JP6003664B2 - コークス用粘結材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、褐炭等の低品位炭から、コークス製造時にバインダーおよび強度補強用として添加される粘結材を製造するためのコークス用粘結材の製造方法に関するものである。
例えば製鉄業において、鉄鉱石とともに高炉に投入されるコークスは、上記高炉内雰囲気下における効率的な反応性を得るために、所定の強度および粘結性を備えていることが要請されているが、当該コークスの原材料として、上記特性を備えた瀝青炭等の高価な強粘結炭の配合量を高めると、逆に経済性が極端に低下するという問題点を生じる。
そこで、褐炭や亜瀝青炭等の低品位炭(高灰分炭を除く高水分炭)から、上記コークスの製造時に、強粘結炭や粘結炭にバインダーや強度補強用として添加し得る粘結材を製造するための試みがなされている。
図4は、本発明者等が、先に開発した技術および先行技術等に基づいて構成したこの種のコークス用粘結材の製造方法の試案を示すものである。
このコークス用粘結材の製造方法は、瀝青炭よりも水分が高い低品位炭を粉砕機1において粉砕するとともに水素化溶剤と混合し、スラリー調整槽2においてスラリー化した後に蒸発槽3において乾燥させ、次いで蒸発槽3から排出された微粉炭スラリーをスラリー予熱炉4において予熱した後に、改質反応塔5において熱分解し、これによって得られたガス、油分およびコークス用粘結材を含む生成物を、先ず高温分離器6に送って、上記生成物を主としてコークス用粘結材を含む重質生成物と主としてガスおよび油分を含む軽質生成物に分離し、次いで上記軽質生成物を低温分離器7に送ってガスと油分とに分離するとともに、高温分離器6および低温分離器7において分離された重質分を、減圧蒸留装置8において最終的にコークス用粘結材と残存油分とに分離して、残存油分を溶剤水素化装置9において水素化して、水素化溶剤として再び粉砕機1に送ってリサイクルするとともに、上記コークス用粘結材を排出するようにしたものである。
なお、下記特許文献1においても、同旨のコークス用粘結材の製造方法が開示されている。
特許第4820186号公報
ところで、上記構成からなるコークス用粘結材の製造方法にあっては、改質反応塔5において熱分解する際に、改質反応塔5内において微粉炭が十分に撹拌されないと、当該微粉炭に対する均一な熱分解による低分子化、および水素イオンによって脱酸素することによる縮重合および多環化が行われず、局部的に残存した熱分解フラグメントによって改質反応器5の内部や高温分離器6の底部等にコーキングを生じて運転に支障を来すおそれがある。
そこで、上記問題点を解消すべく、図4に示すように、低温分離器7から排出されたブリードガスの一部を、戻りラインに介装したコンプレッサ10において昇圧して、スラリー予熱炉4の上流側に供給することにより、改質反応塔5における微粉炭スラリーの撹拌性を高める構成が考えられる。ちなみに、上記特許文献1においては、上記製造システムに隣接したコークス炉から発生するガス(COG)を、上記熱分解を行う槽型反応器に送入する構成が採用されている。
しかしながら、上記熱分解における撹拌性を高めるためには、多量のガスを供給する必要があり、このためコンプレッサおよび戻り配管等の循環設備や、これを作動させるための動力等を要するために、製造設備が複雑化するとともに、製造コストの高騰化も招来するという問題点があった。
また、付随的な解決すべき課題として、上記改質反応塔5における熱分解の圧力条件は、上記特許文献1においても開示されているように、通常0.5〜1.5MPaの範囲が好ましいと考えられていた。
ところが、蒸発槽3において乾燥されたスラリーを、上記圧力範囲に保持してスラリー予熱路4において加熱後、改質反応塔5に供給しようとすると、スラリー予熱炉4の内部において当該スラリー中の軽質油分が過度に蒸発して、流動状態が不均一になるとともに加熱管の内壁も乾いた状態になり、この結果当該スラリー予熱炉4においてもコーキングを発生して運転に支障を与える虞があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、熱分解における微粉炭スラリーの十分な撹拌性を確保するための設備の簡易化および動力の低減化を図ることができるコークス用粘結材の製造方法を提供すること、さらにはコーキングの発生を抑制して円滑な運転を可能にするコークス用粘結材の製造方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、瀝青炭よりも水分含有率が高い低品位炭を微粉炭に粉砕するとともに水素化溶剤と混合してスラリー化し、かつ乾燥させる乾燥・スラリー化工程と、この乾燥・スラリー化工程で得られたスラリーを予熱する予熱工程と、予熱された上記スラリーを熱分解して生成物を得る熱分解水素化工程と、この熱分解水素化工程で得られた上記生成物をガスと油分とコークス用粘結材とに分離する固液ガス分離工程とを備えたコークス用粘結材の製造方法において、上記乾燥・スラリー化工程において、上記微粉炭の水分含有率を5〜25wt%に調整し、かつ上記予熱工程において上記微粉炭の水分を蒸発させることを特徴とするものである。
