JP2009065321A - パッチアンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、マイクロ波、ミリ波などの無線通信システムにおいて利用される金属対応アンテナの湾曲化とアンテナ特性の維持を課題とする。
【解決手段】放射用導体面と誘電体とグランド用導体面を備えたパッチアンテナ素子であって、誘電体は放射用導体面とグランド用導体面の間に挟まれ、かつ複数の誘電体層を有し、複数の誘電体層のうち、少なくとも1つの層(第1の誘電体層と呼ぶ)はグランド用導体面の面内方向の外形と同じかまたはより大きい外形を有し、第1の誘電体層の少なくとも片方の面の上に、別の1つ以上の層(第2の誘電体層と呼ぶ)が、少なくとも1以上の非形成領域を有して形成され、グランド用導体面に形成されたグランド用導体除去領域に、複数の誘電体層を貫通して前記放射用導体面と電気的に接続するよう形成された貫通導体とを有し、第1の誘電体層が湾曲可能な材料によって構成されていることを特徴とするパッチアンテナ素子。
【選択図】図1
【解決手段】放射用導体面と誘電体とグランド用導体面を備えたパッチアンテナ素子であって、誘電体は放射用導体面とグランド用導体面の間に挟まれ、かつ複数の誘電体層を有し、複数の誘電体層のうち、少なくとも1つの層(第1の誘電体層と呼ぶ)はグランド用導体面の面内方向の外形と同じかまたはより大きい外形を有し、第1の誘電体層の少なくとも片方の面の上に、別の1つ以上の層(第2の誘電体層と呼ぶ)が、少なくとも1以上の非形成領域を有して形成され、グランド用導体面に形成されたグランド用導体除去領域に、複数の誘電体層を貫通して前記放射用導体面と電気的に接続するよう形成された貫通導体とを有し、第1の誘電体層が湾曲可能な材料によって構成されていることを特徴とするパッチアンテナ素子。
【選択図】図1
Description
本発明は、マイクロ波、ミリ波などの無線通信システムにおいて利用されるパッチアンテナ(マイクロストリップアンテナ)に関するものである。
近年、有線ケーブルを使わずに、所定周波数帯域の信号波の送受信で情報交換が行える無線通信が普及している。携帯電話などの電子機器には、無線通信で使用される信号波を送受信するためのアンテナが実装されている。
電子機器内の送受信用アンテナは、その設置場所によって、近傍に導電性物体もしくは磁性体が存在する場合があるが、これはアンテナの放射の性能に影響を及ぼす。
アンテナのうち、放射用導体面とこの放射用導体面に向かい合うように設けられたグランド用導体面によって形成されるパッチアンテナは、放射用導体面からの放射がグランド用導体面によって遮断されるため、グランド用導体面の側には放射せず、放射用導体面の側からのみ放射を行う片側放射のアンテナである。
したがってパッチアンテナは、グランド用導体面の裏側に導電性物体や磁性体があっても、放射用導体面からの放射に影響を受けにくい。そのため、アンテナが導電性物体もしくは磁性体に設置される場合、パッチアンテナがよく利用され、その使用用途からパッチアンテナは金属対応アンテナともいわれている。
この従来技術であるパッチアンテナの一例を、図9を用いて説明する。
図9(a)はパッチアンテナの平面図、図9(b)は、図9(a)のI−I’線での断面図である。パッチアンテナは平板状の誘電体902の一方の面に放射用導体面901を、他方の面にグランド用導体面904を形成した構造となっている。グランド用導体面904に形成された開口部には、貫通導体903が形成され放射用導体面901と接続している。貫通導体903のグランド用導体面904側の端部は給電部905で、ここが半導体素子と接続され、その半導体素子が発生する信号を放射用導体面901に給電する構造となっている。
図9(a)はパッチアンテナの平面図、図9(b)は、図9(a)のI−I’線での断面図である。パッチアンテナは平板状の誘電体902の一方の面に放射用導体面901を、他方の面にグランド用導体面904を形成した構造となっている。グランド用導体面904に形成された開口部には、貫通導体903が形成され放射用導体面901と接続している。貫通導体903のグランド用導体面904側の端部は給電部905で、ここが半導体素子と接続され、その半導体素子が発生する信号を放射用導体面901に給電する構造となっている。
