JP6001898B2 - カフ付チューブ及びこれを用いた分離肺換気用具並びにカフ付チューブの製造方法 - Google Patents

カフ付チューブ及びこれを用いた分離肺換気用具並びにカフ付チューブの製造方法 Download PDF

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本発明は、生体の管組織内に挿入するためのチューブと、チューブの外周に取り付けられたカフとを有するカフ付チューブに関する。
従来から、生体の管組織内にチューブを挿入した状態で、チューブの外周に取り付けられたカフを膨張させることにより、前記管組織内の流体の流通を規制するカフ付チューブが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載のカフ付チューブを図9及び図10に示す。
特許文献1に記載のカフ付チューブは、図9に示すように、チューブ30と、チューブ30の外周に取り付けられたカフ31とを備えている。カフ31は、チューブ30の外周面に取り付けられる一対の取り付け部分32、33と、流体の導入により膨張するカフ固定部分34と、各取り付け部分32、33とカフ固定部分34との間の連結部35、36とを備えている。なお、符号J3は、人体の管組織の一例としての気管支を指示する。
特許文献1に記載のカフ付チューブは、カフ31の膨張によりカフ固定部分34が気管支J3に密着した状態で、人体に対するチューブ30の相対変位を許容する。具体的に、各取り付け部分32、33は、各取り付け部分32、33がカフ固定部分34の一部に重なるように(重なり部分D2、D3を形成するように)、カフ固定部分34の内側に押し込まれた状態でチューブ30に取り付けられている。そのため、カフ固定部分34が気管支J3に密着した状態において、チューブ30は、前記重なり部分D2又は重なり部分D3を展開させながら、その軸線方向に沿って人体に対して変位可能である。例えば、人体からチューブ30を引き抜く方向に移動させると、図10に示すように、カフ31の基端側の重なり部分D2が全て展開される一方、カフ31の先端側の重なり部分D3が重なり部分D4に増大する。これにより、チューブ30は、人体に対して相対的に引抜き方向に移動する。
特開2011−67596号公報
ところで、医療従事者は、チューブ30の先端位置が不適切な位置まで挿入されないように確認しながら、チューブ30を人体に挿入し、カフ31を膨張させる。つまり、不適切な位置が存在する場合には、少なくともその位置よりも手前にチューブ30の先端部が位置するように、チューブ30の挿入が行なわれる。
ここで、特許文献1に記載のカフ付チューブでは、カフ31が膨張した状態におけるチューブ30の軸線方向の双方向への移動が許容されている。そのため、医療従事者は、チューブ30に許容される挿入方向への移動量と不適切な位置との関係を考慮してチューブ30の先端部の位置を決定しなければならない。したがって、チューブ30の挿入作業が煩雑となる。
また、特許文献1に記載のカフ付チューブでは、カフ31の膨張状態におけるチューブ30の移動方向が不安定である、という問題もある。具体的に、特許文献1に記載のカフ付チューブでは、図9に示すように、先端側及び基端側に均等に重なり部分が形成されずに、先端側又は基端側に偏って重なり部分が形成される場合(例えば、図10に示すような場合)もある。
本発明の目的は、生体からの引抜き方向へのチューブの移動を許容しつつ生体に対する挿入方向へのチューブの移動が抑制されるようにカフを膨張可能なカフ付チューブを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、カフ付チューブであって、生体の管組織内に挿入可能なチューブと、前記チューブの外周面を全周に亘り覆うとともに前記チューブの軸線方向に並ぶ2つの固定箇所で前記チューブに固定され、前記各固定箇所の間において前記チューブの外側面との間に流体が導入されることにより膨張可能なカフと、前記チューブに対して前記カフの一部の移動を規制する規制機構とを備え、前記カフは、前記チューブに固定されていない自然状態において、前記チューブの外周面にそれぞれ固定されることにより前記各固定箇所を構成する一対の固定部と、前記各固定部の間に設けられているとともに前記各固定部よりも大きな直径寸法を有する大径部と、前記各固定部と前記大径部とを連結するように前記各固定部からそれぞれ立ち上がる一対の起立部とを有し、前記各固定部は、前記各固定部の間隔が自然状態における前記各固定部の間隔よりも短くされた状態で前記チューブの外側面に固定されているとともに、前記規制機構は、前記先端側に位置する前記起立部よりも基端側に位置する前記起立部に大きな弛みが形成されるように、先端側に位置する前記起立部における前記固定部の周囲の規定範囲について先端側への移動を規制するために前記チューブに固定されている、カフ付チューブを提供する。
本発明では、各固定部は、その間隔が自然状態における各固定部の間隔よりも短くされた状態でチューブの外側面に固定されている。そのため、チューブにカフが固定された状態では、大径部の一部と各固定部の一部とが重なるように各起立部に弛み部分が生じることになる。
