JP5992920B2 - ワクチンとしての使用のためのガス入りの微小胞 - Google Patents

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Description

本発明は、一般論として、特にワクチン、および免疫調節の製剤での使用のための、それに結合した抗原を含むガス入りの微小胞、および前記微小胞を含む水性懸濁液に関する。
樹状細胞(DC)は、極性化サイトカインの放出を介した獲得免疫の開始と調節、および、特異的なT細胞応答を刺激するまたは復活させるための捕捉抗原(Ag)のプロセシングと提示において、極めて重要な役割を果たす。免疫応答の調節を目指す、ワクチン接種を含む免疫療法の戦略は、これらの専門的な抗原提示細胞(APC)へのAgの送達に重点を置いてきた。ワクチン接種は、通常、抗原性の実体物(antigenic entities)(DNA、ペプチドまたはタンパク質)のインビボ送達により達成され、それは、それらの低い免疫学的活性のため、一般的に、補強された(adjuvanted)デリバリーシステムで処方される。
過去の年月の間に様々なデリバリーシステムが研究されており、特にAg微粒子(particulation)に基づく、異なるアジュバントが、場合により抗原の送達を強化して、したがって免疫系を活性化する、それらの有効性に関して試験されている。例えば、抗原−リポソーム製剤でのリポソームのアジュバント効果が研究されている(例えば、Tanakaら、"Liposomes with Differential Lipid Components Exert Differential Adjuvanticity in Antigen−Liposome Conjugates via Differential Recognition by Macrophages"Bioconjugate Chem.Vol.15(1)、2004、pp.35〜40(非特許文献1)を参照)。最近では、中国特許CN10054664(特許文献1)に開示されるように、ガス入りの微小胞も免疫アジュバントおよびワクチン担体として提案されている。ガス入りの微小胞は、一般に、とりわけ超音波イメージングのための、造影剤としてのそれらの使用で知られている。それらは典型的に、水性媒体中に分散された数ミクロンの直径を有する気泡の懸濁液を含み、ガスを含むための安定化膜を形成する適切な物質を含む。
CN10054664(特許文献1)は、特に、抗原が微小胞の内側に封入されているか、あるいはその表面に付着している(静電気的吸着により)かのいずれかのガス入りの微小胞の調製を開示する。そして微小胞は局所的に投与されて、微小胞を破壊して抗原を放出するために超音波が局所的に加えられる。前記特許によれば、ガス入りの微小胞と超音波照射を組み合わせた使用で観察されるプラス効果に反して、付着した抗原を有する微小胞の単独の投与は、実質的に効果がない(ブランク対照に比較して)。
本出願人は、ここで、抗原が微小胞の膜の構成要素、特にリン脂質に共有結合している、ガス入りの微小胞を調製することにより、微小胞の顕著なアジュバント効果が、いかなる超音波照射も実質的に不存在下で(例えば超音波照射なしで)、観察されることができ、このようにして、抗原特異的な免疫応答を強化/調節するために、抗原提示細胞、特に樹状細胞による抗原の効果的な取り込みを可能にすることを見出した。
本発明の一態様は、安定化膜を有するガス入りの微小胞を含む医薬製剤であって、前記微小胞が前記膜の構成要素に共有結合した抗原を含む、免疫調節の治療で使用するための、医薬製剤に関する。
好ましい態様によれば、前記免疫調節の治療は、ワクチン接種を含む。
好ましい実施態様では、前記製剤は、前記微小胞を含む水性懸濁液である。
さらに好ましい実施態様によれば、前記抗原は、ワクチン抗原である。
別の態様によれば、本発明は、ガス入りの微小胞の、水性懸濁液の使用であって、前記微小胞の構成要素に共有結合した抗原を含む、ワクチンまたは免疫調節剤を調製するための、使用に関する。
本発明の別の態様は、それぞれの抗原提示細胞による抗原の取り込みを増加させるための方法であって、前記抗原を前記細胞に接触させることを含み、ここで前記抗原は、ガス入りの微小胞に共有結合している方法に関する。好ましい実施態様によれば、前記抗原提示細胞は樹状細胞である。
本発明のさらなる態様は、それを必要としている患者での免疫系の調節を誘導するための方法であって、前記微小胞の構成要素に共有結合した抗原を含む、ガス入りの微小胞の水性懸濁液の効果的な量を、前記患者に投与することを含む方法に関する。
好ましい実施態様によれば、前記安定化膜は、免疫調節アジュバントを含む。
用語「ガス入りの微小胞」は、安定化物質の膜または層(膜形成層を含む)で囲まれた、ミクロンまたはナノメータのサイズの気泡を含む、任意の構造を含む。当該用語は、ガス入りのリポソーム、マイクロバブル、マイクロスフェア、マイクロバルーンまたはマイクロカプセルとして当技術分野で知られているものを含む。安定化物質は、例えば、界面活性剤、脂質、スフィンゴ脂質、オリゴ脂質、糖脂質、リン脂質、タンパク質、ポリペプチド、炭水化物、および、合成または天然のポリマー物質を含む、当技術分野で典型的に知られている任意の物質であってよい。
用語、ガス入りの微小胞の「前駆体」は、ガスの存在下で水性担体と再構成するとガス入りの微小胞の懸濁液を産生する、任意の組成物を含む。前記組成物は、典型的に、ガスの存在下でその水性懸濁液を振ると、ガス入りの微小胞を形成することが可能な、任意の上記の安定化物質を、乾燥粉末の形態(例えば凍結乾燥または噴霧乾燥)で含む。
用語「マイクロバブル」は、ガスと液体の界面(ときには、当技術分野で「エバネセント(evanescent)」膜と呼ばれる)に配置された安定化両親媒性物質を含む非常に薄い膜(フィルム)によって、気泡が、ガス/液体の界面で境界される、水性懸濁液を含む。マイクロバブル懸濁液は、粉末の両親媒性物質(例えば凍結乾燥の、予め形成されたリポソーム、または、凍結乾燥か噴霧乾燥のリン脂質溶液)のような適切なその前駆体を、空気またはその他のガスに接触させて、それから、マイクロバブル懸濁液を産生するためにかき混ぜながら水性担体と接触させることにより調製することができ、それから、好ましくはその調製の直後に、投与することができる。ガスマイクロバブルの水性懸濁液、前駆体、およびその調製の例は、例えば、参照により本明細書に援用される、US5,271,928、US5,445,813、US5,413,774、US5,556,610、US5,597,549、US5,827,504およびWO04/069284に開示されている。
用語「マイクロバルーン」または「マイクロカプセル」は、気泡が、脂質または天然か合成のポリマーの固形物膜で囲まれている懸濁液を含む。マイクロバルーンおよびその調製の例は、例えば、参照により本明細書に援用される、US5,711,933およびUS6,333,021に開示されている。
語句「膜形成部分」は、ガス入りの微小胞の安定化膜の形成に関与することが可能な任意の部分を含む。前記部分は、好ましくは、両親媒性物質であり、好ましくは、リン脂質を含む。
用語「免疫調節」または「免疫応答の調節」は、それを必要としている患者での免疫賦活および/または寛容に向けたまたは導入が可能な、任意の医学的な治療(「免疫調節の治療」)を、その意味の中に含む。同様に、用語「免疫調節剤」、または、「免疫調節の」化合物または製剤は、患者に免疫応答の所望の調節を誘導することが可能な、免疫賦活の、および/または、寛容原性の化合物または製剤を含むことを意図する。
用語「免疫賦活」は、患者の免疫原性応答における任意の増加を含む。同様に、「免疫賦活の」化合物または製剤は、前記免疫応答を増加させることが可能な化合物または製剤を含む(例えば、感染、がん、および/または免疫不全症の治療において有用である)。
用語「寛容」は、抗原に対する、患者の免疫系の実質的な非反応性の任意の状態を、その意味の中に含む。「寛容原」は、患者において抗原に対して寛容導入することが可能な化合物または製剤を含む(例えば、環境−例えば花粉アレルギー、または栄養学的アレルギーのようなアレルギーの治療において有用である)。
用語「ワクチン接種」は、抗原の化合物または製剤、典型的にはワクチン抗原の患者への投与を含む、任意の免疫調節の治療を含む。同様に、用語「ワクチン」は、ワクチン抗原を含む任意の化合物または製剤を、その意味の中に含む。
用語「(医学的な)治療」は、予防的な治療および/または治療的な治療のいずれかを、その意味の中に含む。
本発明によるガス入りの微小胞は、ガス入りのマイクロバブル、マイクロカプセルおよびマイクロバルーンを含む、当技術分野で知られている任意の微小胞であってよい。
ガス入りのマイクロバブルは、一般に、1つまたは複数の両親媒性の構成要素により、安定化される。マイクロバブルの安定化膜を形成するために適切な両親媒性の構成要素は、例えば、リン脂質;リゾリン脂質;パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸またはオレイン酸のような脂肪酸;キチン、ヒアルロン酸、ポリビニルピロリドンまたはポリエチレングリコール(PEG)のようなポリマーを有する、「ペグ化脂質」とも呼ばれる脂質;スルホン化−単糖類、ニ糖類、オリゴ糖類または多糖類を有する脂質;コレステロール、硫酸コレステロールまたはヘミコハク酸コレステロール;ヘミコハク酸トコフェロール;エーテルまたはエステル結合脂肪酸を有する脂質;重合脂質;ジアセチルホスフェート;ジセチルホスフェート;セラミド;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(ポリオキシエチレン脂肪酸ステアリン酸のような)、ポリオキシエチレン脂肪アルコール、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチル化ソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールポリエチレングリコールリシノール酸、エトキシ化ダイズステロール、エトキシ化ヒマシ油またはエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)のブロック共重合体;酪酸コレステロール、イソ酪酸コレステロール、パルミチン酸コレステロール、ステアリン酸コレステロール、酢酸ラノステロール、パルミチン酸エルゴステロール、またはn−酪酸植物ステロールを含む、ステロール脂肪酸エステル;コレステロールグルクロニド、ラノステロールグルクロニド、7−デヒドロコレステロールグルクロニド、エルゴステロールグルクロニド、グルコン酸コレステロール、グルコン酸ラノステロールまたはグルコン酸エルゴステロールを含む、糖酸のステロールエステル;ラウリルグルクロニド、ステアロイルグルクロニド、ミリストイルグルクロニド、ラウリルグルコン酸、ミリストイルグルコン酸、またはステアロイルグルコン酸を含む、糖酸とアルコール類のエステル;ラウリン酸スクロース、ラウリン酸フルクトース、パルミチン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、グルクロン酸、グルコン酸またはポリウロン酸を含む、糖類と脂肪酸のエステル;サルササポゲニン、スミラゲニン、ヘデラゲニン、オレアノール酸、またはジギトキシゲニンを含む、サポニン;グリセロールまたはトリパルミチン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、ジミリスチン酸グリセロール、トリミリスチン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、トリラウリン酸グリセロール、ジパルミチン酸グリセロールを含む、グリセロールエステル;n−デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、またはn−オクタデシルアルコールを含む、長鎖アルコール;6−(5−コレステン−3β−イルオキシ)−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド;ジガラクトシルジグリセリド;6−(5−コレステン−3β−イルオキシ)ヘキシル−6−アミノ−6−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド;6−(5−コレステン−3β−イルオキシ)ヘキシル−6−アミノ−6−デオキシル−1−チオ−β−D−マンノピラノシド;12−(((7’−ジエチルアミノクマリン−3−イル)カルボニル)メチルアミノ)オクタデカン酸;N−[12−(((7’−ジエチルアミノクマリン−3−イル)カルボニル)メチルアミノ)オクタデカノイル]−2−アミノパルミチン酸;N−スクシニルジオレイルホスファチジルエタノールアミン;1,2−ジオレイル−sn−グリセロール;1,2−ジパルミトイル−sn−3−スクシニルグリセロール;1,3−ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロール;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルグリセロホスホエタノールアミンまたはパルミトイルホモシステイン;例えば、N−ステアリルアミン、N,N’−ジステアリルアミン、N−ヘキサデシルアミン、N,N’−ジヘキサデシルアミン、N−ステアリルアンモニウム塩化物、N,N’−ジステアリルアンモニウム塩化物、N−ヘキサデシルアンモニウム塩化物、N,N’−ジヘキサデシルアンモニウム塩化物、ジメチルジオクタデシルアンモニウム臭化物(DDAB)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物(CTAB)のような、少なくとも1つの(C10−C20)、好ましくは(C14−C18)アルキル鎖を含む、アルキルアミンまたはアルキルアンモニウム塩;例えば、1,2−ジステアロイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DSTAP)、1,2−ジパルミトイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DPTAP)、1,2−オレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)、1,2−ジステアロイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DSDAP)のような、(C−C)アルキレン架橋を介してN原子に結合した1つまたは好ましくは2つの(C10−C20)、好ましくは(C14−C18)アシル鎖を含む、第3級または第4級アンモニウム塩;およびそれらの混合物または組み合わせを含む。
好ましい実施態様によれば、マイクロバブルの膜を形成している化合物の少なくとも1つは、場合により他の上記の物質のいずれかと混合した、リン脂質である。本記載によれば、用語「リン脂質」は、最終的なマイクロバブル懸濁液中のガス−水の境界面において、その分子が、物質の安定化膜(典型的に、単分子層の形態で)を形成することが可能な、任意の両親媒性リン脂質化合物を含むことが意図される。したがって、これらの物質は、当技術分野で「膜形成リン脂質」とも呼ばれる。
両親媒性リン脂質化合物は、典型的に、少なくとも1つのリン酸基および少なくとも1つ、好ましくは2つの、脂溶性長鎖炭化水素基を含む。
適切なリン脂質の例は、1つまたは好ましくは2つの(同じか異なる)脂肪酸残基およびリン酸と、グリセロールとのエステルを含み、ここでリン酸基は、例えば、コリン(ホスファチジルコリン−PC)、セリン(ホスファチジルセリン−PS)、グリセロール(ホスファチジルグリセロール−PG)、エタノールアミン(ホスファチジルエタノールアミン−PE)、イノシトール(ホスファチジルイノシトール)のような親水性基に次々に結合される。ただ1つの脂肪酸残基を有するリン脂質のエステルは、一般に、当技術分野において、リン脂質の「リゾ」形態または「リゾリン脂質」と呼ばれる。リン脂質中に存在する脂肪酸残基は、一般に、長鎖脂肪酸であり、典型的に、12〜24好ましくは14〜22の炭素原子を含み;脂肪族鎖は1つか複数の不飽和を含んでよく、または好ましくは完全に飽和である。リン脂質中に含まれる適切な脂肪酸の例は、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、およびリノレン酸である。好ましくは、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびアラキジン酸のような飽和脂肪酸が用いられる。
リン脂質のさらなる例は、ホスファチジン酸、すなわち、グリセロール−リン酸と脂肪酸のジエステル;スフィンゴミエリンのようなスフィンゴ脂質、すなわち、脂肪酸とのグリセロールジエステルの残基がセラミド鎖で置換されている、これらのホスファチジルコリンアナログ;カルジオリピン、すなわち、1,3−ジホスファチジルグリセロールと脂肪酸のエステル;ガングリオシドGM1(またはGM2)またはセレブロシドのようなグリコリピド;グルコリピド;スルファチドおよびグリコスフィンゴ脂質である。
本明細書において用いられる、用語「リン脂質」は、単独で、または混合物としてのいずれかで用いることができる、自然発生、半合成または合成的に調製される生成物のいずれかを含む。
自然発生のリン脂質の例は、典型的には、大豆または卵黄レシチンのような、天然のレシチン(ホスファチジルコリン(PC)誘導体)である。
半合成のリン脂質の例は、自然発生のレシチンの部分的な、または完全な水素化誘導体である。好ましいリン脂質は、ホスファチジルコリン、エチルホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトールまたはスフィンゴミエリンの脂肪酸ジエステルである。
好ましいリン脂質の例は、例えば、ジラウロイル−ホスファチジルコリン(DLPC)、ジミリストイル−ホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイル−ホスファチジルコリン(DPPC)、ジアラキドイル−ホスファチジルコリン(DAPC)、ジステアロイル−ホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイル−ホスファチジルコリン(DOPC)、1,2ジステアロイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン(エチル−DSPC)、ジペンタデカノイル−ホスファチジルコリン(DPDPC)、1−ミリストイル−2−パルミトイル−ホスファチジルコリン(MPPC)、1−パルミトイル−2−ミリストイル−ホスファチジルコリン(PMPC)、1−パルミトイル−2−ステアロイル−ホスファチジルコリン(PSPC)、1−ステアロイル−2−パルミトイル−ホスファチジルコリン(SPPC)、1−パルミトイル−2−オレイルホスファチジルコリン(POPC)、1−オレイル−2−パルミトイル−ホスファチジルコリン(OPPC)、ジラウロイル−ホスファチジルグリセロール(DLPG)およびそのアルカリ金属塩、ジアラキドイルホスファチジル−グリセロール(DAPG)およびそのアルカリ金属塩、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)およびそのアルカリ金属塩、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)およびそのアルカリ金属塩、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)およびそのアルカリ金属塩、ジオレオイル−ホスファチジルグリセロール(DOPG)およびそのアルカリ金属塩、ジミリストイルホスファチジン酸(DMPA)およびそのアルカリ金属塩、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)およびそのアルカリ金属塩、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、ジアラキドイルホスファチジン酸(DAPA)およびそのアルカリ金属塩、ジミリストイル−ホスファチジルエタノールアミン(DMPE)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイルホスファチジル−エタノールアミン(DSPE)、ジオレイルホスファチジル−エタノールアミン(DOPE)、ジアラキドイルホスファチジル−エタノールアミン(DAPE)、ジリノレイルホスファチジルエタノールアミン(DLPE)、ジミリストイルホスファチジルセリン(DMPS)、ジアラキドイルホスファチジルセリン(DAPS)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)、ジパルミトイルスフィンゴミエリン(DPSP)、およびジステアロイルスフィンゴミエリン(DSSP)、ジラウロイル−ホスファチジルイノシトール(DLPI)、ジアラキドイルホスファチジルイノシトール(DAPI)、ジミリストイルホスファチジルイノシトール(DMPI)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)、ジオレオイル−ホスファチジルイノシトール(DOPI)である。
