JP5992693B2 - 冷却器用薄板及びこれにて製作される冷却器の製法 - Google Patents
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Description
こうした状況の中で、比較的低消費電力型ヒートシンクの分野では、押出し成型タイプのヒートシンクが現在主流となっているが、引き抜き型のものも多く、近時は薄板をコルゲート状に繰り返し折り曲げ形成しベースプレートと接合させたいわゆるコルゲートフィンも多く使われるようになってきている。また、切削加工しか製造方法がないが故にコスト高であることから敬遠されているが、丸棒金属材料から、薄い円盤を何層にも切り出した、いわゆるディスク型フィンも採用されている。
また、薄板をコルゲート状に繰り返し折り曲げ形成しベースプレートと接合させたコルゲートフィンや、コルゲートの一部をオフセット曲げして放熱性を高めたオフセットフィンなどが開発された。これらは軽量化は果たすものとなったが、前記押出し型フィンなどと同様、一定方向に対して放熱性が高まるような指向性を有しており採用し得る箇所が制限される。また、ロウ付け加工なども必要であってフィンの大きさや形状、さらには保形のための制約があり、汎用性に欠けるものであった。
そしてこの場合における変形は、ねじれ・折曲のいずれか或いは双方によるものであって、伸びを含んでいない。即ち、例えばプレス機を用いて延伸加工を施すといった変形の在り方は除外される。換言すると、本発明における変形の在り方は、折り紙で再現し得るような形態のものであり、敢えて言えば、ねじれや折曲も微細な観察眼で見れば伸びを伴うものであるが、折り紙で再現し得る程度の伸びと、延伸加工等による伸びとを区別したものとして定義する。
従って、現実には厚みに関して上限は存在し、本発明者らが試作した範囲では1.5mm程度を超えるものは好ましくないという結果となった。しかし、材質、スリットの形状、使用するプレス機、等々によってはこれ以上の厚さに対応できる可能性もあり、既述したように本発明においてその数値を限定することはしない。
なお薄板の材質は、冷却器として機能し得るものであって、押圧して変形するものの破壊はされないという性状を有するものであるので、通常はアルミニウムや銅などの金属、場合によっては熱伝導性が良好とされるプラスチックが採用されるわけであるが、本発明においては材質を限定しない。
なお、1枚の薄板に2以上の中央部を設けても良い。
(1) 一定方向に整列したコルゲートフィン形状などではなく、あらゆる方向の対流を促進する低指向性冷却器となるものであるので、熱流の淀みが低減される。
(2) 押圧するだけで冷却器となり、従来のコルゲートやオフセットフィンなどに必要であった部材同士のロウ付け接合が不要であるため、軽量化や低コスト化が図り易い。
(3) 押しつける金型の寸法調整若しくはストローク調整によって、高低差の寸法を自由に調整することができる。
この時押圧に従って中央部2は鉛直方向に下降してゆくが、同時に雄金型の中心軸を中心とする回動を伴うため、雄金型先端部は回動可能としておくことが望ましい。これによって伸びを伴わない変形となる。
この本発明薄板1の中央部2を押圧すると、スリット変形によって中央部2と外周部4に高低差が生じることとなる。図8は、押圧変形後の冷却器10を概略的に示す斜視図である。各分画ゾーンは1本の帯状体となり、ジグザグ様のスロープが形成される。本例では、分画ゾーンを6つ設けたため中央部2の概形は正六角形となり、帯状体の本数も6本となったが、分画ゾーンの設定個数は3以上であれば何個であっても良い。
2 中央部
3 一群のスリット
31 スリット
32 向心スリット
33 帯状体形成スリット
34 断続スリット
4 外周部
5 プリント配線板
6a 発熱体
6b 発熱体
6c 発熱体
10 冷却器(完成品)
G 段差
Claims (4)
- 少なくとも一群のスリットが刻設された薄板若しくはこれにて製作される冷却器の製法であって、該薄板の該一群のスリットは、外周部を有し、且つ、中央部を取り囲む形で設けられており、該外周部から該中央部のみを押圧することで該スリット部分を、ねじれ・折曲のいずれか或いは双方によって変形させ、その結果、該一群のスリットの外周部と該一群のスリットの内部である該中央部が、該中央部が該一群のスリットにおける中央位置を維持した状態で押圧方向に高低差が生じることを特徴とする冷却器用薄板及びこれにて製作される冷却器の製法。
- 該一群のスリットは、該中央部の中心点からの距離と偏角の異なる2点を結ぶ曲線を1単位とし、これを該中心点を中心として等間隔に且つ交差しないように回転させる形で複数配置したものである請求項1記載の冷却器用薄板及びこれにて製作される冷却器の製法。
- 該一群のスリットは、該中央部の周囲を3以上に放射状に分画する向心スリットを有し、該向心スリットによって分画された個々の分画ゾーンは、両端いずれかの該向心スリットに連続する形で交互に設けられたスリットによってその両端の該向心スリットを往復する一本の帯状体となるものである請求項1記載の冷却器用薄板及びこれにて製作される冷却器の製法。
- 該一群のスリットは、同心且つ等間隔の複数の円周上に破線状に刻設されたエキスパンドメタル状のものである請求項1記載の冷却器用薄板及びこれにて製作される冷却器の製法。
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