JP6010803B2 - 時刻同期システム、時刻同期方法、スレーブノード及びコンピュータプログラム - Google Patents

時刻同期システム、時刻同期方法、スレーブノード及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、時刻同期の技術に関する。
従来、ネットワーク接続された複数の機器の時刻をマイクロ秒以下の精度で同期させる技術として、IEEE1588で定義されたPTP(Precision Time Protocol)が知られている(例えば、非特許文献1参照)。PTPでは、マスターノードとスレーブノードとの間で時刻情報を含むメッセージが定期的に交換される。スレーブノードは、マスターノード及びスレーブノードにおけるメッセージが送受信された時刻情報から、マスターノードに対するスレーブノードの時刻のずれ(Offset)を計算する。そして、スレーブノードは、計算したOffsetに基づいてスレーブノードの時刻を補正して、スレーブノードの時刻をマスターノードの時刻に同期させる。
上述したPTPによる時刻同期化の動作では、スレーブノードの時刻が補正された時点においてはマスターノードの時刻とスレーブノードの時刻とが一致(同期)する。しかし、非特許文献1では、マスターノードの時刻とスレーブノードの時刻との間に時刻差が発生する要因であるクロックの周波数補正を行っていない。そのため、スレーブノードの時刻補正後、時間の経過とともに、マスターノードの時刻とスレーブノードの時刻との間の時刻差が再び大きくなってしまうおそれがあった。このような問題に対して特許文献1のような技術が提案されている。特許文献1の技術では、スレーブノードの時刻補正及びクロックの周波数補正を繰り返し実行することによって継続的にスレーブノードの時刻をマスターノードの時刻に同期させることができる。
特開2010−197320号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、スレーブノードの時刻を補正する必要が無い場合であってもスレーブノードの時刻補正及び周波数補正が行われる。例えば、スレーブノードの時刻補正が行われ、マスターノードの時刻とスレーブノードの時刻とが同期している場合、マスターノードとスレーブノードとの周波数同期が行われると、マスターノードの時刻及びスレーブノードの時刻の進み方は一定になる。したがって、スレーブノードの時刻を継続的に補正する必要が無い。しかし、特許文献1の技術では、スレーブノードの時刻補正及び周波数補正が継続的に行われ、不要な補正処理が行われてしまう。そのため、スレーブノードの処理に影響を及ぼしてしまうおそれがあった。
上記事情に鑑み、本発明は、不要な時刻補正処理を抑えつつ、時刻同期の精度を向上させる技術の提供を目的としている。
本発明の一態様は、双方向通信を行うマスターノードとスレーブノードとを備え、前記スレーブノードにおける時刻を前記マスターノードにおける時刻に同期させる時刻同期システムであって、前記マスターノードは、前記スレーブノードと制御メッセージの送受信を行う通信部を備え、前記スレーブノードは、前記マスターノードと制御メッセージの送受信を行う通信部と、前記通信部が受信した前記制御メッセージを蓄積するバッファと、前記バッファのメモリ量の変化量が閾値より大きい場合に自装置の時刻を補正し、前記バッファのメモリ量の変化量が閾値以下の場合に自装置の時刻を補正しない時刻補正部と、を備える時刻同期システムである。
本発明の一態様は、上記の時刻同期システムであって、前記バッファのメモリ量の変化量が閾値より大きいか否かを監視する周波数同期監視部を更に備え、前記時刻補正部は、前記周波数同期監視部によって前記バッファのメモリ量の変化量が閾値より大きいと判定された場合に自装置の時刻を補正する。
本発明の一態様は、双方向通信を行うマスターノードとスレーブノードとを備え、前記スレーブノードにおける時刻を前記マスターノードにおける時刻に同期させる時刻同期システムが行う時刻同期方法であって、前記マスターノードが、前記スレーブノードと制御メッセージの送受信を行う通信ステップと、前記スレーブノードが、前記マスターノードと制御メッセージの送受信を行う通信ステップと、前記通信ステップによって受信された前記制御メッセージをバッファに蓄積する記憶ステップと、前記バッファのメモリ量の変化量が閾値より大きい場合に自装置の時刻を補正し、前記バッファのメモリ量の変化量が閾値以下の場合に自装置の時刻を補正しない時刻補正ステップと、を有する時刻同期方法である。
本発明の一態様は、マスターノードに対して時刻同期を行うスレーブノードであって、前記マスターノードと制御メッセージの送受信を行う通信部と、前記通信部が受信した前記制御メッセージを蓄積するバッファと、前記バッファのメモリ量の変化量が閾値より大きい場合に自装置の時刻を補正し、前記バッファのメモリ量の変化量が閾値以下の場合に自装置の時刻を補正しない時刻補正部と、を備えるスレーブノードである。