このパッチアンテナは、[表1]に示すように、誘電体902の厚さが波長に比べて短くなると、急激に放射しなくなるという問題があった。
以上のことから、無線通信を目的として電子機器に取り付けるアンテナにパッチアンテナを用いる場合、アンテナ特性を維持するために放射用導体面901とグランド用導体面904間の距離をある程度設ける必要がある。例えば、UHF帯、2.4GHz帯で使用されているパッチアンテナの誘電体の厚さは1.6mm程度ある。したがって、誘電体902にポリイミドといった湾曲可能な材料を用いたとしても、アンテナ特性を維持するために誘電体902に厚みを持たせる必要があるため、十分に湾曲させることができないアンテナとなってしまう。
例えば特許文献1では、リストバンドに取り付けたRFID用パッチアンテナにおいて、放射用導体面とグランド用導体面の間の誘電体としてフレキシブル材料を用いた湾曲可能なパッチアンテナが提案されている。しかし、上記で述べたように、アンテナ特性を維持するためには使用する誘電体の厚さをある程度設ける必要があるため、容易に湾曲できるパッチアンテナを提供することができなかった。
本発明は、上記の問題に対して考案されたもので、マイクロ波、ミリ波などの無線通信システムにおいて利用される金属対応アンテナの湾曲化とアンテナ特性の維持を課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のパッチアンテナ素子は、放射用導体面と誘電体とグランド用導体面を備えたパッチアンテナ素子であって、
前記誘電体は放射用導体面とグランド用導体面の間に挟まれ、かつ複数の誘電体層を有し、
前記複数の誘電体層のうち、少なくとも1つの層(第1の誘電体層と呼ぶ)は前記グランド用導体面の面内方向の外形と同じかまたはより大きい外形を有し、
第1の誘電体層の少なくとも片方の面の上に、別の1つ以上の層(第2の誘電体層と呼ぶ)が、少なくとも1以上の非形成領域を有して形成され、
前記グランド用導体面に形成されたグランド用導体除去領域に、前記複数の誘電体層を貫通して前記放射用導体面と電気的に接続するよう形成された貫通導体とを有し、
前記第1の誘電体層が湾曲可能な材料によって構成されていることを特徴とするパッチアンテナ素子としたものである。
前記誘電体は放射用導体面とグランド用導体面の間に挟まれ、かつ複数の誘電体層を有し、
前記複数の誘電体層のうち、少なくとも1つの層(第1の誘電体層と呼ぶ)は前記グランド用導体面の面内方向の外形と同じかまたはより大きい外形を有し、
第1の誘電体層の少なくとも片方の面の上に、別の1つ以上の層(第2の誘電体層と呼ぶ)が、少なくとも1以上の非形成領域を有して形成され、
前記グランド用導体面に形成されたグランド用導体除去領域に、前記複数の誘電体層を貫通して前記放射用導体面と電気的に接続するよう形成された貫通導体とを有し、
前記第1の誘電体層が湾曲可能な材料によって構成されていることを特徴とするパッチアンテナ素子としたものである。
また、本発明の請求項2に記載のパッチアンテナ素子は、前記放射用導体面が、前記貫通導体のグランド用導体面の側の端部である給電部より入力される信号の周波数によって共振する長さLRの辺または弧をもつ形状であった場合に、前記第2の誘電体層の非形成領域の少なくとも1つが、前記放射用導体面の共振する長さの辺または弧に交わるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のパッチアンテナ素子としたものである。
また、本発明の請求項3に記載のパッチアンテナ素子は、前記給電部から入力される信号の周波数によって共振する長さLRの辺または弧をもつ放射用導体面を有し、前記第2の誘電体層の非形成領域が1つで、かつ、前記辺または弧の中点の両側LR/4の範囲内に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のパッチアンテナ素子としたものである。
また、本発明の請求項4に記載のパッチアンテナ素子は、前記第2の誘電体層が、前記第1の誘電体層および前記グランド用導体面より小さいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のパッチアンテナ素子としたものである。
