JP6017205B2 - y形溶接割れ試験板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、JIS Z 3158に記載された被覆アーク溶接・ガスシールドアーク溶接・セルフシールドアーク溶接による炭素鋼及び低合金鋼の溶接部に発生する低温割れを試験するy形溶接割れ試験方法に使用するy形溶接割れ試験板及びその製造方法に関する。
y形溶接割れ試験は、溶接部の低温割れ感受性を調べる試験であり、試験板に所定のルートギャップをもって形成されたy形開先部を試験溶接部として溶接し、所定の時間(通常48時間)経過後に、溶接した試験板に表面割れ及び断面割れが発生しているかを検査するものである。
従来、y形溶接割れ試験には、図11(a)に示すy形溶接割れ試験板101を用いていた。これは、図12(a)乃至(d)に示すように、2個の異なる形状を有する鋼板102及び103を、溶接割れ試験を行う試験溶接部104を残して、拘束溶接を行って作製したものである。以下に、この従来のy形溶接割れ試験板101の製造方法を示す。
図12(a),(b)に示すように、鋼板102は、幅200mm、長さ(75+板厚t/3.4)mm、板厚tである。先ず、この鋼板102の長さ方向の一端部を、鋼板102の表面から、鋼板102の裏面の長さ方向の一端部まで、鋼板102の表面に対し60°の角度で切断する(第1工程)。次に、鋼板102の長さ方向の一端部において、鋼板102の幅方向の一端部から鋼板102の幅方向に平行の方向60mmまでの部分を、鋼板102の裏面から、鋼板102の板厚方向の1/2の部分における鋼板102の長さ方向の一端部まで、鋼板102の裏面に対し60°の角度で切断する(第2工程)。これと同様に、鋼板102の長さ方向の一端部において、鋼板102の幅方向の他端部から鋼板102の幅方向に平行の方向60mmまでの部分を、鋼板102の裏面から、鋼板102の板厚方向の1/2の部分における鋼板102の長さ方向の一端部まで、鋼板102の裏面に対し60°の角度で切断する(第3工程)。これにより、鋼板102は、鋼板102の長さ方向の一端部において、鋼板102の表面から鋼板102の板厚の半分t/2の距離まで、鋼板102に平行の方向に対し60°の角度で鋼板102の外側に傾斜し、鋼板102の裏面から鋼板102の板厚の半分t/2の距離まで、鋼板102に平行の方向に対し60°の角度で鋼板102の外側に傾斜するものとなる。そして、鋼板102の幅方向の両端部から60mmを除く幅方向80mmにおいて、裏面から鋼板102の板厚の半分t/2の距離までの部分が、鋼板102に平行の方向に対し60°の角度で鋼板102の外側に突出している。なお、製造工程数は、この鋼板102の製造工程から連続して数えるものとする。
また、図12(c),(d)に示すように、鋼板103は、幅200mm、長さ75mm、板厚tである。先ず、この鋼板103の長さ方向の一端部を、鋼板103の表面から、鋼板102の板厚方向の1/2の部分における鋼板102の長さ方向の一端部まで、鋼板103の表面に対し60°の角度で切断する(第4工程)。そして、この鋼板103の長さ方向の一端部を、鋼板103の裏面から、鋼板102の板厚方向の1/2の部分における鋼板102の長さ方向の一端部まで、鋼板103の裏面に対し60°の角度で切断する(第5工程)。これにより、鋼板103の長さ方向の一端部において、鋼板103の表面から鋼板103の板厚の半分t/2の距離まで、鋼板103に平行の方向に対し60°の角度で鋼板103の外側に傾斜し、鋼板103の裏面から鋼板103の板厚の半分t/2の距離まで、鋼板103に平行の方向に対し60°の角度で鋼板103の外側に傾斜するものとなる。鋼板102の長さ方向の一端部と、鋼板103の長さ方向の一端部とを突き合わせ、これら鋼板102及び鋼板103の幅方向の一端部から、鋼板の幅方向に平行の方向60mmまでの部分を拘束溶接し(第6工程)、鋼板102及び鋼板103の幅方向の他端部から、鋼板の幅方向に平行の方向60mmまでの部分を拘束溶接する(第7工程)。
このように、従来技術では、7回の工程により、y形溶接割れ試験板101を製造する。この試験溶接部104は、図11(a)のA−A断面図である図11(b)に示すように、その断面がy形になる。また、鋼板同士を拘束溶接した拘束溶接部105は、図11(a)のB−B断面図である図11(c)に示すようになっている。そして、拘束溶接時には、試験溶接開先部に拘束溶接ビード及び拘束溶接で発生するスパッタが侵入しないように、図13(a)に示すように、試験溶接部に銅当金107を設けた状態で、拘束溶接を行っている。この銅当金107は、図13(a)のA−A断面図である図13(b)に示すように、鋼板のy形断面の上面側に嵌め込まれている。また、鋼板同士を拘束溶接した部分は、図13(a)のB−B断面図である図13(c)に示すようになっている。
