厚みを有する貼付け部材を作成する貼付け部材作成工程と、測定工程において得られた足長の測定値と甲回りの測定値とに応じた製靴型における足囲に対応するループ状の曲線における内側の位置を含む側面及び/又は外側の位置を含む側面に、貼付け部材作成工程において作成された貼付け部材を貼り付ける貼付け工程と、により製造したものであることを特徴とする。
17の構成の靴の補正方法によれば、貼付け部材の厚みを足囲の測定値と甲回りの測定値に基づき算出して決定して貼付け部材の厚みを調整できるので、製造された製靴型を用いて靴を補正することにより、外反母趾や内反小趾により変形して突出した突出部分の大きさに応じて靴を得ることができ、靴を履いた場合に、突出部分が靴の内側に押されないので痛みを伴うことがない。また、甲回りは測定値に応じた製靴型を用いるので、足囲が通常よりも大きくなっても、甲回りが大きくなることがなく、靴が甲回りの箇所で足を締めることになり、靴を履いた場合に、足が靴の中で前後にずれるおそれが少なく、靴擦れ等を起こすおそれがない。
本発明に基づく靴の補正方法によれば、アッパーが靴型の大きさにまで縮められるので、オーダー靴において所望の大きさよりも大きく製造された革靴や、ユーザーの足サイズよりも大きい既製品の革靴や、靴の製造後にユーザーの足サイズよりも大きなサイズとなってしまった革靴に対して、ユーザーの足に適合するように足囲や甲回りを小さく補正をすることができる。特に、補正対象となる靴が、靴の製造に際して吊り込みの工程の際にアッパーを引っ張って形成した場合には、アッパーは引っ張られることにより延ばして形成されているので、液体を付着させて加熱することによりアッパーの縮み量を大きくすることができ、十分小さく補正することができる。また、アッパーに液体を付着させた後に靴型を挿入し、アッパーを加熱することにより縮み加工を行なうので、手間と時間を少なくして補正を行なうことができる。
特に、靴型挿入工程における靴型が、製造する靴の使用者の足における足長と足囲と甲回りを測定する測定工程と、測定工程において得られた足囲の測定値と甲回りの測定値とを用いて貼付け部材の厚みを算出する算出工程と、算出工程において算出された厚みを有する貼付け部材を作成する貼付け部材作成工程と、測定工程において得られた足長の測定値と甲回りの測定値とに応じた製靴型における足囲に対応するループ状の曲線における内側の位置を含む側面及び/又は外側の位置を含む側面に、貼付け部材作成工程において作成された貼付け部材を貼り付ける貼付け工程と、により製造したものである場合には、貼付け部材の厚みを足囲の測定値と甲回りの測定値に基づき算出して決定して貼付け部材の厚みを調整できるので、製造された製靴型を用いて靴を補正することにより、外反母趾や内反小趾により変形して突出した突出部分の大きさに応じて靴を得ることができ、靴を履いた場合に、突出部分が靴の内側に押されないので痛みを伴うことがない。また、甲回りは測定値に応じた製靴型を用いるので、足囲が通常よりも大きくなっても、甲回りが大きくなることがなく、靴が甲回りの箇所で足を締めることになり、靴を履いた場合に、足が靴の中で前後にずれるおそれが少なく、靴擦れ等を起こすおそれがない。
また、本発明に基づく足関節疾患用靴の製造方法によれば、アッパーが靴型の大きさにまで縮められるので、オーダー靴において所望の大きさよりも大きく製造された革靴や、ユーザーの足サイズよりも大きい既製品の革靴や、靴の製造後にユーザーの足サイズよりも大きなサイズとなってしまった革靴に対して、ユーザーの足に適合するように足囲や甲回りを小さく補正して足関節疾患用靴を製造することができる。特に、補正対象となる靴が、靴の製造に際して吊り込みの工程の際にアッパーを引っ張って形成した場合には、アッパーは引っ張られることにより延ばして形成されているので、液体を付着させて加熱することによりアッパーの縮み量を大きくすることができ、十分小さく補正することができる。また、アッパーに液体を付着させた後に靴型を挿入し、アッパーを加熱することにより縮み加工を行なうので、手間と時間を少なくして補正を行なって足関節疾患用靴を製造することができる。
また、本発明の靴によれば、靴の補正に際して、アッパーが靴型の大きさにまで縮められるので、オーダー靴において所望の大きさよりも大きく製造された革靴や、ユーザーの足サイズよりも大きい既製品の革靴や、靴の製造後にユーザーの足サイズよりも大きなサイズとなってしまった革靴に対して、ユーザーの足に適合するように足囲や甲回りを小さく補正した靴とすることができる。特に、補正対象となる靴が、靴の製造に際して吊り込みの工程の際にアッパーを引っ張って形成した場合には、アッパーは引っ張られることにより延ばして形成されているので、液体を付着させて加熱することによりアッパーの縮み量を大きくすることができ、十分小さく補正することができる。また、アッパーに液体を付着させた後に靴型を挿入し、アッパーを加熱することにより縮み加工を行なうので、手間と時間を少なくして補正を行なうことができる。
補正の対象となる靴の例を示す斜視図である。 図1の靴の要部断面図である。 補正の対象となる靴の製造工程の例を示すフローチャートである。 補正の対象となる靴の製造に際して吊り込みの様子を示す要部斜視図である。 靴の補正方法を示すフローチャートである。 図5におけるS13の工程を示すフローチャートである。 図6におけるS21の工程の一例を示すフローチャートである。 液体付着工程を説明するための説明図である。 靴型挿入工程を説明する説明図である。 靴に靴型を挿入した状態を示す斜視図である。 加熱工程を説明するための斜視図である。 加熱工程を説明するための斜視図である。 外反母趾及び内反小趾用の靴型の製造方法を示すフローチャートである。 足サイズの測定の方法を説明するための説明図である。 足サイズ測定具の例を示す平面図である。 足サイズ測定具の他の例を示す平面図である。 足サイズ測定具の他の例を示す底面図である。 貼付け部材の厚みの算出方法を説明するための説明図である。 貼付け部材の例を示す図であり、(a)は傾斜面を形成していない状態を示す図であり、(b)は傾斜面を形成した状態を示す図である。 貼付け部材の他の例を示す図であり、(a)は傾斜面を形成していない状態を示す図であり、(b)は傾斜面を形成した状態を示す図である。 貼付け部材の厚みの他の算出方法を説明するための説明図である。 木型に貼付け部材を貼り付けた状態を示す斜視図である。 木型に貼付け部材を貼り付けた状態を示す部分平面図である。 木型に貼付け部材を貼り付けた状態を示す斜視図である。 木型に貼付け部材を貼り付けた状態を示す部分平面図である。
本発明においては、オーダー靴において所望の大きさよりも大きく製造された革靴や、ユーザーの足サイズよりも大きい既製品の革靴や、靴の製造後にユーザーの足サイズよりも大きなサイズとなってしまった革靴に対して、ユーザーの足に適合するように小さく補正をすることを手間と時間を少なくして行なうことができる靴の補正方法を提供するという目的を以下のようにして実現した。
本発明における靴の補正方法において、補正の対象となる靴は、靴の製造に際して吊り込みの工程を経て製造された革靴である。
吊り込みの工程を経て製造された革靴の例を示すと図1、図2に示す靴2005が挙げられる。靴2005は、いわゆるセメント式製法により製造されたものであり、靴2005は、アッパー(甲部、甲革としてもよい)2010と、底部2020とを有している。
ここで、アッパー2010は、底部2020から上方に形成された部分であり、ユーザーの足の周囲(つま先やかかとを含む周囲)やユーザーの足の甲の上側をカバーするものであり、表革2012と裏革2014とを有している。裏革2014は、表革2012の内側に設けられ、表革2012の内側に部分的に接着することにより表革2012の内側の面に設けられている。アッパー2010におけるつま先側の表革2012と裏革2014の間には先芯が設けられ、アッパー2010におけるかかと側の表革2012と裏革2014の間には月形芯が設けられている。なお、表革2012の材質は通常牛革であり、裏革2014の材質は通常豚革となっている。また、表革2012の厚みは、裏革2014の厚みよりも厚くなっている。
