JP6003076B2 - 太陽光発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、構築物の窓部のガラス部等の採光部に設置され、日射遮蔽のルーバーとしても機能する太陽光パネル等の太陽光部材を有した太陽光発電装置に関する。
従来、構築物としての建物の屋根部等には、太陽光発電装置の太陽光部材として太陽光パネルが設置されており、当該太陽光パネルの受光面で太陽光を受光することにより発電が行われている。
かかる太陽光から電気へのエネルギー変換効率は、太陽光パネルの受光面への太陽光の入射角が直角に近い程大きくなる。また、南方基準の太陽の仰角は、年間を通じて変化するので、受光面への入射角も変化する。そのため、太陽の日周運動に連動して太陽光パネルの受光面の傾き角度θ(例えば鉛直方向に対する傾き角度θであり、以下ではこのように定義する)を変更すべく、受光面と一体となって太陽光パネルを回動する追尾式の太陽光発電装置も開発されている。
特開昭61−31853号公報
一方、太陽光パネルを、採光部としての窓部のガラス部の近傍に配置して、ルーバーとして機能させることも考えられる。そして、ルーバーとしては、特に朝日や夕日の遮光が要求される。
この点につき、追尾式では、太陽の高度と連動して太陽光パネルの傾き角度θを変更するので、朝日や夕日の遮光については概ね行うことができる。例えば、窓部のガラス部のガラス面が鉛直面の場合には、日の出や日の入りの際には、太陽光パネルの受光面が鉛直方向に沿った鉛直面となり、これにより、太陽光パネルで窓部のガラス面を閉じた状態になる。
しかしながら、窓部のガラス面が鉛直面ではない場合には、日の出や日の入り時に太陽光パネルで窓部を閉じた状態にすることができない。例えば、ガラス面が鉛直面から所定の傾き角度αで傾斜した傾斜窓やガラス面が略水平な天井窓の場合には、日の出や日の入り時の太陽の高度が低いために、太陽光パネルの受光面は水平方向を向いた鉛直面となるので、傾斜窓や天井窓のガラス面は太陽光パネルで閉じられずに開いた状態になっている。そのため、夕日や朝日の反射光等が間接的に建物の屋内に差し込んでくる虞がある。
また、窓部のガラス面が鉛直面の場合に上述の追尾式を適用した場合には、夏期と冬期とでは日中の太陽の高度が大きく相違することから、日中の採光状態が大きく変化する虞がある。すなわち、夏期の日中には太陽の高度が高いことから、太陽光パネルの鉛直面に対する傾き角度θが大きくなって太陽光パネルは窓部に対して大きく開いた状態となるが、冬期の日中には、太陽光パネルの傾き角度θが小さくなって、太陽光パネルは窓部に対して概ね閉じた状態となり、その結果、日中の採光状態が年間を通して大きく変化する虞がある。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、年間を通して高いエネルギー変換効率で太陽光から電気を生成可能な太陽光発電装置でありながら、構築物内への朝日や夕日を確実に遮光しつつ、日中の採光状態を、年間を通して略一定に維持可能なルーバーとして機能する太陽光発電装置を提供することにある。
かかる目的を達成するために請求項1に示す発明は、
構築物が外部に具備する採光部の採光面に近接配置された複数の太陽光部材を有し、前記太陽光部材が、受光面で太陽光を受光することにより発電する太陽光発電装置において、
夏至の南中時における太陽の南方に対する仰角を夏至仰角θsとし、冬至の南中時における太陽の南方に対する仰角を冬至仰角θwとした場合であって、鉛直面の下方に対する前記採光部の採光面の傾き角度がαの場合に、
前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ1を、前記θsと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第1太陽光部材と、
前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ2を、前記θwと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第2太陽光部材と、
前記第1太陽光部材を回動する第1回動機構と、
前記第2太陽光部材を回動する第2回動機構と、を有し、
前記第1回動機構は、年間の各日に対して南中時を含む所定時間帯に亘り、前記傾き角度θ1を前記θsに設定するとともに、年間の各日に対して日の出を含む所定時間帯に亘り、及び日の入りを含む所定時間帯に亘り、前記傾き角度θ1を前記αに設定し、
前記第2回動機構は、年間の各日に対して南中時を含む所定時間帯に亘り、前記傾き角度θ2を前記θwに設定するとともに、年間の各日に対して日の出を含む所定時間帯に亘り、及び日の入りを含む所定時間帯に亘り、前記傾き角度θ2を前記αに設定することを特徴とする。
上記請求項1に示す発明によれば、年間を通して高いエネルギー変換効率で太陽光から電気を生成する太陽光発電装置でありながら、同装置は、構築物内への朝日や夕日を確実に遮光しつつ、日中の採光状態を、年間を通して略一定に維持可能なルーバーとして機能することができる。詳しくは次の通りである。
先ず、年間の各日に対して、南中時を含む所定時間帯に亘り、第1太陽光部材の傾き角度θ1をθsに設定し、また、同南中時を含む所定時間帯に亘り、第2太陽光部材の傾き角度θ2をθwに設定する。よって、夏至の南中時には太陽光が第1太陽光部材の受光面に、より直角に近い入射角で入射して、第1太陽光部材は、夏期に高いエネルギー変換効率で太陽光を電気に変換可能となり、また、冬至の南中時には太陽光が第2太陽光部材の受光面に、より直角に近い入射角で入射して、第2太陽光部材は、冬期に高いエネルギー変換効率で太陽光を電気に変換可能となる。その結果、夏期には、第1太陽光部材が高いエネルギー変換効率でもって太陽光から電気を生成し、冬期には、第2太陽光部材が高いエネルギー変換効率でもって太陽光から電気を生成するので、年間を通して当該太陽光発電装置は高いエネルギー変換効率で電気を生成可能となる。
また、第1太陽光部材の傾き角度θ1及び第2太陽光部材の傾き角度θ2を、それぞれ南中時にθs及びθwに設定するので、日中のうちの少なくとも南中時を含む所定時間帯については年間を通して、採光状態は略一定に維持される。
更に、第1太陽光部材の傾き角度θ1及び第2太陽光部材の傾き角度θ2の両者を、日の出及び日の入りの際に採光面の傾き角度αと同値に設定するので、これら第1及び第2太陽光部材を、採光部の採光面と平行な遮光状態にすることができて、その結果、朝日及び夕日の入射起因で構築物内がまぶしく照らされる事態を防ぐことができる。
請求項に示す発明は、
構築物が外部に具備する採光部の採光面に近接配置された複数の太陽光部材を有し、前記太陽光部材が、受光面で太陽光を受光することにより発電する太陽光発電装置において、
夏至の南中時における太陽の南方に対する仰角を夏至仰角θsとし、冬至の南中時における太陽の南方に対する仰角を冬至仰角θwとした場合であって、鉛直面の下方に対する前記採光部の採光面の傾き角度がαの場合に、
前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ1を、前記θsと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第1太陽光部材と、
前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ2を、前記θwと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第2太陽光部材と、
前記第1太陽光部材を回動する第1回動機構と、
前記第2太陽光部材を回動する第2回動機構と、を有し、
前記鉛直面の下方に対する前記採光面の傾き角度αに関して、該採光面が前記鉛直面の下方と平行な状態を0°(α=0°)と定義し、該採光面における上端位置よりも下端位置の方が、前記鉛直面の法線方向に沿う側方方向の外方に位置するような傾き状態を正値(α>0)と定義した場合に、
前記傾き角度αは、前記夏至仰角θs−90°よりも大きく前記冬至仰角θwよりも小さい範囲(θs−90°<α<θw)の任意の角度に設定されており、
前記第1太陽光部材の上端縁及び前記第2太陽光部材の上端縁は、前記採光面と平行な平面を位置決め用基準面として当該位置決め用基準面上に配置され、
前記第1太陽光部材の上端縁よりも下端縁の方が、前記位置決め用基準面の法線方向の外方に位置して設けられ、
前記第2太陽光部材の上端縁よりも下端縁の方が、前記位置決め用基準面の法線方向の外方に位置して設けられており、
前記第1太陽光部材は、前記位置決め用基準面上に上下方向に並んで複数設けられているとともに、複数の前記第1太陽光部材は、それぞれ、その上端縁にて前記位置決め用基準面上に連結されており、
上下方向に隣り合う前記第1太陽光部材同士のうちで、上側の第1太陽光部材の上端縁と下端縁との間の長さがL1である場合に、
下側の第1太陽光部材の上端縁は、前記上側の第1太陽光部材の上端縁の位置から前記位置決め用基準面に沿う方向の下方にL1/cos(θs−α)以上離れた位置に連結されていることを特徴とする。
上記請求項に示す発明によれば、年間を通して高いエネルギー変換効率で太陽光から電気を生成可能な太陽光発電装置でありながら、同装置は、構築物内への朝日や夕日を確実に遮光しつつ、日中の採光状態を年間を通して一定に維持可能なルーバーとして機能することができる。
また、下側の第2太陽光部材の上端縁の固定位置を、上側の第2太陽光部材の上端縁の位置から取り付け対象面に沿う方向の下方にL2/cos(θw−α)以上離れた位置にしているので、少なくとも冬至の日において、上側の第2太陽光部材の影が、下側の第2太陽光部材の受光面にかかることを回避できる。
請求項に示す発明は、
構築物が外部に具備する採光部の採光面に近接配置された複数の太陽光部材を有し、前記太陽光部材が、受光面で太陽光を受光することにより発電する太陽光発電装置において、
夏至の南中時における太陽の南方に対する仰角を夏至仰角θsとし、冬至の南中時における太陽の南方に対する仰角を冬至仰角θwとした場合であって、鉛直面の下方に対する前記採光部の採光面の傾き角度がαの場合に、
前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ1を、前記θsと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第1太陽光部材と、
前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ2を、前記θwと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第2太陽光部材と、
前記第1太陽光部材を回動する第1回動機構と、
前記第2太陽光部材を回動する第2回動機構と、を有し、
前記鉛直面の下方に対する前記採光面の傾き角度αに関して、該採光面が前記鉛直面の下方と平行な状態を0°(α=0°)と定義し、該採光面における上端位置よりも下端位置の方が、前記鉛直面の法線方向に沿う側方方向の外方に位置するような傾き状態を正値(α>0)と定義した場合に、
前記傾き角度αは、前記夏至仰角θs−90°よりも大きく前記冬至仰角θwよりも小さい範囲(θs−90°<α<θw)の任意の角度に設定されており、
前記第1太陽光部材の上端縁及び前記第2太陽光部材の上端縁は、前記採光面と平行な平面を位置決め用基準面として当該位置決め用基準面上に配置され、
前記第1太陽光部材の上端縁よりも下端縁の方が、前記位置決め用基準面の法線方向の外方に位置して設けられ、
前記第2太陽光部材の上端縁よりも下端縁の方が、前記位置決め用基準面の法線方向の外方に位置して設けられており、
前記第2太陽光部材は、前記位置決め用基準面上に上下方向に並んで複数設けられているとともに、複数の前記第2太陽光部材は、それぞれ、その上端縁にて前記位置決め用基準面上に連結されており、
上下方向に隣り合う前記第2太陽光部材同士のうちで、上側の第2太陽光部材の上端縁と下端縁との間の長さがL2である場合に、
下側の第2太陽光部材の上端縁は、前記上側の第2太陽光部材の上端縁の位置から前記位置決め用基準面に沿う方向の下方にL2/cos(θw−α)以上離れた位置に連結されていることを特徴とする。
上記請求項に示す発明によれば、年間を通して高いエネルギー変換効率で太陽光から電気を生成可能な太陽光発電装置でありながら、同装置は、構築物内への朝日や夕日を確実に遮光しつつ、日中の採光状態を年間を通して一定に維持可能なルーバーとして機能することができる。
また、下側の第2太陽光部材の上端縁の連結位置を、上側の第2太陽光部材の上端縁の位置から位置決め用基準面に沿う方向の下方にL2/cos(θw−α)以上離れた位置にしているので、少なくとも冬至の日において、上側の第2太陽光部材の影が、下側の第2太陽光部材の受光面にかかることを回避できる。
請求項に示す発明は、請求項2又は3に記載の太陽光発電装置であって、
上下方向に隣り合う前記第1太陽光部材同士の間に、前記第2太陽光部材が配置されていることを特徴とする。
上記請求項に示す発明によれば、第1太陽光部材同士の間に第2太陽光部材を配置している。ここで、この第1太陽光部材同士の間の部分というのは、第1太陽光部材のエネルギー変換効率が高い夏期には、第1太陽光部材の影が出来やすい部分であるため、夏期にはデッドスペースとなり得るが、一方、冬期にあっては、夏期と比べて太陽の高度が低くなるために、第1太陽光部材の影は小さくなって当該影が出来難い部分となる。そのため、当該部分に第2太陽光部材を配置することで、冬期に高いエネルギー変換効率で太陽光を電気に変換して冬期の発電量を増やすことができる。すなわち、第1太陽光部材の影の発生の関係で、第1太陽光部材を配置できなかったデッドスペースに第2太陽光部材を配置しているので、位置決め用基準面上の空きスペースの縮小化を図れる。
請求項に示す発明は、
構築物が外部に具備する採光部の採光面に近接配置された複数の太陽光部材を有し、前記太陽光部材が、受光面で太陽光を受光することにより発電する太陽光発電装置において、
夏至の南中時における太陽の南方に対する仰角を夏至仰角θsとし、冬至の南中時における太陽の南方に対する仰角を冬至仰角θwとした場合であって、鉛直面の下方に対する前記採光部の採光面の傾き角度がαの場合に、
