JP6016093B2 - 薬液供給装置、基板処理システム、および基板処理方法 - Google Patents
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Description
処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
特許文献1に記載の枚葉式の基板処理装置は、基板を水平に保持して回転させるスピンチャックと、硫酸などの薬液をスピンチャックに保持されている基板に向けて吐出する薬液供給ノズルと、薬液供給ノズルに供給される薬液を貯留する薬液タンクと、薬液タンク内の薬液を循環させる薬液循環路と、薬液循環路に配置された温度調節器とを備えている。基板の処理が行われていないときには、硫酸などの薬液タンク内の薬液が薬液循環路を循環し、薬液の温度が温度調節器によって調節される。
特許文献1の基板処理装置は、薬液タンク内の薬液を薬液循環路で循環させることにより、薬液循環路に配置された温度調節器に薬液を冷却させる。しかしながら、この構成では、薬液の初期温度(冷却される前の温度)と薬液の目標温度との差が大きい場合には、薬液の温度を目標温度まで低下させるのに長時間を要する。そのため、新たに生成された高温の薬液が薬液タンクに補充されると、薬液の温度が目標温度に達するまで新たな基板の処理を開始することができず、基板の連続処理が滞る。
この構成によれば、補充ユニットによって生成された希釈薬液が、タンク内に配置された接触部材に接触する。接触部材の温度は、補充ユニットによって生成された希釈薬液よりも低い。したがって、希釈薬液は、接触部材との接触によってタンク内で冷却される。これにより、薬液準備時間を短縮できる。
この構成によれば、冷却液や冷却ガスなどの冷媒が、冷媒供給配管から接触部材に供給され、接触部材の内部に設けられた冷媒流路を流れる。したがって、接触部材は、冷媒によって冷却され、低温に維持される。そのため、接触部材に接する希釈薬液が安定して冷却される。
この構成によれば、補充ユニットによって生成された希釈薬液よりも低温の気体が、タンク内で希釈薬液と混合される。これにより、希釈薬液が低温の気体に接触し確実に冷却される。
この構成によれば、気泡発生ノズルが、補充ユニットによって生成された希釈薬液よりも低温の気体を希釈薬液中で吐出する。これにより、希釈薬液と気体とが接触し、希釈薬液が冷却される。さらに、複数の気泡が希釈薬液中に発生し、希釈薬液中を浮上するので、タンクに貯留されている希釈薬液が気体の吐出によって撹拌される。これにより、タンク内の希釈薬液が均一に冷却される。
この構成によれば、空中接触部材の少なくとも一部が、希釈薬液の液面よりも上方の高さでタンク内に配置されている。空中接触部材は、タンクに貯留されている希釈薬液の液面よりも上方で希釈薬液を冷却する。タンクに貯留されている希釈薬液は、事前冷却ユニットによって既に冷却されている。そのため、十分に冷却されていない希釈薬液が、既に冷却された希釈薬液と混ざって、冷却済みの希釈薬液の温度が大幅に変動することを抑制または防止できる。
この構成によれば、液中接触部材が、タンクに貯留されている希釈薬液中に配置されている。接触部材が空中に配置されている場合には、接触部材の下面が、希釈薬液に接触しない場合がある。この構成によれば、下面を含む液中接触部材の表面全域が、希釈薬液に確実に接触する。そのため、液中接触部材と希釈薬液との接触面積が増加し、希釈薬液が効率的に冷却される。
この構成によれば、事前冷却ユニットおよび最終冷却ユニットが、別々のタンク内の希釈薬液を冷却するので、最終冷却ユニットによって冷却されていない冷却前の希釈薬液が、最終冷却ユニットによって冷却された冷却済みの希釈薬液に混ざることを防止できる。これにより、希釈薬液の温度をより精密に制御できる。したがって、希釈薬液の処理能力を安定させることができる。
この構成によれば、事前冷却ユニットおよび最終冷却ユニットが、共通のタンク内の希釈薬液を冷却するので、薬液供給装置の部品点数を減少させることができる。これにより、薬液供給装置のコストを低減できる。さらに、タンクの数を減少させることができるので、薬液供給装置を小型化できる。
