JP6012748B2 - 有機発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は有機発光素子に関する。
有機発光ダイオード(OLED)の場合、発生する光の一部分だけしかそのまま出射されない。活性領域で生成された残りの光は様々な損失経路に分散され、たとえば基板、透明電極ならびに有機層において導波効果により案内される光として分散され、さらに金属電極において発生する可能性のある表面プラズモンとして分散される。導波効果は、特に個々の層とOLED領域との境界面における屈折率の差によって発生する。公知のOLEDの場合には一般的に、活性領域で生成された光のおよそ四分の一程度しか周囲につまりたとえば空気に出射されず、その一方で、生成された光の約25%が基板における導波により放射されずに損失してしまい、生成された光の約20%が透明電極と有機層における導波により、さらに約30%が金属電極における表面プラズモンの発生により、放射されずに損失してしまう。このような損失チャネル中を案内される光は、特に技術的な追加措置を講じないかぎり、OLEDから出射させることはできない。
光の出射つまりは放射される光のパワーを高める目的で、たとえば基板中を案内される光を出射させて放射光とする手法が知られている。この目的でたとえば基板外面に、散乱粒子を含むシート、たとえばマイクロレンズのような表面構造を備えたシートなどが用いられる。また、基板外面にじかに構造を設けたり、あるいは基板に散乱粒子を組み込むことも知られている。これらのアプローチのうちいくつかは、たとえば散乱シートの適用などは、すでに市場に投入されており、特に照明モジュールとして実装されたOLEDにおいて、放射面に関してアップグレードさせることができる。ただし光を出射させるためのこれらのアプローチは根本的な欠点を有しており、すなわち出射効率は基板中を案内される光の約60〜70%に制限されているし、被着された層またはフィルムによって拡散反射する乳白色の表面が形成されることから、OLEDの外観に大きく影響が及ぼされることである。
さらに、有機層中または透明電極中を案内される光を出射させるアプローチも知られている。しかしながらこのようなアプローチは、これまで商業ベースでOLED製品としてまだ成果を収めていない。たとえばY. Sun, S.R. Forrestによる刊行物Nature Photonics 2,483 (2008) において、いわゆる「低屈折率格子 low-index grids」の形成が提案されており、これによれば低屈折率の材料を用い、透明電極の上に構造をもたせた領域が被着される。さらにたとえば刊行物US 2007/0257608に記載されているように、高屈折率の散乱領域をポリマーマトリックスとして透明電極の下に被着させることも知られている。この場合、ポリマーマトリックスは通常、n=1.5の領域の屈折率を有しており、湿式化学的に被着される。さらに、光の波長領域の構造サイズで周期的な散乱構造を、いわゆるブラッグ格子またはフォトニック結晶に設けることも知られており、これについてはたとえば刊行物Ziebarthtou等による Adv. Funct. Mat. 14, 451 (2004) およびDo等による Adv. Mat. 15, 1214 (2003) に記載されている。
しかしながらこのような措置を講じたところで、OLEDの活性領域で生成される光のうち、プラズモンに変換される割合に作用を及ぼすことはできず、あるいはそのような光を出射させることはできない。
特定の実施形態の少なくとも1つの課題は、2つの有機発光層を備えた有機発光素子において、効率と光の出射を向上させることである。
この課題は、独立請求項記載の特徴を有する発明により解決される。従属請求項には本発明の有利な実施形態および発展形態が記載されており、これらの実施形態および発展形態は、以下の説明ならびに図面にも示されている。
少なくとも1つの実施形態によれば、有機発光素子は基板の上に、透光性電極と反射性電極とを有しており、これらの電極の間に有機機能積層体が配置されている。
ここで用いた「透光性」なる概念は本明細書においては、可視光に対し透過性である層のことを表す。この場合、透光性の層は透明であってもよく、すなわちクリアに光を通す状態であってもよく、あるいは少なくとも部分的に光を散乱させる状態、および/または部分的に光を吸収する状態であってもよく、したがって透光性の層をたとえば拡散性とすることもできるし、あるいは乳白色で光を通す状態であってもよい。殊に有利であるのは、ここで透光性と称する層をできるかぎり透明に形成することであり、そのようにすることで特に光の吸収ができるかぎり僅かになる。
別の実施形態によれば有機機能積層体は、第1の有機発光層と第2の有機発光層を有しており、この場合、第1の有機発光層は、透光性電極と第2の有機発光層との間に配置されている。これらの有機発光層はそれぞれ2つの電荷キャリア輸送層の間に配置されていて、それらのうちの一方は正孔輸送層として形成されており、他方は電子輸送層として形成されている。たとえば透光性電極の上に有機正孔輸送層を配置し、その上に第1の有機発光層を、さらにその上に有機電子輸送層を配置することができる。第1の有機発光層の上に別の有機正孔輸送層を配置し、その上に第2の有機発光層を、さらにその上に別の有機電子輸送層を配置することができる。
これとは別の選択肢として、有機機能積層体が極性に関して反転された構造となるように構成することも可能であり、つまりその場合には透光性電極から見て、有機電子輸送層が第1もしくは第2の有機発光層の下に配置されており、それぞれ有機正孔輸送層が第1もしくは第2の有機発光層の上に配置されている。
本発明においては、第1の層が第2の層の「上」に配置または被着されている、ということにより、第1の層が第2の層の上にそのまま直接、機械的および/または電気的に接触して配置または被着されている、ということを表すことができる。さらにこれによって間接的な接触を表すことも可能であり、その場合には第1の層と第2の層との間に別の層が配置されている。
さらに別の格別有利な実施形態によれば、基板は透光性に形成されており、透光性の電極が透光性基板と有機発光積層体との間に配置されていて、少なくとも1つの有機発光層において生成された光を、透光性電極と透光性基板とを通して放射させることができる。このような有機発光素子は、いわゆる「ボトムエミッタ bottom emitter」と呼ばれることもある。たとえば基板が層、プレート、シートまたはラミネートの形態で、ガラス、石英、プラスチックから選択された1つまたは複数の材料を有することができる。殊に有利には基板は、たとえばガラス層、ガラスシートまたはガラスプレートとして、ガラスを有しており、あるいはガラスから成る。
さらに別の実施形態によれば第1の有機発光層は、任意に配置された発光体分子を有している。このことはたとえば以下のことを意味する可能性がある。すなわち第1の有機発光層の発光体分子は、実質的に球状の分子構造を有しており、あるいは1つの優先方向をもつ分子構造であれば、たとえば細長い分子構造を有しており、優先方向がなければ、任意の方向に向いて配置されている。たとえば第1の有機発光層の発光体分子を、その配向に関して等方性に配置することができる。
別の格別有利な実施形態によれば、第2の有機発光層は異方性の分子構造を備えた発光体分子を有しており、それらの発光体分子は異方性に配向されている。
ここで異方性とは、組み込まれる分子が実質的に球状の分子構造を成しておらず、細長い分子構造を有する、ということである。このことを達成するため、異方性の分子構造をもつ発光体分子はたとえば、少なくとも二通りのそれぞれ異なる配位子を有しており、たとえば中心原子に配位された原子に関して異なる配位子を有しており、あるいは中心原子の正方平面周囲を有している。
等方性に配置された第1の有機発光層の発光体分子は、等方性の分子構造を備えた発光体分子を含むことができ、またはそのような発光体分子とすることができ、あるいは異方性の分子構造を備えた発光体分子も含むことができ、あるいはそのような発光体分子とすることもできる。これらの発光体分子は、第2の有機発光層の発光体分子とは異なり等方性に配置されており、つまり主として優先方向に沿って配置されておらず、または優先面に配置されていない。
格別有利な実施形態による有機発光素子は以下の要素を含んでいる:
−基板。この上に光出射層が被着されている。
−出射層の上に配置された透光性電極。
−複数の有機機能層を備えた有機機能積層体。この積層体には、透光性電極の上に設けられた第1の有機発光層と、第1の有機発光層の上に設けられた第2の有機発光層が含まれている。
−有機機能積層体の上に設けられた反射性電極。
−第1の有機発光層は、等方性に配置された発光体分子を含む。
−第2の有機発光層は、異方性に配向された異方性の分子構造をもつ発光体分子を含む。
1つの格別有利な実施形態によれば、第2の有機発光層の発光体分子は、実質的に平行に配向されて存在しており、たとえば第2の有機発光層の延在面に平行に配向されて存在している。特にこのことが意味するのは、第2の有機発光層の異方性の発光体分子が、あとで説明するように遷移双極子モーメント(以下では略して双極子モーメントとも称する)を有することであり、それらは第2の有機発光層の延在面に対し平行にまたは実質的に平行に配置されている。
