JP6015147B2 - 組換えタンパク質の抽出試薬 - Google Patents
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Description
(1)タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクターを用いて大腸菌を形質転換して得られる形質転換体を培養し、当該培養した形質転換体内から前記タンパク質を抽出するのに用いる抽出試薬であって、少なくとも非イオン界面活性剤と陽イオン界面活性剤を含む前記試薬。
(i)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸を含むタンパク質や、
(ii)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸を含み、かつ前記アミノ酸のうちの一つ以上が他のアミノ酸に置換、挿入または欠失したタンパク質、
があげられる。前記(ii)の具体例としては、特開2011−206046号公報に開示のFc結合性タンパク質があげられる。
(1)特開2011−126827号公報に記載の方法により、Fc結合性タンパク質を生産可能な組換え大腸菌を培養し、得られた培養液から遠心分離により大腸菌菌体(湿潤菌体)を得た。
(2)(1)で得られた湿潤菌体を1mMのEDTAを含む50mMTris−HCl緩衝液(pH8.0)に懸濁させ、均一になるまで室温(20℃から25℃)にて撹拌後、NaClを終濃度0.65Mとなるよう添加し、さらに室温で撹拌した。
(3)希NaOH水溶液を用いてpH9.0となるよう調製し、菌体からの効率的なタンパク質抽出を促した。なお菌体内容物の漏出によりpHが酸性側へ移動するため、都度、希NaOH水溶液を添加することで前記pHを維持した。
(4)臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)水溶液を終濃度0.5(w/v)%となるよう添加し、Triton X−100(商品名)水溶液を終濃度2(v/v)%となるよう添加し、デオキシコール酸ナトリウム水溶液を終濃度0.2(w/v)%となるよう添加後、室温で撹拌することで、Fc結合性タンパク質を抽出した。
(5)核酸分解酵素(Benzonase、メルク社製)を終濃度250unit/Lとなるよう添加し、助剤として硫酸マグネシウムを終濃度2mMとなるよう添加し、塩化カルシウム水溶液を終濃度50mMとなるよう添加後、4℃で撹拌することで、(4)で添加した界面活性剤により菌体内から抽出される核酸による粘度上昇を抑制した。
(6)(5)の抽出液を遠心分離操作し、上清(無細胞抽出液)を得た。
(7)(6)で得られた無細胞抽出液中のFc結合性タンパク質の抽出量を以下に示したELISA法にて、Fc結合性タンパク質以外の夾雑タンパク質濃度をBradford法にて、それぞれ測定した。
(7−1)ヒト抗体であるガンマグロブリン製剤(化学及血清療法研究所製)を、96穴マイクロプレートのウェルに1μg/wellの濃度で固定した(4℃で18時間)。
(7−2)固定化終了後、洗浄緩衝液(0.05%(w/v)のTween 20(商品名)と150mMのNaClを含む10mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0))で洗浄し、0.5%BSA(Sigma−Aldrich社製)によりブロッキングした。
(7−3)洗浄緩衝液にて洗浄後、調製したタンパク質抽出液を50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で適宜希釈し、固定化ガンマグロブリンと反応させた(30℃で1時間)。
(7−4)反応終了後、洗浄緩衝液で再度洗浄し、Anti−hFcγR1/CD64抗体試薬(R&Dシステムズ社製)を添加した(30℃で1時間)。
(7−5)反応終了後、洗浄緩衝液で再度洗浄し、Horse radish Peroxidase(HRP)標識のGoat anti−Mouse IgG−h+IHRP抗体試薬(BETHYL社製)を添加した。
(7−6)30℃で1時間反応後、洗浄緩衝液で洗浄し、TMB Peroxidase Substrate(KPL社製)を添加し450nmの吸光度を測定した。
(1)特開2011−126827号公報に記載の方法により、Fc結合性タンパク質を生産可能な組換え大腸菌を培養し、得られた培養液から遠心分離により大腸菌菌体(湿潤菌体)を得た。
(2)(1)で得られた湿潤菌体を、実施例1と同じ菌体濃度となるよう1mMのEDTAを含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に懸濁させた。
(3)市販の抽出試薬(BugBuster、メルク社製)を用いて、試薬に添付の標準プロトコールに従いFc結合性タンパク質を抽出した。
(4)(3)の抽出液を遠心分離操作し、上清(無細胞抽出液)を得た。
(5)実施例1(7)に記載の方法により、Fc結合性タンパク質の抽出効率、および夾雑タンパク質濃度を測定した。
(1)特開2011−126827号公報に記載の方法により、Fc結合性タンパク質を生産可能な組換え大腸菌を培養し、得られた培養液から遠心分離により大腸菌菌体(湿潤菌体)を得た。
(2)(1)で得られた湿潤菌体を、実施例1と同じ菌体濃度となるよう1mMのEDTAを含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に懸濁させた。
