JP6002851B2 - マーク位置測定装置及び方法、リソグラフィ装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents

マーク位置測定装置及び方法、リソグラフィ装置、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
[0001] 本出願は、2012年10月10日出願の米国仮出願第61/712,147号の利益を主張し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
[0002] 本発明は、マーク位置測定装置及び方法に関する。本発明はさらに、このようなマーク位置測定装置を備えるリソグラフィ装置、及びマーク位置測定方法を用いたデバイスの製造方法に関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが与えられる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0004] デバイスフィーチャを基板上に正確に配置するリソグラフィプロセスを制御するため、一般に基板上にアライメントマークが設けられ、リソグラフィ装置は、基板上のマーク位置を正確に測定するための1つ以上のアライメントセンサを含んでいる。アライメントセンサは、実際には位置測定装置である。様々な時期及び様々な製造業者から異なるタイプのマーク、及び異なるタイプのアライメントセンサが知られている。現在のリソグラフィ装置で使用されているタイプのセンサは、その内容全体が本明細書に組み込まれる米国特許US6,961,116号に記載されている自己参照干渉計に基づいている。一般的に、マークはX及びY位置を得るために別個に測定される。その内容全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開US2009/195768号に記載されている技術を用いてXとYの組合せ測定を行うことができる。
[0005] 多波長放射を用いてマークが照明される開発が既になされているが、波長及び対応する偏光の数を増大することが望まれる。しかしながら、固定偏光を有する複数の光源を使用することは、波長と偏光の数を増大するための魅力的な選択肢ではない。
[0006] 固定偏光を有する複数の光源を使用するための解決策は、放射処理デバイスと共に白色光レーザなどの広帯域照明源を使用することであり、特に放射が放射処理デバイスに供給される位置が放射処理デバイスから出る放射の偏光状態を決定する。その場合、2012年4月12日に出願された米国特許出願第61/623,391号に記載されているように、放射供給位置を切り換えることにより偏光の切り換えが実現される。これには、各々のマークを二度スキャンするか、又はスキャン中に迅速に偏光を切り換えることが含まれる。両方の解決策とも満足できないことがある。
[0007] 多偏光を有する多波長放射を好適に使用できる、例えば位置測定装置、例えばアライメントセンサをリソグラフィ装置に備えることが望ましい。
[0008] 本発明のある実施形態によれば、マークの位置を測定する装置であって、
装置の瞳を横切って照明プロファイルを有する放射を向けるための照明アレンジメントと、
マークを横切る放射をスキャン方向にスキャンしつつ、照明アレンジメントにより供給される放射を用いて放射をマーク上に向けるための対物レンズと、
マークにより回折され、対物レンズにより受光される放射を処理するための放射処理要素と、
スキャン中に放射処理要素により出力される放射強度の変化を検出し、検出された変化から少なくとも測定の第1の方向でのマークの位置を計算するための検出アライメントとを備える装置が提供され、
照明アライメントは、実質的に等しい偏光の多波長放射を提供するための照明源を備え、
照明アライメントは、異なる偏光の放射が対物レンズに供給されるように、波長に応じて放射の偏光を変更するための波長板をさらに備える。
[0009] 本発明のある実施形態によれば、マークが少なくとも第1の方向に周期フィーチャを備える、基板上のマークの位置を測定する方法であって、
実質的に等しい偏光の多波長放射を提供することと、
波長に応じて放射の偏光を変更することと、
マークを異なる偏光を有する放射で照明し、対物レンズを経てマークにより回折される放射を受光することと、
回折された放射を放射処理要素内で処理することと、
マークを放射でスキャンしつつ、放射処理要素により出力された放射の強度変化を検出することと、
検出された変化から、少なくとも測定の第1の方向でのマークの位置を計算することとを含む方法が提供される。
[0010] 本発明のある実施形態によれば、パターンをパターニングデバイスから基板へと転写するリソグラフィ装置であって、装置が、基板を保持する基板テーブルと、リソグラフィ装置の基準フレームに対するマークの位置を測定するアライメントセンサとを備え、アライメントセンサが、本明細書に記載の測定装置を備え、リソグラフィ装置が、測定装置を用いて測定されるマークの位置を参照して基板へのパターンの転写を制御するように配置されるリソグラフィ装置が提供される。
[0011] 本発明のある実施形態によれば、リソグラフィプロセスを用いてパターンがパターニングデバイスから基板へと転写されるデバイス製造方法であって、基板へのパターンの転写が、本明細書に記載の方法を用いて測定されたマークの位置を参照して制御される方法が提供される。
[0012] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
