JP6007395B2 - 交通検知システム - Google Patents
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Description
そこで、様々な自動交通検知システムが開発されている。
しかし、画像処理を用いる交通検知システムは、検知精度において問題がある。道路を撮像した画像において車両を検知するアルゴリズムは進化しているものの、取得された画像において車両を検知する精度にはまだ改善する余地がある。また、複数台の車両が同時に写り込んだり大きな車両の陰に小さな車両が隠れていたりする場合、どうしても検出精度が下がってしまう。また、画像処理を用いる交通検知システムでは、雨の日は画像がぼやけるなどの問題があり、夜の時間帯などはヘッドランプの光が強く受光されるが車両自体は写り込みにくいなどの問題があり、検出精度が低下することがある。
レーザーセンサや超音波センサは、図10(a)や図10(b)に示すように、所定箇所の道路を切るようにレーザービームや超音波を照射し、照射されたレーザービームや超音波ビームが道路面または道路上を通行する車両の表面という対象物から反射されて受信されるまでの時間を計測し、計測された時間に基づいて対象物までの距離を測定するものである(特許文献1、特許文献2)。その測定データを制御装置において解析すれば、レーザービームまたは超音波ビームの照射対象物がフラット、つまり、道路上を通行する車両がなく道路面から反射して受信されたパターンであれば道路上に通過車両がないと判断でき、レーザービームまたは超音波ビームの照射対象物に凹凸があれば、その一部が道路上を通行する車両から反射して受信されたパターンとして道路上に通過車両があると判断できる。
そこで、本発明は、レーザーセンサを用いた交通検知システムの改善に重点をおいてなされたものである。
高速道路などの道路を通過する車両は、乗用車、軽自動車、軽トラック、小型トラック、大型トラック、特殊車両など様々な車種の車両が混在して通過する環境であり、しかも車両ごとの速度が異なるため、車両毎の速度、車両毎の車長を検出することができない。
つまり、レーザーセンサを一台のみ用いるシステムである場合、車両ごとに速度が既知であれば車両ごとの車長が計算でき、また逆に、車両ごとの車長が既知であれば車両ごとの速度は計算できるが、両方ともが既知でない場合、1台のレーザーセンサにより得られるデータのみでは両者を同時に計算することはできない。
また、レーザーセンサを一台のみ用いるシステムの場合、複数台の車両が連なって通行した場合、レーザーセンサの角度によっては、検知信号において車両同士が重なって捉えられ、正確に車両が何台通過したのかを把握できない場合がある。
また、レーザーセンサを一台のみ用いるシステムの場合、大きなトラックのような車両が前方にあり、小さな車両が後方に続いて走行している場合、検知信号において前方の車両の陰に後方の車両が隠れてしまい、後方の小さな車両を把握できない場合がある。
もし、従来技術により2台のレーザーセンサを用いて交通検知システムを導入する場合、数十メートル程度の間隔を置いた位置にそれぞれレーザーセンサを設置するための陸橋などの構造物が必要となるが、既設の高速道路の陸橋構造物などで数十メートル程度の間隔をおいて連続して設けられている陸橋などの構造物がほとんどない。もっとも、高速道路には行先表示板を掲示する陸橋構造物など多数の既設の構造物があるが、数十メートル程度の間隔をおいて連続している陸橋はそう多くはない。そのため、既設の高速道路に対して、従来技術により2台のレーザーセンサを用いて交通検知システムを導入する場合は、新らに高速道路上にわざわざ陸橋構造物を設置する工事が必要となる。この設置工事はコスト高を招くとともに交通を遮断して行わざるを得ず、交通に多大な影響を与えてしまう。
ここで、上記の推定制御部による通過車両の諸情報の推定処理は以下のように実行する。
まず、車両台数Nは、前記第1のレーザー検知部が検出した前記第1の車両検出エリアへの前記車両の進入時刻T11と離脱時刻T12と、前記第2のレーザー検知部が検出した前記第2の車両検出エリアへの前記車両の進入時刻T21と離脱時刻T22に基づいて、前記第1の車両検出エリアへの前記車両の進入時刻T11と離脱時刻T12の繰り返しにより前記道路を通過する車両の台数Nを推定する。
また、車両車長Lは、前記第1の車両検出エリアへの前記車両の進入時刻T11と離脱時刻T12との差分と前記車両の速度Vより前記車両の車長Lを推定する。
