JP5994119B1 - 吊りボルトの振動抑制体 - Google Patents

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Abstract

【目的】吊りボルトの振動を抑制して該吊りボルトの変形や破損を防止すると共に吊り構造物の揺れを抑制することができる吊りボルトの振動抑制体を提供する。【構成】吊り構造物を吊下げるために天井躯体から吊下固定される吊りボルトに取り付けて、吊りボルトに作用する震動負荷を低減させて震動を抑制する構成の吊りボルトの震動抑制体において、3本以上の弾性を有する棒状体の下端を束ね、束ねた部分から上方に放射状に拡開させ、棒状体の結束固定部の内側に吊りボルトを挿通し、吊りボルト外周に結束固定部の内面が密接させた状態にすると共に、棒状体の各上端を天井躯体下面に当接させた状態で吊りボルトに振動抑制体を取付固定する構成とし、吊りボルトに対して振動エネルギーが入力された際に、棒状体が有する弾性が入力された振動エネルギーの振動方向と逆方向に付勢力を発揮することによって振動エネルギーを抑制乃至は消滅させる構成。【選択図】 図1

Description

本発明は吊りボルトの振動抑制体に関し、詳しくは天井躯体から空調機器・配管類等の吊り構造物を吊り下げる吊りボルトの震動を抑制する震動抑制体に関する。
ビル等の建築物の天井スラブやデッキプレートの如き天井部分には、空調機器の室内ユニット・配管類等の種々の設備機器が配設されている。これらの設備機器は、天井スラブやデッキプレート等の天井躯体に吊下固定されている吊りボルトに固定することによって天吊り支持される場合が一般的である。例えば、図8は4本の吊りボルトによって天吊り支持された空調機器の屋内ユニットであり、4本の吊りボルトの各々の上端は天井躯体にアンカー等を用いて埋込固定されている。
これらの天吊り支持される構造物(本明細書においては吊り構造物と言う)は、地震時には建築物の耐震構造・免振機構によって建築物そのものの損傷等は免れるように構成されているが、天吊りされている吊り構造物の揺れや振動の発生を防ぐまでには至っていない。
従って、吊り構造物を天吊りする吊りボルトに振動負荷が作用することになり、変形や破断が生じてしまう場合があるという問題点を有していた。
本発明者の研究によれば、吊りボルトの変形や破断は特に天井躯体に固定された根元部分に応力が集中することによって発生することが多いことが判った。
そこで、吊りボルトを一本構成とするのではなく根元部分において分断し、この分断部分に前後左右方向等に揺れを許容する連結部材を介在させることによって根元部分における吊りボルトの変形や破断を回避する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−031694号
しかし特許文献1の技術では、吊りボルトの根元部分における変形や破断を防ぐことはできるものの、特に大きな揺れが発生した場合には吊り構造物を充分に保護することができずに破損させたり、酷い場合には脱落・落下させてしまう場合も考えられる。
そこで本発明の課題は、吊りボルトの振動を抑制して該吊りボルトの変形や破損を防止すると共に吊り構造物の揺れを抑制することができる吊りボルトの振動抑制体を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は下記構成を有する。
1.空調機器・配管類の如き吊り構造物を吊下げるために天井スラブやデッキプレートの如き天井躯体から吊下固定される吊りボルトに取り付けて、該吊りボルトに作用する振動負荷を低減させて振動を抑制する構成の吊りボルトの振動抑制体において、
少なくとも3本以上の弾性を有する棒状体を、その下端乃至は下端近傍を束ね、この束ねた部分から上方に向かって放射状に拡開させた状態で結束固定した構成を有して成り、
記3本以上の棒状体の結束固定した部分の内側に前記吊りボルト挿通された状態で、該吊りボルトの外周に前記結束固定した棒状体の内面が密接された状態であると共に、
前記3本以上の棒状体の各上端前記天井躯体の下面に当接された状態で前記吊りボルトに振動抑制体取付固定され
前記吊りボルトに対して振動エネルギーが入力された際に、棒状体が有する弾性が入力された振動エネルギーの振動方向と逆方向に付勢力を発揮することによって前記振動エネルギーを抑制乃至は消滅させる構成であること、
を特徴とする吊りボルトの振動抑制体。
