JP6002052B2 - ベビーカー用シート - Google Patents
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Description
この種のベビーカーは、乳幼児の姿勢を保持し、快適空間を提供するために、ベビーカーの本体シート部分上に、乳幼児の体格に合わせたベビーカー用シートを追加して装着するようにしている。
例えば、頭部パッド10では、側頭支持部14に囲まれた後頭部を置く空間を、大き目の頭部に対応して大きく形成して、頭部の大小にかかわらず当該空間に頭部を置けるようにしている。このため、特許文献1のベビーカー用シートでは、側頭支持部14と乳幼児の頭部との間にスペースが生じ、体を思うように保持できない場合があった。
特に、ベビーカー用シートを利用する時期の乳幼児には首の据わっていない乳児もおり、頭部パッド10の形状と乳児の頭の形や大きさとの相違により、頭部を確実に保持することは不可能であった。
また、側頭支持部14・脇支持部32・臀支持部53は、クッション性を有していても、乳幼児の体の位置を固定するために、ある程度の剛性が備えられており、体がフィットしないと却って居心地の悪いものとなっていた。
そして、背中腰部パッドは、被搬送者の背中から腰部にかけての横方向の湾曲面に略沿うように、左右周縁部に前方に向かって膨出した膨出部を有しているため、適度に姿勢保持を行うことができ、座り心地も向上できる。
また、頭部パッドは、中央領域に凹凸部を有し(ここにいう凹凸は互いを基準にした相対的な凹凸の関係をいう)、その凹部は被搬送者の後頭部より小さく、後頭部が置かれると、その重みにより内周側面が押し広げられるようになっている。従って、凹部に頭部が置かれると、凹部の内周側面(換言すれば凹部に隣接する凸部)は被搬送者の頭部の形状に沿って押し広げられ、頭部と凹部の内周側面とが密着した状態となり、体圧を分散させながら、頭部は有効に保持される。
しかも、頭部パッドは少なくとも凸部に比べて薄い薄肉部を有し、この薄肉部は背中腰部パッドの表面に頭部パッドを配置した際、膨出部の位置に対応している。従って、被搬送者が例えば背の低い乳児等である場合、頭部パッドを背中腰部パッドの上に置いて、支障なく使用することができる。すなわち、薄肉部は薄いため、背中腰部パッドの膨出部の上に置かれても、膨出部に対応した曲げ等が可能となる。このため、背中腰部パッドに対する頭部パッドの浮きを防止できる。また、薄肉部を曲げた際に凸部に余計な力が加わることを防止して、凸部が硬くなって上述した頭部に密着する凹凸の機能が発揮し難くなるような事態を有効に防止できる。
従って、高さ方向の配置が異なる複数の肩ベルト孔のいずれかを適宜選択して、そこに肩ベルトを通すことができ、月齢の異なる被搬送者への対応が可能である。
そうすると、薄肉部には後頭部が配置可能なため、被搬送者の体勢が斜めになって、頭部が頭部パッドの凹部に配置されなかったとしても、薄肉部に後頭部を配置させることもできる。その際、薄肉部の左右方向の両脇には、本体シート部材の前方に向けて突出したサイドサポート部と凸部とが配置されるため、サイドサポート部と凸部とで側頭部を挟んで、頭部を保持できる。
従って、頭部パッドを背中腰部パッドの上に置いて、薄肉部を膨出部の形状に対応させて曲げた際、応力を薄肉部と凸部との境界に集中させて、曲げた際に凸部に余計な力が加わることを、より有効に抑えることができる。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
また、以下の図において、同一の符号を付した箇所は同様の構成である。
また、以下の説明において、前、後、左、右、上、下等の方向は、特段の言及がない限り、図1のベビーカーに適正に着座した状態の被搬送者を基準にした方向である。
先ず、図1を用いて、ベビーカー用シートとベビーカーとの関係を概説する。
