JP6001719B2 - タイヤ - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、熱可塑性の高分子材料を用いて成形された空気入りタイヤが開示されている。
また、熱可塑性の高分子材料を用いてタイヤを製造する場合、製造効率を高め低コストを実現しつつ従来のゴム製タイヤと比して遜色のない性能を実現することが求められる。
ここで、「熱可塑性エラストマー」とは、分子中にハードセグメント及びソフトセグメントを有する熱可塑性樹脂材料であるが、詳細には、弾性を有する高分子化合物であって、結晶性で融点の高いハードセグメントを構成するポリマーと、非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性樹脂材料を言う。
また、熱可塑性エラストマーが有する「ハードセグメントと同種の樹脂」とは、熱可塑性エラストマーが有するハードセグメントの主鎖を構成する骨格と共通する骨格を有する樹脂を言う。なお、本発明における樹脂は、熱可塑性または熱硬化性を有する樹脂を意味し、従来の天然ゴムや合成ゴム等の加硫ゴムは含まない。熱可塑性エラストマーもまた、従来の天然ゴムや合成ゴム等の加硫ゴムを包含しない。
以下、熱可塑性エラストマー以外であって、熱可塑性エラストマーの有するハードセグメントと同種の樹脂を、単に「特定樹脂」とも称する。
従って、特定樹脂と熱可塑性エラストマーとを含む熱可塑性樹脂は、単に両者が含まれ、特定樹脂が熱可塑性エラストマー中に均一に分散し、特定樹脂と熱可塑性エラストマーそれぞれの性質を有するようになるのではなく、熱可塑性エラストマーのハードセグメントの領域が大きくなって、熱可塑性樹脂材料の弾性率が高まると考えられる。
熱可塑性エラストマーのみで構成される樹脂材料を用いて形成されるタイヤは、熱可塑性エラストマーのハードセグメント領域の数を多くして、弾性率を大きくした場合に、損失正接(tanδ)が大きくなる傾向がある。具体的には、熱可塑性エラストマーのハードセグメントとソフトセグメントの比率を変えて、弾性率を大きくした場合、粘弾性測定における熱可塑性エラストマーのtanδのピークは高温側にシフトし、30℃〜50℃におけるtanδが大きくなる傾向にある。
樹脂材料の損失正接(tanδ)が大きくなると、タイヤが転動する際の変形で発生するエネルギー損失(発熱)が大きくなり、転がり抵抗が大きくなる傾向にある。その為に、かかる樹脂材料を原料とするタイヤを用いた自動車は、燃費が大きくなり易い。つまり、熱可塑性エラストマーのみで構成される樹脂材料を用いて形成されるタイヤは、タイヤの耐変形性を向上する目的で当該樹脂材料の弾性率を上げると、同時に樹脂材料のtanδも上がってしまうため、低燃費を実現しにくかった。
以上より、本発明においては、熱可塑性樹脂材料の弾性率が高まっても、tanδが上がり難いと考えられる。
このように、熱可塑性エラストマーが有するハードセグメントと相溶し易い樹脂の弾性率を、上記範囲とすることで、熱可塑性エラストマーのハードセグメントの弾性率をより高めることができるため、より一層、弾性率の高い熱可塑性樹脂材料を得ることができる。その結果、より弾性率の高いタイヤを得ることができる。
熱可塑性樹脂材料中の前記熱可塑性エラストマーの含有量が上記範囲であると、熱可塑性樹脂材料が有する性能を十分に発揮でき、タイヤ性能としての引張弾性、破断強度等の引張り特性を向上することができる。
熱可塑性樹脂材料中の前記熱可塑性エラストマーの含有量が上記範囲であると、熱可塑性樹脂材料が有する性能を十分に発揮でき、タイヤ性能としての引張弾性、破断強度等の引張り特性をより向上することができる。
ここで、「ポリアミド系熱可塑性エラストマー」とは、弾性を有する高分子化合物であり、結晶性で融点の高いハードセグメントを構成するポリマーと、非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性樹脂材料であって、ハードセグメントを構成するポリマーの主鎖にアミド結合(−CONH−)を有するものを言う。また、ポリアミド系樹脂とは、主鎖にアミド結合(−CONH−)を有する熱可塑性の樹脂を言う。
このように、ポリアミド系熱可塑性エラストマーの特定樹脂としては、ポリアミド系熱可塑性エラストマーが有するハードセグメントの分子鎖の主鎖を構成する骨格(アミド結合)と共通する骨格(アミド結合)を有する樹脂、すなわち、ポリアミド系樹脂を用いることが好ましい。ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、耐熱性を有するとともに、引張弾性率、引張強度及び破断ひずみに優れると言う利点がある。このため、特定樹脂としてポリアミド系樹脂を併用することで、さらに転がり抵抗を抑制する効果を発現することができ、耐久性が良い上に、低燃費のタイヤを得ることができる。
