JP5993222B2 - マンホール、下水引出ユニットおよび下水熱利用システム - Google Patents

マンホール、下水引出ユニットおよび下水熱利用システム Download PDF

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Description

本発明は、下水熱を利用する熱利用システムに関し、特に、マンホールにおいて夾雑物が少ない下水を取水する下水熱利用システム、当該システムに好適なマンホールおよび下水引出ユニットに関する。
近年、ヒートポンプを利用した空調が実用化されて広く利用されるようになっており、その熱源として下水熱が注目されている。下水熱は、年間を通じた温度変化が大気の温度変化よりも小さいという特徴を有しており、特に、下水管路系が発達している都市部では極めて有望な熱源といえる。
下水熱を利用するシステムとして、例えば、下水管路から下水を引き出して採熱等をした後、当該下水を下水管路に戻す下水熱利用システムが海外において実用化されている。ドイツにおいて実用化されている下水熱利用システムの概略構成図を図8に示す。なお、当該下水熱利用システムは文献公知発明ではないため、記載すべき先行技術文献はない。
図8に示すように、この下水熱利用システム100は、下水管路101から下水を引き出すための下水引出管102、下水を蓄積するピット103、下水を使用して熱交換する熱交換器104、熱交換した下水を下水管路101に戻す下水戻し管105を備える。下水引出管102のピット103側端部にはスクリーン装置111が配置されている。下水引出管102を通じて引き出された下水中の夾雑物(固形物等)がスクリーン装置111において分離され、夾雑物が除去された下水がピット103内に導入される。ピット103内の下水はポンプ107により引き上げられ、熱媒供給管106を通じて熱交換器104に導入される。熱交換器104を通過した下水は下水戻し管105を通じて下水管路101に戻される。下水戻し管105は下水管路101に接続されており、熱交換器104を通過した下水は下水戻し管105内を自然流下して下水管路101に到達する。なお、図8では、下水管路101に設けられたマンホール101aの底部に下水引出管102が接続され、マンホール101aの上部に下水戻し管105が接続されている。下水流は紙面に垂直な方向(例えば、手前から奥に向けて)に流れている。また、図8中に示す下水管101bは、マンホール101aに露出する奥側の下水管の開放端である。
また、この下水熱利用システム100は、スクリーン装置111において下水から分離された夾雑物を下水管路101へ戻すための夾雑物搬送部121を備える。夾雑物搬送部121は、夾雑物保持部122と、当該夾雑物保持部122をスクリーン装置111と下水戻し管105とにわたって移動させる昇降機構123とで構成される。この従来例では、下水戻し管105の途中に、夾雑物搬送部121により夾雑物が搬入される夾雑物搬入口105cが設けられている。なお、以下では、夾雑物搬入口105cより上流側の下水戻し管105を上流側下水戻し管105a、夾雑物搬入口105cより下流側の下水戻し管105を下流側下水戻し管105bという。
以上の下水熱利用システム100では、スクリーン装置111において下水から分離された夾雑物は、図示しない移送機によりスクリーン装置111に隣接する位置にある夾雑物保持部122に搬入される。夾雑物が搬入された夾雑物保持部122は昇降機構123により下水戻し管105まで移動する。下水戻し管105に到達した夾雑物保持部122は、例えば、天地を反転させることで内部の夾雑物を下水戻し管105の夾雑物搬入口105cへ投入する。夾雑物搬入口105cに投入された夾雑物は、熱交換器104を通過して上流側下水戻し管105a内を流れてくる下水とともに、下流側下水戻し管105bを通じて下水管路101へ搬送される。
一方、本発明に関連する技術として下水処理場等の水路に設置される、下水等から夾雑物を分離するスクリーン装置が知られている(例えば、特許文献1〜4等)。特許文献1は、スクリーンの各隙間に配置したレーキ(爪)を、モータの回転運動をリンク機構により水平運動に変換して水平駆動し、スクリーンの目詰まりを排除する除塵装置を開示している。また、特許文献2は、無端チェーンに複数のレーキを固定し、チェーンの旋回駆動により駆動される複数のレーキを順次通過させることで、スクリーンの目詰まりを排除する横型バースクリーン装置を開示している。特許文献3は、スクリーンの各隙間に配置した円盤を、当該円盤の中心と異なる回転軸周りに回転駆動し、スクリーンの目詰まりを排除するスクリーン付固液分離装置を開示している。特許文献4は、スクリーンの各隙間に、回転軸周りに円運動する複数のレーキを順次通過させることで、スクリーンの目詰まりを排除する夾雑物収集装置を開示している。
また、他の関連技術として、下水管路の負荷を低減するため、下水管の設計流量を超えた下水を分水する技術が知られている(例えば、特許文献5〜6等)。特許文献5は、既設下水管の流路断面を上下に分割する仕切り板を設け、仕切り板上に設けた仕切り室により仕切り板の上方を流下する下水を強制的に横方向に流れを変更することで分水する分水ユニットを開示している。また、特許文献6は、水路の底壁に、分水路との連結口である複数の矩形開口を、流れ方向に離間して、かつ水路の幅方向にずらした状態で、1辺が流れと直交する状態で設ける定量分水装置を開示している。