また、底部2020は、表底(本底としてもよい)2022と、表底2022の上側に設けられた中物2024と、中物2024の上側に設けられた中底2026と、中底2026の上側に設けられた中敷き2028とを有している。
底部2020における互いに隣接する部材は接着により固定されている。つまり、表底2022は中物2024と接着され、中物2024は中底2026と接着され、中敷き2028は中底2026と接着されている。また、アッパー2010の下端領域は、中底2026及び表底2022と接着されている。つまり、裏革2014の下端領域の表革2012とは反対側の面が中底2026に接着され、表革2012の下端領域の裏革2014とは反対側の面が表底2022と接着されている。
図1、図2に示す靴2005の製造工程は図3に示すとおりであり、アッパー2010を構成する各パーツを縫製して製甲する(図3、S1)。
次に、アッパー2010の吊り込みを行なう(図3、S2)。すなわち、アッパー2010のかかと部に月形芯を入れ、つま先部に先芯を入れて加熱・冷却してアッパーを保型し、一方、図4に示すように、中底2026を靴型の底面に中底2026を仮止めし、靴型にアッパー2010を被せて、アッパー2010のかかと部を靴型に釘2100で固定した状態で、アッパー2010の吊り込みを行なう。この吊り込みに際して、アッパー2010は、中底2026側に引っ張られるので、引っ張られることにより延ばして形成されている。
次に、底部、特に、表底2022の接着を行なう(図3、S3)。すなわち、裏革2014を中底2026に接着するとともに、中物2024を中底2026に接着し、表底2022を表革2012及び中物2024に接着する。
次に、靴型を抜き、中敷き2028を中底2026に接着し、アッパー2010の表革2012にクリームを塗る等して仕上げを行なう(図3、S4)。以上のようにして、靴2005が製造される。
なお、上記の説明では、セメント式製法により製造された靴を挙げたが、吊り込みの工程を有する製法により製造された靴であれば他の製法により製造された靴であってもよい。例えば、マッケイ式製法や、グッドイヤー・ウエルト式製法や、カリフォルニア式製法や、ステッチダウン式製法や、バルカナイズ式製法や、インジェクション式製法等が挙げられる。
すなわち、マッケイ式製法は、アッパーに靴型を入れて吊り込みを行い、その後、吊り込んだアッパーに中底と表底を貼り合わせ、その後、靴型を抜いて、アッパーと中底と表底を縫い合わせる方法である。
また、グッドイヤー・ウエルト式製法は、中底を靴型に仮止めしてアッパーを吊り込み、その後、中底に設けられたリブにアッパーとウエルトをすくい縫いで縫い付け、その後、表底を被せた後に、ウエルトと表底を出縫機でロックステッチする方法である。
また、カリフォルニア式製法は、アッパーの周辺領域と中底とプラットフォーム巻き革とを縫い合わせた状態で靴型を挿入し、中底の靴型とは反対側にクッションを介して設けられたプラットフォームにプラットフォーム巻き革を巻き付けて吊り込みを行い、その後、プラットフォーム巻き革に接着剤を塗布して表底を圧着する方法である。
また、ステッチダウン式製法は、アッパーの周辺領域を外側に吊り込み、アッパーの周辺領域と表底の周辺部とを出縫機でロックステッチ縫いするものである。
また、バルカナイズ式製法とは、アッパーの周辺領域を中底に吊り込んだ後に、加硫圧着機に装着し、未加硫のゴムを加圧圧着機に入れて加熱加圧成形しながら底部を加硫圧着する方法である。
また、インジェクション式製法とは、アッパーの周辺領域を中底に吊り込んだ後に、射出成形機の金型に装着して、合成樹脂を射出して底部を形成するものである。
次に、靴サイズ(特に、足囲と甲回り)を小さく補正する方法について、図5〜図12を使用して説明する。
なお、補正対象の靴は、小さく補正をする必要のある靴であり、例えば、オーダー靴において所望の大きさよりも大きく製造された革靴や、ユーザーの足サイズよりも大きい既製品の革靴や、靴の製造後にユーザーの足サイズよりも大きなサイズとなってしまった革靴であるとする。
まず、靴2005を水に浸して、アッパー2010の外側と内側とに水を付着させる(S11、液体付着工程)。例えば、図8に示すように、水2112を入れた容器2110に対して上下を逆にして水2112の中に靴2005のアッパー2010を浸すことによりアッパー2010の外側の面(つまり、表革2012の外側の面)とアッパー2010の内側の面(つまり、裏革2014の内側の面)に水が付着することになる。水に浸す時間は、1〜10秒程度とする。なお、この場合の水は液体の一例であり、後述するように液体としては水に限られない。
その際、表底2022や中物2024や中底2026に水2112が接触しないように、靴2005の側面視において、水面2112aが表底2022の上辺2022aよりも下側になるようにする。つまり、底部2020を保護するために、容器2110に入れられた水2112の中に靴2005を上下逆の状態で靴2005の底部2020が水に接触しないように入れる。これは、中底2026は紙材が用いられることが多く、中底2026に水が付着することにより中底2026が軟化して劣化するのを防ぐために、中底2026に水が付着しないようにするためである。また、中底2026に水が接しないようにするために、中敷き2028にも水が接しないようにするのが好ましい。つまり、結果的に底部2020全体に水が接触しないようにするのが好ましい。また、靴2005の側面視において、アッパー2010の下端の辺部は下方に湾曲しており、また、中底2026の上面は表底2022の上面よりも上方にあるので(図2参照)、表底2022や中物2024や中底2026に水が接触しないようにすると、アッパー2010の下端領域2010aは、図8に示すように水に接触しないこととなるが、図8のように上下逆にした状態から上下に向きを変えて図1に示すように底部2020を下側に戻すと、アッパー2010の下端領域を除く領域に付着した水が下方に流れてアッパー2010の下端領域2010aにも水が付着することになる。また、アッパー2010を水に浸した状態とするので、表革2012の内部と裏革2014の内部に水が浸みていくことになる。
次に、図9に示すように、靴2005の中に靴型(木型としてもよい)2120を挿入して、図10に示す状態とする(S12、靴型挿入工程)。この場合の靴型2120は、目的とするサイズの靴型であり、特に、足囲の長さL1と甲回りの長さL2とが目的とする補正後の長さに形成されている。なお、靴型2120を製造する際には、例えば、特許第3479019号や特許第4087747号や特許第5073316号の足サイズ測定具により足囲と甲回りを測定し、測定した足囲や甲回りに従い靴型を製造する。
また、補正対象の靴2005は、目的とするサイズよりも大きくなっていて、特に、足囲の長さと甲回りの長さとは目的とする長さよりも長く形成されているので、靴型2120の足囲の長さは靴2005の足囲の長さよりも小さく、また、靴型2120の甲回りの長さは靴2005の甲回りの長さよりも小さくなっている。なお、補正により足長を短くすることはできないので、靴型2120の足長は靴2005の足長に対応したものとなっていて、具体的には、靴型2120の足長は靴2005の内部の足長と略一致している。
また、アッパー2010の内側の面(つまり、裏革2014の内側の面)に水が付着しているが、靴型2120のサイズは靴2005のサイズよりも小さいので、靴型2120を靴2005の中に入れる際にアッパー2010の内側の水分が邪魔になることがない。