そして、鋼板同士を拘束溶接する際、図14に示すように、試験溶接部104の溶接始端部及び溶接終端部における開先にスペーサ106を挟み、試験溶接部104のルートギャップ110を所定の値gに調整する。この試験溶接部104のルートギャップ110は、JIS Z 3158に、1.0mmから2.0mmの範囲で適切な値を選択し、その許容差は±0.2mmであることが記載されている。しかし、この試験板101は、ルートギャップ110形成のためにスペーサ106を必要とするものであり、また拘束溶接を行うことによる試験溶接部104の収縮及び拘束溶接によるスペーサ106の形状変形等によって、安定してルートギャップ110を形成することが困難であった。
そこで、近年、図15(a)乃至(f)に示すように、鋼板112に予め凹部114を形成しておき、この鋼板112と鋼板113とを拘束溶接することにより、この凹部114がそのまま試験溶接部のルートギャップになるようにして、安定したルートギャップを得ようとする試験板が使用されている。
図15(a),(b),(c)に示すように、この鋼板112は、幅200mm、長さ(75+板厚t/3.4)mm、板厚tが50mmであり、鋼板112の長さ方向の一端部において、鋼板112の表面から鋼板112の板厚の半分t/2の距離まで、鋼板112に平行の方向に対し60°の角度で鋼板112の外側に傾斜し、鋼板112の裏面から鋼板112の板厚の半分t/2の距離まで、鋼板112に平行の方向に対し60°の角度で鋼板112の外側に傾斜している。そして、鋼板112の幅方向の両端部から60mmを除く幅方向80mmにおいて、裏面から鋼板112の板厚の半分t/2の距離までの部分が、鋼板112に平行の方向に対し60°の角度で鋼板112の外側に突出している。また、この突出している部分において、鋼板112の幅方向の両端部から64mmを除く幅方向72mmにおいて、深さ1.5mmの凹部114が、裏面から上面に至るまで形成されている。
また、図15(d),(e),(f)に示すように、鋼板113は、幅200mm、長さ75mm、板厚tが50mmであり、鋼板113の長さ方向の一端部において、鋼板113の上面から鋼板113の板厚の半分t/2の距離まで、鋼板113に平行の方向に対し60°の角度で鋼板113の外側に傾斜し、鋼板113の裏面から鋼板113の板厚の半分t/2の距離まで、鋼板113に平行の方向に対し60°の角度で鋼板113の外側に傾斜している。これら鋼板112と鋼板113とを拘束溶接することにより、この鋼板112に形成された凹部114が、そのまま試験溶接部のルートギャップになる。
また、特許文献1には、TIG溶接等非溶極式溶接におけるy形溶接割れ試験に用いるy形溶接割れ試験片において、開先が試験片の中央部分に一直線上に形成されており、この開先の長手方向に沿って孔部が設けられ、この孔部がy形溶接割れ試験片の外側と開先とを一直線上に連通されたy形溶接割れ試験片が開示されている。そして、このy形溶接割れ試験片の外側から孔部に溶接棒を差し込み、溶接棒の先端とTIG溶接の電極とを対応させて、試験溶接を開始し、溶接棒及び電極とを同時に移動させていき、開先の一端部から他端部まで溶接を行う。これにより、この従来技術は、比較的開先深さが深いy形溶接割れ試験片でTIG溶接等非溶極式溶接を行う場合でも、試験ビードを一定に開先の長手方向全長に渡って容易に設けようとするものである。なお、この従来技術におけるy形溶接割れ試験に用いるy形溶接割れ試験片は、2個の鋼板を拘束溶接して作製したものである。
また、特許文献2には、レーザ溶接に用いる溶接割れ試験片において、凸部を有する平板の試験片を、凸部が対向するように2個設置して凸部同士を突き合わせ、この突き合わせにより凸部の両側に形成された凹部に隙間設定ブロックを嵌め込み、対向する凸部間にルートギャップを形成させ、2個の試験片を隙間設定ブロックに押し付けた状態に保持したI型溶接割れ試験片が開示されている。この従来技術は、凸部の突出長さ及び隙間設定ブロックにおいて試験片の凸部の突出方向に平行の方向の長さを調整することにより、凸部間に形成されたルートギャップを高精度に設定しようとするものである。
特開平6−180278号公報 特開2011−36911号公報
しかしながら、図15に示す従来のy形溶接割れ試験板111は、2個の鋼板を拘束溶接する必要があるので、溶接割れ試験に影響を及ぼすといわれている試験溶接部のルートギャップの精度を確保しにくいという問題がある。
ギャップ精度に影響を及ぼす因子として、スペーサ106によりルートギャップを形成するy形溶接割れ試験板(図11,図12,図14)においては、スペーサ106の材質及び形状が挙げられ、また2個の鋼板を拘束溶接する際の溶接施工条件、例えば溶接材料、溶接入熱、積層パス数、パス間温度、表裏面溶接順序等が挙げられる。また、ギャップ精度に影響を及ぼす因子として、鋼板112に予め凹部114を形成しておき鋼板112と鋼板113とを拘束溶接することによりルートギャップを形成するy形溶接割れ試験板111(図15)においては、凹部114を形成するために行う機械加工の精度が挙げられ、また2個の鋼板を拘束溶接する際の溶接施工条件、例えば溶接材料、溶接入熱、積層パス数、パス間温度、表裏面溶接順序等が挙げられる。