2.前記棒状体の上端が、前記天井躯体の下面の相対向する三箇所以上に当接し、且つその三箇所以上の当接箇所が形成する多角形内に前記吊りボルトの中心が含まれる位置である構成であることを特徴とする上記1に記載の吊りボルトの振動抑制体。
3.前記棒状体の前記吊りボルトの外周に密接する部分の上端が曲線で接する構成であることを特徴とする上記1又は2に記載の吊りボルトの振動抑制体。
4.前記棒状体が、結束固定した部分より下方に向かって拡開する延長部を有する構成であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の吊りボルトの振動抑制体。
5.前記棒状体の前記吊りボルトの外周に密接する部分の下端が曲線で接する構成であることを特徴とする上記4に記載の吊りボルトの振動抑制体。
6.前記棒状体が、結束固定した部分より上方の部分について捻りを加えて旋回状態の放射状に拡開させた構成とすることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の吊りボルトの振動抑制体。
7.前記棒状体の結束固定した部分と吊りボルト外周との間に弾性材料を介在させる構成であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の吊りボルトの振動抑制体。
8.前記吊りボルトを前記少なくとも3本以上の棒状体の内側に側方から挿通した後に該3本以上の棒状体を結束固定する構成であることを特徴とする上記1〜7に記載の吊りボルトの振動抑制体。
9.前記3本以上の棒状体の少なくとも1本が、前記天井躯体に固定される構成であることを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載の吊りボルトの振動抑制体。
10.前記棒状体の結束固定した部分の位置が、前記吊りボルトに前記吊り構造物を取り付けた部分の上方近傍位置であることを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載の吊りボルトの振動抑制体。
請求項1に示す発明によれば、吊りボルトの振動を抑制して該吊りボルトの変形や破損を防止すると共に吊り構造物の揺れを抑制することができる吊りボルトの振動抑制体を提供することができる。
特に、吊りボルトの外周に下端部分を結束固定した3本以上の棒状体の放射状に拡開する各上端を天井躯体の下面に当接させる構成によって、振動エネルギーの振動エネルギーと逆方向に棒状体の付勢力が発揮されるので、振動エネルギーを抑制乃至は消滅させることができる。従って、吊りボルトの根元部にかかる負荷を著しく軽減することができ、該吊りボルトの変形や破損を防止することができる。
請求項2に示す発明によれば、振動抑制体の棒状体上端の天井躯体の下面に当接する三箇所以上が形成する多角形内に前記吊りボルトの中心が含まれる位置にあるように当接する構成によって、吊りボルトに入力される振動エネルギーの振動方向が360度全周のどの方向であっても、振動抑制体を天井躯体の下面に対して安定した状態で当接させることができるので、より振動エネルギーの抑制乃至は消滅が可能となる。
請求項3に示す発明によれば、吊りボルトと棒状体との密接する上端が曲線で接触する構成によって、この密接上端への振動エネルギーの応力集中を避けることができるので、吊りボルトの根元部のみならず、この密接上端における吊りボルトの変形や破損を防止することができる。
請求項4に示す発明によれば、吊りボルトと棒状体の密接部の密接による振動エネルギーの抑制乃至は消滅効果が更に向上する。
請求項5に示す発明によれば、吊りボルトと棒状体との密接する下端が曲線で接触する構成によって、この密接下端への振動エネルギーの応力集中を避けることができるので、吊りボルトの根元部のみならず、この密接下端における吊りボルトの変形や破損を防止することができる。
請求項6に示す発明によれば、吊りボルトに入力される振動エネルギーに対して、より柔軟に振動エネルギーの抑制乃至は消滅が可能となる。
請求項7に示す発明によれば、介在する弾性材料の弾性によって吊りボルトにかかる振動エネルギーの抑制が可能である。
請求項8に示す発明によれば、吊りボルトの下端からではなく側方から振動抑制体を取り付けることができるので、吊り構造物が既に吊下固定された既設の吊りボルトに対しても吊り構造物を取り外すことなく振動抑制体を取り付けることができる。従って、この後付け施工によって施工工期の短縮化及び施工コストの低コスト化を図ることができる。