熱可塑性樹脂材料で形成されたタイヤ骨格体の外周部に補強コード部材が巻回されて補強コード部材層が形成されていると、タイヤの耐パンク性、耐カット性、及びタイヤ(タイヤ骨格体)の周方向剛性が向上する。なお、周方向剛性が向上することで、熱可塑性材料で形成されたタイヤ骨格体のクリープ(一定の応力下でタイヤ骨格体の塑性変形が時間とともに増加する現象)が抑制される。
本発明のタイヤは、分子中にハードセグメント及びソフトセグメントを有する熱可塑性エラストマーと、前記熱可塑性エラストマー以外であって、前記ハードセグメントと同種の樹脂と、を含む熱可塑性樹脂材料で形成された環状のタイヤ骨格体を有する。
以下、熱可塑性エラストマー及び特定樹脂について説明する。
「熱可塑性エラストマー」とは、既述のように、分子中にハードセグメント及びソフトセグメントを有する熱可塑性樹脂材料であり、詳細には、弾性を有する高分子化合物であって、結晶性で融点の高い、ハードセグメントを構成するポリマーと、非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性樹脂材料をいう。なお、熱可塑性エラストマーには、従来の天然ゴムや合成ゴム等の加硫ゴムは包含されない。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
「ポリアミド系熱可塑性エラストマー」とは、弾性を有する高分子化合物であり、結晶性で融点の高いハードセグメントを構成するポリマーと、非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性樹脂材料であって、ハードセグメントを構成するポリマーの主鎖にアミド結合(−CONH−)を有するものをいう。ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、JIS K6418:2007に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)等や、特開2004−346273号公報に記載のポリアミド系エラストマー等を挙げることができる。
中でも、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−12等が好ましく、ナイロン−12がより好ましい。
脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体等が挙げられる。
「ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー」とは、弾性を有する高分子化合物であり、結晶性で融点の高いハードセグメントを構成するポリマーと、非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性樹脂材料であって、ハードセグメントを構成するポリマーが、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンであるものを言う。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、1−ブテン−4−メチル−ペンテン等が挙げられる。
2種類以上のポリオレフィン樹脂を組み合わせて使用してもよく、その場合、2種類以上のポリオレフィン樹脂のうち、1種は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー中のポリオレフィン含率が50質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
「ポリスチレン系熱可塑性エラストマー」とは、弾性を有する高分子化合物であり、ハードセグメントを構成するポリマーと、非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性樹脂材料であって、ハードセグメントを構成するポリマーが、ポリスチレン及びポリスチレン誘導体を含むものを言う。
ソフトセグメントを構成するポリマーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、ポリ(2,3−ジメチル−ブタジエン)等が挙げられる。
前記ソフトセグメントを構成するポリマーの数平均分子量としては、5,000〜1,000,000が好ましく、より好ましくは10,000〜800,000、更に好ましくは30,000〜500,000である。
更に前記ハードセグメント(X)とソフトセグメント(Y)との質量比(X:Y)は成形性、物性の観点から、5:95〜80:20が好ましく、10:90〜70:30が更に好ましい。
