JP6017420B2 - カテーテル組立品 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、米国以外のすべての国を指定する出願人であって米国国営法人であるサーモディクス,インコーポレイティッド名義およびU.S.のみを指定する出願人であって米国国民であるチャッパ,ラルフ,エー名義によって、PCT国際特許出願として2011年6月30日に出願されており、米国特許出願第61/360,354号(出願日2010年6月30日)の優先権を主張する。
〔背景〕
移植された医療装置からの薬剤の放出は、装置の機能および様々な医学的症状の治療にとって有益であるということが明らかになっている。例えば、装置の表面からの薬剤の送出は、移植可能な装置の存在によって生じる起きる細胞の応答を防ぐことができる。また、装置から放出された薬剤は、移植に伴う装置の機能的な寿命が短くなるという状態を防ぐことができる。また、装置から放出された薬剤は、体の罹患部を治療することにも向けられ得る。
移植可能な装置の中には、単に、装置表面に薬剤を塗布しただけのものもある。そのような製剤は、挿入の間に薬剤が表面から簡単に取り除かれてしまうので、一般的に望ましくない。
治療用の化合物を含んでいる薄いポリマーコーティングを有する移植可能な医療装置は、装置表面からの薬剤の放出を保護および制御する。そのような装置は、循環系の疾患の治療に特に有効であることが明らかになっている。しかし、これらのポリマーコーティングは、体内の標的組織への医療装置の一時的な挿入に関連している装置には、最適ではない場合がある。
〔概要〕
本開示の一態様は、カテーテル組立品に関する。カテーテル組立品は、外面を有する拡張および折り畳み可能な構造体を含んでいる。拡張および折り畳み可能な構造体は、収縮状態および膨張状態の間で拡張するように構成されている。被覆物は、拡張および折り畳み可能な構造体の外面上に配置されている。被覆物は、生体活性剤を含んでいる。スリーブは、被覆物の一面に配置されている。スリーブは、圧縮状態および拡張状態の間で拡張し、圧縮状態に戻るように構成されている。スリーブは、圧縮状態において、複数の開口部を規定している。拡張および折り畳み可能な構造体が収縮状態にあるとき、被覆物の外径は、スリーブの外径よりも小さく、拡張および折り畳み可能な構造体が膨張状態にあるとき、被覆物の外径は、スリーブの外径よりも大きい。
本開示のその他の様態は、カテーテル組立品に関する。カテーテル組立品は、外面を有している拡張および折り畳み可能な構造体を含んでいる。拡張および折り畳み可能な構造体は、収縮状態と膨張状態との間で拡張するように構成されている。第1被覆物は、拡張および折り畳み可能な構造体の外面上に配置されている。第1被覆物は、生体活性剤を含んでいる。第2被覆物は、第1被覆物上に配置されている。第2被覆物は、脂肪酸の混合物を含んでいる。スリーブは、第2被覆物の一面に配置されている。スリーブは、圧縮状態および拡張状態の間で拡張するように構成されている。スリーブは、第1軸方向端部および反対側に配置された第2軸方向端部の間で縦方向に拡張する複数のレールを含んでいる。複数のレールは、複数の開口部を規定している。第2被覆物は、圧縮状態において開口部を通って接触可能となる。それぞれの開口部の大きさは、拡張状態において大きくなる。
本開示のその他の態様は、カテーテル組立品に関する。カテーテル組立品は、外面を有している拡張および折り畳み可能な構造体を含んでいる。拡張および折り畳み可能な構造体は、収縮状態と膨張状態との間で拡張するように構成されている。第1被覆物は、拡張および折り畳み可能な構造体の外面に配置されている。第1被覆物は、生体活性剤を含んでいる。第2被覆物は、第1被覆物上に配置されている。第2被覆物は、脂肪酸の混合物を含んでいる。スリーブは、第2被覆物の一面に配置されている。スリーブは、圧縮状態および拡張状態の間で拡張するように構成されている。スリーブは、内面と外面とを有している本体を含んでいる。内面は、拡張および折り畳み可能な構造体が配置されているボアを規定する。本体は、内面および外面を通って拡張する複数の開口部を規定している。複数の開口部は、圧縮状態における全表面積の約40%から約95%である、圧縮状態における外面の面積を規定している。
本開示のその他の態様は、カテーテル組立品のスリーブに関する。スリーブは、第1軸方向端部、反対側に配置された第2軸方向端部、外面および反対側に配置された内面を有する本体を含んでいる。本体は、第1および第2軸方向端部を通って拡張するボアと、外面および内面を通過する複数の開口部と、を規定している。本体は、内面に働く力に応じて圧縮状態から拡張状態に拡張し、力が取り除かれたとき、圧縮状態に戻るように構成されている。複数の開口部は、圧縮状態における全表面積の約40%から約95%である、圧縮状態における外面の面積を規定している。
本開示のその他の態様は、外面を有している拡張および折り畳み可能な構造体を含むカテーテル組立品に関する。拡張および折り畳み可能な構造体は、収縮状態と膨張状態との間で拡張するように構成されている。拡張および折り畳み可能な構造体は、遠位端部の端および反対側に配置された近位端部を含んでいる。スリーブは、拡張および折り畳み可能な構造体の外面のまわりに配置されている。スリーブは、第1軸方向端部、反対側に配置された第2軸方向端部、外面および反対側に配置された内面を有する本体を含んでいる。本体は、拡張および折り畳み可能な構造体の少なくとも一部が配置されているボアを規定している。ボアは、第1および第2軸方向端部を通って拡張している。本体は、外面および内面を通過する複数の開口部を規定する。本体は、拡張および折り畳み可能な構造体が膨張状態にあるとき、圧縮状態から拡張状態に拡張し、拡張可能な構造体が収縮状態にあるとき、拡張状態から圧縮状態に戻るように構成されている。複数の開口部は、圧縮状態における全表面積の約40%から約95%である、圧縮状態における外面の面積を規定している。
様々な更なる態様が、以下に記述されるであろう。これらの態様は、個々の特徴および特徴の組合せに関するものであり得る。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、単に模範的なものおよび説明のためのものであって、本明細書において開示される実施形態に基づいた広い概念の制限はない。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、本開示の原理に基づく態様の模範的な特徴を有しており、拡張および折り畳み可能な構造体が収縮状態にあり、スリーブが圧縮状態にあるカテーテル組立品の側面図である。
図2は、図1の2−2線におけるカテーテル組立品の断面図である。
図3は、図2の3−3線におけるカテーテル組立品の断面図である。
図4は、任意の保護層を示している図1のカテーテル組立品の断面図である。
図5は、図4の5−5線におけるカテーテル組立品の断面図である。
図6は、任意の剥離層を示している図1のカテーテル組立品の断面図である。
図7は、任意の第2の保護層を示している図1のカテーテル組立品の断面図である。
図8は、カテーテル組立品におけるスリーブの他の実施形態の側面図である。
図9は、カテーテル組立品におけるスリーブの他の実施形態の側面図である。
図10は、カテーテル組立品におけるスリーブの他の実施形態の側面図である。
図11は、拡張および折り畳み可能な構造体とスリーブとの間における代替の連結の配置を示しているカテーテル組立品の側面図である。
図12は、拡張および折り畳み可能な構造体とスリーブとの間における代替の連結の配置を示しているカテーテル組立品の側面図である。
図13は、第2の拡張および折り畳み可能な構造体を示しているカテーテル組立品の側面図である。
図14は、膨張状態にある拡張および折り畳み可能な構造体と伸張状態にあるスリーブとを有するカテーテル組立品の側面図である。
図15は、図14の15−15線におけるカテーテル組立品の断面図である。
図16は、ガイドチューブ(guide tube)を配置しているカテーテル組立品の断面図である。
図17は、ガイドチューブを配置しているカテーテル組立品の他の断面図である。
図18は、ガイドチューブを配置しているカテーテル組立品の他の断面図である。
〔詳細な説明〕
添付の図面に示されている本開示の模範的な態様の詳細について参照する。同一の符号は、可能な限り、同一または類似の構造を参照するために当該図面を通して用いられる。
図1には、カテーテル組立品10が示されている。カテーテル組立品10は、カテーテル組立品10が標的部位に誘導される際に、薬剤の層を保護する薬剤送出システムを提供するように構成されている。
記述された実施形態において、カテーテル組立品10は、血管形成のような医療工程に使用するために構成されている。血管形成の工程において、カテーテル組立品10は患者の血管に挿入され、患者の脈管構造内の標的部位に誘導される。一例を挙げれば、当該標的部位は、血管内の閉塞物であって、当該血管を通る流れを制限する閉塞物がある位置である。
カテーテル組立品10は、拡張および折り畳み可能な構造体12およびスリーブ14を含んでいる。カテーテル組立品10の拡張および折り畳み可能な構造体12は、当該標的部位において、収縮状態(図1に図示されている)から膨張状態(図18に図示されている)に拡張され、その後膨張状態から収縮状態へとつぶされる。一例を挙げれば、拡張および折り畳み可能な構造体12の膨張は、血管内の標的部位において粉瘤(artheroma)を圧縮する。拡張および折り畳み可能な構造体12が膨張状態にあるとき、拡張および折り畳み可能な構造体12上に配置された被覆物が、当該標的部位の組織か当該標的部位の周りに運ばれる。ここで、本開示の図を参照すると、カテーテル組立品10およびカテーテル組立品10の使用がさらに記述されている。
ここで、図1および図2を参照すると、拡張および折り畳み可能な構造体12は、遠位端部16および近位端部18を含んでおり、遠位端部16および近位端部18を通って伸びる中央長手方向軸20を規定している。拡張および折り畳み可能な構造体12は、遠位端部16および近位端部18の間に伸びる外面22と、反対側に配置された内面24とを有している。拡張および折り畳み可能な構造体12は、遠位端部16および近位端部18を通って伸びる誘導経路26をさらに含んでいる。誘導経路26は、カテーテル組立品10が患者の体の血管内における標的部位へと移動するガイドワイヤ28を受け入れるように構成されている。
拡張および折り畳み可能な構造体12は、拡張および折り畳み可能な構造体12の内面24と誘導経路26との間に配置されている管腔30を規定している。管腔30は、拡張および折り畳み可能な構造体12を膨張状態に拡張するための液体(例えば、塩水)受け入れるように構成されている。液体が管腔30に伝えられるとき、液体は、拡張および折り畳み可能な構造体12の内面24上に放射状に外力を加える。この放射状の外力によって、拡張および折り畳み可能な構造体12が膨張状態へと膨張する。管腔30内の液体が排出されたとき、拡張および折り畳み可能な構造体12は、収縮状態へとつぶれるまたは収縮する。
ここで、図2および図3を参照すると、拡張および折り畳み可能な構造体12は、拡張および折り畳み可能な構造体12の外面22を覆うように配置されている被覆物32を含んでいる。カテーテル組立品10における被覆物32として使われるために適している被覆物は、代理人整理番号第13288.0083USP1を有する2010年6月30日に出願された米国特許出願第61/360,212号(”Lipid Coating for Medical Devices Delivering Bioactive Agent”)に記述されており、参照により、上記明細書全体を本明細書に組み込む。
被覆物32は、複数の被覆層を含んでいる。図2に示した実施形態にでは、被覆物32は、薬剤被覆物34を含んでいる。薬剤被覆物34は、生体活性剤を患者の体内の標的部位に局部的に投与するように構成されている。
被覆物
現在の医療装置は、生体活性剤を含む種々の被覆物の何れかを含むことができる。そのような被覆物における有用な非常に多くの適した被覆材およびポリマーは、本明細書に記述されている。拡張および折り畳み可能な構造体から生体活性剤を放出するために適したある実施形態は、送出する場所において、数秒あるいは数分以内で効果的な量の生体活性剤を放出することができる。生体活性剤は、上記被覆物の被覆材またはポリマーマトリックスに組み込まれた非晶形でありうる。
生体活性剤を含んでいる被覆物は、拡張および折り畳み可能な構造体の1以上の部分、例えば、外側の表面の1以上の部分に存在しうる。生体活性剤を含んでいる被覆物は、バルーンカテーテルのバルーン部分の全表面を覆うことができる。そのように、バルーンがもとの位置で拡大するとき、生体活性剤は、動脈における管腔の外周に移動されうる。
生体活性剤を含んでいる被覆物は、例えば不連続的なパターン等の、拡張および折り畳み可能な構造体の全体表面よりも少ない部分を覆うことができる。「不連続的な」被覆物は、構造体(例えば、バルーンの全表面)を覆わない被覆材料を指しているが、好ましくは当該表面の1以上の部分に形成されている。不連続な被覆物のパターンは、拡張されるとき、拡張および折り畳み可能な表面からの生体分解性のある被覆材料の層間剥離を容易にする。いくつかの態様において、当該表面から剥離する前に不連続な生体分解性被覆物が砕けるという可能性はほとんどまたは全くない。その他の態様において、不連続な生体分解性被覆物は、剥離を容易にする砕けやすいパターンを有しうる。膨張圧力の観点からみると、不連続な生体分解性被覆物は、被覆の層間剥離のためにより少ない力を必要とするであろう。
不連続なパターンを有する生体分解性被覆物は、バルーンの拡張および折り畳み可能な表面に直接形成されうる。または、例えば、可撓性ヒドロゲル層のような、他の被覆材料と共同して形成され得る。ドットおよびストライプ模様のような不連続なパターンは、スプレー被覆加工装置を使用して形成され得る。
生体活性剤を含んでいる被覆物は、可撓性ヒドロゲルマトリックスであり得る。可撓性ヒドロゲルマトリックスは、生体安定性(biostable)のある親水性ポリマーからなりうる。ポリマーは、拡張および折り畳み可能な構造体に共有結合されうるか、上記マトリックスの中でその他の親水性ポリマーに共有結合されうるか、あるいは、その両方であり得る。いくつかの望ましい態様において、生体安定性のある親水性ポリマーは、光反応性基(reacted photogroups)を介して基材表面に結合されるものである。
生体活性剤を含んでいる被覆物は、水溶性ポリマー、例えば、ポリ(ビニルピロリドン)のような水溶性ポリマーを含むことができる。ある場合では、被覆物は、光反応性基を介して、拡張および折り畳み可能な構造体の表面に共有結合されているポリマーを含んでいる。被覆物は、水溶性ポリマーがマクロマ形状(macromer form)である組成物からも形成され得る。
一実施形態において、生体活性剤を含んでいる被覆物の少なくとも一部分が、被検者内の拡張および折り畳み可能な構造体の拡張によって剥離されうる。生体活性剤を有している離した生体分解性のあるポリマーマトリックスは、例えば、標的組織に接着することができる。剥離したポリマーマトリックスの分解および生体活性剤の放出が標的部位で起こり得る。生体分解性ポリマーマトリックスは、可撓性ヒドロゲルマトリックスと一体化されて使用され得る。可撓性ヒドロゲルマトリックスは、放出するための被覆物であり得る。生体分解性ポリマーマトリックスは、生体活性剤を含むことができる。
ある実施形態において、生体活性剤は、拡張および折り畳み可能な構造体上に存在していて砕けることが可能な生体分解性のある被覆物に組み込まれるおよび/または取付けられることができる。拡張していない状態において、生体活性材料は、当該被覆物の中に実質的にまたは全体的に閉じ込められているか、被覆された層に接着されているか、またはその両方である。基材拡張において、当該被覆物は、拡張および折り畳み可能な表面から砕け、かつ剥離する。したがって、当該被覆物は、剛性および脆性の特性を持つことができる。標的部位において、当該被覆物の部分は、取り込まれた生体活性剤と一緒に組織に運ばれる。いくつかの場合において、運ばれた当該被覆物の部分は組織に接着でき、当該被覆の固定を改善するための障壁または皮膜を提供する。生体分解性被覆材料の分解と同調して、生体活性剤は治療効果をもたらすために放出されうる。
現在の医療装置は、生体活性剤を送出するのを補助するいかなる種々の被覆物をも含むことができる。そのような被覆物は、遊離被覆材(release coating)および接着被覆材(adhesion coating)を含んでいる。そのような被覆物における有用な非常に多くの適した被覆材およびポリマーは、本明細書に記述されている。
一実施形態において、現在の医療装置は、接着被覆材を含んでいる。当該接着被覆材は、拡張および収縮可能な構造体上に存在することができ、送出場所において、被検者の組織に対する薬剤被覆物の接着を促進させうる。例えば、接着被覆材は、薬剤被覆物上にあり得る。例えば、接着成分が、薬剤被覆物の中に存在しうる。接着被覆材は、陽イオンの半分または接着タンパク質を含むことができる。接着タンパク質は、コラーゲン、ヘパリン、ラミニン、およびそれらの混合であるか、または、これらを含むことができる。一実施形態において、接着被覆材は、血管の損傷のような損傷に結合するための接着材料を提供できる。接着が起こりうる損傷の構成要素は、細胞、コラーゲン、コレステロール、リポタンパク質、または石灰化を含んでいる。
上記装置は、生体活性剤を含んでいる被覆と拡張および折り畳み可能な構造体の表面との間にある分解可能な被覆層を含むことができる。例えば、分解可能な層は、拡張および折り畳み可能な構造体の表面上にベースコートとして存在することができる。
被覆物ポリマー
