以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。まず、図1から図4を参照して、スロットマシン10の構造について説明する。
図1はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図3は前面扉12の背面図、図4は筐体11の正面図である。
スロットマシン10は、遊技者がメダル投入口45から遊技媒体であるメダルを投入して、スタートレバー41を操作することで複数の図柄が付された3つのリール32L,32M,32Rが回転駆動し、その後、各リール32L,32M,32Rに対応して設けられたストップスイッチ42,43,44を遊技者が操作することで対応するリール32L,32M,32Rが停止し、そのリール32L,32M,32Rが停止することで表示される図柄の組み合わせが予め定めた組み合わせであった場合に、所定数のメダルを付与する特典や遊技状態に移行する特典を遊技者に付与するものである。
図1〜図4に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製のパネルを組み合わせて、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。尚、筐体11は木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。
また、前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置20が設けられ、前面扉12は、その施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)が用いられている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図2に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。詳細については図5を参照して後述するが、各リール32L,32M,32R毎に、21個の図柄が等間隔に描かれており、そのうち連続する3個の図柄が表示窓26L,26M,26Rの上段、中段、下段の位置にそれぞれ視認可能に構成されている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41は、遊技者が遊技(ゲーム)を開始するときに手で押し操作(押される方向は限定されない)するレバーであり、所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rの回転が一斉に(但し、同時である必要はない)開始されるようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。
このとき、本スロットマシン10では、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に基点位置(本実施形態では、対応する表示窓26L,26M,26Rそれぞれの下段位置)に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様だけでなく、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンが用意されている。これにより、ストップスイッチ42〜44が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでの間に各リール32L,32M,32Rが所定の停止態様で停止するように設定することにより、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、停止出目とも言う。)があたかも遊技者の操作によって決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることができる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した後述する入賞態様(図7参照)に対応する図柄の組合せを、後述の有効ライン上(図6参照)に停止させることができるとともに、抽選に当選していない入賞態様に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止することを回避させることができる。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とにより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55が操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59が操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には、第2クレジット投入スイッチ57と、第3クレジット投入スイッチ58とが設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを1枚投入するためのものである。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、ボーナス状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
メダル受け皿50の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段
プレート66が装着されている。また、メダル受け皿50の左方には、手前側下方に反転
可能な灰皿69が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91(図8参照)を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、後述する主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
リセットスイッチ72は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ72を押しながら電源スイッチ71をオンすると、バックアップデータがリセット(初期化)されるようになっている。また、電源スイッチ71がオンされている状態でリセットスイッチ72を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入して回転操作することにより、スロットマシン10の設定状態(各入賞態様の当選確率の設定)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。そして、設定状態が「設定1」に設定された場合、メダル払出枚数の期待値が最も低くなるように入賞態様(役)の抽選を行い、設定状態が「設定6」に設定された場合、メダル払出枚数の期待値が最も高くなるように入賞態様の抽選を行うように構成されている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の設定状態を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。詳細については、図8を参照して後述するが、主制御装置101は、主たる制御を司るMPU(Micro Processing Unit)102、遊技プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)105、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)106、乱数を発生するフリーランカウンタ107、各種機器との連絡をとるポート104、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路103等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
次に、図5を参照して、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。図5は、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列を示した配列図である。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「7」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「スター」図柄(例えば、中リール32Lの19番目)の6種類がある。そして、図5に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、図柄が視認可能となる各位置を結ぶようにして、5本の組合せラインが設定されている。ここで、図6を参照して、スロットマシン10で設定される組合せラインについて説明する。図6は、各表示窓26L,26M,26Rから視認可能となる図柄と、組合せラインとの関係を示す説明図である。
図6に示すように、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄、右リール32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1と、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄、右リール32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄、右リール32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄、右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄、右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、メダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。
尚、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよい。また、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。例えば、V(逆V)字状のラインとしたり、L字状のラインなどを有効にしてもよい。
次に、図7を参照して、スロットマシン10が取り得る入賞態様と、各入賞態様で入賞成立となる有効ライン上の停止図柄と、一般遊技状態での各入賞態様の当選確率と、各入賞態様で入賞成立した場合のメダル払出枚数とについて説明する。図7は、入賞態様と、停止図柄、一般遊技状態での当選確率およびメダル払出枚数との関係を示す説明図である。尚、図7では、スロットマシン10の設定状態が「設定1」に設定されている場合の当選確率を例に説明するが、設定状態が「設定2」〜「設定6」に設定された場合にも、各入賞態様および投入されたメダル枚数(ベット数)で定まる各当選確率の大小関係が保たれつつ、「設定1」から「設定6」にかけて、1ゲーム当たりのメダル払出枚数の期待値が上がるように、それぞれの当選確率が設定される。
図7に示すように、遊技状態が移行する特典を遊技者に付与する状態移行入賞としてBB(Big Bonus)入賞がある。有効ライン上に左から「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄と並んで停止した場合、BB入賞として遊技状態が特別遊技状態たるボーナス状態に移行する特典が付与される。但し、「7」図柄が有効ライン上に左・中・右と並んで停止したとしても、メダル払出は行われない。すなわち、「7」図柄の組合せが有効ライン上に成立した際には、ボーナス状態に移行するのみである。換言すれば、「7」図柄は、遊技状態をボーナス状態に移行させるための状態移行図柄であるといえる。
ここで、ボーナス状態について説明する。ボーナス状態は、複数回のRB(Regular Bonus)状態で構成され、RB状態は、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームとは、小役入賞である後述のスイカ入賞およびベル入賞の当選する確率が一般遊技状態と比して非常に高いゲームである。そして、JACゲーム中に入賞が8回成立すると、JACゲームが12回行われる前であってもRB状態が終了する。また、ボーナス状態は、メダル払出数が所定数(本実施形態では250)に達したことを以って終了する。即ち、BB入賞が成立すると、その時点でのメダル払出枚数は0であるが、BB入賞に伴って遊技機の遊技状態がボーナス状態に移行されると、遊技者に対して250枚のメダルの払出しが一般遊技状態よりも少ないメダル投入枚数で行われることが確約されるのである。加えて、RB状態の途中でメダル払出数が所定数に達した場合、ボーナス状態のみならずRB状態も終了する。これは、ボーナス状態中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。さらに、本実施形態では、RB状態に移行する図柄の組合せを設定しておらず、ボーナス状態に移行した直後及びRB状態が終了した直後にRB状態に移行する構成としている。故に、ボーナス状態とは、所定数のメダル払出が行われるまでRB状態に連続して移行するゲームであるとも言える。
本スロットマシン10は、ゲーム開始時のメダル投入枚数(ベット数)として1枚掛け、2枚掛け、3枚掛けに対応しており、一般遊技状態におけるBB入賞の当選確率(1ゲームでBB入賞が成立する確率)は、ゲーム開始時に投入されたメダル投入枚数(ベット数)に応じて異なって設定される。具体的には、1枚掛け及び2枚掛けの場合は、BB入賞の当選確率が65536分の1に設定され、3枚掛けの場合は、256分の1に設定される。このように、一般遊技状態におけるBB入賞の当選確率は、1枚掛け及び2枚掛けの場合、3枚掛けと比して低く設定されるようになっている。
次いで、メダル払出が行われる小役入賞としては、スイカ入賞と、ベル入賞とがある。有効ライン上に左から「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄と並んで停止した場合はスイカ入賞が成立し、有効ライン上に左から「ベル」図柄、「ベル」図柄、「ベル」図柄と並んで停止した場合はベル入賞が成立する。そして、3枚掛けでゲームが実行された場合に、スイカ入賞が成立すれば12枚のメダル払出が行われ、ベル入賞が成立すれば6枚のメダル払出が行われる。また、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが実行された場合に、スイカ入賞またはベル入賞が成立すれば、3枚のメダル払出が行われる。また、一般遊技状態におけるスイカ入賞の当選確率は、1枚掛け及び2枚掛けの場合65536分の1に設定され、3枚掛けの場合8分の1に設定される。一方、一般遊技状態におけるベル入賞の当選確率は、1枚掛け及び2枚掛けの場合65536分の1に設定され、3枚掛けの場合5.1分の1に設定される。このように、スイカ入賞およびベル入賞は、3枚掛けの場合にそれらの入賞が成立しやすく設定される一方で、1枚掛け及び2枚掛けの場合は、それらの入賞成立が稀にしか発生しないように設定される。
一方、本スロットマシン10では、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが実行された場合にのみ、又は、1枚掛けでゲームが実行された場合にのみ成立する特殊小役入賞が用意されている。特殊子役入賞には、チェリーベル入賞および7ベル入賞が含まれる。このうち、チェリーベル入賞は、1枚掛け又は2枚掛けの場合にのみ成立する特殊小役入賞で、左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄とが有効ライン上に停止する場合に成立し、3枚のメダル払出が行われる。また、7ベル入賞は、1枚掛けの場合にのみ成立する特殊小役入賞で、左リール32Lの「7」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄とが有効ライン上に停止する場合に成立し、2枚のメダル払出が行われる。
ここで、チェリーベル入賞および7ベル入賞ともに、右リール32Rの有効ライン上に停止する図柄はどのような図柄であってもよい。また、3枚掛けでゲームが実行された場合は、左リール32Lの「スイカ」図柄または「7」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄とが有効ライン上に停止してもチェリーベル入賞または7ベル入賞を成立させずに、外れとして判定する。同様に、2枚掛けでゲームが実行された場合は、リール32Lの「7」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄とが有効ライン上に停止しても7ベル入賞を成立させずに、外れとして判定する。尚、3枚掛けでゲームが実行された場合は、左リール32Lの「チェリー」図柄または「7」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄とを同時に有効ライン上に停止させず、チェリー入賞や7ベル入賞が成立しないように構成してもよい。同様に、2枚掛けでゲームが実行された場合は、左リール32Lの「7」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄とを同時に有効ライン上に停止させず、チェリー入賞が成立しないように構成してもよい。
一般遊技状態におけるチェリーベル入賞の当選確率は、1枚掛けの場合、約6.0分の1に設定され、2枚掛けの場合、約1.8分の1に設定されている。また、一般遊技状態における7ベル入賞の当選確率は、1枚掛けのみに対して、約6.0分の1に設定されている。
即ち、2枚掛けでゲームを行った場合は、約1.8分の1という高い確率でチェリーベル入賞が成立し、また、1枚掛けでゲームを行った場合は、約6.0分の1という高い確率でチェリーベル入賞が成立して、3枚のメダル払出が行われるのである。よって、スロットマシン10において、1枚掛け又は2枚掛けの場合におけるBB入賞の当選確率が極端に低く抑えられていても、遊技者の手元に1枚または2枚のメダルが手元に残った場合に、3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞が成立する期待感を持たせながら、遊技者に対して、1枚掛け又は2枚掛けによるゲームの実行を行わせることができる。そして、このゲームの結果、チェリーベル入賞が成立した場合、3枚のメダルが払い出されるので、遊技者はその3枚のメダルを使用して、1枚掛けや2枚掛けよりも有利な条件でBB入賞が当選される期待感を持ちながら、ゲームを行うことができる。また、そのゲームが外れであった場合であっても、遊技者に対してメダルを余分に余すことなくゲームを終了させることができる。
また、1枚掛けでゲームを行った場合は、約6.0分の1という高い確率で7ベル入賞が成立し、2枚のメダル払出が行われる。よって、スロットマシン10において、遊技者の手元に1枚のメダルが手元に残った場合に、3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞が成立する期待感と共に、2枚のメダル払出が行われる7ベル入賞が成立する期待感を持たせながら、遊技者に対して、1枚掛けによるゲームの実行を行わせることができる。そして、このゲームの結果、7ベル入賞が成立した場合、2枚のメダルが払い出されるので、遊技者はその2枚のメダルを使用して、更に3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞が当選される期待感を持ちながら、ゲームを楽しむことができる。
このように、遊技者の手元に1枚または2枚のメダルが手元に残っても、その1枚または2枚のメダルを使用し、3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞または2枚のメダル払出が行われる7ベル入賞を狙って遊技者に対してゲームを行わせることができる。よって、スロットマシン10は、遊技者にメダルを余分に余すことなく使い切る動機付けを与えることができる。
ここで、再び図5を参照して、チェリーベル入賞および7ベル入賞が成立する左リール32Lの「チェリー」図柄、「7」図柄、中リール32Mの「ベル」図柄それぞれのリール32L,32Mにおける配列位置について簡単に説明する。
まず、左リール32Lにおいて、「チェリー」図柄は、下段に先に到達する図柄と次に到達する図柄との間隔が7図柄となるように配置されている。例えば、左リール32Lの3番の「チェリー」図柄と10番の「チェリー」図柄とは、その間隔が7図柄となるようにして配置されている。また、各リールの0番と20番とは、実際は隣接して配置されるので、左リール32Lの17番の「チェリー」図柄と3番の「チェリー」図柄とも、その間隔が7図柄となっている。一方、「7」図柄も、左リール32Lにおいて、下段に先に到達する図柄と次に到達する図柄との間隔が7図柄となるように配置されている。例えば、左リール32Lの6番の「7」図柄と13番の「7」図柄とはその間隔が7図柄となるようにして配置されており、左リール32Lの20番の「7」図柄と6番の「7」図柄ともその間隔が7図柄となるようにして配置されている。
このように、「チェリー」図柄および「7」図柄は、いずれも同種図柄同士の間隔が7図柄となるようにして左リール32Lに配置されている。上述した通り、各リール32L,32M,32Rはストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。したがって、かかる図柄配列とすることにより、左ストップスイッチ42が如何なるタイミングで操作された場合であっても、チェリーベル入賞または7ベル入賞を成立させる際に「チェリー」図柄または「7」図柄を、表示窓26Lの上段、中段、下段のいずれかの位置に停止させることができる。
例えば、左リール32Lの3番の「チェリー」図柄が下段に到達した際に左ストップスイッチ42が操作された場合、左リール32Lをそのまま停止させればこの「チェリー」図柄を下段に停止させることができ、左リール32Lの4番の「リプレイ」図柄が下段に到達した際に左ストップスイッチ42が操作された場合、左リール32Lを4図柄分滑らせた後に停止させれば10番の「チェリー」図柄を上段に停止させることができ、左リール32Lの5番の「ベル」図柄が下段に到達した際に左ストップスイッチ42が操作された場合、左リール32Lを4図柄分滑らせた後に停止させれば10番の「チェリー」図柄を中段に停止させることができる。
また、左リール32Lの6番の「7」図柄が下段に到達した際に左ストップスイッチ42が操作された場合、左リール32Lをそのまま停止させればこの「7」図柄を下段に停止させることができ、左リール32Lの7番の「スイカ」図柄が下段に到達した際に左ストップスイッチ42が操作された場合、左リール32Lを4図柄分滑らせた後に停止させれば13番の「7」図柄を上段に停止させることができ、左リール32Lの8番の「リプレイ」図柄が下段に到達した際に左ストップスイッチ42が操作された場合、左リール32Lを4図柄分滑らせた後に停止させれば13番の「7」図柄を中段に停止させることができる。
これに対し、中リール32Mにおいて「ベル」図柄は下段に先に到達する図柄と次に到達する図柄との間隔が5図柄以下となるように配置されている。例えば、中リール32Mの0番の「ベル」図柄と5番の「ベル」図柄とは、その間隔が5図柄となるようにして配置されており、中リール32Mの9番の「ベル」図柄と12番の「ベル」図柄とは、その間隔が3図柄となるように配置されている。このように、「ベル」図柄は同種図柄同士の間隔が5図柄以下となるようにして中リール32Mに配置されているので、かかる図柄配列とすることにより、中ストップスイッチ43が如何なるタイミングで操作された場合であっても、チェリーベル入賞または7ベル入賞を成立させる際に「ベル」図柄を、表示窓26Mの中段の位置に停止させることができる。
例えば、中リール32Mの11番の「7」図柄が下段に到達した際に中ストップスイッチ43が操作された場合、中リール32Mをそのまま停止させればこの「ベル」図柄を中段に停止させることができ、中リール32Mの12番の「ベル」図柄が下段に到達した際に中ストップスイッチ43が操作された場合、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させれば17番の「ベル」図柄を中段に停止させることができる。
