JP6001976B2 - 緑化資材およびその製法 - Google Patents

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Description

本発明は、屋上や壁面等に用いられる緑化資材に関し、より詳細には、水飽和時にも一定の強度を保つ、吸水性および保水性の高い緑化資材およびその製造方法に関するものである。
近年、建物の屋上、ベランダ、および壁面など、様々な場所の緑化が望まれるようになっている。上記のような建物の屋上等の特定用途に使用する緑化資材においては、通常の土壌と異なり、軽量であること、土壌の飛散・流出がなく設置が容易であること、等の制約がある。
このような特定の用途に用いられる緑化資材として、種々の緑化資材が提案されている。例えば、特開2004−313049号公報(特許文献1)や特開2010−222434号公報(特許文献2)には、木材や樹皮等を破砕したものを使用した成型物を緑化資材として利用することが提案されている。これらの成型物は、耐水性や耐朽性に優れるとともに、従来廃棄されていた木材や樹皮等を原料として使用しているため、環境面からも優れている。
また、環境保護の観点から、炭化物や活性炭等を用いた緑化資材が提案されている。炭化物や活性炭は熱分解などの炭化処理を行うことにより、廃プラスチック類などを含む幅広い材料を出発原料とすることができるため、木材を用いるものよりもリサイクルの面で優れていると言える。このような炭化物等を原料とした緑化資材として、例えば、特開2006−246858号公報(特許文献3)には、家畜の排泄物、木材、古紙を炭化させた材料を圧縮成型した炭化物ボードを緑化資材に利用することが提案されている。
特開2004−313049号公報 特開2010−222434号公報 特開2006−246858号公報
しかし、緑化資材へのこのような需要があるにも拘わらず、緑化資材の導入があまり進んでいないのが現状である。この原因の一つとして緑化資材の高い製造コストが挙げられる。一般的に緑化資材の製造は、その製造工程が複雑であったり、専用の設備を必要とするため、コスト面で不利になる傾向がある。
例えば、特許文献3のように、粒状物(炭化物)を繊維状物のみで固める場合であっても、繊維状物と粒状物とを強固に絡まり合わせるために、加圧成型は必須であると考えられる。したがって、このような加圧成型を行うためには、通常専用の加圧成型機が必要となり、コストの上昇を招く。また、工程数も増えるため、生産効率の面からも好ましくない。しかしながら、加圧成型を行わずに緑化資材を製造しようとすると、十分な強度が得られない場合がある。
一方、特許文献1および2の緑化資材は、木材の粉砕物と接着剤と混合したものを加圧し、粉砕物を圧着させることにより製造されている。一般的に、接着剤を混合した原料を加圧成型することで緑化資材の構成原料間の結合がより強まり耐久性は高まるが、一方で、構成原料間の空隙が減少し、緑化資材内に水が侵入し難くなり、保水性を維持できなくなる場合がある。
本発明はこのような課題に対処するものであり、炭化物、植物性セルロース繊維材料および接着剤を用いて緑化資材の製造を行うものである。これは、本発明者らが鋭意研究の結果知得した、炭化物に、接着剤と紙とを特定の配合量で加えることにより、混合した材料を型に詰めて乾燥させるという簡易な工程のみによって、水飽和時にも一定の強度を保持でき、かつ吸水性および保水性の高い緑化資材を得ることができるとの知見に基づく。
したがって、本発明の目的は、屋上などの緑化面や土壌が汚染された地域に置いて植物の育成を行うことができる、水飽和時にも一定の強度を保持でき、かつ吸水性および保水性の高い緑化資材を提供することである。
また、本発明の別の目的は、屋上などの緑化面や土壌が汚染された地域に置いて植物の育成を行うことができる、水飽和時にも一定の強度を保持でき、かつ吸水性および保水性の高い緑化資材の簡易な製造方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、緑化資材であって、質量%で
50%〜90%の炭化物と、
5%〜40%の植物性セルロース繊維材料と、
