JP6000185B2 - 組み込み装置ソフトウェア試験装置 - Google Patents
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Description
組み込み装置には複数の機能を擁するものがあり、このような場合、開発の分担やメンテナンス性の向上を実現するため、機能ごとに複数のアプリケーションに分割して構成する体をなすことがある。ある所定の動作を実行する際には、アプリケーション間のデータ通信を管理する通信ミドルウェアを用いて、関係するアプリケーション群が相互に通信を行うことで行われる。
結果として、組み込み装置とコンピュータ端末でそれぞれ動作するAはそれぞれBに対して要求に対する応答データを返し、通信ミドルウェアは二つの応答データをBまで配送する。しかし、Bは一つの応答データが返されることを想定しているため、情報の衝突をきたし、不具合を発生させる可能性がある。
図1は、この発明の実施の形態1による組み込み装置ソフトウェア試験装置の構成を示す機能ブロック図である。
図示のように、組み込み装置ソフトウェア試験装置は、組み込み装置100とコンピュータ端末200と装置間接続装置300とを備えている。
組み込み装置100にはアプリケーション実行環境が備わっている。アプリケーション実行環境とは、例えばCPU(Central Processing Unit)101が搭載され、またオペレーティングシステム102が稼動している環境を指す。ここでオペレーティングシステム102とは、CPU処理時間やメモリ、入出力装置などのリソースを管理する基本ソフトウェアとその実行部を含むものとする。なお、オペレーティングシステム102の代わりに、例えばモニタプログラムを用いることでその機能を実現してもよい。オペレーティングシステム102上では、アプリケーションAを実行するアプリケーションA実行部103、アプリケーションBを実行するアプリケーションB実行部104、アプリケーションCを実行するアプリケーションC実行部105と、組み込み装置100に内蔵されたハードウェア106を駆動するデバイスドライバ107が稼動している。
宛先判定部110,206は、いずれかのアプリケーション実行部からデータ通信要求が発生した場合、その通信データから送信先アプリケーションの情報を取得し、宛先記憶部109,205を参照して、送信先装置を特定し、その送信先装置に対して通信データを送信する機能を有している。
アプリケーション実行装置記憶部111,207は、アプリケーションIDと装置IDとの関係を示す装置対応表を保持しているが、宛先記憶部109,205における宛先対応表とは異なり、図2(b)に示すように、アプリケーションIDと装置IDとが一対一の関係となっている。
データ送信部113,209は、通信遮断部112,208を介して出力される通信データの送信先装置IDに基づいて、その送信先装置IDを有する装置へ通信データを送信すると共に、データ受信部114,210で受信された通信データを自装置の該当するアプリケーションに配送する処理部である。データ受信部114,210は、装置間接続装置300を介して他の装置から送信された通信データを受信し、これをデータ送信部113,209に出力する処理部である。
通信ミドルウェア実行部108は、通信データの到来に従って次のような手順で通信処理を行う。まず、アプリケーションA実行部103〜アプリケーションC実行部105やデバイスドライバ107からの通信データは宛先判定部110へと入力される。通信データは、図3に示すような構造であり、そのヘッダ領域には送信元アプリケーションを表すID番号と、送信先アプリケーションを表すID番号と、送信先装置を表すID番号とをそれぞれ格納する領域が含まれる。残りのヘッダ領域には、本体領域のサイズが格納され、後に格納されるデータ本体を読み出す際に用いられる。ヘッダ部分の後には、本体領域が配置される。本体領域に、通信データであるデータ本体が格納される。
実施の形態1では、宛先記憶部109,205とアプリケーション実行装置記憶部111,207の設定は、組み込み装置100とコンピュータ端末200で独立であり、これら記憶部の設定を行ったり変更したりする際には、操作を行う者が注意して両者の設定が矛盾しないようにする必要がある。実施の形態2は、装置間接続装置300による接続を自動的に検知し、接続が検知された場合には両装置間で同期を取る機能を実現する。