ここで「実質的に平行」とは、発光体分子および殊にその双極子モーメントが、66%を超えて平行に配向されている、ということを意味する。発光体分子および特にそれらの双極子モーメントを異方性に配置すれば、殊にそれらを実質的に平行に配置すれば、反射性電極におけるプラズモン励起による損失を著しく抑えることができ、その結果、プラズモン励起による第2の有機発光層の効率損失を少なくとも部分的に回避できる。ひいてはこのことによって、有機発光素子全体の効率を格段に高めることができる。
このようにして第2の有機発光層によるプラズモン励起が抑圧されることで、第2の有機発光層から生成される放射出力の割合、つまり第2の有機発光層から発せられ有機層および/または透光性電極を導波効果によって案内される光の割合を、高めることができる。プラズモンとは異なりこのような割合の成分は、後述するように光出射層によって少なくとも部分的に有機発光素子から出射させることができるので、ここで説明している有機発光素子によれば、一般に等方性で配向されずに発光体分子が配置されている公知のOLEDに比べて、基板を通って放射される光出力を高めることができる。
さらに別の格別有利な実施形態によれば、第1の有機発光層は反射性電極に対し150nm以上の間隔を有する。特にこのことが意味するのは、第1の有機発光層と反射性電極との間に配置された有機機能積層体の有機機能層は、全体として150nm以上の層厚を有する、ということである。
さらに別の実施形態によれば、第1の有機発光層と反射性電極との間の光路長は、たとえば600nmの波長の場合、150nmの1.6倍以上225nmの1.8倍以下である。この場合、1.6および1.8という値は、有利な屈折率値の範囲に対応する。
さらに第1の有機発光層と反射性電極との間隔を225nm以下にすることができる。
格別有利には、第1の有機発光層と反射性電極との間隔を180nm以上225nm以下にすることができる。
発明者が見出したことは、第1の有機発光層と反射性電極との既述の間隔によって殊に有利なことに、第1の有機発光層において生成される放射出力もしくは第1の有機発光層において発生される光において、プラズモンとして反射電極に入力する相対的な割合が低減される、という点である。
殊に発明者が見出したことは、第1の有機発光層と反射性電極との間隔を、第1の有機発光層において生成されプラズモン特に表面プラズモンとして反射性電極に入射する放射出力の相対的な割合が10%以下となるよう選定できる、という点である。既述のようにこのことにより、第1の有機発光層から生成される放射出力の割合、つまり第1の有機発光層から発せられ有機層および/または透光性電極を導波効果によって案内される光の割合を、高めることができる。この割合の成分を少なくとも部分的に光出射層によって、後述するように有機発光素子から出射させることができる。このようにしてここで説明している有機発光素子によれば、少なくとも1つの有機発光層と反射性電極との間隔が一般に著しく小さい公知のOLEDに比べ、基板を通して放射される光出力を高めることができる。
さらに別の格別有利な実施形態によれば、第2の発光層は反射性電極に対し、30nm以上100nm以下の間隔を有している。特にこのことが意味するのは、第2の有機発光層と反射性電極との間に配置された有機機能積層体の有機機能層は、全体として30nm以上100nm以下の層厚を有する、ということである。
さらに別の実施形態によれば、第2の有機発光層と反射性電極との間の光路長は、600nmの波長の場合、30nmの1.6倍以上100nmの1.8倍以下である。ここで1.6および1.8という値は、すでに述べたとおり有利な屈折率値の範囲に対応する。
さらに第2の有機発光層と反射性電極との間隔を60nm以下にすることができる。
格別有利には、第1の有機発光層と反射性電極との間隔を30nm以上60nm以下にすることができる。
さらに発明者が見出したのは、第2の有機発光層と反射性電極との間の既述の間隔によって、マイクロキャビティ効果に基づき、たとえば当業者に知られているいわゆるパーセル効果に基づき、いっそう効率的な光の生成が実現されることである。さらにこの場合、上述のように発光体分子を異方性で殊に平行に配置することによって、依然として存在するプラズモン損失チャネルが抑圧される。
さらに別の有利な実施形態によれば、第2の有機発光層は第1の有機発光層から、100nm以上200nm以下の間隔を有する。この間隔を殊に、各発光層の間に配置された電荷キャリア輸送層ならびに後述する電荷発生層の層厚全体によって定めることができる。
したがって反射性電極に対する第1の有機発光層と第2の有機発光層の間隔について、有機発光素子を組み立てるにあたって2つの自由度が得られることになる。これによれば両方の発光層を互いに無関係に各電極の間に、効率を高めるマイクロキャビティ効果と回避すべきプラズモン結合とに関して最適なポジションに配置することができる。この場合、第2の有機発光層における発光体分子の特別な選択によって、プラズモン損失がさらに抑圧される。
特に発明者が見出したことは、ここで述べてきた作用を効果的に組み合わせることができる点であり、たとえば第2の有機発光層の発光体分子を異方性に配置することで第2の有機発光層に対するプラズモン損失チャネルを低減すること、反射性電極に対し有利な間隔をとることで第1の有機発光層におけるプラズモン損失を低減すること、マイクロキャビティ効果について発光層を適切に配置することで放射生成を高めること、などを効果的に組み合わせることができる点である。これらの作用を組み合わせることによって、両方の発光層において生成される光の相対的な割合が上述のようにして高められ、そのような光は導波体損失チャネル中を案内され、後述するようにさらに別の光出射層の配置によって、強めて出射させることができる。
さらに別の実施形態によれば、有機発光素子は第1の有機発光層と第2の有機発光層との間に電荷発生積層体を有している。電気発生積層体は、たとえばn型にドーピングされたまたは電子を輸送する領域と、p型にドーピングされたまたは正孔を輸送する領域を有することができ、それらの領域の間に中間層が配置されている。n型にドーピングされた領域とp型にドーピングされた領域を、たとえばそれ相応にドーピングされた層として形成することができる。この種の電荷発生積層体は、「電荷発生層」 "charge generation layer" (CGL) とも呼ばれる。電荷発生積層体を、殊に電子輸送層と正孔輸送層との間に配置することができるので、この場合にはたとえば、第1の有機発光層と電荷発生層との間に電子輸送層が配置され、電荷発生層と第2の有機発光層との間に正孔輸送層が配置され、あるいはこれとは逆になるように配置される。有機発光素子の動作時、電荷発生層CGLのところで電子と正孔のペアが生成されて分離され、それらの電子と正孔は第1の有機発光層または第2の有機発光層において用いられることになる。したがって電荷発生層CGLによって、2つの発光層を上下に積層させることができるようになる。換言すればこのことは、電荷発生層CGLによって上下に堆積された2つの発光層を電気的に直列に接続することができる、ということを意味する。
さらに別の実施形態によれば、電荷発生積層体の中間層は4nm以下の厚さを有する。さらにこの厚さを2nm以上とすることができる。殊に有利には、この厚さは2nmである。このように薄い層厚によって、中間層がその材料に左右されずに高度に透過性であるようにすることができる。この場合、たとえば材料を金属酸化物とすることができる。
さらに電荷発生積層体の中間層も透過性材料とすることができ、ただしその層厚はこれよりも厚い。中間層の厚さと材料にかかわらず、この層は殊に有利には、可視スペクトル範囲すなわち450nm以上の波長について、0.005以下の吸収係数kを有する。
たとえば中間層を、ドーピングされていない層によって形成することができる。
さらに発明者が見出したことによれば、以下で説明するさらに別の実施形態および特徴が、前述の実施形態および特徴ならびに特に既述の発光層を備えた既述の有機発光素子の効率と光の出射に作用を及ぼす可能性があるので、ここで説明した実施形態ならびに特徴を、有機発光素子のために格別効率的な層のアーキテクチャに対する構造ルールとしても捉えることができ、このようなアーキテクチャは特にそれらの有利な相互作用においても優れたものといえる。
さらに別の実施形態によれば、基板に出射層が被着されており、この出射層自体には透光性電極が配置されている。この光出射層を特に、いわゆる内部的な出射のために適したものとすることができ、つまり発光層において生成される放射出力もしくはそこで発せられ有機層中および/または透光性電極中を案内される光の割合を低減するために設けることができる。殊に有利には光出射層は、屈折率が1.6以上の材料を有することができる。殊に有利となる可能性があるのは、光出射層の屈折率を1.8以上とし、きわめて有利には1.85以上とすることである。格別有利であるのは、光出射層の屈折率が、層厚で重み付けられた、有機機能層および透光性電極の平均屈折率以上の屈折率を有することである。
光出射層が、たとえばいわゆる高屈折率ガラスを有することができ、つまり1.8以上の屈折率をもつガラス殊に有利には1.85以上の屈折率をもつガラス、たとえば屈折率1.9のガラスを有することができる。
