JP5997081B2 - 二次電池の状態推定装置及び二次電池の状態推定方法 - Google Patents

二次電池の状態推定装置及び二次電池の状態推定方法 Download PDF

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Description

本開示の技術は、二次電池の充電状態を推定する二次電池の状態推定装置及び二次電池の状態推定方法に関する。
従来から、カルマンフィルタを用いて二次電池の充電状態(SOC:State Of Charge)を推定する状態推定装置として、例えば特許文献1のような状態推定装置が知られている。特許文献1に記載された状態推定装置において、カルマンフィルタは、電流計測部の計測した電流計測値から該電流計測部におけるオフセット電流値を除いた電流推定値を演算する電流モデルと、該電流推定値を入力ベクトルとする電圧モデルとを有している。電圧モデルでは、内部抵抗電圧値と分極電圧値との加算値である過電圧値、開放電圧値、オフセット電流値、これら3つの要素で状態ベクトルが構成されており、端子電圧の推定値である電圧推定値が出力される。そして、電圧推定値の演算過程において、電圧計測値と電圧推定値との誤差に基づき更新される開放電圧値で二次電池のSOCが推定されている。
特開2012−57964号公報
ところで、二次電池であるニッケル水素電池は、同じSOCであったとしてもそのSOCに至るまでの充放電に応じて端子電圧が異なるヒステリシスと呼ばれる現象の影響を受けやすい。特許文献1に記載の状態推定装置は、上記ヒステリシス電圧についての考慮がなされていないため、ニッケル水素電池に適用することは困難である。
一方、ヒステリシスによる電圧であるヒステリシス電圧は非線形性を有している。そのため、上記電圧モデルにヒステリシス電圧を追加し、このヒステリシス電圧を要素の1つとする状態ベクトルを拡張カルマンフィルタを用いて更新することも可能である。しかしながら、状態ベクトルの要素が追加されることで、更新処理に必要とされる、例えばマイクロコンピューターのRAM領域やROM領域といった処理領域が大きくなる。
本開示の技術は、ヒステリシスの影響を考慮しつつ、二次電池の充電状態を推定する際に必要とされる処理領域を低減することが可能な二次電池の状態推定装置及び二次電池の状態推定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する二次電池の状態推定装置は、二次電池の充放電電流を計測する電流計測部と、前記二次電池の端子電圧を計測する電圧計測部と、前記電流計測部による電流計測値から前記電流計測部におけるオフセット電流の推定値であるオフセット電流推定値を除いた電流推定値を演算する電流推定部と、前記電流推定値に基づいて、前記二次電池のヒステリシス電圧の推定値であるヒステリシス電圧推定値を演算するヒステリシス電圧演算部と、前記電圧計測部による電圧計測値の推定値であって前記ヒステリシス電圧推定値を含む電圧推定値を演算する電圧推定部と、前記電圧計測値と前記電圧推定値との誤差である電圧誤差値を演算する電圧誤差演算部と、前記オフセット電流推定値と、前記オフセット電流推定値に基づく内部抵抗電圧を前記電圧誤差値から除いた電圧の推定値である
電圧モデル誤差推定値とで構成される状態ベクトルを更新するフィルタ処理部と、を
備え、前記フィルタ処理部は、前記状態ベクトルに対して時間更新処理を行う時間更新部と、前記時間更新処理のなされた状態ベクトルと前記二次電池の内部抵抗値とに基づいて前記電圧誤差値の推定値である電圧誤差推定値を演算する電圧誤差推定部と、前記電圧誤差値と前記電圧誤差推定値との差分に基づいて、前記時間更新処理のなされた状態ベクトルの観測更新処理を行う観測更新部と、を含む。
上記課題を解決する二次電池の状態推定方法は、二次電池の充放電電流を電流計測部にて計測する工程と、前記二次電池の端子電圧を電圧計測部にて計測する工程と、前記電流計測部による電流計測値から前記電流計測部におけるオフセット電流の推定値であるオフセット電流推定値を除いた電流推定値を演算する工程と、前記電流推定値に基づいて、前記二次電池のヒステリシス電圧の推定値であるヒステリシス電圧推定値を演算し、前記電圧計測部による電圧計測値の推定値であって前記ヒステリシス電圧推定値を含む電圧推定値を演算する工程と、前記電圧計測値と前記電圧推定値との誤差である電圧誤差値を演算する工程と、前記オフセット電流推定値と前記オフセット電流推定値に基づく内部抵抗電圧を前記電圧誤差値から除いた電圧の推定値である電圧モデル誤差推定値とで構成される状態ベクトルを更新する工程と、を備え、前記状態ベクトルを更新する工程は、前記状態ベクトルに対して時間更新処理を行う工程と、前記時間更新処理のなされた状態ベクトルに基づいて前記電圧誤差値の推定値である電圧誤差推定値を演算する工程と、前記電圧誤差値と前記電圧誤差推定値との差分に基づいて、前記時間更新処理のなされた状態ベクトルの観測更新処理を行う工程と、を含む。
この二次電池の状態推定装置及び二次電池の状態推定方法によれば、ヒステリシス電圧推定値を含んだ電圧推定値が演算され、電圧計測値と電圧推定値との誤差である電圧誤差値が演算される。また、時間更新処理のなされた状態ベクトルに基づいて電圧誤差値の推定値である電圧誤差推定値が演算される。そして、電圧誤差値と電圧誤差推定値との差分に基づいて、状態ベクトルの観測更新処理が行われる。すなわち、電圧推定値にヒステリシス電圧推定値が含まれることで、電圧推定値にヒステリシス電圧推定値が含まれない場合に比べて、観測更新処理後の状態ベクトルは信頼性の高いものとなり、この状態ベクトルに基づいて推定されるSOCも信頼性が高いものとなる。また、状態ベクトルがオフセット電流推定値と電圧モデル誤差推定値との2つの要素で構成されることから、時間更新処理や観測更新処理に必要とされる処理領域が低減される。その結果、ヒステリシスの影響を考慮しつつ、二次電池のSOCを推定する際に必要とされる処理領域を低減することができる。
上記二次電池の状態推定装置は、前記二次電池のSOCの推定値であるSOC推定値を演算するSOC推定部を備え、前記SOC推定部は、前記観測更新処理のなされたオフセット電流推定値を前記電流計測値から除いた電流値を積算することにより前記SOC推定値を演算することが好ましい。
この構成のように、状態推定装置は、電流計測値から観測更新処理のなされたオフセット電流推定値を除いた電流値を積算することにより二次電池のSOCを演算する。その結果、電流計測時における実際の値により近い値のオフセット電流推定値を用いてSOC推定値が演算されるため、SOC推定値の信頼性が高められる。
