(太陽電池モジュールの説明)
以下本発明の第1の実施形態に係る太陽電池製造用のストリング装置について説明する。まず、太陽電池モジュールについて説明する。
図1は太陽電池モジュール(太陽電池パネル)10の一例を示す概要図で、当該太陽電池モジュール10は、XY平面に配列され、直列に電気的接続された複数(X方向にXm個、X方向に対して直交するY方向にYn列)の太陽電池セル11から構成されている。図1においては、理解しやすいように、Xmを4個、Ynを4列とした合計16個の太陽電池セル11によって、太陽電池モジュール10を構成した例で示している。
X方向に隣接する太陽電池セル11は、導電部材としてのインターコネクタ12を介して電気的に接続されている。インターコネクタ12は、X方向に隣合う2つの太陽電池セル11に跨る長さを有した直線状をなすもので、図2及び図3に示すように、その長手方向の右端(前半部)が、太陽電池セル11の下面(受光面)に形成されたマイナス側電極、あるいは上面(裏面)に形成されたプラス側電極に接合され、長手方向の左端(後半部)が、太陽電池セル11の上面に形成されたプラス側電極、あるいは下面に形成されたマイナス側電極に接合されている。
X方向の両端に配列された太陽電池セル11には、2つの太陽電池セル11に跨る長さのインターコネクタ12より長さの短いインターコネクタ12aが、太陽電池セル11の下面(マイナス側電極)もしくは上面(プラス側電極)に接合されている。これら長さの短いインターコネクタ12aの各一端は、太陽電池セル11の両端より僅かに突出されている。
これによって、X方向に配列された所要個数Xmの太陽電池セル11が電気的に直列接続され、ストリング配線された太陽電池セル群110A、110Bが構成される。そして、当該太陽電池セル群110A、110BがY方向に所要列数Yn配列され、長さの短いインターコネクタ12a同士がマトリックス配線されることにより、太陽電池モジュール10が構成される。
この際、図1の上から奇数列目の太陽電池セル群110Aは、長さの短いインターコネクタ12aの各一端が、図2に示すように、左右端の太陽電池セル11の上面及び下面より僅かに突出されているのに対し、図1の上から偶数列目の太陽電池セル群110Bは、長さの短いインターコネクタ12aの各一端が、左右端の太陽電池セル11の下面及び上面より僅かに突出されている。
このように、太陽電池モジュール10は、インターコネクタ12の接合構造を異にした2種類の太陽電池セル群110A、110B(以下、第1の太陽電池セル群110A、第2の太陽電池セル群110Bという)からなり、これら第1及び第2の太陽電池セル群110A、110BがY方向に交互に配置されて構成される。
そして、奇数列目の第1の太陽電池セル群110Aの両端部より突出されたインターコネクタ12aの各一端と、偶数列目の第2の太陽電池セル群110Bの両端部より突出されたインターコネクタ12aの各一端が、導電部材としてのバスメタル14よって図1に示すように互いに接合されることにより、太陽電池モジュール10を構成するすべての太陽電池セル11が直列に接続される。
なお、一般に太陽電池モジュール10は、受光面(マイナス側電極)に透明な強化ガラスからなるカバーガラスが配置され、裏面(プラス側電極)に耐候性に優れたバックシートが配置され、これらカバーガラスとバックシートとの間に、複数の太陽電池セル11がEVA等の樹脂で封止されて完成品とされるが、以下に述べる実施の形態においては、説明の便宜上、カバーガラス上に配列されたXm×Yn個の太陽電池セル11を、太陽電池モジュール10と称する。
(太陽電池製造装置の概要の説明)
次に、上記した構成の太陽電池モジュール10を製造する製造装置の具体的な構成について説明する。当該製造装置は、図4に示すように、X方向に沿って配設されたストリング装置(ストリング配線工程)21と、レイアップ装置(レイアップ工程)22と、マトリックス配線装置(マトリックス配線工程)23を備えている。レイアップ装置22とマトリックス配線装置23は搬送コンベア25によって連接され、マトリックス配線装置23によってマトリックス配線された太陽電池モジュール10は、搬出コンベア26によって次工程に搬送される。
(ストリング装置の説明)
ストリング装置21は、第1及び第2の太陽電池セル群110A、110Bをストリング配線するために、インターコネクタ12を供給する2組のコネクタ供給ユニット(導電部材供給ユニット)31A、31Bと、太陽電池セル11を供給する2組のセル供給ユニット32A、32Bと、太陽電池セル11にインターコネクタ12を接合する2組の接合ユニット33A、33Bと、インターコネクタ12を接合した太陽電池セル11を搬送する2列のセル搬送ユニット34A、34Bによって、主として構成され、これら2組(2列)のユニットはそれぞれ並設されている。
これら、コネクタ供給ユニット31A、31B、セル供給ユニット32A、32B、接合ユニット33A、33B、セル搬送ユニット34A、34Bは、共通の本体部35に配設されている。なお、本体部35は、台状又は箱状である。以下においては、第1の太陽電池セル群110Aを製造する各ユニットを第1のユニットと称し、第2の太陽電池セル群110Bを製造する各ユニットを第2のユニットと称して区別することにする。
また、ストリング装置21は、後で詳細に説明する、メインコントローラ601及び表示操作部701を備えている。
第1のコネクタ供給ユニット31Aは、図5に示すように、インターコネクタ12を巻付けたY方向に離間した複数列(実施の形態においては、2列)のボビン41と、ボビン41に巻かれたインターコネクタ12の各一端をクランプしてX方向に引き出す引き出し手段42と、引き出し手段42によって所定位置に引き出されたインターコネクタ12を所定長さに切断する上下移動可能なカッター43を備えている。
引き出し手段42は、X方向に沿って形成されたガイドレール44に移動可能に支持された移動台45を有しており、移動台45はモータ46によって回転駆動される第1のボールねじ軸47の回転によって、ガイドレール44に沿ってX方向に所定量移動されるようになっている。
移動台45には、第2のボールねじ軸48が第1のボールねじ軸47と平行な軸線の回りに回転可能に支持され、第2のボールねじ軸48は、移動台45に設置されたモータ49によって回転駆動されるようになっている。また、移動台45には、インターコネクタ12をガイドするための移動ガイド50が固定されている。
引き出し手段42には、ボビン41より引き出されたインターコネクタ12をクランプする第1および第2のクランパ51、52が設けられ、第1および第2のクランパ51、52は、図略のアクチュエータの作動によってインターコネクタ12をクランプ、アンクランプできるようになっている。第1のクランパ51は、カッター43より下流側の位置に配置され、第2のクランパ52は、カッター43の上流側の位置に配置されている。
第1のクランパ51は第2のボールねじ軸48にねじ係合され、インターコネクタ12の端部をクランプしてX方向に所定量移動できるようになっている。一方、第2のクランパ52は、図示しないシリンダによってX方向に所定量進退されるようになっており、インターコネクタ12を所定長さに切断する際に、切断されるインターコネクタ12の根元部分をクランプするようになっている。
ボビン41より引き出されたインターコネクタ12は、複数のガイドローラ55にガイドされながら引き出される。複数のガイドローラ55の間の下方位置には、係合ローラ56が上下動可能な昇降部材57に軸支されており、この係合ローラ56にインターコネクタ12が掛け渡されてU字状に屈曲され、固定の第2のクランパ52に導かれるようになっている。
係合ローラ56の下流側のガイドローラ(下流側ガイドローラ)55は、太陽電池セル11に接合する複数のインターコネクタ12に共通であり、その外表面には複数種類の太陽電池セル11におけるインターコネクタ12のY方向の接合位置に合わせた多数の溝が設けられている。これによって、ボビン41からインターコネクタ12が引き出される際に、ボビン41からの引き出し位置がY方向に移動しても、下流側ガイドローラに引き回された時点で必ずインターコネクタ12のY方向の接合間隔に合うことになる。さらに、予め複数種類の太陽電池セル11の各インターコネクタ12のY方向の接合間隔に合わせた溝が設けられているので、異なる太陽電池セル11への生産変更が容易となる。また、インターコネクタ12は下流側ガイドローラ55によって、ボビン41による巻癖の方向とは反対方向に鋭角に引き出されるようになっている。
昇降部材57にはテンションシリンダ58のピストンロッド58aが連結され、テンションシリンダ58は昇降部材57を介してインターコネクタ12を、インターコネクタ12の破断力よりも小さな引張力で牽引するようになっている。テンションシリンダ58は、インターコネクタ12の種別(破断力)に応じて、引張力を変更可能となっている。