さらに、光出射層が有機材料たとえばポリマーベースの材料を有することができ、この材料をたとえば湿式化学的に基板上に被着させることができる。このことに関して、光出射層は以下の材料のうち1つまたは複数の材料を有することができる:ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン(PU)、ポリアクリレート、たとえばポリメチルメタクリレート(PMMA)、エポキシド。
別の実施形態によれば、光出射層は光拡散性である。この目的で光出射層はたとえば、上述の材料のうちの1つに分散配置された散乱中心を有している。このため上述の材料はマトリックス材料を成しており、そこに散乱中心が埋め込まれている。これらの散乱中心を、マトリックス材料よりも高い屈折率または低い屈折率を有する領域および/または粒子によって形成することができる。たとえば散乱中心を、SiO2,TiO2,Al23などのような粒子、あるいは空気を充填することのできる孔によって、形成することができる。
さらに別の実施形態によれば、透光性電極は有機層の屈折率に整合された屈折率を有しており、有利には有機層の屈折率平均値を層厚で重み付けた屈折率に対応している。透光性電極はたとえば1.6以上の屈折率を有することができ、殊に有利には1.7以上の屈折率を有することができる。透光性電極の屈折率を1.7以上2.1以下の範囲にすることが、格別に有利であると判明した。
さらに別の実施形態によれば、透光性電極は低い吸収率を有しており、殊に450nmよりも大きいスペクトル範囲において、たとえば450nm〜640nmの可視スペクトル範囲において、低い吸収率を有している。殊に有利であるのは、透光性電極が既述のスペクトル範囲において、0.005以下の吸収係数kを有することである。殊に透光性電極の透過率全体は、可視スペクトル範囲では80%を下回らず、したがって80%以上である。
別の実施形態によれば、透光性電極はアノードとして形成されており、したがってこの電極を正孔注入材料として用いることができる。この場合には、反射性電極はカソードとして形成されている。これに対する代案として、透光性電極をカソードとして形成することも可能であり、したがってこの電極を電子注入材料として用いることができる。この場合には、反射性電極はアノードとして形成されている。透光性電極と反射性電極をアノードとして形成するのかカソードとして形成するのかは、特に上述の有機機能積層体の構造に依存する。
透光性電極が、たとえば透明な導電性の酸化物を含むようにすることができ、あるいは透明な導電性の酸化物から成るようにすることができる。透明な導電性酸化物(transparent conductive oxides略して"TCO")は、透明な導電性材料であって、一般に金属酸化物であり、たとえば酸化亜鉛、酸化錫、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化インジウム、または酸化インジウム錫(ITO)などである。たとえばZnO,SnO2またはIn2O3などのような二成分の金属酸素化合物のほかに、三成分の金属酸素化合物もTCOのグループに属し、たとえばZn2SnO4,CdSnO3,ZnSnO3,MgIn2O4,GaInO3,Zn2In2O5またはIn4Sn3O12などであり、あるいはそれぞれ異なる透明導電性酸化物の混合物も、TCOのグループに属する。さらにTCOが必ずしも化学量論的組成と一致していなくてもよく、p型またはn型にドーピングされていてもよい。
別の有利な実施形態によれば、透光性電極ITOはITOを含んでおり、あるいはITOから成る。特にこの場合、透光性電極の厚さを50nm以上200nm以下とすることができる。このような厚さの範囲においては、透光性電極の可視スペクトル範囲における透過率は80%以上であり、比抵抗は約150〜500μΩ・cmの領域にある。
別の有利な実施形態によれば反射性電極は金属を含み、この金属を以下のものから選択することができる:アルミニウム、バリウム、インジウム、銀、金、マグネシウム、カルシウム、リチウム、およびそれらの化合物、組み合わせ、合金。殊に反射性電極はAg,Alまたはこれらとの合金を含むことができ、たとえばAg:Mg,Ag:Ca,Mg:Alを含むことができる。別の選択肢として、あるいはこれに加えて、反射性電極が上述のTCO材料のうちの1つまたは複数を含むこともできる。
さらに、反射性電極が少なくとも2つの層またはそれよりも多くの層を含むこともでき、いわゆる二重層電極または多重層電極として構成することもできる。この場合、たとえば反射性電極が有機層に面して、30nm以上50nm以下の厚さのAg層を含むことができ、この層の上にアルミニウム層が被着される。さらにこの場合、反射性電極が、複数の金属層の組み合わせまたは多重金属層の組み合わせに対する代案として、少なくとも1つの金属層と組み合わせた1つまたは複数のTCO層を含むように構成することも可能である。さらにたとえば反射性電極が、TCO層と銀層とから成る組み合わせを含むことができる。さらにたとえば、2つのTCO層の間に1つの金属層を配置することも可能である。このような実施形態において、1つまたは複数の層を核生成層として構成することができる。
反射性電極が、反射率もしくは反射スペクトル範囲を設定するための光学的整合層をさらに含むように構成することもできる。このような光学的整合層は、単色放射光を発する層もしくは単色を放射する有機発光素子において特に有利となる可能性がある。これに加え、このような光学的整合層を導電性とするのが有利であって、たとえばブラッグミラー状の配置で上下に設けられた1つまたは複数のTCO層を含むようにすることができる。
格別有利であるのは、反射性電極が可視スペクトル範囲で80%以上の反射率を有することである。
反射性電極を、たとえば物理蒸着法(physical vapor deposition", PVD)によって、および/またはスパッタリングによって、形成することができる。
透光性電極と反射性電極との間の有機機能層が、有機ポリマー、有機オリゴマー、有機モノマー、非ポリマーの有機小分子もしくは低分子有機化合物("small molecules")、あるいはこれらの組み合わせを含むようにすることができる。
さらに別の実施形態によれば、1つまたは複数の電荷キャリア輸送層つまり電子輸送層および/または正孔輸送層が、ドーパントを含んでいる。有利にはこのドーパントは、導電性を高める作用を有しており、これによって有機発光素子の動作電圧を低く抑えることができる。
さらに本発明によって判明したのは、有機機能積層体の有機層が、特に5nm以上の厚さの有機層が、可視スペクトル範囲の一部分において、すなわち450nm以上の波長に対し、0.005以下の吸収係数kを有すると、きわめて有利である、ということである。殊にこのことは、たとえば350nmまでの厚さの正孔輸送層を含むことのできる正孔輸送層についてもあてはまる。
さらに別の実施形態によれば正孔輸送層は、少なくとも1つの正孔注入層、正孔輸送層、あるいはこれらの層の組み合わせを含んでいる。殊に正孔輸送層または正孔注入層として、分子化合物から成るドーピング層だけでなく、導電性ポリマーから成るドーピング層も考慮することができる。特に正孔輸送層のための材料としてたとえば、三級アミン、カルバゾール誘導体、導電性ポリアニリンまたはポリエチレンジオキシチオフェンが有利であると判明した。さらにたとえば以下の材料が適している:NPB(N,N’−ビス(ナフト−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン、β−NPB(N,N’−ビス(ナフト−2−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン)、TPD(N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン)、N,N’−ビス(ナフト−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−2,2−ジメチルベンジジン、DMFL−TPD(N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジメチルフルオレン、DMFL−NPB(N,N’−ビス(ナフト−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジメチルフルオレン)、DPFL−TPD(N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニルフルオレン)、DPFL−NPB(N,N’−ビス(ナフト−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニルフルオレン)、TAPC(ジ−[4−(N,N−ジトリル−アミノ)−フェニル]シクロヘキサン)、PAPB(N、N’−ビス(フェナントレン−9−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン)、TNB(N,N,N’,N’−テトラ−ナフト−2−イル−ベンジジン)、TiOPC(チタンオキサイドフタロシアニン)、CuPC(銅−フタロシアニン)、F4−TCNQ(2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8,−テトラシアノ−キノジメタン)、PPDN(ピラジノ[2,3−f][1,10]フェナントロリン−2,3−ジカルボニトリル)、MeO−TPD(N