ここで、本発明では、先端側に位置する起立部よりも基端側に位置する起立部に大きな弛みが形成されるように、先端側に位置する起立部の規定範囲の移動を規制する。これにより、カフ内に流体が導入される前の段階において、基端側の起立部に対して積極的に弛みを形成することができる。
さらに、本発明では、先端側に位置する起立部における固定部の周囲の規定範囲について先端側への移動が規制されている。これにより、流体が導入された状態において、基端側の起立部に積極的に弛み部分が生じるように、カフを膨張させる力を生じさせることができる。つまり、流体の導入によりカフが先端側へ膨張しようとする力を、流体の導入によりカフが基端側へ膨張しようとする力よりも小さくすることができる。具体的に、先端側に位置する起立部の前記規定範囲は、先端側への移動が規制されているため、カフ内の流体から圧力を受けても先端側へ膨張し得ない。つまり、前記規定範囲に相当する起立部の内側面は、カフが先端側へ膨張することに寄与する受圧面積(以下、実質的な受圧面積という)から除外することができる。一方、基端側に位置する起立部には、規制機構が設けられていない。そのため、先端側に位置する起立部の実質的な受圧面積は、基端側に位置する起立部のそれよりも小さい。したがって、カフ内に流体を導入することにより、カフを基端側に向けて膨張する力を生じさせることができる。
このように、本発明によれば、基端側の起立部に積極的に弛みを生じさせるようにカフを膨張することができる。そのため、生体からの引抜き方向へのチューブの移動を許容しつつ生体に対する挿入方向へのチューブの移動が抑制されるようにカフを膨張させることができる。
前記カフ付チューブにおいて、前記規定範囲は、規定圧の流体がカフに導入された状態において、前記流体の圧力により基端側に働く前記カフの膨張力が、前記規制部材により前記起立部の先端側への移動が規制されていることにより先端側に働く前記カフの復元力と同等又はこれよりも大きくなるように設定されていることが好ましい。
前記態様によれば、先端側の起立部よりも基端側の起立部に大きな弛みが形成された状態を維持したまま、前記カフを膨張することができる。具体的に、流体の圧力により基端側に働く膨張力fpは、規定範囲の内径ΦA(つまり、固定部の外側面の直径)と、規定範囲の外径ΦBとに基づいて、次の式により規定される(図3参照)。
fp=[π×(B/2)−π×(A/2)]×P
つまり、カフの基端側へ向けた膨張力fpは、前記受圧面積の差(規定範囲の面積)と圧力Pにより規定される。具体的に、規定範囲の外径ΦBが小さいほど、膨張力fpは小さくなる。
一方、カフの先端側へ向けた復元力feは、カフの設計(厚み、弾性等)と前記圧力Pにより定まる。
そのため、膨張力fpが復元力feと同等又はこれよりも大きくなるように規定範囲の外径ΦBが設定されることにより、先端側の起立部よりも基端側の起立部に大きな弛みが形成された状態を維持したままカフを膨張することができる。
前記カフ付チューブにおいて、前記規定範囲は、規定圧の流体がカフに導入された状態において、前記カフの膨張力と前記カフの復元力とがつり合うように設定されていることが好ましい。
前記態様によれば、必要な最小限の範囲に前記規定範囲を設定することができる。具体的に、チューブの挿入方向の移動を規制するためには、流体の導入前におけるカフの形状を維持したまま前記カフを膨張させることが必要である。これを実現するために、上述した式において、膨張力fpと復元力feとを等しくことにより、最小限の外径ΦBを設定することができる。
前記カフ付チューブにおいて、前記規制機構は、前記チューブに固定されているとともに、前記規定範囲の先端側への移動を規制するように前記先端側の起立部に対して先端側から当接する当接面を有する規制部材を備えていることが好ましい。
この態様では、規制部材の当接面を先端側の起立部に当接した状態で、規制部材をチューブに固定することにより、前記規定範囲の先端側への移動を規制することができる。したがって、例えば、他の部材を介さずに起立部とチューブとを直接接着する場合と比較して、起立部の移動の規制を容易に行なうことができる。
前記カフ付チューブにおいて、前記規制部材の当接面は、前記先端側の起立部の規定範囲に接着されていることが好ましい。
この態様では、当接面が起立部に接着されている。これにより、起立部における規定範囲の先端側への移動をより確実に規制することができる。また、規制部材(チューブ)に対する起立部の基端側への移動も規制することができる。そのため、カフ内の流体を吸引した(カフを収縮させた)場合に、当接面と起立部との間に間隙が形成されるのを防止することができる。これにより、カフを収縮した状態でカフと規制部材との間に段差が形成されるのを抑制することができる。したがって、チューブをスムーズに管組織内に挿入することができる。
前記カフ付チューブにおいて、前記規制部材は、前記チューブの先端側に位置する固定部及び前記チューブの先端部を圧入可能な圧入部を有し、前記圧入部の基端側の端面は、前記当接面を構成することが好ましい。
この態様では、固定部及びチューブの先端部を圧入可能な圧入部の端面が当接面を構成する。そのため、圧入部の端面が起立部に当接する位置まで、圧入部に対して固定部及びチューブの先端部を圧入することにより、固定部のチューブに対する固定の安定化と起立部の移動の規制との両立を図ることができる。
前記カフ付チューブにおいて、前記規制部材は、前記圧入部の先端側に設けられているとともに前記チューブの先端面を覆う端面被覆部を有し、前記圧入部と前記端面被覆部との間には、丸み部が形成されていることが好ましい。
