JP6015158B2 - トランスコバラミンii遺伝子産物量調整剤 - Google Patents

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本発明は、2−アミノエタンスルホン酸を含有することを特徴とする、トランスコバラミンIIの遺伝子産物量の調整剤に関する。
ビタミンB12は、食事やサプリメント、医薬品から摂取され、体内に吸収された後、血中で直ちにキャリアタンパクであるトランスコバラミンと結合する。トランスコバラミンとしては、トランスコバラミンI、トランスコバラミンII及びトランスコバラミンIIIの三種類が知られており(非特許文献1)、血中ビタミンB12の約20%はトランスコバラミンIIと結合し、残りの大部分はトランスコバラミンIおよびトランスコバラミンIIIと結合している(非特許文献2)。
トランスコバラミンIIは組織細胞へのビタミンB12供給に関与しており、ビタミンB12と結合したトランスコバラミンIIはトランスコバラミンレセプターを介して速やかに細胞内に取り込まれ、細胞内にてビタミンB12と分離する。一方、トランスコバラミンIは血中における貯蔵機能を有しており、通常の血中ビタミンB12濃度と相関する(非特許文献2)。ビタミンB12と結合したトランスコバラミンIIは、ホロ−トランスコバラミンIIと呼ばれ、血中ホロ−トランスコバラミンII量は食事による血中ビタミンB12摂取量に影響されることなく、一日中安定している(非特許文献3)。
トランスコバラミンIIが増加又は減少した場合、細胞内ビタミンB12濃度に影響を及ぼし、ビタミンB12依存補酵素であるメチルマロニルコエンザイムAムターゼ及びメチオニンシンターゼの代謝異常が引き起こされる恐れがある(非特許文献4)。さらに、トランスコバラミンII欠乏は、下痢、嘔吐等の消火器症状、巨赤芽性貧血、血小板減少などを引き起こすなど(非特許文献5)、トランスコバラミンIIの遺伝子産物量の変動(増加又は減少)や細胞内ビタミンB12濃度の異常は、様々な症状や疾病を伴っていることが報告されている(非特許文献6)。
細胞内ビタミンB12濃度を正常域に保つことは、ヒトの生体機能を維持し、健康維持・増進にとって必要であり、これには血中ビタミンB12濃度を正常域に保つのみでなく、トランスコバラミンIIの遺伝子産物量を安定させることが極めて重要である。しかしながら、これまでの多くの研究によっても、トランスコバラミンIIの遺伝子産物量を調整する医学的な治療方法は提供されていないし、その研究に供される試薬なども開発されていない。
これまでに、細胞内ビタミンB12濃度を安定させる方法として、血中ホロ−トランスコバラミンII量が低下している状態におけるチオラコバラミンの提供が知られている。また、ビタミンB12とグルタチオン前駆体とを同時に投与することにより、神経組織や血管内皮におけるコバラミンの細胞内プロセッシングを容易にする薬剤の提供が提案されている(特許文献1)。しかし、これらは、トランスコバラミンIIの遺伝子産物量を調整していないし、トランスコバラミンIIの遺伝子産物量の変動を伴う症状や疾病には対応できていない。
ここで、2−アミノエタンスルホン酸は、魚介類に多く含まれる含硫アミノ酸で、ヒトでは心筋、筋肉、脾臓、脳、肺、骨髄などに存在しており、医療用医薬品、OTC医薬品、特別用途食品、その他の食品に広く使用されている。しかし、トランスコバラミンIIの遺伝子産物量を調整することは知られていない。
特表2004−526793
内科 93(6)、1121−1122、2004 腎臓 28(1)、55−77、2005 ビタミン 80(2)、89、2006 ビタミン 76(11)、555−558、2002 生物物理化学 38、61−68、1994 欧州分子生物学研究所 ヒト遺伝子発現、疾患データベース
本発明の目的は、トランスコバラミンIIの遺伝子産物量を調整するために用いる試薬、医薬品及び食品を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、2−アミノエタンスルホン酸が、トランスコバラミンIIの遺伝子産物量を調整することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)2−アミノエタンスルホン酸を含有することを特徴とする、トランスコバラミンII遺伝子産物量の調整剤。
(2)トランスコバラミンIIの遺伝子産物量の変動を伴う症状及び/又は疾病に対する予防剤、改善剤、緩和剤又は治療剤である、(1)に記載の調整剤。
本発明により、トランスコバラミンIIの遺伝子産物量を調整する試薬、医薬及び/又は食品を供給することが可能となった。さらには、トランスコバラミンIIの遺伝子発現量の変動を伴う症状及び/又は疾病に対する、副作用が少なく、長期間継続して服用しても安全な、予防剤、改善剤、緩和剤又は治療剤の提供が可能となった。