このように、ストップスイッチ42,43が如何なるタイミングで操作された場合であっても、表示窓26Lの上段、中段、下段のいずれかに、「チェリー」図柄や「7」図柄を停止させることができ、また、表示窓26Mの中段に「ベル」図柄を表示させることができる。よって、入賞態様の抽選でチェリーベル入賞や7ベル入賞が当選した場合は、遊技者のストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、チェリーベル入賞に対応する停止図柄や7ベル入賞に対応する停止図柄を中ラインL2、右下がりラインL4、右上がりラインL5(図6参照)のいずれかに表示させることができるので、所謂取りこぼしなく、チェリーベル入賞や7ベル入賞を成立させることができる。
図7に戻り、説明を続ける。スロットマシン10が取り得るその他の入賞態様としては、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄と並んで停止した場合に成立するリプレイ入賞を設けている。リプレイ入賞が成立すると、メダル払出や状態移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。よって、リプレイ入賞が成立した場合は、そのゲームで投入されたメダル枚数(ベット数)分のメダル払出、即ち、1枚掛けの場合は1枚、2枚掛けの場合は2枚、3枚掛けの場合は3枚のメダル払出が行われるものとみなすことができる。尚、一般遊技状態におけるリプレイ入賞の当選確率は、メダルの投入枚数(ベット数)に限らず、1枚掛け、2枚掛け、3枚掛けのいずれの場合も約7.3分の1と高い確率に設定されている。このリプレイ入賞が高い確率で成立することにより、BB入賞や、1枚掛け又は2枚掛けでゲームを行った場合には特殊小役入賞(チェリーベル入賞や7ベル入賞)を成立させたいという再チャンレンジ感を、遊技者に多く与えることができる。
尚、リプレイ入賞を成立させる「リプレイ」図柄は、図5に示すように、下段に先に到達する図柄と次に到達する図柄との間隔が5図柄以下となるように、各リール32L,32M,32Rに配置されている。例えば、左リール32Lの8番の「リプレイ」図柄と11番の「リプレイ」図柄はその間隔が3図柄となるようにして配置されており、中リール32Mの1番の「リプレイ」図柄と6番の「リプレイ」図柄はその間隔が5図柄となるようにして配置されている。このように、「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が5図柄以下となるようにして各リール32L,32M,32Rに配置されている。上述した通り、リール32L,32M,32Rはストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができるので、かかる図柄配列とすることにより、ストップスイッチ42〜44が如何なるタイミングで操作された場合であっても、リプレイ入賞を成立させる際に「リプレイ」図柄を、表示窓26L,26M,26Rの中段の位置に停止させることができる。例えば左リール32Lの3番の「チェリー」図柄が下段に到達した際に左ストップスイッチ42が操作された場合、左リール32Lをそのまま停止させれば、4番の「リプレイ」図柄を中段に停止させることができ、中リール32Mの1番の「リプレイ」図柄が下段に到達した際に中ストップスイッチ43が操作された場合、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させれば6番の「リプレイ」図柄を中段に停止させることができる。よって、リプレイ入賞に当選している場合には、ストップスイッチ42〜44が如何なるタイミングで操作された場合であっても、「リプレイ」図柄を中ラインL2(図6参照)に停止させることができるので、所謂取りこぼしなく、リプレイ入賞を成立させることができる。
その他の場合、即ち、有効ライン上に上記した図柄の組合せが停止しなかった場合には、メダル払出や遊技状態の移行等は一切行われず、外れとなる。即ち、各リール32L,32M,32Rの「青年」図柄、中リール32Mと右リール32Rの「チェリー」図柄、中リール32Mの「スター」図柄は、入賞と一切関与していない。換言すれば、上記各図柄は、遊技者に付与される特典と無関係な無特典図柄であると言える。即ち、各リール32L,32M,32Rには、例えば「ベル」図柄等の入賞と関係する特典図柄と、例えば「青年」図柄等の入賞と無関係な無特典図柄がそれぞれ付されている。なお、以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せともいう。例えば、BB図柄の組合せとは、BB入賞となる図柄の組合せ、すなわち「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄の組合せである。
このように、本スロットマシン10では、3枚のメダル投入によってゲームが行われた場合のBB入賞の当選確率を、1枚または2枚のメダル投入によってゲームが行われた場合よりも十分に高く設定しているので、BB入賞成立によって多くのメダルの払出が得られることを遊技者に期待させつつ、3枚のメダルを投入させて1回のゲームを行わせることができる。これにより、メダルが早く消費され、ホールにおけるスロットマシンの稼働率を上げることが可能となる。
一方、1枚または2枚のメダル投入によってゲームが行われた場合は、メダル払出枚数が3枚であるチェリーベル入賞が当選役候補として設定され、その当選確率が高く設定されているので、遊技者の手元に1枚または2枚のメダルが残った場合に、チェリーベル入賞成立によって3枚のメダル払出が得られることを遊技者に期待させつつ、手元に残った1枚または2枚のメダルを投入させて1回のゲームを行わせることができる。これにより、チェリーベル入賞成立によって3枚のメダル払出が行われた場合は、遊技者はその3枚のメダルを投入して、更にBB入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを行うことができ、遊技者がメダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。また、1枚または2枚のメダル投入によって行われたゲームの結果が、例え外れであったとしても、遊技者にメダルを余分に余すことなくゲームを終了させることができる。このように、本スロットマシン10は、遊技者にメダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しませることができる。そして、貸し出されたメダルを使用せずに遊技を終えることによって遊技者が損をするといった問題や、遊技者が残ったメダルを持ち帰って貸し出したメダルを回収できなかったり、別のホールから持ち帰ったメダルを遊技者が使用したりすることによって、ホール側が損害を被るといった問題を回避することができる。
また、1枚のメダル投入によってゲームが行われた場合は、メダル払出枚数が2枚である7ベル入賞も当選役候補として設定され、その当選確率も高く設定されているので、遊技者の手元に1枚のメダルが残った場合に、7ベル入賞が成立すれば2枚のメダル払出が得られることをも遊技者に期待させつつ、手元に残った1枚のメダルを投入させて1回のゲームを行わせることができる。これにより、7ベル入賞成立によって2枚のメダル払出が行われた場合は、遊技者はその2枚のメダルを投入して、更に3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを楽しむことができる。そして、チェリーベル入賞が成立すれば、遊技者はBB入賞成立を期待しながら払い出された3枚のメダルを投入してゲームを行えるので、遊技者がメダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができるし、外れとなっても、メダルを使い切ることができる。よって、遊技者に更なる遊技の楽しみを与えつつ、メダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しませることができる。
また、入賞態様の抽選において、3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞や、2枚のメダル払出が行われる7ベル入賞が当選した場合、ストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングに関わらず、その停止図柄を取りこぼしなく有効ライン上に停止させることができるので、遊技者が1枚掛け及び2枚掛けで開始したゲームの抽選の結果、チェリーベル入賞や7ベル入賞が当選役として当選した場合は、人為的な操作に依存せずに、確実にそれらの入賞を成立させることができる。また、遊技者に対し、その他の入賞(例えば、BB入賞)を狙わせつつ、チェリーベル入賞や7ベル入賞の成立を期待してゲームを行わせることができる。
ここで、1枚掛けの場合、及び、2枚掛けの場合における一般遊技状態でのメダル払出枚数の期待値について説明する。まず、1枚掛けの場合、スイカ入賞およびベル入賞の一般遊技状態での当選確率は65536分の1に設定され、いずれかの入賞が成立した場合、3枚のメダル払出が行われる。また、チェリーベル入賞および7ベル入賞の一般遊技状態での当選確率は、それぞれ約6.0分の1に設定され、チェリーベル入賞が成立した場合には3枚、7ベル入賞が成立した場合には2枚のメダル払出が行われる。また、リプレイ入賞の一般遊技状態での当選確率は約7.3分の1に設定され、リプレイ入賞が成立した場合は、上述したように、1枚のメダル払出が行われたものと同等と考えることができる。一方、BB入賞の一般遊技状態での当選確率は65536分の1に設定され、BB入賞が成立すると、その遊技状態はボーナス状態に移行するが、メダル払出枚数は0である。ここで、一般遊技状態下での1ゲーム当たりにおけるメダル払出枚数の期待値は、上記各当選確率に対応するメダル払出数を乗算し、これら乗算結果を加算した値と等しくなり、1枚掛けにおける期待値は約0.96枚となる。即ち、一般遊技状態では、ベット数(1枚)に対するメダル払出枚数の割合が約96%となり、遊技者の所有するメダルが1ゲーム行う毎に約0.04枚ずつ減少することが期待される。
また、2枚掛けの場合、スイカ入賞およびベル入賞の一般遊技状態での当選確率は65536分の1に設定され、いずれかの入賞が成立した場合、3枚のメダル払出が行われる。また、チェリーベル入賞の一般遊技状態での当選確率は約1.8分の1に設定され、チェリーベル入賞が成立した場合には3枚のメダル払出が行われる。また、リプレイ入賞の一般遊技状態での当選確率は約7.3分の1に設定され、リプレイ入賞が成立した場合は、上述したように、2枚のメダル払出が行われたものと同等と考えることができる。一方、BB入賞の一般遊技状態での当選確率は65536分の1に設定され、BB入賞が成立すると、その遊技状態はボーナス状態に移行するが、メダル払出枚数は0である。よって、2枚掛けにおける一般遊技状態下での1ゲーム当たりにおけるメダル払出枚数の期待値は、約1.94枚となる。即ち、一般遊技状態では、ベット数(2枚)に対するメダル払出枚数の割合が約97%となり、遊技者の所有するメダルが1ゲーム行う毎に約0.06枚ずつ減少することが期待される。
このように、1枚掛け及び2枚掛けのいずれの場合も、ベット数に対するメダル払出枚数の割合が限りなく100%に近い値に設定されているので、1枚掛け又は2枚掛けで遊技機を行った場合、遊技者の手元にほぼ100%の期待値でメダルが返還させることになる。即ち、1枚掛け又は2枚掛けで遊技を行っても、メダルがほとんど減少しないので、1枚または2枚のメダルが遊技者の手元に残った場合、遊技者にその手元に残った1枚または2枚のメダルを使用して遊技を行いたいと確実に思わせることができる。よって、遊技者がメダルを残して遊技を終える可能性を更に低く抑えることができる。
一方、1枚掛け及び2枚掛けでゲームを行った場合、僅かではあるがメダルが減少することが期待されるので、1枚掛け又は2枚掛けでゲームを繰り返し行えば、メダルの数は増加せずに却って減少するようになっている。よって、遊技者が1枚掛け又は2枚掛けでゲームを繰り返し行って、メダルの増加を狙えないようにすることができる。従って、メダルが3枚以上ある場合は、遊技者に対して、BB入賞の当選確率の高い3枚掛けでゲームを行うようにさせることができる。
尚、本実施形態では、1枚掛け又は2枚掛けでゲームを行ってチェリーベル入賞が成立した場合のメダル払出枚数を最大ベット数である3枚に設定し、1枚掛けでゲームを行って7ベル入賞が成立した場合のメダル払出枚数を2枚に設定するが、チェリーベル入賞が成立した場合の払出枚数を3の倍数分に設定し、7ベル入賞が成立した場合のメダル払出枚数を2の倍数分に設定してもよい。ただし、チェリーベル入賞や7ベル入賞が成立した場合の払出枚数を3枚や2枚に設定すれば、そのメダル払出枚数メダル払出枚数の期待値を100%未満に設定しても、それぞれの入賞の当選確率を高く設定することができる。よって、チェリーベル入賞や7ベル入賞が成立する可能性を高めることができ、3枚又は2枚のメダルが遊技者に付与される確率を高めることができるので、遊技者に1枚または2枚のメダルを使用してゲームを行いたいと思わせることができる。
図7では、設定状態が「設定1」の場合の当選確率を示しているが、設定状態が「設定2」〜「設定6」のいずれかを設定した場合であっても、1枚掛け及び2枚掛けの場合の各入賞態様に対応する当選確率は、ベット数に対するメダル払出枚数の割合が100%未満となるように設定されるようになっている。尚、本実施形態では、設定状態(「設定1」〜「設定6」)に応じて、1枚掛け及び2枚掛けの場合の各入賞態様に対応する当選確率が変更されるが、1枚掛け及び2枚掛けの当選確率は設定状態にかかわらず一定としてもよい。即ち、設定状態に応じて当選確率が変更されるのは3枚掛けの場合のみに限定してもよい。また、1枚掛け及び2枚掛けの場合において、設定状態(「設定1」〜「「設定6」」に応じてBB入賞、スイカ入賞、ベル入賞およびリプレイ入賞のうち少なくともいずれかの当選確率は変更されるが、1枚掛け及び2枚掛けの場合の特殊小役入賞であるチェリーベル入賞および7ベル入賞の当選確率は変更されず、一定の値としてもよい。
その他、本スロットマシン10では、チェリーベル入賞が1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合にのみ成立する入賞態様とし、3枚掛けでゲームが行われた場合には、左リール32Lに「チェリー」図柄、中リール32Mに「ベル」図柄が停止しても、チェリーベル入賞を成立させずに、外れとして取り扱うので、チェリーベル入賞が1枚掛け及び2枚掛け専用の特殊な小役入賞であるとして、遊技者に注目させることができる。よって、1枚掛け又は2枚掛けでゲームを行った場合に、チェリーベル入賞の停止図柄で図柄が停止すれば、遊技者に大きな喜びを与えることができる。
同様に、7ベル入賞が1枚掛けでゲームが行われた場合にのみ成立する入賞態様とし、2枚掛け又は3枚掛けでゲームが行われた場合には、左リール32Lに「7」図柄、中リール32Mに「ベル」図柄が停止しても、7ベル入賞を成立させずに、外れとして取り扱うので、7ベル入賞が1枚掛け専用の特殊な小役入賞であるとして、遊技者に注目させることができる。よって、1枚掛けでゲームを行った場合に、7ベル入賞の停止図柄で図柄が停止すれば、遊技者に大きな喜びを与えることができる。
また、本スロットマシン10では、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合においても、極めて低い当選確率ではあるものの、BB入賞の成立がなされるように設定される。これにより、1枚掛け又は2枚掛けでゲームを行った場合にも、遊技者にBB入賞が成立する期待感を持たせることができる。
また、本スロットマシン10では、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合に、BB入賞またはリプレイ入賞以外の通常の小役入賞であるスイカ入賞やベル入賞が成立したときであっても、3枚掛けでゲームが行われた場合のメダル払出枚数とは異なって、チェリーベル入賞が成立した場合と同様に、3枚のメダル払出が行われるようになっているので、その払い出された3枚のメダルを投入して、遊技者がBB入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを行うことができ、遊技者がメダルを余分に余すことなく確実に最後まで遊技を楽しむことができる。また、本スロットマシン10では、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合におけるスイカ入賞やベル入賞の当選確率を低くする一方、チェリーベル入賞や7ベル入賞の当選確率を高く設定しているので、遊技者に対し、チェリーベル入賞や7ベル入賞が、1枚掛け又は2枚掛けでの特殊な小役入賞であることをさらに印象づけることができるとともに、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合に、遊技者にチェリーベル入賞や7ベル入賞が成立する期待感を持たせることができる。
次いで、本スロットマシン10の電気的構成について、図8を参照して説明する。図8は、スロットマシン10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置101には、演算処理手段であるMPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。MPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジット投入スイッチ56〜58の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ56a〜58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してMPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はMPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、MPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
表示制御装置81は、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのMPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置101からの信号を受け取った上で、表示制御装置81が独自に上部ランプ63、スピーカ64及び補助表示部65を駆動制御する。したがって、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。なお、各種表示部60〜62も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
上述したMPU102には、このMPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106、乱数を発生するフリーランカウンタ107が内蔵されている。また、MPU102には、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタも内蔵されている。
フリーランカウンタ107は、0〜65535の乱数を短い周期で生成して更新するハードウェアによって構成されたカウンタである。MPU102は、スタートレバー41の操作をスタート検出センサ41aの出力信号に基づいて確認した後、ハード回路によってフリーランカウンタ107の値をラッチし、そのラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。尚、本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタ107の値をラッチする構成となっている。また、ラッチされ、RAM106に格納されたフリーランカウンタの値は、スタートレバー41の操作によって開始されるゲームの入賞態様(役)を抽選するために用いられる。
ROM105とRAM106とは、記憶手段としてのメインメモリを構成するものであり、図10以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM105に記憶されている。また、ROM105には、入賞態様の抽選に用いられる抽選テーブルを格納する抽選テーブル格納エリア105aが設けられている。
ここで、図9を参照して、抽選テーブルについて説明する。図9は、設定状態が「設定1」に設定されている場合の一般遊技状態で選択される抽選テーブルを模式的に示した模式図であり、(a)は投入されたメダル枚数が3枚(3枚掛け)である場合に用いる3枚掛け時抽選テーブル、(b)は投入されたメダル枚数が2枚(2枚掛け)である場合に用いる2枚掛け時抽選テーブル、(c)は投入されたメダル枚数が1枚(1枚掛け)である場合に用いる1枚掛け時抽選テーブルを示している。
各抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる入賞態様がそれぞれ一義的に対応付けられると共に、その入賞態様に対応する当選確率に応じたポイント値PVが、各抽選テーブル毎に設定されている。具体的には、IV=1には、入賞態様としてBB入賞が対応付けられ、IV=2には、スイカ入賞が対応付けられ、IV=3にはベル入賞が対応付けられ、IV=4には、チェリーベル入賞が対応付けられ、IV=5には7ベル入賞が対応付けられ、IV=6には、リプレイ入賞が対応付けられている。
また、3枚掛け時抽選テーブルでは、図9(a)に示すように、IV=1(BB入賞)に対してPV=256が対応付けられ、IV=2(スイカ入賞)に対してPV=8192が対応付けられ、IV=3(ベル入賞)に対してPV=12850が対応付けられ、IV=4(チェリーベル入賞)に対してPV=0が対応付けられ、IV=5(7ベル入賞)に対してPV=0が対応付けられ、IV=6(リプレイ入賞)に対してPV=8980が対応付けられている。
ここで、入賞態様の抽選方法について簡単に説明する。スタートレバー41の操作によってフリーランカウンタ107の乱数の値がラッチされ、RAM106に格納されると、まず、IV=1(BB入賞)に対応付けられたポイント値PVの値(図9(a)に示す抽選テーブルでは256)をラッチされた乱数の値に加算し、それを判定値DVとする(図12のS304参照)。そして、その判定値DVが65535よりも大きい値であった場合、BB入賞をそのゲームの当選役として判定し(図12のS305,S306参照)、抽選を終了する。つまり、図9(a)に示す3枚掛け時抽選テーブルを用いて抽選を行った場合、ラッチされた乱数の値が655280〜65535の範囲にあるときに、BB入賞が当選役として判定される。よって、その当選確率は、図7に示すように256分の1に設定される。
一方、判定値DVが65535以下である場合は、インデックス値IVを1繰り上げ(図12のS307参照)、繰り上げ後のインデックス値IVの値に対応するポイント値PVの値を判定値DVに加算して、判定値DVを更新する(図12のS304参照)。そして、その更新後の判定値DVが65535よりも大きい値であった場合、繰り上げ後のインデックス値IVに対応する入賞態様を当選役として判定して抽選を終了し、65535以下であった場合は、さらにインデックス値IVを1繰り上げて、判定値DVの更新(繰り上げ後のIVに対応するポイント値PVの加算)と、更新後の判定値DVの判定(判定値DVが65535より大きいか否か)とを、判定役がなくなるまで(IVが最大値を超えるまで)繰り返し行う(図12のS304〜S308参照)。これにより、図9(a)に示す3枚掛け時抽選テーブルを用いて抽選を行った場合、ラッチされた乱数の値が57088〜655279の範囲にあるときにスイカ入賞が当選役として判定され、ラッチされた乱数の値が44238〜57087の範囲にあるときにベル入賞が当選役として判定され、ラッチされた乱数の値が35258〜44237の範囲にあるときにリプレイ入賞が当選役として判定される。よって、それぞれの入賞態様の当選確率は、図7に示すように、スイカ入賞については8分の1に設定され、ベル入賞については約5.1分の1に設定され、リプレイ入賞については約7.3分の1に設定されることになる。