前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ1を、前記θsと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第1太陽光部材と、
前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ2を、前記θwと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第2太陽光部材と、
前記第1太陽光部材を回動する第1回動機構と、
前記第2太陽光部材を回動する第2回動機構と、を有し、
前記鉛直面に対する前記採光面の傾き角度αに関して、該採光面が前記鉛直面と平行な状態を0°(α=0°)と定義し、該採光面における上端位置よりも下端位置の方が、前記鉛直面の法線方向に沿う側方方向の外方に位置するような傾き状態を正値(α>0)と定義した場合に、
前記傾き角度αは、前記夏至仰角θsよりも大きく前記冬至仰角θw+90°よりも小さい範囲(θs<α<θw+90°)の任意の角度に設定されており、
前記第1太陽光部材の前記側方方向の外端縁及び前記第2太陽光部材の前記側方方向の外端縁は、前記採光面と平行な平面を位置決め用基準面として当該位置決め用基準面上に配置され、
前記第1太陽光部材の前記側方方向の外端縁よりも前記側方方向の内端縁の方が、前記採光面の法線方向の外方に位置して設けられ、
前記第2太陽光部材の前記側方方向の外端縁よりも前記側方方向の内端縁の方が、前記採光面の法線方向の外方に位置して設けられており、
前記第2太陽光部材は、前記位置決め用基準面上に前記側方方向に並んで複数設けられているとともに、複数の前記第2太陽光部材は、それぞれ、その外端縁にて前記位置決め用基準面上に連結されており、
前記側方方向に隣り合う前記第2太陽光部材同士のうちで、前記側方方向の外側の第2太陽光部材の外端縁と内端縁との間の長さがL2である場合に、
前記側方方向の内側の第2太陽光部材の外端縁は、前記外側の第2太陽光部材の外端縁の位置から前記位置決め用基準面に沿う方向の内方にL2/cos(α−θw)以上離れた位置に連結されていることを特徴とする。
上記請求項に示す発明によれば、年間を通して高いエネルギー変換効率で太陽光から電気を生成可能な太陽光発電装置でありながら、同装置は、構築物内への朝日や夕日を確実に遮光しつつ、日中の採光状態を年間を通して一定に維持可能なルーバーとして機能することができる。
また、内側の第2太陽光部材の外端縁の連結位置を、外側の第2太陽光部材の外端縁の位置から位置決め用基準面に沿う方向の内方にL2/cos(α−θw)以上離れた位置にしているので、少なくとも冬期の南中時において、外側の第2太陽光部材の影が、内側の第2太陽光部材の受光面にかかることを回避できる。
請求項に示す発明は、
構築物が外部に具備する採光部の採光面に近接配置された複数の太陽光部材を有し、前記太陽光部材が、受光面で太陽光を受光することにより発電する太陽光発電装置において、
夏至の南中時における太陽の南方に対する仰角を夏至仰角θsとし、冬至の南中時における太陽の南方に対する仰角を冬至仰角θwとした場合であって、鉛直面の下方に対する前記採光部の採光面の傾き角度がαの場合に、
前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ1を、前記θsと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第1太陽光部材と、
前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ2を、前記θwと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第2太陽光部材と、
前記第1太陽光部材を回動する第1回動機構と、
前記第2太陽光部材を回動する第2回動機構と、を有し、
前記鉛直面に対する前記採光面の傾き角度αに関して、該採光面が前記鉛直面と平行な状態を0°(α=0°)と定義し、該採光面における上端位置よりも下端位置の方が、前記鉛直面の法線方向に沿う側方方向の外方に位置するような傾き状態を正値(α>0)と定義した場合に、
前記傾き角度αは、前記夏至仰角θsよりも大きく前記冬至仰角θw+90°よりも小さい範囲(θs<α<θw+90°)の任意の角度に設定されており、
前記第1太陽光部材の前記側方方向の外端縁及び前記第2太陽光部材の前記側方方向の外端縁は、前記採光面と平行な平面を位置決め用基準面として当該位置決め用基準面上に配置され、
前記第1太陽光部材の前記側方方向の外端縁よりも前記側方方向の内端縁の方が、前記採光面の法線方向の外方に位置して設けられ、
前記第2太陽光部材の前記側方方向の外端縁よりも前記側方方向の内端縁の方が、前記採光面の法線方向の外方に位置して設けられており、
前記第1太陽光部材は、前記位置決め用基準面上に前記側方方向に並んで複数設けられているとともに、複数の前記第1太陽光部材は、それぞれ、その外端縁にて前記位置決め用基準面に連結されており、
前記側方方向に隣り合う前記第1太陽光部材同士のうちで、前記側方方向の外側の第1太陽光部材の外端縁と内端縁との間の長さがL1である場合に、
前記側方方向の内側の第1太陽光部材の外端縁は、前記外側の第1太陽光部材の外端縁の位置から前記位置決め用基準面に沿う方向の内方にL1/cos(α−θs)以上離れた位置に連結されていることを特徴とする。
上記請求項に示す発明によれば、年間を通して高いエネルギー変換効率で太陽光から電気を生成可能な太陽光発電装置でありながら、同装置は、構築物内への朝日や夕日を確実に遮光しつつ、日中の採光状態を年間を通して一定に維持可能なルーバーとして機能することができる。
また、内側の第1太陽光部材の外端縁の連結位置を、外側の第1太陽光部材の外端縁の位置から位置決め用基準面に沿う方向の内方にL1/cos(α−θs)以上離れた位置にしているので、少なくとも夏至の南中時において、外側の第1太陽光部材の影が、内側の第1太陽光部材の受光面にかかることを回避できる。
請求項に示す発明は、請求項5又は6に記載の太陽光発電装置であって、
前記側方方向に隣り合う前記第2太陽光部材同士の間に、前記第1太陽光部材が配置されていることを特徴とする。
上記請求項に示す発明によれば、第2太陽光部材同士の間に第1太陽光部材を配置している。ここで、この第2太陽光部材同士の間の部分というのは、第2太陽光部材のエネルギー変換効率が高い冬期には、第2太陽光部材の影が出来やすい部分であるため、冬期にはデッドスペースとなるが、一方、夏期にあっては、冬期と比べて太陽の高度が高くなるために、第2太陽光部材の影は小さくなって当該影が出来難い部分となる。そのため、当該部分に第1太陽光部材を配置することで、夏期に高いエネルギー変換効率で太陽光を電気に変換して夏期の発電量を増やすことができる。すなわち、第2太陽光部材の影の発生の関係で、第2太陽光部材を配置できなかったデッドスペースに第1太陽光部材を配置しているので、取り付け対象面上の空きスペースの縮小化を図れる。
請求項に示す発明は、
構築物が外部に具備する採光部の採光面に近接配置された複数の太陽光部材を有し、前記太陽光部材が、受光面で太陽光を受光することにより発電する太陽光発電装置において、
夏至の南中時における太陽の南方に対する仰角を夏至仰角θsとし、冬至の南中時における太陽の南方に対する仰角を冬至仰角θwとした場合であって、鉛直面の下方に対する前記採光部の採光面の傾き角度がαの場合に、
前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ1を、前記θsと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第1太陽光部材と、
前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ2を、前記θwと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第2太陽光部材と、
前記第1太陽光部材を回動する第1回動機構と、
前記第2太陽光部材を回動する第2回動機構と、を有し、
前記第一太陽光部材の一方の端縁と前記第二太陽光部材の一方の端縁が連結され、
前記採光面と平行な平面を位置決め用基準面として当該位置決め用基準面に、前記第一太陽光部材の他方の端縁と前記第二太陽光部材の他方の端縁のうちの一方が固定され、他方が前記位置決め用基準面から浮いて離間可能であることを特徴とする。
上記請求項に示す発明によれば、年間を通して高いエネルギー変換効率で太陽光から電気を生成可能な太陽光発電装置でありながら、同装置は、構築物内への朝日や夕日を確実に遮光しつつ、日中の採光状態を年間を通して一定に維持可能なルーバーとして機能することができる。
また、意匠的に面白い太陽光部材を実現できる。
請求項に示す発明は、
構築物が外部に具備する採光部の採光面に近接配置された複数の太陽光部材を有し、前記太陽光部材が、受光面で太陽光を受光することにより発電する太陽光発電装置において、
夏至の南中時における太陽の南方に対する仰角を夏至仰角θsとし、冬至の南中時における太陽の南方に対する仰角を冬至仰角θwとした場合であって、鉛直面の下方に対する前記採光部の採光面の傾き角度がαの場合に、
前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ1を、前記θsと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第1太陽光部材と、
前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ2を、前記θwと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第2太陽光部材と、
前記第1太陽光部材を回動する第1回動機構と、
前記第2太陽光部材を回動する第2回動機構と、を有し、
前記第一太陽光部材の一方の端縁と前記第二太陽光部材の一方の端縁が、連結され、かつ、前記採光面と平行な平面を位置決め用基準面として当該位置決め用基準面に固定され、
前記第一太陽光部材の他方の端縁と前記第二太陽光部材の他方の端縁が前記位置決め用基準面から浮いて離間可能であることを特徴とする。
上記請求項に示す発明によれば、年間を通して高いエネルギー変換効率で太陽光から電気を生成可能な太陽光発電装置でありながら、同装置は、構築物内への朝日や夕日を確実に遮光しつつ、日中の採光状態を年間を通して一定に維持可能なルーバーとして機能することができる。
また、意匠的に面白い太陽光部材を実現できる。
本発明によれば、年間を通して高いエネルギー変換効率で太陽光から電気を生成可能な太陽光発電装置でありながら、構築物内への朝日や夕日を確実に遮光しつつ、日中の採光状態を、年間を通して略一定に維持可能なルーバーとして機能する太陽光発電装置を提供可能となる。
本発明に係る太陽光発電装置の基本構成を説明するための第1態様の概略側面図であって、日中の所定時間帯に設定される採光状態を示す図である。 同第1態様の概略側面図であって、日の出や日の入りの時間帯に設定される遮光状態を示す図である。 第1〜第3態様に係る位置決め用基準面3の傾き角度αの説明図である。 図3Aは、第1態様において、θs−90°≧αの場合の問題点の説明図であり、図3Bは、同第1態様において、θw≦αの場合の問題点の説明図である。 上下方向に隣り合う第1太陽光パネル10,10同士の間の間隔に係る距離D1(=L1/cos(θs−α))の説明図である。 図5A及び図5Bは、上下方向に隣り合う第1太陽光パネル10,10同士の間の位置に第2太陽光パネル20を配置するのが好ましい理由の説明図である。 上下方向に隣り合う第2太陽光パネル20,20同士の間の間隔に係る距離D2(=L2/cos(θw−α))の説明図である。 上下方向に隣り合う第2太陽光パネル20,20同士の間の間隔に係る距離D2(=L2×cos(θw−α)+L2×tan(θm−α)×sin(θw−α))の説明図である。 図8Aは、第1太陽光パネル10の下方の隣に第2太陽光パネル20が位置している場合において互いの間を離すべき距離の下限値D12の説明図であり、図8Bは、第2太陽光パネル20の下方の隣に第1太陽光パネル10が位置している場合において互いの間を離すべき距離の下限値D21の説明図である。 建物の外壁部の代わりにガラス板9が設けられた場合であって、当該ガラス板9よりも屋内側の位置に第1太陽光パネル10,10…及び第2太陽光パネル20,20…が配置された場合の概略側面図である。 第2態様の概略側面図であって、日中の所定時間帯に設定される採光状態を示す図である。 同第2態様の概略側面図であって、日の出や日の入りの時間帯に設定される遮光状態を示す図である。 図12Aは、第2態様において、θw≧αの場合の問題点の説明図であり、図12Bは、同第2態様において、α≧θsの場合の問題点の説明図である。 建物の傾斜した窓部のガラス部9よりも屋内側の位置に第1太陽光パネル10,10…及び第2太陽光パネル20,20…が配置された場合の概略側面図である。 第3態様の概略側面図であって、日中の所定時間帯に設定される採光状態を示す図である。 同第3態様の概略側面図であって、日の出や日の入りの時間帯に設定される遮光状態を示す図である。 図16Aは、第3態様において、α≧θw+90°の場合の問題点の説明図であり、図16Bは、同第3態様において、θs≧αの場合の問題点の説明図である。 側方方向に隣り合う第2太陽光パネル20,20同士の間の間隔に係る距離D2’ (=L2/cos(α−θw))の説明図である。 図18A及び図18Bは、側方方向に隣り合う第2太陽光パネル20,20同士の間の位置に第1太陽光パネル10を配置するのが好ましい理由の説明図である。 側方方向に隣り合う第1太陽光パネル10,10同士の間の間隔に係る距離D1’ (=L1/cos(α−θs))の説明図である。 側方方向に隣り合う第1太陽光パネル10,10同士の間の間隔に係る距離D1’(=L1×cos(α−θs)+L1×tan(α−θm)×sin(α−θs))の説明図である。 図21Aは、第1太陽光パネル10の側方方向の内方の隣に第2太陽光パネル20が位置している場合において互いの間を離すべき距離の下限値D12’の説明図であり、図21Bは、第2太陽光パネル20の側方方向の内方の隣に第1太陽光パネル10が位置している場合において互いの間を離すべき距離の下限値D21’の説明図である。 建物の屋根部の代わりにガラス板9が設けられた場合であって、当該ガラス板9よりも屋内側の位置に第1太陽光パネル10,10…及び第2太陽光パネル20,20…が配置された場合の概略側面図である。 その他の実施形態の概略側面図である。 その他の実施形態の概略側面図である。 その他の実施形態の概略側面図である。 その他の実施形態の概略側面図である。 その他の実施形態の概略側面図である。