図1に示すベビーカー1は、乳幼児を乗せるための展開状態から、収納のために折り畳むことができる構造を有している。このベビーカー1は、例えば対象月齢が生後1カ月以上36カ月以内の乳幼児を乗せて、例えば買い物や外気浴等に使用するための一人乗りの乳母車であり、乳幼児を寝かせた姿勢や座らせた姿勢で使用することができる。
このベビーカー1は、ベビーカー本体1A(図2も参照)と、このベビーカー本体1Aに取り付けられ、乳幼児を乗せるための本体シート部材13とを有している。図1では、本体シート部材13上には、さらに新生児や乳児等を乗せるのに最適なベビーカー用シート100が着脱可能に装着されている。すなわち、本体シート部材13はベビーカー用シート100を置く基台ともいえ、その上にさらにベビーカー用シート100を配置することで、特に体格が小さい新生児や乳児等(被搬送者)のベビーカー1上での姿勢保持と快適空間を図っている。
次に、図1及び図2を用いて、ベビーカーの構造例等を説明する。
図1に示すベビーカー1の骨格又は土台ともなる図2に示すベビーカー本体1Aは、左右一対の前脚2と、左右一対の後脚3と、左右一対の側部フレーム4と、手押し杆5と、左右一対のアームレスト6と、背当て支持枠7と、フットレスト8と、4組の車輪9と、左右一対の連結杆10と、幌支持部11と、ガードバー16を有している。
この図2のベビーカー本体1Aに対して、図1に示すように複数の部品又は付属品が取り付けられている。すなわち、図2の幌支持部11に図1の幌部材12が装着されている。また、図2に示す一対の側部フレーム4の間に固定された座面部材13A、及び背当て支持枠7に対して、図1の本体シート部材13が固定されている。
そして、本体シート部材13にはシートベルト15が取り付けられている。シートベルト15は、乳幼児の両肩に掛けられる肩ベルト15A、腰に回される腰ベルト15B、乳幼児の股の間に通される股ベルト15C、そして、これら各ベルト15A,15B,15Cを互いに着脱するためのバックル15Dを有している。
図1及び図2に示す前脚2と後脚3はパイプ状の部材であり、それぞれの下端部には車輪9が回転可能および旋回可能に取り付けられている。左右一対の前脚2の下部の間には、ステー2Sが連結されており、このステー2S上にはフットレスト8が固定されている。図2に示すように、左右一対の後脚3の下部の間には、ステー3Sが連結されている。
前脚2と後脚3との間には側部フレーム4が回動自在に支持されている。すなわち、側部フレーム4の後端部4Bは後脚3に対して回動自在に連結され、側部フレーム4の前端部4Cは前脚2に回動自在に支持されている。
なお、アームレスト6の前端部にはガードバー16の端部が着脱可能に連結されている。
手押し杆5には、ハンドルロック29が付けられており、本ベビーカー1を押す使用者がハンドルロック29を手で持ち上げると、手押し杆5の保持状態を解除できる。そして使用者が、手押し杆5の位置を、図2において実線で示す保持状態から、中心軸CLを中心にR方向に回転することで、2点鎖線で示す反転したもう一つの保持状態に変更することができる。この手押し杆5の保持状態の変更後、使用者がハンドルロック29を下げることで、手押し杆5は2点鎖線で示す状態に固定できるので、使用者は、ベビーカー1に乗っている乳幼児に対面しながら、ベビーカー1を方向Bに向って押すことができる。
次に、ベビーカー用シート100について説明する。
図3は、図1に示す本体シート部材13と、この本体シート部材13上に着脱可能に装着されたベビーカー用シート(以下、シートという)100を示す斜視図である。
すなわち、シート100は、乳幼児を乗せて移動する際、その身体の姿勢保持と衝撃吸収を図るために、図1と図3に示すように、本体シート部材13の上にさらに追加して装着されるもので、クッション、パッド、マットとも呼ぶことができる。
シート100は、乳幼児を保持できる所要の剛性を有しつつ、柔らかい材質で作られたクッション性を有し、具体的には、弾性変形可能なウレタンフォーム等の発泡体と、この発泡体を覆うシートカバーにより形成できる。なお、本発明は所要の剛性とクッション性の双方を有すれば、発泡体に限られるものではなく、例えばビーズクッションでもよい。
