JP5992908B2 - 空間的に選択的な複屈折低減と組み合わせた位相差フィルム - Google Patents

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Description

本発明は概ね、位相差フィルムであるか、又は位相差フィルムを含む光学フィルムに対して特定の適用を伴う光学フィルム、及び関連物品、システム、並びに方法に関する。
位相差フィルムは、既知のとおり位相差プレートと呼ばれることもある。位相差フィルムは、垂直に入射した非偏光がフィルムを通過するとき、直交する直線偏光状態に対して、1つの直線偏光状態が遅れる、即ち「遅延する」ように構築される。遅延した偏光状態の光は、フィルムの面内軸に沿って偏光されると言われ、「遅相軸」と呼ばれ、他の偏光状態の光は、直交する面内の「進相軸」に沿って偏光されると言われる。位相差フィルムは所望の量の遅れ、即ち「位相差」をもたらすように調整され、位相差は、光の設計波長の分数に関して測定するか、又は特定することができる。例えば、1/4波長位相子は、進相軸に沿って偏光された光に対して、遅相軸に沿って相の波長の1/4まで光を偏光させる(及び遅延させる)。同様に、1/2波長位相子は、進相軸に沿って偏光された光に対して、遅相軸に沿って相の波長の1/2まで光を偏光させる(及び遅延させる)。これらの場合では、基準「波長」は、可視スペクトルの中間における波長、例えば560nmであり得る。位相差は別の方法としては、2つの偏光状態の光が位相差フィルムから放射したとき、遅延した偏光の波面が、他の偏光の波面よりも遅延する物理的又は光学的距離に関して測定することができる。(光学距離は適用可能な屈折率によって乗じた物理的距離である。)言及されたばかりの1/4波及び1/2波の例に関して、位相差はそれぞれ120nm(=560/4)及び280nm(=560/2)である。
一部の研究者は最近、延伸したポリマー材料のマイクロパターン化による、自動立体ディスプレイシステムのためのマイクロ位相差アレイの製造を提案している。例えば、Tsaiらによる「Fabricating Polymeric Micro−retardation Arrays for Autostereoscopic Display System by CO Laser Heat Processing Technology」(SPIE 3957(2000)の予稿集、pp.142〜152)。を参照のこと。この発表では、COレーザーが使用されて、延伸された複屈折性ポリマー材料をストライプのようなパターンに加熱して、内部ストレスを放出し、処理された領域の位相差を消去する。研究者達は、一部のプロセス条件下において内部の泡、及びでこぼこした溝付きの表面に対する表面形状における変化を報告している。
本発明者らは、熱が誘導する、空間的に選択的な複屈折の低減の原理を利用し、光学体の利用可能領域にわたる位相差の、より大きな制御、すなわち選択性を可能にする、パターン化位相差光学体を作製する技術を開発した。例示の実施形態では、強化された制御/選択性は、光学体に(本明細書では複合フィルムと呼ばれることがある)、少なくとも2つのパターン化可能な位相差フィルムの組み合わせ、及びそのようなフィルム間に少なくとも1つの遮蔽層を組み込むことによって達成される。この構造体は、光学体が、光学体の第1ゾーンにおいて第1光学ビームに暴露されて、第1ゾーンにおける第2位相差フィルムよりも優先的に第1位相差フィルムの位相差を低減することを可能にし、その一方で、光学体が、光学体の第2ゾーンにおいて第2光学ビームに暴露されて、第2ゾーンにおける第1位相差フィルムよりも優先的に第2位相差フィルムの位相差を低減することを可能にする。第1位相差フィルム及び第2位相差フィルムは、一方の位相差フィルムを通過する少なくとも一部の光がまた、他方の位相差フィルムを通過するように、層状の配置で光学体に配置されているため、利用可能な領域上での特定の位置(例えば、ゾーン)において、光学体の全体的な位相差は、その位置における個々の位相差フィルムの位相差の組み合わせである。このように、第1の処理されたゾーンと第2の処理されたゾーンとの間で所望される空間的な重なり合いの量によって(存在する場合は)、光学体はパターン化され、1つの場所において、個々の第1位相差フィルム及び第2位相差フィルムの最初の位相差の寄与である第1の全体的な位相差を呈し、他の場所では、第1位相差フィルムの最初の位相差、及び処理された第2フィルムの低減された位相差(これはゼロ位相差であり得る)を含む第2の全体的な位相差を呈し、更に他の場所では、第2位相差フィルムの最初の位相差の寄与と、処理された第1フィルムの低減された位相差を含む第3の全体的な位相差を呈し、更に他の場所では、処理された第1及び第2位相差フィルムの低減された位相差の寄与を含む第4の全体的な位相差を呈する。
本出願はしたがって、とりわけ第1位相差フィルム、第2位相差フィルム、及び第1遮蔽層を含む複合位相差フィルムを開示する。第1位相差フィルムは、第1の光の位相差を提もたらし、かつ第1吸収特性を有する。第2位相差フィルムは、第2の光の位相差を提供し、第2の吸収特性を有する。第1遮蔽層は、第1位相差フィルムと第2位相差フィルムとの間に配置されてもよく、書き込み波長を含む光を少なくとも部分的に遮蔽するように適合される。第1吸収特性は、書き込み波長を含む光に暴露された際に、第1位相差フィルムの構造的一体性を維持したままで、第1の光の位相差を第3の光の位相差に変えるのに十分な量で第1位相差フィルムを吸収加熱するのに好適である。第2の吸収特性は、書き込み波長を含む光に暴露された際に、第2位相差フィルムの構造的一体性を維持したままで、第2の光の位相差を第4の光の位相差に変えるのに十分な量で第2位相差フィルムを吸収加熱するのに好適である。
第1及び第2の光の位相差は実質的に同じであってもよく、又は実質的に異なっていてもよい。例えば、第1の光の位相差は1/2波長位相差であってもよく、第2の光の位相差は1/4波長位相差であってもよい。第3の光の位相差は、第1の光の位相差よりも小さくてもよく、第4の光の位相差は第2の光の位相差よりも小さくてもよい。第1位相差フィルムは第1進相軸を有してもよく、第2位相差フィルムは第2進相軸を有してもよく、第1進相軸及び第2進相軸は実質的に平行であってもよく、又は垂直であってもよく、ないしは別の方法で所望のとおり方向付けられてもよい。第1位相差フィルム及び第2位相差フィルムは、複合フィルム又は光学体の内部層であってもよい。いくつかの場合では、複合フィルムは、第5の光の位相差をもたらす第3位相差フィルムと、第3位相差フィルムと、第1及び第2位相差フィルムのうちの少なくとも1つとの間の第2遮蔽層と、を更に含んでもよい。第3位相差フィルムは、書き込み波長を含む光に暴露された際に、第3位相差フィルムの構造的一体性を維持したままで、第5の光の位相差を第6の光の位相差に変えるのに十分な量で第3位相差フィルムを吸収加熱するのに好適な第3吸収特性を有してもよい。代表的な実施形態では、様々な遮蔽層及び様々な位相差フィルムの吸収特性は、それぞれの位相差フィルムの位相差が、複合位相差フィルム又は本体における他の位相差フィルムの位相差とは実質的に独立して変更できるように適合される。
第1及び第2位相差フィルムの進相軸が平行な場合、それらの位相差は加法的である。即ち、複合フィルムの位相差は、第1及び第2のフィルムの位相差の合計を含み、個々のフィルムのうちの1つの位相差が選択的な熱処理によって低減されるか、又は取り除かれる場合、複合フィルムの位相差は減少する。他方では、第1及び第2位相差フィルムの進相軸は垂直であってもよく、この場合、それらの位相差は減法的である。即ち、複合フィルムの位相差は、第1及び第2のフィルムの位相差の差を含み、個々のフィルムのうちの1つの位相差が選択的な熱処理によって低減されるか、又は取り除かれる場合、複合フィルムの位相差は増加する。いくつかの場合では、第1及び第2位相差フィルムの進相軸は、0度よりも大きく90度よりも小さい中間角度で方向付けられてもよい。
パターン化位相差フィルムの作製の関連方法もまた開示される。そのような方法は、第1の光の位相差をもたらす第1フィルムと、第2の光の位相差をもたらす第2フィルムと、を含む複合位相差フィルムであって、第2フィルムは、第1フィルムによって伝播された少なくとも一部の光が、第2フィルムに衝突するように配置される、複合位相差フィルムを設けることと、複合位相差フィルムにおいて第1光ビームを方向付けて、第2の光の位相差を実質的に変えることなく、第1の光の位相差を第3の光の位相差に変えることと、複合位相差フィルムにおいて第2光ビームを方向付けて、第1の光の位相差を実質的に変えることなく、第2の光の位相差を第4の光の位相差に変えることと、を含む。
複合位相差フィルムにおいて第1光ビームを方向付ける手順は、第1ゾーンにおいて第1フィルムを選択的に加熱して、第1ゾーンにおいて第1の光の位相差を第3の光の位相差に変えてもよく、複合位相差フィルムにおいて第2光ビームを方向付ける手順は、第1ゾーンとは異なる第2ゾーンにおいて第2フィルムを選択的に加熱し、第2ゾーンにおいて第2の光の位相差を前記第4の光の位相差に変えてもよい。複合フィルムが、異なる第1、第2、及び第3フィルムの位相差を第1ゾーン及び第2ゾーンの異なる部分で呈するように、第1ゾーン及び第2ゾーンが部分的に重なり合ってもよい。第1光ビームは、書き込み波長を含んでもよく、第2光ビームも書き込み波長を含んでもよく、複合フィルムは、書き込み波長の光を少なくとも部分的に遮蔽する遮蔽層を含んでもよい。第1及び第2の光の位相差は実質的に同じであってもよく、又は実質的に異なっていてもよい。例えば、第1の光の位相差は1/2波長位相差であってもよく、第2の光の位相差は1/4波長位相差であってもよい。第3の光の位相差は、第1の光の位相差よりも小さくてもよく、第4の光の位相差は第2の光の位相差よりも小さくてもよい。第3の光の位相差及び第4の光の位相差のうちの少なくとも1つは、実質的にゼロ位相差であってもよい。
本発明者らは、いくつかの層状の配置でパターン化可能な位相子、及び位相子以外のパターン化可能な光学フィルムを含む、複合光学フィルム又は光学体を作製する技法を開発した。パターン化可能な位相子は、例えば、簡易な積層によってパターン化可能な光学フィルムに接続されてもよい。パターン化可能な位相子はそれ自体が、上記の2つ又はそれ以上の個々にパターン化可能な位相差フィルムを有する複合構造体を有してもよく、あるいはそれは単に単一の位相差層又はフィルム構造体を有してもよい。パターン化可能な位相子及びパターン化可能な光学フィルムの吸収特性は、複合光学フィルム又は本体のこれら2つの構成要素が、パターン化可能な光学フィルムを実質的に修正することなく、選択された場所において、パターン化可能な位相子を修正することができる好適な光学的放射を使用して、個々に異なるパターンにおいてプロセスされ得る、又は処理され得るように調整され、逆もまた同様である。この修正は主として、光学的放射の吸収から得られる熱を使用して、関連層内の1つ以上の複屈折材料の低減された複屈折性に関連する場合がある。いくつかの場合では、パターン化可能な光学フィルムは、その(正反射)反射特性がマイクロ層間(マイクロ層の少なくとも一部は複屈折性である)の界面から反射された光の強め合う干渉及び弱め合う干渉によって大部分において決定される、マイクロ層の1つ以上のパケットを有するパターン化可能な多層光学フィルムであってもよく、又はこれを含んでもよい。いくつかの場合では、パターン化可能な光学フィルムは、別個の第1相及び第2相内に分離された、少なくとも第1材料及び第2材料を含む混合層を有する、パターン化可能な拡散反射性フィルムであってもよく、又はこれを含んでもよく、これらの材料又は位相の少なくとも1つは複屈折性である。いずれかの場合において、パターン化可能な光学フィルムの反射率(拡散反射率及び/又は透過を含め)は、第1の所望のパターンに従って空間的に修正されてもよく、パターン化可能な位相子の位相差は、第1のパターンと異なり得るが、少なくとも部分的に第1のパターンと位置合わせされ得る第2の所望のパターンに従って空間的に修正されてもよい。そのようなパターン化光学フィルム又は本体は、空間的に非均一な反射率及び位相差が必要であるか、又は望ましい用途(例えば特定のディスプレイ又は警備用途において)で有用である場合がある。
本発明者らはしたがって、例えば、第1の光の位相差をもたらす位相差フィルムと、第1の反射特性をもたらす光学フィルムとを、いくつかの層状の配置において含む複合フィルム又は本体を開示する。位相差フィルムによって透過された少なくとも一部の光は、光学フィルムに衝突する。位相差フィルムは、第1光ビームに暴露された際に、光学フィルムの第1反射特性を変えることなく、かつ、位相差フィルムの構造的一体性を維持したままで、第1の光の位相差を第2の光の位相差に変えるのに十分な量で位相差フィルムを吸収加熱するのに好適な第1吸収特性を有してもよい。光学フィルムは、第2光ビームに暴露された際に、位相差フィルムの第1の光の位相差を変えることなく、第1の反射特性を第2の反射特性に変えるのに十分な量で光学フィルムを吸収加熱するのに好適な第2の吸収特性を有してもよい。
第2の吸収特性は、第2光ビームに暴露された際に、光学フィルムの構造的一体性を維持したままで、第1の反射特性を第2の反射特性に変えるのに十分な量で光学フィルムを吸収加熱するのに好適であってもよい。光学フィルムは、第1の反射特性をもたらすように、強め合う干渉又は弱め合う干渉によって光を選択的に反射するように配置された第1群のマイクロ層を含んでもよく、第1群のマイクロ層は複合フィルムの内部であってもよい。光学フィルムは代わりに、混合層を含んでもよく、少なくとも第1材料及び第2材料は混合層内で別個の第1相及び第2相に配列されている。第1相及び第2相のうちの少なくとも1つは、複屈折性である連続相であってもよい。いくつかの場合では、光学フィルム及び位相差フィルムは、共押出ポリマーフィルムの構成要素であってもよい。例えば、第1相差層は、共押出ポリマーフィルムの内部層又は表面薄層であってもよい。
本発明者らは、パターン化フィルムの作製方法も開示する。そのような方法は、光学フィルム及び位相差フィルムをいくつかの層状の配置で含む複合フィルムを設けることであって、光学フィルムは第1の反射特性をもたらし、位相差フィルムは第1の光の位相差をもたらす、複合フィルムを設けることと、複合フィルムにおいて第1光ビームを方向付けて、第1ゾーンにおいて第1の光の位相差を実質的に変えることなく、第1ゾーンにおいて、第1の反射特性を異なる第2の反射特性に変えることと、フィルムにおいて第2光ビームを方向付けて、第2ゾーンにおいて第1の反射特性を実質的に変えることなく、第2ゾーンにおいて第1の光の位相差を異なる第2の反射特性に変えることと、を含み得る。
複合フィルムを設けることは、第1及び第2ポリマー材料を共押出することを含み得る。光学フィルムは、第1反射特性をもたらすように、強め合う干渉又は弱め合う干渉によって光を選択的に反射するように配置された第1群のマイクロ層を含んでもよい。いくつかの場合では、位相差フィルムは、複合フィルムの内部層又は表面薄層であってもよく、一方、他の場合では、位相差フィルムは、複合フィルムの内部層であってもよい。いくつかの場合では、光学フィルムは、別個の第1相及び第2相に配列された少なくとも第1材料及び第2材料を内部に有する混合層を含んでもよく、第1の反射特性は、第1の拡散反射特性であってもよい。
複合フィルム(例えば位相差フィルム)の少なくとも1つの層又は部分の光学特性は、1つの領域又はゾーンで選択的に修正することができ、複合フィルム(例えば、他の位相差フィルム、又は多層光学フィルム、又は拡散反射フィルム)の異なる層又は部分の異なる光学特性は、複合フィルムの異なる領域又はゾーンで選択的に修正することができるため、本開示の技法の少なくとも一部は、二段階のパターン化を指す場合がある。複合フィルムの所与の層又は部分の光学特性の修正は、かかる層又は部分内の材料の複屈折性を、選択的に加熱することによって低減する、又は排除することによって達成するのが好ましい。加熱は、複合フィルムにおいて、光ビームを方向付けることによって少なくとも部分的にもたらすことができ、光ビームは、複合フィルムの所与の層又は部分内の材料の少なくとも1つが吸収性である書き込み波長を含む。x及びy(面内)方向において、選択された面内領域又はゾーンのみが光に暴露されるように、適切に光ビームを成形することによって、加熱が複合フィルムの選択される面内領域又はゾーンにパターン方式で適用され得る。z(厚さ)方向において、以下で更に記載されるように、方向付けられた光ビームの好適な供給特性と組み合わせて、複合フィルムの好適な設計により、フィルムの異なる選択される内部に加熱が適用され得る。少なくともいくつかの場合において、内部のパターン化は、複合フィルムへの圧力の任意の選択的な適用なくして、及び複合フィルムの任意の顕著な薄化なくして達成することができる。
二段階のパターン化を可能にする構成要素のフィルム及び層の吸収特性は、好適な吸収剤を、複合層の構造体に使用される1つ以上の材料内に組み込むことによって、及び/又は1つ以上のそのような材料の天然若しくは固有の吸収性に依存して調整することができる。フィルムが複合フィルムの利用可能な領域にわたって、任意の所望な位置又はゾーンにおいてプロセスされるか、又は処理することができるように。複合フィルムの構成要素フィルム及び層それぞれの吸収性(天然であろうと、又は吸収剤によって促進されものであろうと)は、フィルムの面において実質的に、空間的に均一であることが好ましい。
遮蔽層が使用される場合において、それはまたSTOFフィルムであってもよく、すなわち、その反射特性は、熱誘起複屈折の低減のメカニズムによって、好適な放射ビームの適用によって修正することができる。かかる場合では、遮蔽層は、パターン化中に1つの構成要素フィルムを、複合構造体の他方から孤立させるために使用され、遮蔽層は、それ自体が、その利用可能な領域の一部の上で、又はその全体の利用可能な領域の上で、遮蔽層がその最終的な形態で複合構造体に寄与する複屈折又は位相差の量を低減するように、又はこれを最小限にするように、他の好適な放射ビームで処理されてもよい。
関連する方法、システム、及び物品も述べられる。
本願のこれらの態様及び他の態様は、以下の詳細な説明から明らかとなろう。しかし、決して、上記概要は、請求された主題に関する限定として解釈されるべきでなく、主題は、手続処理の間補正することができる添付の特許請求の範囲によってのみ規定される。
二段階のしるしを形成するように、複合フィルムの異なる部分又はゾーンにおいて異なる光学特性をもたらすために、その複数の段階において別個にパターン化された、複合光学フィルムのロールの斜視図。 3つの機能層若しくはフィルム、及び2つの遮蔽層を含む複合フィルムの一部の概略側面、即ち断面図。 多層光学フィルムの一部の概略側面図。 拡散反射光学フィルムの一部の概略側面図。 図1の複合光学フィルムの一部の概略断面図。 内部パターン化を組み込んだ別の複合光学フィルムの一部の概略断面図。 内部パターン化を備える別の複合光学フィルムの一部の概略断面図であるが、二段階のフィルムで別個に達成される。 様々な反射性STOFフィルムの製造の異なる段階に関して、マイクロ層パケットの2つの交互のマイクロ層の、あるいは混合層の2つの別個のポリマー材料の各屈折率(nx、ny、nz)を示す、理想化されたプロット。 様々な反射性STOFフィルムの製造の異なる段階に関して、マイクロ層パケットの2つの交互のマイクロ層の、あるいは混合層の2つの別個のポリマー材料の各屈折率(nx、ny、nz)を示す、理想化されたプロット。 様々な反射性STOFフィルムの製造の異なる段階に関して、マイクロ層パケットの2つの交互のマイクロ層の、あるいは混合層の2つの別個のポリマー材料の各屈折率(nx、ny、nz)を示す、理想化されたプロット。 様々な反射性STOFフィルムの製造の異なる段階に関して、マイクロ層パケットの2つの交互のマイクロ層の、あるいは混合層の2つの別個のポリマー材料の各屈折率(nx、ny、nz)を示す、理想化されたプロット。 反射性STOFフィルムに関して本明細書で議論する技術を用いて達成され得る様々な変換を要約する概略図。 複合フィルムを選択的に加熱して内部パターン化を達成するための装置の概略側面図。 その構成要素である光学フィルムの少なくとも2つの別個の処理又はパターン化を可能にするように具体的に設計され、即ち、それは二段階の内部パターン化のために設計されている複合フィルムの側面図。 二段階の内部パターン化のために適合された別の複合光学フィルムの概略側面図。 描かれているゾーンの形成が可能なフィルムに対して、その上に光ビームの可能性のある経路が重ねられている、内部にパターン化された複合光学フィルムの種々の第2ゾーンの概略平面図。 描かれているゾーンの形成が可能なフィルムに対して、その上に光ビームの可能性のある経路が重ねられている、内部にパターン化された複合光学フィルムの種々の第2ゾーンの概略平面図。 描かれているゾーンの形成が可能なフィルムに対して、その上に光ビームの可能性のある経路が重ねられている、内部にパターン化された複合光学フィルムの種々の第2ゾーンの概略平面図。 光ビームの相対的強度を、光ビームがフィルム内に伝播するときの深さの関数として示す理想化されたプロットであり、異なる3つの光学フィルムに対して3つの曲線が示されている。 3つの曲線が図9Aの3つの曲線と対応する、フィルム内の深さ及び軸方向の位置の関数として局所的な吸収係数を示す理想化されたプロット。
図中、同様の参照番号は同様の構成要素を示す。
少なくともいくつかの開示される実施形態において、本明細書において記載される二段階のパターン化技術は、パターン化を達成するためにフィルムの選択的薄化に依存しないパターン化技術を利用し得る。例えば、選択された(処理された)ゾーンにおいてフィルムの物理的一体性を実質的に維持する一方で、選択されたゾーンにおいて(しかし隣接するゾーンにおいてではない)、フィルム内の少なくとも1つの材料の屈折性が低減されない、又は削減されないような方法で、隣接するゾーンに対して選択されたゾーンにおいて、フィルムの光学特性を変更するように、二段階の内部パターン化は、複合光学フィルムが少なくとも1つのゾーンにおいて、いずれかの選択的な圧力の適用を用いずに、このフィルムを好適に方向付けられた放射に暴露することによって選択的に加熱される、内部パターン化技法を利用してもよい。フィルムの様々な処理されたゾーン及び未処理ゾーンは、実質的に同じ全体的フィルム厚さを有してもよく、又はいずれにせよ、種々のゾーン間における光学特性の相違は実質的に、ゾーン間におけるフィルム厚さのいかなる差にも起因し得るものではない。更に、異なるゾーン間の光学特性におけるいずれかの差は、フィルムの表面の質感、粗さ、又は他の表面効果に実質的に寄与しないことが好ましい。PCT国際公開WO 2010/075357号(Merrillら)の「Internally Patterned Multilayer Optical Films Using Spatially Selective Birefringence Reduction」及び米国特許出願公開第61/360,124号(代理人整理番号66469US002)、「Diffuse Reflective Optical Films With Spatially Selective Birefringence Reduction」(2010年6月30日出願)を参照のこと。
図1は、複合フィルム110の構成フィルム若しくは層(図1には示さず)の空間的に選択的な複屈折低減を使用して、パターン化されているか、又は空間的に調整されている複合光学フィルム110示す。2段階のパターン化は、別個のゾーン112、114、116を確定し、これは図示のとおり、しるし「3M」を形成するように成形されているが、任意の他のパターンを規則的に若しくは不規則的に、繰り返して若しくは非繰返しのいずれか作ることができる。フィルム110は、本明細書において記載される方法は高容積のロールツーロールプロセスと有利に適合するため、ロールに巻かれた長い可撓性材料として図示される。しかしながら、この方法は可撓性ロール物品に限定されず、小さい断片又はサンプル並びに非可撓性フィルム及び物品に実施することができる。
「3M」のしるしは、異なるゾーン112、114、116は異なる光学特性を有するため、肉眼又は光学構成要素若しくは装置を元いて検出可能である。示されている実施形態では、ゾーン112は第1の複合光学特性を有し、ゾーン114は、第1の複合光学特性とは異なる第2の複合光学特性を有し、ゾーン116は、第1及び第2の複合光学特性とは異なる第3の複合光学特性を有する。フィルム110上の任意の特定された位置又はゾーンにおいて、これらの「複合光学特性」は、複合フィルム110の構成する構成要素の光学特性からなり、これによって別個の層又はフィルム、それらの組み合わせは複合フィルムそれ自体の全体の光学特性、即ち特定された位置若しくはゾーンにおける「複合光学特性」を提供する。
例えば、ゾーン112における第1の複合光学特性は、第1位相差フィルムの第1位相差及び第2位相差フィルムの第2位相差の組み合わせであってもよい。そのような場合は、ゾーン114の第2の複合光学特性は、次いで第1位相差フィルムの(修正された)第3位相差及び第2位相差フィルムの(未修正の)第2相差の組み合わせであってもよく、一方でゾーン116の第3の複合光学特性は、第1位相差フィルムの(未修正の)第1位相差と第2位相差フィルムの(修正された)第4位相差の組み合わせであってもよい。あるいは、ゾーン114の第2の複合光学特性は、次いで第1位相差フィルムの(修正された)第3位相差及び第2位相差フィルムの(未修正の)第2相差の組み合わせであってもよく、一方でゾーン116の第3の複合光学特性は、第1位相差フィルムの(修正された)第3位相差と第2位相差フィルムの(修正された)第4位相差の組み合わせであってもよい。更に他の代替では、ゾーン114の第2の複合光学特性は、第1位相差フィルムの(修正された)第3位相差及び第2位相差フィルムの(修正された)第4位相差の組み合わせであってもよく、一方でゾーン116の第3の複合光学特性は、第1位相差フィルムの(未修正の)第1相差と第2位相差フィルムの(修正された)第4位相差の組み合わせであってもよい。