===本実施形態===
始めに図1A及び図1Bの概略側面図を参照しながら、本発明の基本構成について説明する。
図1Aに示すように、本発明の太陽光発電装置は、複数の第1太陽光パネル10,10…(第1太陽光部材に相当)と、複数の第2太陽光パネル20,20…(第2太陽光部材に相当)とを有している。何れの太陽光パネル10,20も受光面10a,20aを有し、受光面10a,20aで太陽光を受光することにより発電する。そして、各太陽光パネル10,20は、受光面10a,20aへの太陽光の入射角が直角に近い程、太陽光から電気へのエネルギー変換効率が高くなるという特性を有する。なお、当該太陽光パネル10,20には、シリコン半導体などを主な材料とした薄膜状の太陽電池セルなどの周知構成を適用可能であり、かかる太陽電池セルの場合には、その薄膜の略平坦面が、上述の受光面10a,20aに該当する。
かかる第1太陽光パネル10,10…及び第2太陽光パネル20,20…は、例えば、建物の外部近傍に配置される。すなわち、建物の外部には、屋内に外光を取り入れる採光部として、窓部等のガラス部9が設けられており、このガラス部9のガラス面9a(採光面に相当)に近接してこれら太陽光パネル10,20は配置され、これにより日射遮蔽目的のルーバーとしても機能する。なお、図1Aの例では、これら太陽光パネル10,20は、ガラス面9よりも建物の屋外側(外方)に配置されているが、屋内側に配置されても良く、これについては図9等を参照しながら後述する。
ところで、本発明では、図1Aに示すように、第1太陽光パネル10の受光面10a及び第2太陽光パネル20の受光面20aの何れに対しても、共通の鉛直面Asを基準として傾き角度θ1,θ2が設定されている。また、これら傾き角度θ1,θ2を所定の角度範囲で変更可能にすべく、第1及び第2太陽光パネル10,20は、それぞれ、対応する受光面10a,20aと一体となって回動可能な平面視略矩形の平板状部材として構成されており、そして、各太陽光パネル10,20は、それぞれ対応する回動機構(回動機構については後述する)により回動されるようになっている。
そして、かかる構成において、鉛直面Asの下方に対するガラス部9のガラス面9aの傾き角度をαと定義した場合には、例えば、図1Aに示すように各傾き角度θ1,θ2をαよりも大きくすれば、各太陽光パネル10,20を、ガラス部9を介して建物の屋内に太陽光を取り込み可能な採光状態にすることができる一方、図1Bに示すように、傾き角度θ1,θ2をαと同値に設定すれば、各太陽光パネル10,20を、ガラス部9のガラス面9aと平行な状態たる遮光状態にすることができる。
そのため、本発明では、図1A及び図1Bに示すように、第1太陽光パネル10の傾き角度θ1の変更可能な角度範囲を、θsとαとの間の角度範囲としており、また、第2太陽光パネル20の傾き角度θ2の変更可能な角度範囲を、θwとαとの間の角度範囲としている。
ここで、上記の「θs」とは、夏至の南中時における太陽の南方に対する仰角のことであり、例えば東京の緯度(35°)であれば、78°(=90°−35°+23.4°)である。また、「θw」とは、冬至の南中時における太陽の南方に対する仰角のことであり、例えば東京であれば、32°(90°−35°−23.4°)である。
よって、図1Aに示すように、第1太陽光パネル10の日中の所定時間帯(例えば南中時を含む時間帯)の傾き角度θ1をθsに設定し、第2太陽光パネル20の日中の所定時間帯(例えば南中時を含む時間帯)の傾き角度θ2をθwに設定すれば、夏期(春分から夏至を経て秋分に至るまでの期間)には、太陽光が第1太陽光部材の受光面に、より直角に近い入射角で入射して、第1太陽光パネル10が高いエネルギー変換効率でもって太陽光から電気を生成可能であり、また冬期(秋分から冬至を経て春分に至るまでの期間)には、太陽光が第2太陽光部材の受光面に、より直角に近い入射角で入射して、第2太陽光パネル20が高いエネルギー変換効率でもって太陽光から電気を生成可能であるので、年間を通して当該太陽光発電装置は高いエネルギー変換効率で電気を生成可能となる。
また、このように日中の所定時間帯の傾き角度θ1及び傾き角度θ2をそれぞれθs及びθwに設定すれば(図1A)、少なくとも日中の所定時間帯の建物の屋内への採光状態も、夏期や冬期によらず年間を通して略一定に維持可能となる。
更に、図1Bに示すように、第1太陽光パネル10の傾き角度θ1及び第2太陽光パネル20の傾き角度θ2を、それぞれ日の出の時間帯及び日の入りの時間帯に上記αに設定すれば、これら第1及び第2太陽光パネル10,20を、建物のガラス部9のガラス面9aと平行な状態たる遮光状態にすることができる。その結果、第1太陽光パネル10及び第2太陽光パネル20によって朝日や夕日が確実に遮光され、朝日や夕日の入射起因で建物の屋内がまぶしく照らされる事態を有効に防ぐことができる。
かかる第1及び第2太陽光パネル10,20は、建物が具備する面のうちで、夏至の南中時と冬至の南中時との両者において直射日光が当たるような面を取り付け対象面3aとして取り付けられる。なお、以下では、取り付け対象面3aが南北方向と平行な方向を向いている前提で説明するが、上記条件を満足するような取り付け対象面3aであれば、南北方向と平行な方向以外を向いていても良い。
また、かかる取り付け対象面3aの近傍には、窓部等のガラス部9が位置していて、当該ガラス部9のガラス面9aは、取り付け対象面3aと平行になっている。但し、場合によっては、取り付け対象面3aが、ガラス面9aと同一となることも有り得るが、同一とはならないことも有り得て、更には、後述する図9、図13、及び図22の例のように、取り付け対象面3aに相当する現実の面が存在しない場合も想定される。
そのため、ここでは、取り付け対象面3aに代わる用語として、「位置決め用基準面3」を定義し、以下では、この用語を主に用いて説明する。この「位置決め用基準面3」とは、第1及び第2太陽光パネル10,20を建物に取り付ける際の位置決めの基準となる面のことであり、場合によっては上述の取り付け対象面3aと一致することもあるが、相違することもある。なお、相違する場合であっても、位置決め用基準面3と取り付け対象面3aとは、互いに平行状態にあり、つまり、位置決め用基準面3は、ガラス部9のガラス面9aと平行である。
かかる位置決め用基準面3への第1太陽光パネル10及び第2太陽光パネル20の取り付け態様は、上記位置決め用基準面3が既述の鉛直面Asの下方との間で形成する傾き角度αに応じて、第1〜第3の三態様に大別される。すなわち、本実施形態のように、日中の時間帯に第1太陽光パネル10の傾き角度θ1をθsに設定し、且つ第2太陽光パネル20の傾き角度θ2をθwに設定するような場合には、上記傾き角度αに応じて、その取り付け態様が、以下の第1〜第3の三態様に大別される。
図2は、かかる第1〜第3態様の説明図である。なお、以下では、水平方向の側方方向のうちの一方側を外方と言い、他方側を内方と言う。ちなみに、「外方」は、建物(構築物)の屋外側に対応し、「内方」は建物の屋内側に対応しており、また、当該側方方向は、上述の鉛直面Asの法線方向にも相当する。
また、ここでは、傾き角度αの定義として、位置決め用基準面3が鉛直面Asの下方と平行な状態をα=0°とし、位置決め用基準面3における上端位置よりも下端位置の方が、鉛直面Asの法線方向たる側方方向の外方に突出した傾き状態をα>0としている(図2では時計回りの方向)。そして、αが、0<α<90°の範囲では、位置決め用基準面3は側方方向の外方(正確には、外方斜め上方)を向いているが、α=90°では、位置決め用基準面3が水平面となって同面3は鉛直上方を向き、更に90°<α<180°の範囲では、側方方向の内方(正確には、内方斜め上方)を向いた状態になる。
図2に示すように、第1態様は、建物の外壁面に相当する略鉛直面部4(図1A)を位置決め用基準面3とする場合であり、第2態様は、建物の屋根面に相当する略水平面部6(図14)を位置決め用基準面3とする場合であり、第3態様は、これら略鉛直面部4と略水平面部6との間の傾斜を有した傾斜面に相当する略斜面部5(図10)を位置決め用基準面3とする場合である。
具体的には、第1態様は、位置決め用基準面3の傾き角度αが、θs−90°<α<θwの場合であり、第2態様は、位置決め用基準面3の傾き角度αが、θw<α<θsの場合であり、第3態様は、位置決め用基準面3の傾き角度αが、θs<α<θw+90°の場合である。より具体的に言えば、緯度が35°の東京の場合には、夏至仰角θsが78°で、冬至仰角θwが32°なので、第1態様は−12°<α<32°となり、第2態様は32°<α<78°となり、第3態様は78°<α<122°となる。以下、かかる角度範囲で三区分される理由を含め、第1〜第3の各態様について詳しく説明する。
<<<第1態様>>>
図1Aの第1態様は、既述のように略鉛直面部4を取り付け対象面3aたる位置決め用基準面3としている。更に繰り返して言えば、位置決め用基準面3の傾き角度αは、θs−90°<α<θwの範囲の任意値に設定されており、東京の場合には、−12°<α<32°の範囲の任意値に設定されている。なお、以下では、文中に傾き角度αの記載が登場する度に、当該傾き角度αをイメージし易いように、その直後の括弧内に東京での数値例を併記する。そして、図1Aに示すように、かかる傾き角度αの位置決め用基準面3には、複数の第1太陽光パネル10,10…と複数の第2太陽光パネル20,20…とが、ルーバー状に上下方向に並んで配置されている。
ここで、図1A及び図1Bに示すように、第1太陽光パネル10は、その上端縁10euにて位置決め用基準面3に連結されて片持ち支持されており、つまり、この上端縁10euよりも下端縁10edの方が位置決め用基準面3の法線方向の外方に位置して設けられており、これにより、鉛直面Asの下方に対する傾き角度θ1は、θsとαとの間の角度範囲を変更可能とされている。また、第2太陽光パネル20の方も、その上端縁20euにて位置決め用基準面3に連結されて片持ち支持されており、つまり、この上端縁20euよりも下端縁20edの方が位置決め用基準面3の法線方向の外方に位置して設けられており、これにより、鉛直面Asの下方に対する傾き角度θ2は、θwとαとの間の角度範囲を変更可能とされている。
よって、傾き角度αが、θs−90°<α<θw(東京では、−12°<α<32°)の条件を満足するような位置決め用基準面3であれば、上記のような構成の第1太陽光パネル10と第2太陽光パネル20とを問題無く同位置決め用基準面3に位置させながら取り付け可能である。詳しく説明すると、先ず、位置決め用基準面3は、現実の取り付け対象面3aである場合もあり得る。つまり現実のガラス面9aとして存在する場合もあり得る。すると、αが上記条件を低い側に外れるθs−90°≧αの場合(東京では、−12°≧α)において、図3Aに示すように、夏至の南中時の太陽の仰角θsたる夏至仰角θs(東京では、θs=78°)の時に傾き角度θ1がθsに設定されると、第1太陽光パネル10の受光面10aの一部に取り付け対象面3aの影が入ってしまい問題となる。また、αが上記条件を高い側に外れるα≧θwの場合(東京では、α≧32°の場合)には、取り付け対象面3aに第2太陽光パネル20を取り付けようとすると、図3Bに示すように、少なくとも傾き角度θ2が変更可能な角度範囲のうちのθwの時に、第2太陽光パネル20の下部20dが取り付け対象面3aと干渉してしまい、取り付け困難となる。この点につき、上記条件を満足すれば、これらの問題を回避可能である。すなわち、取り付け対象面3aの傾き角度αが、θs−90°<α<θw(東京では、−12°<α<32°)の条件を満たせば、取り付け対象面3aの影が第1太陽光パネル10の受光面10aにかかることを回避しつつ、取り付け対象面3aに確実且つ容易に第2太陽光パネル20を取り付け可能となる。
かかる取り付け対象面3aたる位置決め用基準面3には、図1A及び図1Bに示すように複数の第1太陽光パネル10,10…、及び第2太陽光パネル20,20…が設けられている。そして、各太陽光パネル10,20は、それぞれ回動機構によって各パネル10,20の上端縁10eu,20euを回転軸として回動可能に構成され、また、同回動機構により、傾き角度θ1及び傾き角度θ2が、それぞれα≦θ1≦θsの角度範囲及びα≦θ2≦θwの角度範囲で変更される。
第1太陽光パネル10用の回動機構(第1回動機構に相当)としては、図1A及び図1Bに示すように、第1太陽光パネル10の上端縁10euを回転軸として当該第1太陽光パネル10を回転可能に支持するヒンジ部材等の軸支部材12と、当該上端縁10eu周りに第1太陽光パネル10を回動する電動モータ等の駆動源(不図示)と、駆動源を制御するコンピュータ等の制御部(不図示)と、を例示することができる。
同様に、第2太陽光パネル20用の回動機構(第2回動機構に相当)としては、第2太陽光パネル20の上端縁20euを回転軸として当該第2太陽光パネル20を回転可能に支持するヒンジ部材等の軸支部材22と、当該上端縁20eu周りに第2太陽光パネル20を回動する電動モータ等の駆動源(不図示)と、駆動源を制御するコンピュータ等の制御部(不図示)と、を例示することができる。
そして、どちらの制御部にあっても、ハードディスク等の記憶部を有し、また、同記憶部内には、第1太陽光パネル10の回動制御用データとして、年間の全ての日に亘って、日毎に、一日の各時刻に傾き角度θ1の設定値を対応付けてなる傾き角度θ1設定値データが格納されており、同様に、第2太陽光パネル20の回動制御用データとして、年間の全ての日に亘って、日毎に、一日の各時刻に傾き角度θ2の設定値を対応付けてなる傾き角度θ2設定値データが格納されている。よって、制御部のプロセッサが、かかるデータに基づいて駆動源に回動角度の制御信号を送信することにより、傾き角度θ1,θ2の変更が行われる。