ここで、瀝青炭よりも水分含有率が高い(水分が多い)低品位炭の典型例は、褐炭および亜瀝青炭である。また、乾燥・スラリー化工程においては、低品位炭の粉砕、水素化溶剤との混合によるスラリー化および乾燥を、適宜の順序で行うことができる。例えば、低品位炭を水素化溶剤と混合してから粉砕してスラリー化した後に、上記微粉炭を乾燥してもよい。また、低品位炭を粉砕して水素化溶剤と混合してスラリー化した後に、上記微粉炭を乾燥してもよく、あるいは低品位炭を粉砕した後に、得られた微粉炭を乾燥し、次いで水素化溶剤と混合してスラリー化してもよい。
また、本発明のコークス用粘結材の製造方法は、上記固液ガス分離工程で分離された上記油分に水素を反応させて上記水素化溶剤を得る溶剤水素化工程を備えるものとしてもよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記熱分解水素化工程における上記スラリーの熱分解を、1.5〜3MPa(ゲージ圧)の圧力下において行うことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記乾燥・スラリー化工程において、上記微粉炭の水分含有率を5〜15wt%に調整することを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、上記熱分解水素化工程において得られた上記生成物の排出ラインに背圧を加えることにより、上記熱分解における加圧源の少なくとも一部とすることを特徴とするものである。
ここで、上記排出ラインとしては、例えば、上記熱分解水素化工程における上記生成物から上記固液ガス分離工程において分離されたガスを排出するラインなどを用いることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、上記固液ガス分離工程は、高温分離器において上記生成物を主として上記コークス用粘結材を含む重質生成物と主として上記ガスおよび油分を含む軽質生成物に分離する第1の分離工程と、この第1の分離工程において分離された上記軽質生成物を上記ガスと上記油分とに分離する第2の分離工程とを有するとともに、上記第1の分離工程において、上記高温分離器内に上記水素化溶剤を注入することを特徴とするものである。
本願発明の原料となる褐炭(水分30〜60wt%程度)や亜瀝青炭(水分15〜30%程度)等は、瀝青炭よりも多くの水分を有している。このため、図4に示した構成においては、熱分解前にスラリー予熱炉4において予熱する際に、上記水分の気化熱によって加熱効率が低下することを防ぐために、前段の蒸発槽3において、低品位炭を粉砕した微粉炭の水分をできるだけ蒸発させるものとしていた。
これに対して、本発明者等は、本発明の開発過程において、上記微粉炭に含まれる水分を、敢えてスラリー予熱炉の上流側で除去することなく、高い水分含有率のままで当該スラリー予熱炉に導入して上記水分を蒸発させることにより、得られた水蒸気によって、熱分解における微粉炭の撹拌効果を高められるとの知見を得るに至った。
すなわち、請求項1〜5のいずれかに記載の発明によれば、乾燥・スラリー化工程において、微粉炭の水分含有率を5〜25wt%、より好ましくは5〜15wt%に調整し、かつ予熱工程において上記微粉炭の残存水分を蒸発させているために、生成した水蒸気によって、熱分解水素化工程において微粉炭スラリーを流動させて十分に撹拌することができる。この結果、微粉炭スラリーが均一に熱分解されて低分子化および脱酸素化されるために、熱分解水素化工程や固液ガス分離工程等におけるコーキングの発生を防止することができる。
しかも、上記熱分解水素化工程において、微粉炭スラリーを撹拌するために、上記固液ガス分離工程において分離された多量のブリードガスをコンプレッサ等の昇圧手段によって昇圧して供給する必要がないために、上記コンプレッサ等の昇圧手段や配管等の循環設備を省略したり、あるいは小規模化を図ったりことが可能になり、よって所用動力の低減化や製造設備の簡易化も実現することができる。