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)ベンジジン)、β−NPP(N,N’−ジ(ナフト−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンゾール−1,4−ジアミン)、NTNPB(N,N’−ジ−フェニル−N,N’−ジ−[4−(N,N−ジ−トリル−アミノ)フェニル]ベンジジン)およびNPNPB(N,N’−ジ−フェニル−N,N’−ジ−[4−(N,N−ジ−フェニル−アミノ)フェニル]ベンジジン)、1,4−ビス(2−フェニルピリミジン−5−イル)ベンゼン(BPPyP)、1,4−ビス(2−メチルピリミジン−5−イル)ベンゼン(BMPyP)、1,4−ジ(1,10−フェナントロリン−3−イル)ベンゼン(BBCP)、2,5−ジ(ピリジン−4−イル)ピリミジン(DPyPy)、1,4−ビス(2−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−5−イル)ベンゼン(BPyPyP)、2,2’,6,6’−テトラフェニル−4,4’−ビピリジン(GBPy)、1,4−ジ(ベンゾ[h]キノリン−3−イル)ベンゾール(PBAPA)、2,3,5,6−テトラフェニル−4,4’−ビピリジン(TPPyPy)、1,4−ビス(2,3,5,6−テトラフェニルピリジン−4−イル)ベンゼン(BTPPyP)、1,4−ビス(2,6−テトラピリジニルピリジン−4−イル)ベンゼン(BDPyPyP)、あるいは上記物質の混合物が挙げられる。
ここではドーパントとしてたとえば、金属酸化物、金属有機化合物、有機材料またはこれらの混合物を用いることができ、たとえば、WO3、MoO3、V25およびRe27、ジ−ロジウム−テトラ−トリフルオロアセテート(Rh2(TFA)4)または等電子のルテニウム化合物Ru2(TFA)2(CO)2、または、芳香族官能基を有するかまたは芳香族有機材料である有機材料、たとえば顕著な数のフッ素置換基および/またはシアニド(CN)置換基を有する芳香族材料を用いることができる。
低分子化合物はとりわけ、真空における熱蒸着(真空熱蒸着(VTE)または物理蒸着(PVD))により、または、液相から被着させることができる。ポリマー材料はたとえば、液相から被着させることができ、または、透明電極の表面上での低分子出発材料の架橋により形成することができる。同様に、2つのアプローチの組み合わせも可能であり、この場合、液相法を用いて形成した正孔注入層上に、pドープ正孔注入層の薄層を10〜20nmの厚さで蒸着させる。
正孔輸送層は、典型的には、1.6以上、特に好ましくは、1.6以上1.9以下の範囲の屈折率を有する。
さらに別の実施形態によれば、電子輸送層は、少なくとも1つの電子注入層、電子輸送層またはこれらの組み合わせを含んでいる。電子輸送層には、たとえば以下の材料が適している:PBD(2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)、BCP(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)、BPhen(4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)、TAZ(3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5−tert−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール)、Bpy−OXD(1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジ−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−5−イル]ベンゾール)、BP−OXD−Bpy(6,6’−ビス[5−(ビフェニル−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−2,2’−ビピリジル)、PADN(2−フェニル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)−アントラセン)、Bpy−FOXD(2,7−ビス[2−(2,2’−ビピリジ−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン)、OXD−7(1,3−ビス[2−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−5−イル]ベンゾール)、HNBphen(2−(ナフト−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)、NBphen(2,9−ビス(ナフト−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)、および2−NPIP(1−メチル−2−(4−(ナフト−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−f][1,10]フェナントロリン)ならびにここで挙げた物質の混合物。
ここではドーパントしてたとえば、アルカリ金属、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、金属有機化合物、分子ドープまたはこれらの混合物を用いることができ、たとえば、Li、Cs3Po4、Cs2CO3、メタロセン、さらに金属Mと2つのシクロペンタジエニル基(Cp)を式M(Cp)2の形で有する金属有機化合物、または、金属−ヒドロピリミドピリミジン錯体を用いることができる。金属はたとえば、タングステン、モリブデンおよび/またはクロムを含むようにすることができるし、あるいはこれらの金属とすることができる。
たとえば、電子伝導層は電子輸送層を含み、電子輸送層はたとえば2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)または4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BPhen)を含む。この材料は、好ましくは、Li、Cs2CO3、Cs3Po4または分子ドープから選択されるドーパントを含む。
有機正孔伝導層および有機電子伝導層のそれぞれに加えて、これらの間には第1の有機発光層または第2の有機発光層が配置されているが、1つまたは複数の別の有機層が有機機能性層構造体中に設けられていてもよい。特にたとえば、電子伝導層と発光層との間に、正孔ブロック層が配置されてもよい。さらに正孔伝導層と発光層との間に、電子ブロック層が配置されていてもよい。
さらに別の実施形態によれば、第1の有機発光層はエレクトロルミネセンス材料を含む。その材料として、蛍光または燐光に基づく発光を示す材料が適しており、たとえば、ポリフルオレン、ポリチオフェンまたはポリフェニレンあるいはこれらの誘導体、化合物、混合物またはコポリマー、たとえば2−または2,5−置換のポリ−p−フェニレンビニレン、ならびに、金属錯体、たとえばイリジウム錯体、たとえば、青色燐光性FIrPic(ビス(3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)フェニル−(2−カルボキシピリジル)−イリジウムIII)、緑色燐光性Ir(ppy)(トリス(2−フェニルピリジン)イリジウムIII)、赤色燐光性Ru(dtb−bpy)3*2(PF6) (トリス[4,4’−ジ−tert−ブチル−(2,2’)−ビピリジン]ルテニウム(III)錯体)ならびに青色蛍光性DPAVBi(4,4−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]ビフェニル)、緑色蛍光性TTPA(9,10−ビス[N,N−ジ−(p−トリル)−アミノ]アントラセン)および赤色蛍光性DCM2(4−ジシアノメチレン)−2−メチル−6−ジュロリジル−9−エニル−4H−ピラン)が挙げられる。
蛍光性だけでなく燐光性を有する材料も可能である。発光層の材料はさらに、当業者に知られたいわゆる一重項収集(harvesting)または三重項収集を用いるものであってよい。少なくとも1つの有機発光層の材料に応じて、単色光、二色光、多色光たとえば白色光を発生させることができる。
別の選択肢として、またはこれらに加えて、第1の有機発光層は、また、第2の有機発光層に関してあとで説明する1つまたは複数の材料を含んでいてもよく、これらの材料は、第2の有機発光層とは異なり、第1の有機発光層においては等方性で設けられている。
さらに別の実施形態によれば、第2の有機発光層は、異方性の分子構造を有する発光体分子としてエレクトロルミネセンス材料を含んでいる。その材料として、蛍光または燐光に基づく発光を示す異方性発光体材料が適している。
さらに別の実施形態によれば、第2の有機発光層は、異方性分子構造を有する燐光性発光体材料を含んでおり、これはイリジウム錯体、白金錯体およびパラジウム錯体またはそれらの混合物から選択される。特にイリジウム錯体は、発光体分子として有機発光素子に用いたときに、きわめて良好な量子効率が得られる。さらに、白金錯体およびパラジウム錯体によっても良好な結果が得られる。それというのも、これらは対応するマトリックス材料の存在下では通常平面四配位であることから、きわめて容易に、実質的に互いに平行に、かつ、基板表面に対して配向された分子配列に配置されるからである。ただし一般に燐光性発光体は、これらの金属錯体に限定されるものではなく、基本的に他の金属錯体、たとえば、ランタノイド錯体、たとえばユーロピウム錯体、または、金、レニウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウムまたは亜鉛の錯体も適している。