図1と図3に示すシート100の装着例では、シート100の頭部パッド101と背中腰部パッド102は、本体シート部材13の背中・腰部保持部91上に配置され、シート100の臀部パッド103は、本体シート部材13の座面部92上に配置されている。
シート100は、紐や面ファスナー等の接続部材(不図示)を用いて、その構成品である頭部パッド101、背中腰部パッド102、臀部パッド103の中から1つ以上を選択して、これを本体シート部材13に着脱可能に装着できる。
そして、シート100は、頭部パッド101と背中腰部パッド102と臀部パッド103に別々に構成されているにもかかわらず、本体シート部材13上に装着された状態では、頭部パッド101と背中腰部パッド102、背中腰部パッド102と臀部パッド103が夫々密着して、乳幼児は切れ目のないパッドに乗ることができる。
〔臀部パッド103について〕
先ず、臀部パッド103を説明する。
図4は臀部パッド103の斜視図であり、図5(a)は図4のA−A概略断面図、図5(b)は図4のB−B概略断面図である。
図4と図5に示す臀部パッド103は、シート100上に載せた乳幼児の臀部を保持すると共に衝撃を吸収する部材である。
この臀部パッド103は、正面視が若干丸みを帯びた略長方形状又は略台形状であり、長辺部分40,41と、短辺部分42,43を有している。
また、臀部パッド103の背面部103Bの短辺側の周縁部には、先端にホックボタン等が付いた紐121,122が設けられており、この紐121,122で臀部パッド103は図3に示す座面部92に固定される。
着座領域55は、隆起部58に対して凹部であり、その領域は略平坦である。そして、中央部には臀部に対する通気を行うための複数個の通気孔47が形成されている。
着座領域55は、正対視が概ね台形状であり、互いに略平行な辺のうち長い辺(図4の長辺部分40)が乳幼児の着座状態における背面側とされている。
なお、乳幼児の着座状態における背面側の角部(図4の上側の角部)44、及びこの角部44に隣接する短辺部分42,43の一部(角部周辺領域)42P、43Pは、隆起部58が形成されずに、着座領域55の平坦面が続くようになっている。これにより、この角部44、及び角部周辺領域42P,43Pから、着座領域55に落ちたゴミ等の異物を掃き出したり、空気を乳幼児の背面に供給したりすることができる。さらに、背面側の長辺部分40に隆起部58が形成されないことで、乳幼児の臀部が側部サポート部分61,62に乗らず、前滑りを防ぐことができる。さらにまた、長辺部分40は、図3の座面部92と背中・腰部保持部91との境界近傍に位置することになり、ベビーカー1を折畳んだ場合に、嵩高となることがなく、折り畳みに影響がない。
側部サポート部分61,62は、乳幼児の背面側から前側に向かうに従って、着座領域55に対して、傾斜角度θ1だけ隆起するように傾斜して形成され、隆起部58の中でも前側サポート部分63の高さH1が最も高く設定されている。図の高さH1は30〜50mm、好ましくは40mmである。
一方、側部サポート部分61,62の外側面部61A,62Aは、隆起部58の稜線58Aに対して互いに略平行であり、内側面部61B,62Bは前側サポート部分63に向かうに従って稜線58Aから離れるように形成されている。これにより、稜線58Aから内側面部61B,62Bにかけての領域ARについては、隆起部58における他の領域に比べて傾斜面が緩やかになっている。従って、図3に示すように、側部サポート部分61,62は、臀部の側面を保持しつつも、楽に脚LGを置くことができる。
なお、外側面部63Aは側部サポート部分61,62の外側面部61A,62Aに連続して形成され、内側面部63Bは側部サポート部分61,62の内側面部61B,62Bに連続して形成されている。
また、臀部パッド103には、図3に示す股ベルト15Cを通すための貫通孔である股ベルト孔70が設けられている。この股ベルト孔70は、隆起部58の前側サポート部分63に近接して配置され、長円状または切れ目状に形成されている。
