(本発明の第1の実施形態) サポーター100は、腰用のサポーターとして用いられるもので、図1及び図2に示すように、大別すると、本体部10と、係着部(例えば、面ファスナー20)と、一対の第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32と、一対の第1のリング部41及び第2のリング部42と、一対の第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52と、を備える。
本体部10は、帯状体からなり、当該帯状体の略中央の中央部分に配設され、着用者の背部に当接させる背当部11と、背当部11の両側の両端部分に配設され、本体部10の両端部分の上辺12a及び下辺12bを略平行とし、背当部11の下辺11bと上辺12a及び下辺12bとのなす角をθ1(例えば、θ1=12°〜14°)として上向きに突出した突出部12と、を備える。また、本体部10は、背当部11の上辺11aの中点と下辺11bの中点とを結ぶ線分を対称軸として線対称の平面形状であり、着用者の腰部に裏地面(図1(b)参照)を当接して周回される。
なお、背当部11と突出部12とは、ポリエステル糸を用いてニードル織機により製織されるグログランテープ13により本体部10の表地面及び裏地面から挟持してグログランテープ13の縁端部を縫製することで連結される。 また、本体部10の表地面及び裏地面から挟持したグログランテープ13に対する内層は、背当部11の素材と突出部12の素材とを重畳させずに平坦にすることにより、サポーター100の薄地化を図り、すっきりとした装着感を実現すると共に、サポーター100上に重ね着を行ってもアウターウェアに影響し難いものである。 特に、背当部11及び突出部12の素材同士を千鳥縫い(ジグザグ縫い)により縫製することで、サポーター100の薄さを維持しつつ、サポーター100の激しい使用にも耐え得る耐久性を実現することができる。
また、本実施形態に係る本体部10は、背当部11、突出部12及びグログランテープ13の縁(断ち目)をバインダーテープ14で挟み込み縫い付けている(バインダー)が、縁縫いやバイアス縁どり縫い等により、背当部11、突出部12及びグログランテープ13の断ち目におけるほつれ防止や装飾を施してもよい。特に、突出部12の断ち目のバインダーは、千鳥縫い(ジグザグ縫い)によりバインダーテープ14を縫い付けることにより、隣り合う縫い目が密集しないため、突出部12の長手方向Lの伸縮性を抑制することがないために好ましい。
なお、本実施形態に係る背当部11は、上辺11aと突出部12の上辺12aとを略S字状に連続させるように、上辺11a(上底)の両端にある角部を湾曲させた略等脚台形の平面形状であり、平行でない対辺(左辺11c、右辺11d)と背当部11の下辺11b(下底)とのなす角θ2が、90°−θ1(例えば、θ1=12°〜14°の場合は、θ2=76°〜78°)である。
また、本実施形態に係る背当部11は、裏地面に開口部11eを有する袋状体であり、剛性が高く伸縮性を有しない硬質の板状体からなる押圧部60を中敷として当該袋状体の内部に挿抜可能とする構成であるが、背当部11が伸縮性を有しないものであれば、押圧部60を挿入する必要はなく、袋状体である必要もない。
なお、背当部11を袋状体にし、押圧部60の挿抜を可能にすることは、押圧部60の有無や押圧部60の材質の変更等により、背当部11の硬度の調整を行なうことができると共に、背当部11から押圧部60を取り外すことで、サポーター100を洗濯することができ、衛生的であるために好ましい。 また、背当部11を袋状体にすることは、着用者のニーズに応じた付属品を収容することができ、例えば、懐炉を収納してサポーター100の保温力を高めるなど、サポーター100の利便性を向上することができるために好ましい。
また、本実施形態に係る背当部11は、ナイロン糸を用いてダブルラッセル経編機で編み立てられるメッシュ素材(ラッセルメッシュ11f)を表地に使用することで、袋状体の内部に溜まる繊維屑などの異物を編目から外部に排出することができ、衛生的であると共に、背当部11における通気性を向上することができる。また、本実施形態に係る背当部11は、ラッセルメッシュ11fの仕上げに樹脂加工を施し、経編地の硬度を上げ、着用者の背部に対するサポーター100の支持力を強化している。
さらに、本実施形態に係る背当部11は、ポリウレタン糸及び耐熱性のあるポリエステル糸を用いてクロッシェ経編機で編み立てられるクロシェ編み素材(クロシェ編地11g)を裏地に使用することで、感触が柔らかく、着用者の背部に対する肌
触りがよく、2枚のクロシェ編地11gを開口部11eで重ね合わせることで、袋状体の内部に収納した懐炉などの付属品が開口部11eから脱落することを防止することができる。
また、本実施形態に係る背当部11は、裏地として樹脂加工を施さない経編地を用いることで、編地を裁断しても編糸が断ち目からほつれることがなく、自由な形状に加工することができると共に、袋状体に付属品を挿入可能な所望の伸縮性を与えることができる。
なお、経編機は、針を多様に使用して柄に特化した編み(ラッセル編み)を形成するラッセル経編機と、柄を想定せずに高生産に特化した編み(トリコット編み)を形成するトリコット経編機とに大別される。また、ラッセル経編機は、ダブルラッセル経編機、ラッセリーナ経編機、レース経編機又はクロッシェ経編機(かぎ針編機)等に細分化される。
また、経編は、縦方向(編み立て方向)に編目を作っていき、1本ずつ平行に並べられた数多くの経糸(整経糸)を用い、これをそれぞれ結合させて編地を作る。
結合方法には、様々な種類があるが、代表的なものとして、隣同士の経糸を互いに絡ませ合いながら全体として編地を作る方法や、経糸のそれぞれ1本ずつで、独立した多くの鎖編をつくり、これに対して別に用意したもう一組の経糸を挿入して、鎖編の数本ずつを取り纏めながら横方向に連絡し、全体として編地を形成する方法が挙げられる。
また、経編は、ほつれ難く、横方向(編み立て方向に垂直な方向)の伸びが少ないうえに、高生産性があり、編幅が大きいなどの特徴がある。
本実施形態に係る押圧部60は、溶融点が105℃〜120℃のポリエチレン素材よりも耐熱性に優れる、溶融点が150℃〜160℃のポリプロピレン(PP:polypropylene)製の樹脂パネルを使用することで、背当部11に懐炉を収納する場合に、懐炉の発熱による変形を抑制することができる。
また、本実施形態に係る押圧部60は、図2(b)に示すように、背当部11の平面形状に沿う略等脚台形の平面形状であり、4つの角部を丸め、上底61及び下底62の中央に凹部63を形成した形状であることにより、上底61の中点と下底62の中点とを結ぶ線分を基準として押圧部60が捩れ易く、捩れに対して反発力を生じ、着用者の動きに対して軸足を補助して、着用者の歩行を円滑にする。また、押圧部60に凹部63を形成しない樹脂パネルであれば、上底61の中点と下底62の中点とを結ぶ線分を基準として押圧部60が湾曲された場合に、上底61のうち中央が最も高く突出することになり、押圧部60の突出部分が着用者の背部に当たり痛みを生じることになるため、上底61の中央に凹部63を形成することが好ましい。