いくつかの場合では、複合フィルム110は、可視スペクトルにわたって反射率若しくは吸収性をほとんど又は全く有さないパターン化位相子のみをもたらしてもよい。かかる場合では、フィルム110は、ヒト観察者の肉眼に対して実質的に均一な(パターン化されていない)ウィンドウフィルムとして見え得る。パターン化位相差は、しかしながら、例えば交差させた偏光子間にフィルム110を配置することによって、そのような観察者に可視状態となることができる。反射率及び/又は吸収性は、可視スペクトル外の波長において、例えば赤外波長域において1つ以上の遮蔽層によってもたらされてもよい。
他の場合では、複合フィルム110は、パターン化位相差及びパターン化反射率を可視スペクトルにわたってもたらすことができる。そのような場合では、フィルム110のパターン化反射率は典型的に、反射性が少なくとも部分的にスペクトルの可視領域にある限り、ヒト観察者の肉眼にとって目立つ。位相差パターンは反射性パターンとは異なる場合があるが、それと部分的に位置合わせされてもよく、例えば高反射率が別個のゾーンの規則的な格子に提供されている場合、高い若しくは低い位相差が、高い反射率ゾーンの一部とのみ位置合わせされている、より少ない数のゾーンにおいてもたらされてもよい。反射率は、例えば略平面のマイクロ層のパケットを有する多層光学フィルムによってもたらされるように、実際は正反射性であってもよく、あるいは、反射性、混合層において別個の第1相及び第2相に配置された少なくとも第1材料及び第2材料を有する混合層によって提供されるように、実際は拡散してもよい。反射率はまた、光の偏光状態による場合がある。
いくつかの場合では、フィルム110は少なくとも部分的に光透過性であってもよい。そのような場合では、並びにフィルム110がそのゾーン112、114、116において異なる反射率を有する場合には、これらのゾーンもまた、それら各自の反射特性に対応する異なる透過特性を有する。一般的に、当然ながら、透過率(T)+反射率(R)+吸収率(A)=100%、即ち、T+R+A=100%である。透過した光及び/又は反射した光を有意に拡散的に散乱させることができるフィルムを検討するとき、Tは半球透過率(即ち、光源と反対側のフィルムの面上でフィルムを出る全ての光。2πの立体角内におけるその伝播方向に関係なく)を表すことができ、Rは同様に、半球反射率(即ち、光源として、フィルムの同じ面上のフィルムを出る全ての光。2π立体角内の伝搬方向に関係なく)を表すことができるということに留意する必要がある。いくつかの実施形態において、フィルムは、波長スペクトルの少なくとも一部にわたり低い吸収率を有する材料から全体的に構成される。このことは、熱の送達を促進するために吸収染料又は顔料を添加したフィルムに対しても当てはまることがあるが、それは、一部の吸収材料は吸収率において波長に依存するからである。例えば、近赤外波長領域において選択的に吸収するが、可視スペクトルにおいてほとんど吸収しない赤外染料が利用可能である。スペクトルのもう一方の側で、光学フィルムの文献において低損失とみなされている多くのポリマー材料は、可視スペクトルの全体にわたって低損失を有するが、特定の紫外線波長では相当な吸収性を有する。したがって多くの場合、フィルム110は可視スペクトルなどの波長スペクトルの少なくとも限定された部分にわたり、少ないか又は極僅かな吸収率を有し得るが、この場合この限定された領域にわたる反射率及び透過率は、T+R=100%−AでありAは小さいために、相補的な関係性を有する。
T+R≒100%
本明細書の他で言及したように、異なるパターン化ゾーン(例えばゾーン112、114、116)における複合フィルム(例えばフィルム110)の異なる光学特性はそれぞれ、フィルムの表面又は他の表面特徴に適用されたコーティングの結果というよりはむしろ、複合フィルムである、又は複合フィルムの内部である構造的特徴(例えば、多層光学フィルム内のマイクロ層のスタック、又は混合層内の別個の第1相及び第2相)、あるいはバルク材料(例えば複屈折性位相差フィルムの対向する外側表面間に配置された複屈折性材料)の結果である。内側機構は複製又は偽造するのが困難であるため、開示されるフィルムのこの態様は、セキュリティ上の用途(例えば、フィルムが信頼性の指標として製品、パッケージ又は文書への適用を意図される場合)においてこれらを有益にする。
第1、第2及び第3の複合光学特性は、観察者又は機械によるパターンの検出を可能にするために、少なくともいくつかの観察条件下において知覚可能な、なんらかの様式において互いに異なる。いくつかの場合において、パターンがほとんどの観察及び照明条件下において、人間の観察者にとって顕著であるように、可視波長における様々な複合光学特性の間の差異を最大化することが望ましい場合がある。他の場合において、様々なフィルム反射特性の間の微妙な差のみを提供するか又は一定の観察条件下においてのみ顕著な差異を提供することが望ましい場合がある。いずれにせよ、第1、第2及び第3の複合光学特性の間における差異は、好ましくは、フィルムの異なる隣接するゾーンにおける光学フィルムの内側機構の屈折率特性における差異に主に起因し得るが、隣接するゾーンの間の厚さの差異にも、又は表面に関する機構にも主に起因することはない。
屈折率におけるゾーン間の差は、複合フィルムの設計によって、光学特性において様々な差を生み出すことができる(拡散及び/又は鏡面反射率と組み合わせた任意の位相差。全体のフィルム及び/又はその構成内側層の一部にかかわらず)。例えば、いくつかの場合では、第1、第2、及び第3の複合光学特性は、複合フィルムの異なる量の位相差に対応する。
拡散反射混合層を含む実施形態では、第1の複合光学特性は、例えば可視波長範囲にわたって最小、最大、平均反射率(又は透過)の値であってもよく、又はこれを含んでもよく、ここでは反射率(又は透過)は、特定の偏光状態の入射ビームに関して、並びに入射ビームに対して反射された(又は透過した)方向の特定の立体角内の反射した(又は透過した)光に関して、あるいは、例えばフィルムの入射光側(又は反対側)上の半球(2π)立体角内で測定されてもよい。第2の複合光学特性は、同じ特定の入射光に及び第1の特性としての測定条件に関して、実質的に異なる(大きいか又は少ないかどうか)最小、最大、又は平均反射率又は透過率値を有する第1のものとは異なる場合がある。更に、第1及び第2の複合光学特性のうちの1つは、ウィンドウフィルムの場合では、1つの偏光状態の入射光に関して少なくとも、高度に透過性であり、低散乱性の外見に実質的に一致する。
マイクロ層のパケットを含む鏡面反射性多層光学フィルムを含む実施形態では、第1の光学特性(複合フィルム全体及び/又はその構成要素のうちの1つに関わらず)は、所与の中心波長と共に第1反射帯域、帯域端、及び最大反射率を含んでもよく、並びに第2の光学特性(複合フィルム全体及び/又はその構成要素のうちの1つに関わらず)は、中央波長及び/又は第1の反射帯域に対する帯域端において似ているが、第1反射帯域とは実質的に異なる最大反射率(より大きか、又はより小さいかかどうか)を有する第2反射帯域を有することによって第1の光学特性とは異なる場合があり、あるいは第2反射帯域は、第2の光学特性には実質的に存在しない場合がある。これらの第1及び第2反射帯域は、フィルムの設計により、1つのみの偏光状態の光と関連してもよく又は任意の偏光状態の光と関連してもよい。
したがって、例えば、第1の反射特性(これは実際は拡散又は正反射であり得る)は、ゾーン112において、入射光の特定条件(例えば、特定の方向、偏光、及び波長、例えば垂直入射の非偏光可視光、特定の面内の方向に沿って偏光した垂直入射の可視光)に関して関心の波長範囲でピーク又は平均反射率Rを有してもよい。ゾーン114、116における低減された複屈折は、第2の反射特性(これは再び、実際は拡散性又は正反射性)、例えば、入射光の同じ特定の条件に関して関心の同じ波長範囲において異なるピーク、又は平均反射率Rを生む場合がある。R及びRは、同じ照明及び観察条件下で比較され、例えば、R及びRは、特定の入射条件に関して、フィルムの入射光側上の半球反射率として測定されてもよい。R及びRが百分率で表現される場合、RはRと少なくとも10%又は少なくとも20%又は少なくとも30%異なってもよい。明確な例として、Rは70%であり得、Rは60%、50%、40%以下であり得る。あるいは、Rは10%であり得、Rは20%、30%、40%以上であり得る。R及びRはまた、これらの比率を取ることによって比較され得る。例えば、R/R又はその逆数は、少なくとも2、又は少なくとも3であり得る。
いくつかの場合では第1及び第2の光学特性は、視覚を伴う反射率の、それらの依存性において異なってもよい。例えば、第1の光学特性は、垂直入射において所与の中央波長、帯域端及び最大反射率を有する第1反射帯域を含んでもよく、第2の光学特性は、垂直入射において第1反射帯域のこれらの態様と非常に似た第2反射帯域を含んでもよい。しかしながら入射角が増加すると、第1反射帯域及び第2反射帯域の両方がより短い波長へとシフトし得るにもかかわらず、これらの各最大反射率は互いに大きくずれる場合がある。例えば、第1の反射帯域の最大反射率は一定にとどまってもよく、又は入射角の増加と共に増加してもよく、その一方で第2の反射帯域の最大反射率、又はそのp偏光構成要素は、例えば垂直入射からブリュースター角までの範囲において、増加する入射角と共に減少してもよい。
少なくとも1つの多層光学フィルムを含む実施形態では、第1の光学特性と第2の光学特性との間で上記の差は、可視スペクトルの部分を被覆する反射帯域に関連してもよい。そのような差は、これらの場合では、フィルムの異なる面内ゾーン間の、色における差として認識される場合がある。
第1の反射特性は、フィルム上で垂直な所与の偏光状態の光に関する所与の最小、最大、又は平均反射率、又は透過率を有してもよく、第2の反射特性は同じ入射条件の光に関して同じ、又は同様な反射率又は透過率を有してもよい。入射角が増加するにつれて、しかしながら、値はその第1の特性に関して増加し、第2の特性に関して減少する場合があり、またその逆もあり得る。あるいは値は、一方の特性に関しては比較的一定のままである場合があり、他方に関しては実質的に増加又は減少する場合がある。少なくとも1つの拡散反射特性の混合層を含む実施形態では、異なる第1及び第2の拡散的に反射性特性は、所与の偏光状態の垂直入射光に関して可視波長にわたって同じ又は同様な平均反射率を呈する場合があるが、入射角が増加すると、第1ゾーンにおけるフィルムの平均反射率(第1の拡散的に反射性特性に対応する)は増加する場合があり、その一方で第2ゾーンにおけるフィルムの平均反射率(第2の拡散的に反射性特定に対応する)は減少する場合がある。
図2は、第1、第2、及び第3の機能層、即ちフィルム212、216、220、並びに第1及び第2の遮蔽層214、218を含む複合フィルム210の一部分の概略側面又は断面図である。これらの構成要素は、任意の好適な手段によって、例えば積層、共押出、及び/又は他の既知の方法によって層状の配置において互いに接続され、図示されているように複合フィルム210を作る。複合フィルム210は典型的に、z方向において比較的限定された厚さを有し、典型的に面内x方向及びy方向に沿って延びる。フィルム210の空間的にパターン化は次いで、概ねx−y面に沿って画定されるが、1つのパターン化操作は、1つの光ビームを使用して1つの構成層若しくはフィルム上で選択的に実施されてもよく、異なるパターン化操作は、異なる光ビームを使用して、異なる構成層、即ちフィルム上に選択的に実施することができる。この選択的なパターン化は、異なるパターン化操作を実施するための、機能層の適切な選択、遮蔽層の適切な選択、及び使用される光ビームの適切な選択により可能になる。複合フィルム内部で異なってパターン化された層又はフィルムの光学特性は、次いで複合フィルムの利用可能な領域にわたってそれぞれ(x,y)位置において組み合わせて、複合層の空間的に非均一な光学特性を定義する。
複合フィルム210は示されているように、前側、即ち頂面210a、及び後ろ側、即ち底面210bを有する。簡略された実施形態では、複合フィルム210の第3機能層220及び第2遮蔽層218は省略されてもよい。
最初に、本発明者らは、機能層212、216、220の全てが位相差フィルムであると仮定する。複合フィルム210の二段階のパターン化を実施するために、第1放射エネルギービームは、頂面210aに衝突する。この放射ネルギーは例えばレーザー源から偏光されてもよく、一直線にされてもよく、又はその両方であってもよい。放射エネルギーは、書き込み波長、例えば波長帯域幅を含む。放射エネルギーは、レーザー源によって生成されてもよいが、非レーザー源もまた使用されてもよい。位相差フィルム212、216、220の吸収特性は、これらのフィルムのそれぞれで使用するために選択された対応材料と組み合わせて調整され、それらを徐々に、入射放射エネルギーの一部の吸収によって生じた処理に対して、より敏感にすることができる。即ち、フィルム220における複屈折性は、フィルム216に関して必要とされるものよりも低い、局所的な放射エネルギーの強度で熱的に弛緩することができ、フィルム216の複屈折性は、フィルム212に関して必要とされるよりも低い局所的な強度で熱的に弛緩してもよい。遮蔽層214、218(これは例えば赤外線反射多層光学ミラーフィルム、又は偏光フィルム)は、少なくとも部分的に放射エネルギーの強度を低減することができ、これはさもなければ、頂面210aの観点から、その下の層及びフィルムに伝播される。例えば、遮蔽層214及び/又は218は、多層反射偏光子であってもよく、あるいは、それは、書き込み波長に関して垂直入射において高い反射率と、書き込み入射に関して所与の傾斜角において低反射率及び高透過性をもたらす多層ミラーフィルムであってもよい。2つの遮蔽層が使用されるとき、一方は反射性偏光子であってもよく、他方はバンドシフトミラーであってもよい。
個々に処理するため、即ち選択的にパターン化するため、第1位相差フィルム212、ソース強度、走査速度(即ち滞留時間)、偏光、及び頂面210aへの入射角は制御され、第1ビームによって占有された限定領域若しくはゾーン内で局所的にその複屈折性を弛緩するために、フィルム212内で十分な放射強度が存在するように第1放射ビームを提供し、その一方で十分でない放射強度(複屈折性低減に必要な閾値より下)が対応する遮蔽層を通って、下層のフィルム216、220へと伝播される。個々に第2位相差フィルム216を処理するために、ソース強度、走査速度(滞留時間)、偏光、及び頂面210a上の入射角が制御されて、以下のために第2の放射ビームを供給する:(a)不十分な放射強度(複屈折低減のために必要な閾値以下)が第1複屈折フィルム212に存在する;(b)第2ビームによって占有された限定領域又はゾーン内で、十分な放射強度が第2位相差フィルム216に、そのフィルム(これは第1フィルム212よりも処理に対してより敏感である)内の複屈折を低減するために存在する;並びに(c)不十分な放射強度(複屈折低減に必要な閾値以下)が遮蔽層218を通って下層フィルム220に伝播される。最後に、個々に第3位相差フィルム220を処理するために、ソース強度、走査速度(滞留時間)、偏光、及び頂面210a上の入射角が制御されて、以下のために第3の放射ビームを供給する:(a)不十分な放射強度(複屈折低減のために必要な閾値以下)がフィルム212、216に存在する;並びに(b)不十分な放射強度がフィルム212、216、及び遮蔽層214、218を通過し、フィルム220に到達し、したがって第1ビームによって占有された限定領域若しくはゾーン内でフィルム220(これはフィルム212、216よりも処理に対して敏感である)における複屈折を低減する存在する。
より簡略化された実施例では、図2の実施形態を検討するが、フィルム220及び遮蔽層218は省略される。このより簡略化された実施形態では、位相差フィルム212、216のうちの一方は1/4波長位相子であってもよく、他方のフィルムは1/2波長位相子であってもよい。フィルム212、216の進相軸が互いに平行であるならば、並びに、層214がいずれかの面内の位相差を生じさせないならば、フィルム212、216、及び層214によって形成された複合フィルムは次いで空間的に均一な3/4波長フィルムである。この空間的に均一な複合位相差フィルムは次いで、二段階でパターン化され、利用可能な領域上の異なる位置又はゾーンにおいて、異なる量の位相差をもたらすことができる。1/4波長位相差フィルムは、例えば第1放射ビームを用いて第1ゾーンにおいて選択的に熱処理されて、1/4波長フィルム材料の複屈折を実質的に排除し、これによって1/4波長からの位相差を実質的にゼロに低減することができる。複合フィルムは次いで、その第1ゾーンにおいて1/2波長フィルムになる。個々の1/2波長位相差フィルムは、例えば第2放射ビームを用いて、第1ゾーンと重ならない第2ゾーンにおいて選択的に熱処理されて、1/2波長フィルム材料の複屈折を実質的に排除し、これによって1/2波長からの位相差を実質的にゼロに低減することができる。複合フィルムは次いで、その第2ゾーンにおいて1/4波長板になる。第1及び第2の処理されたゾーンが重なる場合は、次いで、重なる領域において、複合フィルムはゼロの合計位相差を有する。この方式において、パターン化フィルムは1つの位置若しくはゾーン(ここではいずれの位相差フィルムも熱処理されていない)において3/4波長の合計位相差を、他の位置若しくはゾーン(ここでは1/4波長位相差フィルムが熱処理されている)において1/2波長を、更に他の位置若しくはゾーン(ここでは1/2波長の位相差フィルムが処理されている)において、1/4波長を、そして更に他の位置若しくはゾーン(ここでは1/2位相差フィルム及び1/4位相差フィルムが処理されている)においてゼロ位相差もたらすことができる。かかる複合フィルムが次いで、低強度の直線偏光した光によって露光され、複合フィルムの進相軸に対して適切に方向付けられる場合は、偏光した光の4つの異なる状態(2つは直交する直線偏光状態、並びに2つは直交する円偏光状態)は、異なる位置若しくはゾーンにおいて複合フィルムを出る。
ある程度均一な広帯域位相差を、関心の波長範囲(例えば可視波長範囲)にわたって得るために、位相差フィルム212、216、220のいずれか、又は全てはそれら自体が2つ以上の複屈折層若しくはフィルムの組み合わせであってもよい。
更なる位相差及び/又は他の層、コーティング、又はフィルム(米国特許第6,368,699号(Gilbertら)を参照)は、複合フィルム構造体の上層若しくは底部層、又は構造体の他の場所に取り付けることができる。本明細書に記載のように、選択的に熱処理可能である、又は熱処理可能でない更なる位相子は、追加の望ましい効果を達成するために、図2の実施形態内に加えられてもよく、例えば様々な層の間に並置されてもよい。更に、1つ以上の位相差フィルム212、216、220は、熱処理可能層の組み合わせと交換されてもよく、組み合わせは次いでパターンの方向で、層の群として同時に熱処理されてもよい。いくつかの場合では、所与の位相差フィルムは、多層光学フィルムの表面薄層若しくは光学的に厚い内側層であってもよく、ここで多層光学フィルムは例えば反射偏光子若しくはミラーであってもよい。多層光学フィルムはまた、それが空間的に調整された光学フィルム(STOF)であり得るような好適な吸収特性を有してもよい。反射フィルム及び位相差フィルムは、例えば、異なる波長において吸収する吸収剤を使用して、異なる放射ビームを用いて個々に熱処理され、別個にパターン化されてもよく、あるいはそれらは組み合わされたプロセスにおいて熱処理されてもよい。
他の実施形態では、図2のパターン化可能な位相差フィルムの少なくとも1つが保持されてもよく、パターン化可能な位相差フィルムの少なくとも他方は、パターン化可能な反射フィルム若しくはSTOFと交換されてもよい。パターン化可能な反射性光学フィルムは、その(正反射)反射特性がマイクロ層間(マイクロ層の少なくとも一部は複屈折性である)の界面から反射された光の強め合う干渉及び弱め合う干渉によって、大部分において決定される、マイクロ層の1つ以上のパケットを有するパターン化可能な多層光学フィルムであってもよく、又はこれを含んでもよい。いくつかの場合では、パターン化可能な反射フィルムは、別個の第1相及び第2相内に分離された、少なくとも第1材料及び第2材料を含む混合層を有する、パターン化可能な拡散反射性フィルムであってもよく、又はこれを含んでもよく、これらの材料又は位相の少なくとも1つは複屈折性である。いずれかの場合において、パターン化可能な反射フィルムの反射率(拡散反射率及び/又は透過を含め)は、第1の所望のパターンに従って空間的に修正されてもよく、パターン化可能な位相子の位相差は、第1のパターンと異なるが、少なくとも部分的に第1のパターンと位置合わせされる場合がある第2の所望のパターンに従って空間的に修正されてもよい。したがって、反射フィルム若しくはSTOFの反射特性は、位相差フィルムにおける位相差のレベルとは本質的に独立して変えられてもよく、その逆もまた同様である。
1つ以上の遮蔽層はそれ自体が複屈折であり得、その場合、それらは有意な位相差を構造体に付与する場合がある。この追加の位相差は、有意である場合、二段階のパターン化可能な複合フィルムの設計において考慮される必要がある。垂直入射遮蔽層に関して、非常に低い又はゼロ免内位相差を備える、等しく2軸延伸されるミラーフィルムを使用することが有利な場合がある。遮蔽層それぞれからの位相差はまた、同一の複屈折層を複合フィルム(例えばその背面において)に追加し、対応する遮蔽層に対して90度回転させることによって、キャンセルすることができる。偏光した遮蔽層が使用されるとき、再び、同一のフィルムが複合フィルムの背面に配置され、追加の位相差をキャンセルしてもよい。位相差プレートの単一スタックにおいて、非垂直及び偏光性能の両方を組み合わせるのが望ましいときは(例えば3つの別個の指定可能な層)、遮蔽層のうちの2つ(例えば図2の214及び218)に関して2つの同一の偏光子を使用するが、それらを90度離して、即ち交差する構成で方向付けることが有利であり得る。非垂直プロセスが次いで使用され、交差した偏光子構造体を、放射エネルギー処理源から、最深の位相差プレート(図2の220)の前で周回してもよい。
開示された二段階のパターン化可能な複合フィルムはデバイス内(例えばディスプレイデバイス)に組み込むことができるため、遮蔽層が、通常の動作条件でデバイスに使用される波長範囲内において、光の比較的高い透過を呈することは有利であることが多い。例えば、デバイスディスプレイが、可視光(例えば波長範囲400〜700nmの光)を使用して撮像する場合、パターン化のために使用される放射エネルギービーム、及びいずれかの遮蔽層のいずれかの反射帯域は、この波長帯域外にあるのが望ましい。更に、いずれの遮蔽層のいずれの反射帯域も、デバイスによって使用される斜めの入射角において、この波長範囲内にシフトしないことが好ましい。したがって、より高度に視準された光を使用するデバイス用途において、複合フィルムは、可視波長範囲に比較的近い左の帯域端(即ち、反射帯域の短波長端)を有する1つ以上の遮蔽層を使用してもよい。遮蔽層が多層の光学フィルムであるとき、より高度に規則付けられた反射が、デバイスによって使用される波長範囲において抑制されることが好ましい。いくつかの場合では、複合フィルムのパターン化のために使用される放射エネルギービームは、紫外線波長範囲であり、遮蔽層は、光学デバイスで使用されるものよりも短い波長の光を遮蔽することができ、その場合、多層の光学フィルムベースの遮蔽層の、より高度な順序の反射は懸案事項ではない。
上記のとおり、遮蔽層はSTOFフィルムであってもよく、即ちその反射特性が、熱誘起複屈折低減のメカニズムによって、好適な放射ビームの適用によって修正することができるように、それは好適な吸収特性を有してもよい。かかる場合では、遮蔽層は、パターン化中に1つの構成要素フィルムを、複合構造体の他方から孤立させるために使用され、遮蔽層は、それ自体が、その利用可能な領域の一部の上で、又はその全体の利用可能な領域の上で、遮蔽層がその最終的な形態で複合構造体に寄与する複屈折又は位相差の量を低減するように、又はこれを最小限にするように、他の好適な放射ビームで処理されてもよい。
開示された複合フリム、及び/又は構成フィルム若しくはその層は、熱固定されてもよく、あるいは寸法安定性を改善するためにフィルム製造後に後処理されてもよい。寸法安定性を改善するために、フィルムはガラスプレートに積層されてもよい。プレートはディスプレイの一部(例えば液晶ディスプレイ(LCD)、又はOLEDディスプレイ)の一部であってもよい。フィルムはディスプレイの他の構成層に接着されてもよく、ないしは別の方法で取り付けられてもよく、あるいは、様々なディスプレイ構成要素の堆積のために、基材として使用されてもよい。いくつかの場合では、放射エネルギー処理の前にガラス若しくはディスプレイに積層されてもよく、ないしは別の方法で接着されてもよく、積層の後に放射エネルギーを用いて処理される。フィルムは再び熱処理されて、ガラス及び最終的な寸法への接着を安定させることができ、例えばフィルムは意図的に縮小されてもよく、クリーププロセスは全体的なディスプレイシステムの更なる処理に必要とされる条件下で寸法安定性を確保するために活性化されてもよい。この方法では、位置合わせは、ディスプレイデバイス内のディスプレイピクセルと共に局所的に、及び全体的なスケールで達成することができる。いくつかの場合では、ディスプレイ構成要素は放射エネルギーに対して無反応である場合があり、複合フィルムは、更なる懸案事項を有さずにディスプレイへの取り付け後に、パターン方向で熱処理されてもよい。他の場合では、ディスプレイ構成要素は図2の最終層220であるようと考えられてもよい。そのような場合、遮蔽層218は次いで、ディスプレイ構成要素を放射処理の影響から保護することができる。更なる変形例(図示せず)では、追加の保護遮蔽層が、図2の複合フィルム210に表面210bで取り付けられてもよく、ディスプレイ要素は次いで以下に、又はその追加の遮蔽層の下に設けられてもよい。例えば、かかる追加の遮蔽層は、例えば層220を処理するのに使用された斜めに伝播する放射エネルギーの伝送を防ぐミラーであってもよい。この方法では、3つの機能層212,216、及び220は個々に異なる放射ビームを用いて処理可能であり、下層の構成要素は損傷から保護される。最終的に、複合層はまた、前面又は頂面(例えば図2の210a)においてガラス基材に載置されてもよい(即ちディスプレイの内側)。かかる構成は、複合フィルムと他のディスプレイ要素との間の距離を最小限にすることによって視差問題の低減に役立つことができる。