ここで、上記微粉炭の水分含有率を5〜25wt%の範囲としたのは、この水分含有率が25wt%を超えると、予熱工程および後段の熱分解水素化工程において多量の水分が蒸発する結果、ガス空塔速度が高くなり過ぎて十分な反応時間を確保することが難しくなるからである。また、上記水分含有率が5wt%に満たないと、上述した水蒸気による十分な撹拌効果が得られなくなるからである。
また、請求項2に記載の発明によれば、上記熱分解水素化工程における熱分解を、1.5〜3MPaの圧力下において行っているために、従来よりも微粉炭スラリーの沸点を高めて、当該予熱工程におけるスラリー中の軽質油分の蒸発も抑制することができ、この結果、流動状態の不均一化等に起因する予熱工程におけるコーキングの発生も防ぐことが可能になる。
この際に、熱分解における圧力を1.5〜3MPaの範囲としたのは、当該圧力が1.5MPaに満たないと、上述したように微粉炭スラリーの予熱工程においてスラリー中の軽質油分が過度に蒸発し、流動状態が不均一になってコーキングを発生する虞があるからであり、逆に3MPaを超えると、熱分解水素化工程において使用する改質反応塔等の反応容器やその設備配管の耐圧性を高める必要が生じて、不要なコストアップにつながり、経済性に劣るからである。
なお、微粉炭の残存水分の蒸発によって得られた水蒸気のみによって十分な撹拌効果が得られる結果、上記ブリードガスの昇圧手段が全く必要なくなる場合には、請求項4に記載の発明のように、上記熱分解水素化工程において得られた上記生成物の排出ラインに背圧を加えることにより、設備の複雑化を招くことなく、圧力調整弁等の簡易な設備によって、容易に熱分解水素化工程における圧力を所定の圧力に保持することが可能になる。
本発明のコークス用粘結材の製造方法の一実施形態を示す概略構成図である。 実施例1の結果を示すグラフである。 実施例2の結果を示す図表である。 本発明者等が先に開発したコークス用粘結材の製造方法を示す概略構成図である。
図1は、本発明に係るコークス用粘結材の製造方法の一実施形態を説明するためのもので、図4に示したものと同一構成部分については、同一符号を付してある。
このコークス用粘結材においても、先ず瀝青炭よりも水分含有率が高い点において低品位である褐炭や亜瀝青炭といった一般炭(以下、低品位炭と称す。)を、粉砕機1において粉砕して微粉炭とするとともに水素化溶剤と混合し、スラリー調整槽2においてスラリー化した後に、蒸発槽3において乾燥させる(乾燥・スラリー化工程)。
この際に、上記蒸発槽3の出口における微粉炭の水分含有率が、5〜25wt%、より好ましくは5〜15wt%の範囲になるように調整する。
次いで、蒸発槽3から排出されたスラリーをスラリー予熱炉4において予熱するとともに、微粉炭に残存している水分を蒸発させる(予熱工程)。
そして、上記スラリー予熱炉4によって400℃程度に予熱された微粉炭スラリーを、改質反応塔5において熱分解させる。この熱分解は、390〜430℃の温度雰囲気下において圧力条件1.5〜3MPa(ゲージ圧、以下同じ。)によって行う。すると、上記熱分解による脱酸素によって褐炭を構成する高分子炭化物が低分子化され、さらにスラリー中の水素イオンによって部分水素化されて脱酸素が行われることにより、ガス、油分およびコークス用粘結材を含む生成物になる。
そこで次に、上記改質反応塔5から排出された上記生成物を高温分離器6に送って、主としてコークス用粘結材を含む重質生成物と、主としてガスおよび油分を含む軽質生成物に分離する(第1の分離工程)。そして、上記軽質生成物については、さらに低温分離器7に送ってガスと油分とに分離し(第2の分離工程)、ガスについてはブリードガスとして排出ライン11から外部に排出する。
この際に、上記ブリードガスの排出ライン11には、圧力調整弁16が介装されており、この圧力調整弁16の開度を適宜調整することにより、改質反応塔5からの上記生成物の排出ラインに背圧を加えて、当該改質反応塔5内の圧力を1.5〜3MPaに保持する。
また、低温分離器7において分離された軽質ガスについては、後段の常圧蒸留塔12に送る。
他方、上記重質生成物については、常圧フラッシュドラム13に送り、当該重質生成物に含まれる軽質分を再分離して、当該軽質分を同様に常圧蒸留塔12に送る。そして、この常圧蒸留塔12において、上記軽質分から、さらに重質分を取り除いて排出ラインから軽質ガスとして排出するとともに、上記重質分は減圧蒸留装置8に送る。
次いで、常圧フラッシュドラム13から排出された上記重質生成物および常圧蒸留塔12から排出された上記重質分を、減圧蒸留装置8に送って、最終的にコークス用粘結材と残存油分とに分離する(固液ガス分離工程)。
