本実施形態では、ロボットの特徴的な例について、図1〜図10に従って説明する。以下、実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかわるロボットについて図1〜図8に従って説明する。図1は、ロボットの構成を示す概略斜視図であり、正面側から見た図である。図2は、ロボットの構成を示す概略斜視図であり、背面側から見た図である。図3は、ロボットの構成を説明するための概略図である。図4は、ロボットシステムの主要部の構成を示すブロック図である。図5は、送信部及び受信部の構成を示すブロック図である。図6は、ロボットの第1アームにおける第1角速度センサー付近を示す概略斜視図である。図7は、ロボットの第3アームにおける第2角速度センサー付近を示す概略斜視図である。図8(a)は、角速度センサーユニットの構造を示す模式平面図である。図8(b)は、角速度センサーユニットの構造を示す模式側面図である。
尚、説明の都合上図1〜図3、図6〜図7において図中上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と称す。また、図1〜図3、図6〜図7において図中基台側を「基端」、その反対側を「先端」と言う。また、図8には、第1角速度センサーユニットに対応させて、括弧書きで、第2角速度センサーユニットの各部の符号を記載し、第2角速度センサーユニットの図示は省略する。
図1〜図4に示すように、ロボット1は、例えば腕時計のような精密機器等を製造する製造工程で用いることができ、ロボット1と、ロボット1の作動を制御するロボット制御装置20等によりロボットシステム10が構成されている。ロボット1と、ロボット制御装置20とは、配線により電気的に接続されている。また、ロボット制御装置20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)が内蔵されたコンピューター等で構成することができる。
ロボット1は、基台11、可動部としての第1アーム12、可動部としての第2アーム13、可動部としての第3アーム14及び第4アーム15の4本のアームを備えている。さらにロボット1は、リスト16と、第1駆動源401、第2駆動源402、第3駆動源403、第4駆動源404、第5駆動源405及び第6駆動源406の6つの駆動源を備えている。
ロボット1は、基台11と、第1アーム12、第2アーム13、第3アーム14及び第4アーム15と、リスト16とが基端側から先端側に向ってこの順に連結された6軸の垂直多関節ロボットである。垂直多関節ロボットでは、基台11と、第1アーム12、第2アーム13、第3アーム14及び第4アーム15と、リスト16とを総称して「アーム」と言うこともできる。リスト16にはロボットハンド等のエンドエフェクタ等を取り付けることができる。
第1アーム12、第2アーム13、第3アーム14、第4アーム15、リスト16は、それぞれ、基台11に対し独立して変位可能に支持されている。この第1アーム12、第2アーム13、第3アーム14、第4アーム15、リスト16の長さは、それぞれ、特に限定されないが、本実施形態では例えば、第1アーム12、第2アーム13、第4アーム15の長さは、第3アーム14やリスト16よりも長く設定されている。
基台11と第1アーム12とは、関節171を介して連結されている。そして、第1アーム12は、鉛直方向に延在する第1回動軸171aを回動中心として回動可能となっている。第1回動軸171aは、基台11の設置面である床101の上面の法線と一致している。第1駆動源401はモーター401Mを備え、第1駆動源401の駆動により第1アーム12は第1回動軸171a回りに回動する。また、第1駆動源401はモーター401Mによって駆動される。モーター401Mは電気的に接続された駆動信号生成部としてのモータードライバー301を介してロボット制御装置20により制御される。尚、第1駆動源401はモーター401Mとともに設けた図示しない減速機によってモーター401Mからの駆動力を伝達するように構成されている。尚、モーター401Mが十分なトルクを出力できるときには減速機が省略されてもよい。
第1アーム12と第2アーム13とは関節172を介して連結されている。そして、第2アーム13は、水平方向と平行な第2回動軸172aを軸中心として第1アーム12に対して回動可能となっている。第2回動軸172aは、第1回動軸171aと直交している。第2駆動源402はモーター402Mを備え、第2駆動源402の駆動により第2アーム13は第2回動軸172a回りに回動する。また、第2駆動源402はモーター402Mによって駆動される。モーター402Mは電気的に接続された駆動信号生成部としてのモータードライバー302を介してロボット制御装置20により制御される。尚、第2駆動源402はモーター402Mとともに設けた減速機によってモーター402Mからの駆動力を伝達するように構成されている。尚、モーター402Mが十分なトルクを出力できるときには減速機が省略されていてもよい。また、第2回動軸172aは第1回動軸171aと直交する軸と平行になるように配置されてもよい。
第2アーム13と第3アーム14とは関節173を介して連結されている。そして、第3アーム14は、水平方向と平行な第3回動軸173aを回動中心として第2アーム13に対して回動可能となっている。第3回動軸173aは第2回動軸172aと平行である。第3駆動源403はモーター403Mを備え、第3駆動源403によって第3アーム14は第3回動軸173a回りに回動される。モーター403Mは電気的に接続された駆動信号生成部としてのモータードライバー303を介してロボット制御装置20により制御される。尚、第3駆動源403はモーター403Mとともに設けた減速機によってモーター403Mからの駆動力を伝達するように構成されている。尚、モーター403Mが十分なトルクを出力できるときには減速機が省略されてもよい。