全体的に、第1の放射エネルギーで処理可能な、又はパターン化可能な層と、第2の、光学デバイス若しくはグラフィックディスプレイから関心の光を通過しながら、この放射エネルギーを遮蔽する層と、第3の、光学デバイス、即ちグラフィックディスプレイそれ自体を含むシステムが本明細書で意図される。この方式で、光学デバイス、即ちグラフィックディスプレイは、パターン化プロセスによる光学デバイスの損害に対して考慮することなく、組み立ての後に放射エネルギーを使用してパターン化することができる。光学デイバイス、即ちグラフィックディスプレイは能動的でも受動的でもいずれでもよい。
一実施例では、STOFミラーは、半透過型ディスプレイで使用されてもよい。パターン化可能なミラーフィルムの一部は、パターン方向の放射ビーム処理によって、より透明にされてもよい。更に、ミラーフィルムの、より反射性及び/又はより透明な領域を被覆する位相差フィルムの一部は、個々に処理されて、選択された位置における位相差(例えば1/2波長位相差をゼロ位相差に低減する)を除去する、又は低減することができる。パターン化可能なミラーフィルム及び位相差フィルムから構成される複合フィルム、3D半透過型ディスプレイにおいて有用な構成要素であり得る。
本開示の二段階のパターン化可能な複合フィルムの潜在的な用途には、グラフィックディスプレイ及び光学デバイスが挙げられる。例えば、B.M.I.van der Zandeらの「SID Symposium Digest of Technical Papers」(2003、pp.194〜197)を参照のこと。パターン化位相子は、反射型及び半透過型ディスプレイにおける輝度及びコントラスト、透過型ディスプレイにおける視野角を改善するのに、並びに3Dグラフィックディスプレイを形成するのに使用されている。例えば、S.J.Roosendaalらの「SID Symposium Digest of Technical Papers」(2003、pp 78〜81)、Karmanらの「Proc.Eurodisplay」(2002、p.515)、C.H.Tsaiらの「Proc.of SPIE」(Vol.3957(2000)p.142)、英国特許第2,420,188号(Fukaishiら)、米国特許出願公開第2006/0082702号(Jacobsら)、PCT国際公開WO 2004/004362号(Jacobsら)、PCT国際公開WO 2004/003630号(Jacobsら)、及び米国特許第7,116,387号(Tsaiら)を参照のこと。特に位相子は、例えば色の補償及び視野角に関して、ピクセル単位のベースでマルチレベルに制御されてもよい。マルチレベルの位相子、即ち別個の、及び明確に定義された位相差の高値、低値、及び少なくとも1つの中間値を有する複合フィルム、並びに/あるいはパターン化可能な位相差フィルム及びパターン化可能なSTOF反射体の両方を利用する複合フィルムが本用途において使用することができる。
ここで図2Aを参照すると、概略的側面図における多層フィルム230の一部がその内側層を含むフィルムの構造を示すのが確認される。そのようなフィルムは、開示の実施形態では遮蔽層として使用されてもよく、好適な吸収特性を有するためにそれが作製された場合、開示の実施形態でパターン化可能な反射体又はSTOFフィルムとして使用されてもよい。フィルムは局部的なx−y−zデカルト座標との関連において図示され、フィルムはx及びy軸と平行に延び、z軸はフィルム及びその構成層と垂直でありフィルムの厚さ軸と平行である。フィルム230又はその複合フィルムのいずれも全体的に平坦にする必要はない。それらは湾曲していても、あるいは平面からかけ離れるように付形されていてもよく、これらの場合においても、任意に、フィルムの小さな部分又は領域が、図示のように局所的なデカルト座標系と関連付けられ得る。フィルム230は、図2の複合フィルム210の、及び/又は図1の複合フィルム110の遮蔽層及び/又は機能層の1つを、そのゾーン112、114、116のいずれかで表すと見なすことができ、なぜならば複合フィルム110の個々の層若しくはフィルムは、互いから連続して次のそのようなゾーンへ延びるのが好ましいからである。
多層光学フィルムは異なる屈折率を有する個別の層を含み、それによって隣接する層の間の境界面においていくらかの光が反射する。場合により「マイクロ層」と称されるこれらの層は、多数の境界面で反射された光が、強め合う又は弱め合う干渉を受けて多層光学フィルムに所望の反射又は透過特性を提供するために十分に薄い。紫外、可視、又は近赤外の波長で光を反射するように設計される多層光学フィルムに対しては、各マイクロ層は、一般的に約1μm未満の光学的厚さ(物理的な厚さ×屈折率)を有する。しかしながら、多層光学フィルムの外側表面の表面薄層、又はマイクロ層の凝集性の一群(「積み重ね体」又は「パケット」として既知)を分離する、多層光学フィルム内に配置される保護境界層(PBLs)などの、より厚い層もまた含まれ得る。図2Aにおいて、マイクロ層は「A」又は「B」と記されており、「A」層はある材料から構成され、「B」層はそれとは異なる材料から構成されており、これらの層は、交互に並ぶ構成で積み重ねられて、図示のように光学的反復単位又は単位セルORU 1、ORU 2、...ORU 6を形成している。典型的に、完全にポリマー材料から構成される多層光学フィルムは、高反射率が所望される場合、6光学反復単位よりも遥かに多くを含む。この代表的な実施例において、いくつかの実施形態においてその上面がフィルム230の外側表面230aと一致する最上部の「A」層を除き、図2Aに図示される「A」及び「B」の全てがフィルム210の内側層であることに留意する。図の底部における実質的により厚い層232は、図に示されるマイクロ層の積み重ね体を、マイクロ層の別の積み重ね体又はパケット(図示されない)から分離する外側表面薄層又はPBLを表し得る。所望により、例えば、2つ以上の厚い接着剤層で又は圧力、熱又は他の方法の使用により2つ以上の別個の多層光学フィルムが一緒に積層され、積層体又は複合フィルムを形成し得る。
いくつかの場合において、マイクロ層は1/4波積み重ね体に対応する厚さ及び屈折率値を有し得る。即ち、それぞれ同じ光学的厚さの2つの隣接するマイクロ層を有する光学反復単位に構成されており(f比=50%であり、f比は構成層「A」の光学的厚さ対完全な光学反復単位の光学的厚さの比である)、このような光学反復単位は、その波長λが光学反復単位の全体的な光学厚さの2倍である建設的干渉光により反射するために有効であり、本体の「光学的厚さ」とは、その物理的厚さにその屈折率を掛けたものである。他の場合において、光学反復単位のマイクロ層の光学的厚さは互いに異なり、f比は50%超又は50%未満であり得る。図2の実施形態において、「A」層は、一般的に、「B」層よりも遥かに薄いものとして表される。それぞれ表される光学反復単位(ORU 1、ORU 2など)は構成層「A」及び「B」の光学的厚さの合計と等しい光学的厚さ(OT、OTなど)を有し、各光学反復単位は、その波長λがその全体的な光学的厚さの2倍である光を反射する。多層光学フィルムで一般的に使用されるマイクロ層積み重ね体又はパケットにより及び特に本明細書において記載される内部パターン化多層フィルムにより提供される反射性は、マイクロ層間のほぼ平滑で明確な境界面及び典型的な構成体において使用される低いヘイズ値の材料の結果として拡散性ではなく典型的には実質的に鏡面反射性の性質である。しかしながら、いくつかの場合において完成した物品は、例えば、表面薄層及び/若しくはPBL層内の拡散材料を使用して、並びに/又は1つ以上の表面拡散性構造若しくは非平坦な表面を使用して、任意の所望の度合いの散乱を組み込むように調整され得る。
いくつかの場合において、層積み重ね体における光学反復単位の光学的厚さは、全て互いに同じであり、各光学反復単位の光学的厚さの2倍と等しい波長の中央に合わせた狭い反射帯域の高い反射性を提供し得る。他の実施形態では、光学反復単位の光学的厚さは、z軸又はフィルムの厚さ方向に沿った厚さ勾配によって異なってもよく、これにより積み重ね体の一方の側(例えば、頂部)から積み重ね体の他方の側(例えば、底部)に1つ前進するにつれて、光学反復単位の光学的厚さは増加するか、減少するか又は他の何らかの機能的関係に従う。このような厚さ勾配はより広い反射帯域を提供し、実質的にスペクトルの平坦な透過性及び関心のより広い波長帯域にわたり、かつまた関心の全ての角度にわたる光の反射を提供するために使用され得る。米国特許第6,157,490号(Wheatleyら)「Optical Film With Sharpened Bandedge」に記載されているように、高反射と高透過の間の波長遷移における帯域端を急峻にするように調整された厚さ勾配を使用することもできる。「急峻な帯域端を備える光学フィルム」高分子多層光学フィルムに関し、反射帯域は、急峻な帯域端、加えて反射特性が適用される波長範囲にわたって本質的に一定である「フラットトップ」反射帯域を有するように設計され得る。50%ではないF比を有する2つのマイクロ層光学繰り返し単位を有する多層光学フィルムや、光学繰り返し単位が3つ以上のマイクロ層を含むフィルムなどの他の層配列も意図される。これらの代替的な光学反復単位設計が構成されて、一定の高次の反射を低減するか又は誘起することができ、これは所望の反射帯域が近赤外波長に存在するかこの付近まで延びる場合に有用であり得る。米国特許第5,103,337号(Schrenkら)「Infrared Reflective Optical Interference Film」、同第5,360,659号(Arendsら)「Two Component Infrared Reflecting Film」、同第6,207,260号(Wheatleyら)「Multicomponent Optical Body」、及び同第7,019,905(Weber)号「Multi−layer Reflector With Suppression of High Order Reflections」を参照。
厚さ勾配及び光学反復単位設計はしたがって、開示される多層光学フィルムを提供するために、その処理又は非処理ゾーンにおいて、1つの偏光状態の光に関して又は非偏光の光に対して、限定されたスペクトル帯域における実質的な反射率により、所望されるように調整され得る。例えば、実質的な反射率は、実質的に1つのスペクトル帯域のみにわたって(帯域は可視又はスペクトルの他の任意の所望の位置に配置される)、少なくとも50%又は少なくとも60、70、80又は90%以上であり得る。帯域は、例えば、200未満又は150又は100又は50nm以下の帯域幅を有してもよく、これは半値全幅(FWHM)反射率の全幅として測定され得る。上記のように、帯域は、光学反復単位が好適に設計されていれば、ゼロ次反射又は望ましい高次の反射と関連し得る。
上記のように、多層光学フィルムの隣接するマイクロ層は、いくらかの光が隣接する層間の境界面において反射するように、異なる屈折率を有する。主軸x、y及びz軸に沿って偏光される光に関する、マイクロ層(例えば、図2の「A」層)の1つの屈折率をそれぞれn1x、n1y及びn1zと称する。同じ軸に沿った隣接するマイクロ層(例えば、図2の「B」層)の屈折率をそれぞれ、n2x、n2y、n2zと称する。x、y及びz軸は例えば、材料の誘電テンソルの主方向に対応し得る。典型的に及び説明の目的のために、異なる材料の主方向は一致するが、これは一般的に妥当する必要はない。これらの層間の屈折率の差をx方向に沿ってΔnx(=n1x−n2x)、y方向に沿ってΔny(=n1y−n2y)及びz方向に沿ってΔnz(=n1z−n2z)と称する。フィルム(又は所与のフィルムの積み重ね体の)のマイクロ層の数及びこれらの厚さ分布と組み合わせたこれらの屈折率差の性質は、フィルムの(又は所与のフィルムの積み重ね体の)所与のゾーンにおける反射特性及び透過特性を制御する。例えば、隣接するマイクロ層が、ある面内方向に沿って、大きな屈折率の不整合(Δnxが大)を有し、それに直交する面内方向に沿って、小さな屈折率の不整合(Δny≒0)を有する場合、フィルム又はパケットは、垂直入射光について反射性偏光子として作用することができる。この点において、本出願の目的のため、反射性偏光子は、波長がパケットの反射帯域内にある場合に1つの面内軸(「遮蔽軸」と称される)に沿って偏光された垂直入射光を強力に反射し、垂直な面内軸(「透過軸」と称される)に沿って偏光されるこのような光を強力に透過する光学体とみなされ得る。「強力に反射する」及び「強力に透過する」は、意図される用途又は使用分野により異なる意味を有する場合があり、多くの場合反射性偏光子は遮蔽軸において少なくとも70、80又は90%の反射率及び透過軸において少なくとも70、80又は90%の透過率を有する。
本出願の目的のため、材料が関心の波長領域(例えば、スペクトルのUV、可視及び/又は赤外部分の選択される波長又は帯域)にわたって異方性の誘電テンソルを有する場合、材料は「複屈折性」とみなされる。換言すると、材料は、材料の主軸屈折率(例えば、n1x、n1y、n1z)が全て同じではない場合、「複屈折性」とみなされる。所与の材料若しくは層の「複屈折性」は、特に指示がない限り、その最大の主要屈折率とその最小主要屈折率との間の差を指す。ごく僅かな量の複屈折性は通常無視してもよい。拡散反射フィルムのための混合層の場合では、連続相における構成材料は、少なくとも0.03、又は0.05、又は0.10の複屈折性を呈するのが好ましい。いくつかの場合では、任意の所与の材料若しくは層は、例えば少なくとも0.02、又は0.03、又は0.05に指定される場合がある。別の実施例では、隣接するマイクロ層は両方の面内軸に沿って大きな屈折率不整合(Δnx large及びΔny large)を有し得るが、この場合、フィルム又はパケットは軸上ミラーとして機能し得る。この点において、本出願の目的のため、ミラー又はミラー様フィルムは、波長がパケットの反射帯域内にある場合に、任意の偏光の垂直入射光を強力に反射する光学体とみなされ得る。再び、「強力に反射する」は意図される用途又は使用分野によって異なる意味を有する場合があるが、多くの場合において、ミラーは、関心の波長の任意の偏光の垂直入射光に関して少なくとも70、80又は90%の反射率を有する。
先行の実施形態のバリエーションにおいて、隣接するマイクロ層は、z軸に沿って屈折率整合又は不整合(Δnz≒0又はΔnz large)を呈してもよく、不整合は、面内屈折率不整合と同じ又は反対の極性又は符合であり得る。このようなΔnzの調整は、斜めの入射光線のp偏光成分の反射率が入射角の増加に伴って増加するか、減少するか又は同じままであるかということにおいて、重要な役割を担う。更に別の実施例において、隣接するマイクロ層は、両方の面内軸に沿った実質的な屈折率整合(Δnx≒Δny≒0)、しかしながらz軸に沿って屈折率不整合(Δnz large)を有することがあり、この場合フィルム又はパケットは、任意の偏光の垂直入射を強力に透過するが、波長がパケットの反射帯域内にある場合、漸増する入射角のp偏光を漸増的に反射する、いわゆる「p偏光子」として機能し得る。
異なる軸に沿った可能な屈折率差の多くの置換を考慮し、層の総数及びこれらの厚さ分布並びに多層光学フィルム内に含まれるマイクロ層パケットの数及び種類、可能な多層光学フィルム210及びそのパケットの種類は広範である。本発明者らは、本明細書で引用された特許文献のいずれか(特許が付与されていようとなかろうと、並びに米国特許局又はいずれか他の国若しくは特許期間によって開示されていようとなかろうと)に開示されている多層光学フィルム、並びに以下の文献を参照し、これらの全ては本明細書に援用するものである:米国特許第5,486,949号(Schrenkら)の「Birefringent Interference Polarizer」;同第5,882,774号(Jonzaら)の「Optical Film」;米国特許第6,045,894号(Jonzaら)の「Clear to Colored Security Film」;米国特許第6,179,949号(Merrillら)の「Optical Film and Process for Manufacture Thereof」;米国特許第6,531,230号(Weberら)の「Color Shifting Film」;米国特許第6,939,499(Merrillら)の「Processes and Apparatus for Making Transversely Drawn Films with Substantially Uniaxial Character」;米国特許第7,256,936号(Hebrinkら)の「Optical Polarizing Films with Designed Color Shifts」;米国特許第7,316,558号(Merrillら)の「Devices for Stretching Polymer Films」;PCT国際公開WO 2008/144136(A1)号(Nevittら)の「Lamp−Hiding Assembly for a Direct Lit Backlight」;PCT国際公開WO 2008/144656(A2)号(Weberら)の「Backlight and Display System Using Same」。
別個にパターン化されることを意図された各内側パケットのマイクロ層の少なくともいくつかは、選択的な熱処理の前は複屈折性であり、かつまた熱処理の後の最終的なフィルム(例えば、図1のゾーン112、114、116)の少なくとも1つのゾーンにおいて複屈折である。したがって、特定の層パケットの光学反復単位内の第1層が複屈折性であってもよく(即ち、n1x≠n1y又はn1x≠n1z又はn1y≠n1z)若しくはこのようなパケットの光学反復単位の第2層が複屈折性であってもよく(即ち、n2x≠n2y又はn2x≠n2z又はn2y≠n2z)又は第1層及び第2層の両方が複屈折性であってもよい。更に、1つ以上のこのような層の複屈折性は、少なくとも1つの層において、隣接するゾーンよりも低減する。いくつかの場合において、これらの層の複屈折率はゼロまで低減してもよく、それによってこれらは1つのゾーンにおいて光学的に等方性であるが(即ち、n1x=n1y=n1z又はn2x=n2y=n2z)、隣接するゾーンでは複屈折性である。材料の選択及びプロセス条件により、両方の層が最初に複屈折性である場合、これらは、層の1つのみの複屈折性が実質的に低減するか、両方の層の複屈折性が低減し得るような方法で処理され得る。
代表的な多層光学フィルム及びその多層パケットは、ポリマー材料から構成され、共押出、フィルム、キャスト、及びフィルム延伸(stretching)若しくは延伸(drawing)プロセスを含む様々なフロープロセスを使用して作製することができる。典型的に複屈折性は、これらの様々なフロープロセスの1つ以上を介して、少なくともいくつかの層において発達する。米国特許第5,882,774号(Jonzaら)の「Optical Film」、同第6,179,949号(Merrillら)の「Optical Film and Process for Manufacture Thereof」及び同6,783,349号(Neavinら)「Apparatus for Making Multilayer Optical Films」を参照。多層光学フィルムは、前述の参照文献のいずれかに記載されるポリマーの共押出によって形成され得る。様々な層のポリマーは、好ましくは、著しい流れの障害なく共押出され得るように同様のレオロジー的特性(例えば、溶融粘度)を有するように選択される。押出条件は、各ポリマーを供給流及び溶解流として、連続的かつ安定した様式で、適切に供給、溶解、混合及びポンプ注入するように選択される。各溶解流を形成及び維持するために使用される温度は、温度範囲の最低における、凍結、結晶化又は不当に大きな圧力の低下を避け、範囲の最高における材料の分解を避けるような範囲内で選択され得る。制限されることを望むものではないが、多層光学フィルム、並びに位相差フィルム及び/又は本開示の複合フィルムの他の構成要素を作製するのに有用であり得る材料には、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、特に「coPENs」と呼ばれるものなどのポリエステル;ポリアクリレート類;及びポリカーボネート類を挙げることができる。
概要として、多層光学フィルムの製作方法は、(a)最終的なフィルムに使用される第1ポリマー及び第2ポリマーと対応する樹脂の少なくとも第1流れ及び第2流れを提供する工程と、(b)(i)第1流路及び第2流路を含む勾配プレートであって、第1流路が流路に沿って第1位置から第2位置まで変化する断面積を有する勾配プレート、(ii)第1流路と流体連通する第1の複数の導管及び第2流路と流体連通する第2の複数の導管を有するフィーダーチューブプレートであって、各導管はその各独自のスロットダイに供給し、各導管は第1端部及び第2端部を有し、導管の第1端部は流路と流体連通し、導管の第2端部はスロットダイと流体連通するフィーダーチューブプレート、並びに(iii)任意により、上記導管の近位に位置する軸方向棒状ヒーターを含むものなどの、好適なフィードブロックを使用して、第1流れ及び第2流れを複数の層内に分割する工程と、(c)複合的な流れを押出ダイに通過させて、各層が隣接する層の主表面とほぼ並行である多層ウェブを形成する工程と、(d)多層ウェブを場合によりキャストホイール又はキャストドラムと称される冷却ロール上にキャストしてキャスト多層フィルムを形成する工程とを含み得る。このキャストフィルムは最終的なフィルムと同じ数の層を有してもよいが、キャストフィルムの層は典型的にはこれらの最終的なフィルムのものよりも遥かに厚い。更に、キャストフィルムの層は典型的には等方性である。
キャスト多層ウェブを製作する多くの別の方法が使用され得る。やはりポリマーの共押出を利用する1つのこのような別の方法が米国特許第5,389,324号(Lewisら)に記載される。
冷却後、多層ウェブが延伸又は伸張されてほぼ最終的な多層光学フィルムを生成し、この詳細は上記で引用された参照文献に見出すことができる。延伸又は伸張は2つの目標:これが層をこれらの所望の最終的な厚さまで薄化すること及びこれが層の少なくともいくらかが複屈折性となるように層を配向させること、を達成する。配向又は伸張は、クロスウェブ方向に沿って(例えば、幅出機により)、ダウンウェブ方向に沿って(例えば、長さ配向装置)又はこれらの任意の組み合わせにより、同時的又は順次的に達成され得る。一方向にのみに沿って伸張される場合、伸張は「非拘束」(フィルムは伸張方向と垂直な面内方向で寸法的に弛緩させられる)又は「拘束」(フィルムは拘束され、したがって伸張方向と垂直な面内方向において寸法的に弛緩させられない)であり得る。両方の面内方向に沿って伸張された場合、伸張は対称(即ち、垂直な面内方向に沿って等しい)か又は非対称であり得る。あるいは、フィルムはバッチプロセスにおいて伸張されてもよい。いずれにせよ、順次的又は同時的な延伸変形、圧力又は歪み平衡、熱硬化及び他の処理作業がまたフィルムに適用され得る。
いくつかの場合において、二段階パターン化のために特に設計され、かつ第1マイクロ層積み重ね体などの内側層の第1群、第2マイクロ層積み重ね体などの内側層の第2群、並びに第1群の内側層と第2群の内側層との間に配置され得る反射性及び吸収性遮蔽層を含み得るパターン化可能な複合フィルムが、様々な構成層の実質的に全部が共押出され、次にキャストされ、次に同時的に伸張される、単一のフィルム形成作業で作製され得る。あるいは、二段階パターン化に適合するパターン化可能な複合フィルムは連続的な方法で作製されてもよく、2つ以上のフィルムが別個のフィルム形成作業で作製され、これらそれぞれ又はそのいくつかは共押出、キャスト及び伸張を含んでもよく、生じるフィルムはその後、選択的な加熱及びパターン化を担う方向付けられた放射線に暴露される前に積層されるかないしは別の方法で一緒に接合される。
開示される二段階のパターン化可能な複合フィルムは、これらの光学的、機械的又は化学的特性のために選択された追加的な層及びコーティングを含むことができる。例えば、UV吸収層は主要外側表面の一方又は両方に追加されて、フィルムをUV光により生じる長期にわたる劣化から保護し得る。追加の層及びコーティングは、引っ掻き抵抗性層、引き裂き抵抗性層、及び硬化剤も含むことができる。例えば、米国特許第6,368,699号(Gilbertら)を参照されたい。
いくつかの場合において、二段階のパターン化複合フィルムを構成する構成ポリマー材料の1つ、いくつか又は全ての自然の又は固有の吸収性が、吸収性加熱手順のために利用され得る。例えば、可視領域にわたって低損失である多くのポリマーは、一定の紫外及び/又は赤外波長において実質的により高い吸収性を有する。このような波長の光へのフィルムの部分の暴露は、このようなフィルムの部分を選択的に加熱するために使用され得る。その上、遮蔽層を構成する材料の自然の又は固有の吸収性が、内側層の群の間の書き込み波長の光の必要な遮蔽を提供するために利用され、1つのこのような群を別のこのような群とは別個にパターン修正することを可能にする。
他の場合において、吸収性染料、顔料又は他の剤が、パターン化可能な複合フィルムの個別の層又は構成材料のいくつか又は全てに組み込まれて、上記の吸収加熱を促進する及び/又は遮蔽層の書き込み波長の光の必要な減衰を提供してもよい。いくつかの場合において、このような吸収剤はスペクトル選択的であり、それによってこれらはある波長領域において吸収するが別の波長領域において吸収しない。例えば、開示されるフィルムのいくつかは、偽造防止セキュリティラベルで又は液晶ディスプレイ(LCD)装置又は他のディスプレイ装置の構成要素として、可視領域における使用を意図され得るが、この場合、赤外又は紫外波長において吸収するが可視波長において実質的に吸収しない吸収剤が使用され得る。更に、吸収剤は、フィルムの1つ以上の選択された層又は材料に添加されてもよい。例えば、多層光学フィルムは保護境界層(PBL)、積層接着剤層、1つ以上の表面薄層などの光学的に厚い層によって分離される2つの別個のマイクロ層パケットを含んでもよく、吸収剤はパケットの一方に組み込まれるが他方には組み込まれないことがあり又は両方のパケットに組み込まれるが一方において他方よりも濃度が高いことがある。更に、拡散反射フィルム(図2Bを参照)は、積層接着剤層、1つ以上の表面薄層などの光学的に厚い中間層によって分離される2つの別個の混合層を含んでもよく、吸収剤は混合層の一方に組み込まれるが他方には組み込まれないことがあり又は両方の混合に組み込まれるが一方において他方よりも濃度が高いことがある。