上記二次電池の状態推定装置は、前記電圧推定値を演算するための複数のパラメータを前記二次電池の状態に応じて設定するパラメータ設定部と、前記パラメータの少なくとも1つと前記電流推定値とに基づいて、前記二次電池の内部抵抗電圧の推定値である内部抵抗電圧推定値を演算する内部抵抗電圧演算部と、前記パラメータの少なくとも1つと前記電流推定値とに基づいて、前記二次電池の線形分極電圧の推定値である線形分極電圧推定値を演算する線形分極電圧演算部、前記パラメータの少なくとも1つと前記電流推定値とに基づいて、前記二次電池の起電圧の推定値である起電圧推定値を演算する起電圧演算部と、を備え、前記ヒステリシス電圧演算部は、前記パラメータの少なくとも1つと前記電流推定値とに基づいて、前記ヒステリシス電圧推定値を演算するものであり、前記電圧推定部は、前記線形分極電圧推定値前記ヒステリシス電圧推定値と前記起電圧推定値とを加算した値から前記内部抵抗電圧推定値を減算することで前記電圧推定値を演算することが好ましい。
この構成によれば、電圧推定値に含まれる各要素の推定値が二次電池の状態に応じたパラメータで演算されるため、電圧推定値の精度が高められる。
上記二次電池の状態推定装置において、前記パラメータ設定部は、前記二次電池のSOCの推定値であるSOC推定値に応じて前記パラメータを変更することが好ましい。
この構成によれば、SOC推定値に応じてパラメータが変更されることから、その時々の二次電池のSOCに応じたパラメータで状態ベクトルの更新処理を行うことができる。その結果、観測更新処理後の状態ベクトルの信頼性、ひいてはSOC推定値の信頼性が高められる。
上記二次電池の状態推定装置は、前記二次電池の温度を計測する温度計測部を備え、前記パラメータ設定部は、前記温度計測部の温度計測値に応じて前記パラメータを変更することが好ましい。
この構成によれば、温度計測値に応じてパラメータが変更されることから、その時々の温度計測値、すなわち二次電池の状態に応じたパラメータで状態ベクトルの更新処理を行うことができる。その結果、観測更新後の状態ベクトルの信頼性、ひいてはSOC推定値の信頼性が高められる。
上記二次電池の状態推定装置は、前記温度計測値に応じた前記二次電池の内部抵抗値を記憶する記憶部を備え、前記パラメータ設定部は、前記パラメータの1つとして前記内部抵抗値を含み、前記温度計測値に応じて前記内部抵抗値を変更することが好ましい。
この構成によれば、温度計測値に応じて内部抵抗値が変更されることで、電圧推定値の精度が高められるとともに、この内部抵抗値を用いて演算される電圧誤差推定値の精度も高められる。その結果、観測更新後の状態ベクトルの信頼性、ひいてはSOC推定値の信頼性が高められる。
上記二次電池の状態推定装置は、前記二次電池の温度を計測する温度計測部と、前記二次電池のSOCの推定値であるSOC推定値を演算するSOC推定部と、前記差分を補正するゲインであって前記SOC推定値と前記温度計測部の温度計測値とに応じたゲインを記憶する記憶部と、を備え、前記フィルタ処理部は、前記SOC推定値と前記温度計測値とに応じたゲインで前記差分を補正することが好ましい。
この構成によれば、差分を補正するためのゲインがSOC推定値と温度計測値とに応じて選択されることから、状態ベクトルの更新のたびにゲインを演算する必要がある場合に比べて、時間更新処理や観測更新処理に必要とされる処理領域がさらに低減される。
本開示の技術における二次電池の状態推定装置を具体化した一実施形態を搭載した電池パックの概略構成を示すブロック図。 制御部の概略構成を示す機能ブロック図。 電池ブロックにおけるヒステリシス電圧目標値とSOCとの関係の一例を示したグラフ。 電池ブロックにおける起電圧とSOCとの関係の一例を示すグラフ。 拡張カルマンフィルタにおける処理手順を示すフローチャート。 フィルタ処理部における処理手順を示すフローチャート。
以下、図1〜図6を参照して、本開示における二次電池の状態推定装置及び二次電池の状態推定方法の一実施形態について説明する。
図1に示されるように、ハイブリッド自動車等の車両に搭載される電池パック10は、組電池15と組電池15に関わる情報を車両ECU100に出力する電池ECU20とを備えている。組電池15では、ニッケル水素電池である複数の二次電池で構成された複数の電池ブロック16が並列接続されている。状態推定装置としての電池ECU20は、組電池15の充電状態(SOC:State Of Charge)の推定値であるパックSOC推定値PSOC(k)を所定の制御周期、例えば1sec毎に演算し、その演算したパックSOC推定値PSOC(k)を車両ECU100に出力する。車両ECU100は、電池ECU20からのパックSOC推定値PSOC(k)に基づいて図示されないインバーター等を制御し、組電池15の充放電を行う。なお、以下では、連続する2つの制御周期を時刻k−1、時刻kという。
(電池ECU20の概要)
電池ECU20は、各電池ブロック16の端子電圧を計測する電圧計測部21と、各電池ブロック16の充放電電流を計測する電流計測部22と、各電池ブロック16の電池温度を計測する温度計測部23とを備えている。各計測部21,22,23は、所定の制御周期、例えば1sec毎に各々の計測対象を計測する。電圧計測部21は、時刻kにおける計測結果である電圧計測値Vmeasを電池ECU20の制御部25に出力する。電流計測部22は、時刻kにおける計測結果である電流計測値cur(k)を充電時にマイナスの電流値、放電時にプラスの電流値として電池ECU20の制御部25に出力する。温度計測部23は、時刻kにおける計測結果である温度計測値Tを電池ECU20の制御部25に出力する。
制御部25は、CPU等で構成される主制御部26と、各種制御プログラムや各種データが格納されたROMや各種データが一時的に格納されるRAM等で構成される記憶部27とを備えたマイクロコンピューターである。制御部25は、ROMに格納された各種制御プログラムに基づいて各種の処理を実行する。
制御部25は、時刻kにおける電圧計測値Vmeas、電流計測値cur(k)、温度計測値T、及び時刻k−1における電流計測部22のオフセット電流の推定値であるオフセット電流推定値δcur(k−1)、これらに基づいて、時刻kにおけるオフセット電流推定値δcur(k)を演算する。制御部25は、その推定したオフセット電流推定値δcur(k)を電流計測値cur(k)から除いた電流値を積算することによって電池ブロック16のSOC推定値SOC(k)を演算する。
制御部25は、各電池ブロック16についてのSOC推定値SOC(k)を順番に演算し、その演算した各SOC推定値SOC(k)に基づいてパックSOC推定値PSOC(k)を演算する。
(制御部25)
制御部25の主制御部26は、電流推定部30、パラメータ設定部31、内部抵抗電圧演算部32、線形分極電圧演算部33、ヒステリシス電圧演算部34、起電圧演算部35、電圧推定部36、電圧誤差演算部37、フィルタ処理部38、SOC推定部56、パックSOC推定部57を備えている。以下、制御部25の各部について、図2〜図6を参照して詳しく説明する。
(電流推定部30)
図2に示されるように、電流推定部30には、電流計測部22が計測した電流計測値cur(k)と、後述するフィルタ処理部38から時刻k−1におけるオフセット電流推定値δcur(k−1)とが入力される。電流推定部30は、この電流計測値cur(k)を時刻k−1における電流計測値cur(k−1)として取り扱い、電流計測値cur(k−1)からオフセット電流推定値δcur(k−1)を除くことで、時刻k−1から時刻kまでの間に電池ブロック16を流れた電流の推定値である電流推定値curest(k−1)(=cur(k−1)−δcur(k−1))を演算する。電流推定部30は、内部抵抗電圧演算部32、線形分極電圧演算部33、ヒステリシス電圧演算部34、起電圧演算部35の各々に対して電流推定値curest(k−1)を出力する。
(パラメータ設定部31)
パラメータ設定部31には、時刻kにおいて温度計測部23が計測した温度計測値Tと、後述するSOC推定部56が推定した時刻k−1におけるSOC推定値SOC(k−1)とが入力される。パラメータ設定部31は、上記温度計測値TとSOC推定値SOC(k−1)とに基づいて、各種演算に必要な複数のパラメータを設定する。
また、パラメータ設定部31は、SOC推定部56から新たなSOC推定値SOC(k−1)が入力されると、記憶部27の所定領域に格納されているSOC初期値SOC(0)にそのSOC推定値SOC(k−1)を設定する。このSOC初期値SOC(0)は、車両の運転開始時にSOC推定値SOC(k−1)の初期値として用いられる。
(パラメータ設定部31と内部抵抗電圧演算部32)
パラメータ設定部31は、内部抵抗電圧演算部32の演算に必要なパラメータである電池ブロック16の内部抵抗値dcirを設定する。パラメータ設定部31は、温度計測値Tと、記憶部27に格納された内部抵抗マップ41とに基づいて、電池ブロック16の内部抵抗値dcirを設定する。内部抵抗マップ41は、電池ブロック16の内部抵抗値dcirが温度計測値T毎に規定されたデータである。パラメータ設定部31は、温度計測値Tに対応する内部抵抗値dcirを内部抵抗マップ41から読み出して、その読み出した内部抵抗値dcirを内部抵抗電圧演算部32に出力する。
内部抵抗電圧演算部32は、電池ブロック16の内部抵抗による電圧降下分である内部抵抗電圧の推定値を演算する。内部抵抗電圧演算部32は、電流推定部30から入力される電流推定値curest(k−1)とパラメータ設定部31から入力される内部抵抗値dcirとを内部抵抗電圧のモデルである式(1)に代入することにより、時刻kにおける内部抵抗電圧推定値Vdcir(k)を演算する。内部抵抗電圧演算部32は、内部抵抗電圧推定値Vdcir(k)を電圧推定部36に出力する。
Figure 0005997081
(パラメータ設定部31と線形分極電圧演算部33)
パラメータ設定部31は、線形分極電圧演算部33の演算に必要なパラメータである線形分極電圧の線形分極時定数τlpと線形分極ゲインKlpとを設定する。パラメータ設定部31は、温度計測値T、SOC推定値SOC(k−1)、及び記憶部27に格納された線形分極時定数マップ42、これらに基づいて線形分極時定数τlpを設定する。線形分極時定数マップ42は、温度計測値Tと電池ブロック16のSOCとに応じて線形分極時定数τlpが規定されたデータである。パラメータ設定部31は、温度計測値TとSOC推定値SOC(k−1)とに応じた線形分極時定数τlpを線形分極時定数マップ42から読み出して、その読み出した線形分極時定数τlpを線形分極電圧演算部33に出力する。
パラメータ設定部31は、温度計測値T、SOC推定値SOC(k−1)、及び記憶部27に格納された線形分極データ43、これらに基づいて線形分極ゲインKlpを設定する。線形分極データ43は、温度計測値Tと電池ブロック16のSOCとに応じた線形分極ゲインKlpが規定されたデータである。パラメータ設定部31は、温度計測値TとSOC推定値SOC(k−1)とに応じた線形分極ゲインKlpを線形分極データ43から読み出して、その読み出した線形分極ゲインKlpを線形分極電圧演算部33に出力する。
パラメータ設定部31は、線形分極電圧演算部33の演算に必要なパラメータとして、上記線形分極時定数τlpと線形分極ゲインKlpの他、時刻k−1から時刻kまでの時間、すなわち制御周期の間隔を示す処理周期dT(定数)を線形分極電圧演算部33に出力する。
線形分極電圧演算部33は、電池ブロック16の分極電圧に含まれる線形分極電圧の推定値である線形分極電圧推定値Vlpを演算する。線形分極電圧演算部33は、時刻k−1において演算された線形分極電圧推定値Vlp(k−1)、電流推定部30から入力される電流推定値curest(k−1)、パラメータ設定部31から入力される線形分極時定数τlp、線形分極ゲインKlp、処理周期dT、これらを線形分極電圧のモデルである式(2)に代入する。線形分極電圧演算部33は、その演算結果を時刻kにおける線形分極電圧推定値Vlp(k)として電圧推定部36に出力する。
Figure 0005997081
(パラメータ設定部31とヒステリシス電圧演算部34)
パラメータ設定部31は、ヒステリシス電圧演算部34の演算に必要なパラメータであるヒステリシス収束係数γを設定する。パラメータ設定部31は、温度計測値T、SOC推定値SOC(k−1)、及び記憶部27に格納されたヒステリシス収束係数マップ44、これらに基づいてヒステリシス収束係数γを設定する。ヒステリシス収束係数マップ44は、温度計測値Tと電池ブロック16のSOCとに応じたヒステリシス収束係数γが規定されたデータである。パラメータ設定部31は、温度計測値TとSOC推定値SOC(k−1)とに応じたヒステリシス収束係数γをヒステリシス収束係数マップ44から読み出して、その読み出したヒステリシス収束係数γをヒステリシス電圧演算部34に出力する。
パラメータ設定部31は、ヒステリシス電圧演算部34の演算に必要なパラメータとして、上記ヒステリシス収束係数γの他、SOC推定値SOC(k−1)、処理周期dTをヒステリシス電圧演算部34に出力する。
ヒステリシス電圧演算部34は、電池ブロック16の分極電圧に含まれるヒステリシス電圧の推定値であるヒステリシス電圧推定値Vhysを演算する。ヒステリシス電圧演算部34は、時刻k−1にて演算されたヒステリシス電圧推定値Vhys(k−1)、電流推定部30から入力される電流推定値curest(k−1)、パラメータ設定部31から入力される処理周期dT及びヒステリシス収束係数γの他、ヒステリシス電圧目標値Vhys_aim(k−1)をヒステリシス電圧のモデルである式(3)に代入する。ヒステリシス電圧演算部34は、その演算結果を時刻kにおけるヒステリシス電圧推定値Vhys(k)として電圧推定部36に出力する。
Figure 0005997081
ヒステリシス電圧目標値について説明すると、ヒステリシス電圧は、SOCが変化したときに変化後のSOCに応じた所定の目標値に向かって変化するという性質を有している。ヒステリシス電圧目標値Vhys_aim(k−1)は、SOC推定値SOC(k−1)に対応するヒステリシス電圧の目標値のことである。