本発明におけるポリエステル系熱可塑性エラストマーは、弾性を有する高分子化合物であり、結晶性で融点の高いハードセグメントを構成するポリマーと、非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性樹脂材料であって、ハードセグメントを構成するポリマーとしてポリエステル樹脂を含むものである。ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、JIS K6418:2007に規定されるエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
ハードセグメントを形成する芳香族ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられ、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。
脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体等が挙げられる。
脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが挙げられる。
以上、説明した熱可塑性エラストマーの中でも、耐熱性を有するとともに、引張弾性率、引張強度及び破断ひずみに優れると言う観点から、ポリアミド系熱可塑性エラストマーが好ましい。
熱可塑性樹脂には、熱可塑性エラストマー以外であって、熱可塑性エラストマーが有するハードセグメントと同種の樹脂(特定樹脂)を含む。
熱可塑性エラストマーが有する「ハードセグメントと同種の樹脂」とは、熱可塑性エラストマーが有するハードセグメントの主鎖を構成する骨格と共通する骨格を有する樹脂をいい、本発明における樹脂は、熱可塑性または熱硬化性を有する樹脂を意味し、従来の天然ゴムや合成ゴム等の加硫ゴムは含まない。
ポリアミド系樹脂は、主鎖にアミド結合(−NHCO−)を有する樹脂であり、熱硬化性であっても、熱可塑性であってもよい。
ポリアミド系樹脂としては、ポリカプラミド(ナイロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン−6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン−8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン−10,8)等の脂肪族ポリアミド、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン等の芳香族ジアミンと、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合反応で得られる結晶性芳香族ポリアミド等が挙げられる。
中でも、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−12等が好ましく、ナイロン−12がより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、主鎖が、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどのポリオレフィンであり、熱硬化性であっても、熱可塑性であってもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、シクロオレフィン系樹脂、これらの樹脂の共重合体等が挙げられる。
中でも、熱可塑性樹脂材料の弾性率を大きくする観点から、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体がより好ましい。
ポリスチレン系樹脂は、ポリスチレンを含む樹脂であり、熱硬化性であっても、熱可塑性であってもよい。ポリスチレン系樹脂は、ポリスチレン系熱可塑性エラストマーのソフトセグメントを構成し得るポリマー以外のポリマーを1種以上共重合成分として含んでいてもよい。
ポリスチレン系樹脂の数平均分子量としては、溶融成形性の観点から、数平均分子量は,5,000〜10,000,000であることが好ましい。5,000未満の場合には,樹脂複合材の機械的物性が低下するおそれがある。10,000,000を超える場合には,樹脂複合材の加工性に問題が生じるおそれがある。上記と同様の理由により,ポリスチレン系樹脂の数平均分子量は,7,000〜1,000,000である。特に好ましくは,ポリスチレン系樹脂の数平均分子量は,10,000〜1,000,000である。これにより,樹脂複合材の機械的物性及び加工性を更に向上させることができる。
熱可塑性樹脂材料は、熱可塑性エラストマー以外のポリエステル樹脂を含む。ポリエステル系樹脂は、主鎖にエステル結合を有する樹脂である。
芳香族ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられ、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。
また、熱可塑性樹脂材料中、熱可塑性エラストマーの含有量は、熱可塑性エラストマーの性能を十分発揮させる観点から、熱可塑性樹脂材料の全質量に対して、40質量%〜95質量%であることが好ましく、50質量%〜90質量%であることがより好ましい。