0.5%〜5%の接着剤と
を含んでなる、緑化資材が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、
植物性セルロース繊維材料に水を加えて粉砕し、スラリー状物にする工程と、
前記スラリー状物に、炭化物および接着剤を加えて混合し、混合物を形成する工程と、
前記混合物を型に充填する工程と、
前記型に充填した混合物を乾燥する工程と
を含む、緑化資材の製造方法が提供される。
本発明によれば、屋上などの緑化面や土壌が汚染された地域に置いて植物の育成を行うことができる、水飽和時にも一定の強度を保つ保水性の高い緑化資材およびその簡易な製造方法を提供することができる。
本発明の一態様による緑化資材の写真である。 例3における試料からの水分の蒸発速度を示すグラフである。 例3における試料の保水日数を示すグラフである。 例4における試料の保水日数を示すグラフである。 例6における西洋芝が発芽した緑化資材の写真である。 例7における、緑化ボード有りでの遮熱性を示すグラフである。 例7における、緑化ボード無しでの遮熱性を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
<原料>
(炭化物)
緑化資材に用いられる炭化物としては、木炭や竹炭だけでなく、プラスチックや衣服または産業廃棄物等を炭化して作られる炭化物であってもよく、さらにこれらの炭化物に賦活処理を行うことで得られる活性炭であってもよい。また、炭化物の形状も特に制限されるものではなく、顆粒状、棒状、板状、不定形状等、どのような形状であってもよいが、緑化資材内での分散性の観点から顆粒状が好ましい。
顆粒状の炭化物を用いる場合、その平均粒径は0.286〜11.069mmが好ましく、0.808〜5.452mmがより好ましく、0.808〜2.878mmが特に好ましい。ここで、炭化物の平均粒径の測定方法について説明する。まず、粉砕した炭化物粒子が少なくとも300個以上含まれるように任意にサンプルを採取する。次いでそのサンプルをカメラで撮影し、画像解析ソフト(imageJ 1.46)を用いて300個の粒子の定方向粒子径を測定する。最後に、測定した各粒子の粒子径の平均値を計算し、平均粒子径とする。
更に、炭化物が異なる粒径を有する少なくとも2種の炭化物からなるように調整することで、より高い保水性を達成することができる。更に高い保水性を得るためには、粒径の大きい種の炭化物の質量が炭化物全体の質量に対して1〜50質量%であるのが好ましく、25〜50質量%であるのがより好ましく、50質量%であるのが特に好ましい。また、粒径の大きい種の炭化物の粒径が、粒径の小さい種の炭化物の粒径に対して3〜6倍大きいのが好ましく、4〜5倍大きいのがより好ましい。
緑化資材の総質量に対する炭化物の含有量は、50%〜90%であり、60%〜85%であるのが好ましく、75%〜85%であるのが、強度、保水性および吸水性のバランスの観点から特に好ましい。
(植物性セルロース繊維材料)
緑化資材に用いられる植物性セルロース繊維材料は、本発明の目的が達成される物であればどのようなものであってもよく、例えば、紙類、衣類、農業廃棄物や林業廃棄物などが挙げられるが、加工および入手容易性の観点から紙類が好ましい。紙類の中でも、リサイクルの観点から古紙(新聞紙および雑誌など)を用いるのがより好ましい。また、セルロース繊維材料は難腐食性であるため、緑化資材に優れた耐朽性を付与し得る。
緑化資材の総質量に対する植物性セルロース繊維材料の含有量は、5%〜40%であり、8%〜35%であるのが好ましく、8%〜25%であるのが、強度、保水性および吸水性のバランスの観点から特に好ましい。
(接着剤)
緑化資材に用いられる接着剤は、本発明の目的が達成される範囲で、有機接着剤であっても無機接着剤であってもよく、合成接着剤であっても天然接着剤であってもよいが、環境に優しいという点で天然接着剤であるのが好ましい。また、使用する接着剤は水につけても流出しない耐水性接着剤であるのが好ましい。本発明による緑化資材に用いられる接着剤として、グルコマンナンおよび/またはラテックスを含んでなる接着剤が特に好ましい。