本発明の一態様は、双方向通信を行うマスターノードとスレーブノードとを備え、前記スレーブノードにおける時刻を前記マスターノードにおける時刻に同期させる時刻同期システムとして、前記マスターノードに相当する第一のコンピュータ及び前記スレーブノードに相当する第二のコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記第一のコンピュータに対し、前記スレーブノードと制御メッセージの送受信を行う通信ステップを実行させ、前記第二のコンピュータに対し、前記マスターノードと制御メッセージの送受信を行う通信ステップと、前記通信ステップによって受信された前記制御メッセージをバッファに蓄積する記憶ステップと、前記バッファのメモリ量の変化量が閾値より大きい場合に自装置の時刻を補正し、前記バッファのメモリ量の変化量が閾値以下の場合に自装置の時刻を補正しない時刻補正ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
本発明により、不要な補正処理を抑えつつ、時刻同期の精度を向上させることが可能となる。
IEEE1588の時刻同期アルゴリズムによる通信シーケンスの動作を表すシーケンス図である。 マスターノード10及びスレーブノード20の機能構成を表す概略ブロック図である。 本実施形態におけるスレーブノード20による時刻同期処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
まず、図1を用いてIEEE1588の時刻同期アルゴリズムについて説明する。図1は、IEEE1588の時刻同期アルゴリズムによる通信シーケンスの動作を表すシーケンス図である。図1では、マスターノード10とスレーブノード20とが双方向通信を行っており、スレーブノード20が定期的にマスターノード10の時刻にスレーブノード20の時刻を同期させる。
マスターノード10は、スレーブノード20に対して、定期的にSyncメッセージを送信する(ステップS100)。マスターノード10は、Syncメッセージの送信時刻(以下、「Sync送信時刻」という。)Tm(0)を記録する(ステップS101)。次に、マスターノード10は、スレーブノード20に対して、Follow_upメッセージを送信する(ステップS102)。この際、マスターノード10は、Follow_upメッセージの中に、Sync送信時刻Tm(0)を格納する。
スレーブノード20は、Syncメッセージを受信すると、この受信処理をトリガとしてSyncメッセージの受信時刻(以下、「Sync受信時刻」という。)Ts(0)を記録する(ステップS103)。次に、スレーブノード20はFollow_upメッセージを受信し、Follow_upメッセージ中に格納されるSync送信時刻Tm(0)を抽出し記録する。次に、スレーブノード20は、マスターノード10に対して、Delay_Requestメッセージを送信する(ステップS104)。そして、スレーブノード20は、Delay_Requestメッセージの送信時刻(以下、「Delay送信時刻」という。)Ts(1)を記録する(ステップS105)。
マスターノード10は、Delay_Requestメッセージを受信すると、この受信処理をトリガとしてDelay_Requestメッセージの受信時刻(以下、「Delay受信時刻」という。)Tm(1)を記録する(ステップS106)。次に、マスターノード10は、スレーブノード20に対してDelay_Responseメッセージを送信する(ステップS107)。この際、マスターノード10は、Delay_Responseメッセージの中に、Delay受信時刻Tm(1)を格納する。
スレーブノード20は、Delay_Responseメッセージを受信すると、Delay_Responseメッセージ中に格納されるDelay受信時刻Tm(1)を抽出し記録する。
スレーブノード20は、Sync送信時刻Tm(0)、Sync受信時刻Ts(0)に基づいて、以下の式1によってマスターノード10における時刻(以下、「マスター時刻」という。)とスレーブノード20における時刻(以下、「スレーブ時刻」という。)との差分MS_Diffを算出する。
Figure 0006010803
また、スレーブノード20は、Delay送信時刻Ts(1)、Delay受信時刻Tm(1)に基づいて、以下の式2によってスレーブ時刻とマスター時刻との差分SM_Diffを求める。
Figure 0006010803
式1のMS_Delayはマスターノード10からスレーブノード20への伝送遅延を表し、式2のSM_Delayはスレーブノード20からマスターノード10への伝送遅延を表し、式1及び式2のOffsetはマスターノード10に対するスレーブノード20の時刻オフセット(進み)を表す。なお、伝送遅延MS_Delay及びSM_Delayは、マスターノード10とスレーブノード20との間の伝播遅延と、マスターノード10とスレーブノード20との間のネットワーク上の中継ノードで生じるキューイング遅延から構成される。
