JP5995285B2 - データ保存手段を持った運転制御装置 - Google Patents

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本発明は、装置の運転データなどを保存するデータ保存手段を持った運転制御装置に関するものである。
特許3342872号公報には、あらかじめ設定しておいた制御データと、実際の運転データを比較し、出力の調節を行いながら調理を行う食品調理装置の記載がある。この食品調理装置では、制御盤に第1データメモリと第2データメモリを設置しておき、制御値算出回路で算出した制御データは第1データメモリに記憶させ、温度センサや圧力センサで算出した運転データは第2データメモリに記憶させる。また、フレキシブルディスク、カードメモリ等の記憶媒体に設定条件を記憶しておき、制御値は設定条件を読み込むことで条件にあった制御値を算出するようにしている。
特許3342872号公報には記載がないが、運転制御装置ではデータを更新して保存することも広く行われている。コントローラ内のメモリは、演算装置との間で頻繁なデータのやり取りを行う。このメモリは、読み込み/書き込みを行える回数が多いものでなければならないため、揮発性のメモリを使用している。しかし、揮発性のメモリは、電源が切れるとデータが失われるため、データを保存する場合は別に設けた不揮発性メモリであるデータ保存用メモリに記憶させる。不揮発性メモリの場合、電源が切れてもデータを失わない利点がある反面、読み込み/書き込み回数に制限がある欠点もある。そのため、データ保存用メモリでのデータ更新は一定の周期で行うようにしており、更新回数を減らすことで特定期間内に回数制限をオーバーしないようにしている。
また、保存すべきデータはコントローラからのデータだけではなく、他機器から送られてきたデータも保存が必要という場合には、それぞれでの保存も行っている。他機器からのデータも保存はデータ保存用メモリに行う。データ保存用メモリにおいては、コントローラからのデータと他機器からのデータのそれぞれを記録することになり、保存すべきデータが更新されると、書き込みを行う。その際、複数系統からのデータが同時期に更新されると、データ保存用メモリでは先に届いたデータから保存していくことになる。そのため、重要なデータが重要ではないデータと重なるようにして送られてきた場合、重要度の低いデータの更新を行っていたため、重要度の高いデータが更新されなかったということになる可能性がある。
特許第3342872号公報
本発明が解決しようとする課題は、データ保存用メモリとして読み込み/書き込み回数に制限のある不揮発性メモリを使用している場合において、データ保存用メモリではコントローラでの更新データや、他機器からの更新データというように、複数系統のデータを保存するものであっても、読み込み/書き込み回数の制限を満足し、必要なデータ更新の反映が可能となるようにすることにある。
請求項1に記載の発明は、コントローラには、CPUや揮発性メモリを設けているマイコン部と、前記メモリとは別に不揮発性メモリからなるデータ保存用メモリを設けており、揮発性メモリはCPUとの間でデータのやり取りを行いながら一時的なデータ保存を行い、データ保存用メモリはデータの長期的な保存を行うものであって、データ保存用メモリでのデータ更新は周期的に行うことで、メモリの読み込み/書き込み回数制限に対応するようにしているデータ保存手段を持った運転制御装置において、マイコン部の揮発性メモリには比較用メモリの領域と一時保存用メモリの領域を設け、マイコン部で発生した更新データは一時保存用メモリに保存し、他機器で発生した更新データはデータ保存用メモリに保存するようにしておき、データ保存用メモリでの更新データ記録時、まず比較用メモリのデータを一時保存用メモリ又はデータ保存用メモリのデータを比較することでデータ更新の有無を確認し、データの更新があった場合には一時保存用メモリ又はデータ保存用メモリの更新データを比較用メモリに書き込んでおき、次に比較用メモリのデータを一時保存用メモリ及びデータ保存用メモリに書き込むものであることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記のデータ保存手段を持った運転制御装置において、データの項目によって一時保存用メモリのデータとデータ保存用メモリのデータのうち、どちらを優先するのかをあらかじめ定めておき、データ更新時、一時保存用メモリとデータ保存用メモリの両方で更新が行われていた場合には、データの項目によって優先すべきデータを選択し、選択したデータを比較用メモリに書き込み、次に比較用メモリのデータを一時保存用メモリ及びデータ保存用メモリに書き込むものであることを特徴とする。
