JP5995816B2 - 風車翼及び風力発電装置 - Google Patents

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Description

本開示は、風車翼及びこれを備えた風力発電装置に関する。
近年、地球環境の保全の観点から、風力を利用した風力発電装置の普及が進んでいる。風力発電装置は、風の運動エネルギーを風車翼とハブを含む風車ロータの回転エネルギーに変換し、さらにこの回転エネルギーを発電機にて電力エネルギーに変換する。
特許文献1には、安価かつ効率的に風の運動エネルギーを風車ロータの回転エネルギーに変換することを主目的とした風車翼が開示されている。この風車翼の翼型においては、翼根領域(回転中心から半径方向へ20〜50%の領域)における代表的な翼厚比(コード長に対する最大翼厚の割合)が24%、翼端側領域(回転中心から半径方向へ50〜80%の領域)における代表的な翼厚比が21%、先端領域(回転中心から半径方向へ80〜100%の領域)における代表的な翼厚比が16%に設定されている。
欧州特許出願公開第0675285号明細書
ところで、風車翼の翼型設計においては、上述の翼厚比を大きくするほど、コード長を短くして風車翼が風から受ける空力荷重を低減しやすくなる。また、翼厚比を大きくするほど、風車翼の主補強材としての背側スパーキャップと腹側スパーキャップの間の距離を確保することで断面係数を大きくして、風車翼の高強度を実現しやすくなるため、これらのスパーキャップ(一般に、風車翼に用いられる部材の中で比重が相対的に大きい部材である)の使用量を低減して、風車翼の重量荷重を低減できる)
一方で、上述の翼厚比が大きくなるほど、翼型の揚抗比が低下するため、何も工夫しなければ空力性能(風の運動エネルギーを風車ロータの回転エネルギーに変換する効率に寄与する性能)が低下してしまう。
最適な空力性能を実現するためには、コード長と設計揚力係数の比を一定にする必要があるので、コード長が短い翼型において空力性能を最大限発揮するためには、設計揚力係数を大きくする必要がある。従って、上述のように翼厚比を大きくする場合には、空力性能が低下しないように、コード長に対する前縁から最大翼厚位置までのコード方向距離の比を比較的小さな値にする(最大翼厚位置をコード方向において前縁に近づける)ことが望ましい。これにより、空力荷重や重量荷重を低減しつつ、空力性能の低下を抑制することができる。
ところで、風車ロータの半径に対する風車ロータの半径方向位置の比が1に近い値(典型的には0.7以上)である翼先端部は、翼根部と比較して翼断面積が小さいため、風車翼全体に占める重量の割合が小さい。そのため、従来、翼先端部の翼型設計の工夫によって享受できる翼の重量荷重の低減効果は限定的であると考えられており、従来の典型的な翼型設計手法では、翼の重量荷重を低減することよりも翼の空力性能の低下を抑制することが重視されていた。
しかしながら、近年、風車の大型化により翼先端部にかかる遠心力が増大しているため、翼先端部に適用する翼型に関し、従来の翼厚比の調節に加えて別の手法により、更に重量荷重を低減する必要があることが本発明者らの検討により明らかとなった。
この点に関し、特許文献1は、翼厚比の範囲が16〜24%である旨を開示しているものの、翼先端部の重量荷重を低減するために翼厚比の調節以外にどのような手法を用いればよいかについて開示していない。
本発明の幾つかの実施形態は、風車を大型化しても、風車翼が風から受ける空力荷重の増大を抑制するとともに、空力性能の低下を抑制し、更に、所望の断面係数を得るために必要なスパーキャップの使用量を低減することで風車翼の重量荷重の増大を抑制することが可能な風車翼を提供することを目的とする。
本発明の幾つかの実施形態にかかる風車翼は、
(1)風車ロータに用いられる風車翼であって、
当該風車翼の背側において翼長方向に延設される少なくとも1つの背側スパーキャップと、
当該風車翼の腹側において前記翼長方向に延設される少なくとも1つの腹側スパーキャップと、
前記少なくとも1つの背側スパーキャップと前記少なくとも1つの腹側スパーキャップとの間において前記翼長方向に延設される少なくとも1つのシアウェブと、
を有し、
前記風車ロータの半径Rに対する前記風車ロータの半径方向位置rの比r/Rが0.7〜1.0である翼先端部のうち、翼断面に前記少なくとも1つの背側スパーキャップと前記少なくとも1つの腹側スパーキャップと前記少なくとも1つのシアウェブとが存在する領域の少なくとも一部は、以下の(a)〜(c)の条件をすべて満たす翼型を有する。(a)コード長Cに対する最大翼厚tmaxの割合を示す翼厚比が19%以上23%以下であり、(b)前記コード長Cに対する前縁から最大翼厚位置までのコード方向距離Xtmaxの比Xtmax/Cが0.28以上0.32以下であり、(c)コード上における前記最大翼厚位置と後縁との中点位置での翼厚をtaftとすると、前記最大翼厚tmaxに対する翼厚taftの比taft/tmaxが0.51以上0.56以下である。
