JP6022349B2 - パッチアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、誘電体基板を介して互いに対向する2枚の導体板を備えたパッチアンテナに関する。
近年、スマートフォンなどの無線装置の小型化及び薄型化が進んでいる。このような無線装置に搭載するためのアンテナとして、小型平面アンテナへの需要が高まっている。
小型平面アンテナとしては、パッチアンテナが代表的である。パッチアンテナは、誘電体基板を介して互いに対向する2枚の導体板(一方を「地導体」、他方を「放射導体」とも呼ぶ)により構成されるため、薄型化が容易である。また、マイクロ波帯(0.3GHz以上30GHz以下)のみならず、ミリ波(30GHz以上300GHz以下)で動作させることも可能である。
しかしながら、誘電体基板を介して互いに対向する2枚の導体板(給電素子)のみからなるパッチアンテナには、広帯域化が困難であるという問題があった。そこで、放射導体の周囲に無給電素子を配置することによって、パッチアンテナの動作帯域を拡大することが試みられている。
例えば、特許文献1には、放射導体の上方(地導体側と反対側)に2枚の無給電素子を配置したパッチアンテナが開示されている。また、特許文献1には、これらの無給電素子の物理的寸法及び電気的等価寸法に関して、比帯域幅を拡大するうえで好ましい数値範囲が開示されている。
特開2009−188895(2009年8月20日公開)
しかしながら、比帯域幅の拡大を目標に設計された特許文献1に記載のパッチアンテナでは、高い利得を実現することが困難であるという問題があった。また、特許文献1に記載のパッチアンテナには、無線装置等に固定するためにネジなどの金属製固定具を用いると、比帯域幅や利得などの特性が悪化するという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、広い比帯域幅と高い利得とを有するパッチアンテナであって、金属製固定具を用いて当該パッチアンテナを無線装置に固定する場合であっても、これらの特性が当該金属製固定具の影響を受け難いパッチアンテナを実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るパッチアンテナは、誘電体基板と、上記誘電体基板の下面に形成された第1の導体板と、上記誘電体基板の上面に形成された第2の導体板と、上記誘電体基板を貫く無給電ブロックと、を備えており、上記無給電ブロックの下面が上記第1の導体板の上面と接触し、上記無給電ブロックの側面が上記誘電体基板の上面において上記第2の導体板の外縁と対向する、ことを特徴とする。
上記の構成において、上記無給電ブロックは、従来のパッチアンテナが備える無給電素子と同様、比帯域幅を拡大するように作用する。同時に、上記無給電ブロックは、その下面が上記第1の導体板(地導体)と接触すると共に、その側面が上記第2の導体板(放射導体)と対向しているので、上記第2の導体板との間のギャップをスロットアンテナにおけるスロットとして機能させ、このギャップからの放射により利得を上昇させるように作用する。したがって、上記の構成によれば、広い比帯域幅と高い利得とを有するパッチアンテナを実現することができる。
また、ネジなどの金属製固定具を用いて当該スロットアンテナを無線装置等に固定する場合、当該金属製固定具を貫入するための穴を上記無給電ブロックに形成することができる。そうすると、当該金属製固定具が上記無給電ブロックに埋設されることになるので、当該金属製固定具が比帯域幅や利得などの特性に与える影響を小さく抑えることができる。
本発明に係るパッチアンテナにおいて、上記第2の導体板は、上記誘電体基板の上面中央部に形成された正方形状の放射部と、上記誘電体基板の上面周辺部に形成された帯状の給電路であって、一端が上記放射部の1辺に連なる給電路とを有し、上記無給電ブロックは、側面が上記誘電体基板の上面において上記放射部の上記1辺を除く3辺と対向する、ことが好ましい。
上記の構成は、無給電ブロックを省略した場合よりも比帯域幅が広いこと、及び、無給電ブロックを省略した場合よりも利得が高いことが、数値計算により確かめられた構成である。したがって、上記の構成によれば、比帯域幅を広げ、利得を上げるという効果を確実に奏する。