第1の問題のデータは、道路に複数のレーンがある場合であって、複数のレーンにおいて車両検知エリアに同時に進入し、かつ、同時に離脱した車両が検知された場合である。この場合、1台の車がレーンをまたいで走行したのか、並走する車が偶然同時に車両検出エリアに進入したのかの判断が一意に決まらない。そこで、推定制御部は、隣接する複数のレーンにおいて同時に前記第1の車両検出エリアに進入した車両群を検知し、さらに、当該車両群が前記第2の車両検出エリアに進入したと推定される時刻帯に同時に前記第2の車両検出エリアに進入した車両群を検知した場合には、当該車両が隣接する複数の前記レーンをまたいで通行したものと推定する。偶然にまったく同時に並走した車が車両検出エリアに進入し、同時に離脱する確率は低い一方、1台の車がレーンをまたいで走行するとかならず同時に並走した車が車両検出エリアに進入し、同時に離脱するように検知されるため、後者の1台の車がレーンをまたいで走行したものと推定するものである。
図1は、実施例1にかかる交通検知システム100の基本構成を示す図である。
図1には交通検知システム100に加え、道路200、構造体210、第1の車両検出エリア220、第2の車両検出エリア230、車両300が併せて示されている。
なお、車両300は特に車種は問われない。また、道路200は、一例として、片道3本レーンとして説明する。なお、本発明の交通検知システムは対面交通道路であっても適用可能であることは言うまでもない。
構造体210は、本発明の交通検知システム100を取り付けるための構造物であり、道路200付近に設置されている。なお、交通速度取締システムなど他のシステムとの兼用であっても良く、また、夜間に道路を照らす照明機器などが併設されていても良い。
第1の車両検出エリア220は、交通検知システム100の第1のレーザー検知部120からレーザー光が照射される道路200上のエリアである。
第2の車両検出エリア230は、交通検知システム100の第2のレーザー検知部130からレーザー光が照射される道路200上のエリアである。
これら第1の車両検出エリア220および第2の車両検出エリア230の位置は、第1のレーザー検知部120のレーザー照射角度、第2のレーザー検知部130のレーザー照射角度の調整により設定することができる。ここでは、第1の車両検出エリア220と第2の車両検出エリア230は、所定の距離D(m)だけ離れるように設定されている。
なお、第1のレーザー検知部120および第2のレーザー検知部130とも、そのスキャン速度は車両300の速度Vに比べて十分速いものとする。
図3は、1台の車両300の基本的な通行があった場合における、第1のレーザー検知部および第2のレーザー検知部での検出を示している。分かりやすいように側面視において簡単に示している。
図3(a)は車両300が第2の車両検出エリア230へ進入した状態を示している。
図3(b)は車両300が第2の車両検出エリア230から離脱した状態を示している。
図3(c)は車両300が第1の車両検出エリア220へ進入した状態を示している。
図3(d)は車両300が第1の車両検出エリア220から離脱した状態を示している。
図4は第1のレーザー検知部および第2のレーザー検知部で検出されたデータを時系列に並べたものである。
第1のレーザー検知部120が照射したレーザー光は途中で遮られることなく道路200に照射され、再び道路200の表面から反射したレーザー光を第1のレーザー検知部120において受光する。ここで、図4に示すように、第1のレーザー検知部120の信号である、レーザー光を照射して再び受光するまでの受光時間はt1とする。なお、第2のレーザー検知部130の信号である、レーザー光を照射して再び受光されるまでの受光時間はt3とする。
図3(a)に示すように、時刻T11において、車両300が第1の車両検出エリア220へ進入したとする。第1のレーザー検知部120から照射されたレーザー光は車両300に遮られて車両300の表面から反射したレーザー光が第1のレーザー検知部120において受光される。ここで、図4に示すように、第1のレーザー検知部120において、レーザー光を照射してから再び受光するまでの時間はt2となったものとする。ここでt2<t1である。つまり、車両300に反射して受光されるために受光時間が短くなったわけである。
推定制御部110は、第1のレーザー検知部120から得たデータにおいて、t1であったデータがt2に変化したことが解析される。ここに、推定制御部110は時刻T11において第1の車両検出エリア220に車両300の進入があったものと推定する。