そして、乳幼児の脚LGは、側部サポート部分61,62の稜線58Aよりも着座領域55側の領域ARを通って、前側サポート部分63の上に載せられ、この領域ARは比較的緩やかな傾斜面とされているため、座り心地に与える悪影響を抑制できる。
次に、背中腰部パッド102について説明する。
図6は背中腰部パッド102の正面図、図7は背中腰部パッド102の背面図、図8(a)は図6のC−C概略断面図、図8(b)は図6のD−D概略断面図、図8(c)は図6のE−E概略断面図、図8(d)は図6のF−F概略断面図である。
背中腰部パッド102は、図3に示す頭部パッド101と臀部パッド103の間に配置され、乳幼児の背中と腰部を保持すると共に衝撃を吸収する部材である。
この背中腰部パッド102は、図6に示すように、正面視において、長辺部分20,21と短辺部分22,23を有し、左右対称となっている。
上側の短辺部分22は、左右方向の中央が窪むように湾曲しており、この湾曲は頭部パッド101の下側周縁部39(図9参照)の形状に合わせられている。
短辺部分22,23の長さL4は、図3に示す背中・腰部保持部91の左右のサイドサポート部93の間にはまってずれない様な寸法に設定されている。
また、図7に示すように、背中腰部パッド102の背面部102Dの長辺側周縁部には、先端にホックボタンを有する紐221,222が設けられており、背中腰部パッド102はこの紐221,222で図3に示す背中・腰部保持部91に固定される。
この背中保持領域102Bより下側の領域は、乳幼児の腰部が配置される腰保持領域102Cが想定され、また、背中保持領域102Bより上側の領域は、乳幼児の首の付け根付近(概ね頸部下から肩甲骨あたりまで)が配置される首根元領域102Aが想定されている。
この際、乳幼児は成長をするものであり、また、個体差があるため、そのような個体差に出来るだけ対応できるように、背中腰部パッド102は多少長めに形成され、図6の場合の長さL5は250〜350mm、好ましくは約300mmとされ、それに応じて各領域102A,102B,102Cも少し長めに形成されている。但し、このように背中腰部パッド102の寸法を設定したとしても、月齢差や体格に応じて、背中保持領域102Bに背中を配置できず、また、首根元領域102Aに首の付け根付近を配置できない場合がある。このような場合、図14のように頭部パッド101を背中腰部パッド102の上部に配置して使用可能にしている。この点については後で詳細に説明する。
具体的には、首根元領域102Aにおいて、膨出部27の稜線27aより内側(凹部26側)は後方(図8の下側)に向かって窪むように湾曲した湾曲部30とされている。この湾曲部30は、比較的緩やかに湾曲した面を有しており、首付け根付近の左右の振れが大きくなり過ぎないように、その振れを可及的に規制するようになっている。
なお、図8(a)に示すように、湾曲部30を構成する膨出部27の稜線27aより外側の部分31は前方(図の上側)に向かって凸となるように膨らんでいる。これにより、湾曲部30に首を載せても、その重み等で膨出部27が潰れ難くなっている。
また、図8(d)に示すように、首根元領域102Aの膨出部27の高さH2は、背中保持領域102Bの膨出部27の高さH3に比べて小さく形成されている。この点については後述する。
また、図8(b)に示すように、湾曲部32を構成する膨出部27の稜線27aより外側の部分33は前方(図の上側)に向かって凸となるように膨らんでいる。これにより、湾曲部32に背中を載せても、その重みで膨出部27が潰れ難くなっている。
すなわち、腰保持領域102Cの膨出部27は、首根元領域102Aや背中保持領域102Bの湾曲部30,32のように背面部102Dに向かって凸となる湾曲ではなく、図8(c)に示すように、稜線27aの内側34及び外側35の双方について、前方(図の上側)に向かって凸となるように膨らみ、体重をかけてもより潰れ難くなっている。