第2の有機発光層のための発光体材料としては、とりわけ以下の化合物が考えられ、それは、青色、緑色または赤色のスペクトル範囲に放射最大を有するものである:Ir(ppy)(acac)=(ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトナト)イリジウム(II))、Ir(mppy)(acac)=(ビス[2−(p−トリル)ピリジン]アセチルアセトナト)イリジウム(III))、ビス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−イソキノリン](アセチルアセトナト)イリジウム(III)、Ir(mdq)(acac)=(ビス(2−メチル−ジベンゾ[f,h]−キノキサリン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III))、イリジウム(III)−ビス(ジベンゾ[f,h]−キノキサリン)(アセチルアセトナト)、Ir(btp)(acac)=(ビス(2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III))、Ir(piq)(acac)=(ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III))、Ir(fliq)(acac)−1=(ビス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−イソキノリン](アセチルアセトナト)イリジウム(III))、Hex−Ir(phq)(acac)=ビス[2−(4−n−ヘキシルフェニル)キノリン](アセチルアセトナト)イリジウム(III)、Ir(flq)(acac)−2=(ビス[3−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−イソキノリン](アセチルアセトナト)イリジウム(III))、ビス[2−(9,9−ジブチルフルオレニル)−1−イソキノリン](アセチルアセトナト)イリジウム(III)、ビス[2−(9,9−ジヘキシルフルオレニル)−1−ピリジン](アセチルアセトナト)イリジウム(III)、(fbi)Ir(acac)=ビス(2−(9,9−ジエチル−フルオレン−2−イル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾラト)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)、Ir(2−phq)(acac)=(ビス(2−フェニルキノリン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III))、イリジウム(III)−ビス(2−(2’−ベンゾチエニル)ピリジナト−N,C3’)(アセチルアセトナト)、Ir(BT)(acac)=ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)、(PQ)Ir(dpm)=ビス(2−フェニルキノリン)(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオナト)イリジウム(III)、(Piq)Ir(dpm)=ビス(フェニルイソキノリン)(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオナト)イリジウム(III)およびイリジウム(III)ビス(4−フェニルチエノ[3,2−c]ピリジナト−N,C2’)アセチルアセトナトならびに上記物質の混合物。
上記のイリジウムを含む錯体の代わりに、他の上述の金属、たとえば白金、パラジウムまたはランタノイドを含んでいてもよい。青色の波長域で発光する発光体材料として、たとえば、イリジウムのカルベン錯体が考えられる。
第2の有機発光層を製造するために、異方性の分子構造をもつ発光体分子を、たとえば熱力学的にコントロールしながら被着させることができる。その際に発光体材料がたとえばマトリックス材料とともに真空中で蒸着され、電荷キャリア輸送層の上に、つまり有機機能積層体における機能層の配置に従い、電子輸送層または正孔輸送層の上に被着される。熱力学的なコントロールによって、第2の有機発光層において発光体分子を異方性に配向させることができる。
ここでは、そして以降の記載においても、熱力学的にコントロールしながら被着するとは、発光体分子を堆積させる際に、場合によってはマトリックス材料の分子を堆積させる際にも、堆積させる分子を任意に配向させるのではなく、少なくとも部分的に優先方向で配向させる、ということである。したがって発光体分子の遷移双極子モーメントも、この意味では第2の有機発光層内部で異方性の分布を有しており、これは殊に以下の点で特徴的なものである。すなわち、双極子遷移である発光プロセスの遷移双極子モーメントのうち、第2の有機発光層の層平面に対し非平行に配向された、たとえばこの層平面に対し垂直に配向された双極子モーメントよりも多くの双極子モーメントが、上記層平面に対し平行に配向されている点で特徴的である。熱力学的なコントロールによって、分子は堆積中または以降のステップにおいてそれらの周囲と、つまりたとえば他の分子と、相互に作用し合うことになり、それによって向きを変えて配向を行わせることができ、その際に熱力学的にいっそう好適なコンフィギュレーションをとることができる。第2の有機発光層における発光体分子のこのような異方性の配向を実現できるのは特に、発光体分子についても、第2の有機発光層における発光体分子が埋め込まれたマトリックス材料についても、異方性の分子構造を有する出発材料を選定した場合である。
熱力学的なコントロールを、たとえば比較的低い成長レートによって行うことができる。そのような成長レートはたとえば0.5nm/s以下であり、特に0.2nm/s以下、あるいはそれどころか0.1nm/sよりも低く、たとえば0.05nm/sよりも低く、または0.025nm/sよりも低い。ここで成長レートとは、第2の有機発光層を堆積させる速度のことである。このことに加えて、あるいは別の選択肢として熱力学的なコントロールを、被着中または被着後の温度操作によって達成することができる。この場合、第2の有機発光層が室温よりも高い温度にされ、あるいは室温よりも高い温度に維持される。第2の有機発光層を、たとえば30℃〜100℃の温度にすることができるが、選定される温度が被着すべきまたはすでに被着された素子の層を損傷させてはならない。
被着後、ならびに必要に応じて温度を操作した後、異方性の分子構造をもつ発光体分子がそれらの配向のまま固定される。したがって特に、発光体分子ならびに場合によってはマトリックス材料の分子の選定を、室温においてたとえば発光体分子の配位子の異性体化などによって発光体分子の向きが変化してしまうことがもはやないように、行うことができる。
熱力学的なコントロールの代わりに、たとえばいわゆる動力学的なコントロールによって発光体分子を、それらが堆積された表面とそれぞれ最初に相互に作用し合ったポジションに「凍結」させることもできる。
別の実施形態によれば第2の有機発光層は、異方性の分子構造をもつ発光体分子が埋め込まれているまたは含まれているマトリックス材料を有している。
別の実施形態によれば、このマトリックス材料も異方性の分子構造を有することができる。この種のマトリックス材料によって、発光体分子の異方性の配向を付加的に促進させることができる。異方性の発光体分子と同様、異方性の分子構造を備えたマトリックス材料についても、ここでは殊に実質的に対称的に置換された結合点が存在してはならない、ということがあてはまる。
異方性の分子構造を備えたマトリックス材料とは殊に、中央の分岐個所たとえば中心原子または中央の環から出発して、等しい構造または実質的に等しい構造を備えた3つ、4つまたはそれよりも多くの置換基が存在しない材料のことである。ただしこの場合、水素ではない置換基だけが考慮される。ここで等しい構造とは、置換基が同一である、ということを意味する。さらに、実質的に等しい構造とは以下のことを意味する。すなわち少なくとも3つの置換基が、それらに割り当てられた分子重量に関してたしかに異なってはいるが、分岐個所の置換基のいずれにおいても、他の置換基のいずれか1つの置換基よりも少なくとも50%少ない分子重量とはなっていない、ということを意味する。ただしこの場合、水素ではない置換基だけが考慮される。したがって異方性の分子構造を備えた分子は、2つよりも多くの同一の置換基を含む高対称性の分子ではなく、あるいはそれらの分子は、3つあるいはそれよりも多くの置換基を含む分岐個所において、たとえば第三級アミン窒素原子または少なくとも三個所まで置換されたベンゼン環のような分岐個所において、著しく異なる置換基を含んでいる。
さらに別の実施形態によれば、このマトリックス材料が正孔伝導特性および/または電子伝導特性を有することができる。特にマトリックス材料は、正孔輸送層および電子輸送層と関連して挙げた1つまたは複数の結合を含むことでき、あるいはそのような結合によって構成することができる。