通常、y形溶接割れ試験は、予熱温度及び直後熱条件を変化させて、割れ防止温度管理条件を決定する場合が多いため、試験板材質夫々において予熱温度及び直後熱条件を変化させるために、1種類の試験板材質ごとに複数の試験板を準備する必要がある。従って、溶接施工条件が比較的適切であったとしても、複数の試験板に機械加工及び拘束溶接を施すと、試験板ごとに機械加工精度が変化する場合があり、及び溶接による収縮度合いが変化する場合があり、同じ材質であっても、図16(a)に示すように、ルートギャップ110が過小となったり、図16(b)に示すように、ルートギャップ110が過大となったりする。また、溶接施工条件が適切でない場合は、複数の試験板に拘束溶接を施したときに、試験板ごとに角変形の程度が変化する場合があり、同じ材質であっても、図17(a)に示すように、試験溶接ビード直下部のルートギャップ121が、鋼板の裏面側近傍部のルートギャップ122よりも小さくなったり、図17(b)に示すように、試験溶接ビード直下部のルートギャップ121が、鋼板の裏面側近傍部のルートギャップ122よりも大きくなったりする。
y形溶接割れ試験における溶接割れ発生に影響を及ぼす因子は、試験溶接部の硬さと、試験溶接部の拡散性水素量と、試験板の板厚に関係し拘束の程度を表す指標である拘束度であるといわれている。しかし、y形溶接割れ試験において、これらの因子が溶接割れに及ぼす影響を検査するために、各試験板においてこれらの因子を変化させる場合、これらの因子ではない試験溶接部のルートギャップが、試験板ごとに均一に形成されている必要がある。従って、前述の如く、試験溶接部のルートギャップがy形溶接割れ試験板ごとに変わると、y形溶接割れ試験において正確な評価を行うことができない。
y形溶接割れ試験の精度を高める目的で、y形溶接割れ試験板のギャップ精度を安定確保するため、これまでは、機械加工の最適条件を探し、また拘束溶接の際の溶接施工条件において、溶接材料、溶接入熱、積層パス数、パス間温度及び表裏面溶接の振り分けタイミング等の最適条件を探し、これらの最適条件でy形溶接割れ試験板を作製することにより、試験溶接部のルートギャップを所定の精度で形成するようにしていた。
また、y形溶接割れ試験における試験溶接は、通常20秒程度で完了するのに対し、2個の鋼板を溶接する拘束溶接は、例えば鋼板の板厚が50mmの場合、完了するまでに3乃至4時間かかり、多大な溶接工数を必要としていた。
特許文献1は、y形溶接割れ試験片を作製するために、2個の鋼板を拘束溶接しているので、前述した2個の鋼板を拘束溶接する際に生じるルートギャップの精度低下及び製造工数増大という問題が生じる。
また、特許文献2は、I型開先のルートギャップを高精度に形成する方法を開示するものであり、y形溶接割れ試験板の試験溶接部のルートギャップを高精度に形成するものではない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、y形溶接割れ試験板の試験溶接部のルートギャップを精度よく形成すると共に、製造工数を著しく低減できるy形溶接割れ試験板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るy形溶接割れ試験板の製造方法は、
鋼材からなる試験板本体と、前記本体の表面の縁部を除く領域に、直線状に延びるように形成され、前記直線状に延びる方向に垂直の幅方向断面が試験対象のy形開先の開先角度に対応する角度で交差する斜面を有するV型形状であるV型溝と、前記V型溝の底部の全域から前記本体の裏面まで延びて前記本体の裏面に開口すると共に、その一方の面が前記V型溝の一方の斜面と同一面で傾斜し、対向する2面の間隔が試験対象のy形開先のルートギャップに対応する平板状スリットと、を有するy形溶接割れ試験板の製造方法において、
鋼材からなる試験板本体の表面に平行の第1方向に垂直な面内で、前記本体の表面に垂直の方向に傾斜するように、前記本体の表面から裏面に貫通する直線状の孔を形成する工程と、
前記本体の表面の縁部を除く領域において、前記直線状の孔から、前記第1方向に延びるように、平板状の孔を形成する工程と、
前記平板状の孔の上部において、この上部の一方の斜面に対し、試験対象のy形開先の開先角度に対応する角度で交差する他方の斜面を形成して、V型溝及び平板状スリットを形成する工程と、
前記V型溝を形成する際に生じるバリを除去する工程と、
を有し、
前記平板状の孔の下部が試験対象のy形開先のルートギャップに対応する間隔を有するスリットを構成することを特徴とする。

この場合に、前記直線状の孔、前記平板状の孔及び前記V型溝を、ワイヤ放電加工又は機械加工によって形成することが好ましい。
本発明に係るy形溶接割れ試験板の製造方法は、2枚の鋼板の端部を機械加工した後、突き合わせて拘束溶接を行う従来技術に対して、1枚の鋼板から、機械加工又は放電加工等により、直線状の孔及び平板状の孔とV型溝の斜面加工を行うだけで、製造できるので、製造工数を従来より著しく減少させることができる。また、本発明は、従来のように、スペーサによりルートギャップを規定した状態で、溶接により2枚の鋼板を組み付けるのではなく、1枚の鋼板に対し、機械加工又は放電加工等により平板状スリットを形成し、この平板状スリットによりルートギャップを規定するので、試験板の試験溶接部のルートギャップを精度よく形成し、y形溶接割れ試験の精度を高めることができる。