第1のコネクタ供給ユニット31Aのボビン41より引き出されたインターコネクタ12を、所定長さに切断し、第1の接合ユニット33Aの下部ホットプレート81(図10参照)に載置された太陽電池セル11上に供給する手順を図6に示す。まず、移動ガイド50及び第1のクランパ51が、第2のクランパ52とカッター43との間に位置決めされている図6(A)に示す原位置状態において、第1のクランパ51によってインターコネクタ12の先端部をクランプする。その状態で、第1のモータ46によって第2のボールねじ軸47を所定量回転させ、図6(B)に示すように、インターコネクタ12をクランプした第1のクランパ51及び移動ガイド50をカッター43より前方の位置に移動させる。
続いて、第2のモータ49によって第2のボールねじ軸48を所定量回転させ、図6(C)に示すように、インターコネクタ12を所定量引き出す。しかる後、カッター43を下降させてインターコネクタ12を所定長さに切断する。
次いで、第1のモータ46による第1のボールねじ軸47の回転によって、移動台45を所定量移動させることにより、移動ガイド50を介して、インターコネクタ12をクランプした第1のクランパ51が、移動台45と一体的に移動される(図6(D)参照)。これによって、第1のクランパ51が下部ホットプレート81上まで移動され、これにクランプされた所定長さのインターコネクタ12が、下部ホットプレート81に載置された太陽電池セル11上に供給される。
その後、第1のクランパ51がアンクランプされて、第1及び第2のモータ46、49によって移動台45とともに、第1のクランパ51が原位置に復帰される(図6(A)参照)ことにより、インターコネクタ12が太陽電池セル11上に重合される。
ところで、第1のクランパ51によってクランプしたインターコネクタ12を第2のモータ49によって引き出す際に、その移動加速度を適切に設定(例えば、1G)することにより、インターコネクタ12をテンションシリンダ58の引張力に抗して牽引することができる。これによって、ボビン41に巻かれて巻癖が付いたインターコネクタ12の巻癖を除去し、直線状に矯正できるようになる。この際、インターコネクタ12は、破断力よりも小さな引張力で牽引されているので、インターコネクタ12に作用する引張力が大きくなると、昇降部材57が上昇されるため、インターコネクタ12に過度の引張力を作用させることなく、巻癖の除去が可能となる。
第2のコネクタ供給ユニット31Bも、上記した第1のコネクタ供給ユニット31Aと同様に構成されており、ボビン41より引き出されたインターコネクタ12を、巻癖を除去しながら所定長さに切断し、第2の接合ユニット33Bの下部ホットプレート81(図10参照)に載置された太陽電池セル11上に供給するようになっている。
第1のセル供給ユニット32Aは、太陽電池セル11を、受光面を下向きにしてY方向に搬送し、第1の接合ユニット33Aに供給するものであり、第2のセル供給ユニット32Bは、太陽電池セル11を、受光面を上向きにしてY方向に搬送し、第2の接合ユニット33Bに供給するものである。
第1のセル供給ユニット32Aには、図7及び図8に示すように、多数の太陽電池セル11を、受光面を下向きにして積層したカセット61を供給するセル供給ステーション62と、カセット61に積層された最上位の太陽電池セル11を常に一定の高さ位置に保持するセルリフターステーション63と、太陽電池セル11の欠けや割れを検査するセル検査ステーション64と、太陽電池セル11の傾きを矯正する傾き矯正ステーション65と、太陽電池セル11を受け渡すセル受渡しステーション66が、Y方向に一定の間隔を有して配設されている。
セル供給ステーション62に供給されたカセット61は、手動操作もしくは自動的にセルリフターステーション63のリフター63a上に送り込まれ、リフター63aによって、カセット61に積層された最上位の太陽電池セル11を常に一定の高さ位置に保持するようになっている。即ち、図示しない高さ位置検出センサーによって最上位の太陽電池セル11の上面位置が検出され、積層された太陽電池セル11が順次供給されても、常に最上位の太陽電池セル11を一定の高さ位置に保持することができる。
セル検査ステーション64には、供給された太陽電池セル11を上方より撮像する検査カメラ67が設置され、検査カメラ67で撮像した画像を処理することにより、太陽電池セル11の割れや欠け等の不良を検出できるようしている。傾き矯正ステーション65には、供給された太陽電池セル11を押圧部材68によって基準ブロック69に押付けることにより、太陽電池セル11の傾きが矯正される。また、傾き矯正ステーション65の下面には、検査カメラ67で不良と検出された太陽電池セル11を廃棄するために、開閉扉65aが設けられ、開閉扉65aの下方に廃棄ボックス70が設置されている。
太陽電池セル11は、3つのセル移載ハンド71a、71b、71cによるピックアンドプレイス動作により、セルリフターステーション63からセル検査ステーション64に、セル検査ステーション64から傾き矯正ステーション65に、傾き矯正ステーション65からセル受渡しステーション66に順次同時搬送される。即ち、セル移載ハンド71a、71b、71cが、セル供給ユニット32Aに設けられた図略のハンド装置に保持されており、Y方向および上下方向に移動可能な図略の移動装置によるハンド装置のピックアンドプレイス動作により、セル移載ハンド71a、71b、71cに太陽電池セル11が吸着保持され、順次次ステーションに搬送される。
傾き矯正ステーション65とセル受渡しステーション66との間には、太陽電池セル11の上下面にそれぞれにフラックス72を2列塗布(図9参照)するディスペンサノズル73a、73bが上下2つずつ、合計4個設けられている。ディスペンサノズル73a、73bには、フラックス72を吐出する供給ノズル73a1、73b1がそれぞれ設けられている。太陽電池セル11が、セル移載ハンド71cによって傾き矯正ステーション65からセル受渡しステーション66に搬送される途中で、供給ノズル73a1、73b1から、フラックス72が吐出され、太陽電池セル11の上下面にそれぞれにフラックス72が塗布される。
第1及び第2のセル供給ユニット32A、32Bのセル受渡しステーション66と、第1及び第2の接合ユニット33A、33Bとの間には、図10に示すように、セル受渡しステーション66から第1及び第2の接合ユニット33A、33Bの各下部ホットプレート81に太陽電池セル11を搬送する作業用ロボット74が配設されている。作業用ロボット74は、第1及び第2のセル供給ユニット32A、32Bに共通のものである。作業用ロボット74は、Y方向に沿って設置されたガイドレール75にスライド可能に案内されたYスライド76と、Yスライド76にX方向にスライド可能に案内されたXスライド77と、Xスライド77に上下方向に移動可能に支持されたキャリーヘッド78からなっている。キャリーヘッド78には、太陽電池セル11を吸着する吸着ハンド78aが設けられている。
キャリーヘッド78によってセル受渡しステーション66から第1及び第2の接合ユニット33A、33Bに搬送される太陽電池セル11は、搬送途中でカメラ79によって吸着状態を撮像され、画像認識に基づいて位置ずれ等を補正される。
第2のセル供給ユニット32Bも、上記した第1のセル供給ユニット32Aと同様に構成されており、受光面を上向きにして供給された太陽電池セル11の上下面にフラックス72を塗布した状態で、太陽電池セル11を第2の接合ユニット33Bの下部ホットプレート81上に供給する。
第1及び第2の接合ユニット33A、33Bは、図11に示すように、それぞれ固定の下部ホットプレート81と、可動の上部ホットプレート82を有している。第1及び第2の接合ユニット33A、33Bは、第1及び第2の接合ユニット33A、33Bの間に配設された固定ブロック83を隔てて、Y方向に所定量離間して配設され、第1及び第2のセル搬送ユニット34A、34Bの熱圧着した後に、上部ホットプレート82が上昇しても、インターコネクタ12をスプリング力によって押し続けるように作用する。これによって、溶着したフラックス72が硬化するまでの時間、太陽電池セル11とインターコネクタ12との位置ずれを規制する。その結果、インターコネクタ12を太陽電池セル11の定められた位置に正確に接合することが可能となる。
第1の接合ユニット33Aと第2の接合ユニット33Bは基本的に同じ構成であるため、以下、第1の接合ユニット33Aについてその構成を図11及び図12に基づいて説明する。
第1の接合ユニット33Aの下部ホットプレート81には、下部ホットプレート81の上面81aを予熱するためのヒータが内蔵され、上部ホットプレート82には、上部ホットプレート82の下面82aを加熱するためのヒータが内蔵されている。
第1の接合ユニット33Aには、本体部35に設置された固定ブロック83の側面にガイドレール84がX方向に沿って設けられている。ガイドレール84には移動台85がX方向に所定量移動可能に案内されており、この移動台85に設けられたガイドレール86に上部ホットプレート82が所定量昇降可能に支持されている。