上記(1)に記載の風車翼によれば、上記(a)に記載のようにコード長Cに対する最大翼厚tmaxの割合を示す翼厚比を19%以上23%以下にすることにより、翼厚比が19%より小さい風車翼と比較して、コード長を短くして風車翼が風から受ける空力荷重を低減しやすくなる。また、翼厚比が19%より小さい風車翼と比較して、スパーキャップ間距離を確保することで断面係数を大きくして、風車翼の高強度を実現しやすくなる。これにより強度部材として機能するスパーキャップ(一般に、風車翼に用いられる部材の中で比重が相対的に大きい部材である)の使用量を低減できるので、風車翼の重量荷重を低減できる。一方で、上記(a)に記載の構成の採用により、翼厚比が19%より小さい風車翼と比較して翼型の揚抗比が低下するため、何も工夫しなければ空力性能(風の運動エネルギーを風車ロータの回転エネルギーに変換する効率に寄与する性能)が低下してしまう。
そこで、上記(1)の風車翼では、上記(a)に記載の構成を採用したうえで、空力性能が低下しないように、上記(b)に記載のようにコード長Cに対する前縁から最大翼厚位置までのコード方向距離Xtmaxの比Xtmax/Cを0.28以上0.32以下にしている。このように、比Xtmax/Cが0.32より大きい翼と比較して翼型における最大翼厚位置を前縁に近づけることで、設計揚力係数を大きくして空力性能の低下を抑制することができる。
ところで、風車ロータの半径Rに対する風車ロータの半径方向位置rの比r/Rが0.7〜1.0である翼先端部は、翼根部と比較して翼断面積が小さいため、風車翼全体に占める重量の割合が小さい。そのため、従来、翼先端部の翼型設計の工夫によって享受できる翼の重量荷重の低減効果は限定的であると考えられており、従来の典型的な翼型設計手法では、翼の重量荷重を低減することよりも翼の空力性能の低下を抑制することが重視されていた。このような典型的な翼型設計手法を上記(a)及び上記(b)の構成を備えた翼先端部の翼型に適用すれば、翼厚taftが小さくなってしまう。
これに対し、近年、風車の大型化により翼先端部にかかる遠心力が増大しているため、上記(1)の風車翼では、翼先端部に適用する翼型に関し、従来の典型的な翼設計手法とは異なり、空力性能だけでなく、重量荷重をも考慮した翼型を採用している。すなわち、上記(a)及び上記(b)に記載の構成を備えるとともに、更に上記(c)に記載のように、最大翼厚tmaxに対する翼厚taftの比taft/tmaxは0.51以上0.56以下である。このように、比taft/tmaxを0.51以上0.56以下とすることにより、空力性能を考慮しつつ、少なくとも1つのシアウェブ(2つ以上のシアウェブを有する場合は特に後縁側のシアウェブ)を挟むスパーキャップの使用量を低減して風車翼の重量荷重を低減することが可能となる。
以上のように、上記(1)に記載の風車翼によれば、風車翼を大型化しても、風車翼が風から受ける空力荷重の増大を抑制するとともに空力性能の低下を抑制し、更に、所望の断面係数を得るために必要なスパーキャップの使用量を低減することで風車翼の重量荷重の増大を抑制することが可能となる。
幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の風車翼において、
(2)前記翼型の腹側面のプロファイルについて、前記コード長Cに対する前記前縁からのコード方向距離Xの比X/Cをx、前記前縁からのコード方向距離がXの位置において前記コード長Cに対する前記コードを基準とした翼厚方向の腹側面の位置座標Yの比Y/Cをyとすると、
xによるyの2階微分 y/dx は、x=0.85において−2.2以上−1.4以下である。
なお、ここでの位置座標Yは、前記コードよりも背側において正の値をとり、前記コードよりも腹側において負の値をとる。
上記(1)に記載の風車翼では、風車翼の重量荷重を低減するために、上記(c)に記載のように、最大翼厚tmaxに対する翼厚taftの比taft/tmaxは0.51以上0.56以下とし、前記中点位置周辺の領域(最大翼圧位置よりも後縁側の領域)における翼厚を大きくしている。本発明者らの知見によれば、このような翼型では、転向角に寄与する腹側面の凹面領域を後縁に寄せることが、転向角を大きくして空力性能を向上させるために有効である。一方、風車翼の構造上、翼型の後縁角度(はさみ角)はあまり小さくすることはできないから、腹側面の凹面領域を後縁に寄せることには限界がある。本発明者らによる鋭意検討の結果、x=0.85の周辺に腹側面の凹面領域が存在する場合に風車翼の構造上の制約(後縁角度の制約)を満たしながら、転向角の増大による空力性能の向上を実現できることが明らかになった。
この点、上記(2)に記載の風車翼によれば、2階微分 y/dx をx=0.85において−2.2以上−1.4以下として転向角を確保することにより、上記(1)にて比taft/tmaxを0.51以上0.56以下という比較的厚い値(空力的には不利になりやすい値)に設定した場合であっても、良好な空力性能を実現することができる。
したがって、風車翼を大型化しても、風車翼が風から受ける空力荷重の増大を抑制するとともに空力性能の低下を十分に抑制し、更に、所望の断面係数を得るために必要なスパーキャップの使用量を低減することで風車翼の重量荷重の増大を抑制することが可能となる。
幾つかの実施形態では、上記(2)に記載の風車翼において、