第3アーム14と第4アーム15とは関節174を介して連結されている。第4アーム15は、第3アーム14の中心軸方向と平行な第4回動軸174aを回動中心として第3アーム14に対して回動可能となっている。第4回動軸174aは第3回動軸173aと直交している。第4駆動源404はモーター404Mを備え、第4駆動源404によって第4アーム15は第4回動軸174a回りに回動される。モーター404Mは電気的に接続された駆動信号生成部としてのモータードライバー304を介してロボット制御装置20により制御される。尚、第4駆動源404はモーター404Mとともに設けた減速機によってモーター404Mからの駆動力を伝達するように構成されている。尚、モーター404Mが十分なトルクを出力できるときには減速機が省略されてもよい。第4回動軸174aは、第3回動軸173aに直交する軸と平行であってもよい。
第4アーム15とリスト16とは、関節175を介して連結されている。リスト16は、水平方向と平行な第5回動軸175aを回動中心として第4アーム15に対して回動可能となっている。第5回動軸175aは、第4回動軸174aと直交している。第5駆動源405はモーター405Mを備え、第5駆動源405の駆動によりリスト16は第5回動軸175a回りに回動される。モーター405Mは電気的に接続された駆動信号生成部としてのモータードライバー305を介してロボット制御装置20により制御される。第5駆動源405はモーター405Mとともに設けた減速機によってモーター405Mからの駆動力を伝達するように構成されている。また、尚、モーター405Mが十分なトルクを出力できるときには減速機が省略されてもよい。
リスト16は、関節176を介して、第5回動軸175aと垂直な第6回動軸176aを回動中心とし、第6回動軸176a回りに回動可能となっている。第6回動軸176aは第5回動軸175aと直交している。第6駆動源406はモーター406Mを備えている。第6駆動源406によりリスト16は第6回動軸176a回りに回動される。モーター406Mは電気的に接続された駆動信号生成部としてのモータードライバー306を介してロボット制御装置20により制御される。第6駆動源406はモーター406Mとともに設けた減速機によってモーター406Mからの駆動力を伝達するように構成されている。尚、モーター406Mが十分なトルクを出力できるときには減速機が省略されてもよい。第5回動軸175aは、第4回動軸174aに直交する軸と平行であってもよく、また、第6回動軸176aは、第5回動軸175aに直交する軸と平行であってもよい。
図6に示すように、第1アーム12には慣性センサー及び角速度センサーとしての第1角速度センサー31を有する第1角速度センサーユニット71が設置されている。第1角速度センサー31により第1アーム12の第1回動軸171aの回りの角速度を検出する。
図7に示すように、第3アーム14には慣性センサー及び角速度センサーとしての第2角速度センサー32を有する第2角速度センサーユニット72が設置されている。第2角速度センサー32により第3アーム14の第3回動軸173aの回りの角速度を検出する。第2回動軸172aと第3回動軸173aとは平行なので、第3回動軸173aの回りの角速度は第2回動軸172a回りの角速度と同じとなっている。従って、第2角速度センサー32により第3アーム14の第2回動軸172aの回りの角速度を検出することができる。尚、第1角速度センサー31、第2角速度センサー32としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、ジャイロセンサー等を用いることができる。
図4に戻って、ロボット1には信号送信部としての第1送信部33及び信号受信部としての第1受信部34が設置されている。第1角速度センサー31は第1送信部33と電気的に接続され、第1角速度センサー31は第1送信部33に検出した角速度の信号を出力する。第1送信部33は第1受信部34に角速度の信号を無線で送信する。第1受信部34は角速度の無線信号を受信する。第1受信部34はロボット制御装置20と電気的に接続され、第1受信部34は受信した角速度の信号をロボット制御装置20に出力する。
同様に、ロボット1には信号送信部としての第2送信部35及び信号受信部としての第2受信部36が設置されている。第2角速度センサー32は第2送信部35と電気的に接続され、第2角速度センサー32は第2送信部35に検出した角速度の信号を出力する。第2送信部35は第2受信部36に角速度の信号を無線で送信する。第2受信部36は角速度の無線信号を受信する。第2受信部36はロボット制御装置20と電気的に接続され、第2受信部36は受信した角速度の信号をロボット制御装置20に出力する。
図2に戻って、第1受信部34及び第2受信部36は基台11に設置されている。従って、第1送信部33と第1受信部34との距離は第1アーム12の移動範囲により限定されている。第1送信部33と第1受信部34との距離を第1送信部33の電波が到達する距離より近い距離とすることにより第1受信部34は確実に電波信号44を受信することができる。同様に、第2送信部35と第2受信部36との距離は第1アーム12及び第2アーム13により限定されている。第2送信部35と第2受信部36との距離を第2送信部35の電波が到達する距離より近い距離とすることにより第2受信部36は確実に電波信号44を受信することができる。
図5に示すように、第1角速度センサー31は駆動回路37と接続されている。駆動回路37は第1角速度センサー31に第1角速度センサー31を駆動する駆動信号を出力する。そして、第1角速度センサー31は角速度に対応して変動するセンサー信号を駆動回路37に出力する。駆動回路37はセンサー信号を入力し増幅する。