なお、第1のレーザー検知部120は、進行して来る車両300に対して迎えるように照射され、車両300の前面を捉えるため、第1の車両検出エリア220への進入は、比較的に精度良く検出することができ、時刻T11を精度よく求めやすい。
時刻T11から時刻T12までの間、図4に示すように、第1のレーザー検知部120から照射されたレーザー光は通過中の車両300に遮られて車両300の表面から反射したレーザー光が第1のレーザー検知部120において受光される。つまり、レーザー光を照射してから再び受光するまでの時間はt2が維持される。
なお、車両300の高さに応じてt2の値が変わるため、車高の高い大型車、車高の中ぐらいの普通車、車高の低い小型車などの概ねの推定も可能となる。また、実際には車両300における凹凸によってレーザーの受光時間については細かく変化するがここでは説明を簡単にするため省略する。
図3(b)に示すように、時刻T12において、車両300が第1の車両検出エリア220から離脱したとする。第1のレーザー検知部120から照射されたレーザー光は車両300に遮られることなく道路200の表面から反射したレーザー光が第1のレーザー検知部120において受光される。つまり、レーザー光を照射してから再び受光するまでの時間がt1に戻る。ここで、図4に示すように、第1のレーザー検知部120において、レーザー光を照射してから再び受光するまでの時間はt1に戻っている。つまり、車両300が通過して道路200からの反射光を受光することとなり受光時間が元に戻ったわけである。
推定制御部110は、第1のレーザー検知部120から得たデータにおいて、t2であったデータがt1に変化したことを解析し、ここに、時刻T12において第1の車両検出エリア220から車両300の離脱があったものと推定する。
なお、第1のレーザー検知部120は、進行する車両300に対して照射され、車両300の離脱はその後端の切れ目を捉えるため、第1の車両検出エリア220からの離脱の検出は、第1の車両検出エリア220への進入検出よりもそのタイミングを特定しづらい場合があり、時刻T12の特定にバラツキが生じる場合がある。
車両300が第2の車両検出エリア230に到達するまでの期間であり、図4に示すように、この間は第1のレーザー検知部120で検出されるデータの受光時間はt1、第2のレーザー検知部130で検出されるデータの受光時間はt3である。
図3(c)に示すように、時刻T21において、車両300が第2の車両検出エリア230へ進入したとする。ここで、図4に示すように、第2のレーザー検知部130から照射されたレーザー光は車両300に遮られて車両300の表面から反射したレーザー光が第2のレーザー検知部130において受光され、レーザー光を照射してから再び受光するまでの時間がt4とする。ここでt4<t3である。つまり、車両300に反射して受光されるために受光時間が短くなったわけである。
推定制御部110は、第2のレーザー検知部130から得たデータにおいて、t3であったデータがt4に変化したことが解析される。ここに、推定制御部110は時刻T21において第2の車両検出エリア230に車両300の進入があったものと推定する。
なお、第2のレーザー検知部130は、道路直下に照射され、そこに進行する車両300の前端のエッジを捉えるため、第2の車両検出エリア230への進入は、比較的に精度良く検出することができ、時刻T21を精度よく求めやすい。
時刻T21から時刻T22までの間、第2のレーザー検知部130におけるレーザー光の受光時間はt4が維持される。
図3(d)に示すように、時刻T22において、車両300が第2の車両検出エリア230から離脱したとする。図4に示すように、第2のレーザー検知部130におけるレーザー光の受光時間はt3に戻っている。つまり、車両300が通過して道路200からの反射光を受光することとなり受光時間が元に戻ったわけである。
推定制御部110は、第2のレーザー検知部130から得たデータにおいて、t4であったデータがt3に変化したことを解析し、ここに、時刻T22において第2の車両検出エリア230から車両300の離脱があったものと推定する。
なお、第2のレーザー検知部130は、道路直下に照射され、そこに進行する車両300の後端のエッジを捉えるため、第2の車両検出エリア230からの離脱も、比較的に精度良く検出することができ、時刻T22を精度よく求めやすい。