(3)前記2階微分 y/dx は、x=0.85において−2.0以上−1.6以下である。
上記(2)に記載の風車翼によれば、2階微分 y/dx をx=0.85において−2.0以上−1.6以下として転向角を確保することにより、上記(1)にて比taft/tmaxを0.51以上0.56以下という比較的厚い値(空力的には不利になりやすい値)に設定した場合であっても、更に良好な空力性能を実現することができる。
したがって、風車翼を大型化しても、風車翼が風から受ける空力荷重の増大を抑制するとともに空力性能の低下を十分に抑制し、更に、所望の断面係数を得るために必要なスパーキャップの使用量を低減することで風車翼の重量荷重の増大を抑制することが可能となる。
幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)に記載の風車翼において、
(4)前記翼型の腹側面のプロファイルは、x=0.60〜0.70の範囲内において、前記2階微分 y/dx が0となる変曲点を有する。
上記(4)に記載の風車翼によれば、2階微分 y/dx が0となる変曲点の位置xの下限値を0.60とすることで、上記(c)に記載のようにtaft/tmaxを0.51以上0.56以下にすることが容易となる。また、2階微分 y/dx が0となる変曲点の位置xの上限値を0.70とすることで、x=0.85における2階微分 y/dx を上記(2)又は上記(3)に記載したような範囲に設定することが容易になる。
幾つかの実施形態では、上記(4)に記載の風車翼において、
(5)前記翼型の腹側面のプロファイルは、x=0.65〜0.70の範囲内において、前記2階微分 y/dx が0となる変曲点を有する。
上記(4)に記載の風車翼によれば、2階微分 y/dx が0となる変曲点の位置xの下限値を0.65とすることで、上記(c)に記載のようにtaft/tmaxを0.51以上0.56以下にすることが容易となる。また、2階微分 y/dx が0となる変曲点の位置xの上限値を0.70とすることで、x=0.85における2階微分 y/dx を上記(2)又は上記(3)に記載したような範囲に設定することが容易になる。
幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)に記載の風車翼において、
(6)前記翼型における前記最大翼厚tmaxに対する前記翼厚taftの比taft/tmaxは、0.52以上0.54以下である。
上記(6)に記載の風車翼では、翼先端部に適用する翼型に関し、従来の典型的な翼設計手法とは異なり、空力性能だけでなく、重量荷重をも考慮して比taft/tmaxを0.52以上0.54以下としている。これにより、空力性能を考慮しつつ、少なくとも1つのシアウェブ(2つ以上のシアウェブを有する場合は特に後縁側のシアウェブ)を挟むスパーキャップの使用量を低減して風車翼の重量荷重を低減することが可能となる。
幾つかの実施形態では、上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の風車翼において、
(7)前記最大翼厚tmaxに対するx=0.60での翼厚t60の比t60/tmaxが0.6以上である。
上記(7)に記載の風車翼によれば、比t60/tmaxが0.6よりも小さい場合と比較して、スパーキャップ間距離を確保することで断面係数を大きくして、風車翼の高強度を実現しやすくなる。これにより強度部材として機能するスパーキャップの使用量を低減できるので、風車翼の重量荷重を低減できる。
幾つかの実施形態では、上記(7)に記載の風車翼において、
(8)前記最大翼厚tmaxに対するx=0.60での翼厚t60の比t60/tmaxが0.65以下である。
上記(8)に記載の風車翼によれば、比t60/tmaxが0.65よりも小さい場合と比較して、スパーキャップ間距離を確保することで断面係数を大きくして、風車翼の高強度を実現しやすくなる。これにより強度部材として機能するスパーキャップの使用量を低減できるので、風車翼の重量荷重を低減できる。
幾つかの実施形態では、上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の風車翼において、
(9)前記最大翼厚tmaxに対するx=0.55での翼厚t55の比t55/tmaxが0.7以上である。
上記(9)に記載の風車翼によれば、比t55/tmaxが0.7よりも小さい場合と比較して、スパーキャップ間距離を確保することで断面係数を大きくして、風車翼の高強度を実現しやすくなる。これにより強度部材として機能するスパーキャップの使用量を低減できるので、風車翼の重量荷重を低減できる。
幾つかの実施形態では、上記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の風車翼において、
(10)前記翼型は、前記翼先端部のうち前記比r/Rが0.80〜0.95である領域の少なくとも一部に適用されている。
上記(10)に記載の風車翼によれば、翼先端部のうち比r/Rが0.80〜0.95である領域の少なくとも一部に適用する翼型に関し、従来の典型的な翼設計手法とは異なり、空力性能だけでなく、重量荷重をも考慮した翼型を採用している。これにより、風車翼を大型化しても、風車翼が風から受ける空力荷重の増大を抑制するとともに空力性能の低下を抑制し、更に、所望の断面係数を得るために必要なスパーキャップの使用量を低減することで風車翼の重量荷重の増大を抑制することが可能となる。