[0013]本発明の実施形態によるリソグラフィ装置を示す。 [0014]図2(a)及び図2(b)は、例えば図1の装置内の基板上に設けてもよいアライメントマークの様々な形態を示す。 [0015]図1の装置内のアライメントマークを操作する本発明の実施形態によるアライメントセンサの概略ブロック図である。 [0016]ある厚さの波長板により誘発される波長の関数としての移相の例を示す。 [0017]本発明の実施形態による軸外照明を実施する位置測定装置の概略図を示す。 [0018]様々な軸外照明プロファイルを示す。 [0019]マークの格子線に対する偏光が異なるX方向マークの位置を読み取るため、及びカークの非対称性情報を得るための図5の装置の動作を示す。 [0019]マークの格子線に対する偏光が異なるX方向マークの位置を読み取るため、及びカークの非対称性情報を得るための図5の装置の動作を示す。 [0019]マークの格子線に対する偏光が異なるX方向マークの位置を読み取るため、及びカークの非対称性情報を得るための図5の装置の動作を示す。
[0020] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
[0021] 放射ビームB(例えばUV放射又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
[0022] パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
[0023] 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTa又はWTbと、
[0024] パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを備える。
[0025] 照明システムは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型等の光学コンポーネント、又はそれらの任意の組合せなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0026] 支持構造は、パターニングデバイスを支持、すなわちその重量を支えている。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械式、真空式、静電式等のクランプ技術を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0027] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0028] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0029] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折型光学システム、反射型光学システム、反射屈折型光学システム、磁気型光学システム、電磁型光学システム及び静電型光学システム、又はそれらの任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0030] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0031] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。図1の例の2つの基板テーブルWTa及びWTbはこの例示である。本明細書に開示された本発明は自立して使用できるが、本発明は特にシングル又はマルチステージ装置の露光前測定ステージに追加の機能を提供できる。
[0032] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
[0033] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDを用いて、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0034] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調整することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0035] 放射ビームBは、支持体構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2の位置決めデバイスPWと位置センサIFの形態の第1の位置測定システム(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)を用いて、基板テーブルWTa/WTbは、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めできるように正確に移動できる。同様に、第1の位置決めデバイスPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。一般に、支持体構造MTの移動は、第1の位置決めデバイスPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持体構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。