被覆物は、非拡張状態において生体活性剤の固定化を可能にするポリマー材料(1つ以上のポリマー)から形成され得る。ポリマー材料は、マトリックスを形成するのに有効な1つ以上のホモポリマー、共重合体マトリックス、それらの組合せまたは混合を含むことができる。一態様において、ポリマー材料は、被覆物としての可撓性ヒドロゲルマトリックスを形成するために使用される。
調製のある方法において、1つ以上のマトリックス形成ポリマーおよび生体活性剤を含んでいる被覆組成物が形成される。一般的に、被覆材料は、生体活性剤を備えたマトリックスを形成するために適している組成物の中から選ばれ、かつ使用される。一実施方法において、親水性ポリマーは、生体活性剤も含んでいる液体組成物を調製するために用いられる。生体活性剤は、非水溶性、つまり、容易に水の中に溶解しないものである。
その他の場合においては、生活活性剤は、1つ以上のマトリックス形成ポリマーを有する被覆組成物の中に含まれていない。そのような被覆工程では、生体活性剤は、被覆されたポリマーマトリックスに一体化される次の被覆工程において使用される。
一般的に、被覆組成物は、適した物理特性(弾力性および生体活性剤の保持力のような)を与える量および種類のポリマー材料を含有している。ある態様では、組成物の中でマトリックスを形成するために使用されるポリマー材料の量は、濃度にして、約5mg/mLから約50mg/mL、約10mg/mLから約40mg/mL、約10mg/mLから約20mg/mLの範囲である。実施方法の一例では、ポリマー材料は、約15mg/mLであって、被覆組成物のなかに存在している。
ポリマー材料は、ポリマーの架橋されたマトリックスを形成するために活性化され得る、ペンダント光反応(pendent photo-reactive)基または重合性基も含むことができる。また、組成物の中のポリマーの量は、これらの基の誘導体化のレベルに基づいて選択され得る。
マトリックス形成のためのポリマー材料として有効な親水性ポリマーの種類は、合成親水性ポリマーである。生体安定性を有する(すなわち、生体内において感知されうる分解性を示さない)の合成親水性ポリマーは、アクリル単量体、ビニル単量体、エーテル単量体、またはそれら単量体の1つ以上の種類の組合せを含んでいる、あらゆる適した単量体からも調製され得る。アクリル単量体は、例えば、メタクリル樹脂、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸、アクリル酸、アクリル酸グリセロール、メタクリル酸グリセロール、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド(DMA)、および誘導体、および/またはこれらのいずれかの混合物を含んでいる。ビニル単量体は、例えば、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、およびそれらの何れかの誘導体も含んでいる。エーテル単量体は、例えば、エチレンオキシド、酸化プロピレン、酸化ブチレン、およびこれらの何れかの誘導体も含んでいる。
これらの単量体から形成され得るポリマーの例は、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(HEMA)を含んでいる。親水性共重合体の例は、例えば、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体およびビニルピロリドン/(メチル)アクリルアミド共重合体を含んでいる。ホモポリマーの混合物および/または共重合体を用いてもよい。
ポリ(N,N‐ジメチルアクリルアミド‐コ‐アミノプロピルメタクリルアミド)およびポリ(アクリルアミド‐コ‐N,N‐ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)のような、いくつかのアクリルアミドを基礎とするポリマーの例は、参照により、本明細書に組み込まれ、2004年9月17日に出願された米国特許公開第2006/0030669号(出願日2004年9月17日、テイトンら)の実施例2に記載されている。
ある実施形態において、親水性ポリマーは、ビニルピロリドンポリマー、または、ポリ(ビニルピロリドン‐コ‐メタクリルアミド)のようなビニルピロリドン/(メタ)アクリルアミド共重合体である。PVP共重合体を使用する場合、ビニルピロリドンの重合体およびアクリルアミド単量体基から選択される単量体であり得る。アクリルアミド単量体の例は、(メタ)アクリルアミドおよび(メタ)アクリルアミド誘導体であり、例えば、ジメチルアクリルアミドなどのアルキル(メタ)アクリルアミドおよびアミノプロピルメタクリルアミドとジメチルアミノプロピルメタクリルアミドなどのアミノアルキル(メタ)アクリルアミドを含んでいる。例えば、ポリ(ビニルピロリドン‐コ‐N,N‐ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)は、米国特許公開第2006/0030669号(テイトンら)の実施例2に記載されている。
一実施形態において、記載されているようなポリマーおよび共重合体は、1つ以上の光活性化基(photoactivatable group(s))により誘導体化される。生体安定性親水性ポリマーが備え得る(pendent from)光能動的基(photoactive groups)の例は、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アントラキノン、アントロン、キノンおよびアントロン様複素環(anthrone-like heterocycles)などのアリルケトンを含んでいる。これにより、拡張および折り畳み可能な構造体に適用され、その後、フォト基(photogroup)を活性化させ、拡張および折り畳み可能な構造体材料などの標的に共有結合を生じさせるために十分な化学線を用いて処理されうるペンダント活性化フォト基(pendent activatable photo group)を有する親水性ポリマーが得られる。フォト親水性(photo-hydrophilic)ポリマーの利用は、拡張および折り畳み可能な構造体材料に共有結合されている親水性ポリマー材料に可撓性ヒドロゲルマトリックスの耐久性のある被覆物を提供する。
ペンダント光能動的基を有する親水性ポリマーは、可撓性ヒドロゲル被覆物を調製するために使用され得る。光能動的基を有する親水性ポリマーの調製方法は、従来技術において周知である。例えば、フォト‐PVPを調製するための方法は、米国特許第5,414,075号に記載されており、その開示が、参照により本明細書に組み込まれている。フォト‐ポリアクリルアミドを調製するための方法は、米国特許第6,007,833号に記述されており、その開示が、参照により本明細書に組み込まれている。
その他の実施形態において、記載されているようなポリマーおよび共重合体は、1つ以上の重合可能な基(polymerizable group)によって誘導体化される。ペンダント重合可能な基を有するポリマーは、一般にマクロマと称される。重合可能な基は、ポリマーストランドの終端部(末端)またはポリマーの長さに沿って存在し得る。一実施形態において、重合可能な基は、ポリマーの長さに沿って無作為に配置されている。重合可能な基は、活性化して、生体活性剤が固定されている架橋されたマトリックス形成する。
任意に、被覆物は架橋結合剤を含み得る。架橋結合剤は、被覆物におけるポリマーとの一体化、または被覆された表面へのポリマーの結合を促進することができる。特定の架橋結合剤の選択は、被覆組成の成分に依存し得る。
適した架橋結合剤は、組成物中のポリマーと反応可能な2つ以上の活性化基(activatable group)を含んでいる。適した活性化基は、本明細書において記述され、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アントラキノン、アントロン、キノンおよびアントロン様複素環(anthrone-like heterocycles)などのアルキルケトンのような、光反応基を含んでいる。
光活性化可能な架橋結合剤はイオン性でありえ、水性の組成物の中で良い溶解性を有することができる。したがって、いくつかの実施形態において、少なくとも1つのイオン性光活性化可能な架橋結合剤が、被覆物を形成するために使用される。イオン性架橋結合剤は、スルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸、それらの塩などから選択されるような、酸性基またはその塩などを含むことができる。対イオンの例は、アルカリ、アルカリ土類金属、アンモニウム、プロトン化アミンなどを含んでいる。
イオン性光活性化可能な架橋結合剤の例は、4,5‐ビス(4‐ベンゾイルフェニルメチレンオキシ)ベンゼン‐1,3‐ジスルホン酸または塩;2,5‐ビス(4‐ベンゾイルフェニルメチレンオキシ)ベンゼン‐1,4‐ジスルホン酸または塩;2,5‐ビス(4‐ベンゾイルメチレンオキシ)ベンゼン‐1‐スルホン酸または塩;N,N‐ビス[2‐(4‐ベンゾイルベンジルオキシ)エチル]‐2‐アミノエタンスルホン酸または塩などを含んでいる。米国特許第6,278,018を参照されたい。この開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
天然ポリマーはまた、マトリックスを形成するために使用され得る。天然ポリマーは、例えば、ポリデキストラン、カルボキシメチルセルロース、そしてヒドロキシメチルセルロースなどの多糖類;例えば、ヒアルロン酸などのグリコサミノグリカン;例えば、コラーゲン、アルブミンおよびアビジンのような可溶性タンパク質などのポリペプチド;およびこれらの天然ポリマーの組合せを含んでいる。天然ポリマーおよび合成ポリマーの組合せも使用され得る。
一実施形態では、生体活性剤は、第2ポリマーよりもより低いTgを有する第1ポリマーを含んでいる。より硬い第2ポリマーは、マトリックスの生体活性剤の放出速度を低減させることができる。例えば、PLGAなどの適した第1ポリマーのTgは、およそ45℃である。PLLAなどの適した第2ポリマーのTgは、およそ55℃である。ある態様において、第1および第2ポリマーのTgの差は、およそ5℃以上である。より詳しい態様において、第1および第2ポリマーのTgの差は、およそ10℃以上である。ある態様において、第1および第2ポリマーは、およそ35℃以上のTgを有している。より詳しい態様において、第1および第2ポリマーは、およそ35℃からおよそ65℃の範囲内のTgを有している。
第1および第2ポリマーの選択は、分子量、溶解性、およびレオロジーのようなポリマーのその他の特性にも基づいていてもよい。
ある実施形態において、ポリマーマトリックスは、両親媒性共重合体、低分子量疎水性ポリマー、オルガノゲル、可変ヒドロゲル、それら複数またはそれらの混合物を含んでいる。一実施形態において、生体活性剤を含んでいる被覆物は、両親媒性共重合体を含んでいるか、または、両親媒性共重合体でできている。適した両親媒性共重合体は、ラクチド/グリコリド/カプロラクトン/ポリエチレングリコール共重合体を含んでいる。そのような共重合体は、ポリエチレングリコールのブロックを含んでいる。本開示に限定してはいないが、両親媒性共重合体は、疎水性薬物の溶解性を高める疎水性領域および被覆物が血液に浸すと膨張するように吸水する親水性領域を含むと考えられている。
一実施形態において、生体活性剤を含んでいる被覆物は、低平均分子量疎水性ポリマーを含んでいる、または当該疎水性ポリマーでできている。適した低分子量疎水性ポリマーは、ポリラクチド/グリコリド/カプロラクトン共重合体を含んでいる。
一実施形態において、薬剤被覆物は、1つ以上の溶剤および生体活性剤を含んでいる。一実施形態において、薬剤被覆物は、オルガノゲルを含んでいる。一実施形態において、薬剤被覆物は、可変ヒドロゲルを含んでいる。
一実施形態において、薬剤被覆物は、脂質を含んでいる。本開示に限定されないが、脂質は、組織内への薬物の接着力および浸透力を高めることができる。薬物は、脂質担体の中へ乳状化され得る。
一実施形態において、薬物は、例えば、疎水性ポリマー、オルガノゲル、または可変ヒドロゲルのような可変ポリマー層、に溶解または分散される。一実施形態において、そのような被覆物は、バルーン表面から流れ出るまたは漏れ出ることができ、バルーンの拡張上の組織に適合、または接着できる。
生体分解性ポリマー
生体分解性ポリマーは、生体内において移植物を形成する際に使用するために、1つ以上(例えば、1、2、3、または4)の特定の生体物分解性ポリマーを、含むことができる。適したポリマーは、生体分解性を有し、生体適合性のある溶媒系において十分に溶解するであろう。特に、生体分解性ポリマーは、生体適合性のある溶媒系において、25℃、1気圧中に少なくとも約50g/Lの溶解度を有しうる。一実施形態において、生体分解性ポリマーは、生体適合性のある溶媒系において、十分に不溶性であるポリマーを含まないだろう。一実施形態において、生体分解性ポリマーは、水中または体液の中で十分に不溶性である生体分解性ポリマーを含まないだろう。
ポリマーの適した具体的な種類には、例えば、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリ無水物、ポリアミン、ポリウレタン、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリジオキサノン、ポリアセタール、ポリケタール、ポリカーボネート、ポリオルトカーボネート、ポリホスファゼン、コハク酸エステル、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシセルロース、多糖類、キチン、キトサン、および共重合体、ブロック共重合体、マルチブロック共重合体、ポリエチレングリコール(PEG)を有するマルチブロック共重合体、ポリオール、ターポリマーおよびそれらの混合物が含まれている。
一実施形態において、生体分解性ポリマーは、熱塑性ポリマーである。
一実施形態において、生体分解性ポリマーは、37℃で少なくとも約100cPの粘性率を有している。その他の実施形態において、生体分解性ポリマーは、37℃で約1000cPから約30000cPの粘性率、37℃で約5000cPから約25000cPの粘性率、または37℃で約10000cPから約20000cPの粘性率を有している。
一実施形態において、生体分解性ポリマーは、疎水性である。
一実施形態において、生体分解性ポリマーは、ブロック共重合体を含んでいる。一実施形態において、生体分解性ポリマーは、トリブロック共重合体を含んでいるポリエチレングリコール(PEG)である。
一実施形態において、ポリマーは、機能的な側基を含んでいる。
生体分解性ポリマーは、もし生体分解性ポリマーが、溶媒系の中に十分に溶解可能であるならば、適切かつ効果的な量存在することができ、当該溶媒系との組み合わせによって、生体内での移植物を形成するであろう。一実施形態において、生体分解性ポリマーは、製剤のおよそ10wt%からおよそ40wt%存在している。一実施形態において、生体分解性ポリマーは、製剤のおよそ40wt%からおよそ90wt%存在している。
一実施形態において、生体分解性ポリマーは、例えば、商品名SynBiosys(商標)で売られている、ポリ(エーテルエステル)マルチブロック共重合体を含むことができる。一実施形態において、生体分解性ポリマーは、ポリグリセロール脂肪酸エステルを含むことができる。一実施形態において、生体分解性ポリマーは、PEG‐PBTポリマーを含むことができる。一実施形態において、生体分解性ポリマーは、ポリ(エステル−アミド)ポリマー(PEA)を含むことができる。
ポリ(エーテルエステル)マルチブロック共重合体
生体分解性ポリマーの適した種類1つには、ポリ(エーテルエステル)マルチブロック共重合体が含まれている。これらマルチブロック共重合体は、DL‐ラクチド、グリコリド、ε‐カプロラクトンおよびポリエチレングリコールの様々な組み合わせのブロックを作る種々のプレポリマーを構成している。分子構成、分子量(Mw1200‐6000)およびプレポリマーブロックの比率を変えることによって、様々な官能基が、様々な生理化学性質を有するポリマーの創作を可能にする最終ポリマー(final polymer)に伝えられうる。親水性/膨張可能および疎水性のポリマー、並びに、ゆっくりおよび急速に分解するポリマーの両方が設計され得る。
ポリ(エーテルエステル)マルチブロック共重合体は、下記(化学式III)に示すようなポリマーを含み得る。
Figure 0006017420
ここで、mおよびpは、それぞれ独立したグリコリドであり、nは、Mw300‐1000のポリエチレングリコールであり、oは、ε‐カプロラクトンであり、qは、DL‐ラクチドである。
生理学的条件下において、そのようなポリ(エーテルエステル)マルチブロック共重合体は、加水分解により、尿の経路を通って新陳代謝および/または排出される非毒性の分解生成物へと完全に分解させ得る。その結果として、生体適合物質の蓄積はあり得ず、それによって、長期の異物反応の可能性を減らしうる。
例えば、国際公開第WO2005/068533号およびその中で引用されている参照の中において、ポリ(エーテルエステル)マルチブロック共重合体の更なる特徴および記述が提供されている。要約が以下に提供されている。
マルチブロック共重合体は、多機能、特に脂肪族の鎖延長剤によって結びつけられ、生理学的条件下(湿った環境、人間にとっておよそ37℃である体温)において、特に本質的に、完全に非晶質である、異なる構成を有する2つの加水分解可能なセグメントを特に含み得る。
当該結果によるマルチブロック共重合体は、以下の化学式(1)〜(3)の何れかに基づく構造を特に有している。
[-R1-Ql-R4-Q2-]x-[R2-Q3-R4-Q4-]y-[R3-Q5-R4-Q6-]z- (1)
[-R1-R2-R1-Q1-R4-Q2-]X-[R3-Q2-R4-Q1]Z- (2)
[-R2-R1-R2-Q1-R4-Q2-]X-[R3-Q2-R4-Q1]z- (3)