特開2006−299755号公報 特開2005−036423号公報 特開昭59−109210号公報 特開平11−324101号公報 特開2002−317487号公報 特開平7−317110号公報
図8に示す従来技術では、連続的な運用のために、下水管路101から引き出した下水から夾雑物を分離して分離した夾雑物を下水管路101に戻す機構である夾雑物搬送部121を設けることが必須である。そのため、当該夾雑物搬送部121を設置するスペースを確保すること、および当該夾雑物搬送部121を設置するための相応のコストが必要になる。
例えば、下水引出管102の下水管路101側の端部にスクリーン装置を設置し、下水管路101から夾雑物を含まない下水を引き出すことができれば、夾雑物搬送部121のような夾雑物を下水管路101に戻す機構を設ける必要はない。しかしながら、下水の流れ阻害するような構造物を下水管路内に配置することは、下水管路の機能低下に直結するため好ましくない。この観点では、上述の特許文献1〜4が開示するような従来のスクリーン装置では、下水流路内に比較的大きな構造物が設置されることになるため、少なからず下水の流れを阻害してしまう。
一方、上述の特許文献5、6が開示するような分水方法によれば、下水管底から所定の高さを超えて流れる下水を、下水の流れを阻害することなく引き出すことが可能になる。このような技術により引き出される下水は、上澄み部分であるため夾雑物の量が比較的少ないといえる。しかしながら、このような分水方法では、下水管内の下水流量が少ないときには分水路に下水が流入しない。すなわち、安定した流量で下水を引き出すことができないため、下水熱利用のための下水引出方法としては適当な方法とはいえない。
本発明はこのような従来技術の課題を鑑みてなされたものであって、下水の流れを阻害することなく、夾雑物を含まない下水を安定した流量で引き出すことができる、マンホール、および既設マンホールや新設マンホールに容易に適用できる下水引出ユニットを提供することを目的とする。また、当該マンホールまたは下水引出ユニットを利用することにより、除去した夾雑物を下水管路に戻す機構を要しない低コストな下水熱利用システムを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明は以下の技術的手段を採用している。すなわち、本発明は、熱利用のために下水を引き出す下水引出路が接続されるマンホールであって、樋状体、目詰まり防止機構、駆動手段および集水案内部を備える。樋状体は、上流側下水管路と下流側下水管路との間で下水を流下させるとともに、底部に複数条の間隙を有するスクリーンを備える。この間隙は、樋状体の下水流の流れに沿って配置されることが好ましい。目詰まり防止機構は、レーキと移動機構により構成される。レーキは、上記スクリーンの各間隙にスクリーンの下方側から挿入される。また、移動機構は、レーキを当該レーキが挿入されたスクリーンの間隙に沿って移動させる。当該移動機構は、駆動手段により駆動される。集水案内部は、スクリーンを通じて落下した下水を受け止めるとともに、当該落下した下水を案内してマンホール側壁に接続された下水引出路へ導入する。
このマンホールは、下水流路の底部から下水を引き出す構造であり、下水流路に構造物を配置する必要がない。また、スクリーンは下水流路である樋状体の底部と面一であるため、下水の流れを阻害することなく、夾雑物を含まない下水を安定した流量で引き出すことができる。
このマンホールにおいて、集水案内部はマンホールの底部と一体に構成することができる。この場合、樋状体、目詰まり防止機構および駆動手段のそれぞれは、マンホールに設けられる点検口から内部に搬入可能なサイズの1または複数の部材により構成され、樋状体、目詰まり防止機構および駆動手段が、マンホールの内部において、集水案内部上に組立設置される構成を採用することができる。この構成では、設置が容易になる。特に、既設マンホールに対しては、既設のインバートを除去し、形状加工したマンホール底部に、樋状体、目詰まり防止機構および駆動手段を組み立て設置する構成であるため、極めて容易に設置することができる。
一方、他の観点では、本発明は、熱利用のために下水を引き出す下水引出路が接続されるマンホールに設置される下水引出ユニットを提供することもできる。すなわち、本発明に係る下水引出ユニットは、樋状体、目詰まり防止機構、駆動手段および集水案内容器を備える。樋状体は、上流側下水管路と下流側下水管路との間で下水を流下させるとともに、底部に複数条の間隙を有するスクリーンを備える。この間隙は、樋状体の下水流の流れに沿って配置されることが好ましい。目詰まり防止機構は、レーキと移動機構により構成される。レーキは、上記スクリーンの各間隙にスクリーンの下方側から挿入される。また、移動機構は、レーキを当該レーキが挿入されたスクリーンの間隙に沿って移動させる。当該移動機構は、駆動手段により駆動される。集水案内容器は、マンホールの底部に設置され、スクリーンを通じて落下した下水を受け止めるとともに、当該落下した下水を案内してマンホール側壁に接続された下水引出路へ導入する。
この下水引出ユニットは、下水流路の底部から下水を引き出す構造であり、下水流路に構造物を配置する必要がない。また、スクリーンは下水流路である樋状体の底部と面一であるため、下水の流れを阻害することなく、夾雑物を含まない下水を安定した流量で引き出すことができる。