本実施形態に係る突出部12は、背当部11の両側に配設される伸縮性を有する領域(以下、伸縮部12dと称す)と、伸縮部12dに隣接して配設される伸縮性を有しない領域(以下、非伸縮部12eと称す)と、からなり、以下、本発明の一態様として、伸縮性を有する基材上に非伸縮性の部材を配設させる場合について説明する。
突出部12は、基材として、ニードル織機により製織され、ポリウレタン糸及びポリエステル糸に加えて、生地の折れを防ぐためにナイロン製のモノフィラメント(単繊維)糸を織り込んだパワーネット生地12cからなり、長手方向Lの伸縮性を与えると共に、短手方向Sの伸縮性を抑制した織地である。
なお、通常のモノフィラメント糸(例えば、1本当たり600デニール)を突出部12に用いた場合には、1本のモノフィラメント糸が太く、針金のような縦糸であるため、モノフィラメント糸の先端がカット辺から飛び出し、着用者に突き刺さる恐れがある。
このため、本実施形態に係る突出部12は、ローカウント(低い番手)のモノフィラメント糸(例えば、1本当たり50デニール)の集合糸(例えば、10本)を用いて、所望の硬度及び通気性を維持したまま、モノフィラメント糸の先端がカット辺から飛び出すことを抑制し、モノフィラメント糸が仮に飛び出したとしても、1本のモノフィラメント糸の太さが細いため、モノフィラメント糸の先端が着用者に突き刺さることはなく、着用者の肌への刺激を軽減することができる。
また、本実施形態に係る突出部12は、突出部12の仕上げに樹脂濃度の高い樹脂加工を施し、織地の硬度を更に上げ、着用者の前腹部及び側腹部に対するサポーター100の支持力を強化すると共に、織地自体がメッシュ構造のため通気性がよい。
係着部は、本体部10の両端(左端10a、右端10b)の表地面及び本体部10の左端10a又は右端10bの裏地面に配設され、本体部10の異なる面を係着させる。なお、本実施形態においては、係着部として面ファスナー20を用いたサポーター100について説明するが、本体部10の両端部分を係着できるのであれば面ファスナー20に限られるものではなく、例えば、ボタン、ドットボタン、スナップ、フック、尾錠、ファスナー(ジッパー、チャック)、前かん、又は、スピンドルストッパなどを用いてもよい。
また、本実施形態に係る本体部10は、図1(a)に示す表地面における両端(左端10a,右端10b)側に面ファスナー20のループ21が配設され、図1(b)に示す裏地面における右端10b側に面ファスナー20のフック22aが配設されているが、フック22aを表地面に配設させてループ21を裏地面に配設させてもよいし、裏地面におけるフック22aを配設する側を右端10b側から左端10a側に変更して配設させてもよい。
なお、本実施形態に係るサポーター100は、面ファスナー20のループ21の縁(断ち目)を、突出部12と共にバインダーテープ14で挟み込み縫い付けられている。 また、本実施形態に係るサポーター100は、バインダーテープ14の一端を本体部10の右端10bに配設させ、本体部10を周回したバインダーテープ14の他端を本体部10の裏地面側に配設させ、面ファスナー20のフック22a及び突出部12(パワーネット生地12c)間でバインダーテープ14の他端を挟み込み、突出部12(パワーネット生地12c)へのフック22aの縫い付けと同時にバインダーテープ14の他端を縫い付ける。この構成により、サポーター100の製造工程を簡略化することができると共に、バインダーテープ14の他端がサポーター100の表面から突出することを抑制し、サポーター100の美観を損なうことがない。
また、本実施形態に係るサポーター100は、本体部10の両端の面ファスナー20(ループ21)が伸縮性を有しないため、本体部10(突出部12)の上辺12a及び下辺12b間を横断して背当部11(グログランテープ13)の両側に配設される、背当部11(グログランテープ13)及びループ21間の領域のみが、突出部12において伸縮性を有することになる。すなわち、突出部12においては、ループ21が配設される領域が非伸縮部12eに相当し、ループ21が配設されていない領域(グログランテープ13及びループ21間の領域)が伸縮部12dに相当する。なお、突出部12の伸縮部12dは、後述の第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32の伸縮性より高い伸縮性を有する。
本実施形態に係る一対の補助バンド部は、長手方向に伸縮性を有する二本の帯状体(第1の補助バンド部31と第2の補助バンド部32)からなり、背当部11上において当該二本の帯状体が交差するように固定される。 第1の補助バンド部31は、第1の補助バンド部31の長手方向に伸縮性を有する帯状体からなり、当該帯状体の一端31aが本体部10の表地面における背当部11の上辺11aの一端(例えば、左辺11cの上端)に固定され、当該帯状体の他端31bが本体部10の表地面における背当部11の側辺の一方(例えば、右辺11d)の下端に固定される。
なお、本実施形態に係る第1の補助バンド部31の一端31aは、図1(a)に示すように、背当部11の上辺11aの一端(左辺11cの上端)において、一部が背当部11(ラッセルメッシュ11f)及びグログランテープ13間で挟み込み縫い付けられ、残りの部分が背当部11(ラッセルメッシュ11f)と共にバインダーテープ14で挟み込み縫い付けられている。また、本実施形態に係る第1の補助バンド部31の他端31bは、図1(a)に示すように、背当部11の側辺の一方(右辺11d)の下端において、突出部12(パワーネット生地12c)及びグログランテープ13間で挟み込み縫い付けられている。
第2の補助バンド部32は、第2の補助バンド部32の長手方向に伸縮性を有する帯状体からなり、当該帯状体の一端32aが本体部10の表地面における背当部11の上辺11aの他端(例えば、右辺11dの上端)に固定され、当該帯状体の他端32bが本体部10の表地面における背当部11の側辺の他方(例えば、左辺11c)の下端に固定され、第1の補助バンド部31と対をなす。
特に、第1の補助バンド部31と第2の補助バンド部32とは、背当部11の平面形状が略等脚台形であり、背当部11の上辺11a(上底)の長さが下辺11b(下底)の長さよりも短いことにより、背当部11(ラッセルメッシュ11f)の上辺11a寄りで交差することになる。なお、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32の交差部分として、第2の補助バンド部32が第1の補助バンド部31上を跨る構成を、図1(a)、図1(e)及び図1(f)、図2(a)、図5(b)及び図5(c)、並びに、図6(b)及び図6(c)に図示しているが、第1の補助バンド部31が第2の補助バンド部32上を跨る構成であってもよい。