ここで、RおよびRは、非晶性ポリエステル、非晶質ポリエーテルエステルまたは非晶質ポリカーボネートであり得る;または混合エステル、エーテルおよび/またはカーボネート基から得られる非晶質プレポリマーであり得る。RおよびRは、ポリエーテル基を含むことができ、それは、重合開始剤としてのこれらの化合物の使用の結果として生じ得る。当該ポリエーテルは、室温において非晶質または結晶である。しかし、このように導入されたポリエーテルは、生理学的条件下において非晶質になるだろう。RおよびRは、非晶質プレポリマーまたはブロックAおよびBからそれぞれ得られ、RおよびRは、同一ではない。RおよびRは、同時にポリエーテル基を含むことができる。具体的な実施形態において、それらのうちの1つだけが、ポリエーテル基を含むだろう;
zは、0または正の整数である;
は、ポリ(エチレングリコール)のようなポリエーテルであり、(z≠0)すなわち(z=0)ではない場合に存在しうる。Rは、生理学的条件下において、非晶質になるだろう;
は、脂肪族C‐Cアルキレン基である。このアルキレン基は、任意にC‐C10アルキレンによって置換され、脂肪族基は、線形または環状であり、Rは、とりわけブチレン、‐(CH‐基であり得、C‐C10アルキレン側基は、保護されたS、N、PまたはO成分を含んでいる;
xおよびyは、両方とも正の整数であり、具体的には、両方とも、少なくとも1であり得る。xおよびyの合計(x+y)が、具体的には、最大で1000であり得、さらに具体的には、最大500、または最大100であり得る。Q1‐Q6は、多機能の鎖延長剤を有するプレポリマーの反応によって得られる結合ユニットである。Q1‐Q6は、独立してアミン、ウレタン、アミド、カーボネート、エステルまたは無水物である。すべての結合基Qが違うものであるという事象は珍しく、好ましくない。
典型的に、鎖延長剤の1つの種類は、6つの同様の結合基を有する化学式(1)の共重合体の結果から生じる同様の末端基を持つ3つのプレポリマーによって使用され得る。プレポリマーRおよびRが異なって終結した場合、2種類の基Qが存在するだろう:例えば、Q1およびQ2は、2つの結合されたプレポリマーセグメントRの間において同じだが、RおよびRが結合されたとき、Q1およびQ2は異なっている。Q1およびQ2が同じとき、明らかに、それらは同じ種類の基であるが、互いに鏡像となっている。
化学式(2)および(3)の共重合体において、基Q1および基Q2は、両方が同じ末端基(通常ヒドロキシル)で終結させられる2つのプレポリマーが存在しているときは同じであるが、プレポリマーが異なって終結させられたとき(例えば、ジオール終端および二酸終端の「トリブロック」プレポリマーであるPEG)、異なる。トリブロックプレポリマー(RおよびR)の場合、外側のセグメントは、本質的にPEGなしにすべきである。開環による連結反応が、そうでなければうまく実行されない。内側のブロックだけが、PEG分子によって起こされ得る。
化学式(1)、(2)および(3)は、二官能性の鎖延長剤および二官能性のプレポリマーの反応の結果を示している。
化学式(1)を参照すると、ポリエステルは、またaおよびbを入れ替えるセグメントを有する構造(ab)n、または、セグメントaおよびbのランダム分布を有する構造(ab)rを有しているマルチブロックまたはセグメント化された共重合体としても表し得る。ここで、「a」はプレポリマー(A)から誘導されたセグメントRに相当し、「b」は、プレポリマー(B)(z=0)から誘導されたセグメントRに相当する。(ab)rに関して、a/b比率(化学式(1)のx/yに対応)は単位元であり得るか単位元から離れている。プレポリマーは、任意の所望の量を混合され得、多機能鎖延長剤、すなわち、プレポリマーを化学的に結合するために使用され得る少なくとも2つの機能的な基を有する化合物によって連結され得る。特に、これは、二官能性の鎖延長剤である。そして、z≠0の場合、すべてのセグメントのランダム分布の提示は、(abc)rによって与えられ得る。そこでは、3つの異なるプレポリマー(1つが、例えばポリエチレングリコールである)が、すべての可能な比率によりランダム分布されている。代替分布は、(abc)nによって与えられる。この具体的な例において、2つの等しく終結したプレポリマー(aおよびcまたはbおよびc)である代替手段が、それぞれ同等の量(a+c=bまたはb+c=a)の異なって終結したプレポリマーbまたはaと交替させられる。これらは、化学式(2)または(3)によれば、abaおよびbab「トリブロック」プレポリマーが、二官能性分子により鎖延長させられた構造(aba)nおよび(bab)nを有している。
aおよびb(および任意でc)のランダム分布を有する共重合体を得るための方法は、セグメントが、プレポリマーaおよびbの比率が1である(ab)nのような共重合体の中で交替しているときより、よりさらに有利である。共重合体の組成物は、その後、プレポリマーの長さを調節することによって決定され得るのみである。一般的に、(ab)n代替共重合体のaおよびbのセグメントの長さは、構造ABAまたは構造ABを有するブロック共重合体内のブロックよりも小さい。
aおよびb(および任意でc)セグメントが、(ab)r、(abc)r、(ab)nおよび(abc)nに形成されるプレポリマーは、二官能性鎖延長剤によって結合される。この鎖延長剤は、特に、ジイソシアン酸塩鎖延長剤であるが、二酸またはジオール化合物でもあり得る。すべてのプレポリマーが、ヒドロキシル末端基を含んでいる場合、結合ユニットは、ウレタン基であるだろう。プレポリマー(の1つ)がカルボン酸終端である場合、結合ユニットは、アミド基である。構造(ab)rおよび構造(abc)rを有するマルチブロック共重合体は、ジオール鎖延長剤を有するジカルボン酸終端プレポリマーの反応によって、または、反対に(二酸鎖延長剤を有するジオール終端プレポリマー)、エステル結合を形成しているDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)のような結合剤の使用によって、調製され得る。(aba)nおよび(bab)nにおいて、abaおよびbabプレポリマーは、また、脂肪族の二官能性鎖延長剤、さらに具体的には、ジイソシアン酸塩鎖延長剤によって特に結合される。
「ランダムセグメントの」共重合体という用語は、セグメントaおよびbすなわち(ab)rまたはセグメントa、bおよびcすなわち(abc)rのランダム分布(すなわち、交替しない)を有する共重合体を参照する。
PEG−PBTポリマー
生体分解性ポリマーの適した種類の1つには、以下の一般的な化学式IVによって記述され得る、ポリ(エチレングリコール)(PEG)およびポリ(ブチレンテレフタル酸塩)(PBT)に基づくポリ(エーテルエステル)マルチブロック共重合体が含まれている。
[-(OCH2CH2)n-O-C(O)-C6H4-C(O)-]x[-O-(CH2)4-O-C(O)-C6H4-C(O)-]y (IV)
ここで、‐C‐は、テレフタル酸のエステル化された各分子からの二価の芳香環残基を示しており、nは、それぞれの親水性PEGブロックの中の酸化エチレンのユニット数を示しており、xは、共重合体の中の親水性ブロックの数を示しており、yは、共重合体の中の疎水性ブロックの数を示している。
具体的な実施形態において、nは、PEGブロックの分子量が、およそ300からおよそ4000の間であるように選択され得る。具体的な実施形態において、xおよびyは、それぞれ、マルチブロック共重合体が、質量で約55%上から約80%のPEGを含むように独立して選択され得る。
ブロック共重合体は、共重合体構造の中において、n、xおよびyの値を変化することによって、豊富な物理特性(例えば、親水性、付着、強さ、展性、分解性、耐久性、柔軟性)および生体活性剤の放出特性(例えば、制御されたポリマーの分解および膨張を介しての)を提供するために設計されうる。
ポリエステルアミド
生体分解性ポリマーの1つの適した種類には、化学式(V)のサブユニットを有しているポリエステルアミドポリマーが含まれている。
-[-O-(CH2)x-O-C(O)-CHR-NH-C(O)-(CH2)y-C(O)-NH-CHR-C(OH)-]- (V)
ここで、xは、C‐C12であり、yは、C‐C12であり、Rは、‐CH(CH、‐CHCH(CH、‐CH(CH)CHCH、‐CH(CHCH、‐CH、‐CH(CHSCHまたはアミノ酸の部分である。
具体的な実施形態において、C‐C12は、(C‐C12)アルキルであり得る。その他の実施形態において、C‐C12は、(C‐C12)アルキルであり、任意に代用され得る。
そのようなポリマーは、例えば、米国特許第6,703,040号に記載されている。この性質のポリマーは、x‐aa‐yの名称により記述され得る。ここで、「x」がx炭素原子を有するアルキルジオールを表し、「aa」がロイシンまたはフェニルアラニンのようなアミノ酸を表し、yがy炭素原子を有するアルキルジカルボン酸を表しており、ポリマーは、ジオール、ジカルボン酸、およびアミノ酸の重合である。このタイプのポリマーの例は、4‐ロイシン‐4である。
ポリ(エステル−アミド)ポリマー(PEA)
生体分解性ポリマーの1つの適した種類には、ポリ(エステル−アミド)ポリマーが含まれている。そのようなポリマーは、(DACA)形状のエステルおよびアミド結合を介して、ジオール、ジカルボン酸およびα‐アミノ酸の重合によって調製され得る。(DACA)ポリマーの例は、以下の公式VIに示されている。適したアミノ酸は、任意の天然または合成のα‐アミノ酸、特に中性アミノ酸をも含んでいる。
ジオールは、HO‐(CH‐OH(すなわち、非分岐)、分岐ジオール(例えば、ポリエチレングリコール)、環状ジオール(例えば、ジアンヒドロキシトールおよびシクロヘキサンジオール)またはエチレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、またはポリ(エチレングリコール))に基づいたオリゴマージオールのような、アルキレンジオールを含んでいる任意の脂肪族ジオールであっても良い。芳香族ジオール(例えば、ビスフェノール)はより毒性があり、それらに基づくポリマーは、より生物分解しにくい剛性な鎖を有しているので、これらの目的のためにはあまり有益ではない。
ジカルボン酸は、α‐ω‐ジカルボン酸(すなわち、非分岐)、分岐ジカルボン酸、環状ジカルボン酸(例えば、シクロヘキサンジカルボン酸)のような任意の脂肪族ジカルボン酸であり得る。芳香族の二酸(フタル酸などのような)はより毒性があり、それらに基づくポリマーは剛性な鎖構造を有しており、より乏しい薄膜形成特性を示し、生物分解をする傾向がずっと低いので、これらの目的のためにはあまり有益ではない。
具体的なPEAポリマーは、化学式VIを有している:
Figure 0006017420
ここで、kは、2‐12(例えば、2、3、4または6)であり、mは、2−12(例えば、4または8)であり、Rは、‐CH(CH、‐CHCH(CH、‐CH(CH)CHCH、‐CH(CHCH、‐CH(C)、または‐CH(CH)SCHである。
具体的な実施形態において、Aは,L‐フェニルアラニン(Phe‐PEA)およびAは、L‐ロイシン(Leu‐PEA)である。具体的な実施形態において、Phe‐PEAのLeu‐PEAに対する比率は、10:1から1:1である。その他の具体的な実施形態において、Phe‐PEAのLeu‐PEAに対する比率は、5:1から2.5:1である。
ポリ(エステル‐アミド)ポリマー(PEA)の更なる特徴および記述は、例えば、米国特許第6,703,040号の再発行である米国再発行特許第40,359号で提供されている。
天然生体分解性多糖類に属する疎水性誘導体
生体分解性ポリマーの1つの適した種類には、商品名Eureka(商標)SOLOポリマーで売られているような、天然生体分解性多糖類の疎水性誘導体を含んでいる。天然生体分解性多糖類の疎水性誘導体は、多糖類に所属する1つ以上の疎水性ペンダント基を有する天然生体分解性多糖類を参照している。多くの場合において、疎水性誘導体は、多糖類に所属する炭化水素セグメントを含む複数の基を含んでいる。炭化水素セグメントを含んでいる複数の基が付着されるとき、それらは、疎水性誘導体の「疎水性部分」として集合的に参照される。疎水性誘導体は、したがって、疎水性部分および多糖類部分を含んでいる。
多糖類部分は、酵素分解可能な合成でない多糖類を参照している天然生体分解性多糖類を含んでいる。天然生体分解性多糖類は、多糖類および/または植物または動物のような天然資源から得られる多糖類誘導体を含んでいる。天然生体分解性多糖類は、天然の生体分解性多糖類(例えば、マルトデキストリンは、デンプンから加工処理される天然の生体分解性の多糖類である)から加工処理または変更されている任意の多糖類をも含んでいる。天然生体分解性多糖類の例は、マルトデキストリン、アミロース、シクロデキストリン、ポリアルジトール、ヒアルロン酸、デキストラン、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸、デキストラン、硫酸デキストラン、ポリ硫酸ペントサン、およびキトサンを含んでいる。具体的な多糖類は、例えば、マルトデキストリン、アミロース、およびシクロデキストリンのデンプン製剤の中から誘導されるおよび/または見つけられるような分岐がほとんどまたは全くない低分子量ポリマーである。したがって、天然生体分解性多糖類は、ほとんど分岐がない、または完全に分岐がないポリ(グルコピラノース)ポリマーであり得る。
「アミロース」または「アミロースポリマー」は、α‐1、4結合によって結びつけられた反復グルコピラノースユニットを有する線状ポリマーを指す。いくつかのアミロースポリマーは、α‐1、6結合を介した非常に少量(結合のおよそ0.5%未満)の分岐を持つことができるが、それでも線状(非分岐)のアミロースポリマーが処理するのと同じ物理特性が実証されている。通常、植物源から得られるアミロースポリマーは、およそ1×10Da未満の分子量を有する。アミロペクチンは、比較的、線状部分を形成するためのα‐1、4結合によって結びつけられる反復グルコピラノースユニットを有する分岐ポリマーである。当該線状部分は、α‐1、6結合によって一緒に連結される。通常、分岐点結合は、全結合の1%よりも多く、一般に、全結合の4%‐5%である。通常、植物源から得られるアミロペクチンは、1×10Da以上の分子量を有している。
例えば、いくつかの側面において、高アミロース含有量を有するデンプン製剤、精製アミロース、合成により調製されたアミロース、または濃縮アミロース製剤が、アミロースの疎水性誘導体の製剤に使用され得る。デンプン源において、アミロースは、通常、分岐された多糖類であるアミロペクチンと共に存在する。もしアミロースおよび高分子量の先駆物質の混合物が使用されるのならば(アミロペクチンのような)、アミロースは、より高分子量の先駆物質よりも大量に組成物中に存在し得る。例えば、いくつかの側面において、高アミロース含有量を有するデンプン製剤、精製アミロース、合成により調製されたアミロース、または濃縮アミロース製剤は、アミロースポリマーの疎水性誘導体の製剤に使用され得る。いくつかの実施形態において、組成物は、多糖類の混合物中のアミロース含有量が、質量に対し、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または85%以上であるアミロースを含んでいる多糖類の混合物を含んでいる。その他の実施形態において、組成物は、アミロースと、アミロペクチンを含む多糖類の混合物を含み、ここで、多糖類の混合物の中のアミロペクチンの含有量が、30%以下または15%以下である。
デンプンの中に存在するアミロペクチンの量は、また、アミロペクチンを分岐してアミロースとする、α‐1,6結合を開裂させるアミロペクチナーゼを使用してデンプンを取り扱うことにより減少し得る。
工程は、アミロースの量を濃縮するためのまたはアミロースを精製するための炭化水素セグメントを備えているペンダント基を有するアミロースポリマーを誘導体化する加工処理の前、間および/または後に実行され得る。
特定の分子量のアミロースは、商業的に得られ、または調製され得る。例えば、70kDa、110kDa、および320kDaの平均分子質量を有する合成アミロースは、(株)中埜酢店(Nakano Vinegar Co.,Ltd.)(愛知、日本)から入手され得る。特定のサイズ範囲のアミロースの使用の決定は、組成物の物理特性(例えば、粘性)、移植物における所望の生体分解速度、および原薬(API)の特性および量のような要因に依存するかもしれない。
精製または濃縮アミロース製剤は、商業的に得られうるか、または、クロマトグラフィーのような標準生化学的技術を使用して調製され得る。いくつかの側面において、高アミロースのコーンスターチは、疎水性誘導体を調製するために使用され得る。
マルトデキストリンは、通常、所望の程度の加水分解に到達するまで、85‐90℃の温度で、熱安定性α‐アミラーゼを用いてデンプンスラリーを加水分解し、その後、第2の熱処理によってα‐アミラーゼが不活性化することによって製造される。マルトデキストリンは、ろ過およびその後のスプレー乾燥によって最終生成物に精製されうる。マルトデキストリンは、DE=MWブドウ糖/数−平均MWデンプン加水分解物×100として規定される加水分解の程度に関するブドウ糖当量(DE)によって特に特徴づけられている。一般的に、マルトデキストリンは、アミロース分子よりも少ない分子量を持つと考えられている。
ブドウ糖(グルコース)へと完全に加水分解されたデンプン製剤は、100のDEを持っているのに対して、デンプンは、ほぼ0のDEを持っている。0よりも大きく、100よりも小さいDEは、デンプン加水分解物の中間平均分子量の特徴である。マルトデキストリンは、20よりも小さいDEを持っていると考えられている。例えば、約500Daから5000Daの範囲内にある種々の分子量のマルトデキストリンが、(例えば、カルボマー、サンディエゴ、カリフォルニアから)市販されている。