図2Bにおいて、拡散反射光学フィルム240の混合層の部分が、概略的な斜視図において層/フィルムの内部構造又は混合モルホルジーを明らかにしているのが分かる。本発明者らは、このフィルムを、フィルムがヘイズをほとんど又は全く有さず高度な透明性を有している場合、拡散的に反射性光学フィルムと呼ぶ(即ち、そのようなフィルムが、所与の入射方向の光を拡散的に反射し、即ち拡散的に透過し、本明細書に説明された選択的加熱技法による偏光状態にあるフィルムから生じ、そのようなフィルムへと作製することができるかぎり、フィルムは窓樣の外見を有する)。そのようなフィルムは、開示の実施形態では遮蔽層として使用されてもよく、好適な吸収特性を有するためにそれが作製された場合、開示の実施形態でパターン化可能な拡散反射体又はSTOFフィルムとして使用されてもよい。フィルム240は局部的なx−y−zデカルト座標との関連において図示され、フィルムはx及びy軸と平行に延び、z軸はフィルムと垂直でありフィルムの厚さ軸と平行である。フィルム240は完全に平坦である必要はなく、湾曲していても、あるいは多層光学フィルム230と接触して上記のように成形されてもよい。フィルム240は、図2の複合フィルム210の、及び/又は図1の複合フィルム110の遮蔽層及び/又は機能層の1つを、そのゾーン112、114、116のいずれかで表すと見なすことができ、なぜならば複合フィルム110は、互いから連続して次のそのようなゾーンへ延びる混合層を含むことができるからである。説明したとおり、フィルム240は、第1光透過性ポリマー、即ち連続若しくはマトリックス相242の形態にある他の材料、並びに第2光透過性ポリマー、即ち非連続的若しくは分散相244の形態にある他の材料を含む。
複合光学フィルム(その拡散反射フィルムが一部である)が方向付けられる具体的な用途によって、多くの異なる材料を使用して、開示の拡散反射光学フィルムを作製することができる。このような材料としては、シリカ系ポリマーなどの無機材料、液晶などの有機材料、並びにモノマー、コポリマー、グラフトポリマー及びこれらの混合物又はブレンドを含むポリマー材料を挙げることができる。所定用途の材料の正確な選択は、特定の軸線に沿った異なる位相の屈折率における入手可能な望ましい整合及び不整合、並びに得られる製品における望ましい物理特性によって決まる。材料のうちの1つが連続相で混合層内に存在する場合、そのような材料は一般に、所望のスペクトル領域において実質的に透明であることによって特徴付けられる。
本明細書に開示の拡散反射フィルム、及び/又はその混合層の少なくとも一部は、実質的に全体的にポリマー材料から構成されてもよく、しかし、場合によっては非ポリマー材料も使用されてもよい。いくつかの場合では、2つの異なるポリマー材料のみが使用されてもよく、他の場合では2つ以上のそのようなポリマー材料が使用されてもよい。
材料の選択における更なる考慮事項は、得られる拡散反射フィルムが、所望の散乱をもたらすことができる混合層内で微細な構造体を形成するために、少なくとも2つの別個の位相を含むことが望ましい。これは、互いに不混和性である2つ以上の材料から光学材料を鋳造することによって達成することができる。あるいは、光学材料を、互いに不混和性でない2つの材料で作ることが望ましい場合、並びに、材料のうちの1つが他方の材料よりも高い融点を有する場合、場合によっては、一方の材料の適切な寸法の粒子を、他方の材料の溶解マトリックス内で、一方の材料の融点以下の温度において組み込みことが可能である場合がある。得られる混合物は次いで、後に続く及び/又は同時の方向付けを伴って、フィルムにキャストされ、方向付けられた光学フィルム又は本体を作る。
開示されている拡散反射フィルムでの使用に選択された材料、及びこれらの材料の配向の度合いは、場合によっては、完成したフィルムの混合層内の異なる材料(その熱処理されたゾーンにおいてであろうと、熱処理されていないゾーンにおいてであろうと)が、関連する屈折率が実質的に等しい少なくとも1つの軸を有するように選択されてもよい。典型的には配向方向を横断する軸であるが、必ずしもそうである必要はない軸に関連する屈折率の整合により、偏光の平面内で実質的に光は反射しない。
少なくとも1つの材料(例えば分散相の形態において)は、延伸の後に配向の向きに関連する反射率の減少を呈する場合がある。他の材料(例えば連続層の形態において)が正である場合、第1材料の負の歪み起因の複屈折性は、配向軸に関連付けられた隣接する位相の反射率間の差を増加させ、その一方で、配向方向に垂直なその偏光の面との反射光は僅かなままであるという利点を有する。反射性偏光子が望ましい場合、配向方向に直交する面内方向の隣接する相の反射率間の差は、配向の後に、関心の波長帯域(例えば可視)において約0.05未満、好ましくは約0.02未満であるべきである。
分散相の形態の材料はまた、正の歪み誘起複屈折を呈する場合がある。しかしながら、これは他の材料(例えば連続層の形態において)の配向方向に垂直な軸の反射率に適合するように、熱処理によって変えることができる。熱処理の温度は、連続層における複屈折性を弛緩されるほど高温にする必要はない。
分散相内の構造体又は形状の寸法はまた、散乱において有意な効果を有する場合がある。分散相粒子が小さ過ぎる場合(例えば関心の媒質の約1/30の波長)、並びに1立方波長当たり多くの粒子が存在する場合、光学体は任意の所与の軸に沿った2つの位相のどこかの屈折率間の実行屈折率を備える媒質として機能することができる。そのような場合、非常に僅かな光が散乱する。粒子が非常に大きい場合、混合層の単位体積当たりに終了され得る粒子の数は小さくなり、光は粒子の表面から鏡面的に反射され、他の方向に対する拡散若しくは分散が非常に小さい。そのような非常に大きな粒子が、x及びy方向に沿ってディスク形状又は平坦にされた場合、イリデッセンス効果(望ましい場合があるか、又は望ましくない場合がある)が生じる場合がある。粒子が大きくなったとき、光学体の厚さがより大きくなり、望ましい機械的特性が低下したときに実際の限界もまた到達され得る。
位置合わせの後の分散相の粒子の寸法は、光学材料の所望の使用によって調整されてもよい。したがって、例えば、粒子の寸法は、特定の用途における関心の電磁放射線の波長によって調整されてもよく、可視、紫外線、赤外線、及びマイクロ波放射を反射する、又は透過するのに必要とされる異なる寸法が必要とされる。一般的に、しかしながら、粒子の長さは、それらが媒質において、30で除した関心の電磁放射線の波長よりもおよそ大きくなるようにする必要がある。
拡散反射フィルムが低損失反射性偏光子として使用される用途で、粒子は、関心の波長範囲にわたって、電磁放射線の波長の約2倍よりも大きい、好ましくは波長の4倍超の長さを有してもよい。粒子の平均直径は、関心の波長範囲にわたって電磁放射線の波長以下、好ましくは望ましい波長の0.5未満であってもよい。分散相の寸法がほとんどの用途で二番目の検討事項である一方で、それらは、拡散反射が比較的非常に小さい薄膜用途においては重要となってくる。
多くの場合で、屈折率の不一致が散乱を促進するのに頼りになる主な要因であり得る一方で(例えば拡散ミラー又は偏光子フィルムは、少なくとも1つの面内軸に沿って連続相及び分散相の屈折率において実質的な不一致を有する場合がある)、分散相の粒子の形状に対する偏光は、散乱に対する効果を有する場合がある(例えば二次的効果)。したがって、屈折率一致及び不一致において、電界に対して粒子の偏光解消因子は、所与の方向において散乱の量を低減する、又は増加させることができる。例えば、配向の軸に垂直な面に沿って取られた断面において分散相が楕円形であるとき(例えば図2Bの分散相244を参照)、分散相の楕円断面形状は、後方散乱光及び前方散乱光における非対称拡散に寄与することができる。この効果は、屈折率不一致によって生じた散乱の量に対して追加又は損失のいずれかであり得るが、典型的に散乱に対して比較的小さな影響を有する。
散乱位相粒子の形状はまた、粒子から散乱する光の拡散の度合いに影響を与える場合がある。形状の効果は典型的に小さいが、入射光の方向に垂直な面における粒子の幾何学的断面のアスペクト比が増加し、粒子が比較的大きくなるときに増える。鏡面よりも拡散反射が望ましい場合には、分散相粒子が、1つ又は2つの互いに直交する寸法におけるいくつかの波長よりも小さな寸法にされるのが望ましいことが多い。
低損失拡散反射偏光子に関して、フィルムは一連のロッド樣構造体として連続相内に配置された分散相から構成されてもよく、これは配向によって、高いアスペクト比を有する。このアスペクト比は、配向方向に垂直な偏光に対する、その偏光の散乱強度、及び分散を増加させることによって配向方向に平行な偏光に関する反射を強化することができる。しかしながら、分散相の粒子又は構造体は多くの異なる形状で設けられてもよい。したがって、分散相は、ディスク形状、細長いディスク形状、ロッド形状、又は球状であってもよい。これに関する更なる情報は本願と同一譲受人に譲渡された米国特許出願第61/360,124号(代理人整理番号66469US002)、「Diffuse Reflective Optical Films With Spatially Selective Birefringence Reduction」(2010年年6月30日出願)に見出すことができる。
連続/分散相の組み合わせに加えて、拡散反射フィルムの混合層を構成する異なるポリマーが共連続相関係で配置されてもよい。共連続相構造体の更なる詳細は米国特許第7,057,816号(Allenら)に見出すことができる。共連続相構造体における2つの相は繊維状であってもよく、相互貫入高分子網目構造(IPN)を形成することができる。繊維は不規則に配向されてもよく、又は所与の軸に沿って配向されてもよい。他の共連続システムは、第1材料の連続マトリックス(第1相)を含んでもよく、第2材料は、マトリックスのセル内に共連続の方式で配置される(第2相)。
その熱処理されたゾーンにおいて、又は熱処理されていないゾーンにおいて、散乱反射フィルムの異なる位相で使用される様々な材料は、特定の方向又は軸に沿って異なる屈折率を有し、これによって、かかる方向若しくは軸に沿って偏光されたいくつかは、隣接する位相間の鏡面で屈折し、総じて散乱する。主要なx、y及びz軸に沿った偏光に関して、混合層における第1材料(例えば図2Bにおいて、連続相242の形態における第1の光透過型ポリマー)の屈折率を、それぞれn1x、n1y及びn1zと称することができる。x、y及びz軸は例えば、材料の誘電テンソルの主方向に対応し得る。典型的に及び説明の目的のために、混合層における異なる材料の主方向は一致するが、これは一般的に妥当する必要はない。混合層の第2材料(第1材料に隣接する)(例えば図2Bにおいて、第2の光透過型ポリマー又は、不連続又は分散相244の形態にある他の材料)の屈折率を同じ軸に沿って、それぞれn2x、n2y、n2zと称する。これらの層間の屈折率の差をx方向に沿ってΔnx(=n1x−n2x)、y方向に沿ってΔny(=n1y−n2y)及びz方向に沿ってΔnz(=n1z−n2z)と称する。混合層のこれらの屈折率差の本質は、厚さ、構成(例えば混合層内の第1材料及び第2材料の体積分率)、及び混合モルホルジー(例えば、混合層の第1ポリマーの構造体並びに第2ポリマーの構造体の寸法、形状、及び分散)は、所与のゾーンにおいて、かかる層の屈折及び透過特性を制御する。例えば、隣接する位相が、ある面内方向に沿って、大きな屈折率の不整合(Δnxが大)を有し、それに直交する面内方向に沿って、小さな屈折率の不整合(Δny≒0)を有する場合、フィルム又は混合層は、垂直入射光について拡散反射性偏光子として作用することができる。この点において、本出願の目的のため、反射性偏光子は、1つの面内軸(「遮蔽軸」と称される)に沿って偏光された垂直入射光を強力に反射し、垂直な面内軸(「透過軸」と称される)に沿って偏光されるこのような光を強力に透過する光学体とみなされ得る。「強く反射する」及び「強く透過させる」は、目的の用途又は利用分野によっては異なる意味を有することもあるが、多くの場合、拡散反射偏光子は、遮断軸線に対して少なくとも70%、80%、90%、又は95%の反射率を有し、通過軸線に対して少なくとも70%、80%、又は85%の透過(外側表面効果も含む)を有する。
別の実施例では、隣接する位相は両方の面内軸に沿って大きな屈折率不整合(Δnx large及びΔny large)を有し得るが、この場合、フィルム又は混合層は拡散ミラーとして機能し得る。この点において、本出願の目的のため、拡散ミラー又はミラー様フィルムは、波長がパケットの反射帯域内にある場合に、任意の偏光の垂直入射光を強力に拡散反射する光学体とみなされ得る。再び、「強力に拡散反射する」は意図される用途又は使用分野によって異なる意味を有する場合があるが、多くの場合において、拡散ミラーは、関心の波長の任意の偏光の垂直入射光に関して少なくとも70、80又は90%の反射率を有する。
先行の実施形態のバリエーションにおいて、隣接する位相は、z軸に沿って屈折率整合又は不整合(Δnz≒0又はΔnz large)を呈してもよく、不整合は、面内屈折率不整合と同じ又は反対の極性又は符合であり得る。このようなΔnzの調整は、斜めの入射光線のp偏光成分の反射率が入射角の増加に伴って増加するか、減少するか又は同じままであるかということにおいて、重要な役割を担う。
異なる軸に沿って、隣接する位相間で、多数の可能性のある屈折率差の置換(混合層の可能性のある厚さ、混合層の可能性のある組成、及び混合層の可能性のあるモルホルジー)が存在する。したがって、可能性のある拡散反射フィルム及びその混合層は膨大である。少なくとも1つの混合創を含む代表的な拡散反射光学フィルムは、米国特許第5,825,543号(Ouderkirkら)、同第6,179,948号(Merrillら)、及び同第7,057,816号(Allenら)に開示されている。
光学フィルムの混合層における位相のうちの1つを形成する少なくとも1つの材料は、フィルムの少なくとも1つのゾーン(例えば、図1の112、114、116)において複屈折性である。したがって、混合層の第1相が複屈折性であってもよく(即ち、n1x≠n1y、又はn1x≠n1z、又はn1y≠n1z)若しくは混合層の第2相が複屈折性であってもよく(即ち、n2x≠n2y、又はn2x≠n2z、又はn2y≠n2z)又は第1相及び第2相の両方が複屈折性であってもよい。更に、1つ以上のこのような相の複屈折性は、少なくとも1つの層において、隣接するゾーンよりも低減する。場合によっては、これらの相の複屈折性は、ゾーンのうちの1つにおいては光学的に等方性となる(即ち、n1x=n1y=n1z又はn2x=n2y=n2z)が、隣接するゾーンにおいては複屈折性となるように、ゼロにまで減少してもよい。材料の選択及びプロセス条件により、両方の相が最初に複屈折性である場合、これらは、相の1つのみの複屈折性が実質的に低減するか、両方の層の複屈折性が低減し得るような方法で処理され得る。
代表的な拡散反射光学フィルムは、ポリマー材料から構成され、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許出願第61/360,124号(代理人整理番号66469US002)、「Diffuse Reflective Optical Films With Spatially Selective Birefringence Reduction」(2010年6月30日出願)に記載されている技法を使用して作製することができる。米国特許第6,179,949号(Merrillら)、「Optical Film and Process for Manufacture Thereof」もまた参照されたい。
既に言及したように様々な吸収剤が、開示の複合フィルムの位相差フィルム及び/又は反射フィルムに使用されて、放射ビームによる二段階のパターン化性を強化することができる。可視スペクトルで機能する光学フィルム、染料、顔料又は紫外及び赤外(近赤外を含む)領域において吸収する他の添加剤が使用され得る。いくつかの場合において、フィルムのポリマー材料が実質的により低い吸収性を有するスペクトル領域において吸収する剤を選択することが有利である場合がある。このような吸収剤を複合フィルムの選択される層に組み込むことにより、向けられた放射線が、フィルムの全体的厚さに対してよりも選択された層に優先的に熱を供給することができる。代表的な吸収剤は、これらが関心の選択される層の組へと埋め込まれ得るように溶融押出可能であり得る。この目的のために、吸収剤は、押出のために要求されるプロセス温度及び滞留時間において、好ましくは適度に安定である。いくつかの潜在的なIR染料としては、Epolin,Inc.から商標名Epolight(商標)として入手可能なニッケル、パラジウム及びプラチナベースの染料のいずれかが挙げられる。他の好適な候補としては、ColorChem International Corp.(Atlanta,Georgia)から入手可能なAmaplast(商標)商標の染料が挙げられる。他の可能性のある好適な吸収剤が、米国特許第6,207,260号(Wheatleyら)、「Multicomponent Optical Body」に見出すことができる。
いくつかの場合においては、吸収剤は非線形吸収剤であってもよく、即ち、これは光エネルギー吸収係数が強度又はフルーエンスと独立である組成物であるか又はこれを含み得る(強度とは単位面積単位時間当たりのエネルギーを指し、フルーエンスは単位面積当たりのエネルギー密度又はエネルギーを指す)。非線形光吸収剤は、例えば、二光子吸収型又は逆可飽和吸収型であり得る。
二光子吸収プロセスは、光子エネルギーが材料の線形励起のために必要とされるエネルギーのおよそ半分に相当する、非線形光吸収プロセスである。吸収性材料の励起はしたがって、2つの低エネルギー光子の同時的な吸収を必要とする。有用な二光子吸収剤の例としては、大きな多光子断面積を呈するもの、例えば、PCT国際公開特許WO 98/21521号(Marderら)及び同WO 99/53242(Cumptsonら)に記載される、Rhodamine B(即ち、N−[9−(2−カルボキシフェニル)−6−(ジエチルアミノ)−3H−キサンテン−3−イリデン]−N−エチルエタンアミニウムクロライド及びRhodamine Bのヘキサフルオロアンチモネート塩)及び4種類の光増感剤が挙げられる。
逆可飽和吸収プロセスはまた、場合により、励起状態吸収とも称され、基底状態から励起状態への誘起のための断面積よりも遥かに大きい、吸収プロセスに含まれる励起状態のための吸収断面積によって特徴付けられる。合計光吸収率は基底状態吸収率及び励起状態吸収率の両方を含む。逆可飽和吸収材料の例としては、例えば、メタロフタロシアニン、ナフタロシアニン、シアニン、フラーレン、金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、金属クラスター化合物、ポルフィリン、インダンスロン誘導体及びオリゴマー又はこれらの組み合わせが挙げられる。メタロフタロシアニンの例としては、例えば、銅フタロシアニン(CuPC)及び第IIIA族(Al、Ga、In)及び第IVA族(Si、Ge、Sn、Pb)の金属又は半金属を含むフタロシアニンが挙げられる。ナフタロシアニンの例としては、例えば、ケイ素(SiNC)スズ(SnNC)及び鉛(PbNC)のフタロシアニン誘導体が挙げられる。シアニンの例としては、例えば、1,3,3,1’,3’,3’−ヘキサメチルインドカルボシアニンイオダイド(HITCI)が挙げられる。フラーレンの例としてはC60及びC70フラーレンが挙げられる。金属ナノ粒子の例としては、金、銀、アルミニウム及び亜鉛ナノ粒子が挙げられる。金属酸化物ナノ粒子の例としては、二酸化チタン、アンチモンスズ酸化物及び二酸化ジルコニウムナノ粒子が挙げられる。金属クラスターの実施例としては、鉄トリコバルト金属クラスター例えば、HFeCo(CO)12及びNEtFeCO(CO)12が挙げられる。ポルフィリンの例としては、テトラフェニルポルフィリン(H2TPP)、亜鉛テトラフェニルポルフィリン(ZnTPP)及びコバルトテトラフェニルポルフィリン(CoTPP)が挙げられる。インダンスロン誘導体の例としては、非置換インダンスロン、酸化インダンスロン、クロロインダンスロン及びインダンスロンオリゴマーが挙げられる。
ここで図3を参照すると、これはゾーン112及びゾーン116の境界の領域118の付近における、図1の複合フィルム110の一部の概略断面図を図示する。フィルム110のこの展開図において、狭い移行ゾーン115は、ゾーン112を隣接するゾーン116から分離するものとして見ることができる。このような移行ゾーンはプロセスの詳細によって存在してもしなくてもよく、かつこれが存在しない場合、ゾーン116は、有意に介在する機構なしに、ゾーン112と直接隣接してもよい。フィルム110の構造体の詳細を見ることができる:フィルムは別個にパターン化可能な位相差フィルム310、312(これは表面薄層であってもよい)をその両側に含み、複数の分散相314及び他の複数の分散相316はフィルム310,312の間に配置される。分散相314は、第1遮蔽層を形成してもよく、分散相316は第2遮蔽層を形成してもよい。これらの群の分散相の間には別のパターン化可能な位相差フィルム315があり、これは例えば保護境界層(PBL)であってもよい。マイクロ層314、316は全て、外側表面薄層によりフィルム110の内側にある。
図3の代替の説明において、要素310はパターン化可能な位相差フィルムであってもよく要素314は、遮蔽層として機能する分散相パケットであってもよく、要素316は、パターン化可能な反射フィルムとして機能する分散相パケットであってもよく、並びに要素315及び312は、非複屈折要素であってもよく、例えば要素315は、従来の接着層であってもよく、並びに要素312は従来の基板であってもよい。かかる場合には、第1放射ビームは要素310の第1の光の位相差を、第1のパターンにおける第2の光の位相差(例えばゼロ位相差)に変更するために使用されてもよく、第2放射ビームは、要素316の第1の反射特性を第2の反射特性に変更するために使用されてもよい。説明を容易にするために、図3のこの代替説明は、特に指定されない限り、図3の残りに関して想定される。
マイクロ層314、316は好ましくはそれぞれ光学反復単位に構成された2つの交互のポリマー材料を含み、各マイクロ層314、316は図示されるようにゾーン112から隣接するゾーン116まで横方向又は横断方向様式で連続的に延びる。マイクロ層316は、強め合う干渉又は弱め合う干渉によってゾーン112に第1の反射特性をもたらしており、このゾーンにおいてマイクロ層316の少なくとも一部は複屈折性である。位相差フィルム310は、ゾーン112において第1の位相差をもたらす。第1の反射特性及び第1相差は組み合わされて、ゾーン112において全体的に第1の複合光学特性を備える複合フィルムをもたらす。ゾーン115、116において、フィルム110の構成要素は、先に、ゾーン112でこれらが有したのと同じ各光学特性を有してもよく、マイクロ層316及び位相差フィルム310の一方又は両方がこれに対する、ゾーン116におけるこれらの各層のいくらかの複屈折性を低減させるか又は排除し、同時に、複合層が、第1の複合光学特性とは異なる、第2の複合光学特性をゾーン116で有するように、処理ゾーン116におけるこれらの層の構造的一体性を維持し、かつまたゾーン112におけるこれらの層の複屈折性を維持する。ゾーン116におけるマイクロ層316及び/又は位相差フィルム310の低減された複屈折性は主に、ゾーン112における第1の複合光学特性と、ゾーン116における第2の複合光学特性との間の差の原因となる。
図に示されるように、フィルム110は、ゾーン112における特徴的な厚さd1、d2及びゾーン116における特徴的な厚さd1’、d2’を有する。厚さd1、d1’は各ゾーンにおける、フィルムの前部外側表面からフィルムの後部外側表面まで測定される物理的厚さである。厚さd2、d2’は、フィルムの前面の最も近くに配置されるマイクロ層(マイクロ層パケットの一端)から、フィルムの後面の最も近くに配置されるマイクロ層(典型的には異なるマイクロ層パケットの端部の)まで測定される物理的厚さである。したがって、ゾーン112におけるフィルム110の厚さとゾーン116におけるフィルムの厚さを比較しようとする場合、いずれの測定がより便利であるかによって、d1とd1’又はd2とd2’の比較を選択してもよい。ほとんどの場合、d1とd1’との比較は、d2とd2’との比較と実質的に同じ結果(比例的に)をもたらすであろう。(言うまでもなく、フィルムが外側の表面薄層を備えておらず、マイクロ層パケットがフィルムの外表面の両方で終端する場合、d1とd2は同じとなる)。しかしながら、著しい不一致が存在する場合、例えば、表面薄層がある場所と別の場所で有意な厚さの変化を経験するが、下部のマイクロ層において対応する厚さの変化が存在しない場合、又はその逆の場合、表面薄層は典型的に、マイクロ層パケットと比較してフィルムの反射特性に僅かな効果しか有さないという事実を考慮し、異なるゾーンにおける全体的なフィルム厚さをより代表するものとしてd2及びd2’パラメーターを使用することが望ましい場合がある。
光学的に厚い層によって互いに分離する2つ以上の別個のマイクロ層パケットを含む多層光学フィルムに関し、任意の所定のマイクロ層パケットの厚さもまた、z軸に沿ったパケットの最初のマイクロ層から最後のマイクロ層までの距離として測定し特徴付けることができる。この情報は、フィルム110の、異なるゾーン112、116の物理的特性を比較する、より徹底した分析においてより顕著となり得る。
