JP6022697B2 - ポリ(フェニレンエーテル)組成物および物品 - Google Patents

ポリ(フェニレンエーテル)組成物および物品 Download PDF

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Description

ポリ(フェニレンエーテル)とスチレン系ブロックコポリマーとを含む組成物は既知であり、いずれかの樹脂タイプ単独に比べて、特性が向上していることで尊重されている。例えば、Lauchlanらの米国特許第3,660,531号には、「ポリフェニレンオキシド樹脂」とスチレン‐ブタジエンブロックコポリマーとのブレンドが記載されており、このブレンドが、低温溶融加工性、高衝撃強度および高曲げ強度の有用な組み合わせを示すことが教示されている。別の例として、Shirakiらの米国特許第5,234,994号には、「ポリフェニレンエーテル」と、ポリスチレンと、ビニル芳香族炭化水素および共役ジエンとのブロックコポリマーと、のブレンドが記載されている。このブレンドでは、透明性、耐衝撃性、表面硬度、耐熱性および光沢が向上することが記載されている。さらに別の例として、Adedejiらの米国特許第6,274,670号には、「ポリフェニレンエーテル樹脂」と、非エラストマースチレン系樹脂と、不飽和エラストマースチレン系ブロックコポリマーと、のブレンドが記載されている。該非エラストマースチレン系樹脂が、少なくとも50質量%のスチレンを有するスチレン−ブタジエンブロックコポリマーの場合、組成物は半透明であり、加工性が改良される。
これらの進歩にもかかわらず、高光透過率、低ヘイズおよび高耐衝撃性を有するポリ(フェニレンエーテル)組成物は、まだ実現されていない。光学的増強剤と難燃剤の使用によって、光透過率を上昇させヘイズを低減させられるが、衝撃強度も低下する。従って、とりわけ、包装業界と医療業界において、高光透過率、低ヘイズおよび高衝撃強度の改善されたバランスを示すポリ(フェニレンエーテル)組成物が求められている。
一実施形態は、組成物であって、特に明記されない限りその合計質量に対して、ポリ(フェニレンエーテル)を30〜60質量%と;スチレンを含むアルケニル芳香族モノマーと、ブタジエンを含む共役ジエンと、のラジアルブロックコポリマーであって、ポリ(アルケニル芳香族)含有量が60〜75質量%、数平均分子量が50,000〜70,000原子質量単位のラジアルブロックコポリマーを10〜40質量%と;ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーであって、ポリスチレン含有量がトリブロックコポリマーの質量に対して55〜80質量%のトリブロックコポリマーを5〜20質量%と;レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、トリフェニルホスフェート、アルキル化トリフェニルホスフェートおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択された有機リン酸エステルを5〜20質量%と;水素化脂環式炭化水素樹脂、水素化テルペン樹脂およびこれらの組み合わせから構成される群から選択され、ASTM E28に準拠して測定した軟化点が120〜180℃であり、ASTM D3763−08aに準拠し、温度23℃で測定する組成物の多軸衝撃強度を少なくとも25Jとするに効果的な量の炭化水素樹脂と;ベンゾインを0.05〜2質量%と、を含み;トリデシルホスファイトを0.5質量%未満含み;充填剤を1質量%以下含む組成物である。
別の実施形態は、組成物であって、特に明記されない限りその合計質量に対して、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を40〜50質量%と;スチレンとブタジエンとのラジアルブロックコポリマーであって、ポリスチレン含有量が60〜75質量%、数平均分子量が50,000〜70,000原子質量単位のラジアルブロックコポリマーを20〜30質量%と;ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーであって、ポリスチレン含有量がポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーの質量に対して60〜75質量%のトリブロックコポリマーを8〜17質量%と;レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)を7〜17質量%と;軟化点が145〜160℃の水素化テルペン樹脂を3〜8質量%と;ベンゾインを0.05〜2質量%と、を含み;トリデシルホスファイトを0.3質量%以下含み;充填剤を1質量%以下含む組成物である。
別の実施形態は、ここに記載の組成物の内の1つを含む物品である。
これらおよびその他の実施形態について以下詳細に説明する。
本発明者は、組成物であって、特に明記されない限りその合計質量に対して、ポリ(フェニレンエーテル)を30〜60質量%と;スチレンを含むアルケニル芳香族モノマーと、ブタジエンを含む共役ジエンと、のラジアルブロックコポリマーであって、ポリ(アルケニル芳香族)含有量が60〜75質量%、数平均分子量が50,000〜70,000原子質量単位のラジアルブロックコポリマーを10〜40質量%と;ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーであって、ポリスチレン含有量がその質量に対して55〜80質量%のトリブロックコポリマーを5〜20質量%と;レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、トリフェニルホスフェート、アルキル化トリフェニルホスフェートおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択された有機リン酸エステルを5〜20質量%と;水素化脂環式炭化水素樹脂、水素化テルペン樹脂およびこれらの組み合わせから構成される群から選択され、ASTM E28に準拠して測定した軟化点が120〜180℃であり、ASTM D3763−08aに準拠し、温度23℃で測定する組成物の多軸衝撃強度を少なくとも25Jとするに効果的な量の炭化水素樹脂と;ベンゾインを0.05〜2質量%と、を含み;トリデシルホスファイトを0.5質量%未満含み;充填剤を1質量%以下含む組成物によって、高光透過率、低ヘイズおよび高衝撃強度の改善されたバランスが示されることを見出した。具体的には、該組成物の多軸衝撃強度は、ASTM D3763−08に準拠し温度23℃で測定して、少なくとも25Jであり得;ヘイズは、ASTM D1003−00に準拠し、温度23℃、3.2mm厚で測定して、15%以下であり得;透過率は、ASTM D1003−00に準拠し、温度23℃、3.2mm厚で測定して、少なくとも75%であり得る。少なくとも25Jの限度内で、多軸衝撃強度は、25〜60Jであり得、具体的には30〜55Jであり得、より具体的には35〜55Jであり得る。15%以下の限度内で、ヘイズは、2〜15%であり得、具体的には2〜10%であり得、より具体的には3〜5%であり得る。少なくとも75%の限度内で、透過率は、75〜85%であり得、具体的には77〜82%であり得、より具体的には80〜82%であり得る。
該組成物はポリ(フェニレンエーテル)を含む。好適なポリ(フェニレンエーテル)としては、下式の繰り返し構造単位を含むものが挙げられる:
Figure 0006022697
式中、Zは、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;Zは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシである。本明細書での「ヒドロカルビル」は、単独であるいは別の用語の接頭辞、接尾辞またはフラグメントとして使用されたとしても、炭素と水素だけを含む残基を指す。該残基は、脂肪族または芳香族、直鎖、環式、二環式、分枝鎖、飽和あるいは不飽和であってもよい。それはまた、脂肪族、芳香族、直鎖、環式、二環式、分枝鎖、飽和および不飽和の炭化水素部分の組み合わせを含んでいてもよい。しかしながら、該ヒドロカルビル残基が置換であると記載された場合、それは任意に、置換残基の炭素と水素員上にヘテロ原子を含んでいてもよい。従って、置換であると特定的に記載された場合、該ヒドロカルビル残基は、1個または複数個のカルボニル基、アミノ基、水酸基などを含んでいてもよく、あるいはヒドロカルビル残基の骨格内にヘテロ原子を含んでいてもよい。一例として、Zは、末端の3,5−ジメチル−1,4−フェニル基と酸化重合触媒のジ−n−ブチルアミン成分との反応で形成されたジ−n−ブチルアミノメチル基であり得る。
一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)の固有粘度は、温度25℃のクロロホルム中で測定して、0.25〜1dL/gである。この範囲内で、ポリ(フェニレンエーテル)の固有粘度は、0.3〜0.65dL/gであり得、より具体的には0.35〜0.5dL/gであり得、さらにより具体的には0.4〜0.5dL/gであり得る。
一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)は、組み込まれたジフェノキノン残基を本質的に含まない。この文脈において、「本質的に含まない」とは、ジフェノキノンの残基を含むポリ(フェニレンエーテル)分子が1質量%未満であることを意味する。Hayの米国特許第3,306,874号に記載されているように、一価フェノールの酸化重合によるポリ(フェニレンエーテル)の合成では、所望のポリ(フェニレンエーテル)だけでなく、ジフェノキノンも副生成物として生成される。例えば、一価フェノールが2,6−ジメチルフェノールの場合、3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンが生成される。該ジフェノキノンは典型的には、該重合反応混合物を加熱して末端または内部ジフェノキノン残基を含むポリ(フェニレンエーテル)を生成することによって、ポリ(フェニレンエーテル)内に「再平衡される」(すなわち、ジフェノキノンがポリ(フェニレンエーテル)構造内に取り込まれる)。例えば、ポリ(フェニレンエーテル)を2,6−ジメチルフェノールの酸化重合で調製してポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンを生成する場合、反応混合物の再平衡によって、取り込まれたジフェノキノンの末端および内部残基を有するポリ(フェニレンエーテル)が生成され得る。しかしながら、こうした再平衡によって、ポリ(フェニレンエーテル)の分子量が低減する。従って、より高分子量のポリ(フェニレンエーテル)が望ましい場合、ジフェノキノンをポリ(フェニレンエーテル)鎖へ再平衡させずに、ポリ(フェニレンエーテル)から分離することが望ましいものであり得る。こうした分離は、例えば、ポリ(フェニレンエーテル)は不溶だがジフェノキノンは可溶の溶媒または溶媒混合物に、ポリ(フェニレンエーテル)を沈殿させることによって実現される。例えば、トルエン中の2,6−ジメチルフェノールの酸化重合によってポリ(フェニレンエーテル)を調製して、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンとを含むトルエン溶液を生成する場合、ジフェノキノンを本質的に含まないポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)は、該トルエン溶液1容積とメタノールまたはメタノール/水混合物1〜4容積とを混合することによって得られる。あるいは、酸化重合中に生成されるジフェノキノン副生成物の量は、(例えば、10質量%未満の一価フェノールの存在下で酸化重合を開始し、少なくとも50分の間に少なくとも95質量%の一価フェノールを添加することによって)最小化でき、およびまたは、ポリ(フェニレンエーテル)鎖へのジフェノキノンの再平衡は、(例えば、酸化重合終了後200分以内にポリ(フェニレンエーテル)を単離することによって)最小化できる。これらの方法は、Delsmanらの米国特許出願公報第2009/0211967A1号に記載されている。トルエン中のジフェノキノンの温度依存性溶解度を利用する代替方法では、ジフェノキノンとポリ(フェニレンエーテル)とを含むトルエン溶液の温度を、ジフェノキノンはほとんど不溶だがポリ(フェニレンエーテル)は可溶である約25℃に調整して、不溶のジフェノキノンを固液分離(例えばろ過)によって除去できる。
一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位あるいはこれらの組み合わせを含む。一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)はポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)である。一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)は、25℃のクロロホルム中で測定した固有粘度が0.3〜0.65dL/gの、より具体的には0.35〜0.5dL/gの、さらにより具体的には0.4〜0.5dL/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を含む。
ポリ(フェニレンエーテル)は、典型的にはヒドロキシ基に対してオルト位置に存在するアミノアルキル含有末端基(類)を有する分子を含んでいてもよい。また、テトラメチルジフェノキノン(TMDQ)副生成物が存在する2,6−ジメチルフェノール含有反応混合物から典型的に得られるTMDQ末端基類が存在することも多い。ポリ(フェニレンエーテル)は、ホモポリマー、コポリマー、グラフトコポリマー、イオノマー、ブロックコポリマー、あるいはこれらの組合せの形態であってもよい。一部の実施形態では、該組成物は、0.5質量%以下(すなわち、0〜0.5質量%)のポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーを含む。この限度内で、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーの最大量は0.1質量%であり得る。一部の実施形態では、該組成物は、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーを含まない。
該組成物は、その合計質量に対して30〜60質量%のポリ(フェニレンエーテル)を含む。この範囲内で、ポリ(フェニレンエーテル)の量は、35〜55質量%であってもよく、より具体的には40〜50質量%であってもよい。