本発明に係るパッチアンテナにおいては、上記誘電体基板の厚みをa、上記無給電ブロックの高さをbとして、b/aが4以上8以下である、ことが好ましい。
上記の構成によれば、比帯域幅及び利得の双方を高い値に保つことができる。
本発明に係るパッチアンテナにおいては、上記放射部の各辺の長さをc、上記放射部の上記3辺と上記無給電ブロックの側面との間のギャップの幅をdとして、d/cが0.25以上0.85以下である、ことが好ましい。
上記の構成によれば、広い比帯域幅(例えば、15%以上)を実現することができる。
本発明に係るパッチアンテナにおいては、上記放射部の各辺の長さをc、上記放射部の上記3辺と上記無給電ブロックの側面との間のギャップの幅をdとして、d/cが0.75以上0.95以下である、ことが好ましい。
上記の構成によれば、高い利得(例えば、4dBi以上)を実現することができる。
本発明に係るパッチアンテナは、上記無給電ブロックの上端と同一の平面内に配置された無給電素子であって、上記放射部の外縁に重なる環状導体と、一端が上記環状導体に連なり、他端が上記無給電ブロックの上端に連なる帯状導体とを有する無給電素子を更に備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記環状導体からの放射により、更に利得を上昇させることができる。
本発明に係るパッチアンテナにおいては、上記環状導体の外径をe、上記環状導体の内径をfとして、f/eが0.65以上である、ことが好ましい。
上記の構成によれば、広い比帯域幅(例えば、15%以上)を実現することができる。
本発明に係るパッチアンテナにおいて、上記無給電ブロックには、金属製固定具を貫入するための穴が形成されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、特性の悪化(比帯域幅の減少や利得の低下など)を招来することなく、上記金属製固定具を用いて当該パッチアンテナを無線装置等に固定することができる。
本発明によれば、広い比帯域幅と高い利得とを有するパッチアンテナであって、これらの特性が当該金属製固定具の影響を受け難いパッチアンテナを実現することができる。
本発明の一実施形態に係るパッチアンテナの構成を示す上面図及び断面図である。 図1に示すパッチアンテナとの比較に供されるパッチアンテナの構成を示す上面図及び断面図である。 図1に示すパッチアンテナ及び図2に示すパッチアンテナに関して、反射係数|S11|の周波数依存性を示すグラフである。 図1に示すパッチアンテナ及び図2に示すパッチアンテナに関して、xz面における利得(Eφ成分及びEθ成分に関する利得)の角度依存性を示すグラフである。 図1に示すパッチアンテナ及び図2に示すパッチアンテナに関して、yz面における利得(Eθ成分に関する利得)の角度依存性を示すグラフである。 図1に示すパッチアンテナが備える第2の導体板及び無給電ブロックの上面図である。 図1に示すパッチアンテナの第1の変形例を示す上面図及び断面図である。 図1に示すパッチアンテナ(ネジ穴なし)と図8に示すパッチアンテナ(ネジ穴あり)に関して、反射係数|S11|の周波数依存性を示すグラフである。 図1に示すパッチアンテナ(ネジ穴なし)と図8に示すパッチアンテナ(ネジ穴あり)に関して、xz面における利得(Eφ成分及びEθ成分に関する利得)の角度依存性を示すグラフである。 図1に示すパッチアンテナ(ネジ穴なし)と図8に示すパッチアンテナ(ネジ穴あり)に関して、yz面における利得(Eθ成分に関する利得)の角度依存性を示すグラフである。 図1に示すパッチアンテナの第2の変形例を示す上面図及び断面図である。 図1に示すパッチアンテナ(無給電素子なし)と図11に示すパッチアンテナ(無給電素子あり)に関して、反射係数|S11|の周波数依存性を示すグラフである。 図1に示すパッチアンテナ(無給電素子なし)と図11に示すパッチアンテナ(無給電素子あり)に関して、xz面における利得(Eφ成分及びEθ成分に関する利得)の角度依存性を示すグラフである。 図1に示すパッチアンテナ(無給電素子なし)と図11に示すパッチアンテナ(無給電素子あり)に関して、yz面における利得(Eθ成分に関する利得)の角度依存性を示すグラフである。 図11に示すパッチアンテナが備える無給電ブロック及び無給電素子の上面図である。 比帯域幅(FWB)及び利得の規格化高さ(b/a)依存性を示すグラフである。 比帯域幅(FWB)及び利得の規格化ギャップ幅(d/c)依存性を示すグラフである。 比帯域幅(FWB)及び利得の規格化内径(f/e)依存性を示すグラフである。