(a)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板を示す平面図、(b)は、同じくこのy形溶接割れ試験板の試験溶接部のA−A断面を示す断面図、(c)は、同じくこのy形溶接割れ試験板の試験溶接部を除く部分のB−B断面を示す断面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板において、鋼板に直線状の孔を形成することを示す図、(b)は、同じくこの鋼板のA−A断面を示す断面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板において、鋼板に平板状の孔を形成することを示す図、(b)は、同じくこの鋼板のA−A断面を示す断面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板において、鋼板にV型溝を形成することを示す図、(b)は、同じくこの鋼板のA−A断面を示す断面図、(c)は、同じくこの鋼板のB−B断面を示す断面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板において、V型溝を形成する際に生じるバリを示す図、(b)は、同じくこのV型溝を形成する際に生じるバリを示し、鋼板のA−A断面を示す断面図、(c)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板において、鋼板のB−B断面を示す断面図である。 (a),(b)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板において、バリを刃物により除去することを示す断面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板に試験溶接を行った状態を示す平面図、(b)は、同じくこのy形溶接割れ試験板のA−A断面を示す断面図である。 (a)は、従来のy形溶接割れ試験板に試験溶接を行った状態を示す平面図、(b)は、同じくこのy形溶接割れ試験板のA−A断面を示す断面図である。 y形溶接割れ試験板の試験溶接部のルートギャップである試験溶接ビード直下部GU及び鋼板の裏面側近傍部GLを示す図である。 本発明の実施例の評価結果を示すグラフ図である。 (a)は、従来のy形溶接割れ試験板を示す平面図、(b)は、同じくこのy形溶接割れ試験板の試験溶接部のA−A断面を示す断面図、(c)は、同じくこのy形溶接割れ試験板の拘束溶接部のB−B断面を示す断面図である。 (a)は、従来のy形溶接割れ試験板を構成する第1の鋼板を示す平面図、(b)は、同じくこの第1の鋼板を示す側面図、(c)は、従来のy形溶接割れ試験板を構成する第2の鋼板を示す平面図、(d)は、同じくこの第2の鋼板を示す側面図である。 (a)は、従来のy形溶接割れ試験板の試験溶接部に銅当金を設けたことを示す平面図、(b)は、同じくこのy形溶接割れ試験板の試験溶接部のA−A断面を示す断面図、(c)は、同じくこのy形溶接割れ試験板の拘束溶接部のB−B断面を示す断面図である。 従来のy形溶接割れ試験板のルートギャップを形成するために、試験板にスペーサを挟んでいることを示す図である。 (a)は、ルートギャップ形成方法を改良した従来のy形溶接割れ試験板を構成する第1の鋼板を示す平面図、(b)は、同じくこの第1の鋼板を示す正面図、(c)は、同じくこの第1の鋼板を示す側面図、(d)は、ルートギャップ形成方法を改良した従来のy形溶接割れ試験板を構成する第2の鋼板を示す平面図、(e)は、同じくこの第2の鋼板を示す正面図、(f)は、同じくこの第2の鋼板を示す側面図である。 (a)は、y形溶接割れ試験板の試験溶接部のルートギャップが過小となったことを示す図、(b)は、同じくこのルートギャップが過大となったことを示す図である。 (a)は、y形溶接割れ試験板の試験溶接ビード直下部のルートギャップが鋼板の裏面側近傍部のルートギャップよりも小さくなったことを示す図、(b)は、同じくこの試験溶接ビード直下部のルートギャップが鋼板の裏面側近傍部のルートギャップよりも大きくなったことを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1(a)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板を示す平面図、図1(b)は、同じくこのy形溶接割れ試験板の試験溶接部のA−A断面を示す断面図、図1(c)は、同じくこのy形溶接割れ試験板の試験溶接部を除く部分のB−B断面を示す断面図である。図1(a)に示すように、本発明のy形溶接割れ試験板1は、鋼材からなる試験板本体2を有する。この試験板本体2は、供試鋼材として、例えば、溶接構造用鋼板SM490Aの板厚50mm、長さ150mm、幅200mmの鋼板が用いられる。そして、この試験板本体2の表面の縁部を除く領域に、試験溶接部9が形成されている。このように、この試験溶接部9は、試験板本体2の表面の縁部を除く領域に形成しているので、試験溶接に際し、試験板本体2における溶接位置の試験結果への影響による試験精度の低下を回避できる。好ましくは、試験溶接部9は、試験板本体2の中央に形成する。例えば、試験溶接部9は、試験板本体2の幅方向の一方の端部から、試験板本体2の幅方向に平行の方向60mmの位置を起点として、その位置から試験板本体2の幅方向の他方の端部に向けて、試験板2の幅方向に平行の方向80mmの位置まで直線状に延びるように形成されている。この試験板本体2の幅は200mmであるので、試験板溶接部9は、試験板本体2の幅方向の両端部から、試験板本体2の幅方向に平行の方向60mmの位置を両端部とし、試験板本体2の幅方向に平行の方向に80mmの長さを有する。