幾つかの実施形態では、上記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の風車翼において、
(11)前記背側スパーキャップは少なくとも2つ設けられ、
前記腹側スパーキャップは少なくとも2つ設けられ
前記シアウェブは、少なくとも2つ設けられ、
前記翼型は、前記翼先端部のうち、翼断面に前記少なくとも2つの背側スパーキャップと前記少なくとも2つの腹側スパーキャップと前記少なくとも2つのシアウェブとが存在する領域の少なくとも一部に適用されている。
上記(11)に記載の風車翼によれば、空力性能を考慮しつつ、これらの背側スパーキャップ及び腹側スパーキャップのうち後縁側のシアウェブを挟む背側スパーキャップと腹側スパーキャップの使用量を低減することができる。
幾つかの実施形態では、上記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の風車翼において、
(12)前記風車ロータの直径が100m以上である。
上記(12)に記載の風車翼によれば、風車ロータの直径が100m以上に大型化しても、風車翼が風から受ける空力荷重の増大を抑制するとともに、空力性能の低下を抑制し、更に、所望の断面係数を得るために必要なスパーキャップの使用量を低減することで風車翼の重量荷重の増大を抑制することが可能となる。
幾つかの実施形態では、上記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の風車翼において、
(13)レイノルズ数6.0×10における最大揚力係数が1.40以上1.70以下である。
上記(13)に記載の風車翼によれば、高揚力による風車ロータの効率的な回転を実現することができる。
幾つかの実施形態では、上記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の風車翼において、
(14)レイノルズ数6.0×10における最大揚抗比が160以上である。
上記(14)に記載の風車翼によれば、高揚力による風車ロータの効率的な回転を実現することができる。
幾つかの実施形態に掛かる風力発電装置は、
(15)上記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の風車翼を備える風車ロータと、
前記風車ロータの回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、
を有する。
上記(15)に記載の風力発電装置によれば、風車翼を大型化しても、風車翼が風から受ける空力荷重の増大を抑制するとともに空力性能の低下を抑制し、更に、所望の断面係数を得るために必要なスパーキャップの使用量を低減することで風車翼の重量荷重の増大を抑制することが可能となる。したがって、風車翼の大型化により発電出力を増大させるとともに、風力エネルギーを電気エネルギーに効率的に変換でき、更に空力荷重や重量荷重を受ける構成(軸受等)の構成を簡素化することができる。
本発明の幾つかの実施形態によれば、風車翼を大型化しても、風車翼が風から受ける空力荷重の増大を抑制するとともに空力性能の低下を抑制し、更に、所望の断面係数を得るために必要なスパーキャップの使用量を低減することで風車翼の重量荷重の増大を抑制することが可能となる。
幾つかの実施形態に係る風力発電装置を示す概略図である。 幾つかの実施形態に係る風車翼の概略斜視図である。 幾つかの実施形態に係る風車翼の概略平面図である。 幾つかの実施形態に係る翼先端部の代表的な断面を示す概略図である。 幾つかの実施形態に係る翼先端部の代表的な断面を示す概略図である。 幾つかの実施形態に係る翼先端部の代表的な断面のプロファイルを規定する翼型である。 比taft/tmaxを変化させたときにとり得る最大揚抗比をプロットした図である。 幾つかの実施形態に係る翼型の腹側面のプロファイルについて、コード長Cに対する前縁からのコード方向距離Xの比X/Cをx、前縁からのコード方向距離がXの位置においてコード長Cに対するコードを基準とした翼厚方向の腹側面の位置座標Yの比Y/Cをyとした場合の、xに対するyの2階微分 y/dx を示す図である。 幾つかの実施形態に係る翼型と幾つかの比較例としての翼型との関係を示す図である。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、幾つかの実施形態に係る風力発電装置100を示す概略図である。
図1に示す風力発電装置100は、少なくとも1本の風車翼2及び風車翼2が取り付けられるハブ4を含む風車ロータ6と、風車ロータ6の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機8と、風車ロータ6及び発電機8を支持するナセル10と、ナセル10を旋回自在に支持するタワー12とを備えている。図1に示す例示的な風車ロータ6は、3本の風車翼2を有している。風車ロータ6の直径は、幾つかの実施形態では100m以上であり、他の実施形態では、150m以上である。