以上のように、マスターノード10に対するスレーブノード20の時刻のずれであるOffsetに関して、式1及び式2の二つの式が得られる。しかし、この二つの式には、Offsetの他にMS_Delay及びSM_Delayという未知のパラメータが含まれている。したがって、三つの未知のパラメータに対し二つの式しか存在しないため、Offsetを算出することができない。そのため、IEEE1588では、マスターノード10からスレーブノード20への伝送遅延MS_Delayと、スレーブノード20からマスターノード10への伝送遅延SM_Delayとが等しく、いずれの値もDelayであると仮定して、上記の式1及び式2を以下の式3及び式4に変形する。
Figure 0006010803
Figure 0006010803
式3及び式4の連立方程式を解くことによって、以下の式5が導出される。
Figure 0006010803
スレーブノード20は、導出された式5に基づいてOffsetを算出する。スレーブノード20は、算出したOffsetに基づいてスレーブ時刻を補正することによって、スレーブ時刻をマスター時刻に同期させる。以上が、IEEE1588に規定される時刻同期アルゴリズムである。
図2は、マスターノード10及びスレーブノード20の機能構成を表す概略ブロック図である。まず、マスターノード10の機能構成を説明する。
マスターノード10は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、時刻同期用プログラムを実行する。時刻同期用プログラムの実行によって、マスターノード10は、マスタークロック生成部11、時計部12、パケット生成部13、通信部14を備える装置として機能する。なお、マスターノード10の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。また、時刻同期用プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、時刻同期用プログラムは、電気通信回線を介して送受信されても良い。
マスタークロック生成部11は、例えば、VCXO(Voltage controlled xtal oscillators)等の電圧可変型の水晶発振器等を用いて構成される。また、マスタークロック生成部11は、マスタークロックを生成する。具体的には、マスタークロック生成部11は、マスターノード10における1秒の時間幅を決定する。なお、マスタークロック生成部11は、マスターノード10の外部に存在しても良い。
時計部12は、マスタークロック生成部11が生成したマスタークロックに従い、マスター時刻を決定する。具体的には、時計部12は、マスターノード10において何時何分何秒であるかを決める。時計部12は、マスター時刻の時刻情報をパケット生成部13に出力する。
パケット生成部13は、PTPメッセージを生成する。PTPメッセージ(制御メッセージ)とは、具体的には、Syncメッセージ、Follow_upメッセージ、Delay_Responseメッセージである。Syncメッセージは、時刻同期化の動作を開始するために送信されるメッセージである。Follow_upメッセージは、Syncメッセージが送信された後に、Sync送信時刻Tm(0)の時刻情報を通知するために送信されるメッセージである。Delay_Responseメッセージは、マスターノード10がスレーブノード20から送信されるPTPメッセージに応答するために送信されるメッセージである。
パケット生成部13は、定期的に通信部14を介してSyncメッセージをスレーブノード20に送信し、同時に時計部12を参照してSync送信時刻Tm(0)を記録する。また、パケット生成部13は、Syncメッセージ送信後に、Sync送信時刻Tm(0)を格納したFollow_upメッセージを生成する。パケット生成部13は、通信部14を介してスレーブノード20にFollow_upメッセージを送信する。
また、パケット生成部13は、通信部14によって受信されるDelay_Requestメッセージの受信時刻(Delay受信時刻)Tm(1)を格納したDelay_Responseメッセージを生成する。パケット生成部13は、通信部14を介してスレーブノード20にDelay_Responseメッセージを送信する。
通信部14は、スレーブノード20との間で通信を行う。例えば、通信部14は、スレーブノード20からDelay_Requestメッセージを受信し、パケット生成部13に転送する。また、通信部14は、Syncメッセージ、Follow_upメッセージ、Delay_Responseメッセージをスレーブノード20に送信する。
次に、スレーブノード20の機能構成を説明する。