尚、図9(a)に示す3枚掛け時抽選テーブルにおいて、IV=4(チェリーベル入賞)とIV=5(7ベル入賞)とに対応するポイント値PVの値が0に設定されているので、この値を用いて判定値DVを更新しても、更新前と更新後とでその値は変わらない。そして、判定値DVに対して、IV=4、IV=5に対応するポイント値PVの加算が行われるときは、判定値DVが65535以下であるときなので、IV=4およびIV=5の時に更新後の判定値の判定を行っても、65535よりも大きいと判定されることはない。よって、IV=4(チェリーベル入賞)とIV=5(7ベル入賞)とに対応するポイント値PVの値を0に設定することにより、チェリーベル入賞および7ベル入賞は当選役として選定されないようになっている。
図9(b)に示す2枚掛け時抽選テーブルでは、IV=1(BB入賞)に対してPV=1が対応付けられ、IV=2(スイカ入賞)に対してPV=1が対応付けられ、IV=3(ベル入賞)に対してPV=1が対応付けられ、IV=4(チェリーベル入賞)に対してPV=36400が対応付けられ、IV=5(7ベル入賞)に対してPV=0が対応付けられ、IV=6(リプレイ入賞)に対してPV=8980が対応付けられている。よって、図9(b)に示す2枚掛け時抽選テーブルを用いて抽選を行った場合、ラッチされた乱数の値が65535であるときにBB入賞が当選役として判定され、ラッチされた乱数の値が65534であるときにスイカ入賞が当選役として判定され、ラッチされた乱数の値が65533であるときにベル入賞が当選役として判定され、ラッチされた乱数の値が29133〜65532の範囲にあるときにチェリーベル入賞が当選役として判定され、ラッチされた乱数の値が20153〜29132の範囲にあるときにリプレイ入賞が当選役として判定される。よって、それぞれの入賞態様の当選確率は、図7に示すように、BB入賞、スイカ入賞、ベル入賞についてはそれぞれ65536分の1に設定され、チェリーベル入賞については約1.8分の1に設定され、リプレイ入賞については約7.3分の1に設定されることになる。尚、IV=5(7ベル入賞)に対応するポイント値PVの値が0に設定されているので、上述したように、7ベル入賞は当選役として設定されないようになっている。
また、図9(c)に示す1枚掛け時抽選テーブルでは、IV=1(BB入賞)に対してPV=1が対応付けられ、IV=2(スイカ入賞)に対してPV=1が対応付けられ、IV=3(ベル入賞)に対してPV=1が対応付けられ、IV=4(チェリーベル入賞)に対してPV=10880が対応付けられ、IV=5(7ベル入賞)に対してPV=10880が対応付けられ、IV=6(リプレイ入賞)に対してPV=8980が対応付けられている。よって、図9(c)に示す1枚掛け時抽選テーブルを用いて抽選を行った場合、ラッチされた乱数の値が65535であるときにBB入賞が当選役として判定され、ラッチされた乱数の値が65534であるときにスイカ入賞が当選役として判定され、ラッチされた乱数の値が65533であるときにベル入賞が当選役として判定され、ラッチされた乱数の値が54653〜65532の範囲にあるときにチェリーベル入賞が当選役として判定され、ラッチされた乱数の値が43773〜54652の範囲にあるときに7ベル入賞が当選役として判定され、ラッチされた乱数の値が34793〜43772の範囲にあるときにリプレイ入賞が当選役として判定される。よって、それぞれの入賞態様の当選確率は、図7に示すように、BB入賞、スイカ入賞、ベル入賞についてはそれぞれ65536分の1に設定され、チェリーベル入賞、7ベル入賞については約6.0分の1に設定され、リプレイ入賞については約7.3分の1に設定されることになる。
抽選テーブル格納エリア105aには、「設定1」〜「設定6」毎に、一般遊技状態用の1枚掛け時抽選テーブル、2枚掛け時抽選テーブル、3枚掛け時抽選テーブルがそれぞれ格納されている。また、スロットマシン10がボーナス状態にあるときに用いられるボーナス状態時抽選テーブルが、「設定1」〜「設定6」毎に用意されている。そして、スロットマシン10の設定状態および遊技状態と、投入されたメダル枚数(ベット数)とに応じて、入賞態様(役)の抽選に使用する抽選テーブルが設定される。即ち、一般遊技状態において、ベット数が3枚である場合は、スロットマシン10の設定状態に対応する3枚掛け時抽選テーブルが設定され、ベット数が2枚である場合は、スロットマシン10の設定状態に対応する2枚掛け時抽選テーブルが設定され、ベット数が1枚である場合は、スロットマシン10の設定状態に対応する1枚掛け時抽選テーブルが設定される。また、スロットマシン10の遊技状態がボーナス状態にある場合は、スロットマシン10の設定状態に対応するボーナス状態時抽選テーブルが設定される(図13参照)。そして、その設定された抽選テーブルを用いて入賞態様の抽選が行われる。
尚、スロットマシン10の遊技状態がボーナス状態にある場合に用いる抽選テーブルとして、ベット数(1枚〜3枚)に応じて異なる抽選テーブルを設けていないが、これは、本実施形態では、ボーナス状態にある場合、ベット数を3枚に限定してゲームが行われるように構成しているためである。よって、ボーナス状態にある場合は、単に、スロットマシン10の設定状態(「設定1」〜「設定6」)に応じて、対応するボーナス状態時抽選テーブルが設定される。
本スロットマシン10では、一般遊技状態にある場合に、図9(a)〜(c)に示す3枚掛け時抽選テーブル、2枚掛け時抽選テーブル、1枚掛け時抽選テーブルをベット数に応じて切り替えることにより、3枚のメダル投入によってゲームが行われた場合のBB入賞の当選確率を、1枚または2枚のメダル投入によってゲームが行われた場合よりも十分に高く設定することができる。よって、上述したように、BB入賞成立によって多くのメダルの払出が得られることを遊技者に期待させつつ、3枚のメダルを投入させて1回のゲームを行わせることができる。これにより、メダルが早く消費され、ホールにおけるスロットマシンの稼働率を上げることが可能となる。
また、1枚または2枚のメダル投入によってゲームが行われた場合は、メダル払出枚数が3枚であるチェリーベル入賞を当選役候補として設定し、更に、その当選確率を高く設定することができるので、遊技者の手元に1枚または2枚のメダルが残った場合に、チェリーベル入賞成立によって3枚のメダル払出が得られることを遊技者に期待させつつ、手元に残った1枚または2枚のメダルを投入させて1回のゲームを行わせることができる。これにより、チェリーベル入賞成立によって3枚のメダル払出が行われた場合は、遊技者はその3枚のメダルを投入して、更にBB入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを行うことができ、遊技者がメダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。また、1枚または2枚のメダル投入によって行われたゲームの結果が、例え外れであったとしても、遊技者にメダルを余分に余すことなくゲームを終了させることができる。
また、1枚のメダル投入によってゲームが行われた場合は、メダル払出枚数が2枚である7ベル入賞を当選役候補として設定し、更に、その当選確率を高く設定することができるので、遊技者の手元に1枚のメダルが残った場合に、7ベル入賞が成立すれば2枚のメダル払出が得られることをも遊技者に期待させつつ、手元に残った1枚のメダルを投入させて1回のゲームを行わせることができる。これにより、7ベル入賞成立によって2枚のメダル払出が行われた場合は、遊技者はその2枚のメダルを投入して、更に3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを楽しむことができる。そして、チェリーベル入賞が成立すれば、遊技者はBB入賞成立を期待しながら払い出された3枚のメダルを投入してゲームを行えるので、遊技者がメダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができるし、外れとなっても、メダルを使い切ることができる。よって、遊技者に更なる遊技の楽しみを与えつつ、メダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しませることができる。
このように、本スロットマシン10は、遊技者にメダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しませることができる。
また、抽選テーブル格納エリア105aに格納された1枚掛け時抽選テーブルや2枚掛け時抽選テーブルを用いることによって、各入賞態様の当選確率を図7に示した値に設定することができるので、図7を参照して上述したように、1枚掛け及び2枚掛けのいずれの場合も、ベット数に対するメダル払出枚数の割合を100%未満で且つ限りなく100%に近い値に設定することができる。よって、1枚掛け又は2枚掛けで遊技を行っても、メダルがほとんど減少しないので、1枚または2枚のメダルが遊技者の手元に残った場合、遊技者にその手元に残った1枚または2枚のメダルを使用して遊技を行いたいと確実に思わせることができ、遊技者がメダルを残して遊技を終える可能性を更に低く抑えることができる。一方、1枚掛け又は2枚掛けでゲームを繰り返し行えば、メダルの数は減少するようになっているので、遊技者が1枚掛け又は2枚掛けでゲームを繰り返し行うことによって、メダルの増加を狙えないようにすることができる。従って、メダルが3枚以上ある場合は、BB入賞の当選確率の高い3枚掛けでゲームを行うように、遊技者に仕向けることができる。
また、各抽選テーブルをベット数に応じて切り替えて使用することにより、チェリーベル入賞が1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合にのみ成立する入賞態様とし、3枚掛けでゲームが行われた場合には、チェリーベル入賞を成立させずに、外れとして取り扱うことができるので、チェリーベル入賞が1枚掛け及び2枚掛け専用の特殊な小役入賞であるとして、遊技者に注目させることができる。同様に、7ベル入賞が1枚掛けでゲームが行われた場合にのみ成立する入賞態様とし、2枚掛け又は3枚掛けでゲームが行われた場合には、7ベル入賞を成立させずに、外れとして取り扱うので、7ベル入賞が1枚掛け専用の特殊な小役入賞であるとして、遊技者に注目させることができる。よって、1枚掛け又は2枚掛けでゲームを行った場合に、チェリーベル入賞や7ベル入賞の停止図柄で図柄が停止すれば、遊技者に大きな喜びを与えることができる。
また、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合においても、極めて低い当選確率ではあるものの、BB入賞の成立がなされるように設定することができるので、1枚掛け又は2枚掛けでゲームを行った場合にも、遊技者にBB入賞が成立する期待感を持たせることができる。
また、本スロットマシン10では、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合におけるスイカ入賞やベル入賞の当選確率を低くする一方、チェリーベル入賞や7ベル入賞の当選確率を高く設定することができるので、遊技者に対し、チェリーベル入賞や7ベル入賞が、1枚掛け又は2枚掛けでの特殊な小役入賞であることをさらに印象づけることができるとともに、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合に、遊技者にチェリーベル入賞や7ベル入賞が成立する期待感を持たせることができる。
尚、本実施形態では、2枚掛け時抽選テーブルにおいて、IV=5(7ベル入賞)に対応するポイント値PVを0と設定し、3枚掛け時抽選テーブルにおいて、IV=4(チェリーベル入賞)およびIV=5(7ベル入賞)に対応するポイント値PVを0と設定することにより、それらの入賞態様の抽選を行う一方で当該入賞態様に当選しない構成としたが、当該入賞態様に当選となるインデックス値IVを設定せず、それらの入賞態様の抽選を行わないことで当該入賞態様に当選しない構成としても良い。
図8に戻り、説明を続ける。RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いるスベリテーブルを記憶するためのスベリテーブル格納エリア106b、ボーナス状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図10のS103参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、MPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
続いて、主制御装置101のMPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるMPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを図10〜図15のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、図10を参照して、主制御装置101のMPU102によって定期的に実行されるタイマ割込み処理について説明する。図10は、そのタイマ割込み処理を示すフローチャートである。主制御装置101のMPU102では、例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生し、そのタイマ割込みに応じて図10に示すタイマ割込み処理が、MPU102によって実行される。
このタイマ割込み処理では、まず、レジスタ退避処理が行われる(S101)。このレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているMPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。次いで、停電フラグがセットされているか否かを確認し(S102)、停電フラグがセットされている場合は(S102:Yes)、停電時処理を実行する(S103)。
ここで、S103で実行される停電時処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリア(図示せず)にセットする。
停電時処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、MPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。これにより、電源が完全に遮断するまでリールユニット31が暴走して動作したり、補助表示部65、スピーカ64などの出力装置から異常な出力が行われたりすることを予防する。
そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰して、S104の処理に移行する。また、停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、S102の処理にて停電フラグがセットされていない場合には(S102:No)、S104以降の各種処理を行う。すなわち、S104の処理では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。次いで、MPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行い(S105)、そして、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う(S106)。次いで、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図8参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う(S107)。続く、S108の処理では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行い(S108)、更に、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するベット枚数のイン・アウトカウンタ処理を行う(S109)。
次いで、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う(S110)。その後、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行い(S111)、次いで、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う(S112)。
そして、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行い(S113)、更に、先のS101の処理にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれMPU102内の対応するレジスタに復帰させる(S114)。その後、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い(S115)、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、図11を参照して、主制御装置101のMPU102により実行される通常処理について説明する。図11は、その通常処理を示すフローチャートである。
通常処理は、遊技に関わる主要な制御を行う処理で、MPU102により通常処理が実行されると、先ず、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い(S201)、次に、遊技を可能とするための開始前処理を行う(S202)。この開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。そして、表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、続くS203〜S213に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、まず、S203の処理では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値やBB入賞を除く各入賞の当選を示す各当選フラグ等)をクリアし、続くS204の処理では開始待ち処理を行う。
S204の開始待ち処理では、前回の遊技でリプレイ入賞が成立したか否かを判定し、リプレイ入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でリプレイ入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。
一方、いずれのリプレイ入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(図10のS107参照)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とすると共にエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56〜58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合にはメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56〜58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
S204の開始待ち処理の終了後、次いで、メダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定し(S205)、ベット数が規定数に達していない場合には(S205:No)、S204の開始待ち処理に戻って、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。尚、本実施形態において、ベット数の規定数は、スロットマシン10の遊技状態に応じて設定される。
即ち、スロットマシン10の遊技状態が一般遊技状態にある場合は規定数を1枚〜3枚に設定し、ボーナス状態にある場合は規定数を3枚に設定する。これにより、一般遊技状態ではベット数が3枚だけでなく、1枚または2枚であってもゲームを開始することができる。そして、1枚または2枚のベット数(1枚掛け又は2枚掛け)でゲームが開始された場合、後述する抽選処理(S210参照)の中で、上述した1枚掛け時抽選テーブル又は2枚掛け時抽選テーブルが設定されて入賞態様(役)の抽選が行われるので、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合に、高い確率で、メダル払出枚数が3枚であるチェリーベル入賞や、メダル払出枚数が2枚である7ベル入賞を成立させることができる。そして、チェリーベル入賞成立によって3枚のメダル払出が行われた場合は、遊技者はその3枚のメダルを投入して、更にBB入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを行うことができ、遊技者がメダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。また、7ベル入賞成立によって2枚のメダル払出が行われた場合は、遊技者はその2枚のメダルを投入して、更に3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを楽しむことができる。そして、チェリーベル入賞が成立すれば、遊技者はBB入賞成立を期待しながら払い出された3枚のメダルを投入してゲームを行えるので、遊技者がメダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。また、1枚または2枚のメダル投入によって行われたゲームの結果が、例え外れであったとしても、遊技者にメダルを余分に余すことなくゲームを終了させることができる。このように、一般遊技状態においてベット数が1枚または2枚であっても、本実施形態において設定される1枚掛け時抽選テーブル及び2枚掛け時抽選テーブルを用いることによって、遊技者に更なる遊技の楽しみを与えることができ、メダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しませることができる。
一方、スロットマシン10の遊技状態がボーナス状態にある場合のベット数の規定数を3枚に設定することにより、ボーナス状態では遊技者に3枚のメダルを投入させながら、メダル払出枚数の多いスイカ入賞またはベル入賞の当選確率を上げて、1ゲームにおけるメダル払出枚数の期待値を高く設定することによって、少ないゲーム回数で、ボーナス状態におけるメダル払出総数を250枚に達成させることができる。よって、遊技者は短い時間で多くのメダルの払出を受けることができ、一方で、ホール側においては、スロットマシン10の稼働率を上げることができる。
S205の処理の結果、ベット数が規定数に達している場合には(S205:Yes)、次いで、スタートレバー41が操作されたか否かを判定する(S206)。そして、スタートレバー41が操作されていない場合には(S206:No)、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には(S206:Yes)、本スロットマシン10が規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。そこで、かかる場合には、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する(S207)。続く208の処理では、有効ラインを設定する有効ライン設定処理を行う(S208)。この有効ライン設定処理では、上ラインL1,中ラインL2,下ラインL3,右下がりラインL4,右上がりラインL5の全ての組合せラインを有効ラインとして設定する。そして、開始コマンドをセットする(S209)。ここで、開始コマンドとは、開始指令が発生したことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。
その後、S210の抽選処理、S211のリール制御処理、S212のメダル払出処理、S213のボーナス状態処理を順に実行し、S203の処理に戻る。そして、タイマ割込み処理(図10参照)の停電時処理(S103)の中で、電源スイッチ71による電源遮断や停電による無限ループに入るまで、S203からS213の処理が繰り返し実行される。
次に、図12を参照して、主制御装置101のMPU102において、通常処理(図11参照)の中で実行される抽選処理(S210)について説明する。図12は、その抽選処理を示すフローチャートである。