次に、アッパー2010の外側の面に対して熱風を吹き付けることによりアッパー2010を乾燥させて縮み加工を行なう(S13、加熱工程)。
図5のステップS13のサブルーチンは、図6に示すように示され、まず、アッパー2010の外側の領域に順次熱風を吹き付けてアッパー2010を乾燥させてアッパー2010全体に対して縮み加工を行なう(S21、全体加熱工程)。熱風の温度としては、150〜250℃とするのが好ましい。
ここで、熱風を吹き付ける領域は、アッパー2010の外側の領域の一部の領域(これを「部分領域」とする)であり、熱風を吹き付ける部分領域を順次移動させていきながら(つまり、縮み加工の対象となる部分領域を順次移動させていく)、部分領域ごとに縮み加工を行い、アッパー2010全体を縮み加工していく。全ての部分領域について順次縮み加工を行ない、全ての部分領域について縮み加工を行なうことにより1回の全体縮み加工が行われる。部分領域は、アッパー2010を熱風に対して固定した状態とした場合に、熱風が当たる領域であるといえる。熱風を吹き付ける部分領域を順次移動させるには、熱風を吹き出すための管部2130を固定した状態で、靴型2120を挿入した靴2005を両手で持ち、靴2005の熱風の吹き出し領域2140に対する位置を順次変えていく。なお、この熱風の吹き出し領域2140がアッパー2010に当たった領域が部分領域となるが、管部2130の内径(吹き出し口の内径)M1は、少なくともアッパー2010の足長方向の長さM2よりも小さく形成され、また、好ましくは、靴2005の足長方向とは直角方向の横方向の幅M3よりも小さく形成されている。これにより、部分領域をなるべく小さくして縮み加工を小さな領域ごとにきめ細かく行なうことができる。
すなわち、アッパー2010において熱風により乾燥された部分領域は、アッパー2010内の水分が蒸発することにより革を構成する繊維同士が引っ張られて革が縮むので、熱風が吹き付けられた領域に縮み加工が施される。
縮み加工対象の部分領域が靴型に密着した状態(つまり、該部分領域と靴型との隙間がない状態)になると、その部分領域の縮み加工が完了するが、熱風を吹き付ける領域を順次移動させながら、熱風をアッパー2010全体に万遍なく吹き付け(つまり、この段階では、いずれの部分領域も縮み加工は完了していない)(これが1回目の全体縮み加工(第1加熱工程)となる))、その後、各部分領域について順次縮み加工を完了させていく(これが2回目の全体縮み加工(第2加熱工程)となる)。
例えば、1回目の全体縮み工程において、縮み加工対象の部分領域について最初に縮み加工を行なう場合には、縮み加工対象の部分領域の縮み加工が完了する前に他の部分領域に縮み加工対象の部分領域を移動させていく。つまり、縮み加工対象の部分領域について最初に縮み加工を行なう際に、縮み加工を完了させてしまうのではなく、縮み加工が完了する前に他の部分領域に熱風を吹き付ける。つまり、縮み加工対象の部分領域について最初に縮み加工を行なう際に縮み加工を完了させてしまうと、アッパー2010の縮み具合に偏りが生じ、アッパー2010全体について縮み具合を均一化させることができないおそれがあるので、縮み加工対象の部分領域(つまり、熱風を吹き付ける領域)を順次変えていきながらアッパー2010全体に対して万遍なく縮み加工していく。つまり、いずれの部分領域においても、部分領域の少なくとも一部の領域が靴型に密着していない状態とする(第1加熱工程)。つまり、1回目の全体縮み工程においては、各部分領域において、部分領域の少なくとも一部の領域が靴型に密着していない状態とし、各部分領域について、縮み加工が未完了の状態とする。
なお、ある領域が靴型と密着した状態となったか否かは、その領域が靴型に密着していない場合には、該領域を指で押した(「押圧した」としてもよい)際に該領域が靴型側に凹むので、ある領域を押した際に凹まない場合には、その領域が靴型に密着しており(つまり、その領域については、縮み加工が完了した状態となる)、凹む場合には、その領域が靴型に密着していないことが分かる。つまり、ある部分領域における全ての領域が指で押しても凹まないときは該部分領域が靴型に密着しており、ある部分領域における少なくとも一部の領域が指で押して凹む場合には、該部分領域が密着していないことになる。
つまり、各部分領域において、部分領域の少なくとも一部の領域が靴型に密着していない状態とするには、各部分領域において、部分領域における少なくとも一部の領域が靴型側に凹む状態で加熱を停止させる。
また、新たな縮み加工対象の部分領域としては、例えば、直近に縮み加工を行った部分領域に隣接する部分領域で、まだ縮み加工を行っていない部分領域とする。
そして、縮み加工対象の部分領域について、2回目の全体縮み加工の際に縮み加工を完了させていく。つまり、第1加熱工程で加熱した部分領域にさらに熱風を吹き付けて部分領域を順次靴型に密着させる(第2加熱工程)。
なお、第1加熱工程と第2加熱工程のいずれにおいても、アッパー2010における熱風を吹き付ける箇所を順次移動させていくので、ある縮み加工対象の部分領域と次の縮み加工対象の部分領域とは、一部が重なることになる。
例えば、図11において、部分領域R1に熱風を吹き付けて部分領域R1の縮み加工を行い、部分領域R1への最初縮み加工である場合には、縮み加工が完了する前に縮み加工対象の部分領域を部分領域R2に移動させ(つまり、部分領域R1を押さえて靴型側に凹む状態で部分領域R2に移動する)、次に、部分領域R2に熱風を吹き付けて部分領域R2の縮み加工を行い、部分領域R2への最初縮み加工である場合には、縮み加工が完了する前に縮み加工対象の部分領域を部分領域R3に移動させ、次に、部分領域R3に熱風を吹き付けて部分領域R3の縮み加工を行い、部分領域R3への最初縮み加工である場合には、縮み加工が完了する前に縮み加工対象の部分領域を部分領域R4に移動させ、縮み加工を行なう部分領域を部分領域R5、R6と順次移動させながらアッパー2010全体に対して縮み加工を行なう。なお、縮み加工対象の部分領域への縮み加工が2回目である場合(つまり、2回目の全体縮み加工の場合)には、縮み加工を完了させる。
なお、最初に熱風を吹き付ける部分領域(つまり、スタート位置の部分領域)は任意であるが、足囲に沿った領域P1と甲回りに沿った領域P2を重視して、足囲に沿った領域P1と甲回りに沿った領域P2の一方に対応した部分領域をスタート位置の部分領域とし、領域P1と領域P2について領域P1及び領域P2以外の領域よりも先に縮み加工を行なうようにしてもよい。つまり、足囲に沿った領域P1に対応した部分領域をスタート位置の部分領域として、まず、領域P1について縮み加工を行い、その後、領域P2について縮み加工を行い、その後、他の領域について縮み加工を行なう。なお、領域P1を領域P2よりも先としたが、逆としてもよい。このように、領域P1・P2の一方→領域P1・P2の他方→その他の領域の順に縮み加工を行なう方法は、n回の全体縮み加工における各回において行なう。
以上のようにして、第1加熱工程において、熱風をアッパー全体に万遍なく吹き付けて、アッパーにおける少なくとも一部の領域が靴型に密着していない状態とし、第2加熱工程において、アッパーに熱風を吹き付けて、第1加熱工程で靴型に密着していない領域を順次靴型に密着させる。
なお、上記の説明では、縮み加工対象の部分領域について、1回目の全体縮み加工では縮み加工を完了せず、2回目の全体縮み加工で縮み加工を完了させるとしたが、n(nは3以上)回目の縮み加工で縮み加工を完了させてもよい。結果的に、全体縮み加工の回数nは、2以上であればよい。この場合、n−1回目までの工程が第1加熱工程となり、n回目の工程が第2加熱工程となる。
