JP5995603B2 - 超微粒子焼結体及びその製造方法 - Google Patents

超微粒子焼結体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5995603B2
JP5995603B2 JP2012182874A JP2012182874A JP5995603B2 JP 5995603 B2 JP5995603 B2 JP 5995603B2 JP 2012182874 A JP2012182874 A JP 2012182874A JP 2012182874 A JP2012182874 A JP 2012182874A JP 5995603 B2 JP5995603 B2 JP 5995603B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
sintered body
ultrafine particle
copper
ultrafine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012182874A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014040952A (ja
Inventor
小林 実
小林  実
広美 山中
広美 山中
武秀 野村
武秀 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2012182874A priority Critical patent/JP5995603B2/ja
Publication of JP2014040952A publication Critical patent/JP2014040952A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5995603B2 publication Critical patent/JP5995603B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

本発明は、ヒートパイプ内部に装着されるウイックとして用いられる超微粒子焼結体及びその製造方法に関する。
従来のヒートパイプとして、熱伝導性が高い金属からなるパイプ内に、ウイックと呼ばれる多孔質体が装着され、水やナトリウム等の作動流体を封入したものがある。ウイックは、例えば粒径5μm以下の微細孔により、パイプ内面に毛細管現象を起こすものである。衛星用ヒートパイプのウイックには、例えばステンレス鋼(SUS316、SUS304)の超微粒子粉体を焼結した超微粒子焼結体が用いられる。
ヒートパイプ内部を循環する作動流体は、気相と液相に変化しやすい媒体であり、ウイックの部分では液化し、ウイックの中空部では気化した状態で存在する。ヒートパイプの一方を加熱し他方を冷却すると、高温部内壁で作動流体が熱を吸収して蒸発し、その蒸気が中空部を通って低温部に移動する。低温部では蒸気は凝集して液体に戻り、ウイックに吸収され、毛細管現象により高温部に戻る。このようなサイクルにより、高温部から低温部への熱移動が起こる。
ウイックとして用いられる超微粒子焼結体の従来の製造方法について簡単に説明する。円筒もしくは直方体の金型に充填された超微粒子粉体を、その融点よりも低い温度で加熱する。これにより粉末粒子間に結合が生じ、多孔性の緻密な焼結体が得られる。その後、切削、研削等の機械加工あるいは放電加工を行い、焼結体を任意の立体形状に仕上げる。
また、特許文献1には、ヒートパイプの製造方法として、移動フィルム上に供給された緻密層形成用スラリーと多孔層形成用スラリーを加熱し、緻密層と多孔層からなる多孔質金属板を製造し、この金属板を多孔層が内側となるように筒状に成形してパイプ本体内に挿入貼着する方法が提示されている。
一方、特許文献2では、ヒートパイプのウイックに有用な多孔質体の製造方法として、めっきによる方法が提示されている。この方法では、被めっき面に磁場をかけながら磁性粉を付着、保持させた後、無電解めっきまたは電気めっきを行い、被めっき面上の磁性粉を析出金属により架橋、固定し、多孔質体を形成している。
特許第3956678号公報 特公平04−1080号公報
ウイックが高い毛細管力を実現するためには、多孔質体の表面と内部において気孔率が同等であり、全体として均一な毛細管力特性を有していることが望ましい。しかしながら、焼結体を切削、研削等の機械加工により任意の立体形状とする方法では、刃具により表面の微細孔が目詰まりを生じ、所定の気孔率を確保できない。また、放電加工においても表面の微細孔が放電溶融するため、所定の気孔率を確保できない。このように、従来の超微粒子焼結体の加工方法では、表面の気孔率を内部と同等に維持することができず、全体として均一な毛細管力特性が得られないという問題点があった。