図1(b)は、試験溶接部9が直線状に延びる方向に垂直な面における試験溶接部9の断面図である。この図1(b)に示すように、この試験溶接部9は、試験溶接部が直線状に延びる方向に垂直の幅方向断面において、その上部がV型溝6であり、その下部が平板状スリット11である。このV型溝6は、試験溶接部9の上部を構成するものであるので、試験溶接部9と同様に、V型溝6は、試験板本体2の表面の縁部を除く領域に形成されており、例えば、V型溝6は、試験板本体2の幅方向の一方の端部から、試験溶接部9の直線状に延びる方向60mmの位置を起点として、その位置から試験板本体2の幅方向の他方の端部に向けて、試験溶接部9の直線状に延びる方向80mmの位置まで直線状に延びるように形成されている。この試験板本体2の幅は200mmであるので、V型溝6は、試験板本体2の幅方向の両端部から、試験溶接部9の直線状に延びる方向60mmの位置を両端部とし、試験溶接部9の直線状に延びる方向に80mmの長さを有するものである。そして、このV型溝6は、V型溝6が直線状に延びる方向に垂直の幅方向断面が、y形溶接割れ試験対象のy形開先の開先角度に対応する角度で交差する斜面を有するV型の形状を有しており、このy形溶接割れ試験対象のy形開先の開先角度に対応する角度は、例えば、60°である。このV型溝6の一方の斜面6aと他方の斜面6bは、例えば、試験板本体2の表面に対し夫々60°の角度で傾斜している。また、このV型溝6は、例えば、試験板本体2の板厚方向に、試験板本体2の板厚50mmの1/2である25mmの深さを有し、V型溝6において、試験板本体2の表面から、試験板本体2の裏面の方向に向けて、試験板本体2の板厚方向25mmの位置が、V型溝6の底部となる。
そして、試験溶接部9の下部を構成する平板状スリット11は、V型溝6の底部の全域から試験板本体2の裏面まで延びて試験板本体2の裏面に開口している。このように、平板状スリット11は、V型溝6の底部の全域から試験板本体2の裏面まで延びているので、V型溝6と同様に、平板状スリット11は、例えば、V型溝6が直線状に延びる方向に80mmの長さを有する。そして、この平板状スリット11は、例えば、試験板本体2の裏面から、試験板本体2の表面の方向に向けて、試験板本体2の板厚方向25mmの位置まで形成されている。また、平板状スリット11の一方の面11aは、例えば、試験板本体2の裏面に対し60°の角度で傾斜しており、この平板状スリット11の一方の面11aは、V型溝6の一方の斜面6aと同一面で傾斜している。そして、この平板状スリット11の一方の面11aと他方の面11bとが対向する2面の間隔は、y形溶接割れ試験対象のy形開先のルートギャップに対応するものであり、この平板状スリット11の一方の面11aと他方の面11bとが対向する2面の間隔は、例えば、1.0乃至2.0mmである。
図1(c)は、試験溶接部9が直線状に延びる方向に垂直な面における試験溶接部9が形成されていない試験板本体2の断面図である。この図1(c)に示すように、試験板本体2の試験溶接部9が形成されていない部分は、拘束溶接を行っていない。
拘束溶接を行うと、その溶接施工条件のバラつきに起因して、y形溶接割れ試験板1の試験溶接部9のルートギャップが変動する。このy形溶接割れ試験板1の試験溶接部9のルートギャップを精度よく形成すると共に、y形溶接割れ試験板1の製造工数を減少させるため、鋭意検討すると共に試作を重ねた結果、1個の試験板本体2にギャップ精度が良い開先を有すると共に、従来技術に対し製造工数を著しく減少させることができる一体型y形溶接割れ試験板を製造する手法を見出した。
本発明のy形溶接割れ試験板1は、従来のように、スペーサによりルートギャップを規定した状態で、拘束溶接により2枚の鋼板を組み付けるのではなく、1枚の鋼板に対し、機械加工又は放電加工等によりV型溝6及び平板状スリット11を形成し、この平板状スリット11によりルートギャップを規定するので、y形溶接割れ試験板1の試験溶接部のルートギャップを精度よく形成し、y形溶接割れ試験の精度を高めることができる。