この下水引出ユニットにおいて、樋状体、目詰まり防止機構、駆動手段および集水案内容器のそれぞれが、マンホールに設けられる点検口から内部に搬入可能なサイズの1または複数の部材により構成され、樋状体、目詰まり防止機構、駆動手段および集水案内容器が、マンホールの底部上に組立設置される構成を採用することができる。この構成では、設置が容易になる。特に、既設マンホールに対しては、既設のインバートを除去したマンホール底部に、集水案内容器、樋状体、目詰まり防止機構および駆動手段を組み立て設置する構成であるため、極めて容易に設置することができる。
また、他の観点では、本発明は、上述のマンホールまたは、上述の下水引出ユニットを備えるマンホールを備える下水熱利用システムを提供することができる。すなわち、本発明に係る下水熱利用システムは、下水管路に設けられるとともに、下水管路から下水を引き出す下水引出路が接続され、当該下水引出路に下水を導入する、上述のマンホール、または上述の下水引出ユニットを備えるマンホールと、下水引出により引き出した下水と熱交換する熱交換部と、当該熱交換部において熱交換がなされた下水を下水管路内に排出する排出路とを備える。
この下水熱利用システムでは、下水管から夾雑物を含まない下水を引き出すことができるため、従来のような夾雑物を下水管内に戻す機構が不要になる。また、この下水熱利用システムは、下水管内の下水の流れを阻害することがないため、既設下水管路に対しても何ら問題を生じることなく適用できる。その結果、下水熱利用システムを低コストで提供することが可能になる。
本発明によれば、設置コストを従来に比べて著しく低減した下水熱利用システムを実現することができる。
本発明の一実施形態における下水熱利用システムの全体構成を示す概略構成図 本発明の一実施形態におけるマンホールが備える下水引出構造を示す概略図 本発明の一実施形態におけるマンホールが備える下水引出構造を示す平面図 本発明の一実施形態におけるマンホールが備える下水引出構造を示す横断面図 本発明の一実施形態におけるマンホールが備える下水引出構造を示す縦断面図 本発明の一実施形態におけるマンホールに設置される集水案内容器を示す概略図 本発明の一実施形態におけるマンホールに設置される集水案内容器を示す概略図 従来の下水熱利用システムの全体構成を示す概略構成図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。以下では、下水管路に設けられたマンホールにおいて下水を下水流に対して横方向に引き出して熱源として利用する下水熱利用システムとして本発明を具体化する。なお、以下では、下水管により構成された下水管路を例示している。
図1は、本実施形態における下水熱利用システム10の全体構成を示す概略構成図である。図1に示すように、この下水熱利用システム10は、下水引出路2、熱交換部4および下水戻し路5(排出路)を備え、下水管路1に設けられたマンホール1aから下水を引き出して熱源として利用する。なお、図1は、下水流に対して垂直な断面を示しており、図中に示す下水管1bは、マンホール1aに露出する奥側の下水管の開放端である。また、この例では、下水はマンホール1aから奥の下水管1bに向かって(すなわち、紙面の手前から奥に向かって)流れている。
下水引出路2は、下水管路1から下水を引き出す管路であり、下水管路1に設けられたマンホール1aに接続されている。マンホール1aにおける下水引出路2の接続位置は、下水管路1における下水の流下方向と垂直な方向に位置するマンホール1a側壁の底部近傍である。下水引出路2は、下水引出路2内を下水がマンホール1a側から他端側へ自然流下する状態で設置される。
マンホール1aは、樋状体11、目詰まり防止機構21、モータ(駆動手段)31および集水案内部41により構成される下水引出構造60を備える。樋状体11は、上流側下水管と下流側下水管との間で下水を流下させる下水流路を構成する。樋状体11の底部には、樋状体11を流れる下水流に沿う複数条の間隙を有するスクリーン12が配置されている。目詰まり防止機構21は、レーキ22と移動機構23により構成される。レーキ22は、スクリーン12の各間隙にスクリーン12の下方側から挿入される。また、移動機構23は、レーキ22を当該レーキ22が挿入されたスクリーン12の間隙に沿って移動させる。モータ31は、移動機構23を駆動することにより、レーキ22をスクリーン12の間隙に沿って移動させる。集水案内部41は、スクリーン12を通じて落下した下水を受け止めるとともに、当該落下した下水を案内して下水引出路2へ導入する。本実施形態では、集水案内部41は、スクリーン12を通じて落下した下水を、樋状体11を流れる下水流と交差する方向へ案内する構成になっている。下水引出構造60の詳細については後述する。
下水引出路2によって導出された下水は、熱交換器を備える熱交換部4において熱媒として使用される。下水熱利用システム10では、下水引出路2から引き出された下水は、一旦、ピット3に蓄積され、ピット3内に蓄積された下水が熱交換部4に導入される。この例では、熱交換部4は地上に設置されているが、熱交換部4の設置位置は特に限定されない。また、熱交換部4の熱交換器は下水を熱媒として利用する構成であればよい。当該熱交換器には公知の任意の方式を採用することができる。