この構成によれば、薬液供給装置によって精度よく温度調節された希釈薬液が、処理ユニットに供給される。そして、精度よく温度調節された希釈薬液が、処理ユニットによって基板に供給される。これにより、基板の処理品質を安定させることができる。さらに、希釈薬液の温度を目標温度まで低下させる薬液準備時間が短縮されているので、新たな希釈薬液が、薬液供給装置のタンクに補充された場合でも、処理ユニットによる基板の処理を滞りなく進行させることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理システム1を示す模式図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る事前冷却ユニット23を示す模式的な斜視図である。図3は、事前冷却ユニット23に備えられたスプレーノズル30および衝突部材33の模式的な側面図である。図4は、事前冷却ユニット23に備えられたスプレーノズル30および衝突部材33の模式的な平面図である。
処理ユニット2および薬液供給ユニット3は、共通の装置の一部であってもよいし、互いに独立したユニット(互いに独立して移動させることができるユニット)であってもよい。すなわち、基板処理システム1は、処理ユニット2および薬液供給ユニット3を含む基板処理装置を備えていてもよいし、処理ユニット2を含む基板処理装置と、基板処理装置から離れた位置に配置された薬液供給ユニット3とを備えていてもよい。また、処理ユニット2は、基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式のユニットであってもよいし、複数枚の基板Wを一括して処理するバッチ式のユニットであってもよい。図1は、処理ユニット2が、枚葉式のユニットである例を示している。
硫酸などの発熱薬液は、純水などの希釈液によって希釈される。発熱薬液は、水との接触により熱を発する薬液である。したがって、希釈される前の発熱薬液である薬液原液が希釈液によって希釈されると、発熱薬液と希釈液との混合液である希釈薬液が生成され、希釈薬液の温度が上昇する。高温の希釈薬液は、事前冷却ユニット23によって冷却され、その後、最終冷却ユニット24によって冷却される。そして、目標温度(希釈硫酸の場合は、たとえば40℃〜70℃の範囲内の一定温度)に調節された希釈薬液が処理ユニット2に供給される。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の図6〜図8において、前述の図1〜図5に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る事前冷却ユニット223を示す模式的な斜視図である。図7は、事前冷却ユニット223に備えられた冷却トレイ242の模式的な断面図である。図8は、事前冷却ユニット223に備えられた冷却トレイ242の模式的な平面図である。図7は、冷却トレイ242を鉛直面で切断したときに現れる断面を示している。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の図9において、前述の図1〜図8に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図9は、本発明の第3実施形態に係る事前冷却ユニット323を示す模式的な斜視図である。
本発明の第1〜第3実施形態の説明は以上であるが、本発明は、前述の第1〜第3実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、第1〜第3実施形態では、事前冷却ユニットと最終冷却ユニットとが、別々のタンク内の希釈薬液を冷却する場合について説明したが、図10に示す薬液供給ユニット403のように、事前冷却ユニット23と最終冷却ユニット24は、共通のタンク(上流タンク18)内の希釈薬液を冷却してもよい。
また、第1〜第3実施形態に係る事前冷却ユニットのうちの少なくとも2つが組み合わされてもよい。たとえば、第1実施形態に係る事前冷却ユニットは、スプレーノズルおよび衝突部材に加えて、第3実施形態に係る冷却チューブをさらに備えていてもよい。
また、第1〜第3実施形態では、円板状の基板が処理対象の基板である場合について説明したが、多角形状の基板が処理対象の基板であってもよい。
2 :処理ユニット
3 :薬液供給ユニット(薬液供給装置)
14 :下流タンク(タンク)
18 :上流タンク(タンク)
22 :補充ユニット
23 :事前冷却ユニット
24 :最終冷却ユニット
30 :スプレーノズル(気体混合部材)
33 :衝突部材(接触部材、空中接触部材)
34 :冷媒流路
35 :冷媒供給配管
203 :薬液供給ユニット(薬液供給装置)
223 :事前冷却ユニット