駆動回路37にはV/F変換回路38(Voltage/Frequency)が接続され、駆動回路37はV/F変換回路38に増幅されたセンサー信号を出力する。V/F変換回路38は電圧信号を周波数信号に変換する回路である。V/F変換回路38はセンサー信号を入力して周波数信号に変換する。V/F変換回路38には変調回路39が接続され、V/F変換回路38は周波数信号に変換されたセンサー信号を変調回路39に出力する。
変調回路39には発振回路40が接続されている。発振回路40は所定の周波数の搬送波を形成して変調回路39に出力する。変調回路39は搬送波とセンサー信号とを合成した変調波を形成する。変調回路39が行う変調は周波数変調であるが、この変調方式に限定されず、振幅変調、位相変調やパルス変調の方式を用いることができる。センサー信号をデジタル信号に変換したあと、FSK信号(Frequency Shift Keying)に変換して送信しても良い。
変調回路39には送信回路41が接続され、変調回路39は変調波を送信回路41に出力する。送信回路41にはアンテナ714が接続され、送信回路41は変調波を電力増幅してアンテナ714に出力する。アンテナ714は空中に電波信号44を出力する。
駆動回路37、V/F変換回路38、変調回路39、発振回路40、送信回路41等により回路部713が構成されている。そして、回路部713、第1角速度センサー31、アンテナ714等により第1角速度センサーユニット71が構成されている。V/F変換回路38、変調回路39、発振回路40、送信回路41、アンテナ714等により第1送信部33が構成されている。そして、第1角速度センサーユニット71は第1角速度センサー31、駆動回路37及び第1送信部33等により構成されている。
同様に、第2角速度センサーユニット72は回路部723、第2角速度センサー32、アンテナ724等により構成されている。回路部723は回路部713と同様な回路となっている。そして、第2角速度センサーユニット72は第2角速度センサー32、駆動回路37及び第2送信部35等により構成されている。第2送信部35はV/F変換回路38、変調回路39、発振回路40、送信回路41、アンテナ724等により構成されている。従って、第1角速度センサーユニット71と第2角速度センサーユニット72とは同様なユニットとなっており、詳細な説明は省略する。
第1受信部34及び第2受信部36は同様な受信部であり、第1受信部34を説明し第2受信部36の説明を省略する。第1受信部34はアンテナ45を備え、アンテナ45はアンテナ714が出力する電波信号44を受信する。
アンテナ45には受信回路46が接続され、アンテナ45が受信した信号を受信回路46がノイズを除去して増幅する。受信回路46には復調回路47が接続され、受信回路46は復調回路47に増幅した信号を出力する。復調回路47は増幅した信号からセンサー信号成分を分離する。復調回路47が行う復調は変調回路39が行う変調方式に対応した方式にて復調する。復調回路47にはF/V変換回路48(Frequency/Voltage)が接続され、復調回路47はF/V変換回路48に分離されたセンサー信号成分を出力する。
F/V変換回路48は周波数信号を電圧信号に変換する回路である。F/V変換回路48はセンサー信号成分を入力して電圧信号に変換する。F/V変換回路48にはロボット制御装置20が接続され、F/V変換回路48は電圧信号に変換されたセンサー信号をロボット制御装置20に出力する。以上の手順により、第1角速度センサーユニット71及び第1受信部34は第1角速度センサー31が検出する角速度信号をロボット制御装置20に出力する。同様に、第2角速度センサーユニット72及び第2受信部36は第2角速度センサー32が検出する角速度信号をロボット制御装置20に出力する。
図4に戻って、第1駆動源401〜第6駆動源406には、それぞれのモーターまたは減速機に、第1位置センサー411〜第6位置センサー416が設けられている。これらの位置センサーとしては、それぞれ、特に限定されず、例えば、エンコーダー、ロータリーエンコーダー、レゾルバー、ポテンショメーター等を用いることができる。これらの第1位置センサー411〜第6位置センサー416により、それぞれ、第1駆動源401〜第6駆動源406のモーターまたは減速機の出力軸の回動角度を検出する。この第1駆動源401〜第6駆動源406のモーターとしては、それぞれ、特に限定されず、例えば、ACサーボモーター、DCサーボモーター等のサーボモーターを用いるのが好ましい。
ロボット1は、ロボット制御装置20と電気的に接続されている。すなわち、第1駆動源401〜第6駆動源406、第1位置センサー411〜第6位置センサー416、第1角速度センサー31、第2角速度センサー32は、それぞれ、ロボット制御装置20と電気的に接続されている。そして、ロボット制御装置20は、第1アーム12〜第4アーム15、リスト16をそれぞれ独立して作動させることができる。すなわち、モータードライバー301〜306を介して、第1駆動源401〜第6駆動源406をそれぞれ独立して制御することができる。ロボット制御装置20は、第1位置センサー411〜第6位置センサー416、第1角速度センサー31、第2角速度センサー32により第1アーム12〜第4アーム15、リスト16の位置や速度の検出を行い、その検出結果に基づいて、駆動源401〜406の角速度や回動角度等をそれぞれ制御する。
ロボット制御装置20は第1駆動源401の作動を制御する第1駆動源制御部201と、第2駆動源402の作動を制御する第2駆動源制御部202とを有している。さらに、ロボット制御装置20は第3駆動源403の作動を制御する第3駆動源制御部203と、第4駆動源404の作動を制御する第4駆動源制御部204とを有している。さらに、ロボット制御装置20は第5駆動源405の作動を制御する第5駆動源制御部205と、第6駆動源406の作動を制御する第6駆動源制御部206とを有している。さらに、ロボット制御装置20は制御部としての制振制御部207を備えている。