適切なリン脂質は、さらに、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール(PPG)のような親水性ポリマーをそれに結合させることにより修飾されたリン脂質を含む。好ましいポリマー修飾のリン脂質は、「ペグ化リン脂質」、すなわち、PEGポリマーに結合したリン脂質を含む。ペグ化リン脂質の例は、ペグ化ホスファチジルエタノールアミン(手短に「PE−PEG」)、すなわち、DPPE−PEG(または、DSPE−PEG、DMPE−PEG、DAPE−PEGまたはDOPE−PEG)のような、親水性エタノールアミンの部分が可変の分子量(例えば300〜20000ダルトン、好ましくは500〜5000ダルトン)のPEG分子に結合しているホスファチジルエタノールアミンである。例えば、DPPE−PEG2000は、それに結合した、約2000の中間平均分子量(mean average molecular weight)を有するPEGポリマーを有する、DPPEを指す。
特に好ましいリン脂質は、DAPC、DSPC、DPPC、DMPA、DPPA、DSPA、DMPG、DPPG、DSPG、DMPS、DPPS、DSPSおよびエチル−DSPCである。最も好ましいのは、DPPG、DPPSおよびDSPCである。
リン脂質の混合物はまた、例えば、DPPEおよび/またはDSPE(ペグ化誘導体を含む)、DPPC、DSPCおよび/またはDAPCと、DSPS、DPPS、DSPA、DPPA、DSPG、DPPG、エチル−DSPCおよび/またはエチル−DPPCとの混合物のようにして用いることができる。
本発明の一実施態様によれば、リン脂質はマイクロバブルの安定化膜の主な構成要素であり、ガス入りのマイクロバブルの膜を形成する構成要素の全量の少なくとも50%(w/w)、好ましくは少なくとも75%になる。いくつかの好ましい実施態様では、実質的に膜の全体(すなわち少なくとも90%w/w)がリン脂質で形成されてよい。
リン脂質は、上述の両親媒性化合物のいずれかとの混合で好適に使用することができる。したがって、例えば、コレステロール、エルゴステロール、植物ステロール、シトステロール、ラノステロール、トコフェロール、没食子酸プロピルまたはパルミチン酸アスコルビルのような脂質、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸およびそれらの誘導体のような脂肪酸、またはブチル化ヒドロキシトルエンおよび/または他の非リン脂質化合物を、例えば好ましくは0〜50重量%、さらに好ましくは最大で25%までの範囲の比率で、場合により1つまたは複数の前述のリン脂質に加えることができる。特に好ましいのはパルミチン酸である。
抗原は、従来型の方法により、特に、抗原をマイクロバブルの安定化膜を形成している両親媒性の構成要素(手短に「膜形成構成要素」)に共有結合させることにより、マイクロバブルの安定化膜に共有結合している。前記構成要素は、前に説明したものの中から選択することができ、リン脂質であることが特に好ましく、特にホスファチジルエタノールアミン(例えばDSPEまたはDPPE)である。抗原は、膜形成構成要素に、例えばそれぞれの構成要素に含まれる反応基に関わる共有結合を用いて、直接結合させることができ、このようにして、膜形成に結合した抗原を含むコンストラクトを得る。あるいは、スペーサーの構成要素を抗原と膜形成構成要素との間に導入して、抗原/スペーサー/膜形成構成要素のコンストラクトを得ることができる。適切なスペーサーの例は、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリヒドロキシメチルアクリレートのような、例えば親水性合成ポリマーを含む。好ましくは、ポリエチレングリコール(PEG)が用いられる。合成ポリマーは、2〜約500モノマー単位、好ましくは約12〜約250、およびさらにより好ましくは約20〜約130モノマー単位を含んでよい。
反応性構成要素は、所望の反応基を含むか、または、従来型の技術により修飾されて(「官能化されて」)構成要素中に所望の反応基を含むことができるかの、いずれかでよい。
例えば、2つの反応性構成要素の1つが反応性アミノ基を含む場合は、イソチオシアネート基(チオカルバミド結合を形成するため)、反応性エステル(アミド結合を形成するため)、またはアルデヒド基(アルキルアミン結合に還元され得るイミン結合を形成するため)のような適切な対応する反応性部分を含む他の構成要素と反応されることができる。あるいは、2つの反応性構成要素の1つが反応性チオール基を含む場合は、他の構成要素上の適切な相補の反応性部分は、ハロアセチル誘導体、マレイミド(チオエーテル結合を形成するため)、またはチオールを有する構成要素に由来するチオールとの反応の際に2つの構成要素の間に安定なジスルフィド結合の形成をもたらす、2−ピリジルチオ基の形態での硫化物を含む混合ジスルフィドを含んでよい。さらに、2つの反応性構成要素の1つが反応性カルボン酸基を含む場合は、他の構成要素上の適切な反応性部分は、アミンおよびヒドラジド(アミドまたはN−アシル、N’−アルキルヒドラジド機能を形成するため)であることができる。例えば、マレイミド誘導体化リン脂質(例えばホスファチジルエタノールアミン)を調製して、それから、脱アセチル化溶液中で事前にインキュベートされたメルカプトアセチル化抗原(例えばタンパク質)と反応させてよい。別の例としては、マレイミド誘導体化ペグ化リン脂質(例えばDSPE−PEG2000−マレイミド)を調製して、それから、例えば、最初にタンパク質を((スルホスクシンイミジル6−[3’−(2−ピリジルジチオ)プロピオンアミド]−ヘキサノエート)(スルホ−LC−SDPD)と反応させて、そして、トリス(2−カルボキシ−エチル)ホスフィン(TCEP)を加えることによりジスルフィド結合を還元することにより得られる、利用しやすいチオール機能を有する抗原(例えばタンパク質)と反応させてよい。
本発明によるシステムにおけるガス入りの微小胞に共有結合されることができる抗原、特にワクチン抗原は、限定されないが、天然、組み換えまたは合成の生成物、およびそれらのフラグメントを含む。適切な抗原、特にワクチン抗原は、例えば:例えば、植物花粉、昆虫毒(例えば、セイヨウミツバチ由来のホスホリパーゼA2)、食品、動物の鱗屑、チリダニに由来するか関連するアレルギー性抗原;例えば、アデノウイルス、アルファウイルス、コロナウイルス、サイトメガロウイルス、ジステンパー、エンテロウイルス種、エプスタイン・バー・ウイルス、フラビウイルス、A型肝炎、B型肝炎、E型肝炎、ヘルペス種、HIV−1、HIV−2、HTLV1、ヒトレトロウイルス種、インフルエンザ、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、麻疹、乳頭腫ウイルス、パラインフルエンザウイルス、パラミクソウイルス、パロウイルス(parovirus)、ポリオ、ポリオーマ腫瘍ウイルス、狂犬病、レオウイルス、トガウイルス、水痘帯状疱疹ウイルスに由来するか関連するウイルス抗原;例えば、百日咳菌、ライム病ボレリア菌(Borrelia burgdirferi)、ブルセラ属、クラミジア、アナプラズマ科エンテロバクター属(anaplasmataceae enterobacter species)、大腸菌、ヘモフィルス属、ピロリ菌、肺炎桿菌、レジオネラ菌、髄膜炎菌(menigococcus)、マイコバクテリウム属、淋菌、パスツレラ(pasturella)属、肺炎球菌、シュードモナス、リケッチア(ricksettia)、サルモネラ属、ブドウ球菌、連鎖球菌、梅毒トレポネーマ、ビブリオ、腸炎エルシニアに由来するか関連する、細菌性抗原;例えば、コクシジオイデス・イミティス(Coccidioides immiti)、ヒストプラスミン、トリコフィチン、デルマトフィチン、アスペルギルス・フミガーツス(Apergillus fumigatus)、カンジダ・アルビカンス、クラドスポリウム・ハーバルム(Cladosporium herbarum)、ニューモシスチス・イロヴェチ(Pneumocystis jirovecii)に由来するか関連する、真菌抗原;例えば、百日咳菌、ボツリヌス菌、破傷風菌、破傷風菌に由来するか関連する、毒素由来抗原;例えば、コクシジウム、フィラリア性線虫類、リーシュマニア、マラリア原虫、肉胞子虫、住血吸虫、条虫類、トキソプラズマ原虫、旋毛虫、膣トリコモナス、トリパノソーマに由来するか関連する寄生虫抗原;例えば、1型糖尿病、セリアック病、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythermatosis)、関節リウマチ、グレーブス病、特発性血小板減少性紫斑病、シェーグレン症候群、慢性のリンパ球性甲状腺炎の原因となるもののような、自己抗原;または、例えば、チロシナーゼ、メラン−A/MART−1または他のメラノーマ関連の抗原、がん/精巣抗原、発がん性胚抗原、多形性上皮性ムチン、上皮細胞の接着分子、ヒト乳頭腫ウイルス、前立腺に特異的な因子またはα−フェトプロテインのような、腫瘍抗原を含んでよい。
微小胞の膜に結合される抗原の量は、抗原のタイプおよび患者に誘導されるべき免疫調節のタイプにより依存して変化させることができる。例えば、抗原は、微小胞の膜を形成する構成要素の全量に対して、約0.1モル%〜約20モル%に変化させてよい。好ましくは、前記量は、約0.2モル%〜約10モル%、そしてさらにより好ましくは、約0.5モル%〜約5モル%に変化させることができる。