図3は、ヒステリシス電圧目標値と電池ブロック16のSOCとの関係を示したグラフであって、放電時における目標値を実線で示し、充電時における目標値を二点鎖線で示したグラフである。図3に示されるように、ヒステリシス電圧目標値Vhys_aimは、同じSOCであっても放電時と充電時とでは互いに異なる値をとる。記憶部27には、電池ブロック16のSOC毎にヒステリシス電圧目標値Vhys_aimが規定されたヒステリシス電圧目標値マップ45が格納されている。ヒステリシス電圧演算部34は、パラメータ設定部31から入力されるSOC推定値SOC(k−1)に応じたヒステリシス電圧目標値Vhys_aim(k−1)をヒステリシス電圧目標値マップ45から読み出して、その読み出したヒステリシス電圧目標値Vhys_aim(k−1)を上記式(3)に代入する。
(パラメータ設定部31と起電圧演算部35)
図2に示されるように、パラメータ設定部31は、起電圧演算部35の演算に必要なパラメータである充電効率ηを設定する。パラメータ設定部31は、温度計測値Tと、記憶部27に格納された充電効率マップ46とに基づいて充電効率ηを設定する。充電効率マップ46は、温度計測値T毎に充電効率ηが規定されたデータである。パラメータ設定部31は、温度計測値Tに応じた充電効率ηを充電効率マップ46から読み出して、その読み出した充電効率ηを起電圧演算部35に出力する。
パラメータ設定部31は、上記充電効率ηの他、起電圧演算部35の演算に必要なパラメータとして、処理周期dT及び電池容量SOC換算係数C(ともに定数)を起電圧演算部35に出力する。
起電圧演算部35は、電池ブロック16の起電圧の推定値である起電圧推定値Vemfを演算する。起電圧演算部35は、電流推定部30から入力される電流推定値curest(k−1)、パラメータ設定部31から入力されるSOC推定値SOC(k−1)、処理周期dT、充電効率η、電池容量SOC換算係数C、これらを起電圧を求めるモデルである式(4)に代入する。起電圧演算部35は、式(4)の演算結果であるSOC推定値SOC(k)を、時刻kにおける起電圧推定値Vemf(k)を演算するためのSOC演算値SOCc(k)を演算する。
Figure 0005997081
図4は、起電圧と電池ブロック16のSOCとの関係の一例を示したグラフである。図4に示されるように、起電圧は、電池ブロック16のSOC毎に異なる値をとる。記憶部27には、電池ブロック16のSOC毎に起電圧が規定された起電圧マップ47が格納されている。起電圧演算部35は、上記式(4)によって演算されたSOC演算値SOCc(k)に対応する起電圧を起電圧マップ47から読み出して、その読み出した起電圧を時刻kにおける起電圧推定値Vemf(k)として電圧推定部36に出力する。
(電圧推定部36)
図2に示されるように、電圧推定部36は、各部からの入力値に基づいて、電圧計測部21の電圧計測値Vmeasの推定値である電圧推定値V(k)を演算し、その演算した電圧推定値V(k)を電圧誤差演算部37に出力する。
(電圧誤差演算部37)
電圧誤差演算部37には、電圧計測部21が計測した電圧計測値Vmeasと、電圧推定部36の演算結果である電圧推定値V(k)とが入力される。電圧誤差演算部37は、電圧計測値Vmeasから電圧推定値V(k)を除くことで時刻kにおける電圧誤差値ΔVerr_measを演算し、その演算した電圧誤差値ΔVerr_measを観測値zとして拡張カルマンフィルタであるフィルタ処理部38に出力する。
(拡張カルマンフィルタについて)
フィルタ処理部38について説明するまえに、まず、拡張カルマンフィルタについて簡単に説明する。拡張カルマンフィルタ(EKF:Extended Kalman Filter)は、カルマンフィルタを部分的に線形化することが可能な非線形システムまで拡張させたものである。
拡張カルマンフィルタでは、状態ベクトルをx、入力ベクトルをuとする状態方程式が式(5)のように設定され、出力をyとする観測方程式が式(6)のように設定される。ここで、Aは状態行列、Bは入力行列、Cは出力行列である。
Figure 0005997081
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拡張カルマンフィルタでは、時刻k−1における状態ベクトルxk−1に基づいて時刻kにおける状態ベクトルxが推定される時間更新処理と、時間更新処理後の状態ベクトルxが観測値zに基づいて更新される観測更新処理と、が行われる。この処理の手順について図5を参照して説明する。図5は、拡張カルマンフィルタにおける処理の手順を示すフローチャートである。
図5に示されるように、最初のステップS11では、式(7)に示されるように、時刻k−1における状態ベクトルxk−1周りで状態方程式の線形化が行われる。なお、以下では、「」は時間更新処理後の値であることを示し、「」は観測更新処理後の値であることを示し、ハット「^」は推定値であることを示す。
Figure 0005997081
次のステップS12では、状態ベクトルx^ k−1に対する時間更新処理が行われる。この時間更新処理では、式(8)に示されるように、時刻kにおける状態ベクトルx^ が時刻k−1における状態ベクトルx^ k−1に基づいて演算される。また、式(9)に示されるように、ステップS11における状態方程式の線形化により得られた状態行列Adk−1及び時刻k−1における誤差共分散行列P k−1、状態推定誤差の重み行列Q、これらに基づいて時刻kにおける誤差共分散行列P が推定される。
Figure 0005997081
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次のステップS13では、式(10)に示されるように、時間更新処理後の状態ベクトルx^ 周りで観測方程式の線形化が行われる。
Figure 0005997081
次のステップS14では、観測更新処理が行われる。観測更新処理では、式(11)に示されるように、誤差共分散行列P 、ステップS13において線形化された出力行列Cdk、電圧計測部21における計測誤差の重み行列R、これらに基づいて、カルマンゲインKが演算される。また、式(12)に示されるように、カルマンゲインK、出力行列Cdk、これらに基づいて誤差共分散行列P が誤差共分散行列P に更新される。なお、式(12)中の「I」は、単位行列を示している。また、式(13)に示されるように、カルマンゲインK、観測値z、出力行列Cdk、これらに基づいて状態ベクトルx^ が状態ベクトルx^ に更新される。そして、ステップS11からステップS14までの処理が繰り返し実行される。
Figure 0005997081
Figure 0005997081
Figure 0005997081
(フィルタ処理部38)
次に、フィルタ処理部38について説明する。まず、フィルタ処理部38における状態ベクトルx、状態行列Adk−1、出力行列Cdk、パラメータ設定部31にて設定されるパラメータについて説明する。
(状態ベクトルx
電圧計測値Vmeasは、式(14)で表される。
Figure 0005997081
式(14)における記号は以下のように定義される。
・δVlp:時刻kにおける線形分極電圧について、実際の値と線形分極電圧推定値Vlp(k)との誤差である線形分極誤差推定値