制振制御部207は第1角速度センサー31及び第2角速度センサー32が検出する角速度の信号を用いて第3アーム14を制振する信号を第1駆動源制御部201及び第2駆動源制御部202に出力する。第1駆動源制御部201及び第2駆動源制御部202は制振制御部207が出力する信号を用いて第1駆動源401及び第2駆動源402を駆動する。これにより、ロボット制御装置20は第3アーム14を制振する。この制御プログラムは、ロボット制御装置20に内蔵された記録媒体に予め記憶されたプログラムに基づいて行われる。
図1及び図2に戻って、基台11は、中空の基台本体112を有している。基台本体112には、例えば、モーター401Mやモータードライバー301〜306が収納されている。
第1アーム12〜第4アーム15は、それぞれ、中空のアーム本体2と駆動機構3とを有している。尚、以下では、説明の都合上、第1アーム12が有するアーム本体2、駆動機構3をそれぞれ「アーム本体2a」、「駆動機構3a」と称す。第2アーム13が有するアーム本体2、駆動機構3をそれぞれ「アーム本体2b」、「駆動機構3b」と称す。第3アーム14が有するアーム本体2、駆動機構3をそれぞれ「アーム本体2c」、「駆動機構3c」と称す。第4アーム15が有するアーム本体2、駆動機構3をそれぞれ「アーム本体2d」、「駆動機構3d」と称す。
第1アーム12は、水平方向に対し傾斜した姿勢で基台11の上端部に連結されている。この第1アーム12のアーム本体2a内には駆動機構3aが設置され、駆動機構3aはモーター402Mを有している。
図6に戻って、第1アーム12における第1角速度センサー31の設置位置は、特に限定されない。本実施形態では例えば、第1角速度センサー31が設置された第1角速度センサーユニット71は第1アーム12の根元部251の内部に設置されている。
図1及び図2に戻って、第2アーム13は第1アーム12の先端部に連結されている。第2アーム13のアーム本体2b内には駆動機構3bが設置され、駆動機構3bはモーター403Mを有している。第3アーム14は第2アーム13の先端部に連結されている。この第3アーム14のアーム本体2c内には駆動機構3cが設置され、駆動機構3cはモーター404Mを有している。
図7に戻って、第3アーム14における第2角速度センサー32の設置位置は、特に限定されない。本実施形態では例えば、第2角速度センサー32が設置された第2角速度センサーユニット72は第3アーム14の端部の内部に設置されている。
図1及び図2に戻って、第3アーム14の先端部には第3アーム14の中心軸方向と平行に第4アーム15が連結されている。第4アーム15のアーム本体2d内には駆動機構3dが設置され、駆動機構3dはモーター405M、406Mを有している。
第4アーム15の先端部には、リスト16が連結されている。リスト16の先端部には、例えば、腕時計等のような精密機器を把持するマニピュレーターがエンドエフェクタとして着脱可能に装着される。尚、マニピュレーターとしては、特に限定されず、例えば、複数本の指部を有する構成のものが挙げられる。ロボット1は、マニピュレーターで精密機器を把持したまま、第1アーム12〜第4アーム15、リスト16等の動作を制御することにより、当該精密機器を搬送することができる。
リスト16は、円筒状をなすリスト本体161と、リング状をなす支持リング162とを有している。支持リング162はリスト本体161と別体で構成され、当該リスト本体161の基端部に設けられる。リスト本体161の先端面163は平坦な面となっており、この面はマニピュレーターが装着される装着面となる。リスト本体161は関節176を介して第4アーム15の駆動機構3dに連結されている。当該駆動機構3dのモーター406Mの駆動によりリスト本体161は第6回動軸176a回りに回動する。
支持リング162は関節175を介して第4アーム15の駆動機構3dに連結されている。当該駆動機構3dのモーター405Mの駆動により支持リング162はリスト本体161と共に第5回動軸175a回りに回動する。
アーム本体2の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種金属材料を用いることができ、これらの中でも、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金が好ましい。アーム本体2が金型を用いて成形される鋳物である場合、当該アーム本体2の構成材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いることにより、金型成形を容易に行なうことができる。
基台11の基台本体112、リスト16のリスト本体161、支持リング162の構成材料としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、前記アーム本体2の構成材料と同様のもの等が挙げられる。尚、リスト16のリスト本体161の構成材料は、ステンレス鋼を用いるのが好ましい。
次に、第1角速度センサーユニット71、第2角速度センサーユニット72について説明する。図8に示すように、第1角速度センサーユニット71は回路基板712を備えている。回路基板712上には第1角速度センサー31、回路部713、アンテナ714及び電池715が設置されている。第1角速度センサー31、アンテナ714及び電池715は配線により回路部713と接続されている。回路基板712、第1角速度センサー31、回路部713、アンテナ714及び電池715は第1ハウジング711に覆われている。第1ハウジング711は封止材で構成され、その封止材により第1角速度センサーユニット71は封止されている。第1ハウジング711の外形は、立方体となっている。