また、特許文献1の方法では、多孔性金属は平板状に形成されるため、これを任意の立体形状に加工することは難しい。さらに、特許文献2の方法では、多孔質体の材料となる微粒子粉体が磁性粉に限定されるため、構成材料が制約されるという問題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、任意の立体形状において表面と内部の気孔率が同等であり、全体として均一な毛細管力特性を有する超微粒子焼結体を得ることを目的とする。
また、任意の立体形状において表面と内部の気孔率が同等であり、全体として均一な毛細管力特性を有する超微粒子焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る超微粒子焼結体は、ヒートパイプ内部に装着されるウイックとして用いられる多孔性の超微粒子焼結体であって、径方向に所定の厚みを有する円筒体を備え、前記円筒体の外周面には、該円筒体の長手方向に平行な複数本の溝が設けられ、円筒体の外周面及び内周面を含む表面の気孔率と、円筒体の厚み部分における内部の気孔率が同等であり、全体として均一な毛細管力特性を有するものである。
また、本発明に係る超微粒子焼結体の製造方法は、ヒートパイプ内部に装着されるウイックとして用いられ、円筒体の外周面に長手方向に平行な複数本の溝を有する超微粒子焼結体の製造方法であって、両端部が開放された円筒体であり超微粒子粉体に比べて熱膨張係数が小さいセラミックス製の外型と、外型の下端部を封止する封止部、封止部に固定され溝を形成する複数本の銅棒、及び封止部と一体形成されウイックの中空部を形成する芯部を有する銅製の芯型とを備えた充填型を用意する第1ステップと、芯部を外型の中心部に配置すると共に外型の下端部を封止部により封止した充填型に所定量の超微粒子粉体を充填した後、超微粒子粉体の融点よりも低い温度で加熱し焼結体を形成する第2ステップと、焼結体から外型を取り外した後、焼結体と一体化している型を銅のエッチング液に浸漬し、型を溶解除去する第3ステップを含んで製造するようにしたものである。
また、本発明に係る超微粒子焼結体の製造方法は、ヒートパイプ内部に装着されるウイックとして用いられ、円筒体の外周面に長手方向に平行な複数本の溝を有する超微粒子焼結体の製造方法であって、両端部が開放された円筒体であり溝を形成する複数本の棒状突起部をその内周面に有し超微粒子粉体に比べて熱膨張係数が小さいセラミックス製の外型と、外型の下端部を封止する封止部及びこの封止部と一体形成されウイックの中空部を形成する芯部を有する銅製の芯型とを備えた充填型を用意する第1ステップと、芯部を外型の中心部に配置すると共に外型の下端部を封止部により封止した充填型に所定量の超微粒子粉体を充填した後、超微粒子粉体の融点よりも低い温度で加熱し焼結体を形成する第2ステップと、焼結体から外型を取り外した後、焼結体と一体化している芯型を銅のエッチング液に浸漬し、芯型を溶解除去する第3ステップを含んで製造するようにしたものである。
本発明に係る超微粒子焼結体によれば、長手方向に平行な複数本の溝を有する円筒体の外周面及び内周面を含む表面の気孔率と、円筒体の厚み部分における内部の気孔率が同等であり、全体として均一な毛細管力特性を有することから、高い毛細管力特性を有するウイックが実現可能である。
また、本発明に係る超微粒子焼結体の製造方法によれば、超微粒子粉体に比べて熱膨張係数が小さいセラミックス製の外型と複数本の銅棒を含む銅製の芯型からなる充填型を用いることにより、焼結体から外型を容易に取り外すことができ、さらに焼結体と一体化している型を銅のエッチング液で溶解除去することができるので、円筒体の外周面に長手方向に平行な複数本の溝を有する任意の立体形状において表面と内部の気孔率が同等であり、全体として均一な毛細管力特性を有する超微粒子焼結体を製造することが可能である。
また、溝を形成する複数本の棒状突起部をその内周面に有し超微粒子粉体に比べて熱膨張係数が小さいセラミックス製の外型と銅製の芯型からなる充填型を用いることにより、焼結体から外型を容易に取り外すことができ、さらに焼結体と一体化している芯型を銅のエッチング液で溶解除去することができるので、円筒体の外周面に長手方向に平行な複数本の溝を有する任意の立体形状において表面と内部の気孔率が同等であり、全体として均一な毛細管力特性を有する超微粒子焼結体を製造することが可能である。