抽選処理では、まず、入賞態様(役)の抽選を行う際に用いる乱数を取得する(S301)。本スロットマシン10では、上述したように、スタートレバー41が操作されると、その都度、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタ107の値をラッチする構成となっており、そのラッチされたフリーランカウンタ107の値を読みだし、RAM106の所定の領域にその値を格納することによって、抽選に用いる乱数の値を取得する。
S301の処理により乱数を取得した後、入賞態様の抽選を行うための抽選テーブルを設定する抽選テーブル設定処理を行う(S302)。ここで、図13を参照して、S302の抽選テーブル設定処理の詳細ついて説明する。図13は、主制御装置101のMPU102において実行される抽選テーブル設定処理を示すフローチャートである。この抽選テーブル設定処理では、スロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、更に、メダルの投入枚数(ベット数)や、スロットマシン10に設定されている設定状態に応じて、抽選テーブル格納エリア105aに格納された複数の抽選テーブルの中から、対応する抽選テーブルを設定する。
この処理では、まず、スロットマシン10の遊技状態がボーナス状態であるか否かを判別し(S401)、その結果、ボーナス状態でなければ(S401:No)、スロットマシン10の遊技状態は一般遊技状態であるので、次いで、投入されたメダル枚数(ベット数)が3枚(3枚掛け)であるか否かを判別する(S402)。そして、ベット数が3枚であれば(S402:Yes)、スロットマシン10が取り得る「設定1」〜「設定6」の設定状態にそれぞれ対応して設けられた6つの3枚掛け時抽選テーブルのうち、現在設定されている設定状態に対応する3枚掛け時抽選テーブルを設定して(S403)、抽選テーブル設定処理を終了し、抽選処理に戻る。これにより、スロットマシン10の遊技状態が一般遊技状態である場合に、3枚のベット数でゲームが開始されたときには、スロットマシン10の設定状態に対応する3枚掛け時抽選テーブルが設定される。
また、S402の処理の結果、ベット数が3枚ではないと判別された場合(S402:No)、次いで、ベット数が2枚(2枚掛け)であるか否かを判別する(S404)。そして、ベット数が2枚であれば(S404:Yes)、スロットマシン10が取り得る「設定1」〜「設定6」の設定状態にそれぞれ対応して設けられた6つの2枚掛け時抽選テーブルのうち、現在設定されている設定状態に対応する2枚掛け時抽選テーブルを設定して(S405)、抽選テーブル設定処理を終了し、抽選処理に戻る。これにより、スロットマシン10の遊技状態が一般遊技状態である場合に、2枚のベット数でゲームが開始されたときには、スロットマシン10の設定状態に対応する2枚掛け時抽選テーブルが設定される。
また、S404の処理の結果、ベット数が2枚ではないと判別された場合(S404:No)、ベット数は1枚(1枚掛け)であると判断できるので、スロットマシン10が取り得る「設定1」〜「設定6」の設定状態にそれぞれ対応して設けられた6つの1枚掛け時抽選テーブルのうち、現在設定されている設定状態に対応する1枚掛け時抽選テーブルを設定して(S406)、抽選テーブル設定処理を終了し、抽選処理に戻る。これにより、スロットマシン10の遊技状態が一般遊技状態である場合に、1枚のベット数でゲームが開始されたときには、スロットマシン10の設定状態に対応する1枚掛け時抽選テーブルが設定される。
一方、S401の処理の結果、スロットマシン10の遊技状態がボーナス状態であれば(S401:Yes)、スロットマシン10が取り得る「設定1」〜「設定6」の設定状態にそれぞれ対応して設けられた6つのボーナス状態時抽選テーブルのうち、現在設定されている設定状態に対応するボーナス状態時抽選テーブルを設定して(S407)、抽選テーブル設定処理を終了し、抽選処理に戻る。これにより、スロットマシン10の遊技状態がボーナス状態である場合に、スロットマシン10の設定状態に対応するボーナス時抽選テーブルが設定される。
このように、抽選テーブル設定処理では、スロットマシン10の現在の遊技状態や、メダルの投入枚数(ベット数)、スロットマシン10に設定されている設定状態に応じて、抽選テーブル格納エリア105aに格納された複数の抽選テーブルの中から、対応する抽選テーブルが設定される。
図12に戻り、抽選処理の説明を続ける。S302の抽選テーブル設定処理が終了すると、次いで、インデックス値IVを1とし(S303)、入賞態様の抽選(当否判定)を行う際に用いる判定値DVを設定する(S304)。かかる判値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVに対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1に対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVに対応する入賞態様の抽選を行う。この抽選では、判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。そして、65535を超えた場合には(S305:Yes)、そのときのインデックス値IVに対応する入賞態様の当選フラグを、RAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットする(S306)。即ち、IV=1のときに判定値DVが65535を超えた場合、S306の処理では、BB入賞当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットし、IV=2のときに判定値DVが65535を超えた場合、S306の処理では、スイカ入賞当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットし、IV=3のときに判定値DVが65535を超えた場合、S306の処理では、ベル入賞当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットし、IV=4のときに判定値DVが65535を超えた場合、S306の処理では、チェリーベル入賞当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットし、IV=5のときに判定値DVが65535を超えた場合、S306の処理では、7ベル入賞当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットし、IV=6のときに判定値DVが65535を超えた場合、S306の処理では、リプレイ入賞当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグがスイカ入賞当選フラグ、ベル入賞当選フラグ、チェリーベル入賞当選フラグ、7ベル入賞当選フラグ、リプレイ入賞当選フラグのいずれかである場合、この当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(図11に示す通常処理のS203参照)。一方、セットされた当選フラグがBB入賞当選フラグである場合、このBB入賞当選フラグはBB入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。即ち、BB入賞当選フラグは複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。例えば、BB入賞当選フラグがセットされた後、BB入賞態様の停止図柄で図柄が揃わなかった場合、即ちBB入賞が成立しなかった場合は、BB入賞当選フラグはリセットされずに次ゲームに持ち越される。
尚、BB入賞当選フラグが持ち越された状態におけるS306の処理では、現在のインデックス値IVが1であればBB入賞当選フラグをセットせず、現在のインデックス値IVが2〜6であればインデックス値IVと対応する当選フラグをセットする。つまり、BB入賞当選フラグが持ち越されているゲームでは、BB入賞以外の入賞態様に当選した場合には対応する当選フラグをセットする一方、BB入賞に当選した場合には対応するBB入賞当選フラグをセットしない。
S305の処理にて、判定値DVが65535を超えていないと判別される場合は(S305:No)、インデックス値IVと対応する入賞態様に外れたことを意味する。かかる場合にはインデックス値IVを1加算し(S307)、次いで、インデックス値IVと対応する入賞態様があるか否か、すなわち抽選(当否判定)すべき判定役があるか否かを判定する(S308)。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定役がある場合には(S308:Yes)、S304の処理に戻り、入賞態様の当否判定を継続する。このとき、S304の処理では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に、現在のインデックス値IVに対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、S305の処理では、当該判定値DVに基づいて入賞態様の当否判定を行う。
ここで、S302の抽選テーブル設定処理によって、スロットマシン10の遊技状態が一般遊技状態にある場合に、一般遊技状態用の3枚掛け時抽選テーブル、2枚掛け時抽選テーブル、1枚掛け時抽選テーブルから、ベット数に応じて、使用する抽選テーブルが設定されるので、図7及び図9に示したように、3枚のメダル投入によってゲームが行われる場合のBB入賞の当選確率が、1枚または2枚のメダル投入によってゲームが行われる場合よりも十分に高く設定された上で、入賞態様の抽選が行われる。よって、上述したように、BB入賞成立によって多くのメダルの払出が得られることを遊技者に期待させつつ、3枚のメダルを投入させて1回のゲームを行わせることができる。よって、メダルが早く消費され、ホールにおけるスロットマシンの稼働率を上げることが可能となる。
また、1枚または2枚のメダル投入によってゲームが行われる場合は、メダル払出枚数が3枚であるチェリーベル入賞が当選役候補として設定され且つその当選確率が高く設定された上で入賞態様の抽選が行われるので、遊技者の手元に1枚または2枚のメダルが残った場合に、チェリーベル入賞が成立すればBB入賞成立を高い確率で狙える3枚のメダル払出が得られることを遊技者に期待させつつ、手元に残った1枚または2枚のメダルを投入させて1回のゲームを行わせることができる。更に、1枚のメダル投入によってゲームが行われた場合は、メダル払出枚数が2枚である7ベル入賞も当選役候補として設定され且つその当選確率が高く設定された上で入賞態様の抽選が行われるので、遊技者の手元に1枚のメダルが残った場合に、7ベル入賞が成立すれば再びチェリーベル入賞を狙える2枚のメダル払出が得られることをも遊技者に期待させつつ、手元に残った1枚のメダルを投入させて1回のゲームを行わせることができる。よって、遊技者に対して、メダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しませることができる。
また、1枚掛け時抽選テーブル又は2枚掛け時抽選テーブルが設定されて、入賞態様の抽選が行われる場合、図7を参照して上述したように、1枚掛け及び2枚掛けのいずれの場合も、ベット数に対するメダル払出枚数の割合を100%未満で且つ限りなく100%に近い値に設定して入賞態様の抽選を行うことができる。よって、1枚掛け又は2枚掛けで遊技を行っても、メダルがほとんど減少しないので、1枚または2枚のメダルが遊技者の手元に残った場合、その1枚または2枚のメダルを使用して遊技を行いたいと確実に思わせることができる。一方、1枚掛け又は2枚掛けでゲームを繰り返し行えば、メダルの数は減少するので、遊技者が1枚掛け又は2枚掛けでゲームを繰り返し行うことによって、メダルの増加を狙えないようにすることができ、メダルが3枚以上ある場合は、BB入賞の当選確率の高い3枚掛けでゲームを行うように、遊技者に仕向けることができる。
また、各抽選テーブルをベット数に応じて切り替えた上で入賞態様の抽選を行うことによって、図7及び図9を参照して上述したように、チェリーベル入賞が1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合にのみ成立する入賞態様とし、3枚掛けでゲームが行われた場合には、チェリーベル入賞を成立させずに、外れとして取り扱うことができるので、チェリーベル入賞が1枚掛け及び2枚掛け専用の特殊な小役入賞であるとして、遊技者に注目させることができる。同様に、7ベル入賞が1枚掛けでゲームが行われた場合にのみ成立する入賞態様とし、2枚掛け又は3枚掛けでゲームが行われた場合には、7ベル入賞を成立させずに、外れとして取り扱うので、7ベル入賞が1枚掛け専用の特殊な小役入賞であるとして、遊技者に注目させることができる。よって、1枚掛け又は2枚掛けでゲームを行った場合に、チェリーベル入賞や7ベル入賞の停止図柄で図柄が停止すれば、遊技者に大きな喜びを与えることができる。
また、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合においても、極めて低い当選確率ではあるものの、BB入賞の成立がなされるように設定して入賞態様の抽選を行うことができるので、1枚掛け又は2枚掛けでゲームを行った場合に、遊技者にBB入賞が成立する期待感を持たせることができる。
また、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合におけるスイカ入賞やベル入賞の当選確率を低くする一方、チェリーベル入賞や7ベル入賞の当選確率を高く設定して、入賞態様の抽選を行うことができるので、遊技者に対し、チェリーベル入賞や7ベル入賞が、1枚掛け又は2枚掛けでの特殊な小役入賞であることをさらに印象づけることができるとともに、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合には、遊技者にチェリーベル入賞や7ベル入賞が成立する期待感を持たせることができる。
S306の処理にて当選フラグをセットした後、又はS308の処理にて抽選すべき判定役がないと判定した場合(S308:No)には、入賞態様の抽選が終了したことを意味する。かかる場合には、抽選結果コマンドをセットする(S309)。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。表示制御装置81は、当該抽選結果コマンドを受信することにより、例えば当選役を示唆すべく上部ランプ63や補助表示部65の駆動制御を実行する。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理S110にて行われる。
そして、リール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を行って(S310)、抽選処理を終了する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ42〜44が操作されたタイミングからリール32L,32M,32Rをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。即ち、スベリテーブルとは、ストップスイッチ42〜44が押された際に基点位置(本実施形態では、対応する表示窓26L,26M,26Rそれぞれの下段位置)に到達している到達図柄(到達図柄番号)と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄(停止図柄番号)との関係を導出することが可能な停止データ群である。
上述したように、本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。スベリテーブルでは、各リール32L,32M,32Rの図柄番号毎に、その図柄番号で示される図柄が到達図柄となった場合に設定すべき停止態様を前記5パターンのなかから規定する。スベリテーブルは、各入賞態様毎に数用意されている。
このスベリテーブルを設定することにより、ストップスイッチ42〜44が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでの間に各リール32L,32M,32Rが所定の停止態様で停止するように設定することができ、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(停止出目)があたかも遊技者の操作によって決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることができる。
そして、S310のスベリテーブル設定処理では、RAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグを確認し、セットされている当選フラグと一義的に対応するスベリテーブルを、RAM106のスベリテーブル格納エリア106bにセットする。これにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した後述する入賞態様(図7参照)に対応する図柄の組合せを、有効ライン上(図6参照)に停止させることを可能にするとともに、抽選に当選していない入賞態様に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止することを回避させることができる。
ここで、BB入賞当選フラグは、上述したように、そのフラグが一旦セットされると、BB入賞が成立するまで次ゲームに持ち越されるように構成されているので、1のゲームにおいて行われた抽選の結果としてセットされるスイカ入賞、ベル入賞、チェリーベル入賞、7ベル入賞、リプレイ入賞のいずれかに対応する当選フラグと、持ち越されたBB入賞当選フラグとが、同時に当選フラグ格納106aにセットされている場合がある。この場合は、BB入賞ではなく、当選フラグがセットされているスイカ入賞、ベル入賞、チェリーベル入賞、7ベル入賞もしくはリプレイ入賞に対応したスベリテーブルをスベリテーブル格納エリア106bにセットするように処理が行われる。これにより、1回のゲーム毎に当選フラグがクリアされることによって、入賞成立しなかった場合は当選役としての地位が失われることになるスイカ入賞、ベル入賞、チェリーベル入賞、7ベル入賞、リプレイ入賞を、より確実に入賞成立させることができる。そして、ここで入賞成立しなかったBB入賞に対応するBB入賞当選フラグは引き続き維持され、次ゲームに持ち越される。
さて、S310のスベリテーブル設定処理において、当選フラグ格納エリア106aにチェリーベル入賞当選フラグがセットされている場合は、チェリーベル入賞用スベリテーブルがスベリテーブル格納エリア106bに格納される。ここで、チェリーベル入賞が成立する場合の左リール32Lの停止図柄である「チェリー」図柄は、同種図柄同士の間隔が7図柄となるようにして左リール32Lに配置されているので、上述したように、左ストップスイッチ42が如何なるタイミングで操作された場合であっても、「チェリー」図柄を、表示窓26Lの上段、中段、下段のいずれかの位置に停止させることができる。また、チェリーベル入賞が成立する場合の中リール32Mの停止図柄である「ベル」図柄は、同種図柄同士の間隔が5図柄以下となるようにして中リール32Mに配置されているので、上述したように、中ストップスイッチ43が如何なるタイミングで操作された場合であっても、「ベル」図柄を、表示窓26Mの中段の位置に停止させることができる。
そこで、チェリーベル入賞用スベリテーブルでは、左ストップスイッチ42が押された際に基点位置に如何なる図柄が到達していても(即ち、如何なる到達図柄番号のものであっても)、表示窓26Lにおける上段、中段、下段のいずれかの位置に「チェリー」図柄が停止可能な停止態様を設定し、また、中ストップスイッチ43が押された際に基点位置に如何なる図柄が到達していても(即ち、如何なる到達図柄番号のものであっても)、表示窓26Mにおける中段の位置に「ベル」図柄が停止可能な停止態様を設定する。これにより、チェリーベル入賞当選フラグがセットされた場合は、チェリーベル入賞用スベリテーブルによって、遊技者のストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、チェリーベル入賞に対応する停止図柄を中ラインL2、右下がりラインL4、右上がりラインL5(図6参照)のいずれかに表示させることができる。よって、所謂取りこぼしなく、チェリーベル入賞を成立させることができる。
また、当選フラグ格納エリア106aに7ベル入賞当選フラグがセットされている場合は、7ベル入賞用スベリテーブルがスベリテーブル格納エリア106bに格納される。そして、7ベル入賞が成立する場合の左リール32Lの停止図柄である「7」図柄は、「チェリー」図柄と同様に、同種図柄同士の間隔が7図柄となるようにして左リール32Lに配置され、また、7ベル入賞が成立する場合の中リール32Mの停止図柄である「ベル」図柄は、上述したように、同種図柄同士の間隔が5図柄以下となるようにして中リール32Mに配置されている。
そこで、7ベル入賞用スベリテーブルにおいても、チェリーベル入賞用スベリテーブルと同様に、左ストップスイッチ42が押された際に基点位置に如何なる図柄が到達していても(即ち、如何なる到達図柄番号のものであっても)、表示窓26Lにおける上段、中段、下段のいずれかの位置に「7」図柄が停止可能な停止態様を設定し、中ストップスイッチ43が押された際に基点位置に如何なる図柄が到達していても(即ち、如何なる到達図柄番号のものであっても)、表示窓26Mにおける中段の位置に「ベル」図柄が停止可能な停止態様を設定する。これにより、7ベル入賞当選フラグがセットされた場合は、7ベル入賞用スベリテーブルによって、遊技者のストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、7ベル入賞に対応する停止図柄を中ラインL2、右下がりラインL4、右上がりラインL5(図6参照)のいずれかに表示させることができる。よって、所謂取りこぼしなく、7ベル入賞を成立させることができる。
このように、入賞態様の抽選で、3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞や、2枚のメダル払出が行われる7ベル入賞が当選した場合は、遊技者のストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、チェリーベル入賞に対応する停止図柄や7ベル入賞に対応する停止図柄を中ラインL2、右下がりラインL4、右上がりラインL5(図6参照)のいずれかに表示させることができるので、所謂取りこぼしなく、チェリーベル入賞や7ベル入賞を成立させることができる。よって、遊技者が1枚掛け及び2枚掛けでゲームを開始した場合に、チェリーベル入賞や7ベル入賞を、人為的な操作に依存せずに、確実に成立させることができる。また、その他の入賞(例えば、BB入賞)の停止図柄を狙いつつ、チェリーベル入賞や7ベル入賞の成立を期待してゲームを行うことができる。
次に、図14を参照して、通常処理(図11参照)のS211の処理であるリール制御処理について説明する。図15は、主制御装置101のMUP102で実行されるそのリール制御処理を示すフローチャートである。
リール制御処理では、まず、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う(S501)。回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリア(図示せず)に回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(図10のS106参照)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、MPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
S501の回転開始処理の後、次いで、S502〜S505の処理により停止前処理を行う。この停止前処理では、先ずストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する(S502)。そして、いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合には(S502:No)、S502の処理を繰り返し実行することにより、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。