また、図8(d)に示すように、腰保持領域102Cにおける膨出部27の高さH4は、他の膨出部27の高さH2,H3に比べて大きくなっている(H2<H3<H4)。
これにより、未だ腰が据わりきっていない乳幼児について、背中から腰部の領域において姿勢を決めるための基準となる腰部の左右方向の動きをより有効に規制できる。
本実施形態の場合、高さ方向に2つの肩ベルト孔80,81が配置され、上側の肩ベルト孔80は、背中保持領域102Bと首根元領域102Aとの境界付近に配置され、左右の周縁部に形成されて一対となっている。また、下側の肩ベルト孔81も左右の周縁部に形成されて一対となっており、上側の肩ベルト孔80との間隔(つまり上述の「所要の間隔」)L6は背中保持領域102Bの高さ方向の寸法と略同等かそれよりやや小さめであり、図の場合は約8〜9cmとされている。
これにより、例えば高月齢の乳幼児は背中保持領域102Bに背中を付け、上側の肩ベルト孔80,80に肩ベルト15Aを通して、背中腰部パッド102を使用することができる。また、例えば低月齢の乳幼児は、腰保持領域102Cに背中を付け、下側の肩ベルト孔81,81に肩ベルト15Aを通して、背中腰部パッド102を使用することができる。なお、腰保持領域102Cにおける膨出部27,27に挟まれた凹部26にも、複数個の通気孔26Gが形成され、背中に対する通気を行えるようになっている。
従って、この肩ベルト孔80,81に通された肩ベルト15A(図3参照)に対して乳幼児の体重等がかかったとしても、図8(d)の一点鎖線で囲った図に示すように、周辺部83が撓んだり、また、屈曲部85が曲がったりすることで、肩ベルト15Aの動きが膨出部27に与える影響を抑えることができる。
なお、周辺部83は肩ベルト孔80,81を囲むように周囲に設けられるのが好ましいが、例えば肩ベルト孔80,81の上下にのみ設けられてもよい。さらに、肩ベルト孔80、81は、背中腰部パッド102に例えば細長い孔状に形成されているものについて説明したが、本発明はこれに限らず、長辺部分20,21から切り込み状・スリット状に形成するようにしてもよい。
次に、頭部パッド101について説明する。
図9は頭部パッド101の正面図、図10は頭部パッド101の背面側斜視図、図11(a)は図9のG−G概略端面図、図11(b)は図9のH−H概略端面図、図12は頭部パッド101に頭部を載せた状態における横方向の概略端面図である。なお、図11及び図12では、理解の便宜のため、後述する網状部58や接合部材33を省略している。
頭部パッド101は、乳幼児の頭部を安定して保持すると共に衝撃を吸収する部材であり、図3に示す本体シート部材13の背中・腰部保持部91に着脱可能に接続できる。
本実施形態の頭部パッド101の場合、図9や図10に示すように、面ファスナーが先端に設けられた帯状の紐(ベルトともいう)33を有しており、この紐33を図1に示すように背中・腰部保持部91又はヘッドレスト部90に貼着している。
また、頭部パッド101は、図9に示すように正面視が例えば略長円状又は略長方形状であり、長手方向の寸法(つまり、正面視における幅)L1は、図3に示す本体シート部材13の背中・腰部保持部91において、左右のサイドサポート部93の間にはまってずれない様な寸法に設定されている。
これにより、保護者である使用者は、頭部パッド101を簡単に位置決めし、さらにサイドサポート部93の間においてその位置がずれないように装着できる。
凹部16は乳幼児の後頭部が位置する部分であり、その内側底面16aには、厚み方向に貫通した複数個の通気孔68が形成され、後頭部に対する通気を行っている。
凸部17は主に側頭部を保持するための部分である。なお、本実施形態の凸部17は凹部16を包囲しているが、凸部17は側頭部を保持できれば本発明はこの態様に限られるものではない。例えば、頭部パッド101の変形例である図16の頭部パッド101−1に示すように、凸部17−1は凹部16−1を完全に包囲せずに、凹部16−1を左右で挟むようにしてもよい。但し、本実施形態の図9及び図11(b)に示すように、凹部16の下側に、平坦部17aを有する凸部17を配置するのが好ましく、これにより、首の後ろ側の形状に対応して、体圧分散効果を高めることができる。