本発明の実施の形態1に係る超微粒子焼結体を用いたヒートパイプを示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係る超微粒子焼結体の立体形状を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る超微粒子焼結体を製造するための充填型を構成する銅製外型を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る超微粒子焼結体を製造するための充填型を構成する銅製芯型を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る超微粒子焼結体を製造するための充填型を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る超微粒子焼結体を製造するための充填型を示す平面図である。 本発明の実施の形態2に係る超微粒子焼結体を製造するための充填型を構成する石英ガラス製外型を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る超微粒子焼結体を製造するための充填型を構成する銅製芯型と銅棒を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る超微粒子焼結体を製造するための充填型を構成する銅製芯型を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る超微粒子焼結体を製造するための充填型を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る超微粒子焼結体を製造するための充填型を示す平面図である。 本発明の実施の形態3に係る超微粒子焼結体を製造するための充填型を構成する石英ガラス製外型を示す図である。
実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態1に係る超微粒子焼結体及びその製造方法について、図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態1に係る超微粒子焼結体を用いたループヒートパイプの蒸発器を示す平面図、図2は、本実施の形態1に係る超微粒子焼結体の立体形状を示す斜視図である。なお、図中、同一、相当部分には同一符号を付している。
図1に示すように、ヒートパイプ1は、銅、タングステン、アルミニウム等の熱伝導性が高い金属からなるパイプ2内部に、多孔性の超微粒子焼結体(ウイック)3が装着されたものである。超微粒子焼結体3の材料としては、例えばステンレス鋼(SUS316、SUS304)等の超微粒子粉体が用いられる。超微粒子焼結体3の中心部は、中空部4となっている。
超微粒子焼結体3は、図2に示すように、径方向に所定の厚みを有する円筒体に成形されている。円筒体の外周面には、該円筒体の長手方向に平行な複数本の溝5が設けられている。これらの溝5は、作動流体(図示せず)の蒸気の通路となる。
ヒートパイプ1内に封入される作動流体は、気相と液相に変化しやすい媒体であり、超微粒子焼結体3の部分では液化し、中空部4では気化した状態で存在する。作動流体には、水、ナトリウム、アルコール類、液体窒素、アンモニア、フレオン、水、水銀等が用いられる。なお、パイプ2、超微粒子焼結体3及び作動流体の材料は、上記の材料に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択される。
ヒートパイプ1の一方の端部を外部から加熱すると、作動流体が蒸発し、その蒸気が超微粒子焼結体3の中空部4及び溝5を通って他方の端部に移動する。他方の端部に移動した蒸気は凝集して液体に戻り、超微粒子焼結体3に吸収され、毛細管現象により還流される。このようなサイクルにより、高温部から低温部への熱移動が起こる。
超微粒子焼結体3が高い毛細管力を実現するためには、全体として均一な気孔径及び気孔率であることが望ましい。表面加工により超微粒子焼結体3表面の気孔率が内部と同等に維持されていない場合や、内部亀裂等の欠陥がある場合、設計する性能は確保できない。本実施の形態1に係る超微粒子焼結体3は、任意の立体形状に成形された円筒体の外周面及び内周面を含む表面の気孔率と、円筒体の厚み部分における内部の気孔率が同等であり、全体として均一な毛細管力特性を有するものである。
本実施の形態1に係る超微粒子焼結体3を製造するための充填型について、図3〜図6を用いて説明する。図3及び図4は、充填型を構成する銅製外型と銅製芯型をそれぞれ示す斜視図である。また、図5及び図6は、図3に示す銅製外型と図4に示す銅製芯型を組み合わせた充填型を示す斜視図及び平面図である。
図3に示すように、銅製外型11は、両端部11a、11bが開放された円筒体である。銅製外型11の内周面には、超微粒子焼結体3の外周面に長手方向に平行な複数本の溝5(図2参照)を形成するための棒状突起部12が設けられている。