なお、本実施形態に係る第2の補助バンド部32の一端32aは、図1(a)に示すように、背当部11の上辺11aの他端(右辺11dの上端)において、一部が背当部11(ラッセルメッシュ11f)及びグログランテープ13間で挟み込み縫い付けられ、残りの部分が背当部11(ラッセルメッシュ11f)と共にバインダーテープ14で挟み込み縫い付けられている。また、本実施形態に係る第2の補助バンド部32の他端32bは、図1(a)に示すように、背当部11の側辺の他方(左辺11c)の下端において、突出部12(パワーネット生地12c)及びグログランテープ13間で挟み込み縫い付けられている。
なお、本実施形態に係る第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32は、ポリウレタン糸及びポリエステル糸を用いてニードル織機により製織される織りゴムであり、弾性繊維の素材としてポリウレタンを使用することにより、耐久性(耐熱性)に優れると共に、弾性繊維の素材として生ゴムを使用する場合に生じるアレルギー反応(過敏性反応)を抑制し、着用者の肌に優しい。
第1のリング部41は、環状であり、第1の補助バンド部31の一端31a及び他端32b間を摺動可能に配設される。
第2のリング部42は、環状であり、第2の補助バンド部32の一端32a及び他端32b間を摺動可能に配設され、第1のリング部41と対をなす。
なお、本実施形態に係る第1のリング部41及び第2のリング部42は、金型成形機により成形される平カンであり、素材としてポリアセタールを使用することにより、高硬度、柔軟性及び耐熱性を兼ね備える。
本実施形態に係る一対の調節バンド部は、伸縮性を有する二本の帯状体(第1の調節バンド部51と第2の調節バンド部52)からなる。 第1の調節バンド部51は、第1のリング部41に遊挿され、第1の補助バンド部31の伸縮性より低い伸縮性の帯状体からなり、当該帯状体の一端51aが本体部10の表地面における本体部10の右端10b側の突出部12の非伸縮部12eに固定され、当該帯状体の他端51bが本体部10の表地面における当該本体部10の右端10b側の突出部1
2の伸縮部12d以外に係着可能である。 また、第1の調節バンド部51の一端51aの固定位置及び他端51b側の係着位置は、サポーター100の平置き状態(図1(a)参照)における、自然長の第1の補助バンド部31に束縛される第1のリング部41の可動域のうち、当該第1の補助バンド部31の一端31a及び他端31bから最も離間した位置(屈曲部31c)に対して、本体部10の右端10b側である。
なお、本実施形態に係る第1の調節バンド部51は、ポリプロピレン糸及びポリエステル糸を用いてニードル織機により製織されるPPテープを基材とし、突出部12の短手方向Sの略中央における面ファスナー20のループ21及び突出部12(パワーネット生地12c)間で第1の調節バンド部51(基材)の一端51aを挟み込み、突出部12(パワーネット生地12c)へのループ21の縫い付けと同時に一端51aが縫い付けられている。
また、本実施形態に係る第1の調節バンド部51は、第1の調節バンド部51(基材)の他端51bにおける、本体部10の右端10b側の係着部(例えば、面ファスナー20のループ21)に対向する面に、本体部10の右端10b側の係着部に係着する係着部(例えば、面ファスナー20のフック22b、図2(a)参照)を縫製により配設される。 なお、本実施形態においては、第1の調節バンド部51の他端51b側の係着部として面ファスナー20のフック22bを用い、本体部10の右端10b側の面ファスナー20のループ21に係着させる構成であるが、この構成に限られるものではない。 例えば、本体部10の異なる面を係着させるために用いる係着部として、面ファスナー20のループ21及びフック22aを用いるのではなく、前述したボタン等を用いる場合には、第1の調節バンド部51の他端51b側のフック22bに係着する面ファスナー(ループ)を本体部10の右端10b側における突出部12の伸縮部12d以外(例えば、第1の調節バンド部51上)に新たに配設させてもよい。 なお、本体部10の異なる面を係着させるために用いる係着部と、第1の調節バンド部51の他端51bを本体部10の突出部12に係着させる係着部と、を共通させることは、サポーター100の部材点数及び製造工程を削減することができるために好ましい。
また、本実施形態に係る第1の調節バンド部51は、他端51bとなる基材の端部を折り返し(返し構造)、面ファスナー20のフック22bを折り返し部分(返し構造)に重畳させて縫製することにより、他端51bの厚みが厚くなり、第1のリング部41からの第1の調節バンド部51の脱落を防止すると共に、着用者が他端51bを把持し易く、使い易いサポーター100を得ることができる。
第2の調節バンド部52は、第2のリング部42に遊挿され、第2の補助バンド部32の伸縮性より低い伸縮性の帯状体からなり、当該帯状体の一端52aが本体部10の表地面における本体部10の左端10a側の突出部12の非伸縮部12eに固定され、当該帯状体の他端52bが本体部10の表地面における当該本体部10の左端10a側の突出部12の伸縮部12d以外に係着可能であり、第1の調節バンド部51と対をなす。 また、第2の調節バンド部52の一端52aの固定位置及び他端52b側の係着位置は、サポーター100の平置き状態(図1(a)参照)における、自然長の第2の補助バンド部32に束縛される第2のリング部42の可動域のうち、当該第2の補助バンド部32の一端32a及び他端32bから最も離間した位置(屈曲部32c)に対して、本体部10の左端10a側である。
なお、本実施形態に係る第2の調節バンド部52は、ポリプロピレン糸及びポリエステル糸を用いてニードル織機により製織されるPPテープを基材とし、突出部12の短手方向Sの略中央における面ファスナー20のループ21及び突出部12(パワーネット生地12c)間で第2の調節バンド部52(基材)の一端52aを挟み込み、突出部12(パワーネット生地12c)へのループ21の縫い付けと同時に一端52aが縫い付けられている。