そして、この減圧蒸留装置8において分離したコークス用粘結材を、冷却・払出し装置14に排出して、製品としてのコークス用粘結材を得る(冷却・払出し工程)。
これに対して、減圧蒸留装置8において分離された残存油分については、さらに水素を添加したうえで溶剤水素化装置9に送って水素化し(溶剤水素化工程)、水素化溶剤として戻りライン15から再び粉砕機1に送ってリサイクルする。ちなみに、上記水素化溶剤の芳香族炭素分率は、0.4〜0.6であることが好ましい。また、上記戻りライン15から粉砕機1に送られる水素化溶剤の一部を、枝配管15aを介して高温分離器5の底部洗浄用として供給する。
(実施例1)
本発明の効果を検証するために、先ず改質反応塔における残存水分が及ぼす撹拌効果についてシミュレーションを行った。なお、図4に示したような低品位炭の微粉炭と所定量の水素化溶剤からなるスラリーに、循環ガスを加える構成を比較例とした。
微粉炭中の水分含有率の値を変えて、循環ガスのない条件で改質反応塔における流動試験を行った。
図2は、上記シミュレーションの結果を示すものである。図2中、残存水分割合は、乾燥・スラリー化工程後(予熱工程前)の低品位炭に占める水分の重量割合を示す。また、相対撹拌強度は、改質反応塔5における微粉炭スラリー中の流体の運動エネルギーに相当し、図4の循環ガスを加えた比較例における撹拌強度を値1として示している。微粉炭が完全に乾燥した水分含有率が0の条件では、図4の比較例と比べて撹拌強度が1/4程度になってしまい、十分な撹拌が実現されないことが判った。また、乾燥率を緩和して、上記微粉炭の水分含有率を5wt%にした場合には、上記比較例と同程度の撹拌効果が得られた。
さらに、上記微粉炭の水分含有率が15wt%になると、上記比較例の約2倍の撹拌強度を得られることが判った。そして、微粉炭の水分含有率を増加させると、撹拌強度は増加することから、本シミュレーションにおいては、上記微分炭の水分含有率を、5〜25wt%の範囲とするのが適当であることが判明した。但し、上記水分含有率が高くなると、改質反応塔5内のガス空塔速度が高くなり撹拌強度が高くなるために、上記微粉炭の水分含有率は、5〜15wt%の範囲とすることがより好ましい。
(実施例2)
また、本シミュレーションにおいては、熱分解水素化工程において、温度条件が390〜430℃の範囲である場合に、その圧力条件を変えて予熱工程における微粉炭スラリー中の流体(油分および低品位炭中の水分)における軽質油分の蒸発に与える影響についても検証した。なお、予熱炉における圧力は、低品位炭中に残存した水分含有率とスラリー中の流体の蒸発割合の関係によって決定されるために、予熱炉における操作圧力と蒸発量から水分含有率(残水分量)および圧力を求めた。
図3は、この結果を示すものである。図3中、残存水分割合は図2と同義であり、圧力は熱分解水素化工程(改質反応塔内)の圧力を示す。また、残存水分割合と圧力とに基づくデータは、予熱工程における微粉炭スラリー中の流体の蒸発率(重量ベース)を示す。圧力条件を、従来の0.5〜1.5MPaから、1.5〜3MPaに高めることにより、蒸発率を従来の約50%から約30%以下に軽減でき、これによってコーキングの発生を抑制し得ることが判った。特に、上記圧力条件を、2〜3MPaの範囲とすることにより、より優れた効果を得られることも判明した。
以上説明したように、上記構成からなるコークス用粘結材の製造方法によれば、乾燥・スラリー化工程において、微粉炭の水分含有率を5〜25wt%、より好ましくは5〜15wt%に調整し、かつ予熱炉4(予熱工程)において上記微粉炭の残存水分を蒸発させているために、生成した水蒸気によって、改質反応塔5(熱分解水素化工程)における熱分解において微粉炭スラリーを流動させて十分に撹拌することができる。この結果、微粉炭スラリーが均一に熱分解されて低分子化および脱酸素化されるために、熱分解水素化工程や固液ガス分離工程等におけるコーキングの発生を防止することができる。
しかも、改質反応塔5において微粉炭スラリーを撹拌するために、別途、多量のブリードガスをコンプレッサ等の昇圧手段によって昇圧して供給する必要がないために、コンプレッサ等の昇圧手段や配管等の循環設備を省略したり、あるいは小規模化を図ったりことが可能になり、よって所用動力の低減化や製造設備の簡易化も実現することができる。
加えて、改質反応塔5における熱分解を、1.5〜3MPaの圧力下において行っているために、従来よりも微粉炭スラリーの沸点を高めて、スラリー予熱炉4におけるスラリー中の軽質油分の蒸発も抑制することができ、この結果、流動状態の不均一化等に起因するスラリー予熱炉4におけるコーキングの発生も防ぐことが可能になる。
