以下、本発明の実施の形態に基づいて本発明を説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
図1は、第1実施形態に係る情報処理装置を示す構成図である。図1に示すように、情報処理装置1は、例えば複写機、プリンタ、イメージスキャナ及びファクシミリなどの事務機器の機能を1つの筐体に収めたデジタル複合機である。このような情報処理装置1は、例えば給紙装置2から給紙される用紙を、情報処理装置1を経て後処理装置3に供給し、所定の印刷物を形成するものである。なお、情報処理装置1は、上記の如く前段の給紙装置2及び後段の後処理装置3を備えるものに限らず、内部に給紙装置2を備えて1台で画像形成等を行うものであってもよい。
図2は、図1に示した情報処理装置1の内部主要構成を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置1は、装置全体を制御するCPU10と、原稿から画像データを読取るイメージリーダ部20と、用紙上に画像を印刷するプリンタの制御を行うプリンタコントローラ30と、近距離の無線通信などにより、回線に接続するための通信部40と、ジョブデータや認証データなどを記憶するための記憶部50と、ユーザとのインターフェースであって操作入力を受け付けるタッチパネル60と、同様にユーザとのインターフェースであってクリック操作等を受け付けるマウス70と、消耗品の残量などを検出するセンサ部80とを含んで構成されている。
ここで、タッチパネル60は、例えば画像を表示する表示部と兼用されるものである。また、マウス70は、右クリック操作、左クリック操作、マウスホイール回転操作、及び移動操作が可能なデバイスである。マウスホール71(図1参照)は、マウス70の中央やや先端側に設けられる回転操作部である。
図3は、図2に示したCPU10の主要構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、CPU10は、マウス制御部11と、操作制御部12とを備えている。マウス制御部11は、マウス70から送信される各種イベントを入力して操作制御部12に送信するものである。
このマウス制御部11は、マウス70の移動操作に基づくマウス移動イベントの情報を入力する移動判定部11aと、マウスホイール操作に基づくマウスホイールイベントの情報を入力する回転判定部11bと、クリック操作に基づくマウスクリックイベントの情報を入力するクリック判定部11cとを備えている。また、各判定部11a〜11cにて入力されたイベント情報は、操作制御部12に送信される。
また、回転判定部11bは、マウス70から送信されるマウスホイールイベントの情報を入力し、マウスホイール71が所定速度以上で回転操作されたか(ブースター機能を有効とする操作があったか)否かを判断する判定手段として機能する。ここで、ブースター機能とは、マウスホイール71を高速回転させた場合に、リスト表示のスクロール幅を増やしたり、数値のカウントアップ量やカウントダウン量を増やしたりする機能である。
より詳細に回転判定部11bは、マウスホイール71の回転速度と回転量とに基づき、マウスホイール71が所定速度以上で回転操作されたか否かを判断する。例えば、回転判定部11bは、マウスホイールの回転量が所定量に達した場合、すなわち1ノッチ操作があった場合に計時を開始し、所定時間内に再度1ノッチ操作があったか否かを判断する。そして、所定時間内のノッチ操作が所定回数以上連続した場合に、マウスホイール71が所定速度以上で回転操作されたと判断する。マウスホイール71が所定速度以上で回転操作されたと判断した場合、回転判定部11bは、その旨の情報についても操作制御部12に送信する。
操作制御部12は、マウス制御部11から送信されるイベント情報を判断し、そのイベント情報に応じた制御を実行するものであって、ブースター設定部12aと、画像制御部12bとを備えている。
ブースター設定部12aは、回転判定部11bによりマウスホイール71が所定速度以上で回転操作された場合に、マウスホイール71の回転操作量よりも大きな操作量を設定するブースター設定手段として機能するものである。