また、図4に示すように、銅製芯型13は、銅製外型11の下端部11bを封止する封止部14と、ウイックの中空部4を形成する芯部15が一体形成されたものである。これらの銅製外型11と銅製芯型13を組み合わせることにより、図5及び図6に示す充填型10が完成する。なお、本実施の形態1では、充填型10を構成する銅製外型11と銅製芯型13は、別個に形成されているが、これらは一体形成されていても良い。一体形成することにより、充填型を組み立てる時の位置決め精度が向上し、超微粒子粉体の充填が容易となる。
次に、ヒートパイプ1内部に装着されるウイックとして用いられる超微粒子焼結体3の製造方法について説明する。まず、第1ステップとして、銅製外型11と銅製芯型13からなる充填型10を用意する。銅製外型11は、両端部11a、11bが開放された円筒体である(図3)。また、銅製芯型13は、銅製外型11の下端部11bを封止する封止部14とウイックの中空部4を形成する芯部15が一体形成されたものである(図4)。
続いて、第2ステップとして、銅製芯型13の芯部15を銅製外型11の中心部に配置すると共に、銅製外型11の下端部11bを封止部14により封止し、図5に示すように充填型10を組み立てる。この充填型10に、銅製外型11の上端部11aから超微粒子粉体を充填する。超微粒子粉体には、直径数μmの金属粒子、例えばステンレス鋼(SUS316、SUS304)等の超微粒子粉体が用いられる。
超微粒子粉体を充填型10に充填する際には、外部からハンマリングで振動させることにより、隅部にも均一に充填される。所定量の超微粒子粉体を充填した後、銅製外型11の上端部11aを超微粒子粉体と同一材料のメッシュ(図示せず)あるいは封止部14と同様の部材等で封止する。
その後、超微粒子粉体が充填された充填型10全体を、超微粒子粉体の融点よりも低い温度で真空加熱し、焼結体を形成する。加熱温度を超微粒子粉体の融点よりも低い温度とすることにより、粉末粒子間に結合が生じ、多孔性の緻密な焼結体が得られる。例えばS
US304粒子の場合、1050±50度で30分加熱した後、急冷する。
続いて第3ステップとして、焼結体と一体化している充填型10を銅のエッチング液、例えば濃度30%の硝酸に浸漬し、充填型10を溶解除去する。銅のエッチング液は、焼結体の表面を溶解しないため、充填型10を溶解除去した後の超微粒子焼結体3は、表面微細孔形状を損なうことなく、表面と内部の気孔径及び気孔率が同等である。また、第3ステップで得られた超微粒子焼結体3は、ウイックとして必要な任意の立体形状を有しているため、その後の工程において表面加工を施す必要がなく、表面微細孔形状は維持される。
以上のように、本実施の形態1によれば、銅製外型11と銅製芯型13からなる充填型10を用いて焼結体を形成した後、焼結体と一体化している充填型10を銅のエッチング液で溶解除去するようにしたので、任意の立体形状において表面と内部の気孔率が同等であり、全体として均一な毛細管力特性を有する超微粒子焼結体3を得ることが可能である。従って、本実施の形態1に係る超微粒子焼結体3を用いることにより、高い毛細管力特性を有するウイックが実現可能である。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、銅製外型11と銅製芯型13からなる充填型10を用いて超微粒子焼結体3を製造したが、本実施の形態2では、セラミックス製の外型と銅製芯型からなる充填型を用いた製造方法について説明する。なお、本実施の形態2に係る超微粒子焼結体を用いたヒートパイプの構成及び超微粒子焼結体の立体形状については、上記実施の形態1と同様であるので図1及び図2を流用し、重複する部分の説明を省略する。
セラミックス製外型は、超微粒子粉体を焼結する際の加熱温度に対して十分な耐熱性があり、超微粒子粉体に比べて熱膨張係数が小さいものである必要がある。さらに、透明材料であることが望ましい。透明材料の場合、超微粒子粉体を充填する際に内部状況を可視化することができ、粉体が充填されていない空孔部が生じたり、粉体の粗密を生じたりすることなく、均一に充填することができる。
これらの条件を満たす材料として、透明石英ガラスが好適である。石英ガラス(SiO)の熱膨張係数は5.6×10−7/kであり、ステンレス鋼(線膨張率17.3×10−6/k)あるいは銅(線膨張率16.8×10−6/k)と比べて小さい(ただし、熱膨張率=線膨張率×3)。
超微粒子粉体として用いられる直径数μmの金属粒子、例えばステンレス鋼は、焼結によって粉末粒子間に結合が生じて固まるため、物体としての外形寸法は焼結前よりも小さくなる。これに対し、石英ガラス製外型は、超微粒子粉体を焼結時の温度(例えばSUS304粒子の場合、1050±50度)に加熱され、冷却された後も、外形寸法にほとんど変化がない。このため、焼結体との間に隙間ができ、焼結体から容易に剥離することができる。