第1角速度センサー31は、検出する角速度の方向を示す検出軸としての第1検出軸31aを有しており、第1検出軸31aの回りの角速度を検出するように構成されている。また、第1角速度センサー31の第1検出軸31aは、第1ハウジング711の直方体の一番大きな面の法線711aと一致している。これにより、容易かつ確実に、第1角速度センサー31の第1検出軸31aの方向を認識することができ、容易に、第1角速度センサー31を適正な姿勢にすることができる。
同様に、第2角速度センサーユニット72は回路基板722を備えている。回路基板722上には第2角速度センサー32、回路部723、アンテナ724及び電池725が設置されている。第2角速度センサー32、アンテナ724及び電池725は配線により回路部723と接続されている。回路基板722、第2角速度センサー32、回路部723、アンテナ724及び電池725は第2ハウジング721に覆われている。第2ハウジング721は封止材で構成され、その封止材により第2角速度センサーユニット72は封止されている。第2ハウジング721の外形は、立方体となっている。このように、第1角速度センサーユニット71及び第2角速度センサーユニット72はパッケージ化されているので、設置し易くすることができる。
第2角速度センサー32は、検出する角速度の方向を示す検出軸としての第2検出軸32aを有しており、第2検出軸32aの回りの角速度を検出するように構成されている。また、第2角速度センサー32の第2検出軸32aは、第2ハウジング721の直方体の一番大きな面の法線721aと一致している。これにより、容易かつ確実に、第2角速度センサー32の第2検出軸32aの方向を認識することができ、容易に第2角速度センサー32を適正な姿勢にすることができる。
図6に戻って、第1角速度センサー31が設置された第1角速度センサーユニット71では第1角速度センサー31の第1検出軸31aが第1回動軸171aと平行になるように設置されている。従って、第1角速度センサー31により検出された第1アーム12の角速度に対して第1角速度センサー31の向きによる補正を行う必要がない。
図7に戻って、第2角速度センサー32が設置された第2角速度センサーユニット72では第2角速度センサー32の第2検出軸32aが第3回動軸173aと平行になるように設置されている。第3回動軸173aは第2回動軸172aと平行になっている。従って、第2角速度センサー32により検出された第3アーム14の角速度に対して第2角速度センサー32の向きによる補正を行う必要がない。その結果、補正のために膨大な演算が不要となり応答速度を速くすることができる。
図6及び図8に示すように、第1ハウジング711は、その4つの角部に、第1アーム12に取り付けられる取付部7111を有している。各取付部7111には、それぞれ、雄ネジ81が挿入される孔7112が形成されている。一方、第1アーム12はアーム本体2aと一体的に形成され、第1角速度センサーユニット71が取り付けられる3つのアーム側取付部121が第1アーム12に設置されている。各アーム側取付部121は、それぞれ、アーム本体2aに突出形成された支柱で構成されている。また、各アーム側取付部121は、それぞれ、第1ハウジング711の取付部7111に対応する位置に配置されている。また、各アーム側取付部121の先端部には、それぞれ、雄ネジ81が螺合する雌ネジが形成されている。
第1角速度センサーユニット71を第1アーム12に設置する際は、3つの雄ネジ81をそれぞれ第1ハウジング711の孔7112に挿入し、第1アーム12のアーム側取付部121の先端部の雌ネジに螺合する。これにより、各雄ネジ81により、第1ハウジング711の3つの取付部7111がそれぞれ第1アーム12の対応するアーム側取付部121に固定される。すなわち、第1アーム12のアーム側取付部121に、第1角速度センサーユニット71が取り付けられる。この場合、アーム側取付部121と第1角速度センサーユニット71との間には、何も介在しておらず、すなわち、第1角速度センサーユニット71は、アーム側取付部121に直接取り付けられる。これにより、第1角速度センサーユニット71を確実に第1アーム12に取り付けることができ、また、第1角速度センサーユニット71は、確実に、第1アーム12と一体的に回動することができる。
また、図7及び図8に示すように、第2ハウジング721は、その4つの角部に、第3アーム14に取り付けられる取付部7211を有している。各取付部7211には、それぞれ、雄ネジ81が挿入される孔7212が形成されている。図7に示すように、第3アーム14はアーム本体2cと一体的に形成され、第2角速度センサーユニット72が取り付けられるアーム側取付部141が第3アーム14に設置されている。アーム側取付部141は、第2ハウジング721に対応した形状をなしている。すなわち、アーム側取付部141は板状をなし平面視での形状は四角形であり、本実施形態では、長方形をなしている。また、アーム側取付部141の各角部には、それぞれ、雄ネジ81が螺合する雌ネジが形成されている。
第2角速度センサーユニット72を第3アーム14に取り付ける際は、4つの雄ネジ81がそれぞれ第2ハウジング721の孔7212に挿入される。そして、4つの雄ネジ81が第3アーム14のアーム側取付部141の先端部の雌ネジに螺合する。これにより、各雄ネジ81により第2ハウジング721の4つの取付部7211がそれぞれ第3アーム14のアーム側取付部141に固定される。すなわち、第3アーム14のアーム側取付部141に第2角速度センサーユニット72が取り付けられる。この場合、アーム側取付部141と第2角速度センサーユニット72との間には何も介在しておらず、第2角速度センサーユニット72はアーム側取付部141に直接取り付けられる。これにより、第2角速度センサーユニット72を確実に第3アーム14に取り付けることができ、また、第2角速度センサーユニット72は、確実に、第3アーム14と一体的に回動することができる。