より詳細にブースター設定部12aは、例えばマウスホイール71の回転量が5ノッチ操作分であった場合、これに10ノッチ操作分を加算したり、1を超える所定の係数を乗算したりして、5ノッチ操作分の操作量よりも大きな操作量を設定する。なお、以下の実施形態においてブースター設定部12aは、マウスホイール71の回転操作量よりも大きな操作量を設定するにあたり、加算処理を行うものとする。
画像制御部12bは、マウス操作等に応じてタッチパネル60に表示される画像を制御するものである。図4は、数値入力画像の一例を示す図である。図4に示すように、タッチパネル60には例えば印刷部数を設定する場合に数値入力画像が表示される。このような数値入力画像には、例えば印刷部数表示部Ia1、テンキー表示部Ia2、加算ボタン表示部Ia3、減算ボタン表示部Ia4、クリアボタン表示部Ia5、キャンセルボタン表示部Ia6、及びOKボタン表示部Ia7が表示される。
印刷部数表示部Ia1は、印刷部数を表示する表示領域である。テンキー表示部Ia2は、印刷部数を入力するための表示領域であり、ユーザはテンキー表示部Ia2上の数値をタッチしたり、マウス70を操作してマウスポインタ72を数値上に移動させ、且つクリック操作したりすることにより、印刷部数を入力することができる。
加算ボタン表示部Ia3は、印刷部数を1部加算する操作を行うための表示領域であり、ユーザはタッチ操作やクリック操作をすることにより、印刷部数を1部加算することができる。減算ボタン表示部Ia4は、印刷部数を1部減算する操作を行うための表示領域であり、ユーザはタッチ操作やクリック操作をすることにより、印刷部数を1部減算することができる。
クリアボタン表示部Ia5は、印刷部数をクリアする操作を行うための表示領域であり、ユーザはタッチ操作やクリック操作をすることにより、印刷部数をクリアすることができる。キャンセルボタン表示部Ia6は、印刷部数を設定する場合に数値入力画像自体をキャンセルするための操作を行う表示領域であり、ユーザはタッチ操作やクリック操作をすることにより、数値入力画像が表示される状態から1つ前の画像が表示される状態に戻したり、初期画像が表示される状態に戻したりすることができる。
OKボタン表示部Ia7は、印刷部数表示部Ia1に表示される印刷部数を確定する操作を行うための表示領域であり、ユーザはタッチ操作やクリック操作をすることにより、印刷部数を確定させることができる。
ここで、例えばユーザがマウスポインタ72を移動させ、加算ボタン表示部Ia3上にマウスポインタ72を位置させ、その後クリックをするという操作を行ったとすると、移動判定部11a及びクリック判定部11cによりイベント情報が入力され、画像制御部12bに送信される。画像制御部12bは、移動判定部11a及びクリック判定部11cからのイベント情報に基づいて、マウスポインタ72を加算ボタン表示部Ia3上に移動させる画像制御を実行すると共に、クリック操作を受けて印刷部数を1部加算した画像を表示させることとなる。
さらに、画像制御部12bは、ブースター設定部12aにより設定された操作量に基づいて画像制御を行う。例えばユーザがマウスホイール71を上方向に1ノッチ分だけ回転させた場合、画像制御部12bは加算ボタン表示部Ia3がクリックされたときと同様に印刷部数を1部加算して表示する。加えて、ブースター機能が有効化されてマウスホイール71の回転量よりも大きな操作量がブースター設定部12aにより設定された場合、画像制御部12bは、その操作量に応じた画像制御を行う。
例えば、マウスホイール71が上方向に5ノッチ分だけ高速回転させられた場合、ブースター設定部12aにより例えば15ノッチ分に操作量に設定され、画像制御部12bは、印刷部数を15部加算して表示することとなる。
再度、図3を参照する。上記のような画像制御部12bは、リスト制御部(リスト制御手段)12b1、及び数値入力制御部(数値入力制御手段)12b2を有している。数値入力制御部12b2は、上記の図4に示したように、数値入力時における画像を制御するものである。なお、数値入力制御部12b2は、印刷部数を設定する数値入力画像に限らず、綴じ代の幅、画像シフト量、及び各種調整値など、あらゆる数値入力画像を制御する。