固定ブロック83には、モータ87によって駆動されるボールねじ軸88がX方向に平行な軸線の回りに回転可能に支持され、このボールねじ軸88に移動台85に固定されたボールナット85aがねじ係合されている。上部ホットプレート82は、ボールねじ軸88の回転によって移動台85がガイドレール84に案内されてX方向に所定量移動されることにより、下部ホットプレート81の上方位置に位置決めされる。その状態で、図略の昇降装置によって上部ホットプレート82がガイドレール86に案内されて下降されることにより、下部ホットプレート81と上部ホットプレート82との間で、太陽電池セル11とインターコネクタ12を、熱を加えて圧着する。
下部ホットプレート81の上面81aには、図13に示すように、第1のコネクタ供給ユニット31Aより供給された所定長さのインターコネクタ12(12a)が複数列(2列)載置される。そして、これらインターコネクタ12上に、上下面にフラックス72を塗布した太陽電池セル11が、下面に塗布したフラックス72がインターコネクタ12に接触するように装着され、更に、太陽電池セル11の上面に塗布したフラックス72に接触する位置に、所定長さのインターコネクタ12が複数列(2列)装着される。即ち、下部ホットプレート81上に、太陽電池セル11とその上下にインターコネクタ12が重合した状態で載置される。
その状態で、上部ホットプレート82のX方向移動及び下降によって、インターコネクタ12及び太陽電池セル11を下部ホットプレート81と上部ホットプレート82との間で挟み込み、インターコネクタ12及び太陽電池セル11を加熱しながら圧着することにより、フラックス72を介して太陽電池セル11のプラス側電極及びマイナス側電極にインターコネクタ12を接合する。
第1の接合ユニット33Aの上部ホットプレート82の下面82aには、X方向の中央部に、ガイド溝89がY方向に沿って形成されている。ガイド溝89には、押さえ部材としての押さえプレート90が、上部ホットプレート82の下面82aより出没可能に収容されている。押さえプレート90は、図略のスプリングの付勢力によって上部ホットプレート82の下面より突出する方向に押圧され、通常は上部ホットプレート82の下面82aより所定量だけ突出した位置に保持されている。
これにより、上部ホットプレート82の下降によって太陽電池セル11とインターコネクタ12とを熱圧着するに先立って、押さえプレート90によってインターコネクタ12をスプリング力によって押圧し、インターコネクタ12及び太陽電池セル11の位置ずれを抑制するようになっている。
また、押さえプレート90は、太陽電池セル11とインターコネクタ12とを熱圧着した後に、上部ホットプレート82が上昇しても、インターコネクタ12をスプリング力によって押し続けるように作用する。これによって、溶着したフラックス72が硬化するまでの僅かな時間、太陽電池セル11とインターコネクタ12との位置ずれを規制する。その結果、インターコネクタ12を太陽電池セル11の定められた位置に正確に接合することが可能となる。
なお、図11において、160はダクトであり、このダクト160によって接合ユニット33A、33Bの周辺の空気を吸引することにより、熱圧着時に発生する煙を吸い込む吸煙装置として機能する。
第2の接合ユニット33Bも上記した第1の接合ユニット33Aと同様に構成されている。第1の接合ユニット33Aと第2の接合ユニット33Bとで異なる点は、第1の接合ユニット33Aの下部ホットプレート81には、第1のセル供給ユニット32Aより太陽電池セル11が受光面を下向きにした姿勢で供給される。これに対し、第2の接合ユニット33Bの下部ホットプレート81には、第2のセル供給ユニット32Bより太陽電池セル11が受光面を上向きにした姿勢で供給されることである。
第1のセル搬送ユニット34Aは、第1の接合ユニット33Aの下部ホットプレート81上より搬送された所要個数Xm以上の太陽電池セル11を同時に支持できるに十分なX方向長さを有している。第1のセル搬送ユニット34Aは、図14に示すように、インターコネクタ12を接合した太陽電池セル11を搬送する一対の搬送部材91を有している。
これら搬送部材91を収容可能な収容溝92が下部ホットプレート81の上面にX方向に沿って両側に2列設けられている。搬送部材91は、第1のセル搬送ユニット34Aによるリフトアンドキャリー動作、即ち、上昇a→前進b→下降c→後退dのボックス運動によって、太陽電池セル11を下部ホットプレート81上よりすくい上げて第1のセル搬送ユニット34Aの始端部に搬送する。
搬送部材91は、通常、収容溝92内に埋没された原位置に保持されており、太陽電池セル11とインターコネクタ12との接合が終了すると、上昇されて太陽電池セル11をすくい上げる。その後、搬送部材91の前進及び下降により、太陽電池セル11を1ピッチ搬送し、第1のセル搬送ユニット34Aの図略の固定支持台上に支持する。
第1のセル搬送ユニット34Aの始端部には、図15に示すように、下部ホットプレート81上より1ピッチずつ搬送される太陽電池セル11を徐冷するための徐冷ステーション95が設けられている。
徐冷ステーション95は、太陽電池セル11の搬送ピッチ間隔でX方向に沿って配設された複数の徐冷ヒータ96a、96b、96c・・・からなっている。複数の徐冷ヒータ96a、96b、96c・・・は、下部ホットプレート81上より搬送された太陽電池セル11を、徐々に段階的に温度低下させるようにヒータ温度が漸次低下するように設定されており、徐冷によって太陽電池セル11の反りを抑制するようにしている。
そのために、第1のセル搬送ユニット34Aによって下部ホットプレート81上より搬送された太陽電池セル11は、先ず、所定温度に設定された第1の徐冷ヒータ96a上に搬送され、第1の徐冷ヒータ96aにより、ホットプレート81、82によって加熱された太陽電池セル11を所定温度だけ温度降下させる。次いで、太陽電池セル11は、第1の徐冷ヒータ96aより一定温度だけ低めに設定された第2の徐冷ヒータ96b上に搬送されて徐冷され、更に、第2の徐冷ヒータ96bより一定温度だけ低めに設定された第3の徐冷ヒータ96c上に搬送されて徐冷される。
このようにして、3〜5つの徐冷ヒータ96a、96b、96c・・・からなる徐冷ステーション95によって、太陽電池セル11は徐々に段階的に温度低下され、急激な温度低下による太陽電池セル11の反りが抑制される。これら複数の徐冷ヒータ96a、96b、96c・・・からなる徐冷ステーション95によって、太陽電池セル11を徐冷する徐冷手段を構成している。
第2のセル搬送ユニット34Bも上記した第1のセル搬送ユニット34Aと同様に構成されており、異なる点は、太陽電池セル11を、受光面を下向きにして搬送するか、上向きにして搬送するかだけである。
第1のセル搬送ユニット34Aの両側には、図16及び図17に示すように、第1のセル置台101と、移載装置103が並設されている。移載装置103は、第1のセル搬送ユニット34Aによって搬送された所定個数の太陽電池セル11からなる第1の太陽電池セル群110Aを、第1のセル置台101上に移載するものである。
移載装置103は、本体部35にY方向に沿って設置されたガイドレール111に移動可能に案内された移動台112と、この移動台112に上下方向に沿って形成されたガイドレール113に昇降可能に支持された昇降台114と、この昇降台114上に保持された保持レール115にX方向に位置調整可能に保持された複数の吸着ヘッド116とを備えている。吸着ヘッド116は、少なくとも第1の太陽電池セル群110Aを構成する所定個数(Xm)の太陽電池セル11をそれぞれ吸着できる個数だけ設けられており、これら吸着ヘッド116に太陽電池セル11の上面を吸着する一対の吸着ハンド116aがそれぞれ保持されている。
実施の形態においては、異なる種類の太陽電池モジュール10に対応できるように、吸着ヘッド116がα(2個)だけ余分に設けられ、通常余分の吸着ヘッド116´は、第1の太陽電池セル群110Aの吸着の障害とならない位置に退避されている。
吸着ハンド116aは、昇降台114の下降によって、第1のセル搬送ユニット34A上の各太陽電池セル11の上面にそれぞれ当接され、真空吸着によって各太陽電池セル11を同時に吸着する。そして、昇降台114の上昇及び移動台112の前進移動によって、吸着ハンド116aにて吸着した第1の太陽電池セル群110Aを第1のセル置台101上に移載する。
第2のセル搬送ユニット34Bには、図16に示すように、第2のセル置台102が並設され、この第2のセル置台102と第2のセル搬送ユニット34Bとの間に、反転移載装置104が設けられている。反転移載装置104は、第2のセル搬送ユニット34Aによって搬送された所要個数の太陽電池セル11からなる第2の太陽電池セル群110Bを、第2のセル置台102上に上下反転して移載するものである。
反転移載装置104は、本体部35にX方向に平行な支軸121を中心にして回転可能に支持された反転台122と、この反転台122を180度反転させるモータ123を駆動源とする反転駆動装置124と、反転台122上に所定量スライド可能に支持されたスライダ125と、スライダ125上にX方向に位置調整可能に保持された複数の吸着ヘッド126とを備えている。
吸着ヘッド126は、上記した移載装置103の吸着ヘッド116と同様に、Xm+α設けられ、これら吸着ヘッド126に、第2の太陽電池セル群110Bを構成する所定個数の太陽電池セル11の下面をそれぞれ吸着する一対の吸着ハンド126aがそれぞれ保持されている。