該組成物は、ポリ(フェニレンエーテル)に加えて、アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとのラジアルブロックコポリマーを含む。本明細書での「ラジアルブロックコポリマー」は、ポリ(共役ジエン)ブロックと、ポリ(アルケニル芳香族)ブロックと、該ラジアルブロックコポリマーの分岐点または半径として作用するカップリング剤の残基と、を含む分枝ポリマーを指す。より具体的には、ラジアルブロックコポリマー構造では、ポリ(共役ジエン)ポリマーの通常は3個以上の複数鎖はそれぞれ、一方の端末でカップリング剤の残基に共有結合し、他方の端末でポリ(アルケニル芳香族)のブロックに共有結合している。一部の実施形態では、該ラジアルブロックコポリマーは、ポリ(共役ジエン)ブロックと、ポリ(アルケニル芳香族)ブロックと、カップリング剤の残基と、から構成される。例えば、ラジアルブロックコポリマーは、他の重合性モノマーから誘導された残基を含まないものであり得る。
ラジアルブロックコポリマーの形成に用いられるアルケニル芳香族モノマーは、下記の構造を有し得る:
Figure 0006022697
式中、RとRは、それぞれ独立に水素原子、C−Cアルキル基またはC−Cアルケニル基を表し;RとRは、それぞれ独立に水素原子、C−Cアルキル基、塩素原子または臭素原子を表し;R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、C−Cアルキル基またはC−Cアルケニル基を表し;あるいは、RとRは、中央の芳香環と共にナフチル基を形成し、あるいは、RとRは、中央の芳香環と共にナフチル基を形成する。好適なアルケニル芳香族モノマーとしては、例えば、スチレン、p−クロロスチレンなどのクロロスチレン、α−メチルスチレンやp−メチルスチレンなどのメチルスチレン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、アルケニル芳香族モノマーはスチレンである。
ラジアルブロックコポリマーの形成に用いられる共役ジエンは、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンおよびこれらの組み合わせであってもよい。一部の実施形態では、共役ジエンは1,3−ブタジエンである。一部の実施形態では、共役ジエンは2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)である。
該カップリング剤は、少なくとも3つのブロックコポリマーを結合できる任意の化合物であってもよい。こうした化合物の例としては、マルチビニル芳香族化合物、マルチエポキシド化合物(エポキシ化大豆油を含む)、マルチイソシアネート化合物、マルチイミン化合物、マルチアルデヒド化合物、マルチケトン化合物、マルチハライド化合物、マルチ無水物化合物、マルチエステル化合物およびこれらの組み合わせが挙げられる。カップリング剤の量は、典型的には、ラジアルブロックコポリマーの質量に対して0.1〜1質量%である。
一部の実施形態では、ラジアルブロックコポリマーは、その質量に対して、50〜70質量%の、具体的には60〜70質量%の、より具体的には65〜70質量%のポリ(アルケニル芳香族)を含む。ポリ(アルケニル芳香族)含有量は、プロトン核磁気共鳴分光法(H NMR)で求められる。
一部の実施形態では、ラジアルブロックコポリマーの数平均分子量は50,000〜70,000原子質量単位である。この範囲内で、数平均分子量は57,000〜67,000原子質量単位であってもよい。一部の実施形態では、ラジアルブロックコポリマーの質量平均分子量は、130,000〜170,000原子質量単位であり、具体的には140,000〜160,000原子質量単位である。一部の実施形態では、ラジアルブロックコポリマーの多分散度(質量平均分子量÷数平均分子量)は1.94〜2.98である。
分子量特性を決定するゲル透過クロマトグラフィ法は、以下のように行う。ブロックコポリマーのサンプル20mgを0.002質量部のトルエン(フローマーカーとして)を含むクロロホルム20mLに溶解させる。ブロックコポリマー溶解後、254nmを検出波長とするゲル透過クロマトグラフィでサンプルを分析できる。クロマトグラフィ装置としては、PLゲル5μm×10Åカラム、PLゲル5μm×10Åカラム、および500Å Styragel充填プレカラムが装備されたHewlett Packard HPLC1100シリーズクロマトグラフが挙げられる。分析の間、カラムの温度を35℃に維持する。注入量は75μLであり、注入サンプルは、0.45μm「グリーンバンド(greenband)」フィルターで事前にろ過する。溶離液はクロロホルムであり、実行時間は16分である。ポリスチレン分子量範囲が2,000〜1,000,000原子質量単位(AMU)のデータを用いて、ブロックコポリマーの数平均分子量と質量平均分子量を算出する。分析値は、Polymer Laboratories Easivial Standards Part No. PL12541Aなどの単分散ポリスチレン校正標準を用いて校正する。
一部の実施形態では、ラジアルブロックコポリマーは水素化されていない(すなわち、「未水素化」である)。具体的には、該共役ジエンの重合で得られたポリ(共役ジエン)ブロック中の残留脂肪族不飽和は、水素化によって低減されていない。
一部の実施形態では、該ラジアルブロックコポリマーは、その中の脂肪族炭素−炭素二重結合の総数の5%未満が架橋している。具体的には、該ラジアルブロックコポリマーは、異なるラジアルブロックコポリマー分子のポリ(共役ジエン)ブロック間に共有架橋を形成する放射または化学物質による処理によって意図的に架橋されていない。
ラジアルブロックコポリマーの調製方法は当分野では既知であり、例えば、Zelinskiらの米国特許第3,281,383号、Kitchenらの同第3,639,517号、Biらの同第4,180,530号、およびAhmedらの同第6,127,487号に記載の方法が挙げられる。また、ラジアルブロックコポリマーは、Chevron Phillips Chemical社からK−Resin(KK38、KR01、KR03およびKR05を含む)として市販されてもいる。
一部の実施形態では、該ラジアルブロックコポリマーのポリスチレン含有量は65〜70質量%であり、ポリブタジエン含有量は30〜35質量%であり、数平均分子量は57,000〜67,000原子質量単位であり、質量平均分子量は130,000〜170,000原子質量単位であり、多分散度は1.94〜2.98である。一部の実施形態では、このラジアルブロックコポリマーは、第1の数平均分子量を有する第1のポリスチレンブロックと、第1の数平均分子量の少なくとも2倍の第2の数平均分子量を有する第2のポリスチレンブロックと、を含む。この段落に記載のラジアルブロックコポリマーは、Kitchenらの米国特許第3,281,383号の方法に従って調製できる。一部の実施形態では、ラジアルブロックコポリマーにおけるブタジエンの1,4−付加物残基は20〜30質量%であり、1,2−付加物残基は2〜12質量%であり(いずれもラジアルブロックコポリマーの質量に対して)、1,4−付加物と1,2−付加物との比は2.5:1〜5:1である。ラジアルブロックコポリマーの一部の実施形態では、ブタジエンの1,4−付加物残基中、シス二重結合とトランス二重結合との比は1:1〜2:1である。こうしたラジアルブロックコポリマーの好適な例はChevron Phillips社のK−RESIN KK38であり、そのポリスチレン含有量は約68質量%であり、ポリブタジエン含有量は約32質量%であり、数平均分子量は約63,000であり、質量平均分子量は約149,000であり、多分散度は約2.4であり、メルトフローレートは、ASTM D1238−10に準拠し、温度200℃、荷重5kgで測定して、約9g/10分である。K−RESIN KK38におけるブタジエンの1,4−付加物残基は約25質量%であり、同1,2−付加物残基は約7質量%であり、1,4−付加物と1,2−付加物との比は約3.6:1に相当する。ブタジエンの1,4−付加物残基中、シス二重結合とトランス二重結合との比は約1.4:1である。ブタジエンの1,2−付加物残基と同1,4−付加物残基の質量%、および同1,4−付加物残基中のシス二重結合とトランス二重結合との比は、H NMRで求められる。