言及したように、ゾーン116は選択的な熱の適用を用いて処理され、マイクロ層316及び/又は位相差フィルム310の少なくとも一部がそれらの複屈折性をの一部又は全てを、隣接するゾーン112におけるそれらの複屈折性に対して失わせ、これによってゾーン116は、フィルム310によりもたらされた光学位相差と相まって、マイクロ層からの光の強め合う干渉又は弱め合う干渉から生じる、ゾーン112の光学特性とは異なる光学特性を呈する。選択的な加熱プロセスは、ゾーン116に対する選択的な圧力の適用を含まないことがあり、これはフィルムに対する厚さの変化を実質的に生じないことがある(パラメーターd1/d1’又はパラメーターd2/d2’のいずれを使用しても)。例えば、フィルム110は、ゾーン116において、ゾーン112又は非処理のフィルムで観察される厚さの通常の変動を超えない範囲でゾーン112の平均厚さからずれる、平均厚さを呈することがある。したがって、ゾーン116の熱処理の前に、フィルム110は、ゾーン112又はゾーン112及びゾーン116の一部を包含するフィルムの領域にわたり、厚さの変動(d1又はd2)Δdを呈することがあり、ゾーン116はゾーン112の空間的な平均厚さd1、d2(それぞれ)とΔdを超えない範囲で異なる空間的な平均厚さd1’、d2’を有し得る。パラメーターΔdは、例えば、厚さd1又はd2の空間的分布における、1つ、2つ又は3つの標準偏差を表し得る。
いくつかの場合において、ゾーン116の熱処理は、ゾーン116におけるフィルム厚さに一定の変化を生じ得る。これらの厚さの変化は例えば、複合フィルム110を構成する異なる材料の局部的な収縮及び/又は拡大から生じることがあり又は他のいくつかの熱により誘起される現象から生じることがある。しかしながら、このような厚さの変化は、生じる場合、処理ゾーン116の複合光学特性へのこれらの影響において、処理ゾーンにおける複屈折性の低減又は排除が担う主な役割と比較して、二次的な役割のみを担う。多くの場合において、フィルムに皺ができるのを避けるため、又は他の理由のために、内部パターン化を達成する選択的な熱処理の間、フィルムの縁部を張力下において保持することが望ましい場合がある。適用される張力の程度、及び熱処理の詳細はまた、処理ゾーンにおいてある程度の厚さの変化を生じ得る。
いくつかの場合において、フィルムの反射特性を分析することにより、複屈折性の変化から厚さの変化の効果を見分けることが可能である。例えば、非処理ゾーン(例えば、ゾーン112)のマイクロ層が左帯域端(LBE)、右帯域端(RBE)、中央波長λ及びピーク反射率Rによって特徴付けられる反射帯域を提供する場合、これらのマイクロ層の所与の厚さの変化(マイクロ層の屈折率は変化しない)は、Rとおよそ同じピーク反射率Rを有するが、非処理ゾーンの反射帯域のこれらの特徴に対して波長が比例的にシフトしたLBE、RBE及び中央波長を有する処理ゾーンの反射帯域を生成し、このシフトが測定され得る。一方で、複屈折性の変化は典型的に、複屈折性の変化によって生じる光学的厚さの変化(通常は非常に小さい)の結果として、LBE、RBEの波長及び中央波長の非常に小さなシフトのみを生成する(光学的厚さは物理的厚さ×屈折率であることを想起されたい。)複屈折性の変化はしかしながら、マイクロ層積み重ね体の設計によって、反射帯域のピーク反射率に大きな、又は少なくとも有意な影響を有する。したがって、いくつかの場合において、複屈折性の変化は、修正ゾーンの反射帯域においてRと実質的に異なるピーク反射率Rを提供してもよく、当然R及びRは、同じ照明条件及び観察条件下で比較される。R及びRが百分率で表現される場合、RはRと少なくとも10%又は少なくとも20%又は少なくとも30%異なってもよい。明確な例として、Rは70%であり得、Rは60%、50%、40%以下であり得る。あるいは、Rは10%であり得、Rは20%、30%、40%以上であり得る。R及びRはまた、これらの比率を取ることによって比較され得る。例えば、R/R又はその逆数は、少なくとも2、又は少なくとも3であり得る。
複屈折性の変化による、隣接する層間の屈折率の差の変化から生じる境界面反射率(場合により光学能と称される)の変化の指標となる程度の、ピーク反射率の有意な変化はまた、典型的には反射帯域の帯域幅における少なくともいくらかの変化を伴い、帯域幅はLBEとRBEとの間の分離を指す。
記載したように、いくつかの場合において処理ゾーン116におけるフィルム110の厚さ、即ちd1’又はd2’は、選択的な圧力が熱処理中にゾーン116に実際に適用されなくても、非処理ゾーン112のフィルムの厚さとは若干異なる場合がある。この理由のために、図3はd1’をd1と僅かに異なるものとして、d2’をd2と僅かに異なるものとして記載する。移行ゾーン115はまた、一般的に図示され、「突出部」又は他の検出可能なアーチファクトが、選択可能な熱処理の結果としてフィルムの外側表面に存在し得る。しかしながらいくつかの場合において、処理は、隣接する処理ゾーンと非処理ゾーンとの間に検出可能なアーチファクトを生じない場合がある。例えば、いくつかの場合において、ゾーン間の境界を横断するように指を滑らせる観察者がゾーン間に突出部、隆起部又は他の物理的アーチファクトを検出しない場合がある。
いくつかの場合において、処理ゾーンと非処理ゾーンとの間の厚さの差がフィルムの厚さを通じて比例的でない可能性がある。例えば、いくつかの場合において、外側表面薄層が、処理ゾーンと非処理ゾーンとの間の、百分率の変化として表現される比較的小さな厚さの差を有する一方で、1つ以上の内部マイクロ層パケットが、同じゾーンの間でやはり百分率の変化として表現されるより大きな厚さの差を有し得る可能性がある。
図4は、内部パターン化を組み込む別の複合光学フィルム410の一部の概略断面図を図示し、内部パターン化がフィルムの一段階においてのみ達成される。フィルム410は、表面薄層412、414の間に狭持された階層又は層416内に存在するマイクロ層のパケットを含む。マイクロ層の全てがフィルム410の内部にある。(別の実施形態において、一方又は両方の表面薄層が省かれてもよく、その場合、一方若しくは両方のPBL又はパケット内の最外方のマイクロ層が、外側の層となってもよい。)マイクロ層はフィルムの少なくともいくつかのゾーン又は領域において複屈折性であり、フィルムの少なくとも隣接するゾーン間で横方向又は横断方向の様式で延びる少なくともいくつかのマイクロ層を含む。マイクロ層は、フィルムの少なくとも第1の非処理ゾーン422の光の強め合う又は弱め合う干渉に関する第1反射特性を提供する。フィルム410は、やはり光の強め合う又は弱め合う干渉と関連するが第1反射特性とは異なる第2反射特性を提供するため、隣接するゾーン420、424において、これらのゾーンにいずれの圧力も選択的に適用することなく、選択的に加熱された。(この文脈において「第1反射特性」及び「第2反射特性」は、マイクロ層のパケットのみに又はフィルム全体に関するものとして解釈され得ることに留意する。)これらの反射特性の差は、反射光又は透過光において、処理ゾーンと非処理ゾーンとの間の色の差として観察者に知覚され得る。それぞれの色及びその間の差はまた、典型的には入射角と共に変化又はシフトする。フィルム410はゾーン420、422、424で実質的に同じフィルム厚さを有してもよく又はフィルム厚さはこれらのゾーン間で若干変化してもよいが、ゾーンの間のフィルム厚さのいずれかの差は、第1反射特性と第2反射特性との間の差の主な原因とはならない。ゾーン420、422、424は、階層又は層416内の平行線模様によって示されるように、フィルムの内部又は内側にあるパターンを形成する。平行線模様の領域のマイクロ層の少なくともいくつかは、ゾーン422又は他の非処理ゾーンにおけるこれらの複屈折性と比較して低減した複屈折性(ゼロ複屈折性を含む)を有する。
図4の代替の説明において、要素416はパターン化可能な位相差フィルムであってもよい。かかる場合には、第1放射ビームは要素416の第1の光の位相差を、あるパターンにおける第2の光の位相差(例えばゼロ位相差)に変更するために使用されてもよい。ゾーン422における位相差は、位相差フィルム416によってもたらされる最初の位相差であってもよく、ゾーン420及び424における位相差は、位相差フィルム416を構成する複屈折材料の熱弛緩により得られる、低減された位相差(ゼロ位相差を含む)であってもよい。
図4Aは、内部パターン化を備える別の複合光学フィルム430の一部の概略断面図であるが、二段階のフィルムで別個に達成される。図4Aの一定の構成要素又は要素は図4におけるものと同じ参照番号、即ち、表面薄層412、414及びゾーン420、422及び424を有し、これらが図4の対応する構成要素と同じ又は同様であることを示し、これらは上記で既に説明されており、ここで繰り返される。更に、図4の階層又は層416は図4Aにおいて、二段階パターン化を可能にするために3つの層又は階層416a〜cと置換されている。層416aは図4の層416と同一であってもよく、同じ平行線模様の領域はまた、層416aにおける平行線模様の無い領域に対して低減された複屈折性を示す。層416aは、ゾーン422における第1光学位相差、及びゾーン420、424において低減された第2の光学位相差(ゼロ位相差を含む)を備える、第1放射ビームによってパターン化位相差フィルムであると仮定する。層416cは、マイクロ層のパケットを含む、パターン化可能な反射フィルムであってもよい。この層416cは、層416c(例えばゾーン434)の網状の陰影が付けられていない(uncrosshatched)領域において第1の反射特性と、網状の陰影が付けられた領域(ゾーン432、436)において第2の反射特性をもたらす。
位相差フィルム416は好ましくは、書き込み波長を含む第1の放射ビームの好適に方向付けられた光に暴露された際に、第1光学位相差が、このような光に暴露された層416aの部分(ゾーン420、424)において第2の光学位相差へと変わる程度まで吸収加熱されることを可能にする、吸収特性を有する。同様に、層416cのマイクロ層パケットは好ましくは、書き込み波長を含み得る、第2の放射ビームの好適に方向付けられた光に暴露された際に、これが、このような異なる光に暴露された層416cの部分(ゾーン432、436)において第1反射特性が第2反射特性へと変わる程度まで層416aとは別個に吸収加熱されることを可能にする、吸収特性を有する。層416a、416cのいずれか又は両方のこれらの吸収特性は、染料又は顔料などの好適な吸収剤をその構成層に組み込むことによって達成され得る。
二段階パターン化複合フィルム430はまた、好ましくは層416a、416cの間に配置される遮蔽層416bを含む。遮蔽層416bは、書き込み波長を含む第1光線がフィルム430のゾーン420、424で方向付けられて層416aの第1光学位相差を第2光学位相差に変えることができ、一方でこのようなゾーンにおいて層416cの第1反射特性を第2反射特性に変えないように、書き込み波長における十分な量の光を遮蔽する。遮蔽層416bは、書き込み波長を含む第1光線がフィルム430のゾーン432、436で方向付けられて層416cの第1反射特性を第2反射特性に変えることができ、一方でこのようなゾーンにおいて層416aの第1光学位相差を第2光学位相差に変えないように、書き込み波長における十分な量の光を遮蔽することもできる。遮蔽層は主に、書き込み波長の光を吸収することにより、書き込み波長の光を反射することにより又は吸収及び反射の組み合わせにより、この機能性を達成し得る。遮蔽層の設計及び各書き込み可能な層416a、416cの閾値特性により、第1光線及び第2光線はフィルム430の同じ側又は主表面に入射してもよく又はこれらは反対側に入射してもよい。いくつかの設計において、第1光ビーム及び第2光ビームはまた、フィルムに対して異なる入射角を有し得る。例えば、第1光ビームは実質的に垂直入射で供給されてもよく、第2光ビームはフィルムに対して大きく傾いた角度で供給されてもよい。
重要であり得る遮蔽層416bの別の態様は、面内特性が同じである又は互いに異なる度合いである。換言すると、遮蔽層は、入射光の偏光状態と独立であるか、これに弱く依存するか又は強く依存する遮蔽特性を有し得る。更に換言すると、遮蔽層は回転対称であってもよく又はこれは代わりに、垂直軸即ちz軸を中心とした回転に関して異なる度合いの回転対称性を有してもよい。一方の極端な状態において、遮蔽層はz軸を中心に実質的に回転対称であってもよく、それによって書き込み波長における直線偏光垂直入射光は、遮蔽層のいずれの面内軸(例えば、x軸又はy軸)と偏光が位置合わせされるかにかかわらず、同じ量で又は同じ程度遮蔽される。別の極端な状態において、遮蔽層は高度に回転非対称であってもよく、それによって書き込み波長における直線偏光垂直入射光は、一方の面内軸(例えば、x軸)と位置合わせされる場合に強力に遮蔽され、垂直な面内軸(例えば、y軸)と位置合わせされる場合に強力に透過する。したがって、遮蔽層は例えば反射性偏光子又は吸収性偏光子であるか又はこれを含み得る。このような場合、遮蔽層は書き込み波長における第1光ビームを実質的に遮蔽し(吸収又は反射により)、書き込み波長における第2光ビームを実質的に透過してもよく、第1光ビーム及び第2光ビームはこれらの偏光状態のみ異なり、これらの入射角は同じであってもよい。このような回転非対称な遮蔽特性はまた電磁スペクトルの特定の反射帯域に限定される場合があり、これを超えると遮蔽層は任意の偏光の入射光を透過し、遮蔽しない。かかる反射帯域は、入射角度と共にシフトしてもよい。
遮蔽層の詳細に関わらず、複合フィルム430の少なくとも2つの機能層又はフィルムは個々にパターン化されてもよく、あるいは単一の波長若しくは波長帯域を使用して「書き込まれ」てもよく(書き込み波長、と呼ばれる)、又はそれらは異なる書き込み波長を有する放射ビームを使用して個々にパターン化されてもよい。各段階のパターン(例えば、層416aに関する段階のゾーン420、424及び層416cに関する段階のゾーン432、436)は、観察者又は平面図の視点から、所望により完全に重複しているか、完全に重複していないか又は部分的に重複している場合がある。別個のパターン化が、書き込み波長を少なくとも部分的に遮蔽する遮蔽層によって促進され得る。書き込み波長の光は例えば、レーザーによって供給される場合がある。遮蔽層は、複合フィルムが遮蔽層の一方の側でレーザー照射に供された際に不十分な光学能が他方の側に供給され、不十分な熱伝導が同様に可能にされ、それによって他方の側の書き込み可能なフィルムが実質的に損なわれていないままであり、その初期光学特性の少なくとも一部を維持するような方法で吸収又は反射し得る。二段階の書き込み可能な複合フィルムの単純な構成体は、したがって3つの層若しくはフィルム、例えば、レーザー書き込み可能な位相差フィルム、レーザー書き込み可能な反射フィルム(例えば、光の特定の波長又は色、のみを反射することができる、あるいはフィルムを拡散反射する、多層光学フィルム)、及び介在する遮蔽層を含んでもよい。本方法の単純な実施形態は、フィルムの第1面上の第1のレーザー書き込み、よってこの第1面上のフィルムのみの光学特性(例えば光学位相差)の修正を、次いで複合フィルムの反対側の、即ち第2面上のレーザー書き込み、よってこの第2面上のフィルムのみの光学特性(例えば反射特性)の修正を含んでもよい。
遮蔽層は、関心のレーザー波長(書き込み波長)へと微調整された多層反射性パケット(回転対称又は非対称)であるか又はこれを含み得る。例えば、遮蔽層はスペクトルの赤外(IR)部分のレーザー書き込み波長と重複する、垂直入射における反射帯域を有するマイクロ層パケットであるか又はこれを含み得る。あるいは、遮蔽層は書き込み波長において吸収する染料又は顔料などの吸収剤を充填した内部層であるか又はこれを含み得る。この場合、第1及び/又は第2のレーザー書き込み可能なフィルムは一定量の同じ吸収剤又は一定量の異なる吸収剤を含み得る。
IR波長は多くの場合、放射処理中にフィルムを選択的に加熱するために特定の有用性を有するが、可視及び紫外線(UV)波長がまた、書き込み波長のために想到される。遮蔽層はしたがって、同様に、これらのスペクトル領域での使用のために調整され得る。異なる書き込み波長を有する放射ビームは、複合フィルムの異なる機能層若しくはフィルムをパターン化するために使用されてもよい。例えば、第1の書き込み波長は、赤外線光学波長であってもよく、第2の書き込み波長は700nm未満であってもよい。他の実施例では、第1及び第2の書き込み波長は異なる赤外線波長、例えば808nm及び1064nmであってもよい。
遮蔽層は書き込み波長における入射光を全て遮蔽する必要はない。むしろ、遮蔽層は、含まれる場合、入射光線の視点から遮蔽層の後ろ側に配置される書き込み可能なフィルムの望ましくない処理又は修正を防ぐために十分なだけ入射エネルギーを遮蔽することのみを必要とする。典型的には、各書き込みフィルムは、フィルムの最初の光学特性に対する生じる修正が(例えば反射光又は透過光で、あるいは偏光で)顕著であるか又は検出可能であるように、そのフィルムの光学特性を十分に変更するために必要な、書き込み可能なパケットに関連する第1の又は下限エネルギーレベルを有する。このより下限エネルギーレベルは、所与の書き込み可能なフィルムの吸収特性の関数である。同様に、各書き込みフィルムは典型的に、それらと第2又は上限のエネルギー値と関連付け、その上ではその複屈折性は実質的に完全に除去され、即ちその構成材料若しくは層の少なくとも1つは等方性となる。各書き込み可能フィルムに関し、これらの下限及び上限エネルギーレベルは、閾値フルーエンス及び走査速度(例えば、レーザープロセスシステムにおいて)に関連し得る。所与の走査速度において、光線強度又はフルーエンスを考慮し、これらの下限及び上限I及びIをそれぞれ指定することが便利である。
図4Aのものに対する代替の実施形態において、二段階の書き込み可能な複合フィルムは2つの別個の書き込み可能な光学フィルムだけでなく、3つ又はそれ以上の光学フィルムを含んでもよい。このような実施形態は、これらが少なくとも2つの別個の書き込み可能フィルムを含むために、依然として二段階書き込み可能多層光学フィルムと称される。別個の遮蔽層が、隣接するかないしは別の方法で隣り合う書き込み可能フィルムの各対の間に提供され得る。例えば、図4Aを参照し、層416cと同様の別の書き込み可能な階層又は層並びに遮蔽層416bと同様の遮蔽層が、層416cと表面薄層414との間又は層416aと表面薄層412との間に含まれ得る。様々な書き込み可能フィルム及び遮蔽層はパケットが、例えば、フルーエンス、入射角、入射側(即ち、光線が複合フィルムの頂面から入射するか又は底面から入射するか)及び/又は偏光において互いに異なる、方向付けられた光線で個別に書き込まれるか又は処理され得る(即ち、選択的に加熱されてその個別の材料の複屈折性を低減させる)ように調整される。製造目的における便利さのために、書き込み可能フィルム及び遮蔽層のいくつかの組み合わせは、少なくとも3つの書き込み可能フィルムが、その全てが複合フィルムの同じ側から入射し、その全てが書き込み波長を含む、3つの異なる方向付けされた光線によって、個別に処理されることを可能にする。
角度依存的な及び/又は偏光依存的な複合フィルムの書き込み又は処理は、図7、7A及び7Bとの関連において以下に提供される。しかしながら、最初に、その反射特性が、任意の好適な方向付けされた光線によって供給される選択的な吸収加熱を使用して、パターン方式で修正され得る書き込み可能光学フィルムのいくつかの具体的な実施例を記載する。記載される様々な種類の書き込み可能な光学フィルムは、その1つが好ましくは隣接するか又は隣り合う書き込み可能なフィルムの各対の間に提供される好適な遮蔽層と、広範な種類の組み合わせにおいて組み合わされ、広範な種類の二段階複合光学フィルム構成を生成し得る。
したがって、図5A〜5Dの理想化されたグラフに注意を戻す。これらのグラフは多層光学フィルムのパターン化のプロセス、及び二段階のパターン化に関して選択されたマイクロ層パケットをパターン化するプロセスを説明するのに役立つ。これらはまた、マイクロ層の任意の所与の書き込み可能パケットに関する非処理及び処理ゾーンそれぞれにおける第1及び第2反射特性の異なる可能な組み合わせのいくつかを説明するのに役立つ。記載の目的のために、反射フィルムの非特性は、処理された領域であろうと、処理されていない領域であろうと、以下の3つの種類:ミラー様反射特性、ウィンドウ様反射特性及び偏光子様反射特性の1つに分類され得る。鏡に似た反射特性は、垂直入射光の全ての偏光状態にわたって高い反射率(例えば、一部の例において、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%超)を呈し、窓に似た反射特性は、垂直入射光の全ての偏光状態にわたって低い反射率(例えば、一部の例において、20%、10%、5%、3%、又は1%未満)を呈し、偏光子に似た反射特性は、ある偏光状態の垂直入射光については高い反射率(例えば、一部の例において、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%超)を、異なる偏光状態の垂直入射光については低い反射率(例えば、一部の例において、30%、20%、10%、5%、3%、又は1%未満)を呈する。(それに代わって、反射偏光子に似た特性が、他の偏光状態に対するある偏光状態の反射率の差の面から表現されてもよい。)多層光学フィルム又は積み重ね体と関連する、本明細書において記載される反射率値は、特に指定されない限り、外側空気/ポリマー境界面におけるフレネル反射を含まないとみなされるべきである。
これらの異なる特性の境界又は限度(例えば、何が「高い」反射率であり、何が「低い」反射率であるか)及びこれらの間の区別は、最終用途及び/又はシステム要件に依存し得る。例えば、全ての偏光状態に関する中程度の反射率を呈する多層光学フィルム又はそのマイクロ層パケットは、いくつかの用途の目的においてミラーとしてみなされ、他の用途の目的においてウィンドウとみなされ得る。同様に、垂直入射光の異なる偏光状態において、中程度で異なる水準の反射性を提供する多層光学フィルム又はそのマイクロ層パケットは、正確な反射率値及び所与の最終用途の異なる偏光状態における反射率の差に対する感度によって、いくつかの用途において偏光子とみなされ、他の用途においてミラーとみなされ、更に他の用途においてウィンドウとみなされ得る。特に指定されない限り、ミラー、ウィンドウ、及び偏光子の分類は、垂直入射光に関して特定される。読者は斜角の特性は、垂直入射における光学フィルムの特性と、いくつかの場合においては同じ又は同様であり、他の場合においては大幅に異なり得ることを理解する。
図5A〜Dの各グラフにおいて、相対的屈折率値「n」が垂直軸上にプロットされる。水平軸において、パターン化可能な多層光学フィルムの2層光学反復単位を特徴付ける6つの屈折率それぞれに位置又は印が提供される:「1x」、「1y」及び「1z」はx、y及びz軸に沿った第1層の屈折率を表し、これらは上記においてn1x、n1y及びn1zと称された。同様に「2x」「2y」及び「2z」はx、y、及びz軸に沿った第2層の屈折率を表し、これらは上記においてn2x、n2y及びn2zと称された。図面における菱形の記号(◇)は第1処理段階における材料の屈折率を表す。この第1段階は例えば、共押出され、急冷されたか又はキャストホイール上にキャストされたが、まだ伸張されるかないしは別の方法で配向されていないポリマー層に対応し得る。図面における白い(塗り潰されていない)円形の記号(○)は、第1段階より後の第2段階の処理における材料の屈折率を表す。第2段階は、フィルム内のマイクロ層の間の境界面から強め合う又は弱め合う干渉によって光を反射する多層光学フィルムへと、伸張されるかないしは別の方法で配向されたポリマー層に対応し得る。図面における小さな塗り潰された円形の記号又は点(●)は、第1及び第2段階より後の第3段階の処理における材料の屈折率値を表す。本明細書で他に詳細に記載されるように、第3段階は、押し出され、配向された後に、選択的に熱処理されたポリマー層に対応し得るこのような熱処理は典型的に、処理ゾーンと称される1つ以上の特定の部分又はゾーンに限定される。
所与の図における様々な記号の垂直座標を比較することにより、多層光学フィルム、その製造の方法、並びにその処理された部分及び未処理部分の光学特性に関する多くの情報を、読者は容易に確認することができる。例えば、読者は、一方又は両方の材料層が、選択的な熱処理の前又は後に複屈折性であるか又はあったか、複屈折性が一軸的であるか又は二軸的であるか及び複屈折性が大きいか又は小さいかを確認することができる。読者はまた、図5A〜Dから、各3つの処理段階(キャスト状態、伸張状態及び処理状態)における、2層間の屈折率の差Δnx、Δny、Δnzそれぞれの相対的な規模を確認することができる。
上記のように、最終的な内部パターン化多層光学フィルムの前駆物品は、ポリマー材料のキャストウェブであり得る。キャストウェブは、最終的なフィルムと同じ数の層を有する場合があり、層は最終的なフィルムにおいて使用されるものと同じポリマー材料から構成されてもよいが、キャストウェブはより厚く、その層は通常全て等方性である。いくつかの場合において、しかしながら図面に表されないが、キャストプロセスそれ自体が1つ以上の材料にあるレベルの配向及び複屈折性を付与し得る。図5A〜Dにおける菱形の記号は、その後の伸張手順の後に、多層光学フィルムの光学反復単位内のマイクロ層になるキャストウェブ中の2つのポリマー層の屈折率を表す。伸張後、層のうちの少なくともいくらかが配向されて複屈折性となり、配向された(しかしながら、依然としてパターン化されていない)多層光学フィルムが形成される。これは図5A〜Dにおいて、菱形の記号によって表されるこれらの各元の値から垂直にずれ得る白丸によって例示される。例えば、図5Aにおいて、伸張手順は、第2層の屈折率をx軸に沿って上げるが、その屈折率をy及びz軸に沿って下げる。このような屈折率のシフトは、正に複屈折のポリマー層を好適に一軸的にx軸に沿って伸張し、一方でフィルムをy軸及びz軸に沿って寸法的に弛緩させることによって得られる場合がある。図5Bにおいて、伸張手順は、第1層の屈折率をx軸及びy軸に沿って上げるが、その屈折率をz軸に沿って下げる。このような屈折率のシフトは、正に複屈折のポリマー層をx軸及びy軸に沿って好適に二軸的に伸張することによって得られる場合がある。図5Cにおいて伸張手順は、第1及び第2層の両方の複屈折率をx軸に沿って上げ、これらの各屈折率をz軸に沿って下げ、同じ屈折率をy軸に沿って維持する。いくつかの場合においてこの屈折率シフトは、x軸に沿ってy軸と比較してより高度の伸張を使用して、正の複屈折ポリマー層をx軸及びy軸に沿って非対称に、二軸的に伸張することによって得られる場合がある。他の場合において、これは、x軸に沿って一軸的に伸張し、一方でy軸においてフィルムを拘束する(拘束した一軸伸張)ことによっておよそ得られる場合がある。図5A及び図5Bにおいて、白丸(図5Aのn2x、n2y及びn2z並びに図5Bのn1x、n1y及びn1z)の少なくとも2つが異なる屈折率nの値を有するため、配向しているが非処理の状態(白丸)の層の一方が複屈折性であることに留意する。これらの示された実施形態において、他のポリマー層は伸張後、キャスト状態及び配向しているが非処理の状態に関し、同じ屈折率値(図5Aにおけるn1x=n1y=n1z、図5Bにおけるn2x=n2y=n2z)によって示されるように、等方性に留まる。