請求項9に示す発明によれば、3本以上の棒状体の少なくとも1本の上端を天井躯体の下面に固定するだけで3本以上の棒状体による振動エネルギーの抑制乃至は消滅が可能となる。
請求項10に示す発明によれば、吊り構造物の取付位置に近い位置での振動エネルギーの抑制を図ることができるので、吊りボルトの変形や破損をより防止することができる。
本発明に係る吊りボルトの振動抑制体の一実施例を示す説明側面図 吊りボルトに対する振動抑制体の棒状体の密接状態の一例を示す要部端面図 天井躯体下面に対する振動抑制体の棒状体上端の当接位置の複数例を示す要部説明端面図 振動抑制体の棒状体の吊りボルトへの密接部の他の実施例を示す要部側面図(一部は断面図) 本発明に係る吊りボルトの振動抑制体の他の実施例を示す説明側面図 本発明に係る吊りボルトの振動抑制体の一実施例を示す説明平面図 本発明に係る吊りボルトの振動抑制体の一実施例を示す説明平面図 吊り構造物の天吊り支持構成の一例を示す概略説明斜視図
次に、添付の図面に従って本発明を説明する。
本発明に係る吊りボルトの振動抑制体(以下、「振動抑制体」と言うこともある。)は、天井躯体から、例えば、図8に示すように空調機器・配管類等の吊り構造物4を吊り下げる吊りボルト3・3・3・3の震動を抑制する技術であり、その具体的な構成例としては、図1〜図3に示すように、
吊り構造物を吊下げるために天井スラブやデッキプレートの如き天井躯体2から吊下固定される吊りボルト3に取り付けて、該吊りボルト3に作用する震動負荷を低減させて震動を抑制する構成の吊りボルトの震動抑制体1において、
該振動抑制体1は、少なくとも3本以上(本実施例では3本)の弾性を有する棒状体10を、その下端12乃至は下端12の近傍を束ね、この束ねた部分から上方に向かって放射状に拡開させた状態で結束固定部材11によって結束固定した構成を有して成り、
前記吊りボルト3への取付けに際しては、前記3本以上の棒状体10の結束固定した部分の内側に前記吊りボルト3を挿通した後、該吊りボルト3の外周に結束固定した部分の棒状体10の内面が密接させた状態にすると共に、
前記3本以上の棒状体10の各上端13を前記天井躯体2の下面21に当接させた状態で前記吊りボルト3に振動抑制体1を取付固定する構成とし、
前記吊りボルト3に対して振動エネルギーが入力された際に、棒状体10が有する弾性が入力された震動エネルギーの震動方向と逆方向に付勢力を発揮することによって前記震動エネルギーを抑制乃至は消滅させる構成となっている。
以下、本発明の振動抑制体1について更に詳説する。
振動抑制体1の棒状体10としては、配管支持具に用いられる公知公用の素材である金属製の棒状体や合成樹脂製の棒状体であって且つ該棒状体事態が弾性を有する棒体(丸棒、角棒)や長尺細板体を用いることができる。本実施例では、弾性を有する金属製の丸棒を用いた態様を示す。
上記した弾性を有する棒状体10を少なくとも3本以上、その下端12乃至は下端12近傍を結束固定部材11によって束ねることによって振動抑制体1を形成する。振動抑制体1の棒状体10は、その上端13が天井躯体2の下面21に当接するように吊りボルト3に取り付ける際、棒状体10の有する弾性を利用して束ねた部分から上方に向かって放射状に拡開させた状態で取り付ける。このように3本以上の棒状体10が放射状に拡開し、棒状体10の各上端13が天井躯体2の下面21に当接することによって、吊りボルト3に振動エネルギーが入力された際に、棒状体3の弾性によって前記振動エネルギーの振動方向と逆方向に付勢力が発揮されることになることにより、振動エネルギーを抑制乃至は消滅させることができる。
また、上記の3本以上の棒状体10の吊りボルト3外周への結束固定は、該吊りボルト3を3本以上の棒状体10の内側に挿通した後に結束固定部材11により結束固定する。かかる構成によれば、吊りボルト3の下端からではなく側方から振動抑制体1を取り付けることができるので、吊り構造物4が既に吊下固定された既設の吊りボルト3に対しても吊り構造物4を取り外すことなく振動抑制体1を取り付けることができる。従って、この後付け施工によって施工工期の短縮化及び施工コストの低コスト化を図ることができる。
3本以上の棒状体10を束ねて結束固定する手段としては、本実施例のようにリング状の結束固定部材11に限らず、配管や配線の結束資材である種々の結線部材等の公知公用の結束部材を特別の制限なく用いることができる。