ステップS21についての上記の説明をフローチャートに示すと、図7に示すようになり、全ての部分領域について縮み加工が完了したかを判定し(S31)、完了していない場合には、縮み加工が完了していない部分領域について縮み加工を行なう(S32)。その際、各部分領域について縮み加工の回数を均一とするために、いずれかの部分領域についてm回目(mは1以上n以下)の縮み加工を行った場合には、全ての部分領域についてm回目の縮み加工が行われるようにし、全ての部分領域についてm回目の縮み加工が行われる前にいずれかの部分領域にm+1回目の縮み加工を行わないようにするのが好ましい。
次に、その部分領域についての縮み加工の回数が予め設定したn回未満の場合(つまり、全体縮み加工がn回目未満の場合)には、ある部分領域の縮み加工が完了する前に、縮み加工対象の部分領域を別の部分領域とする(S33、S34)。一方、その部分領域についての縮み加工の回数が予め設定したn回に達している場合(つまり、全体縮み加工がn回目である場合)には、該部分領域について縮み加工を完了させた後に、縮み加工対象の部分領域を別の部分領域とする(S33、S35、S36)。そして、全ての部分領域について縮み加工が完了した場合には、縮み加工を終了する。
なお、実際の作業においては、各部分領域への縮み加工の回数は正確にカウントすることは困難であるので、図7に示す工程は理想的な工程であり、図7に示す理想的な工程になるべく近い工程で行なうことになる。
なお、上記第1加熱工程においては、いずれの部分領域においても、部分領域の少なくとも一部の領域が靴型に密着していない状態とし、第2加熱工程において、各部分領域について順次、部分領域における全ての領域を靴型に密着させていくとしたが(これを第1の方法とする)、第2の方法として、第1加熱工程において、一部の部分領域については全ての領域を靴型に密着させて、他の部分領域については、部分領域の少なくとも一部の領域が靴型に密着していない状態とするようにして、熱風をアッパー全体に万遍なく吹き付けて、アッパーにおける少なくとも一部の領域が靴型に密着していない状態とするようにしてもよい。そして、第2加熱工程においては、第1加熱工程で靴型に密着していない領域を順次靴型に密着させていく。この第2の方法においても、第1の方法に比べて、アッパー全体について縮み具合の均一化の程度は弱いものの、アッパー全体について縮み具合を均一化させることができる。
なお、靴型2120を靴2005に入れた状態でアッパー2010の外側から熱風を吹き付けるので、表革2012には熱風が直接当たるものの、裏革2014には熱風は当たらないが、表革2012の材質は牛革であるのに対して裏革2014の材質は豚革であり、豚革は牛革よりも収縮の度合い(収縮率)が大きく、また、表革2012の厚みは、裏革2014の厚みよりも厚くなっているので、表革2012とともに裏革2014も十分縮めることができる。なお、裏革2014は豚革としたが、豚革以外の材料(例えば、革)で、牛革よりも収縮率(つまり、水を付着した後の加熱による収縮率)の高い材料を用いてもよい。
ステップS21が完了したら、ステップS22に移行し、足囲と甲回りについての縮み加工が重要であり、ステップS21において、足囲に沿った領域と甲回りに沿った領域について縮み加工が完了していない場合もあるので、アッパー2010における足囲に沿った領域P1と甲回りに沿った領域P2(図12参照)の縮み加工が完了しているか確認して(S22)、まだ縮み加工が完了していない場合には、足囲に沿った領域P1と甲回りに沿った領域P2に水を塗布した後(S23)に、水を塗布した領域に熱風を吹き付けて縮み加工を行なって、足囲と甲回りについて縮み加工を完了させる(S24)。熱風の温度としては、150〜250℃とするのが好ましい。ステップS22〜S24が、部分加熱工程(足囲領域・甲回り領域加熱工程)に当たる。
この足囲に沿った領域P1とは、足囲を中心とする帯状の領域であり、例えば、靴型2120における足囲L1に沿った領域で足囲L1を中心とする帯状の領域P11の外側の領域に当たる。また、甲回りに沿った領域P2とは、甲回りを中心とする帯状の領域であり、例えば、靴型2120における甲回りL2に沿った領域で甲回りL2を中心とする帯状の領域P12の外側の領域に当たる。
このようにすることにより、足囲や甲回りの領域について靴型に合わせて確実に縮めることができ、足囲と甲回りの領域を靴型の大きさに合わせて精度よく補正することができる。なお、ステップS22の工程(足囲と甲回りの領域について縮み加工が完了しているか否かの確認)を省略して、ステップS21の後に、ステップS23とS24を行う(足囲と甲回りの領域に水を塗布して、水を塗布した領域に熱風を吹き付けて縮み加工を行う)ようにしてもよい。
なお、ステップS13においてアッパー2010に熱風を吹き付ける際には、底部2020には熱風を吹き付けないようにする。すなわち、特に、底部2020における表底2022は通常樹脂により形成されているので、熱風により表底2022が劣化しないように、底部2020には熱風を吹き付けないようにする。つまり、底部2020に熱風を吹き付けないようにすることにより、底部2020を保護することができる。
また、足囲や甲回りの領域以外の領域についても縮み加工が完了していない場合には、その領域に水を塗布した後に熱風を吹き付けた後に、水を吹き付けた領域に熱風を吹き付けて、さらに縮めるようにしてもよい。
ステップS13の次には、数日間(2〜4日間)靴2005を常温乾燥させる(S14、常温乾燥工程)。すなわち、靴型2120を靴2005に入れた状態で常温乾燥を行う。すなわち、常温乾燥を行なうことにより、アッパー2010全体を十分乾燥させる。例えば、熱風が吹き付けられない等で乾燥が十分でない小さな領域がある場合でも、常温乾燥を行なうことにより十分乾燥させることができる。その後、靴型2120を靴2005から外すことにより、靴2005の補正が完了する(S15)。
以上のように、縮み加工を行なうことにより、アッパー2010は、靴型2120の大きさにまで縮められるので、オーダー靴において所望の大きさよりも大きく製造された革靴や、靴の製造後にユーザーの足サイズよりも大きなサイズとなってしまった革靴に対して、ユーザーの足に適合するように足囲や甲回りを小さく補正をすることができる。
また、ユーザーの足サイズよりも大きい既製品の革靴をユーザーの足に適合するように足囲や甲回りを補正できるので、既製品として量産した靴をユーザーの足サイズに適合させることができ、既製品として量産した靴をオーダー靴のように加工することができる。つまり、足長ごとに足囲と甲回りについて複数種類の組み合わせの既製品を準備しておき、ユーザーの足サイズを測定し、測定した足長の靴で、足囲と甲回りが測定した足囲と甲回り以上のもので、測定した足囲と甲回りに最も近似した大きさの靴を選ぶようにすればよい。
特に、補正対象となる靴が、靴の製造に際して吊り込みの工程を経て製造された革靴であり、アッパー2010は引っ張られることにより延ばされて形成されているので、水を付着させて熱風を吹き付けることによりアッパー2010の縮み量を大きくすることができ、十分小さく補正することができる。
また、靴2005を水に浸して熱風を吹き付けることにより縮み加工を行なうので、表底を外して甲革を再度吊り込みする必要がなく、手間と時間を少なくして補正を行なうことができる。つまり、アッパー2010に液体を付着させた後に靴型2120を挿入し、アッパー2010を加熱することにより縮み加工を行なうので、手間と時間を少なくして補正を行なうことができる。
また、上記加熱工程において、アッパー2010の外側の領域における一部の領域である部分領域に熱風を吹き付け、熱風を吹き付ける部分領域を順次移動させていくので、部分領域における靴型への密着の度合いを確認しながら縮み加工を行なうことができる。なお、上記の説明では、1回目の全体縮み加工では、各部分領域の縮み加工を完了させないとしたが、1回目の全体縮み加工において、部分領域について縮み加工を完了させながら、順次部分領域を縮み加工してもよい。その場合には、縮み具合に偏りが発生する可能性があるので、足囲に沿った領域P1と甲回りに沿った領域P2を重視して、足囲に沿った領域P1と甲回りに沿った領域P2について先に縮み加工する方法が考えられる。例えば、足囲に沿った領域P1に対応した部分領域をスタート位置の部分領域として、まず、領域P1について縮み加工を行い、その後、領域P2について縮み加工を行い、その後、他の領域について縮み加工を行なう。領域P1を領域P2よりも先としたが、逆としてもよい。