・δVhys:時刻kにおけるヒステリシス電圧について、実際の値とヒステリシス電圧推定値Vhys(k)との誤差であるヒステリシス誤差推定値
・δVemf:時刻kにおける起電圧について、実際の値と起電圧推定値Vemf(k)との誤差である起電圧誤差推定値
・δV:電圧モデル誤差推定値(=δVlp+δVhys+δVemf
上記式(14)により、電圧計測値Vmeasと電圧推定値V(k)との誤差である電圧誤差値ΔVerr_measは、式(15)で表される。
Figure 0005997081
また、上記式(14)(15)から、電圧誤差値ΔVerr_measの推定値である電圧誤差推定値ΔVerr_estは、式(16)で表される。
Figure 0005997081
式(16)において、内部抵抗値dcirは、パラメータ設定部31によって設定される値である。そのため、フィルタ処理部38では、状態ベクトルxが式(17)に示されるように2行1列の行列に設定され、入力ベクトルuが必要とされず、出力yが式(18)に示されるように設定される。
Figure 0005997081
Figure 0005997081
(状態行列Adk−1
ここで、時刻kにおけるオフセット電流推定値δcur(k)及び電圧モデル誤差推定値δV(k)の各々は、時刻k−1における値に対してランダムで変化する値である。そのため、時刻kにおける値の平均値は、時刻k−1における値と等しくなる。すなわち、電圧モデル誤差推定値δV(k)及びオフセット電流推定値δcur(k)は、下記の式(19)(20)のように設定される。
Figure 0005997081
Figure 0005997081
上記式(19)(20)により、状態方程式の線形化により得られる状態行列Adk−1は式(21)に示されるような2行2列の行列に設定される。
Figure 0005997081
(出力行列Cdk
式(18)により、観測方程式の線形化により得られる出力行列Cdkは、式(22)に示されるように1行2列の行列に設定される。
Figure 0005997081
(パラメータ設定部31にて設定されるパラメータ)
図2に示されるように、パラメータ設定部31は、フィルタ処理部38の演算に必要なパラメータである内部抵抗値dcirを設定する。パラメータ設定部31は、内部抵抗電圧演算部32に出力した値と同じ内部抵抗値dcirをフィルタ処理部38に出力する。
また、パラメータ設定部31は、フィルタ処理部38の演算に必要なパラメータである状態ベクトルxの初期ベクトルxを設定する。パラメータ設定部31は、記憶部27に格納された初期条件データ49に基づいて状態ベクトルxの初期ベクトルxを設定する。初期条件データ49は、状態ベクトルxの初期ベクトルxが規定されたデータであって、予め行った実験等に基づいて、例えば電圧計測値Vmeasと電流計測値cur(k)とに応じた初期ベクトルxが規定されている。パラメータ設定部31は、その時々の条件に応じた初期ベクトルxを初期条件データ49から読み出して、その読み出した初期ベクトルxをフィルタ処理部38に出力する。
(時間更新部51)
フィルタ処理部38の時間更新部51は、上述した式(8)に対して、式(21)の状態行列Adk−1、後述する観測更新部54から入力される状態ベクトルx^ k−1、これらを代入することで時刻kにおける状態ベクトルx^ を演算する時間更新処理を実行する。時間更新部51は、演算した状態ベクトルx^ を電圧誤差推定部52と観測更新部54とに出力する。
(電圧誤差推定部52)
フィルタ処理部38の電圧誤差推定部52は、状態ベクトルx^ 、パラメータ設定部31からの内部抵抗値dcir、これらを式(16)に代入することで電圧誤差推定値ΔVerr_estを演算する処理を実行する。電圧誤差推定部52は、演算した電圧誤差推定値ΔVerr_estを観測残差演算部53に出力する。なお、式(17)(22)からも明らかなように、電圧誤差推定値ΔVerr_estは、出力行列Cdkに状態ベクトルx^ を掛けた値と等しくなる。
(観測残差演算部53)
フィルタ処理部38の観測残差演算部53は、電圧誤差演算部37の演算結果である電圧誤差値ΔVerr_measから電圧誤差推定値ΔVerr_estを除くことで、電圧誤差値ΔVerr_measと電圧誤差推定値ΔVerr_estとの差分である観測残差(=z−Cdkx^ )を演算する処理を実行する。観測残差演算部53は、演算した観測残差を観測更新部54に出力する。
(観測更新部54)
フィルタ処理部38の観測更新部54は、時間更新処理後の状態ベクトルx^ 、観測残差(=z−Cdkx^ )、カルマンゲインK、これらに基づいて、状態ベクトルx^ を更新する観測更新処理を実行する。観測更新部54は、式(13)に示されるように、カルマンゲインKと観測残差とに基づいて、時間更新処理後の状態ベクトルx^ を更新して状態ベクトルx^ を演算する。観測更新部54は、状態ベクトルx^ を状態ベクトルx^ k−1として時間更新部51に出力する。また、観測更新部54は、状態ベクトルx^ に含まれるオフセット電流推定値δcur(k)をSOC推定部56に出力するとともに、該オフセット電流推定値δcur(k)を時刻k−1におけるオフセット電流推定値δcur(k−1)として電流推定部30に出力する。
(SOC推定部56)
SOC推定部56には、観測更新部54からのオフセット電流推定値δcur(k)の他、電流計測部22から電流計測値cur(k)が入力される。SOC推定部56は、この電流計測値cur(k)からオフセット電流推定値δcur(k)を除いた電流値を積算することにより電池ブロック16のSOC推定値SOC(k)を演算する。SOC推定部56は、演算したSOC推定値SOC(k)をパックSOC推定部57に出力するとともに時刻k−1におけるSOC推定値SOC(k−1)としてパラメータ設定部31に出力する。
(パックSOC推定部57)
パックSOC推定部57は、SOC推定部56から全ての電池ブロック16のSOC推定値SOC(k)が入力されると、各SOC推定値SOC(k)に基づいてパックSOC推定値PSOC(k)を演算し、その演算したパックSOC推定値PSOC(k)を車両ECU100に出力する。
(SOC推定処理の処理手順)
図6を参照して、パックSOC推定値PSOC(k)が演算されるSOC推定処理の処理手順について説明する。このSOC推定処理は、所定の制御周期、例えば1sec毎に実行される。なお、電池ECU20では、状態行列Adk−1及び出力行列Cdkが演算済みであるものとする。
図6に示されるように、最初のステップS21において、電池ECU20は、各電池ブロック16の電圧計測値Vmeas、電流計測値cur(k)、温度計測値Tを取得する。次のステップS22において、電池ECU20は、車両のイグニッションがON操作された直後か否か、すなわち車両の運転が開始された直後であるか否かを判断する。ON操作の直後と判断した場合(ステップS22:YES)、電池ECU20は、ステップS23の処理を実行したのちステップS24の処理に移行する。一方、ON操作の直後ではないと判断した場合(ステップS22:NO)、電池ECU20は、そのままステップS24の処理に移行する。