次に、図4を参照し、ロボット制御装置20の構成について説明する。ロボット制御装置20は、第1角速度センサー31から出力される第1信号と、第2角速度センサー32から出力される第2信号と、位置センサー411〜416から出力される各信号とをそれぞれ受信する。受信した第1信号及び第2信号に基づいて第1アーム12の角速度の振動成分及び第3アーム14の角速度の振動成分を求める演算を制振制御部207が行う。制振制御部207により求められた第1アーム12の角速度の振動成分及び第3アーム14の角速度の振動成分に基づいて、ロボット1の作動を第1駆動源制御部201〜第6駆動源制御部206が制御する。
センサーを用いてロボットの振動を制御する方法は公知であるので詳細な説明は省略し概略を説明する。まず、制振制御部207は第1位置センサー411の出力する信号から基台11に対する第1アーム12の回動速度を演算する。算出した回動速度を第1回動速度とする。次に、制振制御部207は第1角速度センサー31が出力するセンサー信号から第1アーム12の回動速度を演算する。算出した回動速度を第2回動速度とする。
次に、第1回動速度と第2回動速度との差である第1振動角速度差を算出する。第1回動速度と第2回動速度とは回動速度を検出している場所が異なり、第1振動角速度差は振動よる速度差となっている。次に、制振制御部207は第1振動角速度差が可及的に0になるように第1駆動源401に対してフィードバック制御を行う。具体的には制振制御部207は第1駆動源制御部201に振動を減衰させる制御信号を出力する。第1駆動源制御部201は制振制御部207から制御信号を入力してモーター401Mを制御する。これにより、ロボット1の振動を抑制することができる。尚、このフィードバック制御では、第1駆動源401の角速度が制御される。本実施形態では、フィードバック制御として、PI制御(Proportinal Integral)がなされるが、これに限定されるものではない。
制振制御部207は第2位置センサー412の出力する信号から第1アーム12に対する第2アーム13の回動速度を演算する。算出した回動速度を第3回動速度とする。次に、制振制御部207は第3位置センサー413の出力する信号から第2アーム13に対する第3アーム14の回動速度を演算する。算出した回動速度を第4回動速度とする。制振制御部207は第2角速度センサー32が出力するセンサー信号から基台11に第1アーム12に対する第3アーム14の回動速度を演算する。算出した回動速度を第5回動速度とする。
次に、第5回動速度から第3回動速度と第4回動速度とを減算した第2振動角速度差を算出する。第2振動角速度差は振動よる速度差となっている。第2位置センサー412は第2アーム13に設置されている。そして、第2回動軸172a、第3回動軸173a及び第2検出軸32aは平行となっているので、第5回動速度には第3回動速度と第4回動速度と振動による角速度とが加算された速度となっている。
次に、制振制御部207は第2振動角速度差が可及的に0になるように、第2駆動源402に対してフィードバック制御を行う。具体的には、制振制御部207は第2駆動源制御部202に振動を減衰させる制御信号を出力する。第2駆動源制御部202は制振制御部207から制御信号を入力してモーター402Mを制御する。これにより、ロボット1の振動を抑制することができる。尚、このフィードバック制御では、第2駆動源402の角速度が制御される。本実施形態では、フィードバック制御として、PI制御がなされるが、これに限定されるものではない。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第1送信部33はセンサー信号を無線送信するので、第1アーム12の角速度の情報を送信するための配線が必要ない。従って、第1アーム12に配線を設置する場所がないときにもセンサー信号を用いて第1アーム12の制振制御を行うことができる。
同様に、第2送信部35はセンサー信号を無線送信するので、第3アーム14の角速度の情報を送信するための配線が必要ない。従って、第1アーム12〜第3アーム14に配線を設置する場所がないときにもセンサー信号を用いて第3アーム14の制振制御を行うことができる。
(2)本実施形態によれば、ロボット1には第1角速度センサー31及び第2角速度センサー32が設置されている。角速度センサーの代わりに加速度センサーが設置されるとき、加速度を積分する演算を行って速度情報に変換する必要がある。このときに比べて、角速度センサーの出力を用いるときには四則演算により角速度情報を演算することができるので、容易にアームの角速度情報を取得することができる。
(3)本実施形態によれば、第1角速度センサーユニット71には電池715が設置されている。従って、第1角速度センサーユニット71に電力を供給するための配線が不要となる。その結果、配線が設置できない場所にも第1角速度センサーユニット71を設置することができる。同様に、第2角速度センサーユニット72には電池725が設置されている。従って、第2角速度センサーユニット72に電力を供給するための配線が不要となる。その結果、配線が設置できない場所にも第2角速度センサーユニット72を設置することができる。