例えば、日の出の時刻を含む時間帯(以下、日の出時間帯とも言う)には、傾き角度θ1及び傾き角度θ2は、どちらもαに設定されて図1Bのような遮光状態になり、また、南中時を含む時間帯(以下、南中時間帯とも言う)には、傾き角度θ1及び傾き角度θ2は、それぞれθs及びθwに設定されて図1Aのような採光状態になり、更には、日の入りの時刻を含む時間帯(以下、日の入り時間帯とも言う)には、傾き角度θ1及び傾き角度θ2のどちらもαに設定されて図1Bのような遮光状態になる。そして、このように動作すれば、前述のように、年間を通して日中に高いエネルギー変換効率で太陽光から電気を生成しつつ、建物内への朝日や夕日を確実に遮光しながらも、日中の採光状態を、年間を通して略一定に維持可能となる。
なお、日の出時間帯と南中時間帯との間に位置する時間帯(以下、移行時間帯とも言う)については、傾き角度θ1及び傾き角度θ2を、それぞれ南中時間帯と同値のθs及びθwに固定して設定しても良いし、或いは、時刻の経過と伴に、傾き角度θ1についてはαからθsへと、また傾き角度θ2についてはαからθwへと漸増変更しても良い。同様に、南中時間帯と日の入り時間帯との間に位置する時間帯(以下、移行時間帯とも言う)については、傾き角度θ1及び傾き角度θ2を、それぞれ南中時間帯と同値のθs及びθwに固定して設定しても良いし、或いは、時刻の経過と伴に、傾き角度θ1についてはθsからαへと、また傾き角度θ2についてはθwからαへと漸減変更しても良い。更に、日の入り時間帯から日付変更時刻たる午前0時までの時間帯、及び午前0時から日の出時間帯までの時間帯については、傾き角度θ1及び傾き角度θ2を、そのままαに維持しても良いし、或いは、αよりも大きい角度に変更しても良いが、かかる変更した場合にあっても、日の出時間帯までにはαに戻されることになる。
日の出時間帯の一例としては、日の出開始時刻の1時間前から日の出開始時刻の1時間後までの時間範囲が挙げられ、また、南中時間帯の一例としては、南中時の3時間前から南中時の3時間後までの時間範囲が挙げられ、更に、日の入り時間帯の一例としては、日の入り開始時刻の1時間前から日の入り開始時刻の1時間後までの時間範囲が挙げられるが、何等これに限らず、上記と異なる時間範囲に設定しても構わない。
また、駆動源の一例としては電動モータが挙げられるが、当該電動モータを用いた場合には、同電動モータの作動に必要な動力を、第1太陽光パネル10又は第2太陽光パネル20で生成した電気の電力によって賄っても良い。その場合には、例えば、蓄電池(不図示)を設け、第1太陽光パネル10又は第2太陽光パネル20で生成した電気を蓄電池に蓄えるようにし、そして、蓄電池から電動モータへと電力供給すれば良い。なお、このことは、以下で説明する第2態様、及び第3態様についても同様である。
ところで、図1Aの例では、位置決め用基準面3に、複数の第1太陽光パネル10,10…が設けられており、各第1太陽光パネル10は、それぞれ上下方向に隣り合う第1太陽光パネル10との間に間隔を空けて配置されている。そして、この間隔に関しては、次のように設定すると良い。すなわち、図4に示すように、上下方向に隣り合う第1太陽光パネル10,10同士のうちで、上側の第1太陽光パネル10の上端縁10euと下端縁10edとの間の長さをL1とした場合に、下側の第1太陽光パネル10の上端縁10euが、上側の第1太陽光パネル10の上端縁10euの位置から位置決め用基準面3に沿う方向の下方に距離D1(=L1/cos(θs−α))以上離れた位置に連結されていると良い。そうすれば、日中に傾き角度θ1がθsに設定された際の第1太陽光パネル10の影が、その下方に隣り合う第1太陽光パネル10の受光面10aにかかることを、年間を通じて回避可能となる。詳しくは次の通りである。
先ず、この距離D1に係るL1/cos(θs−α)という数式は、図4を参照してわかるように、夏至の南中時に位置決め用基準面3上に形成される第1太陽光パネル10の影の長さを表している。そして、この夏至の南中時が、年間のうちで太陽の高度が最も高いことから、第1態様の如き略鉛直面部4に形成される影の場合には、この夏至の南中時の影の長さが年間を通じた最長のものとなる。そのため、上記のように第1太陽光パネル10,10同士を距離D1以上離しておけば、日中に傾き角度θ1がθsに設定された際の第1太陽光パネル10の影が、その下方に隣り合う第1太陽光パネル10の受光面10aにかかることを、年間に亘って回避することができて、結果、下側の第1太陽光パネル10の受光面10aは、年間に亘ってその上方の第1太陽光パネル10の影の影響から解放される。
なお、図1Aの例では、第1太陽光パネル10の長さL1は、全ての第1太陽光パネル10,10…に亘り同寸に揃っているため、上記の距離D1(=L1/cos(θs−α))の値は、全ての第1太陽光パネル10,10…に関して同値となる。そして、図1Aの例では、全ての第1太陽光パネル10,10…は、距離D1以上となる所定値P1を、位置決め用基準面3上の上下方向の配置ピッチとして配置されており、これにより各第1太陽光パネル10,10…は、それぞれ自身よりも上方に位置する第1太陽光パネル10の影の影響から解放されている。また、上述のように距離D1以上離間していれば、必然的に長さL1以上離間していることになるので、図1Bの遮光状態の際に上下方向に隣り合う第1太陽光パネル10,10同士が干渉し合うことも確実に防止される。
他方、位置決め用基準面3には第2太陽光パネル20,20…も設けられている。そして、図1Aの例では、上下方向に隣り合う第1太陽光パネル10,10同士の間の位置に、第2太陽光パネル20が設けられている。ここで、同位置に第2太陽光パネル20が設けられている理由は、次の通りである。図5Aに示すように、この位置決め用基準面3における第1太陽光パネル10,10同士の間の位置というのは、第1太陽光パネル10のエネルギー変換効率が高い夏期には、第1太陽光パネル10の影が出来やすい部分である。そのため、夏期にはデッドスペースとなる。但し、図5Bに示すように、冬期にあっては、夏期と比べて太陽の高度が低くなることから、第1太陽光パネル10の影は小さくなって当該影が出来難くなる。そのため、冬期に特化した第2太陽光パネル20にあっては、第1太陽光パネル10,10同士の間の位置に配置可能であり、配置すれば、冬期に高いエネルギー変換効率で太陽光を電気に変換して冬期の発電量を増やすことができて、かような理由から、第1太陽光パネル10,10同士の間の位置に第2太陽光パネル20を配置している。
この例では、図1Aに示すように、上下方向に隣り合う第1太陽光パネル10,10同士の間の位置に、複数の一例として三つの第2太陽光パネル20,20,20が上下方向に整列して配置されているが、何等これに限らず、一つや二つでも良いし、四つ以上でも良い。なお、第2太陽光パネル20を複数設ける場合には、上述の第1太陽光パネル10の場合と同様に、受光面20aへの影の影響が小さくなるように考慮して第2太陽光パネル20,20同士の間の距離が設定されるのが望ましい。
すなわち、図6に示すように、上下方向に隣り合う第2太陽光パネル20,20同士のうちで、上側の第2太陽光パネル20の上端縁20euと下端縁20edとの間の長さをL2とした場合に、下側の第2太陽光パネル20の上端縁20euが、上側の第2太陽光パネル20の上端縁20euの位置から位置決め用基準面3に沿う方向の下方に距離D2(=L2/cos(θw−α))以上離れた位置に連結されていると良い。このようにすれば、日中に傾き角度θ2がθwに設定された際の第2太陽光パネル20の影が、その下方に隣り合う第2太陽光パネル20の受光面20aにかかることを、少なくとも冬至の日については回避可能となる。詳しくは次の通りである。
先ず、この距離D2に係るL2/cos(θw−α)という数式は、図6を参照してわかるように、冬至の南中時に位置決め用基準面3上に形成される第2太陽光パネル20の影の長さを表している。そして、この冬至の南中時というのは、冬至の日のうちで位置決め用基準面3に形成される影の長さが最長になる時刻である。そのため、上記のように第2太陽光パネル20,20同士を距離D2以上離しておけば、日中に傾き角度θ2がθwに設定された際の第2太陽光パネル20の影が、その下方に隣り合う第2太陽光パネル20の受光面20aにかかることを、少なくとも冬至の日については回避可能となり、結果、同冬至の日については、下側の第2太陽光パネル20の受光面20aは、その上方の第2太陽光パネル20の影の影響から解放される。
なお、図1Aの例では、第2太陽光パネル20の長さL2は、全ての第2太陽光パネル20,20…に亘り同寸に揃っているため、上記の距離D2(=L2/cos(θw−α))の値も、全ての第2太陽光パネル20,20…に関して同値となる。そして、図1Aの例では、第1太陽光パネル10,10同士の間の各第2太陽光パネル20は、距離D2以上となる所定値P2を、位置決め用基準面3上の上下方向の配置ピッチとして配置されており、これにより各第2太陽光パネル20,20…は、それぞれ自身よりも上方に位置する第2太陽光パネル20の影の影響から解放されている。また、上述のように距離D2以上離間していれば、必然的に長さL2以上離間していることになるので、図1Bの遮光状態の際に上下方向に隣り合う第2太陽光パネル20,20同士が干渉し合うことも確実に防止される。
また、位置決め用基準面3の面積に余裕が有る場合には、上述の距離D2を更に拡大して、つまり距離D2を下式1から得られる値にしても良い。
D2=L2×cos(θw−α)
+L2×tan(θm−α)×sin(θw−α) … (1)
ここで、かかる式1は、図7に示すように、春分の日又は秋分の日の南中時に位置決め用基準面3上に形成される第2太陽光パネル20の影の長さを示している。そして、この春分の日又は秋分の日の南中時の影の長さは、冬期のうちで最長である。従って、下側の第2太陽光パネル20の上端縁20euを、上側の第2太陽光パネル20の上端縁20euの位置から位置決め用基準面3に沿う方向の下方に、当該距離D2以上離れた位置に連結すれば、冬期の全ての日に亘って、日中に傾き角度θ2がθwに設定された際の第2太陽光パネル20の影が、その下方に隣り合う第2太陽光パネル20の受光面20aにかかることを回避可能となる。その結果、冬期に特化した第2太陽光パネル20を有効に使用して冬期の発電量を効果的に増やすことができる。なお、上式1は、図7の幾何学的関係から得ることができる。
ところで、上述のように第2太陽光パネル20を第1太陽光パネル10,10同士の間に配置している場合には、第1太陽光パネル10の影が第2太陽光パネル20の受光面20aにかかる虞や、或いは第2太陽光パネル20の影が第1太陽光パネル10の受光面10aにかかる虞がある。例えば、第1太陽光パネル10の下方の隣に第2太陽光パネル20が位置している場合には、第1太陽光パネル10の影が第2太陽光パネル20の受光面20aにかかる虞があり、逆に、第2太陽光パネル20の下方の隣に第1太陽光パネル10が位置している場合には、第2太陽光パネル20の影が第1太陽光パネル10の受光面10aにかかる虞がある。
そのため、これら互いに上下方向に隣り合う第1太陽光パネル10と第2太陽光パネル20との位置関係に関しても、上述と同様に受光面10a,20aへの影の影響を考慮して、第1太陽光パネル10と第2太陽光パネル20との間の距離を設定するのが望ましい。以下では、図8Aのように第1太陽光パネル10の下方の隣に第2太陽光パネル20が位置している場合において互いの間で離すべき距離の下限値のことを、「距離D12」と言い、また図8Bのように第2太陽光パネル20の下方の隣に第1太陽光パネル10が位置している場合において互いの間で離すべき距離の下限値のことを、「距離D21」と言う。
先ず、図8Aを参照しつつ距離D12について説明すると、第2太陽光パネル20は冬期に有効に発電すべきである。また、この冬期において第1太陽光パネル10の影が最長になるのは、春分の日或いは秋分の日の南中時である。そして、この最長の長さは、幾何学的関係から、前述の式1中の「θw」をθsに置き換えるとともに、同式1中の「L2」をL1に置き換えれば得ることができ、当該最長の長さが距離D12に相当するので、当該距離D12は下式2で表される。
D12=L1×cos(θs−α)
+L1×tan(θm−α)×sin(θs−α) … (2)
よって、下側の第2太陽光パネル20の上端縁20euが、上側の第1太陽光パネル10の上端縁10euの位置から位置決め用基準面3に沿う方向の下方に距離D12以上離れた位置に連結されていれば、日中に傾き角度θ1がθsに設定された際の第1太陽光パネル10の影が、その下方に隣り合う第2太陽光パネル20の受光面20aにかかることを、冬期の全ての日に亘って回避可能となる。また、上述のように距離D12以上離間していれば、必然的に長さL1以上離間していることになるので、図1Bの遮光状態の際に上下方向に隣り合う第1太陽光パネル10と第2太陽光パネル20とが干渉し合うことも確実に防止される。
次に、図8B参照しつつ距離D21について説明すると、第1太陽光パネル10は夏期に有効に発電すべきである。また、この夏期において第2太陽光パネル20の影が最長になるのは、夏至の南中時である。そして、この最長の長さは、前述の式1中の「θm」をθsに置き換えれば得ることができ、当該最長の長さが距離D21に相当するので、当該距離D21は下式3で表される。
D21=L2×cos(θw−α)
+L2×tan(θs−α)×sin(θw−α) … (3)
よって、下側の第1太陽光パネル10の上端縁10euが、上側の第2太陽光パネル20の上端縁20euの位置から位置決め用基準面3に沿う方向の下方に距離D21以上離れた位置に連結されていれば、日中に傾き角度θ2がθwに設定された際の第2太陽光パネル20の影が、その下方に隣り合う第1太陽光パネル10の受光面10aにかかることを、夏期の全ての日に亘って回避可能となる。また、上述のように距離D21以上離間していれば、必然的に長さL2以上離間していることになるので、図1Bの遮光状態の際に上下方向に隣り合う第2太陽光パネル20と第1太陽光パネル10とが干渉し合うことも確実に防止される。
このような第1態様に係る位置決め用基準面3、つまり略鉛直面部4の具体例としては、建物の鉛直な外壁面や急勾配で傾斜した外壁面などが挙げられる。但し、位置決め用基準面3は、現実に第1及び第2太陽光パネル10,20を取り付け可能な取り付け対象面3aで無くても良く、つまり現実には存在しない仮想面であっても良い。例えば、全面ガラス張りの建物の如く、外壁部の代用としてガラス板(ガラス部)9が使用されている場合には、図9に示すように当該ガラス板9よりも屋内側の位置に第1太陽光パネル10,10…及び第2太陽光パネル20,20…を配置することも想定される。そして、かかる場合には、これら第1及び第2太陽光パネル10,20は、屋内の柱8aや梁8bに設けられた適宜なステイ部材(不図示)に支持されることもあり得て、そうすると、取り付け対象面3aに相当する構成が存在しなくても良いことになるが、その場合には、位置決め用基準面3を仮想面と考えれば良い。
<<<第2態様>>>
次に第2態様について説明する。図10及び図11に示す第2態様は、既述のように建物の略斜面部5を位置決め用基準面3としており、換言すると、位置決め用基準面3の傾き角度αが、θw<α<θsの範囲(東京では、32°<α<78°)の任意の値に設定されている。そして、位置決め用基準面3には、第1太陽光パネル10と第2太陽光パネル20とが上下方向に交互に並んで配置されている。
ここで、第1太陽光パネル10は、その上端縁10euにて位置決め用基準面3に連結され、そして、この上端縁10euよりも下端縁10edの方が位置決め用基準面3の法線方向の外方に位置して設けられており、これにより、鉛直面Asの下方に対する傾き角度θ1は、αとθsとの間の角度範囲を変更可能とされている。また、第2太陽光パネル20の方は、その下端縁20edにて位置決め用基準面3に連結され、そして、この下端縁20edよりも上端縁20euの方が位置決め用基準面3の法線方向の外方に位置して設けられており、これにより、鉛直面Asの下方に対する傾き角度θ2は、θwとαとの間の角度範囲を変更可能とされている。そして、自由端たる第1太陽光パネル10の下端縁10edと第2太陽光パネル20の上端縁20euとは互いに連結されていて、これにより、第1太陽光パネル10と第2太陽光パネル20とが一つずつ組み合わされて一つの断面V字状のパネル対G12(太陽光部材対に相当)が形成されている。
よって、傾き角度αが、θw<α<θsの(東京では、32°<α<78°)の条件を満足するような位置決め用基準面3であれば、上記のような構成の第1太陽光パネル10と第2太陽光パネル20とを問題無く同位置決め用基準面3に位置させながら取り付け可能である。すなわち、この条件を満足しない場合には、少なくとも図12A又は図12Bのように傾き角θ1及び傾き角θ2がそれぞれθs及びθwに設定された際に、パネル対G12の上端縁10eu又は下端縁20edのどちらか一方が、位置決め用基準面3から浮いて離間してしまい、これによりパネル対G12を安定支持できなくなるが、この点につき、上記条件を満足すれば、パネル対G12の上端縁10eu及び下端縁20edの両方を位置決め用基準面3上に位置させることができて、結果、支持安定性に長けたものとなる。
詳しく説明すると、位置決め用基準面3は、前述したようにガラス面9a等の現実の取り付け対象面3aである場合もあり得る。すると、αが上記条件を低い側に外れるθw≧α(東京では、32°≧α)の場合において、図12Aのように傾き角θ1及び傾き角θ2がそれぞれθs及びθwに設定されると、パネル対G12の下端縁20edが取り付け対象面3aから浮いて離間してしまい、支持安定性の点で問題となる。また、αが上記条件を高い側に外れるα≧θs(東京では、α≧78°)の場合にも、図12Bのように傾き角θ1及び傾き角θ2がそれぞれθs及びθwに設定された際に、パネル対G12の上端縁10euが取り付け対象面3aから浮いて離間してしまい、支持安定性の点で問題となる。この点につき、上記条件を満足すれば、これらの問題を回避可能である。すなわち、パネル対G12の上端縁10eu及び下端縁20edの両者を取り付け対象面3aに確実に位置させて連結可能となり、結果、支持安定性に長けたものとなる。但し、図12Aや図12Bのような構成は、意匠的に面白いものであり、よって、当該意匠性が支持安定性よりも優先される場合には、図12Aや図12Bのように構成しても良い。
かかる位置決め用基準面3には、図10及び図11に示すように複数のパネル対G12,G12…が、位置決め用基準面3に沿った上下方向に並んで設けられている。そして、各第1太陽光パネル10は、回動機構によって各パネル10の上端縁10eu周りに回動可能に構成され、また、各第2太陽光パネル20は、同回動機構によって各パネル20の下端縁20ed周りに回動可能に構成され、更に、同回動機構により、傾き角度θ1及び傾き角度θ2が、それぞれα≦θ1≦θsの角度範囲及びθw≦θ2≦αの角度範囲で変更される。
以下、この回動機構(第1回動機構及び第2回動機構に相当)の構成について詳しく説明する。この図10及び図11の例では、先ず、第1太陽光パネル10の下端縁10edと第2太陽光パネル20の上端縁20euとが、第1連結部の一例としての第1ヒンジ部材14を介して連結されており、これにより互いの間の相対回転が許容されている。また、位置決め用基準面3には、同面3に沿う方向に上下にスライド移動可能にスライダー15aが設けられており、当該スライダー15aには、第2ヒンジ部材15b(スライダー15aと組み合わせられることで「第2連結部」に相当する)を介して第1太陽光パネル10の上端縁10euが互いの間の相対回転を許容されつつ連結されている。更に、位置決め用基準面3には第3ヒンジ部材16がスライド移動不能に固定されており、同第3ヒンジ部材16を介して、第2太陽光パネル20の下端縁20edが相対回転を許容されつつ連結されている。よって、スライダー15aを、電動モータ等の適宜な駆動源で駆動することにより、パネル対G12を第1ヒンジ部材14の位置でV字状に屈曲したり一直線状に延ばしたりすることが可能であり、つまり、このV字状の屈曲角度の変更を通して、第1太陽光パネル10の傾き角度θ1及び第2太陽光パネル20の傾き角度θ2の両者を一斉に変更可能である。例えば、図10に示すようにスライダー15aを下方へ移動すれば、θ1を増加方向に変更するとともにθ2を減少方向に変更することができ、逆に、図11に示すようにスライダー15aを上方へ移動すればθ1を減少方向に変更するとともにθ2を増加方向に変更することができる。
よって、日の出時間帯から南中時間帯への移行時間帯の間に、図11の状態から図10の状態へとスライダー15aを位置決め用基準面3に沿って下方へスライド移動すれば、第1太陽光パネル10の傾き角度θ1を、αからθsへと漸増させることができるとともに、第2太陽光パネル10の傾き角度θ2については、αからθwへと漸減させることができる。また、南中時間帯から日の入り時間帯への移行時間帯の間に、図10の状態から図11の状態へとスライダー15aを上方へスライド移動すれば、第1太陽光パネル10の傾き角度θ1を、θsからαへと漸減させることができるとともに、第2太陽光パネル20の傾き角度θ2については、θwからαへと漸増させることができる。
そして、これにより、日の出時間帯及び日の入り時間帯に対応させて、第1太陽光パネル10及び第2太陽光パネル20を図11の遮光状態にすることができ、また、南中時間帯に対応させて、第1太陽光パネル10及び第2太陽光パネル20を図10の採光状態にすることができる。そして、当該図10の採光状態にあっては、第1太陽光パネル10の傾き角度θ1及び第2太陽光パネル20の傾き角度θ2は、それぞれθs及びθwに設定されているので、夏期及び冬期の両者において高いエネルギー変換効率で発電される。
上記の電動モータ等の駆動源の制御は、例えばコンピュータ等の制御部(不図示)により行われる。制御部は、ハードディスク等の記憶部を有し、また、同記憶部内には、第1及び第2太陽光パネル10,20の回動制御用データとして、年間の全ての日に亘って、日毎に、一日の各時刻にスライダー15aの各位置の設定値を対応付けてなるスライダー位置設定値データが格納されている。そして、このスライダー位置設定値データが有する上記スライダー15aの各位置の設定値は、各時刻に設定されるべき傾き角度θ1,θ2に対応させて予め設定されている。よって、制御部のプロセッサが、かかるデータに基づいて駆動源に回動角度の制御信号を送信することにより、パネル対G12は、上述したような遮光状態と採光状態とを繰り返し行う。すなわち、日の出時間帯には、傾き角度θ1及び傾き角度θ2は、どちらもαに設定されて図11のような遮光状態となり、また、南中時間帯には、傾き角度θ1及び傾き角度θ2は、それぞれθs及びθwに設定されて図10のような採光状態となり、更には、日の入り時間帯には、傾き角度θ1及び傾き角度θ2のどちらもαに設定されて図11のような遮光状態となる。そして、このように動作すれば、前述のように、年間を通して高いエネルギー変換効率で太陽光から電気を生成しつつ、建物内への朝日や夕日を確実に遮光しながらも、日中の採光状態を、年間を通して略一定に維持可能となる。
ちなみに、日の出時間帯と南中時間帯との間に位置する移行時間帯については、傾き角度θ1及び傾き角度θ2を、それぞれ南中時間帯と同値のθs及びθwに固定して設定しても良いし、或いは、時刻の経過と伴に、傾き角度θ1についてはαからθsへと漸増変更するとともに、傾き角度θ2についてはαからθwへと漸減変更しても良い。同様に、南中時間帯と日の入り時間帯との間に位置する移行時間帯については、傾き角度θ1及び傾き角度θ2を、それぞれ南中時間帯と同値のθs及びθwに固定して設定しても良いし、或いは、時刻の経過と伴に、傾き角度θ1についてはθsからαへと漸減変更するとともに、傾き角度θ2についてはθwからαへと漸増変更しても良い。更に、日の入り時間帯から日付変更時刻たる午前0時までの時間帯、及び午前0時から日の出時間帯までの時間帯については、傾き角度θ1及び傾き角度θ2を、そのままαに維持しても良いし、或いは、αよりも大きい角度に変更しても良いが、かかる変更した場合にあっても、日の出時間帯までにはαに戻されることになる。
このような第2態様に係る位置決め用基準面3、つまり略斜面部5の具体例としては、建物の傾斜した外壁面、傾斜した屋根面などが挙げられる。但し、第1態様で述べたのと同様に、位置決め用基準面3は、現実に第1及び第2太陽光パネル10,20を取り付け可能な取り付け対象面3aで無くても良く、つまり現実には存在しない仮想面であっても良い。例えば、図13に示すように、傾斜した窓部のガラス部9よりも屋内側の位置に第1太陽光パネル10,10…及び第2太陽光パネル20,20…を配置する場合には、これら太陽光パネル10,20は、屋内の柱や梁8bに設けられた適宜なステイ部材(不図示)に支持されることもあり得て、そうすると、取り付け対象面3aに相当する構成が存在しなくても良いことになるが、その場合には、位置決め用基準面3を仮想面と考えれば良い。
ところで、図10の例では、かかるパネル対G12,G12…は、位置決め用基準面3上、つまり位置決め用基準面3上における同面3に沿う方向に複数配置されているが、位置決め用基準面3に沿う方向のパネル対G12,G12…の配置ピッチP12は、L1+L2以上の値に設定されていると良い。そして、このように設定すれば、パネル対G12のスライド移動時に、上下に隣り合うパネル対G12,G12同士が干渉することは有効に回避され、これにより、第1太陽光パネル10及び第2太陽光パネル20は円滑に回動動作をすることができる。その結果、これら各太陽光パネル10,20は、遮光状態と採光状態との間を円滑に移行可能となる。
また、上述の図10及び図11の例では、第1太陽光パネル10の上端縁10euに対してスライダー15a及び第2ヒンジ部材15bを設けて同上端縁10euをスライド移動可能に構成するとともに、第2太陽光パネル20の下端縁20edには第3ヒンジ部材16を設けて同下端縁20edをスライド移動不能に構成していたが、何等これに限るものではなく、逆にしても良い。すなわち、第1太陽光パネル10の上端縁10euには第3ヒンジ部材16を設けて同上端縁10euをスライド移動不能に構成するとともに、第2太陽光パネル20の下端縁20edにはスライダー15a及び第2ヒンジ部材15bを設けて同下端縁20edをスライド移動可能に構成しても良い。
<<<第3態様>>>
最後に第3態様について説明する。図14に示す第3態様は、既述のように建物の略水平面部6を位置決め用基準面3としており、換言すると、位置決め用基準面3の傾き角度αが、θs<α<θw+90°の範囲(東京では、78°<α<122°)の任意の値に設定されている。そして、位置決め用基準面3には、複数の第1太陽光パネル10,10…と複数の第2太陽光パネル20,20…とが、ルーバー状に側方方向の内外(南北方向)に並んで配置されている。
ここで、図14及び図15に示すように、第1太陽光パネル10は、側方方向の外端縁10esにて位置決め用基準面3に連結されて片持ち支持されており、つまり、この外端縁10esよりも側方方向の内方に位置する内端縁10enの方が位置決め用基準面3の法線方向の外方に位置して設けられており、これにより、鉛直面Asの下方に対する傾き角度θ1は、θsとαとの間の角度範囲を変更可能とされている。また、第2太陽光パネル20の方も、側方方向の外端縁20esにて位置決め用基準面3に連結されて片持ち支持されており、つまり、この外端縁20esよりも側方方向の内方に位置する内端縁20enの方が位置決め用基準面3の法線方向の外方に位置して設けられており、これにより、鉛直面Asの下方に対する傾き角度θ2は、θwとαとの間の角度範囲を変更可能とされている。
よって、傾き角度αが、θs<α<θw+90°(東京では、78°<α<122°)の条件を満足するような位置決め用基準面3であれば、上記のような構成の第1太陽光パネル10と第2太陽光パネル20とを同位置決め用基準面3に問題無く位置させながら取り付け可能である。詳しく説明すると、先ず、前述したように、位置決め用基準面3は、現実の取り付け対象面3aである場合もあり得る。つまり現実のガラス面9aとして存在する場合もあり得る。すると、αが上記条件を高い側に外れるα≧θw+90°(東京での数値例:α≧122°)の場合において、図16Aに示すように、冬至の南中時の太陽の仰角θwたる冬至仰角θw(東京では、θw=32°)の時に傾き角度θ2がθwに設定されると、第2太陽光パネル20の受光面20aの一部に取り付け対象面3aの影が入ってしまい問題となる。また、αが上記条件を低い側に外れるθs≧α(東京では、78°≧α)の場合には、取り付け対象面3aに第1太陽光パネル10を取り付けようとすると、図16Bに示すように、少なくとも傾き角度θ1が変更可能な角度範囲のうちのθsの時に、第1太陽光パネル10における側方方向の内方部分10sが取り付け対象面3aと干渉してしまい、取り付け困難の問題を生じる。この点につき、上記条件を満足すれば、これらの問題を回避可能である。すなわち、取り付け対象面3aの傾き角度αが、θs<α<θw+90°(東京では、78°<α<122°)の条件を満たせば、取り付け対象面3aの影が第2太陽光パネル20の受光面20aにかかることを回避しつつ、取り付け対象面3aに確実且つ容易に第1太陽光パネル10を取り付け可能となる。