図1に示すように、ピット3は、マンホール1aの底1cよりも低い位置に設けられた底3cを有する。当該底3cよりも所定高さ上方のピット3側壁に、下水引出路2の他端が接続されている。ピット3には、ピット3内に蓄積された下水を熱交換部4へ送出するポンプ7が設置されている。ポンプ7と熱交換部4との間は熱媒供給管6によって接続されており、熱媒供給管6内を輸送された下水が熱媒として熱交換部4の熱交換器に導入される。
熱交換部4において熱交換に供された下水は、下水戻し路5を通じて下水管路1に排出される。下水戻し路5は、熱交換部4を通過した下水を下水管路1へ排出する管路であり、本実施形態では、下水戻し路5はマンホール1aに接続されている。熱交換部4を通過した下水は、下水戻し路5内を自然流下して下水管路1に到達する。特に限定されないが、この例では、ピット3内部に下水戻し路5の一部が配設されるとともに、ピット3からマンホール1aまでの間では、下水引出路2の上方に下水引出路2に沿って下水戻し路5が配設されている。
また、下水戻し路5のマンホール1a側の端部は、スクリーン12の下流側端部よりも下流側へ延出されており、例えば、下流側下水管1bの近傍あるいは下流側下水管1b内に下水戻し路5の開放端が配置される。この構成により、熱利用後に下水戻し路5を通じて下水管路1に戻された下水が、再度、スクリーン12を通じて下水引出路2に流入することを防止している。このような再流入を防止する構成としては、下水戻し路5のマンホール1a側の開放端に、例えば、下水戻し路5から放出された下水が衝突し、当該下水をスクリーン12の下流側へ跳ね返す邪魔板を設ける構成を採用することもできる。
この下水熱利用システム10では、夾雑物が少ない下水を下水管路1から引き出すことができる。そのため、従来技術における夾雑物搬送部121のような、夾雑物を下水管路へ戻す機構が不要になる。したがって、夾雑物搬送部121を設置するスペースや夾雑物搬送部121を設置するためのコストが不要になる。
続いて、マンホール1aが備える下水引出構造60の構成について説明する。図2は、下水引出構造60の概略構成を示す透過斜視図である。図3は、下水引出構造60の概略構成を示す平面図である。図4は、図3に示すA−A線に沿う断面図(横断面図)である。図5は、図3に示すB−B線に沿う断面図(縦断面図)である。特に限定されないが、本実施形態では、マンホール1aは、広く知られている組立式マンホール(日本下水道協会規格 A−11)である。図2〜図5では、砕石基礎71上に設置された底版72に配置された管取付壁73の部分のみを図示し、当該管取付壁73上に設置される、直壁および斜壁の図示を省略している。また、図2では、砕石基礎および底版の図示も省略している。
図2〜図5に示すように、マンホール1aの管取付壁73は、平面視において円形状の断面形状を有し、その側壁に、上流側下水管1d、下流側下水管1bおよび下水引出路2が接続されている。この例では、上流側下水管1dおよび下流側下水管1bは、管取付壁73の対向する壁面に設けられている。図5に示すように、上流側下水管1dおよび下流側下水管1bは管取付壁73に設けられた貫通孔に挿入され、各下水管1b、1dと管取付壁73との間にはジョイント74が介在されている。下水引出路2は、マンホール1aの底部近傍において、下水管路1の下水流下方向(上流側下水管1dから下流側下水管1bへ向かう方向)と直交する方向の管取付壁73の側壁に接続されている。ここでは、図4に示すように、マンホール1aの側壁に露出する下水引出路2の開放端2a(以下、下水引出口2aという。)における下水引出路2の内周面の最も低い位置は、マンホール底1cの上面の低位部77の下水引出口2a側の端部と面一になっている。図5では、参考のため、当該下水引出口2aを点線で示している。なお、マンホール底1cは、底版72上に打設されたコンクリート75の上面として構成されている。
図2、図3、図5に示すように、上流側下水管1dと下流側下水管1bとの間には、断面U字状の樋状体11が架設されている。樋状体11は、上流側下水管1d側の端部は、上流側下水管1dの略下半分の内面と整合する内面を有しており、下流側下水管1b側の端部は、下流側下水管1bの略下半分の内面と整合する内面を有している。本実施形態では、図2〜図5に示すように、マンホール底1cの上流側下水管1dおよび下流側下水管1b側の端部には、上述の低位部77から上方に突出する段差部76が設けられており、当該段差部76上に樋状体11が設置されている。段差部76は、後述するように、樋状体11から落下した下水を下水引出路2へ案内する機能を有しており、この例では、平面視において、下水流下方向と直交する方向に沿う弦を有する弓型状の形状を有している。なお、樋状体11は、例えば、ステンレス等の金属や樹脂により構成することができる。
樋状体11は、その底部に、スクリーン12を備える。図3〜図5に示すように、スクリーン12は、樋状体11を流下する下水流に沿う複数条の間隙13を備える。当該間隙13を下水が通過することにより下水から夾雑物が分離される。また、分離された夾雑物は樋状体11を流れる下水流の作用、および後述のレーキ22の運動の作用により、樋状体11の下流側へ流されていく。