リスト制御部12b1は、選択項目や表示項目のリストを表示するリスト表示画像を制御するものである。図5は、リスト表示画像の一例を示す図である。図5に示すように、タッチパネル60には、例えばジョブリストを表示するリスト表示画像が表示される。このようなリスト表示画像には、例えば印刷画像表示部Ib1、ジョブリスト表示部Ib2、詳細ボタン表示部Ib3、順序入れ替えボタン表示部Ib4、編集ボタン表示部Ib5、HDD保存ボタン表示部Ib6、出力ボタン表示部Ib7、及びスクロールバーIb8が表示される。
印刷画像表示部Ib1は、例えば指定されたジョブの1枚目の画像を表示する表示領域である。ジョブリスト表示部Ib2は、印刷するジョブをリスト化して表示する表示領域であり、ジョブID、ジョブ名、ユーザ名、及び部数が表示される表示領域である。また、ユーザは、ジョブリスト表示部Ib2内のジョブにタッチ操作やクリック操作をすることにより、そのジョブを指定することができる。
詳細ボタン表示部Ib3は、指定されたジョブの詳細を表示する操作を行うための表示領域であり、ユーザは、詳細ボタン表示部Ib3にタッチ操作やクリック操作をすることにより、そのジョブの詳細を閲覧することができる。順序入れ替えボタン表示部Ib4は、例えば指定されたジョブを他のジョブより先んじて印刷させる操作を行うための表示領域であり、ユーザは順序入れ替えボタン表示部Ib4にタッチ操作やクリック操作をすることにより、指定のジョブを優先的に印刷することができる。なお、順序入れ替えボタン表示部Ib4は、2以上のジョブを指定の上、指定のジョブ同士の順番を入れ替えるなどの操作をすることも可能である。
編集ボタン表示部Ib5は、指定されたジョブ画像を編集する編集画面に移行する操作を行うための表示領域であり、ユーザは編集ボタン表示部Ib5にタッチ操作やクリック操作をすることにより、編集画面に移行することができる。HDD保存ボタン表示部Ib6は、現在のジョブリストのジョブをHDD(例えば図2に示す記憶部50)に保存させる操作を行うための表示領域であり、ユーザはHDD保存ボタン表示部Ib6にタッチ操作やクリック操作をすることにより、ジョブリストのジョブを保存することができる。
出力ボタン表示部Ib7は、現在のジョブリストのジョブを印刷する操作を行うための表示領域であり、ユーザは出力ボタン表示部Ib7にタッチ操作やクリック操作をすることにより、ジョブリストのジョブを印刷することができる。スクロールバーIb8は、ジョブリストをスクロールする操作を行うための表示領域であり、ユーザはスクロールバーIb8にタッチ又はクリックのうえドラック操作することにより、ジョブリストを上下にスクロールすることができる。
ここで、例えばユーザがマウスポインタ72を移動させ、スクロールバーIb8上にマウスポインタ72を位置させ、その後下方向にドラックするという操作を行ったとすると、移動判定部11a及びクリック判定部11cによりイベント情報が入力され、リスト制御部12b1に送信される。リスト制御部12b1は、移動判定部11a及びクリック判定部11cからのイベント情報に基づいて、スクロールバーIb8を下方向に移動させる画像制御を実行すると共に、ジョブリストを下方向にスクロールさせた画像を表示することとなる。
さらに、リスト制御部12b1は、ブースター設定部12aにより設定された操作量に基づいて画像制御を行う。例えばユーザがマウスホイール71を下方向に1ノッチ分だけ回転させた場合、リスト制御部12b1はジョブリストを1ノッチ分(例えばジョブ1つ分)だけスクロールさせて表示する。加えて、ブースター機能が有効化されてマウスホイール71の回転量よりも大きな操作量がブースター設定部12aにより設定された場合、リスト制御部12b1は、その操作量に応じた画像制御を行う。
例えば、マウスホイール71が下方向に5ノッチ分だけ高速回転させられた場合、ブースター設定部12aにより例えば15ノッチ分に操作量に設定され、リスト制御部12b1は、ジョブリストをジョブ15個分だけスクロールさせて表示することとなる。