スレーブノード20は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、時刻同期用プログラムを実行する。時刻同期用プログラムの実行によって、スレーブノード20は、通信部21、制御部22、PLL(Phase Lock Loop)部23、時計部24、バッファメモリ25、周波数同期監視部26、演算部27、時刻補正部28を備える装置として機能する。また、PLL部23は、位相比較器30、LPF(Low-pass filter)31、PI(Proportional Integral)制御器32、VCO(voltage controlled oscillator)33、カウンタ34として機能する。なお、スレーブノード20の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。また、時刻同期用プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、時刻同期用プログラムは、電気通信回線を介して送受信されても良い。
通信部21は、マスターノード10との間で通信を行う。例えば、通信部21は、マスターノード10からSyncメッセージ、Follow_upメッセージ、Delay_Responseメッセージを受信し、バッファメモリ25に転送する。また、通信部21は、Delay_Requestメッセージをマスターノード10に送信する。
制御部22は、スレーブノード20の各機能部を制御する。また、制御部22は、Delay_Requestメッセージ(制御メッセージ)を生成し、バッファメモリ25及び通信部21を介してマスターノード10にDelay_Requestメッセージを送信する。この際、制御部22は、時計部24を参照してDelay送信時刻Ts(1)を記録する。Delay_Requestメッセージは、通信部21がマスターノード10から送信されるFollow_upメッセージを受信した後に、マスターノード10にDelay_Responseメッセージを要求するために送信されるメッセージである。
また、制御部22は、バッファメモリ25からSyncメッセージが転送された際に時計部24を参照してSync受信時刻Ts(0)を記録する。また、制御部22は、転送されたSyncメッセージをPLL部23に出力する。また、制御部22は、Follow_upメッセージ中に格納されているSync送信時刻Tm(0)を抽出し記録する。また、制御部22は、Delay_Responseメッセージ中に格納されているDelay受信時刻Tm(1)を抽出し記録する。その後、制御部22は、各時刻情報(Sync送信時刻Tm(0)、Sync受信時刻Ts(0)、Delay送信時刻Ts(1)、Delay受信時刻Tm(1))を演算部27に出力する。
PLL部23は、マスターノード10から送信されたSyncメッセージのパケットに基づいてスレーブクロックを生成する。以下、PLL部23の具体的な構成例について説明する。
位相比較器30は、制御部22から出力されたSyncメッセージパケットに格納される受信タイムスタンプと、カウンタ34で生成されるタイムスタンプとの差分信号を計算する。そして、位相比較器30は、計算結果を表す差分信号をLPF31に出力する。
LPF31は、位相比較器30から出力された差分信号を平準化し、ジッタやノイズを抑圧し、PI制御器32に出力する。
PI制御器32は、平準化された差分信号が最終的にゼロとなるような制御信号を生成し、VCO33に出力する。
VCO33は、PI制御器32から出力された制御信号によって決定される周波数のクロック(スレーブクロック)を生成し、カウンタ34に出力する。
カウンタ34は、VCO33によって生成されたスレーブクロックを元にタイムスタンプを生成し、位相比較器30に転送する。
以上説明したPLL部23の動作によって、VCO33によって生成されるスレーブノード20のスレーブクロックは、マスターノード10のマスタークロックに同期される。なお、上述したPLL部23の構成は一例に過ぎない。即ち、PLL部23は、自身のクロックから生成するタイムスタンプとマスターノード10から受信したタイムスタンプとの差分を計算し、計算された差分を元に自身のクロックを調整できる構成であれば、どのような構成であっても良い。
時計部24は、VCO33によって生成されるスレーブクロックに従い、スレーブノード20のスレーブ時刻を決定する。具体的には、時計部24は、スレーブノード20において何時何分何秒であるかを決める。時計部24は、スレーブ時刻の時刻情報を制御部22に出力する。
バッファメモリ25は、通信部21から受信パケット(Syncメッセージ、Follow_upメッセージ、Delay_Responseメッセージの各パケット)が転送されると、受信パケットを蓄積する。バッファメモリ25は、蓄積された受信パケットを、所定のタイミングで制御部22へ転送する。また、バッファメモリ25は、制御部22から送信パケット(delay_Requestメッセージのパケット)が転送されると、送信パケットを蓄積する。バッファメモリ25は、蓄積された送信パケットを、所定のタイミングで通信部21へ転送する。マスターノード10とスレーブノード20とが周波数同期している場合、バッファメモリ25に受信パケットが蓄積されるタイミングと、バッファメモリ25から受信パケットが転送されるタイミングとが略一致する。そのため、バッファメモリ25において受信パケットが占めるメモリ量は一定となる。
