JP6017264B2 - 手術器具 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、低侵襲で簡易に臓器を回転等、移動することができる手術器具を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、患者の体表組織を貫通して体内外に開口する内孔を有する筒状の外套管の前記内孔内に、該外套管の長手軸回りに回転可能に配置され、前記長手軸方向に貫通する複数の貫通孔を有する器具本体と、該器具本体の各前記貫通孔内に、該貫通孔の長さ方向に位置変更可能に挿入され各位置で前記器具本体に対して固定可能な、弾性材料により構成された複数のアームとを備え、各該アームが、体内側に配置される先端に、前記貫通孔の体内側の開口から突出させられて、臓器の表面に固定される固定部を備え、前記アームが前記器具本体の複数の前記貫通孔の各前記開口から突出されるに従って、前記固定部相互間の距離が離れるように、前記アームが癖付けられている手術器具を提供する。
このようにすることで、外套管の内孔内に挿入配置した器具本体の複数の貫通孔内で複数のアームを移動させて、固定部を体内に押し出して臓器に接触させた後、負圧により臓器に吸着させることで、簡易に固定部を臓器に固定することができる。
このようにすることで、器具本体に対してその貫通孔の長さ方向にアームを押すだけで、貫通孔から押し出されたアームが、その癖付けられた形状に復元することにより、相互に広がって、外套管の開口の大きさに対し大きな臓器の相互に間隔をあけた位置に固定部を配置することができる。すなわち、外套管への挿入時には、アームを弾性変形させることで細径の器具本体内に収容して挿入性を向上しつつ、臓器への固定時には広がって、相互に間隔を空けた位置に固定部を固定することができ、回転力を伝達しやすくすることができる。
このようにすることで、外套管に対して器具本体をその長手軸回りに回転させた際に、係合機構によって器具本体が、外套管の長手軸方向に停止された状態で回転させられる。これにより、固定部を臓器に近接させすぎずに済み、また、回転による器具本体の臓器方向への引き込みを防止し、さらに、逆に体外方向への過度の臓器引出を防止し、回転力を臓器に確実に伝達することができる。
このようにすることで、外套管に対して器具本体をその長手軸回りに回転させた際に、角度制限機構によって回転角度が制限され、臓器を過度に回転させてしまうことを防止することができる。
このようにすることで、外套管に対して器具本体をその長手軸回りに一方向に回転させた際に、器具本体に加える回転力を解除しても回転方向制限機構によって器具本体の逆転が防止され、臓器を回転させた状態に維持することができる。
このようにすることで、外套管に対して器具本体をその長手軸回りに回転させる際に、固定機構によって器具本体に対するアームの移動を係止することにより、器具本体の回転力をアームにより確実に伝達し、臓器をより容易に回転させることができる。
本実施形態に係る手術器具1は、図1に示されるように、患者の体表組織Aを貫通して体内外に開口する内孔2aを有する略円筒状のトラカール(外套管)2の内孔2a内に挿入配置される略円柱状の器具本体3と、該器具本体3の長手方向に貫通形成された3個の貫通孔3a内にそれぞれ1本ずつ挿入された3本のアーム4(図3参照。)とを備えている。図1は、3本の内の2本のアーム4を表示している。
アーム4は、弾性材料からなる中空のチューブ4aと、該チューブ4aの先端に設けられた吸盤(固定部)4bと、チューブ4aの基端側に接続された吸引器4cとを備えている。吸盤4bおよびチューブ4aは器具本体3の貫通孔3a内に挿入可能な外径寸法を有している。また、各アーム4のチューブ4aと器具本体3の各貫通孔3aとの間の円筒状の空間はOリング6によって密封されている。
また、アーム4は、器具本体3の貫通孔3aに沿って、その長さ方向に押し引きすることができる強度を有している。アーム4を長さ方向に押す場合、貫通孔3aとの間の空間を密封するOリング6による摩擦力より大きな外力を加えることにより、長さ方向に移動させることができるようになっている。一方、器具本体3に対してアーム4を停止させている状態では、Oリング6による静止摩擦によりアーム4が貫通孔3aから引き出されないよう支持される。