さらに、本実施形態において画像制御部12bは、ユーザの利便性向上のため、マウスホイール71が所定速度以上で回転操作された場合、マウス操作の対象となる表示画像における操作対象に応じて、マウス操作による画像表示の制御内容を変更する。詳細に画像制御手段12bは、ブースター設定部12aにより設定された操作量に応じて段階的に画像を制御する操作対象であるか、ブースター設定部12aにより設定された操作量に応じて非段階的に画像を制御する操作対象であるかを判断し、前者である場合には段階的に画像を制御し、後者である場合には非段階的に画像を制御する。
さらに具体的に説明すると、画像制御部12bは、操作対象がリスト表示画像である場合、段階的に画像を制御する対象であると判断して判断結果の情報をリスト制御部12b1に送信する。これにより、リスト制御部12b1は、リスト表示画像(特にジョブリスト)を段階的にスクロールさせる制御を実行する。また、画像制御部12bは、操作対象が数値入力画像内の数値である場合、非段階的に画像を制御する対象であると判断して判断結果の情報を数値入力制御部12b2に送信する。これにより、数値入力制御部12b2は、数値を非段階的に加減算させる制御を実行する。
ここで、段階的及び非段階的について説明する。リスト制御部12b1は、マウスホイール71が所定速度以上で回転操作された場合、ジョブリストを段階的にスクロールさせる。すなわち、ブースター設定部12aにより例えば15ノッチ分の操作量に設定された場合において、リスト制御部12b1は、例えば3ジョブ分のスクロールを5回行うなどして、スクロール制御を実行する。
ここで、ジョブリストを参照するユーザは、所望のジョブを見つけようとしてジョブリストをスクロールさせる。このため、段階的にスクロールさせず、一気にスクロールさせてしまうと、所望のジョブを見落としてしまう可能性が高まる。そこで、本実施形態に係る情報処理装置1では、段階的にスクロールさせることでユーザが所望のジョブを見落としてしまう可能性を減じることとしている。
一方、数値入力制御部12b2は、マウスホイール71が所定速度以上で回転操作された場合、数値を非段階的に加減算させる。すなわち、ブースター設定部12aにより例えば15ノッチ分の操作量に設定された場合において、リスト制御部12b1は、例えば一気に印刷部数を15だけ加算したり減算したりする制御を実行する。
ここで、数値を入力するユーザは、目的となる値が予め分かっており、途中経過を参照する必要性が少ない。このため、段階的にスクロールさせず、非段階的に(すなわち一気に)加算したり減算したりすることにより、利便性の向上を図っている。
さらに、本実施形態において操作制御部12は、操作量調整部12cを備えている。操作量調整部12cは、ブースター設定部12aにより設定される操作量を調整可能な操作量調整手段として機能するものである。
図6は、ブースター設定部12aにより設定される操作量の調整画面を示す図である。本実施形態においてユーザはタッチパネル60に対して指定の操作を行うことにより、図6に示すような操作量の調整画像を表示させることができる。
図6に示すように、操作量の調整画像には、リスト移動幅表示部Ic1、カウントアップ幅表示部Ic2、テンキー表示部Ic3、加算ボタン表示部Ic4、減算ボタン表示部Ic5、クリアボタン表示部Ic6、キャンセルボタン表示部Ic7、及びOKボタン表示部Ic8が表示される。
リスト移動幅表示部Ic1は、マウスホイール71が所定速度以上で回転操作された場合において、マウスホイール71の回転操作量に加算される操作量、すなわちスクロール幅を表示する表示領域である。カウントアップ幅表示部Ic2は、マウスホイール71が所定速度以上で回転操作された場合において、マウスホイール71の回転操作量に加算される操作量、すなわちカウントアップ及びカウントダウン量を表示する表示領域である。
なお、加算ボタン表示部Ic4、減算ボタン表示部Ic5、クリアボタン表示部Ic6、キャンセルボタン表示部Ic7、及びOKボタン表示部Ic8については、図4を参照して説明したものと同様であるため、説明を省略する。なお、図6に示す操作量の調整画像についても、数値入力画像の一例であることはいうまでもない。