周波数同期監視部26は、バッファメモリ25を参照することによってバッファメモリ25のメモリ量に変化があったか否かを監視する。周波数同期監視部26が監視するメモリ量とは、受信パケットのバッファリングに使用されている容量である。変化があったか否かは、例えば予め設定されている閾値を用いて判断されても良い。すなわち、周波数同期監視部26は、メモリ量の変化量が閾値を超えた場合に、メモリ量に変化があったと判断しても良い。
バッファメモリ25のメモリ量に変化があった場合、周波数同期監視部26は時計部24のスレーブ時刻を補正するように演算部27に指示する。一方、バッファメモリ25のメモリ量に変化がなかった場合、周波数同期監視部26は時計部24のスレーブ時刻の補正は必要ないと判定する。
演算部27は、周波数同期監視部26からの指示に基づいてOffsetを算出する。例えば、演算部27は、制御部22から出力された各時刻情報を用いてOffsetを算出する。
時刻補正部28は、演算部27が算出したOffsetの値を用いて時計部24のスレーブ時刻を補正する。時刻補正部28のこの処理によって、スレーブノード20の時計部24のスレーブ時刻は、マスターノード10の時計部12のマスター時刻に同期する。
図3は、本実施形態におけるスレーブノード20による時刻同期処理の流れを示すフローチャートである。
スレーブノード20の通信部21は、マスターノード10から送信されるSyncメッセージを受信する(ステップS201)。具体的には、通信部21は、マスターノード10からSyncメッセージを受信し、受信したSyncメッセージをバッファメモリ25に転送する。制御部22は、バッファメモリ25からSyncメッセージを受けると、時計部24を参照してSync受信時刻Ts(0)を記録する。
次に、通信部21は、マスターノード10から送信されるFollow_upメッセージを受信する(ステップS202)。具体的には、通信部21は、マスターノード10からFollow_upメッセージを受信し、受信したFollow_upメッセージを制御部22に転送する。制御部22は、Follow_upメッセージ中に格納されているSync送信時刻Tm(0)を抽出し記録する。
制御部22は、Delay_Requestメッセージを生成し、通信部21を介してマスターノード10にDelay_Requestメッセージを送信する(ステップS203)。この際、制御部22は、時計部24を参照してDelay送信時刻Ts(1)を記録する(ステップS204)。その後、通信部21は、マスターノード10から送信されるDelay_Responseメッセージを受信する(ステップS205)。
具体的には、通信部21は、マスターノード10からDelay_Responseメッセージ受信し、受信したDelay_Responseメッセージを制御部22に転送する。制御部22は、Delay_Responseメッセージ中に格納されているDelay受信時刻Tm(1)を抽出し記録する。制御部22は、記録している各時刻情報(Sync送信時刻Tm(0)、Sync受信時刻Ts(0)、Delay送信時刻Ts(1)、Delay受信時刻Tm(1))を演算部27に出力する。
周波数同期監視部26は、バッファメモリ25のメモリ量に変化があったか否かを判定する(ステップS206)。バッファメモリ25のメモリ量に変化があった場合(ステップS206−YES)、周波数同期監視部26は時計部24のスレーブ時刻の補正が必要であると判定する。その後、周波数同期監視部26は、時計部24のスレーブ時刻を補正するように演算部27に指示する。
演算部27は、制御部22から出力された各時刻情報を用いてOffsetを算出する(ステップS207)。演算部27は、算出したOffsetを時刻補正部28に出力する。
時刻補正部28は、演算部27が出力したOffsetの値を用いて時計部24のスレーブ時刻を補正する。具体的には、以下のように時計部24のスレーブ時刻を補正する。補正前の時計部24のスレーブ時刻は、マスターノード10の時計部12のマスター時刻にOffsetの値が加わった時刻である。そのため、時刻補正部28は、補正前の時計部24のスレーブ時刻を、Offsetの値だけ減算した時刻となるように補正する(ステップS208)。その後、図4の処理が終了する。
また、バッファメモリ25のメモリ量に変化がなかった場合(ステップS206−NO)、周波数同期監視部26は時計部24のスレーブ時刻の補正が必要ないと判定し、処理を終了する。
以上のように構成されたスレーブノード20によれば、バッファメモリ25のメモリ量に基づいてマスターノード10とスレーブノード20との周波数同期の同期はずれが起こったか否かを判定する。そして、マスターノード10とスレーブノード20との間で周波数の同期はずれが起こった場合にのみスレーブノード20のスレーブ時刻の補正が行われる。即ち、マスターノード10とスレーブノード20とが周波数同期している場合には、スレーブノード20のスレーブ時刻の補正が行われない。そのため、不要な補正処理を抑えつつ、時刻同期の精度を向上することが可能となる。