また、本実施形態に係る第2の調節バンド部52は、第2の調節バンド部52(基材)の他端52bにおける、本体部10の左端10a側の係着部(例えば、面ファスナー20のループ21)に対向する面に、本体部10の左端10a側の係着部に係着する係着部(例えば、面ファスナー20のフック22c、図2(a)参照)を縫製により配設させる。 なお、本実施形態においては、第2の調節バンド部52の他端52b側の係着部として面ファスナー20のフック22cを用い、本体部10の左端10a側の面ファスナー20のループ21に係着させる構成であるが、この構成に限られるものではない。 例えば、本体部10の異なる面を係着させるために用いる係着部として、面ファスナー20のループ21及びフック22aを用いるのではなく、前述したボタン等を用いる場合には、第2の調節バンド部52の他端52b側のフック22cに係着する面ファスナー(ループ)を本体部10の左端10a側における突出部12の伸縮部12d以外(例えば、第2の調節バンド部52上)に新たに配設させてもよい。 なお、本体部10の異なる面を係着させるために用いる係着部と、第2の調節バンド部52の他端52bを本体部10の突出部12に係着させる係着部と、を共通させることは、サポーター100の部材点数及び製造工程を削減することができるために好ましい。
また、本実施形態に係る第2の調節バンド部52は、他端52bとなる基材の端部を折り返し(返し構造)、面ファスナー20のフック22cを折り返し部分(返し構造)に重畳させて縫製することにより、他端52bの厚みが厚くなり、第2のリング部42からの第2の調節バンド部52の脱落を防止すると共に、着用者が他端52bを把持し易く、使い易いサポーター100を得ることができる。
特に、本実施形態に係るサポーター100は、第1の補助バンド部31の自然長が、背当部11の上辺11aの一端(左辺11cの上端)及び背当部11の側辺の一方(右辺11d)の下端間の間隔よりも長く、第2の補助バンド部32の自然長が、背当部11の上辺11aの他端(右辺11dの上端)及び背当部11の側辺の他方(左辺11c)の下端間の間隔よりも長い。
このため、第1の補助バンド部31は、第1の調節バンド部51(第1のリング部41)からの引張荷重を受けていない状態(弛緩状態)においても、湾曲部分(第1のリング部41に係合する屈曲部31c)が生じており、サポーター100を着用して第1の調節バンド部51を前方に押し出す場合に、第1の補助バンド部31の伸長方向が特定され、第1の補助バンド部31の伸び初めの抵抗が小さく、円滑に押し出すことができる。
同様に、第2の補助バンド部32は、弛緩状態においても、湾曲部分(第2のリング部42に係合する屈曲部32c)が生じており、サポーター100を着用して第2の調節バンド部52を前方に押し出す場合に、第2の補助バンド部32の伸長方向が特定され、第2の補助バンド部32の伸び初めの抵抗が小さく、円滑に押し出すことができる。
つぎに、サポーター100の本体部10及び係着部(面ファスナー20)による作用効果について、図3及び図4を用いて説明する。なお、図3(b)乃至図3(d)においては、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32、第1のリング部41及び第2のリング部42、並びに、第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52の図示を省略し、サポーター100の本体部10(突出部12)の伸縮方向を矢印にて図示している。
ここで、腰は、図3(a)に示すように、5個の骨が積み重なった腰椎201と骨盤202とから構成されている。また、腰椎201は、腹部にある側腹筋及び後腹筋などの腹筋群や背部にある浅背筋及び深背筋などの背筋群に支持されている。
このため、腰痛を緩和するには、外部から腰周りを保持し、図4(a)に示すように、腹部を下方から押し上げて腹腔203の圧力を高め、腰椎201を支持することが効果的である(腹腔圧上昇効果)。
また、正しい姿勢を保つことは、腰椎201を安定させることでもあり、図4(b)に示すように、腰部に最も負担がかかる後屈の動きを抑制することで、腰椎201への負担を軽減できる(後屈抑制)。
また、両側面側から腸骨205に圧力を加えて仙腸関節206を引き締めることにより、腰椎201の土台である仙骨204の揺動を抑制することができる(仙腸関節の安定)。
そこで、本実施形態に係るサポーター100は、背当部11の上辺11a(上底)の両端にある角部を湾曲させた略等脚台形の平面形状であり、背当部11の左辺11c及び右辺11dに対して左右の突出部12の長手方向Lが略垂直である。これにより、着用者がサポーター100を着用した状態において、図3に示すように、背当部11が着用者の背部における腰椎201に対応する部分に位置し、突出部12(上辺12a)が着用者の前腹部における肋骨(第十二肋骨)207に対応する部分から下方と着用者の側腹部における肋骨(第十二肋骨)207に対応する部分から下方(腸骨205近傍)とに位置することになる。
すなわち、本体部10の背当部11が着用者の腰椎201を支持しつつ、本体部10の突出部12が肋骨207に邪魔されることなく腹腔203を押圧することができ、着用者に腹腔圧上昇効果を与えると共に、腰部の後屈を抑制することができる。また、サポーター100は、本体部10の突出部12が着用者の前腹部における肋骨(第十二肋骨)207に対応する部分から下方に位置し、肋骨207を押圧しないため、腰部の前屈の動きを阻害することなく、前屈を容易に行なうことができる(日常動作に支障がない)と共に、着用者の胃を押圧しないため、胃への圧迫感がなく、サポーター100の装着感が良好である。
特に、サポーター100は、長手方向Lの伸縮性を与えると共に、短手方向Sの伸縮性を抑制した突出部12を用いる。これにより、図3(b)及び図3(d)に示すように、本体部10の伸縮力が前腹部から側腹部にかけて斜め上方(矢印方向)に作用することになり、腹部を下方から押し上げ、肋骨207内部の内臓をさらに押し上げ、内臓に加わった圧力を背骨に伝播して、背骨を内側からも支持することで、腹腔圧上昇効果及び後屈抑制をさらに高めることができる。また、本体部10の突出部12は、左右の伸縮部12d側から腸骨205を押圧して、仙腸関節206を引き締め、仙腸関節206を安定させることができる。
また、着用者がサポーター100を着用した場合に、本体部10の両端(左端10a、右端10b)は、着用者の前腹部に位置するため、本体部10の両端が着用者の前腹部を押圧することになる。この本体部10(突出部12)の両端には、伸縮性を有しない面ファスナー20(ループ21)が配設されるため、着用者の腹腔203に与える圧力が突出部12の伸長により突出部12の長手方向Lに分散されることを防止して、腹腔203に対して圧力を集中して与えることができ、腹腔圧上昇効果をさらに高めることができる。
特に、本実施形態に係るサポーター100は、図3(e)に示すように、本体部10の左端10a側の突出部12の上辺12a(下辺12b)と本体部10の右端10b側の突出部12の上辺12a(下辺12b)とが略V字形状になるように着用すること(V字型着用状態)により、着用者の下腹部を効果的に持ち上げることができ、腹腔圧上昇効果をさらに高めることができる。