一方、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には(S502:Yes)、S503の処理に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する(S503)。そして、停止指令が発生していない場合には(S503:No)、S502の処理に戻り、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。これにより、回転していないリールと対応するストップスイッチが操作された場合は、無視される。
一方、停止指令が発生した場合には(S503:Yes)、次いで、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが操作されたか否かを判定する(S504)。そして、今回の停止指令が第3停止指令の場合には(S504:Yes)、続くS505の処理をスキップして、そのまま停止前処理を終了し、S506の処理へ移行する。一方、全リール32L,32M,32Rが回転しているときに発生する第1停止指令、又は2つのリールが回転しているときに発生する第2停止指令の場合には(S504:Yes)、S505の処理へ移行し、スベリテーブル第1変更処理を行って、停止前処理を終了する。そして、S506の処理へ移行する。
ここで、スベリテーブル第1変更処理とは、RAM106のスベリテーブル格納エリア106bに格納されたスベリテーブルを、停止指令と対応するリールを停止させる前に変更する処理である。スベリテーブル第1変更処理では、例えば左ストップスイッチ42以外のストップスイッチ43,44が操作されて第1停止指令が発生した場合等に、スベリテーブルを変更する。
さて、S502〜S505の停止前処理が終了した場合、遊技を進行させるべく回転中のリールと対応するストップスイッチが操作され、停止指令が発生したことを意味する。かかる場合には、回転中のリールを停止させるべく、次いでS506〜S512に示す停止制御処理を行う。
まず、S506では、ストップスイッチの操作されたタイミングで下段に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、下段に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続いて、スベリテーブル格納エリア106bにセットされたスベリテーブルのうち到達図柄と対応する図柄番号のデータから今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する(S507)。その後、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、下段に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する(S508)。そして、今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号とが等しくなったか否かを判定し(S509)、等しくない場合には(S509:No)、S509の処理を繰り返し実行し、等しくなった場合には(S509:Yes)、リールの回転を停止させるリール停止処理を行う(S510)。その後、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定し(S511)、全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には(S511:No)、スベリテーブル第2変更処理を行う(S512)。そして、S502の処理に戻り、再び停止前処理を実行する。
ここで、スベリテーブル第2変更処理とは、RAM106のスベリテーブル格納エリア106bに格納されたスベリテーブルを、リールの停止後に変更する処理である。スベリテーブル第2変更処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいてスベリテーブルを変更する。例えば、ベル入賞当選フラグのみがセットされている状況において、左リール32Lの12番および中リール32Mの12番の「ベル」図柄が中段に停止している場合、それらの上段には左リール32Lの13番および中リール32Mの13番の「7」図柄が停止しているので、BB入賞の成立を回避させるべくスベリテーブルを変更する。
一方、S511の処理にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には(S511:Yes)、払出判定処理を行い(S513)、本処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。
払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から各有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと一致しているか否かを判定する。入賞成立役と当選フラグが一致している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリア(図示せず)にセットする。一方、入賞成立役と当選フラグが一致していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。全ての有効ラインについて払出判定が終了した場合には、払出判定処理を終了する。
次に、通常処理(図11参照)のS212のメダル払出処理について、概略を説明する。メダル払出処理では、リール制御処理(図14参照)のS513の払出判定処理で払出情報格納エリア(図示せず)にセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理(図14のS513参照)にてメダルの払い出される入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、リプレイ入賞が成立したか否かを判定する。そして、リプレイ入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、リプレイ入賞が成立している場合には、遊技状態をリプレイ状態とするリプレイ状態設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した、通常処理の中で実行される開始待ち処理(図11のS204参照)では、現在の遊技状態がリプレイ状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がボーナス状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次いで、図15を参照して、通常処理(図10参照)のS213の処理で実行されるボーナス状態処理について説明する。図15は、主制御装置101のMPU102で実行されるボーナス状態処理を示すフローチャートである。
まず、このボーナス状態処理の概略について説明する。ボーナス状態処理は、スロットマシン10の遊技状態がボーナス状態にある場合に、メダルの払出枚数が所定数(本実施形態では250枚)行われるまで連続してRB状態に移行するゲームを行うものである。そして、1つのRB状態において12回のJACゲームを行うと共に、JACゲーム中に入賞が8回成立すると、JACゲームが12回行われる前であってもRB状態を終了させる。また、メダル払出数が所定数に達したことを以ってボーナス状態を終了させ、RB状態の途中でメダル払出数が所定数に達した場合は、ボーナス状態のみならずRB状態も終了させる。
次いで、ボーナス状態処理の詳細について説明する。ボーナス状態処理では、まず、スロットマシン10の遊技状態がボーナス状態か否かを判別し(S601)、ボーナ状態でないときには(S601:No)、S602〜S605に示すBB判定処理を実行する。
このBB判定処理では、まず、当選フラグ格納エリア106aにBB入賞当選フラグがセットされているか否かを確認し(S602)、BB入賞当選フラグがセットされているときには(S602:Yes)、リール制御処理(図14参照)のS513の処理により実行される払出判定処理でセットした入賞成立役に基づいて、BB入賞が成立したか否かを確認する(S603)。
S603の処理で、BB入賞が成立したときには(S603:Yes)、BB開始処理を実行する(S604)。BB開始処理では、当選フラグ格納エリア106aに格納されているBB入賞当選フラグをリセットすると共に、状態情報格納エリア106cに格納されている設定フラグをクリアした後、BB設定フラグを状態情報格納エリア106cにセットして、ボーナスゲームの1種であるBBゲームとする。また、BBゲーム中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための状態情報格納エリア106cに設けられた残払出数カウンタに250をセットすると共に、残払出枚数表示部61に250を表示させる処理を行う。ちなみに、現在の遊技状態がボーナス状態か否かの判定(S601参照)は、状態情報格納エリア106cにおけるBB設定フラグのセットの有無により判定している。
続いて、S605の処理では、RB開始処理を実行する(S605)。RB開始処理では、成立可能なJAC入賞回数をカウントするための残JAC入賞カウンタに8をセットすると共に、JACゲームの残りゲーム数をカウントするための残JACゲームカウンタに12をセットする。なお、残JAC入賞カウンタや残JACゲームカウンタ等の各カウンタは、状態情報格納エリア106cに設けられている。また、RB開始処理では、RBゲームが開始されることを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるRBコマンドのセットも行う。
次いで、S606の処理では、状態コマンドをセットする(S607)。ここで、状態コマンドとは、現在の遊技状態を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。すなわち、S602の処理で、BB入賞当選フラグがセットされていないと判定した場合には(S602:No)、通常ゲームであることを意味する状態コマンドをセットし、S603の処理でBB入賞が成立していないと判定した場合には(S603:No)、BB持越しゲームであることを意味する状態コマンドをセットし、S605の処理でRBコマンドをセットした場合にはBBゲームであることを意味する状態コマンドをセットする。
そして、S607の処理の後、ゲーム数表示処理を行い(S607)、本処理を終了する。ゲーム数表示処理では、現在の遊技状態がBBゲーム(RBゲーム)でない場合、残払出枚数表示部61や払出枚数表示部62等の表示をクリアする処理等を行う。
また、S601の処理で、遊技状態がボーナス状態のときには(S601:Yes)、リール制御処理(図14参照)のS513の処理で実行される払出判定処理でセットした入賞成立役に基づいて、小役入賞であるスイカ入賞やベル入賞が成立したか否かを確認する(S608)。S608の処理で、スイカ入賞やベル入賞が成立したときには(S608:Yes)、残JAC入賞カウンタの値を1減算し(S609)、更に、残JACゲームカウンタの値を1減算する(S610)。また、スイカ入賞およびベル入賞が成立しなかったときには(S608:No)、JACゲームを1つ消化したことになるため、S609の処理を行わずに、残JACゲームカウンタの値を1減算する(S610)。
続いて、S611の処理では、残JAC入賞カウンタ又は残JACゲームカウンタのいずれかが0になったか否かを確認する(S611)。S611の処理で、いずれかが0になっていたとき、つまりJAC入賞が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには(S611:Yes)、RBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタの値をリセットするRB終了処理を実行する(S612)。これにより、1つのRB状態において12回のJACゲームを行うと共に、JACゲーム中に入賞が8回成立すると、JACゲームが12回行われる前であってもRB状態を終了させることができる。
そして、残払出数カウンタのカウント値が0か否かを確認し(S613)、0でない場合には(S613:No)、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、先述したRB開始処理を実行する(S614)。その後、BBゲームであることを意味する状態コマンドをセットし(S606)、ゲーム数表示処理を実行して(607)、本処理を終了する。
一方、S611の処理で、残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタのいずれの値も0になっていないとき、つまりJAC入賞がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには(S611:No)、残払出数カウンタのカウント値が0か否かを確認する(S615)。S615の処理で、カウンタ値が0でない場合には(S615:No)、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、BBゲームであることを意味する状態コマンドをセットし(S606)、ゲーム数表示処理を実行して(S607)、本処理を終了する。
一方、S615の処理で、残払出数カウンタのカウント値が0である場合には(S615:Yes)、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、S616〜S617に示すボーナス状態終了処理を実行する。ボーナス状態終了処理では、先ず、先述したRB終了処理を実行し(S616)、その後、状態情報格納エリア153bのデータをクリアするBB終了処理を実行する(S617)。また、上述したS613の処理で、残払出数カウンタのカウント値が0である場合にも(S613:Yes)、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、S617のBB終了処理を実行する。BB終了処理を行った後は、通常ゲーム(即ち、一般遊技状態)であることを意味する状態コマンドをセットし(S606)、ゲーム数表示処理を行って(S607)、本処理を終了する。これにより、メダル払出数が250枚に達したことを以ってボーナス状態を終了させることができる。また、RB状態の途中でメダル払出数が250に達した場合は、S616の処理によって、ボーナス状態のみならずRB状態も終了させることができる。
以上、説明したように、本実施形態のスロットマシン10によれば、以下の優れた効果を奏する。
本スロットマシン10では、3枚のメダル投入によってゲームが行われた場合のBB入賞の当選確率を、1枚または2枚のメダル投入によってゲームが行われた場合よりも十分に高く設定しているので、BB入賞成立によって多くのメダルの払出が得られることを遊技者に期待させつつ、3枚のメダルを投入させて1回のゲームを行わせることができる。これにより、メダルが早く消費され、ホールにおけるスロットマシンの稼働率を上げることが可能となる。
一方、1枚または2枚のメダル投入によってゲームが行われた場合は、メダル払出枚数が3枚であるチェリーベル入賞が当選役候補として設定され、その当選確率が高く設定されているので、遊技者の手元に1枚または2枚のメダルが残った場合に、チェリーベル入賞成立によって3枚のメダル払出が得られることを遊技者に期待させつつ、手元に残った1枚または2枚のメダルを投入させて1回のゲームを行わせることができる。これにより、チェリーベル入賞成立によって3枚のメダル払出が行われた場合は、遊技者はその3枚のメダルを投入して、更にBB入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを行うことができ、遊技者がメダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。また、1枚または2枚のメダル投入によって行われたゲームの結果が、例え外れであったとしても、遊技者にメダルを余分に余すことなくゲームを終了させることができる。このように、本スロットマシン10は、遊技者にメダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しませることができる。そして、貸し出されたメダルを使用せずに遊技を終えることによって遊技者が損をするといった問題や、遊技者が残ったメダルを持ち帰って貸し出したメダルを回収できなかったり、別のホールから持ち帰ったメダルを遊技者が使用したりすることによって、ホール側が損害を被るといった問題を回避することができる。
また、1枚のメダル投入によってゲームが行われた場合は、メダル払出枚数が2枚である7ベル入賞が当選役候補として設定され、その当選確率も高く設定されているので、遊技者の手元に1枚のメダルが残った場合に、7ベル入賞が成立すれば2枚のメダル払出が得られることをも遊技者に期待させつつ、手元に残った1枚のメダルを投入させて1回のゲームを行わせることができる。これにより、7ベル入賞成立によって2枚のメダル払出が行われた場合は、遊技者はその2枚のメダルを投入して、更に3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを楽しむことができる。そして、チェリーベル入賞が成立すれば、遊技者はBB入賞成立を期待しながら払い出された3枚のメダルを投入してゲームを行えるので、遊技者がメダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができるし、外れとなっても、メダルを使い切ることができる。よって、遊技者に更なる遊技の楽しみを与えつつ、メダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しませることができる。
また、入賞態様の抽選において、3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞や、2枚のメダル払出が行われる7ベル入賞が当選した場合、ストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングに関わらず、その停止図柄を取りこぼしなく有効ライン上に停止させることができるので、遊技者が1枚掛け及び2枚掛けで開始したゲームの抽選の結果、チェリーベル入賞や7ベル入賞が当選役として当選した場合は、人為的な操作に依存せずに、確実にそれらの入賞を成立させることができる。また、遊技者に対し、その他の入賞(例えば、BB入賞)を狙わせつつ、チェリーベル入賞や7ベル入賞の成立を期待してゲームを行わせることができる。
また、1枚掛け及び2枚掛けのいずれの場合も、ベット数に対するメダル払出枚数の割合が限りなく100%に近い値に設定されているので、1枚掛け又は2枚掛けで遊技機を行った場合、遊技者の手元にほぼ100%の期待値でメダルが返還させることになる。即ち、1枚掛け又は2枚掛けで遊技を行っても、メダルがほとんど減少しないので、1枚または2枚のメダルが遊技者の手元に残った場合、遊技者にその手元に残った1枚または2枚のメダルを使用して遊技を行いたいと確実に思わせることができる。よって、遊技者がメダルを残して遊技を終える可能性を更に低く抑えることができる。
一方、1枚掛け及び2枚掛けでゲームを行った場合、僅かではあるがメダルが減少することが期待されるので、1枚掛け又は2枚掛けでゲームを繰り返し行えば、メダルの数は増加せずに却って減少するようになっている。よって、遊技者が1枚掛け又は2枚掛けでゲームを繰り返し行って、メダルの増加を狙えないようにすることができる。従って、メダルが3枚以上ある場合は、BB入賞の当選確率の高い3枚掛けでゲームを行うように、遊技者に仕向けることができる。
また、本スロットマシン10では、チェリーベル入賞が1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合にのみ成立する入賞態様とし、3枚掛けでゲームが行われた場合には、左リール32Lに「チェリー」図柄、中リール32Mに「ベル」図柄が停止しても、チェリーベル入賞を成立させずに、外れとして取り扱うので、チェリーベル入賞が1枚掛け及び2枚掛け専用の特殊な小役入賞であるとして、遊技者に注目させることができる。よって、1枚掛け又は2枚掛けでゲームを行った場合に、チェリーベル入賞の停止図柄で図柄が停止すれば、遊技者に大きな喜びを与えることができる。
同様に、7ベル入賞が1枚掛けでゲームが行われた場合にのみ成立する入賞態様とし、2枚掛け又は3枚掛けでゲームが行われた場合には、左リール32Lに「7」図柄、中リール32Mに「ベル」図柄が停止しても、7ベル入賞を成立させずに、外れとして取り扱うので、7ベル入賞が1枚掛け専用の特殊な小役入賞であるとして、遊技者に注目させることができる。よって、1枚掛けでゲームを行った場合に、7ベル入賞の停止図柄で図柄が停止すれば、遊技者に大きな喜びを与えることができる。
また、本スロットマシン10では、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合においても、極めて低い当選確率ではあるものの、BB入賞の成立がなされるように設定される。これにより、1枚掛け又は2枚掛けでゲームを行った場合にも、遊技者にBB入賞が成立する期待感を持たせることができる。
また、本スロットマシン10では、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合に、BB入賞またはリプレイ入賞以外の通常の小役入賞であるスイカ入賞やベル入賞が成立したときであっても、3枚掛けでゲームが行われた場合のメダル払出枚数とは異なって、チェリーベル入賞が成立した場合と同様に、3枚のメダル払出が行われるようになっているので、その払い出された3枚のメダルを投入して、遊技者がBB入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを行うことができ、遊技者がメダルを余分に余すことなく確実に最後まで遊技を楽しむことができる。また、本スロットマシン10では、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合におけるスイカ入賞やベル入賞の当選確率を低くする一方、チェリーベル入賞や7ベル入賞の当選確率を高く設定しているので、遊技者に対し、チェリーベル入賞や7ベル入賞が、1枚掛け又は2枚掛けでの特殊な小役入賞であることをさらに印象づけることができるとともに、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われた場合に、遊技者にチェリーベル入賞や7ベル入賞が成立する期待感を持たせることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、入賞が成立した場合にボーナス状態へ移行する特典が付与される入賞態様としてBB入賞の1種類のみを備えた構成について説明したが、複数種類の状態移行入賞役を備える構成としても良い。また、入賞が成立した状態移行入賞役に応じて、ボーナス状態で払い出されるメダル払出総数が異なる値に設定されるようにしてもよい。即ち、ボーナス状態処理(図15参照)のS604の処理において、残払出数カウンタに設定される値を、入賞が成立した状態移行入賞役に応じて変えるものであってもよい。また、ボーナス状態処理(図15参照)のS606の処理において、BBゲームであることを意味する状態コマンドをセットする場合に、入賞が成立した状態移行入賞役の種類も合わせてセットするものであってもよい。これにより、表示制御装置81において、入賞が成立した状態移行入賞役に応じて、補助表示部65やスピーカ64、上部ランプ63によって行われる演出を変えることができる。
尚、上記実施形態では、BB入賞が成立した場合に移行するボーナス状態で払い出されるメダル払出総数が250枚に設定される場合について説明したが(図15のS606における残払出数カウンタの設定を参照)、必ずしもこれに限られるものではなく、そのメダル払出総数(残払出数)として設定される値は、法律等で定められた範囲内の任意の枚数であってもよい。