また、本発明の請求項5に記載のパッチアンテナは、通信すべきデータおよび受信して得られたデータを記憶する記憶領域と、通信を行うのに必要な電源電圧を発生する電源回路と、通信を制御する制御回路とを備えた回路素子が、請求項1〜4のいずれかに記載のパッチアンテナ素子の給電部に接続されていることを特徴とするパッチアンテナとしたものである。
請求項1または2記載のパッチアンテナ素子は、放射用導体面とグランド用導体面の間に、第2の誘電体層の非形成領域を設けて湾曲可能な第1の誘電体のみの部分を形成することで、湾曲させることができる構造としたものである。また、この第1の誘電体のみの部分を限定することで、アンテナ特性の低下を最小限に抑えるパッチアンテナ素子を提供することができる。
また、請求項3記載の構成のパッチアンテナ素子によれば、第2の誘電体層の非形成領域を、給電部から入力される信号の周波数によって共振する辺または弧の中央部の、アンテナ特性に余り影響しない部位に限定することで、湾曲させることができるだけでなく、アンテナ特性を維持したパッチアンテナを提供することができる。
また、請求項4記載の構成のパッチアンテナ素子によれば、第2の誘電体層の使用箇所をさらに限定することで、アンテナの外周部に第1の誘電体のみの場所を増やし、さらに複雑な曲面にも取り付け可能としたパッチアンテナを提供することができる。
以下、本発明のパッチアンテナ素子の例を、図を用いて説明する。
図1の(a)、(b)、(c)は、本発明のパッチアンテナ素子の第1の実施形態を示す模式構成の正面図と断面図である。
図1の(a)、(b)、(c)は、本発明のパッチアンテナ素子の第1の実施形態を示す模式構成の正面図と断面図である。
図1の(a)、(b)、(c)に示したように、長方形の平板状の第1の誘電体105の一方の面に第2の放射用導体面104と第2の誘電体102が形成され、第2の誘電体102にはさらに第1の放射用導体面101が形成され、第1の放射用導体面101と第2の放射用導体面104とを接続するために、接続用導体103が形成されている。また、第1の誘電体105の他方の面にはグランド用導体面107が形成されている。また、貫通導体106が給電部108と第1の放射用導体面101を電気的に接続し、給電部から信号を入力することができるようになっている。
本構造により、第2の放射用導体面104とグランド用導体面107との間には第1の誘電体105のみとなり、第1の誘電体105を湾曲可能な材料とすることで、図1(c)に示すような湾曲部が形成できるパッチアンテナとすることができる。また放射に最も寄与する第1の放射用導体面101とグランド用導体面107の間の第2の誘電体102の厚さを十分厚くすることで、アンテナ特性のよい湾曲可能なパッチアンテナを提供することができる。
第1の誘電体として厚さ0.4mm、比誘電率εr=3.3、誘電正接tanδ=0.01の基材を使用し、第2の誘電体として厚さ1.2mm、比誘電率εr=3.3、誘電正接tanδ=0.01の基材を使用して、共振周波数が2.415GHzとなるような、本実施形態のアンテナを作製した。また、第1の誘電体と第2の誘電体を重ねて厚さ1.6mmのパッチアンテナを作製した。これらのアンテナ特性を測定し比較した結果を[表2]に示す。本実施形態のアンテナは湾曲が可能なだけでなく、通常のパッチアンテナと同程度のアンテナ特性であることがわかる。
図2の(a)、(b)は、本発明のパッチアンテナ素子の第2の実施形態を示す模式構成の正面図と断面図である。
図2の(a)、(b)に示したように、長方形の平板状の第1の誘電体202の一方の面に放射用導体面201が形成され、他方の面に第2のグランド用導体面204と第2の誘電体203が形成され、第2の誘電体203にはさらに第1のグランド用導体面207が形成され、第1のグランド用導体面207と第2のグランド用導体面204とを接続するために、接続用導体205が形成されている。また、貫通導体206が給電部208と放射用導体面201を電気的に接続し、給電部から信号を入力することができるようになっている。