つぎに、サポーター100が、本体部10及び係着部(面ファスナー20)に加え、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32、第1のリング部41及び第2のリング部42、並びに、第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52
を備えることによる作用効果について、サポーター100の着用手順と共に、図5及び図6を用いて説明する。
まず、着用者は、背当部11の内部に開口部11eを介して押圧部60を挿入し、第1の調節バンド部51のフック22bと本体部10(突出部12)の右端10b側のループ21との係着を解き、第2の調節バンド部52のフック22cと本体部10(突出部12)の左端10a側のループ21との係着を解いた状態にする。
そして、着用者は、図5に示すように、本体部10の背当部11を着用者の背部(第5腰椎近傍)に支持させたうえで、突出部12の伸縮部12dを長手方向Lの伸びの限界まで伸長させた状態において、本体部10を左端10a側から着用者の腰部に巻回させた後に、右端10b側から着用者の腰部に巻回させて、本体部10(突出部12)の右端10b側のフック22aを本体部10(突出部12)の左端10a側のループ21に係着させる。
この場合に、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32は、第1の調節バンド部51(第1のリング部41)及び第2の調節バンド部52(第2のリング部42)からの引張荷重を受けていないため、弛緩状態(自然長)であり、背当部11を押圧していない。
そして、着用者は、第1の調節バンド部51の他端51b及び第2の調節バンド部52の他端52bを片手でそれぞれ把持して第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52を前方に押し出す。
この場合に、第1のリング部41は、第1の調節バンド部51の他端51bの動きに追従して第1の調節バンド部51上を滑り、第1の補助バンド部31が伸縮性を有するため、前方に移動し、第1の補助バンド部31は、第1のリング部41の動きに追従して伸長する。 同様に、第2のリング部42は、第2の調節バンド部52の他端52bの動きに追従して第2の調節バンド部52上を滑り、第2の補助バンド部32が伸縮性を有するため、前方に移動し、第2の補助バンド部32は、第2のリング部42の動きに追従して伸長する。
また、突出部12の伸縮部12dには、第1の補助バンド部31、第1のリング部41及び第1の調節バンド部51、並びに、第2の補助バンド部32、第2のリング部42及び第2の調節バンド部52により、背当部11(グログランテープ13)及び面ファスナー20(ループ21)間の間隔を狭める方向に力が働くことになる。 しかしながら、本実施形態に係るサポーター100では、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32の伸縮性より高い伸縮性を有する伸縮部12dを長手方向Lの伸びの限界まで伸長させた状態において、本体部10の右端10b側のフック22aを本体部10の左端10a側のループ21に係着させているために、伸びきった伸縮部12dが縮み始める前に、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32が伸び始めることになり、伸縮部12dの伸びの分だけ背当部11及びループ21間の間隔を狭めることができ、伸縮部12dにおける皺の発生を抑制することができる。
なお、第1の補助バンド部31は、屈曲部31c及び他端31b間の織りゴムの伸びが限界値に達すると、第1のリング部41を上方に移動させ、屈曲部31c及び一端31a間の織りゴムを他端31b側に送出し、一端31a側の織りゴムと他端31b側の織りゴムとが相互に補完し合うことになる。 同様に、第2の補助バンド部32は、屈曲部32c及び他端32b間の織りゴムの伸びが限界値に達すると、第2のリング部42を上方に移動させ、屈曲部32c及び一端32a間の織りゴムを他端32b側に送出し、一端32a側の織りゴムと他端32b側の織りゴムとが相互に補完し合うことになる。
そして、図6に示すように、着用者は、腰部に対する所望の締め付け感が得られた段階で、第1の調節バンド部51のフック22bを本体部10(突出部12)の右端10b側のループ21に係着させ、第2の調節バンド部52のフック22cと本体部10(突出部12)の左端10a側のループ21係着させる。
この場合に、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32は、第1の調節バンド部51(第1のリング部41)及び第2の調節バンド部52(第2のリング部42)からの引張荷重を受けているため、緊張状態であり、一端(31a、32a)、他端(31b、32b)及び屈曲部(31c、32c)の三点支持による背当部11上で交差することにより、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32全体で背当部11を押圧し、着用者の腰全体を背当部11で支持する。
特に、本実施形態に係るサポーター100は、図1(a)に示すように、第1の補助バンド部31の他端31bが、第2の補助バンド部32の一端32aに対して、本体部10の右端10b側にあり、第2の補助バンド部32の他端32bが、第1の補助バンド部31の一端31aに対して、本体部10の左端10a側にある。この構成により、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32は、背当部11の中心より上方、すなわち、背当部11の上辺11a近傍で交差することになる(クロステーピング構造)。
なお、背当部11の上辺11a近傍は、本体部10の両端(左端10a、右端10b)の面ファスナー20(ループ21)から着用者の腹腔203に対して斜め上方に与える押圧力を受ける支持体として重要な部分である。
このため、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32は、背当部11の上辺11a近傍で交差し、交差部分では、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32が重畳して大きな押圧力を背当部11を介して着用者の下腹部に向けて斜め下方に与え、交差部分と面ファスナー20(ループ21)とのサンドイッチ構造により、サポーター100による腰部の安定性を向上する。
これに対し、背当部11の下辺11b近傍では、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32が当接されておらず、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32による直接的な押圧力が背当部11に与えられていない。しかしながら、第1の補助バンド部31の他端31b及び第2の補助バンド部32の他端32bは、背当部11に引張荷重を加え、この引張荷重は、背当部11の面で分散され、背当部11の下辺11b近傍の幅広い範囲に小さな押圧力として着用者の背部に与えている。