本実施の形態2に係る超微粒子焼結体3を製造するための充填型について、図7〜図11を用いて説明する。図7は、充填型を構成する石英ガラス製外型を示す斜視図、図8は、充填型を構成する銅製芯型と銅棒を示す斜視図である。また、図9は、封止部と銅棒が一体形成された銅製芯型を示す斜視図である。さらに、図10及び図11は、石英ガラス製外型と銅製芯型を組み合わせた充填型を示す斜視図及び平面図である。
図7に示すように、石英ガラス製外型21は、両端部が開放された円筒体である。また、図8に示すように、銅製芯型23は、石英ガラス製外型21の下端部を封止する封止部24と、ウイックの中空部4を形成する芯部25が一体形成されたものである。さらに、封止部24に設けられた複数の穴部26に、超微粒子焼結体3の外周面に長手方向に平行な複数本の溝5(図2参照)を形成するための銅棒27が差し込まれ、固定される。
なお、図9に示すように、予め封止部24と銅棒27が一体形成された銅製芯型23aであっても良い。これにより、充填型20の組立及び粉末充填の作業性が向上すると共に、銅棒27の位置決め精度が向上する。これらの石英ガラス製外型21と銅製芯型23(または23a)を組み合わせることにより、図10及び図11に示す充填型20が完成する。
次に、ヒートパイプ1内部に装着されるウイックとして用いられる超微粒子焼結体3の製造方法について説明する。まず、第1ステップとして、セラミックス製の外型である石英ガラス製外型21と銅製芯型23からなる充填型20を用意する。石英ガラス製外型21は、両端部が開放された円筒体である(図7)。また、銅製芯型23は、石英ガラス製外型21の下端部を封止する封止部24とウイックの中空部4を形成する芯部25が一体形成されたものである(図8)。封止部24には、超微粒子焼結体3の外周面に長手方向に平行な複数本の溝5(図2参照)を形成するための銅棒27が固定されている。
続いて、第2ステップとして、銅製芯型23の芯部25を石英ガラス製外型21の中心部に配置すると共に、石英ガラス製外型21の下端部を封止部24により封止し、図10に示すように充填型20を組み立てる。この充填型20に、石英ガラス製外型21の上端部から超微粒子粉体を充填する。超微粒子粉体には、直径数μmの金属粒子、例えばステンレス鋼(SUS316、SUS304)等の超微粒子粉体が用いられる。
超微粒子粉体を充填型20に充填する際には、外部からハンマリングで振動させることにより、隅部にも均一に充填される。また、石英ガラス製外型21は透明であるため、超微粒子粉体を充填する際に内部状況を可視化することができ、さらに均一に充填することができる。所定量の超微粒子粉体を充填した後、石英ガラス製外型21の上端部を超微粒子粉体と同一材料のメッシュ(図示せず)あるいは封止部24と同様の部材等で封止する。
その後、充填型20全体を超微粒子粉体の融点よりも低い温度で真空加熱し、焼結体を形成する。加熱温度を超微粒子粉体の融点よりも低い温度とすることにより、粉末粒子間に結合が生じ、多孔性の緻密な焼結体が得られる。例えばSUS304粒子の場合、1050±50度で30分加熱した後、急冷する。
続いて第3ステップとして、焼結体から石英ガラス製外型21を取り外す。熱膨張係数の違いにより焼結体と石製ガラス製外型21の間には隙間が生じており、容易に剥離することができる。その後、焼結体と一体化している銅製芯型23及び銅棒27を銅のエッチング液、例えば濃度30%の硝酸に浸漬し、銅製芯型23及び銅棒27を溶解除去する。
銅のエッチング液は、焼結体の表面を溶解しないため、銅製芯型23及び銅棒27が溶解除去された後の超微粒子焼結体3は、表面微細孔形状を損なうことなく、表面と内部の気孔径及び気孔率が同等である。また、第3ステップで得られる超微粒子焼結体3は、ウイックとして必要な任意の立体形状を有しているため、その後の工程において表面加工を施す必要がなく、表面微細孔形状は維持される。
本実施の形態2によれば、石英ガラス製外型21と銅製芯型23からなる充填型20を用いて焼結体を形成した後、焼結体から石英ガラス製外型21を取り外し、焼結体と一体化している銅製芯型23を銅のエッチング液で溶解除去するようにしたので、任意の立体形状において表面と内部の気孔率が同等であり、全体として均一な毛細管力特性を有する超微粒子焼結体3を得ることが可能である。従って、本実施の形態2に係る超微粒子焼結体3を用いることにより、高い毛細管力特性を有するウイックが実現可能である。また、上記実施の形態1に比べて、第3ステップにおける銅のエッチング工程を簡略化することができる。
実施の形態3.