データ保存用メモリへの書き込み回数を削減しながら、コントローラでの更新データや、他機器からの更新データの保存を行うことが可能となる。
本発明の一実施例でのフローチャート 本発明の一実施例でのメモリに格納しているデータの移り変わりを説明する説明図 本発明の一実施例でのメモリに格納しているデータの移り変わりを説明する説明図 本発明の一実施例でのメモリに格納しているデータの移り変わりを説明する説明図 本発明の一実施例での制御ブロック図
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施例でのデータ更新時のフローチャート、図2から図4は一実施例でのメモリに格納しているデータの移り変わりを説明する説明図、図5はコントローラでのデータの流れを示した制御ブロック図である。実施例のコントローラ4は、例えば食品調理装置の運転を制御するものであって、あらかじめ設定しておいた運転プログラムに基づいて食品調理装置の各機器類を操作する、といったものである。運転プログラムでは、最適な調理条件となるような温度変化曲線を試作調理時に求めておき、その温度変化曲線となるように、運転開始からX分後にはY℃になるという設定値を多数定めている。温度などの条件は、調理するものによってそれぞれ異なるが、調理物ごとに適正な値を一度見いだしておけば、それ以降は同じことを繰り返すことで安定した品質のものを作ることができる。この運転プログラムはデータ保存用メモリ3に保存しておき、食品調理装置では必要の都度、この運転プログラムを読み込んで使用する。
コントローラ4は、熱水温度センサ・槽内圧力センサ・槽内温度センサといった各種センサ等6から実測データを取り込み、運転プログラムに定めておいた値となるように、蒸気調整弁・圧力調整弁・蒸気発生装置など各種調節弁等7の調節を行う。コントローラ4には、CPU8や揮発性メモリからなるマイコン部5と、不揮発性メモリであるデータ保存用メモリ3を設けておく。マイコン部5のメモリは、CPU8との間でデータのやり取りが多く行われるため、電力供給が途絶えるとデータは消失するが、読み込み/書き込みの回数を多くすることができる揮発性メモリを使用する。この揮発性メモリには、比較用メモリ1の領域と、一時保存用メモリ2の領域を設定しておく。また、コントローラ4には、運転スイッチや設定値の入力手段を持った行う操作盤9や、通信手段を通じて接続している外部機器との間でデータのやり取りを行うための外部インターフェース10を接続している。
データ保存用メモリ3は、CPU8を通じて比較用メモリ1及び一時保存用メモリ2との間でデータのやり取りを行えるようにしている。データ保存用メモリ3には、運転プログラムの設定データであったり、運転の積算データなど、長期的に保存しておく必要のあるデータを保存しておく。設定データは運転に必要なものであって繰り返し使用するものであり、積算データも途中で消失させるわけにはいかないものである。そのため、データ保存用メモリ3には、F−RAMなど電力供給が途絶えてもデータの消えない不揮発性メモリを使用する。また、データ保存用メモリ3は、外部インターフェース10とも接続しており、データ保存用メモリ3では外部インターフェース10を通じて送られてきた他機器からのデータを書き込むことも行う。なお、不揮発性メモリの場合、読み込み/書き込みの回数には制限がある。通常の使用期間内に回数制限を越えてしまい、データの読み書きができなくなると、正しい運転が行えなくなったり、保存すべきデータが保存されないということになる。そのため、データ保存用メモリ3へデータの読み込み/書き込みを行う場合は、一定周期で行うこととし、読み込み/書き込みの回数が多くならないようにしておく。
マイコン部5に設けている比較用メモリ1及び一時保存用メモリ2は、電源が切れるとデータは消失するものであるため、電源を入れなおした直後の時点では比較用メモリ1及び一時保存用メモリ2にはデータがない状態になっている。データ保存用メモリ3の場合は、電源が切れてもデータは残るものであるため、マイコン部5では電源オン時にデータ保存用メモリ3からデータを読み込み、読み込んだデータを比較用メモリ1及び一時保存用メモリ2に書き込む。読み込んだデータは、比較用メモリ1と一時保存用メモリ2のそれぞれに書き込むため、電源オン直後には、比較用メモリ1・一時保存用メモリ2・データ保存用メモリ3のすべてが同じデータとなっている。
食品調理装置の運転を開始し、各種センサ等6で計測した値などである更新データ(B)がコントローラ4に入ってくると、更新データ(B)は一時保存用メモリ2へ記録する。また、外部インターフェース10を通じて送られてきた他機器からのデータである更新データ(C)はデータ保存用メモリ3へ記録していく。設定データや積算データなどの長期保存が必要なデータは、一定周期でデータ保存用メモリ3に保存していく。まず図1のフローチャートに基づいて説明する。