緑化資材の総質量に対する接着剤の含有量は、0.5%〜5%であり、0.5%〜3%であるのが好ましく、0.5%〜2.5%であるのが、強度、保水性および吸水性のバランスの観点から特に好ましい。なお、理論に拘束されるものではないが、接着剤を添加することで水の蒸発が抑制され、保水性が高まると考えられる。
(その他の原料)
本発明による緑化資材は、上記炭化物、植物性セルロース繊維材料、および接着剤のみで構成することができるが、これらの構成原料以外の任意の原料が含まれていてもよい。このような任意の原料としては、充填剤、溶剤、顔料、染料、防腐剤、防虫剤、防かび剤、消泡剤、肥料、農薬、土壌改良剤、成長促進剤、成長抑制剤、発芽促進剤、水分保持材等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
<緑化資材>
本発明による緑化資材は、主に上記炭化物、植物性セルロース繊維材料、および接着剤を用いて、実質的には以下の工程で製造される。
工程1:植物性セルロース繊維材料に水を加えて粉砕し、スラリー状物にする工程
工程2:スラリー状物に、炭化物および接着剤を加えて混合し、混合物を形成する工程
工程3:混合物を型に充填する工程
工程4:型に充填した混合物を乾燥する工程
上記の通り、本発明による緑化資材の製造方法は、加圧成型工程を含まないため、型に入れた後は乾燥するのみで使用することができる。したがって、工程が簡略化され、専用の加圧成型器も必要としないため、コスト面および生産効率の面で有利である。さらに、理論に拘束されるものではないが、加圧成型を行わないことで、緑化資材の構成原料間の空隙が保たれるため、より高い吸水性能が得られると考えられる。
さらに本発明による緑化資材の製造方法は、上記工程1の前に炭化物の粒度を調整する工程を有していてもよい。このような工程を追加し、炭化物の粒度を適切に調整することで、より保水性の高い緑化資材を得ることができる。
本発明による緑化資材の比重は、0.2〜0.4であるのが好ましく、0.23〜0.35であるのがより好ましく、0.25〜0.33であるのが強度、保水性および吸水性のバランスの観点から特に好ましい。
本発明による緑化資材の水飽和時の硬度は、山中式硬度計で測定した場合に、4mm〜27mmであるのが好ましく、6mm〜22mmであるのがより好ましく、8mm〜16mmであるのが強度を維持しつつ、植物の根が張るのを妨げない点で特に好ましい。なお、一般に土壌硬度27mm程度がオオバコなどの植物が成長できる最も硬い土壌硬度だと言われている。
本発明による緑化資材の形状は、特に限定されないが、シート状、ボード状、またはブロック状等であってもよい。大きさや厚さなども特に限定されることはなく、緑化資材として使用できればどのような寸法であってもよい。本発明による緑化資材の一態様として、ボード状の緑化資材の写真を図1に示す。
緑化資材で育成する植物は、特に限定されるものではないが、芝生、単子葉植物、双子葉植物、蔓植物、シダ植物、およびコケ植物などが挙げられる。また、植物の種子は緑化資材を成型する前に原料に混ぜ込んでもよく、成型後の緑化資材に直接播種してもよい。
緑化資材を設置する場所としては、特に限定されるものではないが、建物の屋上、ベランダ、および壁面、ならびに公園、学校、花壇、道路等のアスファルトの上、傾斜地の法面、事業所や一般住居における屋内植栽が挙げられる。さらに、土壌が汚染された地域であっても、土壌の上に設置して使用することができる。
また、本発明による緑化資材を建物の屋上や壁面に設置することが、緑化資材の遮熱効果により、夏場の太陽光線による室内温度の上昇を抑え得る点で好ましい。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明が実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、%は質量基準を示すものとする。
例1:緑化資材の作製
試料1
工程1:まず、炭化物(ポリエステルを熱分解して得られた炭化物を使用した)を16メッシュのふるいにかけ、通過したもので、かつ20メッシュで微粉をふるい落とし、粒度を調整した。粒度を調整した炭化物の平均粒径は1.16mmであった。