(4)本実施形態によれば、基台11には第1受信部34及び第2受信部36が設置されている。基台11には第1アーム12〜第4アーム15が設置され、第1アーム12には第1角速度センサー31及び第1送信部33が設置されている。従って、第1受信部34と第1送信部33との距離を所定の範囲の距離にすることができる。同様に、第3アーム14には第2角速度センサー32及び第2送信部35が設置されている。従って、第2受信部36と第2送信部35との距離を所定の範囲の距離にすることができる。その結果、第1受信部34及び第2受信部36は確実にセンサー信号を受信することができる。
(5)本実施形態によれば、第1角速度センサー31により、第1アーム12の角速度を検出することができ、また、第3回動軸173aは、第2回動軸172aと平行であるので、第2角速度センサー32により、第2アーム13の回動分を含めて第3アーム14の角速度を検出することができる。そして、これらの検出結果に基づいて、振動を抑制することができる。
(6)本実施形態によれば、ロボット1の姿勢が変化しても、第1角速度センサー31の第1検出軸31aは、一定である。このため、第1角速度センサー31により検出された第1アーム12の角速度に対して、第1角速度センサー31の向きによる補正を行う必要がない。その結果、補正のために膨大な演算が不要となり応答速度を速くすることができる。
(7)本実施形態によれば、第3回動軸173a及び第2回動軸172aは第2検出軸32aと常に平行となっている。これにより、第1アーム12が回動しても第2角速度センサー32が検出する角速度には影響しない。このため、第2角速度センサー32により検出された第3アーム14の角速度に対して、第2角速度センサー32の向きによる補正を行う必要がない。その結果、複雑で膨大な演算が不要であり、これによって、演算誤差が生じ難く、振動を確実に抑制することができ、また、ロボット1の制御における応答速度を速くすることができる。
(8)本実施形態によれば、第3アーム14に第2角速度センサー32が設置されている。そして、第2角速度センサー32により第2アーム13の回動分を含めて第3アーム14の角速度を検出する。従って、第2アーム13に角速度センサーを設置するときよりも確実に振動を抑制することができる。また、第2アーム13と第3アーム14とに角速度センサーを設置する場合に比べて、角速度センサーの数を削減することができる為、ロボット1の構成を簡素にすることができる。
(9)本実施形態によれば、第2角速度センサー32が出力する角速度信号を用いて基端側の第2アーム13を回動させる第2駆動源402の作動を制御している。従って、第3アーム14の作動を制御するよりロボット1の振動を抑制する効果を高めることができる。また、第2アーム13と第3アーム14との両方の作動を制御するより、ロボット1の振動を抑制する演算が早くできる。従って、短時間で制振させることができる。
(第2の実施形態)
次に、ロボットの一実施形態について図9のロボットシステムの主要部の構成を示すブロック図を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、第1受信部34及び第2受信部36がロボット制御装置20に設置されている点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、本実施形態では図9に示すように、ロボットシステム50はロボット51及びロボット制御装置52を備えている。第1送信部33及び第2送信部35がロボット51に設置されている。そして、第1受信部34及び第2受信部36はロボット制御装置52に設置されている。第1角速度センサー31及び第2角速度センサー32が出力するセンサー信号は無線信号の形態でロボット51からロボット制御装置52へ送信される。従って、ロボット51とロボット制御装置52との間にはセンサー信号を通信するための配線が不要となっている。従って、ロボット51とロボット制御装置52との間の配線を少なくすることができる。
(第3の実施形態)
次に、ロボットの一実施形態について図10を用いて説明する。図10(a)はロボットの構造を示す模式側面図であり、図10(b)はアクチュエーターの構造を示す模式側断面図である。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、アクチュエーターに角速度センサーと送信部が設置されている点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、本実施形態では図10(a)に示すように、ロボット55はリスト16にアクチュエーター56が設置されている。アクチュエーター56には慣性センサー及び角速度センサーとしての第3角速度センサー57及び信号送信部としての第3送信部58が設置されている。そして、第3送信部58は第3角速度センサー57が出力するセンサー信号を無線信号にして出力する。基台11には第3受信部59が設置され、第3送信部58が送信した信号を受信する。ロボット55にはロボット55を制御するロボット制御装置60が接続され、ロボット55及びロボット制御装置60によりロボットシステム61が構成されている。
アクチュエーター56は直動機構62を備え、直動機構62は円柱状の移動部62aを往復移動させる。移動部62aの先端には軸受63が設置され、軸受63には円柱状の操作棒64が設置されている。軸受63により操作棒64は移動部62aに対して回動可能になっている。直動機構62を覆って円筒状の外装部65が設置され、外装部65は図中右側では直径が小さくなっている。そして、操作棒64は外装部65から突出している。
外装部65の図中右側の端には軸受66が設置され、軸受66には円筒状の掌外装部67が設置されている。軸受66により掌外装部67は外装部65に対して回動可能になっている。掌外装部67の図中右端には図中上下の場所に第1軸67aと第2軸67bとが設置されている。
