JP6015603B2 - 焼結機のエアシール装置 - Google Patents
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Description
そして、この生産ラインでは、パレット台車1にホッパー2から床敷鉱2aおよびホッパー3から原料3aを順次供給しつつ、点火炉4で原料3aの表面に着火し、また各パレット台車1の下方に設けたウインドボックス5およびダクト6を介して、排風機7によりパレット台車1の下面側から吸気を行って、パレット台車1上の原料3aを焼成することにより、焼結鉱8を製造している。
また、製造した焼結鉱8は、排鉱部9にて排出され、一方、空になったパレット台車1は反転した状態で戻り、再びホッパーからの原料供給を受け、上記の製造手順を繰り返すことになる。
このうち、エアシールケース11は、パレット台車1の外縁下方へと延在するフード部14よりも内側のパレット台車下面にレール16(図2参照)と平行にボルト17によって取り付けられ、その断面は、図3(a)に示すとおり下方開口コの字形になる。また、エアシールバー12は、このエアシールケース11内に上部が緩嵌し、下面はウインドボックス5上部に設けたスライドヘッド15と摺動する仕組みになっている。そして、エアシールケース11とエアシールバー12の間に設置したスプリング13が、エアシールバー12を上下方向に付勢して、パレット台車1の下面とウインドボックス5上部に設けたスライドヘッド15との摺動状態を維持し、その間を気密に保持するのである。
その結果、エアシールバー12の上下動不良が生じて、パレット台車1とウインドボックス5との間のシール不良を招き、これによって、漏風が増大して、排風機のエネルギー効率が低下するという問題があった。
その結果、スプリングが格納されるエアシールケースとエアシールバーで囲まれる空間を外気と連通させ、当該空間と外気の圧力差を解消することよって、エアシール装置の外側下方から当該空間へのグリスや粉塵の侵入を有効に防止できるとの知見を得た。
また、これに加えて、その連通経路に集塵フィルタを取り付け、その連通経路から当該空間への粉塵の侵入を防止することで、スプリングの固着によるエアシールバーの上下動不良の発生を回避し、パレット台車とウインドボックスの間のシール不良を防止できるとの知見を得た。
本発明は、上記の知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。
1.無限軌道であるレール上を、複数のパレット台車が連結して移動する生産ラインを有し、この生産ラインで、該パレット台車にホッパーから原料を順次供給したのち、点火炉により該原料の表面に着火するとともに、各パレット台車の下方に設けたウインドボックスおよびダクトを介して、排風機により該パレット台車の下面から吸気を行いながら、該パレット台車上の該原料の焼成を行う焼結機において、
該パレット台車の外縁下方へと延在するフード部よりも内側で、該パレット台車の下面に該レールと平行に取り付けられた、断面が下方開口コの字形のエアシールケースと、
該エアシールケース内に上部が緩嵌し、下面は該ウインドボックス上部に設けたスライドヘッドと摺動するエアシールバーと、
該エアシールケースと該エアシールバーとの間に設置され、該エアシールバーを上下方向に付勢して摺動状態を保持するスプリングと、
該エアシールケースと該エアシールバーの隙間をシールする構造体とを有し、該パレット台車と該ウインドボックスとの間を気密下に接続して、該ウインドボックス内を外気から隔離する、焼結機のエアシール装置であって、
該エアシールケース、または該エアシールケースおよび該パレット台車に、該エアシールケースと該エアシールバーで囲まれる空間を外気と連通させる連通経路を設け、さらに該連通経路に集塵フィルタを取り付けたことを特徴とする焼結機のエアシール装置。
さらに、該弾性体を該フード部の内面に固定するためのL字形アングルを有し、
該L字形アングルは、一辺をボルト締めで該フード部の内面に固定する一方、他辺を前記エアシールバーの水平方向のガイドとして機能させることを特徴とする前記1に記載の焼結機のエアシール装置。
また、これにより、パレット台車とウインドボックスの間のシール不良に伴う漏風量を低減して、排風機のエネルギー効率の低下を回避することができる。
さらに、焼結機のエアシール装置における点検・交換頻度を大幅に低減でき、焼結機の長期にわたる連続操業が可能になる。
加えて、大幅な設計変更を行うことがないので、コストの面でも非常に有利である。
本発明の焼結機のエアシール装置は、上述したように、エアシールケース、エアシールバー、スプリングおよびエアシールケースとエアシールバーとの隙間をシールすることができる構造体を基本構成部材とする。