本発明のタイヤは、タイヤ骨格体の外周部に周方向に巻回されて補強コード層を形成する補強コード部材を有していてもよい。
また、補強コード層には、樹脂材料を含めて構成することができる。このように、補強コード層に樹脂材料が含まれていると、補強コードをクッションゴムで固定する場合と比して、タイヤと補強コード層との硬さの差を小さくできるため、更に補強コード部材をタイヤ骨格体に密着・固定することができる。上述のように「樹脂材料」とは、熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)及び熱硬化性樹脂を含む概念であり、加硫ゴムは含まない。
また、樹脂材料の同種とは、エステル系同士、スチレン系同士などの形態を指す。
また、前記補強コード層に樹脂材料を含めた場合、補強コードの引き抜き性(引き抜かれにくさ)を高める観点から、前記補強コード部材はその表面が20%以上樹脂材料に覆われていることが好ましく、50%以上覆われていることが更に好ましい。また、前記補強コード層中の樹脂材料の含有量は、補強コードを除いた補強コード層を構成する材料の総量に対して、補強コードの引き抜き性を高める観点から、20質量%以上が好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
以下に、図面に従って本発明のタイヤの第1の実施形態に係るタイヤを説明する。
本実施形態のタイヤ10について説明する。図1(A)は、本発明の一実施形態に係るタイヤの一部の断面を示す斜視図である。図1(B)は、リムに装着したビード部の断面図である。図1に示すように、本実施形態のタイヤ10は、従来一般のゴム製の空気入りタイヤと略同様の断面形状を呈している。
なお、タイヤケース17は、2つの部材を接合して形成するものに限らず、3以上の部材を接合して形成してもよい。
また、本実施形態では、タイヤケース半体17Aは左右対称形状、即ち、一方のタイヤケース半体17Aと他方のタイヤケース半体17Aとが同一形状とされているので、タイヤケース半体17Aを成形する金型が1種類で済むメリットもある。
(タイヤケース成形工程)
まず、薄い金属の支持リングに支持されたタイヤケース半体同士を互いに向かい合わせる。次いで、タイヤケース半体の突き当て部分の外周面と接するように図を省略する接合金型を設置する。ここで、前記接合金型はタイヤケース半体Aの接合部(突き当て部分)周辺を所定の圧力で押圧するように構成されている。次いで、タイヤケース半体の接合部周辺を、タイヤケースを構成する熱可塑性樹脂材料の融点以上で押圧する。タイヤケース半体の接合部が接合金型によって加熱・加圧されると、前記接合部が溶融しタイヤケース半体同士が融着しこれら部材が一体となってタイヤケース17が形成される。尚、本実施形態においては接合金型を用いてタイヤケース半体の接合部を加熱したが、本発明はこれに限定されず、例えば、別に設けた高周波加熱機等によって前記接合部を加熱したり、予め熱風、赤外線の照射等によって軟化又は溶融させ、接合金型によって加圧して、タイヤケース半体を接合させてもよい。
次に、補強コード巻回工程について図3を用いて説明する。図3は、コード加熱装置、及びローラ類を用いてタイヤケースのクラウン部に補強コードを埋設する動作を説明するための説明図である。図3において、コード供給装置56は、補強コード26を巻き付けたリール58と、リール58のコード搬送方向下流側に配置されたコード加熱装置59と、補強コード26の搬送方向下流側に配置された第1のローラ60と、第1のローラ60をタイヤ外周面に対して接離する方向に移動する第1のシリンダ装置62と、第1のローラ60の補強コード26の搬送方向下流側に配置される第2のローラ64と、及び第2のローラ64をタイヤ外周面に対して接離する方向に移動する第2のシリンダ装置66と、を備えている。第2のローラ64は、金属製の冷却用ローラとして利用することができる。また、本実施形態において、第1のローラ60または第2のローラ64の表面は、溶融又は軟化した熱可塑性樹脂材料の付着を抑制するためにフッ素樹脂(本実施形態では、テフロン(登録商標))でコーティングされている。なお、本実施形態では、コード供給装置56は、第1のローラ60または第2のローラ64の2つのローラを有する構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、何れか一方のローラのみ(即ち、ローラ1個)を有している構成でもよい。
本実施形態のタイヤ10では、タイヤケース17が熱可塑性樹脂材料によって形成されているため、熱可塑性樹脂材料の弾性率を大きくしても、熱可塑性樹脂材料のtanδが上がりにくく、タイヤの転がり抵抗を抑えることができ、さらにタイヤ構造が簡素化できる為、従来のゴムに比して重量が軽い。このため、本実施形態のタイヤ10を自動車に適用すると、転がり抵抗を抑え、軽量化することができるので、かかるタイヤを用いた自動車の燃費を良くすることができる。