吸着ハンド126aは、スライダ125のスライドによって、第2のセル搬送ユニット34B上の各太陽電池セル11の下面に当接され、真空吸着によって各太陽電池セル11を同時に吸着する。そして、反転台122の180度反転によって、吸着ハンド126aによって吸着した第2の太陽電池セル群110Bを第2のセル置台102上に反転した状態で移載する。
即ち、反転移載装置104は、第2の太陽電池セル群110Bを、受光面が下向きとなる姿勢に反転して第2のセル置台102上に移載する。これによって、第1及び第2のセル置台101、102上に移載された第1及び第2の太陽電池セル群110A、110Bの受光面が同じ下向きに揃えられる。
(レイアップ装置の説明)
ストリング装置21の第1及び第2のセル置台101、102に対応して、レイアップ装置22が配設されている。レイアップ装置22には、図4に示すように、太陽電池セル群110A、110BをY軸方向に所要数配列するためのカバーガラス130が、自動または手動にて待機位置P1より供給されるようになっている。カバーガラス130上には、第1及び第2のセル置台101、102より交互に第1及び第2の太陽電池セル群110A、110Bが搬送されて、レイアップされるようになっている。
そのために、レイアップ装置22には、第1及び第2のセル置台101、102の上方位置に亘って一対のガイドレール131がY方向に沿って設けられ、ガイドレール131には、太陽電池セル群110A、110Bを搬送するキャリーヘッド132がY方向に移動可能に支持されている。キャリーヘッド132には、昇降台133が昇降可能に支持されている。
昇降台133には、図示してないが、上記した移載装置103と同様に、保持レールが取付けられ、この保持レールに複数(Xm+α)の吸着ヘッドがX方向に位置調整可能に保持されている。吸着ヘッドには、太陽電池セル群110Aあるいは110Bを構成する所定個数の太陽電池セル11の上面をそれぞれ吸着する一対の吸着ハンドが保持されている。
吸着ハンドは、昇降台133の下降によって、第1あるいは第2のセル置台101、102上に移載された太陽電池セル群110A、110Bの各太陽電池セル11の上面にそれぞれ当接され、真空吸着によって各太陽電池セル11を同時に吸着する。そして、昇降台133の上昇及びキャリーヘッド132のY方向移動によって、吸着した太陽電池セル群110A、110Bを、レイアップ装置22に供給されたカバーガラス130上に搬送し、昇降台133の下降により太陽電池セル群110A、110Bをカバーガラス130に装着する。この場合、第1のセル置台101より搬送した第1の太陽電池セル群110Aと、第2のセル置台102より搬送した第2の太陽電池セル群110Bが、カバーガラス130上にY方向に交互に装着される。
カバーガラス130上のY方向に所要列数(Yn)だけ太陽電池セル群110A、110Bが装着されると、カバーガラス130は搬送コンベア25によってマトリックス配線装置23に搬送される。
(マトリックス配線装置の説明)
マトリックス配線装置23には、図18に示すように、ボビン141に巻かれた導電部材としてのバスメタル14(図1参照)を供給するバスメタル供給ユニット(導電部材供給ユニット)142と、ガイドレール143a、143b沿ってX,Y方向に移動可能な作業用ロボット144が備えられている。
バスメタル供給ユニット142は、ボビン141に巻かれたバスメタル14をY方向に引き出して所定長さに切断し、切断したバスメタル14を所定位置に供給するようになっている。作業用ロボット144には、所定長さに切断されたバスメタル14を吸着する吸着部材を備えたキャリーヘッド145と、ヒータ146aを内蔵し、バスメタル14を溶着するヒータ146aを取付けたプロセスヘッド146が上下方向に移動可能に保持されている。
そして、レイアップ装置22より搬送コンベア25によってカバーガラス130が所定位置まで搬送されると、バスメタル供給ユニット142によって所定位置に供給されたバスメタル14を、作業用ロボット144のキャリーヘッド145によって、図19に示すように、Y方向に隣合う第1及び第2の太陽電池セル群110A、110Bの各右端部より突出したインターコネクタ12の端部間に順次装着する。しかる後、作業用ロボット144のプロセスヘッド146のヒータ146aによって、バスメタル14を溶着し、バスメタル14とインターコネクタ12とを電気的に接続する。
太陽電池セル群110A、110Bの右端部のマトリックス配線が終了すると、搬送コンベア25によってカバーガラス130が所定量搬送され、その状態で今度は、Y方向に隣合う第2及び第1の太陽電池セル群110B、110Aの各左端部より突出したインターコネクタ12の端部間に、上記したと同様に、バスメタル14を順次装着するとともに、バスメタル14を溶着し、バスメタル14とインターコネクタ12とを電気的に接続する。これによって、マトリックス化されたXm×Ynの太陽電池セル11のすべてが直列に電気的接続される。
この場合、バスメタル14に代えて、インターコネクタを用い、このインターコネクタを、フラックスを介して上記したインターコネクタ12に接合するようにしてもよい。
次に、上記した実施の形態に基づいて太陽電池セル11をストリング配線する方法、及びストリング配線された太陽電池セル群110A、110Bを組み合わせて太陽電池モジュール10を製造する製造方法について説明する。
まず初めに、第1および第2のコネクタ供給ユニット31A、31Bの各ボビン41より引き出されたインターコネクタ12の先端部が第1のクランパ51によってクランプされた図6(A)に示す原位置状態において、第2のモータ49によって第2のボールねじ軸48を所定量回転させ、図6(B)に示すように、第1のクランパ51を前方の位置に移動させ、インターコネクタ12を所定位置まで引き出す。その状態で、カッター43を下降させてインターコネクタ12を所定長さに切断する。
続いて、第1のモータ46によって第1のボールねじ軸47を所定量回転させ、図6(C)に示すように、移動ガイド50とともに第1のクランパ51を、移動台45と一体的に移動させる。これによって、第1のクランパ51が下部ホットプレート81上まで移動され、これにクランプされた所定長さのインターコネクタ12が、下部ホットプレート81に載置された太陽電池セル11上に供給されるとともに、第2のクランパ52をアンクランプさせて一定量後退させる。
続いて、第2のクランパ52によりインターコネクタ12をクランプした状態で、第2のクランパ52を一定前進させ、インターコネクタ12をカッター43の前方位置まで引き出す((図6(D)参照)。同時に、第1のクランパ51がアンクランプされて、第1および第2のモータ46、49によって移動台45とともに、第1のクランパ51が原位置に復帰される(図6(A)参照)。
この場合、インターコネクタ12は、太陽電池セル群110A、110Bの両端に位置する太陽電池セル11に接合される長さの短いものと、隣合う太陽電池セル11を互いに接合する長さの長いものとの2種類に切断される。即ち、太陽電池セル群110A、110Bの最初の太陽電池セル11にインターコネクタ12を接合する場合には、先ず始めに、長さの短いインターコネクタ12が第11及び第2の接合ユニット33A、33Bの各下部ホットプレート81上の所定位置に2列ずつ供給される。
次いで、第1のセル供給ユニット32Aより受光面を下向きにした最初の太陽電池セル11が、上下面にフラックス72を塗布された状態で、第1の接合ユニット33Aの下部ホットプレート81上のインターコネクタ12上に供給される。同時に、第2のセル供給ユニット32Bより受光面を上向きにした最初の太陽電池セル11が、上下面にフラックス72を塗布された状態で、第2の接合ユニット33Bの下部ホットプレート81上のインターコネクタ12の後半部に載置される。
しかる後、今度は長さの長いインターコネクタ12の前半部が、受光面を下向きにした太陽電池セル11及び受光面を上向きにした太陽電池セル11上にそれぞれ供給される。このような結果、第1及び第2の接合ユニット33A、33Bの各下部ホットプレート81上に、図13(A)に示すように、太陽電池セル11とインターコネクタ12が重合状態で載置される。
次いで、上部ホットプレート82のX方向移動及び下降により、インターコネクタ12及び太陽電池セル11を下部ホットプレート81と上部ホットプレート82との間で挟み込み、インターコネクタ12及び太陽電池セル11を加熱しながら圧着することにより、太陽電池セル11のプラス側電極及びマイナス側電極にインターコネクタ12を、フラックス72を介してそれぞれ接合する。
この際、上部ホットプレート82の下降によって、図12に示す押さえプレート90が、スプリング力にて太陽電池セル11上のインターコネクタ12を上方より押圧するので、互いに重合されたインターコネクタ12及び太陽電池セル11の位置ずれを抑制することができる。
しかる後、各上部ホットプレート82が上昇されるとともに、X方向に所定量移動されて下部ホットプレート81上より退避される。これによって、太陽電池セル11の上下面にインターコネクタ12がフラックス72を介して接合される。