同様に、基板テーブルWTa/WTbの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブレーンアライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0036] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0037] ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTa/WTbは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTa/WTbがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0038] スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTa/WTbは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTa/WTbの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分Cの(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分Cの(スキャン方向における)高さが決まる。
[0039] 別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTa/WTbを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTa/WTbを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0040] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0041] リソグラフィ装置LAは、2つのテーブルWTa及びWTbと、両者間でテーブルを交換できる2つのステーション(露光ステーション及び測定ステーション)とを有する、いわゆるデュアルステージタイプの装置である。例えば、一方の基板テーブル上の一方の基板が露光ステーションで露光されている間に、測定ステーションで他方の基板を他方の基板テーブル上に装着できるため、様々な予備工程を実行できる。ある実施形態では、一方のテーブルが基板テーブルであり、他方のテーブルが1つ以上のセンサを含む測定テーブルである。レベルセンサLSを使用して基板表面をマッピングし、及び/又は例えばアライメントセンサASを使用して基板上に1つ以上のアライメントマーカの位置を測定するなどの予備工程を測定ステーションで実行してもよい。このような予備工程により、装置のスループットを実質的に高めることが可能になる。テーブルが測定ステーション、及び露光ステーションにある間に位置センサIFがテーブルの位置を測定できない場合は、テーブル位置を両方のステーションで追跡できるように第2の位置センサを備えてもよい。
[0042] 装置はさらに、上述した様々なアクチュエータ及びセンサの移動及び測定を制御するリソグラフィ装置制御ユニットLACUを含んでいる。制御ユニットLACUはまた、装置の動作に関する所望の計算を行うための信号処理及びデータ処理能力も含んでいる。実際には、制御ユニットLACUは、各々がリアルタイムのデータ収集、装置内のサブシステム又はコンポーネントの処理及び制御を担う多くのサブユニットのシステムとして実現されてもよい。例えば、1つの処理サブシステムをポジショナPWのサーボ制御専用にしてもよい。さらには、別個のユニットが粗動及び微動アクチュエータ、又は異なる軸にも対処してもよい。他のユニットは位置センサIFの読み取り専用であってもよい。装置の全体的な制御は、これらのサブシステム処理ユニット、オペレータ、及びリソグラフィ装置の製造プロセスに関わるその他の装置と通信する中央処理ユニットによって制御される。
[0043] 図2(a)は、X位置とY位置をそれぞれ測定するために基板W上に設けられたアライメントマーク202、204の例を示す。この例の各マークは、例えば基板に施され、又は基板内にエッチングされた製品層又は他の層内に形成された一連のバーを含んでいる。バーは規則的な間隔を隔て、マークを既知の空間的周期(ピッチ)を有する回折格子として認識できるように格子線として機能する。X方向のマーク202上のバーは、X方向の周期性を与えるためにY軸と実質的に平行であり、一方、Y方向のマーク204はY方向の周期性を与えるためにX軸と実質的に平行である。アライメントセンサAS(図1に示す)は、正弦波などの周期的に変化する信号を得るために放射のスポット206、208で各マークを光学的にスキャンする。それ自体は装置の基準フレームRFに対して固定されたアライメントセンサに対するマークの位置、それ故、例えば基板Wの位置を測定するために、この信号の位相が分析される。スキャン運動は幅広い矢印により概略的に示されており、スポット206又は208の前進位置は点線の輪郭線で示されている。アライメントパターン内のバー(格子線)のピッチは通常は、基板上に形成される製品フィーチャのピッチよりも大幅に広く、アライメントセンサASは、基板上にパターンを与えるために使用される露光放射よりも大幅に長い放射波長(又は通常は複数の波長)を使用する。より多数のバーにより反復信号の位相を正確に測定できるため、精密な位置情報を得ることができる。