本発明の実施の形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明における「2−アミノエタンスルホン酸」としては、化学合成品のみでなく、魚の血合い部分、牡蠣や蜆などの貝類、イカ、タコなどの魚介類などから抽出した天然物由来の2−アミノエタンスルホン酸を用いることができる。
本発明における「遺伝子産物」とは、転写産物又は翻訳産物のいずれでもよい。「転写産物」とは、遺伝子から転写の過程を経て生じる遺伝子、通常、RNAを示し、好ましくはmRNAを示す。「翻訳産物」とは、遺伝子から転写、翻訳の過程を得て生じるタンパク質を示し、未修飾であっても翻訳後修飾されていてもよい。
本発明における「遺伝子」とは、細胞におけるDNA又はRNAのいずれもでもよく、ゲノムDNAのみならず、mRNA、aRNA、cRNA及びcDNAなども含むものであり、全長遺伝子のみでなく、その一部を含む遺伝子(expressed sequence tag:EST)などでもよい。
通常、遺伝子産物量の分析は、当該遺伝子産物の転写産物又は翻訳産物の発現量を測定し、その発現量を補正し、その変動量を算出することにより可能である。遺伝子産物量を測定する方法としては、転写産物を検出し得るプローブやプライマーを用いる方法、翻訳産物を認識する抗体や結合する物質を用いる方法などがある。
本発明の「トランスコバラミンII遺伝子産物量の調整剤」は、トランスコバラミンIIの遺伝子産物量(遺伝子発現量)を増加又は減少させることができる。
本発明の「トランスコバラミンII遺伝子産物量の調整剤」は、トランスコバラミンIIの遺伝子産物量を調整するための試薬や、これを含むキットとして提供することができる。
2−アミノエタンスルホン酸は固体でも液体でもよく、必要に応じて、pH調整剤、保存剤、防腐剤などを加えることもできる。試薬又はキットは、更に所望により、トランスコバラミンIIの遺伝子産物の発現量を解析するためのプライマー、プローブ、抗体などと組み合わせてもよい。
試薬としての2−アミノエタンスルホン酸の使用量は、例えばマウスへ経口投与する場合、1日あたり50mg〜8000mg/kgであり、100mg〜6000mg/kgが好ましく、200mg〜4000mg/kgがより好ましい。1日量の2−アミノエタンスルホン酸を1日1回又は数回に分けて経口投与することができる。
また、本発明の「トランスコバラミンII遺伝子産物量の調整剤」は、2−アミノエタンスルホン酸を含有することを特徴とした経口用医薬及び/又は食品として提供することができる。また、トランスコバラミンII遺伝子産物量の変動は細胞内ビタミンB12濃度を変動させるので、「トランスコバラミンII遺伝子産物量の調整剤」は「細胞内ビタミンB12濃度の調整剤」としても使用可能である。
これらの経口用組成物には、2−アミノエタンスルホン酸の他、本発明の効果を損なわない範囲で、pH調整剤、保存剤、防腐剤、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、清涼化剤、懸濁化剤、消泡剤、粘稠剤、溶解補助剤、界面活性剤、香料などを配合してもよい。さらに必要に応じて、常法により、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、ドライシロップ剤などの経口用固形製剤又はドリンク剤などの内服液剤・飲料として提供することができる。
経口用組成物は、通常、効能・効果を標榜できる医薬品、医薬部外品や特定保健用食品などとして提供することができる。さらには、「トランスコバラミンII遺伝子産物量の調整剤」、「トランスコバラミンII異常を伴う症状や疾病の予防剤、改善剤、緩和剤又は治療剤」や「細胞内ビタミンB12濃度調整剤」などの表記を付して提供することも可能である。
経口用組成物としての2−アミノエタンスルホン酸のヒト経口投与量は、年齢、性別、体重などを考慮して適宜増減できるが、通常、成人で1日あたり、500mg〜8000mgであり、1000mg〜6000mgが好ましく、3000mg〜4000mgがより好ましい。1日量の2−アミノエタンスルホン酸を1日1回又は数回に分けて経口投与することができる。
本発明における「ビタミンB12」とは、天然型のヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン等及び活性型のメチルコバラミン及びアデノシルコバラミン等であり、特に限定はされないが、好ましくは細胞内で機能するメチルコバラミン及びアデノシルコバラミンである。
本発明における「トランスコバラミンII」とは、腎臓、肝臓などの全組織に存在し、組織細胞へのビタミンB12の輸送や腎臓での再吸収に関与しているタンパクであり、塩基配列や遺伝子情報なども解明されているタンパクである。