ステップS23において、電池ECU20は、初期化を行う。この初期化において、電池ECU20は、状態ベクトルxの初期ベクトルxを時刻k−1の状態ベクトルx^ k−1として設定する。また、電池ECU20は、記憶部27に格納されているSOC初期値SOC(0)を時刻k−1のSOC推定値SOC(k−1)として設定する。電池ECU20は、こうした初期化を各電池ブロック16に対して行う。
次に、電池ECU20は、ステップS24からステップS33までの処理を各電池ブロック16に対して順番に実行するループ処理を開始する。
ステップS25において、電池ECU20は、温度計測値T、オフセット電流推定値δcur(k−1)、SOC推定値SOC(k−1)、これらに基づいて各種パラメータを設定する。電池ECU20は、上記パラメータとして、内部抵抗値dcir、線形分極時定数τlp、線形分極ゲインKlp、ヒステリシス収束係数γ、充電効率η、処理周期dT、電池容量SOC換算係数C、カルマンゲインK、ヒステリシス電圧目標値Vhys_aim(k−1)、SOC演算値SOCc(k)、これらを設定する。
次のステップS26において、電池ECU20は、内部抵抗電圧推定値Vdcir(k)、線形分極電圧推定値Vlp(k)、ヒステリシス電圧推定値Vhys(k)、起電圧推定値Vemf(k)を演算したのち、これらの推定値に基づく電圧推定値V(k)を演算する。次のステップS27において、電池ECU20は、電圧計測部21の電圧計測値Vmeasから電圧推定値V(k)を除くことで電圧誤差値ΔVerr_measを演算する。
続いて電池ECU20は、状態ベクトルx^ k−1の時間更新処理を実行したのち(ステップS28)、電圧誤差値ΔVerr_measの推定値である電圧誤差推定値ΔVerr_estを演算する(ステップS29)。
次のステップS30において、電池ECU20は、ステップS27にて演算された電圧誤差値ΔVerr_measとステップS29にて演算された電圧誤差推定値ΔVerr_estとの誤差である観測残差(=z−Cdkx^ )を演算する。そして、電池ECU20は、観測残差とパラメータ設定部31から入力されるカルマンゲインKとに基づいて、時間更新処理後の状態ベクトルx^ に対して観測更新処理を実行する(ステップS31)。
次のステップS32において、電池ECU20は、電流計測値cur(k)と、観測更新処理後の状態ベクトルx^ を構成するオフセット電流推定値δcur(k)とに基づいてSOC推定値SOC(k)を演算する。
電池ECU20は、ステップS24からステップS33までの処理を各電池ブロック16に対して順番に行うことで各電池ブロック16のSOC推定値SOC(k)を演算する。
次のステップS33において、電池ECU20は、各SOC推定値SOC(k)に基づいて組電池15のパックSOC推定値PSOC(k)を演算する。そして、電池ECU20は、パックSOC推定値PSOC(k)を車両ECU100に出力することでSOC推定処理を一旦終了する。
(電池ECU20の作用)
次に、上述した電池ECU20の作用について説明する。
上述した電池ECU20では、ヒステリシス電圧推定値Vhys(k)を含んだ電圧推定値V(k)が演算され、電圧計測値Vmeasと電圧推定値V(k)との誤差である電圧誤差値ΔVerr_measが演算される。また、時間更新処理のなされた状態ベクトルx^ に基づいて電圧誤差値ΔVerr_measの推定値である電圧誤差推定値ΔVerr_estが演算される。そして、電圧誤差値ΔVerr_measと電圧誤差推定値ΔVerr_estとの差分である観測残差(=z−Cdkx^ )に基づいて、状態ベクトルx^ の観測更新処理が行われる。
そのため、電圧推定値V(k)にヒステリシス電圧推定値Vhys(k)が含まれることで、電圧推定値V(k)にヒステリシス電圧推定値Vhys(k)が含まれない場合に比べて、観測更新後の状態ベクトルx^ の信頼性が高められる。これにより、状態ベクトルx^ に含まれるオフセット電流推定値δcur(k)を用いて演算されるSOC推定値SOC(k)の信頼性、ひいてはパックSOC推定値PSOC(k)の信頼性が高められる。
ここで、電池ECUの参考例について説明する。以下に説明する電池ECUの参考例は、フィルタ処理部において設定される状態ベクトルが電池ECU20とは異なる。その点について詳しく説明する。
上述したように、ニッケル水素電池の端子電圧は、線形分極電圧、ヒステリシス電圧、起電圧、内部抵抗電圧を含んでいる。そのため、電流計測値cur(k)からオフセット電流推定値δcur(k)を除いた電流値を積算することでSOC推定値SOC(k)を演算するうえでは、フィルタ処理部における状態ベクトルxを式(23)に示されるように設定することも可能である。
Figure 0005997081
この際、入力ベクトルuは式(24)のように設定され、出力yは式(25)のように設定される。
Figure 0005997081
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また、状態方程式を線形化することにより得られる状態行列Adk−1は、式(2)(3)(4)(20)より式(26)のように設定される。
Figure 0005997081
また、観測方程式を線形化することにより得られる出力行列Cdkは、式(27)のように設定される。
Figure 0005997081
そして、この参考例の電池ECUでは、電圧計測値Vmeasと電圧推定値V(k)との誤差である電圧誤差値ΔVerr_measを観測残差として状態ベクトルx^ の観測更新処理が実行される。そして、カルマンゲインK×観測残差(=ΔVerr_meas)の演算による各要素が補正値として用いられる。すなわち、線形分極誤差推定値δVlpが線形分極電圧推定値Vlp(k)を演算する際の補正値として用いられ、ヒステリシス誤差推定値δVhysがヒステリシス電圧推定値Vhys(k)を演算する際の補正値として用いられる。また、SOC誤差推定値δSOCが起電圧推定値Vemf(k)を求めるためのSOC演算値SOCc(k)を演算する際の補正値として用いられ、オフセット電流推定値δcur(k)が電流推定値curest(k+1)及びSOC推定値SOC(k)を演算する際の補正値として用いられる。
しかしながら、上述した参考例の電池ECUでは、状態ベクトルxが式(23)に示される4行1列の行列となり、状態行列Adk−1が式(26)に示される4行4列の行列となり、出力行列Cdkが式(27)に示される1行4列の行列となる。そのため、時間更新処理及び観測更新処理における演算が複雑になることで、電池ECUに必要とされる処理領域が大きくなるばかりか処理時間も長くなる。