ここで、図6の画像にも示すように、操作量調整部12cは、操作対象毎に操作量を異なる値に調整可能である。すなわち操作量調整部12cは、リスト表示画像であるか、数値入力画像であるかに応じて、ブースター機能より加算される操作量を異なる値とすることができる構成となっている。このため、リスト表示画像のスクロール幅と数値の変化量とを、それぞれ異なる値に設定でき、一層利便性の向上を図ることができるようになっている。
特に、操作量調整部12cは、リスト表示画像の操作量の初期値を、数値入力画像内の数値の操作量の初期値よりも大きな値としている。このため、リスト表示画像においては段階的にスクロールさせつつもスクロール幅を大きくすることとなり、所望のジョブを見つけたいユーザにとっては、1度ブースター機能を有効化させることで、段階的に多くのジョブを見ることができる。また、数値入力時においては数値の変化量が小さくなり、数値が大きく変化し過ぎて所望の値とし難くなってしまう事態を防止することができる。例えば、現在値が「30」であり、これを「50」にしたい場合、予め数値の変化量が「+70」などに設定されていると、ブースター機能により「105」などの数値となり却って「50」から離れてしまう。しかし、操作量の初期値を小さくしておくことにより上記のようになってしまうことを防止することができる。
次に、本実施形態に係る情報処理方法について説明する。図7は、本実施形態に係る情報処理方法を示すフローチャートであって、マウス制御部11の処理を示している。まず、図7に示すように、割り込みマウスホイールイベントが発生したとする(S1)。すなわち、マウスホイール71が1ノッチ分だけ回転操作させられたとする。これにより、回転判定部11bは、その旨のイベント情報を操作制御部12に送信する(S2)。
次いで、回転判定部11bは、前回の割り込みマウスホイールイベント発生から所定時間内であるか否かを判断する(S3)。前回の割り込みマウスホイールイベント発生から所定時間内であると判断した場合(S3:YES)、回転判定部11bは、カウンタをインクリメントし(S4)、所定回転数以上であるか否かを判断する(S5)。すなわち、回転判定部11bは、カウンタの数値が所定数以上であるか否かを判断する。
所定回転数以上でないと判断した場合(S5:NO)、図7に示す処理は終了する。所定回転数以上であると判断した場合(S5:YES)、回転判定部11bは、マウスホイール71が高速回転させられたと判定し(S6)、すなわちブースター機能を有効化する操作があったと判断し、その旨の信号を操作制御部12に送信する(S7)。そして、図7に示す処理は終了する。
一方、前回の割り込みマウスホイールイベント発生から所定時間内でないと判断した場合(S3:NO)、回転判定部11bは、カウンタをリセットし(S8)、図7に示す処理は終了する。なお、図7に示す処理は情報処理装置1の電源がオフされるまで、繰り返し実行される。
図8は、本実施形態に係る情報処理方法を示すフローチャートであって、操作制御部12の処理を示している。まず、図8に示すように、操作制御部12は、ブースター機能が有効とされた旨のイベント情報をマウス制御部11から受信したとする(S11)。そして、画像制御部12bは、現在の表示画像がリスト表示画像であるか、数値入力画像であるかを判断する(S12)。
現在の表示画像がリスト表示画像であると判断した場合(S12:リスト表示画像)、ブースター設定部12aは操作量調整部12cにて調整済みの操作量、又は初期値として設定されている操作量の情報を読み込んで、マウスホイール71の操作量に加算する(S13)。
次に、リスト表示制御部12b1は、所定操作量分だけリスト表示画像(特にジョブリスト)をスクロールさせ、規定時間表示させる(S14)。次いで、リスト表示制御部12bは、ブースター設定部12aにて設定された操作量分だけスクロール済みであるか否かを判断する(S15)。