天然生体分解性多糖類のそのほかの想定される種類は、天然の生体分解性非還元多糖類である。非還元多糖類は、不活性マトリックスを提供し、それによって、タンパク質および酵素のような原薬(APIs)の安定性を改善する。非還元多糖類は、トレハロース(α‐D‐グルコピラノシル α‐D‐グルコピラノシド)およびスクロース(β‐D‐フルクトフラノシル α‐D‐グルコピラノシド)などの非還元二糖(それらのアノマー中心を通して結合される2つの単糖類)のポリマーを指す。非還元多糖類の例は、GPC(マスカティーン、アイオワ)から入手可能なポリアルジトールを含んでいる。その他の側面において、多糖類は、反復(1→3)O‐β‐D‐グルコピラノシルユニットを含むポリマーのようなグルコピラノシルポリマーである。
デキストランは、デキストランバイオポリマーの主鎖(backbone)ユニットに結合されている側鎖1‐3を有するグルカンに結合されたα‐D‐1、6‐グルコースである。デキストランは、グルコピラノース単量体ユニット上の2、3、および4の位置においてヒドロキシル基を含んでいる。デキストランは、ロイコノストクメセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)B512Fによってスクロースを含んでいる媒体の発酵から得られうる。
デキストランは、低分子量製剤の中で得られうる。青カビおよびバーティシリウムのようなカビからの酵素(デキストラナーゼ)が、デキストランを分解させることが示されている。同様に、多くのバクテリアが、デキストンを低分子量糖質に分解する細胞外のデキストラナーゼ生み出している。
コンドロイチン硫酸は、D‐ガラクトサミンおよびD‐グルクロン酸の反復二糖ユニットを含んでおり、一般的に、これら反復ユニットの15から150の間に含まれている。コンドロイチナーゼACは、コンドロイチン硫酸AおよびC、およびコンドロイチンを開裂させる。
ヒアルロン酸(HA)は、交互にβ‐1、4‐グルクロン酸およびβ‐1、3‐N‐アセチル‐D‐グルコサミンユニットを含んでいる自然に誘導される線状ポリマーである。HAは、結合性の組織液の中において主なグリコサミノグリカンである。HAは、ヒアルロニダーゼの存在の中において細分化され得る。
多くの側面において、多糖類部分および疎水性部分は、天然生体分解性多糖類の疎水性誘導体の主要部分を含んでいる。質量百分率に基づくと、多糖類部分は、疎水性誘導体のおよそ25%質量以上、およそ25%からおよそ75%の範囲、およそ30%からおよそ70%の範囲、およそ35%からおよそ65%の範囲、およそ40%からおよそ60%の範囲、またはおよそ45%からおよそ55%の範囲であり得る。同様に、全体の疎水性誘導体の質量百分率に基づくと、疎水性部分は、疎水性誘導体のおよそ25%質量またはそれ以上、およそ25%からおよそ75%の範囲、およそ30%からおよそ70%の範囲、およそ35%からおよそ65%の範囲、およそ40%からおよそ60%の範囲、またはおよそ45%からおよそ55%の範囲であり得る。一例において、疎水性誘導体は、多糖類部分に対する質量起因性のおよそ50%を有しており、疎水性部分に対する質量起因性のおよそ50%を有している。
疎水性誘導体は、水中で不溶性である特性を有している。不溶性という用語は、当該分野において標準用語であり、10000部分またはそれ以上の溶媒につき1部分の溶質という意味である(例えば、レミントン:The Science and Practice of Pharmacy, 20th ed. (2000), Lippincott Williams & Wilkins, Baltimore Md.を参照されたい)。
疎水性誘導体は、天然生体分解性多糖類ポリマーを有する1つ以上の疎水性化合物を結合することによって調製され得る。天然生体分解性多糖類の疎水性誘導体を調製するための方法は、本明細書において記述されている。
天然生体分解性多糖類の疎水性誘導体は、具体的には、最大約1,000,000Da、最大約300,000Da、または最大約100,000Daの平均分子量を有している。これら分子量の誘導体の使用は、所望の物理的なおよび薬物放出特性を有する移植物に提供し得る。いくつかの側面において、疎水性誘導体は、約250,000Da以下、約100,000Da以下、約50,000Da以下、または約25,000Da以下の分子量である。特に、天然生体分解性多糖類に関する具体的な大きさの範囲は、約2,000Daから約20,000Da、または約4,000Daから約10,000Daの範囲内である。
ポリマーの分子量は、「質量平均分子量」またはMとしてさらに詳細に規定されている。Mは、分子量計測の絶対法であり、ポリマーの分子量の計測(製剤)にとって特に有用である。ポリマー製剤は、典型的には、分子量の小さな差異を個々に有しているポリマーを特に含んでいる。ポリマーは、比較的高い分子量を有している分子であり、ポリマー製剤内のそのような小さな差異は、ポリマー製剤の全体の特性に影響を与えない。Mは、光散乱また超遠心分離法のような一般的な技術を使用して計測され得る。Mに対する考察およびポリマー製剤の分子量を規定するために使われるその他の用語は、例えば、オールコック,H.R.およびランペ,F.W.(1990) Contemporary Polymer Chemistry; pg 271.の中で見つけられ得る。
疎水性部分の追加は、非誘導体化物から多糖類の分子量の増加を一般的に引き起こす。分子量の増加量は、誘導体化された多糖類の種類、誘導の水準、および、例えば、種類、または疎水性部分を提供するために多糖類に接着した基の種類を含む、1つ以上の要因次第であり得る。
いくつかの側面において、疎水性部分の追加は、約20%以上、約50%以上、約75%以上、約100%以上、または約125%の多糖類の分子量の増加を引き起こし、当該増加は、多糖類の非誘導体化の形状に関する。
例として、約3000Daの初期質量を有するマルトデキストリンは、約2.5の置換度(DS)を提供するためにエステル結合により多糖類に連結されるペンダントヘキサン酸塩基を提供するために誘導される。これは、およそ8400Daの理論上の分子量を有する疎水性多糖類を提供する。
天然生体分解性多糖類の疎水性誘導体を形成するとき、例として、炭化水素セグメントを有する化合物は、多糖類の1つ以上の部分に共有結合される。例えば、化合物は、多糖類の長さに沿って単量体ユニットに連結され得る。このことは、1つ以上のペンダント基を有する多糖類誘導体を提供する。それぞれの化学基は、炭化水素セグメントを含んでいる。炭化水素セグメントは、ペンダント化学基のすべてを構成し得る、または、炭化水素セグメントは、ペンダント化学基のある部分を構成し得る。例えば、疎水性多糖類のある部分は、以下の構造化学式(I)を有しうる。
Figure 0006017420
ここで、それぞれのMは、独立した単糖類ユニットであり、それぞれのLは、独立した適切な結合基または直接結合であり、それぞれのPGは、独立したペンダント基であり、それぞれのxは、xが0のとき、LおよびMは不在であるような独立した0からおよそ3であり、そしてyは3以上である。
さらに、上記化学式(I)のユニットを含む多糖類が、化学式(II)の化合物であり得る:
Figure 0006017420
ここで、それぞれのMは、独立した単糖類ユニットであり、それぞれのLは、独立した適当な結合基または直接結合であり、それぞれのPGは、独立したペンダント基であり、それぞれのxは、xが0のとき、LおよびMは不在であるような独立した0からおよそ3であり、yはおよそ3からおよそ5000であり、そしてZおよびZが、それぞれ独立した水素、OR、OC(=O)R、CHOR、SiRまたはCHOC(=O)Rである。それぞれのRは、独立した水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールであり、それぞれのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロ環およびヘテロアリールは、任意に置換され、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロ環は任意に、部分的に不飽和である。
化学式(I)および(II)の化合物において、単糖類ユニット(M)は、D‐グルコピラノース(例えば、α‐D‐グルコピラノース)を含み得る。そのうえ、単糖類ユニット(M)は、非大環状のポリα(1→4)グルコピラノース、非大環状のポリα(1→6)グルコピラノース、または、非大環状のポリα(1→4)グルコピラノースおよび非大環状のポリα(1→6)グルコピラノースの混合または両方の組合せを含み得る。例えば、単糖類ユニット(M)は、グルコピラノースユニットを含み得、少なくとも約90%が、α(1→4)グリコシド結合によって結合されうる。あるいは、単糖類ユニット(M)は、グルコピラノースユニットを含み得、少なくともおよそ90%が、α(1→6)グリコシド結合によって結合される。そのうえ、多糖類の中の単糖類のそれぞれが同一の種類(ホモ多糖類)であり得、または多糖類の中の単糖類が、異なっていてもよい(ヘテロ多糖類)。
多糖類は、最大約5000単糖類ユニット(すなわち、化学式(I)または(II)の中のyは、最大5000である)を含み得る。特に、単糖類ユニットは、グルコピラノースユニット(例えば、α‐D‐グルコピラノースユニット)であり得る。さらに、化学式(I)または(II)の中のyは、具体的には、およそ3‐5000またはおよそ3−4000またはおよそ100から4000であることができる。
具体的な実施形態において、多糖類は非大環状である。その他の具体的な実施形態において、多糖類は線状である。その他の具体的な実施形態において、多糖類は分岐されている。そのうえにさらに具体的な実施形態において、多糖類は、天然多糖類(PS)である。
多糖類は、適したなガラス移転温度(Tg)を有しているだろう。一実施形態において、多糖類は少なくとも約35℃(例えば、約40℃から約150℃)のガラス移転温度(Tg)を有しているだろう。一実施形態において、多糖類は、‐30℃から約0℃のガラス移転温度を有しているだろう。
「ペンダント基」は、化学式(CHを有している共有結合された炭素原子の基を示している。ここで、mが2以上であり、nが独立して2または1である。炭化水素セグメントは、飽和炭化水素基または不飽和炭化水素基を含み得、そして当該炭化水素セグメントの例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、環状アルキル、環状アルケニル、芳香族炭化水素およびアラルキル基を含んでいる。特に、ペンダント基は、線状、直線の鎖、または分岐C‐C20アルキル基;アミン終端炭化水素またはヒドロキシル終端炭化水素を含んでいる。一実施形態において、ペンダント基は、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリ(ラクチド‐コ‐グリコリド)共重合体、ポリカプロラクトン、ポリ(ラクチド‐コ‐グリコリド‐コ‐カプロラクトン)のターポリマーまたはそれらの組合せを含んでいる。
本明細書において記述されている疎水性多糖類の単量体ユニットは、典型的には、1つ以上の反応基を有する環状構造を持つ単量体ユニットを含んでいる。これらの反応基は、単量体ユニットに基づくグルコピラノース、例えば、アミロースおよびマルトデキストリン上に存在するようなヒドロキシル基によって例示されている。これらのヒドロキシル基は、炭化水素セグメントおよびヒドロキシル基(ヒドロキシル反応基)に反応する基を含む化合物と反応され得る。
ヒドロキシル反応基の例は、アセタール、カルボキシル、無水物、酸ハロゲン化物などを含んでいる。これらの基は、加水分解によって開裂させることが可能な炭化水素セグメントと多糖類主鎖との間の共有結合を形成するために使用され得る。例えば、方法は、炭化水素セグメントを有しているペンダント基を提供できる。上記ペンダント基は、開裂させることが可能なエステル結合を備えた多糖類主鎖に結合される。これらの側面において、天然生体分解性多糖類の合成疎水性誘導体は、酵素により開裂可能(ポリマー主鎖)および非酵素の加水分解によって開裂可能(ペンダント基とポリマー主鎖との間の結合)の両方の化学結合を含み得る。
多糖類にペンダント基を結合するために使用され得るその他の開裂可能な化学結合(例えば、代謝により開裂可能な共有結合)は、カルボン酸エステル、炭酸塩、ホウ酸塩、シリルエーテル、ペルオキシエステル基、二硫化物基そしてヒドラゾン基を含んでいる。
いくつかの場合において、ヒドロキシル反応基は、イソシアナートおよびエポキシのような基を含んでいる。これらの基は、ペンダント基および多糖類主鎖の間に開裂可能でない共有結合を形成するために使用され得る。これらの側面において、天然生体分解性多糖類の合成された疎水性誘導体は、酵素により開裂可能な化学結合を含んでいる。
カルボキシル基、アセチル基、または硫酸基のようなその他の反応基は、コンドロイチンまたはヒアルロン酸のような、その他の天然生体分解性多糖類における単量体ユニットの環状構造上に存在している。同様に、これらの基は、多糖類主鎖に結合されるための炭化水素セグメントを有する化合物との反応目標となりうる。
種々の要因は、天然生体分解性多糖類の疎水性誘導体の合成を考慮に入れることができる。これらの要因は、(1)多糖類の大きさ、多糖類上の反応基の数および存在、および溶解性を含んでいる天然生体分解性多糖類の物理的および化学的特性、(2)大きさおよび溶解性を含んでいる炭化水素セグメントを含んでいる化合物の物理的および化学的特性、および(3)上記多糖類を有する上記化合物の反応性を含んでいる。
天然生体分解性多糖類の疎水性誘導体の調製において、任意の適した合成工程を行うことができる。合成は、多糖類主鎖から突出している(pendent)炭化水素セグメントを有する基の所望の数を提供するために実行され得る。ペンダント基の数および/または密度は、例えば、多糖類上において利用可能な反応基(例えば、ヒドロキシル基)に対する炭化水素セグメントを含む化合物の相対濃度を制御することによって、制御され得る。
多糖類から突出している炭化水素セグメントを有する基の種類および量は、疎水性多糖類が水中で不溶になるために十分な量である。これを達成するために、一般的方法として、疎水性多糖類は、質量にして0.25(ペンダント基):1(多糖類モノマー)の範囲の量における多糖類主鎖から突出している炭化水素セグメントを有する基において、取得および調製される。
グルコピラノースユニットのペンダント基に対する荷重配分比は、変化しうるが、典型的には、約1:1から約100:1であろう。具体的には、グルコピラノースユニットのペンダント基に対する荷重配分比は、約1:1から約75:1、または、約1:1から約50:1でありうる。さらに、ペンダント基の性質および量は、多糖類の適切な置換度をもたらす。典型的には、上記置換度は、約0.1−5、または、約0.5−2の範囲であろう。
これらの導出のレベルを実証するために、とても低い分子量(10,000Da未満)のグルコピラノースポリマーは、低分子量疎水性グルコピラノースポリマーを供給するために炭化水素セグメントを有した化合物と反応する。実施の一態様において、10g(MW3000−5000Da;〜3ミリモル)の量中の天然生体分解性多糖類マルトデキストリンは、テトラヒドロフランのような、適した溶剤中に溶解する。次に、18g(0.11モル)の量中の無水酪酸を有した溶剤に、マルトデキストリン溶剤を加える。上記反応は、効果的に、マルトデキストリンポリマーのピラノース環上のペンダント酪酸塩基(butyrate group)を形成する処理を行うことができる。この導出のレベルは、約1のマルトデキストリン上のヒドロキシル基における酪酸塩基の置換度(DS)をもたらす。
マルトデキストリンおよび単量体ユニットにつき3つのヒドロキシル基を含むその他の多糖類に関して、平均してグリコピラノース単量体ユニットごとにおける3つのヒドロキシル基のうちの1つは、酪酸塩基に置換される。この置換のレベルを有するマルトデキストリンポリマーは、本明細書において、マルトデキストリン‐酪酸塩DS1として、示される。本明細書に記載のとおり、DSは、単量体ユニットごとの反応基(ヒドロキシルおよびその他の反応基を含む)であって、炭化水素セグメントを含むペンダント基と置換される反応基の平均数を示す。
DSの増加は、多糖類に炭化水素セグメントを提供する化合物の量の付加的な増加によって実現されうる。他の例として、2.5のDSを有したブチリル化(butyrylated)マルトデキストリンは、0.32モルの無水酪酸を有した10gのマルトデキストリン(MW3000−5000Da;〜3ミリモル)の反応によって調製されうる。
置換度は、多糖類の疎水性特性に影響を及ぼし得る。同様に、多糖類主鎖(高DSなどの)に結合された炭化水素セグメントを有する基の相当量を有する疎水性誘導体から形成された移植物は、通常、より疎水性であり、分解により耐性がある。例えば、マルトデキストリン‐酪酸塩DS1から形成された移植物は、マルトデキストリン‐酪酸塩DS2から形成された移植物より速い分解速度を有する。
多糖類主鎖から突出している基の炭化水素セグメントの種類もまた、ポリマーの疎水性特性に影響を及ぼし得る。一形態において、移植物は、短鎖分岐アルキル基である炭化水素セグメントを伴うペンダント基を有した疎水性多糖類を用いることで形成される。短鎖分岐アルキル基の例は、分岐C−C10基である。ペンダント基のこれらの種類を有した疎水性ポリマーの調製は、マルトデキストリン(MD−val)を有したバルプロ酸/無水物を伴うマルトデキストリンの反応によって実証される。上記反応は、ヒドロキシル基の比較的低い置換度(例えば、0.5−1.5の範囲内)をもたらすために行われうる。これらの多糖類が低い置換度を有しているが、上記短鎖分岐アルキル基は、疎水性特性を多糖類に与える。
これらの低い置換度でさえ、MD−valはとても準拠した耐久性のある被覆物を形成する。低い置換度のために、分岐Cセグメントを有するペンダント基は、比較的速い速度で多糖類主鎖から加水分解されうる。その結果、比較的早い分解速度を有した生体分解性被覆物をもたらす。