この態様では、チューブの先端面を覆う端面被覆部と圧入部との間に丸み部が形成されている。これにより、チューブの先端面と側面との間の角部を丸み部が形成された規制部材によって被覆することができる。したがって、よりスムーズにチューブを管組織内に挿入することができる。
前記カフ付チューブにおいて、前記規制機構は、前記カフ内に設けられ、前記起立部の規定範囲の先端側への移動を規制するように前記規定範囲の内側面と前記チューブの外側面とを接着する接着剤を有することが好ましい。
この態様によれば、チューブと起立部の規定範囲とを直接接着することによって、上述した規制部材のように別部材を用意しなくてもカフの先端側へ向けた膨張を抑制することができる。一方、上述した規制部材に加えてチューブと起立部の規定範囲とを接着した場合には、より確実に起立部の移動を規制することができる。
前記カフ付チューブにおいて、前記カフの大径部の外側面には、前記生体の管組織の内側面に対する滑り止めが形成されていることが好ましい。
この態様によれば、生体の管組織に対するカフの大径部の滑りを抑制することができる。一方、上述のように、カフを膨張させた状態において、チューブは、カフに対して引抜き方向に移動可能である。そのため、生体内にカフ付チューブの先端部を留置した状態で、生体が姿勢を変えた場合であっても、カフの位置を確実に維持しながら生体の姿勢変動にチューブを追従させることができる。
また、本発明は、前記カフ付チューブを用いた分離肺換気用具であって、前記チューブは、人体の気管を介して気管支内まで挿入可能であり、前記カフは、前記チューブの途中部に設けられているとともに前記気管内で膨張させるための気管カフ、前記チューブの先端部に設けられているとともに前記気管支内で膨張させるための気管支カフ、のうち、少なくとも気管支カフを構成する、分離肺換気用具を提供する。
本発明に係る分離肺換気用具は、気管カフを気管内で膨張させるとともに、気管支カフを気管支内で膨張させることにより、一方の肺と他方の肺との間の気体の流通を停止させる。この状態で、チューブの内腔を通じて、何れかの肺の換気を行なうことができる(以下、分離肺換気という)。分離肺換気用具の使用方法は、次の通りである。
まず、仰臥位にある人体の口腔を通じてチューブの先端部を気管支まで挿入し、各カフを膨張させる。この状態で、チューブの基端部と人体の口部とを固定する。その後、人体の姿勢を仰臥位から側臥位に変更する。この姿勢変更の際、チューブの基端部は、人体の口部に固定されているため、チューブが人体から引き抜かれる方向に移動しようとする。
ここで、本発明に係る分離肺換気用具では、気管カフ、気管支カフのうち少なくとも気管支カフに対してチューブが引抜き方向に移動可能である。そのため、前記人体の姿勢が変化した場合であっても、気管支カフの膨張位置を確実に維持することができる。人体の気管支は、複数の分岐部分を有するため、気管支カフの膨張位置は、狭い範囲に制限される。そのため、気管支カフの膨張位置を維持できることの利点は極めて大きい。
また、本発明は、生体の管組織内に挿入可能なチューブと、前記チューブの外周面を全周に亘り覆うとともに前記チューブの軸線方向に並ぶ2つの固定箇所で前記チューブに固定され、前記各固定箇所の間において前記チューブの外側面との間に流体が導入されることにより膨張可能なカフとを有するカフ付チューブの製造方法であって、前記チューブの外周面にそれぞれ固定されることにより前記各固定箇所を構成する一対の固定部と、前記各固定部の間に設けられているとともに前記各固定部よりも大きな直径寸法を有する大径部と、前記各固定部と前記大径部とを連結するように前記各固定部からそれぞれ立ち上がる一対の起立部とを有するカフを準備する準備工程と、前記準備工程で準備されたカフの前記各固定部の間隔を短くした状態で、前記各固定部を前記チューブの外側面に固定する固定工程と、前記先端側に位置する前記起立部よりも基端側に位置する前記起立部に大きな弛みが形成されるように、先端側に位置する前記起立部における前記固定部の周囲の規定範囲について先端側への移動を規制する規制機構を前記チューブに固定する規制工程とを含む、カフ付チューブの製造方法を提供する。
本発明に係る製造方法によれば、生体からの引抜き方向へのチューブの移動を許容しつつ生体に対する挿入方向へのチューブの移動が抑制されるようにカフを膨張可能なカフ付チューブを製造することができる。
具体的に、本発明に係る製造方法では、準備工程で準備されたカフの各固定部の間隔を短くした状態で、各固定部をチューブの外側面に固定する。そのため、チューブにカフが固定された状態では、大径部の一部と各固定部の一部とが重なるように各起立部に弛み部分が生じることになる。
ここで、本発明に係る製造方法では、規制工程において、先端側に位置する起立部よりも基端側に位置する起立部に大きな弛みが形成されるように、先端側に位置する起立部の規定範囲の移動を規制する。これにより、カフ内に流体が導入される前の段階において、基端側の起立部に対して積極的に弛みを形成することができる。