(3)超音波破砕機(INSONATOR201M(久保田製作所社製)、130W×10分)を用いて機械的破砕することで、Fc結合性タンパク質の抽出を行なった。
(4)(3)の抽出液を遠心分離操作し、上清(無細胞抽出液)を得た。
(5)実施例1(7)に記載の方法により、Fc結合性タンパク質の抽出効率、および夾雑タンパク質濃度を測定した。
実施例1(4)で添加する界面活性剤を、Brij35(商品名)およびデオキシコール酸ナトリウムとした他は、実施例1と同様な操作を行なった。結果、無細胞抽出液中の夾雑タンパク質の濃度は11mg/mLであり、Fc結合性タンパク質の抽出量は湿潤菌体1gあたり0.4mgであった。
実施例1(4)で添加する界面活性剤を、Tween20(商品名)およびデオキシコール酸ナトリウムとした他は、実施例1と同様な操作を行なった。結果、無細胞抽出液中の夾雑タンパク質の濃度は9mg/mLであり、Fc結合性タンパク質の抽出量は湿潤菌体1gあたり0.1mgであった。
実施例1(4)で添加する界面活性剤を、CHAPS(3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホナート)およびデオキシコール酸ナトリウムとした他は、実施例1と同様な操作を行なった。結果、無細胞抽出液中の夾雑タンパク質の濃度は12mg/mLであり、Fc結合性タンパク質の抽出量は湿潤菌体1gあたり0.8mgであった。
実施例1(4)で添加する界面活性剤を、Zwittergent(商品名)およびデオキシコール酸ナトリウムとした他は、実施例1と同様な操作を行なった。結果、無細胞抽出液中の夾雑タンパク質の濃度は11mg/mLであり、Fc結合性タンパク質の抽出量は湿潤菌体1gあたり0.2mgであった。
実施例1(4)で添加するCTABの終濃度を0.1%(w/v)とした他は、実施例1と同様な操作を行なった。結果、無細胞抽出液中の夾雑タンパク質の濃度は5mg/mLであり、Fc結合性タンパク質の抽出量は湿潤菌体1gあたり0.7mgであった。
実施例1(4)で添加するCTABの終濃度を1%(w/v)とした他は、実施例1と同様な操作を行なった。結果、無細胞抽出液中の夾雑タンパク質の濃度は29mg/mLであり、Fc結合性タンパク質の抽出量は湿潤菌体1gあたり0.9mgであった。
実施例1(4)で添加するTriton X−100(商品名)の終濃度を1%(w/v)とした他は、実施例1と同様な操作を行なった。結果、無細胞抽出液中の夾雑タンパク質の濃度は14mg/mLであり、Fc結合性タンパク質の抽出量は湿潤菌体1gあたり0.4mgであった。
実施例1(4)で添加するTriton X−100(商品名)の終濃度を0.2%(w/v)とした他は、実施例1と同様な操作を行なった。結果、無細胞抽出液中の夾雑タンパク質の濃度は11mg/mLであり、Fc結合性タンパク質の抽出量は湿潤菌体1gあたり0.3mgであった。
抽出操作時のpHを8.0にした他は、実施例1と同様な操作を行なった。結果、無細胞抽出液中の夾雑タンパク質の濃度は10mg/mLであり、Fc結合性タンパク質の抽出量は湿潤菌体1gあたり1.2mgであった。
抽出操作時のpHを10.0にした他は、実施例1と同様な操作を行なった。結果、無細胞抽出液中の夾雑タンパク質の濃度は7mg/mLであり、Fc結合性タンパク質の抽出量は湿潤菌体1gあたり1.0mgであった。
抽出操作時のpHを11.0にした他は、実施例1と同様な操作を行なった。結果、無細胞抽出液中の夾雑タンパク質の濃度は4mg/mLであり、Fc結合性タンパク質の抽出量は湿潤菌体1gあたり0.3mgであった。
実施例1(4)で添加する界面活性剤のうち、デオキシコール酸ナトリウムを添加しない他は、実施例1と同様な操作を行なった。結果、無細胞抽出液中の夾雑タンパク質の濃度は21mg/mLであり、Fc結合性タンパク質の抽出量は湿潤菌体1gあたり1.1mgであった。
Claims (4)
- タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクターを用いて大腸菌を形質転換して得られる形質転換体を培養し、当該培養した形質転換体内から前記タンパク質を抽出するのに用いる抽出試薬であって、少なくとも非イオン界面活性剤と陽イオン界面活性剤を含み、前記タンパク質がヒトFc結合性タンパク質であり、前記非イオン界面活性剤が終濃度2%(w/v)以上のTriton X−100(商品名)であり、前記陽イオン界面活性剤が終濃度0.1%(w/v)から0.5%(w/v)の臭化セチルトリメチルアンモニウムであり、かつpHが8.0〜10.0の条件で使用される、前記試薬。
- さらに陰イオン界面活性剤を含む、請求項1に記載の試薬。
- さらに核酸分解酵素を含む、請求項1または2に記載の試薬。
- タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクターを用いて大腸菌を形質転換して得られる形質転換体を培養する工程と、培養した前記形質転換体に、少なくとも非イオン界面活性剤と陽イオン界面活性剤とを含む抽出試薬を用いて、前記形質転換体内から前記タンパク質を抽出させる工程とを含み、前記タンパク質がヒトFc結合性タンパク質であり、前記非イオン界面活性剤が終濃度2%(w/v)以上のTriton X−100(商品名)であり、前記陽イオン界面活性剤が終濃度0.1%(w/v)から0.5%(w/v)の臭化セチルトリメチルアンモニウムであり、かつpHが8.0〜10.0の条件で前記抽出試薬を使用する、前記タンパク質の製造方法。
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