炭化水素セグメントを含むペンダント基であって、加水分解に開裂可能なペンダント基を有する多糖類に対し、水溶液による浸透は、加水分解と、多糖類主鎖から突出している基の損失とを促進しうる。これは、移植物の特性を変えることができ、天然生体分解性多糖類の分解を促進する酵素をより利用することをもたらしうる。
様々な合成スキームは、天然生体分解性多糖類の疎水性誘導体の調製のために用いられうる。いくつかの調製の様態において、ペンダント多糖類ヒドロキシル基は、炭化水素セグメントおよびヒドロキシル基と反応する基を含んでいる化合物と反応する。この反応は、炭化水素セグメントを構成するペンダント基を有した多糖類をもたらしうる。
任意の適した化学基は、多糖類主鎖と結合し、および、多糖類が水中で不溶性となるとき、疎水性特性を有する多糖類をもたらしうる。具体的には、上記ペンダント基は、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)および硫黄(S)から選択された1つ以上の原子を含みうる。
いくつかの態様において、ペンダント基は、線状、分岐状、または環状C−C18基である炭化水素セグメントを含んでいる。更に具体的には、炭化水素セグメントは、C−C10またはC−Cの線状、分岐状、または環状基を含んでいる。炭化水素セグメントは、飽和または不飽和であり得、アルキル基または芳香族基をそれぞれ含みうる。炭化水素セグメントは、加水分解可能な結合または加水分解不可能な結合を介して多糖類鎖と結合されうる。
いくつかの態様において、多糖類主鎖と反応する炭化水素セグメントを有する化合物は、天然化合物から生じる。炭化水素セグメントを有する天然化合物は、脂肪酸、脂質、油、ろう、リン脂質、プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエン、テルペン、ステロイドおよび脂溶性ビタミンを含む。
炭化水素セグメントを有する典型的な天然化合物は、脂肪酸無水物および脂肪酸ハロゲン化物のような脂肪酸およびそれらの誘導体を含んでいる。典型的な脂肪酸および無水物は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、バレリアン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸およびラウリン酸、並びに、無水物をそれぞれ含んでいる。多糖類のヒドロキシル基は、化合物の炭化水素セグメントと多糖類とをエステル基を介して結合するために脂肪酸または無水物と反応しうる。
多糖類のヒドロキシル基は、ペンダント開鎖ヒドロキシエステルをもたらすためのラクトンの開環を同様に引き起こしうる。多糖類と反応しうる典型的なラクトンは、カプロラクトンおよびグリコリドを含んでいる。
一般的に、多数の炭化水素セグメントを有した化合物が疎水性誘導体の合成に用いられる場合、少量の化合物がそれらの合成に必要となりうる。例えば、原則として、Cのアルキル鎖長を有する炭化水素セグメントを有する化合物が1のDSの疎水性誘導体を調製するために用いられる場合、C(x×2)アルキル鎖長を有する炭化水素セグメントを有する化合物は、0.5のDSの疎水性誘導体をもたらすための量と反応する。
天然生体分解性多糖類の疎水性誘導体は、同様に、2つ以上の異なった炭化水素セグメントを有するペンダント基の組み合わせを有しながらそれぞれ合成されうる。例えば、疎水性誘導体は、異なるアルキル鎖長を有した炭化水素セグメント有する化合物を用いながら合成されうる。実施の位置態様において、多糖類は、疎水性誘導体を生成するための酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、バレリアン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸およびラウリン酸の基から選択された2つ以上の脂肪酸(またはそれらの誘導体)の混合物と反応する。
別の場合では、疎水性誘導体は、炭化水素セグメントが多糖類主鎖に結合している加水分解不可能結合を有しながら、合成される。典型的な、加水分解不可能な結合は、ウレタン結合を含んでいる。
また、天然生体分解性多糖類の疎水性誘導体は、炭化水素セグメントが、加水分解可能および加水分解不可能な結合の両方を介して多糖類主鎖に個々に結合されるように、合成されうる。その他の例として、疎水性誘導体は、酪酸無水物およびマルトデキストリンを有するブチルイソシアネートの混合物の反応によって調製される。これは、加水分解可能なエステル結合および加水分解不可能なウレタン結合を有するマルトデキストリン主鎖に個々に共有結合されたペンダント酪酸基を有するマルトデキストリンの疎水性誘導体をもたらす。疎水性誘導体のこの種類を有する被覆物の分解は、エステル結合の加水分解からの酪酸塩基の損失によって起こりうる。しかしながら、一部の酪酸塩基(ウレタン基を介して結合されたもの)は、多糖類主鎖から除去されず、それゆえ、天然生体分解性多糖類は、多糖類主鎖の酵素分解より前に、所望の程度の疎水性を保持することができる。
いくつかの態様において、多糖類主鎖から突出している基は、原薬(API)の特性を有している。この点で、移植物は、APIと連結した多糖類を含む。いくつかの態様において、炭化水素セグメントを有するAPIは、天然生体分解性ポリマーから加水分解されうる。そして、治療効果をもたらすためのマトリックスから放出されうる。炭化水素セグメントを有しており、治療として有用な化合物の一例は、酪酸であり、これは腫瘍細胞分化およびアポトーシスを誘導することが示されており、そして、癌およびその他の血液疾患を治療するために有用であると考えられている。
他の代表的な炭化水素セグメントを含む化合物は、バルプロ酸およびレチノイン酸を含んでいる。これらの化合物は、ペンダント基を提供するために多糖類主鎖と結合しうる。そして、その後、生体内で移植物の分解において多糖類主鎖から開裂される。レチノイン酸は、抗増殖性効果を有すると知られており、そして、増殖性硝子体網膜症(PVR)の治療に有用であると考えられている。治療効果を提供するペンダント基は、また、天然化合物(例えば、酪酸、バルプロ酸およびレチノイン酸)でありうる。
多糖類主鎖と結合されうるその他の代表的な化合物の類は、コルチコステロイドである。コルチコステロイドの一例は、トリアムシノロンである。トリアムシノロンと天然生体分解性ポリマーとのカップリングの一方法は、Cayanis, E.らの「Generation of an Auto-anti-idiotypic Antibody that Binds to Glucocorticoid Receptor, The Journal of Biol. Chem., 261(11): 5094-5103 (1986)」に記載される方法を改良することにより行われる。トリアムシノロンヘキサン酸は、トリアムシノロンをケトヘキサン酸と反応させ、得られたトリアムシノロンヘキサン酸の酸塩化物を形成し、そして、例えば、マルトデキストリンまたはポリアルジトールのような天然生体分解性ポリマーと反応させて、エステル結合を介して天然生体分解性ポリマーと結合されたペンダントトリアムシノロン基をもたらすことにより調製される。
天然生体分解性多糖類の疎水性誘導体は、また、少なくとも1つのペンダント基がAPIを含んでいる間、2つ以上の異なったペンダント基を有しながら合成されうる。疎水性多糖類は、多糖類から放出された時、APIを含むペンダント基の量が被検者に対し治療効果をもたらしながら、合成されうる。このような疎水性誘導体の一例は、マルトデキストリン‐カプロン塩酸‐トリアムシノロンである。この疎水性誘導体は、トリアムシノロンヘキサン酸および2.5のDSを有した誘導体を提供するためのマルトデキストリンを備えた過度のカプロン酸無水物(n‐ヘキサン無水物)を含んでいる混合物の反応によって調製されうる。
いくつかの態様において、多糖類から突出した基は、例えば、フェニル基のような芳香族基である炭化水素セグメントを含んでいる。一例として、o‐アセチルサリチル酸は、ペンダント基がエステル結合を介して多糖類と結合される間、フェニル基である炭化水素セグメントおよび酢酸塩基である非炭化水素セグメントを有するペンダント化学基をもたらすために、例えばマルトデキストリンのような多糖類と反応する。
天然生体分解性多糖類の疎水性誘導体(Eureka(商標)SOLOポリマーと呼ばれる)を含む生体分解性ポリマーの更なる特徴および種類は、例えば、米国特許第2007/0218102号、米国特許第2007/0260054号及び米国特許第2007/0224247号、並びにこれらの引用文献内でみられる。
被覆物の適用
一例として、拡張および折り畳み可能な構造体12における生体分解性被覆物は、生体分解性マルチブロック共重合体を含む被覆組成物を調製することによって生成され、構造体(例えば、バルーン)(ヒドロゲルベースコートを含むまたは含まない)上に溶液を噴射することによって塗布されうる。当該生体分解性マルチブロック共重合体は、30mg/mLのアセトンに溶解したグリコール酸、カプロラクトン、およびPEGポリマーブロックを含んでいる。生体活性剤(例えば、生体活性剤形状の)は、被覆物溶液(質量で1−50%)を溶解されうるか、分解可能な被覆物が形成された後に塗布されうる。例えば、パクリタキセル(メタノールに溶解した、または水中に生体活性剤として存在する)が生体分解性被覆物に塗布されうる。
生体分解性被覆物を形成するために用いられる被覆組成物は、1以上の追加の生体適合性ポリマーを含むことができる。例えば、第2、第3などの生体適合性ポリマーは、所望の特性を有した被覆物を形成するために被覆組成物内に含まれうる。1以上の追加のポリマーは、被覆物の分解を増加させうる。いくつかの態様において、生体分解性ポリマーは、例えば、ポリラクチドのような生体分解性ポリマー、および、例えば、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(エチレンオキシド)およびポリ(酸化プロピレン)からなる基から選択されるものなどの生体適合性ポリマーから形成される。
様々な方法は、ポリマー材料および拡張および折り畳み可能な構造体の表面の生体活性剤を結びつけるために実行されうる。多くの実施形態において、ポリマー材料および生体活性剤を含んでいる被覆組成物は、調製され、その後、拡張および折り畳み可能な構造体の表面に塗布される。一実施形態において、約10mg/mLから約50mg/mLの範囲内の濃度の生体活性剤を含む被覆組成物が用いられる。
しかしながら、ポリマー材料が生体活性剤とは別に表面に塗布される場合もある。例えば、第1ステップにおいて、ポリマー組成物が表面に塗布され、第2ステップにおいて、(ポリマー被覆材料を含まない)生体活性剤を有する組成物が予め被覆されたポリマーに塗布される。一実施形態において、約10mg/mLから約50mg/mL(ポリマー被覆材料を含まない)の範囲内の濃度の生体活性剤を有する組成物が用いられる。加えて、任意で、ステップは、生体活性剤を覆うトップコートのような同じまたは他のポリマー材料に塗布するために実行されうる。
或る好適な形態では、被覆物は、噴霧被覆工程を用いて、拡張および折り畳み可能な構造体の表面上に形成される。特定の実施形態では、バルーンカテーテルは、噴霧蒸着工程(spray deposition process)を用いて被覆するためにバルーンを操作することができる装置に取り付けられる。
バルーン被覆装置および方法の更なる態様および詳細は、出願人を同じくする仮出願第61/188,929号、(出願日:2008年8月14日、発明の名称:METHOD AND APPARATUS FOR COATING BALLOON CATHETERS(チャッパら))に記載されており、その開示が、参照により本明細書に組み込まれている。
または、被覆組成物は、被覆表面を形成するために、拡張および折り畳み可能な構造体の表面上に浸漬被覆させる。他の方法では、組成物は、拡張および折り畳み可能な構造体の表面上にブラシで塗布される。ある用途では、基質は、ポリマー材料および生体活性剤の混合物を被覆する1以上のステップを受け、基質表面上に多層を形成することができる。
ある形態では、被覆物は、拡張および折り畳み可能な構造体上に配置された被覆材料を処理することによって調製される。例えば、被覆組成物は、反応基を含むことができ、活性化したときに、ポリマー材料の架橋結合を生じさせ、被覆物を形成する。被覆物を形成するために用いられるポリマー材料は、アクリレート基などのペンダント重合可能基(pendent polymerizable groups)を含みうる。重合可能基のラジカル重合は、重合開始剤である光活性化試薬の活性化によって、引き起こされうる。塗布された組成物は、重合開始剤の活性化するために紫外線処理を施されうる。
様々な技術を用いて、生体活性剤の粒子は、部分的に埋め込まれた粒子を提供するために被覆物と結合させうる。ある技術では、可撓性ヒドロゲル層は、拡張および折り畳み可能な構造体の表面上に形成される。次に、生体活性剤を含んでいる水性組成物は、可撓性ヒドロゲル層の表面上に配置される。水性組成物中の水は、少なくとも可撓性ヒドロゲル層の表面を膨張させる。この膨張は、可撓性ヒドロゲル層が、ヒドロゲル層状に配置された生体活性剤の少なくとも一部を透過させ、生体活性剤がヒドロゲル層のポリマー材料内に移動する。生体活性剤を部分的にヒドロゲル層に移動させるのに十分な時間が経過した後、水は、蒸発、加熱または真空処理によって、除去されうる。水の除去は、ヒドロゲル層が膨張状態から収縮させ、生体活性剤を物理的に拘束させる。そして、ヒドロゲル層の表面に配置された生体活性剤の大半が部分的に埋め込まれるという結果をもたらす。
図4および図5を参照すると、カテーテル組立品の被覆物32が拡張および折り畳み可能な構造体12の外面22の一面に配置された任意遊離被膜材(optional release coating)35を有していることが示されている。描かれた実施形態において、任意遊離被膜材35は、外面22および薬剤被覆物34の間に配置されている。いくつかの実施形態において、任意遊離被膜材35は、薬剤被覆物34および拡張および折り畳み可能な構造体12の間の全領域を占有する必要はない。
任意遊離被膜材35は、拡張および折り畳み可能な構造体12上に存在しえ、標的部位の上記構造から生体活性剤を含んでいる被覆物(薬剤被覆物)の放出を促進しうる。遊離被膜材35は薬剤被覆物34および拡張および折り畳み可能な構造体12の間に存在しうる。遊離被膜材35は、被検者内の標的部位において、薬剤被覆物34の放出を促進するよう構成されうる。例えば、遊離被膜材35は、膨張し、被覆物を含む薬剤を押すことができる。一実施形態において、遊離被膜材35は、被覆物を含む薬剤を押して破砕する。一実施形態において、遊離被膜材は、水で膨らむポリマーを含む、または、急速に吸水する水で膨らむポリマーでできている。血液にさらした状態で、水は、層内に流れ(wick)、剥離層および薬剤被覆物の間の接着を低減する。
図6を参照すると、カテーテル組立品10の被覆物32が、薬剤被覆物34の一面に配置された任意保護層36を有していることが示されている。一実施形態において、任意保護層36は、脂質被覆材である。いくつかの実施形態において、保護層36は、薬剤被覆物34の全てを覆う必要はない。
脂質被覆材は、カテーテル組立品10に対し、1以上のいくつかの有利な特徴をもたらしうる。脂質被覆材は、例えば、1)生体活性剤(例えば、薬剤被覆物)を含む内在する被覆物を保護する、2)装置に被検者の組織が接触するとき、潤滑剤(例えば、犠牲潤滑剤)として働く、3)疎水性組織またはそれらの表面(例えば、血管の壁面)への送出を更に増進する可変疎水性マトリックスをもたらす、4)被覆物および生体活性剤の下に組み立てられた(例えば、一緒に保持された)構造的完全性を保持するマトリックスをもたらす、または、1つ以上のこれらの特徴をもたらすことができる。
一実施形態において、脂質被覆材は、室温で固体(例えば、ろう状)または半固体であり、被検者の体温で軟体または液体である。例えば、脂質被覆材は、室温で固体であり、37℃で液体である、脂質または脂質の混合物である、または、含み得、生体活性剤を含んでいる内在する被覆物を保護する被覆物を形成する。50質量%のオレイン酸と50質量%のドデカン酸との混合物は、このような被覆組成物である。一実施形態において、本脂質被覆材は、バルーンカテーテルが曲がりくねった経路の中に通された後、組織に送出される生体活性剤の量を増加することができる。
一実施形態において、脂質被覆材は、室温で固体だが、被検者の体温にさらされたとき、柔らかくなるまたは融解する(例えば、液化)。一実施形態において、障壁層は、室温で固体だが、装置の被覆された部分が、その進路を、被検者を通って、生体活性剤が送出される位置(送出位置)に方向づけるとき、柔らかくなるまたは融解する。例えば、障壁層は、室温より高く、被験者の体温より低い融点または軟化点を有した組成物からなる、または、含む。この軟化または融解は、装置の被覆された部分が、その進路を送出位置への方向にするときに起こりうる。または、この軟化または融解は、送出位置において、起こりうる。あるいは、上記両方で起こりうる。軟化している、軟化した、融解している、または、融解した脂質組成物は、装置の被覆された部分がその進路を送出位置への方向にする、送出位置にする、または両方にしたとき、カテーテル組立品10、生体活性剤を含んでいる被覆物を有したカテーテル組立品10の部分または、両方をそのままにしておくことができる。
一実施形態において、脂質被覆材は、カテーテル組立品10が被検者内に挿入されるとき、被検者内の所望の位置に送出された生体活性剤の量を増加させることができる。例えば、固体または半固体の脂質被覆材は、装置の被覆された部分がその進路を、被検者を通って、生体活性剤が送出される位置への方向にするとき、被検者の外部でカテーテル組立品10を取り扱う間、生体活性剤を含んでいる被覆物を保護するまたは分離するまたはその両方を行うことができる。すなわち、固体または半固体の脂質被覆材は、装置の被覆された部分が生体活性剤が送達されるべき位置に到達する前に、生体活性剤を含んでいる被覆物が、空気によって、処理によって、ガイドカテーテルまたはその他の医療装置によって、組織によって、体液によって、またはこれら複数によって、接触する程度を減らすことができる。この低減した接触は、所望の位置に送出される生体活性剤の量を増加することができる。このような脂質被覆材は、内在している薬剤被覆物を保護している。