[0044] アライメントセンサが周期信号の異なるサイクル、及びサイクル内の正確な位置(位相)を識別できるように粗マークと微細マークとを設けてもよい。その目的のため、異なるピッチのマークを使用することもできる。これらの技術は当業者には公知であり、本明細書には記載しない。このようなセンサの設計と動作は当技術分野で公知であり、各リソグラフィ装置のセンサは独自の設計のものでよい。本明細書に関しては、アライメントセンサASは一般に、内容全体が参照として本明細書に組み込まれる米国特許第6,961,116号の形態のものと想定される。図2(b)は、X及びY位置が照明スポット206による単一の光学的スキャンにより得られる同様のアライメントシステムで使用するための修正されたマークを示している。マーク210は、X方向とY方向の双方に対して実質的に45°の角度で配置されたバーを有している。このXとYの組合せ測定は、内容全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開US2009/195768号に記載の技術を用いて行うことができる。
[0045] 図3は、本発明の実施形態によるアライメントセンサASの概略ブロック図である。照明源220は、スポットミラー223により対物レンズ224を経て例えば基板W上に位置するマーク202などのマークへと方向転換されるある特定の偏光の多波長放射のビーム222を提供する。図2に概略的に示すように、上記米国特許第6,961,116号に基づくこのアライメントセンサの例では、マーク202を照明するために照明スポット206の幅(例えば直径)は、マーク自体の幅よりもやや狭い。
[0046] 多波長放射がスポットミラー223により対物レンズ224へと方向転換される前に、多波長放射は偏光が異なる放射が供給されるように、波長に応じて放射の偏光を変えるために波長板WPを通過する。照明源及び波長板は照明装置の一部でもよい。
[0047] あるいはリターダと呼ばれてもよい波長板は、望ましくは例えば結晶の形態の少なくとも1つの複屈折材料から構築され、波長板を通って進行する放射の方向が異なるとその屈折率は異なる。波長板の挙動は波長板の厚さ、波長板を通って進行する放射の波長、及び屈折率の変化に左右される。波長板は、放射の実質的に垂直な2つの偏光成分を移相することにより動作する。
[0048] 図4は、波長の関数として波長板による偏光の例を示している。入射する多波長放射がある一定の偏光状態にあると、図4に示すように波長板は各波長ごとに異なる移相を引き起こす。それによって偏光は波長の関数として周期的になる。この例では、図4の最大偏光はs型偏光と呼ばれる直線偏光に対応し、図4の最小偏光はp型偏光と呼ばれる直線偏光に対応し、p型偏光はs型偏光と直交している。最大偏光と最小偏光との間では偏光状態は楕円形又は円形になる。したがって、波長板により、波長がλ1、λ3、λ5及びλ7の放射はs型偏光を有する対物レンズに供給され、波長がλ2、λ4、λ6及びλ8の放射はp型偏光を有する対物レンズに供給される。上記直線偏光された波長間の波長を有する放射は、楕円形又は円形の偏光を有する対物レンズに供給される。装置は、少なくとも第1の方向で周期フィーチャを含むマークの位置を測定するように構成されてもよく、p型又はs型偏光の一方は第1の方向と実質的に平行であり、p型又はs型偏光の他方は第1の方向に対して実質的に垂直である。p型又はs型偏光はまた、第1の方向に対してある角度、例えば22.5°の角度を有していてもよい。したがって、広帯域照明源及び波長板を使用することにより、マーク位置を測定するために、偏光が異なる多波長放射をマークに供給することができ、それによって複数の照明源を使用し、及び/又はマークを2回スキャンし、及び/又はスキャン中に偏光を速やかに切り換える必要がなくなる。
[0049] 波長板の厚さは特に波長板の挙動を、それ故ある波長範囲内の偏光回転数を構成し、又は最適化するために使用できるパラメータを決定する。例えば厚さ200nm〜1400nmの波長範囲の場合に、p型偏光を有する5つの波長と、s型偏光を有する5つの波長が存在するように厚さを選択してもよい。
[0050] 図3を参照すると、マーク202によって散乱、すなわち回折される放射は対物レンズ224によって捉えられ、情報担持ビーム226へと視準が合わされる。この実施形態では上記米国特許第6,961,116号に開示されているタイプの自己参照干渉計228である放射処理要素はビーム226を処理し、別個のビームをセンサアレイ230へと出力する。スポットミラー223はこの時点で便利に0次スポットとしての役割を果たすので、情報担持ビーム226は実質的にマーク202からのより高次に回折された放射だけを含んでいる(このことは測定のために不可欠ではないが、信号対雑音比を改善する)。センサ格子230内の個々のセンサからの強度信号232が処理ユニットPUに提供される。ブロック228での光学処理とユニットPUでの演算処理との組合せにより、基準フレームRFに対するマーク(又はその他の構造)のX及びY位置の値が出力される。処理ユニットPUは図1に示す制御ユニットLACUとは別個のものでもよく、又は設計上の選択及び利便性の問題として同じ処理ハードウェアでもよい。ユニットPUが別個である場合は、信号処理の一部をユニットPUで行い、別の部分をユニットLACUで行ってもよい。
[0051] 放射処理要素は、ある一定の偏光状態の放射だけを、例えばλ1からλ8の直線偏光だけを処理するように構成されてもよい。他の偏光状態があればそれも処理されるが、さらなる処理には不便である。したがって、情報、例えば楕円形又は円形偏光を有する放射に含まれる情報は失われることがある。これを解決するため、波長板WPの作用と逆行する第2の波長板WP2を備えてもよい。すなわち、波長に応じて放射の偏光状態を変更して、第2の波長板を通過後に対物レンズにより供給される放射が実質的に等しい偏光の多波長放射を含むように第2の波長板を構成してもよい。ある実施形態ではこれは第2の波長板WP2の速軸を波長板WP1の遅軸と位置合わせすることによって達成できる。したがって、波長板WPは偏光を有する広帯域放射をエンコードし、第2の波長板WP2は広帯域放射をデコードする。その結果、第2の波長板から出る放射はすべての波長について実質的に等しい偏光状態を有している。この偏光状態が放射処理要素により処理されると、すべての波長を放射処理要素により適切に処理することができ、装置からより多くの情報を得ることができる。