該組成物は、その合計質量に対して、10〜40質量%のラジアルブロックコポリマーを含む。この範囲内で、ラジアルブロックコポリマーの量は、15〜35質量%であってもよく、具体的には20〜30質量%であってもよい。
該組成物は、ポリ(フェニレンエーテル)とラジアルブロックコポリマーに加えて、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマー(そのポリスチレン含有量は、トリブロックコポリマーの質量に対して55〜80質量%)を含む。55〜80質量%の範囲内で、ポリスチレン含有量は60〜75質量%であってもよい。
ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーのポリ(エチレン−ブチレン)ブロックは、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロックコポリマー中のポリブタジエンブロックの水素化から誘導される。
一部の実施形態では、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーは、スチレンとブタジエン以外のモノマーの残基を含まない。これらの実施形態では、トリブロックコポリマーは、これらあるいは他の任意のモノマーから形成されたグラフトを含まない。また、トリブロックコポリマーは炭素原子と水素原子から構成され、従って、ヘテロ原子を含まない。
ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーの調製方法は当分野で既知であり、また該トリブロックコポリマーは市販されてもいる。市販のポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーの具体的な例としては、Kraton Performance Polymers社から販売されているポリスチレン含有量が57質量%のKRATON A1535Hポリマー;旭化成ケミカルズ(株)から販売されているポリスチレン含有量が67質量%のTUFTEC H1043;(株)クラレから販売されているポリスチレン含有量が60質量%のSEPTON8104;および(株)クラレから販売されているポリスチレン含有量が65質量%のSEPTON 8105が挙げられる。2種類以上のポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーの混合物も使用できる。
一部の実施形態では、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーのポリスチレン含有量は、60〜75質量%であり、具体的には60〜70質量%である。こうしたトリブロックコポリマーの例としては、旭化成ケミカルズ(株)のTUFTEC H1043および(株)クラレのSEPTON8104と8105が挙げられる。一部の実施形態では、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーは、TUFTEC H1043、SEPTON8105およびこれらの組み合わせから構成される群から選択される。一部の実施形態では、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーはSEPTON8105である。一部の実施形態では、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーはTUFTEC H1043である。
該組成物は、その合計質量に対して、5〜20質量%のポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーを含む。この範囲内で、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーの量は、8〜17質量%であってもよく、具体的には10〜14質量%であってもよい。
該組成物は、ポリ(フェニレンエーテル)、ラジアルブロックコポリマーおよびポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーに加えて、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、トリフェニルホスフェート、アルキル化トリフェニルホスフェートおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択された有機リン酸エステルを含む。アルキル化トリフェニルホスフェートは、例えばメチルまたはイソプロピルなどのC−Cアルキル基であってもよい。一部の実施形態では、有機リン酸エステルは、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(CAS登録番号第57583−54−7号)である。一部の実施形態では、有機リン酸エステルは、トリフェニルホスフェート(CAS登録番号第115−86−6号)である。一部の実施形態では、有機リン酸エステルは、イソプロピル化トリフェニルホスフェート(CAS登録番号第68937−41−7号)である。一部の実施形態では、有機リン酸エステルは、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)とトリフェニルホスフェートとの組み合わせである。一部の実施形態では、有機リン酸エステルは、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)とイソプロピル化トリフェニルホスフェートとの組み合わせである。レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、トリフェニルホスフェートおよびアルキル化トリフェニルホスフェートの形成方法は既知であり、また、これらの化合物は多くの供給業者から市販されている。
該組成物は、その合計質量に対して、5〜20質量%の有機リン酸エステルを含む。この範囲内で、有機リン酸エステルの量は、7〜17質量%であってもよく、具体的には9〜15質量%であってもよい。