一実施形態において、脂質被覆材は、カテーテル組立品10がその進路を送出位置への方向、例えば、ガイドカテーテルを通る方向にすることに伴う容易さを高め、または、抵抗を低減する。例えば、固体または半固体脂質被覆材は、装置の被覆された部分がその進路を、ガイドカテーテルを通って、生体活性剤が送出される位置への方向にするとき、それがガイドカテーテルまたはその他の装置またはその両方の中に挿入されたときにおいて、装置の通路を潤滑にすることができる。すなわち、固体または半固体の脂質被覆材は、装置の被覆された部分が、生体活性剤が送出される位置に到達するまたは位置する前に、生体活性剤を含んでいる被覆物がガイドカテーテル、被検者の組織、体液、または双方に接触するまたは磨く/すり減らす程度を低減させることができる。固体または半固体の脂質被覆材は、装置またはガイドカテーテル、組織、または流体に接触している内在する被覆物から摩擦を減らすことができる。このような潤滑は、所望の位置へ送出される生体活性剤の量の増加をもたらしうる。カテーテル組立品10がその進路を送出位置への方向にするとき、脂質被覆材は、円滑にするための装置から取り除かれる。すなわち、脂質被覆材は犠牲潤滑剤でありうる。
一実施形態において、脂質被覆材は、生体活性剤および被検者の組織に接触しており、組織への薬剤の送出を助ける。被検者の組織は、疎水性度合いを有しており、体液または薬剤被覆物で仕上げられたマトリックスより、脂質被覆材組成物により近い。脂質被覆材の疎水性は、被検者の組織内または被検者の組織上において、吸収または生体活性剤の吸着を助けうる。一実施形態において、生体活性剤は、送出位置にあるとき、(例えば、分解または分散し、)脂質組成物内に存在するであろう。脂質被覆材は、被検者の組織に接着し、同様に、生体活性剤に(例えば、微小粒子の形状で)、被検者の組織に接着しうる。このような吸収、吸着、または接着は、所望の位置に送出される生体活性剤の量の増加をもたらしうる。
一実施形態において、脂質被覆材は、装置上の被覆物および生体活性剤の構造的完全性を強化する。例えば、固体または半固体脂質被覆材は、装置が自身の進路を送出位置方向にする、または、装置が医療関係者によって操作されるとき、微小粒子または装置から除去される活性薬剤の微小粒子の部分の発生率を阻止するまたは低減することができる。脂質被覆材は、カテーテル組立品10が、その進路を、曲がりくねった経路を通って送出位置への方向にするとき、例えば、これらの様々な被覆物および粒子を一緒に保持する粘性マトリックスまたは接触マトリックスとして、みなされうる。脂質被覆材は、例えば、カテーテル組立品10が、その進路を送出位置方向にするときに、血管壁またはその他の組織に接触したとき、これらの様々な被覆物および粒子を一緒に保持する粘性マトリックスまたは接触マトリクスとして見なされうる。カテーテル組立品10がその進路を、被検者を通って送出位置への方向にするとき、脂質被覆材は、保護したときに装置から取り除かれうる。すなわち、脂質被覆材は、犠牲保護剤として、扱うことができる。
脂質組成物
本明細書の脂質組成物は、脂質または脂質の混合物を含みうる。脂質または脂質の混合物は、例えば、室温で固体(例えば、ろう状または糊のような)または半固体、および被検者の体温で軟体または液体である。
一実施形態において、脂質組成物は、40℃以上の融点を有した脂質、および、20℃以下の融点を有した脂質を含んでいる。一実施形態において、脂質組成物は、37℃以上の融点を有した脂質、および、30℃以下の融点を有した脂質を含んでいる。一実施形態において、脂質組成物は、約35℃から約45℃の融点を有した脂質、および、約0℃から約35℃の融点の融点を有した脂質を含んでいる。
本脂質被覆材内で使用されている脂質は、ニシン、メンハーデン、ピルチャード、イワシ、クジラ、またはそれらの混合物からの油のような海産油;大豆油、綿実油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、ひまわり油、ベニバナ油、オリーブ油、ヤシ油、または、これらの混合物;または、これらの混合物を含んでいる。脂質組成物は、室温で液体である脂質、および、室温で固体である脂質の混合物でありうる。室温で液体の脂質は、商品名High Oleic CV-65 canola oil (Cargill Inc., Minnetonka, MN)で売られている。一実施形態において、室温で液体の油は、水素化されたものではない(例えば、部分的に水素化されたものおよび完全に水素化されたもののどちらでもない)。一実施形態において、室温で固体である脂質は、部分的または完全に水素化された上に挙げた油、例えば、完全に水素化された油である。室温で液体の脂質は、商品名STABLE FLAKE C(登録商標)で売られており、綿実ステアリン製品(C. & T. Refinery, Inc. of Richmond, Va.)である。
ある実施形態において、脂質組成物は、例えば、植物油、花精油、動物油、海産油(例えば、魚油)、熱帯性油(例えば、ココナッツ油またはヤシ油)、オリーブ油、ピーナッツ油のような油;豚脂、乳脂肪;例えば、ブタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸またはこれらの混合物などの飽和脂肪酸;例えば、オクタデカトリエン酸、エイコサン酸、エイコセン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、α‐リノレン酸、γ‐リノレン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸などの不飽和脂肪酸;例えば、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、カルジオリピン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ジミリストリルホスファチジルコリン、ジロレオイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリンのような天然または合成リン脂質;モノ‐、ジ‐または、トリアシルグリセロール、または、これらの混合物を含みうる。豚脂は、豚の脂を精製し、浄化し、そして、およそ86°F(30℃)で融解させる。
ある実施形態において、存在する脂質組成物は、1以上の脂肪、ろう、ステロール、リン脂質;モノ‐、ジ‐またはトリ‐グリセリド;脂肪酸アシル、グリセロ脂質、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質(例えば、スフィンゴミエリン)、糖脂質(saccharolipid)、ポリケチド、ステロール脂質、プレノール脂質またはこれらの混合物を含みうる。更なる適した脂質は、16から26の鎖長の炭素原子で飽和または単不飽和された脂肪酸部分を含んでいる、セラミド、リンスフィンゴ脂質、グリコスフィンゴリピドを含んでいる。
存在する脂質組成物の融点は、当技術分野で容認された複数の方法のうち任意の一つによって決定されうる。適した方法は、メットラー滴点テスト(例えば、ASTM D 3954参照)に含まれている。つまり、このテストにおいて、計測されたサンプルは、カップ内に収められ、所望のレートで温められる。溶融物質の滴が標準の開口部を通るときの温度は、記録される。その他の方法は、AOCS Method Cc 2-38(ワイリー融点)、開放毛管スリップポイント、および、軟化点テストを含んでいる。
室温で固体のものおよびこれらの組成物の構成要素である、または、このように現れる脂質組成物の有用な作成方法は、米国特許第6,544,579に記載されており、その開示が、参照により本明細書に組み込まれている。脂質組成物は、大気温度に冷却または脂質被覆材を提供するために過冷されうる。
一実施形態において、脂質組成物は、本質的に1つ以上の脂質からなる。一実施形態において、脂質組成物は、1つ以上の脂質からなる。脂質は、一般的に、活性薬剤ではない。
脂肪酸
本脂質組成物は、1つ以上の脂肪酸、エステル化されていないことを意味する遊離脂肪酸、または、その他の方法で誘導体化された脂肪酸を含みうる。脂肪酸は、カルボン酸塩(例えば、脂肪酸塩)を含む、または、カルボン酸塩でありうる。適した脂肪酸は、飽和および不飽和の脂肪酸を含んでいる。適した不飽和脂肪酸は、単不飽和脂肪酸およびポリ不飽和脂肪酸を含んでいる。一実施形態において、脂肪酸組成物は、単不飽和脂肪酸を含んでいる。一実施形態において、脂肪酸組成物は、飽和脂肪酸を含んでいる。一実施形態において、脂肪酸組成物は、飽和脂肪酸および単不飽和脂肪酸を含んでいる。
適した飽和脂肪酸は、それらに6から28の炭素原子を含んでいる。一実施形態において、飽和脂肪酸の化学式は、CH(CHCOOHであり、4≦n≦18である。ある実施形態において、nは、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18である。ある実施形態において、6≦n≦8、8≦n≦16、または、10≦n≦14である。一実施形態において、nは10である。
適した不飽和脂肪酸は、それらに8から24の炭素原子を含んでいる。一実施形態において、不飽和脂肪酸の化学式は、CH(CHC=CH(CHCOOHであり、mおよびoは、独立して、2以上であり、18以下である。ある実施形態において、mは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18である。ある実施形態において、oは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18である。ある実施形態において、4≦m≦18、6≦m≦14、または6≦m≦8である。ある実施形態において、4≦o≦18、6≦o≦14、または、6≦o≦8である。一実施形態において、mは7であり、oは11であり、二重結合は、シス(cis)である。一実施形態において、不飽和脂肪酸の化学式は、CH=CH(CHCOOHであり、3≦p≦21である。
一実施形態において、不飽和脂肪酸は、C:Dで記載されうる。ここで、Cは、炭素原子の数であり、Dは、二重結合の数である。Cは、6から24であり得、Dは2から6でありうる。CおよびDは、整数である。一実施形態において、Dは1であり得、Cは6から24でありうる。また、二重結合の位置および空間的配置は、既定の場所である。
一実施形態において、脂肪酸組成物は、30℃以上の融点を有した飽和脂肪酸、および、20℃以下の融点を有した不飽和脂肪酸を含んでいる。一実施形態において、脂肪酸組成物は、35℃以上の融点を有した飽和脂肪酸、および、35℃以下の融点を有した不飽和脂肪酸を含んでいる。一実施形態において、脂肪酸組成物は、約30℃から約45℃の融点を有した飽和脂肪酸および約0℃から約35℃の融点を有した不飽和脂肪酸を含んでいる。
一実施形態において、脂質被覆材は、複数の脂肪酸を含む、または、複数の脂肪酸からなる。複数の脂肪酸は、2つの脂肪酸でありうる。脂質被覆材は、脂肪酸または(例えば、2つの)脂肪酸の混合物でありうる。脂肪酸または複数の脂肪酸は、障壁層である、または、障壁層を作成する組成物でありうる。複数の脂肪酸は、室温で固体であり、被検者の体温で軟体または液体である脂肪酸の混合物でありうる。複数の脂肪酸は、室温より高い温度および被検者の体温より低い温度で軟化する脂肪酸の混合物でありうる。複数の脂肪酸は、室温より高くおよび被検者の体温より低い融点を有した脂肪酸の混合物でありうる。
リン脂質
一実施形態において、脂質組成物はリン脂質を含んでいる。適したリン脂質は、例えば、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、またはそれらの混合物を含んでいる。
適したホスファチジルコリンは、例えば、1,2‐ジデカノイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン(CAS no. 3436-44-0)、1,2‐ジエルコイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン(CAS no. 56649-39-9)、1,2‐ジリノレオイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン(CAS no. 998-06-1)、1,2‐ジラルロイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン(CAS no. 18194-25-7)、1,2‐ジミリストイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン(CAS no.18194-24-6)、1,2‐ジオレオイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン(CAS no. 4235-95-4)、1,2‐ジパルミトイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン(CAS no. 63-89-8)、卵から精製されたホスファチジルコリン、大豆から精製されたホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、1‐ミリストイル‐2‐パルミトイル‐sn‐グリセロ 3‐ホスフォコリン、1‐ミリストイル‐2‐ステアロイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン、1‐パルミトイル‐2‐ミリストイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン、1‐パルミトイル‐2‐オレオイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン(CAS no. 26853-31-6)、1,2‐ジステアロイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン(CAS no. 816-94-4)、1‐パルミトイル‐2‐ステアロイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン、1‐ステアロイル‐2‐ミリストイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン、1‐ステアロイル‐2‐オレオイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン、1‐ステアロイル‐2‐パルミトイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン、または、これらの混合物を含んでいる。
適したリゾホスファチジルコリンは、例えば、1‐ミリストイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン(CAS no. 18194-24-6)、1‐パルミトイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン(CAS no. 17364-16-8)、1‐ステアロイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスフォコリン(CAS no. 19420-57-6)、または、これらの混合物を含んでいる。
適したホスファチジン酸は、例えば、1,2‐ジエルコイル‐sn‐グリセロ‐3‐リン酸塩(ナトリウム塩)(CAS no. 80724-31 -8)、1,2‐ジラウロイル‐sn‐グリセロ‐3‐リン酸塩(ナトリウム塩)、1,2‐ジミリストイル‐sn‐グリセロ‐3‐リン酸塩(ナトリウム塩)(CAS no. 80724-3)、1,2‐ジオレオイル‐sn‐グリセロ‐3‐リン酸塩(ナトリウム塩)、1,2‐ジパルミトイル‐sn‐グリセロ‐3‐リン酸塩(ナトリウム塩)(CAS no. 71065-87-7)、1,2‐ジステアロイル‐sn‐グリセロ‐3‐リン酸塩(ナトリウム塩)(CAS no. 108321-18-2)、または、これらの混合物を含んでいる。
適したホスファチジルエタノールアミンは、例えば、1,2‐ジエルコイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスホエタノールアミン(CAS no. 988-07-2)、1,2‐ジラウロイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスホエタノールアミン、1,2‐ジミリストイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスホエタノールアミン(CAS no. 988-07-2)、1,2‐ジオレオイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスホエタノールアミン、1,2‐ジパルミトイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスホエタノールアミン(CAS no. 923-61-5)、1‐パルミトイル‐2‐オレオイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスホエタノールアミン、1,2‐ジステアロイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスホエタノールアミン(CAS no. 1069-79-0)、または、これらの混合物を含んでいる。