すなわち、本実施形態に係るサポーター100は、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32が背当部11の中心で交差する場合と比較して、着用者の背部において最も押圧すべき部分(第5腰椎近傍)を効率よく押圧すると共に、背当部11の上辺11a近傍に対する着用者の体表からのサポーター100の浮きを抑制しつつ、背当部11の下辺11b近傍にも若干の押圧力を与えて、サポーター100のフィット性を高めることができる。
なお、本実施形態に係るサポーター100は、図1(a)に示すように、第1の補助バンド部31として、一端31aが本体部10の表地面における背当部11の左辺11cの上端に固定され、他端31bが本体部10の表地面における背当部11の右辺11dの下端に固定されると共に、第2の補助バンド部32として、一端32aが本体部10の表地面における背当部11の右辺11dの上端に固定され、他端32bが本体部10の表地面における背当部11の左辺11cの下端に固定される構成について説明したが、この構成に限られるものではない。
例えば、サポーター100は、図7(a)に示すように、第1の補助バンド部31として、一端31aが本体部10の表地面における背当部11の上辺11aの一端(左辺11cの上端)に固定され、他端31bが本体部10の表地面における背当部11の側辺の一方(左辺11cの下端)に固定されると共に、第2の補助バンド部32として、一端32aが本体部10の表地面における背当部11の上辺11aの他端(右辺11dの上端)に固定され、他端32bが本体部10の表地面における背当部11の側辺の他方(右辺11dの下端)に固定される構成であってもよい。
なお、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32の交差部分として、第2の補助バンド部32が第1の補助バンド部31上を跨る構成を、図7(a)、図7(e)及び図7(f)に図示しているが、第1の補助バンド部31が第2の補助バンド部32上を跨る構成であってもよい。 また、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32は、背当部11の上辺11a近傍の交差部分において第1の補助バンド部31が第2の補助バンド部32上を跨り、背当部11の下辺11b近傍の交差部分において第2の補助バンド部32が第1の補助バンド部31上を跨る構成であってもよいし、その逆の構成であってもよい。
なお、本実施形態においては、サポーター100を腰用のサポーターとして用いる場合について説明したが、腹部用サポーター、骨盤用サポーター、又は、腸骨用サポーター等のサポーターとして用いることもできる。
(本発明の第2の実施形態) 図8(a)は第2の実施形態に係るサポーターの表地面を示す図であり、図8(b)は図8(a)に示すサポーターの裏地面を示す図であり、図8(c)は図8(a)に示すサポーターの左側面図であり、図8(d)は図8(a)に示すサポーターの右側面図であり、図8(e)は図8(a)に示すサポーターの上側面図であり、図8(f)は図8(a)に示すサポーターの下側面図である。図9(a)は図8に示すサポーターの着用方法を説明するための正面図であり、図9(b)は図8に示すサポーターの着用方法を説明するための背面図であり、図9(c)は図8に示すサポーターの着用方法を説明するための左側面図であり、図9(d)は図8に示すサポーターの着用方法を説明するための右側面図である。図10(a)は図9(a)に示すサポーターの着用方法の続きを説明するための正面図であり、図10(b)は図9(b)に示すサポーターの着用方法の続きを説明するための背面図であり、図10(c)は図9(c)に示すサポーターの着用方法の続きを説明するための左側面図であり、図10(d)は図9(d)に示すサポーターの着用方法の続きを説明するための右側面図である。図8及び図9において、図1、図5及び図6と同じ符号は、同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。
本実施形態に係る第1の調節バンド部51の一端51aは、本体部10の表地面における本体部10の右端10b側の突出部12の非伸縮部12eの下辺12b側に接して固定される。
また、本実施形態に係る第2の調節バンド部52の一端52aは、本体部10の表地面における本体部10の左端10a側の突出部12の非伸縮部12eの下辺12b側に接して固定される。
なお、この第2の実施形態においては、第1の調節バンド部51の一端51a及び第2の調節バンド部52の一端52aが突出部12の非伸縮部12eの下辺12b側に接して固定されるところのみが第1の実施形態と異なるところであり、後述する第1の調節バンド部51の一端51a及び第2の調節バンド部52の一端52aの固定位置による作用効果以外は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
第1の実施形態において、図5に示す状態で、着用者が、第1の調節バンド部51の他端51b及び第2の調節バンド部52の他端52bを片手でそれぞれ把持して第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52を前方に押し出し、サポーター100を着用する場合について説明した。
しかしながら、着用者によっては、第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52を前方に押し出すのではなく、第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52に力を加え易い、突出部12の非伸縮部12eの下辺12bと交わる方向(以下、下辺交差方向と称す)に押し出す場合も考えられる。
この場合に、例えば図1に示すサポーター100においては、第1の調節バンド部51の一端51a及び第1のリング部41間における第1の調節バンド部51の延在方向と第1の調節バンド部51を押し出す方向(第1の調節バンド部51の他端51b及び第1のリング部41間における第1の調節バンド部51の延在方向)とが異なる。同様に、例えば図1に示すサポーター100においては、第2の調節バンド部52の一端52a及び第2のリング部42間における第2の調節バンド部52の延在方向と第2の調節バンド部52を押し出す方向(第2の調節バンド部52の他端52b及び第2のリング部42間における第2の調節バンド部52の延在方向)とが異なる。 このため、第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52を下辺交差方向に押し出す動作に追従して、第1のリング部41及び第2のリング部42が回転し、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32並びに第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52が捩れてしまい、背当部11に対する第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32による押圧力や引張荷重が不十分(不均一)になり、サポーター100による所望の効果が十分に得られないこともありうる。