特に限定されないが、本実施形態では、スクリーン12は、ステンレスからなる複数の断面矩形状の棒状体14を十数mm程度の間隔をおいて水平方向に沿って配列した構造を有している。各棒状体14は水平かつ樋状体11を流れる下水流と平行に配置されており、長手方向の両端部において平板状の連結部材15により一体的に支持されることで、平面視矩形状のスクリーン12が構成されている。図3では、太線で示した部分が間隙13に相当する。
スクリーン12の下方には、目詰まり防止機構21が配置されている。上述のように、目詰まり防止機構21は、スクリーン12の下方側からスクリーン12の各間隙13に挿入される複数のレーキ22と、当該レーキ22を当該レーキ22が挿入されたスクリーン12の間隙に沿って移動させる移動機構23を備える。
移動機構23は、図4および図5に示すように、スクリーン12の上流側端部と下流側端部のそれぞれにスクリーン12と平行に配置された、下水の流下方向と垂直な方向に回転軸を有するスプロケット24(上流側スプロケット24aおよび下流側スプロケット24b)を有する。このスプロケット24の間には無終端チェーン(あるいは無終端ベルト)25が張設されており、一方のスプロケット24の回転駆動により無終端チェーン25が循環駆動される。本実施形態では、図3および図5に示すように、下流側スプロケット24bに駆動手段である防水型のモータ31が接続されており、上流側スプロケット24aは下流側スプロケット24bの駆動に応じて従動する構成になっている。なお、スプロケット24a、24bは、その両側に配置された目詰まり防止機構21の側壁に回転可能に支持されている。また、下水引出口2a側の側壁には、スクリーン12を通じて落下した下水が通過する、樋状体11の長手方向に沿って延びる開口26(図2参照)が設けられている。モータ31側の側壁には開口は設けられておらず、閉塞されている。モータ31の周囲は防水シートで囲まれており、仮にモータ31側の側壁を超えて下水がモータ31側へ進入した場合でもモータ31と下水との直接接触が抑制される構成になっている。
スクリーン12の各間隙13に挿入される各レーキ22は、無終端チェーン25に連結されており、無終端チェーン25の循環駆動に伴ってスクリーン12の各間隙13を、各間隙13に沿って移動する。本実施形態では、各レーキ22は、スクリーン12の上流側から下流側に向かって間隙13を移動する構成になっている。この構成では、レーキ22により間隙13から取り除かれた夾雑物はスクリーン12の下流側端部まで搬送される。そして、スクリーン12の下流側端部まで搬送された夾雑物は、樋状体11を流下する下水によって、下流側へ運ばれていく。なお、本実施形態では、スクリーン12の各間隙13に挿入される各レーキ22は、各隙間13に対応した間隔、すなわち、棒状体14の水平方向の幅(下水流に垂直な方向の幅)に対応する間隔をおいてスプロケット24と平行な方向に隣接して配置されている。
特に限定されないが、本実施形態では、図5に示すように、無終端チェーン25には、1の間隙13に挿入されるレーキ22が2つ連結されている。当該2つのレーキ22は、無終端チェーン25において、等間隔で配置されており、一方のレーキ22がスクリーン12の下流側端部に到達すると、他方のレーキ22がスクリーン12の上流側端部で間隙13に挿入される状態になる。
また、目詰まり防止機構21の低背化の観点では、スクリーン12の間隙13に挿入されていないとき(特に、スプロケット24bからスプロケット24aに向けてマンホール底1c側を移動するとき)に、レーキ22が側方に傾倒される構成であることが好ましい。このような構造は、例えば、レーキ22と無終端チェーン25とを連結する連結部材に対してレーキ22を傾倒自在に設けるとともに、レーキ22の立設状態と傾倒状態とに応じて位置が変動するレバー部材を設けることで実現可能である。この構成では、目詰まり防止機構21は、レーキ22が間隙13に挿入される際にレバー部材をレーキ22が立設状態になる位置に保持し、レーキ22が間隙13に挿入される際にレバー部材をレーキ22が傾倒状態になる位置に保持する案内部材をさらに備えることになる。
目詰まり防止機構21の下方には、スクリーン12を通じて落下した下水を受け止めるとともに、当該下水を下水引出口2aへ案内する集水案内部41が設けられている。本実施形態では、マンホール1aの底1c自体、すなわち、上述の低位部77および段差部76が集水案内部41を構成している。
図2、図4、図5に示すように、低位部77は、スクリーン12(目詰まり防止機構21)の下方と下水引出口2aとにわたって設けられている。当該低位部77は傾斜面を構成しており、スクリーン12側が下水引出口2a側に比べて高くなっている。すなわち、スクリーン12を通じて落下した下水は、目詰まり防止機構21の開口26を通過し、下水引出口2aに向けて案内される。なお、図2および図3に示すように、低位部77の上流側下水管1d側および下流側下水管1b側には、平面視弓型状の段差部76が設けられている。そのため、スクリーン12を通じて落下した下水は、上流側下水管1d側および下流側下水管1b側へ広がることなく下水引出口2a側へ誘導される。また、図3に示すように、下水引出口2aは、平面視円形状の管取付壁73の側壁に接続されている。すなわち、下水引出口2aの近傍では、段差部76および下水引出口2a側方の管取付壁73の内側面(曲面)の作用により、スクリーン12を通じて引き出された下水は、下水引出口2aにスムーズに案内され、下水引出路2に流入する。