該組成物は、ポリ(フェニレンエーテル)、ラジアルブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)ポリスチレントリブロックコポリマーおよび有機リン酸エステルに加えて、炭化水素樹脂を含む。炭化水素樹脂の例としては、脂肪族炭化水素樹脂、水素化脂肪族炭化水素樹脂、脂肪族/芳香族炭化水素樹脂、水素化脂肪族/芳香族炭化水素樹脂、脂環式炭化水素樹脂、水素化脂環式樹脂、脂環式/芳香族炭化水素樹脂、水素化脂環式/芳香族炭化水素樹脂、水素化芳香族炭化水素樹脂、テルペン樹脂、水素化テルペン樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジンおよびロジンエステル、水素化ロジンおよびロジンエステル、およびこれらの混合物が挙げられる。本明細書での「水素化」は、炭化水素樹脂に言及される場合、完全に水素化された樹脂、実質的に水素化された樹脂および部分的に水素化された樹脂を含む。好適な芳香族樹脂としては、芳香族変性脂肪族樹脂、芳香族変性脂環式樹脂、および芳香族含有量が1〜30質量%の水素化芳香族炭化水素樹脂が挙げられる。上記の何れの樹脂も、当分野で既知の方法を用い、不飽和エステルまたは無水物でグラフト化されていてもよい。こうしたグラフト化によって、樹脂の特性は向上させられる。
好適な炭化水素樹脂は市販されており、その例としては、例えば、ExxonMobil Chemical社から販売されているEMPR100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、116、117および118樹脂類およびOPPERA樹脂;荒川化学工業(株)から販売されているARKON P140、P125、P115、M115およびM135、およびSUPER ESTERロジンエステル;Arizona Chemical社から販売されているSYLVARESポリテルペン樹脂、スチレン化テルペン樹脂およびテルペンフェノール樹脂;Arizona Chemical社から販売されているSYLVATACおよびSYLVALITEロジンエステル;Cray Valley社から販売されているNORSOLENE脂肪族芳香族樹脂;DRT Chemical社から販売されているDERTOPHENEテルペンフェノール樹脂およびDERCOLYTEポリテルペン樹脂;Eastman Chemical社から販売されているEASTOTAC樹脂、PICCOTAC樹脂、REGALITEおよびREGALREZ水素化脂環式/芳香族樹脂およびPICCOLYTEおよびPERMALYNポリテルペン樹脂、ロジンおよびロジンエステル;Goodyear Chemical社から販売されているWINGTACK樹脂;Neville Chemical社から販売されているクマロン/インデン樹脂;日本ゼオン(株)から販売されているQUINTONE酸変性C5樹脂、C5/C9樹脂および酸変性C5/C9樹脂;およびヤスハラケミカル(株)から販売されているCLEARON水素化テルペン樹脂が挙げられる。
一部の実施形態では、炭化水素樹脂は、水素化脂環式炭化水素樹脂、水素化テルペン樹脂あるいはこれらの組み合わせを含む。炭化水素樹脂の軟化点は、ASTM E28に準拠して測定して、少なくとも120℃であり得る。軟化点は、具体的には120〜180℃であり得、より具体的には130〜170℃であり得、さらにより具体的には140〜160℃であり得る。一部の実施形態では、炭化水素樹脂は、軟化点が120〜135℃の水素化脂環式炭化水素樹脂を含む。こうした樹脂の一例としては、荒川化学工業(株)から販売されている、軟化点が約125℃のARKON P125が挙げられる。一部の実施形態では、炭化水素樹脂は、軟化点が135〜145℃の水素化脂環式炭化水素樹脂を含む。こうした樹脂の一例としては、荒川化学工業(株)から販売されている軟化点が約140℃のARKON P140が挙げられる。一部の実施形態では、炭化水素樹脂は、軟化点が145〜160℃の水素化テルペン樹脂を含む。こうした樹脂の一例としては、ヤスハラケミカル(株)から販売されているCLEARON P150が挙げられる。
該組成物は、その多軸衝撃強度を少なくとも25Jとするに効果的な量の炭化水素樹脂を含む。一般に、炭化水素樹脂の量は2〜10質量%であってもよい。この特定量は、一部には炭化水素樹脂の固有性に依存するであろうが、当業者であれば、過度な実験なしに決定できる。一般に、水素化テルペン樹脂の軟化温度が高ければ高いほど、その量は少なくてもよい。例えば、炭化水素樹脂が軟化点120〜135℃の水素化脂環式炭化水素樹脂の場合、その使用量は、組成物の合計質量に対して、6〜10質量%であってもよく、具体的には7〜9質量%であってもよい。別の例として、炭化水素樹脂が軟化点135〜145℃の水素化脂環式炭化水素樹脂の場合、その使用量は、組成物の合計質量に対して、4〜10質量%であってもよく、具体的には5〜8質量%であってもよい。さらに別の例として、炭化水素樹脂が軟化点145〜160℃の水素化テルペン樹脂の場合、その使用量は、組成物の合計質量に対して、2〜10質量%であってもよく、具体的には3〜8質量%であってもよく、より具体的には3〜6質量%であってもよい。
該組成物は、ポリ(フェニレンエーテル)、ラジアルブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)ポリスチレントリブロックコポリマー、有機リン酸エステルおよび炭化水素樹脂に加えて、ベンゾイン(CAS登録番号第119−53−9号)を含む。該組成物は、その合計質量に対して、0.05〜2質量%のベンゾインを含む。この範囲内で、ベンゾインの量は、0.1〜1質量%であってもよく、具体的には0.2〜0.6質量%であってもよい。
該組成物はさらに任意に、トリヒドロカルビルホスファイトを含んでいてもよい。トリヒドロカルビルホスファイトは、一般式:P(OR(式中、Rは、それぞれ独立にC−C24ヒドロカルビル)の構造を有する化合物である。一部の実施形態では、トリヒドロカルビルホスファイトは、Rが、それぞれ独立にC−C24アルキルであるトリアルキルホスファイトである。トリアルキルホスファイトの一例はトリデシルホスファイトである。一部の実施形態では、トリヒドロカルビルホスファイトは、Rの少なくとも1つが未置換または置換C−C24アリールであるアリールホスファイトである。一部の実施形態では、トリヒドロカルビルホスファイトは、Rが、それぞれ独立に未置換または置換C−C24アリールであるトリアリールホスファイトである。トリアリールホスファイトの一例は、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトである。トリヒドロカルビルホスファイトが存在する場合、その使用量は、組成物の合計質量に対して、0.1〜2質量%であってもよく、具体的には0.3〜0.6質量%であってもよい。
トリヒドロカルビルホスファイトがトリデシルホスファイトの場合、その量は、組成物の合計質量に対して、0.5質量%未満であり、具体的には0.3質量%以下であり、より具体的には0.1質量%以下である。一部の実施形態では、該組成物はトリデシルホスファイトを含まない。一部の実施形態では、組成物は、いかなるトリヒドロカルビルホスファイトも含まない。
該組成物は、熱可塑性分野で既知の添加剤が組成物の所望の特性を実質的に低下させない限り、それらの添加剤の一種または複数種をさらに任意に含んでいてもよい。該組成物はさらに任意に、例えば、安定剤、離型剤、潤滑剤、加工助剤、液滴抑制剤、成核剤、UVカット剤、染料、酸化防止剤、帯電防止剤、発泡剤、鉱油、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤など、およびこれらの組み合わせから選択された添加剤を含んでいてもよい。こうした添加剤が存在する場合、その合計量は、組成物の合計質量に対して、典型的には5質量%以下であり、具体的には2質量%以下であり、より具体的には1質量%以下である。