さらに、本発明に係る製造方法では、規制工程において規制機構がチューブに固定されることにより、先端側に位置する起立部における固定部の周囲の規定範囲について先端側への移動が規制される。これにより、流体が導入された状態において、基端側の起立部に積極的に弛み部分が生じるように、カフを膨張させる力を生じさせることができる。したがって、上述したように、基端側の起立部に積極的に弛み部分が生じるように、カフを膨張可能なカフ付チューブを製造することができる。
前記カフ付チューブの製造方法において、前記規制工程では、前記規制機構を構成する規制部材の当接面を前記チューブの先端側に位置する前記起立部に対して先端側から当接させた状態で、前記規制部材を前記チューブに固定することが好ましい。
この製造方法では、当接面を起立部に当接させた状態で規制部材をチューブに固定することにより、起立部の規定範囲について先端側への移動を規制することができる。したがって、他の部材を介さずに起立部とチューブとを直接接着する場合と比較して、起立部の移動の規制を容易に行なうことができる。
前記カフ付チューブの製造方法において、前記規制工程では、前記規制機構を構成する接着剤によって、前記カフ内において前記起立部の規定範囲の先端側への移動を規制するように前記規定範囲の内側面と前記チューブの外側面とを接着することが好ましい。
この製造方法では、チューブと起立部の規定範囲とを直接接着することによって、上述した規制部材のように別部材を用意しなくてもカフの先端側へ向けた膨張を抑制することができる。一方、上述した規制部材に加えてチューブと起立部の規定範囲とを接着した場合には、より確実に起立部の移動を規制することができる。
本発明によれば、生体からの引抜き方向へのチューブの移動を許容しつつ生体に対する挿入方向へのチューブの移動が抑制されるようにカフを膨張することができる。
本発明の第1の実施形態に係る分離肺換気用具の全体構成を示す斜視図である。 図1に示す分離肺換気用具を人体に挿入した状態を示す概略図である。 図2に示す気管支カフの周辺部分を拡大して示す断面図である。 図2に示す気管支カフの受圧面積を説明するための概略図である。 チューブに固定される前の自然状態におけるカフを示す側面図である。 本発明の第2の実施形態を示す図3相当図である。 本発明の第3の実施形態に係る分離肺換気用具の先端部の側面図である。 図7に示す気管支カフの側面断面図である。 従来のカフ付チューブの膨張状態を示す側面断面図である。 図9に示すチューブが引抜き方向に移動した状態を示す側面断面図である。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係るカフ付チューブとしての分離肺換気用具1は、図1及び図2に示される。分離肺換気用具1は、患者(生体)Jの管組織内に挿入可能なチューブ2と、チューブ2の基端部に対して人工呼吸器等を接続するための接続部3と、チューブ2の途中部に設けられた気管カフ4と、チューブ2の先端部に設けられた気管支カフ5と、チューブ2に対する気管支カフ5の一部の移動を規制する規制部材6と、気管カフ4内に流体を注入するための気管カフ注入部7と、気管支カフ5内に流体を注入するための気管支カフ注入部8とを備えている。
チューブ2は、患者Jの口腔J1及び気管J2を介して左気管支J3まで挿入可能である。また、チューブ2は、気管カフ4を気管J2内で膨張させるとともに気管支カフ5を気管支J3内で膨張させた状態で、左右の肺を分離して換気可能である。具体的に、チューブ2には、チューブ2の基端部からチューブ2の途中部までの範囲に形成された右側孔2aと、チューブ2の基端部からチューブ2の先端部までの範囲に形成された左側孔2bとが形成されている。右側孔2aの先端部は、開口2dを通じて気管カフ4と気管支カフ5との間で開放されている。また、左側孔2bの先端部は、開口2eを通じてチューブ2の先端面で開放されている。したがって、各カフ4、5を膨張させた状態において、右側孔2aを通じた気体の流通と、左側孔2bを通じた気体の流通とが、分離して確保される。この状態で、患者Jの左右の肺を分離して換気することができる(以下、分離肺換気という)。
また、チューブ2には、気管カフ4及び気管支カフ5を膨張及び収縮させるための流体の通路が形成されている。具体的に、チューブ2には、気管カフ4の内部と気管カフ注入部7のチューブ7aとを連通させる図外の連通孔が形成されている。チューブ7aの基端部には、流体を出し入れするために、気管カフ注入部7の逆止弁7bが接続されている。また、チューブ2には、気管支カフ5の内部と気管支カフ注入部8のチューブ8aとを連通させる連通孔2c(図3参照)が形成されている。連通孔2cは、図3に示すように、気管支カフ5の内側に開く開口2fを有する。また、チューブ8aの基端部には、流体を出し入れするために、気管支カフ注入部8の逆止弁8bが接続されている。
接続部3は、チューブ2の右側孔2aに連通する右側チューブ9と、チューブ2の左側孔2bに連通する左側チューブ10と、これらのチューブ9、10の先端部と前記チューブ2の基端部と連結する連結部11とを備えている。右側チューブ9及び左側チューブ10の基端部は、それぞれ人工呼吸器等に接続可能である。
気管カフ4及び気管支カフ5は、流体の導入に応じて膨張する一方、流体が排出されることにより収縮する。具体的に、気管カフ4及び気管支カフ5は、それぞれ、チューブ2の外周面を全周に亘り覆うとともにチューブ2の軸線方向に並ぶ2つの固定箇所でチューブ2に固定されている。そして、各固定箇所の間においてチューブ2の外側面と気管カフ4及び気管支カフ5との間に流体が導入されることにより、気管カフ4及び気管支カフ5は、膨張する。