このように補強コード層28が、熱可塑性樹脂材料を含んで構成されていると、補強コード26をクッションゴムで固定する場合と比してタイヤケース17と補強コード層28との硬さの差を小さくできるため、更に補強コード26をタイヤケース17に密着・固定することができる。これにより、上述のエア入りを効果的に防止することができ、走行時に補強コード部材が動くのを効果的に抑制することができる。
さらに、ビード部12には、金属材料からなる環状のビードコア18が埋設されていることから、従来のゴム製の空気入りタイヤと同様に、リム20に対してタイヤケース17、すなわちタイヤ10が強固に保持される。
次に、図面に従って本発明のタイヤの製造方法及びタイヤの第2の実施形態について説明する。本実施形態のタイヤは、上述の第1の実施形態と同様に、従来一般のゴム製の空気入りタイヤと略同様の断面形状を呈している。このため、以下の図において、前記第1の実施形態と同様の構成については同様の番号が付される。図5(A)は、第2の実施形態のタイヤのタイヤ幅方向に沿った断面図であり、図5(B)は第2の実施形態のタイヤにリムを嵌合させた状態のビード部のタイヤ幅方向に沿った断面の拡大図である。また、図6は、第2の実施形態のタイヤの補強層の周囲を示すタイヤ幅方向に沿った断面図である。
(タイヤ骨格形成工程)
(1)まず、上述の第1の実施形態と同様にして、タイヤケース半体17Aを形成し、これを接合金型によって加熱・押圧し、タイヤケース17を形成する。
(2)本実施形態におけるタイヤの製造装置は、上述の第1の実施形態と同様であり、上述の第1の実施形態の図3に示すコード供給装置56において、リール58にコード部材26Aを被覆用樹脂材料27(本実施形態では熱可塑性材料)で被覆した断面形状が略台形状の被覆コード部材26Bを巻き付けたものが用いられる。
(3)次に、図示を省略するブラスト装置にて、タイヤケース17の外周面17Sに向け、タイヤケース17側を回転させながら、外周面17Sへ投射材を高速度で射出する。射出された投射材は、外周面17Sに衝突し、この外周面17Sに算術平均粗さRaが0.05mm以上となる微細な粗化凹凸96を形成する。
このようにして、タイヤケース17の外周面17Sに微細な粗化凹凸96が形成されることで、外周面17Sが親水性となり、後述する接合剤の濡れ性が向上する。
(4)次に、粗化処理を行なったタイヤケース17の外周面17Sに接合剤を塗布する。
なお、接合剤としては、ハロゲン化ゴム系接着剤等のゴム系接着剤(例えば、塩化ゴム系接着剤)、トリアジンチオール系接着剤、フェノール系樹脂接着剤、イソシアネート系接着剤など、特に制限はないが、クッションゴム29が加硫できる温度(90℃〜140℃)で反応することが好ましい。
(6)次に生タイヤケースを加硫缶やモールドに収容して加硫する。このとき、粗化処理によってタイヤケース17の外周面17Sに形成された粗化凹凸96に未加硫のクッションゴム29が流れ込む。そして、加硫が完了すると、粗化凹凸96に流れ込んだクッションゴム29により、アンカー効果が発揮されて、タイヤケース17とクッションゴム29との接合強度が向上する。すなわち、クッションゴム29を介してタイヤケース17とトレッド30との接合強度が向上する。
本実施形態のタイヤ200では、タイヤケース17が熱可塑性樹脂材料によって形成されているため、熱可塑性樹脂材料の弾性率を大きくしても、熱可塑性樹脂材料のtanδが上がりにくく、タイヤの転がり抵抗を抑制することができる。さらにタイヤ構造を簡素化できる為、従来のゴムに比して重量が軽い。このため、本実施形態のタイヤ200は、軽量化することができるので、かかるタイヤを用いた自動車の燃費を良くすることができる。
また、タイヤケース17は、タイヤケースのクラウン部に巻回され且つ接合された被覆コード部材を被覆用熱可塑性材料で覆うようにして補強コード層を形成してもよい。この場合、溶融又は軟化状態の被覆用熱可塑性材料を補強コード層28の上に吐出して被覆層を形成することができる。また、押出機を用いずに、溶着シートを加熱し溶融又は軟化状態にして、補強コード層28の表面(外周面)に貼り付けて被覆層を形成してもよい。
また、被覆コード部材26Bを形成する被覆用樹脂材料27を熱硬化性樹脂とし、被覆コード部材26Bを加熱せずに接着剤などを用いてクラウン部16の外周面に接着する構成としてもよい。
さらに、被覆コード部材26Bを形成する被覆用樹脂材料27を熱硬化性樹脂とし、タイヤケース17を熱可塑性樹脂材料で形成する構成としてもよい。この場合には、被覆コード部材26Bをクラウン部16の外周面に接着剤などを用いて接着してもよく、タイヤケース17の被覆コード部材26Bが配設される部位を加熱して溶融又は軟化状態にして被覆コード部材26Bをクラウン部16の外周面に溶着してもよい。