一部の実施形態では、該組成物は、全ポリオレフィンの含有量が25質量%以下でありポリオレフィンはポリオレフィンと、ポリ(アルケニル芳香族)ブロックおよびポリオレフィンブロックむブロックコポリマーのポリオレフィン成分と、から成る。該組成物は、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)ポリスチレントリブロックコポリマーの最小5質量%および同トリブロックコポリマー中のポリ(エチレン−ブチレン)の最小含有量45%に対して、少なくとも2.25質量%の全ポリオレフィンを含む。一部の実施形態では、該組成物は、22質量%未満の全ポリオレフィンを含む。全ポリオレフィンの含有量を低減することによって、組成物の難燃性が向上する。
該組成物は任意に、有機リン酸エステル以外の難燃剤を最小化しても、あるいは含まなくてもよい。例えば、一部の実施形態では、該組成物は、0.5質量%以下(すなわち、0〜0.5質量%)の金属ジアルキルホスフィネートを含む。この限度内で、金属ジアルキルホスフィネートの量は0.1質量%以下であってもよい。一部の実施形態では、該組成物は金属ジアルキルホスフィネートを含まない。一部の実施形態では、該組成物は、有機リン酸エステル以外のいかなる難燃剤も含んでおらず、そのために流動促進特性には好適である。
該組成物は任意に、ポリ(フェニレンエーテル)、ラジアルブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)ポリスチレントリブロックコポリマーおよび炭化水素樹脂以外のポリマーを最小化しても、あるいは含まなくてもよい。例えば、一部の実施形態では、該組成物は、ホモポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、ポリアミド、ポリオレフィンおよびポリエステルの内の任意のもの、あるいはそれらのすべてを1質量%以下(すなわち、0〜1質量%)含む。この限度内で、これらのポリマーの任意のものの最大量は、0.5質量%であってもよく、あるいは0.1質量%であってもよい。一部の実施形態では、該組成物は、これらのポリマーのいずれのものも含まない。一部の実施形態では、該組成物は、ポリ(フェニレンエーテル)、ラジアルブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)ポリスチレントリブロックコポリマーおよび炭化水素樹脂以外のポリマーを含まない。
該組成物は、組成物の所望の光学的特性を低下させる充填剤を最小化あるいは含まない。こうした充填剤としては、例えば、繊維状充填剤(ガラス繊維など)、板状充填剤(タルク、粘土および雲母など)、および非強化充填剤(シリカおよびアルミナなど)が挙げられる。「補強材」として特徴付けられるものを含むさらなる充填剤は、R.GachterとH.Muller編集の「Plastics Additives Handbook; Stabilizers,Processing Aids,Plasticizers,Fillers,Reinforcements,Colorants for Thermoplastics(第3版)」(New York:Hanser Publishers,1990)の9章「Fillers and Reinforcements」(H.P.Schlumpfによる)に記載されている。該組成物は、その合計質量に対して、1質量%以下(すなわち、0〜1質量%)の充填剤を含む。この限度内で、充填剤の最大量は0.5質量%であっても、あるいは0.1質量%であってもよい。一部の実施形態では、該組成物は充填剤を含まない。
該組成物は任意に、組成物の所望の光学的特性を低下させる顔料を最小化しても、あるいは含まなくてもよい。一部の実施形態では、該組成物は、0.5質量%以下(すなわち、0〜0.5質量%)の白色顔料を含む。この限度内で、白色顔料の最大量は0.1質量%であってもよい。一部の実施形態では、該組成物は白色顔料を含まない。一部の実施形態では、該組成物におけるすべての顔料の含有量は、0.5質量%以下(すなわち、0〜0.5質量%)である。この限度内で、すべての顔料の最大合計量は0.1質量%であってもよい。一部の実施形態では、該組成物は顔料を含まない。
非常に特定的な実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を含み;ポリ(フェニレンエーテル)の量は40〜50質量%であり;ラジアルブロックコポリマーの量は20〜30質量%であり;ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(トリブロックコポリマーのポリスチレン含有量は、その質量に対して60〜75質量%であり;ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(トリブロックコポリマーの量は8〜17質量%であり;有機リン酸エステルはレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)であり;有機リン酸エステルの量は7〜17質量%であり;炭化水素樹脂は、軟化点が145〜160℃の水素化テルペン樹脂を含み;炭化水素樹脂の量は3〜8質量%であり;該組成物は、0.3質量%以下のトリデシルホスファイトを含み;該組成物は、1質量%以下の充填剤を含む。該組成物の多軸衝撃強度は、ASTM D3763−08に準拠し、温度23℃で測定して、少なくとも45Jであり、具体的には45〜60Jであり;ヘイズは、ASTM D1003−00に準拠し、温度23℃、3.2mm厚で測定して、2%以下であり、具体的には2〜10%であり;透過率は、ASTM D1003−00に準拠し、温度23℃、3.2mm厚で測定して、少なくとも80%であり、具体的には80〜85%である。
該組成物は、前記それぞれの成分を互いに溶融混合または溶融混練することによって調製できる。溶融混合または溶融混練は、リボンブレンダ、Henschelミキサー、Banburyミキサー、ドラムタンブラー、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機、共混練機などの一般的な装置を用いて行える。例えば、本組成物は、温度が260〜310℃、具体的には280〜300℃の二軸押出機内で成分を溶融混合することによって調製できる。一部の実施形態では、該組成物は、ラジアルブロックコポリマーを除くすべての成分を押出機の供給口に添加し、ラジアルブロックコポリマーを供給口の下流側でダイの上流側にある押出機ポートから添加することにより形成される。
該組成物は、動物ケージ、シート、フィルム、インクカートリッジ、チューブ、パイプおよびパイプ継手を含む物品の成形に有用である。こうした物品の形成に好適な方法としては、単層および複層シート押出、射出成形、ブロー成形、フィルム押出、異型押出、引抜、圧縮成形、熱成形、圧力成形、ハイドロホーミング、真空成形などが挙げられる。これらの物品製造法の組み合わせも使用できる。
本発明は少なくとも以下の実施形態を含む。