これに対し、本実施形態に係るサポーター100は、図9(c)に示すように、第1の調節バンド部51の一端51aが突出部12の非伸縮部12eの下辺12b側に接して固定することで、第1の調節バンド部51の一端51a及び第1のリング部41間における第1の調節バンド部51の延在方向と第1の調節バンド部51を押し出す方向(第1の調節バンド部51の他端51b及び第1のリング部41間における第1の調節バンド部51の延在方向)とが略平行となる。同様に、本実施形態に係るサポーター100は、図9(d)に示すように、第2の調節バンド部52の一端52aが突出部12の非伸縮部12eの下辺12b側に接して固定することで、第2の調節バンド部52の一端52a及び第2のリング部42間における第2の調節バンド部52の延在方向と第2の調節バンド部52を押し出す方向(第2の調節バンド部52の他端52b及び第2のリング部42間における第2の調節バンド部52の延在方向)とが略平行となる。 このため、第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52を下辺交差方向に押し出す動作に追従して、第1のリング部41及び第2のリング部42が回転することなく、第1のリング部41が第1の調節バンド部51上を滑り、第2のリング部42が第2の調節バンド部52上を滑ることになり、図10に示すように、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32並びに第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52が捩れることなく、サポーター100による所望の効果を十分に得ることができる。
(本発明の第3の実施形態) 図11(a)は第3の実施形態に係る第1のリング部及び第2のリング部を示す正面図及び背面図であり、図11(b)は図11(a)に示す第1のリング部及び第2のリング部の右側面図及び左側面図であり、図11(c)は図11(a)に示す第1のリング部及び第2のリング部の平面図及び底面図であり、図11(d)は図1(a)、図7(a)又は図8(a)に示すサポーターの第1のリング部及び第2のリング部を図11(a)に示す第1のリング部及び第2のリング部に取替えた場合における第1のリング部近傍の部分拡大図であり、図11(e)は図11(d)に示す部分拡大図における中央横断面図である。図11において、図1と同じ符号は、同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。
本実施形態に係る第1のリング部41は、図11(a)乃至図11(c)に示すように、第1の補助バンド部31並びに第1の調節バンド部51の幅及び厚みに対応して併設される2つの貫通孔(第1の長孔41a、第2の長孔41b)を有する。 なお、第1の補助バンド部31並びに第1の調節バンド部51の幅及び厚みに対応した貫通孔とは、第1のリング部41の摺動に影響がなく、貫通孔(第1の長孔41a、第2の長孔41b)内で、バンド部(第1の補助バンド部31、第1の調節バンド部51)自身が捩れない孔の大きさであることを意味する。すなわち、貫通孔の長さをバンド部の幅と略同一にすることにより、第1の補助バンド部31及び第1の調節バンド部51から第1のリング部41に生じる合力を均衡させることができ、貫通孔の幅をバンド部の厚みに対して1.5倍〜2.0倍にすることにより、第1の補助バンド部31及び第1の調節バンド部51の捩れの発生を防止することができる。 例えば、第1の補助バンド部31及び第1の調節バンド部51の幅を約50mmとし、第1の補助バンド部31及び第1の調節バンド部51の厚みを約1.5mmとした場合には、第1のリング部41における第1の長孔41a及び第2の長孔41bの長さを約50mmとし、第1のリング部41における第1の長孔41a及び第2の長孔41bの幅を約2.5mmとすることにより、サポーター100の着用時に、第1の調節バンド部51を下辺交差方向に押し出した場合にも、第1の補助バンド部31及び第1の調節バンド部51が捩れることなく、第1の調節バンド部51を下辺交差方向に円滑に押し出すことができる。 また、本実施形態においては、図11(d)及び図11(e)に示すように、第1の補助バンド部31を、第1のリング部41の2つの貫通孔のうち一の貫通孔(例えば、第1の長孔41a)に遊挿した場合は、第1の調節バンド部51は、第1のリング部41の2つの貫通孔のうち他の貫通孔(第2の長孔41b)に遊挿される。
また、本実施形態に係る第2のリング部42は、図11(a)乃至図11(c)に示すように、第2の補助バンド部32並びに第2の調節バンド部52の幅及び厚みに対応して併設される2つの貫通孔(第1の長孔42a、第2の長孔42b)を有する。 なお、第2の補助バンド部32並びに第2の調節バンド部52の幅及び厚みに対応した貫通孔とは、第2のリング部42の摺動に影響がなく、貫通孔(第1の長孔42a、第2の長孔42b)内で、バンド部(第2の補助バンド部32、第2の調節バンド部52)自身が捩れない孔の大きさであることを意味する。すなわち、貫通孔の長さをバンド部の幅と略同一にすることにより、第2の補助バンド部32及び第2の調節バンド部52から第2のリング部42に生じる合力を均衡させることができ、貫通孔の幅をバンド部の厚みに対して1.5倍〜2.0倍にすることにより、第2の補助バンド部32及び第2の調節バンド部52の捩れの発生を防止することができる。 例えば、第2の補助バンド部32及び第2の調節バンド部52の幅を約50mmとし、第2の補助バンド部32及び第2の調節バンド部52の厚みを約1.5mmとした場合には、第2のリング部42における第1の長孔42a及び第2の長孔42bの長さを約50mmとし、第2のリング部42における第1の長孔42a及び第2の長孔42bの幅を約2.5mmとすることにより、サポーター100の着用時に、第2の調節バンド部52を下辺交差方向に押し出した場合にも、第2の補助バンド部32及び第2の調節バンド部52が捩れることなく、第2の調節バンド部52を下辺交差方向に円滑に押し出すことができる。 また、本実施形態においては、第2の補助バンド部32を、第2のリング部42の2つの貫通孔のうち一の貫通孔(例えば、第1の長孔42a)に遊挿した場合は、第2の調節バンド部52は、第2のリング部42の2つの貫通孔のうち他の貫通孔(第2の長孔42b)に遊挿される。