好ましい実施態様では、ガス入りの微小胞は、微小胞のアジュバント効果を増加する/改良するための、好ましくは両親媒性の、免疫調節の化合物(アジュバント)を有利に含んでよい。実際に、適切な免疫調節のアジュバントの、製剤への添加は、免疫応答をブーストし得るだけでなく、その特性を改良することもできる。したがって、他が好ましくは1型Tリンパ球(Th1)を活性化する一方で、いくつかのアジュバントは好ましくは2型Tリンパ球(Th2)を活性化する。他のいくつかが、産生される免疫グロブリンのアイソタイプに影響を与え得る一方で、いくつかのアジュバントはまた、例えば、遅延型過敏症、または、細胞傷害性Tリンパ球に対する反応のような免疫応答のいくつかの側面に有利に働き得る。アジュバントの例は、例えば、Reed SG、Bertholet S、Coler RNらによる、"New horizons in adjuvants for vaccine development.Trends in immunology 2008"、30(1):23−32;またはWilson−Welder JH、Torres M、Kipper MJらによる、"Vaccine Adjuvants:Current challenges and Future Approaches"、J Pharm Sci 2009;98(4):1278−1316に開示される。免疫調節の化合物の好ましい例は、細菌性リポペプチド、リポタンパク質およびリポタイコ酸(LTA)を含むTLR(Toll様受容体)リガンド、マイコバクテリアのリポ多糖、酵母のザイモサン、ポーリン、ムラミル−ジペプチドおよびムラミル−トリペプチドおよび誘導体(MTP−PE、スレオニルMDP、GMDP、DTP−GDP)、Pam3CSK4またはPam2CSK4(InvivoGen)のようなジ−またはトリ−アシル化リポペプチド、リポペプチド−2(MALP−2)を活性化するマクロファージ、Pam2Cys;ウイルス二重鎖RNA;Theramide(商標)のようなリポ糖(liposaccharide)、ムラパルミチン、オレイン酸マンニド(mannide oleate)(MONTANIDE ISA 51、MONTANIDE ISA 720)、ソルビタントリオレート;リポ多糖(LPS)、リピドA、モノホスホリル リピドA(MPLA)、AGPs;フラジェリン;ウイルス一本鎖RNA、イミダゾキノリン;細菌性DNA、CpGを含むオリゴデオキシヌクレオチド(CpG ODN)、ヘモゾイン、ヌクレオシドアナログ イミキモドおよびレシキモド;レシキモドおよびイミキモドのようなイミダゾキノリン(imidazoquinolone);尿路疾患性細菌、原生動物プロファイリングである。他のアジュバント化合物は、毒素(不活性化および/または不安定毒素を含む)、例えば、コレラ毒素Bサブユニット(ビブリオ・コレラ)、コレラホロ毒素、コレラ毒素A1サブユニットを含むコレラ毒素、破傷風毒素、百日咳菌(Bordetela pertussis)の不活性化毒素および大腸菌の不安定毒素;CpGを含むオリゴデオキシヌクレオチド(CpG ODN);QS−7、QS−21、Quil−Aのようなサポニン;インターフェロンα(IFNα)、インターフェロンγ、GM−CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)、インターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン1β、インターロイキン−7、インターロイキン−12のようなサイトカイン;DDA(ジメチルジオクタデシルアンモニウム臭化物または塩化物)、N,Nジオクタデシル−N’,N’ビス(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミン(アブリジン(登録商標))のような脂溶性アミン;レシキモドおよびイミキモドのようなイミダゾキノリン;デキストラン、マンナン、グルカンまたはγイヌリンのような、天然(N)および合成の単糖類または多糖類;BAY R1005のような糖脂質;ポリホスファゼン(Adjumer(商標))のようなポリマー;カルシトリオールおよびそれらの混合物を含んでよい。
アジュバントビヒクルを、さらに、本発明の製剤中に含むことができる;これらは、無機塩類(例えばアラム(alum)、リン酸カルシウム)、エマルション(例えば水中スクアレン−(またはスクアレン−)エマルション(MF59))、水中油型エマルション(AS03、Montanide ISA−51 and ISA−720)、リポソーム、ビロソーム、免疫賦活性複合体(ISCOMs)、高分子マイクロスフェア、キトサンなどを含んでよい。
上記のアジュバント化合物はいずれも、単独または他のアジュバントのいずれかと混合(ブレンド)のいずれかで用いることができる。アジュバントブレンドの例は、完全フロイントアジュバント、SAF−21(スレオニル−MDPおよび水中スクアレンエマルションで作られている)、水酸化アルミニウムに吸着したリピドAを含むウォルターリードリポソーム、MPLAとリポソームとQS21とで作られているAS01を含む。他の例は、MPLAを含む生分解性ポリマー粒子、CpG DNAモチーフ、または、他の免疫調節分子を含む。
安定化膜における免疫調節のアジュバントの量は、約0.1モル%〜約50モル%、好ましくは約0.5モル%〜約20モル%、およびさらにより好ましくは約1モル%〜約10モル%(安定化膜を形成している物質の全モル量に対して)に変化させてよい。
他の賦形剤または添加剤は、マイクロバブルの安定化膜の形成に必ずしも関与することなく(または部分的にのみ関与して)、マイクロバブルの乾燥製剤中に存在してよいか、それの再構成のために用いられる水性担体とともに加えられてよいかのいずれかである。これらはpH調節剤、浸透圧調整剤、粘度増強剤、乳化剤、充填剤などを含み、そして従来の量で使用されてよい。例えば、ポリオキシプロピレングリコールやポリオキシエチレングリコールおよびそれらの共重合体のような化合物を用いることができる。粘度増強剤または安定剤の例は、直鎖および架橋した多糖類、オリゴ糖類、糖類およびポリエチレングリコールのような親水性ポリマーから選択される化合物である。
ガス入りのマイクロバブルの調製は凍結乾燥または噴霧乾燥のステップを含んでよいので、凍結保護および/またはリオプロテクティブ(lyoprotective)効果を有する薬剤および/または増量剤、例えばグリシンのようなアミノ酸;糖質、例えばスクロース、マンニトール、マルトース、トレハロース、グルコース、ラクトースまたはシクロデキストリンのような糖、またはデキストラン、キトサンおよびその誘導体(例えば:カルボキシメチルキトサン、トリメチルキトサン)のような多糖;またはポリエチレングリコールのようなポリオキシアルキレングリコール、などの凍結乾燥添加剤を製剤中に含むことが好都合であり得る。
本発明による組成物のマイクロバブルは、当技術分野で知られている方法のいずれかによって生産することができる。典型的に、製造方法は、前記物質を含む水性または有機物の懸濁液の好ましくは凍結乾燥(フリーズドライ)による、上記の両親媒性物質を含む乾燥粉末物質の調製を含む。
例えば、WO91/15244に記載されるように、膜形成両親媒性化合物は、最初に、リポソームの形成のために用いられる任意の方法により、層状の形態に変換することができる。そのために、膜形成脂質および場合により他の添加剤(例えば粘度増強剤、非−膜形成の界面活性剤、電解質など)を含む水性溶液を高スピードの機械的ホモジナイズまたは音響周波数または超音波周波数の下での超音波処理にさらすことができ、そしてそれから、流動性粉末を形成するために凍結乾燥されて、それからガスの存在下で保存される。例えばUS5,597,549に記載されるような任意的な洗浄ステップは、凍結乾燥の前に行なうことができる。
別の実施態様(例えばUS5,597,549に記載される)によれば、膜形成化合物および親水性安定剤(例えばポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グリコール酸、リンゴ酸またはマルトール)は、有機溶媒(例えば第3級ブタノール、2−メチル−2−ブタノールまたはCCl)に溶解することができ、そして溶液を凍結乾燥して乾燥粉末を形成することができる。
好ましくは、例えば国際特許出願WO2004/069284に記載されるように、リン脂質(上記のものの中から選択され、そして上記で特定された荷電リン脂質の少なくとも1つを含む)およびリオプロテクティング(lyoprotecting)剤(前に記載したもののような、特に糖質、糖アルコール、ポリグリコール、ポリオキシアルキレングリコールおよびそれらの混合物)は、撹拌の下で、水に不混和の有機溶媒(例えば分岐または直鎖のアルカン、アルケン、シクロアルカン、芳香族炭化水素、アルキルエステル、ケトン、ハロゲン化炭化水素、全フッ素置換された炭化水素またはそれらの混合物)を有する水のエマルションに分散することができる。エマルションは、少なくとも1つのリン脂質の存在下で、水性の媒体および溶媒を、例えば、超音波処理、振とう、高圧ホモジナイズ、マイクロミキシング、膜乳化、高スピード撹拌または高せん断混合のような、当技術分野で知られている任意の適切なエマルション生成技術に供することにより、得ることができる。例えば、Polytron(登録商標)PT3000のようなローター・ステーターホモジナイザーを用いることができる。ローター・ステーターホモジナイザーの撹拌スピードは、エマルションの構成要素、エマルションの量、有機溶媒の相対量、エマルションを含んでいる容器の直径およびエマルション中の溶媒の微小滴の所望の最終直径に依存して選択することができる。あるいは、例えば、第一注入口を通じて(例えば0.05〜5mL/分の流速で)有機溶媒をミキサーの中に、そして第二注入口を通じて(例えば2〜100mL/分の流速で)水相を導入することによって、混合物を乳化するためにマイクロミキシング技術用いることができる。エマルション法によっては、乳化ステップの間または乳化ステップを始める直前に、有機溶媒を徐々に導入することができる。あるいは、乳化ステップの間または乳化ステップを始める直前に、水性媒体を、水に不混和の溶媒に徐々に加えることができる。好ましくは、この後者が有機溶媒と混合する前に、リン脂質は水性媒体中に分散される。あるいは、リン脂質は、有機溶媒中に分散することができ、または、乳化ステップの前または間に、水性−有機物混合物に、別に加えられてよい。こうして得られた、リン脂質物質によって(および場合により、他の両親媒性の膜形成化合物および/または添加剤によって)包囲されて安定化された溶媒の微小滴を含むマイクロエマルションは、それから、従来技術により凍結乾燥されて、凍結乾燥された物質を得て、それは(例えば適切なガスの存在下でバイアル中に)保存されて、マイクロバブルの寸法とサイズの分布が実質的に微小滴の懸濁液の寸法とサイズの分布と同程度であるガス入りのマイクロバブル懸濁液を最終的に与えるために水性担体で再構成することができる。
ガス入りのマイクロバブルを調製するためのさらなる方法は、所望のガスの存在下で、リン脂質(および場合により、他の両親媒性の膜形成化合物および/または添加剤)を含む水性媒体を、制御された高い撹拌エネルギー(例えばローター・ステーターミキサーを用いて)にさらして、そして得られた分散物を凍結乾燥に供して、乾燥した再構成可能な生成物を生産することにより、ガスマイクロバブルの分散物を産生するステップを含む。この方法の例は、例えば、参照により本明細書に援用されるWO97/29782に与えられている。