本実施形態において、気管カフ4は、通常の姿勢でチューブ2に固定されている一方、気管支カフ5は、その膨張時に、チューブ2が引抜き方向に移動可能となるようにチューブ2に固定されている。
具体的に、気管カフ4は、図2に示すように、チューブ2に固定されていない状態の形状(俵型の形状)を保持したまま、チューブ2の外側面に固定されている。
一方、気管支カフ5は、チューブ2に固定されていない自然状態での形状と異なる形状となるように、チューブ2に固定されている。まず、図5を参照して、自然状態における気管支カフ5の形状について説明する。
自然状態における気管支カフ5は、チューブ2の外周面にそれぞれ固定されることにより前記各固定箇所を構成する基端固定部14及び先端固定部15と、各固定部14、15の間に設けられているとともに各固定部14、15よりも大きな直径寸法を有する大径部16と、各固定部14、15と大径部16とを連結するように各固定部14、15から立ち上がる基端起立部17及び先端起立部18とを備えている。
そして、気管支カフ5は、自然状態における各固定部14、15の間隔P2よりも短い間隔P1(図3参照)とされた状態で、チューブ2の外側面に固定(接着)されている。
規制部材6は、各固定部14、15の間隔P2が間隔P1に縮められることにより生じる撓み部分が先端起立部18よりも基端起立部17に大きく形成されるように、先端起立部18の一部の移動を規制する。具体的に、規制部材6は、先端起立部18における先端固定部15の周囲の規定範囲(ΦAよりも外側でΦBよりも内側のドーナツ状の範囲)について先端側への移動を規制する。以下、規制部材6の具体的な構成を説明する。
規制部材6は、チューブ2の先端部及び先端固定部15を圧入可能な圧入部6aと、圧入部6aの先端側に設けられているとともにチューブ2の先端面を覆う端面被覆部6bとを備えている。端面被覆部6bは、チューブ2の先端面を先端側から覆う。また、端面被覆部6bには、左側孔2bを先端側に開放するための開口6dが形成されている。そして、圧入部6aと端面被覆部6bとの間には、丸み部6cが形成されている。この丸み部6cにより、規制部材6をスムーズに気管J2及び気管支J3に挿入することができる。
圧入部6aの内側面は、先端固定部15の外側面及びチューブ2の外側面に固定(接着)されている。また、圧入部6aの基端側の端面としての当接面6eは、先端固定部15の規定範囲に当接している。さらに、当接面6eは、規定範囲に接着されている。これにより、先端起立部18の規定範囲は、先端側だけでなく基端側に向けた移動も規制されている。
このように、規制部材6(圧入部6a)は、先端起立部18よりも基端起立部17に大きな弛みが形成されるように先端起立部17の規定範囲の移動を規制する。これにより、気管支カフ5に流体が導入される前の段階において、基端起立部17に対して積極的に弛みを形成することができる。
さらに、規制部材6(圧入部6a)は、先端起立部18における規定範囲について先端側への移動を規制する。これにより、流体が導入された状態において、基端起立部17に積極的に弛み部分が生じるように、気管支カフ5を膨張させる力を生じさせることができる。つまり、流体の導入により気管支カフ5が先端側に膨張しようとする力を、流体の導入により気管支カフ5が基端側へ膨張しようとする力よりも小さくすることができる。具体的に、先端起立部18の規定範囲は、先端側への移動が規制されているため、気管支カフ5内の流体から圧力を受けても先端側へ膨張し得ない。つまり、規定範囲に相当する起立部の内側面は、気管支カフ5が先端側へ膨張することに寄与する受圧面積(以下、実質的な受圧面積という)から除外することができる。一方、基端起立部17には、規制部材6が設けられていない。そのため、先端起立部18の実質的な受圧面積は、基端起立部17の受圧面積よりも小さい。したがって、気管支カフ5内に流体を導入することにより、気管支カフ5を基端側に向けて膨張する力を生じさせることができる。
具体的に、先端起立部18の実質的な受圧面積は、図3及び図4に示すように、圧入部6aの外径ΦBと気管支カフ5の最大直径ΦCとの間の面積である。一方、基端起立部17の受圧面積は、圧入部6aの内径ΦAと前記最大直径ΦCとの間の面積である。つまり、各受圧面積の差は、内径ΦAと外径ΦBとの間の面積(図4のクロスハッチングの面積:圧入部6aの肉厚に相当する面積)となる。この受圧面積の差に応じた力を、気管支カフ5を基端側に向けた膨張力として生じさせることができる。
また、圧入部6aは、流体の導入前における気管支カフ5の形状(先端起立部18よりも基端起立部17に大きな弛みが形成された形状)を維持したまま、気管支カフ5を膨張するために必要な最小限の範囲となるように、前記規定範囲を定義する。具体的に、圧入部6aは、図3に示すように、規定圧Pの流体が気管支カフ5に導入された状態において、各固定部14、15の間隔が短くされていることにより先端側に働くカフの復元力feと、流体の圧力Pにより基端側に働く膨張力fpとがつり合うための規定範囲を定義する。具体的に、膨張力fpは、圧入部6aの内径ΦAと、圧入部6aの外径ΦBとに基づいて、次の式により規定される。
fp=[π×(B/2)−π×(A/2)]×P