図12は、本発明の実施の形態3に係る超微粒子焼結体を製造するための石英ガラス製外型を示す斜視図である。なお、本実施の形態3に係る超微粒子焼結体を用いたヒートパイプの構成及び超微粒子焼結体の立体形状については、上記実施の形態1と同様であるので図1及び図2を流用し、重複する説明を省略する。
図12に示すように、本実施の形態3における石英ガラス製外型21aの内周面には、超微粒子焼結体3の外周面に長手方向に平行な複数本の溝5(図2参照)を形成するための棒状突起部22が設けられている。この石英ガラス製外型21aには、上記実施の形態2で用いた銅棒27を備えた芯型23(図8参照)ではなく、上記実施の形態1で用いた芯型13(図4参照)を組み合わせる。石英ガラス製外型21aの製造方法は、石英ガラスを軟化点以上に加熱した状態で、グラファイトに押付けることにより、棒状突起部22を形成することができる。
本実施の形態3における超微粒子焼結体3の製造方法は、上記実施の形態2とほぼ同様であるので説明を省略する。ただし、第3ステップにおいて、焼結体と一体化している銅製芯型を銅のエッチング液で溶解除去する際に、銅棒が無い分、上記実施の形態2と比べて銅製芯型の除去が容易且つ迅速となる。
本実施の形態3によれば、上記実施の形態2と同様の効果が得られ、さらに、上記実施の形態2に比べて、第3ステップにおける銅のエッチング工程を簡略化することができる。なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
本発明は、ヒートパイプ内部に装着されるウイックとして用いられる超微粒子焼結体、及びその製造方法として利用することができる。
1 ヒートパイプ、2 パイプ、3 超微粒子焼結体(ウイック)、4 中空部、
5 溝、10、20 充填型、11 銅製外型、12、22 棒状突起部、
13、23、23a 銅製芯型、14、24 封止部、15、25 芯部、
21、21a 石英ガラス製外型、26 穴部、27 銅棒。

Claims (5)

  1. ヒートパイプ内部に装着されるウイックとして用いられる多孔性の超微粒子焼結体であって、径方向に所定の厚みを有する円筒体を備え、前記円筒体の外周面には、該円筒体の長手方向に平行な複数本の溝が設けられ、前記円筒体の外周面及び内周面を含む表面の気孔率と、前記円筒体の厚み部分における内部の気孔率が同等であり、全体として均一な毛細管力特性を有することを特徴とする超微粒子焼結体。
  2. ヒートパイプ内部に装着されるウイックとして用いられ、円筒体の外周面に長手方向に平行な複数本の溝を有する超微粒子焼結体の製造方法であって、
    両端部が開放された円筒体であり超微粒子粉体に比べて熱膨張係数が小さいセラミックス製の外型と、前記外型の下端部を封止する封止部、前記封止部に固定され前記溝を形成する複数本の銅棒、及び前記封止部と一体形成されウイックの中空部を形成する芯部を有する銅製の芯型とを備えた充填型を用意する第1ステップ、
    前記芯部を前記外型の中心部に配置すると共に前記外型の下端部を前記封止部により封止した前記充填型に所定量の前記超微粒子粉体を充填した後、前記超微粒子粉体の融点よりも低い温度で加熱し焼結体を形成する第2ステップ、
    前記焼結体から前記外型を取り外した後、前記焼結体と一体化している前記型を銅のエッチング液に浸漬し、前記型を溶解除去する第3ステップを含むことを特徴とする超微粒子焼結体の製造方法。
  3. ヒートパイプ内部に装着されるウイックとして用いられ、円筒体の外周面に長手方向に平行な複数本の溝を有する超微粒子焼結体の製造方法であって、
    両端部が開放された円筒体であり前記溝を形成する複数本の棒状突起部をその内周面に有し超微粒子粉体に比べて熱膨張係数が小さいセラミックス製の外型と、前記外型の下端部を封止する封止部及びこの封止部と一体形成されウイックの中空部を形成する芯部を有する銅製の芯型とを備えた充填型を用意する第1ステップ、
    前記芯部を前記外型の中心部に配置すると共に前記外型の下端部を前記封止部により封止した前記充填型に所定量の前記超微粒子粉体を充填した後、前記超微粒子粉体の融点よりも低い温度で加熱し焼結体を形成する第2ステップ、
    前記焼結体から前記外型を取り外した後、前記焼結体と一体化している前記芯型を銅のエッチング液に浸漬し、前記芯型を溶解除去する第3ステップを含むことを特徴とする超微粒子焼結体の製造方法。
  4. 前記外型は、透明石英ガラスからなることを特徴とする請求項2または請求項3記載の超微粒子焼結体の製造方法。
  5. 前記第3ステップにおいて、前記エッチング液は硝酸であることを特徴とする請求項2または請求項3記載の超微粒子焼結体の製造方法。
JP2012182874A 2012-08-22 2012-08-22 超微粒子焼結体及びその製造方法 Active JP5995603B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012182874A JP5995603B2 (ja) 2012-08-22 2012-08-22 超微粒子焼結体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012182874A JP5995603B2 (ja) 2012-08-22 2012-08-22 超微粒子焼結体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014040952A JP2014040952A (ja) 2014-03-06