[0052] 第2の波長板WP2は、この要素自体が必ずしも必要ではないため、図3には破線で示されている。第2の波長板WP2は波長板WPと等しい構造ではなく、移相挙動が実質的に等しければ異なる材料製のものでもよい。実用上の観点から、波長板WPと第2の波長板WP2とを得るために実質的に等しい2つの部品分割された単一の複屈折結晶が形成されてもよい。
[0053] 上述のように、図示したタイプの単一測定はあるマーク位置をマークの1ピッチに対応するある範囲内に固定するだけである。正弦波のどの周期がマーク位置を含む周期であるかを特定するために、それと共により粗い測定技術が用いられる。測定精度を高めるために、またマークを着実に検出するため、マークの材料、及びマークが置かれる材料に関わりなく、異なる波長で粗動レベル及び/又は微動レベルで同じプロセスを反復することができる。同時に処理されるように、波長を光学的に多重化及び多重解除することができ、及び/又は時分割又は周波数分割によって多重化してもよい。
[0054] 測定プロセスをより詳細に参照すると、図3のVWが付された矢印は、スポット206がマーク202の長さLを横切るスキャン速度を示している。この例では、アライメントセンサASとスポット206とは固定状態に留まるのに対して、速度VWで移動するのは(例えば基板W、又はテーブルWT上の)マーク202である。したがって、アライメントセンサを基準フレームRF(図1)に対して厳格且つ正確に搭載することができ、しかもこれはマーク202の移動方向と反対方向にマーク202を効果的にスキャンする。マークはこの移動で、例えば基板テーブルWT及び基板位置決めシステムPW上のマーク位置によって制御される。
[0055] 内容全体が参照として本明細書に組み込まれる米国特許出願公開US2012−0212749号に記載されているように、リソグラフィ装置の高い生産性の要求基準を促進するため、多くの位置でのアライメントマークの測定はできるだけ迅速に行う必要があり、それはスキャン速度VWが速く、対応して各マーク位置を捉えるために利用できる時間TACQが短いことを意味する。簡単に言えば、公式TACQ=L/VWが当てはまる。米国特許出願公開US2012−0212749号は、捕捉時間が長くなるようにスポットに対向スキャン運動を加える技術を記載している。必要ならば、本明細書に記載のタイプのセンサ及び方法に同じスキャンスポット技術を適用することができる。
[0056] 図5は、マーク及び偏光のタイプに応じて様々なモードで使用できる装置の概略図を示している。提示されたアセンブリによって、図示した照明ブランチ内の自己参照干渉計を使用した軸外照明が可能になる。光軸Oのみを示し、先ずビームを示さずに装置を説明する。図3の概略図と比較し易くするため、光学系の幾つかの部分には図3の概略図と同様の参照符号が付されている(但し、接頭辞は「2」ではなく「9」)。したがって、以下により詳細に記載する空間的特徴を有する照明サブシステム940が示されている。ビームスプリッタ654、瞳面Pを有する対物レンズ624、及び自己参照干渉計628も示されている。干渉計628は放射野を2つの等しい部分に分割し、これらの部分を互いに180°回転させ、これらを再結合して出射ビーム682にする。干渉計は複雑な三次元形状の二次元表示として示されている。レンズ684は、全放射線場を検出器630上に合焦させる。
[0057] 図5は、装置に備えることができる様々な光学的フィーチャを示している。検出器630における空間分解能は位置測定には必要ないが、もちろん他の目的でこれを備えることができる。図5の装置は任意選択として、情報担持放射の一部の方向をカメラ装置932に転換する追加のビームスプリッタ930を含んでいてもよい。このカメラは、角度分解された散乱計、及び/又はその他の目的で放射の瞳面像を撮像することができる。他の選択肢は、ビームスプリッタ654と対物レンズ624との間ン四分の一波長板936を含めることである。これらの機能は後述する。
[0058] 上述のように、図5の装置は図6に(a)、(b)及び(c)で示す照明プロファイルを有する直接選択可能な照明モードを実施するように設計されている。第一に、照明源942は利用可能なすべての照明を、ビームスプリッタ654の下の照明プロファイルに望ましい角度及び径方向範囲を実質的に有する微細スポット944に集中させるように設計されている。スポット944の位置は光学系の入射瞳954内で可動であってもよく、移動可能であり、又はこの場合は、本明細書では照明源供給位置と呼ばれる9つの所定位置から選択可能である。これらの位置には、瞳周囲で45°の角度で離間された1から8の符号が付され、それに加えて中央位置がある。一間で物理的に移動する単一の光ファイバを考えることもできるが、これらの位置を備えるには別個のファイバが適している。図6の照明モードのすべてを生じるには、実際には図示のように4つの照明源供給位置(例えば位置1〜4)しか必要ない。中央スポットは、必要なら軸上照明を用いるためだけに備えられている。