つまり、気管支カフ5の基端側へ向けた膨張力fpは、受圧面積の差(図4のクロスハッチングの面積)と圧力Pにより規定される。具体的に、外径ΦBが小さいほど膨張力fpは小さくなる。
一方、気管支カフ5の先端側へ向けた復元力feは、気管支カフ5の設計(厚み、弾性等)と圧力Pにより定まる。
そのため、膨張力fpと復元力feとがつり合うように規定範囲の外径ΦBが設定されることにより、必要最小限の範囲に規定範囲を設定することができる。具体的に、チューブ2の挿入方向の移動を規制するためには、流体の導入前における気管支カフ5の形状を維持したまま気管支カフ5を膨張させることが必要である。これを実現するために、上述した式において、膨張力fpと復元力feとを等しくすることにより、最小限の外径ΦBを設定することができる。
なお、本実施形態では、膨張力fpと復元力feとがつり合う例について説明したが、膨張力fpが復元力feよりも大きくなるように、外径ΦBを設定してもよい。この場合には、先端起立部18よりも基端起立部17に大きな弛みが形成された状態を維持したまま気管支カフ5を膨張することができる。ただし、外径ΦBは、患者Jの左気管支J3(生体の管組織)の内径よりも小さくすることが必要である。
以上説明したように、気管支カフ5は、規制部材6を有するため、図3に示すように、先端起立部18と比較して基端起立部17に大きな弛みが形成された状態で膨張する。この状態では、気管支カフ5の大径部16と左気管支J3の内側面とが密着している。これにより、気管支カフ5の大径部16は、患者Jに対して固定される。一方、基端起立部17には、弛みが形成されているため、この弛みを展開させるようにチューブ2は、引抜き方向(基端側)へ移動可能である。換言すると、チューブ2の移動に応じて、先端起立部18に弛みが生じる。
一方、図3に示す状態においては、先端起立部18に生じる弛みは、基端起立部17に生じる弛みに比較して小さい。したがって、チューブ2の挿入方向(先端方向)への移動は抑制される。
前記実施形態において、規制部材6は、その当接面6eが先端起立部18に当接した状態で、チューブ2に固定されている。これにより、先端起立部18における規定範囲の先端側への移動が規制されている。したがって、例えば、他の部材を介さずに先端起立部18とチューブ2とを直接接着する場合と比較して、先端起立部18の移動の規制を容易に行なうことができる。
前記実施形態において、規制部材6の当接面6eは、先端起立部18に接着されている。これにより、先端起立部18における規定範囲の先端側への移動をより確実に規制することができる。また、規制部材(チューブ2)に対する先端起立部18の基端側への移動も規制することができる。そのため、気管支カフ5内の流体を吸引した(気管支カフ5を収縮させた)場合に、当接面6eと先端起立部18との間に間隙が形成されるのを防止することができる。これにより、気管支カフ5を収縮した状態で気管支カフ5と規制部材6との間に段差が形成されるのを抑制することができる。したがって、チューブ2をスムーズに左気管支J3内に挿入することができる。
前記実施形態において、規制部材6の圧入部6aの端面が当接面6eとして機能する。そのため、圧入部6aの端面(当接面6e)が先端起立部18に当接する位置まで、圧入部6aに対して先端固定部15及びチューブ2の先端部を圧入することにより、先端固定部15のチューブ2に対する固定の安定化と先端起立部18の移動の規制との両立を図ることができる。
前記実施形態において、規制部材6の端面被覆部6bと圧入部6aとの間に丸み部6cが形成されている。これにより、チューブ2の先端面と側面との間の角部を丸み部6cが形成された規制部材6によって被覆することができる。したがって、よりスムーズにチューブ2を気管J2内及び左気管支J3内に挿入することができる。
以下、分離肺換気用具1の使用方法について図2を用いて説明する。
まず、仰臥位にある患者Jの口腔J1を通じてチューブ2の先端部を左気管支J3まで挿入し、各カフ4、5を膨張させる。これにより、一方の肺と他方の肺との間の気体の流通が停止させる。この状態で、チューブ2の基端部と患者Jの口部とを固定する。その後、患者Jの姿勢を仰臥位から側臥位に変更し、右側チューブ9及び左側チューブ10に対して人工呼吸器等を接続する。これにより、左右の肺を分離して換気することができる。
なお、前記姿勢変更の際、チューブ2の基端部は、患者Jの口部に固定されているため、チューブ2が患者Jから引き抜かれる方向に移動しようとする。ここで、前記実施形態に係る分離肺換気用具1では、気管支カフ5に対してチューブ2が引抜き方向に移動可能である。そのため、患者Jの姿勢が変化した場合であっても、気管支カフ5の膨張位置を確実に維持することができる。患者Jの左気管支J3は、複数の分岐部分を有するため、気管支カフ5の膨張位置は、狭い範囲に制限される。そのため、気管支カフ5の膨張位置を維持できることの利点は極めて大きい。
以下、分離肺換気用具1の製造方法について説明する。
まず、図5に示す自然状態にある気管支カフ5を準備する(準備工程)。次に、準備工程で準備された気管支カフ5の各固定部14、15の間隔P2(図5)を間隔P1(図3)まで短くした状態で、各固定部14、15をチューブ2の外側面に固定(接着)する(固定工程)。この固定工程を行なうことにより、各固定部14、15に弛み部分が生じた状態(図9参照)となる。