この際、押さえプレート90は、上部ホットプレート82が上昇しても、インターコネクタ12をスプリング力によって押圧し続けるので、溶着したフラックス72が硬化する間、太陽電池セル11とインターコネクタ12との位置ずれを規制することができる。
インターコネクタ12が接合された太陽電池セル11は、第1及び第2のセル搬送ユニット34A、34Bによるリフトアンドキャリー動作によって、搬送部材91にすくい上げられ、1ピッチずつ搬送される。これにより、最初の太陽電池セル11が下部ホットプレート81より第1の徐冷ヒータ96a上に搬送されて、徐冷される。この1ピッチ搬送により、太陽電池セル11の上面に接合されたインターコネクタ12の後半部が下部ホットプレート81上に位置決めされることになる。
次いで、第1及び第2のセル供給ユニット32A、32Bより2番目の太陽電池セル11が、上記したと同様にして、フラックス72を塗布した状態で下部ホットプレート81上に供給され、下部ホットプレート81上に位置決めされたインターコネクタ12の後半部上に載置される。
その後、第1及び第2のコネクタ供給ユニット31A、31Bより、長さの長いインターコネクタ12が、上記したと同様にして、下部ホットプレート81上に供給され、その前半部が太陽電池セル11上に重合される(図13(B)参照)。その状態で、上部ホットプレート82が作動され、太陽電池セル11の上下面にインターコネクタ12がフラックス72を介してそれぞれ接合される。
しかる後、第1及び第2のセル搬送ユニット34A、34Bによるリフトアンドキャリー動作によって、最初の太陽電池セル11が第1の徐冷ヒータ96aから第2の徐冷ヒータ96bに搬送されると同時に、2番目の太陽電池セル11が下部ホットプレート81から第1の徐冷ヒータ96aに搬送される。
このような動作が繰り返されることにより、インターコネクタ12が接合された太陽電池セル11が、第1及び第2のセル搬送ユニット34A、34Bによって順次1ピッチずつ搬送される。その結果、第1及び第2のセル搬送ユニット34A、34B上には、所定個数の太陽電池セル11からなる第1及び第2の太陽電池セル群110A、110Bが搬送される。
このように、下側からインターコネクタ12、太陽電池セル11及びインターコネクタ12を順次積み上げていく同一の接続工程(図13参照)によって、第1及び第2の太陽電池セル群110A、110Bを製造することができるので、太陽電池セル群110A、110Bのストリング配線作業を容易に行うことができる。
なお、第1及び第2の太陽電池セル群110A、110Bの最後の太陽電池セル11に接合されるインターコネクタにも、長さの短いものが使用され、第1の接合ユニット33Aによって、長さの短いインターコネクタ12aが太陽電池セル11の裏面(上面)側に接合され、第2の接合ユニット33Bによって、長さの短いインターコネクタ12aが太陽電池セル11の受光面(上面)側に接合される。
第1及び第2のセル搬送ユニット34A、34B上に、所要個数の太陽電池セル11からなる太陽電池セル群110A、110Bがそれぞれ搬送されると、第1及び第2の接合ユニット33A、33Bには、次の太陽電池セル群110A、110Bを製造すべく、再び長さの短いインターコネクタ12が供給されるとともに、最初の太陽電池セル11が供給され、上記した動作を繰り返す。
このようにして、第1及び第2のセル搬送ユニット34A、34B上に搬送された太陽電池セル群110A、110Bの最後の太陽電池セル11が、徐冷ステーション95を通過すると、移載装置103の複数の吸着ヘッド116によって、第1のセル搬送ユニット34A上の第1の太陽電池セル群110Aの各太陽電池セル11の上面がそれぞれ吸着され、移載装置103により、姿勢を変えることなく受光面(マイナス側電極)を下向きにした状態で、第1のセル置台101上に移載される。即ち、第1の太陽電池セル群110Aは、最初の太陽電池セル11のマイナス側電極に接合された長さの短いインターコネクタ12aが、図2に示すように、太陽電池セル11の下側に位置する状態で第1のセル置台101上に移載される。
同様に、反転移載装置104の複数の吸着ハンド126aによって、第2のセル搬送ユニット34B上の第2の太陽電池セル群110Bの各太陽電池セル11の下面がそれぞれ吸着され、反転台122の180度反転動作により第2の太陽電池セル群110Bは上下反転され、受光面(マイナス側電極)を下向きにした状態で第2のセル置台102上に移載される。即ち、第2の太陽電池セル群110Bは、最初の太陽電池セル11のプラス側電極に接合された長さの短いインターコネクタ12aが、図3に示すように、太陽電池セル11の上側に位置する状態で第2のセル置台102上に移載される。
このような結果、第1および第2のセル置台101、102にそれぞれ移載された第1および第2の太陽電池セル群110A、110Bは、共に受光面が下向きに揃えられるが、向きを揃えられた第1および第2の太陽電池セル群110A、110Bは、太陽電池セル11に対するインターコネクタ12の接続構造が、図2および図3に示すように、互いに異なったものとなる。
このように、第1及び第2のセル搬送ユニット34A、34B上に搬送された第1及び第2の太陽電池セル群110A、110Bは、移載装置103及び反転移載装置104によって、第1及び第2のセル置台101、102に搬出される。これによって、第1及び第2のセル搬送ユニット34A、34B上に必要以上の太陽電池セル11を滞留させることがなくなり、上記した接合作業及び搬送作業を継続することができ、ストリング配線作業を効率的に行えるようになる。
一方、レイアップ装置22のレイアップ位置には、2種類の太陽電池セル群110A、110BをY軸方向に交互に所要数配列するためのカバーガラス130が、自動または手動にて供給され、このカバーガラス130上にキャリーヘッド132によって、第1及び第2のセル置台101、102より交互に太陽電池セル群110A、110Bが搬送される。
即ち、カバーガラス130の1列目には、第1のセル置台101より第1の太陽電池セル群110Aが装着され、カバーガラス130の2列目には、第2のセル置台102より第2の太陽電池セル群110Bが装着される。以下、カバーガラス130の奇数列目には、第1の太陽電池セル群110Aが、偶数列目には、第2の太陽電池セル群110Bが装着され、Y軸方向に所要列数の太陽電池セル群110A、110Bが配列される。これによって、Y軸方向に隣合う太陽電池セル群110A、110Bの両端部には、太陽電池セル11のマイナス側電極に接合された長さの短いインターコネクタ12aと、太陽電池セル11のプラス側電極に接合された長さの短いインターコネクタ12aとがY軸方向に交互に配置されるようになる。
カバーガラス130上のY方向に、ストリング配線されたXm個の太陽電池セル11からなる太陽電池セル群110A、110BがYn列装着されると、カバーガラス130が搬送コンベア25によってレイアップ装置22よりマトリックス配線装置23に搬送される。
カバーガラス130の前端部(図4の右端部)がマトリックス配線装置23内に搬送されると、1列目の太陽電池セル群110Aの右端より突出するマイナス側電極に接続されたインターコネクタ12aと、2列目の太陽電池セル群110Bの右端より突出するプラス側電極に接続されたインターコネクタ12aとの間に、所定長さに切断されたバスメタル14が装着される。
かかるバスメタル14は、マトリックス配線装置23のバスメタル供給ユニット142のボビン141よりY方向に引き出されて所定長さに切断され、作業用ロボット144のキャリーヘッド145に取付けられた吸着ヘッドにより吸着保持されて、インターコネクタ12aの間に装着される。
同様にして、バスメタル14は、3列目と4列目の太陽電池セル群110A、110Bの各右端より突出するインターコネクタ12aの間、及び5列目と6列目の太陽電池セル群110A、110Bの各右端より突出するインターコネクタ12aの間にそれぞれ装着される、
しかる状態で、ヒータを内蔵したプロセスヘッド146により、バスメタル14とインターコネクタ12の接続個所を加熱しながら圧着することにより、バスメタル14を溶融して、マイナス側電極に接合されたインターコネクタ12aとプラス側電極に接合されたインターコネクタ12aを、バスメタル14を介して電気的に接続する。
続いて、カバーガラス130がX方向に所定量搬送され、カバーガラス130の後端部(図4の左端部)がマトリックス配線装置23内に搬送されると、前述したと同様にして、2列目(4列目)の太陽電池セル群110Bの左端より突出するマイナス側電極に接続されたインターコネクタ12aと、3列目(5列目)の太陽電池セル群110Aの左端より突出するプラス側電極に接続されたインターコネクタ12aとの間に、所定長さに切断されたバスメタル14が装着される。そして、バスメタル14がプロセスヘッド146によって溶着されることにより、マイナス側電極に接合されたインターコネクタ12aとプラス側電極に接合されたインターコネクタ12aがバスメタル14を介して電気的に接続される。