この点、電池ECU20では、線形分極誤差推定値δVlp、ヒステリシス誤差推定値δVhys、起電圧誤差推定値δVemfの合計値を電圧モデル誤差推定値δV(k)としている。そのため、電池ECU20では、状態ベクトルxが式(17)に示される2行1列の行列であり、状態行列Adk−1が式(21)に示される2行2列の行列であり、出力行列Cdkが式(22)に示される1行2列の行列である。これにより、参考例の電池ECUに比べて、各種行列の規模が小さくなるとともに、特に状態行列Adk−1における要素が簡素なものとなる。その結果、時間更新処理及び観測更新処理に関し、電池ECU20に必要とされる処理領域が低減されるばかりか処理時間の短縮も図られる。
また、例えば、線形分極電圧は、式(2)で示されるモデルによって推定値を求めることは可能であるが実際の値を計測することが不可能である。参考例の電池ECUでは、線形分極電圧推定値Vlp(k)が演算される際、式(2)による推定値と実際の値との誤差に関わらず、線形分極誤差推定値δVlpによる補正が行われる。そのため、当該補正により線形分極電圧推定値Vlpが実際の値から遠ざかる場合もあり、線形分極電圧のモデルの信頼性を線形分極誤差推定値δVlpに基づいて評価することは困難である。こうしたことは、ヒステリシス電圧や起電圧についてもいえる。そのため、各誤差推定値によってモデル全体の信頼性の評価をすることは困難である。
これに対し、電池ECU20では、線形分極電圧推定値Vlp、ヒステリシス電圧推定値Vhys、起電圧推定値Vemf、これらの誤差をまとめて電圧モデル誤差推定値δVとしている。すなわち、線形分極電圧、ヒステリシス電圧、起電圧、これらのモデルをまとめて1つのモデルと仮想して取り扱っている。これにより、電圧モデル誤差推定値δVに基づいて、電圧推定値V(k)を演算するためのモデル全体としての信頼性を評価することができる。そのため、例えば、電圧モデル誤差推定値δVが大きくなる温度領域には、重み行列Q/Rを小さく設定することによって、他の領域よりも小さなカルマンゲインKを設定する。一方、記憶部27のカルマンゲインマップ48を用いる場合も、電圧モデル誤差推定値δVが大きくなる温度領域には、他の領域よりも小さなカルマンゲインKを設定する。これにより、観測更新後のオフセット電流推定値δcur(k)がモデル全体の信頼性に応じた値となる。つまり、電圧モデル誤差推定値δVに応じてモデル全体の信頼性を評価することによって、モデル全体としての信頼性に応じた態様で状態ベクトルxの観測更新を行うことができる。
以上説明したように、上記実施形態の電池ECU20によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)電圧推定値V(k)にヒステリシス電圧推定値Vhys(k)が含まれることで、観測更新後の状態ベクトルx^ の信頼性が高められる。これにより、状態ベクトルx^ に含まれるオフセット電流推定値δcur(k)を用いて推定されるSOC推定値SOC(k)、ひいてはパックSOC推定値PSOC(k)の信頼性が高められる。
(2)状態ベクトルxが式(17)に示される2行1列の行列であり、状態行列Adk−1が式(21)に示される2行2列の行列であり、出力行列Cdkが式(22)に示される1行2列の行列である。これにより、時間更新処理及び観測更新処理に関し、電池ECU20に必要とされる処理領域の低減及び処理時間の短縮が図られる。
(3)電池ECU20は、観測更新処理のなされた状態ベクトルx^ のオフセット電流推定値δcur(k)を電流計測値cur(k)から除いた電流値を積算することによってSOC推定値SOC(k)を演算している。その結果、SOC推定値SOC(k)の信頼性が高められ、ひいてはパックSOC推定値PSOC(k)の信頼性が高められる。
(4)電池ECU20は、温度計測値TやSOC推定値SOC(k−1)に基づいて、各種演算に必要なパラメータを設定する。これにより、電池ECU20は、その時々の電池ブロック16の状態に応じたパラメータで電圧推定値V(k)や電圧誤差推定値ΔVerr_estの演算、状態ベクトルx^ の観測更新処理を行うことができる。その結果、観測更新後の状態ベクトルx^ の信頼性、ひいてはSOC推定値SOC(k)の信頼性が高められる。
(5)電池ECU20は、温度計測値Tに応じて内部抵抗値dcirを設定する。これにより、温度計測値Tに関わらず内部抵抗値dcirが一定である場合に比べて、電圧推定値V(k)、ひいては電圧誤差推定値ΔVerr_estの精度が高められる。その結果、観測更新後の状態ベクトルx^ の信頼性、ひいてはSOC推定値SOC(k)の信頼性が高められる。
(6)カルマンゲインKがカルマンゲインマップ48から選択されることによって、フィルタ処理部38では、誤差共分散行列Pの時間更新や観測更新、カルマンゲインKの演算が省略される。その結果、時間更新処理及び観測更新処理に関し、電池ECU20に必要とされる処理領域がさらに低減されるとともに処理時間の短縮も図られる。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・フィルタ処理部38は、式(9)(11)(12)に示される演算によってカルマンゲインKを求めてもよい。こうした場合、初期条件データ49には、誤差共分散行列Pの初期行列、例えば温度計測値TやSOC初期値SOC(0)に応じた行列が規定されたデータが追加される。また、記憶部27には、例えば温度計測値TとSOC推定値SOC(k−1)とに応じた状態推定誤差の重み行列Q及び計測誤差の重み行列Rが規定されたデータが追加される。パラメータ設定部31は、温度計測値TとSOC推定値SOC(k−1)とに応じた重み行列Q,Rを上記データから読み出して、その読み出した重み行列Q,Rをフィルタ処理部38に出力する。なお、これらの重み行列Q,Rは、電圧モデル誤差推定値δV(k)に応じて、すなわち電圧モデルの信頼性に応じて選択されてもよい。
・カルマンゲインマップ48には、温度計測値TとSOC推定値SOC(k)とに応じたカルマンゲインKが規定されている。これに限らず、カルマンゲインマップ48からカルマンゲインKを選択するための条件は、温度計測値Tのみであってもよいし、SOC推定値SOC(k)のみであってもよい。また、この条件には、電圧計測値Vmeasや電流計測値cur(k)等、電池ブロック16の状態を示す他の条件が含まれてもよい。
・内部抵抗値dcirを選択するための条件は、温度計測値Tの他、例えばSOC推定値SOC(k−1)等、電池ブロック16の状態を示す他の条件を含んでいてもよい。
・線形分極時定数τlpを選択するための条件は、温度計測値TとSOC推定値SOC(k)に加えて、例えば電圧計測値Vmeas等、電池ブロック16の状態を示す他の条件を含んでいてもよい。線形分極ゲインKlp及びヒステリシス収束係数γについても同様である。
・充電効率ηを選択するための条件は、温度計測値Tに加えて、例えばSOC推定値SOC(k)等、電池ブロック16の状態を示す他の条件を含んでいてもよい。