次いで、規制部材6の当接面6eが先端起立部18の規定範囲に当接するまで、規制部材6の圧入部6a内にチューブ2及び先端固定部15を圧入する(規制工程)。この規制工程では、先端起立部18よりも基端起立部17に大きな弛みが形成されるように、先端起立部18の規定範囲の移動が規制される。これにより、流体導入前の段階において、基端起立部17に対して積極的に弛みを形成することができる。
さらに、前記規制工程において規制部材6がチューブ2に固定されることにより、先端起立部18における先端固定部15の周囲の規定範囲について先端側への移動が規制される。これにより、流体が導入された状態において、基端起立部17に積極的に弛み部分が生じるように、気管支カフ5を膨張させる力を生じさせることができる。したがって、上述したように、基端起立部17に積極的に弛み部分が生じるように、気管支カフ5を膨張可能な分離肺換気用具1を製造することができる。
また、前記規制工程では、当接面6eを先端起立部18に当接させた状態で規制部材6をチューブ2に固定することにより、先端起立部18の規定範囲について先端側への移動を規制することができる。したがって、他の部材を介さずに先端起立部18とチューブ2とを直接接着する場合と比較して、先端起立部18の移動の規制を容易に行なうことができる。
なお、圧入部6aに対するチューブ2及び先端固定部15の圧入に先立ち、規制部材6の内側面及び当接面6eに接着剤を塗布しておくことにより、前記規制工程において、規制部材6と気管支カフ5及びチューブ2との接着を同時に行うことができる。ただし、圧入部6aに対するチューブ2及び先端固定部15の圧入の後に、接着剤を塗布することもできる。
そして、前記準備工程、固定工程、及び規制工程とは異なる時期に、又はこれらと同時に、チューブ2に対して接続部3、気管カフ4、気管カフ注入部7、及び気管支カフ注入部8を固定することにより、分離肺換気用具1を製造することができる。
[第2の実施形態]
以下、図6を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
第2の実施形態に係る分離肺換気用具1では、前記規制部材6が省略されている。具体的気に、分離肺換気用具1は、先端起立部18の前記規定範囲の内側面と、チューブ2の外側面とを接着する接着剤(規制機構)19を有する。
接着剤19は、先端起立部18よりも基端起立部17に大きな弛みが形成されるように、先端起立部18における先端固定部15の周囲の規定範囲について先端側への移動を規制する。したがって、第2の実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
また、第2の実施形態では、チューブ2と先端起立部18の規定範囲とを直接接着することによって、上述した規制部材6のように別部材を用意しなくても気管支カフ5の先端側へ向けた膨張を抑制することができる。
なお、上述した規制部材6に加えてチューブ2と先端起立部18の規定範囲とを接着剤19により接着することもできる。この場合には、より確実に起立部の移動を規制することができる。
[第3の実施形態]
以下、図7及び図8を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
第3の実施形態に係る分離肺換気用具1は、気管支カフ5の大径部16の外側面に形成され、患者Jの左気管支J3の内側面に対する複数の滑り止め16aをさらに備えている。各滑り止め16aは、それぞれ大径部16の全周に亘り大径部16から外側に突出する。
第3の実施形態によれば、患者Jの左気管支J3に対する気管支カフ5の大径部16の滑りを抑制することができる。一方、上述のように、気管支カフ5を膨張させた状態において、チューブ2は、気管支カフ5に対して引抜き方向に移動可能である。そのため、患者Jの左気管支J3内に分離肺換気用具1の先端部を留置した状態で、患者Jが姿勢を変えた場合であっても、気管支カフ5の位置を確実に維持しながら患者Jの姿勢変動にチューブ2を追従させることができる。
なお、前記各実施形態では、気管支カフ5に対して規制機構(規制部材6、接着剤19)を設ける点を説明したが、規制機構の適用対象は、気管カフ4でもよい。また、前記各実施形態に係るチューブ2は、口腔J1を介して挿入可能なものであるが、鼻腔J4(図2参照)を介して挿入可能なものでもよい。
さらに、前記各実施形態では、カフ付チューブとして分離肺換気用具1について説明したが、これに限定されない。例えば、カフ付チューブは、血管、胆管、食道、気管、尿道、その他の生体の管組織内に挿入可能なチューブと、前記管組織内で膨張可能なカフとを有する他の用具であってもよい。
J 患者(生体の一例)
J2 気管(管組織の一例)
J3 左気管支(管組織の一例)
P 規定圧
P1 間隔
P2 間隔
fe 復元力
fp 膨張力
ΦA 内径
ΦB 外径
1 分離肺換気用具(カフ付チューブの一例)
2 チューブ
4 気管カフ(カフの一例)
5 気管支カフ(カフの一例)
6 規制部材(規制機構の一例)
6a 圧入部
6b 端面被覆部
6c 丸み部
6e 当接面
14 基端固定部
15 先端固定部
16 大径部
17 基端起立部
18 先端起立部
19 接着剤(規制機構の一例)

Claims (13)

  1. カフ付チューブであって、
    生体の管組織内に挿入可能なチューブと、