具体的には、正面視において、頭部パッド101の中央部には、好ましくは円形状の凹部16が形成され、この凹部16の内周側面16bは中央から外側に向かって傾斜する傾斜面とされている。なお、凹部16と凸部17とは凹凸に関する相対的な関係であり、換言すれば、凹部16の内側底面16aの周囲は凸部17であり、この凸部17は、厚み方向の断面形状がドーム状又は山形状とされている。
そして、この凹部16は、外力を加えない状態において、乳幼児の頭部の背面側(つまり後頭部)が収容しきれず、その一部分だけが収容される外径L7とされ、本実施形態の場合、内周側面16bの全周に後頭部が当接可能な寸法となっている。
これにより、図12に示すように、頭部HDの重みを加えると、内周側面16bは頭部HDの形状に合わせて沈みこむように(矢印Jの方向に沈みこんで、内周側面16bを押し広げるように)変形する。従って、頭部HDはその大小に拘わらず、頭部パッド101の当該変形した凹部16の内面全体(内周側面16b、及び内側底面16a)に密着し、体圧分散効果が発揮されると共に安定して保持される。
本実施形態では、図11に示すように、凹凸部18は一体的に形成されているため、凹部16も凸部17と同じ材料で形成されているが、内側底面16aの部分は圧縮して薄く形成され(図11の厚みTHは約2〜4mm)、厚み方向に力が伝達し易くなっている。そして、薄い内側底面16aの背面側には、図10及び図11に示すように、後頭部の外形に倣うように容易に変形し得る低反発性素材から形成されたマット部59が配設されている。なお、低反発性素材は低反発弾性フォーム又は低反発フォーム等とも呼ばれ、圧縮の外力を取り除いた後、除々に復元する性質があり、反発弾性率が約15%以下であるのが好ましい。このようにして、薄い内側底面16aの部分は低反発性素材に頭部の重み等を伝え易くなり、内側底面16aは乳幼児の後頭部の形状に沿って沈みこむようになり、頭部に関して優れた体圧分散効果を得ることができる。
なお、マット部59は、頭部パッド101を本体シート部材13に装着した際、段差が極力できないように、内側底面16aの背面側だけではなく、背面側101Bの周縁部を除く全体に配置されるようになっている。
また、マット部59はパッド本体101Aに対して着脱可能であり、網状部58とパッド本体101Aとの間の空間に形成されたポケットに収容されている。
すなわち、低月齢の乳幼児が被搬送者の場合は、図14及び図15に示すように、頭部パッド101を背中腰部パッド102の表面(図の場合、首根元領域102Aと上側の肩ベルト孔80の周辺)に配置することになる。そして、主に配置される首根元領域102Aに膨出部27があったとしても、膨出部27の位置に対応して薄肉部77,78が形成されているため、薄肉部77,78が膨出部27に対応して曲がり、背中腰部パッド102に対する頭部パッド101の浮きを防止できる。さらに、薄肉部77,78が曲がることで、図12のように小さな凹部16に後頭部を載せた際に、凸部17が硬くなって矢印J方向に変形し難くなるといった事態を防止できる。
そして、図11(a)に示すように、薄肉部77,78と凸部17の境界75は屈曲可能とされ、図15のように頭部パッド101を背中腰部パッド102の表面に配置した際、境界75の部分が屈曲し、薄肉部78が膨出部27の上に配置されることで生ずる応力がこの境界75に集中することで、凸部17に余計な力が加わることを有効に防止できる。従って、図12のように小さな凹部16に後頭部を載せた際に、凸部17が硬くなって矢印J方向に変形し難くなるといった事態を防止できる。
特に、本実施形態の場合、図15に示すように、屈曲部となる境界75は背中腰部パッド102の膨出部27の内側の基端付近(具体的には湾曲部30の基端付近)に配置可能であり、さらに、図8(d)に示すように、首根元領域102Aの膨出部27の高さH2は、背中保持領域102Bの膨出部27の高さH3に比べて小さく形成され、図15に示す膨出部27の上に載置した薄肉部77,78の歪み又は撓みが凸部17に与える影響は小さい。