またさらに、被覆コード部材26Bを形成する被覆用樹脂材料27を熱可塑性材料とし、タイヤケース17を熱可塑性樹脂材料で形成する構成としてもよい。この場合には、被覆コード部材26Bをクラウン部16の外周面に接着剤などを用いて接着してもよく、タイヤケース17の被覆コード部材26Bが配設される部位を加熱して溶融又は軟化状態としつつ、被覆用樹脂材料27を加熱し溶融又は軟化状態にして被覆コード部材26Bをクラウン部16の外周面に溶着してもよい。なお、タイヤケース17及び被覆コード部材26Bの両者を加熱して溶融又は軟化状態にした場合、両者が良く混ざり合うため接合強度が向上する。また、タイヤケース17を形成する樹脂材料、及び被覆コード部材26Bを形成する被覆用樹脂材料27をともに熱可塑性樹脂材料とする場合には、同種の熱可塑性材料、特に同一の熱可塑性材料とすることが好ましい。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
(1−1)本発明のタイヤは、タイヤ骨格体の軸方向に沿った断面視で、本発明に係る熱可塑性樹脂材料で形成されたタイヤ骨格体の外周部に補強コード部材の少なくとも一部が埋設されるように構成することができる。
このように、補強コード部材の一部がタイヤ骨格体の外周部に埋設していると、補強コード部材巻回時にコード周辺に空気が残る現象(エア入り)を更に抑制することができる。補強コード部材周辺へのエア入りが抑制されると、走行時の入力などによって補強コード部材が動くのが抑制される。これにより、例えば、タイヤ骨格体の外周部に補強コード部材全体を覆うようにタイヤ構成部材が設けられた場合、補強コード部材は動きが抑制されているため、これらの部材間(タイヤ骨格体含む)に剥離などを生じるのが抑制され耐久性が向上する。
このように路面と接触するトレッドを熱可塑性樹脂材料よりも耐摩耗性のある材料で構成することでタイヤの耐摩耗性を更に向上させることができる。
このようにタイヤ骨格体の軸方向に沿った断面視で補強コード部材の直径の1/5以上がタイヤ骨格体の外周部に埋設されていると、補強コード部材周辺へのエア入りを効果的に抑制することができ、走行時の入力などによって補強コード部材が動くのをより抑制することができる。
このように、タイヤ骨格体にリムとの嵌合部位であるビード部を設け、さらに、このビード部に金属材料からなる環状のビードコアを埋設することで、従来のゴム製の空気入りタイヤと同様に、リムに対して、タイヤ骨格体(すなわちタイヤ)を強固に保持させることができる。
このように、タイヤ骨格体とリムとの接触部分に、熱可塑性樹脂材料よりもシール性の高い材料からなるシール部を設けることで、タイヤ(タイヤ骨格体)とリムとの間の密着性を向上させることができる。これにより、リムと熱可塑性樹脂材料とのみを用いた場合に比較して、タイヤ内の空気漏れを一層抑制することができる。また、前記シール部を設けることでタイヤのリムフィット性も向上させることができる。
このように、前記分割体の接合面を、タイヤ骨格片を構成する熱可塑性樹脂材料の融点以上に加熱すると、タイヤ骨格片同士の融着を十分に行うことができるため、タイヤの耐久性を向上させつつ、タイヤの生産性を高めることができる。
このように、前記タイヤ骨格体の外周部を溶融又は軟化させながら補強コード部材の少なくとも一部を埋設して前記タイヤ骨格体の外周部に前記補強コード部材を巻回することで、埋設された補強コード部材の少なくとも一部と溶融又は軟化した熱可塑性樹脂材料とを溶着させることができる。これにより、タイヤ骨格体の軸方向に沿った断面視でタイヤ骨格体の外周部と補強コード部材との間のエア入りを更に抑制することができる。また、補強コード部材を埋設した部分が冷却固化されると、タイヤ骨格体に埋設された補強コード部材の固定具合が向上する。
このように、タイヤ骨格体の軸方向に沿った断面視で、タイヤ骨格体の外周部に補強コード部材を直径の1/5以上埋設すると、製造時の補強コード周辺へのエア入りを効果的に抑制することができ、更に、埋設された補強コード部材がタイヤ骨格体から抜け難くすることができる。
このように、補強コード巻回工程において、補強コード部材を加熱しながらタイヤ骨格体に埋設させると、加熱された補強コード部材がタイヤ骨格体の外周部に接触した際に接触部分が溶融又は軟化するため、補強コード部材をタイヤ骨格体の外周部に埋設し易くなる。
このように、タイヤ骨格体の外周部の補強コード部材が埋設される部分を加熱することで、タイヤ骨格体の加熱された部分が溶融又は軟化するため、補強コード部材を埋設し易くなる。
このように、補強コード部材を前記タイヤ骨格体の外周部に押圧しながら前記補強コード部材を螺旋状に巻回すると、補強コード部材のタイヤ骨格体の外周部への埋設量を調整することができる。