各棒状体10の吊りボルト3の外周への密接部14の各上端は、曲線で接するように構成することが好ましい。かかる構成によれば、吊りボルト3と棒状体10との密接部14の密接端が曲線接触する構成となるので、この密接端への振動エネルギーの応力集中を避けることができ、吊りボルト3の根元部のみならず、この密接端における吊りボルト3の変形や破損を防止することができる。
3本以上の棒状体10の各上端13は、前述したように天井躯体2の下面21へ当接するが、この当接は前記各上端13が天井躯体2の下面21の相対向する三箇所以上に当接し、且つその三箇所以上の当接箇所が形成する多角形内に前記吊りボルト3の中心3Aが含まれる位置となる構成であることが好ましい。
即ち、図3(a)に示すように、棒状体3が3本である場合の3つの上端13・13・13による三箇所の当接箇所によって形成される三角形T3内に吊りボルト3の中心3Aが含まれる位置となっている。吊りボルト3の中心3Aは該吊りボルト3の重心であるため、この中心3Aを3つの上端13・13・13から形成される三角形T3内に含むことにより、吊りボルト3に対して入力される振動エネルギーの振動方向が360度全周のどの方向であっても、振動抑制体1を天井躯体2の下面21に対して安定した状態で当接させることができるので、より振動エネルギーの抑制乃至は消滅が可能となる。図3(A)に示す実施例では天井躯体2の下面21の三箇所に等間隔に棒状体10の上端13・13・13が当接する構成になっているため、3つの上端13・13・13から形成される三角形T3は正三角形となり、吊りボルト3の中心3Aは三角形T3の中心に位置することになる。従って、振動エネルギーの振動方向は吊りボルト3の360度全周のいかなる方向であっても天井躯体2の下面21への当接が均等になる。
棒状体10の上端13の当接箇所から形成される多角形は、該多角形内に吊りボルト3の中心3Aが含まれる構成であれば上記実施例の正三角形に限定されず、図3(b)に示すように正三角形以外の三角形T3でもよい。
また、図3(c)に示すように棒状体10を3本に限らず4本でもよいので、4本とした場合の4つの上端13・13・13・13の当接箇所は四箇所となり、この四箇所の当接箇所によって形成される多角形は四角形T4であってもよい。
但し、図3(d)に示すように、上端13・13・13から形成される三角形T3に吊りボルト3の中心3Aが含まれない構成では、この含まれない側に抜けるように入力される振動エネルギーに対して下面21への当接が不均等になってしまうことから安定した状態で当接することができなくなるため本発明外となる。
以上の構成を有する本発明の振動抑制体は、吊りボルト3への装着・取付に際しては、前述したように吊りボルト3の側方から装着する構成が好ましいが、吊りボルト3の端部(下端)から挿通して取り付ける構成としてもよい。
以上、本発明に係る吊りボルトの振動抑制体について実施例に基き説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の範囲内において他の態様を採ることができる。
例えば、密接部14は棒状体10の内面が吊りボルト3の外周に直接に密接する構成に限らず、図4に示すように、棒状体10の結束固定した部分と吊りボルト3外周との間に弾性材料15を介在させる構成とすることもできる。弾性材料15の材質としては、合成ゴム、天然ゴム、軟質合成樹脂、これらの混合物等の素材構成を挙げることができる。かかる構成によれば、介在する弾性材料15の弾性によって吊りボルト3にかかる振動エネルギーの抑制が可能である。
また、前記3本以上の棒状体10の少なくとも1本について、前記天井躯体2に固定する構成としてもよい。かかる構成によれば、3本以上の棒状体10の少なくとも1本の上端13を天井躯体2の下面21に固定するだけで3本以上の棒状体10による振動エネルギーの抑制乃至は消滅が可能となる。尚、前記天井躯体2に固定する構成は、螺子等の止具を用いる手段、溶接、螺合、接着、その他の公知公用のいずれであってもよい。
更に、図5に示すように、棒状体10が結束固定した部分より下方に向かって拡開する延長部16を有する構成としてもよい。かかる構成によれば、吊りボルト3と棒状体10の密接部14の密接による振動エネルギーの抑制乃至は消滅効果が更に向上する。尚、延長部16を有する構成とした場合、棒状体10の吊りボルト3の外周に密接する部分の下端が曲線で接する構成とすることが好ましい。かかる構成によれば、吊りボルト3と棒状体10との密接する下端が曲線で接触する構成となることによって、この密接下端への振動エネルギーの応力集中を避けることができるので、吊りボルト3の根元部のみならず、この密接下端における吊りボルト3の変形や破損を防止することができる。
