JP6004989B2 - 管肉厚測定装置及び管肉厚測定方法 - Google Patents
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Description
特に管寄せに接続されているボイラチューブの肉厚を計測しようとする場合には、インナーUT法により計測が行われているが、この方法では超音波プローブ(センサプローブ)をボイラチューブ内に挿入するためにボイラチューブ自体を切断する必要がある。また、超音波プローブをボイラチューブの内部に入れ込むために水流などの流体圧を加える必要がある。したがって、肉厚測定のための装置が大掛かりなものとなりコストが高いという欠点があった。
その後、検査孔側からガイド管内に超音波プローブを導入し、該超音波プローブを前進させる。これによって、超音波プローブはガイド管内に沿って前進し、即ち、このガイド管に案内されるようにしてボイラチューブ内に導入される。
本発明は、管寄せに形成された挿入孔から前記管寄せに接続された被検管内に、ガイド管を介してケーブルを挿入し、前記ケーブルに設けられたセンサ部によって前記被検管の肉厚を測定する管肉厚測定装置であって、前記挿入孔の前記被検管側に配置され、前記管寄せの延在方向に直交する方向に延在し、先端が前記管寄せ内に挿抜自在とされたシャフト部と、前記シャフト部の先端に設けられ、前記シャフト部の延在方向と直交する方向に延在するローラ保持部と、前記ローラ保持部に回転自在に保持された円柱形状をなす第二案内ローラと、を有し、前記シャフト部の軸線を中心に回転自在であるガイド管外側案内部材を備え、前記ガイド管は、それぞれ軸線に沿って延びて、前記軸線に直交する第一方向に屈曲する第一屈曲部、及び前記第一屈曲部の先端側に設けられ、前記軸線と前記軸線に直交する前記第一方向の双方に直交する方向にのみ屈曲する第二屈曲部を有するガイド管本体部と、前記第一屈曲部を前記第一方向に屈曲させる第一操作部と、前記第二屈曲部を第二方向に屈曲させる第二操作部と、を備えることを特徴とする。
また、前記ローラ保持部は、前記シャフト部を180°回転させることによって、鉛直方向の高さが変わるように前記シャフト部に取り付けられてよい。
図1に示すように、本実施形態に係る管肉厚測定装置1は、ボイラ50におけるボイラチューブ52の肉厚を測定する際に用いられる。ボイラ50は、管寄せ51と複数のボイラチューブ52とを備えている。ボイラチューブ52は水蒸気の流路となる複数の小径管であって、管寄せ51の軸線方向に沿って配列されて一端が管寄せ51に接続されている。これらボイラチューブ52は管寄せ51と連通状態とされており、それぞれ管寄せ51に対して直交して延在している。
管肉厚測定装置1は、データ収集機器31と、データ収集機器31が収集したデータを解析するデータ解析装置32と、データ収集機器31と接続されたケーブル巻取装置33と、ケーブル巻取装置33から排出されるケーブル30と、ケーブル30の先端に取り付けられたセンサ部であるセンサプローブ2と、センサプローブ2の案内装置であるガイド管3とを有している。
また、管肉厚測定装置1は、ガイド管3を管寄せ51へ挿入して、管寄せ51内に所望の形態で固定する際に使用される挿入治具である検査孔挿入台9を備えている。
具体的には、管肉厚測定装置1は、直線状態(屈曲していない)のガイド管3を第一検査孔53から挿入し、屈曲させながら管寄せ51に沿って走行させ、ガイド管3の先端部を所望のボイラチューブ52の入口に接続する挿入治具としての機能を有している。
まず、図8に示すように、直線状態にあるガイド管3を検査孔挿入台9にセットする。ガイド管3の内部には、センサプローブ2、及びケーブル30がセットされている。具体的には、センサプローブ2がセンサ収納部45に収納されている。検査孔挿入台9は、第一検査孔53に連なるように配置されている。
次いで、図9に示すように、スライダ11を管寄せ51側に移動させることによってガイド管3の先端を管寄せ51に挿入する(ガイド管挿入工程)。このように、スライダ11によって、ガイド管3の先端が挿入された状態を挿入状態と呼ぶ。
次いで、図12に示すように、ガイド管3を被検管となるボイラチューブ52aの方向(本実施形態では水平方向左側)に曲げる(第一屈曲部屈曲工程)。
次いで、図16に示すように、ガイド管3の先端がボイラチューブ52aの位置に達するまで、ガイド管3を走行させる(ガイド管走行工程)。
この後、ボイラチューブ52aの肉厚の測定が行われる。
ケーブル30は例えば金属やビニール等からなる長尺状の部材であって、全長にわたって屈曲可能とされている。
センサプローブ2は、ケーブル30の先端部に設けられており、超音波を発することによってボイラチューブ52の肉厚データを測定可能とされている。