かかる取り付け対象面3aたる位置決め用基準面3には、図14及び図15に示すように複数の第1太陽光パネル10,10…、及び第2太陽光パネル20,20…が設けられている。そして、各太陽光パネル10,20は、それぞれ回動機構によって各パネル10,20の外端縁10es,20esを回転軸として回動可能に構成され、また、同回動機構により、傾き角度θ1及び傾き角度θ2が、それぞれθs≦θ1≦αの角度範囲及びθw≦θ2≦αの角度範囲で変更される。
第1太陽光パネル10用の回動機構(第1回動機構に相当)としては、図14及び図15に示すように、第1太陽光パネル10の外端縁10esを回転軸として当該第1太陽光パネル10を回転可能に支持するヒンジ部材等の軸支部材18と、当該外端縁10es周りに第1太陽光パネル10を回動する電動モータ等の駆動源(不図示)と、駆動源を制御するコンピュータ等の制御部(不図示)と、を例示することができる。
同様に、第2太陽光パネル20用の回動機構(第2回動機構に相当)としては、第2太陽光パネル20の外端縁20esを回転軸として当該第2太陽光パネル20を回転可能に支持するヒンジ部材等の軸支部材28と、当該外端縁20es周りに第2太陽光パネル20を回動する電動モータ等の駆動源(不図示)と、駆動源を制御するコンピュータ等の制御部(不図示)と、を例示することができる。
そして、どちらの制御部にあっても、ハードディスク等の記憶部を有し、また、同記憶部内には、第1太陽光パネル10の回動制御用データとして、年間の全ての日に亘って、日毎に、一日の各時刻に傾き角度θ1の設定値を対応付けてなる傾き角度θ1設定値データが格納されており、同様に、第2太陽光パネル20の回動制御用データとして、年間の全ての日に亘って、日毎に、一日の各時刻に傾き角度θ2の設定値を対応付けてなる傾き角度θ2設定値データが格納されている。よって、制御部のプロセッサが、かかるデータに基づいて駆動源に回動角度の制御信号を送信することにより、傾き角度θ1,θ2の変更が行われる。
例えば、日の出時間帯には、傾き角度θ1及び傾き角度θ2は、どちらもαに設定されて図15のような遮光状態になり、また、南中時時間帯には、傾き角度θ1及び傾き角度θ2は、それぞれθs及びθwに設定されて図14のような採光状態になり、更には、日の入り時間帯には、傾き角度θ1及び傾き角度θ2のどちらもαに設定されて図15のような遮光状態になる。そして、このように動作すれば、前述のように、年間を通して高いエネルギー変換効率で太陽光から電気を生成しつつ、建物内への朝日や夕日を確実に遮光しながらも、日中の採光状態を、年間を通して略一定に維持可能となる。
なお、日の出時間帯と南中時間帯との間に位置する移行時間帯については、傾き角度θ1及び傾き角度θ2を、それぞれ南中時間帯と同値のθs及びθwに固定して設定しても良いし、或いは、時刻の経過と伴に、傾き角度θ1についてはαからθsへと、また傾き角度θ2についてはαからθwへと漸減変更しても良い。同様に、南中時間帯と日の入り時間帯との間に位置する移行時間帯については、傾き角度θ1及び傾き角度θ2を、それぞれ南中時間帯と同値のθs及びθwに固定して設定しても良いし、或いは、時刻の経過と伴に、傾き角度θ1についてはθsからαへと、また傾き角度θ2についてはθwからαへと漸増変更しても良い。更に、日の入り時間帯から日付変更時刻たる午前0時までの時間帯、及び午前0時から日の出時間帯までの時間帯については、傾き角度θ1及び傾き角度θ2を、そのままαに維持しても良いし、或いは、αよりも大きい角度に変更しても良いが、かかる変更した場合にあっても、日の出時間帯までにはαに戻されることになる。
ところで、図14の例では、位置決め用基準面3に、複数の第2太陽光パネル20,20…が設けられており、各第2太陽光パネル20は、それぞれ側方方向に隣り合う第2太陽光パネル20との間に間隔を空けて配置されている。そして、この間隔に関しては、次のように設定すると良い。すなわち、図17に示すように、側方方向に隣り合う第2太陽光パネル20,20同士のうちで、外側の第2太陽光パネル20の外端縁20esと内端縁20enとの間の長さをL2とした場合に、内側の第2太陽光パネル20の外端縁20esが、外側の第2太陽光パネル20の外端縁20esの位置から位置決め用基準面3に沿う方向の内方に距離D2’(=L2/cos(α−θw))以上離れた位置に連結されていると良い。そうすれば、南中時に傾き角度θ2がθwに設定された際の第2太陽光パネル20の影が、側方方向の内側に隣り合う第2太陽光パネル20の受光面20aにかかることを、年間を通じて回避可能となる。詳しくは次の通りである。
先ず、この距離D2’に係るL2/cos(α−θw)という数式は、図17を参照してわかるように、冬至の南中時に位置決め用基準面3上に形成される第2太陽光パネル20の影の長さを表している。そして、この冬至の南中時が、年間の南中時のうちで太陽の高度が最も低いことから、第3態様の如き略水平面部6上に形成される影の場合には、この冬至の南中時の影の長さが、年間の全ての南中時のうちで最長のものとなる。そのため、上記のように第2太陽光パネル20,20同士を距離D2’以上離しておけば、日中に傾き角度θ2がθwに設定された際の第2太陽光パネル20の影が、側方方向の内側に隣り合う第2太陽光パネル20の受光面20aにかかることを、年間の全ての南中時について回避可能となり、結果、内側の第2太陽光パネル20の受光面20aは、年間の全ての南中時に亘ってその外側の第2太陽光パネル20の影の影響から解放される。
なお、図17の例では、第2太陽光パネル20の長さL2は、全ての第2太陽光パネル20に亘り同寸に揃っているため、上記の距離D2’(=L2/cos(α−θw))の値は、全ての第2太陽光パネル20,20…に関して同値となる。そして、図17の例では、全ての第2太陽光パネル20,20…は、距離D2’以上となる所定値P2’を、位置決め用基準面3上の側方方向の配置ピッチとして配置されており、これにより各第2太陽光パネル20,20…は、それぞれ自身よりも外側に位置する第2太陽光パネル20の南中時の影の影響から解放されている。また、上述のように距離D2’以上離間していれば、必然的に長さL2以上離間していることになるので、図15の遮光状態の際に側方方向に隣り合う第2太陽光パネル20,20同士が干渉し合うことも確実に防止される。
他方、位置決め用基準面3には第1太陽光パネル10,10…も設けられている。そして、図17の例では、側方方向に隣り合う第2太陽光パネル20,20同士の間の位置に、第1太陽光パネル10が設けられている。ここで、同位置に第1太陽光パネル10が設けられている理由は、次の通りである。図18Aに示すように、この位置決め用基準面3における第2太陽光パネル20,20同士の間の位置というのは、第2太陽光パネル20のエネルギー変換効率が高い冬期には、第2太陽光パネル20の影が出来やすい部分である。そのため、冬期にはデッドスペースとなる。但し、図18Bに示すように、夏期にあっては、冬期と比べて太陽の高度が高くなることから、第2太陽光パネル20の影は小さくなって当該影が出来難くなる。そのため、夏期に特化した第1太陽光パネル10にあっては、第2太陽光パネル20,20同士の間の位置に配置可能であり、配置すれば、夏期に高いエネルギー変換効率で太陽光を電気に変換して夏期の発電量を増やすことができて、かような理由から、第2太陽光パネル20,20同士の間の位置に第1太陽光パネル10を配置している。
この例では、図17に示すように、側方方向に隣り合う第2太陽光パネル20,20同士の間の位置に、複数の一例として三つの第1太陽光パネル10,10,10が側方方向に整列して配置されているが、何等これに限らず、一つや二つでも良いし、四つ以上でも良い。なお、第1太陽光パネル10を複数設ける場合には、上述の第2太陽光パネル20の場合と同様に、受光面10aへの影の影響が小さくなるように考慮して第1太陽光パネル10,10同士の間の距離が設定されるのが望ましい。
すなわち、図19に示すように、側方方向に隣り合う第1太陽光パネル10,10同士のうちで、側方方向の外側の第1太陽光パネル10の外端縁10esと内端縁10enとの間の長さをL1とした場合に、内側の第1太陽光パネル10の外端縁10esが、外側の第1太陽光パネル10の外端縁10esの位置から位置決め用基準面3に沿う方向の内方に距離D1’(=L1/cos(α−θs))以上離れた位置に連結されていると良い。このようにすれば、日中に傾き角度θ1がθsに設定された際の第1太陽光パネル10の影が、その内方に隣り合う第1太陽光パネル10の受光面10aにかかることを、少なくとも夏至の日の南中時については回避可能となる。詳しくは次の通りである。
先ず、この距離D1’に係るL1/cos(α−θs)という数式は、図19を参照してわかるように、夏至の南中時に位置決め用基準面3上に形成される第1太陽光パネル10の影の長さを表している。そのため、上記のように第1太陽光パネル10,10同士を距離D1’以上離しておけば、日中に傾き角度θ1がθsに設定された際の第1太陽光パネル10の影が、その内方に隣り合う第1太陽光パネル10の受光面10aにかかることを、少なくとも夏至の日の南中時については回避可能となり、結果、同夏至の日の南中時については、内側の第1太陽光パネル10の受光面10aは、その外側の第1太陽光パネル10の影の影響から解放される。
なお、図17の例では、第1太陽光パネル10の長さL1は、全ての第1太陽光パネル10,10…に亘り同寸に揃っているため、上記の距離D1’(=L1/cos(α−θs))の値は、全ての第1太陽光パネル10,10…に関して同値となる。そして、図17の例では、第2太陽光パネル20,20同士の間の各第1太陽光パネル10は、距離D1’以上となる所定値P1’を、位置決め用基準面3上の側方方向の配置ピッチとして配置されており、これにより各第1太陽光パネル10,10…は、それぞれ自身よりも外方に位置する第1太陽光パネル10の影の影響から解放されている。また、上述のように距離D1’以上離間していれば、必然的に長さL1以上離間していることになるので、図15の遮光状態の際に側方方向に隣り合う第1太陽光パネル10,10同士が干渉し合うことも確実に防止される。
また、位置決め用基準面3の面積に余裕が有る場合には、上述の距離D1’を更に拡大して、つまり距離D1’を下式4から得られる値にしても良い。
D1’=L1×cos(α−θs)
+L1×tan(α−θm)×sin(α−θs) … (4)
ここで、かかる式4は、図20に示すように、春分の日又は秋分の日の南中時に位置決め用基準面3上に形成される第1太陽光パネル10の影の長さを示している。そして、この春分の日又は秋分の日の南中時の影の長さは、夏期の南中時のうちで最長である。従って、側方方向の内側の第1太陽光パネル10の外端縁10esを、外側の第1太陽光パネル10の外端縁10esの位置から位置決め用基準面3に沿う方向の内方に、当該距離D1’以上離れた位置に連結すれば、夏期の全ての南中時に亘って、日中に傾き角度θ1がθsに設定された際の第1太陽光パネル10の影が、その側方方向の内方に隣り合う第1太陽光パネル10の受光面10aにかかることを回避可能となる。その結果、夏期に特化した第1太陽光パネル10を有効に使用して夏期の発電量を効果的に増やすことができる。なお、上式4は、図20の幾何学的関係から得ることができる。
ところで、上述のように第1太陽光パネル10を第2太陽光パネル20,20同士の間に配置している場合には、第2太陽光パネル20の影が第1太陽光パネル10の受光面10aにかかる虞や、或いは第1太陽光パネル10の影が第2太陽光パネル20の受光面20aにかかる虞がある。例えば、第2太陽光パネル20の側方方向の内方の隣に第1太陽光パネル10が位置している場合には、第2太陽光パネル20の影が第1太陽光パネル10の受光面10aにかかる虞があり、逆に、第1太陽光パネル10の側方方向の内方の隣に第2太陽光パネル20が位置している場合には、第1太陽光パネル10の影が第2太陽光パネル20の受光面20aにかかる虞がある。
そのため、これら互いに側方方向に隣り合う第1太陽光パネル10と第2太陽光パネルとの位置関係に関しても、同様に受光面10a,20aへの影の影響を考慮して、第1太陽光パネル10と第2太陽光パネル20との間の距離を設定するのが望ましい。以下では、図21Aのように第1太陽光パネル10の内方の隣に第2太陽光パネル20が位置している場合において互いの間で離すべき距離の下限値のことを、「距離D12’」と言い、また図21Bのように第2太陽光パネル20の内方の隣に第1太陽光パネル10が位置している場合において互いの間で離すべき距離の下限値のことを、「距離D21’」と言う。
先ず、図21Aを参照しつつ距離D12’について説明すると、第2太陽光パネル20は冬期に有効に発電すべきである。また、この冬期の南中時において第1太陽光パネル10の影が最長になるのは、冬至の日である。そして、この最長の長さは、幾何学的関係から、前述の式4中の「θm」をθwに置き換えれば得ることができ、当該最長の長さが距離D12’に相当するので、当該距離D12’は下式5で表される。
D12’=L1×cos(α−θs)
+L1×tan(α−θw)×sin(α−θs) … (5)
よって、側方方向の内側の第2太陽光パネル20の外端縁20esが、外側の第1太陽光パネル10の外端縁10esの位置から位置決め用基準面3に沿う方向の内方に距離D12’以上離れた位置に連結されていれば、日中に傾き角度θ1がθsに設定された際の第1太陽光パネル10の影が、その内方に隣り合う第2太陽光パネル20の受光面20aにかかることを、冬期の全ての南中時に亘って回避可能となる。また、上述のように距離D12’以上離間していれば、必然的に長さL1以上離間していることになるので、図15の遮光状態の際に側方方向に隣り合う第1太陽光パネル10と第2太陽光パネル20とが干渉し合うことも確実に防止される。