本構造により、放射用導体面201と第2のグランド用導体面204との間には第1の誘電体202のみとなり、第1の誘電体202を湾曲可能な材料とすることで、湾曲部が形成できるパッチアンテナとすることができる。また放射に最も寄与する放射用導体面201と第1のグランド用導体面207の間の第2の誘電体203の厚さを十分厚くすることで、アンテナ特性のよい湾曲可能なパッチアンテナを提供することができる。
図3の(a)、(b)は、本発明のパッチアンテナ素子の第3の実施形態を示す模式構成の正面図と断面図である。
図3の(a)、(b)に示したように、長方形の平板状の第1の誘電体305の一方の面には、第2の放射用導体面304と第2の誘電体302が形成され、第2の誘電体302にはさらに第1の放射用導体面301が形成され、第1の放射用導体面301と第2の放射用導体面304とを接続するために、接続用導体303が形成されている。
また、第1の誘電体305の他方の面には、第2のグランド用導体面306と第2の誘電体307が形成され、第2の誘電体307にはさらに第1のグランド用導体面310が形成され、第1のグランド用導体面310と第2のグランド用導体面306とを接続するために、接続用導体308が形成されている。また、貫通導体309が給電部311と第1の放射用導体面301を電気的に接続し、給電部から信号を入力することができるようになっている。
また、第1の誘電体305の他方の面には、第2のグランド用導体面306と第2の誘電体307が形成され、第2の誘電体307にはさらに第1のグランド用導体面310が形成され、第1のグランド用導体面310と第2のグランド用導体面306とを接続するために、接続用導体308が形成されている。また、貫通導体309が給電部311と第1の放射用導体面301を電気的に接続し、給電部から信号を入力することができるようになっている。
本構造により、第2の放射用導体面304と第2のグランド用導体面306との間には第1の誘電体305のみとなり、第1の誘電体305を湾曲可能な材料とすることで、湾曲部が形成できるパッチアンテナとすることができる。また、放射に最も寄与する第1の放射用導体面301と第1のグランド用導体面310の間の第2の誘電体302、307の厚さを十分厚くすることで、アンテナ特性のよい湾曲可能なパッチアンテナを提供することができる。
以上の第1〜第3の実施形態(図1〜図3を参照)においては、第1および第2の放射用導体面は電気的に接続された長方形状である場合を示しているが、例えば図3の場合、この第1および第2の放射用導体面がなす長方形状の、C−C’方向に平行な辺の長さLRを、給電部から入力される信号の周波数によって共振する長さとし、この辺に交わるように第2の誘電体層の非形成領域を設けるようにすることができる。この場合、共振によりアンテナの放射効率を上げることができ、かつ、アンテナ素子を湾曲可能とすることができる。
図4の(a)、(b)は、本発明のパッチアンテナ素子の第4の実施形態を示す模式構成の正面図と断面図である。
図4の(a)、(b)に示したように、長方形の平板状の第1の誘電体405の一方の面に第2の放射用導体面404と第2の誘電体402が形成され、第2の誘電体402にはさらに第1の放射用導体面401が形成され、第1の放射用導体面401と第2の放射用導体面404とを接続するために、接続用導体403が形成されている。また、第1の誘電体405の他方の面にはグランド用導体面407が形成されている。また、貫通導体406が給電部408と第1の放射用導体面401を電気的に接続し、給電部から信号を入力することができるようになっている。
本構造により、第2の放射用導体面404とグランド用導体面407との間には第1の誘電体405のみとなり、第1の誘電体405を湾曲可能な材料とすることで、湾曲部が形成できるパッチアンテナとすることができ、放射に最も寄与する第1の放射用導体面401とグランド用導体面407の間の誘電体の厚さを十分厚くすることで、アンテナ特性のよい湾曲可能なパッチアンテナを提供することができる。
図4に示した本実施形態においては、第1および第2の放射用導体面は接続用導体によって電気的に接続された円形状である場合を示している。この第1および第2の放射用導体面がなす円形状の半円周の長さを、給電部から入力される信号の周波数によって共振する長さLRとし、この円形状の直径を中心とし円周に交わるように第2の誘電体層の非形成領域を設けることにより、共振によりアンテナの放射効率を上げることができ、かつ、アンテナ素子を湾曲可能とすることができる。