トランスコバラミンIIのタンパク情報、塩基配列情報及び遺伝子情報などは、欧州分子生物学研究所やHUGO遺伝子命名法委員会など公的機関やデータベースにより、容易に入手することができる。
トランスコバラミンIIの遺伝子情報およびタンパク情報を次に示す。
Approved Name /transcobalamin II
Approved Symbol /TCN2
HGNC ID/HGNC:11653
NUCLEOTIDE SEQUENCES/RefSeq:NM_000355
GENE RESOURCES/Entrez Gene:6948
PROTEIN RESOURCES/UniProtKB:P20062
トランスコバラミンIIの遺伝子産物量(遺伝子発現量)の増加が認められる症状や疾病としては、2型子宮内膜腺癌、B細胞リンパ腫、C型肝炎、インフルエンザウイルス感染症、エイズウイルス感染症、エイズ関連カポジ肉腫、ヒト免疫不全ウイルス感染症、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス感染症、カルパイン3異常症、クローン病、ニューカッスル病ウイルス感染症、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、非気道熱傷、マラリア感染症、過敏性腸症候群、肝細胞癌、関節リウマチ、奇形精子症、気道熱傷、急性リンパ性白血病、急性拒絶反応、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性単芽球性白血病、単球性白血病、局所進行乳癌、結節性末梢性T細胞リンパ腫、結腸直腸腺癌、血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫、甲状腺腺腫(濾胞腺腫)、甲状腺濾胞癌、硬化症、高悪性度前立腺上皮細胞内腫瘍、骨髄腫、脂肪腫、歯周炎、若年性特発性関節炎、若年性特発性関節炎、若年性皮膚筋炎、食道癌、食道扁平上皮癌、神経膠芽腫、腎癌、腎細胞癌、腎明細胞癌、髄膜炎、髄膜腫、星状細胞腫、節外性NK/T細胞リンパ腫、線維肉腫、前立腺肥大、多臓器不全、多嚢胞性卵巣症候群、多発性骨髄腫、単クローン性免疫グロブリン血症、敗血症ショック、肺炎、膿胸、肺腺癌、肺動脈性肺高血圧症、副腎皮質腺腫、平滑筋肉腫、慢性肉芽腫症、未分化大細胞リンパ腫、未分化肉腫、卵巣癌、卵巣腫瘍、卵巣腫瘍 類子宮内膜、類内膜癌、漿液性細胞腫、痙性対麻痺、胚細胞性腫瘍及び膵管腺癌などが挙げられる。
トランスコバラミンIIの遺伝子産物量(遺伝子発現量)の減少が認められる症状や疾病としては、1型子宮内膜腺癌、HIV感染症、T細胞性急性リンパ性白血病、X連鎖無ガンマグロブリン血症、エメリ・ドレフュス型筋ジストロフィー、コケイン症候群、てんかん、バーキットリンパ腫、ハンチントン病、非虚血性心筋症、メラノーマ、リンパ性白血病、悪性胸膜中皮腫、化膿性連鎖球菌、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、結腸癌、結腸直腸癌、細胞傷害性肺癌、子宮頸癌、小細胞肺癌、心房細動、浸潤性食道扁平上皮腫、神経芽細胞腫、前駆Tリンパ芽球性白血病、前立腺癌、双極性障害、乳癌、乳腺癌、乳腺腫瘍、嚢胞性線維症、非小細胞肺癌、副腎皮質癌、分類不能型免疫不全症、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、未分化神経膠芽腫、扁平上皮癌、絨毛癌及び膵癌などが挙げられる。
従って、本発明の「トランスコバラミンII遺伝子産物量の調整剤」は、これらの症状や疾病を伴うトランスコバラミンIIの遺伝子産物量を調整することができる。さらには、「トランスコバラミンII遺伝子産物量の調整剤」の投与により、これらの症状や疾病を予防、改善、緩和及び/又は治療することが期待できる。
本発明における「細胞」とは、ビタミンB12を代謝機能の一部に有する細胞であるか、トランスコバラミンIIの遺伝子産物を発現している細胞である。
細胞としては、例えば、血液細胞、肝細胞、腎細胞、筋細胞、神経細胞、グリア細胞、骨髄細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、間質細胞、又はこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。細胞は、好ましくは、血液細胞、筋細胞、肝細胞、又はそれらの前駆細胞もしくは幹細胞であり、ヒトを含む哺乳動物由来の細胞であることがより好ましい。
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
試験例1:細胞におけるトランスコバラミンIIの遺伝子発現量に対する2−アミノエタンスルホン酸の調整作用
トランスコバラミンII遺伝子(Tcn2)の発現を変動させたマウス(Tcn2変動マウス)の血液細胞におけるトランスコバラミンIIの遺伝子発現量の変動を解析することにより、2−アミノエタンスルホン酸の調整作用を評価した。