第1および第2の有機発光層はそれぞれ格別に有利には、可視光を狭い波長範囲または広い波長範囲で放射し、つまり単色光または多色光たとえば白色光を発生する。この目的で有機発光層は、1つまたは複数の有機発光材料を含むことができる。多色光または白色光は、第1の発光層と第2の発光層のうちそれぞれ1つの層において種々の有機発光材料を組み合わせることによって、発生させることができ、あるいは第1の有機発光層の発光体材料と第2の有機発光層の発光体材料を組み合わせることによっても、発生させることができる。たとえば、これら2つの発光層のうち一方が赤色または緑色を放出し、これら2つの発光層のうち他方が青色を放出するように構成することができる。別の選択肢として、たとえば両方の発光層がともに白色を発生するように構成することもできる。
さらに電極ならびに有機層の上に、カプセル化アセンブリを配置することもできる。このカプセル化アセンブリを、たとえばガラスカバーとして構成することができるし、あるいは有利には薄膜カプセル化部材として構成することができる。
ガラスカバーをたとえばキャビティを含むガラス基板として、接着剤層によって基板上に被着させることができる。さらにキャビティに、湿気を吸収する材料(ゲッタ)たとえばゼオライトから成る材料を貼り込むことができ、その目的は、接着剤を介して侵入する可能性のある湿気または酸素を結合させることである。
ここで薄膜カプセル化部材として構成されたカプセル化アセンブリとは、大気中の成分に対するバリアを成すのに適した機構のことであり、特に湿度と酸素に対するバリア、および/または損傷作用のある物質たとえば腐食性ガス一例として硫化水素に対するバリアを成すのに適した機構のことである。この目的でカプセル化アセンブリが、それぞれ厚さ数100nm以下の1つまたは複数の層を含むようにすることができる。
殊に薄膜カプセル化部材が、たとえば原子層堆積法(atomic layer deposition, ALD)によって被着された層を含むことができ、あるいはそれらの層から成るようにすることができる。カプセル化アセンブリの層のための適切な材料はたとえば、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコン、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化タンタルとすることができる。カプセル化アセンブリが、1つの原子層と10nmの間の厚さ(ただし境界値も含む)をそれぞれ有する複数の薄膜を含む積層体から成ると有利である。
原子層堆積法によって形成された薄膜に加えて、あるいは別の選択肢として、カプセル化アセンブリが少なくとも1つまたは複数の別の層つまりたとえばバリア層および/または不活性層を含むことができ、これらの層は熱による蒸着によって、あるいはプラズマ支援プロセスたとえばスパッタリングまたはプラズマ支援型化学気相成長(plasma-enhanced chemical vapor deposition, PECVD)によって堆積される。このための適切な材料を、上述の材料ならびに窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化インジウムスズ、酸化インジウム亜鉛、アルミニウムでドーピングされた酸化亜鉛、酸化アルミニウム、およびここで挙げた材料の混合物ならびに合金とすることができる。1つまたは複数の別の層を、たとえばそれぞれ1nm〜5μmの厚さとすることができ、有利には1nm〜400nmの厚さとすることができる(ただし境界値も含む)。
さらにたとえば、ポリマーから形成された光出射層であれば、光出射層上であって透光性電極の下に、薄膜カプセル化部材として構成されたカプセル化アセンブリを形成することができる。気密に封止されていない光出射層の場合には殊に、有機発光素子をこのように下から、つまり透光性電極の下方で封止してカプセル化することができる。
さらに別の実施形態によれば、有機発光素子は透光性電極と第1の有機発光層との間において、第2の有機発光層に加えて少なくとも1つの別の有機発光層を含んでおり、または複数の別の有機発光層も含んでいる。このように構成することによって、電極間において第1および第2の有機発光層とともに、たとえば3つ、4つあるいはそれよりも多くの有機発光層を設けることができる。これらの有機発光層を、つまりたとえば第1の有機発光層と、この第1の有機発光層と透光性電極との間に配置された1つの別の有機発光層を、または第1の有機発光層と透光性電極との間に配置されたたとえば2つの別の有機発光層を、殊に有利には、すでに上述したように電荷発生積層体によって互いに接続することができる。
これまで述べてきたように、第1および第2の有機発光層を個々の発光体分子と組み合わせ、さらに有機機能積層体において発光層を反射性電極に対しそれぞれ可能なかぎり最良に最適化された間隔で個々に配置することによって、ここで説明してきた有機発光素子の厚さ全体を、同時に高い出射効率を実現しながらも僅かに抑えることができ、このことによって吸収損失を小さく抑えることができる。
図面を参照しながら説明する以下の実施例には、さらに別の有利な実施形態ならびに発展形態が示されている。
1つの実施形態による有機発光素子を示す概略図 慣用のOLEDの活性層において生成される放射出力の出射チャネルと損失チャネルの相対的な割合を示す図 有機発光層において生成される放射出力の出射チャネルと損失チャネルの相対的な割合を、平行に配向された放出分子の割合の関数として示す図
実施例ならびに図面において、同じ要素、同種の要素あるいは同じ働きをする要素には同じ参照符号が付されている。図示の要素ならびに要素相互間のサイズ比は、縮尺どおりに見なされるものではなく、たとえば層、構成部材、構成素子、領域など個々の要素は、見やすくする目的で、および/または理解しやすくする目的で、誇張されたサイズで描かれている場合もある。
図1には、有機発光素子100の実施例が示されている。この素子は基板1を有しており、その上に光出射層2が被着されている。光出射層2の上には半透明のないしは透光性の電極3および反射層7が設けられており、それらの間に、複数の有機機能層を含む有機機能積層体が配置されている。有機機能層には、第1の有機発光層51と、その上方に設けられた第2の有機発光層52が含まれている。
この有機発光素子はいわゆる「ボトムエミッタ bottom emitter」として構成されており、このためガラスから成る透光性基板1が設けられている。代案として、基板1がたとえばプラスチックまたはガラスプラスチックラミネートのような他の透光性材料を有するようにしてもよく、あるいはそのような材料から成るようにしてもよい。
効率的に光を出射させるために光出射層2は、層厚で重み付けした有機機能層および透光性電極3の平均屈折率以上の屈折率を有している。このため図示の実施例の場合、光出射層2はガラスを有しており、たとえば約1.9の屈折率をもつ高屈折率のガラスによって構成されている。代案として、発明の概要の部分で述べたように、光出射層をポリマー材料をベースとしてもよい。
さらに光出射層2は、ガラス材料中に分散された散乱中心を有しており、これはガラス材料よりも高いかまたは低い屈折率を有する粒子または孔として設けられている。孔として設けた場合、それらの孔を空気で満たすことができ、他方、粒子として設けた場合には、SiO2、TiO2、ZrO2および/またはAl23などを用いることができる。発明の概要の部分で述べたように光出射層2の働きによって、透光性電極3または有機層の中を導波される光の少なくとも一部分を、基板1を通して有機発光素子から出射させることができるようになる。
さらに電極3,7ならびに有機層の上に、カプセル化アセンブリを配置することもできる。見やすくするため、このアセンブリは図示されていない。発明の概要の部分で述べたようにこのカプセル化アセンブリを、たとえばガラスカバーとして構成することができるし、あるいは有利には薄膜カプセル化部材として構成することができる。さらにたとえば、発明の概要の部分で述べたように、ポリマーを有する光出射層2の場合には、光出射層2上であって透光性電極3の下に、薄膜カプセル化部材として構成されたカプセル化アセンブリも設けておく必要がある。
透光性電極3の屈折率は1.6以上であり、有利には1.7以上2.1以下である。さらに透光性電極3の厚さと材料は、450nm〜640nmの可視スペクトル範囲では、吸収係数が0.005以下となるように選定されている。特に、可視スペクトル範囲における透光性電極3の透過率は80%以上である。
このことに対処するため図示の実施例によれば透光性電極は、層厚が50nm以上200nm以下の酸化インジウムすずから成る。このように構成することで、透光性電極3の比抵抗を150μΩ・cm以上500μΩ・cm以下の範囲にすることができ、これによって透光性電極3の導電率を十分に高いものにしておくことができる。
図示の実施例によれば反射性電極7は金属から成り、たとえばAg,Alを含み、あるいはAg:Mg,Ag:CaまたはMg:Alといった合金を含む。これに対する代案として考えられるのは、反射性電極7が少なくとも2つまたはそれよりも多くの金属層を含むようにすることであり、あるいは1つまたは複数の金属層と組み合わせて複数のTCO層を含むようにすることである。たとえば反射性電極7が光学的整合層も含むようにすることができ、これはたとえばブラッグミラー状の構成を備えたTCO積層体から成り、この目的は、反射性電極7の反射率を光放射層5の放射スペクトルに整合させることである。反射性電極7は、可視スペクトル範囲で80%以上の反射率を有する。