図5の(a)、(b)は、本発明のパッチアンテナ素子の第5の実施形態を示す模式構成の正面図と断面図である。
図5の(a)、(b)に示したように、長方形の平板状の第1の誘電体505の一方の面に第2の放射用導体面504と第2の誘電体502が形成され、第2の誘電体502にはさらに第1の放射用導体面501が形成され、第1の放射用導体面501と第2の放射用導体面504とを接続するために、接続用導体503が形成されている。また、第1の誘電体505の他方の面にはグランド用導体面507が形成されている。また、貫通導体506が給電部508と第1の放射用導体面501を電気的に接続し、給電部から信号を入力することができるようになっている。
本構造により、第2の放射用導体面504とグランド用導体面507との間には第1の誘電体505のみとなる箇所が2箇所あり、第1の誘電体505を湾曲可能な材料とすることで、湾曲部が形成できる箇所を複数有したパッチアンテナとすることができる。また、放射に最も寄与する第1の放射用導体面501とグランド用導体面507の間の第2の誘電体502の厚さを十分厚くすることで、アンテナ特性のよい湾曲可能なパッチアンテナを提供することができる。
図6の(a)、(b)は、本発明のパッチアンテナ素子の第6の実施形態を示す模式構成の正面図と断面図である。
図6の(a)、(b)に示したように、長方形の平板状の第1の誘電体605の一方の面に第2の放射用導体面604と第1の誘電体より小さい第2の誘電体602が形成され、第2の誘電体602にはさらに第1の放射用導体面601が形成され、第1の放射用導体面601と第2の放射用導体面604とを接続するために、接続用導体603が形成されている。また、第1の誘電体605の他方の面にはグランド用導体面607が形成されている。また、貫通導体606が給電部608と第1の放射用導体面601を電気的に接続し、給電部から信号を入力することができるようになっている。
本構造により、第2の放射用導体面604とグランド用導体面607との間には第1の誘電体605のみとなり、第1の誘電体605を湾曲可能な材料とすることで、湾曲部が形成できるパッチアンテナとすることができる。
また、給電部608から入力される信号の周波数によって共振する辺または弧の長さをLRとしたとき、第2の誘電体602の非形成領域を、前記辺または弧の中点の両側LR/4の範囲内に設けるようにする。つまり、図6(a)において第2の誘電体602の非形成領域の幅をLTとすると、LT≦LR/2、である。このとき、LRの中点と、第2の誘電体602の非形成領域の中心は必ずしも一致しなくてもよい。
図6(b)に示すように、前記辺または弧の中央部に生じる電界は小さいので、この部分の放射用導体面とグランド用導体面の距離は小さくしても、放射強度全体としての影響は小さい。逆に、前記辺または弧の端部には、放射に大きく寄与する電界が生じているので、この部分の放射用導体面とグランド用導体面の距離を長くすることでアンテナ特性のよい湾曲可能なパッチアンテナを提供することができる。
図7の(a)、(b)は、本発明のパッチアンテナ素子の第7の実施形態を示す模式構成の正面図と断面図である。
図7の(a)、(b)に示したように、長方形の平板状の第1の誘電体705の一方の面に第2の放射用導体面704と第1の誘電体より小さい第2の誘電体702が形成され、第2の誘電体702にはさらに第1の放射用導体面701が形成され、第1の放射用導体面701と第2の放射用導体面704とを接続するために、接続用導体703が形成されている。また、第1の誘電体705の他方の面にはグランド用導体面707が形成されている。また、貫通導体706が給電部708と第1の放射用導体面701を電気的に接続し、給電部から信号を入力することができるようになっている。