さらに、ブリードガスの排出ライン11に、圧力調整弁16を設けているために、当該圧力調整弁16の開度を適宜調整することにより、改質反応塔5から高温分離器6を経て低温分離器7から排出ライン11に至るラインに背圧を加えることにより、設備の複雑化を招くことなく、簡易な設備によって容易に改質反応塔5における熱分解の圧力を上述した1.5〜3MPaに保持することができる。
また、上記戻りライン15から粉砕機1に送られる水素化溶剤の一部を、枝配管15aを介して高温分離器5の底部洗浄用として供給しているために、長期間の運転によっても、高温分離器6の底部にコーキングが蓄積することを未然に防止することができる。
なお、上記実施形態においては、ブリードガスの排出ライン11に設置した圧力調整弁16の開度調整のみによって、改質反応塔5内の圧力を所定の圧力範囲に保持する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば運転条件によって、上記改質反応塔5を所定の圧力範囲に保持するために十分な背圧を付与するだけのブリードガスの排出量が得られない場合には、改質反応塔5の前段に、バックアップ用の小型のコンプレッサ等を設置してもよい。
また、ブリードガスの排出ライン11に設置した圧力調整弁16の開度調整によって改質反応塔5内の圧力を所定の圧力範囲に調整することを基本とし、ブリードガスの循環ラインに介装される小型のコンプレッサの駆動によって、改質反応器5内の圧力を所定の圧力範囲に補助的に調整するものとしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、戻りライン15から粉砕機1に送られる水素化溶剤の一部を、枝配管15aを介して高温分離器5の底部洗浄用として供給する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、水素化溶剤の一部を高温分離器5に供給しない、即ち枝配管15aを設けないものとしてもよい。
1 粉砕機
2 スラリー調整槽
3 蒸発槽
4 スラリー予熱炉
5 改質反応塔
6 高温分離器
7 低温分離器
8 減圧蒸留装置
9 溶剤水素化装置
11 ブリードガスの排出ライン
12 常圧蒸留塔
14 冷却・払出し装置
15 戻りライン
15a 枝配管
16 圧力調整弁

Claims (5)

  1. 瀝青炭よりも水分含有率が高い低品位炭を微粉炭に粉砕するとともに水素化溶剤と混合してスラリー化し、かつ乾燥させる乾燥・スラリー化工程と、この乾燥・スラリー化工程で得られたスラリーを予熱する予熱工程と、予熱された上記スラリーを熱分解して生成物を得る熱分解水素化工程と、この熱分解水素化工程で得られた上記生成物をガスと油分とコークス用粘結材とに分離する固液ガス分離工程とを備えたコークス用粘結材の製造方法において、
    上記乾燥・スラリー化工程において、上記微粉炭の水分含有率を5〜25wt%に調整し、かつ上記予熱工程において上記微粉炭の水分を蒸発させることを特徴とするコークス用粘結材の製造方法。
  2. 上記熱分解水素化工程における上記スラリーの熱分解を、1.5〜3MPaの圧力下において行うことを特徴とする請求項1に記載のコークス用粘結材の製造方法。
  3. 上記乾燥・スラリー化工程において、上記微粉炭の水分含有率を5〜15wt%に調整することを特徴とする請求項1または2に記載のコークス用粘結材の製造方法。
  4. 上記熱分解水素化工程において得られた上記生成物の排出ラインに背圧を加えることにより、上記熱分解における加圧源の少なくとも一部とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のコークス用粘結材の製造方法。
  5. 上記固液ガス分離工程は、高温分離器において上記生成物を主として上記コークス用粘結材を含む重質生成物と主として上記ガスおよび油分を含む軽質生成物に分離する第1の分離工程と、この第1の分離工程において分離された上記軽質生成物を上記ガスと上記油分とに分離する第2の分離工程とを有するとともに、
    上記第1の分離工程において、上記高温分離器内に上記水素化溶剤を注入することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のコークス用粘結材の製造方法。
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