[0059] 照明源942から発する照明の性質は広帯域、例えば白色光であり、あるいは多波長放射と呼んでもよい。ビーム内の波長の多様性は測定のロバスト性を高める。照明源供給位置1〜8は直にX、Y及びXY軸上にはなく、むしろずれている。好ましい場合は、これらを軸上に配置することもできる。これによって、波長と格子ピッチとのある特定の組合せで回折次数間に干渉が起きるリスクが生じるだけである。
[0060] 照明系の別のコンポーネントは、二分の一波長板960、プリズムデバイス962、及び修正された二分の一波長板964である。プリズムデバイス962は、例えば自己参照干渉計628と同一のものであってもよく、その結果、互いに正反対の干渉性スポット対を生成するのに効果的であり、位置は照明源942で選択された単一スポットの位置により決定される。すなわち、適切な照明源供給位置を選択することによって、所望の一対の照明源領域で放射を供給することができる。プリズムデバイス962は、マークからの情報担持放射を処理する干渉計628とこれとを区別するため、以下では「入力干渉計」962と呼ばれる。実際には、「入力干渉計」962と干渉計628とは同じデバイスでよいが、説明目的でこれらの干渉計は別個のデバイスとして示される。入力干渉計962は瞳のX及びY軸と位置合わせされた主軸を有しており、これも45°の偏光で放射が供給されると回転及び結合機能を果たすように設計されている。二分の一波長板960は、22.5°の角度でX又はY軸を向く速軸を有し、X又はY軸偏光を有する照明源から発する放射を45°の偏光を有する放射に変更する役割を果たす。二分の一波長板の作用は、入射放射の偏光が速軸と位置合わせされている場合は皆無である。そうでない場合は、その作用は偏光方向を速軸方向に反射させることである。45°偏光した放射が照明源942の適切な設計により直接発される場合は、波長板960を省くこともできる。
[0061] 入力干渉計の下流に位置する修正された二分の一波長板964は、この用途用に特に設計されたコンポーネントであるが、広い有用性の潜在力を有している。その新規の特徴は、光軸周囲の異なるポイントで異なる速軸の向きを有していることにある。この例は特に、一方の半部がX、Y軸と実質的に平行な向きの速軸を有するのに対して、他方の半部はX及びY軸に対して45°の角度で速軸を有するようにスプリット966を有している。より一般的には、第1の位置での速軸が、第1の位置と正反対の第2の位置での速軸に対して45°の角度にあることが波長板964の特徴である。より多くのセグメントでこの条件を満たすことができるだろうが、この例では簡単なスプリット966で十分である。スプリット966はY軸に対して22.5°の角度をなしている。この角度を選択することによって、スプリットはいずれかの照明源供給位置を妨害することを避けることが可能になり、また、修正された波長板の製造も容易になる。詳細には、図示したスプリット板は、単一の均一な二分の一波長板を速軸に対して22.5°の角度の線に沿って2つに切断し、半部の一方を裏返し、これらを再び組み立てることによって単一の均一な二分の一波長板から形成することができる。以下により詳細に記載する機能を達成するために速軸の向きが入射放射の偏光方向に対して適切であれば、Y軸に対する22.5°の角度の選択は任意である。軸上照明が妨げられずに通過できるように、光軸に穴968が形成される。もちろん、これらの部品が何らかの方法で他方の部品と実質的に平行な位置に保たれれば、これらの部品を組み立てる態様は重要ではない。実際の実施形態では、これらを支持するために平坦なガラス板に固着してもよく、又は入力干渉計962の出力面に直接固着してもよい。
[0062] 修正された二分の一波長板の下流には、波長に応じて入射放射の偏光を変更して、異なる偏光の放射を対物レンズ624に供給できるようにするため、さらに別の波長板WPが備えられる。
[0063] ビームスプリッタ654内には、所望の軸外照明スポット位置のすべてに役立つようにスポットミラー910が8つの周辺位置に配置されている。軸外照明を用いた他の動作モードを可能にするため中央スポットミラーが備えられる。これらのスポットの角度及び径方向範囲は極めて小さく、例えば瞳半径の2〜5%程度であり、同様に角度範囲も小さい(例えば10°又は5°未満、例えば1°〜3°)。例えば瞳の直径が1cm〜3cmの装置の例では、各スポットの直径は約0.5ミリメートルでよい。
[0064] 以下の説明のため、図には様々な平面(1)から(4)の符号が付されている。これらの平面の精密な位置は、すべての光線が実質的に平行な位置にはないため特に重要ではない。
[0065] 図7(a)は照明源供給位置1が選択され、照明される第1の照明モードで動作する図5の装置を示している。例えば照明源供給位置1(例えばファイバ)だけがオンである場合は、図7(b)に示す瞳面が平面(1)に形成される。点は照明位置を示し、矢印は偏光方向を示す。したがって、照明源942はある特定の偏光の多波長放射を提供する。
[0066] ビームが第1の二分の一波長板960に当たると、偏光は図7(b)に示す平面(2)に示すように45°回転される。次に、ビームはそれが2つのコピーに分割される入力干渉計962に入射し、コピーは互いに180°回転され、再結合される。したがって、図7(b)に示す平面(3)に示すように、直交偏光する2つの光線が提供され、これらの光線は、次に、スプリット二分の一波長板964に当たる。別個の波長板間の接触面966は図7(b)に示すように平面(3)内の線で示されている。入射放射の偏光方向が速軸と位置合わせされている場合は、二分の一波長板の作用は皆無である。そうでない場合は、その作用は偏光方向を速軸方向に反射することである。したがって、速軸が入射偏光に対して45°である場合は、偏光は90°回転される。右の光線の偏光はスプリット二分の一波長板964により90°回転され、一方、左の光線は、その偏光が速軸と直交しているため、変更されないままである。したがって、図7(b)に示す平面(4)では、Xマーク202を照明するのに適した図6(a)の照明プロファイルと同様の照明プロファイルが作成される。