実施形態1:組成物であって、特に明記されない限りその合計質量に対して、ポリ(フェニレンエーテル)を30〜60質量%と;スチレンを含むアルケニル芳香族モノマーとブタジエンを含む共役ジエンと、のラジアルブロックコポリマーであって、ポリ(アルケニル芳香族)含有量が60〜70質量%、数平均分子量が50,000〜70,000原子質量のラジアルブロックコポリマーを10〜40質量%と;ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーであって、ポリスチレン含有量がトリブロックコポリマーの質量に対して55〜80質量%のトリブロックコポリマーを5〜20質量%と;レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、トリフェニルホスフェート、アルキル化トリフェニルホスフェートおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択された有機リン酸エステルを5〜20質量%と;水素化脂環式炭化水素樹脂、水素化テルペン樹脂およびこれらの組み合わせから構成される群から選択され、ASTM E28に準拠して測定した軟化点が120〜180℃であり、ASTM D3763−08aに準拠し、温度23℃で測定する組成物の多軸衝撃強度を少なくとも25Jとするに効果的な量の炭化水素樹脂と;ベンゾインを0.05〜2質量%と、を含み;トリデシルホスファイトを0.5質量%未満含み;充填剤を1質量%以下含む組成物。
実施形態2:多軸衝撃強度が、ASTM D3763−08に準拠し、温度23℃で測定して、少なくとも25Jであり;ヘイズが、ASTM D1003−00に準拠し、温度23℃、3.2mm厚で測定して、15%以下であり;透過率が、ASTM D1003−00に準拠し、温度23℃、3.2mm厚で測定して、少なくとも75%である実施形態1に記載の組成物。
実施形態3:トリデシルホスファイトを含まない実施形態1または実施形態2に記載の組成物。
実施形態4:前記ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーのポリスチレン含有量は、その質量に対して、60〜75質量%である実施形態1乃至実施形態3のいずれかに記載の組成物。
実施形態5:前記炭化水素樹脂は、ASTM E28に準拠して測定した軟化点が120〜135℃の水素化脂環式炭化水素樹脂であり、その使用量が6〜10質量%である実施形態1乃至実施形態4のいずれかに記載の組成物。
実施形態6:前記炭化水素樹脂は、ASTM E28に準拠して測定した軟化点が135〜145℃の水素化脂環式炭化水素樹脂であり、その使用量が4〜10質量%である実施形態1乃至実施形態4のいずれかに記載の組成物。
実施形態7:前記炭化水素樹脂は、ASTM E28に準拠して測定した軟化点が145〜160℃の水素化テルペン樹脂を含み、その使用量が2〜10質量%である実施形態1乃至実施形態4のいずれかに記載の組成物。
実施形態8:0.5質量%以下のポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーを含む実施形態1乃至実施形態7のいずれかに記載の組成物。
実施形態9:全ポリオレフィンの含有量が25質量%以下でありポリオレフィンはポリオレフィンと、ポリ(アルケニル芳香族)ブロックおよびポリオレフィンブロックむブロックコポリマーのポリオレフィン成分と、から成る実施形態1乃至実施形態8のいずれかに記載の組成物。
実施形態10:0.5質量%以下の金属ジアルキルホスフィネートを含む実施形態1乃至実施形態9のいずれかに記載の組成物。
実施形態11:ポリアミド、ポリオレフィンおよびポリエステルをそれぞれ1質量%以下含む実施形態1乃至実施形態10のいずれかに記載の組成物。
実施形態12:前記ポリ(フェニレンエーテル)は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を含み;前記ポリ(フェニレンエーテル)の量は40〜50質量%であり;前記ラジアルブロックコポリマーの量は20〜30質量%であり;前記ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーのポリスチレン含有量は、その質量に対して、60〜75質量%であり;前記ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーの量は8〜17質量%であり;前記有機リン酸エステルは、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)であり;前記有機リン酸エステルの量は7〜17質量%であり;前記炭化水素樹脂は、軟化点が145〜160℃の水素化テルペン樹脂を含み;前記炭化水素樹脂の量は3〜8質量%であり;トリデシルホスファイトを0.3質量%以下含み;充填剤を1質量%以下含む実施形態1に記載の組成物。
実施形態12a:組成物であって、特に明記されない限りその合計質量に対して、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を40〜50質量%と;スチレンとブタジエンとのラジアルブロックコポリマーであって、ポリスチレン含有量が60〜70質量%、数平均分子量が50,000〜70,000原子質量単位のラジアルブロックコポリマーを20〜30質量%と;ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーであって、ポリスチレン含有量がポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーの質量に対して60〜75質量%のトリブロックコポリマーを8〜17質量%と;レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)を7〜17質量%と;軟化点が145〜160℃の水素化テルペン樹脂を3〜8質量%と;ベンゾインを0.05〜2質量%と、を含み;トリデシルホスファイトを0.3質量%以下含み;充填剤を1質量%以下含む組成物。
実施形態13:多軸衝撃強度が、ASTM D3763−08に準拠し、温度23℃で測定して、少なくとも45Jであり;ヘイズが、ASTM D1003−00に準拠し、温度23℃、3.2mm厚で測定して、5%以下であり;透過率が、ASTM D1003−00に準拠し、温度23℃、3.2mm厚で測定して、少なくとも80%である実施形態12または実施形態12aに記載の組成物。
実施形態14:実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の組成物を含む物品。
本明細書で開示された範囲はすべて終点を含むものであり、該終点は互いに独立に組み合わせできる。本明細書で開示した範囲はそれぞれ、この開示範囲内の任意の点またはサブ範囲の開示を構成する。
以下の非限定的実施例によって、本発明をさらに例証する。
実施例1〜6、比較実施例1〜3
これらの実施例では、該組成物によって提供される剛性、耐熱性、延性および光学的特性の望ましいバランスを例証する。これらの実施例で使用した成分を表1に示す。
Figure 0006022697
発明組成物および比較組成物を表2に示す。すべての成分量の単位は、組成物の合計質量に対する質量%である。以下の方法で個々の成分から組成物を調製した。バレル温度を供給口からダイまで240℃/260℃/280℃/290℃/290℃として稼働させた内径30mmのWerner & Pfleiderer二軸押出機で、成分を混合した。ラジアルブロックコポリマーを除くすべての成分を押出機の供給口で添加し、ラジアルブロックコポリマーを10の下流側バレル7で添加した。押出品をペレット化し、このペレットを90℃×少なくとも2時間乾燥させて、以降の射出成形に用いた。組成物を物性試験用の物品に射出成形した。バレル温度を530〜600°F(266.7〜315.6℃)、金型温度を190°F(87.7℃)としたVan Dorn120T射出成形機で射出成形した。