242 :冷却トレイ(接触部材、空中接触部材)
303 :薬液供給ユニット(薬液供給装置)
323 :事前冷却ユニット
346 :冷却チューブ(接触部材、液中接触部材)
347 :気泡発生ノズル(気体混合部材)
403 :薬液供給ユニット(薬液供給装置)
503 :薬液供給ユニット(薬液供給装置)
W :基板
Claims (12)
- 希釈されることにより熱を発する発熱薬液と希釈液とを含む希釈薬液を、基板を処理する処理ユニットに供給する薬液供給装置であって、
前記処理ユニットに供給される希釈薬液を貯留するタンクと、
発熱薬液と希釈液とを混合することにより希釈薬液を生成し、生成された希釈薬液を前記タンク内に供給する補充ユニットと、
前記補充ユニットによって生成された希釈薬液を事前冷却範囲内の温度まで前記タンク内で冷却する事前冷却ユニットと、
前記事前冷却ユニットによって冷却された希釈薬液を、前記事前冷却範囲よりも狭い最終冷却範囲内の目標温度まで冷却する最終冷却ユニットとを含む、薬液供給装置。 - 前記事前冷却ユニットは、前記補充ユニットによって生成された希釈薬液よりも低温であり、前記タンク内で希釈薬液に接触することにより希釈薬液を冷却する接触部材を含む、請求項1に記載の薬液供給装置。
- 前記事前冷却ユニットは、前記接触部材の内部に設けられた冷媒流路に冷媒を供給する冷媒供給配管をさらに含む、請求項2に記載の薬液供給装置。
- 前記事前冷却ユニットは、前記補充ユニットによって生成された希釈薬液よりも低温の気体を前記タンク内で希釈薬液に混合する気体混合部材を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬液供給装置。
- 前記気体混合部材は、前記補充ユニットによって生成された希釈薬液と当該希釈薬液よりも低温の気体とを混合することにより、希釈薬液によって形成された複数の液滴を前記タンク内で噴射するスプレーノズルを含み、
前記事前冷却ユニットは、前記タンク内に配置されており、前記スプレーノズルから噴射された複数の液滴が吹き付けられる衝突部材を含む、請求項4に記載の薬液供給装置。 - 前記気体混合部材は、前記補充ユニットによって生成された希釈薬液よりも低温の気体を前記タンクに貯留されている希釈薬液中で吐出することにより、希釈薬液中に気泡を発生させる気泡発生ノズルを含む、請求項4に記載の薬液供給装置。
- 前記接触部材は、前記タンクに貯留されている希釈薬液の液面よりも上方で前記タンク内の希釈薬液に接触する空中接触部材を含む、請求項2または3に記載の薬液供給装置。
- 前記接触部材は、前記タンクに貯留されている希釈薬液中で前記タンク内の希釈薬液に接触する液中接触部材を含む、請求項2または3に記載の薬液供給装置。
- 前記薬液供給装置は、前記処理ユニットに供給される希釈薬液を貯留する複数のタンクを含み、
前記事前冷却ユニットおよび最終冷却ユニットは、別々のタンク内の希釈薬液を冷却する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の薬液供給装置。 - 前記事前冷却ユニットおよび最終冷却ユニットは、前記タンク内の希釈薬液を冷却する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の薬液供給装置。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の薬液供給装置と、
前記薬液供給装置から供給された希釈薬液で基板を処理する処理ユニットとを含む、基板処理システム。 - IIIB族、IVB族、およびVB族のうちの少なくとも一つの元素によって構成された物質が露出した基板の表面から当該物質を除去する基板処理方法であって、
希釈されることにより熱を発する発熱薬液と希釈液とを混合することにより希釈薬液を補充ユニットで生成し、生成された希釈薬液を前記補充ユニットからタンク内に供給する補充ステップと、
前記補充ステップで生成された希釈薬液を事前冷却ユニットで事前冷却範囲内の温度まで前記タンク内で冷却する事前冷却ステップと、
前記事前冷却ステップで冷却された希釈薬液を、最終冷却ユニットで前記事前冷却範囲よりも狭い最終冷却範囲内の目標温度まで冷却する最終冷却ステップと、
目標温度に調節された希釈薬液を処理ユニットによって基板に供給させることにより、基板を処理する基板処理ステップとを含む、基板処理方法。
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