第1反射特性を提供するために光学反復単位に構成されたマイクロ層を有する少なくとも部分的な複屈折性多層光学フィルムを形成した後、フィルムは上記の選択的な加熱に備えた状態となる。マイクロ層の少なくともいくらかにおいて複屈折性を低減又は排除し、一方で第1(非処理)ゾーンにおいてその複屈折性を不変に留めるため、加熱は多層光学フィルムの第1ゾーンに隣接する第2ゾーンにおいて選択的に実行され、マイクロ層パケット内の少なくとも1つの複屈折材料の一部又は全体において選択的に溶解及び脱配向するように調整される。選択的加熱はまた、第2ゾーンの層の構造的一体性を維持するために実行される。処理された第2ゾーンにおける複屈折材料は、全体的に、即ち、完全に脱配向され、その後複屈折マイクロ層は等方性状態に戻り(例えば、キャストウェブの)、一方で光学的に薄いままである。これは図5A及び図5Bに見られ、熱処理により第1層(図5B)又は第2層(図5A)の屈折率(小さい黒点参照)が、これらのキャストウェブ状態における値に戻る(菱形の記号参照)。菱形の記号が、等方性状態(例えば、キャストウェブ)の層の屈折率を表し、小さい黒点が最終的な内部パターン化フィルムにおける処理又は選択的に加熱したゾーンのマイクロ層の屈折率を表し、白丸が最終的な内部パターン化フィルムの非処理ゾーンにおけるマイクロ層の屈折率を表すことを想起されたい。
処理第2ゾーンの複屈折材料が部分的にのみ、即ち不完全に脱配向している場合、複屈折マイクロ層は、加熱前の複屈折状態よりも低いが、等方性ではない複屈折状態へと緩和する。この場合、複屈折材料の処理第2ゾーンにおける屈折率は、図5A〜Dに図示される菱形の記号と白丸との間のいずれかの値を得る。そのような不完全な複屈折弛緩のいくつかの例は、本明細書に援用する、本願と同一譲受人に譲渡されたPCT公開WO 2010/075363号(Merrillら)、「Internally Patterned Multilayer Optical Films With Multiple Birefringent Layers」に説明されている。
図5Aにおいて、比較的低い屈折率を有する第1ポリマー材料が選択され、より高い屈折率を有し、正の応力−光学係数を有する第2ポリマー材料が選択される。材料は、好適な数の層で、交互の層構成で共押出され、菱形の記号によって示される屈折率を有する多層キャストウェブを形成する。キャストウェブはその後、好適な条件下でx軸に沿って一軸的に伸張されて、第2ポリマー材料中において複屈折性を誘起し、一方で第1ポリマー材料は等方性に留まる。屈折率値n2xが更に増加してn1xとの大きな屈折率差Δnxを形成する。屈折率値n2y及びn2zは減少して、それぞれn1y及びn1zとの小さな屈折率差Δny及びΔnzを形成する。例えば、値Δny及びΔnzはゼロであり得る。屈折率のこの組は、適切な数の層を有するマイクロ層パケットにおいて実施される際、遮蔽軸であるx軸及び透過軸であるy軸を有する反射性偏光子を提供し得る。反射性偏光子は、マイクロ層の層厚さ分布によって広帯域又は狭帯域であり得る。
この反射性偏光子フィルムは、その後上記のように第2ゾーンにおいて内部パターン化され、一方で反射性偏光フィルムを第1ゾーンにおいて損なわれていない状態に留め得る。放射エネルギーを第2ゾーンへと選択的に供給して選択的に加熱することにより、複屈折層がその元の等方性状態に、又は脱配向が不完全な場合には中間的な複屈折状態へと緩和する。緩和が不完全である場合、第2ゾーンは、ミラー様フィルムとなり(マイクロ層パケットが適切な数の層を有する場合)、Δnx≒Δny≒Δnzである。最終的なフィルムはしたがって、一体型フィルム内において、1つのゾーンにおける反射性偏光子及び隣接するゾーンにおけるミラー様フィルムを組み合わせ、1つのゾーンから次のゾーンへと連続的に延びるマイクロ層を有する。かかるフィルムはより詳細に、同時係属で本願と同一譲受人に譲渡されたPCT公開WO 2010/075340号(Merrillら)、「Multilayer Optical Films Having Side−by−Side Mirror/Polarizer Zones」により詳細に記載されている。図5Aにおいて、選択的熱処理プロセスは、多層反射性偏光子フィルムを、多層反射性ミラーフィルムに変えることができる(即ち、偏光子→ミラー)。
図5Bにおいて、実質的に同じ屈折率を有する第1及び第2ポリマー材料が選択され、第1ポリマー材料は、正の応力−光学係数を有する。材料は、好適な数の層で、交互の層構成で共押出され、菱形の記号によって示される屈折率を有する多層キャストウェブを形成する。キャストウェブはその後、好適な条件下でx軸及びy軸に沿って二軸的に伸張されて、第1ポリマー材料中において複屈折性を誘起し、一方で第2ポリマー材料は等方性に留まる。屈折率値n1x、n1yは増加して、n2x、n2yとの実質的な屈折率差Δnx、Δnyをそれぞれ形成する。屈折率値n1zは減少して、Δnx及びΔnyと反対の極性及び符合を有する、n2zとの実質的な屈折率差Δnzを形成する。この屈折率の組は、適切な数の層を有するマイクロ層パケットにおいて実施されるとき、ミラー様フィルムを提供することができる。フィルムによって提供される反射性は、マイクロ層の層厚さ分布によって広帯域又は狭帯域であり得る。
このミラー様フィルムは、その後上記のように第2ゾーンにおいて内部パターン化され、一方でミラー様フィルムを第1ゾーンにおいて損なわれていない状態に留め得る。放射エネルギーを第2ゾーンへと選択的に供給して選択的に加熱することにより、複屈折層がその元の等方性状態に、又は脱配向が不完全な場合には中間的な複屈折状態へと緩和する。緩和が完全である場合、第2ゾーンはウィンドウ様フィルムとなり、Δnx≒Δny≒Δnz≒0である。最終的なフィルムはしたがって、一体型フィルム内において、1つのゾーンにおけるミラー様反射体及び隣接するゾーンにおける実質的ウィンドウを組み合わせ、1つのゾーンから次のゾーンへと連続的に延びるマイクロ層を有する。この図5Bに関し、選択的な熱処理プロセスは、多層反射性ミラーフィルムを多層ウィンドウフィルムに変えることができる(ミラー→ウィンドウ)。
図5A及び図5Bに関し、光学材料の一方が伸張後(及び選択的熱処理後)に等方性のままである。これはしかしながら、一般的に妥当する必要はなく、本明細書において開示される選択的熱処理技術を使用して内部パターン化光学フィルムへと転換され得る多くの関心のかつ有用な多層光学フィルム設計、並びに拡散反射フィルム設計が、光学反復単位の構成層のための2つの異なる光学材料を含み、キャストウェブが伸張ないしは別の方法で配向された際に、これらの構成材料層の両方(1つのみではなく)が複屈折性となる。かかる多層光学フィルム及び拡散反射光学フィルムは本明細書で「二重複屈折性」の光学フィルムと呼ばれる。なぜならば、多層光学フィルムの場合において、そのようなフィルムにおける光学繰り返し単位はそれぞれ、少なくとも2つの構成要素であるマイクロ層を含み、これは延伸後に複屈折性であり、拡散反射フィルムの場合では、そのようなフィルムにおける混合層は、2つの別個の相を形成する少なくとも2つの材料を含み、その相の両方が延伸の後、複屈折性であるためである。
二重複屈折性多層光学フィルムが選択的な熱処理に暴露される場合、材料特性及び加熱条件によって処理ゾーンにおける多くの異なる反応が可能であり、例えば、両方の材料層が完全に弛緩して等方性になってもよく、又は一方の材料が完全に若しくは部分的に弛緩する一方で他方の材料層がその複屈折性を維持するか又は両方の材料層が異なる程度で弛緩してもよい(例えば、一方の材料層が完全に弛緩して等方性になり、一方で他方の材料が部分的に弛緩してその複屈折性の一部のみを維持する)。いずれにせよ、一方又は両方の材料層の複屈折性の変化は、フィルムの第1(非処理)ゾーンの反射特性と実質的に異なる、光学フィルムの第2(処理)ゾーンの反射特性を生じる。二重複屈折性多層光学フィルム、及び内部にパターンを形成するための選択的加熱技法の更なる詳細は、以下の本願と同一譲受人に譲渡され、本明細書に援用するPCT公開特許に提供されている:国際公開第2010/075363号(Merrillら)、「Internally Patterned Multilayer Optical Films With Multiple Birefringent Layers」;及び同第2010/075383号(Merrillら)、「Multilayer Optical Films Having Side−by−Side Polarizer/Polarizer Zones」。選択的熱処理による内部パターン化のために好適な二重複屈折性多層光学フィルムのいくつかの例が、本出願において、図5C及び5Dに図示される。
図5Cにおいて、同じ又は同様の等方性屈折率を有し、同じ又は同様の応力−光学係数を有し(図5Cにおいて正として図示されるが、負の係数もまた使用され得る)、異なる溶解又は軟化温度を有する第1及び第2ポリマー材料が選択される。材料は、好適な数の層で、交互の層構成で共押出され、菱形の記号によって示される屈折率を有する多層キャストウェブを形成する。二軸的に延伸するのではなく、図5Cのキャストウェブは好適な条件下でx軸に沿って一軸的に伸張されて、第1及び第2ポリマー材料の両方において複屈折性を誘起する。伸張により屈折率値n1x及びn2xが同程度増加し、一方でn1z及びn2zが同程度減少し、一方でn1y及びn2yは比較的一定に留まる。各材料層は強力に二軸的に複屈折性であるが、これは3つの主軸方向全てに沿って実質的に整合した2つの材料層の屈折率を生じる(Δnx≒0、Δny≒0、及びΔnz≒0)。この屈折率の組は、適切な数の層を有するマイクロ層パケットにおいて実施されるとき、垂直入射及び斜めの入射光に関してほとんど又はまったく反射率を有さない多層ウィンドウ様フィルムを提供し得る。
この多層ウィンドウフィルムは、その後上記のように第2ゾーンにおいて内部パターン化され、一方でウィンドウフィルムを第1ゾーンにおいて損なわれていない状態に留め得る。放射エネルギーを第2ゾーンに選択的に供給することによる選択的な加熱により、複屈折層の少なくともいくらかが緩和し、より低い複屈折性となる。図5Cの場合、加熱はまた、第1材料層の溶解又は軟化点よりも高く、第2材料層の溶解又は軟化点よりも低い温度に注意深く制御される。このように、選択的加熱により第2ゾーンの第1複屈折層は、これらの元の等方性状態に、又は脱配向が不完全な場合は中間的な複屈折状態に緩和し、一方で第2ゾーンにおける第2複屈折性層はこれらの複屈折性を実質的に維持する。第1材料の緩和が完全である場合第2ゾーンは、一方の面内方向における比較的大きな屈折率差(Δnx)、他方の面内方向における0又はほぼ0の屈折率差(Δny)及びΔnxと反対の極性又は符合の比較的大きな面外屈折率差(Δnz)によって特徴付けられる。これらの屈折率関係は、適切な数の層を有するマイクロ層パケットにおいて実施される際、第2ゾーンにおける反射性偏光子フィルムを提供し得る。この偏光子フィルムは、y方向と平行な透過軸及びx方向と平行な遮蔽軸を有する。遮蔽状態の偏光においてこのフィルムによって提供される反射性は、マイクロ層の層厚さ分布によって広帯域又は狭帯域であり得る。いずれにせよ、遮蔽状態の偏光における偏光子フィルムの反射性は(s偏光成分及びp偏光成分の両方に関し)、Δnzと反対の極性により、入射角の増加に伴って増加する。最終的なフィルムはしたがって、一体型フィルム内において、1つのゾーンにおける多層ウィンドウフィルム及び隣接するゾーンにおける反射性偏光子フィルムを組み合わせ、1つのゾーンから次のゾーンへと連続的に延びるマイクロ層を有する。この図5Cに関し、選択的な熱処理プロセスは、多層ウィンドウフィルムを多層反射性偏光子フィルムに変えることができる(ウィンドウ→偏光子)。
図5Dの実施形態は、米国特許第6,179,948号(Merrillら)に記載される2工程延伸プロセスを使用する。このプロセスにおいて、キャストフィルムの伸張又は配向は、一組の層(例えば、各光学反復単位の第1材料層)が両方の延伸工程において実質的に配向し、一方で他方の組の層(例えば、各光学反復単位の第2材料層)が一方の延伸工程中においてのみ実質的に配向するように、注意深く制御された2工程延伸プロセスを使用して実行される。結果は、延伸後に実質的に二軸的に配向された一組の材料層を有し、かつ延伸後に実質的に一軸的に配置される材料層の別の組を有する多層光学フィルムである。この区別は、2つのプロセス延伸工程の温度、歪み速度及び歪み程度などの、1つ以上の好適に異なるプロセス条件を使用することにより、2つの材料の異なる粘弾特性及び結晶化特性に作用することによって達成される。したがって、例えば、第1延伸工程は第1材料を第1方向に沿って実質的に配向させ、一方で第2材料をこの方向に沿って多くても極僅かにのみ配向させ得る。第1延伸工程の後、1つ以上のプロセス条件が好適に変更され、それによって第2延伸工程において第1及び第2材料の両方が第2方向に沿って実質的に配向される。この方法により、第1材料層は本質的に二軸配向特性(例えば、屈折率は関係式n1x≒n1y≠n1zを満たしてもよく、場合により一軸的複屈折材料と称される)を想定することができ、一方で全く同じ多層フィルム内の第2材料層は、本質的に一軸配向特性(例えば、屈折率は関係式n2x≠n2y≠n2z≠n2xを満たし、場合により二軸的複屈折材料と称される)を想定することができる。
この背景により、図5Dは第1及び第2ポリマー材料が、同じ又は同様の等方性屈折率を有し、延伸後に両方が複屈折性となり、同じ極性の応力−光学係数(図面においてこれらは両方とも正として表されているが、かわりにこれらは両方とも負であってもよい)を有するように選択される実施形態を表す。第1及び第2材料は、上記の2工程延伸プロセスが実施され得るように、異なる溶解又は軟化温度を有し、異なる粘弾及び/又は結晶化特性を有する。材料は、好適な数の層で、交互の層構成で共押出され、菱形の記号によって示される屈折率を有する多層キャストウェブを形成する。キャストウェブはその後、第1材料がx軸及びy軸の両方に沿って同等に配向されるように、上記の2工程延伸プロセスを使用してx軸及びy軸に沿って二軸的に伸張され、ここで第2材料はy軸に沿って優先的に配向され、x軸に沿ってより弱い配向である(いくつかの場合においては配向しない)。正味の結果は、その第1及び第2マイクロ層が両方とも複屈折性である多層光学フィルムであるが、第1材料層は、実質的な二軸配向特性を有し、第2材料層は非対称な二軸配向特性又は更に実質的な一軸配向特性を有する。示されるように、材料及びプロセス条件は、伸張により屈折率値n1x及びn1yが同程度増加し、一方でn1zが大きく減少するように選択される。また伸張により、屈折率値n2yはn1x及びn1yの値と同等かこれ近くの値まで増加し、屈折率n2zが減少し、屈折率n2xがほぼ同じままである(第2材料がx軸配向工程の間低い度合いで配向する場合、n2xは図に示されるように僅かに増加し得る)。これは、1つの大きな面内屈折率不整合(Δnx)、1つの著しくより小さい面内屈折率不整合(Δny≒0)及びΔnxと反対の極性の中間的な面外屈折率不整合(Δnz)を有する2つの材料層の屈折率を生じる。第2材料がより二軸的に配向する場合、処理後のx方向の屈折率整合は、等方性屈折率が第2材料よりも高い第1材料と組み合わせることによって達成され得る。屈折率のこの組は、適切な数の層を有するマイクロ層パケットにおいて実施される際、x方向に沿った遮蔽軸及びy方向に沿った透過軸を有する第1反射性偏光フィルムを提供し得る。フィルムによって提供される反射性は(遮蔽軸と平行に偏光した光に関し)、マイクロ層の層厚さ分布により、広帯域又は狭帯域であり得る。
この第1多層反射性偏光子フィルムは、その後上記のように第2ゾーンにおいて内部パターン化され、一方で偏光子フィルムを第1ゾーンにおいて損なわれていない状態に留め得る。放射エネルギーを第2ゾーンに選択的に供給することによる選択的な加熱により、複屈折層の少なくともいくらかが緩和し、より低い複屈折性となる。この場合、加熱は第1材料層の溶解又は軟化点よりも高く、第2材料層の溶解又は軟化点よりも低い温度に注意深く制御される。このように、選択的加熱により第2ゾーンの第1複屈折層は、これらの元の等方性状態に、又は脱配向が不完全な場合は中間的な複屈折状態に緩和し、一方で第2ゾーンにおける第2複屈折性層はこれらの複屈折性を実質的に維持する。第1材料の緩和が完全である場合、第2ゾーンは、一方の面内方向における比較的大きな屈折率差(Δny)、他方の面内方向における0又はほぼ0の屈折率差(Δnx)及びΔnyと反対の極性又は符合の比較的大きな面外屈折率差(Δnz)によって特徴付けられる。これらの屈折率の関係は、適切な数の層を有するマイクロ層パケットにおいて実施される際、第2ゾーンにおける第2反射性偏光子フィルムを提供し得る。特に、この第2偏光子は、x方向と平行な透過軸及びy方向と平行な遮蔽軸を有し、即ち、これは第1反射性偏光子と比較して垂直に向けられている。遮蔽状態の偏光に関し、この第2偏光子フィルムによって提供される反射は、マイクロ層の層厚さ分布によって、第1反射性偏光子が、垂直な偏光状態において広帯域又は狭帯域であるのと同じ程度において、広帯域又は狭帯域である。いずれにせよ、遮蔽状態の偏光における第2偏光子フィルムの反射性は(s偏光成分及びp偏光成分の両方に関し)、第2ゾーンにおけるΔnzと反対の極性により、入射角の増加に伴って増加する。最終的なフィルムはしたがって、一体型フィルム内において、1つのゾーンにおける第1反射性偏光子フィルム及び隣接するゾーンにおける第2反射性偏光子フィルムを組み合わせ、第2反射性偏光子フィルムは第1反射性偏光子フィルムと垂直に配向され、1つのゾーンから次のゾーンへと連続的に延びるマイクロ層を有する。この図5Dにおいて、選択的な熱処理プロセスは、第1多層反射性偏光子フィルムを第2多層反射性偏光子フィルムに変えることができる(偏光子1→偏光子2)。
上記のシナリオは、第1ゾーンの反射体の種類、第2ゾーンの反射体の種類、材料特性及び他の内部パターン化多層光学フィルムを生成するために使用され得る処理パラメーターの、多数の可能な組み合わせのいくつかのみを含み、限定とみなされるべきではない。正の複屈折性材料だけではなく、負の複屈折性材料及びこれらの組み合わせも使用され得る。複屈折性及び等方性ポリマーの組み合わせが使用される場合、複屈折性ポリマーは、等方性ポリマーの屈折率より低い、高い又は同等の事前伸張の等方性屈折率を有し得る。内部パターン化多層光学フィルムの第1及び第2ゾーンに関する反射体タイプの他の可能な組み合わせ(様々な組み合わせが二段階の書き込み可能な光学フィルムにおいて、本明細書に開示のとおり利用することができる)の説明は、本願と同一譲受人に譲渡された以下のPCT公開の1つ以上に見出すことができる:WO 2010/075357号(Merrillら)、「Internally Patterned Multilayer Optical Films Using Spatially Selective Birefringence Reduction」;WO 2010/075340号(Merrillら)、「Multilayer Optical Films Having Side−by−Side Mirror/Polarizer Zones」;WO 2010/075363号(Merrillら)、「Internally Patterned Multilayer Optical Films With Multiple Birefringent Layers」;及びWO 2010/075383号(Merrillら)、「Multilayer Optical Films Having Side−by−Side Polarizer/Polarizer Zones」。
図6は、多層光学フィルムに関して本明細書において記載された複屈折性緩和技術を使用して達成され得る様々な変換を要約する概略図である。よって、図は、内部パターン化多層光学フィルムの第1(未処理)ゾーン及び第2(加熱処理された)ゾーンの様々な組み合わせを集約し、これはしたがって、1つ以上の書き込み可能な位相差フィルムを含みことができる、二段階の書き込み可能な複合フィルムを形成することができる。図中の矢印は、第1反射特性から、第1反射特性と実質的に異なる第2反射特性への変換を表す。図6の図は、例示目的で提供され、限定として解釈されるべきではない。
矢印610aは、多層ミラーフィルムから多層ウィンドウフィルムへの変換(例えば、図5Bとの関連において記載される)を表す。このような変換は、ミラーフィルムによって特徴付けられる1つ以上の第1(非処理)ゾーン及びウィンドウフィルムによって特徴付けられる1つ以上の第2(処理)ゾーンを有する内部パターン化多層光学フィルムを提供するために使用され得る。矢印610bは、多層ウィンドウフィルムから多層ミラーフィルムへの反対の転換を表す。このような変換は、ウィンドウフィルムによって特徴付けられる1つ以上の第1(非処理)ゾーン及びミラーフィルムによって特徴付けられる1つ以上の第2(処理)ゾーンを有する内部パターン化多層光学フィルムを提供するために使用され得る。
矢印612aは、多層ウィンドウフィルムから多層偏光子フィルムへの変換(例えば、図5Cとの関連において記載される)を表す。このような変換は、ウィンドウフィルムによって特徴付けられる1つ以上の第1(非処理)ゾーン及び偏光子フィルムによって特徴付けられる1つ以上の第2(処理)ゾーンを有する内部パターン化多層光学フィルムを提供するために使用され得る。矢印612bは、多層偏光子フィルムから多層ウィンドウフィルムへの反対の転換を表す。このような変換は、偏光子フィルムによって特徴付けられる1つ以上の第1(非処理)ゾーン及びウィンドウフィルムによって特徴付けられる1つ以上の第2(処理)ゾーンを有する内部パターン化多層光学フィルムを提供するために使用され得る。
矢印614aは、多層偏光子フィルムから多層ミラーフィルムへの変換(例えば、図5Aとの関連において記載される)を表す。このような変換は、偏光子フィルムによって特徴付けられる1つ以上の第1(非処理)ゾーン及びミラーフィルムによって特徴付けられる1つ以上の第2(処理)ゾーンを有する内部パターン化多層光学フィルムを提供するために使用され得る。矢印614bは、多層ミラーフィルムから多層偏光子フィルムへの反対の転換を表す。このような変換は、偏光子フィルムによって特徴付けられる1つ以上の第1(非処理)ゾーン及びウィンドウフィルムによって特徴付けられる1つ以上の第2(処理)ゾーンを有する内部パターン化多層光学フィルムを提供するために使用され得る。
矢印616、618及び620は、1つの種類のミラーから別の種類のミラーへの、1つの種類のウィンドウから別の種類のウィンドウへの及び1つの種類の偏光子から別の種類の偏光子への(例えば、図5D参照)変換を表す。読者はまた、図6の図は例示目的で提供され、限定する様に解釈されるべきではないことを想起する。
図5A〜5D及び図6、並びにそれらの関連する説明は主に、その反射特性が、フィルム内に配置されたマイクロ層(即ち多層光学フィルム)間の境界面から反射される光の強め合う干渉及び弱め合う干渉により、大部分が決定されるようなフィルムへの特定の用途を有する光学フィルムに関する。これらの図及び説明に対応するものが、反射フィルムに関して設けられてもよく、この反射特性は実際は、それらが1つ以上の混合層において別個の第1及び第2相内に分離される第1及び第2材料によって広い部分で決定されるために拡散する。これに関して本願と同一譲受人に譲渡された米国特許出願第61/360,124号(代理人整理番号66469US002)、「Diffuse Reflective Optical Films With Spatially Selective Birefringence Reduction」(2010年年6月30日出願)が参照される。図5A〜5Dのそれぞれに関して「第1」材料は、連続相であるとみなされてもよく、「第2」材料は分散した位相(又は他の連続相)であるとみなされてもよく、その一方で、代替の実施形態では、「第2」材料は連続相であるとみなされてもよく、「第1」材料は分散相(又は他の連続層)であるとみなされてもよい。
STOFフィルムの反射又は他の光学特性は主に、STOFフィルムの材料若しくは層の複屈折における熱誘起の弛緩と共に関連付けられるという事実は、STOFフィルムをパターン化するのに使用される選択的処理プロセスが主に一方的、即ち不可逆的であり得るということを意味する。例えば、その初期の第1反射特性が、第2反射特性に偏光されるように処理された(放射エネルギーの吸収により選択的に加熱処理された)STOFフィルムの所与の領域若しくはゾーンは、したがって、その最初の第1反射特性を再度得るために、他の放射ビームを用いて処理することができない。実際に、最初の加熱処理は、ゾーンにおける複屈折性を実質的に排除する場合、同じ若しくは同様な放射ビームを用いた更なる放射処理は、ゾーンの反射特性に対して影響をほとんど与えないか、又は全く与えない。STOFフィルムのパターン化のこの一方通行の、即ち不可逆的な態様は、耐改ざん性が重要である例えばセキュリティ用途において、又は例えば光学若しくは電界が、他の構成素子を切り替えるのに使用され、その安定性が望ましいディスプレイ又は光学電子用途において特に有利である。他の用途において、STOFフィルムパターン化のこの一方通行の、即ち不可逆的な態様は、他の相において切り替え可能な素子と組み合わされてもよい(例えば、第1ゾーンにおいて複屈折性を備え、第2ゾーンにおいて複屈折がほとんど、又は全く望まれない、安定したパターン化連続相光学電子デバイスにおいて)。