・上記実施形態では、SOC推定値SOC(k)は、電流計測値cur(k)からオフセット電流推定値δcur(k)を除いた電流値を積算することにより求められている。これに限らず、SOC推定値SOC(k)は、例えば、電流計測値cur(k)からオフセット電流推定値δcur(k−1)を除いた電流値、すなわち電流推定値curest(k)の積算により求めてもよい。
・電池ECU20は、ハイブリッド自動車や電気自動車に限らず、他の電気機器に対しても適用可能である。
・電池ブロック16を構成する二次電池は、ニッケル水素電池に限らず、ニッケルカドミウム電池やリチウムイオン電池等であってもよい。
10…電池パック、15…組電池、16…電池ブロック、20…電池ECU、21…電圧計測部、22…電流計測部、23…温度計測部、25…制御部、26…主制御部、27…記憶部、30…電流推定部、31…パラメータ設定部、32…内部抵抗電圧演算部、33…線形分極電圧演算部、34…ヒステリシス電圧演算部、35…起電圧演算部、36…電圧推定部、37…電圧誤差演算部、38…フィルタ処理部、41…内部抵抗マップ、42…線形分極時定数マップ、43…線形分極マップ、44…ヒステリシス収束係数マップ、45…ヒステリシス電圧目標値マップ、46…充電効率マップ、47…起電圧マップ、48…カルマンゲインマップ、49…初期条件データ、51…時間更新部、52…電圧誤差推定部、53…観測残差演算部、54…観測更新部、56…SOC推定部、57…パックSOC推定部、100…車両ECU。

Claims (8)

  1. 二次電池の充放電電流を計測する電流計測部と、
    前記二次電池の端子電圧を計測する電圧計測部と、
    前記電流計測部による電流計測値から前記電流計測部におけるオフセット電流の推定値であるオフセット電流推定値を除いた電流推定値を演算する電流推定部と、
    前記電流推定値に基づいて、前記二次電池のヒステリシス電圧の推定値であるヒステリシス電圧推定値を演算するヒステリシス電圧演算部と、
    記電圧計測部による電圧計測値の推定値であって前記ヒステリシス電圧推定値を含む電圧推定値を演算する電圧推定部と、
    前記電圧計測値と前記電圧推定値との誤差である電圧誤差値を演算する電圧誤差演算部と、
    前記オフセット電流推定値と、前記オフセット電流推定値に基づく内部抵抗電圧を前記電圧誤差値から除いた電圧の推定値である電圧モデル誤差推定値とで構成される状態ベクトルを更新するフィルタ処理部と、を備え、
    前記フィルタ処理部は、
    前記状態ベクトルに対して時間更新処理を行う時間更新部と、
    前記時間更新処理のなされた状態ベクトルと前記二次電池の内部抵抗値とに基づいて前記電圧誤差値の推定値である電圧誤差推定値を演算する電圧誤差推定部と、
    前記電圧誤差値と前記電圧誤差推定値との差分に基づいて、前記時間更新処理のなされた状態ベクトルの観測更新処理を行う観測更新部と、を含む
    二次電池の状態推定装置。
  2. 前記二次電池のSOCの推定値であるSOC推定値を演算するSOC推定部を備え、
    前記SOC推定部は、
    前記観測更新処理のなされたオフセット電流推定値を前記電流計測値から除いた電流値を積算することにより前記SOC推定値を演算する
    請求項1に記載の二次電池の状態推定装置。
  3. 前記電圧推定値を演算するための複数のパラメータを前記二次電池の状態に応じて設定するパラメータ設定部と、
    前記パラメータの少なくとも1つと前記電流推定値とに基づいて、前記二次電池の内部抵抗電圧の推定値である内部抵抗電圧推定値を演算する内部抵抗電圧演算部と、
    前記パラメータの少なくとも1つと前記電流推定値とに基づいて、前記二次電池の線形分極電圧の推定値である線形分極電圧推定値を演算する線形分極電圧演算部
    前記パラメータの少なくとも1つと前記電流推定値とに基づいて、前記二次電池の起電圧の推定値である起電圧推定値を演算する起電圧演算部と、を備え、
    前記ヒステリシス電圧演算部は、
    前記パラメータの少なくとも1つと前記電流推定値とに基づいて、前記ヒステリシス電圧推定値を演算するものであり、
    前記電圧推定部は、
    記線形分極電圧推定値前記ヒステリシス電圧推定値と前記起電圧推定値とを加算した値から前記内部抵抗電圧推定値を減算することで前記電圧推定値を演算する
    請求項1または2に記載の二次電池の状態推定装置。
  4. 前記パラメータ設定部は、
    前記二次電池のSOCの推定値であるSOC推定値に応じて前記パラメータを変更する
    請求項3に記載の二次電池の状態推定装置。
  5. 前記二次電池の温度を計測する温度計測部を備え、
    前記パラメータ設定部は、
    前記温度計測部の温度計測値に応じて前記パラメータを変更する
    請求項3または4に記載の二次電池の状態推定装置。
  6. 前記温度計測値に応じた前記二次電池の内部抵抗値を記憶する記憶部を備え、
    前記パラメータ設定部は、
    前記パラメータの1つとして前記内部抵抗値を含み、前記温度計測値に応じて前記内部抵抗値を変更する
    請求項5に記載の二次電池の状態推定装置。
  7. 前記二次電池の温度を計測する温度計測部と、
    前記二次電池のSOCの推定値であるSOC推定値を演算するSOC推定部と、
    前記差分を補正するゲインであって前記SOC推定値と前記温度計測部の温度計測値とに応じたゲインを記憶する記憶部と、を備え、
    前記フィルタ処理部は、
    前記SOC推定値と前記温度計測値とに応じたゲインで前記差分を補正する
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の二次電池の状態推定装置。
  8. 二次電池の充放電電流を電流計測部にて計測する工程と、
    前記二次電池の端子電圧を電圧計測部にて計測する工程と、
    前記電流計測部による電流計測値から前記電流計測部におけるオフセット電流の推定値であるオフセット電流推定値を除いた電流推定値を演算する工程と、
    前記電流推定値に基づいて、前記二次電池のヒステリシス電圧の推定値であるヒステリシス電圧推定値を演算し、前記電圧計測部による電圧計測値の推定値であって前記ヒステリシス電圧推定値を含む電圧推定値を演算する工程と、
    前記電圧計測値と前記電圧推定値との誤差である電圧誤差値を演算する工程と、
    前記オフセット電流推定値と前記オフセット電流推定値に基づく内部抵抗電圧を前記電圧誤差値から除いた電圧の推定値である電圧モデル誤差推定値とで構成される状態ベクトルを更新する工程と、を備え、
    前記状態ベクトルを更新する工程は、
    前記状態ベクトルに対して時間更新処理を行う工程と、
    前記時間更新処理のなされた状態ベクトルに基づいて前記電圧誤差値の推定値である電圧誤差推定値を演算する工程と、
    前記電圧誤差値と前記電圧誤差推定値との差分に基づいて、前記時間更新処理のなされた状態ベクトルの観測更新処理を行う工程と、を含む
    二次電池の状態推定方法。
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