噴霧乾燥技術(例えばUS5,605,673に開示されるように)もまた、ガス入りのマイクロバブルを得るために生理学的水性担体と接触させると再構成可能な乾燥粉末を得るために、用いることができる。
上記の技術のいずれかで得られる乾燥または凍結乾燥された生成物は、一般に、粉末または固形状の形態であり、所望のガスと接触して保存(例えばバイアル中に)することができる。生成物は、適切な生理的に許容できる水性液体担体中、典型的に注射用に、容易に再構成可能であり、懸濁液を穏やかに撹拌するとガス入りのマイクロバブルを形成する。適切な生理的に許容できる液体担体は、滅菌水、生理食塩水(注射用の最終生成物が低張でないように有利に平衡されてよい)のような水性溶液、または、塩類か糖類、糖アルコール、グリコールまたは他の非イオン性ポリオール物質(例えばグルコース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなど)のような1つか複数の浸透圧調製物質、カルボキシメチルキトサン、トリメチルキトサンのようなキトサン誘導体、または、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルスターチまたはデキストランのようなゲル化(gelifying)化合物の溶液である。
本発明の一実施態様によれば、抗原を含むコンストラクト(すなわち抗原/膜形成構成要素コンストラクトまたは抗原/スペーサー/膜形成構成要素コンストラクト)は、上記の調製方法のいずれかにより得られる凍結乾燥された物質の再構成のときに安定化膜の中に取り込まれるように、それ自体として製剤の他の構成要素と混合することができる。
あるいは、コンストラクトは、適切に機能化された中間体(例えばマレイミド含有ホスファチジルエタノールアミンのような機能化膜形成構成要素)として最初の製剤に混合して、前記中間体を含む凍結乾燥された物質を生産することができ;適切な相補の反応性部分(例えばチオール)を含む抗原は、それから、それぞれの反応性部分を反応させることにより、再構成されたマイクロバブルの膜中に既に取り込まれた中間体化合物に結合することができる。
WO2004/069284に開示される方法の場合、抗原を含むコンストラクトは、乳化と凍結乾燥のステップを行なおうとしている最初の混合物の構成要素と混合することもできる。あるいは、コンストラクトを含むミセル懸濁液を別々に調製して、そしてその後に、好ましくは加熱して、既に形成されたエマルション(他の膜形成構成要素を含む)に加えることができる。上述のように、形成されたコンストラクトの代わりに、機能化された中間体を代替的に用いることができ、それから、方法の任意のステップにおいて(例えば、乳化の段階に、または凍結乾燥された化合物の再構成のときに)、相補の反応性部分を含む抗原と反応させることができる。一実施態様によれば、機能化された膜形成構成要素(または膜形成/スペーサー中間体コンストラクト)は、ミセル懸濁液として、形成されたエマルションに撹拌下で加えられる。抗原(相補の反応性部分を含む)を含む化合物は、それから、得られたエマルションに加えられる。
例えば、膜形成構成要素のマレイミド誘導体(DSPE−マレイミドまたはDSPE−PEG−マレイミドのような)のミセル懸濁液を、形成された膜形成構成要素のエマルションに加えてよい。それから、エマルションの凍結乾燥前に、脱アセチル化溶液(50mM リン酸ナトリウム、25mM EDTA、0.5M ヒドロキシルアミン。HCl、pH7.5)中でインキュベートされたメルカプトアセチル化抗原(例えばDMF中で10mg/mLのGタンパク質)の溶液を、穏やかな撹拌下でエマルションに加える。あるいは、膜形成構成要素のマレイミド誘導体を含むエマルションは凍結乾燥されて、そしてそれから、その後に、無保護の抗原が、再構成されたガス入りの微小胞の懸濁液に加えられる。
代替的な実施態様によれば、抗原は、ガス入りのマイクロカプセルに共有結合させることができる。マイクロカプセルの好ましい例は、ポリマー、好ましくは生分解性ポリマー、または、場合により生分解性ポリマーとの混合物での、生分解性で水に不溶性の脂質(トリパルミチンのような)を含む安定化膜を有するものである。適切なマイクロカプセルおよびその調製の例は、例えば、それらの全体で参照により本明細書中に援用される、US5,711,933およびUS6,333,021に開示されている。タンパク性の膜を有する、すなわちUS−A−4,276,885またはEP−A−0,324,938(参照により本明細書に援用される)に記載されているもののような天然のタンパク質(アルブミン、ヘモグロビン)で作られたマイクロカプセルもまた、用いることができる。抗原は、前述の調製方法によりマイクロカプセルの膜形成構成要素にそれを共有結合させることによって、または、前述したもののような、前記抗原に共有結合された両親媒性の構成要素を、マイクロカプセルの膜を形成する構成要素に混合することによって、マイクロカプセルの膜中に取り込まれることができる。
任意の生体適合性ガス、ガス前駆体、またはそれらの混合物が、上記の微小胞を充填するために用いられてよい(以降、「微小胞形成ガス」とも定義される)。
ガスは、例えば、空気;窒素;酸素;二酸化炭素;水素;亜酸化窒素;ヘリウム、アルゴン、キセノンまたはクリプトンのような希ガスまたは不活性ガス;低分子量の炭化水素(例えば、最大で7炭素原子までを含む)、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタンまたはイソペンタンのようなアルカン、シクロブタンまたはシクロペンタンのようなシクロアルカン、プロペン、ブテンまたはイソブテンのようなアルケン、またはアセチレンのようなアルキン;エーテル;ケトン;エステル;ハロゲン化、フッ素化または全フッ素置換された低分子量の炭化水素(例えば、最大で7炭素原子までを含む)のような、ハロゲン化ガス、好ましくはフッ素化ガス;または前述のいずれかの混合物を含んでよい。ハロゲン化炭化水素が用いられる場合は、前記化合物中のハロゲン原子の好ましくは少なくともいくつか、さらに好ましくは全てがフッ素原子である。
フッ素化ガス、特に、全フッ素置換されたガスが好ましい。フッ素化ガスは、例えば、フッ素化炭化水素(1つか複数の炭素原子とフッ素を含む有機化合物);六フッ化硫黄;フッ素化、好ましくは全フッ素置換された、ペルフルオロアセトンのようなケトン類;およびフッ素化、好ましくは全フッ素置換された、ペルフルオロジエチルエーテルのようなエーテル類のような、少なくとも1つのフッ素原子を含む物質を含む。好ましい化合物は、例えば、参照により本明細書中に援用されるEP0554213に開示されるような、特に安定したマイクロバブル懸濁液を形成することが知られている、SFまたはペルフルオロカーボン(全フッ素置換された炭化水素)のような全フッ素置換されたガス、すなわち全ての水素原子がフッ素原子により置換されている炭化水素である。
用語「ペルフルオロカーボン」は、飽和、不飽和、および環状ペルフルオロカーボンを含む。生体適合性で生理的に許容できるペルフルオロカーボンの例は:ペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、ペルフルオロプロパン、ペルフルオロブタンのようなペルフルオロアルカン(例えば、場合によりペルフルオロ−イソブタンのような他の異性体との混合で、ペルフルオロ−n−ブタン)、ペルフルオロペンタン、ペルフルオロヘキサンまたはペルフルオロヘプタン;ペルフルオロプロペン、ペルフルオロブテン(例えばペルフルオロブタ−2−エン)またはペルフルオロブタジエンのようなペルフルオロアルケン;ペルフルオロアルキン(例えばペルフルオロブタ−2−イン);およびペルフルオロシクロアルカン(例えばペルフルオロシクロブタン、ペルフルオロメチルシクロブタン、ペルフルオロジメチルシクロブタン、ペルフルオロトリメチルシクロブタン、ペルフルオロシクロペンタン、ペルフルオロメチルシクロペンタン、ペルフルオロジメチルシクロペンタン、ペルフルオロシクロヘキサン、ペルフルオロメチルシクロヘキサンおよびペルフルオロシクロヘプタン)である。好ましい飽和ペルフルオロカーボンは、例えば、CF、C、C、C、C10、C12およびC12を含む。
任意の比率で上記のガスのいずれかの混合物を用いることも好都合であり得る。例えば、混合物は、窒素、空気または二酸化炭素のような従来型のガス、および、六フッ化硫黄または前述したペルフルオロカーボンのような、安定したマイクロバブル懸濁液を形成するガスを含んでよい。適切なガス混合物の例は、例えば、参照により本明細書中に援用されるWO94/09829に見られることができる。以下の組み合わせが特に好ましい:ガス(A)と(B)の混合物であって、ガス(B)は前述したものの中から選択されるフッ素化ガスであり、それらの混合物を含み、そして(A)は空気、酸素、窒素、二酸化炭素またはそれらの混合物から選択される。ガス(B)の量は、混合物全体の約0.5%〜約95%(v/v)、好ましくは約5%〜80%を示すことができる。
特に好ましいガスは、SF、C、C10またはそれらの混合物であり、場合により、空気、酸素、窒素、二酸化炭素またはそれらの混合物との混合である。
特定の状況では、ガス状の物質の前駆体(すなわち、インビボでガスに変換されることが可能な物質)を含むことが望ましくあり得る。好ましくは、ガス状の前駆体およびそれから得られるガスは、生理的に許容できる。ガス状の前駆体は、pH活性化、光活性化、温度活性化などであってよい。例えば、あるペルフルオロカーボンは、温度活性化ガス状の前駆体として用いてよい。ペルフルオロペンタンまたはペルフルオロヘキサンのような、これらのペルフルオロカーボンは、室温(または、物質が産生され、および/または保存される温度)より高いが体温より低い液体/気体相転移温度を有する;このように、それらは液体/気体相転移を経て、人体中でガスに変換される。
上述したとおり、本発明の微小胞は、特にワクチンおよび/または免疫調節の製剤として有用である。
本出願人は、特に、抗原がそれに共有結合している本発明の微小胞(および好ましくはその安定化膜中に少なくとも50重量%のリン脂質を含む微小胞)は、抗原がそれに共有結合されていない(例えば封入または吸着されている)微小胞と比較して、抗原提示細胞、特に樹状細胞による取り込みに、特に効果的であることを見出した。本出願人により見出されたとおり、前記の増加した取り込みは、共有結合した抗原に対する特異抗体の、より高い産生、および抗原特異的なT細胞応答の増加をもたらす。特定の理論のいずれにも結び付くことを意思せずに、本発明の微小胞では、抗原が抗原提示細胞により、より効果的に取り込まれることが仮説され得る。