〔パッチアンテナの構成〕
本発明の一実施形態に係るパッチアンテナ1の構成について、図1を参照して説明する。図1(a)は、パッチアンテナ1の上面図であり、図1(b)は、パッチアンテナ1の断面図(AA’断面)である。なお、図1に示す数値は、パッチアンテナ1の各部の寸法を表し、その単位は、mmである。ただし、これらの数値は、パッチアンテナ1の一具体例を規定するものに過ぎず、適宜変更することができる。
パッチアンテナ1は、図1(b)に示すように、誘電体基板11と、誘電体基板11の下面に形成された第1の導体板(「地導体」と呼ばれることもある)12と、誘電体基板11の上面に形成された第2の導体板(「放射導体」と呼ばれることもある)13とを備えている。第1の導体板12には、不図示の同軸ケーブルの外側導体が接続され、第2の導体板13には、該同軸ケーブルの内側導体が接続される。誘電体基板11を介して互いに対向する第1の導体板12及び第2の導体板13は、この同軸ケーブルから供給される高周波電流によって、パッチアンテナとして機能する。
本実施形態においては、誘電体基板11として、1辺15mmの正方形状のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)基板を用いる。この誘電体基板11の比誘電率εrは、2.2であり、この誘電体基板11の厚みaは、0.5mmである。また、本実施形態においては、第1の導体板12として、誘電体基板11の下面にパターニングされた、1辺15mmの正方形状の導体箔(例えば、銅箔)を用いる。
第2の導体板13は、図1(a)に示すように、誘電体基板11の上面中央部に形成された放射部13aと、誘電体基板11の上面周辺部に形成された給電路13bとを有する。給電路13bの一端は、放射部13aの外縁に連なり、給電路13bの他端は、誘電体基板11の上面の外縁に至る。給電路13bは、誘電体基板11を介して対向する第1の導体板12と共に、マイクロストリップ線路を構成する。
本実施形態においては、放射部13aとして、誘電体基板11の上面にパターニングされた、1辺3.4mmの正方形状の導体箔(例えば、銅箔)を用いる。また、本実施形態においては、給電路13bとして、誘電体基板11の上面にパターニングされた、幅1.5mmの帯状の導体箔(例えば、銅箔)を用いる。給電路13bの一端は、放射部13aの外縁を構成する4辺のうち、y軸負方向側の辺の中央に連なり、給電路13bの他端は、誘電体基板11の外縁を構成する4辺のうち、y軸負方向側の辺の中央に至る。
パッチアンテナ1は、上述した誘電体基板11、第1の導体板12、及び第2の導体板13の他に、誘電体基板11を貫く無給電ブロック14を備えている。図1(b)に示すように、無給電ブロック14の下面は、誘電体基板11の下面に形成された第1の導体板12の上面と接触しており、無給電ブロック14の上面は、誘電体基板11の上面よりも上方に突出している。また、図1(a)に示すように、無給電ブロック14の側面(無給電ブロック14の表面を構成する面のうち、下面及び上面に直交又は略直交する面)は、誘電体基板11の上面において、第2の導体板13の外縁(より具体的には、放射部13aの外縁を構成する4辺のうち、給電路13bに連なる辺を除く3辺)に対向している。
本実施形態においては、無給電ブロック14として、コの字型に組み合わされた3つの導体壁(例えば、銅壁)14a〜14cからなる導体ブロックを用いる。
第1の導体壁14aは、yz面に平行な5.9mm×2mmの側面と、xy面に平行な5.9mm×2mmの端面とを有する。そして、第1の導体壁14aは、下端面(z軸負方向側の端面)が第1の導体板12の上面と接触し、且つ、内側面(x軸正方向側の側面)が放射部13aの1辺(x軸負方向側の辺)と対向するように配置される。