図2は、風車翼2の概略斜視図であり、図3は、風車翼2の概略平面図である。
図2及び図3に示すように、風車翼2は、翼先端部14と、ハブ4(図1参照)に連結される翼根部16とを含む。また、風車翼2は、翼根部16から翼先端部14にかけて、前縁(リーディングエッジ)18と後縁(トレイリングエッジ)20とを有し、内部には桁材として少なくとも1つのシアウェブ(図3に示す例では前縁側シアウェブ22及び後縁側シアウェブ24)が設けられている。なお、ここでの「翼先端部14」とは、風車翼2の全領域のうち、風車ロータ6(図1参照)の半径Rに対する風車ロータ6の半径方向位置r(風車ロータ6の回転中心からの半径方向への距離)の比r/Rが0.7〜1.0である領域のことを表している。
図4は、図2における翼先端部14の代表的な断面S(図3におけるAA断面)を示す概略図である。風車翼2は、図4に示すように、風車翼2の背側面25及び腹側面26を形成する外皮28と、主補強材としての背側スパーキャップ30と、主補強材としての腹側スパーキャップ32と、桁材としての前縁側シアウェブ22と、桁材としての後縁側シアウェブ24とを有する。なお、他の実施形態に係る風車翼2は、図5に示すように、複数の背側スパーキャップ30a、30bと、複数の腹側スパーキャップ32a、32bと有していてもよい。
図4に示す前縁側シアウェブ22と後縁側シアウェブ24は、背側スパーキャップ30と腹側スパーキャップ32との間にそれぞれ位置し、背側スパーキャップ30と腹側スパーキャップ32とをそれぞれ支持している。前縁側シアウェブ22と後縁側シアウェブ24は、図3に示すように翼長方向に延設されている。背側スパーキャップ30は、風車翼2の背側において前縁側シアウェブ22及び後縁側シアウェブ24に沿って翼長方向に延設されている。腹側スパーキャップ32は、風車翼2の腹側において前縁側シアウェブ22及び後縁側シアウェブ24に沿って翼長方向に延設されている。なお、主補強材としての背側スパーキャップ30及び腹側スパーキャップ32は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で構成されている。風車翼2は、図4又は図5に示すように、断面Sにおいて、前縁18から後縁20までのコード長C、最大翼厚tmaxを有する。
図6は、図4及び図5に示した翼先端部14の代表的な断面S(図3におけるAA断面)のプロファイルを規定する翼型50である。風車翼2は、翼先端部14(比r/Rが0.7〜1.0、好ましくは0.80〜0.95)のうち、翼断面に少なくとも1つの背側スパーキャップ30と少なくとも1つの腹側スパーキャップ32と少なくとも1つのシアウェブ24とが存在する領域P(図3参照)の少なくとも一部において、以下に規定するような翼型50を有する。
図6に示す翼型50は、コード方向をx方向とし、翼厚方向をy方向としたxy座標において、翼型50の前縁18を原点(0,0)、後縁20を点(1,0)としてプロファイルを正規化したものである。すなわち、図6では、コード長Cに対する前縁18からのコード方向距離Xの比X/Cをx、前縁18からのコード方向距離がXの位置においてコード長Cに対するコード34を基準とした翼厚方向の位置座標Yの比Y/Cをyとしている。なお、ここでのY/Cすなわちyは、コード34よりも背側において正の値をとり、コード34よりも腹側において負の値をとる。
図6に示す翼型50は、以下の3つの条件(a)〜(c)を全て満たしている。
(a)コード長C(図6に示すxy座標では1)に対する最大翼厚tmax(図6に示すxy座標ではtmax/C)の割合を示す翼厚比が19%以上23%以下である。
(b)コード長C(図6に示すxy座標では1)に対する前縁から最大翼厚位置までのコード方向距離Xtmax(図6に示すxy座標ではXtmax/C)の比Xtmax/Cが0.28以上0.32以下である。
(c)コード(翼弦線)34上における最大翼厚位置(図6に示すxy座標ではXtmax/C)と後縁との中点位置Xtaft(図6に示すxy座標ではXtaft/C)での翼厚をtaft(図6に示すxy座標ではtaft/C)とすると、最大翼厚tmaxに対する翼厚taftの比taft/tmaxが0.51以上0.56以下である。
このような風車翼2によれば、翼先端部14において、上記(a)に記載のようにコード長Cに対する最大翼厚tmaxの割合を示す翼厚比を19%以上23%以下にすることにより、翼厚比が19%より小さい風車翼と比較して、コード長Cを短くして風車翼2が風から受ける空力荷重を低減しやすくなる。また、翼厚比が19%より小さい風車翼と比較して、スパーキャップ間距離(背側スパーキャップ30と腹側スパーキャップ32との距離)を確保することで断面係数を大きくして、風車翼2の高強度を実現しやすくなる。これにより補強部材として機能するスパーキャップ30,32(一般に、風車翼に用いられる部材の中で比重が相対的に大きい部材である)の使用量を低減できるので、風車翼2の重量荷重を低減できる。一方で、上記(a)に記載の構成の採用により、翼厚比が19%より小さい風車翼と比較して翼型の揚抗比が小さくなるため、何も工夫しなければ空力性能(風の運動エネルギーを風車ロータの回転エネルギーに変換する効率に寄与する性能)が低下してしまう。