実験動物には、7から11週齢のBALB/c系マウス、オス(日本エスエルシー(株))(12匹)を用いた。実験動物は入荷後、試験期間を通して標準飼料(オリエンタル酵母工業(株))及び滅菌水を自由に摂取させ、少なくとも1週間の馴化を行った。
実験群は、Tcn2変動マウス(4匹)、2−アミノエタンスルホン酸投与Tcn2変動マウス(薬剤投与Tcn2変動マウス)(4匹)及び健常マウス(4匹)とした。
Tcn2変動マウスは、マウス・ラット用トレッドミル走行装置(バイオリサーチセンター(株))を用いた漸増的な強制走行負荷により作製した(走行条件:傾斜角度10度、走行開始速度9メートル/分、漸増ステップ3メートル/4分、52分間)。
2−アミノエタンスルホン酸は、Tcn2の発現変動処置を施す前日まで2週間、1日1回、300mg/kgの投与量で経口投与し、処置終了直後にも経口投与した。
細胞として血液細胞を選定した。動物からの血液細胞の採取は、Tcn2の発現変動処置の2時間後に深麻酔条件にてマウスを安楽死させ、腹部大静脈より血液を1mL採取し、ヌクレアーゼ不含水1mLを添加し、Isogen−LS(ニッポンジーン社)2mLを添加し、血液を溶解することにより行った。
Isogen−LSに溶解された血液細胞からのRNAの粗抽出は、同試薬のプロトコールに従って実施した。粗抽出されたRNAは、RNeasy Mini Kit(Qiagen社)を用いてカラム精製を行った。
カラム精製後のTOTAL RNAに対して一旦定量とクオリティチェックを行った後、必要十分量のRNAから、血液に大量に含まれており、発現解析の妨げとなるグロビンmRNAの除去処理を行った後、再度、定量とクオリティチェックを実施した。グロビンmRNA除去処理にはGLOBINclear-Mouse/Rat (Ambion社)を用いた。
さらに、NanoDrop 1000 Spectrophotometer (Thermo Fisher Scientific社)を使用しtotal RNAの濃度を測定する。その後Agilent RNA 6000 Nano Kit(Agilent Technologies社)を使用し、Agilent 2100 Bioanalyzer(Agilent Technologies社)で電気泳動を行いtotal RNAのRIN値を測定した。
逆転写反応液を調製し、GeneAmp PCR System 9700(Life Technologies社)を用いて、RNAの逆転写反応を行った。
次に、BioMark 96.96 ダイナミックアレイの機器及び試薬添付のプロトコルに従い、Sample inletsにSample mixを、Assay inletsにAssay mixをアプライし、BioMarkによりリアルタイムPCR反応を行った。PCR反応回数は最大35サイクルとした。測定の反復回数は3回とした。
トランスコバラミンII遺伝子(Tcn2)の発現量の比較は、リアルタイムPCRにより得られた一定の増幅産物量になるサイクル数(threshold cycle値:Ct値)から、βアクチン遺伝子(Actb)をそれぞれ内部標準遺伝子とし、基準となるサンプルの値を1.00とした時の相対値より算出し、健常マウスの血液細胞における遺伝子の発現量(平均値)を100%として算出した。
トランスコバラミンII遺伝子及びβアクチン遺伝子のPCRプライマーは、BioMark社より市販されているウェットバリデーションプライマーを用いた。
Tcn2変動マウス由来血液細胞におけるトランスコバラミンII遺伝子の発現量は、健常マウスと比較して著しく増加していた。
薬剤投与Tcn2変動マウスにおけるトランスコバラミンII遺伝子の発現量はTcn2変動マウスと比較して顕著に減少していた。
Figure 0006015158
以上より、2−アミノエタンスルホン酸は、トランスコバラミンII遺伝子の発現量を調整することが明らかとなった。
従って、トランスコバラミンII遺伝子の発現量を調整する試薬、医薬品、食品として、2−アミノエタンスルホン酸を提供することが可能となった。
本発明によりトランスコバラミンIIの遺伝子産物量を調整する試薬、医薬品及び/又は食品を提供することが可能となった。さらには、トランスコバラミンIIの遺伝子産物量(遺伝子発現量)の変動を伴う症状や疾病を予防、改善、緩和又は治療する経口用組成物を提供することが可能となった。

Claims (2)

  1. 2−アミノエタンスルホン酸を含有することを特徴とする、トランスコバラミンII遺伝子産物量を減少させる調整剤。
  2. トランスコバラミンIIの遺伝子産物量の増加を伴う症状及び/又は疾病に対する予防剤、改善剤、緩和剤又は治療剤である、請求項1に記載の調整剤。
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