図7において、開示されるパターン化(例えば内部パターン化)フィルムを提供するため、複合フィルムの第2ゾーンを選択的に加熱するために使用され得る構成700が図示される。簡単に、複合フィルム710は、少なくとも1つのパターン化可能の位相差フィルム、及び少なくとも1つの外のパターン化可能な光学フィルム(例えば、他の位相差フィルム及び/又は反射フィルム)を含み、これはフィルムにわたって層状に配置されて延びるか、又は少なくともその第1ゾーンから第2ゾーンまで延びるという条件である。個々のパターン化可能フィルムの1つ以上は、複合層の内部であってもよく、それぞれ対応する光学特性をもたらし、これは複合フィルムの利用可能な任意の所与の位置において組み合わされて、その位置における第1の複合光学特性をもたらす。高放射光源720は、好適な波長、強度及び光線サイズの向けられた光線722を提供し、入射光のいくらかを吸収により熱に転換することにより、複合フィルムの照明された部分724を選択的に加熱する。好ましくは、フィルムの吸収は、適度な電力の光源で十分な加熱を提供するために十分に大きいが、フィルムの初期表面で過度の光が吸収されて表面に損傷を生じ得るほど大きくない。これは以下で更に記載される。いくつかの場合において、斜めに位置付けられる光源720a、方向付けられた光線722a及び照明される部分724aによって示される斜角θで光源を配置することが望ましい場合がある。複合フィルム710が、垂直入射において反射バンドを有するマイクロ層パケットを含み、その反射バンドが、所望の量の吸収及びそれに付随する加熱を防止する方式で、有向ビーム722を実質的に反射するものである場合、そのような斜めの照射が望ましいものとなり得る。したがって、入射角の増加に伴う反射帯域のより短い波長へのシフトを利用し、方向付けられた光線722aが(シフトした)反射帯域を避ける斜角θで供給され、所望の吸収及び加熱を可能にし得る。
斜照明はまた、複合フィルムが拡散反射フィルムを含む場所、及び拡散反射が入射角及び/又は偏光状態と共に変化する場所で望ましい場合がある。1つの入射角及び偏光状態において、例えば拡散フィルムは有向ビーム722/722aを、第2ゾーンにおける混合層の望ましい吸収量及び付随する加熱を防ぐような方法で散乱させてもよい。異なる入射角及び/又は偏光状態において、散乱は実質的に低減される場合があり、これによって所望の量の吸収及び同じゾーンにおける混合層の付随する加熱が、複屈折性の弛緩及び上記の反射性転換を可能する。したがって、有向ビーム722/722aの入射角θ偏光状態は、混合層の過剰な散乱を避けるために選択されてもよく、例えば、それらは混合層若しくは光学フィルムの最小散乱と同時に選択される。拡散反射フィルムが反射偏光子である場合、偏光状態は、偏光子の通過状態であってもよい。
いくつかの場合において、方向付けられた光線722又は722aは、照明された部分724又は724aが所望の最終的な第2ゾーンの形状を有するような様式の形状にすることができる。他の場合において、方向付けられた光線は所望の第2ゾーンよりも大きさが小さい形状を有してもよい。後者の状況において、処理されるゾーンの所望の形状をなぞるために、多層光学フィルムの表面にわたる所望の光線を走査するため、光線指向装置が使用される場合がある。ビームスプリッター、レンズ配列、ポッケルスセル、音響光学変調器などの装置及び当業者によって既知の技術及び装置による、方向付けられた光線の空間的及び時間的調節もまた利用され得る。
図7Aは、複合フィルム750の側面図であり、これは、その構成光学フィルムの少なくとも2つの別個の処理又はパターン化を可能にするように具体的に設計され、即ち、これは、図4Aと関連して記載されるフィルムと同様の二段階内部パターン化のために設計されている。フィルム750の場合において、書き込み波長の垂直に入射する光、及びその好適な強度、即ちフルーエンス(図7Aにおいて下付き文字「A」によって示されている)が使用されて、第2光学フィルム756(例えば正反射又は拡散反射フィルム)を実質的に処理する、又はパターン化することなく、第1光学フィルム752(例えば位相差フィルム)を処理する、又はパターン化する。第1フィルム752を実質的に処理又はパターン化することなく第2フィルム756を処理又はパターン化するために、書き込み波長の及び好適なフルーエンスの斜めの入射光(図7Aにおいて下付き文字「B」によって示される)が使用される。
したがって、図7Aにおいて、垂直入射放射エネルギーIO,Aが第1書き込みフィルム752に衝突する。この放射エネルギーIO,Aは、所望により、直線的に偏光されてもよく又はこれは非偏光であってもよい。エネルギーI6,Aのいくらかが第1外側表面から反射し、第1フィルム752に入るより低いエネルギーI1,Aを生じる。書き込み波長における吸収及び任意によりフィルム752からのいくらかの反射が、フィルム752を出る入射光の更により低いエネルギーI2,Aを生じる。遮蔽層754は衝突する光のエネルギーI2,Aを実質的に反射して反射光線I5,Aを生じるマイクロ層パケットであるか又はこれを含んでもよい。上記のようにこのマイクロ層パケットは回転対称又は非対称であり得、これはマイクロ層パケットが実質的にミラーであるか又は偏光子であるかを決定することに留意する。遮蔽層754が実質的に偏光子である場合、これは(いくつかの場合において)放射エネルギーIO,A(並びにエネルギーI1,A及びI2,A)がこのような偏光子の遮蔽軸にそって直線的に偏光されるように調整されることが望ましい場合がある。あるいは、例えば、遮蔽層754が実質的にミラーである場合、放射エネルギーIO,A(エネルギーI1,A及びI2,A)は偏光又は非偏光のいずれかであり得、これは、個別の光学フィルムの設計によって選択的加熱作業に影響を有して又は有さなくてもよい。I3,A及びI4,Aとして図中に表される、第2フィルム756に入り、出る残存強度はそれぞれ、第2書き込み可能フィルム756の処理、例えば、複屈折性の低減を所望のレベルに制限するために十分に低減される。遮蔽層754が、選択される初期衝突エネルギーIO,Aに対して十分強力である場合、これらの残存強度は両方とも下限IL,2より低く、第2フィルム756における複屈折性の著しい低減は生じない。
斜めの入射光線に関し、放射エネルギーIO,Bが第1書き込み可能フィルム752に衝突する。この放射エネルギーIO,Bは、上記に従い、直線的に偏光され得るか又はこれは非偏光であり得る。エネルギーI6,Bのいくらかが第1外側表面から反射し、第1フィルム752に入るより低いエネルギーI1,Bを生じる。p偏光が供給され、ブリュースター角付近で斜めに処理されて、外側表面からの反射損失を制限するように、レーザー偏光を配置することが有利であり得る。入射エネルギー強度I1,Bは、所望のレベルにおける第1フィルムの複屈折性を維持するために、第1フィルムの変化が十分に低いレベルに維持されるように、十分に低い。I1,BがIL,1より低いとき、2つの書き込み可能フィルムの完全に別個の操作が可能である。斜角は、遮蔽層754の反射帯域が書き込み波長を実質的に避けるようにシフトするように選択され、遮蔽層754を通じた入射光線I2,Bの実質的な通過を可能にする一方で多くても非常に弱い反射光線I5,Bのみを提供する。したがって、光線I3,Bは、所望のレベルの処理を得るために十分な強度で第2フィルム756に入り、出射光線I4,Bは依然として、第2フィルム756の後部又は遠位部分を処理するために十分な強度である。第2フィルムの複屈折性の完全な排除のために、I4,Bは少なくとも約IU,2であるべきである。
図7Bは、二段階内部パターン化のために適合される別の複合光学フィルム760の概略側面図である。フィルム760はいくつかの場合において、フィルム750の遮蔽層754が十分に回転非対称である場合、例えばこれが反射性偏光子である場合、フィルム750と同一であり得る。いずれにせよ、図7Bのフィルム760は、フィルム750と同様に、その構成光学フィルムの少なくとも2つの別個の処理又はパターン化を可能にするように具体的に設計され、即ち、これは、図4Aと関連して記載されるフィルムと同様の二段階内部パターン化のために設計されている。フィルム760は、実質的に回転非対称な遮蔽層764を組み込み、遮蔽層764は好ましくは遮蔽軸及び透過軸を有する多層反射性偏光子である。かかる遮蔽層は、書き込み波長で、好適な強度、即ちフルーエンスの垂直入射光の第1ビームが、遮蔽層の遮蔽軸に沿って実質的に線状に偏光されるのを可能にし(この第1ビームは、「遮蔽軸」偏光に関して下付き文字「B」によって図7Bに示されている)、第2光学フィルム766(これは図7Aにおいて光学フィルム756として同じであってもよい)を実質的に処理する、又はパターン化することなく、第1旺角フィルム762(これは図7Aにおいて光学フィルム752と同じであってもよい)を処理する、又はパターン化するのに使用される。回転非対称な遮蔽層はまた、好適なフルーエンスの第2光線を可能にするが、第2光線はまた垂直入射であり、また書き込み波長を含むが、第1光線と垂直に、かつ好ましくは遮蔽層764と平行に偏光され(この第2光線は図7Bにおいて、「透過軸」偏光に関し下付き文字「P」によって示される)、第1フィルム762を実質的に処理又はパターン化することなく第2フィルム766を処理又はパターン化する。
図7Bを更に参照し、第1フィルム762(これはまた、複合フィルムを処理するか又は書き込むために使用される入射光の視点から「前部」フィルムと称され得る)は下限IL,1及び上限IU,1を有し、一方で第2フィルム766(これは、同様の理由で「後部」フィルムと称され得る)は下限IL,2及び上限IU,2を有する。第1フィルム及び第2フィルムは同様に、各パケットを横断するエネルギーの一部γ及びγを吸収する。偏光感応性遮蔽層764は、遮蔽偏光状態においてそこに衝突する書き込み波長の光の一部βを通し、そこに衝突する書き込み波長の光の一部βを通し、ここでβは、βよりも大きい。本記載の目的のために、遮蔽層764は反射性偏光子であるものと想定する。好ましくは、遮蔽層の吸収は極僅かであり、その結果反射する書き込み波長の光の量は、したがって、遮蔽状態及び透過状態においてそれぞれ、1−βB及び1−βPである。
図7Bに図示される様々な光線は、これらの通路の様々な点における2つの伝搬する書き込み光線の強度及びフルーエンス状態を表す。図に示されるものの他に、様々な外部及び内部表面からの追加的な反射がまた一般的に存在するため、図に示される光線は、例示のみを意図される。ここに記載される関係式は、説明目的のための第1近似であることを意図される。光線I1,Bは、外側表面からの第1反射の後の、第1初期書き込み波長光線の残りであり、即ち、I1,Bは(1−R)I0,Bであり、式中Rは外側表面から反射する一部である。光線I2,Bは、第1フィルム762を横断した後のI1,Bの残りの吸収されていない部分である。したがって、I2,Bは、積(1−γ)I1,Bである。遮蔽層764から反射された光線I5,Bは、(1−β)I2,Bであり、これは、フィルム760の前面に再び到達した後にI6,Bまで低減する。したがって、I6,Bは(1−γ)(1−β)I2,Bである。遮蔽層における吸収が無いと、第2フィルム766に入るI3,Bは、β2,Bである。最後に、第2フィルムの後部における光線I4,Bは次に(1−γ)β2,Bである。
第2書き込み波長ビームIO,Pは、勿論、βとβ都の間の差により、遮蔽層764が、第2ビームを第1ビームよりも透過することを除き、第1ビームIO,Bと類似の方法で複合フィルム760を伝播する。(更に、書き込み可能フィルム762、766もまた回転非対称であり得る程度まで、それらもまた、異なる変更状態を別々に伝播する。この記載の単純化のために、フィルム762、766は回転対称であるものと想定する。)第1フィルム762を遮蔽偏光状態において完全に書き込むために(第1光線を使用して)任意の点における合計フルーエンスは、前方の移動する光線と後方に反射する光線の合計、例えば、I2,B+I5,B及びI1,B+I6,B又は前部フィルムの中央部分の同様の量である。したがって、これらの合計は、IU,1より大きいべきである。その上、I3,BはIL,2より小さいべきである。透過状態での第2フィルム766への書き込みに関し(第2光線IO,Pを使用して)、十分かつ完全な別個の操作I2,P+I5,P及びI1,P+I6,Pは、IL,1より小さいべきであり、一方でI4,Pは、IU,2より大きいべきである。
更に、図7Bの複合フィルム760を参照して、第2、即ち後部フィルムを干渉することなく、第1、即ち前部フィルムを処理するために、それは様々な遮蔽状態の期間の強度から以下の一次近似まで続く。
(IL,2/IU,1)>β/(2−β
遮蔽状態が強くなり、βが0に近づくとこの拘束は、後部が、前部に衝突する遮蔽状態と完全に隔離されるために、理論上のものになる。偏光子が非効率になり、βが1(unity)に近づくと、IL,2はIU,1に近づき別個の処理性を提供する。しかしながら、この制限において、前部フィルムの後部においてフルーエンスがこのときIU,1よりも十分大きくなくてはならず、一方で後部フィルムの前部において、IL,2よりも十分に小さくなくてはならないため、操作のウィンドウは非常に小さくなる。同様に、それは前部フィルムを干渉することなく後部フィルムを処理するために、それは様々な遮蔽状態の用語の強度から、第1近似まで続く:
(IU,2/IL,1)<β/(2−β
透過状態が完全に透過性となり、βが1に近づくと、前部フィルムIL,1書き込み下限は単に、後部フィルムの書き込み上限IU,2を超える必要がある。透過状態が部分的に反射性になると、前部フィルムの書き込み下限は、1よりも大きい因数(例えば、(2−β)/β)により後部フィルムの書き込み上限を超えるべきである。最後に、各パターン化フィルムの書き込み閾値は、このパケットの吸収率と緊密に関連することに留意するべきである。
図4A、7A及び7Bはそれぞれ、2つの書き込み光学フィルムを有する多層光学フィルムを表す。しかしながら、上記のように、二段階内部パターン化はまた、3つ以上の個別の書き込み可能光学フィルムを内部に有する複合フィルムを包含し得る。このような場合、2つ以上の遮蔽層及び3つ以上の書き込み可能フィルムが使用され得る。追加的な遮蔽層は、両面照射処理を可能にする種類又は可能な片面照射処理に対して角シフト反射帯域を利用する種類のものであり得る。フィルム750(図7A参照)のものに対する1つの代替的な実施形態において、第2遮蔽層(反射性多層パケットを含む)が第2書き込み可能フィルム756の上に配置され、第3書き込み可能フィルムがその後第2遮蔽層の上に配置される。したがって、第2書き込み可能フィルム756がここでは、2つの遮蔽層の間に狭持される。第2遮蔽層は、第1遮蔽層754のものよりも広い反射帯域を有してもよく、それによって図7Aに表される斜角での下からの入射光が、第3フィルムが第2フィルム756を処理するために使用される斜角において実質的に修正又は処理されないように、第2遮蔽層によって依然として十分に遮蔽される。この別の実施形態の第1の2つのフィルム752、756はしたがって、図7Aに表されるように別個に処理され得、一方で第3書き込み可能フィルムは、第2フィルムにおいて使用されるものよりも更に高い斜角で処理され得る。第2フィルムと第1フィルムとの間の関係と同様に、第3書き込み可能フィルムは次いで、第2フィルムよりも更に高い吸収率を有する場合がある。あるいは、第1の2つのフィルム752、756は図7Aにおいて表されるように処理されてもよく、一方で第3フィルムは構成体の反対側の側から処理されてもよい(即ち、図7Aの頂部からの入射光線を使用して)。追加的な書き込み可能フィルム及び遮蔽層がまた追加され得る。例えば、二段階内部パターン化可能複合フィルムが、図7Aに図示される種類の2つのフィルムをその間に狭持される、構成フィルムを実質的に隔離する第3遮蔽層と一緒に積層することによって、4つの個別の書き込み可能光学フィルムを含む場合があり、第1フィルムは下からの垂直入射光で処理され、第2フィルムは下からの斜めの入射光で処理され、第2フィルムは下からの斜めの入射光によって処理され、第3フィルムは上からの垂直入射光で処理され、第4フィルムは上からの斜めの入射光で処理される。
いくつかの実施形態において、二段階パターン化可能複合フィルム内の3つの書き込み可能フィルムは、フィルムの同じ側から、同じ書き込み波長で別個に書き込むか又は処理することができる。このような処理に適合する1つのフィルム構成は、一対のパターン化可能フィルムの間の偏光(回転非対称)遮蔽層及び別のフィルムの対の間の帯域シフト遮蔽層を利用する。1つのこのようなフィルム構成は、図4Aのフィルム430から始まり、ここで遮蔽層416bは反射性偏光子であり、それによって遮蔽層の遮蔽軸に沿って直線的に偏光される(高フルーエンス)第1垂直入射光線は第1又は前部フィルム416aを処理するか又はこれに書き込むことができ、遮蔽層の透過軸に沿って直線的に偏光される(低フルーエンス)第2垂直入射光線は第2フィルム416cを処理するか又はこれに書き込むことができる。入射角と共にシフトする反射帯域を提供する第2遮蔽層(本明細書において帯域シフト遮蔽層と称される)がその後この複合フィルムに追加され、第2フィルム416cの下に定置される。このような第2遮蔽層は、好適に設計されたマイクロ層のパケットであるか又はこれを含み得る。2つの外の書き込み可能フィルム(416a及び416b)に加え、第3の書き込み可能フィルムが、次いで第2フィルムの下に配置される。(3つの書き込み可能フィルムは、所望される場合は、同じ波長の選択的吸収体を全て、しかし異なる濃度において組み込み、フィルムに関して異なる書き込み閾値をもたらす。)この新しい複合フィルム構造を用いて、前述の後部書き込み可能フィルム416cはここで2つの遮蔽層によって挟まれる。前部(416a)及びここで中央(416c)フィルムが、同じ書き込み波長であるが異なる偏光の第1及び第2垂直入射光線を使用して、先と同じように処理され得る。この実施形態の第2遮蔽層(帯域シフト遮蔽層)は好ましくは、第3又は後部フィルムが第1及び第2光線によって影響されないように、垂直入射における両方の偏光状態を十分に遮蔽するように設計される。この第3フィルムは、フィルム416a又は416cのいずれよりも低い書き込み閾値を有するように設計され、第3の方向付けられた光線(これは好ましくは第1及び第2光線と同じ書き込み波長を含む)で、第2遮蔽層が第3光線を高度に透過させるように、第2遮蔽層の反射帯域を書き込み波長から遠ざけるようにシフトさせるために十分な斜角で処理される。(偏光)遮蔽層458の反射帯域がまた斜角において十分にシフトする場合、遮蔽層458は任意の偏光状態において高度に透過性であり得、この場合第3の方向付けられた光線は所望により、偏光又は非偏光のいずれかであり得る。
上の段落で直前に記載されたものに対する代替的な手法において第2遮蔽層及び第3書き込み可能フィルムはまた、図4Aの第2書き込み可能フィルム(416c)の下に定置される。第1の2つのフィルム(416a及び416c)は、同じ書き込み波長であるが異なる偏光の第1及び第2垂直入射光線を使用して処理される。第3フィルムは第1及び第2光線に対し、複合フィルムの反対側から入射する(即ち、図の頂部からではなく底部から)第3の方向付けられた光線(これは好ましくは第1及び第2の光線と同じ書き込み波長を含む)で処理され得る。1つ以上の追加的な書き込み可能フィルム及び遮蔽層の追加による、更なる実施形態が想到される。例えば、図7aに図示される種類の2つの複合フィルムが、反対側からの処理のために、このようなフィルムの間に配置される遮蔽層と組み合わされ、処理効果を反対側から隔離することができる。開示される二段階パターン化可能フィルムのより更なる組み合せ及びバリエーションもまた想到され得る。
図8A〜8Cは、パターン化複合フィルムの異なる第2ゾーンの概略平面図を提供し、表されるゾーンを形成することができるフィルムに対し、方向付けられた光線の可能な経路がその上に重ねられている。図8Aにおいて、光線がパターン化可能複合フィルム810で方向付けられ、経路816に沿って始点816aから終点816bまで制御された速度で走査され、任意の形状のゾーン814においてフィルムを選択的に加熱してこれを第1ゾーン812から区別する。図8B及び図8Cは同様である。図8Bにおいて、矩形の形状をなすゾーン824においてフィルムを選択的に加熱して、そのゾーン824を隣接する第1のゾーン822と区別するために、光ビームがパターン化可能複合フィルム820に向けられており、制御された速度で始点826aから経路826に沿って走査されている。図8Cにおいて、光線がパターン化可能複合フィルム830で方向付けられ、不連続な経路836〜842などに沿って制御された速度で走査され、フィルムを矩形ゾーン834内で選択的に加熱してこれを隣接する第1ゾーン832から区別する。図8A〜8Cの各々において、加熱は、第1のゾーンにおける少なくとも一部の内部層若しくは材料の複屈折性を維持する一方で、第2のゾーンにおけるそれらの層の複屈折性を低減又は排除するのに十分なものであり、第2のゾーンにおける層若しくはフィルムの構造的完全性を維持しながらも、第2のゾーンに選択的に圧力を加えることなく達成される。
方向付けられた光線はまた、破線、点線ないしは別の方法により断続的な又は不連続な経路を生成するように調節されてもよい。調節は完全であってもよく、光線強度は100%即ち「完全にオン」から0%即ち「完全にオフ」まで変化する。あるいは、調節は部分的であってもよい。更に、調節は、光線強度の急峻な(例えば、段階的な)変化を含んでもよく及び/又はこれは光線強度のより漸増的な変化を含んでもよい。
図9A及び9Bは、パターン化可能フィルムの吸収率が、最適な局部的加熱を提供するためにどのように調整され得るか又はされるべきかという問題に対処する。図9A及び図9Bのグラフは、同じ水平方向の縮尺でプロットされ、これは放射光線がフィルムを伝搬する際のその深さ又は位置を表す。0%の深さはフィルムの前面に対応し、100%の深さがフィルムの後面に対応する。図9Aは放射光線の相対的強度I/Iを垂直軸に沿ってプロットする。図9Bは、フィルム内の各深さにおける局部的吸収係数(放射光線の選択される波長又は波長帯域)をプロットする。
3つの異なるパターン化可能光学フィルムの実施形態に関し、3つの曲線が各図においてプロットされる。第1実施形態において、フィルムは、方向付けられた光線の波長において、その厚さ全体にわたり、実質的に均一で低い吸収率を有する。この実施形態は、図9Aの曲線910及び図9Bの曲線920としてプロットされる。第2実施形態において、フィルムは、その厚さ全体にわたり、実質的に均一かつ高い吸収率を有する。この実施形態は、図9Aの曲線912及び図9Bの曲線922としてプロットされる。第3実施形態において、フィルムはその厚さの領域915a及び915c全体にわたり比較的低い吸収率を有するが、その厚さの領域915bにおいて中間的な吸収率を有する。
第1実施形態は、多くの場合において低すぎる吸収係数を有する。方向付けられた光線は、曲線910の一定の傾斜によって示されるように、深さの関数として均一に吸収され、これはいくつかの場合において望ましい場合があるが、100%の深さにおける曲線910の高い値によって示されるように、極僅かな光が実際に吸収され、これは高い割合の方向付けられた光が無駄になることを意味する。それでもなお、いくつかの場合においてこの第1実施形態は、いくつかのフィルムの処理において依然として非常に有用であり得る。第2実施形態は、多くの場合において高すぎる吸収係数を有する。実質的に全ての方向付けられた光線が吸収され、無駄がないが、高吸収率により過剰な量の光がフィルムの前面で吸収されて、これがフィルムの表面に損傷を生じ得る。吸収率が高すぎると、フィルムの前面又はその付近における層を損傷することなく、関心の内側層若しくは材料に適切な量の熱を供給することができない。第3実施形態は、例えば、フィルムの選択される内側層内に吸収剤を組み込むことによって達成され得る不均一な吸収特性を利用する。吸収率のレベル(局部的な吸収係数によって制御される)は、望ましくは中間的なレベルに設定され、それによって方向付けられた光線の適切な部分がフィルムの調整された吸収領域915bに吸収されるが、吸収率は、反対側の端部と比較して過剰な量の熱が領域915bの入射端部に供給されるほど高くはない。多くの場合において、吸収領域915bの吸収率は依然として適度に弱く、例えば、この領域における相対的な強度特性914は、例えば915a及び915cなどの他の領域よりも単純により急な傾斜を有し、より直線として見える場合がある。吸収率の適切さは、この吸収率を、所望の効果を達成するための入射する方向付けられた光線のパワー及び持続時間に対して調和させることによって決定されてもよい。
第3の実施形態の代表的な実施例において、パターン化可能なフィルムは、それらの間に1つ以上のパケットのマイクロ層を備える2つの厚い表面薄層の構造体を有してもよく(2つ以上のマイクロ層パケットが含まれる場合は、保護境界層によって分離される)、フィルムは2つのポリマー材料A及びBのみから構成されてもよい。その吸収率を中程度のレベルまで増加させるために吸収剤がポリマー材料Aに組み込まれるが、ポリマーBには吸収剤は組み込まれない。両方の材料A及びBが、マイクロ層パケットの交互の層に提供されるが、表面薄層及び保護境界層は、存在する場合、ポリマーBのみから構成される。このような構成体は、弱い吸収性材料Bの使用のために、フィルムの外側表面、即ち表面薄層において低い吸収率を有するが、また光学的に厚いPBLs(存在する場合)においても低い吸収率を有する。この構成体は、交互のマイクロ層(より弱い吸収性材料Bの交互のマイクロ層と)中のより強い吸収性材料Aの使用により、マイクロ層パケット内のより高い吸収率を有する。そのような配列は、外表面層にではなく、フィルムの内部層に、例えば1つ以上の内部マイクロ層パケットに熱を優先的に運ぶために用いられ得る。好適に設計されたフィードブロックでは、多層光学フィルムは3つ以上の異なる種類のポリマー材料(A、B、Cなど)を含む場合があり、フィルムの選択される内側層、パケット又は領域に熱を供給するように広範な種類の異なる吸収特性を提供するため、吸収剤が、1つ、いくつか又は全ての材料に組み込まれ得るということに留意されたい。他の場合では、PBL又は更に表面薄層(存在する場合)に吸収剤を含むことが有用であり得る。いずれの場合においても、充填量又は濃度は同じ又は異なる(マイクロ層内におけるよりも高い又は低い、のいずれか)場合がある。
