JP3585115B2 - 平面アンテナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板等を使用した平面アンテナに関し、特に該平面アンテナの支持及びサイドローブ抑圧技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
平面アレーアンテナは、誘電体基板あるいはプリント基板上に、複数の放射素子を配列した構成となっており、アンテナ放射素子としては、パッチアンテナ、スロットアンテナ、マイクロストリップアンテナ、あるいは誘電体チップアンテナ等が用いられている(特開昭63−258102号公報、実開平4−59608公報、特開2000−165138号公報等参照)。
【0003】
この平面アレーアンテナにおいて、低仰角のサイドローブによる横方向からの電磁波を抑圧する手段として、従来は、基板上の適宜の位置に電波吸収体等を貼り付けることにより横方向からの電磁波を吸収する方法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記電波吸収体をアンテナ基板上の適宜の位置に貼り付けることにより、平面アレーアンテナの低仰角のサイドローブによる横方向からの電磁波を抑圧できるが、電波吸収体は耐用年数が短く、また、電波吸収体の貼り付けには接着剤での固着が主でビス止めなどが出来ないため、取り扱いが難しいという欠点があった。
【0005】
また、平面アレーアンテナの放射平面は、通常適当な距離を隔ててレドームにより覆われるが、このレドームは風圧等によるたわみに対抗するためにその厚みを厚くしたり、リブ等を入れて強化したり、あるいは堅いFRPなどの材料を用いなければならないので、高価になるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、平面アレーアンテナにおける低仰角のサイドローブによる横方向からの電磁波を抑圧する新規な手段を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、平面アレーアンテナの放射平面を覆うレドームとして、従来よりも強度の低いレドームの使用を可能にする手段を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、放射平面上に複数の放射素子が配列されたアンテナ基板と、該アンテナ基板を支持するベース基板を有する平面アンテナにおいて、前記アンテナ基板のエッジ部および放射平面上のアンテナ放射素子が構成されていない位置に、一定の高さを有し低仰角サイドローブに対してシールド機能を有するフレアーおよびサポートを配置したことを特徴とする。
【0009】
本発明によるフレアーおよびサポートは、アンテナ放射平面上のアンテナ放射素子が構成されていない位置に一定の高さで配置されるため、サイドローブを抑制し、横方向からの電磁波を抑圧することができる。
【0010】
また、本発明の平面アンテナにレドームを設けた場合、本発明のフレアーおよびサポートがアンテナ放射平面とレドームの内面との間に介在しているので、風圧等によりレドームが撓んだ場合に、レドームの内面が上記フレアーおよびサポートと当接してレドームのたわみに対するクッションの役割を果たし、レドームのたわみを抑制するので、結果としてレドームの耐風速強度を向上することが出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態を示す斜視図である。また図2は、図1の実施形態に対してレドームを装着した状態の断面図を示している。
【0012】
図1〜図2において、アンテナ基板を構成するプリント基板(以下、PWB)3は、3層のプリント基板からなり、第1層には放射素子パッチ4が構成され、第2層目はグランド、第3層はフィードで構成されている。そして、PWB3上のパッチ4が構成されない部分にサポート6を設置し、PWB3のエッジ部にL型のフレアー5を設置する。
【0013】
PWB3のベース板1への取り付けは、サポート2を介して空中に浮かした状態で取り付けられている。これは第3層のフィードがベース板1に接触してショートしないようにするためである。フレアー5はビス51でサポート2に固定され、サポート6もPWB3を挟み別のサポート2にビスで固定される。
【0014】
この平面アレーアンテナに凹型のレドーム10を装着することにより、図2に断面図で示す平面アンテナが構成される。
【0015】
フレアー5、サポート6の上面とレドーム10の内面との間には、フレアー5あるいはサポート6がレドーム10の内面と頻繁に接触することによりレドーム10内面に傷が付くことを防止するため一定のクリアランスを設けている。しかし、フレアー5及びサポート6としてレドーム10内面に傷が付きにくい形状あるいは材質のものが用いられている場合には、フレアー5、サポート6の上面とレドーム10の内面とを常時接触した状態となるように構成してもよい。
【0016】
本実施の形態では、PWB3上のパッチ4が構成されない部分にサポート6、エッジにL型のフレアー5が設置されているので、このサポート6、及びフレアー5が横方向からの電磁波をシールドする事になり、低仰角のビームを抑制でき、サイドローブを抑制することが出来る。
【0017】
また、直接波だけでなく横方向からの電磁波により、レドーム10に表面波が生じる場合があるが、その抑制にも有効な手段となる。フレアー5及びサポート6の高さを適宜に設定することにより、5〜10dB程度の抑制効果を得ることができる。
【0018】
さらに、サポート6及びフレアー5は、レドーム10の内面近傍まで延在しているので、レドーム10の耐風速の向上にも有効である。
【0019】