また、靴2005を水に浸すことにより、アッパー2010の外側の面と内側の面とに水を付着するので、アッパー2010の外側の面のみならず内側の面を十分に縮み加工することができ、アッパー2010における表革2012と裏革2014を縮み加工することができる。
なお、アッパー2010の外側の面と内側の面とに水を付着させる方法として、アッパー2010を水に浸すとしたが、他の方法により水を付着させてもよく、噴霧器等による噴霧や、刷毛による塗布などにより水を付着させてもよい。つまり、アッパー2010の外側の面と内側の面に水を噴霧器等により噴霧してもよく、また、アッパー2010の外側の面と内側の面に刷毛により水を塗布するようにしてもよい。
また、アッパー2010の外側の面と内側の面とに水を付着させるとしたが、外側の面のみに水(液体)を付着させるものとしてもよい。すなわち、アッパー2010の外側の面のみに水を付着させた場合でも、内側の面にまで水が浸透し、例えば、表革2012の外側の面に水を付着させた場合には、水が表革2012の外側の面から内側の面に水が浸透し、さらに、裏革2014にまで水が付着する。
なお、上記の説明において、アッパー2010の吊り込みに際して、アッパー2010を引っ張ることにより延ばして形成されるとしたが、吊り込みに際して、アッパー2010を引っ張らずに(つまり、アッパー2010を延ばさない)形成してもよい。その場合であっても、アッパー2010に付着した水を蒸発させることにより、アッパー2010が縮み加工されることになる。
また、上記の説明においては、熱風をアッパー2010に吹き付けることにより水を蒸発させるとしたが、熱風以外の方法によりアッパー2010を加熱して水を蒸発させてもよく、例えば、靴型2120を入れた靴2005を加熱ブース内に入れて加熱してもよい。ただし、その場合には、表底2022が樹脂により形成されている場合には、表底2022が熱により劣化してしまうおそれがあり、また、部分領域ごとに加熱する場合に比べて、縮み加工が十分でない領域が発生するおそれがあるので、上記のように、部分領域ごとに熱風を吹き付ける方法とするのが好ましい。
なお、上記液体付着工程において、液体として水を用いるとしたが、水の代わりに、アルコール(例えば、エタノール)、ベンジン、トルエン、アセトン、テトラクロロエチレン、アセトン等の有機溶媒でもよく、また、水と有機溶媒の混合液でもよい。つまり、アッパー2010の外側と内側とに付着させる液体としては、水、有機溶媒、水・有機溶媒混合液のいずれかであればよい。
なお、特許文献1で、靴の製造に際して、胛被体の内側をT字管により蒸気で蒸らした後に、胛被体を靴型に吊り込んでいるが、本発明では、吊り込みの工程を経て引っ張られた状態のアッパー2010に水を付着させるために、水が表革2012や裏革2014に内部に深く浸透し、熱風により水分が蒸発する際に繊維が互いに引き合うように引っ張られて強く縮むが、特許文献1の場合には、水を付着した状態で吊り込みをして引っ張るので、水の内部への浸透が、革を引っ張った状態で水を浸透させる場合に比べて弱く、よって、縮みの度合いは小さいといえる。また、特許文献1では、胛被体の内側をT字管により蒸気で蒸らすが、本発明では、アッパー2010の少なくとも外側の面に水を付着させるので、アッパー2010全体を十分に縮み加工することができる。特に、特許文献1において、胛被体を蒸らすのは、胛被体のつま先部分やかかと部分にしわが発生しないようにするためであり、胛被体を縮ませるものではない。
また、特許文献1では、ヒータードームで加熱しているが、本発明において、ヒータードームを利用する場合には、表底2022が樹脂により形成されている場合には、表底2022が熱により劣化してしまうおそれがあり、また、胛被体の部分領域ごとに加熱することができないため、縮み加工が十分でない領域が発生するおそれがある。
また、特許文献2では、袋縫いされた胛被体を靴型に吊り込み、その後、靴型を加熱して胛被体の内側を加熱した後に、水を噴霧しているが、本発明において、仮に、アッパー2010を加熱した後に水を噴霧しても、アッパー2010内の水が蒸発しないので、アッパー2010を縮み加工することはできない。また、特許文献2では、胛被体を靴型に吊り込んだ状態で水を噴霧するが、本発明において、仮に胛被体を靴型に吊り込んだ状態で水を噴霧しても、裏革に水が付着しないため裏革が十分縮まないといえる。また、特許文献2では、靴型を加熱しているが、仮に本発明において靴型を加熱しても、表革が加熱されないので、表革の縮みが十分でないといえる。
なお、上記のステップS12において、靴2005の中に挿入する靴型について、特許文献3(特開2011−200560号)に記載の靴型の製造方法により製造した靴型(外反母趾及び内反小趾用の靴型(足関節疾患用の足型としてもよい))を使用することにより、該靴型により製造した靴にも対応させることができる。
すなわち、外反母趾及び内反小趾用の靴型は、特許文献3に示すように、以下のようにして製造する。すなわち、外反母趾及び内反小趾用の靴型の製造方法は、足サイズを測定し、測定した足サイズに基づき靴型(製靴用型、製靴型としてもよい。他においても同じ)としての靴型を選択するとともに、外反母趾や内反小趾により変形して突出した突出部分に対応する箇所に貼り付ける貼付け部材の厚みを算出して、該厚みの貼付け部材を靴型に貼り付けて、貼付け部材を貼り付けた状態の靴型を製造することにより、外反母趾及び内反小趾用の靴型を製造する。
外反母趾及び内反小趾用の靴型の製造方法を図13等を使用してより具体的に説明すると、まず、製造する靴の使用者の足の足長と足囲と甲回りを測定する(S101、測定工程)。
まず、足長Aについては、図14に示すように、踵の後端部から降ろした垂線の位置(後端点)から足の先端から降ろした垂線の位置までの長さを測定する。足の先端としては、足先の一番長い部分とする。つまり、人間の足は通常親指(母指)と第2指のいずれかが足先において最も突出しているが、最も突出した部分を足の先端とする。例えば、図14のように、踵の後端と足の先端とを前後方向直線部(中心線)aに合わせて足長Aを測定する。なお、第2指の先端を足の先端として足長を測定してもよい。
また、足囲については、最も足幅の広い部分、すなわち、親指(母指)の付け根と小指の付け根とを結ぶ足の周囲の長さを測定する。
なお、具体的には、以下のように、足の後端点から所定の長さの位置で前後方向直線部に対して所定の角度にメジャー部を配置して足囲を測定するのが好ましい。すなわち、図14に示すように、平面視における足の後端点から足長に対して61.5〜71.5%(好適には、66.5%)の割合の位置P1で、前後方向直線部aのつま先側の方向と足囲を測定するためのメジャー部(巻き尺)の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度α1が、男性の場合は69.0〜79.0度(好適には、74.0度)となるようにメジャー部を配置して足囲を測定する。つまり、図14において、足長Aに対する長さbの割合が61.5〜71.5%(好適には、66.5%)であり、足囲を表す曲線(ループ状の曲線)Bを平面視した際には、該曲線B(平面視においては直線)が踵の後端点からbの位置P1を通り、前後方向直線部aのつま先側と該曲線Bとがなす角度(足の配置位置の内側の角度)α1が、69.0〜79.0度(好適には、74.0度)となっている。そして、メジャー部をこの曲線Bに沿うように、メジャー部を足の下に直線状に伸ばした状態で配置し、足の後端点から足長に対して61.5〜71.5%(好適には、66.5%)の割合の位置P1を通り、前後方向直線部aのつま先側の方向と足囲を測定するためのメジャー部(巻き尺)の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度α1が69.0〜79.0度となるようにメジャー部を配置して、その後、メジャー部を足に巻き付けて足囲を測定する。なお、足の内側から側面視した場合には、足囲を表わす曲線と水平面とがなす角度α2が略直角(直角としてもよい)となるようにし、足囲を測定するメジャーについても、足の内側から側面視した場合には、水平面に対するメジャー部の角度が略直角(直角としてもよい)となるようにする。