データ更新のプログラムは、まずステップ1にて比較用メモリ1と一時保存用メモリ2の比較を行う。一時保存用メモリ2のデータが更新されていれば、両者のデータは異なることになり、その場合にはステップ2へ移行する。一時保存用メモリ2のデータが更新されていなければ、両者のデータは同じとなり、その場合にはステップ5に飛ぶことになる。
ステップ2では、比較用メモリ1とデータ保存用メモリ3の比較を行う。データ保存用メモリ3のデータが更新されていれば、両者のデータは異なることになり、その場合にはステップ3へ移行する。データ保存用メモリ3のデータが更新されていなければ、両者のデータは同じとなり、その場合にはステップ4に飛ぶことになる。
次のステップ3は、どちらの更新を優先するのかを決定するステップである。ステップ3に来るのは、一時保存用メモリ2でのデータ更新と、データ保存用メモリ3でのデータ更新が行われていた場合である。この場合、ステップ3にて優先すべきデータを定める。
優先するデータは、データの項目によって一時保存用メモリのデータとデータ保存用メモリのデータのどちらを優先するのかをあらかじめ定めておき、データの項目によって優先すべきデータを選択する。例えば、更新を行っているデータの項目が設定データに関するものであれば一時保存用メモリ2のデータを優先し、更新を行っているデータの項目が積算データであればデータ保存用メモリ3のデータを優先するとしておく。ステップ3で分岐し、データ保存用メモリ3のデータを優先するとなった場合はステップ5に飛ぶ。優先するのはデータ保存用メモリ3ではない、つまり一時保存用メモリ2データを優先するとなった場合は、ステップ4に行く。
ステップ4は、一時保存用メモリ2のデータを比較用メモリ1に書き込むステップである。一時保存用メモリ2のデータのみが更新されていた場合と、一時保存用メモリ2とデータ保存用メモリ3の両方が更新されていたが一時保存用メモリ2のデータを優先させることになった場合は、ステップ4にて一時保存用メモリ2のデータを比較用メモリ1に書き込む。この場合、マイコン部5では、一時保存用メモリ2のデータをCPU8経由で比較用メモリ1へ書き込む。
ステップ5は、データ保存用メモリ3のデータを比較用メモリ1に書き込むステップである。一時保存用メモリ2の更新は行われていなかった場合と、一時保存用メモリ2とデータ保存用メモリ3の両方が更新されていたがデータ保存用メモリ3のデータを優先させることになった場合は、ステップ5にてデータ保存用メモリ3のデータを比較用メモリ1に書き込む。
ステップ6では、ステップ4又はステップ5で比較用メモリ1に書き込んだデータを、一時保存用メモリ2及びデータ保存用メモリ3へ書き込む。このことにより、更新データが電源を落としても消えないデータ保存用メモリ3に書き込まれたことになる。また、比較用メモリ1、一時保存用メモリ2、データ保存用メモリ3のそれぞれに更新データが記録されることになり、3つのメモリでデータが同じとなる最初の状態に戻る。
ステップ7にて更新すべき項目がすべて終了したかを確認し、まだ更新すべき項目が残っている場合はSTARTへ戻り、上記のプログラムを繰り返す。すべての項目で終了していた場合は、今回分の更新は終了となる。
次に各状況におけるデータ更新時のデータの動きについて、図2から図4に基づいて説明する。図2から図4では、データ保存用メモリ3に保存しておいた初期データを「A」、コントローラ4で発生し一時保存用メモリ2を更新させる更新データを「B」、外部機器で発生しデータ保存用メモリ3を更新させる更新データを「C」として説明している。
実際でのデータのやり取りはCPU8を通じて行うが、図2から図4ではCPU8の経由の記載は省略し、比較用メモリ1・一時保存用メモリ2・データ保存用メモリ3のみを記載している。また、各状態に対応する図1での各ステップをS1からS6として図中に記載してる。初期状態では、比較用メモリ1・一時保存用メモリ2・データ保存用メモリ3は共にAとなっており、この状態から更新データの入力があると、データが移り変わる。