次に、図21Bを参照しつつ距離D21’について説明すると、第1太陽光パネル10は夏期に有効に発電すべきである。また、この夏期の南中時において第2太陽光パネル20の影が最長になるのは、春分の日或いは秋分の日である。そして、この最長の長さは、前述の式4中の「θs」をθwに置き換えるとともに、同式4中の「L1」をL2に置き換えれば得ることができ、当該最長の長さが距離D21’に相当するので、当該距離D21’は下式6で表される。
D21’=L2×cos(α−θw)
+L2×tan(α−θm)×sin(α−θw) … (6)
よって、内側の第1太陽光パネル10の外端縁10esが、外側の第2太陽光パネル20の外端縁20esの位置から位置決め用基準面3に沿う方向の内方に距離D21’以上離れた位置に連結されていれば、日中に傾き角度θ2がθwに設定された際の第2太陽光パネル20の影が、その内方に隣り合う第1太陽光パネル10の受光面10aにかかることを、夏期の全ての南中時に亘って回避可能となる。また、上述のように距離D21’以上離間していれば、必然的に長さL2以上離間していることになるので、図15の遮光状態の際に側方方向に隣り合う第2太陽光パネル20と第1太陽光パネル10とが干渉し合うことも確実に防止される。
このような第3態様に係る位置決め用基準面3、つまり略水平面部6の具体例としては、建物の水平な屋根面や緩勾配で傾斜した屋根面などが挙げられる。但し、第1態様及び第2態様で述べたのと同様に、位置決め用基準面3は、現実に第1及び第2太陽光パネル10,20を取り付け可能な取り付け対象面3aで無くても良く、つまり現実には存在しない仮想面であっても良い。例えば、全面ガラス張りの建物の如く、屋根部の代用としてガラス板(ガラス部)9が使用されている場合には、図22に示す当該ガラス板9よりも屋内側の位置に第1太陽光パネル10,10…及び第2太陽光パネル20,20…を配置することが想定される。そして、かかる場合には、これら太陽光パネル10,20は屋内の柱や梁8bに設けられた適宜なステイ部材(不図示)に支持されることも有り得て、そうすると、取り付け対象面3aたる位置決め用基準面3に相当する構成が存在しなくても良いことになるが、その場合には、位置決め用基準面3を仮想面と考えれば良い。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
上述の実施形態では、第1太陽光パネル10,10同士の間の位置に第2太陽光パネルが配置されているか、或いは、第2太陽光パネル20,20同士の間の位置に第1太陽光パネル10が配置されていたが、何等これに限るものではなく、第2太陽光パネル20は、第1太陽光パネル10,10同士の間の位置に配置されていなくても良いし、第1太陽光パネル10も、第2太陽光パネル20,20同士の間の位置に配置されていなくても良い。例えば、複数の第1太陽光パネル10,10…が所定ピッチで並んでなる第1太陽光パネル群の隣に、複数の第2太陽光パネル20,20…が所定ピッチで並んでなる第2太陽光パネル群が配置されていても良い。
上述の実施形態では、日の出時間帯及び日の入り時間帯には、第1太陽光パネル10の傾き角度θ1をαに設定し、南中時間帯には、同傾き角度θ1をθsに設定しており、つまり、傾き角度θ1を、αとθsとの間の全域に亘って変更していたが、何等これに限るものではない。例えば、上記よりも狭い角度範囲で変更しても良い。同様に、上述の実施形態では、日の出時間帯及び日の入り時間帯には、第2太陽光パネル20の傾き角度θ2をαに設定し、南中時間帯には、同傾き角度θ2をθwに設定しており、つまり、傾き角度θ2を、αとθwとの間の全域に亘って変更していたが、何等これに限るものではなく、例えば、上記よりも狭い角度範囲で変更しても良い。但し、このような場合にあっても、南中時間帯には、θ2よりもθ1の方が大きな角度値に設定され、また、日の出時間帯及び日の入り時間帯のθ1は、南中時間帯に設定されるθ1よりもαに近い角度値に設定され、更に、日の出時間帯及び日の入り時間帯のθ2は、南中時間帯に設定されるθ2よりもαに近い角度値に設定されるようになっている。そして、このようにした場合も、前述したような効果、つまり、年間を通しての高いエネルギー変換効率の維持する効果と、建物内への朝日や夕日の遮光効果と、日中の採光状態の変化の抑制効果とを得ることができる。
上述の実施形態では、構築物の屋内(内方)に外光を取り入れる採光部の一例として、窓部のガラス部9を示したが、何等これに限るものではない。すなわち、ガラス部9の無い単なる開口部であっても良く、その場合には、当該開口部の開口面が、採光面となる。
上述の実施形態の第1態様では、傾き角度αがθs−90°<α<θwの範囲の位置決め用基準面3に第1、第2太陽光パネル10,20を取り付けた場合の一例として、図1Aの如き構成、つまり第1太陽光パネル10の上端縁10eu及び第2太陽光パネル20の上端縁20euをそれぞれ位置決め用基準面3に連結した構成を示していたが、何等これに限るものではない。例えば、図10で既述の断面V字状のパネル対G12の如き構成を、第1態様に係る傾き角度αの範囲(θs−90°<α<θw)の位置決め用基準面3に取り付けても良い。詳しくは、図23の概略側面図に示すように、第1太陽光パネル10の上端縁10euを、ヒンジ部材等の軸支部材12を介して回転可能に位置決め用基準面3に連結するとともに、同第1太陽光パネル10の下端縁10euを、ヒンジ部材31を介して第2太陽光パネル20の上端縁20euに回転可能に連結し、これにより、パネル対G12の下端縁20edたる第2太陽光パネルの下端縁20edが位置決め用基準面3から離間可能にパネル対G12を形成しても良い。そして、かかる構成の場合には、パネル対G12を駆動すべく、更に、第1太陽光パネル10を軸支部材12周りに回動する電動モータ等の駆動源(不図示)と、第2太陽光パネル20をヒンジ部材31周りに回動する電動モータ等の駆動源(不図示)と、これら駆動源を制御するコンピュータ等の制御部(不図示)とが設けられ、これにより、第1太陽光パネル10は、α≦θ1≦θsの角度範囲で回動可能とされ、また第2太陽光パネル20は、α≦θ2≦θwの角度範囲で回動可能とされる。ちなみに、傾き角度θ1及び傾き角度θ2の両者がαに設定された場合には、パネル対G12の第1太陽光パネル10及び第2太陽光パネル20は、どちらも位置決め用基準面3に沿った状態、つまりガラス部9のガラス面9aと平行な状態となってガラス部9は遮光状態にされる。他方、図23のように、傾き角度θ1及び傾き角度θ2が、それぞれθs及びθwに設定された場合には、採光状態となり、かかる採光状態にあっては、夏期に第1太陽光パネル10が高いエネルギー変換効率で発電し、冬期には第2太陽光パネル20が高いエネルギー変換効率で発電する。
上述の実施形態の第3態様では、傾き角度αがθs<α<θw+90°の範囲の位置決め用基準面3に第1及び第2太陽光パネル10,20を取り付けた場合の一例として、図14の如き構成、つまり第2太陽光パネル20の外端縁20es及び第1太陽光パネル10の外端縁10esをそれぞれ位置決め用基準面3に連結した構成を示していたが、何等これに限るものではない。例えば、図10で既述の断面V字状のパネル対G12の如き構成を、図24の概略側面図に示すように、第3態様に係る傾き角度αの範囲(θs<α<θw+90°)の位置決め用基準面3に取り付けても良い。詳しくは、図24の概略側面図に示すように、第2太陽光パネル10の外端縁20esを、ヒンジ部材等の軸支部材13を介して回転可能に位置決め用基準面3に連結するとともに、同第2太陽光パネル20の内端縁20enを、ヒンジ部材32を介して第1太陽光パネル10の外端縁10esに回転可能に連結し、これにより、パネル対G12の内端縁10enたる第1太陽光パネルの内端縁10enが、位置決め用基準面3から離間可能にパネル対G12を形成しても良い。そして、かかる構成の場合には、パネル対G12を駆動すべく、更に、第2太陽光パネル20を軸支部材13周りに回動する電動モータ等の駆動源(不図示)と、第1太陽光パネル10をヒンジ部材32周りに回動する電動モータ等の駆動源(不図示)と、これら駆動源を制御するコンピュータ等の制御部(不図示)とが設けられ、これにより、第2太陽光パネル10は、θw≦θ2≦αの角度範囲で回動可能とされ、また第1太陽光パネル10は、θs≦θ1≦αの角度範囲で回動可能とされる。
上述の実施形態の第2態様では、傾き角度αがθw<α<θsの範囲の位置決め用基準面3に第1及び第2太陽光パネル10,20を取り付けた場合の一例として、図10のようなパネル対G12を示し、パネル対G12の両端縁10eu,20edをそれぞれ位置決め用基準面3に連結し、支持安定性の向上を図っていたが、何等これに限るものではない。
例えば、図25及び図26に示すように、パネル対G12の両端縁10eu,20edのうちの何れか一方の端縁10eu(20ed)のみを、ヒンジ部材等の軸支部材12(13)を介して位置決め用基準面3に連結し、他方の端縁20ed(10eu)を位置決め用基準面3から離間可能に構成しても良い。図25の例では、上端縁10euを連結して下端縁20edを離間可能としており、図26の例では、逆に下端縁20edを連結して上端縁10euを離間可能としている。そして、このようにすれば、支持安定性は悪くなるが、意匠的に面白いものとなる。なお、言うまでもないが、これら図25及び図26の何れの場合も、第1太陽光パネル10の下端縁10edと第2太陽光パネル20の上端縁20euとは、ヒンジ部材14を介して相対回転可能に連結されている。そして、かかる構成の場合には、パネル対G12を駆動すべく、更に、第1太陽光パネル10を回動する電動モータ等の駆動源(不図示)と、第2太陽光パネル20を回動する電動モータ等の駆動源(不図示)と、これら駆動源を制御するコンピュータ等の制御部(不図示)とが設けられ、これにより、第1太陽光パネル10は、α≦θ1≦θsの角度範囲で回動可能とされ、また第2太陽光パネル20は、θw≦θ2≦αの角度範囲で回動可能とされる。
更に、上述の実施形態の第2態様では、図10に示すように第1太陽光パネル10の下端縁10edと第2太陽光パネル10の上端縁20euとが連結されてパネル対G12をなしていたが、何等これに限るものではなく、連結されていなくても良い。すなわち、図27の概略側面図の例では、第1太陽光パネル10の下端縁10edと第2太陽光パネル20の上端縁20euとが連結されておらず、互いの間に距離を隔てて設けられているが、このようにしても良い。但し、この非連結構成においても、前述のパネル対G12の場合と同様に、第1太陽光パネル10と第2太陽光パネル20とを位置決め用基準面3に沿う方向の上下に交互に並べて配置することは可能であり(図27を参照)、当該構成によれば、上下に隣り合う第1太陽光パネル10と第2太陽光パネル20との両者で一組のパネル組G12’と考えた場合に、当該パネル組G12’は、図27に示すように断面ハ字形状を呈し、意匠的に面白いものとなる。
なお、この図27の例では、第1太陽光パネル10の上端縁10euがヒンジ部材等の軸支部材12を介して回転可能に位置決め用基準面3に連結され、また、第2太陽光パネル20の下端縁20edがヒンジ部材等の軸支部材13を介して回転可能に位置決め用基準面3に連結されている。そして、かかる構成の場合には、パネル組G12’を駆動すべく、更に、第1太陽光パネル10を軸支部材12周りに回動する電動モータ等の駆動源(不図示)と、第2太陽光パネル20を軸支部材13周りに回動する電動モータ等の駆動源(不図示)と、これら駆動源を制御するコンピュータ等の制御部(不図示)とが設けられ、これにより、第1太陽光パネル10は、α≦θ1≦θsの角度範囲で回動可能とされ、また第2太陽光パネル20は、θw≦θ2≦αの角度範囲で回動可能とされる。
3 位置決め用基準面、3a 取り付け対象面、
4 略鉛直面部、5 略斜面部、6 略水平面部、
8a 柱、8b 梁、9 ガラス板(ガラス部、採光部)、9a ガラス面(採光面)、
10 第1太陽光パネル(第1太陽光部材)、10a 受光面、
10eu 上端縁、10ed 下端縁、10es 外端縁、10en 内端縁、
10s 内方部分、
12 軸支部材、13 軸支部材、
14 第1ヒンジ部材(第1連結部)、
15a スライダー(第2連結部)、15b 第2ヒンジ部材(第2連結部)、
16 第3ヒンジ部材(第3連結部)、
18 軸支部材、
20 第2太陽光パネル(第2太陽光部材)、20a 受光面、
20eu 上端縁、20ed 下端縁、20es 外端縁、20en 内端縁、
20d 下部、
22 軸支部材、28 軸支部材、
31 ヒンジ部材、32 ヒンジ部材、
G12 パネル対(太陽光部材対)、
G12’ パネル組、
As 鉛直面、

Claims (9)

  1. 構築物が外部に具備する採光部の採光面に近接配置された複数の太陽光部材を有し、前記太陽光部材が、受光面で太陽光を受光することにより発電する太陽光発電装置において、
    夏至の南中時における太陽の南方に対する仰角を夏至仰角θsとし、冬至の南中時における太陽の南方に対する仰角を冬至仰角θwとした場合であって、鉛直面の下方に対する前記採光部の採光面の傾き角度がαの場合に、
    前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ1を、前記θsと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第1太陽光部材と、
    前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ2を、前記θwと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第2太陽光部材と、
    前記第1太陽光部材を回動する第1回動機構と、
    前記第2太陽光部材を回動する第2回動機構と、を有し、
    前記第1回動機構は、年間の各日に対して南中時を含む所定時間帯に亘り、前記傾き角度θ1を前記θsに設定するとともに、年間の各日に対して日の出を含む所定時間帯に亘り、及び日の入りを含む所定時間帯に亘り、前記傾き角度θ1を前記αに設定し、
    前記第2回動機構は、年間の各日に対して南中時を含む所定時間帯に亘り、前記傾き角度θ2を前記θwに設定するとともに、年間の各日に対して日の出を含む所定時間帯に亘り、及び日の入りを含む所定時間帯に亘り、前記傾き角度θ2を前記αに設定することを特徴とする太陽光発電装置。