第2の導体壁14bは、zx面に平行な12.4mm×2mmの側面と、xy面に平行に平行な12.4mm×2mmの端面とを有する。そして、第2の導体壁14bは、下端面(z軸負方向側の端面)が第1の導体板12の上面と接触し、且つ、内側面(y軸負方向側の側面)が放射部13aの1辺(y軸正方向側の辺)と対向するように配置される。
第3の導体壁14cは、yz面に平行な5.9mm×2mmの側面と、xy面に平行な5.9mm×2mmの端面とを有する。そして、第3の導体壁14cは、下端面(z軸負方向側の端面)が第1の導体板12の上面と接触し、且つ、内側面(x軸負方向側の側面)が放射部13aの1辺(x軸正方向側の辺)と対向するように配置される。
無給電ブロック14には、反射係数|S11|が予め定められた閾値(本実施形態においては10dBとする)以下となる帯域の比帯域幅を拡大させる効果と、上方(図1におけるz軸正方向)の利得を上昇させる効果とがある。これらの効果については、参照する図面を代えて後述する。加えて、無給電ブロック14は、パッチアンテナ1をその上方(図1におけるz軸正方向)に配置された部材に固定する際に、当該部材から誘電体基板11、第1の導体板12、及び第2の導体板13を離隔させるためのスペーサとしても機能する。この機能についても、参照する図面を代えて後述する。
〔無給電ブロックの効果〕
パッチアンテナ1における無給電ブロック14の効果について、図2〜図6を参照して説明する。
まず、パッチアンテナ1との比較に供されるパッチアンテナ5について、図2を参照して説明する。図2(a)は、パッチアンテナ5の上面図であり、図2(b)は、パッチアンテナ5の断面図(BB’断面)である。
パッチアンテナ5は、図2に示すように、パッチアンテナ1から無給電ブロック14を省いたものである。パッチアンテナ5が備える誘電体基板51、第1の導体板52、及び第2の導体板53は、それぞれ、パッチアンテナ1が備える誘電体基板11、第1の導体板12、及び第2の導体板13に相当する。
図3は、パッチアンテナ1(無給電ブロックあり)及びパッチアンテナ5(無給電ブロックなし)の反射係数|S11|の周波数依存性を示すグラフである。図3に示すグラフからは、無給電ブロック14を付加することによって、反射係数|S11|が10dB以上となる帯域の比帯域幅FWBが16%から18%に拡大することが読み取れる。
ここで、比帯域幅FWBとは、反射係数|S11|が10dB以上となる帯域の下限周波数及び上限周波数をf1及びf2として、FWB=(f2−f1)/{(f2+f1)/2}により定義される数値を百分率で表したものである。
図4は、パッチアンテナ1(無給電ブロックあり)及びパッチアンテナ5(無給電ブロックなし)のzx面における放射パターン(Eθ成分及びEφ成分に関する利得の方向依存性)を示すグラフである。図4に示すグラフからは、無給電ブロック14を付加することによって、Eθ成分及びEφ成分の双方に関して、天頂方向の利得が上昇することが読み取れる。
図5は、パッチアンテナ1(無給電ブロックあり)及びパッチアンテナ5(無給電ブロックなし)のyz面における放射パターン(Eθ成分に関する利得の方向依存性)を示すグラフである。図5に示すグラフからは、無給電ブロック14を付加することによって、少なくともEθ成分に関して、天頂方向の利得が上昇することが読み取れる。
このような天頂方向の利得の上昇は、誘電体基板11の上面において、ギャップを介して互いに対向する第2の導体板13と無給電ブロック14とが、スロットアンテナとして機能しているために生じたものと考えられる。誘電体基板11を介して互いに対向する第1の導体板12と第2の導体板13とがパッチアンテナとして機能することにより生じた利得に、ギャップを介して互いに対向する第2の導体板13と無給電ブロック14とがスロットアンテナとして機能することにより生じた利得が上乗せされる訳である。