このように、補強コード部材が埋設された後で、タイヤ骨格体の外周部の溶融又は軟化した部分を強制的に冷却することで、タイヤ骨格体の外周部の溶融又は軟化した部分を自然冷却よりも早く迅速に冷却固化することができる。タイヤ外周部を自然冷却よりも早く冷却することで、タイヤ骨格体の外周部の変形を抑制できると共に、補強コード部材が動くのを抑制することができる。
(2−1)本発明のタイヤは、前記製造方法において、更に、タイヤ骨格体の外周面に粒子状の投射材を衝突させて、タイヤ骨格体の外周面を粗化処理する粗化処理工程と、粗化処理された前記外周面に接合剤を介してタイヤ構成ゴム部材を積層する積層工程と、を備えて構成することができる。
このように、粗化処理工程を設けると、熱可塑性樹脂材料を用いて形成された環状のタイヤ骨格体の外周面に粒子状の投射材が衝突して、当該外周面に微細な粗化凹凸が形成される。なお、タイヤ骨格体の外周面に投射材を衝突させて微細な粗化凹凸を形成する処理を粗化処理という。その後、粗化処理された外周面に接合剤を介してタイヤ構成ゴム部材が積層される。ここで、タイヤ骨格体とタイヤ構成ゴム部材とを一体化するにあたり、タイヤ骨格体の外周面が粗化処理されていることから、アンカー効果により接合性(接着性)が向上する。また、タイヤ骨格体を形成する樹脂材料が投射材の衝突により掘り起こされることから、外周面の濡れ性が向上する。これにより、タイヤ骨格体の外周面に接合剤が均一な塗布状態で保持され、タイヤ骨格体とタイヤ構成ゴム部材との接合強度を確保することができる。
このように、タイヤ骨格体の外周面の少なくとも一部が凹凸部とされていても、凹凸部に投射材を衝突させることで凹部周囲(凹壁、凹底)の粗化処理がなされ、タイヤ骨格体とタイヤ構成ゴム部材との接合強度を確保することができる。
このように、被覆コード部材をタイヤ骨格体の周方向に巻回して構成された補強層でタイヤ骨格体の外周部を構成することで、タイヤ骨格体の周方向剛性を向上させることができる。
このように、被覆コード部材を構成する樹脂材料に熱可塑性を有する熱可塑性材料を用いることで、前記樹脂材料として熱硬化性材料を用いた場合と比べて、タイヤ製造が容易になり、リサイクルしやすくなる。
このように、粗化処理工程において、タイヤ構成ゴム部材の積層領域よりも広い領域に粗化処理を施すと、タイヤ骨格体とタイヤ構成ゴム部材との接合強度を確実に確保することができる。
このように、粗化処理工程において算術平均粗さRaが0.05mm以上となるようにタイヤ骨格体の外周面を粗化処理すると、粗化処理された外周面に接合剤を介して、例えば、未加硫又は半加硫状態のタイヤ構成ゴム部材を積層し加硫した場合に、粗化処理により形成された粗化凹凸の底まで、タイヤ構成ゴム部材のゴムを流れ込ませることができる。粗化凹凸の底まで、タイヤ構成ゴム部材のゴムを流れ込ませると、外周面とタイヤ構成ゴム部材との間に十分なアンカー効果が発揮されて、タイヤ骨格体とタイヤ構成ゴム部材との接合強度を向上させることができる。
このように、前記タイヤ構成ゴム部材として未加硫又は半加硫状態のゴムを用いると、タイヤ構成ゴム部材を加硫した際に、粗化処理によってタイヤ骨格体の外周面に形成された粗化凹凸にゴムが流れ込む。そして、加硫が完了すると、粗化凹凸に流れ込んだゴム(加硫済み)により、アンカー効果が発揮されて、タイヤ骨格体とタイヤ構成ゴム部材との接合強度を向上させることができる。
このように、粗化処理した環状のタイヤ骨格体を用いると、タイヤ骨格体とタイヤ構成ゴム部材との接合強度をアンカー効果によって向上させることができる。また、外周面が粗化処理されていることから、接合剤の濡れ性がよい。これにより、タイヤ骨格体の外周面に接合剤が均一な塗布状態で保持され、タイヤ骨格体とタイヤ構成ゴム部材との接合強度が確保されて、タイヤ骨格体とタイヤ構成ゴム部材との剥離を抑制することができる。
まず。上述の第1の実施形態に従って、実施例及び比較例のタイヤを成形した。この際、タイヤケースを形成する材料については下記表1及び表2に記載の材料を用いた。また、実施例及び比較例と同条件で形成したタイヤケースと同じ成分組成である12.7mm×127mmの試料片を作成し、射出成形性、引張強さ、破断伸び、引張弾性率、及び破断状態について評価した。各試料片の作製方法、各評価方法及び評価条件は以下の通りである。
A−1.ポリアミド系熱可塑性エラストマー
1)宇部興産社製、UBESTA、XPA9040X1
2)宇部興産社製、UBESTA、XPA9048X1
3)宇部興産社製、UBESTA、XPA9055X1
4)宇部興産社製、UBESTA、XPA9063X1
A−2.ポリアミド系熱可塑性樹脂(A−1のハードセグメントと同種の樹脂)
1)宇部興産社製、UBESTA、3014U
2)宇部興産社製、UBESTA、3020U
1)東レ・デュポン社製、ハイトレル3046
2)東レ・デュポン社製、ハイトレル5557
3)東レ・デュポン社製、ハイトレル6347
4)東レ・デュポン社製、ハイトレル7247
5)東レ・デュポン社製、ハイトレル2751
B−2)ポリブチレンテレフタレート系熱可塑性樹脂(B−1のハードセグメントと同種の樹脂)