本構造により、第2の放射用導体面704とグランド用導体面707との間には第1の誘電体705のみとなるだけでなく、本アンテナの端部も第1の誘電体のみとなり、第1の誘電体705を湾曲可能な材料とすることで、第2の放射用導体面704の部分だけでなく、アンテナの端部が湾曲可能なパッチアンテナを提供することができる。また、放射に最も寄与する第1の放射用導体面701とグランド用導体面707の間の誘電体の厚さを十分厚くすることで、アンテナ特性のよい湾曲可能なパッチアンテナを提供することができる。
以上の第1〜第3および第5〜第7の実施形態においては、放射用導体面、誘電体、グランド用導体面の面内方向の形状が長方形状の場合を示している。しかし、放射用導体面の面内方向の外形が、誘電体やグランド用導体面の面内方向の外形からはみ出さないような配置であれば、これらの形状は長方形に限られるものではない。
すなわち第1〜第3および第5〜第7の実施形態において、放射用導体面の面内方向の外形を円形状、楕円状、小判状やその他の形状としたり、さらに誘電体やグランド用導体面の面内方向の外形を、それと同じかひと回り大きな円形状や楕円形状、楕円状、小判状やその他の形状としたりすることが可能である。
また図8に示すように、本発明のパッチアンテナの給電部に、送受信データを記憶する領域と、通信を行うのに必要な電源電圧を発生する電源回路と通信を制御する制御回路とを備えた回路素子808を接続すれば、パッチアンテナとして利用することが可能である。
以上の説明では信号の周波数が2.4GHz帯の場合について示したが、2.4GHz付近だけでなく、ミリ波、マイクロ波で特にその性能を発揮する。また、本発明の活用例としては、Zigbee、Bluetooth、無線LANなどの無線ネットワークが挙げられる。
101・・・・第1の放射用導体面
102・・・・第2の誘電体
103・・・・接続用導体
104・・・・第2の放射用導体面
105・・・・第1の誘電体
106・・・・貫通導体
107・・・・グランド用導体面
108・・・・給電部
201・・・・放射用導体面
202・・・・第1の誘電体
203・・・・第2の誘電体
204・・・・第2のグランド用導体面
205・・・・接続用導体
206・・・・貫通導体
207・・・・第1のグランド用導体面
208・・・・給電部
301・・・・第1の放射用導体面
302・・・・第2の誘電体
303・・・・接続用導体
304・・・・第2の放射用導体面
305・・・・第1の誘電体
306・・・・第2のグランド用導体面
307・・・・第2の誘電体
308・・・・接続用導体
309・・・・貫通導体
310・・・・第1のグランド用導体面
311・・・・給電部
401・・・・第1の放射用導体面
402・・・・第2の誘電体
403・・・・接続用導体
404・・・・第2の放射用導体面
405・・・・第1の誘電体
406・・・・貫通導体
407・・・・グランド用導体面
408・・・・給電部
501・・・・第1の放射用導体面
502・・・・第2の誘電体
503・・・・接続用導体
504・・・・第2の放射用導体面
505・・・・第1の誘電体
506・・・・貫通導体
507・・・・グランド用導体面
508・・・・給電部
601・・・・第1の放射用導体面
602・・・・第2の誘電体
603・・・・接続用導体
604・・・・第2の放射用導体面
605・・・・第1の誘電体
606・・・・貫通導体
607・・・・グランド用導体面
608・・・・給電部
701・・・・第1の放射用導体面
702・・・・第2の誘電体
703・・・・接続用導体
704・・・・第2の放射用導体面
705・・・・第1の誘電体
706・・・・貫通導体
707・・・・グランド用導体面
708・・・・給電部
801・・・・第1の放射用導体面
802・・・・第2の誘電体
803・・・・接続用導体
804・・・・第2の放射用導体面
805・・・・第1の誘電体
806・・・・貫通導体
807・・・・グランド用導体面
808・・・・回路素子
901・・・・放射用導体面
902・・・・誘電体
903・・・・貫通導体
904・・・・グランド用導体面
905・・・・給電部
102・・・・第2の誘電体
103・・・・接続用導体
104・・・・第2の放射用導体面
105・・・・第1の誘電体
106・・・・貫通導体
107・・・・グランド用導体面
108・・・・給電部
201・・・・放射用導体面
202・・・・第1の誘電体
203・・・・第2の誘電体
204・・・・第2のグランド用導体面