例えば、図6に示すように、放射部13aの辺13a1と、この辺13a1に対向する無給電ブロック14の部分14p1との間には、長さc=3.4mm、幅d=2.5mmのギャップが形成される。このギャップの長さが、2/λ(共振周波数が60GHzの場合には2.5mm)と同程度になるので、このギャップを介して互いに対向する放射部13aと無給電ブロック14とが、スロットアンテナとして機能する。実際、このギャップには、図6に矢印で示すような電界分布が形成されること、すなわち、このギャップから放射を生じることが、数値シミュレーションにより確かめられる。
また、図6に示すように、放射部13aの辺13a2と、この辺13a2に対向する無給電ブロック14の部分14p2との間にも、長さc=3.4mm、幅d=2.5mmのギャップが形成される。このギャップの長さが、2/λと同程度になるので、このギャップを介して互いに対向する放射部13aと無給電ブロック14とが、スロットアンテナとして機能する。実際、このギャップには、図6に矢印で示すような電界分布が形成されること、すなわち、このギャップから放射を生じることが、数値シミュレーションにより確かめられる。
なお、無給電ブロック14のうち、天頂方向の利得の上昇に寄与しているのは、上述したとおり、放射部13aの辺13a1に対向する部分14p1と、放射部13aの辺13a2に対向する部分14p2とである。したがって、その余の部分を無給電ブロック14から取り去ったとしても、天頂方向の利得を上昇させるという効果が得られることに変わりはない。
〔変形例1〕
次に、パッチアンテナ1の第1の変形例について、図7〜図10を参照して説明する。
本変形例に係るパッチアンテナ1の構成を図7に示す。図7(a)は、本変形例に係るパッチアンテナ1の上面図であり、図7(b)は、本変形例に係るパッチアンテナ1の断面図(AA’断面)である。本変形例に係るパッチアンテナ1は、無給電ブロック14に4つのネジ穴14d1〜14d4が形成されている点で、図1に示すパッチアンテナ1と相違する。
図7(b)に示すように、ネジ穴14d1〜14d4は、何れも、無給電ブロック14の上端面から下端面に向かって形成されており、パッチアンテナ1をその上方に配置された部材に固定するためのネジ(金属製固定具)を貫入するために利用される。このとき、無給電ブロック14は、第2の導体板13を導体部材から離隔させるためのスペーサとして機能する。
図8は、本変形例に係るパッチアンテナ1(ネジ穴あり)及び図1に示すパッチアンテナ1(ネジ穴なし)の反射係数|S11|の周波数依存性を示すグラフである。図8に示すグラフからは、各周波数における反射係数|S11|がネジ穴14d1〜14d4の有無に左右されないことが見て取れる。なお、本変形例に係るパッチアンテナ1(ネジ穴あり)の反射係数|S11|は、ネジ穴14d1〜14d4にM3サイズのネジを貫入させた状態での特性である。
図9は、本変形例に係るパッチアンテナ1(ネジ穴あり)及び図1に示すパッチアンテナ1(ネジ穴なし)のzx面における放射パターン(Eθ成分及びEφ成分に関する利得の方向依存性)を示すグラフである。図9に示すグラフからは、Eθ成分及びEφ成分の双方に関して、zx面内の各方向における利得がネジ穴14d1〜14d4の有無に左右されないことが見て取れる。なお、本変形例に係るパッチアンテナ1(ネジ穴あり)の利得は、ネジ穴14d1〜14d4にM3サイズのネジを貫入させた状態での特性である。
図10は、本変形例に係るパッチアンテナ1(ネジ穴あり)及び図1に示すパッチアンテナ1(ネジ穴なし)のyz面における放射パターン(Eθ成分に関する利得の方向依存性)を示すグラフである。図10に示すグラフからは、少なくともEθ成分に関して、yz面内の各方向における利得がネジ穴14d1〜14d4の有無に左右されないことが見て取れる。なお、本変形例に係るパッチアンテナ1(ネジ穴あり)の利得は、ネジ穴14d1〜14d4にM3サイズのネジを貫入させた状態での特性である。
〔変形例2〕
次に、パッチアンテナ1の第2の変形例について、図11〜図14を参照して説明する。
本変形例に係るパッチアンテナ1の構成を図11に示す。図11(a)は、本変形例に係るパッチアンテナ1の上面図であり、図11(b)は、本変形例に係るパッチアンテナ1の断面図(AA’断面)である。本変形例に係るパッチアンテナ1は、無給電素子15が付加されている点で、図1に示すパッチアンテナ1と相違する。