次に、本発明のy形溶接割れ試験板1の製造方法を示す。図2(a)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板において、鋼板に直線状の孔を形成することを示す図、図2(b)は、同じくこの鋼板のA−A断面を示す断面図であり、図3(a)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板において、鋼板に平板状の孔を形成することを示す図、図3(b)は、同じくこの鋼板のA−A断面を示す断面図であり、図4(a)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板において、鋼板にV型溝を形成することを示す図、図4(b)は、同じくこの鋼板のA−A断面を示す断面図、図4(c)は、同じくこの鋼板のB−B断面を示す断面図であり、図5(a)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板において、V型溝を形成する際に生じるバリを示す図、図5(b)は、同じくこのV型溝を形成する際に生じるバリを示し、鋼板のA−A断面を示す断面図、図5(c)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板において、鋼板のB−B断面を示す断面図であり、図6(a),(b)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板において、バリを刃物により除去することを示す断面図である。
先ず、図2(a),(b)に示すように、例えば、細径ドリル加工又はワイヤ放電加工によって、溶接構造用鋼板SM490Aの板厚50mm、長さ150mm、幅200mmの鋼板である試験板本体2の表面に平行の第1方向10に垂直な面内で、試験板本体2の表面に垂直の方向に対し傾斜するように、試験板本体2の表面から裏面に貫通する直線状の孔3を形成する(第1工程)。この直線状の孔3は、例えば、φ1.0乃至2.0mmの径を有し、試験板本体2の幅方向の一方の端部から、第1方向10に平行の方向60mmの位置に、試験板本体2の表面に垂直の方向に対し30°の傾斜角度、即ち、試験板本体2の表面に対し60°の傾斜角度を有する。
次に、図3(a),(b)に示すように、例えば、ワイヤ放電加工によって、試験板本体2の表面の縁部を除く領域において、直線状の孔3から、第1方向10に延びるように、平板状の孔4を形成する(第2工程)。この平板状の孔4は、試験板本体2の幅方向の一方の端部から、第1方向10に平行の方向60mmの位置にある直線状の孔3を起点として、第1方向10に平行の方向80mmの位置まで加工し、その位置から折り返し、再び直線状の孔3に戻るまで加工する。これにより、平板状の孔4は、例えば、第1方向10の長さが80mm、その第1方向に垂直の幅が、直線状の孔3の径である1.0乃至2.0mmとなり、また直線状の孔3と同様に、試験板本体2の表面に対し60°の傾斜角度を有する。
そして、図4(a),(b),(c)に示すように、例えば、フライス盤5等を用いて、平板状の孔4の上部において、この上部の一方の斜面に対し、y形溶接割れ試験対象のy形開先の開先角度に対応する角度で交差する他方の斜面を形成して、V型溝6を形成する(第3工程)。このV型溝6は、例えば、平板状の孔4において、試験板本体2の表面から、試験板本体2の裏面に向けて、試験板本体2の板厚方向25mmまで形成し、この場合、V型溝6の深さは、25mmとなる。フライス盤5は、第1方向10に垂直で且つ試験板本体2表面に垂直の方向から30°傾けた状態で、平板状の孔4における試験板本体2の表面から試験板本体2の表面に垂直の方向25mmの距離の部分にフライス盤5の先端を向けて、試験板本体2の表面から試験板本体2の切削を開始する。その際、フライス盤5は、平板状の孔4における試験板本体2の幅方向の一方の端部である直線状の孔3の位置、即ち試験板本体2の幅方向の一方の端部から第1方向10に平行の方向60mmの位置から、切削する。そして、フライス盤5の先端が、平板状の孔4において、試験板本体2の表面から試験板本体2の板厚方向25mmの距離の部分に到達した後、フライス盤5を第1方向10に平行の方向に、試験板本体2の幅方向の一方の端部から60mmの位置を起点として140mmの位置まで移動しつつ、試験板本体2を切削する。これにより、V型溝6は、第1方向10の長さが80mmとなり、平板状の孔4における試験板本体2の表面から試験板本体2の板厚方向25mmの距離までの部分を一方の斜面とし、一方の斜面と他方の斜面とがなす角度は、例えば、60°であり、この角度は、y形溶接割れ試験対象のy形開先の開先角度に対応する。また、平板状の孔4における試験板本体2の表面から試験板本体2の板厚方向25mmの距離の部分を底部とするものとなる(図5(c))。また、平板状の孔4の下部、例えば、試験板本体2の裏面から試験板本体2の板厚方向25mmの距離までの部分であるスリット13は、y形溶接割れ試験のy形開先の開先のルートギャップに対応する間隔を有しており、この間隔は、平板状の孔4の第1方向10に垂直の幅と同じであり、例えば、1.0乃至2.0mmである。
V型溝6を形成する際、フライス盤5等の切削刃物の形状により、図5(a),(b)に示すように、V型溝6の第1方向10の両端部の底部にバリ7が生じる。このバリ7を、図6(a),(b)に示すように、専用の刃物8又は通常の刃物を用いて、自動又は手動により成形加工して除去する(第4工程)。