上記実施形態では、遊技状態がボーナス状態にある場合に行われるJACゲームにおいて、小役入賞であるスイカ入賞およびベル入賞の当選確率が一般遊技状態と比して高く設定される場合について説明したが、スイカ入賞およびベル入賞のいずれか一方の当選確率を一般遊技状態と比して高く設定するようにしてもよい。また、メダル払出枚数の多いスイカ入賞の当選確率の上昇度合いを、ベル入賞よりも大きくなるように、ボーナス状態におけるそれぞれの当選確率を決定してもよい。これにより、1ゲーム当たりのメダル払出枚数の期待値を上げることができるので、遊技者は少ないメダル枚数で多くのメダルの払出を受けることができる。また、短い時間でメダル払出総数分のメダル払出を行うことができるので、ホール側にとっても、スロットマシン10の稼働率を上げることができる。また、遊技状態がボーナス状態にある場合にのみ成立するボーナス専用入賞態様を設け、そのメダル払出枚数を多く設定するとともに、ボーナス状態においてボーナス専用入賞態様の当選確率が他の入賞態様よりも高く設定されるように構成してもよい。更に、このボーナス専用入賞態様の入賞成立は、3枚掛けの場合にのみ行われるようにしてもよい。これにより、1枚掛け又は2枚掛けでボーナスゲームが行えるようになっている場合であっても、遊技者に3枚掛けでボーナスゲームを行わせることができる。
上記実施形態では、メダル投入枚数を1枚または2枚としてゲームを行った場合、即ち、1枚掛けまたは2枚掛けでゲームを行った場合にのみ、特殊小役入賞であるチェリーベル入賞が成立するように抽選テーブルが設定されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、メダル投入枚数を3枚としてゲームを行った場合、即ち、3枚掛けでゲームを行った場合にも、チェリーベル入賞が成立するように抽選テーブルを設定してもよい。3枚掛けでゲームを行って、チェリーベル入賞が成立した場合、そのメダル払出枚数は3枚であってもよいし、その他の枚数であってもよい。また、3枚掛けでゲームを行った場合のチェリーベル入賞の当選確率は、他のBB入賞やスイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞よりも小さくなるように抽選テーブルによって設定されてもよい。これにより、チェリーベル入賞が3枚掛け時に成立しにくくなるので、それが特殊小役入賞であることを遊技者に認識させ易くすることができる。
同様に、上記実施形態では、1枚掛けでゲームを行った場合にのみ、特殊小役入賞である7ベル入賞が成立するように抽選テーブルが設定されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、2枚掛けや3枚掛けでゲームを行った場合にも、7ベル入賞が成立するように抽選テーブルを設定してもよい。2枚掛けや3枚掛けでゲームを行って、7ベル入賞が成立した場合、そのメダル払出枚数は2枚であってもよいし、その他の枚数であってもよい。尚、2枚掛けの場合に7ベル入賞が成立した場合は、そのメダル払出枚数を3枚に設定するのがより好ましい。これは、遊技者が、その3枚のメダルを使用してもう1ゲームを行うことができるので、遊技者に対してメダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しませることができるからである。また、3枚掛けでゲームを行った場合の7ベル入賞の当選確率は、他のBB入賞やスイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞よりも小さくなるように抽選テーブルによって設定されてもよい。これにより、7ベル入賞が3枚掛け時に成立しにくくなるので、それが特殊小役入賞であることを遊技者に認識させ易くすることができる。一方、2枚掛けでゲームを行った場合の7ベル入賞の当選確率は、チェリーベル入賞を含むその他の入賞と合わせて、1ゲームにおけるメダル払出枚数の期待値が2枚未満となるように、抽選テーブルによって設定されるようにするのが好ましい。
上記実施形態では、1枚掛けまたは2枚掛けでゲームを行った場合に、通常の小役入賞であるスイカ入賞やベル入賞が成立した場合、そのメダル払出枚数としてそれぞれ3枚のメダル払出が行われるように構成されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、その他のメダル払出枚数が設定されるように構成してもよい。この場合、スイカ入賞のメダル払出枚数とベル入賞のメダル払出枚数とで、異なるメダル払出枚数が設定されるように構成してもよい。また、1枚掛けまたは2枚掛け時のスイカ入賞やベル入賞のメダル払出枚数として、最大ベット数(上記実施形態では3)よりも多い数が設定されるように構成してもよい。これにより、1枚掛けや2枚掛けでゲームを行った場合に、多くのメダル払出が行われるスイカ入賞やベル入賞の成立をも期待しながら遊技者にゲームを行わせることができる。また、1枚掛けまたは2枚掛け時のスイカ入賞やベル入賞のメダル払出枚数として、最大ベット数(上記実施形態では3)の倍数が設定されるように構成してもよい。これにより、スイカ入賞やベル入賞が成立すれば、後はBB入賞成立によって多くのメダルの払出が得られることが期待できる最大ベット数を投入したゲーム(3枚掛けによるゲーム)を行うだけでメダルを消費できるので、遊技者はメダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。また、1枚掛けまたは2枚掛け時のスイカ入賞やベル入賞のメダル払出枚数として、3枚掛けの場合と同様に12枚および6枚が設定されるように構成してもよい。これにより、ベット数に応じてメダル払出枚数を変更する必要がないため、処理負荷の増大を抑えることができる。また、1枚掛けの場合と2枚掛けの場合とで、スイカ入賞のメダル払出枚数を異なる枚数に設定するように構成してもよいし、同様に、1枚掛けの場合と2枚掛けの場合とで、ベル入賞のメダル払出枚数を異なる枚数に設定するように構成してもよい。また、1枚掛け時のスイカ入賞およびベル入賞の少なくともいずれか一方のメダル払出枚数を2枚に設定されるように構成してもよい。これにより、遊技者はその2枚のメダルを投入して、更に3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを楽しむことができる。尚、1枚掛け又は2枚掛けにおいて、メダル投入枚数に対する1ゲームにおけるメダル払出枚数の期待値の割合が100%未満となるように、各入賞態様の当選確率を抽選テーブルによって設定されるのが望ましい。また、その割合は、100%未満で且つ100%に近い値であるのがより好ましい。
上記実施形態では、1枚掛けまたは2枚掛けでゲームを行い、チェリーベル入賞が成立した場合に、3枚のメダル払出が行われるように構成されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、この場合のメダル払出枚数として、最大ベット数(上記実施形態では3)の倍数(例えば、6枚、9枚など)が設定されるように構成してもよい。これによっても、チェリーベル入賞が成立すれば、後はBB入賞成立が高い確立で期待できる最大ベット数を投入したゲーム(3枚掛けによるゲーム)を行うだけでメダルを消費できるので、遊技者はメダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。一方、1枚掛け時にチェリーベル入賞が成立した場合のメダル払出枚数が2枚に設定されるように構成してもよい。これにより、遊技者はその2枚のメダルを投入して、更に3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを楽しむことができ、メダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。尚、これらの場合も、メダル投入枚数に対する1ゲームにおけるメダル払出枚数の期待値の割合が100%未満となるように、各入賞態様の当選確率を抽選テーブルによって設定されるのが望ましい。また、その割合は、100%未満で且つ100%に近い値であるのがより好ましい。
上記実施形態では、1枚掛けでゲームを行い、7ベル入賞が成立した場合に、2枚のメダル払出が行われるように構成されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、この場合のメダル払出枚数として、最大ベット数(上記実施形態では3)の倍数(例えば、3枚、6枚、9枚など)が設定されるように構成してもよい。これにより、7ベル入賞が成立すれば、あとはBB入賞成立によって多くのメダルの払出が得られることが期待できる最大ベット数を投入したゲーム(3枚掛けによるゲーム)を行うだけでメダルが消費できるので、遊技者はメダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。尚、この場合も、メダル投入枚数に対する1ゲームにおけるメダル払出枚数の期待値の割合が100%未満となるように、各入賞態様の当選確率を抽選テーブルによって設定されるのが望ましい。また、その割合は、100%未満で且つ100%に近い値であるのがより好ましい。
上記実施形態では、1枚掛けでゲームを行った場合に、当選役の候補としてチェリーベル入賞や7ベル入賞の当否が抽選され、チェリーベル入賞が成立した場合は3枚のメダル払出が行われ、7ベル入賞が成立した場合は2枚のメダル払出が行われるように構成されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、チェリーベル入賞が成立した場合は2枚のメダル払出が行われ、7ベル入賞が成立した場合は3枚のメダル払出が行われるように構成してもよい。これにより、チェリーベル入賞が成立した場合は、2枚のメダル払出が行われるので、遊技者はその2枚のメダルを投入して、更に3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを楽しむことができ、メダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。また、7ベル入賞が成立した場合は、3枚のメダル払出が行われるので、遊技者はその3枚のメダルを投入して、更にBB入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを行うことができ、メダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。一方、1枚掛けでゲームを行った場合、チェリーベル入賞のみを当否判定するように構成してもよい。これにより、ベット数が1枚〜3枚のいずれの場合も、当選役として7ベル入賞が含まれなくなるので、抽選テーブルからインデックス値IV=5を省略することができ、抽選テーブルを格納する抽選テーブル格納エリア105aの記憶容量を小さくしたり、抽選処理の処理負荷を小さくすることができる。また、この場合において、チェリーベル入賞が成立した場合のメダル払出枚数が3枚に設定されていれば、チェリーベル入賞が成立した場合に払い出される3枚のメダルを投入して、遊技者は、更にBB入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを行うことができ、メダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。また、チェリーベル入賞が成立した場合のメダル払出枚数が2枚に設定されていれば、チェリーベル入賞が成立した場合に払い出される2枚のメダルを投入して、遊技者は、更に3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞成立に期待しながら、もう1ゲームを楽しむことができ、メダルを余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。尚、これらの場合も、メダル投入枚数に対する1ゲームにおけるメダル払出枚数の期待値の割合が100%未満となるように、各入賞態様の当選確率を抽選テーブルによって設定されるのが望ましい。また、その割合は、100%未満で且つ100%に近い値であるのがより好ましい。例えば、1枚掛けにおける特別子役入賞として7ベル入賞が含まれず、チェリーベル入賞のみに対応する場合において、そのチェリーベル入賞におけるメダル払出枚数を3枚に設定する場合は、その当選確率を約3.6分の1に設定してもよいし、そのチェリーベル入賞におけるメダル払出枚数を2枚に設定する場合は、その当選確率を約2.4分の1に設定してもよい。
上記実施形態では、抽選テーブルにおいて、インデックス値IVに対応する入賞態様として、BB入賞、スイカ入賞、ベル入賞、チェリーベル入賞、7ベル入賞およびリプレイ入賞のいずれか1つを割り当て、入賞態様の抽選において、これらの入賞態様のうちいずれか1つが当選役としてセットされる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一のインデックス値IVに対してこれらの入賞態様のうち複数の入賞態様を割り当て、その一のインデックス値IVにおいて当選が確定となった場合、その一のインデックス値IVに割り当てられた複数の入賞態様が当選役として同時にセットされてもよい。例えば、一のインデックス値IVにBB入賞とベル入賞とが割り当てられることによって、BB入賞とベル入賞とが当選役として同時に設定されてもよいし、一のインデックス値IVにスイカ入賞とリプレイ入賞とが割り当てられることによって、スイカ入賞とリプレイ入賞とが当選役として同時に設定されてもよい。ここで、入賞が成立しなかった場合に次ゲームに持ち越されるBB入賞と、次ゲームに持ち越されない他の入賞態様(例えば、ベル入賞)とが同時に当選役として設定された場合、次ゲームに持ち越すことができない他の入賞態様(ベル入賞)に対応するスベリテーブルを優先してスベリテーブル格納エリア106bに格納してもよい。これにより、該他の入賞態様での入賞成立を確立させることができるとともに、BB入賞は次ゲームに持ち越して入賞成立を確立させることができる。また、スイカ入賞とリプレイ入賞とが当選役として同時に設定された場合、そのスイカ入賞とリプレイ入賞とのいずれかが有効ライン上に停止するように規定されたスベリテーブルを用意し、これをスベリテーブル格納エリア106bに格納するようにしてもよい。このスベリテーブルとしては、ストップスイッチ42〜44が操作された際に基点位置に到達している到達図柄から、リプレイ入賞よりも遊技者に有利なスイカ入賞に対応した停止図柄を停止させることができる場合は、スイカ入賞に対応する停止図柄で停止するように停止態様が規定され、スイカ入賞に対応した停止図柄を停止させることができない場合は、リプレイ入賞に対応する停止図柄で停止するように停止態様が規定されたものを用いるとよい。これにより、リプレイ入賞よりも遊技者に有利なスイカ入賞を可能な限り成立させつつ、スイカ入賞が成立できない場合は、リプレイ入賞を成立させることができる。そして、この場合は、遊技者にメダル投入なしで再遊技させることができる。
上記実施形態では、1枚掛けでゲームを行って7ベル入賞が成立し、2枚のメダル払出が行われた場合、スロットマシン10の遊技状態は一般遊技状態のままとなるが、1枚掛けでゲームを行って7ベル入賞が成立し、2枚のメダル払出が行われた場合にスロットマシン10の遊技状態を2枚掛け時特別遊技状態に移行させてもよい。そして、この2枚掛け時特別遊技状態に移行した場合は、2枚掛け時におけるチェリーベル入賞態様の当選確率を、一般遊技状態の場合よりも高く設定するように、抽選テーブルを構成してもよい。これにより、1枚掛け時に7ベル入賞成立によって2枚のメダル払出が行われた場合、遊技者はその2枚のメダルを投入して、3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞成立に強い期待感を持ちながら、もう1ゲームを更に楽しむことができる。
上記実施形態では、一般遊技状態にある場合に、メダルのベット数の規定数を1枚〜3枚に設定し、1枚掛け、2枚掛け、3枚掛けのいずれにも対応して、ゲームを開始するように構成されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、メダルのベット数の規定数を1枚及び3枚に設定し、1枚掛けおよび3枚掛けのみに対応して、ゲームを開始するように構成してもよい。これにより、遊技者の手元に2枚のメダルが残った場合、チェリーベル入賞成立によって3枚のメダル払出が得られることを遊技者に期待させつつ、手元に残ったメダルを1枚ずつ投入させて、少なくとも計2回のゲームを楽しませることができる。
また、一般遊技状態だけでなく、ボーナス状態にある場合にもメダルのベット数の規定数を1枚〜3枚に設定し、1枚掛け、2枚掛け、3枚掛けのいずれにも対応して、ゲームを開始するように構成してもよい。或いは、ボーナス状態にある場合にも、メダルのベット数の規定数を1枚及び3枚に設定し、1枚掛け及び3枚掛けに対応して、ゲームを開始するように構成してもよい。ボーナス状態で1枚掛け又は2枚掛けによるゲームが行われた場合は、チェリーベル入賞および7ベル入賞の当選確率を低く設定するか、当選確率をゼロとするように、抽選テーブルを構成してもよい。また、1枚掛けおよび2枚掛けにおけるスイカ入賞またはベル入賞の当選確率を、一般遊技状態での当選確率よりも高い確率となるように、抽選テーブルを構成してもよい。また、1枚掛け及び2枚掛けにおけるスイカ入賞またはベル入賞のメダル払出枚数が、一般遊技状態でのメダル払出枚数(3枚)よりも多く設定されるように構成してもよい。ただし、ボーナス状態での1枚掛け及び2枚掛けにおける1ゲーム当たりのメダル払出枚数の期待値は、3枚掛けにおけるその期待値よりも小さくなるように、各入賞態様の当選確率やメダル払出枚数が設定されるように構成してもよい。これにより、遊技者に対して、可能な限り3枚掛けでボーナスゲームを行うようにさせることができる。また、ボーナス状態にて1枚掛け及び2枚掛けでゲームを行った場合の各入賞態様に対応する当選確率およびメダル払出枚数を、一般遊技状態と同一に設定するように構成してもよい。この場合、ベット数に対する1ゲーム当たりのメダル払出枚数の期待値の割合が、1枚掛けおよび2枚掛けとも100%未満であるので、1枚掛けや2枚掛けでゲームを繰り返すと、メダル枚数がかえって減少してしまう。よって、遊技者に対して、3枚掛けでボーナスゲームを行うようにさせることができる。
上記実施形態では、遊技者の手元にあるメダルの残枚数に限らず、一般遊技状態であれば1枚掛け及び2枚掛けによってゲームが行えるように構成されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、クレジット機能によって貯留記憶された仮想メダルの枚数が3枚未満となった場合に限り、1枚掛け及び2枚掛けによって上記実施形態の入賞態様、当選確率およびメダル払出枚数でゲームが行われるように構成してもよい。例えば、通常処理(図11参照)のS205の処理において、ベット数が規定数であるか否かを判別する場合に、仮想メダルの枚数をカウントするクレジットカウンタの値を確認し、その値が3以上であれば、ベット数の規定数を3枚に設定することによって、3枚掛けでのみゲームが行えるようにし、クレジットカウンタの値が3未満であれば、ベット数の規定数を1枚及び2枚に設定することによって、1枚掛け及び2枚掛けによって上記実施形態の入賞態様、当選確率およびメダル払出枚数でゲームが行えるようにしてもよい。これにより、仮想メダルが3枚以上ある場合は、常に3枚掛けでのみゲームを行わせることができるので、メダルが早く消費され、ホールにおけるスロットマシンの稼働率を確実に上げることが可能となる。一方、仮想メダルが3枚未満となった場合は、その1枚または2枚のメダルを使用し、3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞または2枚のメダル払出が行われる7ベル入賞を狙って遊技者に対してゲームを行わせることができるので、スロットマシン10は、遊技者にメダルを余分に余すことなく使い切る動機付けを与えることができる。
上記実施形態では、遊技者の手元にあるメダルの残枚数に限らず、一般遊技状態であれば1枚掛け及び2枚掛けによって行われるゲームの入賞態様、当選確率およびメダル払出枚数が固定となるように構成されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、通常処理(図11)のS206の処理において、開始指令があると判別された場合に、開始指令直前のクレジットカウンタの値(即ち、仮想メダルの枚数)をRAM106に一時的に保持しておき、抽選テーブル設定処理(図13参照)において1枚掛け時抽選テーブル(S406参照)又は2枚掛け時抽選テーブル(S405参照)を設定する場合や、リール制御処理(図14参照)において払出判定処理(S513参照)を行う場合に、その一時的に格納された開始指令直前の仮想メダルの枚数が3枚以上であったときは、1枚掛けや2枚掛けでの1ゲーム当たりのメダル払出枚数の期待値が、図7や図9に示した入賞態様、当選確率およびメダル払出枚数によって得られる期待値よりも小さくなるように、その入賞態様、当選確率およびメダル払出枚数を設定するように構成してもよい。この場合、1枚掛けや2枚掛けでゲームが行われた場合のチェリーベル入賞や7ベル入賞の当選確率を低く設定することにより、期待値を小さくするようにしてもよい。これにより、仮想メダルが3枚以上ある場合は、3枚掛けでゲームを行うほうが、1枚掛けや2枚掛けでゲームを行う場合よりも非常に有利な条件でゲームを行うことができるので、遊技者は3枚掛けでゲームを行うようになり、メダルが早く消費される。よって、ホールにおけるスロットマシンの稼働率を確実に上げることが可能となる。一方、一時的に格納された開始指令直前の仮想メダルの枚数が3枚未満であったときは、1枚掛け又は2枚掛けで行われるゲームに対し、図7や図9に示した入賞態様、当選確率およびメダル払出枚数を設定するように構成してもよい。これにより、仮想メダルが3枚未満となった場合は、その1枚または2枚のメダルを使用し、3枚のメダル払出が行われるチェリーベル入賞または2枚のメダル払出が行われる7ベル入賞を狙って遊技者に対してゲームを行わせることができるので、スロットマシン10は、遊技者にメダルを余分に余すことなく使い切る動機付けを与えることができる。
また、上記2つの変形例に加え、又は、上記2つの変形例とは別に、クレジット機能によって貯留記憶された仮想メダルの枚数が2枚であった場合は、1枚掛けによって上記図7や図9に示した入賞態様、当選確率およびメダル払出枚数でゲームが行われないように構成してもよい。この場合、1枚掛けによるゲームが全く行われないように構成してもよいし、1枚掛けでの1ゲーム当たりのメダル払出枚数の期待値が、図7や図9に示した入賞態様、当選確率およびメダル払出枚数によって得られる期待値よりも小さくなるように、その入賞態様、当選確率およびメダル払出枚数を設定するように構成してもよい。前者の場合、通常処理(図11参照)のS205の処理において、ベット数が規定数であるか否かを判別する場合に、仮想メダルの枚数をカウントするクレジットカウンタの値を確認し、その値が2であれば、ベット数の規定数を2枚に設定することによって、1枚掛けでのゲームが行えないようにしてもよい。また、後者の場合、通常処理(図11)のS206の処理において、開始指令があると判別された場合に、開始指令直前のクレジットカウンタの値(即ち、仮想メダルの枚数)をRAM106に一時的に保持しておき、抽選テーブル設定処理(図13参照)において1枚掛け時抽選テーブル(S406参照)を設定する場合や、リール制御処理(図14参照)において払出判定処理(S513参照)を行う場合に、その一時的に格納された開始指令直前の仮想メダルの枚数が2枚であったときは、1枚掛けでの1ゲーム当たりのメダル払出枚数の期待値が、図7や図9に示した入賞態様、当選確率およびメダル払出枚数によって得られる期待値よりも小さくなるように、その入賞態様、当選確率およびメダル払出枚数を設定するように構成してもよい。これにより、仮想メダルが2枚だけ残っている場合は、遊技者に対し、2枚掛けでゲームを行わせることができる。よって、1回のゲームでメダルが3枚払い出されるか否かの決着を付けさせることができる。
上記実施形態では、BB入賞当選フラグが持ち越されている場合に1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われても、その1枚掛け及び2枚掛けによって行われるゲームの入賞態様や当選確率が、BB入賞当選フラグが持ち越されていない場合と同一となるように構成されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、抽選テーブル設定処理(図13参照)において1枚掛け時抽選テーブル(S406参照)又は2枚掛け時抽選テーブル(S405参照)を設定する場合に、当選フラグ格納エリア106aに前回のゲームから持ち越されたBB入賞当選フラグがセットされていれば、外れとなる確率が高くなるように抽選テーブルが設定されるように構成してもよい。これにより、抽選の結果が外れとなれば、当選フラグ格納エリア106aには持ち越されたBB入賞当選フラグのみがセットされているので、抽選処理(図12参照)のS310によって実行されるスベリテーブル設定処理において、BB入賞に対応するスベリテーブルを格納することができる。よって、BB入賞の成立する確率を高くすることができる。