<変形例>
一台のマスターノード10に対してスレーブノード20が複数台で接続して構成されても良い。
また、本実施例では、マスターノード10とスレーブノード20との間で送受信されるメッセージとしてPTPメッセージを示したが、これに限定される必要はない。例えば、NTP(Network Time Protocol)メッセージやSNTP(Simple Network Time Protocol)メッセージなどのメッセージが用いられても良いし、その他のメッセージが用いられても良い。
また、スレーブノード20の周波数同期の方法は、上記の方法に限定される必要はない。例えば、スレーブノード20は、外部から入力される信号に基づいて周波数同期を行っても良い。外部から入力される信号の具体例として、GPS(Global Positioning System)信号や周波数網の主発信機から供給される信号などがある。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
10…マスターノード, 20…スレーブノード, 11…マスタークロック生成部, 12…時計部, 13…パケット生成部, 14…通信部, 21…通信部, 22…制御部, 23…PLL部, 24…時計部, 25…バッファメモリ(バッファ), 26…周波数同期監視部, 27…演算部, 28…時刻補正部, 30…位相比較器, 31…LPF, 32…PI制御器, 33…VCO, 34…カウンタ

Claims (5)

  1. 双方向通信を行うマスターノードとスレーブノードとを備え、前記スレーブノードにおける時刻を前記マスターノードにおける時刻に同期させる時刻同期システムであって、
    前記マスターノードは、
    前記スレーブノードと制御メッセージの送受信を行う通信部を備え、
    前記スレーブノードは、
    前記マスターノードと制御メッセージの送受信を行う通信部と、
    前記通信部が受信した前記制御メッセージを蓄積するバッファと、
    前記バッファのメモリ量の変化量が閾値より大きい場合に自装置の時刻を補正し、前記バッファのメモリ量の変化量が閾値以下の場合に自装置の時刻を補正しない時刻補正部と、
    を備える時刻同期システム。
  2. 前記バッファのメモリ量の変化量が閾値より大きいか否かを監視する周波数同期監視部を更に備え、
    前記時刻補正部は、前記周波数同期監視部によって前記バッファのメモリ量の変化量が閾値より大きいと判定された場合に自装置の時刻を補正する請求項1に記載の時刻同期システム。
  3. 双方向通信を行うマスターノードとスレーブノードとを備え、前記スレーブノードにおける時刻を前記マスターノードにおける時刻に同期させる時刻同期システムが行う時刻同期方法であって、
    前記マスターノードが、
    前記スレーブノードと制御メッセージの送受信を行う通信ステップと、
    前記スレーブノードが、
    前記マスターノードと制御メッセージの送受信を行う通信ステップと、
    前記通信ステップによって受信された前記制御メッセージをバッファに蓄積する記憶ステップと、
    前記バッファのメモリ量の変化量が閾値より大きい場合に自装置の時刻を補正し、前記バッファのメモリ量の変化量が閾値以下の場合に自装置の時刻を補正しない時刻補正ステップと、
    を有する時刻同期方法。
  4. マスターノードに対して時刻同期を行うスレーブノードであって、
    前記マスターノードと制御メッセージの送受信を行う通信部と、
    前記通信部が受信した前記制御メッセージを蓄積するバッファと、
    前記バッファのメモリ量の変化量が閾値より大きい場合に自装置の時刻を補正し、前記バッファのメモリ量の変化量が閾値以下の場合に自装置の時刻を補正しない時刻補正部と、
    を備えるスレーブノード。
  5. 双方向通信を行うマスターノードとスレーブノードとを備え、前記スレーブノードにおける時刻を前記マスターノードにおける時刻に同期させる時刻同期システムとして、前記マスターノードに相当する第一のコンピュータ及び前記スレーブノードに相当する第二のコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記第一のコンピュータに対し、
    前記スレーブノードと制御メッセージの送受信を行う通信ステップを実行させ、
    前記第二のコンピュータに対し、
    前記マスターノードと制御メッセージの送受信を行う通信ステップと、
    前記通信ステップによって受信された前記制御メッセージをバッファに蓄積する記憶ステップと、
    前記バッファのメモリ量の変化量が閾値より大きい場合に自装置の時刻を補正し、前記バッファのメモリ量の変化量が閾値以下の場合に自装置の時刻を補正しない時刻補正ステップと、
    を実行させるためのコンピュータプログラム。
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