なお、図2〜図4に示すように、本実施形態では、下水引出口2aの両側に、低位部77から立設する防砂壁42が設けられている。この防砂壁42は、平面視において、目詰まり防止機構21の方向に延びる長方形形状を有している。また、低位部77からの高さは、段差部76の高さの1/3程度になっている。防砂壁42は、スクリーン12を通過した砂等の一部を、当該防砂壁42と管取付壁73の内側面との間に蓄積し、下水引出路2に流入する砂の量を低減する機能を有する。当該防砂壁42は、段差部76と同様に、コンクリート75の上面として一体に構成されてもよく、また、別部材として、低位部77上に固定設置されてもよい。
また、この下水引出構造60では、図2〜図5に示すように、樋状体11と管取付壁73の内側面との間を閉鎖するとともに、樋状体11の側壁上端から管取付壁73の内側面に向かって上昇する傾斜面を構成するカバー16が設けられている。当該カバー16の一部または全部は、着脱自在、あるいは開閉自在に構成されている。集水案内部41の上方のカバー16は、樋状体11の側壁を越流した下水が集水案内部41に流入することを防止する機能を有する。また、防砂壁42と管取付壁73の内側面との間に蓄積した砂等を除去する際には、当該カバー16が開放される。同様に、モータ31の上方のカバー16は、樋状体11の側壁を越流した下水によりモータ31が浸水することを防止する機能を有する。また、モータ31のメンテナンスの際には、当該カバー16が開放される。なお、カバー16は、例えば、ステンレス等の金属や樹脂により構成することができる。
以上の構造を有する下水引出構造60は、新設マンホールの場合は、砕石基礎71、底版72および管取付壁73が設置された状態において、マンホール底1cを構成するコンクリート75が、その上面に、低位部77および段差部76を有する状態に打設される。そして、低位部77の所定位置に目詰まり防止機構21およびモータ31が設置される。その後、目詰まり防止機構21上にスクリーン12を備える樋状体11が設置され、当該樋状体11に対してカバー16が設置される。なお、スクリーン12と目詰まり防止機構21とによりスクリーン装置を構成し、当該スクリーン装置に対して底部に開口を有する樋状体11を設置する構成であってもよい。この場合、樋状体11の開口とスクリーン装置のスクリーン12の外周との間には、漏水を防止するために、適宜シール処理がなされる。
一方、既設マンホールに対して下水引出構造60を設ける場合には、既設マンホール底部のインバートが除去された後、マンホール底1cを構成するコンクリート75が、その上面に、低位部77および段差部76を有する状態に打設される。以降の設置手順は、新設マンホールの場合と同様である。なお、既設マンホールに適用する場合、樋状体11、目詰まり防止機構21およびモータ31の全てをマンホール1aの入口である点検口1e(図1参照)から搬入する必要がある。下水管2b、2dの径が大きい場合、樋状体11を一体に構成すると点検口1eから搬入できない可能性がある。この場合は、樋状体11を点検口1eから搬入可能なサイズの部材により構成し、マンホール1aに搬入後、マンホール1aの内部で樋状体11を組み立てればよい。このとき、部材の接合部には、適宜、漏水を防止するためのシール処理がなされる。なお、目詰まり防止機構21やモータ31も、ステップ78(図4、図5参照)を使用した搬入のために、部材重量の軽減やサイズ縮小等を目的として、必要に応じて複数の部材により構成し、マンホール1aの内部で組み立ててもよい。
以上説明したように、上述の下水引出構造60は、下水流路の底部から下水を引き出す構造であり、下水流路に構造物を配置する必要がない。また、スクリーン12は下水流路である樋状体11の底部と略面一に構成できるため、下水の流れを阻害することなく、夾雑物を含まない下水を安定した流量で引き出すことができる。また、新設マンホールおよび既設マンホールのいずれにも容易に適用可能である。
さらに、このような下水引出構造60を有するマンホール1aを適用した下水熱利用システム10は、下水引出路2に導入される下水が夾雑物を含まないため、夾雑物を下水管に戻す機構を必要としない。そのため、下水熱利用システムを低コストで提供することが可能になる。また、この下水熱利用システム10は、下水の流れを阻害することなく、夾雑物を含まない下水を安定した流量で引き出すことができるため、安定した熱利用が可能になる。
ところで、上述の実施形態では、集水案内部41をマンホール1aの底1c自体で構成したが、当該集水案内部41の機能を、外部から搬入される容器部材により実現することも可能である。図6は、当該容器部材である集水案内容器51を示す図である。当該集水案内容器51は、上述の下水引出構造60の集水案内部41に代えて設置される。
図6(a)に示すように、集水案内容器51は、上述の目詰まり防止機構21が設置される機構設置部52と、目詰まり防止機構21から下水引出路2へ下水を案内する下水案内部53とを有する。機構設置部52は、平面視長方形形状の底板52aと、モータ31側、上流側下水管1d側および下流側下水管1b側の3方向において、底板52aから立設する立設板52b、52c、52dとを備える。この例では、立設板52b、52c、52dは、それぞれ、樋状体11の底部に干渉することのない所定高さを有する平板により構成されている。目詰まり防止機構21の開口26は、底板52aにおいて立設板52b、52c、52dが設けられていない方向(下水案内部53の方向)に向けて配置される。なお、底板52aは、目詰まり防止機構21と整合するサイズを有している。