先行の実施形態のものと同様の吸収特性が、多層光学フィルムにおいて使用される様々な本来の材料の固有の吸収特性を使用して得ることができる。したがって、所与の複合フィルム構成体は、複合フィルムの様々な層又はフィルムにおいて異なる吸収特性を有する異なる材料を含んでもよく、これらの様々な層又はフィルムはフィルム形成中に一緒に形成されていてもよく(例えば、共押出により)又は例えば積層によって後に組み合せられる別個の前駆フィルムとして形成されていてもよい。
STOFフィルム及び物品はしたがって、多種多様のディスプレイ及び他の幅広い領域の光電式デバイス、例えばバックライト、標識、照明、チャネル文字、光ガイド、又は光パイプシステムなどで使用することができる。そのような装置は、偏光又は非偏光を放射してもよい。そのような装置は、白色光、即ち通常の観察者から通常白と認識される光、又は白以外の特定の光を放射してもよい。そのような装置は、例えば液晶、有機発光デバイス(OLED)、及び/又は発光ダイオード(LED)のアレイを含んでもよい。かかるデバイスは、3次元ディスプレイ、例えば立体表示ディスプレイであってもよく、又はこれを含んでもよい。そのようなデバイスは、透過型ディスプレイ、反射型ディスプレイ、及び/又は半透過型ディスプレイであってもよく、又はこれを含んでもよい。かかるデバイスは、エッジライト型及び/又は直下型でディスプレイを含んでもよい。
本明細書に開示のこれらのフィルム、方法、及び業務プロセスは、配向の程度を空間的に制御することが望まれる任意の用途において、概して有用となり得る。関心の領域としては、例えば、ディスプレイ、装飾及びセキュリティ用途が挙げられる。いくつかの用途は、複数の領域に跨る場合がある。例えば、いくらかの物品は、例えば、しるしの形態の従来的なパターン化を含むフィルム、基材又は他の層と組み合わせた、本明細書において開示される内部パターン化フィルムを組み込み得る。得られる物品は、セキュリティ用途において有用であり得るが、その型はまた装飾的であるとみなすこともできる。このような物品の選択的な熱処理は、内部パターン化フィルムの設計によって、他のフィルムの従来的なパターンの部分を選択的に阻害するか(反射率を増加させることにより)又は暴露する(反射率を低減させることにより)、内部パターン化フィルムにおけるゾーンを生成し得る。
更にセキュリティ用途に関し、開示されるフィルムは、IDカード、運転免許証、パスポート、アクセス制御パス、金融取引カード(クレジット、デビット、プリペイド又は他の)、ブランド保護又はIDラベルなどを含む様々なセキュリティ構成体において使用され得る。フィルムは、セキュリティ構成体の他の層又は部分の内側又は外側層として積層されるかないしは別の方法で接着され得る。フィルムがパッチとして含まれるとき、これは、カード、ページ又はラベルの主表面の一部のみを被覆し得る。いくつかの場合において、セキュリティ構成体の基材又は唯一の要素としてフィルムを使用することが可能であり得る。フィルムは、ホログラム、印刷画像(凹版、オフセット、バーコードなど)、再帰反射性機構、UV又はIR活性化画像などの、セキュリティ構成体の多くの機構の1つとして含まれ得る。いくつかの場合において、開示されるフィルムはこれらの他のセキュリティ機構と組み合わせて層化され得る。フィルムは、例えば、署名、画像、個人用コード番号などの個人化可能な機構をセキュリティ構成体に提供するために使用され得る。個人化可能な機構は、個人用文書ホルダー又は特定の製品、例えば、製造者タグ、ロット認証タグ、不正開封防止コードなどの場合、に関連し得る。個人化可能機構は線及び点のパターンを含む様々な走査パターンで作製され得る。パターンは、フィルム構成によって、書き込み可能層において同じ又は異なる場合がある。
開示されたフィルムは、顕在的な(例えば、通常の観測者に明確に視認可能である)セキュリティ機構と潜在的なセキュリティ機構の両方を、セキュリティ構造体に設けることができる。例えば、書き込み可能な複合位相差フィルムは、偏光分析器によって可視の潜在的機構(例えば、分析器の偏光状態によって現れるか又は消える機構)を提供することができる。
開示されるパターン化可能フィルムを使用して作製することができる追加の有用な物品には多種多様な身元確認資料(ID文書)が挙げられる。用語「ID文書」は、幅広く定義され、パスポート、運転免許証、国籍IDカード、社会保証カード、投票物登録及び/又は身元確認カード、出生証明書、警察IDカード、国境通過カード、安全検査バッジ、セキュリティカード、ビザ、入国書類及びカード、銃許可証、会員カード、電話カード、保管された照合値(value)カード、従業員バッジ、デビットカード、クレジットカード、並びに商品券及びカードを含むがこれらに限定されないことを意図する。ID文書はまた「セキュリティ文書」と呼ばれることがある。本開示の物品は、ID文書であってもよく、又はID文書の一部であってもよい。本開示のパターン化可能フィルムを使用して作製することができる他の有用な物品には、数値のカラーイメージ及び項目を含む物品であって、通過、紙幣、小切手、株券を含む、偽造又は改ざんに対して保護するために、アイテムの信ぴょう性が重要である物品、並びに製品タグ、製品梱包、ラベル、チャート、マップ等上の説明のための、装飾のための、又は認識可能なマーク若しくはしるしを作るのに使用することができる物品が挙げられる。
本開示のパターン化可能フィルムを使用することができる、更により有用な物品には、パスポート、IDバッジ、催し物の入場券、アフィニティーカード、検証又は信憑性のための商品識別フォーマット及び広告販促、ブランド強化画像、警察、消防又は他の緊急用車両のためのエンブレムなどの図形用途における身分・識別証明提示画像として、キオスク、夜間電光表示、及び自動車ダッシュボードディスプレイのような図形用途における情報提示画像として、並びに業務用名刺、品質表示票、美術品、靴及びボトル製品のような製品上の合成画像の使用による新規性強化としてなど、多様な用途に使用可能であるものが挙げられる。
最後に、セキュリティ用途に関してここで記載される機構の多くが装飾用途において同様に有用であることに留意すべきである。例えば、個人化ロゴがしたがって、消費者物品内に埋め込まれ得る。
本願の教示は以下の本願と同一譲受人に譲渡され、本明細書に援用するいずれかの教示と組み合わせて使用することができる:PCT公開WO 2010/075357号(Merrillら)、「Internally Patterned Multilayer Optical Films Using Spatially Selective Birefringence Reduction」;同WO 2010/075340号(Merrillら)、「Multilayer Optical Films Having Side−by−Side Mirror/Polarizer Zones」;同WO 2010/075373号(Merrillら)、「Multilayer Optical Films Suitable for Bi−Level Internal Patterning」;同WO 2010/075363号(Merrillら)、「Internally Patterned Multilayer Optical Films With Multiple Birefringent Layers」;及び同WO 2010/075383号(Merrillら)、「Multilayer Optical Films Having Side−by−Side Polarizer/Polarizer Zones」;並びに2010年6月30日出願の以下の米国特許出願第61/360,124号(代理人整理番号66469US002)、「Diffuse Reflective Optical Films With Spatially Selective Birefringence Reduction」;同第61/360,129号(代理人整理番号66474US002)、「Mask Processing Using Films With Spatially Selective Birefringence Reduction」;同第61/360,022号(代理人整理番号66267US002)、「Multi−Layer Articles Capable of Forming Color Images and Methods of Forming Color Images」;及び同第61/360,032号(代理人整理番号66498US002)、「Multi−Layer Articles Capable of Forming Color Images and Methods of Forming Color Images」。
多くの場合では、材料層又は位相は、材料を構成する分子のために複屈折を呈する。いくつかの場合では、媒質(有効媒質と呼ばれることもある)は、分子距離と比較して大きいが、光の波長と比較して小さい寸法を有する微細構造のために複屈折を呈することもある。かかる媒質の例示の例は、異なる光透過型材料の極薄層の積層物である。米国特許第6,590,707号(Weber)を参照のこと。複屈折性材料の有効媒質はしたがって、例えば交互のポリマー材料の極薄の積層体であってもよく、又はこれを含んでもよく、ここでそれぞれの層の光学厚さは1/4波長未満、好ましくは1/8波長未満の厚さである(例えば、厚さ150nm未満、100nm未満、又は50nm未満)。そのような媒質は一般に本開示の実施形態に使用することができる。
特記しない限り、本明細書及び「特許請求の範囲」で使用されている量、性質の測定などを表現する全ての数は、用語「約」により改変されていると理解されるべきである。したがって、反することが示されない限り、本明細書及び添付特許請求の範囲に記載の数値的パラメーターは、本発明の教示を利用して当業者により得ることが求められる所望の性質に応じて変化する近似値である。均等論を特許請求の範囲の範疇に適用することを制限しようとする試みとしてではなく、各数値パラメーターは少なくとも、記録された有効数字の桁数を考慮して、又通常の四捨五入を適用することによって解釈されるべきである。本発明の広範な範囲を示す数値範囲及びパラメーターは近似であるにも拘わらず、いかなる数値も本明細書で述べられる具体的な例で示される程度に、これらは妥当に可能な限り精確に報告される。しかしながら、いかなる数値も試験及び測定の限界に関連する誤差を含み得る。
本発明の様々な修正及び変更は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱せずに当該技術分野の当業者に明らかとであり、本発明は、ここに記載された例示的な実施形態に限定されないことが理解されるべきである。例えば、1つの開示実施形態の特徴は、別に記載のない限り、他の開示実施形態全てにも適用され得ることを、読者は推定すべきである。また、本明細書において参照された全ての米国特許、公開特許出願、並びに他の特許及び非特許文書は、それらが上述の開示に矛盾しない範囲において、参照によって全てが組み込まれることが理解されるべきである。
本発明はまた、以下の項目1〜33の内容を包含する。
(1)
複合位相差フィルムであって、
第1の光の位相差をもたらす第1フィルムであって、前記第1フィルムは、書き込み波長を含む光に暴露された際に、前記第1フィルムの構造的一体性を維持したままで、前記第1の光の位相差を第3の光の位相差に変えるのに十分な量で前記第1フィルムを吸収加熱するのに好適な第1吸収特性を有する、第1フィルムと、
第2の光の位相差をもたらす第2フィルムであって、前記第2フィルムは、書き込み波長を含む光に暴露された際に、前記第2フィルムの構造的一体性を維持したままで、前記第2の光の位相差を第4の光の位相差に変えるのに十分な量で前記第2フィルムを吸収加熱するのに好適な第2吸収特性を有する、第2フィルムと、
前記第1フィルムと前記第2フィルムとの間に配置された第1遮蔽層であって、前記書き込み波長の光を少なくとも部分的に遮蔽するように適合された第1遮蔽層と、を備える、複合位相差フィルム。
(2)
前記第1の光の位相差及び前記第2の光の位相差が実質的に同じである、項目1に記載のフィルム。
(3)
前記第1の光の位相差及び前記第2の光の位相差が実質的に異なる、項目1に記載のフィルム。
(4)
前記第1の光の位相差が1/2波長位相差であり、前記第2の光の位相差が1/4波長位相差である、項目3に記載のフィルム。
(5)
前記第3の光の位相差が、前記第1の光の位相差よりも小さく、前記第4の光の位相差が前記第2の光の位相差よりも小さい、項目1に記載のフィルム。
(6)
前記第1フィルムが第1進相軸を有し、前記第2フィルムが第2進相軸を有し、前記第1進相軸及び前記第2進相軸は実質的に平行である、項目1に記載のフィルム。
(7)
前記第1フィルム及び前記第2フィルムが、前記複合フィルムの内部層である、項目1に記載のフィルム。
(8)
第5の光の位相差をもたらす第3フィルムであって、前記第3フィルムは、書き込み波長を含む光に暴露された際に、前記第3フィルムの構造的一体性を維持したままで、前記第5の光の位相差を第6の光の位相差に変えるのに十分な量で前記第3フィルムを吸収加熱するのに好適な第3吸収特性を有する、第3フィルムと、
前記第3フィルムと、前記第1及び第2フィルムのうちの少なくとも1つとの間に配置された第2遮蔽層と、を更に備える、項目1に記載のフィルム。
(9)
前記第1遮蔽層が反射型STOFフィルムを含む、項目1に記載のフィルム。
(10)
複合フィルムであって、
第1の光の位相差をもたらす位相差フィルムと、
光学フィルムであって、前記位相差フィルムによって伝播された少なくとも一部の光が、前記光学フィルムに衝突するように前記位相差フィルムに接続され、第1の反射特性をもたらす、光学フィルムと、を備え、
前記位相差フィルムは、第1光ビームに暴露された際に、前記光学フィルムの前記第1反射特性を変えることなく、かつ、前記位相差フィルムの構造的一体性を維持したままで、前記第1の光の位相差を第2の光の位相差に変えるのに十分な量で、前記位相差フィルムを吸収加熱するのに好適な第1吸収特性を有し、
前記光学フィルムは、第2光ビームに暴露された際に、前記位相差フィルムの前記第1の光の位相差を変えることなく、前記第1の反射特性を第2の反射特性に変えるのに十分な量で前記光学フィルムを吸収加熱するのに好適な第2吸収特性を有する、複合フィルム。
(11)
前記第2吸収特性が、前記第2光ビームに暴露された際に、前記光学フィルムの構造的一体性を維持したままで、前記第1の反射特性を前記第2の反射特性に変えるのに十分な量で前記光学フィルムを吸収加熱するのに好適である、項目10に記載のフィルム。
(12)
前記光学フィルムが、前記第1反射特性をもたらすために、強め合う干渉又は弱め合う干渉によって光を選択的に反射するように配置された第1群のマイクロ層を含む、項目10に記載のフィルム。
(13)
前記第1群のマイクロ層が前記複合フィルムの内部にある、項目12に記載のフィルム。
(14)
前記光学フィルムが混合層を含み、少なくとも第1材料及び第2材料は前記混合層内で別個の第1相及び第2相に配列されている、項目10に記載のフィルム。
(15)
前記第1相及び前記第2相のうちの少なくとも1つが連続相であり、かつ複屈折性である、項目14に記載のフィルム。
(16)
前記光学フィルム及び前記位相差フィルムが、共押出ポリマーフィルムの構成要素である、項目10に記載のフィルム。
(17)
前記位相差フィルムが、前記共押出ポリマーフィルムの内部層である、項目16に記載のフィルム。
(18)
パターン化位相差フィルムを作製する方法であって、
第1の光の位相差をもたらす第1フィルムと、第2の光の位相差をもたらす第2フィルムと、を含む複合位相差フィルムであって、前記第2フィルムは、前記第1フィルムによって伝播された少なくとも一部の光が、前記第2フィルムに衝突するように配置される、複合位相差フィルムを設けることと、
前記複合位相差フィルムにおいて第1光ビームを方向付けて、前記第2の光の位相差を実質的に変えることなく、前記第1の光の位相差を第3の光の位相差に変えることと、
前記複合位相差フィルムにおいて第2光ビームを方向付けて、前記第1の光の位相差を実質的に変えることなく、前記第2の光の位相差を第4の光の位相差に変えることと、を含む、方法。
(19)
前記複合位相差フィルムにおいて第1光ビームを方向付けることが、第1ゾーンにおいて前記第1フィルムを選択的に加熱して、前記第1ゾーンにおいて前記第1の光の位相差を前記第3の光の位相差に変え、前記複合位相差フィルムにおいて第2光ビームを方向付けることが、前記第1ゾーンとは異なる第2ゾーンにおいて前記第2フィルムを選択的に加熱し、前記第2ゾーンにおいて前記第2の光の位相差を前記第4の光の位相差に変える、項目18に記載の方法。
(20)
前記フィルムが、異なる第1、第2、及び第3フィルムの位相差を前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの異なる部分で呈するように、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンが部分的に重なり合う、項目19に記載の方法。
(21)
前記第1光ビームが書き込み波長を含み、前記第2光ビームも前記書き込み波長を含み、前記複合位相差フィルムが、前記書き込み波長の光を少なくとも部分的に遮蔽する遮蔽層を含む、項目18に記載の方法。
(22)
前記遮蔽層がSTOFフィルムを含む、項目21に記載の方法。
(23)
前記第1の光の位相差及び前記第2の光の位相差が実質的に同じである、項目18に記載の方法。
(24)
前記第1の光の位相差及び前記第2の光の位相差が実質的に異なる、項目18に記載の方法。
(25)
前記第1の光の位相差が1/2波長位相差であり、前記第2の光の位相差が1/4波長位相差である、項目18に記載の方法。
(26)
前記第3の光の位相差が前記第1の光の位相差よりも小さく、前記第4の光の位相差が前記第2の光の位相差よりも小さい、項目18に記載の方法。
(27)
前記第3の光の位相差及び前記第4の光の位相差のうちの少なくとも1つが、実質的にゼロ位相差である、項目18に記載の方法。
(28)
パターン化フィルムを作製する方法であって、
光学フィルム及び位相差フィルムを含む複合フィルムを設けることであって、前記光学フィルム及び位相差フィルムは、前記位相差フィルムによって伝播された少なくとも一部の光が、前記光学フィルムに衝突するように配置され、前記光学フィルムは第1の反射特性をもたらし、前記位相差フィルムは第1の光の位相差をもたらす、複合フィルムを設けることと、
前記複合フィルムにおいて第1光ビームを方向付けて、第1ゾーンにおいて前記第1の光の位相差を実質的に変えることなく、前記第1ゾーンにおいて前記第1の反射特性を異なる第2の反射特性に変えることと、
前記フィルムにおいて第2光ビームを方向付けて、第2ゾーンにおいて前記第1の反射特性を実質的に変えることなく、前記第2ゾーンにおいて前記第1の光の位相差を異なる第2の位相差に変えることと、を含む、方法。
(29)
前記複合フィルムを設けることが、第1及び第2ポリマー材料を共押出することを含む、項目28に記載の方法。
(30)
前記光学フィルムが、前記第1反射特性をもたらすように、強め合う干渉又は弱め合う干渉によって光を選択的に反射するように配置された第1群のマイクロ層を含む、項目28に記載の方法。
(31)
前記位相差フィルムが、前記複合フィルムの内部層である、請求28に記載の方法。
(32)
前記光学フィルムが、別個の第1相及び第2相に配列された少なくとも第1材料及び第2材料を内部に有する混合層を含み、前記第1の反射特性は、第1の拡散反射特性である、項目28に記載の方法。
(33)
前記複合位相差フィルムにおいて第3光線を方向付けて、前記複合層の位相に対する前記遮蔽層の寄与を実質的に除去することを更に含む、項目22に記載の方法。

Claims (5)

  1. 第1及び第2の略対向する面を有する複合位相差フィルムであって、
    第1の光の位相差をもたらす第1フィルムであって、前記第1フィルムは、書き込み波長を含む第1光ビームに暴露された際に、第2フィルムの第2の光の位相差を変えることなく前記第1フィルムの構造的一体性を維持したままで、前記第1の光の位相差を第3の光の位相差に変えるのに十分な量で前記第1フィルムを吸収加熱するのに好適な第1吸収特性を有する、第1フィルムと、
    前記第2の光の位相差をもたらす前記第2フィルムであって、前記第2フィルムは、書き込み波長を含む第2光ビームに暴露された際に、前記第1フィルムの前記第1の光の位相差を変えることなく前記第2フィルムの構造的一体性を維持したままで、前記第2の光の位相差を第4の光の位相差に変えるのに十分な量で前記第2フィルムを吸収加熱するのに好適な第2吸収特性を有する、前記第2フィルムと、
    前記第1フィルムと前記第2フィルムとの間に配置された第1遮蔽層であって、前記書き込み波長の光を少なくとも部分的に遮蔽するように適合された第1遮蔽層と、を備え、
    前記第1光ビーム及び第2光ビームは、前記複合位相差フィルムの同じ面に入射する、
    複合位相差フィルム。
  2. 第5の光の位相差をもたらす第3フィルムであって、前記第3フィルムは、書き込み波長を含む第3光ビームに暴露された際に、前記第1フィルムの第1の光の位相差と前記第2フィルムの第2の光の位相差とを変えることなく前記第3フィルムの構造的一体性を維持したままで、前記第5の光の位相差を第6の光の位相差に変えるのに十分な量で前記第3フィルムを吸収加熱するのに好適な第3吸収特性を有する、第3フィルムと、
    前記第3フィルムと、前記第1及び第2フィルムのうちの少なくとも1つとの間に配置された第2遮蔽層と、を更に備え、
    前記第1光ビーム、第2光ビーム、及び第3光ビームが、前記複合位相差フィルムの同じ面に入射する、
    請求項1に記載のフィルム。
  3. 複合フィルムであって、
    第1の光の位相差をもたらす位相差フィルムと、
    光学フィルムであって、前記位相差フィルムによって伝播された少なくとも一部の光が、前記光学フィルムに衝突するように前記位相差フィルムに接続され、第1の反射特性をもたらす、光学フィルムと、を備え、
    前記位相差フィルムは、第1光ビームに暴露された際に、前記光学フィルムの前記第1反射特性を変えることなく、かつ、前記位相差フィルムの構造的一体性を維持したままで、前記第1の光の位相差を第2の光の位相差に変えるのに十分な量で、前記位相差フィルムを吸収加熱するのに好適な第1吸収特性を有し、
    前記光学フィルムは、第2光ビームに暴露された際に、前記位相差フィルムの前記第1の光の位相差を変えることなく、前記第1の反射特性を第2の反射特性に変えるのに十分な量で前記光学フィルムを吸収加熱するのに好適な第2吸収特性を有し、
    前記第1光ビームが書き込み波長を含み、前記第2光ビームも前記書き込み波長を含み、前記複合フィルムが、前記位相差フィルム前記光学フィルムとの間に配置された遮蔽層であって、前記書き込み波長の光を少なくとも部分的に遮蔽するように適合された遮蔽層と、を備え、
    前記第1光ビーム及び第2光ビームが、前記複合フィルムの同じ面に入射する、
    複合フィルム。
  4. パターン化位相差フィルムを作製する方法であって、
    第1の光の位相差をもたらす第1フィルムと、第2の光の位相差をもたらす第2フィルムと、を含む複合位相差フィルムであって、前記第2フィルムは、前記第1フィルムによって伝播された少なくとも一部の光が、前記第2フィルムに衝突するように配置される、複合位相差フィルムを設けることと、
    前記複合位相差フィルムにおいて第1光ビームを方向付けて前記第1フィルムを選択的に加熱して、前記第2の光の位相差を実質的に変えることなく、前記第1の光の位相差を第3の光の位相差に変えることと、
    前記複合位相差フィルムにおいて第2光ビームを方向付けて前記第2フィルムを選択的に加熱して、前記第1の光の位相差を実質的に変えることなく、前記第2の光の位相差を第4の光の位相差に変えることと、を含み、
    前記第1光ビームが書き込み波長を含み、前記第2光ビームも前記書き込み波長を含み、前記複合位相差フィルムが、前記第1フィルムと第2フィルムとの間に配置された遮蔽層であって、前記書き込み波長を少なくとも部分的に遮蔽するように適合された遮蔽層を含み、
    前記第1光ビーム及び第2光ビームが、前記複合位相差フィルムの同じ面に入射する、
    方法。
  5. パターン化フィルムを作製する方法であって、
    光学フィルム及び位相差フィルムを含む複合フィルムを設けることであって、前記光学フィルム及び位相差フィルムは、前記位相差フィルムによって伝播された少なくとも一部の光が、前記光学フィルムに衝突するように配置され、前記光学フィルムは第1の反射特性をもたらし、前記位相差フィルムは第1の光の位相差をもたらす、複合フィルムを設けることと、
    前記複合フィルムにおいて第1光ビームを方向付けて、第1ゾーンにおいて前記第1の光の位相差を実質的に変えることなく、前記第1ゾーンにおいて前記第1の反射特性を異なる第2の反射特性に変えることと、
    前記複合フィルムにおいて第2光ビームを方向付けて、第2ゾーンにおいて前記第1の反射特性を実質的に変えることなく、前記第2ゾーンにおいて前記第1の光の位相差を異なる第2の位相差に変えることと、を含み、
    前記第1光ビームが書き込み波長を含み、前記第2光ビームも前記書き込み波長を含み、前記複合フィルムが、前記位相差フィルム前記光学フィルムとの間に配置された遮蔽層であって、前記書き込み波長の光を少なくとも部分的に遮蔽するように適合された遮蔽層と、を備え、
    前記第1光ビーム及び第2光ビームが、前記複合フィルムの同じ面に入射する、
    方法。
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