データ収集機器31は、センサプローブ2によって測定されたボイラチューブ52の肉厚データがケーブル30を介して入力される。即ち、データ収集機器31は、ボイラチューブ52の肉厚データを収集する役割を有している。
データ解析装置32はデータ収集機器31が収集したボイラチューブ52の肉厚データを解析するために使用されるコンピュータである。
検査孔挿入台9は、ガイド管挿入工程において、ガイド管3の先端を管寄せ51に挿入し、ガイド管走行工程において、ガイド管3の走行を案内する機能を有している。
スライド部16の底板17上には、ガイド管走行工程において、ガイド管3のスライド部16上の走行を円滑にするための支持ローラ58が複数配置されている。
ガイド管外側案内部材12に設けられた外側用ローラ23(第二案内ローラ)は、管寄せ51の内部に挿入することができる。ガイド管外側案内部材12は、この外側用ローラ23がガイド管3の外面に転動しながら当接することによって、ガイド管3の位置を規制する。
また、ガイド管外側案内部材12は、シャフト部19の長手方向に沿って移動させることができる。これにより、外側用ローラ23を有するローラユニット20を管寄せ51内に挿入することができる。
また、ガイド管外側案内部材12は、シャフト部19を中心に回転させる際、少なくとも、ローラユニット20の延在方向が、ガイド管3の走行方向に向いた状態(図2に示す状態)で固定する所定の固定部材(図示せず)を有している。
具体的には、外側用ローラ23は、第一の状態においてシャフト部19の高さより低くなり、ローラユニット20を180°回転させた状態でシャフト部19の高さより高くなるように配置されている。ローラユニット20の複数の外側用ローラ23は、ローラユニット20を180°回転させた状態で、外側用ローラ23の外周面がガイド管3の下部に当接可能な高さになるように配置されている。
ローラユニット20は180°回転させることによって、その延在方向が、ガイド管走行工程におけるガイド管3の走行方向に向くとともに、ガイド管3を規制・案内する外側用ローラ23がガイド管3に当接可能な高さになる。
ガイド管内側案内部材13は、ガイド管外側案内部材12のシャフト部19を保持するためのブラケット29を兼ねた内側用ローラ保持部材35と、内側用ローラ保持部材35に保持された内側用ローラ36(第一案内ローラ)と、を有している。
例えばゴムによって形成された内側用ローラ36は、円柱形状の回転物である。内側用ローラ36は、内側用ローラ36の軸線が、鉛直方向を向くように取り付けられている。また、内側用ローラ36は、ガイド管走行工程において、内側用ローラ36の外面がガイド管3の内側に接するように取り付けられている。
図4、及び図5に示すように、ガイド管3は、複数の短尺筒体4を接続することによって構成されているガイド管本体部38と、ガイド管本体部38を屈曲させるための操作部であるワイヤ操作部39と、を有している。換言すれば、ガイド管3は、管を短く分割した構造とされている。
ワイヤ操作部39は、第二屈曲部屈曲工程において第二屈曲部44を屈曲させる第二操作部56と、第一屈曲部屈曲工程において、第一屈曲部43を屈曲させる第一操作部55と、を備えている。
第一操作部55は、4本の操作ワイヤ7のうち第一屈曲部43を操作する一対の第一ワイヤ7a,7bと、第一ワイヤ7a,7bを操作するハンドル46とを有している。第二操作部56は、4本の操作ワイヤ7のうち第二屈曲部44を操作する一対の第二ワイヤ7c,7dと、第二ワイヤ7c,7dを操作するハンドル46とを有している。
一対の第一ワイヤ7a,7bのうち一方の第一ワイヤ7bは、張力を与えることによって、第一屈曲部43が左側に屈曲するように、ワイヤ固定金具47の左側に設けられている。
また、センサ収納部45には、センサ収納部45の前方を撮影可能なモニタカメラ61が取り付けられている。モニタカメラ61によって撮影された画像は、所定の映像ケーブルを介して外部にて確認可能である。
図9に示すように、ガイド管挿入工程P2では、スライダ11をスライドさせることにより、ガイド管3の先端部を管寄せ51内に挿入する。この際、ガイド管内側案内部材13が、第一屈曲部屈曲工程において、屈曲するガイド管3の内側に配置される。
図13に示すように、ガイド管外側案内部材挿入工程P5では、ガイド管外側案内部材12を管寄せ51の奥側に挿入する。
これにより、ローラユニット20がガイド管3の走行方向前方に位置する。また、ローラユニット20の外側用ローラ23の高さがシャフト部19の高さより高くなり、外側用ローラ23がガイド管3の側面を支持可能な高さとなる。
センサプローブ2のボイラチューブ52内の昇降は、水供給ホースを繰り出すことで行われる。