推定制御部110は、上記の(1)から(8)の手順により、第1のレーザー検知部120による車両300の第1の車両検出エリア220への進入データと離脱データ、さらに、第2のレーザー検知部130による車両300の21の車両検出エリア230への進入データと離脱データを取得した後、以下の車両情報を推定する。なお、第1の車両検出エリア220と第2の車両検出エリア230間の距離Dはあらかじめ推定制御部110に与えておくものとする。
推定制御部110は、第1の車両検出エリア220への車両300の進入時刻T11と離脱時刻T12の繰り返しの回数、または、第2の車両検出エリア230への車両300の進入時刻T21と離脱時刻T22の繰り返しの回数により、道路300を通過する車両の台数Nを推定することができる。この例では、上記したようにそのタイミングが精度良く特定しやすい第2の車両検出エリア230への車両300の進入時刻T21と離脱時刻T22の繰り返しの回数をカウントして車両の台数Nを推定するものとし、比較的特定にバラツキが生じやすいT12を用いることなく車両の台数Nを推定する。
なお、一時間当たりのNを出せば、一時間当たりの車両通行量を推定することができる。
推定制御部110は、第1の車両検出エリア220への車両300の進入時刻T11と第2の車両検出エリア230への車両300の進入時刻T21との差分と、第1の車両検出エリア220と第2の車両検出エリア230間の距離Dから車両の速度Vを推定する。つまり下記の[数1]により推定できる。なお、ここでは、速度Vは秒速で得られるものとするが、時速への変換も容易である。
[数1]
V=D/(T21−T11)
なお、上記したように、時刻T21は精度良く検出しやすく、時刻T11も比較的精度良く検出しやすいものであるので、車両の速度Vの推定も精度良いものとして得られる。つまり、比較的特定にバラツキが生じやすいT12を用いることなく車両の速度Vの推定ができる。
推定制御部110は、第1の車両検出エリア220への車両300の進入時刻T11と離脱時刻T12との差分、または、第2の車両検出エリア230への車両300の進入時刻T21と離脱時刻T22との差分と、車両300の速度Vより車両の車長Lを推定する。つまり下記の[数2]により推定できる。この例では、上記したようにそのタイミングが精度良く特定しやすい第2の車両検出エリア230への車両300の進入時刻T21と離脱時刻T22の差分から車両長Lを推定するものとし、比較的特定にバラツキが生じやすいT12を用いることなく車両長Lを推定する。
[数2]
L=(T12−T11)・V または L=(T22−T21)・V
推定制御部110は、上記したように、車両300の表面で反射して得られるレーザー光の受光時間t2またはt4から車両300の高さを概ね推定することも可能である。車高から、例えば、大型トラック類、中型の乗用車類、小型の軽自動車類などを推定できる。また、車長Lからも大型トラック類、中型の乗用車類、小型の軽自動車類などを推定できる。車高と車長を兼ね合わせれば、大型トラックと、中型の乗用車類および小型の軽自動車類との区別は概ね可能である。
本発明の交通検知システム100によれば、2つのレーザー検知部を一カ所の構造物に設置するだけで道路を通行する車両の数、車両毎の速度、車両毎の車長、車両の種別などを検出することができる。
第1のレーザー検知部120および第2のレーザー検知部130において道路の端から端まで全体をスキャンして得た信号パターンをすべて解析する方法でも良いが、推定制御部110の推定処理の負荷が大きくなってしまう。しかし、ほとんどの車両300は1つのレーン内を走行するため、車両300の検出を行うためには、かならずしも道路の端から端まで全体をスキャンして得た信号パターンをすべて解析する必要はない。そこで、第1のレーザー検知部120および第2のレーザー検知部130のスキャンデータからレーンゾーンを設定する。
ここでは、後者の推定制御部110が3つの略扇状のレーンゾーンに相当するデータ部分を抽出して解析する処理とする。
このように、複数のレーンにおいて車両が通過しても、レーンごとに道路を通過した車両の数N、車両毎の速度V、車両毎の車長Lを推定する処理を行うことができる。
なお、それぞれのレーンにおける車両300の進入、離脱の検知処理は実施例1で説明したものと同様で良い。
図6に示すように、図6(a)から図6(b)にかけてレーン1に車両300aが通過してゆき、図6(b)から図6(c)にかけてレーン2に車両300bが通過してゆくことが検知される。