無給電素子15は、板状の導体により構成され、無給電ブロック14の上端面と同一の平面内に配置される。ここで、無給電素子15が無給電ブロック14の上端面と同一の平面内に配置されるとは、以下の3つの条件の何れかが充足されることを指す。(1)無給電素子15の上面が無給電ブロック14の上端面と同一の平面に含まれる。(2)無給電素子15の下面が無給電ブロック14の上端面と同一の平面に含まれる。(3)無給電素子15の上面と下面との間に挟まれた平面が無給電ブロック14の上端面と同一の平面に含まれる。本変形例に係るパッチアンテナ1は、図11(b)に示すように、条件(1)を充足する。
無給電素子15は、図11(a)に示すように、外縁が放射部13aの外縁と重なる環状導体15aと、一端が環状導体15aの外縁に連なり、他端が無給電ブロック14の上端面の外縁に連なる帯状導体15bとにより構成されている。
本変形例において、環状導体15aの外縁及び内縁は正方形である。また、環状導体15aの外径e、すなわち、環状導体15aの外縁を構成する各辺の長さは、3.4mmであり、環状導体15aの内径f、すなわち、環状導体の内縁を構成する各辺の長さは、3.0mmである。また、帯状導体15bの幅は、1.5mmであり、帯状導体15bの長さは、2.5mmである。
図12は、本変形例に係るパッチアンテナ1(無給電素子あり)及び図1に示すパッチアンテナ1(無給電素子なし)の反射係数|S11|の周波数依存性を示すグラフである。図12に示すグラフからは、無給電素子15を付加したことによって、(1)共振周波数(58GHz及び65GHz)近傍で反射係数|S11|が低下すること、及び、(2)反射係数|S11|が10dB以上となる帯域の比帯域幅FWBが18%から19%に拡大することが読み取れる。
図13は、本変形例に係るパッチアンテナ1(無給電素子あり)及び図1に示すパッチアンテナ1(無給電素子なし)のzx面における放射パターン(Eθ成分及びEφ成分に関する利得の方向依存性)を示すグラフである。図13に示すグラフからは、無給電素子15を付加したことによって、Eφ成分に関して、天頂方向における利得が上昇することが読み取れる。
図14は、本変形例に係るパッチアンテナ1(無給電素子あり)及び図1に示すパッチアンテナ1(無給電素子なし)のyz面における放射パターン(Eθ成分に関する利得の方向依存性)を示すグラフである。図14に示すグラフからは、無給電素子15を付加したことによって、少なくともEθ成分に関して、天頂方向における利得が上昇することが読み取れる。
このような天頂方向の利得の上昇は、無給電素子15からの放射によるものと考えられる。実際、無給電素子15に図15に矢印で示すような電流分布が形成されること、すなわち、無給電素子15から放射を生じ得ることが、数値シミュレーションにより確かめられる。
〔好ましい形状〕
次に、無給電ブロック14の好ましい高さb(図1(b)参照)に関して、図16を参照して説明する。以下、無給電ブロック14の高さbを、誘電体基板11の厚みa(図1(b)参照)で除した商b/aを、「規格化高さb/a」と記載する。
図16は、第2の変形例に係るパッチアンテナ1(図11)に関する比帯域幅(FWB)及び利得(天頂方向の利得)の規格化高さb/a依存性を示すグラフである。図16に示すグラフからは、規格化高さb/aが4以上8以下であるときに、比帯域幅及び利得が高い値に保たれることが見て取れる。したがって、規格化高さb/aは、4以上8以下であることが好ましいといえる。
次に、無給電ブロック14と放射部13aとの間の好ましいギャップ幅d(図1(a)参照)に関して、図17を参照して説明する。以下、無給電ブロック14と放射部13aとの間のギャップ幅dを、放射部13aの1辺の長さc(図1(a)参照)で除した商d/cを、「規格化ギャップ幅d/c」と記載する。