免疫応答の促進/調節に対するそれらの有利なアジュバント効果を考慮すると、本発明の微小胞は、それに共有結合した前述の(ワクチン)抗原のいずれかを効果的に投与するために用いることができる。微小胞の投与は、例えば、皮下、皮内、経皮、筋肉内または静脈内注射により、または経口、舌下、経鼻、膀胱内、膣または直腸送達のような粘膜経路により行なうことができる。最大で例えば全部で5回までの投与を、例えば2週間〜6か月の間を含む間隔で行うことができる。組成物は、好ましくはガス入りの微小胞の水性懸濁液の形態で投与される。あるいは、組成物は、凍結乾燥物として、またはゲル溶液として投与することができる。
注射/免疫付与のプロトコルの例は、本明細書中の実施例に示されている。
本発明の微小胞は、このように、それを必要とする患者における免疫応答の調節を含む、または誘導する、任意の医学的な治療、特に、それを必要とする患者における免疫応答を調節するための治療で使用することができる。典型的に、治療は、患者のワクチン接種を含む。
例えば、免疫調節の治療は、感染の治療(例えば、マラリア、髄膜炎、麻疹、エイズ、流感(インフルエンザ)、コレラまたはリステリア症のような、典型的に、細菌性、ウイルス性、寄生性および/または真菌性の感染)、腫瘍の治療(例えば、乳がん、前立腺がん、肺がん、卵巣がん、膀胱がん、または食道がん、肉腫、またはメラノーマのような;)および、例えば環境または栄養学的アレルギー(例えば、花粉、ハチ毒、チリダニ、ラテックス、ミルク(ラクトース)、ピーナッツおよび/または卵(アルブミン)アレルギーのような)を含むアレルギーの治療を含んでよい。
以下の例は、本発明をさらに説明するのに役立つ。
Figure 0005992920
(実施例1)共有結合した抗原(OVA)を含むガス入りの微小胞の調製。
[OVAのチオール化]
OVA(6mg−133nmoles)をPBE(リン酸緩衝液25mM、150mM生理食塩水、1mMEDTA、pH8)中に溶解して、20mg/mLでの溶液を得た。トラウト試薬の溶液(2mg/mL−14.5mM)をPBE中に調製して、この溶液の92μL(10当量)をOVA溶液に加えた。結果として生じた混合物を、室温で1時間、撹拌下でインキュベートした。この溶液を、PBE中で平衡化されたスピンカラム(Zeba spin column 2mL、Pierce、#89890)を用いて回転した。溶液の最終的な量は、約390μLであった。
最終のOVA濃度(280nmでのUVにより測定された)は約300nmol/mLであった。
チオールの酸化の可能性を制限するために、チオール化OVA溶液は、精製の直後に用いた。
[共有結合されたOVAを有する微小胞の調製]
DSPE−PEG−マレイミド(6.6mg−2.24μmoles)を、45℃で撹拌(ボルテックス)して、リン酸緩衝液100mM pH6(0.5mL)中に溶解して、透明な溶液を得た。
DSPC/パルミチン酸(モルで80/20)の混合物の60mgを、シクロオクタン(4.8mL)中に70℃で溶解した。別々に、上で調製されたミセル溶液(0.5mL)を、59.5mLのPEG4000 10%溶液に加えた。それから、リン脂質を含む有機相を水相に加えて、そして、高スピードホモジナイザー(Megatron MT3000)を5分間(11500rpm)用いて乳化して、エマルションを得た。エマルションを、PPチューブ(15mLファルコン)中に、10mLのフラクションに分けた。
チオール化OVA(78nmoles−260μL)を10mLのエマルションに加えて、結果として生じた混合物を、22℃で3時間、撹拌した。得られたエマルションを、最終的に、10%のPEG4000溶液で2回希釈して、DIN4Rバイアル(1バイアルあたり500μL)中にサンプリングした。バイアルを−50℃で2時間凍結して(Christ Epsilon凍結乾燥機)、それから、−25℃および0.2mBarで12時間、凍結乾燥した。それから、凍結乾燥された生成物を、35%のペルフルオロ−n−ブタンと65%の空気を含む雰囲気にさらした。
穏やかなハンドシェイキングによって、生成物を、生理食塩水(1mL、150mM NaCl)のボリューム中に分散した。
(実施例2)共有結合された抗原(OVA)とアジュバントを含む、ガス入りの微小胞の調製。
シクロオクタンへの溶解の前に8.1mgのMPLA(5%モル比)をDSPC/APの混合物中に加えたことを除き、実施例1に従って、マイクロバブルを調製した。
(実施例3)マウス樹状細胞による、ガス入りの微小胞に共有結合された抗原のインビトロでの内部移行。
微小胞に共有結合された抗原を内部移行する、マウスCD11c樹状細胞(DC)の能力を試験するために、Balb/cマウス由来の脾臓を収集して、抗−CD11c mAb/磁性粒子技術(Miltenyi Biotech)を用いた陽性選択に先立ち、単細胞懸濁液に処理した。濃縮されたCD11c細胞をポリ−L−リジンでコーティングされたマイクロタイタープレートに2時間播き、そしてそれから、微小胞に共有結合された、Cy3色素で蛍光ラベルしたOVA、または抗原を有さない微小胞(実施例1のように調製された)とともに、37℃で3時間インキュベートした。細胞と微小胞の接触を促進するために、DCとのインキュベーション時間の間、マイクロタイタープレートは裏返した。実際に、ガス入りの微小胞は、沈降する代わりに、溶液中で一度、上方へ移動する。それから細胞を収集し、PBSで洗浄して、そしてそれからCy3:OVAに関連する蛍光を消光するために、PBS中で、Trypan blueとともにインキュベートした(DCの細胞表面で吸着され得る)。この方法では、細胞に関係する蛍光シグナルは、DCによって細胞内に取り込まれたOVAのもののみを反映した。それから、細胞を、CD3(PE*Cy7−結合)、MHCII(FITC−結合)およびCD11c(APC−結合)に対するmAbsで標識し、洗浄して、そしてフローサイトメトリーにより分析した。死細胞を除外するためにDAPIを用いた。DAPICD3CD11cMHCIICy3細胞の割合を計算して、そして、DAPICD3CD11cMHCII細胞でのCy3シグナルの平均蛍光強度(MFI)を、LSR II フローサイトメーター(BD Biosciences)を用いて測定した。
実験は、3匹のマウス(表1)から回収された細胞で独立におこなって、そして、得られた結果は、これらの条件下では、上述のように分析された31.2±9.4%の細胞が、微小胞に共有結合したCy3:OVAの存在下でCy3であり、一方で、対照の単純な(plain)微小胞を用いると、たったの1.0±0.7%の細胞がCy3であったことを示した。微小胞に共有結合したCy3:OVAの内部移行は、Cy3シグナルMFIを分析した場合にも明らかであった。実際に、DCを、微小胞に共有結合したCy3:OVAとともにインキュベートした場合、Cy3シグナルのMFI(879.7±95.1)は、対照の微小胞で観察した場合(92.3±7.5)よりも、有意に高かった。
Figure 0005992920
(実施例4)マウスCD4 T細胞に対する、インビトロの抗原提示:微小胞に共有結合した抗原と微小胞に共有結合していない抗原との比較。
接着性マウスDC1940細胞株(25000細胞/ウェル)を、マイクロタイタープレート中に2時間播き、そしてそれから、PBS中に希釈された異なる製剤での、滴定濃度のOVAとともに、37℃で4時間インキュベートした:(a)OVA323−339ペプチド(対照ペプチド:樹状細胞の膜上に発現されたMHCクラスII分子に直接的に結合するOVAのフラグメント;ペプチド:MHCクラスII複合体は、内部移行およびプロセシングを必要とせずに、CD4 T細胞に提示される)、(b)OVA、(c)実施例1により調製されたマイクロバブルに共有結合したOVA、(d)ラテックスビーズに結合したOVA、または(e)両方の構成要素を10分間混合することにより、カチオン性微小胞(20% DSTAP)上に吸着されたOVA。微小胞を用いた場合、細胞と微小胞の接触を促進するために、DC1940細胞とのインキュベーションの期間の間、マイクロタイタープレートは裏返した。コインキュベーション期間後、細胞を収集して、PBSで洗浄して、顕微鏡下でノイバウエル・チャンバー(Neubauer chamber)を用いて計数して、そして、(25000細胞/ウェル)を、CD4 T細胞ハイブリドーマBO97.11(20000細胞/ウェル)とともに24時間、混合した。上清をピペッティングにより回収して、そして、T細胞活性化の指標である、IL−2産生を、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)により定量化した。
得られた滴定曲線−OVA濃度(アゴニスト)対OD450nm(応答)に基づき、シグモイド適合曲線(sigmoid fitting curve)を、GraphPad Prism 5.03ソフトウェアを用いて作った。それから、試験された各実験条件の比較を可能にする、各曲線に関する最大半量OD450nmを与えるOVA濃度を計算した(EC50)。表2の結果は、マイクロバブルに共有結合したOVAが、試験されたいかなる他のOVA製剤よりも、さらに効率的にCD4 T細胞に提示されたことを示す。特に、共有結合した抗原を含む微小胞で得られたEC50は、フリーのOVAのものよりも、4000倍よりさらに低く(p=0.0159)、ラテックスビーズに結合したOVAのものよりも10倍低く(p=0.0357)、そして、カチオン性微小胞上に吸着したOVAのものよりも、10倍よりさらに低い(p=0.0357)ことが観察される。言い換えれば、これは、微小胞に共有結合したOVAでCD4 T細胞の活性化の最大半量を達成するためには、試験された他の製剤と比較して、より少ないOVAが必要とされることを意味する。したがって、微小胞に共有結合したOVAは、約1・10−3μMのOVA濃度で既に、CD4 T細胞の活性化を誘導する。それどころか、OVAがラテックスビーズに結合されているか、またはカチオン性微小胞上に吸着されている場合は、1・10−2μMまたはそれよりも高い濃度が、CD 4T細胞を活性化するために必要とされる。最大で1μMまでのフリーの抗原は、T細胞の無視できるほどの活性化を誘導する。
Figure 0005992920
(実施例5)微小胞に共有結合した抗原、抗原単独、および抗原+アラムアジュバントの投与時にインビボで産生される、T細胞応答の比較。