なお、女性の場合には、角度α1を68.0〜78.0度(好適には、73.0度)とし、他は同様とする。
また、甲回りについては、土踏まずの上の位置で最も甲の高い部分の足の周囲の長さを測定する。
なお、具体的には、以下のように、足の後端点から所定の長さの位置で前後方向直線部に対して所定の角度にメジャー部を配置して甲回りを測定するのが好ましい。すなわち、図14に示すように、平面視における足の踵の後端点から足長に対して51.0〜61.0%(好適には、56.0%)の割合の位置P2で、前後方向直線部aのつま先側の方向と足囲を測定するためのメジャー部の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度β1が、男性用の場合は75.5〜85.5度(好適には、80.5度)となるようにメジャー部を配置して足囲を測定する。つまり、図14において、足長Aに対する長さcの割合が51.0〜61.0%(好適には、56.0%)であり、甲回りを表す曲線(ループ状の曲線)Cを平面視した際には、該曲線C(平面視においては直線)が踵の後端点からcの位置P2を通り、前後方向直線部aのつま先側と該曲線Cとがなす角度(足の配置位置の内側の角度)β1が、75.5〜85.5度(好適には、80.5度)となっている。そして、メジャー部をこの曲線Cに沿うように、メジャー部を足の下に直線状に伸ばした状態で配置し、足の後端点から足長に対して51.0〜61.0%(好適には、56.0%)の割合の位置P2を通り、前後方向直線部aのつま先側の方向と足囲を測定するためのメジャー部(巻き尺)の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度β1が75.5〜85.5度(好適には、80.5度)となるようにメジャー部を配置して、その後、メジャー部を足に巻き付けて甲回りを測定する。なお、足の内側から側面視した場合には、甲回りを表わす曲線は水平面のつま先側となす角度β2が71.0〜81.0度(好適には、76.0度)となるようにし、甲回りを測定するメジャーについても、足の内側から側面視した場合には、水平面のつま先側に対してメジャー部が71.0〜81.0度(好適には、76.0度)となるようにする。
なお、女性の場合には、角度β1を74.5〜84.5度(好適には、79.5度)とし、他は同様とする。
なお、足長と足囲と甲回りを測定するには、上記特許文献4〜6の足サイズ測定具を使用するのが好ましい。
特許文献4、5に記載されている足サイズ測定具Aは、図15に示すように構成され、略長方形状のシート状部材5に、足型表示部10と、足長測定部20と、足囲測定部30と、甲回り測定部40等を有している。
また、特許文献6に記載されている足サイズ測定具1は、図16、図17に示すように構成され、測定具本体部1Aを有し、この測定具本体部1Aは、本体領域部5と、踵当て部70とを有していて、本体領域部5の表側の面には、図16に示すように、足型表示部10と、足長測定部20と、足囲測定部40と、甲回り測定部50と、記入欄68とを有し、本体領域部5の裏側の面には、図17に示すように、足型表示部110と、足長測定部120と、足囲測定部140と、甲回り測定部150と、記入欄168とを有している。特に、足の後端点から所定の長さの位置で前後方向直線部に対して所定の角度にメジャー部を配置して足囲を測定する場合や、足の後端点から所定の長さの位置で前後方向直線部に対して所定の角度にメジャー部を配置して甲回りを測定する場合には、特許文献5に示す足サイズ測定具を使用するのが好ましい。
以上のように、足の足長と足囲と甲回りとを測定したら、測定により得られた足長の測定値と甲回りの測定値に対応した靴型(木型)1010を選択する(S102)。なお、前提として、靴型は、足長と甲回りと足囲の寸法に応じてその規格が用意されているので、測定値に近い寸法のものを選択する。つまり、足長については、測定値に一致する寸法がない場合には、測定値よりも大きく、かつ、測定値に最も近い寸法を選択し、測定値に一致する寸法がある場合には、その寸法を選択する。また、甲回りについては、測定値に一致する寸法がない場合には、測定値よりも小さく、かつ、測定値に最も近い寸法を選択し、測定値に一致する寸法がある場合には、その寸法を選択する。つまり、甲回りについては、足を甲回りの位置で締めて固定するようにするため、上記のように寸法を選択する。
つまり、足長については、所定長さごと(例えば、5mmごと)の寸法のものが用意され、甲回りと足囲については、所定長さごと(例えば、4mmごと)の寸法のものが用意され、甲回りと足囲とは、甲回りの長さに所定の長さを加算した値が足囲となるように設定されている。例えば、足囲の長さ=甲回りの長さ+n(nは正数の長さ)となるように設定され、nの値としては、例えば、2mmとなっている。なお、2mmでなくても、他の長さでもよい。
例えば、足長については、5mmピッチで250mmの次が255mmの寸法に設定され、また、甲回りについては、4mmピッチで246mmの次が250mmの寸法に設定され、足囲の長さ=甲回りの長さ+2mmに設定されているとした場合に、測定した足長が253mm、甲回りが249mmであるとすると、足長が255mmで甲回りが246mmの靴型を選択する。なお、甲回りが246mmであるので、その靴型の足囲は、248mm(246mm+2mm)となっている。
なお、上記の例で、甲回りの測定値が250mmの場合には、甲回りが250mmの靴型を選択する。なお、甲回りが250mmであるので、その靴型の足囲は、252mm(250mm+2mm)となっている。
なお、靴型を予め準備した複数種類の中から選択するとしたが、選択した寸法の靴型を作成するようにしてもよい。
次に、測定した足囲と甲回りの値から貼付け部材1020の厚みを算出する(S103、算出工程)。ここで、貼付け部材1020の厚みhは、式(1)に示すようになるので、この式(1)に従い算出する。
h=(足囲の測定値−甲回りの測定値−n)/2・・・式(1)
つまり、図18に示す模式図によると、靴型1010に板状の貼付け部材1020を貼り付けた場合には、足囲は、貼付け部材の厚みの2つ分の長さだけ長くなるので、製造する靴の足囲(=足囲の測定値)=甲回りの測定値+n+2×hとなり、この式から上記の式が導かれる。つまり、足囲の測定値と甲回りの測定値と予め設定されたnの値により貼付け部材の厚みを算出することができる。なお、例えば、靴型において、足囲の長さ=甲回りの長さ+nにおけるnの値が2mmに設定されている場合には、式(1)のnは2mmとして算出する。図18の模式図において、点線は足囲の線を表す。なお、足囲の測定値から甲回りの測定値を減じた値がn以下の場合には、貼付け部材の貼付けは必要ないことになる。
次に、算出した貼付け部材の厚みに応じて、貼付け部材を作成する(S104、貼付け部材作成工程)。貼付け部材の作成に際しては、例えば、合成樹脂製の板状部材(例えば、合成皮革又は合成ゴム)を用い、該板状部材を図19(a)に示す楕円形状や図20(a)に示す長方形状の両端を円弧状に形成した形状に形成する。なお、図20の平面形状としては、長方形状の両端を円弧状に形成する以外に、長方形状の角部を円弧状に形成してもよい。