これに対する代案として、透光性電極3および/または反射性電極7が、前述の発明の概要で説明した他の材料をそれぞれ有するようにしてもよい。
図示の実施例によれば、透光性の電極3がアノードとして、反射性の電極7がカソードとして構成されている。この構成によって予め定まる有機発光素子100の極性に従って、第1の有機発光層51は、透光性電極3の面上に位置する正孔輸送層41と、この発光層51の上に位置する電子輸送層61との間に配置されている一方、第2の有機発光層52は、この発光層52の下に位置する別の正孔輸送層42と、この発光層52の上に位置する別の電子輸送層62との間に配置されている。
図1の実施例に示されている有機発光素子100の極性に対する代案として、この素子にこれとは逆の極性をもたせることも可能である。この場合、透光性電極3はカソードとして構成され、反射性電極7はアノードとして構成され、正孔輸送層41,42と電子輸送層61,62が、それぞれ逆に配置される。
正孔輸送層41,42は、少なくとも1つの正孔輸送層から成る。これに加えて正孔輸送層41,42は正孔注入層も有しており、この層の厚さを数10nmの範囲とすることができる。正孔輸送層も正孔注入層も、前述の発明の概要で説明した材料によって構成することができ、たとえば低分子化合物("small molecules")またはポリマーから成るようにすることができる。
図示の実施例の場合、電子輸送層61,62は、十分に高い導電性を確保する目的で、導電性となるようドーピングされている。さらに図示の実施例の場合、電子輸送層61,62はそれぞれ、マトリックス材料としてたとえばBCPまたはBPhenを含むことのできる電子輸送層を有しており、その際にこの材料はLi,Cs3Co4,Cs3Po4または分子ドーピングによってドーピングされる。別の選択肢として、あるいはこれに加えて電子輸送層61,62はそれぞれ、発明の概要で述べたような1つまたは複数の材料を有することもできる。
図1に示した層に加えて、さらに別の有機層たとえば電子ブロック層または正孔ブロック層を、電荷キャリア輸送層41,42,61,62と有機発光層51,52との間に設けることができる。
殊に有利であるのは、有機機能積層体において5nm以上の厚さをもつ有機層が、可視スペクトル範囲の一部分で、すなわち450nm以上の波長に対し、0.005以下の吸収係数kを有することである。
第1の有機発光層51と第2の有機発光層52との間に、電荷発生積層体8が配置されており、この層は電荷発生層 "charge generation layer" CGLとも呼ばれ、第1の有機発光層51と第2の有機発光層52を互いに電気的に直列に配置することによって実現される。電荷発生積層体8は、電子と正孔のための電荷キャリアペア発生ゾーンとしての役割を果たし、それらの電子と正孔を有機機能積層体の極性に従い、第1および第2の有機発光層51,52へ放出させることができる。たとえば電荷発生積層体8は、n型にドーピングされた層とp型にドーピングされた層との間に配置された中間層を有している。これに対する代案として電荷発生積層体8がたとえば、n型にドーピングされた層とp型にドーピングされた層だけを有するようにしてもよい。これらのn型にドーピングされた層とp型にドーピングされた層を、電荷発生積層体8に直接隣接する電荷キャリア輸送層42,61に加えて設けてもよいし、あるいは別の選択肢としてそれらの電荷キャリア輸送層42,61によって形成されるようにしてもよい。
ここで示した有機発光素子100に関する実施例の場合、中間層は透明に形成されており、つまり450nmよりも長い波長に対し、すなわち可視スペクトル範囲において、0.005以下の吸収係数kを有している。この目的で、電荷発生積層体8の中間層は、高透過性であるたとえば有機材料または金属酸化物などの材料を有しており、あるいは高透過性の材料でなければ、有利には2nm以上4nm以下の層厚特に有利には約2nmの層厚の材料を有している。たとえば中間層を、高透過性のドーピングされていない層によって形成することができる。
第1の有機発光層51は少なくとも1つの有機材料を有しており、これは電極3と電極7が結線されていることでシンボリックに表された有機発光素子100の動作中、可視波長範囲の光を放射する。この場合、第1の有機発光層51は、発明の概要で挙げた材料のうち1つまたは複数の材料を有することができる。たとえば第1の有機発光層51は、任意につまり等方性に配向された発光体分子を有している。これが意味することとして挙げられるのは、第1の有機発光層51において等方性に配向された発光体分子が、等方性の分子構造をもつ発光体分子を含む、またはそのような発光体分子である、ということである。さらにこれが意味することとして挙げられるのは、第1の有機発光層51において任意にもしくは等方性に配向された発光体分子が、異方性の分子構造をもつ発光体分子を含む、あるいはそのような発光体分子である、ということでもあり、つまりそれらの発光体分子が等方性に、主として優先方向に沿ってではなく、もしくは優先平面においてではなく、配向されている、ということである。
第2の有機発光層52は、異方性に配向された異方性の分子構造をもつ発光体分子を含む。つまり第2の有機発光層52における発光体分子は、実質的に球形の分子構造をもつのではなく、たとえばどちらかといえば細長い分子構造を有している。このため異方性の分子構造をもつ発光体分子はたとえば、少なくとも二通りのそれぞれ異なる配位子を有しており、たとえば中心原子に配位された原子に関して異なる配位子を有しており、あるいは中心原子の正方平面周囲を有している。
図示の実施例の場合、第2の有機発光層52は、異方性の分子構造をもつ燐光性発光材料を有しており、この材料は、イリジウム錯体、白金錯体、パラジウム錯体、あるいはそれらの混合物から選択される。これに対する代案として、あるいはこれに加えて、第2の有機発光層52が、上述の発明の概要で挙げた異方性の発光材料のうち1つまたは複数の別の材料を有するようにしてもよい。異方性の発光体分子を、第2の有機発光層52のマトリックス材料中に埋め込むことができ、あるいはそれに含めることができる。このマトリックス材料も、等方性の分子構造または有利にはやはり異方性の分子構造を有することができ、たとえば上述の発明の概要で挙げたマトリックス材料のうち1つまたは複数の材料を含むことができ、あるいはそれによって構成することができる。
第2の有機発光層52の発光体分子ならびにたとえば上述の発明の概要で述べたそれらの分子の双極子モーメントは、図示の実施例の場合、実質的に平行に配向されており、たとえば第2の有機発光層52の延在面に対し平行に配向されている。このように異方性に配向された分子材料もしくは双極子モーメントの利点については、図3を参照しながらあとで説明する。
図示されている有機発光素子100における2つの有機発光層51,52の配置によって、有機発光層51,52の個々の配置について自由度が得られる。これによって、両方の有機発光層51,52を反射性電極7からそれぞれ最適な間隔で配置することができ、有機発光素子100の層厚全体をできるかぎり薄く保持することができ、このことで有機機能層における吸収損失を僅かに抑えることができる。
第1の有機発光層51と反射性電極7との間隔は150nm以上であり、有利には180nm以上である。特にこのことは、第1の有機発光層51と反射性電極7との間に配置された有機機能層が、全体として上述の間隔に応じた層厚を有する、ということを意味する。有機機能積層体において一般的な屈折率を考慮すると、たとえば600nmの波長の場合、第1の有機発光層51と反射性電極7との間の光路長を、1.6・150nm以上1.8・225nm以下とするのが特に有利である。特に間隔については、150nm以上225nm以下の範囲、好ましくは180nm以上220nm以下の範囲が殊に有利であると判明した。
第2の有機発光層52は、反射性電極7に対し30nm以上100nm以下の間隔を有している。特にこのことが意味するのは、第2の有機発光層と反射性電極との間に配置された有機機能積層体の有機機能層は、全体として30nm以上100nm以下の層厚を有する、ということである。殊にこの間隔は全体として、図示の実施例では第2の有機発光層52と反射性電極7との間に配置された電子輸送層62の層厚と、必要に応じて第2の有機発光層52と電子輸送層62との間に配置された正孔ブロック層の層厚とによって、実質的に定まることになる。
有機機能積層体において一般的な屈折率を考慮すると、たとえば600nmの波長の場合、第2の有機発光層52と反射性電極7との間の光路長を、30nmの1.6倍以上かつ100nmの1.8倍以下とするのが特に有利である。殊に有利には、第2の有機発光層52と反射性電極7との間隔は、30nm以上で60nm以下である。
2つの発光層51と52との間に配置された機能層によって、つまり図示の実施例では電荷キャリア輸送層42および61によって、両方の発光層51と52との間隔は、約100〜200nmとなる。