このようにして、Xm×Ynのすべての太陽電池セル11が、インターコネクタ12及びバスメタル14を介して直列に電気的接続され、太陽電池モジュール10が製造される。その後、当該太陽電池モジュール10は搬出コンベア26に搬出され、次工程に搬送される。そして、次工程において、太陽電池セル11上にEVA等の樹脂を封止してバックシートを装着するとともに、周囲をアルミフレームによって気密的に覆うことにより完成品となる。
(各ユニットが共通の本体部に着脱可能に装着される構成について説明)
本実施形態のストリング装置21は、作成するセル群の仕様変更によって大きく変更されない「汎用部」と、作成するセル群の仕様に合わせて専用に設計された「専用部」とから構成されている。上記した「汎用部」は、本体部35、メインコントローラ601、及び表示操作部701であり、「専用部」は、コネクタ供給ユニット31A、31B、セル供給ユニット32A、32B、接合ユニット33A、33B、セル搬送ユニット34A、34Bである。これらのユニット31A〜34A、31B〜34Bは、それぞれユニット化(一体化)されていて、共通の本体部35に位置決めされて着脱可能に装着されている。また、本実施形態では、作業用ロボット74(以下の説明において、ユニット74とも記載する)もまた、ユニット化されて構成されていて、共通の本体部35に位置決めされて着脱可能に装着される。
まず、図20を用いて、各ユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、74が共通の本体部35に位置決めされて着脱可能に装着される機械的構成について説明する。
本体部35には、各ユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、74と係合して位置決めするための、「位置決め部材」が設けられている。この「位置決め部材」は、例えば、図20に示すように、本体部35に設けられた一対の位置決めピンであり、図20に示す実施形態では、丸ピン401とダイヤピン402とから構成されている。丸ピン401及びダイヤピン402は、本体部35に設定された本体基準点501から、X方向及びY方向が位置決めされて配設されている。そして、丸ピン401の軸線中心位置には、本体基準点501からのX方向距離Xa及びY方向距離Ybが規定されたユニット基準点502が設定されている。更に、丸ピン401やダイヤピン402が配設されている本体部35部分には、本体基準点501からのZ方向距離Zaが規定されたユニット基準面503(位置決め部)が形成されている。
各ユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、74には、丸ピン401及びダイヤピン402が挿入される位置決め穴(不図示)が形成されている。このような構造によって、各ユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、74が、それぞれのユニット基準点502及びユニット基準面503によって本体部35に設定された本体基準点501からのX、Y、X方向の各位置が位置決めされたうえで装着される。
各ユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、74が装着される部分の本体部35には、各ユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、74と本体部35を取り付けるための「取付部」が形成されている。図20の(A)に示される例では、「取付部」は、各ユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、74と本体部35とを締結するボルトが螺着するボルト穴405である。
なお、ユニット基準面503を、XZ平面方向に形成し、このユニット基準面503に丸ピン401やダイヤピン402を設けても差し支え無く、或いは、ユニット基準面503を、本体部35にYZ平面方向に形成し、このユニット基準面503に丸ピン401やダイヤピン402を設けても差し支え無い。
次に図4及び図21を用いて、各ユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、74が、共通の本体部35に着脱可能に装着される電気的構成について説明する。
図4及び図21に示す、メインコントローラ601は、後述のユニットコントローラ31C〜34C、74Aに、単一のプログラム言語で生成された「メインコントローラ指令」を出力し、各ユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、74を制御するものである。メインコントローラ601は、マイクロコンピュータを有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAM、ROMや不揮発性メモリー等の記憶部を備えている。CPUは、プログラムを実行する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、記憶部は前記プログラムや「メインコントローラ指令」、上述した本体基準点501の座標データ、上記各ユニットそれぞれのユニット基準点502及びユニット基準面503の座標データ(ユニット位置座標データ)等を記憶している。
表示操作部701は、メインコントローラ601と通信可能に接続されている。表示操作部701は、表示装置と位置検出部(操作部)を重畳配置させた所謂タッチパネルであり、ストリング装置21の始動・停止等の操作を行うものである。なお、表示装置と操作部が別体であっても差し支え無い。
図21に示すように、各ユニット31A〜34A、74は、それぞれ、ユニットコントローラ31C〜34C、74Aを備えている。なお、図21では、ユニット31A、32A、33Aの他方側のユニット31B、32B、33Bは、ユニット31A、32A、33Aと同様の構造であるので、図示を省略するとともに、以下においてその説明を省略する。
ユニットコントローラ31C〜34C、74Aは、メインコントローラ601と通信可能に接続されている。ユニットコントローラ31C〜34C、74Aは、各ユニット31A〜34A、74を稼働させるモータ、アクチュエータ、カメラ等の被制御装置31E〜34E、74Cと通信可能に接続され、これら被制御装置31E〜34E、74Cを制御するためのものである。
各ユニットコントローラ31C〜34Cは、マイクロコンピュータを有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAM、ROMや不揮発性メモリー等の記憶部を備えている。そして、記憶部には、インタプリタ31D〜34D、74B(変換手段)が記憶されている。インタプリタ31D〜34D、74Bは、メインコントローラ601から出力された「メインコントローラ指令」を後述の被制御装置31E〜34E、74cを制御するための「ユニット指令」に変換するプログラムである。つまり、被制御装置31E〜34E、74cを制御するための指令のプログラム言語や制御信号は、被制御装置31E〜34E、74cによって異なるが、インタプリタ31D〜34D、74Bによって、「メインコントローラ指令」が「ユニット指令」に変換するので、単一のプログラム言語で生成された「メインコントローラ指令」で被制御装置31E〜34E、74cを制御できる。
なお、コネクタ供給ユニット31Aの被制御装置31Eには、図5に示す、モータ46、49、カッター43を上下動させるアクチュエータ、第1及び第2のクランパ51、52を稼働させるアクチュエータが含まれる。
また、セル供給ユニット32Aの被制御装置32Eには、図8に示す、リフター63aを稼働させるアクチュエータ、検査カメラ67、押圧部材68を稼働させるアクチュエータ、開閉扉65aを開閉動させるアクチュエータ、セル移載ハンド71a、71b、71cを稼働させるアクチュエータ、ディスペンサノズル73a、73bを稼働させるアクチュエータが含まれる。
また、接合ユニット33Aの被制御装置33Eには、図11に示す、下部ホットプレート81を加熱するヒータ、上部ホットプレート82を加熱するヒータ、モータ87、昇降装置を稼働するアクチュエータ、ダクト160に圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置が含まれる。
また、セル搬送ユニット34Aの被制御装置31Eには、図14に示す、搬送部材91を稼働させるアクチュエータ、徐冷ヒータ96a、96b、96cが含まれる。
また、作業用ロボット74の被制御装置74Cには、図10に示す、Yスライド76をY方向に移動させるモータ、Xスライド77をX方向に移動させるモータ、キャリーヘッド78を上下方向に移動させるモータ、吸着ハンド78aを稼働させるアクチュエータが含まれる。
情報管理装置900は、メインコントローラ601と通信可能に接続されている。情報管理装置900は、太陽電池パネルのセル群を製造するための生産情報を記憶し、当該生産情報をメインコントローラ601に出力するものである。情報管理装置900は、図4に示すように、本体901、表示装置902、操作部903を備えている。情報管理装置900の本体901は、マイクロコンピュータを有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAM、ROMや不揮発性メモリー、ハードディスク等の記憶部を備えている。