なお、板状部材の厚みが不足する場合には、板状部材の複数枚を重ねて貼り合わせる。また、1枚の板状部材や複数枚を貼り合わせた板状部材の厚みが所望の厚みよりも大きい場合には、板状部材を削り具(例えば、ヤスリ)により削るようにする。また、靴型の表面との段差が生じないように、板状部材の端部(又は周囲)は、図19(b)、図20(b)に示すように、貼付け部材1020の周囲の領域を削って傾斜面1020aを形成するのが好ましい。つまり、貼付け部材1020の周囲の領域を斜めに傾斜させる。
なお、靴型の表面との段差が生じないように板状部材の端部を斜めに傾斜させる場合には、以下のようにしてもよい。すなわち、図21に示すように、傾斜部分の傾斜面の傾斜方向の長さをh1、傾斜面に対する水平部分の長さ(傾斜面とは反対側の面における傾斜面の長さ(傾斜方向の長さ)に対応した長さ)をh2(h2=h1cosγ)、貼付け部材の厚みをh3とし、貼付け部材を貼り付けることにより1つの傾斜部分について長くなる足囲の長さをUとし、足囲の測定値をV、甲回りの測定値をWとすると、製造する靴の足囲(=足囲の測定値:V)=W+n+2×U(この式を式(2)とする)となり、Uは、図21の模式図から式(3)により表される。図21の模式図において、点線は足囲の線を表す。
Figure 0006026587
すると、式(3)と式(2)とから式(4)が導かれるので、式(4)により、傾斜面の長さ(傾斜方向の長さ)h1を定め、足囲の測定値と甲回りの測定値を入れることにより、貼付け部材の厚みの長さを決定することができる。つまり、足囲の測定値と甲回りの測定値と傾斜面の長さ(傾斜方向の長さ)h1と予め設定されたnの値により貼付け部材の厚みを算出することができる。なお、靴型において、例えば、足囲の長さ=甲回りの長さ+nにおけるnの値が2mmに設定されている場合には、式(4)のnは2mmとして算出する。
Figure 0006026587
なお、Uは、式(5)のように表わすこともできる。
Figure 0006026587
すると、式(5)と式(2)とから式(6)が導かれるので、式(6)により、長さh2(傾斜面とは反対側の面における傾斜面の長さに対応した長さ)を定め、足囲の測定値と甲回りの測定値を入れることにより、貼付け部材の厚みの長さを決定することができる。つまり、足囲の測定値と甲回りの測定値と長さh2と予め設定されたnの値により貼付け部材の厚みを算出することができる。なお、靴型において、例えば、足囲の長さ=甲回りの長さ+nにおけるnの値が2mmに設定されている場合には、式(6)のnは2mmとして算出する。
Figure 0006026587
よって、貼付け部材を構成する板状部材を算出された厚みに製造し、さらに、予め定めた長さh2分だけ傾斜部分(直線状の傾斜部分)を設けることにより、貼付け部材を製造することができる。
上記のように、貼付け部材1020を製造したら、靴型1010に貼り付けて、補正靴型(補正木型)1005を作成する(S105、貼付け工程)。つまり、靴型1010における足囲に対応するループ状の曲線における内側の位置を含む側面(内側側面)及び/又は外側の位置を含む側面(外側側面)に貼付け部材1020を貼り付けて補正靴型1005を作成する。つまり、該内側側面の位置が、親指の付け根の位置に対応し、該外側側面の位置が、小指の付け根に対応する。つまり、靴の使用者の足の突出部分(つまり、外反母趾や内反小趾により変形して突出した部分)に対応する位置に貼付け部材1020を貼り付けて、補正靴型1005を作成するのである。
例えば、外反母趾の場合には、図22、図23に示すように、靴型1010における親指の付け根に対応する位置に貼付け部材1020を貼り付け、内反小趾の場合には、図24、図25に示すように、靴型1010における小指の付け根に対応する位置に貼付け部材1020を貼り付ける。なお、製造した補正靴型1005における足囲の長さを測定して、足囲の測定値と一致しているか否かを確認し、一致していない場合には、足囲の測定値よりも長い場合には、貼付け部材1020を削り、足囲の測定値よりも短い場合には、貼付け部材1020の上に他の貼付け部材を貼る等の調整を行う。
以上のようにして、靴型としての補正靴型(外反母趾及び内反小趾用の靴型)1005が製造される。つまり、上記ステップS101からステップS105までの工程が、靴型の製造方法に当たる。
上記ステップS12において、以上のように製造された外反母趾及び内反小趾用の靴型を用いて、上記ステップS11〜S15までの工程を行なうことにより、足関節疾患(すなわち、外反母趾や内反小趾)用に製造された足関節疾患用靴を得ることができる。
すなわち、アッパー2010は、靴型の大きさにまで縮められるので、オーダー靴(外反母趾及び内反小趾用の靴型を用いて製造されたオーダー靴)において所望の大きさよりも大きく製造された革靴や、靴の製造後にユーザーの足サイズよりも大きなサイズとなってしまった革靴に対して、ユーザーの足に適合するように足囲や甲回りを小さく補正をすることができる。
また、ユーザーの足サイズよりも大きい既製品の革靴(上記の補正靴型1005により製造した靴ではなく、既製品の革靴)に補正靴型1005を使用して縮み加工することにより、既製品の靴であっても、ユーザーの足に適合するように足囲や甲回りを補正できるので、既製品として量産した靴をユーザーの足サイズに適合させることができ、既製品として量産した靴をオーダー靴のように加工することができる。つまり、足長ごとに足囲と甲回りについて複数種類の組み合わせの既製品を準備しておき、ユーザーの足サイズを測定し、測定した足長の靴で、足囲と甲回りが測定した足囲と甲回り以上のもので、測定した足囲と甲回りに最も近似した大きさの靴を選ぶようにすればよい。このようにすることにより、既製品の靴を補正靴型1005により補正することにより、最初から補正靴型1005を用いて吊り込みの工程を経て製造した靴と同様な靴(つまり、アッパーにおける貼付け部材1020の領域に応じた内側の領域が凹んだ形状の靴)を得ることができる。
特に、上記のように、靴型1010における足囲に対応するループ状の曲線における内側の位置を含む側面(内側側面)及び/又は外側の位置を含む側面(外側側面)に貼付け部材1020を貼り付けて補正靴型1005が作成され、ステップS21においては、アッパー2010全体に対して縮み加工を行い、また、ステップS22〜S24においては、足囲に沿った領域について縮み加工が十分でない場合には、水を塗布して再度縮み加工を行なうので、貼付け部材1020の形状に応じてアッパーの内側が凹状に形成されるので、外反母趾や内反小趾等の足関節疾患用として好適な靴を得ることができる。
なお、上記ステップS11〜S15の工程により靴を補正する際に、ステップS12において、上記補正靴型1005を用いることにより、貼付け部材の厚みを足囲の測定値と甲回りの測定値に基づき算出して決定して貼付け部材1020を調整できるので、外反母趾や内反小趾等の疾病により変形して突出した突出部分の大きさに応じて靴を製造することができ(つまり、貼付け部材を貼り付けた箇所では、貼付け部材を貼り付けた分だけアッパーの内側が凹んで形成される)、靴を履いた場合に、突出部分が靴の内側に押されないので痛みを伴うことがない。
また、甲回りは測定値に応じた靴型を用いるので、足囲が通常よりも大きくなっても、甲回りが大きくなることがなく、靴が甲回りの箇所で足を締めることになり、靴を履いた場合に、足が靴の中で前後にずれるおそれが少なく、靴擦れ等を起こすおそれがない。
2005 靴
2010 アッパー
2012 表革
2014 裏革
2020 底部
2022 表底
2024 中物
2026 中底
2028 中敷き
2100 釘