205・・・・接続用導体
206・・・・貫通導体
207・・・・第1のグランド用導体面
208・・・・給電部
301・・・・第1の放射用導体面
302・・・・第2の誘電体
303・・・・接続用導体
304・・・・第2の放射用導体面
305・・・・第1の誘電体
306・・・・第2のグランド用導体面
307・・・・第2の誘電体
308・・・・接続用導体
309・・・・貫通導体
310・・・・第1のグランド用導体面
311・・・・給電部
401・・・・第1の放射用導体面
402・・・・第2の誘電体
403・・・・接続用導体
404・・・・第2の放射用導体面
405・・・・第1の誘電体
406・・・・貫通導体
407・・・・グランド用導体面
408・・・・給電部
501・・・・第1の放射用導体面
502・・・・第2の誘電体
503・・・・接続用導体
504・・・・第2の放射用導体面
505・・・・第1の誘電体
506・・・・貫通導体
507・・・・グランド用導体面
508・・・・給電部
601・・・・第1の放射用導体面
602・・・・第2の誘電体
603・・・・接続用導体
604・・・・第2の放射用導体面
605・・・・第1の誘電体
606・・・・貫通導体
607・・・・グランド用導体面
608・・・・給電部
701・・・・第1の放射用導体面
702・・・・第2の誘電体
703・・・・接続用導体
704・・・・第2の放射用導体面
705・・・・第1の誘電体
706・・・・貫通導体
707・・・・グランド用導体面
708・・・・給電部
801・・・・第1の放射用導体面
802・・・・第2の誘電体
803・・・・接続用導体
804・・・・第2の放射用導体面
805・・・・第1の誘電体
806・・・・貫通導体
807・・・・グランド用導体面
808・・・・回路素子
901・・・・放射用導体面
902・・・・誘電体
903・・・・貫通導体
904・・・・グランド用導体面
905・・・・給電部
Claims (5)
- 放射用導体面と誘電体とグランド用導体面を備えたパッチアンテナ素子であって、
前記誘電体は放射用導体面とグランド用導体面の間に挟まれ、かつ複数の誘電体層を有し、
前記複数の誘電体層のうち、少なくとも1つの層(第1の誘電体層と呼ぶ)は前記グランド用導体面の面内方向の外形と同じかまたはより大きい外形を有し、
第1の誘電体層の少なくとも片方の面の上に、別の1つ以上の層(第2の誘電体層と呼ぶ)が、少なくとも1以上の非形成領域を有して形成され、
前記グランド用導体面に形成されたグランド用導体除去領域に、前記複数の誘電体層を貫通して前記放射用導体面と電気的に接続するよう形成された貫通導体とを有し、
前記第1の誘電体層が湾曲可能な材料によって構成されていることを特徴とするパッチアンテナ素子。 - 前記放射用導体面が、前記貫通導体のグランド用導体面の側の端部である給電部より入力される信号の周波数によって共振する長さLRの辺または弧をもつ形状であった場合に、前記第2の誘電体層の非形成領域の少なくとも1つが、前記放射用導体面の共振する長さの辺または弧に交わるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のパッチアンテナ素子。
- 前記給電部から入力される信号の周波数によって共振する長さLRの辺または弧をもつ放射用導体面を有し、前記第2の誘電体層の非形成領域が1つで、かつ、前記辺または弧の中点の両側LR/4の範囲内に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のパッチアンテナ素子。
- 前記第2の誘電体層が、前記第1の誘電体層および前記グランド用導体面より小さいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のパッチアンテナ素子。
- 通信すべきデータおよび受信して得られたデータを記憶する記憶領域と、通信を行うのに必要な電源電圧を発生する電源回路と、通信を制御する制御回路とを備えた回路素子が、請求項1〜4のいずれかに記載のパッチアンテナ素子の給電部に接続されていることを特徴とするパッチアンテナ。
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