そこで、翼先端部14の翼型50では、上記(a)に記載の構成を採用したうえで、空力性能が低下しないように、上記(b)に記載のようにコード長Cに対する前縁から最大翼厚位置までのコード方向距離Xtmaxの比Xtmax/Cを0.28以上0.32以下にしている。このように、比Xtmax/Cが0.32より大きい翼と比較して翼型における最大翼厚位置を前縁に近づけることで、設計揚力係数を大きくして空力性能の低下を抑制することができる。
ところで、翼先端部14は、翼根部16と比較して翼断面積が小さいため風車翼2全体に占める重量の割合が小さい。そのため、従来、翼先端部14の翼型設計の工夫によって享受できる翼の重量荷重の低減効果は限定的であると考えられており、従来の典型的な翼型設計手法では、翼の重量荷重を低減することよりも翼の空力性能の低下を抑制することが重視されていた。このような典型的な翼型設計手法を上記(a)及び上記(b)の構成を備えた翼先端部14の翼型に適用すれば、翼厚taftが小さくなってしまう。
これに対し、近年、風車の大型化により翼先端部14にかかる遠心力が増大しているため、図1〜図6に係る風車翼2では、翼先端部14に適用する翼型に関し、従来の典型的な翼設計手法とは異なり、空力性能だけでなく、重量荷重をも考慮した翼型を採用している。すなわち、上記(a)及び上記(b)に記載の構成を備えるとともに、更に上記(c)に記載のように、最大翼厚tmaxに対する翼厚taftの比taft/tmaxは0.51以上0.56以下である。このように、比taft/tmaxを0.51以上0.56以下とすることにより、空力性能を考慮しつつ、後縁側シアウェブ24を挟むスパーキャップ30,32の使用量を低減して風車翼2の重量荷重を低減することが可能となる。
図7は、上記(a)と上記(b)の両方を満たす翼型において、上述の比taft/tmaxを変化させたときにとり得る最大揚抗比をプロットした図である。図7のプロット全体の傾向としては、矢印200に示すように、比taft/tmaxが増加するほど(後縁側の翼厚を厚くして構造強度を高めようとするほど)最大揚抗比が減少する傾向がある。すなわち、図7のプロット全体の傾向としては、構造強度と空力性能とはトレードオフの関係にある。翼先端部に適用する翼型については、前述したように、従来の典型的な翼型設計手法では重量荷重よりも空力性能を重視していたため、仮にこの従来の手法を採用した場合には、最大揚抗比を増加させるために翼厚taftの比較的小さい(比taft/tmaxが0.51よりも小さい)翼型が採用されることになる。
これに対し、本発明者らの鋭意検討の結果、上記(a)と上記(b)の両方を満たす翼型において、新たな知見を得ることができた。すなわち、図7に示すように、比taft/tmaxが互いに等しい複数のプロットに関し、当該複数のプロットに対応する複数の最大揚抗比のうち最も大きい値(図7の近似曲線M)は、上述した矢印200の傾向とは異なることが明らかとなった。具体的には、近似曲線Mに示すように、比taft/tmaxが大きくなるにつれて上記最も大きい値が増加する領域(近似曲線Mの傾きが正となる領域)が存在し、上記近似曲線Mは、比taft/tmaxが0.51〜0.56の範囲D内において最大値をとることが分かった。また、上述したように、比taft/tmaxを大きくするほど断面係数が大きくなって構造強度が高くなるため、比taft/tmaxが範囲Dの範囲内であれば、高い構造強度を実現しつつ(すなわち背側及び腹側スパーキャップの使用量を削減しつつ)空力性能の低下を抑制することができる。また、比taft/tmaxが0.52〜0.54の範囲D内であれば、高い構造強度を実現しつつ、上記空力性能の低下を一層抑制することができる。
なお、上述の翼型50では、最大翼厚tmaxに対するx=0.60での翼厚t60の比t60/tmaxを0.6以上としている。これにより、比t60/tmaxが0.6よりも小さい場合と比較して、スパーキャップ間距離を確保することで断面係数を大きくして、風車翼2の高強度を実現しやすくなる。これにより主補強材として機能するスパーキャップの使用量を低減できるので、風車翼の重量荷重を低減できる。また、同様の理由から、x=0.55での翼厚t55の比t55/tmaxを0.7以上としている。ただし、空力性能の低下を抑制する観点から、t60/tmaxは0.65以下とすることが望ましい。
翼先端部に翼型50を採用した風車翼2においては、レイノルズ数3.0×10における最大揚力係数が、1.30以上1.60以下であり、レイノルズ数6.0×10における最大揚力係数が1.40以上1.70以下である。また、この風車翼2においては、レイノルズ数3.0×10における最大揚抗比が、140以上であり、レイノルズ数6.0×10における最大揚抗比が160以上である(定格出力におけるレイノルズ数は7.0×10〜8.0×10)。このように、良好な空力性能を発揮することができる。