設定された操作量分だけスクロール済みでないと判断した場合(S15:NO)、処理はステップS14に移行する。一方、設定された操作量分だけスクロール済みであると判断した場合(S15:YES)、図8に示す処理は終了する。
ところで、現在の表示画像が数値入力画像であると判断した場合(S12:数値入力画像)、数値入力制御部12b2は、ブースター設定部12aは操作量調整部12cにて調整済みの操作量、又は初期値として設定されている操作量の情報を読み込んで、マウスホイール71の操作量に加算して数値を表示する(S16)。そして、図8に示す処理は終了する。
このようにして、本実施形態に係る情報処理装置1及び情報処理方法によれば、マウスホイール71が所定速度以上で回転操作された場合にマウス操作の対象となる表示画像における操作対象に応じてマウス操作による画像表示の制御内容を変更するため、例えばリスト表示画像の表示時、数値入力時、及び画像の拡大縮小時のそれぞれにおいて適切な制御を実行することが可能となり、ブースター機能の利便性の向上を図ることができる。
また、段階的に画像を制御する操作対象であるか、非段階的に画像を制御する操作対象であるかを判断し、前者である場合には段階的に画像を制御し、後者である場合には非段階的に画像を制御するため、ユーザが途中画像の確認を取りたい場合に段階的な制御を実行でき、ユーザが途中画像の確認を取る必要が無い場合には非段階的に、すなわち一気に画像を制御することができる。従って、より利便性の向上を図ることができる。
また、リストを表示するリスト表示画像を段階的にスクロールさせるリスト制御部12b1と、数値を入力する数値入力画像内の数値を非段階的に加減算する数値入力制御部12b2とを有する。このため、リスト表示画像をスクロールさせる場合には、ユーザがジョブなどを見つける易くするために段階的にスクロールさせることができ、且つ、数値入力の場合のようにユーザが予め所望の数値を望んでおり途中を表示する必要性が無いときに一気に数値を変化させることができ、利便性の向上を図ることができる。
また、ブースター設定部12aにより設定される操作量を調整可能な操作量調整部12cをさらに備え、操作量調整部12cは、操作対象毎に操作量を異なる値に調整可能である。このため、例えばリスト表示画像のスクロール幅、及び数値の変化量のそれぞれについて異なる値を設定でき、一層利便性の向上を図ることができる。
また、リスト表示画像の操作量の初期値は数値入力の操作量の初期値よりも大きな値とされている。このため、リスト表示画像においては段階的にスクロールさせつつも全体的なスクロール幅を大きくすることとなり、例えば所望のジョブを見つけたいユーザにとっては、1度ブースター機能を有効化させることで、段階的に多くのジョブを見ることができ、一層利便性を向上させることができる。また、数値入力時においては数値の変化量が小さくなり、数値が大きく変化し過ぎて所望の値とし難くなってしまう事態を防止することができる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る情報処理装置1及び情報処理方法は、第1実施形態のものと同様であるが、処理方法が一部異なっている。以下、第1実施形態との相違点のみを説明する。
第2実施形態においてリスト表示制御部12b1は、スクロールを停止させる機能と、マウスホイール71が所定速度以上で回転操作されたと判断され難くする機能とをさらに備えている。以下、詳細に説明する。
まず、第1実施形態においてリスト表示制御部12b1は、ジョブリストを段階的にスクロールさせていた。このため、ユーザは段階的なスクロールの途中において所望のジョブを見つけることができる。よって、第2実施形態に係るリスト表示制御部12b1は、段階的にスクロールさせている状態において、スクロール方向と逆方向にマウスホイール71が回転操作された場合に、スクロールを停止させることとしている。これにより、ユーザは、段階的なスクロールを停止させることができ、一層利便性が向上することとなる。なお、以下の説明ではスクロール方向と逆方向にマウスホイール71が回転操作された場合に限らず、クリック操作された場合にもスクロールを停止させることとしている。