図17は、第2の変形例に係るパッチアンテナ1(図11)に関する比帯域幅(FWB)及び利得(天頂方向の利得)の規格化ギャップ幅d/c依存性を示すグラフである。図17に示すグラフから、(1)規格化ギャップ幅d/cが0.25以上0.85以下であるときに、比帯域幅が15%以上になること、及び、(2)規格化帯域幅d/cが0.75以上0.95以下であるときに、利得が4dBi以上になることが見て取れる。したがって、規格化ギャップ幅d/cは、(1)0.25以上0.85以下であることが比帯域幅の観点から好ましく、(2)0.75以上0.95以下であることが利得の観点から好ましく、(3)0.75以上0.85以下であることが比帯域幅及び利得の双方の観点から好ましいといえる。
最後に、環状導体15aの好ましい内径f(図11(a)参照)に関して、図18を参照して説明する。以下、環状導体15aの内径fを、環状導体15aの外径e(図11(a)参照)で除した商f/eを、「規格化内径f/e」と記載する。
図17は、第2の変形例に係るパッチアンテナ1(図11)に関する比帯域幅(FWB)及び利得(天頂方向の利得)の規格化内径f/e依存性を示すグラフである。図17に示すグラフからは、規格化内径f/eが0.65以上のときに、比帯域幅が15%以上になることが分かる。したがって、規格化内径f/eは、0.65以上であることが好ましいといえる。
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、無線装置等に搭載されるパッチアンテナに好適に利用することができる。
1 パッチアンテナ
11 誘電体基板
12 第1の導体板
13 第2の導体板
13a 放射部
13b 給電路
14 無給電ブロック
15 無給電素子
15a 環状導体
15b 帯状導体

Claims (7)

  1. 誘電体基板と、
    上記誘電体基板の下面に形成された第1の導体板と、
    上記誘電体基板の上面に形成された第2の導体板と、
    上記誘電体基板を貫く無給電ブロックと、
    上記無給電ブロックの上端と同一の平面内に配置された無給電素子であって、上記第2の導体板の少なくとも一部に重なる環状導体、及び、一端が上記環状導体に連なり、他端が上記無給電ブロックの上端に連なる帯状導体、を有する無給電素子と、を備えており、
    上記無給電ブロックの下面が上記第1の導体板の上面と接触し、上記無給電ブロックの側面が上記誘電体基板の上面において上記第2の導体板の外縁と対向する、
    ことを特徴とするパッチアンテナ。
  2. 上記第2の導体板は、上記誘電体基板の上面中央部に形成された正方形状の放射部と、上記誘電体基板の上面周辺部に形成された帯状の給電路であって、一端が上記放射部の1辺に連なる給電路とを有し、
    上記無給電ブロックは、側面が上記誘電体基板の上面において上記放射部の上記1辺を除く3辺と対向する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のパッチアンテナ。
  3. 上記誘電体基板の厚みをa、上記無給電ブロックの高さをbとして、b/aが4以上8以下である、
    ことを特徴とする請求項2に記載のパッチアンテナ。
  4. 上記放射部の各辺の長さをc、上記放射部の上記3辺と上記無給電ブロックの側面との間のギャップの幅をdとして、d/cが0.25以上0.85以下である、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のパッチアンテナ。
  5. 上記放射部の各辺の長さをc、上記放射部の上記3辺と上記無給電ブロックの側面との間のギャップの幅をdとして、d/cが0.75以上0.95以下である、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のパッチアンテナ。
  6. 上記環状導体の外径をe、上記環状導体の内径をfとして、f/eが0.65以上である、
    ことを特徴とする請求項1から5までの何れか1項に記載のパッチアンテナ。
  7. 上記無給電ブロックには、金属製固定具を貫入するための穴が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1からまでの何れか1項に記載のパッチアンテナ。
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