  2. 構築物が外部に具備する採光部の採光面に近接配置された複数の太陽光部材を有し、前記太陽光部材が、受光面で太陽光を受光することにより発電する太陽光発電装置において、
    夏至の南中時における太陽の南方に対する仰角を夏至仰角θsとし、冬至の南中時における太陽の南方に対する仰角を冬至仰角θwとした場合であって、鉛直面の下方に対する前記採光部の採光面の傾き角度がαの場合に、
    前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ1を、前記θsと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第1太陽光部材と、
    前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ2を、前記θwと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第2太陽光部材と、
    前記第1太陽光部材を回動する第1回動機構と、
    前記第2太陽光部材を回動する第2回動機構と、を有し、
    前記鉛直面の下方に対する前記採光面の傾き角度αに関して、該採光面が前記鉛直面の下方と平行な状態を0°(α=0°)と定義し、該採光面における上端位置よりも下端位置の方が、前記鉛直面の法線方向に沿う側方方向の外方に位置するような傾き状態を正値(α>0)と定義した場合に、
    前記傾き角度αは、前記夏至仰角θs−90°よりも大きく前記冬至仰角θwよりも小さい範囲(θs−90°<α<θw)の任意の角度に設定されており、
    前記第1太陽光部材の上端縁及び前記第2太陽光部材の上端縁は、前記採光面と平行な平面を位置決め用基準面として当該位置決め用基準面上に配置され、
    前記第1太陽光部材の上端縁よりも下端縁の方が、前記位置決め用基準面の法線方向の外方に位置して設けられ、
    前記第2太陽光部材の上端縁よりも下端縁の方が、前記位置決め用基準面の法線方向の外方に位置して設けられており、
    前記第1太陽光部材は、前記位置決め用基準面上に上下方向に並んで複数設けられているとともに、複数の前記第1太陽光部材は、それぞれ、その上端縁にて前記位置決め用基準面上に連結されており、
    上下方向に隣り合う前記第1太陽光部材同士のうちで、上側の第1太陽光部材の上端縁と下端縁との間の長さがL1である場合に、
    下側の第1太陽光部材の上端縁は、前記上側の第1太陽光部材の上端縁の位置から前記位置決め用基準面に沿う方向の下方にL1/cos(θs−α)以上離れた位置に連結されていることを特徴とする太陽光発電装置。
  3. 構築物が外部に具備する採光部の採光面に近接配置された複数の太陽光部材を有し、前記太陽光部材が、受光面で太陽光を受光することにより発電する太陽光発電装置において、
    夏至の南中時における太陽の南方に対する仰角を夏至仰角θsとし、冬至の南中時における太陽の南方に対する仰角を冬至仰角θwとした場合であって、鉛直面の下方に対する前記採光部の採光面の傾き角度がαの場合に、
    前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ1を、前記θsと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第1太陽光部材と、
    前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ2を、前記θwと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第2太陽光部材と、
    前記第1太陽光部材を回動する第1回動機構と、
    前記第2太陽光部材を回動する第2回動機構と、を有し、
    前記鉛直面の下方に対する前記採光面の傾き角度αに関して、該採光面が前記鉛直面の下方と平行な状態を0°(α=0°)と定義し、該採光面における上端位置よりも下端位置の方が、前記鉛直面の法線方向に沿う側方方向の外方に位置するような傾き状態を正値(α>0)と定義した場合に、
    前記傾き角度αは、前記夏至仰角θs−90°よりも大きく前記冬至仰角θwよりも小さい範囲(θs−90°<α<θw)の任意の角度に設定されており、
    前記第1太陽光部材の上端縁及び前記第2太陽光部材の上端縁は、前記採光面と平行な平面を位置決め用基準面として当該位置決め用基準面上に配置され、
    前記第1太陽光部材の上端縁よりも下端縁の方が、前記位置決め用基準面の法線方向の外方に位置して設けられ、
    前記第2太陽光部材の上端縁よりも下端縁の方が、前記位置決め用基準面の法線方向の外方に位置して設けられており、
    前記第2太陽光部材は、前記位置決め用基準面上に上下方向に並んで複数設けられているとともに、複数の前記第2太陽光部材は、それぞれ、その上端縁にて前記位置決め用基準面上に連結されており、
    上下方向に隣り合う前記第2太陽光部材同士のうちで、上側の第2太陽光部材の上端縁と下端縁との間の長さがL2である場合に、
    下側の第2太陽光部材の上端縁は、前記上側の第2太陽光部材の上端縁の位置から前記位置決め用基準面に沿う方向の下方にL2/cos(θw−α)以上離れた位置に連結されていることを特徴とする太陽光発電装置。
  4. 請求項2又は3に記載の太陽光発電装置であって、
    上下方向に隣り合う前記第1太陽光部材同士の間に、前記第2太陽光部材が配置されていることを特徴とする太陽光発電装置。
  5. 構築物が外部に具備する採光部の採光面に近接配置された複数の太陽光部材を有し、前記太陽光部材が、受光面で太陽光を受光することにより発電する太陽光発電装置において、
    夏至の南中時における太陽の南方に対する仰角を夏至仰角θsとし、冬至の南中時における太陽の南方に対する仰角を冬至仰角θwとした場合であって、鉛直面の下方に対する前記採光部の採光面の傾き角度がαの場合に、
    前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ1を、前記θsと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第1太陽光部材と、
    前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ2を、前記θwと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第2太陽光部材と、
    前記第1太陽光部材を回動する第1回動機構と、
    前記第2太陽光部材を回動する第2回動機構と、を有し、
    前記鉛直面に対する前記採光面の傾き角度αに関して、該採光面が前記鉛直面と平行な状態を0°(α=0°)と定義し、該採光面における上端位置よりも下端位置の方が、前記鉛直面の法線方向に沿う側方方向の外方に位置するような傾き状態を正値(α>0)と定義した場合に、
    前記傾き角度αは、前記夏至仰角θsよりも大きく前記冬至仰角θw+90°よりも小さい範囲(θs<α<θw+90°)の任意の角度に設定されており、
    前記第1太陽光部材の前記側方方向の外端縁及び前記第2太陽光部材の前記側方方向の外端縁は、前記採光面と平行な平面を位置決め用基準面として当該位置決め用基準面上に配置され、
    前記第1太陽光部材の前記側方方向の外端縁よりも前記側方方向の内端縁の方が、前記採光面の法線方向の外方に位置して設けられ、
    前記第2太陽光部材の前記側方方向の外端縁よりも前記側方方向の内端縁の方が、前記採光面の法線方向の外方に位置して設けられており、
    前記第2太陽光部材は、前記位置決め用基準面上に前記側方方向に並んで複数設けられているとともに、複数の前記第2太陽光部材は、それぞれ、その外端縁にて前記位置決め用基準面上に連結されており、
    前記側方方向に隣り合う前記第2太陽光部材同士のうちで、前記側方方向の外側の第2太陽光部材の外端縁と内端縁との間の長さがL2である場合に、
    前記側方方向の内側の第2太陽光部材の外端縁は、前記外側の第2太陽光部材の外端縁の位置から前記位置決め用基準面に沿う方向の内方にL2/cos(α−θw)以上離れた位置に連結されていることを特徴とする太陽光発電装置。
  6. 構築物が外部に具備する採光部の採光面に近接配置された複数の太陽光部材を有し、前記太陽光部材が、受光面で太陽光を受光することにより発電する太陽光発電装置において、
    夏至の南中時における太陽の南方に対する仰角を夏至仰角θsとし、冬至の南中時における太陽の南方に対する仰角を冬至仰角θwとした場合であって、鉛直面の下方に対する前記採光部の採光面の傾き角度がαの場合に、
    前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ1を、前記θsと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第1太陽光部材と、
    前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ2を、前記θwと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第2太陽光部材と、
    前記第1太陽光部材を回動する第1回動機構と、
    前記第2太陽光部材を回動する第2回動機構と、を有し、
    前記鉛直面に対する前記採光面の傾き角度αに関して、該採光面が前記鉛直面と平行な状態を0°(α=0°)と定義し、該採光面における上端位置よりも下端位置の方が、前記鉛直面の法線方向に沿う側方方向の外方に位置するような傾き状態を正値(α>0)と定義した場合に、
    前記傾き角度αは、前記夏至仰角θsよりも大きく前記冬至仰角θw+90°よりも小さい範囲(θs<α<θw+90°)の任意の角度に設定されており、
    前記第1太陽光部材の前記側方方向の外端縁及び前記第2太陽光部材の前記側方方向の外端縁は、前記採光面と平行な平面を位置決め用基準面として当該位置決め用基準面上に配置され、
    前記第1太陽光部材の前記側方方向の外端縁よりも前記側方方向の内端縁の方が、前記採光面の法線方向の外方に位置して設けられ、
    前記第2太陽光部材の前記側方方向の外端縁よりも前記側方方向の内端縁の方が、前記採光面の法線方向の外方に位置して設けられており、
    前記第1太陽光部材は、前記位置決め用基準面上に前記側方方向に並んで複数設けられているとともに、複数の前記第1太陽光部材は、それぞれ、その外端縁にて前記位置決め用基準面に連結されており、
    前記側方方向に隣り合う前記第1太陽光部材同士のうちで、前記側方方向の外側の第1太陽光部材の外端縁と内端縁との間の長さがL1である場合に、
    前記側方方向の内側の第1太陽光部材の外端縁は、前記外側の第1太陽光部材の外端縁の位置から前記位置決め用基準面に沿う方向の内方にL1/cos(α−θs)以上離れた位置に連結されていることを特徴とする太陽光発電装置。
  7. 請求項5又は6に記載の太陽光発電装置であって、
    前記側方方向に隣り合う前記第2太陽光部材同士の間に、前記第1太陽光部材が配置されていることを特徴とする太陽光発電装置。
  8. 構築物が外部に具備する採光部の採光面に近接配置された複数の太陽光部材を有し、前記太陽光部材が、受光面で太陽光を受光することにより発電する太陽光発電装置において、
    夏至の南中時における太陽の南方に対する仰角を夏至仰角θsとし、冬至の南中時における太陽の南方に対する仰角を冬至仰角θwとした場合であって、鉛直面の下方に対する前記採光部の採光面の傾き角度がαの場合に、
    前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ1を、前記θsと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第1太陽光部材と、
    前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ2を、前記θwと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第2太陽光部材と、
    前記第1太陽光部材を回動する第1回動機構と、
    前記第2太陽光部材を回動する第2回動機構と、を有し、
    前記第一太陽光部材の一方の端縁と前記第二太陽光部材の一方の端縁が連結され、
    前記採光面と平行な平面を位置決め用基準面として当該位置決め用基準面に、前記第一太陽光部材の他方の端縁と前記第二太陽光部材の他方の端縁のうちの一方が固定され、他方が前記位置決め用基準面から浮いて離間可能であることを特徴とする太陽光発電装置。
  9. 構築物が外部に具備する採光部の採光面に近接配置された複数の太陽光部材を有し、前記太陽光部材が、受光面で太陽光を受光することにより発電する太陽光発電装置において、
    夏至の南中時における太陽の南方に対する仰角を夏至仰角θsとし、冬至の南中時における太陽の南方に対する仰角を冬至仰角θwとした場合であって、鉛直面の下方に対する前記採光部の採光面の傾き角度がαの場合に、
    前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ1を、前記θsと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第1太陽光部材と、
    前記鉛直面の下方に対する受光面の傾き角度θ2を、前記θwと前記αとの間の角度範囲で変更可能なように、前記受光面と一体となって回動可能に設けられた第2太陽光部材と、
    前記第1太陽光部材を回動する第1回動機構と、
    前記第2太陽光部材を回動する第2回動機構と、を有し、
    前記第一太陽光部材の一方の端縁と前記第二太陽光部材の一方の端縁が、連結され、かつ、前記採光面と平行な平面を位置決め用基準面として当該位置決め用基準面に固定され、
    前記第一太陽光部材の他方の端縁と前記第二太陽光部材の他方の端縁が前記位置決め用基準面から浮いて離間可能であることを特徴とする太陽光発電装置。
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