[0067] ビームが波長板WPを通過すると、これまではすべての波長で実質的に等しかった放射の偏光は波長に応じて変更されるため、異なる偏光の放射がビームスプリッタ654に入射する。
[0068] その利点は、偏光情報を含む放射をエンコードする波長板WPにより、米国特許出願第61/623,391号に記載のような異なる偏光を有する放射でマークを照明するために照明源供給位置間で切り換える必要がなくなることである。実際に、対応する入力ファイバがある場合はそれを含む照明源供給位置5〜8は、装置の位置合わせを緩和する波長板WPが存在するため省いてもよい。しかしながら、以下に示すように、照明源供給位置5〜8は他の目的に使用し得る。
[0069] 図8及び図9は、非対称情報を得るためにXマーク202を照明するのに適する照明プロファイルを作成できる方法を示している。そのために、図8(a)に示しように照明源供給位置5(例えば底部ファイバ)がスイッチオンされる。図8(b)の(2)には、入力干渉計962に入射する前の作成された瞳面が示されており、点の矢印は偏光方向を示す。この例での偏光方向は、照明源供給位置1に放射を供給する場合の偏光方向とは異なっている(図7(b)の(2)を参照)。混乱を避けるため、図7(a)の第1の二分の一波長板960はこの図では省略されている。これは図7に関連して示した理由から依然として存在するが、他の照明源供給位置で異なる偏光を可能にするために修正されてもよい。例えば、第1の二分の一波長板960を、照明源供給位置1〜4から発される放射の偏光が45°回転される修正された波長板964と同様の構造にすることも可能であろうが、照明源供給位置5〜8から発される放射の偏光には異なる処理がなされる。
[0070] その後、ビームは入力干渉計962に入射し、何が出射するかが図8(b)の(3)に示されている。入射放射の偏光により、干渉計からは単一の光線だけが出射することに留意されたい。照明源供給位置5は照明源供給位置1と正反対であるため、照明源供給位置5の放射の偏光は、同じ位置にあるが照明源供給位置1から出射する放射の偏光と直交する。
[0071] 放射光線がスプリット二分の一波長板964に当たると(接触線の向きはこの場合も(3)の線で示されている)、光線の偏光はスプリット二分の一波長板によって90°回転される。その後、偏光は波長に応じて波長板WPによって変更される。
[0072] その結果、1つの放射光線だけがマークに当たり、したがって、この光線の回折次数だけが対物レンズにより捉えられ、処理される。他の放射光線が存在しないため干渉が生じないので、最終的にはマークの非対称性を表すDC強度信号が、捕捉された回折次数ごとに生成され得る。図8の照明角度により、正または不の回折次数だけが捕捉される。他の回折次数の強度に関する情報を得るため、図9の照明プロファイルを用いることができる。差異は放射の偏光が、入力干渉計962に入射する図8の偏光と直交することである。偏光が異なるため他の照明角度が生じるので、対物レンズは他の回折次数を捕捉することができ、これらの回折次数の強度を測定することができる。図9では他の放射光線が生成されるため、この光線はスプリット二分の一波長板964に当たり、したがって偏光は変更されず、それ故(3)及び(4)での瞳面は実質的に等しいことに留意されたい。
[0073] ある例では、波長λ2、λ4、λ6、及びλ8に基づく放射(図4を参照)は、図8の実施形態による偏光を伴って照明源供給位置5に供給され、また、波長λ1、λ3、λ5、及びλ7に基づく放射は図9の実施形態による偏光を伴って照明源供給位置5に供給され得るため、正及び負の回折次数からの強度信号が同じ波長ではないが同じ時点で得られる。
[0074] その利点は、図7、図8及び/又は図9の構成を単一の構成に組み合わせてもよく、図7に関連して記載した照明源供給位置1に放射を提供すると、位置測定のためのマークの位置の関数として交流信号が提供され、また、図8又は図9に関連して記載したと同じ時点で照明源供給位置5に放射を提供すると、マークの非対称性を表すDC信号が提供されることである。さらに波長は異なるが同じ時点で正と負の回折次数の強度信号を得るために、図8に記載の状態の偏光を有する放射を提供し、また、図9に記載の状態の偏光を有する放射を提供することも可能である。その利点は、マークから回折した後、位置合わせ誤差、又は画質の劣化を生じることがある瞳分割要素の必要がなくなることである。
[0075] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[0076] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組合せを印加することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
[0077] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[0078] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電気光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組合せを指すことができる。