下水案内部53は、平面視長方形形状の底板53aと、下水引出路2側、上流側下水管1d側および下流側下水管1b側の3方向において、底板53aから立設する立設板53b、53c、53dを備える。この例では、底板53aは底板52aと一体の部材として構成されている。また、立設板53c、53dは平板で構成され、その各上端は、樋状体11と当接する樋状体当接辺53sおよびカバー16と当接するカバー当接辺53tにより構成されている。樋状体当接辺53sは樋状体11の外側面と整合する曲線で構成されており、カバー当接辺53tはカバー16の下面に整合する直線で構成されている。立設板53bは、管取付壁73の内側面と整合する曲面を有する板材により構成されており、下水引出口2aと対応する位置に、下水引出口2aと整合する開口53rが形成されている。立設板53bの上端は、カバー16の下面に整合する直線で構成されている。
以上のように、集水案内容器51は、底板52a、53aと、立設板52b、52c、52d、53b、53c、53dとで囲まれ、かつ立設板53bに下水引出路2と連通する開口53rを備える容器として構成される。また、底板52a、53aの上面は、マンホール1aの底1cに設置した場合に、機構設置部52から、下水案内部53の立設板53b側(開口53r)へ向けて次第に高さが低くなるように構成されている。例えば、水平な上面を有するコンクリート75上に設置する場合は、上述の条件を満足するように厚さを異ならせた底板52a、53aを採用することができる。また、コンクリート75の上面を上述の条件を満足する傾斜面にする場合は、均一な厚さを有する底板52a、53aを採用することができる。なお、コンクリート75上面への集水案内容器51の固定は、例えば、アンカー等で実施することができる。また、集水案内容器51は、例えば、ステンレス等の金属や樹脂により構成することができる。
以上の構造を有する集水案内容器51を備える下水引出構造60は、新設マンホールの場合は、砕石基礎71、底版72および管取付壁73が設置された状態において、マンホール底1cを構成するコンクリート75が、その上面に、水平面(あるいは傾斜面)を有する状態に打設される。そして、集水案内容器51が設置され、集水案内容器51の機構設置部52に目詰まり防止機構21が配置される。モータ31は、立設板52bの外方に設置される。そして、当該目詰まり防止機構21および集水案内容器51上にスクリーン12を備える樋状体11が設置され、当該樋状体11に対してカバー16が設置される。なお、上述のように、スクリーン12と目詰まり防止機構21とによりスクリーン装置を構成し、当該スクリーン装置に対して底部に開口を有する樋状体11を設置する構成であってもよい。
一方、既設マンホールに対して集水案内容器51を備える下水引出構造60を設ける場合には、既設マンホール底部のインバートが除去された後、マンホール底1cを構成するコンクリート75が、その上面に、水平面(あるいは傾斜面)を有する状態に打設される。以降の設置手順は、新設マンホールの場合と同様である。なお、既設マンホールに適用する場合、集水案内容器51をマンホール1aの点検口1eから搬入する必要がある。この場合は、例えば、図6(b)に示すように、集水案内容器51を、底板52a、立設板52b、52c、52dから構成される部材521、立設板53b、53c、53dの上部から構成される部材531、底板53aの一部、立設板53c、53dの下部の一部から構成される部材532、底板53aの他部、立設板53c、53dの下部の他部から構成される部材533により構成し、マンホール1aに搬入後、マンホール1aの内部で各部材を組み立てて集水案内容器51を構成すればよい。この場合、部材の接合部には、適宜、漏水を防止するためのシール処理がなされる。また、この場合であっても、上述のように、樋状体11、目詰まり防止機構21およびモータ31を複数の部材で構成することができる。
以上のように、集水案内容器51を備える下水引出構造60は、集水案内部41を使用する場合のように、段差部76等をコンクリート打設により設ける必要がない。すなわち、水平(あるいは傾斜面)を上面に有するマンホール底1cを構成すればよく、上述の集水案内部41を備える下水引出構造60が有する効果に加えて、コンクリート打設作業が簡便になり、極めて容易に設置ができる、という効果を得ることができる。
なお、集水案内容器51は、図6に示す形態に限らず、スクリーン12を通じて落下した下水を下水引出路2へ案内できる形態であれば、任意の形態を採用することができる。例えば、図6(a)の下水案内部53に代えて、図7(a)に示すような、上方が閉塞された下水案内部54を採用することも可能である。下水案内部54は、平面視長方形形状の底板54aと、下水引出路2側、上流側下水管1d側および下流側下水管1b側およびの3方向において、底板54aから立設する立設板54b、54c、54dを備える。立設板54c、54dは、樋状体11と干渉することのない高さを有する平板で構成され、立設板54bは、管取付壁73の内側面と整合する曲面を有し、立設板54c、54dと同一の高さの板材により構成されている。立設板54bは、下水引出口2aと対応する位置に、下水引出口2aと整合する開口54rを備えている。天板54eは、立設板54a、54c、54dの上端に支持される。この構成において、下水案内部54に上述の防砂壁42を設ける場合は、天板54eの一部または全部が開閉自在に構成される。