図2は一時保存用メモリ2に更新データBが入り、データ保存用メモリ3でのデータ更新は行われていないという場合のものである。当初は、比較用メモリ1・一時保存用メモリ2・データ保存用メモリ3のそれぞれに初期データAが入っているが、更新データの入力により一時保存用メモリ2のデータはBに替わっている。データ保存用メモリ3の更新データ記録時期になると、まずステップ1で、比較用メモリ1と一時保存用メモリ2の比較を行う。両者のデータはAとBであって異なっているため、次はステップ2で比較用メモリ1とデータ保存用メモリ3の比較を行う。ここでは両者のデータはどちらもAであって同一となるため、次はステップ4となる。ステップ4では、一時保存用メモリ2のデータBを比較用メモリ1へ書き込む。最後にステップ6にて比較用メモリ1のデータBを一時保存用メモリ2とデータ保存用メモリ3への書き込むことで、この項目でのデータ更新が終了となる。最後に比較用メモリ1・一時保存用メモリ2・データ保存用メモリ3のデータを同じにしているため、次回更新時にも比較用メモリのデータを一時保存用メモリ又はデータ保存用メモリのデータと比較することでデータ更新の有無を確認することができる。
図3はデータ保存用メモリ3に更新データCが入り、一時保存用メモリ2でのデータ更新は行われていないという場合のものである。この場合も、まずステップ1で、比較用メモリ1と一時保存用メモリ2の比較を行う。両者のデータはAであって同じであるため、次はステップ5に飛ぶ。ステップ5では、データ保存用メモリ3のデータCを比較用メモリ1へ書き込む。最後にステップ6にて、比較用メモリ1のデータCを一時保存用メモリ2とデータ保存用メモリ3への書き込むことで、この項目でのデータ更新が終了となる。
図4は一時保存用メモリ2に更新データBが入り、データ保存用メモリ3には更新データCが入る場合のものである。この場合も、まずステップ1で比較用メモリ1と一時保存用メモリ2の比較を行う。両者のデータはAとBであって異なっているため、次はステップ2で比較用メモリ1とデータ保存用メモリ3の比較を行う。ここでも両者のデータはAとCで異なっている。この場合は、ステップ3でどちらの更新を優先するかによって分岐する。一時保存用メモリ2の更新データBを優先する場合は、ステップ4にて一時保存用メモリ2のデータBを比較用メモリ1へ書き込む。そしてステップ6にて比較用メモリ1のデータBを一時保存用メモリ2とデータ保存用メモリ3への書き込む。優先するデータがデータ保存用メモリ3の更新データCであった場合は、ステップ5でデータ保存用メモリ3のデータCを比較用メモリ1へ書き込む。そしてステップ6にて比較用メモリ1のデータCを一時保存用メモリ2とデータ保存用メモリ3への書き込む。
このようにすることで、読み込み/書き込み回数に制限があるためにデータの更新は周期的に行うというものであっても、必要なデータは漏れなく更新していくということが可能となる。
なお、本発明は以上説明した実施例に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
1 比較用メモリ
2 一時保存用メモリ
3 データ保存用メモリ
4 コントローラ
5 マイコン部
6 各種センサ等
7 各種調節弁等
8 CPU
9 操作盤
10 外部インターフェース

Claims (2)

  1. コントローラには、CPUや揮発性メモリを設けているマイコン部と、前記メモリとは別に不揮発性メモリからなるデータ保存用メモリを設けており、揮発性メモリはCPUとの間でデータのやり取りを行いながら一時的なデータ保存を行い、データ保存用メモリはデータの長期的な保存を行うものであって、データ保存用メモリでのデータ更新は周期的に行うことで、メモリの読み込み/書き込み回数制限に対応するようにしているデータ保存手段を持った運転制御装置において、マイコン部の揮発性メモリには比較用メモリの領域と一時保存用メモリの領域を設け、マイコン部で発生した更新データは一時保存用メモリに保存し、他機器で発生した更新データはデータ保存用メモリに保存するようにしておき、データ保存用メモリでの更新データ記録時、まず比較用メモリのデータを一時保存用メモリ又はデータ保存用メモリのデータを比較することでデータ更新の有無を確認し、データの更新があった場合には一時保存用メモリ又はデータ保存用メモリの更新データを比較用メモリに書き込んでおき、次に比較用メモリのデータを一時保存用メモリ及びデータ保存用メモリに書き込むものであることを特徴とするデータ保存手段を持った運転制御装置。
  2. 請求項1に記載のデータ保存手段を持った運転制御装置において、データの項目によって一時保存用メモリのデータとデータ保存用メモリのデータのうち、どちらを優先するのかをあらかじめ定めておき、データ更新時、一時保存用メモリとデータ保存用メモリの両方で更新が行われていた場合には、データの項目によって優先すべきデータを選択し、選択したデータを比較用メモリに書き込み、次に比較用メモリのデータを一時保存用メモリ及びデータ保存用メモリに書き込むものであることを特徴とするデータ保存手段を持った運転制御装置。

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