また、上記実施形態に加えて、1枚掛け又は2枚掛けでゲームが行われる場合は、上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65を用いて、そのゲームに特化した演出が行われるようにしてもよい。この場合、たとえば、通常処理(図11参照)のS209の処理によって開始コマンドをセットする場合に、ベット数に関する情報を開始コマンドに含めるか、もしくは、開始コマンドに続いて送信する別のコマンドをセットして、表示制御装置81に、そのベット数に関する情報を送信するようにしてもよい。そして、表示制御装置81では、主制御装置101より送信されたコマンドからベット数に関する情報を抽出し、ベット数が1枚であれば、そのゲームによって2枚または3枚のメダル払出を期待させる演出を行い、ベット数が2枚であれば、そのゲームによって3枚のメダル払出を期待させる演出を行うように、上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65の少なくともいずれか1つを制御するようにしてもよい。これにより、1枚掛け又は2枚掛けでゲームを行った場合に、上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65が、そのゲームに特化した演出を行うので、1枚掛けのゲームの場合は2枚または3枚のメダルが払い出される期待感を、2枚掛けのゲームの場合は3枚のメダルが払い出される期待感を、遊技者に強く持たせることができる。
上記実施形態における各入賞形態の停止図柄は一例であり、上記停止図柄に限定されるものではない。但し、チェリーベル入賞および7ベル入賞の停止図柄は、取りこぼしのない図柄が設定されることが望ましい。
上記実施形態における各入賞形態に当選となる確率は一例であり、上記当選確率に限定されるものではない。また、上記実施形態におけるスイカ入賞やベル入賞のメダル払出枚数は一例であり、上記メダル払出枚数に限定されるものではない。但し、1枚掛けや2枚掛けにおいて、チェリーベル入賞や7ベル入賞が当選となる確率が他の入賞態様よりも高くなるように設定されることが望ましい。また、1枚掛けや2枚掛けにおいて、ベット数に対するメダル払出枚数の期待値の割合が100%未満で且つ100%に近い値となるように、各入賞態様の当選確率やメダル払出枚数を設定することが望ましい。
上記実施形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを3ライン有するスロットマシンであってもよい。また、有効ラインをベット数に応じて変更するものであってもよい。例えば、ベット数が3枚である場合は有効ラインを5ラインに設定し、ベット数が2枚である場合は有効ラインを3ラインに設定し、ベット数が1枚である場合は、有効ラインを1ラインに設定するものであってもよい。また、有効ラインを3ラインに設定する場合は、例えば、図6に示す上ラインL1,中ラインL2,下ラインL3を設定するものであってもよいし、中ラインL2,右下ラインL4,右上ラインL5を設定するものであってもよい。
上記実施形態では、最大ベット数が3枚である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、最大ベット数は2枚以上の任意の値に設定されてもよい。例えば、最大ベット数が4枚であってもよい。この場合、最大ベット数未満のベット数でゲームが行われれば、最大ベット数(またはその倍数)のメダル払出が行われる入賞態様が高い確率で当選するように各入賞態様の当選確率を設定すればよい。また、最大ベット数が4枚の場合に、1枚掛けでゲームを行えば、例えば、2枚のメダル払出が行われる入賞態様が高い確率で当選するように1枚掛けにおける各入賞態様の当選確率を設定し、2枚掛けでゲームを行えば、例えば、3枚のメダル払出が行われる入賞態様が高い確率で当選するように2枚掛けにおける各入賞態様の当選確率を設定し、3枚掛けでゲームを行った場合、例えば、4枚のメダル払出が行われる入賞態様が高い確率で当選するように3枚掛けにおける各入賞態様の当選確率を設定してもよい。このように、ベット数が少ない枚数の場合、高い確率で当選となる入賞態様のメダル払出枚数を少なく設定することによって、ベット数に対するメダル払出枚数の期待値の割合が100%未満となるように当選確率を設定する場合であっても、その入賞態様の当選確率を高めることができる。尚、ベット数に対するメダル払出枚数の期待値の割合が100%未満で且つ100%に近い値となるように各入賞態様の当選確率やメダル払出枚数を設定することが望ましい。
上記実施形態では、いわゆるAタイプのスロットマシンについて説明したが、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはCTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、これらの各タイプにおけるボーナス当選としては、BB当選、RB当選、SB当選、CT当選などが挙げられる。
上記実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
複数種の絵柄を循環表示させる複数の循環表示手段と、遊技媒体の受入を検出したことに基づいて賭数を設定する賭数設定手段と、前記絵柄の循環表示を開始させることを決定可能な開始決定手段と、その開始決定手段の決定結果に基づいて、役の抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選に当選した場合、当選した役と対応する役当選情報を記憶する当選情報記憶手段と、前記各循環表示手段の循環表示を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段と、前記開始決定手段の決定結果に基づいて前記各循環表示手段の循環表示を開始させるとともに、前記停止操作手段の操作に基づいて対応する循環表示手段の循環表示を停止させるように、前記各循環表示手段を表示制御する表示制御手段と、前記各循環表示手段により表示される前記絵柄の視認位置に設定される有効位置に、前記当選情報記憶手段に記憶された前記役当選情報で示される前記当選した役と対応する絵柄が停止した場合、その役と対応する特典を遊技者に付与する特典付与手段とを備え、前記賭数設定手段により設定された賭数が、その賭数設定手段において設定可能な最大賭数である場合、遊技者に最も有利な条件で前記抽選手段による役の抽選を行うものであって、前記賭数設定手段により設定可能な賭数にそれぞれ対応した複数の抽選情報を記憶する抽選情報記憶手段と、前記抽選手段による抽選に用いられる抽選情報として、その抽選情報記憶手段に記憶された複数の抽選情報の中から前記賭数設定手段によって設定される前記賭数に対応した抽選情報を設定する抽選情報設定手段とを備え、前記最大賭数よりも少数である第1賭数に対応する前記抽選情報は、前記最大賭数の倍数分の遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する第1役の当選確率を、その第1役以外の役の当選確率以上に設定するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、賭数設定手段により設定された賭数が、その賭数設定手段において設定可能な最大賭数よりも少数である第1賭数であった場合、抽選情報記憶手段に記憶された複数の抽選情報の中からその第1賭数に対応した抽選情報が、抽選手段による抽選に用いられる抽選情報として、抽選情報設定手段により設定される。そして、開始決定手段の決定結果に基づいて、抽選手段によって抽選情報設定手段により設定された抽選情報を用いて役の抽選が行われ、その抽選に当選した場合は、当選した役と対応する役当選情報が当選情報記憶手段に記憶される。一方、表示制御手段による循環表示手段の表示制御により、開始決定手段の決定結果に基づいて各循環表示手段の循環表示が開始され、停止操作手段の操作に基づいて対応する循環表示手段の循環表示が停止される。そして、各循環表示手段により表示される絵柄の視認位置に設定される有効位置に、当選情報記憶手段に記憶された役当選情報で示される当選した役と対応する絵柄が停止した場合、その役と対応する特典が特典付与手段によって遊技者に付与される。ここで、最大賭数よりも少数である第1賭数に対応した抽選情報は、最大賭数の倍数分の遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する第1役の当選確率を、その第1役以外の役の当選確率以上に設定するように構成されているので、第1賭数を設定して抽選手段による抽選が行われた場合、最大賭数の倍数分の遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する第1役が当選する可能性を高くすることができる。よって、遊技者の手元に最大賭数未満の遊技媒体が余っている場合は、最大賭数の倍数分の遊技媒体が得られることを遊技者に期待させながら、第1賭数を遊技者に設定させることができる。そして、第1賭数が設定されて遊技が行われた結果、最大賭数の倍数分の遊技媒体が付与された場合は、その最大賭数を設定して、最も有利な条件で役の抽選を行わせながら遊技を行うことができるので、遊技者が遊技媒体を余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。また、第1賭数が設定されて遊技が行われた結果、たとえ抽選に外れた場合であったとしても、遊技媒体を余分に余すことなくゲームを終了させることができる。このように、遊技機A1によれば、遊技者に遊技媒体を余分に余すことなく最後まで遊技を楽しませることができる。
遊技機A1において、前記第1賭数に対応する前記抽選情報は、少なくとも通常の遊技状態において、その第1賭数に対して前記抽選手段により行われる1回の抽選の結果に基づき前記特典付与手段により遊技者に付与される遊技媒体の付与数の期待値が、前記第1賭数よりも小さくなるように、各役の当選確率を設定するものであることを特徴とする遊技機A2。
ここで、期待値とは、抽選手段によって抽選される役のそれぞれについて、当選確率と当選した場合に付与される遊技媒体の付与数とを乗算した値を算出し、全ての役について算出した乗算によって得られた値を加算することによって得られる値である(以下、同じ)。
遊技機A2によれば、第1賭数に対応した抽選情報は、少なくとも通常の遊技状態において、その第1賭数に対して抽選手段により行われる1回の抽選の結果に基づき特典付与手段により遊技者に付与される遊技媒体の付与数の期待値が、第1賭数よりも小さくなるように、各役の当選確率を設定するように構成されているので、最大賭数よりも少数である第1賭数を設定して抽選手段による抽選が繰り返し行われた場合、遊技媒体の数を増加させずに却って減少させることができる。よって、遊技者が第1賭数で繰り返し遊技を行っても遊技媒体の増加を狙えないようにすることができるので、遊技媒体が最大賭数以上ある場合は、遊技者に対して、最も有利な条件で役の抽選が行われる最大賭数を設定させて、遊技を行わせることができる。従って、最大賭数よりも少数である第1賭数で遊技が行えるものであっても、遊技者に遊技媒体を早く消費させることができるので、遊技機の稼働率を上げることができる。
遊技機A2において、前記第1賭数に対応する前記抽選情報は、少なくとも通常の遊技状態において、その第1賭数に対して前記抽選手段により行われる1回の抽選の結果に基づき前記特典付与手段により遊技者に付与される遊技媒体の付与数の期待値が、前記第1賭数と近い値となるように、各役の当選確率を設定するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、第1賭数に対応した抽選情報は、少なくとも通常の遊技状態において、その第1賭数に対して抽選手段により行われる1回の抽選の結果に基づき特典付与手段により遊技者に付与される遊技媒体の付与数の期待値が、第1賭数と近い値となるように、各役の当選確率を設定するように構成されているので、最大賭数よりも少数である第1賭数を設定して抽選手段による抽選が行われた場合、遊技者の手元に100%に近い期待値で遊技媒体を返還することができる。よって、遊技者の手元に最大賭数未満の遊技媒体が余っている場合は、遊技者にその手元に残った遊技媒体を用いて第1賭数を設定して遊技を行いたいと確実に思わせることができるので、遊技者が遊技媒体を残して遊技を終える可能性を更に低く抑えることができる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記各循環表示手段は、対応する前記停止操作手段の操作タイミングから予め定めた規定期間内に前記第1役と対応する絵柄が前記有効位置に到達し得るように配列されており、前記抽選手段による抽選によって前記第1役が当選した場合、前記表示制御手段は、前記停止操作手段の操作に基づいて、その操作タイミングから前記規定期間内に、前記第1役と対応する絵柄を前記有効位置に停止させるように、その対応する循環表示手段を表示制御するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、各循環表示手段は、対応する停止操作手段の操作タイミングから予め定めた規定期間内に第1役と対応する絵柄が有効位置に到達し得るように配列されており、抽選手段による抽選によって第1役が当選した場合は、停止操作手段の操作に基づいて、その操作タイミングから前記規定期間内に、第1役と対応する絵柄が有効位置に停止させられるように、その対応する循環表示手段が表示制御手段によって表示制御される。これにより、第1役が当選した場合は、停止操作手段の操作タイミングに関わらず、規定時間内に第1役と対応する絵柄を有効位置に停止させることができるので、第1役と対応する絵柄を取りこぼしなく有効位置に表示させることができる。よって、第1役が当選した場合は、人為的な操作に依存せずに、確実に第1役と対応する絵柄を有効位置に表示させることができる。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記第1賭数に対応した抽選情報は、遊技状態を通常の遊技状態から遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特典を前記特典付与手段により遊技者に付与させる第2役を第1の当選確率で当選させるように設定するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、第1賭数に対応した抽選情報を用いて抽選手段による抽選を行った場合、遊技状態を通常の遊技状態から遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特典を特典付与手段により遊技者に付与させる第2役が第1の当選確率で当選するので、その第1賭数で遊技を行った場合に、最大賭数の倍数分の遊技媒体が付与される特典だけでなく、遊技者に有利な特別遊技状態に移行する特典が付与される期待感を遊技者に与えることができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記第1賭数に対応した抽選情報は、前記遊技媒体の受入を検出することなく、前記第1賭数を前記賭数設定手段により再度設定する特典を前期特典付与手段により遊技者に付与させる第3役を第2の当選確率で当選させるように設定するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、第1賭数に対応した抽選情報を用いて抽選手段による抽選を行った場合、遊技媒体の受入を検出することなく、第1賭数を賭数設定手段により再度設定する特典を特典付与手段により遊技者に付与させる第3役が第2の当選確率で当選するので、その第3役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止した場合は、遊技者は遊技媒体を減らすことなく第1賭数を設定して再遊技を行うことができる。よって、その第1賭数で遊技を行った場合に、最大賭数の倍数分の遊技媒体が付与される特典が付与されなくても、第3役に対応する絵柄が前記有効位置に表示されれば、その第3役によって付与される特典によって行える再遊技によって、最大賭数の倍数分の遊技媒体が付与される特典の得られる第1役を成立させたいという再度の挑戦感を、遊技者に与えることができる。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記第1役は、前記第1賭数に対応する抽選情報を用いた前記抽選手段による抽選によって当選した場合、前記最大賭数分の遊技媒体が付与される特典を前記特典付与手段により遊技者に付与させるものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、第1賭数に対応する抽選情報を用いた抽選手段による抽選によって第1役が当選した場合、最大賭数分の遊技媒体が付与される特典が特典付与手段により遊技者に付与されるので、その最大賭数を設定して、最も有利な条件で役の抽選を行わせながら遊技を更に1回行うことができる。よって、遊技者が遊技媒体を余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。また、例えば、第1賭数に対して抽選手段により行われる1回の抽選の結果に基づき特典付与手段により遊技者に付与される遊技媒体の付与数の期待値が第1賭数よりも小さくなるように、各役の当選確率が設定される場合、第1役に対応する特典が、最大賭数の倍数のうち最も小さい数となる最大賭数分の遊技媒体が付与されるものであるので、その第1役の当選確率を大きく設定することができる。よって、第1役が当選され、その第1役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に表示される可能性を高めることができ、最大賭数分の遊技媒体が付与される確率を高めることができる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記遊技媒体を仮想的に貯留する遊技媒体貯留手段と、その遊技媒体貯留手段により貯留されている前記遊技媒体の数を計数する貯留遊技媒体数計数手段とを備え、前記賭数設定手段は、前記遊技媒体貯留手段に貯留されている前記遊技媒体の受入を検出可能に構成されており、前記貯留遊技媒体数計数手段により計数される前記遊技媒体の数が前記最大賭数未満である場合に、前記賭数設定手段による前記第1賭数の設定を許可する許可手段とを備えていることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技媒体貯留手段により仮想的に貯留された遊技媒体の数が貯留遊技媒体数計数手段により計数され、その計数される遊技媒体の数が最大賭数未満である場合に、賭数設定手段による第1賭数の設定が許可手段によって許可されるので、遊技媒体貯留手段により貯留された遊技媒体の数が最大賭数以上である場合は、遊技者に最大賭数を設定して遊技を行わせることができる。よって、最大賭数よりも少数である第1賭数で遊技が行えるものであっても、遊技媒体が早く消費されるので、遊技機の稼働率を確実に上げることができる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記遊技媒体を仮想的に貯留する遊技媒体貯留手段と、その遊技媒体貯留手段により貯留されている前記遊技媒体の数を計数する貯留遊技媒体数計数手段とを備え、前記賭数設定手段は、前記遊技媒体貯留手段に貯留されている前記遊技媒体の受入を検出可能に構成されており、前記第1賭数に対応する前記抽選情報は、前記貯留遊技媒体数計数手段により計数される前記遊技媒体の数が前記最大賭数未満である場合は、前記第1役の当選確率をその第1役以外の役の当選確率以上に設定すると共に、前記貯留遊技媒体数計数手段により計数される前記遊技媒体の数が前記最大賭数以上である場合における、前記第1賭数に対して前記抽選手段により行われる1回の抽選の結果に基づき前記特典付与手段により遊技者に付与される遊技媒体の付与数の期待値が、前記貯留遊技媒体数計数手段により計数される前記遊技媒体の数が前記最大賭数未満である場合よりも小さくなるように、各役の当選確率を設定するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技媒体貯留手段により仮想的に貯留された遊技媒体の数が貯留遊技媒体数計数手段により計数される。そして、第1賭数によって抽選が行われる場合、その計数される遊技媒体の数が最大賭数未満であれば、第1賭数に対応した抽選情報によって、最大賭数の遊技媒体が付与される特典を付与する第1役の当選確率が、その他の役の当選確率以上に設定される。一方、貯留遊技媒体数計数手段により計数される遊技媒体の数が最大賭数以上であれば、第1賭数に対して抽選手段により行われる1回の抽選の結果に基づき特典付与手段により遊技者に付与される遊技媒体の付与数の期待値が、貯留遊技媒体数計数手段により計数される遊技媒体の数が最大計数未満である場合よりも小さくなるように、各役の当選確率が設定される。これにより、遊技媒体貯留手段により貯留された遊技媒体の数が最大賭数以上である場合は、第1賭数を設定して遊技を行った場合の遊技媒体の付与数の期待値が小さくなるので、遊技者は最大賭数で遊技を行うようになり、遊技媒体を早く消費させることができる。よって、最大賭数よりも少数である第1賭数で遊技が行えるものであっても、遊技機の稼働率を確実に上げることができる。
遊技機A1からA9のいずれかにおいて、前記抽選手段により抽選される役は、遊技状態を通常の遊技状態から遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特典を前記特典付与手段により遊技者に付与させる第2役を含み、前記表示制御手段は、前記当選情報記憶手段に前記第2役と共にその第2役以外の役の役当選情報が記憶されている場合は、その第2役以外の役に対応する絵柄を優先して前記停止操作手段の操作に基づいて前記有効位置に停止させるように、前記各循環表示手段の表示制御を行うものであり、前記第1賭数に対応する前記抽選情報は、前記当選情報記憶手段に前記第2役に対応する役当選情報が記憶されている場合は、いずれの役にも当選しない確率が高くなるように各役の当選確率を設定するものであることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、当選情報記憶手段に第2役と共にその第2役以外の役の役当選情報が記憶されている場合は、その第2役以外の役に対応する絵柄が優先して停止操作手段の操作に基づいて有効位置に停止するように、前記表示制御手段によって各循環表示手段の表示制御が行われる。これにより、可能な限り第2役以外の役に対応する特典が第2役よりも優先して特典付与手段により付与されるようになっている。一方、第1賭数を設定して遊技を行った場合、当選情報記憶手段に第2役に対応する役当選情報が記憶されていれば、いずれの役にも当選しない確率が高くなるように各役の当選確率が設定されるので、当選情報記憶手段に第2役の役当選情報のみが記憶される可能性を高くすることができる。これにより、第1賭数を設定して遊技を行った場合に、第2役の役当選情報が当選情報記憶手段に記憶されていれば、その第2役に対応する絵柄を各循環表示手段の有効位置に停止させ易い状態にすることができるので、遊技状態を通常の遊技状態から遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特典が遊技者に付与される可能性を高くすることができる。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記第1賭数は1以外の数であり、賭数が1に対応する前記抽選情報においても、前記最大賭数の倍数分の遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する第1役の当選確率を、その第1役以外の役の当選確率以上に設定するものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技者の手元に最大賭数未満の遊技媒体が余っている場合、その余っている遊技媒体の数が第1賭数以外の数であっても、最大賭数の倍数分の遊技媒体が得られることを遊技者に期待させながら、賭数を1に設定して遊技者に遊技させることができる。そして、賭数を1に設定して抽選手段による抽選が行われた場合、最大賭数の倍数分の遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する第1役が当選する可能性を高くすることができるので、賭数を1に設定しながら、手元に残った遊技媒体を使用して、最大賭数の倍数分の遊技媒体が得られることを遊技者に期待させて遊技を行わせることができる。よって、遊技者に余った遊技媒体を確実に使用させることができるので、遊技者に余分な遊技媒体を確実に余すことなく最後まで遊技を楽しませることができる。