適したホスファチジルセリンは、例えば、1,2‐ジラウロイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスホセリン(ナトリウム塩)、1,2‐ジミリストイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスホセリン(ナトリウム塩)、1,2‐ジパルミトイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスホセリン(ナトリウム塩)、1,2‐ジステアロイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスホセリン(ナトリウム塩)、1,2‐ジオレオイル‐sn‐グリセロ‐3‐ホスホセリン(ナトリウム塩)(CAS no. 70614-14-1)、またはこれらの混合物を含んでいる。
図7を参照すると、カテーテル組立品10の被覆物32は、保護層36の一面に配置された任意第2保護層38を有していることが示されている。一実施形態において、任意第2保護層38は、保護層36と同じものである。他の実施形態において、任意第2保護層38は、保護層36と異なるものである。
図1および図2には、スリーブ14が記載されている。スリーブ14拡張および折り畳み可能な構造体12の外面22の一面に配置されている。スリーブ14は、圧縮された形(図1に示す)および伸張された形(図14に示す)から拡張するように構成されており、伸張された形から圧縮された形につぶれるように構成されている。スリーブ14は、カテーテル組立品10が、標的部位にガイドワイヤ28に沿って案内されるとき、拡張および折り畳み可能な構造体12の外面22上に配置された被覆物を保護するように構成されている。
スリーブ14は形状記憶合金から製造されている。形状記憶合金は、原形から変形でき、特定の状態(例えば、温度)下で変形した形から原形に戻ることができるものである。描かれた実施形態において、スリーブ14の原形は、圧縮状態にある。圧縮状態が原形であるとき、スリーブ14は、拡張後、スリーブ14の温度が第1温度に到達するとき、圧縮状態に戻る。一実施形態において、上記第1温度は、およそ通常の体温(例えば、37℃)以下である。他の実施形態において、上記第1温度は、およそ通常の体温以上である。
描かれた実施形態において、スリーブ14の形状記憶合金は、ニッケル‐チタニウム(Ni−Ti)合金(例えば、ニチノール)である。他の実施形態において、形状記憶合金は、Ni‐Ti‐X、Cu‐Ni‐Al、Cu‐Zn‐Al、Fe‐Mn‐Si、Ni‐Ti‐Co、Ni‐Cu‐X、Ni‐Al等でありうる。
スリーブ14は、第1軸方向端部40および反対側に配置された第2軸方向端部42を有した本体(body)39を含んでいる。第1軸方向端部40は、拡張および折り畳み可能な構造体12の遠位端部16に隣接して配置されている。一方、第2軸方向端部42は、拡張および折り畳み可能な構造体12の近位端部18に隣接して配置されている。
描かれた実施形態において、スリーブ14の本体39は、複数のレール44および複数のリブ46を含んでいる。一実施形態において、本体39は少なくとも2つのレール44を含んでいる。他の実施形態において、本体39は少なくとも4つのレール44を含んでいる。その他の実施形態において、本体39は、少なくとも8つのレール44を含んでいる。その他の実施形態において、本体39は少なくとも12個のレール44を含んでいる。
図1に描かれた実施形態において、レール44は、通常、第1軸方向端部40および第2軸方向端部42の間の左右方向に拡張する。図1において、レール44は、スリーブ14が圧縮状態のとき、レール44が、通常、平行になるように、スリーブ14に配置される。
描かれた実施形態において、レール44の各々は、第1端部48および反対側に配置された第2端部50を含んでいる。第1端部48は、拡張および折り畳み可能な構造体12の遠位端部16に隣接して配置されている。一方、第2端部50は、拡張および折り畳み可能な構造体12の近位端部18に隣接して配置されている。描かれた実施形態において、隣接したレール44の第1端部48は、関連付けるように連結される。一方、上記レール44の第2端部50は、関連付けるように連結される。一実施形態において、隣接したレール44の第1端部48は、モノリシック構造である。
リブ46は、レール44の間に拡張している。リブ46は、レール44を支持するように構成されている。各リブ46は、第1端部部分52および反対側に配置された第2端部部分54を含んでいる。第1端部部分52は、複数のレール44の第1レール44aに連結され、第2端部部分54は、複数のレール44の第2レール44bに連結されている。描かれた実施形態において、第1レール44aおよび第2レール44bは、直接隣り合っている。一実施形態において、レール44およびリブ46は、内蔵(integral)されている。他の実施形態において、レール44およびリブ46は、モノリシック構造である。図1に描かれた実施形態において、スリーブ14が拡張状態にあるとき、リブ46は、レール44に対して、傾斜角をなして配置されている。
スリーブ14のレール44およびリブ46は、外面55および内面56を含んでいる。内面56は、拡張および折り畳み可能な構造体12が配置されるボア(bore)58を規定する。レール44は、外面55および内面56の間で計測される第1の厚さを有しており、リブ46は、第2の厚さを有している。一実施形態において、上記第1の厚さおよび上記第1の厚さは、ほぼ同じである。他の実施形態において、上記第1の厚さは、上記第2の厚さより大きい。一実施形態において、上記第1の厚さは、約50μmから約1mmの範囲である。他の実施形態において、上記第1の厚さは、約100μmから約200μmの範囲である。
図8を参照すると、スリーブ60の代替の実施形態が示されている。スリーブ60は、拡張および折り畳み可能な構造体12の外面22一面に配置されている。スリーブ60は、第1軸方向端部62および反対側に配置された第2軸方向端部64を含んでいる。スリーブ60は、更に、複数のレール66および複数のリブ68を含んでいる。
図8に描かれた実施形態において、複数のレール66は、第1軸方向端部62および第2軸方向端部64の間に配置されている。各レール66は、各レール66が通常、円環形を有するように、拡張および折り畳み可能な構造体12の外面22に包み込まれている。
各レール66は、起伏部70を含んでいる。描かれた実施形態において、各レール66は、複数の起伏部70を含んでいる。起伏部70は通常、波形である。起伏部70は、スリーブ60が拡張状態に拡張するとき、減少するように構成されている。描かれた実施形態において、起伏部70は、正弦曲線の形状である。
リブ68は、レール66の間に拡張している。描かれた実施形態において、リブ68は、通常、左右方向に配置される。各リブ68は、第1端部部分72および反対側に配置された第2端部部分74を含んでいる。第1端部部分72は、複数のレール66の第1レール66aに連結されている。一方、第2端部部分74は、複数のレール66の第2レール66bに連結されている。描かれた実施形態において、第1レール66aおよび第2レール66bは、直接隣り合っている。一実施形態において、レール66およびリブ68は、内蔵されている。他の実施形態において、レール66およびリブ68は、モノリシック構造である。
描かれた実施形態において、リブ68は、起伏部76を含んでいる。起伏部76は、スリーブ60が拡張されるとき、リブ68を拡張させるように構成されている。起伏部76は、通常、波形である。描かれた実施形態において、起伏部は、正弦曲線の形状である。
図9を参照すると、スリーブ80の代替の実施形態が示されている。スリーブ80は、拡張および折り畳み可能な構造体12の外面22一面に配置されている。スリーブ80は、第1軸方向端部82および反対側に配置された第2軸方向端部84を含んでいる。第1軸方向端部82は、拡張および折り畳み可能な構造体12の遠位端部16に隣接して配置されている。一方、第2軸方向端部84は、拡張および折り畳み可能な構造体12の近位端部18に隣接して配置されている。
スリーブ80は、更に、複数のレール86および複数のリブ88を含んでいる。図9に描かれた実施形態において、レール86は、通常、第1軸方向端部82および第2軸方向端部84の間の左右方向に拡張する。図9において、レール86は、スリーブ80が圧縮状態のとき、レール86が、通常、平行になるように、スリーブ80に配置されている。
描かれた実施形態において、各レール86は、第1端部90および反対側に配置された第2端部92を含んでいる。第1端部90は、拡張および折り畳み可能な構造体12の遠位端部16に隣接して配置されている。一方、第2端部92は、拡張および折り畳み可能な構造体12の近位端部18に隣接して配置されている。
リブ88は、レール86の間に拡張している。描かれた実施形態において、リブ88は、通常、長手方向軸20と垂直である一般的な方向に配置されている。各リブ88は、第1端部部分94および反対側に配置された第2端部部分96を含んでいる。第1端部部分94は、複数のレール86の第1レール86aに連結され、第2端部部分96は、複数のレール86の第2レール86bに連結されている。描かれた実施形態において、第1レール86aおよび第2レール86bは、直接隣り合っている。一実施形態において、レール86およびリブ88は、内蔵されている。他の実施形態において、レール86およびリブ88は、モノリシック構造である。
描かれた実施形態において、リブ88、起伏部98を含んでいる。起伏部98は、スリーブ80が拡張されるとき、リブ88を拡張させるように構成されている。起伏部98は、通常、波形である。描かれた実施形態において、起伏部98は、正弦曲線の形状である。
図10を参照すると、スリーブ100の代替の実施形態が示されている。スリーブ100は、拡張および折り畳み可能な構造体12の外面22一面に配置されている。スリーブ100は、第1軸方向端部102および反対側に配置された第2軸方向端部104を含んでいる。第1軸方向端部102は、拡張および折り畳み可能な構造体12の遠位端部16に隣接して配置されている。一方、第2軸方向端部104は、拡張および折り畳み可能な構造体12の近位端部18に隣接して配置されている。
スリーブ100は、更に、複数のレール106および複数のリブ108を含んでいる。描かれた実施形態において、各レール106は、第1端部110および反対側に配置された第2端部112を含んでいる。第1端部110は、拡張および折り畳み可能な構造体12の遠位端部16に隣接して配置されている。一方、第2端部112は、拡張および折り畳み可能な構造体12の近位端部18に隣接して配置されている。各レール106は、各レール106が拡張および折り畳み可能な構造体12のほぼ長手方向軸20に、らせん形になるように、拡張および折り畳み可能な構造体12の外面22の周りに包まれている。
描かれた実施形態において、各レール106は、スリーブ100が拡張されるときに、各レール106の長さが拡張できるように、起伏部116を含んでいる。描かれた実施形態において、各レール106は、複数の起伏部116を含んでいる。起伏部116は、通常、波形である。起伏部116は、スリーブ100拡張状態に拡張するとき、減少するように構成されている。描かれた実施形態において、起伏部116は、正弦曲線の形状である。
リブ108は、レール106の間に拡張している。各リブ108は、第1端部部分118および反対側に配置された第2端部部分120を含んでいる。第1端部部分118は、複数のレール106の第1レール106aに連結されている。一方、第2端部部分120は、複数のレール106の第2レール106bに連結されている。描かれた実施形態において、第1レール106aおよび第2レール106bは、直接隣り合っている。一実施形態において、レール106およびリブ108は、内蔵されている。他の実施形態において、レール106およびリブ108は、モノリシック構造である。描かれた実施形態において、リブ108は、スリーブ100が圧縮状態のとき、通常、レール106と垂直である。
描かれた実施形態において、リブ108は、起伏部122を含んでいる。起伏部122は、スリーブ100が拡張するとき、リブ108を拡張させるように構成されている。起伏部122は、通常、波形である。描かれた実施形態において、起伏部122は、正弦曲線の形状である。
図1を参照すると、スリーブ14および拡張および折り畳み可能な構造体12の連結が記載されている。スリーブ14は、第1軸方向端部40が拡張および折り畳み可能な構造体12の遠位端部16に隣接して配置され、第2軸方向端部42が拡張および折り畳み可能な構造体12の近位端部18に隣接して配置されるように、拡張および折り畳み可能な構造体12の周囲に配置されている。一実施形態において、スリーブ14の第1軸方向端部40は、拡張および折り畳み可能な構造体12の遠位端部16に固定されている(例えば、接着される、固着される、融合される、機械的に締結されるおよびこれらの組み合わせ)。一方、スリーブ14の第2軸方向端部42は、拡張および折り畳み可能な構造体12の近位端部18から固定されていない。
図1に描かれた実施形態において、スリーブ14の第1軸方向端部40は、拡張および折り畳み可能な構造体12の遠位端部16に機械的に固定されている。図1に描かれた実施形態において、スリーブ14の第1軸方向端部40は、バンド130aによって遠位端部に機械的に固定されている。バンド130aは、バンド130aと拡張および折り畳み可能な構造体12の遠位端部16との間に配置されたスリーブ14の第1軸方向端部40を有した遠位端部16の周囲に圧着されうる。他の実施形態において、バンド130aは、加熱で減少する内径を有している伸縮包装管組織である。他の実施形態において、第1軸方向端部40は、拡張および折り畳み可能な構造体12の遠位端部16に粘着剤で結合される。他の実施形態において、第1軸方向端部40は、機械的に固定されており、拡張および折り畳み可能な構造体12の遠位端部16と接着接合している。
図11を参照すると、スリーブ14の第1軸方向端部40および第2軸方向端部42が拡張および折り畳み可能な構造体12の遠位端部16および近位端部18に、それぞれ、固定されている(例えば、接着される、固着される、融合される、機械的に締結されるおよびこれらの組み合わせ)カテーテル組立品10の代替の実施形態を示す。図11に描かれた実施形態において、スリーブ14の第1軸方向端部40および第2軸方向端部42は、拡張および折り畳み可能な構造体12の遠位端部16および近位端部18にそれぞれ機械的に固定されている。スリーブ14の第1軸方向端部40は、バンド130aによって、遠位端部16に固定されており、スリーブ14の第2軸方向端部42は、第2バンド130bによって近位端部18に固定されている。一実施形態において、接着剤は、バンド130aおよび遠位端部16の間、並びに、第2バンド130bおよび近位端部18の間に配置される。
図12を参照すると、カテーテル組立品10の他の実施形態が示されている。この実施形態において、スリーブ14の第1軸方向端部40および第2軸方向端部42は、拡張および折り畳み可能な構造体12の遠位端部16および近位端部18から固定されていない。この実施形態において、スリーブ14が圧縮状態にあるときのスリーブ14のボア58の内径は、拡張および折り畳み可能な構造体12が収縮状態の時の、拡張および折り畳み可能な構造体12の外面22の外径よりも小さい。拡張および折り畳み可能な構造体12およびスリーブ14の間の、この締りばめは、拡張および折り畳み可能な構造体12の周囲にスリーブ14を保持する。
図13を参照すると、第2拡張および折り畳み可能な構造体140を有したカテーテル組立品10を示している。第2拡張および折り畳み可能な構造体140は、拡張および折り畳み可能な構造体12の近位端部18に隣接して配置されている。第2拡張および折り畳み可能な構造体140は、収縮状態(図13に示す)から膨張状態(図18に示す)に拡張する、および、膨張状態から収縮状態に縮小するように構成されている。
第2拡張および折り畳み可能な構造体140は、拡張および折り畳み可能な構造体12が膨張されているとき、患者の体内の血管を通る血流を減少するまたは阻止するように構成されている。第2拡張および折り畳み可能な構造体140は、第1端部142、反対側に配置された第2端部144、並びに、第1端部142および第2端部144の間で拡張する外面146を含んでいる。描かれた実施形態において、第2拡張および折り畳み可能な構造体140の長さL140は、拡張および折り畳み可能な構造体12、並びに、第2拡張および折り畳み可能な構造体140が収縮状態にあるとき、拡張および折り畳み可能な構造体12の長さL12より小さい。
図1、2および13を参照すると、スリーブ14における複数のレール44および複数のリブ46は、スリーブ14の外面55および内面56を通って拡張する複数の開口部150を規定する。複数の開口部150は、スリーブ14が圧縮状態のとき、十分に開いている。一実施形態において、複数の開口部150は、スリーブ14が圧縮状態にあるとき、スリーブ14の外面55の全表面積(すなわち、全表面積=外面55におけるレール44の表面積+外面55におけるリブ46の表面積+外面55における開口部150の面積)の約40%より大きいスリーブ14の外面55の面積を規定する。他の実施形態において、複数の開口部150は、スリーブ14が圧縮状態にあるとき、スリーブ14の外面55の全表面積の約50%以上であるスリーブ14の外面55の面積を規定する。他の実施形態において、複数の開口部150は、スリーブ14が圧縮状態にあるとき、スリーブ14の外面55の全表面積の約60%以上であるスリーブ14の外面55の面積を規定する。他の実施形態において、複数の開口部150は、スリーブ14が圧縮状態にあるとき、スリーブ14の外面55の全表面積の約70%以上であるスリーブ14の外面55の面積を規定する。他の実施形態において、複数の開口部150は、スリーブ14が圧縮状態にあるとき、スリーブ14の外面55の全表面積の約40%から約95%の範囲である、スリーブ14の外面55の面積を規定する。