なお、本発明で下方または下面という場合には、パレット台車が原料を搬送する状態での下方または下面を意味する。
また、エアシールバー12は、このエアシールケース11内に上部が緩嵌し、下面はウインドボックス5上部に設けたスライドヘッド15と摺動する。そして、エアシールケース11とエアシールバー12の間に設置したスプリング13は、エアシールバー12を上下方向に付勢してパレット台車1の移動の際に生じる上下方向の変位に追随させ、エアシールバー12とスライドヘッド15との摺動状態を保持できるようにしている。
というのは、このような構造の弾性体であれば、エアシールケース11とエアシールバー12で囲まれる空間とウインドボックス5内の圧力差をシール圧力に利用して、有効にそのシール性を高めることができるからである。
というのは、このような連通経路21を設けることにより、スプリング13が格納されるエアシールケース11とエアシールバー12で囲まれる空間と外気の圧力差が解消されるので、エアシール装置の外側下方から当該空間へのグリスや粉塵の侵入を防止して、スプリング13の固着によるエアシールバー12の上下動不良の発生を有効に防止できるからである。
この第2の実施形態も、基本的な構成は上記した第1の実施形態と同じであるが、この第2の実施形態では、エアシールケース11の外側面を開放し、パレット台車1のフード部14の内面から少なくともエアシールバー12の上面まで延在させて、エアシール装置の外側下方雰囲気との通気を遮断するようにした弾性体23を設けた点に特徴がある。
なお、この弾性体23は、少なくともエアシールバー12の上面にまで連続するようにして設ければよいが、弾性体23をエアシールバー12の上面に固定すれば、図6に示すように、エアシールケース11の内面に先端が当接するように拡張して、ウインドボックス5側のエアシールケース11とエアシールバー12の隙間におけるシール用構造体として機能するような形状としてもよい。
なお、ここでいう従来の焼結機のエアシール装置は、外気との連通経路がないことを除き、本発明の第1の実施形態と同構造のものである。
これに対し、本発明の第1および第2の実施形態に関する焼結機のエアシール装置を適用した場合には、適用開始から3年程度が経過しても、エアシールバーの動作不良は発生せず、排風機のエネルギー効率の低下は見られなかった。
2,3 ホッパー
2a 床敷鉱
3a 原料
4 点火炉
5 ウインドボックス
6 ダクト
7 排風機
8 焼結鉱
9 排鉱部
10 エアシール装置
11 エアシールケース
12 エアシールバー
13 スプリング
14 フード部
15 スライドヘッド
16 レール
16a 車輪
17,25 ボルト
18 供給管
19 グリス
20 シール用構造体
21 連通経路
22 集塵フィルタ
23 弾性体
24 L字形アングル
Claims (2)
- 無限軌道であるレール上を、複数のパレット台車が連結して移動する生産ラインを有し、この生産ラインで、該パレット台車にホッパーから原料を順次供給したのち、点火炉により該原料の表面に着火するとともに、各パレット台車の下方に設けたウインドボックスおよびダクトを介して、排風機により該パレット台車の下面から吸気を行いながら、該パレット台車上の該原料の焼成を行う焼結機において、
該パレット台車の外縁下方へと延在するフード部よりも内側で、該パレット台車の下面に該レールと平行に取り付けられた、断面が下方開口コの字形のエアシールケースと、
該エアシールケース内に上部が緩嵌し、下面は該ウインドボックス上部に設けたスライドヘッドと摺動するエアシールバーと、
該エアシールケースと該エアシールバーとの間に設置され、該エアシールバーを上下方向に付勢して摺動状態を保持するスプリングと、
該エアシールケースと該エアシールバーの隙間をシールする構造体とを有し、該パレット台車と該ウインドボックスとの間を気密下に接続して、該ウインドボックス内を外気から隔離する、焼結機のエアシール装置であって、
該エアシールケース、または該エアシールケースおよび該パレット台車に、該エアシールケースと該エアシールバーで囲まれる空間を外気と連通させる連通経路を設け、さらに該連通経路に集塵フィルタを取り付けたことを特徴とする焼結機のエアシール装置。 - 前記エアシールケースの外側面を開放するとともに、前記シールする構造体が、前記パレット台車のフード部の内面から少なくとも前記エアシールバーの上面まで延在させて、下方雰囲気との通気を遮断する弾性体であり、
さらに、該弾性体を該フード部の内面に固定するためのL字形アングルを有し、
該L字形アングルは、一辺をボルト締めで該フード部の内面に固定する一方、他辺を前記エアシールバーの水平方向のガイドとして機能させることを特徴とする請求項1に記載の焼結機のエアシール装置。
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