図7は、車両300が1つのレーン内を走行せずに、レーン間をまたがって走行した様子を簡単に示す図である。この場合、車両300はレーンゾーン1とレーンゾーン2の両方の範囲にかかりながら走行している。なお、図7においてもレーンゾーンおよび通過車両300が分かりやすいように陸橋構造物200の手前側の柱などは図示していない。
車両300が図7に示したような走行をした場合、車両300は第1の車両検出エリア220と第2の車両検出エリア230において同時に検出されることとなる。そのため、推定制御部110において、隣接する複数のレーンにおいて、あたかも同時に複数の車両300が第1の車両検出エリア220に進入し、さらに、当該複数の車両が第2の車両検出エリア230に同時に進入したように検知される。しかし、このようなデータは、1台の車両300が複数のレーンをまたいで通行していたものか、実際に2台の車両300a,300bが偶然同時に第1の車両検出エリア220に進入し、さらに、偶然同時に第2の車両検出エリア230に進入したものであるか、両方の可能性があるため、誤った推定ミスを起こす可能性がある。
図8は、1つのレーン内で車両300aと車両300bが車間距離をあまり大きくとらずに走行している様子を簡単に示す図である。特に、先行する車両300aが大型トラックなど車高の高い車両、後続する車両300bが小型軽自動車などの車高の低い車両であるものとする。ここでは、図8(b)に示すように、第1のレーザー検知部120から第1の車両検出エリア220に照射されたレーザー光は角度があり視野角が生じやすい状況となっている。
そのため、推定制御部110は、第1の車両検出エリア220において1台の車両のみが進入したことを検知したものの、第2の車両検出エリア230において2台の車両が連続して進入したものとして検知する。しかし、このような推定は、本来矛盾するものであるため、推定制御部110は、第1のレーザー検知部120により第1の車両検出エリア220に対してレーザー光を照射した際に前方を走行する車両300aにより生じる死角に後続の車両300bが隠れたものと推定する。
図9は、第1の車両検出エリア220付近を走行中の車両300が車線変更を行ない、車線変更後は車両300が1つのレーン内にて走行を続けて第2の車両検出エリア230を通過した様子を簡単に示す図である。なお、図9においてもレーンゾーンおよび通過車両300が分かりやすいように陸橋構造物200の手前側の柱などは図示していない。
図9(a)から図9(b)に示したように、車両300が第1の車両検出エリア220付近において車線変更を行う過程にあるため、図9(b)の状態では第1のレーザー検知部120は複数のレーンで2台の車両が同時に並走して進入したものとして検知できる。
一方、図10(a)から図10(b)に示すように、第2の車両検出エリア230付近では既に車線変更が終了しており、通常に1つのレーン内にて走行しているため、第2のレーザー検知部130では1台の車両のみが第2の車両検出エリア230を通過したものと検知される。
しかし、このような推定は、本来矛盾するものであるため、推定制御部は、第1の車両検出エリア220にて車線変更を行ったため複数のレーンで2台の車両が同時に並走して進入したことが検知されてしまい、他方では車線変更の前後で正常に1つのレーン内を走行していたことが検知されたと推定する。
110 推定制御部
120 第1のレーザー検知部
130 第2のレーザー検知部
200 道路
210 構造体
220 第1の車両検知エリア
230 第2の車両検知エリア
300 車両
Claims (8)
- 複数のレーンのある道路に設置した構造体から前記第1の車両検出エリアに対してレーザー光を照射し、その反射光を受光し、前記第1の車両検出エリアに進入し、離脱した車両を検知する第1のレーザー検知部と、
前記構造体から前記第1の車両検出エリアとは離れた位置にある第2の車両検出エリアに対してレーザー光を照射し、その反射光を受光し、前記第2の車両検出エリアに進入し、離脱した前記車両を検知する第2のレーザー検知部と、
前記第1の車両検出エリアと前記第2の車両検出エリア間の距離と前記第1のレーザー検知部および前記第2のレーザー検知部から得た検知データを基に前記道路を通過した車両の数、車両毎の速度、車両毎の車長を含む車両通行情報を推定する推定制御部を備え、
前記第1の車両検出エリアと前記第2の車両検出エリアとの間に、通過車両が車線変更できる程度の距離を設けて前記第1のレーザー検知部と前記第2のレーザー検知部の前記レーザー照射角度が調整されており、