以上のように、図1〜図7を用いて説明した風車翼2によれば、風車翼を大型化しても、風車翼2が風から受ける空力荷重の増大を抑制するとともに、空力性能の低下を抑制し、更に、所望の断面係数を得るために必要なスパーキャップ30,32の使用量を低減することで風車翼2の重量荷重の増大を抑制することが可能となる。したがって、風車翼の大型化により発電出力を増大させるとともに、風力エネルギーを電気エネルギーに効率的に変換でき、更に空力荷重や重量荷重を受ける構成(軸受等)の構成を簡素化することができる。
図8は、翼型50の腹側面26のプロファイルについて、コード長Cに対する前縁18からのコード方向距離Xの比X/Cをx、前縁18からのコード方向距離がXの位置においてコード長Cに対するコード34を基準とした翼厚方向の腹側面26の位置座標Yの比Y/Cをyとした場合の、xに対するyの2階微分 y/dx を示す図である。
翼型50においては、風車翼2の重量荷重を低減するために、上記(c)に記載のように、最大翼厚tmaxに対する翼厚taftの比taft/tmaxは0.51以上0.56以下とし、中点位置Xtaft周辺の領域(最大翼圧位置よりも後縁側の領域)における翼厚を大きくしている。本発明者らの知見によれば、このような翼型50では、転向角に寄与する腹側面26の凹面領域29(2階微分 y/dx が負の方向に最大となる位置の近傍領域)を後縁20に寄せることが、転向角を大きくして空力性能を向上させるために有効である。一方、風車翼2の構造上、翼型の後縁角度(後縁20の位置における、背側面25の接線と腹側面26の接線とによってなされる挟み角)はあまり小さくすることはできないから、腹側面26の凹面領域29を後縁に寄せることには限界がある。本発明者らによる鋭意検討の結果、x=0.85の周辺に腹側面26の凹面領域29が存在する場合に風車翼2の構造上の制約(後縁角度の制約)を満たしながら、転向角の増大による空力性能の向上を実現できることが明らかになった。
この点、風車翼2によれば、翼型50に関して、2階微分 y/dx をx=0.85において−2.2以上−1.4以下の値として転向角を確保することにより、上記(c)にて比taft/tmaxを0.51以上0.56以下という比較的厚い値(空力的には不利になりやすい値)に設定した場合であっても、良好な空力性能を実現することができる。また、更に望ましくは、2階微分 y/dx をx=0.85において−2.0以上−1.6以下の値とすることにより、より良好な空力性能を実現することができる。
また、翼型50の腹側面26のプロファイルは、図8に示すように、x=0.60〜0.70(更に望ましくは0.65〜0.70)の範囲内において、2階微分 y/dx が0となる変曲点を有する。このように、2階微分 y/dx が0となる変曲点の位置xの下限値を0.60(更に望ましくは0.65)とすることで、上記(c)に記載のようにtaft/tmaxを0.51以上0.56以下にすることが容易となる。また、2階微分 y/dx が0となる変曲点の位置xの上限値を0.70とすることで、x=0.85における2階微分 y/dx を、−2.2以上−1.4以下の値又は−2.0以上−1.6以下の値に設定することが容易になる。
図9は、上述の翼型50と幾つかの比較例としての翼型との関係を示す図であり、横軸を前述の比taft/tmax、縦軸を前述のx=0.85における2階微分 y/dx の値として各翼型をプロットしている。なお、図9において、黒塗り丸が翼型50の代表的な点を示しており、黒塗り四角のプロットは、上記比Xtmax/Cが0.32以下の翼型(最大翼厚位置が比較的前方に寄っていて空力性能を高めやすい翼型)であり、白抜き四角のプロットは、上記比Xtmax/Cが0.33以上の翼型(最大翼厚位置があまり前方に寄っておらず空力性能を高めにくい翼型)である。
図9に示すように、比taft/tmaxが大きくなるほど、断面係数を大きくして構造強度を高めることができる(重量荷重を低減することができる)。また、x=0.85における2階微分 y/dx が負の方向に大きくなるほど、最大揚抗比を高めることができる。従って、図9において、taft/tmaxを0.51以上0.56以下(好ましくは0.52以上0.54以下)とすることで構造強度を高めつつ、x=0.85における2階微分 y/dx を−2.2以上−1.4以下(好ましくは−2.0以上−1.6以下)とすることにより最大揚抗比を向上させれば、構造強度と空力性能の両方を最大限高めることができる。
なお、翼先端部に適用する翼型については、前述したように、従来の典型的な翼型設計手法では重量荷重よりも空力性能を重視していたため、この従来の手法を採用した場合には、最大揚抗比を増加させるために翼厚taftの比較的小さい(比taft/tmaxが0.51よりも小さい)翼型が採用されることになる。すなわち、従来の翼型設計手法の延長では、上記(a)及び(b)を満たす翼型においてこのように比taft/tmaxの好適な範囲及びx=0.85における2階微分 y/dx の好適な範囲を見出すことができなかった。
これに対し、上述した翼先端部14の翼型50によれば、図7にて示した本発明者らの新たな知見に基づいて、比taft/tmaxの好適な範囲及びx=0.85における2階微分 y/dx の好適な範囲を見出したことにより、従来は困難であった構造強度の増加(重量荷重の低減)と空力性能の向上との両立を実現することができた。