さらに、ジョブリストのジョブ数が多くない場合などには、そもそもブースター機能を有効化する必要性が少ない。このため、第2実施形態において回転判定部11bは、現在の表示位置からスクロール可能なスクロール可能幅が所定幅よりも小さい場合、マウスホイール71が所定速度以上で回転操作されたと判断するパラメータを、操作があったと判断され難い方向へ変更する。例えば、図5に示すリスト表示画像において、スクロールバーIb8は、下方向には大きく移動可能であるが、上方向にはあまり移動できない。よって、マウスホイール71を上方向に回転させた場合には、マウスホイール71が所定速度以上で回転操作されたと判断され難くなる。これにより、スクロール可能幅があまり無い場合には、所定速度以上で回転操作されたと判断され難くして利便性を向上させることができる。
また、回転判定部11bは、スクロール可能幅が所定幅よりも小さいと判断した場合、図7のステップS7にて示した所定時間(パラメータの一例)を短く変更したり、ステップS8にて示した所定回転数(パラメータの一例)を大きく変更したりして、所定速度以上で回転操作されたと判断され難くする。
図9は、第2実施形態に係る情報処理方法を示すフローチャートであって、マウス制御部11の処理を示している。なお、図9に示す処理では既に段階的なスクロールが行われているものとする。
まず、図9に示すように、割り込みマウスイベントが発生したとする(S21)。これにより、マウス制御部11は、イベントの種類を判断する(S22)。イベントの種類がスクロール方向と逆方向の回転を示すマウスホイールイベントである場合、又は、マウスクリックイベントである場合(S22:スクロール方向と逆方向のマウスホイールイベント、又はマウスクリックイベント)、回転判定部11bはキャンセル要求フラグをオンにセットする(S23)。その後、回転判定部11bはキャンセル要求フラグをオンにした旨の信号を操作制御部12に送信する(S24)。そして、図9に示す処理は終了する。
一方、イベントの種類がスクロール方向と同方向の回転を示すマウスホイールイベントである場合、又は、マウス移動イベントである場合(S22:スクロール方向と同方向のマウスホイールイベント、又はマウス移動イベント)、マウス制御部11は、それに応じた信号を操作制御部12に送信する(S24)。そして、図9に示す処理は終了する。
図10は、第2実施形態に係る情報処理方法を示すフローチャートであって、操作制御部12の処理を示している。なお、図10に示すステップS31〜S34,S36に示す処理は図8に示すステップS11〜S14,S16と同様であるため、説明を省略する。
図10に示すように、設定された操作量分だけスクロール済みでないと判断した場合(S35:NO)、リスト表示制御部11b1は、キャンセル要求フラグがオンであるか否かを判断する(S37)。キャンセル要求フラグがオンでないと判断した場合(S37:NO)、処理はステップS34に移行する。
一方、キャンセル要求フラグがオンであると判断した場合(S37:YES)、リスト表示制御部11b1は、キャンセル要求フラグをオフにセットし(S38)、図10に示す処理は終了する。このように、キャンセル要求フラグのオン時にはステップS35で「YES」と判断される前にステップS34の処理が実行されないこととなり、スクロールが停止することとなる。
図11は、第2実施形態に係る情報処理方法を示す第2のフローチャートであって、マウス制御部11の処理を示している。なお、図11に示すステップS41,S42,S45〜S50の処理は図7に示すステップS1〜S8と同様であるため、説明を省略する。
図11に示すように、イベント情報が操作制御部12に送信された後(S42の後)、回転判定部11bは、マウスホイール71の回転方向のスクロール可能幅を検出して、所定幅よりも小さいかを判断する(S43)。そして、回転判定部11bは、ステップS43の結果に基づいて、パラメータをセットする(S44)。ここで、回転判定部11bは、スクロール可能幅が所定幅よりも小さい場合、所定速度以上で回転操作されたと判断されたと判断され難い方向にパラメータを変更する。すなわち、ステップS45の所定時間を短くしたり、ステップS46の所定回転数を小さくしたりする。なお、スクロール可能幅が所定幅以上である場合、回転判定部11bは、所定速度以上で回転操作されたと判断されたと判断され易い方向にパラメータを変更してもよいし、例えば予め定められている基準パラメータを維持するようにしてもよい。