以上のように、4回の工程により、図1(a)に示す一体型y形溶接割れ試験板1を製造する。この一体型y形溶接割れ試験板1の試験溶接部9は、図1(a)のA−A断面図である図1(b)に示すように、その断面がy形になる。また、試験溶接部を除く部分は、図1(a)のB−B断面図である図1(c)に示すように、従来の試験板のような拘束溶接は行われていない。このように、本発明のy形溶接割れ試験板1の製造方法は、2枚の鋼板の端部を機械加工した後、その2枚の鋼板を突き合わせて拘束溶接を行う従来技術が、前述の如く、7回の工程を要するのに対して、1枚の鋼板から、機械加工又は放電加工等により、直線状の孔3及び平板状の孔4とV型溝6の斜面加工を行うだけで、製造できるので、従来技術の7回の工程に対し4回の工程となり、製造工数を著しく減少させることができる。
本発明のy形溶接割れ試験板1の試験溶接部9のルートギャップの精度を評価するため、本発明の試験板1及び図15に示した従来の試験板111を用いたy形溶接割れ試験を行った後のルートギャップを評価した。図7(a)は、本発明の実施形態に係るy形溶接割れ試験板に試験溶接を行った状態を示す平面図、図7(b)は、同じくこのy形溶接割れ試験板のA−A断面を示す断面図であり、図8(a)は、従来のy形溶接割れ試験板に試験溶接を行った状態を示す平面図、図8(b)は、同じくこのy形溶接割れ試験板のA−A断面を示す断面図であり、図9は、y形溶接割れ試験板の試験溶接部のルートギャップである試験溶接ビード直下部GU及び鋼板の裏面側近傍部GLを示す図である。本発明の試験板1に試験溶接を行った状態を図7(a)に示す。この図7(a)に示すように、試験溶接部9を溶接方向に5分割し、溶接端部から夫々試験片1、試験片2、試験片3、試験片4、試験片5とする。図7(b)は、試験片5におけるA−A断面図である。また、図15に示した従来の試験板111に試験溶接を行った状態を図8(a)に示す。この図8(a)に示すように、試験溶接部を溶接方向に5分割し、溶接端部から夫々試験片1、試験片2、試験片3、試験片4、試験片5とする。図8(b)は、試験片5におけるA−A断面図である。
本発明の試験板1を用いたy形溶接割れ試験を行った後の溶接中央部の断面マクロ試験片(図7の試験片3)と、図15に示した従来の試験板111を用いたy形溶接割れ試験を行った後の断面マクロ試験片(図8の試験片3)について、図9に示すように、試験溶接ビード12直下部GU及び鋼板の裏面側近傍部GLの2カ所のルートギャップを計測した。このとき、断面マクロ試験片のルートギャップは、デジタル実体投影機を用いて計測した。また、y形溶接割れ試験板作製時の目標ギャップは、試験No.1は、本発明の試験板1及び従来の試験板111共に1.2mmとし、試験No.2は、本発明の試験板1及び従来の試験板111共に1.4mmとした。そして、表1のように、試験No.1において、本発明の試験板1及び従来の試験板111を各4個、試験No.2において、本発明の試験板1及び従来の試験板111を各4個、夫々GU及びGLを測定し、GUとGLとの差の絶対値を求めた。このように、本実施例は、GU及びGLを測定して、それらが目標ギャップに対し、どの程度バラついているかを評価し、またGUとGLとの差異を求めて、GUとGLがどの程度バラついているかを評価し、これらを本発明の試験板1と従来の試験板111とで比較し、本発明のy形溶接割れ試験板1の試験溶接部9のルートギャップの精度を評価した。
図10は、本発明の実施例の評価結果を示すグラフ図である。表1及び図10に、試験No.1及び試験No.2のルートギャップ計測結果を示す。
Figure 0006017205
試験No.1の場合、従来法による試験板111のルートギャップのうち、試験ビード直下部GUが、試験板No.1:1.02mm,試験板No.2:0.98mm,試験板No.3:1.05mm,試験板No.4:1.12mmであり、これらは、目標ギャップである1.2mmより0.08mm以上狭くなっている。そして、試験No.1の場合、従来法による試験板111のルートギャップの試験ビード直下部GUと鋼板の裏面側近傍部GLとの差異が、試験板No.1:0.16mm,試験板No.2:0.18mm,試験板No.3:0.17mm,試験板No.4:0.16mmであり、GUとGLとの差異が0.16mm以上バラついている。
これに対し、試験No.1の場合、本発明による試験板1のルートギャップのうち、試験ビード直下部GUが、試験板No.1:1.21mm,試験板No.2:1.20mm,試験板No.3:1.22mm,試験板No.4:1.20mmであり、これらは、目標ギャップである1.2mmに対し、+0.02mm以下の範囲に抑えられており、試験板ごとのバラつきはほとんどみられず、また前述した従来法による試験板のGUよりも目標ギャップに近い。そして、試験No.1の場合、本発明による試験板1のルートギャップの試験ビード直下部GUと鋼板の裏面側近傍部GLとの差異が、試験板No.1:0.01mm,試験板No.2:0mm,試験板No.3:0.01mm,試験板No.4:0.02mmであり、GUとGLとの差異が0.02mm以下に抑えられており、GUとGLとのバラつきはほとんどみられず、また前述した従来法による試験板のGUとGLとの差異よりも小さい。