2 風車翼
4 ハブ
6 風車ロータ
8 発電機
10 ナセル
12 タワー
14 翼先端部
16 翼根部
18 前縁(リーディングエッジ)
20 後縁(トレイリングエッジ)
22 前縁側シアウェブ
24 後縁側シアウェブ
25 背側面
26 腹側面
28 外皮
29 凹面領域
30 背側スパーキャップ
32 腹側スパーキャップ
34 コード(翼弦線)
50 翼型
100 風力発電装置

Claims (15)

  1. 直径100m以上の風車ロータに用いられる風車翼であって、
    当該風車翼の背側において翼長方向に延設される少なくとも1つの背側スパーキャップと、
    当該風車翼の腹側において前記翼長方向に延設される少なくとも1つの腹側スパーキャップと、
    前記少なくとも1つの背側スパーキャップと前記少なくとも1つの腹側スパーキャップとの間において前記翼長方向に延設される少なくとも1つのシアウェブと、
    を有し、
    前記風車ロータの半径Rに対する前記風車ロータの半径方向位置rの比r/Rが0.70〜0.95である翼先端部のうち、翼断面に前記少なくとも1つの背側スパーキャップと前記少なくとも1つの腹側スパーキャップと前記少なくとも1つのシアウェブとが存在する領域の少なくとも一部は、以下の(a)〜(c)の条件をすべて満たす翼型を有する風車翼。
    (a)コード長Cに対する最大翼厚tmaxの割合を示す翼厚比が19%以上23%以下である。
    (b)前記コード長Cに対する前縁から最大翼厚位置までのコード方向距離Xtmaxの比Xtmax/Cが0.28以上0.32以下である。
    (c)コード上における前記最大翼厚位置と後縁との中点位置での翼厚をtaftとすると、前記最大翼厚tmaxに対する翼厚taftの比taft/tmaxが0.51以上0.56以下である。
  2. 前記翼型の腹側面のプロファイルについて、前記コード長Cに対する前記前縁からのコード方向距離Xの比X/Cをx、前記前縁からのコード方向距離がXの位置において前記コード長Cに対する前記コードを基準とした翼厚方向の腹側面の位置座標Yの比Y/Cをyとすると、
    xによるyの2階微分dy/dxは、x=0.85において−2.2以上−1.4以下である請求項1に記載の風車翼。
  3. 前記2階微分dy/dxは、x=0.85において−2.0以上−1.6以下である請求項2に記載の風車翼。
  4. 前記翼型の腹側面のプロファイルは、x=0.60〜0.70の範囲内において、前記2階微分dy/dxが0となる変曲点を有する請求項2又は3に記載の風車翼。
  5. 前記翼型の腹側面のプロファイルは、x=0.65〜0.70の範囲内において、前記2階微分dy/dxが0となる変曲点を有する請求項4に記載の風車翼。
  6. 前記翼型における前記最大翼厚tmaxに対する前記翼厚taftの比taft/tmaxは、0.52以上0.54以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の風車翼。
  7. 前記最大翼厚tmaxに対するx=0.60での翼厚t60の比t60/tmaxが0.6以上である請求項2〜6のいずれか1項に記載の風車翼。
  8. 前記最大翼厚tmaxに対するx=0.60での翼厚t60の比t60/tmaxが0.65以下である請求項7に記載の風車翼。
  9. 前記最大翼厚tmaxに対するx=0.55での翼厚t55の比t55/tmaxが0.7以上である請求項1〜8のいずれか1項に記載の風車翼。
  10. 前記翼型は、前記翼先端部のうち前記比r/Rが0.80〜0.95である領域の少なくとも一部に適用されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の風車翼。
  11. 前記背側スパーキャップは少なくとも2つ設けられ、
    前記腹側スパーキャップは少なくとも2つ設けられ、
    前記シアウェブは、少なくとも2つ設けられ、
    前記翼型は、前記翼先端部のうち、翼断面に前記少なくとも2つの背側スパーキャップと前記少なくとも2つの腹側スパーキャップと前記少なくとも2つのシアウェブとが存在する領域の少なくとも一部に適用されている請求項1〜10のいずれか1項に記載の風車翼。
  12. 前記翼型は、前記翼先端部のうち前記比r/Rが0.70〜0.80である領域の少なくとも一部に適用されている請求項1〜11のいずれか1項に記載の風車翼。
  13. レイノルズ数6.0×10における最大揚力係数が1.40以上1.70以下である請求項1〜12のいずれか1項に記載の風車翼。
  14. レイノルズ数6.0×10における最大揚抗比が160以上である請求項1〜13のいずれか1項に記載の風車翼。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の風車翼を備える風車ロータと、
    前記風車ロータの回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、
    を有する風力発電装置。
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