本体901の記憶部には、上述した生産情報が記憶されている。生産情報には、太陽電池セルCの形状の情報、セル群の数の情報、インターコネクタ12の太陽電池セルC上の接続位置情報、各カメラで撮像された撮像データから形状を認識するためのテンプレート情報、ホットプレート81、82の温度情報等が含まれる。作業者は、操作部903を操作したり、本体901に設けられたUSBポート等のデータ入力部(不図示)からのデータを入力させたりすることにより、本体901の記憶部に記憶されている生産情報を変更することができる。
次に、作成するセル群の仕様変更に伴うストリング装置21の仕様変更作業について説明する。作成するセル群に対応するユニット31A〜34A、74を必要に応じて選択して、元のユニット31A〜34A、74を取り外したうえで、本体部35に装着する。すると、上述のように、本体部35には、「位置決部材」であるピン401及びダイヤピン402が設けられ、ユニット基準面503が形成されているので、新たに本体部35に装着されたユニット31A〜34A、74が、本体部35に位置決めされる。次に、本体部35に新たに装着したユニット31A〜34A、74のユニットコントローラ31C〜34C、74Aを、メインコントローラ601に通信可能に接続する。
なお、メインコントローラ601は、上述した本体基準点501の座標データ、上記各ユニット31A〜34A、74それぞれのユニット基準点502及びユニット基準面503の座標データ等を記憶しているので、新たに装着されたユニット31A〜34A、74の本体基準点501からの位置座標を認識することができる。
次に、本体部35に新たに装着したユニット31A〜34A、74の被制御装置31E〜34E、74cを制御するための「メインコントローラ指令」を変更する。「メインコントローラ指令」の変更作業は、表示操作部701の操作や、情報管理装置900の操作部903の操作、情報管理装置900やメインコントローラ601への「メインコントローラ指令」の入力により行われる。
このように本実施形態によれば、作成するセル群に対応して必要に応じて選択されたコネクタ供給ユニット31A、31B、セル供給ユニット32A、32B、接合ユニット33A、33B、セル搬送ユニット34A、34B、作業用ロボット74が、本体部35に位置決めされて着脱可能に装着され、選択されたユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、74に対応するユニットコントローラ31c〜34c、74Aが選択されてメインコントローラ601に接続されるように構成されている。これにより、作成するセル群に仕様変更があった場合に、作成するセル群に対応したユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、74に変更して交換するとともに、新たに交換したユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、74のユニットコントローラ31c〜34c、74Aをメインコントローラ601に接続するだけで、ストリング装置21の仕様変更作業が完了する。このため、作成するセル群の変更に伴う装置の仕様変更を容易に行うことができる太陽電池製造用のストリング装置21を提供することが可能となる。
また、本実施形態によれば、メインコントローラ601が、単一種類のプログラム言語で生成された「メインコントローラ指令」をユニットコントローラ31c〜34c、74Aに出力し、インタプリタ31D〜34D、74B(変換手段)が、「メインコントローラ指令」を、被制御装置31E〜34E、74cを制御するための「ユニット指令」に変換する。このように、インタプリタ31D〜34D、74Bが「メインコントローラ指令」を被制御装置31E〜34E、74cに応じた「ユニット指令」に変換するので、本体部35に装着されるユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、74を変更したとしても、「メインコントローラ指令」を変更するだけで、ストリング装置21の仕様変更作業が完了する。また、各ユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、74間や、変更前と変更後のユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、74が出力する「ユニット指令」のプログラム言語や制御信号の種類が異なったとしても、変換手段が「メインコントローラ指令」をユニットに応じた「ユニット指令」に変換し、プログラム言語や制御信号の種類の違いを吸収することから、各ユニットを制御するための指令を、単一のプログラム言語で生成された「メインコントローラ指令」を作成するだけで仕様変更作業が完了し、各ユニットを制御するための指令の作成作業やユニット交換に伴う仕様変更作業が容易である。
なお、上述したように、メインコントローラ601は、新たに着されたユニット31A〜34A、74の本体基準点501からの位置座標を認識することができる。このため、「メインコントローラ指令」を変更することによる、ユニット31A〜34A、74のティーチング作業が容易となる。
なお、本実施形態では、以上説明したストリング装置21と同様に、図18に示す、マトリックス配線装置23を構成するバスメタル供給ユニット142、作業用ロボット144もまた、マトリックス配線装置23の本体部35にそれぞれ位置決めされて着脱可能に装着される構造となっている。また、第1の実施形態と同様に、図4に示すように、マトリックス配線装置23は、メインコントローラ602及び表示操作部702を備えている。そして、メインコントローラ602は、情報管理装置900に通信可能に接続されている。そして、ストリング装置21と同様に、バスメタル供給ユニット142、作業用ロボット144は、それぞれ、メインコントローラ602と通信可能に接続されたユニットコントローラを有している。そして、前記各ユニットコントローラは、メインコントローラ602から出力された「メインコントローラ指令」を、各バスメタル供給ユニット142及び作業用ロボット144の被制御装置を制御するための「ユニット指令」に変換するプログラムであるインタプリタ(変換手段)が記憶されている。
このように構成されたマトリックス配線装置23もまた、ストリング装置21と同様に、製造する太陽電池モジュール10の仕様変更を行う場合に、バスメタル供給ユニット142、作業用ロボット144を適宜交換し、新たに交換したスメタル供給ユニット142、作業用ロボット144のユニットコントローラを、メインコントローラ602に接続し、メインコントローラ602が出力する「メインコントローラ指令」を変更するだけで、仕様変更作業が完了し、製造する太陽電池モジュール10の仕様変更に柔軟に対応することができる。
なお、「汎用部」であるマトリックス配線装置23の本体部35やメインコントローラ602、表示操作部701を、ストリング装置21に流用することも可能であり、その逆も可能である。このため、太陽電池モジュール10を製造する製造装置の変更に柔軟に対応することができる。
上記した実施の形態においては、太陽電池セル11を、受光面を上向きにしてストリング配線された太陽電池セル群110Bを、反転移載装置104によって受光面が下向きとなるように反転させて、カバーガラス130上に装着する例について述べたが、受光面を下向きにしてストリング配線された太陽電池セル群110Aを反転させて、バックシート上に装着するようにしてもよい。
上記した実施の形態においては、太陽電池セル11の各電極にフラックス72を介してインターコネクタ12を接合するようにしたが、インターコネクタ12としてはんだをコーティングした導電部材を用いれば、フラックスを塗布することなく、太陽電池セル11と導電部材とを接合することが可能である。
上記した実施の形態においては、太陽電池セル11と複数のインターコネクタ12を、下部ホットプレート81と上部ホットプレート82との間で熱圧着することによりに同時に接合するようにした例について述べたが、3次元方向に移動可能なロボット等にヒータを取付けて行うことも可能である。
また、上記した実施の形態においては、セル搬送ユニット34A、34Bによって搬送された太陽電池セル群110A、110Bを、セル置台101、102を介して、レイアップ装置22に供給されたカバーガラス130に移載するようにしたが、セル搬送ユニット34A、34Bよりレイアップ装置22に直接太陽電池セル群110A、110Bを移載するようにしてもよい。