JP5995603B2 true JP5995603B2 (ja) 2016-09-21

Family

ID=50393348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012182874A Active JP5995603B2 (ja) 2012-08-22 2012-08-22 超微粒子焼結体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5995603B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5111007A (en) * 1974-07-19 1976-01-28 Tokico Ltd Netsudenpansochino seizohoho
JPS6189493A (ja) * 1984-10-08 1986-05-07 Mitsubishi Electric Corp ヒ−トパイプのウイツク形成方法
JP2002303494A (ja) * 2001-04-02 2002-10-18 Mitsubishi Electric Corp 蒸発器およびこれを用いたループ型ヒートパイプ
JP2003343987A (ja) * 2002-05-24 2003-12-03 Mitsubishi Electric Corp ウイック構造体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014040952A (ja) 2014-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2715265B1 (en) Capillary device for use in heat pipe and method of manufacturing such capillary device
US6935022B2 (en) Advanced microelectronic heat dissipation package and method for its manufacture
CN102305564A (zh) 一种纤维烧结式微热管及其制造方法
CN104075603B (zh) 一种热管复合吸液芯及其制备方法
WO2022148021A1 (zh) 一种激光表面熔覆的金属热管材料及其制备方法
JP2014515989A (ja) チャンネルを備えた金属フォームを製造する方法およびこのようにして製造された金属フォーム
CN111590073A (zh) 一种一体化平板微热管结构及其3d打印制造方法
CN104764350A (zh) 一种泡沫铜为吸液芯的均热板制造方法
CN202254989U (zh) 一种纤维烧结式微热管
CN103814144B (zh) 磁性制冷材料和制造磁性制冷材料的方法
JP5995603B2 (ja) 超微粒子焼結体及びその製造方法
CN103334021B (zh) 一种微通道芯体制造工艺
JPH10121110A (ja) 沸騰伝熱部材及びその製造方法
JP2019171441A (ja) ベースメタル一体型オープンポーラスメタル及びその製造方法
CN116697789A (zh) 一种基于超材料的热管结构及加工方法
US20150090428A1 (en) Heat transfer device having 3-dimensional projections and an associated method of fabrication
JP2008069385A (ja) 焼結金属部材の製造方法
EP3816559A1 (en) Two-phase heat transfer device for heat dissipation
JP2015521355A5 (ja)
JP2009063191A (ja) 多孔質金属体を利用した伝熱促進方法
WO2021020529A1 (ja) ヒートシンク
JP2020163428A (ja) ベースメタル一体型の規則性オープンポーラスメタル及びその製造方法
JP5809529B2 (ja) 焼結ヒートパイプの製造方法
TW200819557A (en) Method for producing vapor chamber
CN111902015B (zh) 一种导热储热一体化热控结构及制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160726

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160823

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5995603

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250