その後、ステップS45〜S50の処理が実行されて図11に示す処理は終了する。なお、図11に示す処理についても情報処理装置1の電源がオフされるまで、繰り返し実行される。また、図11に示す処理において操作制御部12の処理は他のフローチャートに示すものと同様である。
このようにして、第2実施形態に係る情報処理装置1及び情報処理方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、リスト表示画像を段階的にスクロールさせている状態において、スクロール方向と逆方向にマウスホイールが回転操作された場合、当該スクロールを停止させるため、例えばユーザは所望のジョブを見つけた場合にスクロールを停止させることができ、より一層利便性の向上を図ることができる。
また、現在の表示位置からスクロール可能なスクロール可能幅が所定幅よりも小さい場合、所定速度以上で回転操作されたと判断するパラメータを、当該操作があったと判断され難い方向へ変更する。このため、現在の表示位置からスクロールさせる幅があまり無い場合には、所定速度以上で回転操作されたと判断され難くして利便性を向上させることができる。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態は、第1実施形態に係る情報処理装置1及び情報処理方法と同様であるが、構成が一部異なっている。以下、第1実施形態との相違点のみを説明する。
まず、第1実施形態では情報処理装置1を示していた。しかし、情報処理装置1に限らず、第1実施形態に係る情報処理装置1の各機能を、マウス操作を受け付ける操作装置と、操作装置と通信接続されて操作装置により受け付けられた操作内容に応じて表示画像を変化させる処理装置とに分けて構成してもよい。
図12は、第3実施形態に係る情報処理システム100を示す構成図である。図12に示すように、情報処理システム100は、操作装置の一例としてのPC4と、処理装置としてのMFP5と、これらを通信接続するためのLAN6とから構成されている。
また、第3実施形態においてPC4はマウス制御部11を備えており、MFP5は、操作制御部12を備えている。マウス制御部11からのイベント情報は、LAN6を通じてMFP5に送信され、MFP5のタッチパネル60にイベントに応じた表示が行われる。さらに、MFP5の操作制御部12は、PC4に対してイベントに応じた表示内容を送信し、PC4は、画面上に受信した内容を表示する。
これにより、PC4の画面においてリスト表示画像が段階的にスクロール表示されたり、数値入力画像が非段階的に加減算されたりすることとなる。
このようにして、第3実施形態に係る情報処理システム100及び情報処理方法によれば、第1及び第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明に係る画像形成装置、画像形成装置及び画像形成システムを実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
例えば、上記実施形態ではリスト表示画像、及び数値入力画像においてブースター機能を利用する例を説明したが、これに限らず、例えば画像を拡大及び縮小可能な編集画像においてブースター機能を利用してもよい。この場合、画像拡大時には段階的に拡大させ、縮小時には非段階的に縮小させるとよい。一気に画像を拡大させてしまうと画像が大きくなり過ぎてユーザが画像を認識できなくってしまうことがあり、縮小時にはユーザが予め縮小の目標を定めていることが多いからである。
また、上記実施形態においてリスト表示画像はジョブリストに限らず、紙種設定画像における紙種リストや、プルダウンにおける選択項目リストも該当する。