本発明の、抗原を含む微小胞の、インビボでのT細胞免疫応答を産生する能力と効率を、微小胞をBalb/cマウスに皮下注射することにより評価した。結果を、同程度の量の抗原分子単独およびアラムと組み合わせた注射と比較した。
実施例1により調製された、微小胞に共有結合したOVAを、2週間間隔で3回、マウスへ注射し、最後の注射の14日後に屠殺して、そして脾臓を各マウスから収集して処理し、単細胞懸濁液を得た。OVA−特異的なCD4およびCD8 T細胞応答は、以下のように、カルボキシフルオセインサクシニミジルエステル(CFSE)に基づく増殖分析により評価した:脾細胞を、37℃で、PBS−0.1%BSA中で、CFSEで標識して、それからPBS−5%ウシ胎仔血清で洗浄した。それから、脾細胞を、丸底の96ウェルプレートに、5・10細胞/ウェルで播き、そして培地単独、OVA(100μg/mL)、または陽性対照としてのコンカナバリンA(1.5μg/mL)のいずれかとともにインキュベートした。2日後、2.5U/mLのIL−2を各ウェルに加えて、そして2日後、細胞を収集してPBSで洗浄した。それから、細胞を、マウスCD3(PECy7−結合)、CD4(PE−結合)およびCD8(Alexa647−結合)に対するmAbsで標識して、洗浄して、そしてDAPIを最後に、フローサイトメトリーによる分析の直前に添加した。細胞が分裂するときにCFSE色素が薄まるので、CFSElowCD3CD4DAPIまたはCFSElowCD3CD8DAPIの細胞の割合を、加えられた刺激に対して応答した細胞として記録した。結果は、培地単独に対して応答する細胞の頻度により割られたOVAに対して応答する細胞の頻度として計算される、刺激指数(SI)として表わされる。
実験設定は、実施例3で説明したものと同様であった。
表3に示されるように、微小胞に共有結合したOVAの3回の注射後に測定されたSIは、フリーのOVAの注射により誘導されるものよりも上回って、CD4およびCD8 T細胞応答の両方を誘導した。これは、フリーのOVAで注射されたマウスでの同一母集団に関して得られたSI(それぞれ、2.82および2.07)と比較して、微小胞に共有結合したOVAを受け取ったマウスにおけるOVAに対するCD4およびCD8 T細胞応答の、有意により高いSI(それぞれ、11.08および7.98)によって表される(CD4 T細胞に関してp=0.0022、そしてCD8 T細胞に関してp=0.0022)。加えて、OVA−特異的なCD4 T細胞応答は、マウスが微小胞に共有結合したOVA(11.08)またはアラムと混合されたOVA(10.30)を受けた場合と、同様であった(p=0.9360)。
インビトロで4日の刺激後に計算されたSIは、インビボで生じる頻度を反映する。したがって、上で示されたデータは、フリーのOVAに勝る、MBに共有結合したOVAの、OVA−特異的なCD4およびCD8 T細胞応答をインビボで誘導する、優れた能力を明示する。それはまた、本出願人により示された試薬が、CD4 T細胞応答の誘導において、アジュバントアラムと同じくらい強力であることを示す。
Figure 0005992920
(実施例6)ガス入りの微小胞に共有結合した抗原、抗原単独および抗原+アラムアジュバントの投与時の、インビボでの抗体応答の比較。
本発明の、抗原を含む微小胞の、インビボの抗体免疫応答を産生する能力および効率を、微小胞をBalb/cマウスに皮下注射することにより評価した。結果を、同程度の量の抗原単独の注射、およびアラムアジュバントと混合した抗原の注射と、比較した。
実施例1により調製された、微小胞に共有結合したOVAを、2週間間隔でマウスへ注射して、そして、血清を2回目および3回目の注射の後に収集して、OVA−特異抗体の存在を評価した。OVA−特異抗体(表2中の全IgG)の存在および力価を、以下のプロトコルによるELISAによって決定した。手短には、マキシソーププレート(Maxisorb plates)(Nunc)を10μg/mLのOVAでコーティングして、PBS−0.05% Tween20−1% BSAでブロッキングして、そして、滴定用量の血清の添加前に洗浄した。4℃でのオーバーナイトのインキュベーションに続いて、プレートを洗浄して、そしてOVA−特異IgGの存在を、HRP結合抗−IgG抗体とのインキュベーションにより評価した。洗浄に続いて、HRP基質を加えて、数分後に反応を1M HSOで止めて、そしてOD450nmを測定した。得られた滴定曲線に基づき(血清希釈(アゴニスト)対OD450nm(応答))、シグモイド適合曲線を、GraphPad Prism 5.03ソフトウェアおよび3つのパラメータlog(アゴニスト)対応答の関数を用いて作った。それから、試験された各条件の比較を可能にする、各曲線に関する最大半量OD450nmを与える血清希釈(滴定量)を計算した(EC50)。
OVAを含む微小胞の投与で得られた結果を、OVA単独、またはアラムアジュバント(ヒトワクチンで70年よりも前から用いられている標準的なアジュバント)と混合したOVAのいずれかを投与することによるインビボ試験で同様に得られた結果と比較した。
この点で、8μgの抗原に対応する、OVAを含む製剤100μLを、2週間間隔で3回、マウス(実験グループあたり6)の尾の基部に皮下注射した。OVAグループ由来のマウスは、PBS中に希釈されたOVAを注射した。OVA微小胞のグループ由来のマウスは、穏やかにハンドミキシングして1mLのPBS中で再構成された製剤を注射した。注射の前に、ハンドミキシングを繰り返した。OVA/アラムのグループ由来のマウスは、PBS中に希釈されて回転ホイール上で30分間混合されたOVAとアラムの溶液を注射した。注射の前に、製剤をPBSで洗浄した。各マウスに投与されたアラムの最終的な量は1mgであった。
表4に示すように、微小胞に共有結合したOVAの注射後(2回または3回のいずれかの注射後)に測定されたIgG EC50の力価(平均)は、OVA単独に関して観察されるものに対して、有意に、より高かった(それぞれ、p=0.0247およびp=0.0260;マンホイットニー検定)。さらに、OVA−微小胞で得られたIgGの力価を、アラムアジュバントと混合されたOVAを用いて得られたものと比較した(2回の注射後p=0.3939および3回の注射後p=0.9372;マンホイットニー検定)。
これらの結果は、ELISAにより検出されるのと同程度の量のAbを得るためには、MBに共有結合したOVAまたはアラムアジュバント上に吸着されたOVAで免疫化されたマウス由来のものと比較して、より低く希釈された、フリーのOVAで免疫化されたマウス由来の血清が必要とされることを意味する。したがって、より多くのAbが、MBに共有結合したOVAに応答してインビボで産生され、フリーのOVAに勝って、本出願人により提案された試薬に利点を与える。
Figure 0005992920
(実施例7)免疫調節剤MPLAを含む、または含まない、ガス入りの微小胞に共有結合した抗原の投与時の、インビボでの抗体応答の比較。
本発明の、抗原を含む微小胞へのアジュバントの追加を、MPLAを含む微小胞をBalb/cマウスに皮下注射することにより評価した。結果を、MPLAを伴わずに抗原を含む微小胞の、同程度の量の注射と比較した。
微小胞に共有結合し、かつ、実施例2により調製されたMPLAを含むOVAを、2週間間隔でマウスに注射して、そして血清を2回目および3回目の注射の後に収集して、OVA−特異抗体の存在を評価した。実施例6で説明したように、OVA−特異抗体(表5中の全IgG)の存在と力価をELISAにより決定した。
OVA−特異IgG1およびIgG2a抗体の存在と力価(表6)を、以下のプロトコルによるELISAによって決定した。手短には、マキシソーププレート(Nunc)を10μg/mLのOVAでコーティングして、PBS−0.05% Tween20−1% BSAでブロッキングして、そして、滴定用量の血清の添加前に洗浄した。4℃でのオーバーナイトのインキュベーションに続いて、プレートを洗浄して、そして、OVA−特異IgG1およびIgG2aの存在を、ビオチン化抗−IgG1または抗−IgG2a抗体とのインキュベーションにより評価した。それから、プレートを洗浄して、そしてさらにextravidin−HRPとともにインキュベートした。洗浄に続いて、HRP基質を加えて、数分後に反応を1M HSOで止めて、そしてOD450nmを測定した。得られた滴定曲線に基づき(血清希釈(アゴニスト)対OD450nm(応答))、シグモイド適合曲線を、GraphPad Prism 5.03ソフトウェアおよび3つのパラメータlog(アゴニスト)対応答関数を用いて作った。それから、試験された各条件の比較を可能にする、各曲線に関する最大半量OD450nmを与える血清希釈(滴定量)を計算した(EC50)。OVA−特異IgG1抗体力価とOVA−特異IgG2a抗体力価の比率を、それぞれのIgGサブタイプに関して得られたEC50値を用いて、各マウスに関して計算して、そしてそれから、平均を、各実験グループに関して計算した。
MPLAを含むOVA−微小胞の投与で得られた結果を、MPLAを伴わずに抗原を含む微小胞を投与することによるインビボ試験で同様に得られた結果と比較した。
8μgの抗原に対応する、OVAを含む製剤100μLを、2週間間隔で3回、マウス(実験グループあたり6)の尾の基部に皮下注射した。
表5に示すように、MPLA−OVA−微小胞の注射後(2回または3回のいずれかの注射の後)に測定されたIgG EC50の力価(平均)は、OVA−微小胞に関して観察されるものに対して、有意に、より高かった(それぞれ、p=0.0043およびp=0.0087;マンホイットニー検定)。注目すべきことに、MPLA−OVA製剤での2回の注射後の抗体力価は、OVA−微小胞での3回の注射後に得られる力価よりも高い。
Figure 0005992920
表6は、IgG1とIgG2aの力価の比率が、OVA−微小胞に比べて、MPLA−OVA−微小胞の注射後に、有意に、より低かったことを示す(p=0.0152;マンホイットニー検定)。
Figure 0005992920
これらの結果は、OVA単独と比較して、微小胞に共有結合したOVAに応答して、より多くの抗体がインビボで産生されるが(実施例6に示される)、MPLAを含む製剤は、さらに、より高い抗体力価を産出したことを明示する。
さらに、MPLAを含む、または含まないOVA−微小胞に関する免疫応答のタイプは異なった:MPLAの存在下では、IgG1/IgG2a比が低かった。これは、Th1タイプの免疫応答への移行を示している。
(実施例8)C57BL/6マウス株での、微小胞に共有結合した抗原の投与後にインビボで産生される、T細胞と抗体の応答。