工程2:古紙6質量部を容器に入れ、そこに水100質量部加え、攪拌することによって容器内で古紙を粉砕し、スラリー状の紙を調製した。
工程3:工程2で調製したスラリー状の紙106質量部に対して、工程1で用意した炭化物30質量部と接着剤(グルコマンナン(茂木食品工業社製))1質量部を加え、混合した。
工程4:工程3で得た混合物を型に充填した。
工程5:型に充填した混合物を乾燥させ、緑化資材を得た。
試料2
接着剤としてラテックス(LX811H(品番)、日本ゼオン社製)を用いた以外は試料1と同様にして、緑化資材を得た。
試料3
接着剤を用いなかった以外は試料1と同様にして、緑化資材を得た。
例2:硬度の比較
試料1〜3で得た緑化資材の乾燥時および水飽和時(水に浸して3時間吸水させたもの)の硬度を、山中式硬度計(標準型、藤原製作所製)を用いて測定した。以下の表1に結果を示す。
上記結果より、接着剤を用いた試料1および2では、乾燥時だけでなく水飽和時も一定の硬度が保たれており、いずれも緑化資材として適していることが分かる。一方、試料3は水飽和時に脆弱となった。
例3:保水性の比較
上記緑化資材の作製と同様に、炭化物(ポリエステルを熱分解して得られた炭化物を使用した)と、破砕した紙と水の混合物及び接着剤(グルコマンナン)を、質量比30:6:100:1の割合で混合し、型に詰めて乾燥させて試料を得た(試料4)。さらに、接着剤を添加しない以外は同様にして、接着剤不添加の試料を得た(試料5)。これらの試料(試料4および5)を3サンプルずつ用意し、質量、体積、比表面積を測定した。測定結果を以下の表に示す。なお、表中の値は全て3サンプルの平均値である。
上記サンプルをそれぞれ水を張った容器に入れ、3時間吸水させた。吸水したサンプルを容器から取り出し、30℃(湿度25%〜30%)の恒温器に設置して3時間ごとの質量変化を記録し、水分の蒸発速度および保水日数を算出した。蒸発速度は、恒温器にサンプルを入れてから96時間後までの計測値を平均した速度である。保水日数は、吸水したサンプルの質量が吸水前の質量まで減少するまでの日数とした。
試験は各試料(試料4および5)について3サンプルずつ行い、平均値を算出した。得られた平均値を用いて、各試料の水分の蒸発速度を図2に、保水日数を図3に示す。図2および図3から、接着剤を添加することで、強度の向上のみならず、保水性も向上したことが分かる。
例4:炭化物の粒度の保水性への影響
サンプルごとに粒度分布を変えた炭化物(ポリエステルを熱分解して得られた炭化物を使用した)と、破砕した紙と水の混合物及び接着剤(グルコマンナン(茂木食品工業社製))を、質量比30:6:100:1の割合で混合し、型に詰めて乾燥させて試料を得た(試料6〜10)。粒度分布を変えるために、16メッシュのふるいにかけ、通過したもので、かつ20メッシュで微粉をふるい落としたものと、3.5メッシュの篩にかけて通過したもので、かつ4メッシュで微粉をふるい落としたものを用いてそれぞれ篩い分けたφ5mmとφ1mmの炭化物を下表に示す割合で混合した。サンプルを、各試料ごとに反復として3サンプルずつ用意し、質量、体積、比表面積を測定した。測定結果を以下の表3に示す。なお、表中の値は全て3サンプルの平均値である。
上記サンプルをそれぞれ水を張った容器に入れ、3時間吸水させた。吸水したサンプルを容器から取り出し、32℃(湿度25%〜30%)の恒温器に設置し、例3と同様に3時間ごとの質量変化を記録し、水分の蒸発速度および保水日数を算出した。試験は各試料(試料6〜10)について3サンプルずつ行い、平均値を算出した。各試料の吸水量および水分の蒸発速度の平均値を以下の表4に示す。さらに、各試料の保水日数を図4に示す。表4および図4から、粒度φ1mmの炭化物にφ5mmの炭化物を添加すると緑化資材の保水性が向上し、φ5mmの炭化物を質量比50%添加することで最も保水性が向上したことが分かる。
例5:緑化資材の組成による吸水性および飽和硬度への影響