次に、試験No.2の場合、従来法による試験板111のルートギャップのうち、試験ビード直下部GUが、試験板No.1:1.32mm,試験板No.2:1.36mm,試験板No.3:1.43mm,試験板No.4:1.45mmであり、これらは、目標ギャップである1.4mmに対し、最大値が1.45mmと+0.05mm、最小値が1.32mmと−0.08mmバラついている。また、試験No.2の場合、従来法による試験板111のルートギャップのうち、鋼板の裏面側近傍部GLが、試験板No.1:1.18mm,試験板No.2:1.21mm,試験板No.3:1.28mm,試験板No.4:1.24mmであり、これらは、目標ギャップである1.4mmより0.12mm以上狭くなっている。そして、試験No.2の場合、従来法による試験板111のルートギャップの試験ビード直下部GUと鋼板の裏面側近傍部GLとの差異が、試験板No.1:0.14mm,試験板No.2:0.15mm,試験板No.3:0.15mm,試験板No.4:0.21mmであり、GUとGLとの差異が0.14mm以上バラついている。
これに対し、試験No.2の場合、本発明による試験板1のルートギャップのうち、試験ビード直下部GUが、試験板No.1:1.41mm,試験板No.2:1.40mm,試験板No.3:1.43mm,試験板No.4:1.41mmであり、これらは、目標ギャップである1.4mmに対し、+0.03mm以下の範囲に抑えられており、試験板ごとのバラつきはほとんどみられず、また前述した従来法による試験板のGUよりも目標ギャップに近い。また、試験No.2の場合、本発明による試験板1のルートギャップのうち、鋼板の裏面側近傍部GLが、試験板No.1:1.40mm,試験板No.2:1.42mm,試験板No.3:1.42mm,試験板No.4:1.42mmであり、これらは、目標ギャップである1.4mmに対し、+0.02mm以下の範囲に抑えられており、試験板ごとのバラつきはほとんどみられず、また前述した従来法による試験板のGLよりも目標ギャップに近い。そして、試験No.2の場合、本発明による試験板1のルートギャップの試験ビード直下部GUと鋼板の裏面側近傍部GLとの差異が、試験板No.1:0.01mm,試験板No.2:0.02mm,試験板No.3:0.01mm,試験板No.4:0.01mmであり、GUとGLとの差異が0.02mm以下に抑えられており、GUとGLとのバラつきはほとんどみられず、また前述した従来法による試験板のGUとGLとの差異よりも小さい。
このように、本発明のy形溶接割れ試験板1の試験溶接部9のルートギャップは、目標ギャップが1.2mm、1.4mmの双方において、試験ビード直下部GU及び鋼板の裏面側近傍部GLが、目標ギャップに対しバラつきがほとんどみられず、またGUとGLとの差異がほとんどない。本発明によって、y形溶接割れ試験板1における試験溶接部9のギャップ精度を極めて高くすることができるので、y形溶接割れ試験の精度を高めることができる。また、本発明によるy形溶接割れ試験板1は、拘束溶接を行っていないので、製造工数を大幅に減少させることができる。
1:y形溶接割れ試験板、2:試験板本体、3:直線状の孔、4:平板状の孔、5:フライス盤、6:V型溝、6a:斜面、6b:斜面、7:バリ、8:刃物、9:試験溶接部、10:第1方向、11:平板状スリット、11a:斜面、11b:斜面、12:試験溶接ビード、13:スリット、101:y形溶接割れ試験板、102:鋼板、103:鋼板、104:試験溶接部、105:拘束溶接部、106:スペーサ、107:銅当金、110:ルートギャップ、111:y形溶接割れ試験板、112:鋼板、113:鋼板、114:凹部、121:試験溶接ビード直下部のルートギャップ、122:鋼板の裏面側近傍部のルートギャップ

Claims (2)

  1. 鋼材からなる試験板本体と、前記本体の表面の縁部を除く領域に、直線状に延びるように形成され、前記直線状に延びる方向に垂直の幅方向断面が試験対象のy形開先の開先角度に対応する角度で交差する斜面を有するV型形状であるV型溝と、前記V型溝の底部の全域から前記本体の裏面まで延びて前記本体の裏面に開口すると共に、その一方の面が前記V型溝の一方の斜面と同一面で傾斜し、対向する2面の間隔が試験対象のy形開先のルートギャップに対応する平板状スリットと、を有するy形溶接割れ試験板の製造方法において、
    鋼材からなる試験板本体の表面に平行の第1方向に垂直な面内で、前記本体の表面に垂直の方向に傾斜するように、前記本体の表面から裏面に貫通する直線状の孔を形成する工程と、
    前記本体の表面の縁部を除く領域において、前記直線状の孔から、前記第1方向に延びるように、平板状の孔を形成する工程と、
    前記平板状の孔の上部において、この上部の一方の斜面に対し、試験対象のy形開先の開先角度に対応する角度で交差する他方の斜面を形成して、V型溝及び平板状スリットを形成する工程と、
    前記V型溝を形成する際に生じるバリを除去する工程と、
    を有し、
    前記平板状の孔の下部が試験対象のy形開先のルートギャップに対応する間隔を有するスリットを構成することを特徴とするy形溶接割れ試験板の製造方法。
  2. 前記直線状の孔、前記平板状の孔及び前記V型溝を、ワイヤ放電加工又は機械加工によって形成することを特徴とする請求項に記載のy形溶接割れ試験板の製造方法。
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