[0079] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。
[0080] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。

Claims (12)

  1. マークの位置を測定する装置であって、
    実質的に等しい偏光の多波長放射を提供するための照明源と、前記波長に応じて放射の偏光を変更して異なる偏光の放射を供給できるようにするための波長板とを備える、前記装置の瞳を横切って照明プロファイルを有する放射を向けるための照明アレンジメントと、
    前記マークを横切る放射をスキャン方向にスキャンしつつ、前記照明アレンジメントにより供給される前記放射を用いて前記放射を前記マーク上に向けるための対物レンズと、
    前記マークにより回折され、前記対物レンズにより受光される放射を処理するための放射処理要素と、
    前記スキャン中に前記放射処理要素により出力される放射強度の変化を検出し、前記検出された変化から少なくとも測定の第1の方向での前記マークの位置を計算するための検出アレンジメントとを備え
    前記波長板を通過した後、前記多波長放射が第1の直線偏光方向を有する放射と第2の直線偏光方向を有する放射とを備え、第1の直線偏光方向が前記第2の直線偏光方向と直交するように、前記多波長放射と前記波長板とが互いに整合される、装置。
  2. 前記放射処理要素が、自己参照干渉計である、請求項1に記載の装置。
  3. 前記マークが少なくとも第1の方向に周期フィーチャを備え、前記照明プロファイルが前記対物レンズの瞳内の周辺部に閉じ込められた照明源領域からの放射を備え、前記照明源領域が前記対物レンズの光軸に対して互いに正反対の少なくとも第1及び第2の領域を含み、前記光軸に対して角度範囲が限定される、請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記照明アレンジメントが、第1の照明源供給位置で照明アレンジメント干渉計に供給される放射から前記第1及び第2の照明源領域で干渉性放射を生成する自己参照干渉計を備え、前記第1及び第2の照明源領域が前記第1の照明源供給位置により決定され、前記波長板が前記照明アレンジメント干渉計の下流に配置される、請求項に記載の装置。
  5. 前記照明アレンジメントが、前記第1及び第2の照明源領域での放射が異なる偏光で前記照明アレンジメント干渉計から出てくるときに、前記領域の一方での前記放射の偏光を調整して前記領域の他方での偏光と整合させるための偏光調整器をさらに備え、前記偏光調整器が前記照明装置干渉計と前記波長板との間に配置される、請求項に記載の装置。
  6. 前記照明アレンジメント干渉計がさらに、前記第2の干渉計の光軸に対して前記第1の照明源供給位置と正反対の第2の照明源供給位置で前記照明アレンジメントに供給される放射から前記第1又は第2の照明源領域で放射を生成するように構成される、請求項又は請求項に記載の装置。
  7. 前記対物レンズと前記放射処理要素との間に配置された第2の波長板を備え、前記第2の波長板が、前記波長に応じて前記放射の前記偏光状態を変更して、前記第2の波長板を通過後に前記対物レンズにより供給される前記放射が実質的に等しい偏光の多波長放射を備えるように構成される、請求項1〜のいずれかに記載の装置。
  8. 前記波長板が、複屈折結晶により形成される、請求項1〜のいずれかに記載の装置。
  9. マークが少なくとも第1の方向に周期フィーチャを備える前記マークの位置を測定する方法であって、
    実質的に等しい偏光の多波長放射を提供することと、
    波長に応じて前記放射の前記偏光を変更することと、
    前記マークを異なる偏光を有する放射で照明し、対物レンズを経て前記マークにより回折される放射を受光することと、
    前記回折された放射を放射処理要素内で処理することと、
    前記マークを前記放射でスキャンしつつ、前記放射処理要素により出力された放射の強度変化を検出することと、
    前記検出された変化から、少なくとも測定の第1の方向での前記マークの位置を計算することと、
    を含み、
    前記マークに入射する放射が、前記第1の方向に実質的に平行な直線偏光と、前記第1の方向に対して実質的に垂直な直線偏光とを備える、方法。
  10. 前記マークに入射する放射が異なる偏光の放射を備え、前記放射の前記偏光が、前記対物レンズを通過後で、前記放射処理要素への入射前に、実質的に等しい偏光の多波長放射が得られるように波長に応じて変更される、請求項に記載の方法。
  11. パターンをパターニングデバイスから基板へと転写するリソグラフィ装置であって、前記装置が、基板を保持する基板テーブルと、前記リソグラフィ装置の基準フレームに対するマークの位置を測定するアライメントセンサとを備え、前記アライメントセンサが、請求項1〜のいずれかに記載の測定装置を備え、前記リソグラフィ装置が、前記測定装置を用いて測定される前記マークの前記位置を参照して前記基板へのパターンの転写を制御するように配置される、リソグラフィ装置。
  12. リソグラフィプロセスを用いてパターンがパターニングデバイスから基板へと転写されるデバイス製造方法であって、前記基板へのパターンの転写が、請求項9または10に記載の方法を用いて測定されたマークの前記位置を参照して制御される、方法。
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