また、以上説明した実施形態では、図20に示す、「位置決め部材」である丸ピン401及びダイヤピン402は、本体部35側に設けられていている。しかし、各ユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、34A、34B、74側に、丸ピン401及びダイヤピン402を設け、本体部35側に丸ピン401及びダイヤピン402が挿入される位置決め穴(不図示)が形成されている実施形態であっても差し支え無い。また、本体部35と各ユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、34A、34B、74をそれぞれ位置決めする「位置決め部材」は、図20に示す丸ピン401や、ダイヤピン402、ユニット基準面503に限定されず、本体部35と各ユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、34A、34B、74との装着部分が、それぞれ対応し、相互に位置決めされる形状であれば良い。
なお、以上説明した実施形態では、本体部35に「位置決め部材」を設けている。しかし、本体部35が箱状である場合に、本体部35内に配置される基台又は、本体部35内を横断するように配置される基台に「位置決め部材」を設け、当該基台(特許請求の範囲に記載の「本体部」に相当)に上記した各ユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、34A、34B、74が位置決めされて装着される構造とし、更に、上記基台が本体部35に位置決めされて装着される構造としても差し支え無い。この実施形態であっても、各ユニット31A、31B、32A、32B、33A、33B、34A、34B、74が本体部35に対して位置決めされて装着される、
(第2の実施形態の太陽電池製造装置)
図22は、第2の実施の形態の太陽電池製造装置を構成するストリング装置221を示すものである。そして、この第2の実施の形態の太陽戦地製造装置で製造する太陽電池モジュール10は、図24に示すように、太陽電池セル100のX方向(太陽電池セル11の搬送方向)の両端部に形成した+電極と−電極を、金具103を用いて互いに直列に電気接続したもので、インターコネクタを用いずに隣合う太陽電池セル100を接続した構造である。
即ち、図23に示すように、太陽電池セル100の第1面側には、X方向の両端部に+(プラス)電極100aと−(マイナス)電極100bが形成され、X方向に隣合う太陽電池セル100の+電極100aと−電極100bとを互いに接続するようになっている。このために、図23(A)に示すように、まず、隣合う2つの太陽電池セル100の+電極100aと−電極100bを対向させた状態で、各電極100a、100bにクリームはんだ101をそれぞれ塗布する。次いで、図23(B)に示すように、2つの太陽電池セル100の対向端部に、粘着面を有するシール102を貼付し、シール102によって2つの太陽電池セル100を仮結合する。しかる後、図23(C)に示すように、2つの太陽電池セル100の各電極100a、100bに塗布されたクリームはんだ101に跨って、金具103を装着し、しかる後、金具103をホットエアによって加熱し、図23(D)に示すように、クリームはんだ101を溶かして、金具103の両端部を2つの太陽電池セル100に電気的に接合する。これによって、隣合う2つの太陽電池セル100が電気的に接続される。この場合、ホットエアに代えて、金具103を加熱しながら圧着して、太陽電池セル100に接合するようにしてもよい。
図22に示すように、第2の実施の形態のストリング装置221は、本体部35と、搬送コンベアユニット114A、114Bを備えている。搬送コンベアユニット114A、114Bは、本体部35を横断するように、Y方向にそれぞれ2列並列して、それぞれX方向に沿って配設されている。搬送コンベアユニット114A、114Bは、第1の実施形態と同様に、リフトアンドキャリー動作により、順次太陽電池セル群105を搬送する構造のものである。
ストリング装置221の本体部35には、太陽電池セルストッカ121に保管された太陽電池セル100を所定位置に供給するセル供給ユニット122が設けられている。また、本体部35には、キャリーヘッド78とクリームはんだ塗布用ヘッド179を備え、第1の実施形態と同様にX,Y,Z方向に移動可能な作業用ロボット74が設けられている。
更に、ストリング装置221の本体部35には、2つの置台123A、123Bが設置され、各置台123A、123Bに太陽電池セル100が、キャリーヘッド78で吸着されて作業用ロボット74によって各置台123A、123Bに搬送され、各置台123A、123Bにおいて、クリームはんだ塗布用ヘッド179によって太陽電池セル100の+電極100aと−電極100bにクリームはんだ101(図23(A)参照)が複数個所塗布される。クリームはんだ101が塗布された太陽電池セル100は、キャリーヘッド78で吸着保持されて作業用ロボット74によって搬送コンベアユニット114A、114B上の太陽電池セル群105の末端に隣接する位置に搬送され、順次、太陽電池セル100が搬送コンベアユニット114A、114B上で列状に配置され、太陽電池セル群105が形成される。
更に、ストリング装置221の本体部35には、粘着面を有する一定長さのシール102(図23の(B)参照)を供給するシール供給ユニット(不図示)が設けられている。本実施形態では、上記シール供給ユニットは、搬送コンベアユニット114A、114Bの上部に設けられている。太陽電池セル100が搬送コンベアユニット114A、114B上の太陽電池セル群105の末端に隣接する位置に搬送されると、シール供給ユニットは、シール102を供給して、太陽電池セル群105の末端にある太陽電池セル100と、新たに搬送された太陽電池セル100をシール102で仮接合する(図23の(B)参照)。
更に、ストリング装置221の本体部35には、金具103を供給する金具供給ユニット126と、太陽電池セル100に装着された金具103を加熱するホットエア供給ユニット(不図示)、或いは金具103を加熱しながら圧着するヒータユニット(不図示)が設けられている。本実施形態では、上記ホットエア供給ユニットやヒータユニットは、搬送コンベアユニット114A、114Bの上部に設けられている。隣接する太陽電池セル100が、シール102で仮接合されると、金具供給ユニット126より供給された金具103が、キャリーヘッド78によって吸着保持されて、X方向に隣合う2列の太陽電池セル100の+電極100a及び−電極100b上に塗布されたクリームはんだ101に跨って装着される(図23(C)参照)。
金具103が装着された複数列の太陽電池セル群105は、例えば、ホットエア供給ユニットによって金具103が加熱され、クリームはんだ101を溶かして金具103の両端部を2つの太陽電池セル100に電気的に接合する(図23の(D)参照)。金具103によってX方向に隣合う太陽電池セル群105の太陽電池セル100の+電極100aと−電極100bが電気的に接合されると、搬送コンベアユニット114A、114Bによって1ピッチずつ、X方向(図22の右方向)に搬送されて、第1の実施形態と同様の構造のレイアップ装置に搬送される。
レイアップ装置において、カバーガラス上のY方向に所要列数(Yn)だけ太陽電池セル群105が配置され、第1の実施形態と同様の構造のマトリックス配線装置に搬送される。そして、マトリックス配線装置において、マトリックス配線(図24の19示)されて、太陽電池モジュール10が完成する。
この第2の実施形態のストリング装置221を構成する上記した各ユニットもまた、第1の実施形態と同様に、ストリング装置221の各本体部35にそれぞれ位置決めされて着脱可能に装着される構造となっている。また、第1の実施形態と同様に、図22に示すように、第2の実施形態のストリング装置221は、メインコントローラ605及び表示操作部705を備えている。そして、メインコントローラ605は、情報管理装置900に通信可能に接続されている。そして、第1の実施形態と同様に、ストリング装置221を構成する上記した各ユニットは、それぞれ、メインコントローラ605と通信可能に接続されたユニットコントローラを有している。そして、前記ユニットコントローラは、メインコントローラ605から出力された「メインコントローラ指令」を、前記各ユニットの被制御装置を制御するための「ユニット指令」に変換するプログラムであるインタプリタ(変換手段)が記憶されている。
このように構成された第2の実施形態のストリング装置221もまた、第1の実施形態と同様に、製造する太陽電池モジュール10の仕様変更を行う場合に、ストリング装置221を構成するユニットを適宜交換し、新たに交換したユニットのユニットコントローラを、メインコントローラ605に接続し、メインコントローラ605が出力する「メインコントローラ指令」を変更するだけで、仕様変更作業が完了し、製造する太陽電池モジュール10の仕様変更に柔軟に対応することができる。
また、「汎用部」である第1の実施形態のストリング装置21やマトリックス配線装置23の本体部35やメインコントローラ601、602、表示操作部701、702を、第2の実施形態のストリング装置221やマトリックス配線装置に流用することも可能であり、その逆も可能である。このため、太陽電池モジュール10を製造する製造装置の変更に柔軟に対応することができる。