本実施形態に係る手術器具1を用いて臓器Bの手術を行うには、図1に示されるように、体表組織Aに貫通状態に配置したトラカール2の内孔2aに、吸盤4bおよびチューブ4aの先端部分を貫通孔3a内に収容した状態の器具本体3を挿入する。トラカール2は、フランジ部2bおよびバルーン2cによって、体表組織Aに貫通状態に固定されている。
本実施形態に係る手術器具10の説明において、上述した第1の実施形態に係る手術器具1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る手術器具1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
図5(a)は器具本体3とトラカール2との固定を解除した状態を示し、図5(c)は、器具本体3とトラカール2とを固定した状態を示している。図5において、器具本体3内の貫通孔3aやアーム4等は図示を省略している。
回転方向制限手段23としては、例えば、図6(a)に示されるように、器具本体3の外周面に矢印Dの方向に揺動可能な爪23aと、図6(b)に示されるように、トラカール2の内孔2aの内面に形成された溝23bとを有するラチェット機構を挙げることができる。
このようにすることで、臓器Bを回転させた状態で器具本体3から手を離しても、回転が戻らないように保持することができるという利点がある。
また、吸盤4bは負圧により臓器Bに吸着することとしたが、これに代えて、臓器に引っ掛かる爪や接着剤によって固定してもよい。
また、アーム4を貫通させるための貫通孔3aに加えて、送気、送水チャネルとして使用される貫通孔を設けておいてもよい。貫通孔3aを送気、送水チャネルとして使用してもよい。
2 トラカール(外套管)
2a 内孔
3 器具本体
3a 貫通孔
4 アーム
4b 吸盤(固定部)
6 Oリング(固定機構)
13b 周方向溝(角度制限機構)
21 係合機構
23 回転方向制限機構
A 体表組織
B 臓器
Claims (7)
- 患者の体表組織を貫通して体内外に開口する内孔を有する筒状の外套管の前記内孔内に、該外套管の長手軸回りに回転可能に配置され、前記長手軸方向に貫通する複数の貫通孔を有する器具本体と、
該器具本体の各前記貫通孔内に、該貫通孔の長さ方向に位置変更可能に挿入され各位置で前記器具本体に対して固定可能な、弾性材料により構成された複数のアームとを備え、
各該アームが、体内側に配置される先端に、前記貫通孔の体内側の開口から突出させられて、臓器の表面に固定される固定部を備え、
前記アームが前記器具本体の複数の前記貫通孔の各前記開口から突出されるに従って、前記固定部相互間の距離が離れるように、前記アームが癖付けられている手術器具。 - 前記固定部が、前記臓器の表面に負圧により吸着する請求項1に記載の手術器具。
- 前記アームが前記器具本体の複数の前記貫通孔の各前記開口から突出されるに従って、前記固定部相互間の距離が離れるように、前記貫通孔の少なくとも前記開口近傍が前記器具本体の長手軸に対して傾斜している請求項1または請求項2に記載の手術器具。
- 前記外套管を備え、
該外套管および前記器具本体に、前記外套管の長手軸方向への前記器具本体の移動を係止する係合機構が設けられている請求項1から請求項3のいずれかに記載の手術器具。 - 前記外套管に対する前記器具本体の前記長手軸回りの回転角度を制限する角度制限機構を備える請求項1から請求項4のいずれかに記載の手術器具。
- 前記外套管に対する前記器具本体の前記長手軸回りの回転方向を制限する回転方向制限機構を備える請求項1から請求項5のいずれかに記載の手術器具。
- 前記器具本体に対する前記アームの移動を係止する固定機構を備える請求項1から請求項6のいずれかに記載の手術器具。
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