更に、図6又は図7に示すように、棒状体10が、結束固定した部分より上方の部分について捻りを加えて旋回状態の放射状に拡開させた構成としてもよい。図6は棒状体10が3本構成の態様を示し、図7は棒状体10が4本構成の態様を示す。かかる構成によれば、吊りボルト3に入力される振動エネルギーに対して、より柔軟に振動エネルギーの抑制乃至は消滅が可能となる。
更にまた、棒状体10の結束固定した部分の位置としては、吊りボルト3に吊り構造物4を取り付けた部分の上方近傍位置(図8の符号3Bで示す位置)とすれば、吊り構造物4の取付位置に近い位置での振動エネルギーの抑制を図ることができるので、吊りボルト3の変形や破損をより防止することができる。
1 振動抑制体
10 棒状体
11 結束固定部材
12 棒状体の下端
13 棒状体の上端
14 密接部
15 弾性材料
16 延長部
2 天井躯体
21 天井躯体の下面
3 吊りボルト
3A 吊りボルトの中心
3B 上方近傍位置
4 吊り構造物

Claims (10)

  1. 空調機器・配管類の如き吊り構造物を吊下げるために天井スラブやデッキプレートの如き天井躯体から吊下固定される吊りボルトに取り付けて、該吊りボルトに作用する振動負荷を低減させて振動を抑制する構成の吊りボルトの振動抑制体において、
    少なくとも3本以上の弾性を有する棒状体を、その下端乃至は下端近傍を束ね、この束ねた部分から上方に向かって放射状に拡開させた状態で結束固定した構成を有して成り、
    記3本以上の棒状体の結束固定した部分の内側に前記吊りボルト挿通された状態で、該吊りボルトの外周に前記結束固定した棒状体の内面が密接された状態であると共に、
    前記3本以上の棒状体の各上端前記天井躯体の下面に当接された状態で前記吊りボルトに振動抑制体取付固定され
    前記吊りボルトに対して振動エネルギーが入力された際に、棒状体が有する弾性が入力された振動エネルギーの振動方向と逆方向に付勢力を発揮することによって前記振動エネルギーを抑制乃至は消滅させる構成であること、
    を特徴とする吊りボルトの振動抑制体。
  2. 前記棒状体の上端が、前記天井躯体の下面の相対向する三箇所以上に当接し、且つその三箇所以上の当接箇所が形成する多角形内に前記吊りボルトの中心が含まれる位置である構成であることを特徴とする請求項1に記載の吊りボルトの振動抑制体。
  3. 前記棒状体の前記吊りボルトの外周に密接する部分の上端が曲線で接する構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊りボルトの振動抑制体。
  4. 前記棒状体が、結束固定した部分より下方に向かって拡開する延長部を有する構成であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吊りボルトの振動抑制体。
  5. 前記棒状体の前記吊りボルトの外周に密接する部分の下端が曲線で接する構成であることを特徴とする請求項4に記載の吊りボルトの振動抑制体。
  6. 前記棒状体が、結束固定した部分より上方の部分について捻りを加えて旋回状態の放射状に拡開させた構成とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吊りボルトの振動抑制体。
  7. 前記棒状体の結束固定した部分と吊りボルト外周との間に弾性材料を介在させる構成であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の吊りボルトの振動抑制体。
  8. 前記吊りボルトを前記少なくとも3本以上の棒状体の内側に側方から挿通した後に該3本以上の棒状体を結束固定する構成であることを特徴とする請求項1〜7に記載の吊りボルトの振動抑制体。
  9. 前記3本以上の棒状体の少なくとも1本が、前記天井躯体に固定される構成であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の吊りボルトの振動抑制体。
  10. 前記棒状体の結束固定した部分の位置が、前記吊りボルトに前記吊り構造物を取り付けた部分の上方近傍位置であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の吊りボルトの振動抑制体。
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