また、図7(b)に示すように、機構設置部52を備えず、下水案内部54のみを備える集水案内容器51を採用することも可能である。この場合、目詰まり防止機構21の下方から下水案内部54までの間は、スクリーン12を通じて落下した下水はコンクリート75の上面により案内されることになる。
なお、上述した実施形態は本発明の技術的範囲を制限するものではなく、既に記載したもの以外でも、本発明の範囲内で種々の変形や応用が可能である。例えば、上記実施形態では、特に好ましい形態として、スクリーンの複数条の間隙を樋状体の下水流に沿って配置した構成について説明した。しかしながら、本発明は、複数条の間隙を他の方向にすることを排除するものではない。また、上記実施形態では、上流側下水管と下流側下水管とが対向する事例を例示したが、上流側下水管と下流側下水管とが対向しない場合、すなわち、樋状体が曲がっている場合でも、本発明を適用可能である。
また、上記実施形態では、スクリーンを通じて落下した下水を効率的に下水引出口に案内するために、集水案内部の低位部や集水案内容器の底板に傾斜を設ける構成とした。しかしながら、上記実施形態のように、マンホール底よりも低いピット底から所定高さ上方のピット側壁に下水引出路を接続する構成では、仮に、集水案内部の低位部や集水案内容器の底板が水平であっても、スクリーンを通じて落下した下水は水頭差により下水引出路を自然流下するため、ピット内に下水を導入することは可能である。
加えて、上記実施形態では、集水案内部や集水案内容器の平面視形状を略矩形状としたが、下水を案内する作用を奏する範囲において、任意の形状を採用することができる。
本発明によれば、設置コストを従来に比べて著しく低減した下水熱利用システムを実現することができ、下水熱利用システムとして有用である。
1 下水管路
1a マンホール
1b 下流側下水管
1d 上流側下水管
1e 点検口
2 下水引出
2a 下水引出口
4 熱交換部
5 下水戻し路(排出路)
10 下水熱利用システム
11 樋状体
12 スクリーン
13 間隙
16 カバー
21 目詰まり防止機構
22 レーキ
23 移動機構
31 モータ(駆動手段)
41 集水案内部
51 集水案内容器
60 下水引出構造

Claims (5)

  1. 熱利用のために下水を引き出す下水引出路が接続されるマンホールであって、
    上流側下水管路と下流側下水管路との間で下水を流下させるとともに、底部に複数条の間隙を有するスクリーンを備える樋状体と、
    前記スクリーンの各間隙にスクリーンの下方側から挿入されるレーキと、前記レーキを当該レーキが挿入された前記間隙に沿って移動させる移動機構とを備える目詰まり防止機構と、
    前記移動機構を駆動する駆動手段と、
    前記スクリーンを通じて落下した下水を受け止めるとともに、当該落下した下水を案内してマンホール側壁に接続された前記下水引出路へ導入する集水案内部と、
    を備える、マンホール。
  2. 前記集水案内部が前記マンホールの底部と一体に構成されるとともに、前記樋状体、前記目詰まり防止機構および前記駆動手段のそれぞれが、前記マンホールに設けられる点検口から内部に搬入可能なサイズの1または複数の部材により構成され、
    前記樋状体、前記目詰まり防止機構および前記駆動手段が、前記マンホールの内部において、前記集水案内部上に組立設置される、請求項1記載のマンホール。
  3. 熱利用のために下水を引き出す下水引出路が接続されるマンホールに設置される下水引出ユニットであって、
    上流側下水管路と下流側下水管路との間で下水を流下させるとともに、底部に複数条の間隙を有するスクリーンを備える樋状体と、
    前記スクリーンの各間隙にスクリーンの下方側から挿入されるレーキと、前記レーキを当該レーキが挿入された前記間隙に沿って移動させる移動機構とを備える目詰まり防止機構と、
    前記移動機構を駆動する駆動手段と、
    前記マンホールの底部に設置され、前記スクリーンを通じて落下した下水を受け止めるとともに、当該落下した下水を案内してマンホール側壁に接続された前記下水引出路へ導入する集水案内容器と、
    を備える、下水引出ユニット。
  4. 前記樋状体、前記目詰まり防止機構、前記駆動手段および前記集水案内容器のそれぞれが、前記マンホールに設けられる点検口から内部に搬入可能なサイズの1または複数の部材により構成され、
    前記樋状体、前記目詰まり防止機構、前記駆動手段および前記集水案内容器が、前記マンホールの底部上に組立設置される、請求項3記載の下水引出ユニット。
  5. 下水管路から下水を引き出す下水引出路と、
    前記下水管路に設けられるとともに前記下水引出路が接続され、当該下水引出路に下水を導入する、前記請求項1または2記載のマンホール、若しくは前記請求項3または4記載の下水引出ユニットを備えるマンホールと、
    前記下水引出により引き出した下水と熱交換する熱交換部と、
    前記熱交換部において熱交換がなされた下水を前記下水管路内に排出する排出路と、
    を備える、下水熱利用システム。
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