曲げ弾性率(MPa)は、ASTM D790−07e1に準拠し、温度23℃、横断面寸法が3.2mm×12.7mmの棒、支点間距離50.8mm、試験速度1.27mm/分(0.05インチ/分)、1組成物当たり5本の試験片を用いて求めた。熱変形温度(℃)は、ASTM D648−07に準拠し、横断面寸法が3.2mm×12.7mmの棒、試験方向エッジワイズ方向、支点間距離100mm、荷重1.82MPa、加熱速度2.0℃/分、0.25mm示度での変形、1組成物当たり3本の試験片を用いて求めた。ノッチ付アイゾッド衝撃強度(J/m)は、ASTM D256−08に準拠し、温度23℃、横断面寸法が3.2mm×12.7mmの棒、方法Aノッチ(ノッチ角45°、ノッチ半径0.25mm、ノッチ下の材料深さ10.16mm)、ハンマーエネルギー2.71J(2フィート−ポンド)、1組成物当たり5本の試験片を用いて求めた。多軸衝撃強度(J)は、ASTM D3763−08に準拠し、温度23℃、試験速度3.3m/秒、試験片厚み3.2mm、クランプ穴径76mm、ダート径12.7mm、1組成物当たり5本の試験片を用いて求めた。引張伸び率(%)と引張降伏点強度(MPa)は、ASTM D638−08に準拠し、温度23℃、タイプI形棒(3.2mm厚)、ゲージ長50mm、グリップ間距離115mm、試験速度50mm/分、1組成物当たり5本の試験片を用いて求めた。透過率(%)とヘイズ(%)は、ASTM D1003−00に準拠し、温度23℃、厚み3.2mmで求めた。
表2の特性結果から、比較実施例1〜3(BPADPを含む)は多軸衝撃強度が実質的に不足しているのに対し、実施例1〜3(RDPを含む)および実施例4〜6(TPPを含む)は、剛性、耐熱性、延性および光学的特性の望ましいバランスを示すことがわかる。
Figure 0006022697

Claims (10)

  1. 組成物であって、特に明記されない限りその合計質量に対して、
    ポリ(フェニレンエーテル)を30〜60質量%と;
    スチレンを含むアルケニル芳香族モノマーとブタジエンを含む共役ジエンと、のラジアルブロックコポリマーであって、ポリ(アルケニル芳香族)含有量が60〜70質量%、数平均分子量が50,000〜70,000原子質量のラジアルブロックコポリマーを10〜40質量%と;
    ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーであって、ポリスチレン含有量がトリブロックコポリマーの質量に対して55〜80質量%のトリブロックコポリマーを5〜20質量%と;
    レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、トリフェニルホスフェート、アルキル化トリフェニルホスフェートおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択された有機リン酸エステルを5〜20質量%と;
    水素化脂環式炭化水素樹脂、水素化テルペン樹脂およびこれらの組み合わせから構成される群から選択され、ASTM E28に準拠して測定した軟化点が120〜180℃であり、ASTM D3763−08aに準拠し、温度23℃で測定する組成物の多軸衝撃強度を少なくとも25Jとするに効果的な量の炭化水素樹脂と;
    ベンゾインを0.05〜2質量%と、を含み;
    トリデシルホスファイトを0.5質量%未満含み;
    充填剤を1質量%以下含むことを特徴とする組成物。
  2. トリデシルホスファイトを含まない請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーのポリスチレン含有量は、トリブロックコポリマーの質量に対して、60〜75質量%である請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記炭化水素樹脂は、ASTM E28に準拠して測定した軟化点が120〜135℃の水素化脂環式炭化水素樹脂であり、その使用量が6〜10質量%であるか;
    前記炭化水素樹脂は、ASTM E28に準拠して測定した軟化点が135〜145℃の水素化脂環式炭化水素樹脂であり、その使用量が4〜10質量%であるか;
    前記炭化水素樹脂は、ASTM E28に準拠して測定した軟化点が145〜160℃の水素化テルペン樹脂を含み、その使用量が2〜10質量%である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 0.5質量%以下のポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーを含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. ポリオレフィンの含有量が組成物の合計質量に対して25質量%以下でありポリオレフィンはポリオレフィンと、ポリ(アルケニル芳香族)ブロックおよびポリオレフィンブロックむブロックコポリマーのポリオレフィン成分と、から成る請求項1乃至5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 0.5質量%以下の金属ジアルキルホスフィネートを含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. ポリアミド、ポリオレフィンおよびポリエステルをそれぞれ1質量%以下含む請求項1乃至7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記ポリ(フェニレンエーテル)は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を含み;
    前記ポリ(フェニレンエーテル)の量は40〜50質量%であり;
    前記ラジアルブロックコポリマーの量は20〜30質量%であり;
    前記ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーのポリスチレン含有量は、トリブロックコポリマーの質量に対して、60〜75質量%であり;
    前記ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーの量は8〜17質量%であり;
    前記有機リン酸エステルは、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)であり;
    前記有機リン酸エステルの量は7〜17質量%であり;
    前記炭化水素樹脂は、軟化点が145〜160℃の水素化テルペン樹脂を含み;
    前記炭化水素樹脂の量は3〜8質量%であり;
    トリデシルホスファイトを0.3質量%以下含み;
    充填剤を1質量%以下含む請求項1に記載の組成物。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の組成物を含むことを特徴とする物品。
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