2120 靴型
R1〜R6 部分領域
1005 補正靴型
1010 靴型
1020 貼付け部材

Claims (17)

  1. 底部と底部から上方に形成され革により形成されたアッパーとを有し、製造に際してアッパーが吊り込みの工程により形成された靴を補正する靴の補正方法であって、
    容器に入れられた液体の中に靴を上下逆の状態で靴の底部が液体に接触しないように入れることにより、アッパーの外側の面と内側の面とに液体を付着させる液体付着工程と、
    靴の内側に靴型を挿入する靴型挿入工程と、
    アッパーを加熱してアッパーに付着した液体を蒸発させることによりアッパーを縮み加工してアッパーを靴型に密着させる加熱工程と、
    を有することを特徴とする靴の補正方法。
  2. 底部と底部から上方に形成され革により形成されたアッパーとを有し、製造に際してアッパーが吊り込みの工程により形成された靴を補正する靴の補正方法であって、
    アッパーの少なくとも外側の面に液体を付着させる液体付着工程と、
    靴の内側に靴型を挿入する靴型挿入工程と、
    アッパーを加熱してアッパーに付着した液体を蒸発させることによりアッパーを縮み加工してアッパーを靴型に密着させる加熱工程と、
    加熱工程の後に行なう部分加熱工程で、アッパーにおける足囲に沿った領域と甲回りに沿った領域の縮み加工が完了していない場合に、足囲に沿った領域の外側の面と甲回りに沿った領域の外側の面とに液体を塗布した後に、足囲に沿った領域の外側の面と甲回りに沿った領域の外側の面に熱風を吹き付けて縮み加工を行なう部分加熱工程と、
    を有することを特徴とする靴の補正方法。
  3. 液体付着工程において、アッパーの内側の面に液体を付着させることを特徴とする請求項に記載の靴の補正方法。
  4. 加熱工程において、アッパーの外側の領域における一部の領域である部分領域に熱風を吹き付け、熱風を吹き付ける部分領域を順次移動させていくことを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の靴の補正方法。
  5. 底部と底部から上方に形成され革により形成されたアッパーとを有し、製造に際してアッパーが吊り込みの工程により形成された靴を補正する靴の補正方法であって、
    容器に入れられた液体の中に靴を上下逆の状態で靴の底部が液体に接触しないように入れることにより、アッパーの外側の面と内側の面とに液体を付着させる液体付着工程と、
    靴の内側に靴型を挿入する靴型挿入工程と、
    アッパーの外側の領域における一部の領域である部分領域に熱風を吹き付け、熱風を吹き付ける部分領域を順次移動させていく加熱工程であって、熱風を吹き付けてアッパーに付着した液体を蒸発させることによりアッパーを縮み加工してアッパーを靴型に密着させる加熱工程と、
    を有することを特徴とする靴の補正方法。
  6. 底部と底部から上方に形成され革により形成されたアッパーとを有し、製造に際してアッパーが吊り込みの工程により形成された靴を補正する靴の補正方法であって、
    アッパーの外側の面と内側の面とに液体を付着させる液体付着工程と、
    靴の内側に靴型を挿入する靴型挿入工程と、
    アッパーの外側の領域における一部の領域である部分領域に熱風を吹き付け、熱風を吹き付ける部分領域を順次移動させていく加熱工程であって、熱風を吹き付けてアッパーに付着した液体を蒸発させることによりアッパーを縮み加工してアッパーを靴型に密着させる加熱工程と、
    加熱工程の後に行なう部分加熱工程で、アッパーにおける足囲に沿った領域と甲回りに沿った領域の縮み加工が完了していない場合に、足囲に沿った領域の外側の面と甲回りに沿った領域の外側の面とに液体を塗布した後に、足囲に沿った領域の外側の面と甲回りに沿った領域の外側の面に熱風を吹き付けて縮み加工を行なう部分加熱工程と、
    を有することを特徴とする靴の補正方法。
  7. 加熱工程において、熱風をアッパー全体に万遍なく吹き付ける第1加熱工程で、アッパーにおける少なくとも一部の領域が靴型に密着していない状態とする第1加熱工程と、第1加熱工程の後にアッパーに熱風を吹き付けて、第1加熱工程で靴型に密着していない領域を順次靴型に密着させる第2加熱工程とを有することを特徴とする請求項4又は5又は6に記載の靴の補正方法。
  8. 加熱工程において、熱風をアッパー全体に万遍なく吹き付ける第1加熱工程で、各部分領域において、部分領域の少なくとも一部の領域が靴型に密着していない状態とする第1加熱工程と、第1加熱工程の後に、第1加熱工程で加熱した部分領域にさらに熱風を吹き付けることにより、各部分領域について順次、部分領域における全ての領域を靴型に密着させていく第2加熱工程とを有することを特徴とする請求項4又は5又は6に記載の靴の補正方法。
  9. 加熱工程の後に、靴型を靴に挿入した状態で常温にて乾燥させる常温乾燥工程を有することを特徴とする請求項1又5に記載の靴の補正方法。
  10. 部分加熱工程の後に、靴型を靴に挿入した状態で常温にて乾燥させる常温乾燥工程を有することを特徴とする請求項2又は3又は6に記載の靴の補正方法。
  11. 靴のアッパーが、表革と、表革の内側に設けられた裏革とを有し、表革が裏革よりも厚く形成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10に記載の靴の補正方法。
  12. 靴のアッパーが、表革と、表革の内側に設けられた裏革とを有し、表革が牛革により形成され、裏革が、液体付着後の加熱による収縮率が牛革よりも高い革により形成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は11に記載の靴の補正方法。
  13. 裏革が、豚革により形成されていることを特徴とする請求項12に記載の靴の補正方法。
  14. 補正する靴の製造に際して、吊り込みの工程においてアッパーを引っ張ることにより延ばして形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は11又は12又は13に記載の靴の補正方法。
  15. 補正の対象となる靴が、セメント式製法と、マッケイ式製法と、グッドイヤー・ウエルト式製法と、カリフォルニア式製法と、ステッチダウン式製法と、バルカナイズ式製法と、インジェクション式製法とにおけるいずれかにより製造されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は11又は12又は13又は14に記載の靴の補正方法。
  16. 上記液体が、水、有機溶媒、水・有機溶媒混合液のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は11又は12又は13又は14又は15に記載の靴の補正方法。
  17. 靴型挿入工程における靴型が、
    製造する靴の使用者の足における足長と足囲と甲回りを測定する測定工程と、
    測定工程において得られた足囲の測定値と甲回りの測定値とを用いて貼付け部材の厚みを算出する算出工程と、
    算出工程において算出された厚みを有する貼付け部材を作成する貼付け部材作成工程と、
    測定工程において得られた足長の測定値と甲回りの測定値とに応じた製靴型における足囲に対応するループ状の曲線における内側の位置を含む側面及び/又は外側の位置を含む側面に、貼付け部材作成工程において作成された貼付け部材を貼り付ける貼付け工程と、により製造したものであることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は11又は12又は13又は14又は15又は16に記載の靴の補正方法。
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