装置間接続装置300aにより接続する以前の組み込み装置100aとコンピュータ端末200a内の宛先記憶制御部109a,205aとアプリケーション実行装置記憶制御部111a,207aは、各装置に元々存在している宛先アプリケーションに関する情報のみを保持している。例えば、図7の701に示すように、組み込み装置100aにおける宛先記憶制御部109aは、アプリケーションA,B,CそれぞれのアプリケーションIDを保持し、かつその装置IDはすべて組み込み装置100aを表すものである。また、図7の702に示すように、コンピュータ端末200aの宛先記憶制御部205aには、アプリケーションAのIDとコンピュータ端末200aのIDの対応のみが記憶されている。同様に、図8の801,802に示すように、組み込み装置100aにおけるアプリケーション実行装置記憶制御部111aの情報は宛先記憶制御部109aと同様の情報が、また、コンピュータ端末200aにおけるアプリケーション実行装置記憶制御部207aの情報は宛先記憶制御部205aと同様の情報が保持されている。
宛先記憶制御部109aは、コンピュータ端末200aから宛先対応表を受信(ステップST900)した後、組み込み装置100aの宛先対応表内の項目それぞれについて宛先アプリケーションが互いに存在するか調べる(ステップST901)。もし、両方の対応表に同一の宛先アプリケーションが存在する場合、そのアプリケーションの装置IDとしてコンピュータ端末のIDを追加して、そのアプリケーションの装置IDとして両方の装置を指すようにする(ステップST902)。一方、片方のみの場合は対応表を変更しない。これを組み込み装置の対応表の項目分繰り返して(ステップST901〜ステップST903)、対応表を更新する。次に、更新された宛先対応表を装置間接続装置300a内の通信経路302を使用して、コンピュータ端末200aの宛先記憶制御部205aへ送信する(ステップST904)。最後に、コンピュータ端末200aの宛先記憶制御部205aは、受信した対応表で保持する情報を書き換える。図7の703に、上記の同期手順によって宛先対応表が更新された結果を示す。
複数の組み込み装置をネットワーク接続し、ネットワークを介したデータ通信を管理する通信ミドルウェアを用いて相互に通信を行い、それぞれの組み込み装置上で動作するアプリケーションにより目的の処理を連携して行う組み込み装置分散システムがある。このような分散システムにも、実施の形態1で示したソフトウェア試験装置を適用することが可能である。図11にその構成図を示す。
実施の形態1で示したような組み込み装置分散システムに対するソフトウェア試験装置では、使用前に宛先記憶部やアプリケーション実行装置記憶部の設定を行う必要があった。実施の形態3では、組み込み装置の数が増加したため、この設定に更に手間が掛かることになる。そこで、本実施の形態は、実施の形態2で示した接続の検知と設定同期の自動化を分散システムにおいても実現するものである。
接続検知受信部115,211からの同期要求を受けた場合、装置間接続装置300cに接続されている全ての装置の接続装置記憶制御部116,212の同期を行うよう構成されている。その他の組み込み装置(A)100bとコンピュータ端末200bの構成は実施の形態2における組み込み装置100aとコンピュータ端末200aと同様であるため、ここでの説明は省略する。
Claims (6)
- アプリケーション実行環境を備えると共に、複数のアプリケーション間のデータ通信を通信ミドルウェア実行部が管理する組み込み装置と、前記アプリケーション実行環境および前記通信ミドルウェア実行部の動作を模擬するソフトウェアが動作するコンピュータ端末とが、通信可能に接続された組み込み装置ソフトウェア試験装置であって、
前記組み込み装置と前記コンピュータ端末の前記通信ミドルウェア実行部は、
前記アプリケーションを識別するアプリケーションIDと、当該アプリケーションが動作する装置である前記組み込み装置と前記コンピュータ端末を識別する装置IDとを、一対多の関係を許容して示す宛先対応表を記憶する宛先記憶部と、
アプリケーション間通信が発生した場合、その通信データの送信先アプリケーションIDに基づいて前記宛先記憶部を参照し、当該送信先アプリケーションIDに対応した装置IDを判定し、当該装置IDの送信先装置に対する前記通信データを送出する宛先判定部と、
前記アプリケーションIDと前記装置IDとを、一対一の関係に限定して示す装置対応表を記憶する実行装置記憶部と、