しかも、この際、薄肉部77,78の左右方向の両脇には、本体シート部材13の前方に向けて突出したサイドサポート部93と凸部17とが配置されるため、薄肉部77,78の両脇のサイドサポート部93と凸部17とで側頭部を挟んで、頭部HDを保持できる。また、この薄肉部77,78の背面側にも低反発性素材から形成されたマット部59が配置されているため、相当の密着感を得ることができる。
このようにして、乳幼児の頭が横ずれして薄肉部77,78に配置されたとしても、凹部16に頭部を配置した際と同様の効果が得られる。
例えば、図16の変形例に係る頭部パッド101−1に示すように、頭部パッド101−1の背面は、凸部17−1に対応した凸部背面領域BA1に比べて、凹部16−1に対応した凹部裏面領域BA2が窪んでいてもよい。そうすると、図17に示すように、乳幼児が頭部HDを凹部16−1に置いた場合、凹部16−1に対応した凹部裏面領域BA2が沈みむと共に、内周側面16bが内側に収縮する方向Jaに動くため、頭部HDと内周側面16bとの密着性を高めることができる。
なお、図16の頭部パッド101−1では、全体が前方に向かって凸となるように湾曲しており、このため、図17に示すように、頭部HDを置くと、凹部裏面領域BA2が沈むと共に、薄肉部77,78の左右端部77a,78aが前方(図17の上側)に転移し易くなる(矢印Jbの方向に動く)。従って、頭部パッド101−1を背中腰部パッド102の上に配置した際、薄肉部77,78を膨出部27の上に無理なく配置することができる。
また、図1に示すベビーカー1は一人乗りであるが、本発明はこれに限られず、二人以上を同時に乗せられる乳母車であってもよい。
また、上述した実施形態では、乳幼児の中でも比較的体格の小さな新生児や乳児を想定して、図3に示すように頭部パッド101を背中・腰部保持部91の上に配置しているが、本発明の被搬送者は乳幼児であって、新生児や乳児に限られるものではなく、頭部パッド101はヘッドレスト部90の上に配置されても構わない。
Claims (4)
- ベビーカーの本体シート部材に装着され、被搬送者の頭部が置かれる頭部パッドと、前記被搬送者の背中及び腰部が置かれる背中腰部パッドと、を備えたベビーカー用シートにおいて、
前記背中腰部パッドは、前記被搬送者の背中から腰部にかけての横方向の湾曲面に略沿うように、左右周縁部に前方に向かって膨出した膨出部を有しており、
前記頭部パッドは、凡そ中央領域に凹凸部を有し、その凹部は前記被搬送者の後頭部より小さく、前記後頭部が置かれると、その重みにより内周側面が押し広げられるようになっており、
さらに、前記頭部パッドは、少なくとも前記凹凸部の凸部に比べて薄い薄肉部を有し、この薄肉部は前記背中腰部パッドの表面に前記頭部パッドを配置した際、前記膨出部の位置に対応している
ことを特徴とするベビーカー用シート。 - 前記背中腰部パッドは、前記ベビーカーの肩ベルトを通すための複数の肩ベルト孔が高さ方向に沿って所要の間隔を空けながら配置されていることを特徴とする請求項1に記載のベビーカー用シート。
- 前記本体シート部材に前記頭部パッドが装着された状態において、前記薄肉部の左右方向の両脇には、前記本体シート部材の前方に向けて突出したサイドサポート部と前記凸部とが配置されるようになっており、
前記薄肉部には、前記後頭部が配置可能となっている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のベビーカー用シート。 - 前記薄肉部と前記凸部とは隣接し、その境界が屈曲可能とされていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のベビーカー用シート。
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