第2の実施形態で前述したように、着用者によっては、第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52を下辺交差方向に押し出す場合も考えられ、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32並びに第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52が捩れることにより、サポーター100による所望の効果が十分に得られないこともありうる。
これに対し、本実施形態に係るサポーター100は、第1のリング部41及び第2のリング部42が2つの貫通孔を有しており、第1の補助バンド部31と第1の調節バンド部51とが第1のリング部41の異なる貫通孔(第1の長孔41a、第2の長孔41b)にそれぞれ遊挿され、第2の補助バンド部32と第2の調節バンド部52とが第2のリング部42の異なる貫通孔(第1の長孔42a、第2の長孔42b)にそれぞれ遊挿される。 このため、補助バンド部(第1の補助バンド部31、第2の補助バンド部32)と調整バンド部(第1の調節バンド部51、第2の調節バンド部52)とが互いに干渉することなく、第1のリング部41及び第2のリング部42も回転せずに、各貫通孔内でバンド部(第1の補助バンド部31、第1の調節バンド部51、第2の補助バンド部32、第2の調節バンド部52)自身が捩れることもない。 すなわち、本実施形態に係るサポーター100は、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32並びに第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52の捩れを防止することができ、サポーター100による所望の効果を満足に得ることができる。
なお、この第3の実施形態においては、第1のリング部41及び第2のリング部42が2つの貫通孔を有するところのみが第1の実施形態と異なるところであり、上記の2つの貫通孔による作用効果以外は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。さらに第2の実施形態と組み合わせることで、サポーター100による所望の効果をより満足に得ることができる。 また、本実施形態に係る第1のリング部41及び第2のリング部42は、上記した2つの貫通孔を有していれば、リング部全体の形状や、第1の長孔と第2の長孔の位置や形状などが左右対称である必要はないが、生産効率や低コストなどの理由から図11(a)乃至図11(c)に示すような左右対称であるほうが好ましい。さらに、第1のリング部41及び第2のリング部42が3つ以上の貫通孔を有する場合でも、本発明の範囲内である。
(本発明のその他の実施形態) 本実施形態に係る第1の補助バンド部31は、伸縮部12d(パワーネット生地12c)に縫い付けられた第1の縫製部を有する。 第1の縫製部の配設位置は、第1の補助バンド部31が自然長であるサポーター100の平置き状態(図1(a)、図7(a)、図8(a)参照)において、他端31bと屈曲部31cとの略中央から屈曲部31c寄りであればよく、好ましくは屈曲部31cから約20mm付近に、第1のリング部41の貫通孔の長さ方向と略平行に第1の補助バンド部31を横断するように配設される。また、第1の縫製部に用いられる糸は、例えば、ポリエステル糸、ポリウレタン糸、ポリプロピレン糸及びナイロン糸等が挙げられる。 なお、本実施形態に係る第1の縫製部は、第1のリング部41の貫通孔の長さ方向と略平行に第1の補助バンド部31を横断するように配設されるが、第1のリング部41の貫通孔の長さ方向と略平行線上に配設されるのであれば、散点状に配設されてもよいし、第1の補助バンド部31を横断することなく部分的に配設されてもよい。
また、本実施形態に係る第2の補助バンド部32は、伸縮部12d(パワーネット生地12c)に縫い付けられた第2の縫製部を有する。 第2の縫製部の配設位置は、第2の補助バンド部32が自然長であるサポーター100の平置き状態(図1(a)、図7(a)、図8(a)参照)において、他端32bと屈曲部32cとの略中央から屈曲部32c寄りであればよく、好ましくは屈曲部32cから約20mm付近に、第2のリング部42の貫通孔の長さ方向と略平行に第2の補助バンド部32を横断するように配設される。また、第2の縫製部に用いられる糸は、例えば、ポリエステル糸、ポリウレタン糸、ポリプロピレン糸及びナイロン糸等が挙げられる。 なお、本実施形態に係る第2の縫製部は、第2のリング部42の貫通孔の長さ方向と略平行に第2の補助バンド部32を横断するよう
に配設されるが、第2のリング部42の貫通孔の長さ方向と略平行線上に配設されるのであれば、散点状に配設されてもよいし、第2の補助バンド部32を横断することなく部分的に配設されてもよい。
第2の実施形態で前述したように、着用者によっては、第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52を下辺交差方向に押し出す場合も考えられ、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32並びに第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52が捩れることにより、サポーター100による所望の効果が十分に得られないこともありうる。
これに対し、本実施形態に係るサポーター100は、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32が伸縮部12dにそれぞれ縫い付けられていることにより、第1のリング部41及び第2のリング部42の可動域が制限されるため、第1のリング部41及び第2のリング部42の回転を抑制し、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32並びに第1の調節バンド部51及び第2の調節バンド部52が捩れることなく、サポーター100による所望の効果を十分に得ることができる。
なお、本実施形態においては、第1の補助バンド部31及び第2の補助バンド部32が伸縮部12dにそれぞれ縫い付けられているところのみが第1の実施形態と異なるところであり、第1の縫製部及び第2の縫製部による作用効果以外は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。さらに第2の実施形態及び/又は第3の実施形態と組み合わせることで、サポーター100による所望の効果をより満足に得ることができる。