1)ポリプラスチック社製、ジュラネックス2000
2)ポリプラスチック社製、ジュラネックス2002
A−2、B−2に示した各種樹脂を、12.7mm×127mm、厚さ1.6mmの金型にて射出成形し、サンプルを作製した。
島津製作所社製、島津オートグラフ、AGS−J(5KN)を用いて、得られたサンプルを引張速度1mm/minで引っ張ることにより、シートの引張弾性率を調べたところ、次のような結果が得られた。
1)宇部興産社製、UBESTA、3014U、弾性率=1100MPa
2)宇部興産社製、UBESTA、3020U、弾性率=1000MPa
B−2)
1)ポリプラスチック社製、ジュラネックス、2000、弾性率=1100MPa
2)ポリプラスチック社製、ジュラネックス、2002、弾性率=1250MPa
射出成形には、住友重工社製、SE30Dを用い、成形温度200℃〜235℃、金型温度50℃〜70℃とし、12.7mm×127mm、厚さ1.6mmの金型を用いた。
1.引張強さ、破断伸び、及び、引張弾性率評価
上記射出成形で得た試料片を打ち抜き、JISK6251:1993に規定されるダンベル状試験片(5号形試験片)を作製した。
島津製作所社製、島津オートグラフ、AGS−J(5KN)を用いて、得られたダンベル状試験片を引張速度200mm/minで引っ張ることにより、試料片の引張強さ、破断伸び、及び、引張弾性率を調べた。
レオメトリックス(株)製の動的粘弾性測定試験機「ARES III」を使用して、温度30℃、測定周波数20Hz、及び動的歪1%における損失正接(tanδ)を測定した。
実施例1〜4及び比較例1〜4の試料片の引張弾性率とtanδとの関係を、図7にプロットした。また、実施例5〜8及び比較例5〜9の試料片の引張弾性率とtanδとの関係を、図8にプロットした。
このことは、図7及び図8からも把握される。図7及び図8には、引張弾性率に対するtanδがプロットされている。図7に示すように、比較例1〜4のプロットから把握される回帰直線(図示せず)は、傾きが大きく、引張弾性率が大きくなるにつれ、tanδも大きくなっているが、実施例1〜4のプロットから把握される回帰直線(図示せず)は、傾きが小さく、引張弾性率が大きくなっても、tanδが上がりにくいことがわかる。同様のことが、表2に示す比較例5〜9と実施例5〜8との各プロットからも確認される。
従って、実施例1〜8の試料片と同じ熱可塑性樹脂材料を用いて形成されたタイヤケースを用いて製造されたタイヤは、引張弾性率が大きくなっても、転がり抵抗の増大を抑制することができることは明らかである。従って、かかるタイヤを用いて構成される自動車は燃費が良いと推察される。
なお、実施例及び比較例の各熱可塑性樹脂材料を用いて形成した各タイヤについて、ドラム走行試験を行ったところ、走行上の安全性はいずれのタイヤも問題なかった。
12 ビード部
16 クラウン部(外周部)
18 ビードコア
20 リム
21 ビードシート
22 リムフランジ
17 タイヤケース(タイヤ骨格体)
24 シール層(シール部)
26 補強コード(補強コード部材)
26A コード部材(補強コード部材)
28 補強コード層
30 トレッド
D 補強コードの直径(補強コード部材の直径)
L 補強コードの埋設量(補強コード部材の埋設量)
Claims (6)
- 少なくとも、熱可塑性樹脂材料で形成された環状のタイヤ骨格体を有するタイヤであって、
前記熱可塑性樹脂材料が、分子中にハードセグメント及びソフトセグメントを有する熱可塑性エラストマーと、前記熱可塑性エラストマー以外であって、前記ハードセグメントと同種の樹脂を含み、
前記タイヤ骨格体の外周部に周方向に巻回されて補強コード層を形成する補強コード部材を有し、前記補強コード部材は、コード部材に前記タイヤ骨格体を形成する前記熱可塑性樹脂材料とは別体であり加硫ゴムを含まない被覆用樹脂材料が被覆された補強コード部材であるタイヤ。 - 前記樹脂の弾性率が100MPa以上である請求項1に記載のタイヤ。
- 前記補強コード層として、周方向に巻回された前記補強コード部材を有する層のみを有する請求項1又は請求項2に記載のタイヤ。
- 前記熱可塑性樹脂材料中の前記熱可塑性エラストマーの含有量が、75質量%〜95質量%である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記熱可塑性エラストマーが、ポリアミド系熱可塑性エラストマーであり、かつ、前記樹脂が、ポリアミド系樹脂である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記熱可塑性樹脂材料は、加硫ゴムを含まない請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のタイヤ。
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