拡張および折り畳み可能な構造体12の被覆物32は、第1に、スリーブ14の開口部150に存在する。当然のことながら、「第1に」は、いくつかの被覆物32に対し、レール44、および、拡張および折り畳み可能な構造体12の外面22の間、並びに、リブ46、および、拡張および折り畳み可能な構造体12の外面22の間に配置させる。被覆物32が、第1にスリーブ14の開口部150の間に存在するとき、開口部150の大きさおよびレール44の第1の厚さは、協力して、カテーテル組立品10によって標的部位に運ばれうる被覆物32の量を規定する。対象の実施形態において、被覆物32の外径は、拡張および折り畳み可能な構造体12が収縮状態にあり、スリーブ14が圧縮状態にあるとき、スリーブ14の外径より小さい。レール44の第1の厚さが増加するとき、被覆物32の厚さは増加しうる。
図14〜図16を参照すると、カテーテル組立品10は、患者の体内の標的部位にガイドワイヤ28に従って、案内される。カテーテル組立品10がガイドワイヤ28に従って案内されるとき、カテーテル組立品10は、ガイドチューブ154の内部ボア152に配置される。
図15および図16に最適に示すように、カテーテル組立品10は、カテーテル組立品10が標的部位に案内されるとき、ガイドチューブ154の内壁156に接触しうる。スリーブ14は、カテーテル組立品10標的部位に移動するとき、カテーテル組立品10の被覆物32を保護するように構成されている。スリーブ14が圧縮状態にあるとき、スリーブ14のレール44の外径が被覆物32の外径より大きい場合、スリーブ14のレール44は、被覆物32および内壁156の間の直接接触の量を抑制するまたは低減する。カテーテル組立品10が標的部位に移動するとき、ガイドチューブ154の内壁156は、被覆物32よりむしろレール44の外面55に接触する。少数の被覆物が標的部位への運送の間損出するため、カテーテル組立品10およびガイドチューブ154の直接接触として、多くの被覆物32は、標的部位への送出に利用可能である。
図17および図18を参照すると、カテーテル組立品10の利用が記載されている。カテーテル組立品10が患者の体内の標的部位に位置されているとき、流体は、拡張および折り畳み可能な構造体12が膨張状態に拡張するように拡張および折り畳み可能な構造体12の管腔30に伝えられる。流体の圧力は、拡張および折り畳み可能な構造体12の膨張を引き起こしている拡張および折り畳み可能な構造体12の内面24に逆らう力を生み出す。一実施形態において、拡張および折り畳み可能な構造体12を膨張状態に拡張するために必要とされる上記流体の圧力は、およそ15気圧以下である。一実施形態において、拡張および折り畳み可能な構造体12を膨張状態に拡張するために必要とされる上記流体の圧力は、およそ10気圧以下である。他の実施形態において、拡張および折り畳み可能な構造体12を膨張状態に拡張するために必要とされる上記流体の圧力は、およそ5から10気圧の範囲である。他の実施形態において、拡張および折り畳み可能な構造体12を膨張状態に拡張するために必要とされる上記流体の圧力は、およそ7から10気圧の範囲である。
図17に描かれた実施形態において、第2拡張および折り畳み可能な構造体140も、膨張状態に拡張される。一実施形態において、第2拡張および折り畳み可能な構造体140は、拡張および折り畳み可能な構造体12の拡張より前に拡張される。一実施形態において、拡張および折り畳み可能な構造体12を膨張状態に拡張するために必要とされる流体の圧力は、およそ5気圧以下である。一実施形態において、拡張および折り畳み可能な構造体12を膨張状態に拡張するために必要とされる流体の圧力は、およそ3気圧以下である。他の実施形態において、拡張および折り畳み可能な構造体12を膨張状態に拡張するために必要とされる流体の圧力は、およそ1から5気圧の範囲である。他の実施形態において、拡張および折り畳み可能な構造体12を膨張状態に拡張するために必要とされる流体の圧力は、およそ2から3気圧の範囲である。
拡張および折り畳み可能な構造体12の内面24に対抗する流体の力は、スリーブ14の内面56に逆らって働いており、スリーブ14を拡張状態に半径方向外向きに拡張することを引き起こす。スリーブ14が拡張されたとき、スリーブ14の外面55における開口部150の面積は増加する。この面積の増加は、被覆物32の量の増加のために、患者の体内の標的部位と接触させるようにする。
図18に最適に示すように、拡張および折り畳み可能な構造体12およびスリーブ14が拡張された状態で、被覆物32は、スリーブ14内の開口部150を通って拡張する。描かれた実施形態において、被覆物32は、スリーブ14の外面55を過ぎて拡張する。スリーブ14の外面55を過ぎた被覆物32の拡張は、被覆物32に患者の体内の標的部位の位置、または周りの組織に接触させる。被覆物32が患者の体内の標的部位の位置または周りに接触している状態で、生体活性剤は、上記標的部位の位置、または、周りに送出される。
覆物32の少なくとも一部の生体活性剤が送達された後、拡張および折り畳み可能な構造体12の管腔30内の流体は、排水される。管腔30内の流体が取り除かれた状態で、スリーブ14の内面56に反して働く力は、取り除かれる。スリーブ14の形状記憶合金の原形が圧縮状態である場合、スリーブ14は、拡張および折り畳み可能な構造体12の管腔30内の流体が排水されるときに、自然に圧縮状態に収縮する。
スリーブ14の温度は、スリーブ14が自然に収縮する前に調整される必要がある。一実施形態において、スリーブ14の温度は、拡張および折り畳み可能な構造体12の管腔30を通って、温かい液体を送ることによって調整されうる。
スリーブ14が圧縮状態に収縮するとき、拡張および折り畳み可能な構造体12は、収縮状態に収縮する。一旦、拡張および折り畳み可能な構造体12およびスリーブ14が、それぞれ、縮まり、圧縮状態になると、カテーテル組立品10は、ガイドチューブ154(図14に示す)を通って、患者の体内の脈管構造から 取り除かれ、患者から引き抜かれる。
本開示の様々な変更および修正が、本開示の範囲および精神から離れることなしに当業者によって明らかになるであろう。当然のことながら、本開示の範囲は、本明細書に説明された実施形態に角に限定されるものではない。
本開示の原理に基づく態様の模範的な特徴を有しており、拡張および折り畳み可能な構造体が収縮状態にあり、スリーブが圧縮状態にあるカテーテル組立品の側面図である。 図1の2−2線におけるカテーテル組立品の断面図である。 図2の3−3線におけるカテーテル組立品の断面図である。 任意の保護層を示している図1のカテーテル組立品の断面図である。 図4の5−5線におけるカテーテル組立品の断面図である。 任意の剥離層を示している図1のカテーテル組立品の断面図である。 任意の第2の保護層を示している図1のカテーテル組立品の断面図である。 カテーテル組立品におけるスリーブの他の実施形態の側面図である。 カテーテル組立品におけるスリーブの他の実施形態の側面図である。 カテーテル組立品におけるスリーブの他の実施形態の側面図である。 拡張および折り畳み可能な構造体とスリーブとの間における代替の連結の配置を示しているカテーテル組立品の側面図である。 拡張および折り畳み可能な構造体とスリーブとの間における代替の連結の配置を示しているカテーテル組立品の側面図である。 第2の拡張および折り畳み可能な構造体を示しているカテーテル組立品の側面図である。 膨張状態にある拡張および折り畳み可能な構造体と伸張状態にあるスリーブとを有するカテーテル組立品の側面図である。 図14の15−15線におけるカテーテル組立品の断面図である。 ガイドチューブを配置しているカテーテル組立品の断面図である。 ガイドチューブを配置しているカテーテル組立品の他の断面図である。 ガイドチューブを配置しているカテーテル組立品の他の断面図である。

Claims (40)

  1. 外面を有し、収縮状態および膨張状態の間で拡張するように構成されている拡張および折り畳み可能な構造体と、
    上記拡張および折り畳み可能な構造体の上記外面上に配置された被覆物であって、生体活性剤を含んでいる被覆物と、
    上記被覆物の一面に配置された、形状記憶合金からなるスリーブであって、スリーブの内面に働く力に応じて圧縮状態および拡張状態の間で拡張し、上記力が取り除かれたとき、上記拡張状態から上記圧縮状態に戻るように構成され、上記圧縮状態において、複数の開口部を規定するスリーブと、を備え、
    上記拡張および折り畳み可能な構造体が上記収縮状態にあるとき、上記被覆物の外径が上記スリーブの外径より小さく、上記拡張および折り畳み可能な構造体が上記膨張状態にあるとき、上記被覆物の外径が上記スリーブの上記外径より大きい、カテーテル組立品。
  2. 上記スリーブは、
    第1軸方向端部および反対側に配置された第2軸方向端部と、
    上記第1および第2軸方向端部の間で拡張する外面と、
    上記第1および第2軸方向端部の間で拡張し、上記拡張および折り畳み可能な構造体が配置されるボアを規定する内面と、
    上記第1および第2軸方向端部の間で拡張し、上記複数の開口部を規定する複数のレールと、を含み、
    上記複数の開口部は、上記内面および上記外面を通って拡張する、請求項1に記載のカテーテル組立品。
  3. 上記複数のレールは、上記第1および第2軸方向端部、請求項2に記載のカテーテル組立品。
  4. 上記スリーブは、隣接するレールの間で拡張する複数のリブを含んでいる、請求項3に記載のカテーテル組立品。
  5. 上記複数のリブは、上記複数のレールに対して、傾斜角をなして配置されている、請求項4に記載のカテーテル組立品。
  6. 上記スリーブの材質は、ニッケル‐チタニウム合金を含んでいる、請求項1に記載のカテーテル組立品。
  7. 上記被覆物は、室温および体温の間の温度で、軟化または溶解する、請求項1に記載のカテーテル組立品。
  8. 上記被覆物は、生体活性剤を有した薬剤被覆物と、脂肪酸を有した保護被覆物とを含み、上記保護被覆物は、上記薬剤被覆物上に配置されている、請求項1に記載のカテーテル組立品。
  9. 上記保護被覆物は、複数の脂肪酸を含んでいる、請求項8に記載のカテーテル組立品。
  10. 上記複数の脂肪酸は、室温で固体であり、被検者の体温で軟体または液体である、請求項9に記載のカテーテル組立品。
  11. 上記拡張および折り畳み可能な構造体の近接端部に隣接して配置された第2拡張および折り畳み可能な構造体を更に備えている、請求項1に記載のカテーテル組立品。
  12. 外面を有し、収縮状態および膨張状態の間で拡張するように構成されている拡張および折り畳み可能な構造体と、
    上記拡張および折り畳み可能な構造体の上記外面上に配置され、生体活性剤を含む薬剤被覆物と、
    上記薬剤被覆物上に配置され、複数の脂肪酸の混合物を含む保護被覆物と、
    上記保護被覆物の一面に配置された、形状記憶合金からなるスリーブであって、スリーブの内面に働く力に応じて圧縮状態および拡張状態の間で拡張し、上記力が取り除かれたとき、上記拡張状態から上記圧縮状態に戻るように構成されているスリーブと、を備え、上記スリーブは、第1軸方向端部および反対側に配置された第2軸方向端部の間で縦方向に拡張する複数のレールを含み、上記複数のレールは、複数の開口部を規定し、上記保護被覆物は、圧縮状態で上記複数の開口部を通って接触可能であり、上記複数の開口部のそれぞれの大きさは、拡張状態において、増大する、カテーテル組立品。
  13. 上記スリーブの材質は、ニッケル‐チタニウム合金を含んでいる、請求項12に記載のカテーテル組立品。
  14. 上記スリーブは、隣接するレールの間で拡張する複数のリブを含んでいる、請求項12に記載のカテーテル組立品。
  15. 上記複数のリブは、上記複数のレールに対して、傾斜角をなして配置されている、請求項14に記載のカテーテル組立品。
  16. 上記脂肪酸の混合物は、室温で固体であり、被検者の体温で軟体または液体である、請求項12に記載のカテーテル組立品。
  17. 上記脂肪酸の混合物は、オレイン酸、ドデカン酸、または、これらの塩を含んでいる、請求項16に記載のカテーテル組立品。
  18. 上記生体活性剤は、抗増殖薬、抗炎症剤、または、抗血小板剤を含んでいる、請求項12に記載のカテーテル組立品。
  19. 上記拡張および折り畳み可能な構造体の上記外面と上記薬剤被覆物との間に配置された遊離被膜材を更に備え、上記遊離被膜材は、上記薬剤被覆物の放出を促進するように構成されている、請求項12に記載のカテーテル組立品。
  20. 上記拡張および折り畳み可能な構造体の近接端部に隣接して配置された第2拡張および折り畳み可能な構造体を更に備えている、請求項12に記載のカテーテル組立品。
  21. 外面を有し、収縮状態および膨張状態の間で拡張するように構成されている拡張および折り畳み可能な構造体と、
    上記拡張および折り畳み可能な構造体の上記外面上に配置された被覆物であって、生体活性剤を含んでいる被覆物と、
    上記被覆物の一面に配置された、形状記憶合金からなるスリーブであって、スリーブの内面に働く力に応じて圧縮状態および拡張状態の間で拡張し、上記力が取り除かれたとき、上記拡張状態から上記圧縮状態に戻るように構成されているスリーブと、を備え、上記スリーブは、
    内面および外面を有する本体を含み、
    上記内面は、上記拡張および折り畳み可能な構造体が配置されるボアを規定し、
    上記本体は、上記内面および上記外面を通って拡張する複数の開口部を規定し、上記複数の開口部は、上記圧縮状態における上記外面の全表面積の約40%から約95%である、上記圧縮状態における上記外面の面積を規定する、カテーテル組立品。
  22. 上記スリーブの材質は、ニッケル‐チタニウム合金を含んでいる、請求項21に記載のカテーテル組立品。
  23. 上記スリーブの上記本体は、上記本体の第1端部および反対側に配置された上記本体の第2端部の間で拡張する複数のレールを含んでいる、請求項22に記載のカテーテル組立品。
  24. 本体は、隣接するレールの間で拡張する複数のリブを含んでいる、請求項23に記載のカテーテル組立品。
  25. 上記被覆物は、上記生体活性剤を有している薬剤被覆物および上記薬剤被覆物上に配置された脂質被覆材を含んでいる、請求項21に記載のカテーテル組立品。
  26. 第1軸方向端部、反対側に配置された第2軸方向端部、外面、および、反対側に配置された内面を有する本体を備え、上記本体は、上記第1および第2軸方向端部を通って拡張するボアと、上記外面および上記内面を通過する複数の開口部とを規定し、上記本体は、拡張状態と比較して圧縮状態に偏っており、上記内面に働く力に反応して上記拡張状態が形成され、上記本体は、上記力が取り除かれた時、上記拡張状態から上記圧縮状態に戻るように構成され、上記複数の開口部は、上記圧縮状態における上記外面の全表面積の約40%から約95%である、上記圧縮状態における上記外面の面積を規定する、カテーテル組立品の、形状記憶合金からなるスリーブ。
  27. 上記本体は、上記第1および第2軸方向端部の間に配置された複数のレールを含んでいる、請求項26に記載のスリーブ。
  28. 上記複数のレールの各々は、環状リングを形成している、請求項27に記載のスリーブ。
  29. 上記複数のレールの各々は、起伏部を含んでいる、請求項28に記載のスリーブ。
  30. 上記本体は、隣接するレールに連結された複数のリブを含んでいる、請求項29に記載のスリーブ。
  31. 上記リブの各々は、起伏部を含んでいる、請求項30に記載のスリーブ。
  32. 上記本体は、上記第1および第2軸方向端部の間で拡張する複数のレールを含んでいる、請求項26に記載のスリーブ。
  33. 上記複数のレールの各々は、起伏部を含んでいる、請求項32に記載のスリーブ。
  34. 上記起伏部は、通常、正弦曲線の形状である、請求項33に記載のスリーブ。
  35. 上記複数のレールの各々は、上記圧縮状態において、通常、隣接するレールと平行である、請求項32に記載のスリーブ。
  36. 上記複数のレールの各々は、上記圧縮状態において、通常、上記本体の中央長手方向軸の周りにらせん形に配置されている、請求項32に記載のスリーブ。
  37. 本体は、隣接するレールの間で拡張する複数のリブを含んでいる、請求項32に記載のスリーブ。
  38. 上記複数のリブの各々は、起伏部を含んでいる、請求項37に記載のスリーブ。
  39. 上記本体の材質は、ニッケル‐チタニウム合金を含んでいる、請求項26に記載のスリーブ。
  40. 外面を有し、収縮状態および膨張状態の間で拡張するように構成されており、遠位端部および反対側に配置された近位端部を有している拡張および折り畳み可能な構造体と、
    上記拡張および折り畳み可能な構造体の上記外面の周りに配置された、形状記憶合金からなるスリーブと、を備え、上記スリーブは、第1軸方向端部、反対側に配置された第2軸方向端部、外面、および、反対側に配置された内面を有する本体を含み、上記本体は、上記拡張および折り畳み可能な構造体の少なくとも一部が配置されているボアを規定し、上記ボアは、上記第1および第2軸方向端部を通って拡張し、上記本体は、上記外面および上記内面を通過する複数の開口部を規定し、上記本体は、上記膨張状態にある上記拡張および折り畳み可能な構造体によって与えられたスリーブの内面に働く力に応じて上記圧縮状態から上記拡張状態に拡張し、上記力が取り除かれ、上記拡張および折り畳み可能な構造体が上記収縮状態にあるとき、上記拡張状態から上記圧縮状態に戻るように構成され、上記複数の開口部は、上記圧縮状態における上記外面の全表面積の約40%から約95%である、上記圧縮状態における上記外面の面積を規定する、カテーテル組立品。
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