    前記チューブの外周面を全周に亘り覆うとともに前記チューブの軸線方向に並ぶ2つの固定箇所で前記チューブに固定され、前記各固定箇所の間において前記チューブの外側面との間に流体が導入されることにより膨張可能なカフと、
    前記チューブに対して前記カフの一部の移動を規制する規制機構とを備え、
    前記カフは、前記チューブに固定されていない自然状態において、前記チューブの外周面にそれぞれ固定されることにより前記各固定箇所を構成する一対の固定部と、前記各固定部の間に設けられているとともに前記各固定部よりも大きな直径寸法を有する大径部と、前記各固定部と前記大径部とを連結するように前記各固定部からそれぞれ立ち上がる一対の起立部とを有し、
    前記各固定部は、前記各固定部の間隔が自然状態における前記各固定部の間隔よりも短くされた状態で前記チューブの外側面に固定されているとともに、前記規制機構は、前記先端側に位置する前記起立部よりも基端側に位置する前記起立部に大きな弛みが形成されるように、先端側に位置する前記起立部における前記固定部の周囲の規定範囲について先端側への移動を規制するために前記チューブに固定されている、カフ付チューブ。
  2. 前記規定範囲は、規定圧の流体がカフに導入された状態において、前記流体の圧力により基端側に働く前記カフの膨張力が、前記規制部材により前記起立部の先端側への移動が規制されていることにより先端側に働く前記カフの復元力と同等又はこれよりも大きくなるように設定されている、請求項1に記載のカフ付チューブ。
  3. 前記規定範囲は、規定圧の流体がカフに導入された状態において、前記カフの膨張力と前記カフの復元力とがつり合うように設定されている、請求項2に記載のカフ付チューブ。
  4. 前記規制機構は、前記チューブに固定されているとともに、前記規定範囲の先端側への移動を規制するように前記先端側の起立部に対して先端側から当接する当接面を有する規制部材を備えている、請求項1〜3の何れか1項に記載のカフ付チューブ。
  5. 前記規制部材の当接面は、前記先端側の起立部の規定範囲に接着されている、請求項4に記載のカフ付チューブ。
  6. 前記規制部材は、前記チューブの先端側に位置する固定部及び前記チューブの先端部を圧入可能な圧入部を有し、前記圧入部の基端側の端面は、前記当接面を構成する、請求項4又は5に記載のカフ付チューブ。
  7. 前記規制部材は、前記圧入部の先端側に設けられているとともに前記チューブの先端面を覆う端面被覆部を有し、
    前記圧入部と前記端面被覆部との間には、丸み部が形成されている、請求項6に記載のカフ付チューブ。
  8. 前記規制機構は、前記カフ内に設けられ、前記起立部の規定範囲の先端側への移動を規制するように前記規定範囲の内側面と前記チューブの外側面とを接着する接着剤を有する、請求項1〜7の何れか1項に記載のカフ付チューブ。
  9. 前記カフの大径部の外側面には、前記生体の管組織の内側面に対する滑り止めが形成されている、請求項1〜8の何れか1項に記載のカフ付チューブ。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載のカフ付チューブを用いた分離肺換気用具であって、
    前記チューブは、人体の気管を介して気管支内まで挿入可能であり、
    前記カフは、前記チューブの途中部に設けられているとともに前記気管内で膨張させるための気管カフ、前記チューブの先端部に設けられているとともに前記気管支内で膨張させるための気管支カフ、のうち、少なくとも気管支カフを構成する、分離肺換気用具。
  11. 生体の管組織内に挿入可能なチューブと、前記チューブの外周面を全周に亘り覆うとともに前記チューブの軸線方向に並ぶ2つの固定箇所で前記チューブに固定され、前記各固定箇所の間において前記チューブの外側面との間に流体が導入されることにより膨張可能なカフとを有するカフ付チューブの製造方法であって、
    前記チューブの外周面にそれぞれ固定されることにより前記各固定箇所を構成する一対の固定部と、前記各固定部の間に設けられているとともに前記各固定部よりも大きな直径寸法を有する大径部と、前記各固定部と前記大径部とを連結するように前記各固定部からそれぞれ立ち上がる一対の起立部とを有するカフを準備する準備工程と、
    前記準備工程で準備されたカフの前記各固定部の間隔を短くした状態で、前記各固定部を前記チューブの外側面に固定する固定工程と、
    前記先端側に位置する前記起立部よりも基端側に位置する前記起立部に大きな弛みが形成されるように、先端側に位置する前記起立部における前記固定部の周囲の規定範囲について先端側への移動を規制する規制機構を前記チューブに固定する規制工程とを含む、カフ付チューブの製造方法。
  12. 前記規制工程では、前記規制機構を構成する規制部材の当接面を前記チューブの先端側に位置する前記起立部に対して先端側から当接させた状態で、前記規制部材を前記チューブに固定する、請求項11に記載のカフ付チューブの製造方法。
  13. 前記規制工程では、前記規制機構を構成する接着剤によって、前記カフ内において前記起立部の規定範囲の先端側への移動を規制するように前記規定範囲の内側面と前記チューブの外側面とを接着する、請求項11又は12に記載のカフ付チューブの製造方法。
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