即ち、レドーム10は風を受けたときに内側にたわむが、風速が上がるにつれて風圧が上がりレドーム10のたわみ量が大きくなり、フレアー5及びサポート6の上面がレドーム10の内側と接触するようになるが、接触することによりサポート6及びフレアー5がクッションとして働き、レドーム10のたわむ力を分散させることができ、その結果、レドーム10の耐風速が向上する。
【0020】
なお、上記実施の形態では、PWB3に3層板を用いた場合について説明したが、PWB3として、両面板あるいは3層より多い多層板を用いた場合にも応用できる。両面板の場合、裏面がグランドの場合はベース板1に直付けすることができ、サポート2は不要となる。このときフレアー5はベース板1に直接ネジ止めされる。
【0021】
また、アンテナの種類も上記実施の形態で説明したパッチアンテナに限定されるものではなく、スロットアンテナ、マイクロストリップラインアンテナ、あるいは誘電体アンテナ等にも応用できる。さらに、PWB3の形状も上記実施の形態に示した矩形板に限らず、円形、多角形等適宜の形状のものに対して本発明を適用することができる。
【0022】
また、上記実施の形態では、サポート6として直方体にものを用いているが、サポート6は直方体でなくてもよい。例えば、図3(a)のように円筒形あるいは図3(b)のようにかまぼこ型でも可能であり、さらにPWB3の形状に応じて適宜その形状を変更可能である。
【0023】
また、フレアー5もL字型に限らず、例えば図4(a)のような逆L型、図4(b)のようなI型でもよい。また曲げ角度も90度でなく例えば図4(c)のような角度でもよい。取り付ける向きに関しても、PWB3のエッジに対し平行でなくてもよい。また縦横方向だけでなく斜めでも可能である。
【0024】
また、上記実施の形態では、サポート6を2カ所、フレアー5を2カ所に設置したが、これらは何カ所設けてもよく、また分割して設けてもよい。材質に関しても、金属だけに限らず、誘電体等を用いてもサイドローブ抑圧効果を得ることができる。レドームも凹型に限らず平板の場合にも応用できる。
【0025】
また、上記実施の形態では、フレアー5とサポート6を両方設置しているが、必ずしも両方設ける必要はなく、フレアー5あるいはサポート6のいずれか一方のみを設置した場合でも、サイドローブ抑圧効果を奏することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、アンテナ基板上のアンテナ素子が構成されない部分にサポートを設置し、エッジ部にフレアーを設置したので、このサポート及びフレアーがアンテナ放射平面上に位置してサイドローブ抑制用のシールドとして機能し、横方向からの電磁波を抑圧することができる。
【0027】
また、上記サイドローブの抑圧の影響を受けてメインローブの形状も多少変えることができるので、メインローブの微調整としても有効である。
【0028】
さらに、本発明のフレアーおよびサポートは、アンテナ放射平面とレドームの内面との間に介在しているので、風圧等によりレドームが撓んだ場合に、レドームの内面が本発明のフレアーおよびサポートと当接してレドームの風圧に対するクッションの役割を果たし、それ以上レドームを撓ませないので、結果としてレドームの耐風速強度を向上することが出来る。
【0029】
また、本発明によれば、従来よりもその耐風強度の低いレドームの使用が可能となり、レドームを薄くしたり、または特殊な素材を使わなくても良くなるので、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す構成図である。
【図2】図1の横断面図である。
【図3】本発明におけるサポートの他の実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明におけるフレアーの他の実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 ベース板
2、6 サポート
3 PWB
4 パッチ
5 フレアー
10 レドーム
51 ビス

Claims (6)

  1. 放射平面上に複数の放射素子が配列されたアンテナ基板と、該アンテナ基板を支持するベース基板を有する平面アンテナにおいて、
    前記アンテナ基板の放射平面上のアンテナ放射素子が構成されていない位置に、一定の高さを有し低仰角サイドローブを抑圧する機能を有するサポートを配置したことを特徴とする平面アンテナ。
  2. 放射平面上に複数の放射素子が配列されたアンテナ基板と、該アンテナ基板を支持するベース基板を有する平面アンテナにおいて、
    前記アンテナ基板のエッジ部および放射平面上のアンテナ放射素子が構成されていない位置に、一定の高さを有し低仰角サイドローブを抑圧する機能を有するフレアーおよびサポートを配置したことを特徴とする平面アンテナ。
  3. 前記サポートは、前記放射平面上に複数配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の平面アンテナ。
  4. 前記アンテナ基板は、一定の高さを有する第2のサポートを介して前記ベース基板に支持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の平面アンテナ。
  5. 前記アンテナ基板の放射平面を覆うレドームを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の平面アンテナ。
  6. 前記レドームの内面と前記サポートまたは前記フレアーとの間には、クリアランスが設けられていることを特徴とする請求項5に記載の平面アンテナ。
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