第1軸67aには第1指部68が回動可能に設置され、第2軸67bには第2指部69が回動可能に設置されている。第1指部68及び第2指部69は2つの角柱が所定の角度で交差した形状となっている。第1指部68及び第2指部69には図中左側に長穴が厚み方向に貫通するように形成されている。そして、操作棒64の図中右側に第3軸64aが設置され、第3軸64aが第1指部68及び第2指部69の長穴を貫通している。
直動機構62が移動部62aを移動させるとき、第3軸64aが図中左右に移動する。第3軸64aに押されることにより第1指部68は第1軸67aを中心にして回動し、第2指部69は第2軸67bを中心にして回動する。これにより、直動機構62が移動部62aを伸ばすとき第1指部68と第2指部69との間隔が開き、直動機構62が移動部62aを引き込むとき第1指部68と第2指部69とが接近する。従って、第1指部68と第2指部69とで物を挟んだり離したりすることが可能になっている。
外装部65の外周にはギアドモーター75が設置され、ギアドモーター75の出力軸75aにはプーリー76が設置されている。そして、プーリー76と掌外装部67との間にはベルト78がかけられている。これにより、ギアドモーター75がプーリー76を回動するとき、掌外装部67が回動するようになっている。ギアドモーター75にはプーリー76の回動を検出するエンコーダーが内蔵されている。
掌外装部67の外周には第3角速度センサーユニット77が設置されている。第3角速度センサーユニット77は第1の実施形態における第1角速度センサーユニット71や第2角速度センサーユニット72と同様の構造となっている。第3角速度センサーユニット77には第3角速度センサー57及び第3送信部58が内蔵されている。
さらに、第3角速度センサーユニット77には第3角速度センサー57及び第3送信部58に電力を供給する電池が内蔵されている。従って、第3角速度センサーユニット77はリスト16側から配線を介して電力を供給されることなく、第3角速度センサー57及び第3送信部58を作動させることが可能になっている。そして、第3送信部58は配線を介すことなく無線通信にて第3受信部59に出力するセンサー信号を送信することが可能になっている。
第3角速度センサー57の検出軸を第3検出軸57aとする。そして、掌外装部67の回動軸を掌部回動軸67cとする。第3検出軸57aと掌部回動軸67cとは平行となっている。
ロボット制御装置60には制振制御部207が設置されている。制振制御部207は第3角速度センサー57が検出する掌外装部67の角速度の情報とギアドモーター75に内蔵されたエンコーダーの信号とを用いて掌外装部67を制振する制御を行うことが可能になっている。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第3送信部58はセンサー信号を無線送信するので、移動速度の情報を送信するための配線が必要ない。従って、外装部65と掌外装部67との間に配線がないときにもセンサー信号を用いて掌外装部67の制振制御を行うことができる。
(2)本実施形態によれば、リスト16と第3角速度センサーユニット77との間には配線が設置されていない。従って、アクチュエーター56は掌外装部67を一方向に所望の回数の回動をさせることができる。その結果、例えば、第1指部68と第2指部69とにネジを把持させて回動することによりネジ締め作業を行うことができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により種々の変更や改良を加えることも可能である。各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、第1角速度センサー31が第1アーム12の角速度を検出し、第2角速度センサー32が第3アーム14の角速度を検出した。第1角速度センサー31及び第2角速度センサー32の代わりに加速度センサーを用いても良い。積分等の演算を行うことにより第1アーム12及び第3アーム14の角速度を検出することができる。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、第1送信部33が送信する信号を第1受信部34が受信し、第2送信部35が送信する信号を第2受信部36が受信した。第1送信部33が送信する信号と第2送信部35が送信する信号とを受信可能な受信部を設置しても良い。受信部の回路を統合することにより生産性良く受信部を製造することができる。
(変形例3)
前記第1の実施形態では、第1角速度センサーユニット71には電池715が設置された。電池715によらず、アーム側取付部121を金属製にしてアーム側取付部121を介して第1角速度センサーユニット71に電力を供給しても良い。同様に、第2角速度センサーユニット72には電池725が設置された。電池725によらず、アーム側取付部141を金属製にしてアーム側取付部141を介して第2角速度センサーユニット72に電力を供給しても良い。
(変形例4)
前記第1の実施形態では、第2角速度センサー32の検出結果に基づいて第2アーム13を回動させる第2駆動源402の作動を制御した。これに限らず、例えば、第2角速度センサー32の検出結果に基づいて第3アーム14を回動させる第3駆動源403の作動を制御してもよい。第2駆動源402の作動と第3駆動源403の作動を制御してもよい。
(変形例5)
前記第1の実施形態では、ロボット1の回動軸の数は、6つであった。ロボット1の回動軸の数は5つ以下でも良く7つ以上でもよい。リスト16が2本のアームを有しており、ロボット1のアームの本数は6本である。これに限定されず、ロボットのアームの本数は、3本、4本、5本または7本以上でもよい。ロボット1は、複数のアームを回動可能に連結してなるアーム連結体を1つ有する単腕ロボットである。これに限定されず、例えば、複数のアームを回動可能に連結してなるアーム連結体を2つ有する双腕ロボット等、アーム連結体を複数有するロボットであってもよい。