有機発光層51,52と反射性電極7との間隔を、既述のとおり所期のように選定することにより、光出射層2と共働して、公知のOLEDと比べて著しく効率を上昇させることができる。この点については、たとえば図2から読み取ることができる。この図は、発光層を備えた慣用の緑色発光OLEDのシミュレーションに基づき作成されており、このOLEDは、光出射層または他の出射構造が設けられていないガラス基板上に形成されたものである。図2のもとになった発光層は、たとえば等方性に配置された発光体分子を有している。
図2には、発光層と反射性電極との間に配置された1つまたは複数の層の厚さD(反射性電極と発光層との間隔に対応)の関数として、発光層において生成される光の出射チャネルと損失チャネルの相対的な割合Lが示されている。ここに示した出射チャネルと損失チャネルの割合Lは、ここで説明している実施例に限定されるものではなく、個々のコンポーネントの構造と材料の選択に従って変わる可能性がある。
領域21は、透光性基板から出射された光の相対的な割合を表す。領域22は、ガラス基板中を導波により案内された光の相対的な割合を表す。領域23は、有機層と透光性電極と基板における吸収によって失われた光の相対的な割合を表す。領域24は、透光性電極と有機層において導波効果によって案内された光の相対的な割合を表す。領域25は、反射性電極への表面プラズモンの入射によって失われた光の相対的な割合を表す。
この図からわかるように、基板から出射した光の相対的な割合21は、約30nmと約150nmという厚さDの値から、それぞれ若干上昇している一方、主軸において厚さDの値が上昇していくにつれて、プラズモン入射により引き起こされる損失チャネルつまり領域25は著しく低減し、これによって有機層と透光性電極の相対的割合が上昇している。特に、厚さDの値が150nm以上のときには、プラズモン損失チャネルの割合25は10%を下回っている。
ここで説明した有機発光素子100に設けられている付加的な光出射層2によって殊に、透光性電極3と有機層を案内される光の成分の少なくとも一部分を出射させることができる。このことは図2についていえば、第1の有機発光層51と反射性電極7との間隔Dが150nm以上225nm以下のときに特にあてはまり、領域21の最大値つまり基板からダイレクトに出射される光の成分の最大値がこの範囲に存在し、同時にこの範囲ではプラズモン損失成分25が減少している。したがってこのような間隔で第1の有機発光層51を配置することによって、第1の有機発光層51において生成された光に関して、既述の有機発光素子のための光出射が高められることで、著しい効率上昇を達成することができる。
図2に関して、第1の有機発光層51に加え第2の有機発光層52を、厚さDが約30nmと約100nmの間にある領域21の別の最大値の範囲に配置すると有利である。この場合もすでにこのように配置することによって、第2の有機発光層52において生成される光について、出射効率が高められる。
第2の有機発光層52の有利な空間的配置に加え、既述のようにこの層は、異方性分子構造を備えた発光体分子を有しており、それらの分子は異方性に、殊に有利には平行に配向されている。特にこの場合、発光体分子の双極子モーメントが平行または実質的に平行に配向されており、このことによって反射性電極におけるプラズモン励起による損失をさらに抑圧することができる。これについては、図3を参照しながら説明する。
図3には、図2に示したような慣用のOLEDのシミュレーションが示されており、ここでは、平行に配向された双極子モーメントの割合Fを観察する。ここに示した出射チャネルと損失チャネルの割合は、ここで説明している実施例に限定されるものではなく、個々のコンポーネントの構造と材料の選択に従って変わる可能性がある。
領域31は、透光性基板から出射された光の相対的な割合を表す。領域32は、ガラス基板中を導波により案内された光の相対的な割合を表す。領域33は、透光性電極と有機層において導波効果によって案内された光の相対的な割合を表す。領域34は、反射性電極への表面プラズモンの入射によって失われた光の相対的な割合を表す。
垂直方向に引かれた破線は、平行に配向された双極子モーメントの相対的な割合が2/3ないしは約66%であることを表しており、このことは異方性の発光体分子における等方性の割合に相応する。つまり破線で書き込まれた矢印に沿って、平行に配向された割合が上昇していく。
この図からわかるように、領域34によって表されているプラズモン損失チャネルは、双極子モーメントの異方性の配置特に平行な配置が増大していくにつれて減少し、これと同時に、図2を参照しながらすでに説明したように、有機層と透光性電極において案内される光の成分が増大する。光出射チャネル2を介してこの成分の少なくとも一部が上述のように出射することによって、第2の有機発光層52において生成され基板を通って放射される光の出力を、一般的に等方性であり配向されていない発光体分子を含む公知のOLEDよりも高めることができる。
このように既述の有機発光素子の構造を、特に2つの発光層ならびにそれらの発光体材料の配置に関して、所期のように選定して最適化することにより、光出射の効率が格段に上昇し改善される。
実施例で示した第1および第2の有機発光層51,52に加えて、透光性電極3と第1の有機発光層51との間に、少なくとも1つまたは複数の別の有機発光層を配置することもできる。そのようにした場合、図1に示した有機発光素子100において電極3と電極7との間に、たとえば3つ、4つまたはそれよりも多くの有機発光層を設けることもできる。それぞれ隣り合う有機発光層の間に、つまりたとえば第1の有機発光層51と別の有機発光層との間に、電荷を発生させる層をそれぞれ配置することができる。
これまで実施例に基づき本発明を説明してきたが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。むしろ本発明は、個々の新たな特徴ならびにそれらの特徴のあらゆる組み合わせを含むものであり、そのような組み合わせには殊に、特許請求の範囲に記載された特徴のあらゆる組み合わせが含まれ、このことは、それらの特徴またはそれらの組み合わせ自体が特許請求の範囲あるいは実施例に明示的には挙げられていないにせよ、あてはまるものである。

Claims (10)

  1. 有機発光素子において、
    透光性基板(1)と、
    該透光性基板(1)の上に配置された光出射層(2)と、
    該光出射層(2)の上に配置された透光性電極(3)と、
    複数の有機機能層を含む有機機能積層体と、
    該有機機能積層体の上方の反射性電極(7)と、
    が設けられており、
    前記有機機能積層体は、前記透光性電極(3)の上に配置された第1の有機発光層(51)と、該第1の有機発光層(51)の上に配置された第2の有機発光層(52)とを含み、
    前記第1の有機発光層(51)は、任意に配置された発光体分子を含み、前記第1の有機発光層(51)と前記反射性電極(7)との間隔は、150nm以上225nm以下であり、
    前記第2の有機発光層(52)は、異方性分子構造を備え異方性に配向された発光体分子と、異方性に配向された前記発光体分子が配置されているマトリックス材料とを含み、前記第2の有機発光層(52)と前記反射性電極(7)との間隔は、30nm以上60nm未満であり、
    前記光出射層(2)は、前記有機機能層および前記透光性電極(3)の、層厚で重み付けされた平均屈折率以上の屈折率を有している、または、
    前記光出射層(2)は光散乱性である、
    ことを特徴とする、
    有機発光素子。
  2. 前記第1の有機発光層(51)と前記反射性電極(7)との間隔は、前記第1の有機発光層(51)において生成され、プラズモンとして前記反射性電極(7)に入射する放射出力の相対的な割合が10%以下となるよう選定されている、請求項1記載の素子。
  3. 異方性に配向された前記発光体分子は、66%よりも多く平行に配向されている遷移双極子モーメントを有する、請求項1または2記載の素子。
  4. 前記第1の有機発光層(51)と前記第2の有機発光層(52)との間に、電荷発生積層体(8)が配置されている、請求項1から3のいずれか1項記載の素子。
  5. 前記電荷発生積層体(8)は、n型にドーピングされた領域とp型にドーピングされた領域を含み、該両領域の間に厚さ4nm以下の中間層が配置されている、請求項4記載の素子。
  6. 前記第2の有機発光層(52)のマトリックス材料は異方性の分子構造を有している、請求項1から5のいずれか1項記載の素子。
  7. 前記有機機能積層体は、少なくとも1つの有機機能層を含み、該有機機能層は5nmよりも厚く、可視スペクトル範囲の一部に対し0.005以下の吸収係数kを有する、請求項1から6のいずれか1項記載の素子。
  8. 前記透光性電極(3)は、可視スペクトル範囲の一部に対し0.005以下の吸収係数kを有しており、可視スペクトル範囲における全透過率は80%以上である、請求項1から7のいずれか1項記載の素子。
  9. 前記反射性電極(7)は、可視スペクトル範囲で80%以上の反射率を有する、請求項1から8のいずれか1項記載の素子。
  10. 前記透光性電極(3)と前記第1の有機発光層(51)との間に、少なくとも1つまたは複数の別の有機発光層が配置されている、請求項1からのいずれか1項記載の素子。
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