本発明の、抗原を含む微小胞の、インビボでのT細胞とAbの免疫応答を産生する能力を、微小胞をC57BL/6マウスに皮下注射することにより、さらに評価した。結果を、Balb/cマウスでの、同程度の量の微小胞製剤の注射と比較した。
実施例1により調製された、共有結合したOVAを有する微小胞を、2週間間隔で3回、マウスに注射して、最後の注射の14日後に屠殺した。血液と脾臓を各マウスから収集して、実施例5および6に記載されたプロトコルにしたがって、OVA−特異的なAbとT細胞の応答の存在に関して分析した。
微小胞の3回の注射後に測定されたSIは、同じ製剤のBalb/cマウスへの注射により誘導されたものと同様に、CD4とCD8 T細胞応答の両方を誘導した(表7)。両方の株において、共有結合した抗原を有する微小胞の投与は、抗原を有さない対照の微小胞の注射で得られたものよりも、有意に高いSIを生じた(それぞれ、CD4 T細胞応答に関しては、Balb/cマウスについてp=0.0087およびC57BL/6マウスについてp=0.0286、そして、CD8 T細胞に関しては、Balb/cマウスについてp=0.0050およびC57BL/6マウスについてp=0.0286)。
Figure 0005992920
血清中の全OVA−特異IgGを定量化すると、同様の結果が得られた。微小胞に共有結合したOVAの注射は、単純な微小胞で行われる対照の注射と比較して、両方のマウス株において、有意により高いレベルのAbを誘導した(Balb/cマウスに関してp=0.0050およびC57BL/6マウスに関してp=0.0286)。同等のIgG力価もまた、両株間で観察された。さらに、OVA−特異IgG1およびIgG2aのAbの分析は、免疫化Balb/cおよびC57BL/6での両方のアイソタイプと同程度の力価を示した(表8)。
Figure 0005992920
これらの結果は、本発明の微小胞は、2週間間隔で3回皮下注射すると、試験されるマウス株に非依存的に、有意に、Ag−特異的なAbとT細胞応答を誘導することを示す。
(実施例9)共有結合した抗原を含む、ガス入りの微小胞の調製。
A)PLA2抗原の変性。
PLA2(1mg−54.05nmoles)を、尿素の変性溶液(PBE中で540.54g/L−9M)に溶解して、4mg/mLの溶液を得た。DTTの溶液(8mg/mL−51.86mM)を、尿素9M中に調製して、そして、この溶液の104μL(100当量)を、PLA2尿素溶液に加えた。結果として生じた混合物を、一晩(16時間)、室温で放置した。この溶液を、PBE中で平衡化されたスピンカラム(Zeba spin column 2mL、Pierce、#89890)を用いて回転した。溶液の最終的な量は、約350μLであった。
変性PLA2溶液は、精製の直後に用いた。
B)共有結合したPLA2を有する微小胞の調製:
PLA2を含む微小胞を、実施例1に記載された方法論により調製した。
このようにして、実施例1により調製された10mLのエマルション(DSPC/パルミチン酸とDSPE−PEG−マレイミドを含む)を、10または20nmoles(154μLまたは308μL)の変性PLA2と混合した。
希釈と凍結乾燥の後、後に続く使用のために、穏やかなハンドシェイキングによって、生成物を、生理食塩水(1mL、150mM NaCl)のボリュームの中に分散した。
(実施例10)微小胞に共有結合したPLA2抗原の投与後にインビボで産生される、T細胞と抗体の応答。
本発明の、抗原を含む微小胞の、インビボでのT細胞とAbの免疫応答を産生する能力を、実施例9により調製された微小胞をBalb/cマウスに皮下注射することにより評価した。
実施例9により調製された微小胞を、2週間間隔でマウスに注射して、そして、血清と脾臓を3回目の注射後に収集して、OVA−特異的な抗体とT細胞の存在を評価した。プロトコルは、OVAがPLA2に置き換えられたことを除き、実施例5および6に記載されたものと同じであった。
共有結合したPLA2抗原微小胞の投与で得られた結果を、抗原を含まない対照微小胞の投与で得られた結果と比較した。
表9に示すように、微小胞に共有結合したPLA2の3回の注射後に測定されたSIは、対照微小胞を受け取ったマウスで得られたものより、有意に高かった。これは、CD4およびCD8 T細胞応答の両方に関して当てはまった(それぞれ、p=0.0238およびp=0.0275)。同様に、全PLA2−特異IgGの力価もまた、抗原を有さない微小胞の投与により得られたものに有意に勝るレベルで測定された(p=0.0238)。
Figure 0005992920
これらの結果は、本発明の微小胞は、それらに共有結合された抗原の性質に非依存的に、強力なT細胞とAbの免疫応答を誘導するAg担体としての役割を果たすことを示す。
(実施例11)抗原を有する微小胞での免疫化は、病原性細菌を意図的に感染させたマウスでの細菌負荷を減少させる。
本発明の、抗原を含む微小胞の投与により誘導される免疫応答の、OVA発現リステリア菌での感染後の細菌負荷を減少させる能力を、C57BL/6マウスで評価した。
実施例1により調製された微小胞、または対照微小胞を、2週間間隔で3回、C57BL/6マウスに皮下注射した。最後の投与の2週間後、50000のOVA発現リステリア菌を静脈内注射して、免疫化マウスと対照マウスの両方を感染させた。マウスを、細菌感染の4日後に屠殺して、脾臓を収集して、細菌負荷を評価した。そのために、脾臓を0.1% Nonidet P40を含むPBS中に溶解して、40μmの細胞濾過を通してメッシュして(meshed)、ホモジナイズされた脾臓懸濁液を得た。後者の1:10段階希釈(Serial 1:10 dilutions of the latter)を、ストレプトマイシンを含むブレインハートインフュージョン/アガロース細菌培養プレート上にアプライして、そして37℃で36時間、インキュベートした。コロニー形成単位をプレート上で計数して、そして脾臓あたりの細菌負荷を計算した。
表10での結果は、本発明の、OVA抗原を含む微小胞でのマウスの免疫化は、対照微小胞を投与されたマウスと比較して、注目すべき120倍の倍数で、これらのマウス脾臓中で見られる細菌負荷を減少させるのに十分効果的な、特異的な免疫応答を産生することを明示し(p=0.0152)、部分的な保護がこの高感度モデルで生じることを示す。
Figure 0005992920

Claims (20)

  1. 安定化膜を有するガス入りの微小胞を含む医薬製剤であって、
    前記微小胞が、前記膜の構成要素に共有結合した抗原を含み、
    免疫調節の治療で使用するためのものであり、
    前記治療が、超音波照射の不存在下で施されることを特徴とする、
    医薬製剤。
  2. 請求項1に記載の製剤であって、
    前記治療が、ワクチン接種を含むことを特徴とする、
    製剤。
  3. 請求項2に記載の製剤であって、
    前記抗原が、ワクチン抗原であることを特徴とする、
    製剤。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の製剤であって、
    前記治療が、寛容導入の治療を含むことを特徴とする、
    製剤。
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載の製剤であって、
    前記治療が、免疫賦活の治療を含むことを特徴とする、
    製剤。
  6. 請求項1に記載の製剤であって、
    前記構成要素が、リン脂質であることを特徴とする、
    製剤。
  7. 請求項6に記載の製剤であって、
    前記リン脂質が、ペグ化リン脂質であることを特徴とする、
    製剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の製剤であって、
    前記抗原が、前記膜中に0.1%〜20%のモル量で存在することを特徴とする、
    製剤。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の製剤であって、
    前記微小胞中に含まれる前記ガスが、フッ素化ガスを含むことを特徴とする、
    製剤。
  10. 請求項9に記載の製剤であって、
    前記ガスが、空気または窒素との混合物であることを特徴とする、
    製剤。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の製剤であって、
    前記安定化膜が、少なくとも50重量%のリン脂質を含むことを特徴とする、
    製剤。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の製剤であって、
    前記膜が、さらに免疫調節アジュバントを含むことを特徴とする、
    製剤。
  13. 請求項12に記載の製剤であって、
    前記アジュバントが、前記膜の0.1モル%〜50モル%に相当することを特徴とする、
    製剤。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の製剤であって、
    前記抗原が、アレルギー性抗原、ウイルス性抗原、細菌性抗原、真菌性抗原、毒素由来抗原、寄生性抗原、自己抗原、腫瘍抗原またはそれらの混合であることを特徴とする、
    製剤。
  15. 前記ガス入りの微小胞を含む水性懸濁液の形態にある、請求項1〜14のいずれか一項に記載の製剤。
  16. 生理的に許容できる水性担体中で再構成可能な乾燥粉末物質の形態にある、請求項1〜14のいずれか一項に記載の製剤
  17. 免疫調節の治療で使用するための医薬の製造における、安定化膜を有するガス入りの微小胞の、水性懸濁液の使用であって、
    前記微小胞が、前記膜の構成要素に共有結合した抗原を含み、
    前記治療が、超音波照射の不存在下で施されることを特徴とする、
    使用。
  18. 請求項17に記載の使用であって、
    前記微小胞が、抗原提示細胞による効果的な取り込みをもたらすことを特徴とする、
    使用。
  19. 免疫調節の治療においてそれぞれの抗原提示細胞による抗原の取り込みを増加させるための医薬の製造における抗原の使用であって、
    前記抗原は、ガス入りの微小胞に共有結合しており、
    前記治療が、超音波照射の不存在下で施されることを特徴とする、
    使用。
  20. 請求項19に記載の使用であって、
    前記抗原提示細胞が樹状細胞であることを特徴とする、
    使用。
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