遊技機A11において、前記遊技媒体を仮想的に貯留する遊技媒体貯留手段と、その遊技媒体貯留手段により貯留されている前記遊技媒体の数を計数する貯留遊技媒体数計数手段とを備え、前記賭数設定手段は、前記遊技媒体貯留手段に貯留されている前記遊技媒体の受入を検出可能に構成されており、前記貯留遊技媒体数計数手段により計数される前記遊技媒体の数が前記第1賭数である場合は、前記賭数設定手段により賭数を1にする設定を不許可とする第1不許可手段とを備えていることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技媒体貯留手段により仮想的に貯留された遊技媒体の数が貯留遊技媒体数計数手段により計数され、その計数される遊技媒体の数が第1賭数である場合に、賭数設定手段による賭数を1にする設定が第1不許可手段によって不許可とされるので、遊技媒体貯留手段により貯留された遊技媒体の数が第1賭数である場合は、遊技者に第1賭数を設定して遊技を行わせることができる。よって、1回の遊技で最大賭数の遊技媒体が付与される特典が付与されるか否かの決着を付けさせることができる。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記第1賭数は1であることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、賭数を1に設定して抽選手段による抽選が行われた場合、最大賭数の倍数分の遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する第1役が当選する可能性を高くすることができるので、手元に複数の遊技媒体が余っている場合であっても、賭数を1に設定しながら、手元に残った遊技媒体を使用して、最大賭数の倍数分の遊技媒体が得られることを遊技者に期待させて遊技を行わせることができる。よって、遊技者に余った遊技媒体を確実に使用させることができるので、遊技者に余分な遊技媒体を確実に余すことなく最後まで遊技を楽しませることができる。
遊技機A1からA13のいずれかにおいて、前記最大賭数に対応する前記抽選情報は、前記第1役を当選役として未設定とするものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、最大賭数を設定して遊技を行った場合、最大賭数に対応した抽選情報によって第1役が当選役として未設定とされるので、抽選手段による抽選により第1役が当選されることを回避することができる。これにより、第1役が、第1賭数を設定して遊技を行った場合の特殊な役であるとして、遊技者に注目させることができる。よって、第1賭数を設定して遊技を行った場合に第1役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止した場合、遊技者に大きな喜びを与えることができる。
遊技機A1からA13のいずれかにおいて、前記最大賭数に対応する前記抽選情報は、前記第1役の当選確率を、その第1役以外の役の当選確率よりも低く設定するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、最大賭数を設定して遊技を行った場合、最大賭数に対応した抽選情報によって、第1役の当選確率が、その第1役以外の役の当選確率よりも低く設定されるので、最大賭数を設定して遊技を行った場合は、第1役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止する可能性を低くすることができる。よって、その第1役が遊技機において特殊な役であることを遊技者に認識させ易くすることができる。
遊技機A1からA13、B1及びB2のいずれかにおいて、前記特典付与手段は、前記賭数設定手段により第1賭数が設定された場合に、前記当選情報記憶手段に記憶される役当選情報として、前記第1役以外の役であって、前記遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する役と対応する役当選情報が記憶されており、その役当選情報に示される前記当選した役と対応する絵柄が前記各循環表示手段の有効位置に停止すれば、前記第1役に基づく特典により遊技者に付与される遊技媒体の数と同じ数の遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、賭数設定手段により第1賭数を設定して遊技を行った場合に、当選情報記憶手段に記憶される役当選情報として、第1役以外の役であって、遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する役と対応する役当選情報が記憶されており、その役当選情報に示される当選した役と対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止すれば、第1役に基づく特典により遊技者に付与される遊技媒体の数と同じ数の遊技媒体を付与する特典が遊技者に付与される。即ち、第1役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止した場合に付与される遊技媒体の数である最大賭数の倍数分の遊技媒体が遊技者に付与される。これにより、第1役以外の役によって遊技媒体が付与されても、その付与される遊技媒体の数は最大賭数の倍数分となるので、遊技者は、最大賭数を設定して、最も有利な条件で役の抽選を行わせながら遊技を行うことができる。よって、遊技者が遊技媒体を余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。
遊技機C1において、前記特典付与手段は、前記賭数設定手段により第1賭数が設定された場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態にあるときは、前記当選情報記憶手段に記憶される役当選情報として、前記第1役以外の役であって、前記遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する役と対応する役当選情報が記憶されており、その役当選情報に示される前記当選した役と対応する絵柄が前記各循環表示手段の有効位置に停止すれば、前記第1役に基づく特典により遊技者に付与される遊技媒体の数よりも多い数の遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、賭数設定手段により第1賭数を設定して遊技を行った場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態にある場合は、当選情報記憶手段に記憶される役当選情報として、第1役以外の役であって、遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する役と対応する役当選情報が記憶されており、その役当選情報に示される当選した役と対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止すれば、第1役に基づく特典により遊技者に付与される遊技媒体の数よりも多い数の遊技媒体を付与する特典が遊技者に付与される。即ち、最大賭数の倍数よりも多い数の遊技媒体が遊技者に付与される。これにより、遊技状態が特別遊技状態にある場合は、第1役以外の役によってより多くの遊技媒体を遊技者に付与することができる。
遊技機A1〜A13、B1、B2、C1及びC2のいずれかにおいて、前記最大賭数よりも少数である第2賭数に対応する前記抽選情報は、前記第1賭数分の遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する第4役を当選役として設定するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、最大賭数よりも少数である第2賭数を設定して遊技を行った場合、その第2賭数に対応した抽選情報によって、第1賭数分の遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する第4役が抽選手段による抽選により当選となる可能性を持たせることができる。これにより、第4役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止した場合、第1賭数分の遊技媒体を得ることができる。よって、遊技者の手元に少なくとも第2賭数分の遊技媒体が残っている場合、第4役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止すれば、第1賭数分の遊技媒体が付与されることを遊技者に期待させつつ、手元に残った第2賭数分の遊技媒体を使用して、遊技を行わせることができる。これにより、第1賭数分の遊技媒体が遊技者に付与された場合は、遊技者はその第1賭数分の遊技媒体を使用して、更に最大賭数の倍数分の遊技媒体が付与される第1役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止することを期待しながら、もう1回遊技を楽しむことができる。そして、第1役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止すれば、遊技者は有利な条件で抽選が行われる最大賭数による遊技を行えるので、遊技者が遊技媒体を余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができるし、第1役に対応する絵柄が前記有効位置に停止しなくても、遊技媒体を使い切ることができる。よって、遊技者に更なる遊技の楽しみを与えつつ、遊技媒体を余分に余すことなく最後まで遊技を楽しませることができる。
遊技機D1において、前記第2賭数に対応する前記抽選情報は、更に前記最大賭数の倍数分の遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する第1役を当選役として設定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、第2賭数を設定して遊技を行った場合、その第2賭数に対応した抽選情報によって、第1賭数分の遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する第4役と共に、最大賭数の倍数分の遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する第1役が抽選手段による抽選により当選となる可能性を持たせることができる。これにより、第1役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止した場合、最大賭数の倍数分の遊技媒体を直ぐに得ることができる。よって、遊技者の手元に少なくとも第2賭数分の遊技媒体が残っている場合、第4役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止すれば、第1賭数分の遊技媒体が付与され、更に、第1役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止すれば、最大賭数の倍数分の遊技媒体が直接付与されることを遊技者に期待させつつ、手元に残った第2賭数分の遊技媒体を使用して、遊技を行わせることができる。これにより、最大賭数の倍数分の遊技媒体が付与された場合は、その最大賭数を設定して、最も有利な条件で役の抽選を行わせながら遊技を行うことができるので、遊技者が遊技媒体を余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。
遊技機D1又はD2において、前記最大賭数に対応する前記抽選情報は、前記第4役を当選役として未設定とするものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、最大賭数を設定して遊技を行った場合、最大賭数に対応した抽選情報によって第4役が当選役として未設定とされるので、抽選手段による抽選により第4役が当選されることを回避することができる。これにより、第4役が、第2賭数を設定して遊技を行った場合の特殊な役であるとして、遊技者に注目させることができる。よって、第2賭数を設定して遊技を行った場合に第4役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止した場合、遊技者に大きな喜びを与えることができる。また、最大賭数を設定して遊技を行った場合、最大賭数に対応した抽選情報によって第1役も当選役として未設定としてもよく、抽選手段による抽選により第1役も当選されることを回避することができる。これにより、第1役が、第1賭数または第2賭数を設定して遊技を行った場合の特殊な役であるとして、遊技者に注目させることができる。よって、第1賭数または第2賭数を設定して遊技を行った場合に第1役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止した場合、遊技者に大きな喜びを与えることができる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記特典付与手段は、前記賭数設定手段により第2賭数が設定された場合に、前記当選情報記憶手段に記憶される役当選情報として、前記第1役および前記第4役以外の役であって、前記遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する役と対応する役当選情報が記憶されており、その役当選情報に示される前記当選した役と対応する絵柄が前記各循環表示手段の有効位置に停止すれば、前記第1役または前記第4役に基づく特典により遊技者に付与される遊技媒体の数と同じ数の遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、賭数設定手段により第2賭数を設定して遊技を行った場合に、当選情報記憶手段に記憶される役当選情報として、第1役および第4役以外の役であって、遊技媒体が付与される特典を遊技者に付与する役と対応する役当選情報が記憶されており、その役当選情報に示される当選した役と対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止すれば、第1役または第4役に基づく特典により遊技者に付与される遊技媒体の数と同じ数の遊技媒体を付与する特典が遊技者に付与される。即ち、第1役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止した場合に付与される遊技媒体の数である最大賭数の倍数分の遊技媒体、又は、第2役に対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止した場合に付与される遊技媒体の数である第1賭数分の遊技媒体が遊技者に付与される。これにより、第1役および第4役以外の役によって遊技媒体が付与されても、その付与される遊技媒体の数は最大賭数の倍数分か若しくは第1賭数分となるので、遊技者は、最大賭数を設定して、最も有利な条件で役の抽選を行わせながら遊技を行うか、若しくは、第1賭数を設定して、第1賭数分の遊技媒体が付与されることを期待しながら遊技を行うことができる。よって、遊技者が遊技媒体を余分に余すことなく最後まで遊技を楽しむことができる。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記特典付与手段は、前記賭数設定手段により第2賭数が設定された場合に、前記当選情報記憶手段に記憶される役当選情報として前記第4役と対応する役当選情報が記憶されており、その第4役と対応する絵柄が前記各循環表示手段の有効位置に停止すれば、前記第1賭数分の遊技媒体が付与される特典と共に、遊技状態を第2特別遊技状態へ移行する特典を遊技者に付与し、前記第1賭数に対応する前記抽選情報は、前記遊技状態が前記第2特別遊技状態である場合の前記第1役の当選確率を、前記遊技状態が前記第2特別遊技状態以外の状態である場合の当選確率よりも高く設定するものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、賭数設定手段により第2賭数が設定された場合に、当選情報記憶手段に記憶される役当選情報として第4役と対応する役当選情報が記憶されており、その第4役と対応する絵柄が各循環表示手段の有効位置に停止すれば、前記特典付与手段によって、第1賭数分の遊技媒体が付与される共に、遊技状態が第2特別遊技状態へ移行される。そして、この状態で、付与された第1賭数分の遊技媒体を用いて第1賭数を設定して遊技を行えば、第1賭数に対応する抽選情報によって、第1役の当選確率が、遊技状態が第2特別遊技状態以外の状態である場合よりも高く設定されるので、最大賭数の倍数分の遊技媒体を付与する特典が遊技者に付与される可能性が高くなる。よって、遊技者は第4役の成立によって付与された第1賭数分の遊技媒体を投入して、最大賭数の倍数分の遊技媒体が得られることに強く期待しながら、遊技を更に楽しむことができる。
遊技機A1からA13、B1、B2、C1、C2及びD1からD5において、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態にある場合、前記賭数設定手段により設定される賭数として、前記最大賭数以外の賭数を不許可とする第2不許可手段を備えていることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態にある場合は、第2不許可手段によって、賭数設定手段において最大賭数以外の賭数を設定することが不許可とされるので、遊技者に有利な条件で抽選が行われる最大賭数の賭数を設定させて遊技を行わせることができる。これにより、例えば、所定数の遊技媒体が付与されるなど、遊技者に有利な状態が一定レベルまで至ったことを条件として特別遊技状態が終了する場合、遊技者に有利な条件で抽選が行われることによって、特別遊技状態を短い時間で終了させることができ、遊技機の稼働率を上げることができる。
遊技機A1からA13、B1、B2、C1、C2、D1からD5及びE1において、遊技機の状態に応じて種々の演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段を制御する演出実行制御手段と、前記開始決定手段の決定結果に基づいて、前記賭数設定手段により設定された賭数を前記演出実行制御手段に通知する通知手段とを備え、前記演出実行制御手段は、前記通知手段により通知された前記賭数が前記第1賭数である場合、その第1賭数に対応して用意された演出態様で演出が実行されるように前記演出実行手段を制御するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、賭数設定手段により第1賭数が設定された場合、その第1賭数が設定されたことが通知手段により通知される。そして、その通知に基づき、演出実行制御手段による制御によって、第1賭数に対応して用意された演出態様で演出実行手段による演出が行われる。これにより、遊技者が第1賭数を設定して遊技を行った場合に、最大賭数の倍数分の遊技媒体が付与される期待感を、遊技者に強く持たせることができる。
遊技機D1からD5において、遊技機の状態に応じて種々の演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段を制御する演出実行制御手段と、前記開始決定手段の決定結果に基づいて、前記賭数設定手段により設定された賭数を前記演出実行制御手段に通知する通知手段とを備え、前記演出実行制御手段は、前記通知手段により通知された前記賭数が前記第2賭数である場合、その第2賭数に対応して用意された演出態様で演出が実行されるように前記演出実行手段を制御するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、賭数設定手段により第2賭数が設定された場合、その第2賭数が設定されたことが通知手段により通知される。そして、その通知に基づき、演出実行制御手段による制御によって、第2賭数に対応して用意された演出態様で演出実行手段による演出が行われる。これにより、遊技者が第2賭数を設定して遊技を行った場合に、第1賭数分の遊技媒体が付与される期待感を、遊技者に強く持たせることができる。
尚、遊技機E2及びE3において、演出実行手段は、液晶ディスプレイなどによって画像を表示して演出を実行するものであってもよいし、ランプをオン・オフさせて演出を実行するものであってもよい。また、スピーカから音声を出力して演出を実行するものであってもよいし、これらの少なくとも2種類の組み合わせで演出を実行するものであってもよい。
遊技機A1からA13、B1、B2、C1、C2、D1からD5及びE1からE3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機E4。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数種の絵柄を循環表示した後に循環表示を確定表示する循環表示手段を備え、開始決定手段手段(例えばスタートレバー)の操作に起因して絵柄の循環表示が開始され、停止操作手段(ストップスイッチ)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、絵柄の循環表示が停止され、その停止時の確定絵柄が特定絵柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA13、B1、B2、C1、C2、D1からD5及びE1からE3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機E5。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数種の絵柄を循環表示した後に循環表示を確定表示する循環表示手段を備え、開始決定手段手段(例えばスタートレバー)の操作に起因して絵柄の循環表示が開始され、停止操作手段(ストップスイッチ)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、絵柄の循環表示が停止され、その停止時の確定絵柄が特定絵柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記絵柄の循環表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特典の付与に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
尚、上記実施形態に記載の各種「図柄」は、請求項または上記遊技機に記載の「絵柄」に対応し、上記実施形態に記載の「メダル」は、請求項または上記遊技機に記載の「遊技媒体」に対応し、上記実施形態に記載の「ベット数」は、請求項または上記遊技機に記載の「賭数」に対応し、上記実施形態に記載の各種「当選フラグ」は、請求項または上記遊技機に記載の「役当選情報」に対応し、上記実施形態に記載の各「抽選テーブル」は、請求項または上記遊技機に記載の「抽選情報」に対応し、上記実施形態に記載のベット数「3枚」は、請求項または上記遊技機に記載の「最大賭数」に対応し、上記実施形態に記載のベット数「2枚」は、請求項または上記遊技機に記載の「第1賭数」に対応し、上記実施形態に記載のベット数「1枚」は、請求項または上記遊技機に記載の「第1賭数」または「第2賭数」に対応し、上記実施形態に記載の「チェリーベル入賞」は、請求項または上記遊技機に記載の「第1役」に対応し、上記実施形態に記載の「BB入賞」は、請求項または上記遊技機に記載の「第2役」に対応し、上記実施形態の「リプレイ入賞」は、請求項または上記遊技機に記載の「第3役」に対応し、上記実施形態の「7ベル入賞」は、請求項または上記遊技機に記載の「第4役」に対応し、上記実施形態に記載の「一般遊技状態」は、請求項または上記遊技機に記載の「通常の遊技状態」に対応し、上記実施形態に記載の「ボーナス状態」は、請求項または上記遊技機に記載の「特別遊技状態」に対応し、上記実施形態に記載の「クレジット機能」は、請求項または上記遊技機に記載の「遊技媒体貯留手段」に対応し、上記実施形態に記載の「クレジットカウンタ」は、請求項または遊技機に記載の「貯留遊技媒体数係数手段」に対応する。