前記宛先判定部から送出された通信データの装置IDと、当該通信データの送信先アプリケーションIDに対応した前記装置対応表における装置IDとが一致しない場合、当該通信データを遮断する通信遮断部と、
他の装置から送信された通信データを受信するデータ受信部と、
前記通信遮断部を介して出力される通信データの装置IDに基づいて、当該装置IDを有する装置へ前記通信データを送信すると共に、前記データ受信部で受信された通信データを自装置の該当するアプリケーションに配送するデータ送信部とを備えた組み込み装置ソフトウェア試験装置。 - 通信ミドルウェア実行部は、
他の装置との接続を検知したことを示す接続検知情報を受信する接続検知受信部を備えると共に、
請求項1の宛先記憶部に代えて、
前記アプリケーションを識別するアプリケーションIDと、当該アプリケーションが動作する装置である前記組み込み装置と前記コンピュータ端末を識別する装置IDとを、一対多の関係を許容して示す宛先対応表を記憶すると共に、前記接続検知受信部が接続検知情報を受信した場合、前記他の装置から前記宛先対応表を取得して、当該他の装置と自装置の両方の宛先対応表のアプリケーションIDと装置IDの関係を含む宛先対応表として更新し、一方、前記他の装置から当該更新された宛先対応表を受信した場合は、前記自装置の宛先対応表を前記受信した宛先対応表で更新する宛先記憶制御部を備え、
かつ、
請求項1のアプリケーション実行装置記憶部に代えて、
前記アプリケーションIDと前記装置IDとを、一対一の関係に限定して示す装置対応表を記憶すると共に、前記接続検知受信部が接続検知情報を受信した場合、前記他の装置から前記装置対応表を取得して、当該他の装置と自装置の両方の装置対応表のアプリケーションIDと装置IDの関係を含む装置対応表として更新し、かつ、両方の装置対応表で同一のアプリケーションIDに対応した装置IDが異なっていた場合は、予め定めた装置IDとして当該装置対応表を更新し、一方、前記他の装置から当該更新された装置対応表を受信した場合は、前記自装置の装置対応表を前記受信した装置対応表で更新するアプリケーション実行装置記憶制御部を備えたことを特徴とする請求項1記載の組み込み装置ソフトウェア試験装置。 - 前記アプリケーション実行装置記憶制御部は、前記両方の装置対応表で同一のアプリケーションIDに対応した装置IDが異なっていた場合、予め定めた装置IDとして、前記コンピュータ端末の装置IDを優先、前記組み込み装置の装置IDを優先、前記コンピュータ端末と前記組み込み装置とを装置間接続装置で接続する場合に当該装置間接続装置に後から接続された装置の装置IDを優先、のうち少なくとも一つ選択して装置IDを決定することを特徴とする請求項2記載の組み込み装置ソフトウェア試験装置。
- 前記組み込み装置を複数設けると共に、当該複数の組み込み装置と前記コンピュータ端末とを互いに通信可能に接続する装置間接続装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の組み込み装置ソフトウェア試験装置。
- 前記組み込み装置を複数設けると共に、当該複数の組み込み装置と前記コンピュータ端末とを互いに通信可能に接続する装置間接続装置を備え、
前記複数の組み込み装置と前記コンピュータ端末のうち、いずれか一つの装置をマスタ装置とし、
前記マスタ装置の前記宛先記憶制御部および前記アプリケーション実行装置記憶制御部は、前記接続検知受信部が接続検知情報を受信した場合、当該マスタ装置以外の装置からの宛先対応表および装置対応表と、自装置がそれまで保持していた宛先対応表および装置対応表との両方に宛先アプリケーションIDが存在するかを判定し、両方に存在した場合は、当該両方の装置の情報を当該宛先アプリケーションIDに結びつけて自装置の宛先対応表および装置対応表を更新すると共に、当該更新した宛先対応表および装置対応表を前記マスタ装置以外の装置に送信し、
前記マスタ装置以外の装置の宛先記憶制御部とアプリケーション実行装置記憶制御部は、前記マスタ装置から受信した宛先対応表および装置対応表で自装置の宛先対応表および装置対応表を更新することを特徴とする請求項2記載の組み込み装置ソフトウェア試験装置。 - 前記複数の組み込み装置と前記コンピュータ端末とを互いに通信可能に接続する装置間接続装置を備え、前記マスタ装置は、当該装置間接続装置に最後に接続された装置であることを特徴とする請求項5記載の組み込み装置ソフトウェア試験装置。
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