例えば、上記実施形態では、第一屈曲部43が左方向に曲がるように構成されているが、これに限ることはなく、第一屈曲部43は、右方向に曲がるように構成されていてもよい。
2 センサプローブ(センサ部)
3 ガイド管
4 短尺筒体
5 ヒンジ
6 操作ワイヤ孔
7 操作ワイヤ
9 検査孔挿入台
10 ガイド管用台
11 スライダ
12 ガイド管外側案内部材
13 ガイド管内側案内部材
16 スライド部
18,18a 側壁部
19 シャフト部
20 ローラユニット
21 ハンドル部
22 ローラ保持部
23 外側用ローラ(第二案内ローラ)
27 ハンドル軸部
28 ハンドル把持部
29 ブラケット
30 ケーブル
35 内側用ローラ保持部材
36 内側用ローラ(第一案内ローラ)
38 ガイド管本体部
39 ワイヤ操作部
40 下面
41 上面
42 側面
43 第一屈曲部
44 第二屈曲部
45 センサ収納部
46 ハンドル
47 ワイヤ固定金具
48 ワイヤ固定金具
50 ボイラ
51 管寄せ
52 ボイラチューブ
53 第一検査孔(挿入孔)
54 第二検査孔
55 第一操作部
56 第二操作部
58 支持ローラ
60 移動用ローラ
61 モニタカメラ
Claims (7)
- 管寄せに形成された挿入孔から前記管寄せに接続された被検管内に、ガイド管を介してケーブルを挿入し、前記ケーブルに設けられたセンサ部によって前記被検管の肉厚を測定する管肉厚測定装置であって、
前記挿入孔の前記被検管側に配置され、前記管寄せの延在方向に直交する方向に延在し、先端が前記管寄せ内に挿抜自在とされたシャフト部と、
前記シャフト部の先端に設けられ、前記シャフト部の延在方向と直交する方向に延在するローラ保持部と、
前記ローラ保持部に回転自在に保持された円柱形状をなす第二案内ローラと、を有し、前記シャフト部の軸線を中心に回転自在であるガイド管外側案内部材を備え、
前記ガイド管は、
それぞれ軸線に沿って延びて、前記軸線に直交する第一方向に屈曲する第一屈曲部、及び前記第一屈曲部の先端側に設けられ、前記軸線と前記軸線に直交する前記第一方向の双方に直交する方向にのみ屈曲する第二屈曲部を有するガイド管本体部と、
前記第一屈曲部を前記第一方向に屈曲させる第一操作部と、
前記第二屈曲部を第二方向に屈曲させる第二操作部と、を備えることを特徴とする管肉厚測定装置。 - 前記ガイド管は、複数の短尺筒体を接続することによって形成されており、
前記第一屈曲部及び前記第二屈曲部において、前記短尺筒体は、屈曲する側の長さが短く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の管肉厚測定装置。 - 前記第一操作部及び前記第二操作部とは、前記ガイド管の延在方向に沿って配され、前記複数の短尺筒体を接続する複数の操作ワイヤを有し、前記第一屈曲部及び前記第二屈曲部とは、前記複数の操作ワイヤの張力によって屈曲することを特徴とする請求項2に記載の管肉厚測定装置。
- 円柱形状をなし、外周面が前記第一屈曲部の内側を案内するように、前記挿入孔の内側に配置される第一案内ローラを備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の管肉厚測定装置。
- 円柱形状をなし、外周面が前記第一屈曲部の外側を案内するように、前記管寄せの内部に配置される第二案内ローラを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の管肉厚測定装置。
- 前記ローラ保持部は、前記シャフト部を180°回転させることによって、鉛直方向の高さが変わるように前記シャフト部に取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の管肉厚測定装置。
- 管寄せに形成された挿入孔から前記管寄せに接続された被検管内に、ガイド管を介してケーブルを挿入し、前記ケーブルに設けられたセンサ部によって前記被検管の肉厚を測定する管肉厚測定方法であって、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の管肉厚測定装置のガイド管を前記挿入孔に前記第二屈曲部側から挿入するガイド管挿入工程と、
前記第二屈曲部を前記被検管の延在方向に屈曲させる第二屈曲部屈曲工程と、
前記第二屈曲部を前記管寄せの延在方向に屈曲させる第一屈曲部屈曲工程と、
前記第二屈曲部の先端が前記被検管の位置に達するまで前記ガイド管を走行させるガイド管走行工程と、を有することを特徴とする管肉厚測定方法。
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