炭化物(ポリエステルを熱分解して得られた炭化物を使用した)、破砕した紙および水の混合物、ならびに接着剤(グルコマンナン(茂木食品工業社製)またはラテックス(LX811H(品番)、日本ゼオン社製))を、下記表5に記載の組成比で混合し、型に詰めて乾燥させて試料を得た(試料A〜G)。試料の調製には、平均粒径0.808mmの炭化物と2.878mmの炭化物を1:1の割合で混合した炭化物を使用した。なお、下記表の組成は、各原料の質量比で示したものである。
上記のように調製した試料A〜Gについて、吸水量と水飽和硬度を測定した。吸水量として、水を張った容器に試料を設置し、3時間放置して吸水させた後の吸水量を用いた。結果を表6〜8に示す。なお、表中の吸水量の値は、乾燥状態の試料質量に対する吸収した水の質量の割合(%)で示した。また、水飽和硬度として、水に浸して3時間吸水させた試料の硬度を、山中式硬度計(標準型、藤原製作所製)を用いて測定した。結果を表6〜8に示す。
ここで、表6〜8はそれぞれ、緑化資材中の炭化物、植物性セルロース繊維材料(紙)および接着剤(グルコマンナンまたはラテックス)の含有割合と、吸水量および水飽和硬度との関係を示すものである。表6に示す試料は、表の左側の試料ほど多くの炭化物を含む。同様に、表7に示す試料は、表の左側の試料ほど多くの植物性セルロース繊維材料(紙)を含み、表8に示す試料は、表の左側の試料ほど多くの接着剤を含む。なお、いずれの表においても、各原料の組成は試料全体に対する割合(質量%)で示した。
例6:芝の育成
容器内に試料8と同様の手順で作製した緑化ボード(18cm×18cm×4.3cm、平均質量373g、比重0.27)を設置し、表面に西洋芝の種子を播種した。その後、25℃に温度管理された室内で栽培し、時折、乾燥しない程度に適宜水分を与えた。播種後、35日が経過した時の写真を図5に示す。西洋芝が発芽し生育していることがわかる。
例7:緑化ボードの遮熱効果
発泡スチロールで作成した槽(外寸W30cm×D30cm×H53cm:内寸W24cm×D24cm×H50cm)の上面をタイルで塞いで試験体を作成し、試験体の上方に熱源としてレフ電球を設置したものを試験装置とした。試験装置の上面(タイルの上)に緑化ボードを設置した場合としていない場合で、それぞれの槽内温度(タイルから5cm下に温度計1、槽の中央に温度計2、底面から10cmに温度計3を設置して、それぞれの位置での温度を測定した。)を一定時間ごとに記録し、遮熱性を評価した。結果を図6および図7に示す。緑化ボードを使用した場合、温度計1、2、3のいずれの位置でも温度の上昇が小さくなることがわかる。

Claims (8)

  1. 緑化資材であって、固形分量として、
    50%〜90%の炭化物と、
    5%〜40%の植物性セルロース繊維材料と、
    0.5%〜5%の接着剤と
    を含んでなり、
    前記接着剤がグルコマンナンまたはラテックスのうち一種類以上を含んでなる、緑化資材。
  2. 前記接着剤の割合が、緑化資材の総質量の0.5%〜2.5%である、請求項に記載の緑化資材。
  3. 前記炭化物が、平均粒径の異なる少なくとも2種の炭化物からなる、請求項1または2に記載の緑化資材。
  4. 前記少なくとも2種の炭化物のうち、粒径の大きい種の炭化物が、1〜50質量%の割合で含まれる、請求項に記載の緑化資材。
  5. 前記粒径の大きい種の炭化物の粒径が、粒径の小さい種の炭化物の粒径に対して3〜6倍大きい、請求項またはのいずれか一項に記載の緑化資材。
  6. 比重が0.25〜0.33である、請求項1〜のいずれか一項に記載の緑化資材。
  7. 植物性セルロース繊維材料に水を加えて粉砕し、スラリー状物にする工程と、
    前記スラリー状物に、炭化物および接着剤を加えて混合し、混合物を形成する工程と、 前記混合物を型に充填する工程と、
    前記型に充填した混合物を乾燥する工程と
    を含み、
    前記接着剤がグルコマンナンまたはラテックスのうち一種類以上を含んでなる、緑化資材の製造方法。
  8. 前記炭化物を加える前に、炭化物の粒度を調整する工程を更に含む、請求項に記載の製造方法。
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