前記推定制御部が、前記第1の車両検出エリアおよび前記第2の車両検出エリアを前記道路のレーンに応じたレーンゾーンに分け、スキャンデータを前記レーンゾーンに対応する範囲ごとに分割処理して前記レーンごとに道路を通過した車両の推定する処理において、
前記第1の車両検出エリアまたは前記第2の車両検出エリアのいずれか一方にて複数のレーンに2台の車両が同時に並走して進入したことが検知され、他方にて1台の車両のみが通過したことを検知すれば、前記推定制御部は、1台の車両が車線変更しつつ通過したもの推定することを特徴とする交通検知システム。 - 前記第1の車両検出エリアまたは前記第2の車両検出エリアのいずれか一方が前記構造体の下方となるように前記第1のレーザー検知部または前記第2のレーザー検知部の前記レーザー照射角度が調整されており、前記第1の車両検出エリアまたは前記第2の車両検出エリアの他方が前記構造体から離れた位置となるように前記第1のレーザー検知部または前記第2のレーザー検知部の前記レーザー照射角度が調整されていることを特徴とする請求項1に記載の交通検知システム。
- 前記第1のレーザー検知部および前記第2のレーザー検知部のスキャン速度が前記車両の速度に比べて十分速いものとし、
前記推定制御部が、前記第1のレーザー検知部が検出した前記第1の車両検出エリアへの前記車両の進入時刻T11と離脱時刻T12と、前記第2のレーザー検知部が検出した前記第2の車両検出エリアへの前記車両の進入時刻T21と離脱時刻T22に基づいて、
前記第1の車両検出エリアへの前記車両の進入時刻T11と離脱時刻T12の繰り返しまたは前記第2の車両検出エリアへの前記車両の進入時刻T21と離脱時刻T22の繰り返しにより前記道路を通過する車両の台数Nを推定し、前記第1の車両検出エリアへの前記車両の進入時刻T11と前記第2の車両検出エリアへの前記車両の進入時刻T21との差分と前記第1の車両検出エリアと前記第2の車両検出エリア間の距離Dから前記車両の速度Vを推定し、前記第1の車両検出エリアへの前記車両の進入時刻T11と離脱時刻T12との差分と前記車両の速度Vより前記車両の車長を推定する処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の交通検知システム。 - 前記推定制御部が、隣接する複数のレーンにおいて同時に前記第1の車両検出エリアに進入した車両群を検知し、さらに、当該車両群が前記第2の車両検出エリアに進入したと推定される時刻帯に同時に前記第2の車両検出エリアに進入した車両群を検知した場合、当該車両が隣接する複数の前記レーンをまたいで通行したものと推定する処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の交通検知システム。
- 前記推定制御部が、前記第1の車両検出エリアまたは前記第2の車両検出エリアのいずれか一方において2台の車両が連続して進入したことを検知した場合において、前記第1の車両検出エリアまたは前記第2の車両検出エリアのいずれか他方において対応する車両が1台のみとして検知された場合、前記レーザー光を照射した際に前方を走行する車両により生じる死角に後続の車両が隠れたものと推定する処理を行うことを特徴とする請求項3または4に記載の交通検知システム。
- 前記第1の車両検出エリアが前記第2の車両検出エリアより前記道路の上流側に設定され、前記車両が、前記第1の車両検出エリアを通過してから前記第2の車両検出エリアを通過するように、かつ、前記第2の車両検出エリアが前記構造体の下方となるように、前記第1のレーザー検知部のレーザー照射方向と前記第2のレーザー検知部のレーザー照射方向が調整されたものである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の交通検知システム。
- 前記構造体が前記道路を跨ぐように設けられた陸橋構造物であり、前記第1のレーザー検知部および前記第2のレーザー検知部が前記陸橋構造物に取り付けられたものである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の交通検知システム。
- 前記構造体が前記道路脇に設けられた櫓構造物であり、前記第1のレーザー検知部および前記第2のレーザー検知部が前記櫓構造物に取り付けられたものである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の交通検知システム。
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